JP2020020698A - 三次元座標測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い範囲に渡って高い精度で信頼性の高い座標測定を行うことを可能にする三次元座標測定装置を提供する。【解決手段】基準カメラ110上に、基準カメラ110の光学系の光軸110cと平行な回転軸の周りで回転可能に可動部材40が設けられる。可動部材40には、可動カメラ120および参照部材190が固定される。参照部材190には、基準カメラ110により撮像可能な複数のマーカが設けられる。複数のマーカは、基準カメラ110に対向するように同一平面上で可動部材40に固定される。基準カメラ110、可動カメラ120および参照部材190は、ケーシング90内に収容される。可動カメラ120により測定対象物に接触されるプローブが撮像され、基準カメラ110により参照部材190の複数のマーカが撮像される。各撮像により得られる画像データに基づいて、測定対象物におけるプローブの接触部分の座標が算出される。【選択図】図5
Description
本発明は、接触式のプローブを用いる三次元座標測定装置に関する。
接触式の三次元座標測定装置には、接触部を有するプローブが設けられる。測定対象物にプローブの接触部が接触され、測定対象物と接触部との接触位置が算出される。測定対象物上の複数の位置が算出されることにより、測定対象物の所望の部分の寸法が測定される。
三次元座標測定装置の一例として、特許文献1に記載された光学式座標測定装置は、載置台、プローブおよび撮像部を備える。載置台上に載置された測定対象物にプローブの接触部が接触される。プローブに設けられた複数のマーカが撮像部によって撮像されることにより、画像データが生成される。その画像データに基づいて測定対象物と接触部との接触位置の座標が算出される。
上記の光学式座標測定装置においては、載置台の上方の領域が撮像部により撮像されるように、撮像部と載置台とが保持部により一体的に保持される。この構成では、撮像部の撮像視野は載置台上をカバーする程度に設定される。
しかしながら、載置台を超える大型の測定対象物について座標測定を行うためには、撮像部の撮像視野を拡大する必要がある。撮像視野を拡大するために撮像部の画角を大きくすると、撮像により得られる画像データの分解能が低下する。また、光学式座標測定装置においては、外乱光および塵埃等の影響を受けることなく信頼性の高い座標測定を行うことが求められる。
本発明の目的は、広い範囲に渡って高い精度で信頼性の高い座標測定を行うことを可能にする三次元座標測定装置を提供することである。
(1)本発明に係る三次元座標測定装置は、複数の測定マーカを有するとともに測定対象物上の測定点を指示するためのプローブと、基準撮像部と、基準撮像部が有する光学系の光軸と平行な第1の回転軸の周りで回転可能に設けられる可動部材と、可動部材に固定されるとともに、プローブの複数の測定マーカを撮像する可動撮像部と、基準撮像部の撮像視野内で基準撮像部に対向するように、同一平面上で可動部材に固定される複数の参照マーカと、基準撮像部、可動部材、可動撮像部および複数の参照マーカを収容するケーシングと、基準撮像部により撮像された複数の参照マーカの画像を示す基準画像データに基づいて可動撮像部の位置および姿勢を示す第1の位置姿勢情報を生成し、可動撮像部により撮像された複数の測定マーカの画像を示す測定画像データに基づいて可動撮像部に対するプローブの位置および姿勢を示す第2の位置姿勢情報を生成し、生成された第1および第2の位置姿勢情報に基づいて基準撮像部に対するプローブの位置および姿勢を示す第3の位置姿勢情報を生成し、生成された第3の位置姿勢情報に基づいてプローブにより指示された測定点の座標を算出する算出部とを備える。
その三次元座標測定装置においては、可動部材が第1の回転軸の周りで回転する。その可動部材には複数の参照マーカが固定されている。この場合、可動部材が回転する際には、複数の参照マーカが基準撮像部に対向する状態で第1の回転軸の周りを回転する。それにより、基準撮像部により撮像される複数の参照マーカの画像においては、複数の参照マーカの回転状態が明確に表れる。したがって、基準撮像部を用いて複数の参照マーカを撮像することにより、高い精度で第1の位置姿勢情報を生成することができる。
可動撮像部は可動部材により第1の回転軸の周りで回転可能である。この場合、可動撮像部を回転させることにより、可動撮像部の撮像視野を拡大することなく可動撮像部による撮像可能な範囲が拡大される。したがって、可動撮像部を用いてプローブの複数の測定マーカを撮像することにより、高い精度で第2の位置姿勢情報を生成することができる。それにより、第1および第2の位置姿勢情報に基づいて、高い精度で第3の位置姿勢情報を生成することができる。
また、上記の構成によれば、基準撮像部、可動部材、可動撮像部および複数の参照マーカがケーシング内に収容されているので、基準撮像部、可動部材、可動撮像部および複数の参照マーカを取り囲む空間に塵埃および外乱光が進入することが低減される。したがって、第1および第2の位置姿勢情報に基づいて生成される第3の位置姿勢情報の信頼性が向上する。
生成された第3の位置姿勢情報に基づいて測定対象物上の測定点の座標が算出される。これらの結果、広い範囲に渡って高い精度で信頼性の高い座標測定を行うことが可能になる。
(2)可動部材は、可動撮像部が固定される取付部を有し、複数の参照マーカは、取付部と反対側を向くように可動部材に設けられ、基準撮像部は、可動部材に関して可動撮像部とは反対側に載置されてもよい。
この場合、簡単な構成で第1の位置姿勢情報を生成することができる。
(3)可動部材は、第1の回転軸に直交する第2の回転軸の周りでさらに回転可能に設けられてもよい。
この場合、可動撮像部を第1および第2の回転軸の周りで回転させることにより、可動撮像部の撮像視野を拡大することなく可動撮像部による撮像可能な範囲をより拡大することができる。
(4)三次元座標測定装置は、可動部材を第1の回転軸の周りで回転させる回転駆動部と、複数の測定マーカが可動撮像部の撮像視野内に位置するように、回転駆動部を制御する回転制御部をさらに備えてもよい。
この場合、プローブが移動する場合でも、可動撮像部の撮像視野がプローブの複数の測定マーカに追従する。それにより、使用者は、可動撮像部の撮像視野を調整する必要がない。したがって、煩雑な調整作業を要することなく広い範囲で測定対処物の所望の測定点の座標を測定することが可能になる。
(5)複数の参照マーカは、複数の発光素子を含み、三次元座標測定装置は、複数の発光素子を駆動することにより複数の参照マーカを発光させる発光制御部をさらに備えてもよい。
この場合、複数の参照マーカが発光することにより、高い精度で第1の位置姿勢情報を生成することができる。
(6)複数の参照マーカは、マトリクス状に並ぶように配置されてもよい。
この場合、可動部材が回転するときの複数の参照マーカの変化の状態が把握しやすい。したがって、高い精度で第1の位置姿勢情報を生成することができる。
(7)複数の参照マーカは、互いに離間するように設けられた第1および第2の参照マーカを含み、第1および第2の参照マーカは、他の参照マーカから識別可能に構成されてもよい。
この場合、第1および第2の参照マーカに基づいてより正確に第1の位置姿勢情報を生成することができる。
(8)三次元座標測定装置は、予め定められた複数の幾何要素および予め定められた複数の測定項目から選択された幾何要素および測定項目を受け付ける受付部と、受付部により受け付けられた幾何要素および測定項目と算出部により算出された1または複数の測定点の座標とに基づいて、測定対象物において1または複数の測定点により特定される選択された幾何要素に関する選択された測定項目の値を算出する測定部とをさらに備えてもよい。
この場合、使用者は、予め定められた複数の幾何要素および予め定められた複数の測定項目から所望の幾何要素および測定項目を選択することにより、測定対象物における所望の物理量を容易に測定することができる。
本発明によれば、広い範囲に渡って高い精度で信頼性の高い座標測定を行うことが可能になる。
[1]三次元座標測定装置の基本構成および使用例
図1は、本発明の一実施の形態に係る三次元座標測定装置の使用例を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る三次元座標測定装置1は、主として撮像ヘッド100、プローブ200および処理装置300から構成され、例えば大型の測定対象物Sの各部の寸法等の物理量を測定するために用いられる。図1の例では、測定対象物Sとして大型の配管が示される。測定対象物Sは、床面上に置かれている。
図1は、本発明の一実施の形態に係る三次元座標測定装置の使用例を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る三次元座標測定装置1は、主として撮像ヘッド100、プローブ200および処理装置300から構成され、例えば大型の測定対象物Sの各部の寸法等の物理量を測定するために用いられる。図1の例では、測定対象物Sとして大型の配管が示される。測定対象物Sは、床面上に置かれている。
プローブ200は、使用者Uにより携行される。プローブ200には、接触部211aが設けられている。使用者Uは、測定対象物Sの所望の部分にプローブ200の接触部211aを接触させる。測定対象物Sにおける接触部211aとの接触部分が測定点となる。
撮像ヘッド100は、基準スタンド10により例えば設置面としての床面上に固定される。撮像ヘッド100の内部には、可動カメラ120が設けられている。可動カメラ120によりプローブ200に設けられた後述する複数のマーカeq(図9)が撮像される。基準スタンド10は、三脚であり、固定部11および脚部12からなる。固定部11は、平坦な上面を有する。基準スタンド10は、固定部11の上面が水平な状態で固定されるように、固定部11と脚部12との間で姿勢調整が可能に構成されている。以下の説明において、固定部11の上面は水平に固定されているものとする。
また、撮像ヘッド100は、ケーブルCAを介して処理装置300に接続されている。処理装置300は、例えばパーソナルコンピュータであり、本体表示部310および本体操作部320が接続されている。処理装置300においては、可動カメラ120がプローブ200を撮像することにより得られる画像データ(以下、測定画像データと呼ぶ。)と後述する基準画像データとに基づいて測定対象物S上の測定点の座標が算出される。測定対象物Sにおける1または複数の測定点の座標が算出されることにより、それらの算出結果に基づいて測定対象物Sの物理量が測定される。
使用者Uがプローブ200を携行して移動する場合には、図1に白抜きの点線矢印で示すように、可動カメラ120の撮像視野の向きはプローブ200の移動に追従する。すなわち、可動カメラ120の向きは、プローブ200が移動するときに、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内に位置するように変化する。それにより、三次元座標測定装置1は、広い測定可能領域を有する。以下、三次元座標測定装置1の各部の構成について詳細を説明する。
[2]撮像ヘッド100および処理装置300の構成
図2は、撮像ヘッド100および処理装置300の構成を示すブロック図である。図3は撮像ヘッド100の外観斜視図であり、図4はケーシング90が取り除かれた状態を示す撮像ヘッド100の外観斜視図であり、図5は図3の仮想面VPにおける撮像ヘッド100の模式的断面図である。
図2は、撮像ヘッド100および処理装置300の構成を示すブロック図である。図3は撮像ヘッド100の外観斜視図であり、図4はケーシング90が取り除かれた状態を示す撮像ヘッド100の外観斜視図であり、図5は図3の仮想面VPにおける撮像ヘッド100の模式的断面図である。
まず、撮像ヘッド100の構成について説明する。図2に示すように、撮像ヘッド100は、電気的な構成として基準カメラ110、可動カメラ120、マーカ駆動回路130、回転駆動回路140、ヘッド制御回路150、無線通信回路160、通信回路170、俯瞰カメラ180および参照部材190を含む。これらの構成は、図2に二点鎖線で示される固定連結部20、支持部材30および可動部材40のいずれかにより支持された状態で、図3に示すケーシング90内に収容される。
図3に示すように、ケーシング90は、下部ケーシング91および上部ケーシング92から構成される。図3および図5に示すように、下部ケーシング91は略円筒形状を有し、撮像ヘッド100の下端部から一定距離上方に延びる。下部ケーシング91の上方の位置に上部ケーシング92が設けられている。上部ケーシング92は、略釣鐘形状を有し、後述する支持部材30(図4)とともに水平面内で回転可能に設けられている。
図3に示すように、上部ケーシング92の一部には、上下方向に延びるスリット93が形成されている。スリット93は、可動カメラ120の撮像視野をケーシング90の外部へ導く。また、上部ケーシング92には、俯瞰カメラ用窓94が形成されている。俯瞰カメラ用窓94は、俯瞰カメラ180の撮像視野をケーシング90の外部へ導く。
図4および図5に示すように、固定連結部20は、下固定板21、上固定板22、複数(例えば4本)の支柱23および中空支持軸24を含む。下固定板21は、円板形状を有し、基準スタンド10の固定部11の上面上に、ねじを用いて固定されている。下固定板21の上方には、複数の支柱23を介して上固定板22が設けられている。上固定板22は、下固定板21と同様に円板形状を有する。上固定板22の中央部には、円形の開口が形成されている。上固定板22の上面上には、上固定板22の中央部の開口を取り囲むように中空支持軸24がねじを用いて固定されている。図3の下部ケーシング91は、固定連結部20を構成するいずれかの部材に取り付けられている。
固定連結部20においては、下固定板21と上固定板22との間の空間に、図2の回転駆動回路140、ヘッド制御回路150、無線通信回路160および通信回路170が実装された各種基板が設けられる。また、下固定板21上には、図5に示すように、下固定板21から上固定板22の開口を通して中空支持軸24の内部まで延びるように基準カメラ110が設けられている。この状態で、基準カメラ110の撮像視野は上方を向いている。本実施の形態では、基準カメラ110の光学系の光軸110cは、中空支持軸24の中心軸に一致している。
下固定板21上および上固定板22上には、上記の各種基板および基準カメラ110に加えて、後述する支持部材30を中空支持軸24の中心軸の周りで回転させるため(基準スタンド10の上面に平行な面内で回転させるため)の水平回転機構141が設けられている。水平回転機構141は、例えばモータおよび各種動力伝達部材を含む。
図4に示すように、固定連結部20の中空支持軸24上には、支持部材30が設けられている。支持部材30は、回転台座31および一対の支持フレーム32,33を含む。回転台座31は、中央部に開口を有し、支持部材30が中空支持軸24の中心軸の周りで回転可能となるように、クロスローラベアリングCB(図5)を介して中空支持軸24の上端部に取り付けられている。図3の上部ケーシング92は、支持部材30を構成するいずれかの部材に取り付けられている。中空支持軸24に対する支持部材30の回転時には、上部ケーシング92は支持部材30とともに下部ケーシング91に対して相対的に回転する。
一対の支持フレーム32,33は、回転台座31の一側部および他側部から互いに対向しつつ上方に延びるように形成されている。一対の支持フレーム32,33の間には、回転台座31から所定距離離間した位置に可動部材40が設けられている。
可動部材40は、一対の支持フレーム32,33の互いに対向する部分を通る回転軸30cの周りで回転可能(水平面に対してチルト可能)となるように、支持フレーム32,33により支持されている。本実施の形態では、回転軸30cは、基準カメラ110(図5)の光軸110cおよび中空支持軸24の中心軸に直交する。
一方の支持フレーム32の上端部近傍には、可動部材40とは反対側で回転軸30c上に位置する部分に俯瞰カメラ180が取り付けられている。他方の支持フレーム33の上端部近傍には、可動部材40とは反対側で回転軸30c上に位置する部分にチルト回転機構143が取り付けられている。チルト回転機構143は、例えばモータおよび各種動力伝達部材を含む。チルト回転機構143は、可動部材40を回転軸30cの周りで回転させる。なお、チルト回転機構143により可動部材40を回転可能な範囲は、例えば30°程度に制限されている。
可動部材40は、略正方形の扁平な筒状に形成され、上面41および下面42を有する。可動部材40上には、可動カメラ120およびその可動カメラ120に付随する各種基板が固定される。この状態で、可動カメラ120の光学系の光軸120c(図5)は可動部材40の上面41に平行となっている。
可動部材40の上端部には、その中央部の開口を塞ぐように図2のマーカ駆動回路130が実装された基板43が設けられている。
図5に示すように、可動部材40の内部には、複数のマーカep(図2)を有する参照部材190が設けられている。図6(a)は図5の参照部材190の模式的縦断面図であり、図6(b)は参照部材190の下面図である。
図6(a),(b)に示すように、参照部材190は、発光基板191、拡散板192、ガラス板193および拡散反射シート195を含む。発光基板191、拡散板192およびガラス板193は、この順で上方から下方に向かって並ぶように積層されている。その積層体の外周部を取り囲むように拡散反射シート195が設けられている。
発光基板191の下面には、全体に渡って複数の発光素子Lが実装されている。各発光素子Lは、例えば赤外LED(発光ダイオード)である。発光素子Lとしては、赤外LEDの代わりに他の波長の光を発するLEDが用いられてもよいし、フィラメント等の他の発光素子が用いられてもよい。マーカ駆動回路130が発光基板191上の複数の発光素子Lを駆動する。それにより、複数の発光素子Lが発光する。
拡散板192は、例えば樹脂からなる板部材であり、複数の発光素子Lから発生される光を拡散させつつ下方へ透過する。拡散反射シート195は、例えば樹脂からなる帯状のシート部材であり、複数の発光素子Lから参照部材190の側方(外方)に向かう光を拡散させつつその内方に反射する。
ガラス板193は、例えば石英ガラスまたはソーダガラスにより形成された板部材である。ガラス板193の下面には、複数の円形開口を有するマスク194が設けられている。マスク194は、例えばガラス板193の下面にスパッタ法または蒸着法により形成されるクロムマスクである。
上記の構成により、複数の発光素子Lから発生されて拡散板192および拡散反射シート195により拡散された光が、ガラス板193およびマスク194の複数の円形開口を通して参照部材190の下方に放出される。このようにして、複数の円形開口にそれぞれ対応する自発光型の複数のマーカepが形成される。
本実施の形態においては、図6(b)に示すように、複数のマーカepは、参照部材190の下面(平面)上でマトリクス状に等間隔で並んでいる。複数のマーカepのうち、中央部に位置するマーカepおよびその中央部のマーカepから所定距離離間した一のマーカepには、他のマーカepから識別するための識別マーク(本例では点)が付されている。これらの識別マークは、マスク194の一部により形成される。以下の説明では、複数のマーカepから識別マークが付された2つのマーカepを区別する場合に、識別マークを含む中央部のマーカepを第1のマーカep1と呼ぶ。また、識別マークを含む他方のマーカepを第2のマーカep2と呼ぶ。
上記の構成においては、参照部材190は、下方に向く複数のマーカepが基準カメラ110の撮像視野の範囲内に位置するように可動部材40に取り付けられている。さらに、参照部材190は、可動部材40の上面41および下面42が基準カメラ110の光軸110cの方向に対して垂直となるときに、第1のマーカep1が光軸110c上に位置するように可動部材40に取り付けられている。
支持部材30が固定連結部20上で回転する際、および可動部材40が回転軸30cの周りで回転する際には、基準カメラ110が参照部材190を撮像することにより得られる複数のマーカepの画像が変化する。
図7は、基準カメラ110が参照部材190を撮像することにより得られる複数のマーカepの画像例を示す図である。図6(b)の複数のマーカepから光が放出されることにより、撮像ヘッド100により撮像される参照部材190の画像においては、複数のマーカepに対応する画像が現れる。
例えば支持部材30および可動部材40の各々が予め定められた基準姿勢で保持されている場合に、図7(a)に示す画像110iが得られるものとする。基準姿勢においては、参照部材190の下面は、基準カメラ110の光軸110cに直交し、水平に保持される。図7(a)の画像110iにおいては、複数のマーカepにそれぞれ対応するマーカ画像iepが、図6(b)の実際の複数のマーカepと同様に、マトリクス状に並んでいる。また、基準カメラ110の視野中心に対応する画像中央部には、図6(b)の第1のマーカep1に対応するマーカ画像iep1が示される。さらに、マーカ画像iep1から所定距離離間した位置に図6(b)の第2のマーカep2に対応するマーカ画像iep2が示される。
支持部材30が基準姿勢から回転する場合には、複数のマーカepと基準カメラ110との間の距離は大きく変動しない。この回転によれば、図7(b)に示すように、複数のマーカ画像iepが画像中央部を中心として回転する。この場合、2つのマーカ画像iep1,iep2の位置関係に基づいて、支持部材30が基準姿勢からどれだけ回転しているのかを求めることができる。
可動部材40が基準姿勢から回転する場合には、複数のマーカepと基準カメラ110との間の距離がそれぞれ変化する。例えば、複数のマーカepの一部と基準カメラ110との間の距離が短くなり、複数のマーカepの他の部分と基準カメラ110との間の距離が長くなる。それにより、例えば支持部材30が図7(b)の画像110iに対応する回転位置に保持された状態で、可動部材40が基準姿勢から回転すると、図7(c)に示すように、複数のマーカ画像iepの配列状態に歪が生じる。この場合、2つのマーカ画像iep1,iep2を含む全体のマーカ画像iepの位置関係に基づいて、可動部材40が基準姿勢からどれだけ回転しているのかを求めることができる。なお、上記のように、可動部材40の回転可能な角度範囲は、30°程度であり、比較的小さい。そのため、可動部材40が回転する場合でも、2つのマーカ画像iep1,iep2の位置関係は大きく変化しない。
上記のように、可動部材40には、可動カメラ120および参照部材190が一体的に固定されている。それにより、基準カメラ110が参照部材190の複数のマーカepを撮像することにより得られる画像データ(以下、基準画像データと呼ぶ。)に基づいて、基準カメラ110に対する可動カメラ120の位置および姿勢を算出することが可能である。
可動部材40と回転台座31との間には、基準カメラ110から参照部材190までの基準カメラ110の撮像視野を含む撮像空間rs(図5)を当該撮像空間rsの外部から光学的かつ空間的に遮断する蛇腹50が設けられている。
本例の蛇腹50の上端部は可動部材40の下面42に接合され、蛇腹50の下端部は回転台座31の上面に接合されている。それにより、支持部材30が水平面内で回転する際には、支持部材30とともに蛇腹50も回転する。
また、本例の蛇腹50は、略正方形の筒形状を有し、チルト回転機構143による可動部材40の回転時にその回転に追従して変形することにより撮像空間rsの光学的かつ空間的な遮断状態を維持可能に構成される。さらに、蛇腹50は、可動部材40の回転に追従して変形する際に、その蛇腹50が基準カメラ110の撮像視野に干渉しないように設けられる。
このような構成により、撮像空間rs内に、撮像空間rsの外部から光が進入することが防止される。また、撮像空間rsの周囲でモータ等が発熱する場合でも、発生された熱が撮像空間rs内に進入することが防止される。それにより、撮像空間rsの雰囲気に揺らぎが生じることが防止される。したがって、高い精度で複数のマーカepが撮像されるので、基準カメラ110に対する可動カメラ120の位置および姿勢を高い精度で算出することができる。
また、上記の構成によれば、蛇腹50の内部空間が外部空間から空間的に遮断されることにより蛇腹50の内部空間の雰囲気が安定する。したがって、蛇腹50の外部に設けられる熱源に対してファン等を用いて強制空冷することも可能になる。
なお、撮像空間rsに向く蛇腹50の内面は、光の反射率が低く光を吸収するような色または素材で構成されることが好ましい。例えば、蛇腹50の内面の色は黒色であってもよい。または、蛇腹50の内面は、光を反射しない無反射素材で構成されてもよい。あるいは、蛇腹50の内面に、光を反射しない無反射素材のコーティングが施されていてもよい。それにより、複数のマーカepから放出される光が、蛇腹50の内面で乱反射することが防止される。したがって、高い精度で複数のマーカepが撮像される。
撮像ヘッド100においては、図4に示すように、可動カメラ120の重心が基準カメラ110の光軸110cと回転軸30cとの交点GCに近づくように可動カメラ120を設けることが望ましい。この場合、可動カメラ120の重心が交点GCに近いほど、光軸110cを中心とする支持部材30の回転が安定化し、回転軸30cを中心とする可動部材40の回転が安定化する。また、支持部材30および可動部材40を回転させるために必要となる駆動力を低減することができる。それにより、モータ等の駆動部に加わる負担が低減される。
俯瞰カメラ180は、図4に示すように、その撮像視野が可動カメラ120の撮像視野と同じかまたはほぼ同じ方向を向くように支持フレーム32に設けられる。俯瞰カメラ180の画角は、基準カメラ110および可動カメラ120の画角に比べて大きい。そのため、俯瞰カメラ180の撮像視野は、基準カメラ110および可動カメラ120の撮像視野に比べて大きい。なお、可動カメラ120の画角は、例えば可動カメラ120から1.5m離間した位置で直径15cm程度の円形領域をカバーできるように設定される。
後述する追跡処理において、俯瞰カメラ180は、広い範囲に渡ってプローブ200を撮像するために用いられる。この場合、例えばプローブ200が移動することにより可動カメラ120の撮像視野からプローブ200が外れる場合でも、当該プローブ200が俯瞰カメラ180で撮像されることにより、撮像により得られる画像データ(以下、俯瞰画像データと呼ぶ。)に基づいてプローブ200の大まかな位置を特定することができる。特定された位置に基づいて、可動カメラ120の撮像視野内にプローブ200が位置するように、可動カメラ120の位置および姿勢が調整される。
図2に示すように、基準カメラ110、可動カメラ120、マーカ駆動回路130、回転駆動回路140、無線通信回路160および通信回路170は、ヘッド制御回路150に接続されている。ヘッド制御回路150は、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、基準カメラ110、可動カメラ120、マーカ駆動回路130および回転駆動回路140を制御する。
基準カメラ110、可動カメラ120および俯瞰カメラ180の各々は、撮像素子として、赤外線を検出可能なCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサを含む。また、基準カメラ110、可動カメラ120および俯瞰カメラ180の各々は、図示しない複数のレンズ(光学系)を含む。
上記のように、基準カメラ110、可動カメラ120および俯瞰カメラ180の各画素からは、検出量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ)がヘッド制御回路150に出力される。
ヘッド制御回路150には、図示しないA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)およびFIFO(First In First Out)メモリが実装されている。基準カメラ110、可動カメラ120および俯瞰カメラ180からそれぞれ出力される受光信号は、ヘッド制御回路150のA/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、FIFOメモリに順次蓄積される。FIFOメモリに蓄積されたデジタル信号は、画素データとして順次処理装置300に転送される。
マーカ駆動回路130は、ヘッド制御回路150の制御に基づいて、図6(a)の発光基板191を駆動する。それにより、発光基板191上の複数の発光素子Lが発光し、参照部材190の複数のマーカepから光が放出される。なお、この発光タイミングと基準カメラ110の撮像タイミングとは同期される。
回転駆動回路140は、ヘッド制御回路150の制御に基づいて図4の水平回転機構141を駆動する。それにより、図4の支持部材30が固定連結部20上で回転し、可動部材40および上部ケーシング92(図3)が回転する。このとき、可動部材40が回転することにより、スリット93(図3)を通って上部ケーシング92の内部から外部に導かれる可動カメラ120の撮像視野が図1の基準スタンド10上で水平方向に回転する。
また、回転駆動回路140は、ヘッド制御回路150の制御に基づいて図4のチルト回転機構143を駆動する。それにより、図4の可動部材40が一対の支持フレーム32,33間で回転軸30cを中心として回転する。このとき、スリット93(図3)を通る可動カメラ120の撮像視野が図1の基準スタンド10上でスリット93に沿って上下方向に回転する。これらの回転駆動回路140による可動カメラ120の撮像視野の回転は、処理装置300における後述する追跡処理に基づいて行われる。
ヘッド制御回路150は、無線通信回路160を介してプローブ200との間で無線通信を行う。また、ヘッド制御回路150は、通信回路170およびケーブルCA(図1)を介して処理装置300との間で有線通信を行う。
図2に示すように、処理装置300は、通信回路301、本体制御回路302および本体メモリ303を含む。通信回路301および本体メモリ303は、本体制御回路302に接続されている。また、本体制御回路302には、本体操作部320および本体表示部310が接続されている。
本体メモリ303は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)およびハードディスクを含む。本体メモリ303には、システムプログラムとともに、後述する測定処理プログラムおよび追跡処理プログラムが記憶される。また、本体メモリ303は、種々のデータの処理および撮像ヘッド100から与えられる画素データ等の種々のデータを保存するために用いられる。
本体制御回路302は、CPUを含む。本実施の形態においては、本体制御回路302および本体メモリ303は、パーソナルコンピュータにより実現される。本体制御回路302は、撮像ヘッド100からケーブルCA(図1)および通信回路301を介して与えられる画素データに基づいて画像データを生成する。画像データは複数の画素データの集合である。
本実施の形態では、撮像ヘッド100に設けられる基準カメラ110、可動カメラ120および俯瞰カメラ180にそれぞれ対応する基準画像データ、測定画像データおよび俯瞰画像データが生成される。また、プローブ200に設けられる後述するプローブカメラ208に対応する画像データが生成される。本体制御回路302は、基準画像データおよび測定画像データに基づいて、プローブ200の接触部211a(図1)の位置を算出する。
本体表示部310は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。本体表示部310には、本体制御回路302による制御に基づいて、測定対象物S上の測定点の座標および測定対象物Sの各部の測定結果等が表示される。また、本体表示部310には、測定に関する種々の設定を行うための設定画面が表示される。
本体操作部320は、キーボードおよびポインティングデバイスを含む。ポインティングデバイスは、マウスまたはジョイスティック等を含む。本体操作部320は、使用者Uにより操作される。
[3]プローブ200の構成
図8は、プローブ200の構成を示すブロック図である。図9はプローブ200の外観斜視図である。図8に示すように、プローブ200は、電気的な構成としてプローブ制御部201、表示灯202、バッテリ203、マーカ駆動回路204、プローブメモリ205、無線通信回路206、モーションセンサ207、プローブカメラ208、プローブ操作部221、タッチパネルディスプレイ230および複数(本例では3つ)の目標部材290を含む。
図8は、プローブ200の構成を示すブロック図である。図9はプローブ200の外観斜視図である。図8に示すように、プローブ200は、電気的な構成としてプローブ制御部201、表示灯202、バッテリ203、マーカ駆動回路204、プローブメモリ205、無線通信回路206、モーションセンサ207、プローブカメラ208、プローブ操作部221、タッチパネルディスプレイ230および複数(本例では3つ)の目標部材290を含む。
バッテリ203は、プローブ200に設けられた他の構成要素に電力を供給する。プローブ制御部201は、CPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、表示灯202、マーカ駆動回路204、プローブカメラ208およびタッチパネルディスプレイ230を制御する。また、プローブ制御部201は、使用者Uによるプローブ操作部221およびタッチパネルディスプレイ230の操作に応答して、各種処理を行う。
図8に二点鎖線で示すように、プローブ200は、上記の各構成要素を収容または支持するプローブケーシング210および把持部220を有する。プローブ制御部201、表示灯202、バッテリ203、マーカ駆動回路204、プローブメモリ205、無線通信回路206、モーションセンサ207およびプローブカメラ208は、プローブケーシング210内に収容される。複数の目標部材290は、プローブケーシング210の後述する上面部210c(図9)に設けられる。プローブ操作部221は、押下操作が可能に構成されたボタンであり、把持部220に設けられる。
タッチパネルディスプレイ230は、プローブ表示部231およびタッチパネル232を含む。プローブ表示部231は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機ELパネルにより構成される。
表示灯202は、例えば1または複数のLEDを含み、その発光部がプローブケーシング210の外部に露出するように設けられている。表示灯202は、プローブ制御部201の制御に基づいてプローブ200の状態に応じた発光動作を行う。
3つの目標部材290の各々は、基本的に図6(a),(b)の参照部材190と同じ構成を有する。マーカ駆動回路204は、複数の目標部材290に接続され、プローブ制御部201の制御に基づいて各目標部材290が含む複数の発光素子を駆動する。
プローブメモリ205は、不揮発性メモリまたはハードディスク等の記録媒体を含む。プローブメモリ205は、種々のデータの処理および撮像ヘッド100から与えられる画像データ等の種々のデータを保存するために用いられる。
モーションセンサ207は、例えば使用者Uがプローブ200を携行して移動する際に、そのプローブ200の動きを検出する。例えば、モーションセンサ207は、プローブ200の移動時に、その移動方向、加速度および姿勢等を検出する。プローブカメラ208は、例えばCCD(電荷結合素子)カメラである。
プローブ制御部201には、上記のCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータに加えて、図示しないA/D変換器およびFIFOメモリが実装されている。それにより、プローブ制御部201においては、モーションセンサ207により検出されたプローブ200の動きを示す信号がデジタル信号形式のデータ(以下、動きデータと呼ぶ。)に変換される。また、プローブ制御部201においては、プローブカメラ208の各画素から出力される受光信号がデジタル信号形式の複数の画素データに変換される。プローブ制御部201は、デジタル形式の動きデータおよび複数の画素データを、無線通信回路206を通して図2の撮像ヘッド100に無線通信により送信する。この場合、動きデータおよび複数の画素データは、さらに撮像ヘッド100から処理装置300に転送される。
図9に示すように、プローブケーシング210は、一方向に延びるように形成され、前端部210a、後端部210b、上面部210cおよび底面部210dを有する。底面部210dには、把持部220が設けられている。把持部220は、プローブケーシング210に平行に延びるように形成されている。プローブ操作部221は、把持部220のうちプローブケーシング210の後端部210bに近い部分に設けられている。
プローブケーシング210の後端部210bには、タッチパネルディスプレイ230が設けられている。前端部210aには、スタイラス211が設けられている。スタイラス211は、先端部に接触部211aを有する棒状の部材である。前端部210aには、さらにプローブカメラ208が設けられている。
プローブケーシング210の上面部210cには、前端部210aから後端部210bにかけて並ぶように3つの目標部材290が設けられている。本例の3つの目標部材290のうち前端部210aに最も近い目標部材290は、3つのマーカeqを有する。残りの2つの目標部材290の各々は、2つのマーカeqを有する。各マーカepは、赤外光を放出する自発光型のマーカである。なお、これらの複数のマーカeqの発光タイミングと撮像ヘッド100の可動カメラ120の撮像タイミングとは同期される。
使用者Uは、プローブケーシング210の上面部210cが撮像ヘッド100に向くように把持部220を把持する。その上で、使用者Uは、測定対象物Sの所望の部分に接触部211aを接触させる。また、使用者Uは、タッチパネルディスプレイ230に表示される画像を視認しつつ、プローブ操作部221およびタッチパネルディスプレイ230を操作する。
[4]測定点の座標の算出方法
本実施の形態に係る三次元座標測定装置1においては、基準カメラ110に対して予め定められた関係を有する三次元座標系(以下、装置座標系と呼ぶ。)が予め定義されている。また、処理装置300の本体メモリ303には、予め参照部材190における複数のマーカepの相対的な位置関係が記憶されている。
本実施の形態に係る三次元座標測定装置1においては、基準カメラ110に対して予め定められた関係を有する三次元座標系(以下、装置座標系と呼ぶ。)が予め定義されている。また、処理装置300の本体メモリ303には、予め参照部材190における複数のマーカepの相対的な位置関係が記憶されている。
上記のように、基準カメラ110は、参照部材190の複数のマーカepを撮像する。この場合、図2の本体制御回路302は、撮像により得られる基準画像データと、本体メモリ303に記憶されている複数のマーカepの位置関係とに基づいて、装置座標系における各マーカepの各座標を算出する。このとき、参照部材190の複数のマーカepの各々は、第1および第2のマーカep1,ep2に基づいて識別される。
その後、本体制御回路302は、算出された複数のマーカepの座標に基づいて、参照部材190上に固定された可動カメラ120の位置および姿勢を装置座標系により示す情報を第1の位置姿勢情報として生成する。
本実施の形態に係る三次元座標測定装置1においては、上記の装置座標系に加えて、可動カメラ120に対して予め定められた関係を有する三次元座標系(以下、可動座標系と呼ぶ。)が予め定義されている。また、処理装置300の本体メモリ303には、予めプローブ200における複数のマーカeqの相対的な位置関係が記憶されている。
上記のように、可動カメラ120は、プローブ200の複数のマーカeqを撮像する。この場合、図2の本体制御回路302は、撮像により得られる測定画像データと、本体メモリ303に記憶されている複数のマーカeqの位置関係とに基づいて、可動座標系における各マーカeqの各座標を算出する。
その後、本体制御回路302は、算出された複数のマーカeqの座標に基づいて、プローブ200の位置および姿勢を可動座標系により示す情報を第2の位置姿勢情報として生成する。
基準カメラ110は基準スタンド10に固定されている。そのため、測定対象物Sの測定時に装置座標系は変化しない。一方、可動カメラ120は、撮像視野がプローブ200の移動に追従するように、回転可能に設けられている。そのため、装置座標系と可動座標系との間の関係は、可動カメラ120の回転とともに変化する。
そこで、本実施の形態では、本体制御回路302は、第1および第2の位置姿勢情報に基づいて、プローブ200の位置および姿勢を装置座標系で表す第3の位置姿勢情報を生成する。すなわち、本体制御回路302は、第1の位置姿勢情報に基づいて装置座標系に対する可動座標系の相対的な関係を算出するとともに、算出された関係に基づいて第2の位置姿勢情報を装置座標系に従う情報に変換する。それにより、第3の位置姿勢情報が生成される。
その後、本体制御回路302は、生成された第3の位置姿勢情報と、プローブ200における複数のマーカeqおよび接触部211a間の位置関係とに基づいてプローブ200により指示された測定点の座標を算出する。
[5]測定例
図9のプローブ操作部221は、測定点の座標を算出するために使用者Uにより押下操作される。例えば、使用者Uは、測定対象物Sの所望の部分に接触部211aが接触された状態で、プローブ操作部221を押下操作する。この場合、この場合、測定対象物Sにおける接触部211aとの接触部分の座標が、測定点の座標として算出される。算出された測定点の座標は、測定結果として本体メモリ303に記憶されるとともに、プローブ表示部231および本体表示部310に表示される。
図9のプローブ操作部221は、測定点の座標を算出するために使用者Uにより押下操作される。例えば、使用者Uは、測定対象物Sの所望の部分に接触部211aが接触された状態で、プローブ操作部221を押下操作する。この場合、この場合、測定対象物Sにおける接触部211aとの接触部分の座標が、測定点の座標として算出される。算出された測定点の座標は、測定結果として本体メモリ303に記憶されるとともに、プローブ表示部231および本体表示部310に表示される。
三次元座標測定装置1においては、使用者Uは、図2の本体操作部320または図8のタッチパネルディスプレイ230を操作することにより、測定対象物Sに対して所望の測定条件を設定することができる。
具体的には、使用者Uは、測定対象物Sについて、幾何要素および測定項目の選択を行う。幾何要素は、測定対象物Sにおいて測定すべき部分の形状を示す幾何学形状の種類である。幾何学形状の種類には、点、直線、平面、円、円筒および球等が含まれる。また、測定項目は、測定対象物Sに対して何を測定すべきかを示すものであり、距離、角度および平面度等の種々の物理量が含まれる。
幾何要素および測定項目の選択後、使用者Uは、選択された幾何要素についてプローブ200を用いた1または複数の測定点の指示を行う。それにより、選択された幾何要素であって、測定対象物S上で1または複数の測定点により特定される幾何要素を装置座標系で示す情報(以下、要素特定情報と呼ぶ。)が生成される。その後、生成された要素特定情報に関して選択された測定項目の値が算出される。
例えば、使用者Uは、互いに平行かつ反対側の第1および第2の面を有する測定対象物Sの第1の面と第2の面との間の距離を測定したい場合には、幾何要素「平面1」および「平面2」を選択する。また、使用者Uは、測定項目「距離」を選択する。
この場合、使用者Uは、幾何要素「平面1」に対応する測定対象物S上の平面(第1の面)を特定するために、プローブ200を用いて測定対象物Sの第1の面の複数(本例では3点以上)の部分を測定点として指示する。これにより、幾何要素「平面1」に対応する要素特定情報が生成される。
さらに、使用者Uは、幾何要素「平面2」に対応する測定対象物S上の平面(第2の面)を特定するために、プローブ200を用いて測定対象物Sの第2の面の複数(本例では3点以上)の部分を測定点として指示する。これにより、幾何要素「平面2」に対応する要素特定情報が生成される。
その後、幾何要素「平面1」および「平面2」にそれぞれ対応する2つの要素特定情報に基づいて、測定項目「距離」に対応する測定対象物Sの第1の面と第2の面との間の距離が算出される。
算出された測定結果は、本体メモリ303に記憶されるとともに、プローブ表示部231および本体表示部310に表示される。
[6]測定処理
図10は、図2の本体制御回路302による測定処理の流れを示すフローチャートである。図10の測定処理は、図2の本体制御回路302のCPUが本体メモリ303に記憶された測定処理プログラムを実行することにより所定周期で繰り返して行われる。また、測定処理の開始時には、本体制御回路302に内蔵されたタイマがリセットされるとともにスタートされる。
図10は、図2の本体制御回路302による測定処理の流れを示すフローチャートである。図10の測定処理は、図2の本体制御回路302のCPUが本体メモリ303に記憶された測定処理プログラムを実行することにより所定周期で繰り返して行われる。また、測定処理の開始時には、本体制御回路302に内蔵されたタイマがリセットされるとともにスタートされる。
まず、本体制御回路302は、使用者Uによる図2の本体操作部320または図8のタッチパネルディスプレイ230の操作の有無に基づいて、幾何要素および測定項目の選択が行われたか否かを判定する(ステップS11)。
幾何要素および測定項目の選択が行われた場合、本体制御回路302は、選択された幾何要素および測定項目を図2の本体メモリ303に記憶させることにより測定条件として幾何要素および測定項目の設定を行う(ステップS12)。その後、本体制御回路302は、ステップS11の処理に戻る。
ステップS11において、幾何要素および測定項目の選択が行われない場合、本体制御回路302は、幾何要素および測定項目が設定されているか否かを判定する(ステップS13)。幾何要素および測定項目が設定されている場合、本体制御回路302は、測定対象物Sの測定を開始すべき指令を受けたか否かを判定する(ステップS14)。この判定は、例えば使用者Uによる本体操作部320またはタッチパネルディスプレイ230の操作の有無に基づいて行われる。
測定対象物Sの測定を開始すべき指令を受けた場合、本体制御回路302は、測定点座標算出処理を行う(ステップS15)。測定点座標算出処理の詳細は後述する。この処理により、本体制御回路302は、使用者によるプローブ200の操作に基づいて、選択された幾何要素を特定するための測定点の座標を算出する。
また、本体制御回路302は、ステップS15の測定点座標算出処理により算出される1または複数の測定点の座標を本体メモリ303に記憶させる(ステップS16)。
次に、本体制御回路302は、測定対象物Sの測定を終了すべき指令を受けたか否かを判定する(ステップS17)。この判定は、例えば使用者Uによる本体操作部320またはタッチパネルディスプレイ230の操作の有無に基づいて行われる。
測定の終了指令を受けない場合、本体制御回路302は、上記のステップS15の処理に戻る。一方、測定の終了指令を受けると、本体制御回路302は、直前のステップS16の処理で本体メモリ303に記憶された1または複数の測定点の座標から設定された幾何要素について要素特定情報を生成する(ステップS18)。
その後、本体制御回路302は、ステップS18の処理で生成された要素特定情報に基づいて設定された測定項目の値を算出し(ステップS19)、測定処理を終了する。なお、ステップS13の判定時において、複数の幾何要素(例えば、2つの平面等)が設定されている場合には、設定された幾何要素ごとに上記のステップS14〜S18の処理が行われる。
ステップS13において幾何要素および測定項目が設定されていない場合およびステップS14において測定対象物Sの測定を開始すべき指令を受けない場合、本体制御回路302は、内蔵のタイマによる計測時間に基づいて、当該測定処理が開始された後予め定められた時間が経過したか否かを判定する(ステップS20)。
予め定められた時間が経過していない場合、本体制御回路302は、ステップS11の処理に戻る。一方、予め定められた時間が経過した場合、本体制御回路302は、ステップS15の処理と同様に、後述する測定点座標算出処理を行う(ステップS21)。その後、本体制御回路302は、測定処理を終了する。
なお、ステップS21の処理は、例えば後述する追跡処理においてプローブ200が可動カメラ120または俯瞰カメラ180の撮像視野内にあるか否かを判定するために行われる。
図11は、測定点座標算出処理の流れを示すフローチャートである。まず、本体制御回路302は、プローブ200のプローブ制御部201に対して複数のマーカeq(図9)の発光を指令するとともに、撮像ヘッド100のヘッド制御回路150に対して参照部材190の複数のマーカep(図6(b))の発光を指令する(ステップS101)。
次に、本体制御回路302は、ヘッド制御回路150により基準カメラ110を用いて参照部材190の複数のマーカepを撮像させることにより基準画像データを生成する(ステップS102)。また、本体制御回路302は、生成された基準画像データに基づいて、可動カメラ120の位置および姿勢を装置座標系により示す第1の位置姿勢情報を生成する(ステップS103)。
次に、本体制御回路302は、可動カメラ120を用いてプローブ200の複数のマーカeqを撮像することにより測定画像データを生成する(ステップS104)。また、本体制御回路302は、生成された測定画像データに基づいて、プローブ200の位置および姿勢を可動座標系により示す第2の位置姿勢情報を生成する(ステップS105)。
その後、本体制御回路302は、第1および第2の位置姿勢情報に基づいて、プローブ200の位置および姿勢を装置座標系で表す第3の位置姿勢情報を生成する(ステップS106)。また、本体制御回路302は、生成された第3の位置姿勢情報に基づいてプローブ200により指示された測定点の座標を算出する。
なお、上記のステップS102,S103の処理とステップS104,S105の処理とは、逆の順に行われてもよい。
上記の測定処理によれば、使用者Uは、予め定められた複数の幾何要素および予め定められた複数の測定項目から所望の幾何要素および測定項目を選択することにより、測定対象物Sにおける所望の物理量を容易に測定することができる。
[7]追跡処理
図12は、図2の本体制御回路302による追跡処理の流れを示すフローチャートである。図12の追跡処理は、図2の本体制御回路302のCPUが本体メモリ303に記憶された追跡処理プログラムを実行することにより所定周期で繰り返して行われる。
図12は、図2の本体制御回路302による追跡処理の流れを示すフローチャートである。図12の追跡処理は、図2の本体制御回路302のCPUが本体メモリ303に記憶された追跡処理プログラムを実行することにより所定周期で繰り返して行われる。
まず、本体制御回路302は、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内にあるか否かを判定する(ステップS31)。この判定は、測定処理におけるステップS15,S21の処理中に生成される測定画像データに、複数のマーカeqに対応する画像データが含まれているか否かを判定することにより行われる。
プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内にある場合、本体制御回路302は、後述するステップS38の処理に進む。一方、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内にない場合、本体制御回路302は、プローブ200が俯瞰カメラ180の撮像視野内にあるか否かを判定する(ステップS32)。この判定は、上記の測定処理におけるステップS15,S21の処理中に生成される俯瞰画像データに、複数のマーカeqに対応する画像データが含まれているか否かを判定することにより行われる。
プローブ200が俯瞰カメラ180の撮像視野内にある場合、本体制御回路302は、後述するステップS37の処理に進む。一方、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内にない場合、本体制御回路302は、プローブ200から転送される動きデータに基づいてプローブ200の座標推定を行うことが可能か否かを判定する(ステップS33)。この判定は、例えば動きデータが異常な値を示しているか否かまたは動きデータの示す値が0であるか否か等に基づいて行われる。動きデータが異常な値を示す場合、または動きデータが0である場合、プローブ200の座標推定は不可能である。
プローブ200の座標推定が可能である場合、本体制御回路302は、動きデータに基づいてプローブ200の位置を推定する。また、本体制御回路302は、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内に位置するように、可動カメラ120の位置および姿勢の調整を指令する(ステップS34)。その後、本体制御回路302は、ステップS31の処理に戻る。
ここで、使用者Uは、図2の本体操作部320または図8のタッチパネルディスプレイ230を操作することにより、本体制御回路302にプローブ200の探索を指令することができる。
そこで、ステップS33において、プローブ200の座標推定が不可能である場合、本体制御回路302は、プローブ200の探索指令を受けたか否かを判定する(ステップS35)。プローブ200の探索指令を受けない場合、本体制御回路302は、ステップS31の処理に戻る。一方、プローブ200の探索指令を受けた場合、本体制御回路302は、撮像ヘッド100の支持部材30を回転するように、ヘッド制御回路150に指令する。このようにして、本体制御回路302は、俯瞰カメラ180によるプローブ200の探索を行う(ステップS36)。
その後、本体制御回路302は、プローブ200が俯瞰カメラ180の撮像視野内に位置することになると、俯瞰画像データに基づいてプローブ200の位置を算出する。また、本体制御回路302は、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内に位置するように可動カメラ120の位置および姿勢の調整をヘッド制御回路150に指令する(ステップS37)。
次に、本体制御回路302は、プローブ200が可動カメラ120の撮像視野内に位置することになると、プローブ200の複数のマーカeqの重心が可動カメラ120の撮像視野の中心に位置するように可動カメラ120の位置および姿勢の調整をヘッド制御回路150に指令する(ステップS38)。その後、本体制御回路302は、追跡処理を終了する。
上記の追跡処理によれば、プローブ200が移動する場合でも、可動カメラ120の撮像視野がプローブ200の複数のマーカeqに追従する。それにより、使用者Uは、可動カメラ120の撮像視野を手動で調整する必要がない。したがって、煩雑な調整作業を要することなく広い範囲で測定対象物Sの所望の測定点の座標を測定することが可能になる。
[8]プローブカメラ208の使用例
図8のプローブカメラ208によって測定対象物Sを撮像することにより、測定対象物Sの画像を図2の本体表示部310に表示させることができる。以下、プローブカメラ208により得られる画像を撮像画像と呼ぶ。
図8のプローブカメラ208によって測定対象物Sを撮像することにより、測定対象物Sの画像を図2の本体表示部310に表示させることができる。以下、プローブカメラ208により得られる画像を撮像画像と呼ぶ。
プローブ200の複数のマーカeqとプローブカメラ208との位置関係、およびプローブカメラ208の特性(画角およびディストーション等)は、例えば図2の本体メモリ303に撮像情報として予め記憶される。そのため、複数のマーカeqが可動カメラ120の撮像視野内にある場合、プローブカメラ208により撮像される領域が図2の本体制御回路302により認識される。すなわち、撮像画像に対応する3次元空間が本体制御回路302により認識される。この場合、本体表示部310に撮像画像を表示させつつ、測定対象物Sの測定時に設定された幾何要素および測定項目を重畳表示させることができる。
なお、撮像画像は、プローブ200のタッチパネルディスプレイ230に表示されてもよい。例えば、ある測定対象物Sについて、測定すべき部分をプローブカメラ208で予め撮像することにより得られた撮像画像をタッチパネルディスプレイ230に表示させる。この場合、使用者Uは、当該撮像画像を視認しつつプローブ200を操作することにより、他の測定対象物Sについてもその測定すべき部分を容易に識別することが可能になる。
[9]効果
(1)上記の三次元座標測定装置1においては、可動部材40が基準カメラ110の光軸110cの周りで回転する。その可動部材40には参照部材190の複数のマーカepが固定されている。この場合、可動部材40が回転する際には、複数のマーカepが基準カメラ110に対向する状態で光軸110cの周りを回転する。それにより、基準カメラ110により撮像される複数のマーカepの画像においては、複数のマーカepの回転状態が明確に表れる。したがって、基準カメラ110を用いて複数のマーカepを撮像することにより、基準カメラ110に対する可動カメラ120の位置および姿勢を示す第1の位置姿勢情報を高い精度で生成することができる。
(1)上記の三次元座標測定装置1においては、可動部材40が基準カメラ110の光軸110cの周りで回転する。その可動部材40には参照部材190の複数のマーカepが固定されている。この場合、可動部材40が回転する際には、複数のマーカepが基準カメラ110に対向する状態で光軸110cの周りを回転する。それにより、基準カメラ110により撮像される複数のマーカepの画像においては、複数のマーカepの回転状態が明確に表れる。したがって、基準カメラ110を用いて複数のマーカepを撮像することにより、基準カメラ110に対する可動カメラ120の位置および姿勢を示す第1の位置姿勢情報を高い精度で生成することができる。
可動カメラ120は可動部材40により基準カメラ110の光軸110cの周りで回転可能である。この場合、可動カメラ120の撮像視野を拡大することなく可動カメラ120による撮像可能な範囲が拡大される。したがって、可動カメラ120を用いてプローブ200の複数のマーカepを撮像することにより、可動カメラ120に対するプローブ200の位置および姿勢を示す第2の位置姿勢情報を高い精度で生成することができる。
したがって、第1および第2の位置姿勢情報に基づいて基準カメラ110に対するプローブ200の位置および姿勢を示す第3の位置姿勢情報を高い精度で生成することができる。
また、上記の構成によれば、基準カメラ110、可動カメラ120および参照部材190がケーシング90内に収容されている。それにより、基準カメラ110、可動カメラ120および参照部材190を取り囲む空間に塵埃および外乱光が進入することが低減される。したがって、第3の位置姿勢情報の信頼性が向上する。
生成された第3の位置姿勢情報に基づいて測定対象物S上の測定点の座標が算出される。これらの結果、広い範囲に渡って高い精度で信頼性の高い座標測定を行うことが可能になる。
(2)上記の撮像ヘッド100においては、可動部材40は基準カメラ110の光軸110cに直交する回転軸30cの周りで回転可能に支持されている。これにより、可動部材40に固定された可動カメラ120の撮像視野を上下方向に移動させることができる。その結果、可動カメラ120による撮像可能な範囲がより拡大されている。
(3)上記の参照部材190においては、複数のマーカepはマトリクス状に並ぶように配置されている。この場合、可動部材40が回転するときの複数のマーカepの変化の状態が把握しやすい。したがって、高い精度で第1の位置姿勢情報を生成することができる。
[10]他の実施の形態
(1)上記実施の形態では、参照部材190の複数のマーカepの各々は、平面円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。参照部材190においては、基準カメラ110の撮像により得られる画像データに基づいて可動カメラ120の位置および姿勢を算出することができればよい。
(1)上記実施の形態では、参照部材190の複数のマーカepの各々は、平面円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。参照部材190においては、基準カメラ110の撮像により得られる画像データに基づいて可動カメラ120の位置および姿勢を算出することができればよい。
各マーカepの形状は平面円形状に限らず、平面多角形状を有してもよいし、平面楕円形状を有してもよいし、平面星形状を有してもよいし、球形状を有してもよい。あるいは、参照部材190には、例えば格子状に形成された複数の直線状のマーカが設けられてもよいし、円環状のマーカが設けられてもよいし、コード化されたマーカが設けられてもよい。
(2)上記実施の形態では、参照部材190の複数のマーカepの各々は、複数の発光素子Lが発光することにより光を放出する自発光型の構成を有するが、本発明はこれに限定されない。各マーカepは、再起反射型の構成を有してもよい。この場合、基準カメラ110による複数のマーカepの撮像時には、それらのマーカepに光が照射される必要がある。
(3)上記実施の形態では、プローブ200を撮像するための可動撮像部として単眼の可動カメラ120が用いられるが、本発明はこれに限定されない。可動撮像部として、複眼のカメラが用いられてもよい。
(4)上記実施の形態では、参照部材190の複数のマーカepを撮像するための基準撮像部として単眼の基準カメラ110が用いられるが、本発明はこれに限定されない。基準撮像部として、複眼のカメラが用いられてもよい。
この場合、複眼カメラを構成する複数のカメラの光学系の光軸が互いに平行であるときには、参照部材190は、それらの各光軸に平行な軸の周りで回転可能となるように設けられる。一方、複眼カメラを構成する複数のカメラの光学系の光軸が互いに傾斜しているときには、参照部材190は、それらの光軸の重心軸に平行な軸の周りで回転可能となるように設けられる。
(5)上記実施の形態では、基準カメラ110は、基準スタンド10の固定部11の上面に光軸110cが直交するように設けられるが、本発明はこれに限定されない。基準カメラ110は、その光軸110cが基準スタンド10の固定部11の上面に対して傾斜するように設けられてもよい。
なお、この場合、参照部材190は、基準カメラ110の光軸110cに直交するように設けられるとともに、その光軸110cに平行な軸の周りで回転可能に設けられる。
(6)上記実施の形態に係る三次元座標測定装置1においては、俯瞰カメラ180は支持部材30に取り付けられているが、俯瞰カメラ180は固定連結部20に取り付けられてもよい。この場合、俯瞰カメラ180は、支持部材30の回転時に水平方向に回転しないので、より広い画角を有することが望ましい。あるいは、俯瞰カメラ180は設けられなくてもよい。この場合、三次元座標測定装置1の構成が単純化し、部品点数が低減される。
(7)上記実施の形態に係る三次元座標測定装置1においては、可動カメラ120は、チルト回転機構143によりその撮像視野が上下方向に移動可能に構成されるが、本発明はこれに限定されない。チルト回転機構143は設けられなくてもよい。この場合、可動カメラ120の撮像視野は、基準カメラ110の光軸110cの周りで水平方向にのみ回転する。
(8)上記実施の形態では、基準カメラ110の撮像視野を含む撮像空間rs(図5)を当該撮像空間rsの外部から光学的かつ空間的に遮断するために蛇腹50が設けられているが、本発明はこれに限定されない。
可動部材40と回転台座31との間には、蛇腹50に代えて、撮像空間rsを当該撮像空間rsの外部から光学的かつ空間的に遮断することが可能なカーテン状の軟質性素材が設けられてもよい。軟質性素材としては、例えば布またはゴム等を用いることができる。この場合、軟質性素材は、可動部材40の回転時に基準カメラ110の撮像視野に干渉しないように設けられる必要がある。
(9)上記実施の形態では、基準カメラ110の撮像視野を含む撮像空間rs(図5)を当該撮像空間rsの外部から光学的かつ空間的に遮断するために蛇腹50が設けられているが、本発明はこれに限定されない。
ケーシング90により撮像空間rs内に撮像空間rsの外部から光が進入することが十分抑制される場合には、撮像空間rsを当該撮像空間rsの外部から光学的に遮断する必要はない。また、ケーシング90内の温度雰囲気が均一かつ安定した状態で保持される場合には、撮像空間rsを当該撮像空間rsの外部から空間的に遮断する必要はない。したがって、これらの場合、蛇腹50は必ずしも設けられなくてもよい。
(10)上記実施の形態では、参照部材190の下面は一の平坦面で構成される。これに限らず、参照部材190の下面は、1または複数の段差と複数の平坦面とで形成されてもよい。この場合、複数の平坦面のうち少なくとも1つの平坦面上で複数のマーカepが並ぶように配置されることにより、上記の例と同様に、基準カメラ110に対する可動カメラ120の位置および姿勢を算出することが可能となる。
[11]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、プローブ200の複数のマーカeqが複数の測定マーカの例であり、基準スタンド10が基準ベースの例であり、基準カメラ110が基準撮像部の例であり、基準カメラ110の光学系の光軸110cが第1の回転軸の例であり、可動カメラ120が可動撮像部の例である。
また、参照部材190の複数のマーカepが参照マーカの例であり、本体制御回路302が算出部および測定部の例であり、可動部材40の上面41が取付部の例であり、回転軸30cが第2の回転軸の例であり、回転駆動回路140が回転駆動部の例であり、ヘッド制御回路150および本体制御回路302が回転駆動部の例である。
さらに、参照部材190の複数の発光素子Lが複数の発光素子の例であり、マーカ駆動回路130およびヘッド制御回路150が発光制御部の例であり、第1のマーカep1が第1の参照マーカの例であり、第2のマーカep2が第2の参照マーカの例であり、タッチパネルディスプレイ230、プローブ制御部201、本体操作部320および本体制御回路302が受付部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
1…三次元座標測定装置,10…基準スタンド,11…固定部,12…脚部,20…固定連結部,21…下固定板,22…上固定板,23…支柱,24…中空支持軸,30…支持部材,30c…回転軸,31…回転台座,32,33…支持フレーム,40…可動部材,41…上面,42…下面,43基板,50…蛇腹,90…ケーシング,91…下部ケーシング,92…上部ケーシング,93…スリット,94…俯瞰カメラ用窓,100…撮像ヘッド,110i…画像,110…基準カメラ,110c,120c…光軸,120…可動カメラ,130,204…マーカ駆動回路,140…回転駆動回路,141…水平回転機構,143…チルト回転機構,150…ヘッド制御回路,160,206…無線通信回路,170,301…通信回路,180…俯瞰カメラ,190…参照部材,191…発光基板,192…拡散板,193…ガラス板,194…マスク,195…拡散反射シート,200…プローブ,201…プローブ制御部,202…表示灯,203…バッテリ,205…プローブメモリ,207…モーションセンサ,208…プローブカメラ,210…プローブケーシング,210a…前端部,210b…後端部,210d…底面部,210c…上面部,211…スタイラス,211a…接触部,220…把持部,221…プローブ操作部,230…タッチパネルディスプレイ,231…プローブ表示部,232…タッチパネル,290…目標部材,300…処理装置,302…本体制御回路,303…本体メモリ,310…本体表示部,320…本体操作部,ep,eq…マーカ,ep1…第1のマーカ,ep2…第2のマーカ,GC…交点,iep,iep1,iep2…マーカ画像,rs…撮像空間,S…測定対象物,U…使用者
Claims (8)
- 複数の測定マーカを有するとともに測定対象物上の測定点を指示するためのプローブと、
基準撮像部と、
前記基準撮像部が有する光学系の光軸と平行な第1の回転軸の周りで回転可能に設けられる可動部材と、
前記可動部材に固定されるとともに、前記プローブの複数の測定マーカを撮像する可動撮像部と、
前記基準撮像部の撮像視野内で前記基準撮像部に対向するように、同一平面上で前記可動部材に固定される複数の参照マーカと、
前記基準撮像部、前記可動部材、前記可動撮像部および前記複数の参照マーカを収容するケーシングと、
前記基準撮像部により撮像された前記複数の参照マーカの画像を示す基準画像データに基づいて前記可動撮像部の位置および姿勢を示す第1の位置姿勢情報を生成し、前記可動撮像部により撮像された前記複数の測定マーカの画像を示す測定画像データに基づいて前記可動撮像部に対する前記プローブの位置および姿勢を示す第2の位置姿勢情報を生成し、前記生成された前記第1および第2の位置姿勢情報に基づいて前記基準撮像部に対する前記プローブの位置および姿勢を示す第3の位置姿勢情報を生成し、前記生成された前記第3の位置姿勢情報に基づいて前記プローブにより指示された測定点の座標を算出する算出部とを備えた、三次元座標測定装置。 - 前記可動部材は、前記可動撮像部が固定される取付部を有し、
前記複数の参照マーカは、前記取付部と反対側を向くように前記可動部材に設けられ、
前記基準撮像部は、前記可動部材に関して前記可動撮像部とは反対側に載置された、請求項1記載の三次元座標測定装置。 - 前記可動部材は、前記第1の回転軸に直交する第2の回転軸の周りでさらに回転可能に設けられた、請求項1または2記載の三次元座標測定装置。
- 前記可動部材を前記第1の回転軸の周りで回転させる回転駆動部と、
前記複数の測定マーカが前記可動撮像部の撮像視野内に位置するように、前記回転駆動部を制御する回転制御部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の三次元座標測定装置。 - 前記複数の参照マーカは、複数の発光素子を含み、
前記三次元座標測定装置は、前記複数の発光素子を駆動することにより前記複数の参照マーカを発光させる発光制御部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の三次元座標測定装置。 - 前記複数の参照マーカは、マトリクス状に並ぶように配置された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の三次元座標測定装置。
- 前記複数の参照マーカは、互いに離間するように設けられた第1および第2の参照マーカを含み、
前記第1および第2の参照マーカは、他の参照マーカから識別可能に構成された、請求項1〜6のいずれか一項に記載の三次元座標測定装置。 - 予め定められた複数の幾何要素および予め定められた複数の測定項目から選択された幾何要素および測定項目を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた幾何要素および測定項目と前記算出部により算出された1または複数の測定点の座標とに基づいて、前記測定対象物において前記1または複数の測定点により特定される前記選択された幾何要素に関する前記選択された測定項目の値を算出する測定部とをさらに備えた、請求項1〜7のいずれか一項に記載の三次元座標測定装置。
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