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JP2020041089A - 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液 - Google Patents

未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液 Download PDF

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JP2020041089A
JP2020041089A JP2018170770A JP2018170770A JP2020041089A JP 2020041089 A JP2020041089 A JP 2020041089A JP 2018170770 A JP2018170770 A JP 2018170770A JP 2018170770 A JP2018170770 A JP 2018170770A JP 2020041089 A JP2020041089 A JP 2020041089A
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adhesion
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志郎 勢旗
Shiro SEHATA
志郎 勢旗
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Abstract

【課題】 防着性に優れ、かつ、粉塵汚染および起泡性の問題が抑制された未加硫ゴム用防着剤を提供する。【解決手段】 前記目的を達成するために、本発明の未加硫ゴム用防着剤は、下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とする。(A)脂肪酸アルカリ金属塩(B)脂肪酸と、アルカリ金属以外の金属との塩(C)グリフィン法によるHLBが9〜18である非イオン性界面活性剤【選択図】 なし

Description

本発明は、未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液に関する。
ゴムの生産加工の現場においては、未加硫ゴムの密着防止目的で、前記未加硫ゴムの表面に防着剤(離型剤、密着防止剤ともいう)を付着させることが行われる。未加硫ゴム用防着剤は、一般に、水分散液の形態にしてからゴム表面に付着させて用いる(特許文献1〜6等)。
特開昭50−149770 特開2013−001720 特開昭62−032127 特開2009−161667 特開2017−088686 特開昭56−047476
未加硫ゴム用防着剤としては、特許文献1〜4のように無機粉末を主成分とする防着剤が広く用いられている。しかし、このような防着剤は、ゴムに塗布する際、および塗布処理後に、粉塵が作業環境を悪化させるおそれがある。具体的には、例えば、無機成分由来の粉塵が作業環境および工場の汚染につながるおそれがある。
前記粉塵の問題を解決するために、例えば、特許文献5および6では、脂肪酸石鹸および脂肪酸金属石鹸を主成分とする未加硫ゴム用防着剤が提案されている。しかし、このような防着剤は、粉塵を抑えられる反面、防着性の低さ、または起泡性が問題となるおそれがある。このため、防着性、粉塵汚染、起泡性のすべての問題を解決しうる未加硫ゴム用防着剤が必要とされる。
そこで、本発明は、防着性に優れ、かつ、粉塵汚染および起泡性の問題が抑制された未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の未加硫ゴム用防着剤は、下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とする。

(A)脂肪酸アルカリ金属塩
(B)脂肪酸と、アルカリ金属以外の金属との塩
(C)グリフィン法によるHLBが9〜18である非イオン性界面活性剤
本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液は、本発明の未加硫ゴム用防着剤と、水と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、防着性に優れ、かつ、粉塵汚染および起泡性の問題が抑制された未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液を提供することができる。
以下、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、例えば、前記成分(A)中において、炭素原子数が16以上である脂肪酸アルカリ金属塩の割合が70質量%以上であってもよい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、例えば、前記成分(A)中において、不飽和脂肪酸アルカリ金属塩の割合が70質量%以下であってもよい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、例えば、さらに、下記成分(D)を含んでいてもよい。

(D)非膨潤性無機紛体
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、例えば、さらに、下記成分(E)を含んでいてもよい。

(E)合成樹脂ラテックス
本発明において、「アルキル」は、例えば、直鎖状または分枝状のアルキルを含む。本発明において、アルキル基は、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
本発明において、「アルキレン」は、例えば、直鎖状アルキレン(メチレンもしくはポリメチレン)または分枝状のアルキレンを含む。本発明において、アルキレン基は、特に限定されないが、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、エチリデン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基(プロピレン基)、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
以下、本発明の実施形態について、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
[1.未加硫ゴム用防着剤]
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、前述のとおり、下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とする。

(A)脂肪酸アルカリ金属塩
(B)脂肪酸と、アルカリ金属以外の金属との塩
(C)グリフィン法によるHLBが9〜18である非イオン性界面活性剤
[1−1.成分(A)]
成分(A)は、前述のとおり、脂肪酸アルカリ金属塩である。前記脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよいが、飽和脂肪酸が好ましい。前記アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびフランシウムがあげられ、例えば、ナトリウムまたはカリウムである。脂肪酸アルカリ金属塩(A)(成分(A))は、特に限定されず、1種類のみ用いても2種類以上併用してもよい。脂肪酸アルカリ金属塩(A)としては、特に限定されないが、例えば、炭素原子数が6〜30の脂肪酸ナトリウム塩またはカリウム塩であり、より具体的には、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の脂肪酸のナトリウム塩や、カリウム塩等があげられる。これらの脂肪酸石鹸(脂肪酸アルカリ金属塩)の中でも、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸のナトリウム塩や、カリウム塩等が、起泡性および溶解性の点で好ましく、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸のナトリウム塩およびカリウム塩がさらに好ましい。また、脂肪酸アルカリ金属塩(A)において、脂肪酸の平均炭素鎖長は、例えば、14以上、16以上、または18以上でもよく、24以下、22以下、または20以下でもよい。
成分(A)中において、炭素原子数が16以上である脂肪酸アルカリ金属塩の割合がなるべく多いことが好ましく、例えば、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、または90質量%以上であり、例えば、100質量%以下である。成分(A)中において、炭素原子数が16以上である脂肪酸アルカリ金属塩の割合が70質量%以上であると、疎水成分の分散性が向上し、スカム泡等の発泡の抑制効果がさらに高くなる。
成分(A)中において、スカム泡等の発泡の抑制効果の観点から、不飽和脂肪酸アルカリ金属塩の割合が、70質量%以下であることが好ましく、例えば、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、または50質量%以下であってもよい。不飽和脂肪酸アルカリ金属塩の割合の下限値は特に限定されないが、例えば、成分(A)中において、0質量%以上、10質量%以上、または30質量%以上であってもよい。
本発明の未加硫防着剤中における脂肪酸アルカリ金属塩(A)の含有率は、特に限定されないが、成分(A)〜(C)の質量の合計に対し、例えば、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、または50質量%以上であってもよく、例えば、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、または50質量%以下であってもよい。ゴムへの付着性の観点からは、成分(A)の含有率が多すぎないことが好ましく、スカム泡等の発泡の抑制効果の観点からは、成分(A)の含有率が少なすぎないことが好ましい。
[1−2.成分(B)]
成分(B)は、前述のとおり、脂肪酸と、アルカリ金属以外の金属との塩である。前記脂肪酸は、特に限定されないが、例えば、成分(A)で説明した脂肪酸と同様でもよい。前記アルカリ金属以外の金属としては、特に限定されず、例えば、典型金属でも遷移金属でもよく、例えば、アルカリ土類金属、典型金属、遷移金属、希土類金属等があげられる。前記アルカリ金属以外の金属としては、具体的には、例えば、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、バリウム、ストロンチウム、マンガン、スズ、鉛、銅、鉄等があげられる。成分(B)は、例えば、多価金属イオンの塩であってもよい。成分(B)は、特に限定されず、1種類のみ用いても2種類以上併用してもよい。成分(B)は、特に限定されないが、例えば、カプリル酸カルシウム、カプリル酸亜鉛、カプリル酸マグネシウム、カプリル酸アルミニウム、カプリン酸カルシウム、カプリン酸亜鉛、カプリン酸マグネシウム、カプリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、トリオクタデカン酸アルミニウム、ジオクタデカン酸アルミニウム、モノオクタデカン酸アルミニウム、オクタデカン酸カルシウム、オクタデカン酸亜鉛、オクタデカン酸マグネシウム、オクタデカン酸アルミニウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸アルミニウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、14−オクタデカン酸カルシウム、14−オクタデカン酸亜鉛、14−オクタデカン酸マグネシウム、14−オクタデカン酸アルミニウム、8−オクタデカン酸カルシウム、8−オクタデカン酸亜鉛、8−オクタデカン酸マグネシウム、8−オクタデカン酸アルミニウム、6−オクタデカン酸カルシウム、6−オクタデカン酸亜鉛、6−オクタデカン酸マグネシウム、6−オクタデカン酸アルミニウム、ヤシ脂肪酸カルシウム、ヤシ脂肪酸亜鉛、ヤシ脂肪酸マグネシウム、ヤシ脂肪酸アルミニウム、パーム油脂肪酸カルシウム、パーム油脂肪酸亜鉛、パーム油脂肪酸マグネシウム、パーム油脂肪酸アルミニウム、パーム核油脂肪酸カルシウム、パーム核油脂肪酸亜鉛、パーム核油脂肪酸マグネシウム、パーム核油脂肪酸アルミニウム、牛脂脂肪酸カルシウム、牛脂脂肪酸亜鉛、牛脂脂肪酸マグネシウム、牛脂脂肪酸アルミニウム、ひまし油脂肪酸カルシウム、ひまし油脂肪酸亜鉛、ひまし油脂肪酸マグネシウム、ひまし油脂肪酸アルミニウム等があげられる。
本発明の未加硫防着剤中における成分(B)の含有率は、特に限定されないが、成分(A)〜(C)の質量の合計に対し、例えば、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、または50質量%以上であってもよく、例えば、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、または40質量%以下であってもよい。スカム泡等の発泡の抑制効果の観点からは、成分(B)の含有率が多すぎないことが好ましく、ゴムへの付着性の観点からは、成分(B)の含有率が少なすぎないことが好ましい。
[1−3.成分(C)]
成分(C)は、前述のとおり、グリフィン法によるHLBが9〜18である非イオン性界面活性剤である。成分(C)のグリフィン法によるHLBが前記数値範囲であることにより、例えば、疎水成分の分散性が向上し、スカム泡等の発泡を抑制できる。前記HLBは、例えば、11〜18、11〜17、12〜15、または12〜13でもよい。
ここで、グリフィン法によるHLBとは、分子構造に基づき、下記数式(I)により算出できる数値である。すなわち、グリフィン法によるHLBとは、0から20までの数値をとることが可能であり、数値が小さい(0に近い)ほど親油性(疎水性)で、数値が大きい(20に近い)ほど親水性であることの指標となる。

HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量) (I)
本発明において、成分(C)の非イオン界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤を用いることができる。

RO−(AO)−H (1)
前記化学式(1)中、Rは、脂肪族炭化水素基であり、例えば、炭素原子数が8〜18の脂肪族炭化水素基である。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基)、不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。Rの炭素原子数は、疎水成分の分散性の観点から、例えば、8〜22、8〜18、10〜16または12〜14であってもよい。
AOは、炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは、AOの平均付加モル数である。
nは、疎水成分の分散性の観点から、例えば、1〜50、1〜40、1〜30、1〜25、または1〜15である。
炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基とは、例えば、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイドが付加してなる(付加重合により形成される)重合単位である。炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基としては、具体的には、エチレンオキサイドが付加してなるオキシエチレン基(EO)、プロピレンオキサイドが付加してなるオキシプロピレン基(PO)、および、ブチレンオキサイドが付加してなるオキシブチレン基(BO)がある。(AO)は、その構造中に、少なくともオキシエチレン基を含む。(AO)が、オキシエチレン基(EO)と、オキシプロピレン基(PO)と、オキシブチレン基(BO)とのうち複数種類を含む場合は、これらの基はブロック状に配列していても、ランダムに配列していてもよい。好ましい(AO)は、親水性、疎水性のバランスに優れる点から、オキシエチレン基(EO)のみからなる。
また、成分(C)の非イオン界面活性剤分子が前記化学式(1)で表される場合、その親水部とは、(AO)部分となる。すなわち、親水部の式量の総和とは、(AO)部分の式量を表す。したがって、成分(C)の非イオン界面活性剤分子が前記化学式(1)で表される場合、グリフィン法によるHLBは、下記数式(II)により算出できる。

HLB=20×[(AO)部分の式量/前記化学式(1)の分子量] (II)
例えば、前記化学式(1)において、Rがデシル基(炭素原子数10のアルキル基)であり、AOがオキシエチレン基(EO)であり、n=5である場合、その分子式は下記化学式(2)で表される。この場合、分子量は361であり、親水部((AO)部分)の式量は220となるから、グリフィン法によるHLBは、20×(220/361)=12.1となる。

1021O−(CO)−H (2)
成分(C)は、例えば、前記化学式(1)において、Rが炭素原子数10の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基であり、AOがオキシエチレン基(EO)であり、n=10であり、グリフィン法によるHLBが12〜13であってもよい。
本発明の未加硫防着剤中における成分(C)の含有率は、特に限定されないが、成分(A)〜(C)の質量の合計に対し、例えば、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、または20質量%以上であってもよく、例えば、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、または30質量%以下であってもよい。ゴムへの付着性の観点からは、成分(C)の含有率が多すぎないことが好ましく、スカム泡等の発泡の抑制効果の観点からは、成分(C)の含有率が少なすぎないことが好ましい。
[1−4.任意成分]
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、成分(A)〜(C)以外の任意成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
前記任意成分としては、例えば、前記成分(D)すなわち非膨潤性無機粉体があげられる。非膨潤性無機粉体(D)(成分(D))としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;ベントナイト、クレー、カオリン、タルク、マイカ、セリサイト等のケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;非晶質シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物;ベンガラ;カーボンブラック;グラファイト等が挙げられる。前記無機粉体は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
本発明の未加硫防着剤中における成分(D)の含有率は、特に限定されないが、成分(A)〜(C)の質量の合計に対し、例えば、0質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、または20質量%以上であってもよく、例えば、100質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、または80質量%以下であってもよい。飛散性の観点からは、成分(D)の含有率が多すぎないことが好ましく、ゴムの滑性の観点からは、成分(D)の含有率が少なすぎないことが好ましい。
前記任意成分としては、例えば、成分(C)以外の界面活性剤(以下「成分(E)」または「界面活性剤(E)」ということがある。)もあげられる。界面活性剤(E)は、特に限定されず、例えば、陽イオン(カチオン)性界面活性剤でも、陰イオン(アニオン)性界面活性剤でも、非イオン(ノニオン)性界面活性剤でもよいし、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
界面活性剤(E)(成分(E))としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルアミン;脂肪酸アルカノールアミド;ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド;ポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグリセリンエーテル;ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル;アルキルポリグルコシド;ショ糖脂肪酸エステル;オキシエチレンーオキシプロピレンブロックポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na等の長鎖スルホコハク酸塩;オレオイルザルコシンNa、ラウロイルザルコシンNa等のN‐アシルサルコシン塩;ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸ナトリウム等の飽和スルホン酸塩;アルファオレフィンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム等の不飽和スルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型等が挙げられる。前記界面活性剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
本発明の未加硫防着剤中における成分(E)の含有率は、特に限定されないが、成分(A)〜(C)の質量の合計に対し、例えば、0.1質量%以上、であってもよく、例えば、50.0質量%以下、40.0質量%以下、30.0質量%以下、25.0質量%以下、または20.0質量%以下であってもよい。水分散液の泡立ちの観点からは、成分(E)の含有率が多すぎないことが好ましく、分散性や濡れ性の観点からは、成分(E)の含有率が少なすぎないことが好ましい。
前記任意成分としては、他に、消泡剤、濡れ性補助剤、粘性補助剤、異物低減補助剤等もあげられる。
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油などの油脂系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ、3−ヘプチルカルビトールなどのエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フォスフェートなどのリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミンなどのアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミンなどのアミド系消泡剤;鉱物油;シリコーン油;などが挙げられる。前記消泡剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
濡れ性補助剤としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類が挙げられ、より具体的には、例えば、メタノール、エタノール、ヘキサノール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルトール、マルチトール、スクロース、エリスリトール、キシリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、多価アルコールのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加物等が挙げられる。前記濡れ性補助剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
粘性補助剤としては、特に限定されないが、例えば、水溶性高分子類が挙げられ、より具体的には、例えば、蛋白類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、水溶性ウレタン樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ブタジエン樹脂、水溶性フェノール樹脂等の合成水溶性高分子;キサンタンガム、グアーガム、ウェランガム、ローカストビーンガム、ダイユータンガム、タマリンドガム、タマリンドシードガム、トラガントガム、アラビアガム、カラギーナン、ラムザンガム、サクシノグリカン、タラガム、ジェランガム、カラヤガム、ペクチン、アルギン酸誘導体、セルロースエーテル類等の天然水溶性高分子が挙げられる。前記粘性補助剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
また、本発明の未加硫ゴム用防着剤における前記任意成分としては、水(以下「成分(F)」または「水(F)」ということがある。)もあげられる。水の含有率は、特に限定されないが、例えば、本発明の未加硫ゴム用防着剤の質量全体に対し60〜90質量%程度である。
前述のとおり、特許文献1〜4のように無機粉末(例えばベントナイト等)を主成分とする未加硫ゴム用防着剤は、粉塵の問題があった。これに対し、本発明の未加硫ゴム用防着剤は、無機粉末(例えばベントナイト等)を含んでいても含んでいなくてもよいし、含む場合も、少量でよい。このため、本発明の未加硫ゴム用防着剤によれば、粉塵汚染の問題を抑制または防止できる。
また、本発明の未加硫ゴム用防着剤は、フッ素元素を含んでいても含んでいなくてもよいが、フッ素元素を含まないことが好ましい。フッ素元素を含まない(非フッ素系)未加硫ゴム用防着剤であることにより、フッ素元素が引き起こす環境への影響を防止できる。
[2.未加硫用ゴム用防着剤の製造方法]
本発明の未加硫ゴム用防着剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば、未加硫ゴム用防着剤の全ての成分(成分(A)〜(C)と、必要に応じて配合される任意成分と)を混合することにより製造できる。例えば、成分(A)(脂肪酸アルカリ金属塩)と、成分(B)(脂肪酸と、アルカリ金属以外の金属との塩)と、成分(C)(グリフィン法によるHLBが9〜18である非イオン性界面活性剤)と水とを混合した後に、その他の成分を加えて混合してもよい。また、例えば、必要に応じ、混合しやすくするために加熱等をしながら混合してもよい。
混合に用いる装置としては、特に限定されないが、例えば、攪拌羽根を容器内に備えた構成の装置などを使用できる。具体的には、例えば、一般的な攪拌装置を装備した液体混合機やラインホモミキサーやラインホモミキサーを併設した液体混合機を挙げることができる。
[3.未加硫用ゴム用防着剤の使用方法および未加硫ゴム用防着剤水分散液]
本発明の未加硫用ゴム用防着剤の使用方法は、特に限定されず、例えば、一般的な未加硫ゴム用防着剤と同様の方法で使用できる。本発明の未加硫ゴム用防着剤は、例えば、前記本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液として用いることができる。本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液の製造方法は、特に限定されず、例えば、前述のようにして本発明の未加硫ゴム用防着剤の全ての成分を混合し、本発明の未加硫ゴム用防着剤を製造した後に、それを水中に分散させてもよい。また、例えば、本発明の未加硫ゴム用防着剤の各成分を、それぞれ水中に溶解または分散させ、水中で混合することにより、本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液としてもよい。前記各成分を溶解または分散させる方法も特に限定されず、例えば、粉末状の未加硫ゴム用防着剤を攪拌槽内で所定量の水に分散させればよい。本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液中における、成分(A)〜(C)の合計の含有量は、特に限定されないが、本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液全体の質量に対し、例えば、0.5質量%以上10質量%以下、0.5質量%以上8質量%以下、0.5質量%以上6質量%以下、または0.5質量%以上4質量%以下であってもよい。
未加硫ゴム用防着剤水分散液とする場合、前記未加硫ゴム用防着剤水分散液中における水以外の成分の質量の合計に対する成分(A)〜(C)の合計の含有量は、例えば、10.0質量%以上、15.0質量%以上、20.0質量%以上、であってもよく、例えば、80.0質量%以下、75.0質量%以下、70.0質量%以下、であってもよい。
このように未加硫ゴム用防着剤水分散液として製造した場合、そのまま後述のウェット法などにより未加硫ゴム表面に塗布して使用することもできる。
本発明の未加硫ゴム用防着剤を用いた防着処理済み未加硫ゴムの製造方法は、例えば、前記本発明の未加硫ゴム用防着剤を未加硫ゴムの表面に付着させて防着処理する防着処理工程を含む。このようにして製造された防着処理済み未加硫ゴムは、積み重ねたり、折り畳んだりして貯蔵されても、例えば、未加硫ゴム同士が密着してしまうことがない。
前記防着処理工程は、例えば、前記本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液を前記未加硫ゴムの表面に付着させ、さらに水を揮発させることにより、前記未加硫ゴムの表面に前記本発明の未加硫ゴム用防着剤を付着させる工程であってもよい。より具体的には、前記防着処理工程は、前記本発明の未加硫ゴム用防着剤水分散液(防着剤懸濁液)を未加硫ゴムの表面に付着させる懸濁液付着工程(水分散液付着工程)と、未加硫ゴムの表面の前記防着剤懸濁液を乾燥して、防着剤からなる被膜を未加硫ゴムの表面に形成する乾燥工程とを有することが好ましい。このような防着処理工程を、例えば、ウェット法という。
本発明の防着処理済み未加硫ゴムの製造方法において、前記ウェット法は、特に限定されず、例えば、一般的な未加硫ゴム用防着剤におけるウェット法と同様にして行うことも可能である。前記防着剤懸濁液(水分散液)中における前記本発明の未加硫ゴム用防着剤の濃度は、例えば前述のとおりであり、より具体的には、例えば2〜3質量%とすることができるが、これには限定されず、任意に調整可能である。
前記懸濁液付着工程では、例えば、シート状などに成形された時の熱により高温状態(例えば80〜150℃程度)にある未加硫ゴムに対して、防着剤懸濁液を付着させることが好ましい。
前記懸濁液付着工程の具体的方法としては、例えば、防着剤懸濁液を未加硫ゴムにシャワー装置で散布する方法、防着剤懸濁液の入った槽に未加硫ゴムを短時間浸漬するディップ法が挙げられる。また、塗布装置を用いて防着剤懸濁液を未加硫ゴムに塗布する方法などを採用してもよく、これらの方法を適宜併用してもよい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、前述のとおり、防着性に優れ、かつ、粉塵汚染および起泡性の問題が抑制されている。本発明の未加硫ゴム用防着剤が適用可能なゴム種には特に制限はなく、未加硫のゴムであればよい。前記ゴム種としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等のゴムや、これらのうちの複数種が混合されたゴムが挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下のようにして本実施例の未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液を製造した。
まず、水530gを反応容器に入れ70℃以上に加熱した。その後、さらにカプリン酸カリウム(90%カプリン酸、米山薬品工業社製の製品No.36356と苛性カリウム[水酸化カリウム]とを反応させたもの)10g、ラウリン酸カリウム(90%ラウリン酸カリウム、製品No.37556、米山薬品工業社製)20g、ステアリン酸カリウム(90%ステアリン酸カリウム、製品No.36938、米山薬品工業社製)、リポランLB−840(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、およびファインサーフD−1305(青木油脂工業社製)を加え、70℃以上で2時間混合した。さらにその後、ステアリン酸カルシウム(日油社製)、およびレプコマイカM−60(レプコ社製)を加え、70℃以上で2時間混合した。それを30℃以下に冷却して得られた液体を、本実施例の未加硫ゴム用防着剤とした。さらに、その未加硫ゴム用防着剤を、水により、質量比で20倍(5質量%濃度)に希釈して懸濁液を調製した。その懸濁液(分散液)を、本実施例の未加硫ゴム用防着剤水分散液とした。
なお、本実施例における前記各成分の質量比は、下記表1に示した。下記表1中の成分(A)において、「脂肪酸塩(C10以下)」は、前記カプリン酸カリウム(炭素原子数が10である脂肪酸塩)を意味する。「脂肪酸塩(C12〜C14)」は、前記ラウリン酸カリウム(炭素原子数が12である脂肪酸塩)を意味する。「飽和脂肪酸塩(C16以上)」は、前記ステアリン酸カリウム(炭素原子数が18である脂肪酸塩)を意味する。また、「不飽和脂肪酸塩(C16以上)」は、オレイン酸カリウム(炭素原子数が18で不飽和である脂肪酸塩)を意味する。下記表1中の成分(C)、(D)および(E)については、下記表2に記載のとおりである。
[実施例2〜16、比較例1〜3]
各成分の質量比を下記表1に記載のとおり変更したこと以外は実施例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液を製造した。
これら実施例1〜17および比較例1〜3の未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液について、下記の方法で付着性、防着性および起泡性を測定し、評価した。評価結果は、下記表1にまとめて示す。
<評価>
表1記載の付着性、防着性および起泡性の評価には、評価用ゴムとして下記の未加硫NR/BRゴムを用いた。

(未加硫NR/BRゴム)
NR(RSS♯3)70質量部とBR(JSR(株)製、商品名「BR−01」)30質量部の合計100質量部に対して、ホワイトカーボン(東ソー・シリカ(株)製、商品名「ニップシールVN−3」)10質量部と、ISAFブラック(東海カーボン(株)製、商品名「シースト6」)30質量部と、JSRAROMA(プロセスオイル)(日本サン石油(株)製、商品名「アロマ790」)15質量部と、亜鉛華(ハクスイテック(株)製、亜鉛華2種)3質量部と、ステアリン酸(日油(株)製、椿)1質量部と、6PPD(大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック6C」)1質量部、CBS(大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーCZ−G」)1質量部、硫黄(鶴見化学(株)製)1.5質量部を配合した(合計162.5質量部)未加硫NR/BRゴム。
(1)付着性の評価方法
前記未加硫ゴム(未加硫NR/BRゴム)を温度80〜120℃のオープンロールで練り出してゴムシート(厚さ:5〜8mm、60cm×15cm)とした。繰り出された直後の前記ゴムシートを、実施例1〜17および比較例1〜3の各例で得られた未加硫ゴム用防着剤水分散液(温度40℃)1Lに約1秒間浸漬した。その後、前記ゴムシートをすばやく垂直に引き上げ、室温下で静置した。ゴムシートの表面積を100%とした際の、防着剤乾燥被膜(防着剤乾燥固化物の被膜)の均質性、被膜の厚み(一様の膜厚で覆われている)を目視にて確認し、下記1〜5の5段階で判定した。判定結果が4または5であったものを合格と評価した。

1:ハジキが発生している
2:被膜が縦縞状やマダラ状被膜である
3:被膜が縦縞状やマダラ状でない薄い均質被膜である。
4:被膜が縦縞状やマダラ状でない均質被膜である。
5:被膜が縦縞状やマダラ状でないやや厚い均質被膜である。
上記のように、80〜120℃のオープンロールで繰り出され、表面が高温状態にあるゴムを防着剤懸濁液に、ごく短時間(約1秒間)浸漬させただけで、付着した防着剤懸濁液から水分が急速に蒸発しても、縦縞状、マダラ状などのムラのない、均一な薄膜状態で防着剤がゴム表面に残存できる付着状態が好ましい。付着性が高いほど、防着性が高くなりやすい。また、付着性が高いほど、防着剤付着後の未加硫ゴムの外観不良が抑制されやすい。
(2)防着性の評価
前記未加硫ゴム(未加硫NR/BRゴム)を温度80〜120℃のオープンロールで練り出してゴムシート(厚さ:5〜8mm、60cm×15cm)とした。繰り出された直後の前記ゴムシートを、実施例1〜17および比較例1〜3の各例で得られた防着剤懸濁液(温度40℃)1Lに約1秒間浸漬した。その後、前記ゴムシートをすばやく垂直に引き上げ、室温下において垂直状態で静置し、自然乾燥した。
その後、前記ゴムシートを6cm×15cmにカットして2枚を重ね合わせて積層状態とした。その積層状態にある前記試験片に対して、一方の面から垂直方向に1t/mの荷重をかけ、60℃で12時間放置した。
その後、前記試験片を室温に戻し、引張り試験機〔AGS−500D型、SHIMADZU〕を用いて180°剥離試験を行い、引っ張り速度300mm/minで剥離抗力(N/cm)を測定した。前記剥離抗力が小さいほど前記試験片が剥離しやすかったことを意味し、防着性が優れていることの指標となる。前記剥離抗力が2.0(N/cm)以下であったものを合格と評価した。
(3)起泡性の評価
実施例1〜17および比較例1〜3の各例で得られた未加硫ゴム用防着剤水分散液(温度40℃)1Lを2Lメスシンダーに入れ、ポンプ〔マグネットポンプMD−15R−N〕循環を行い、5分後の泡体積(mL)を測定した。前記泡体積が小さいほど、起泡が抑制されていることの指標となる。前記泡体積が600(mL)以下であったものを合格と評価した。
Figure 2020041089
Figure 2020041089
前記表1に示すとおり、実施例1〜17の未加硫ゴム用防着剤水分散液を用いた場合、付着性、防着性および起泡性がいずれも良好であった。また、実施例1〜17の未加硫ゴム用防着剤は、一般的な防着剤の主成分であるベントナイトを含んでおらず、その他の無機粉末も、マイカを全体の20質量%と少量含むのみである。このため、実施例1〜17によれば、無機粉末に由来する粉塵汚染の問題が抑制されていた。
一方、成分(B)を含まない比較例1の未加硫ゴム用防着剤では、付着性がきわめて低く、かつ、防着性も低かった。非イオン性界面活性剤のグリフィン法によるHLBが7.9と低すぎる比較例1の未加硫ゴム用防着剤では、付着性および防着性は問題なかったが、起泡の抑制が十分でなかった。非イオン性界面活性剤のグリフィン法によるHLBが18.2と高すぎる比較例3の未加硫ゴム用防着剤では、付着性および防着性が低かった。

Claims (5)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含むことを特徴とする未加硫ゴム用防着剤。

    (A)脂肪酸アルカリ金属塩
    (B)脂肪酸と、アルカリ金属以外の金属との塩
    (C)グリフィン法によるHLBが9〜18である非イオン性界面活性剤
  2. 前記成分(A)中において、炭素原子数が16以上である脂肪酸アルカリ金属塩の割合が70質量%以上である請求項1記載の未加硫ゴム用防着剤。
  3. 前記成分(A)中において、不飽和脂肪酸アルカリ金属塩の割合が70質量%以下である請求項1または2記載の未加硫ゴム用防着剤。
  4. さらに、下記成分(D)を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の未加硫ゴム用防着剤。

    (D)非膨潤性無機紛体
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の未加硫ゴム用防着剤と、水と、を含むことを特徴とする未加硫ゴム用防着剤水分散液。
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