免疫系を調節する分子は、いくつか発見されている。本明細書で説明するように、多くのペプチド(たとえば酵素によって開裂または変性したアルブミンおよび/またはアルブミンフラグメントから得られたペプチド)が、ヒト免疫細胞上に存在する受容体(たとえばIL−2受容体および/またはLFA−1受容体)に結合することによって免疫細胞のいくつかの機能または特性(たとえばリンパ球増殖、白血球の伸展/遊走、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の細胞傷害性)を阻害するが、これらは免疫系を正常に維持するための中心的役割である。興味深いことに、治療に対する抵抗が生じたマウスモデルには、アルブミンの分解の顕著な亢進が見られた、(Culp WD,et al.,J ProteomeRes.2006;5:1332−43)。したがって、いくつかの実施形態は、アルブミン由来の免疫調節ペプチドまたは構造体(たとえば合成された模倣体もしくは類似体またはペプチド模倣体)であるかまたはそれと構造上類似したあるいは模倣した分子を含み、このような分子はヒト免疫細胞上に存在する受容体と結合および/または相互作用し、免疫系(たとえばリンパ球増殖の抑制、白血球の伸展/遊走、および/またはNK細胞傷害性)を阻害または抑制する。さらに、アルブミン由来の免疫調節ペプチドまたは構造体と結合および/または相互作用することによって、該アルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体とヒト免疫細胞上の受容体との相互作用を阻害するいくつかの分子が開発されている。たとえば、アルブミン由来の免疫調節ペプチドまたは構造体に結合する抗体およびペプチドが作製されており、これらアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体に対する阻害剤は、アルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の能力を阻害することによって免疫細胞の機能を阻害または抑制することがわかっている。
本明細書に記載する方法およびアプローチにより、P28R(配列番号:2)またはP28コア(配列番号:62)のような好ましいアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体が同定された。P28R阻害剤およびP28コア阻害剤は、ブロック解除(たとえば、LFA−1などの免疫細胞受容体に結合した免疫調節ペプチドまたは3028構造体をはずすこと)により、該免疫細胞受容体(たとえばLFA−1)に結合したあるいは関連付けられたアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体を除去または置換し、それによって正常な免疫細胞機能(たとえばIL−2等の誘導物質への応答としての免疫細胞増殖、CD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導は、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖)を回復させることがわかっている。したがって、本明細書のいくつかの実施形態によれば、P28RおよびP28コアは、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖をより強く誘導できることが期待される。P28Rもまた、免疫細胞を直接刺激して、腫瘍細胞内に細胞傷害性を誘導することがわかっている。本明細書に記載する内容を用いれば、アルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を他にもいくつか開発できることが期待される。したがって、本発明の態様は、ペプチド、修飾ペプチド、ペプチド模倣体、アプタマー、抗体、およびそのフラグメントを含み、これらはアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体等の免疫調節構造体に結合する。本発明の態様はまた、それらの製造方法および使用方法、特に、その必要のある対象において免疫抑制(たとえば、がん、あるいはたとえば抗生物質耐性による、病原性、ウイルス性、細菌性の、持続性または慢性感染症に起因する免疫抑制)を軽減する方法を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、式VIIを含む単離されたペプチドを含む組成物に関し、式VIIは次の通りである。
X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)
式中、
X700はK,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであるかまたは存在せず;
X701はL,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであるかまたは存在せず;
X702はD,A,E,I,V,WもしくはYであるかまたは存在せず;
X703はT,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであるかまたは存在せず;
X704はF,A,I,M,N,P,TもしくはVであるかまたは存在せず;
X705はF,L,M,Q,S,TもしくはVであるかまたは存在せず;
X706はV,F,G,L,PもしくはRであるかまたは存在せず;
X707はL,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであるかまたは存在せず;
X708はS,H,M,N,QもしくはTであるかまたは存在せず;
X709はL,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであるかまたは存在せず;
X710はF,A,C,G,H,I,L,M,NP,Q,R,S,T,VもしくはWであるかまたは存在せず;
X711はT,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであるかまたは存在せず;かつ
X712はR,F,K,N,R,TもしくはYであるかまたは存在しない。
前記式VIIは、配列番号:1〜101,167〜172,174〜177,179〜393,396〜581,または582のいずれか1つであってよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式VIIIを含む単離されたペプチドを含む組成物を含み、式VIIIは次の通りである。
X800KX801KX802EX803(配列番号:395)
式中、
X800はK,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであるかまたは存在せず;
X801はLDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであるかまたは存在せず;
X802はLSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであるかまたは存在せず;かつ
X803はR,F,K,N,R,TもしくはYであるかまたは存在しない。
前記式VIIIは、配列番号:1〜34,64〜68,70〜72,74〜77,80,83,86,89,92〜96,99〜100,264,268〜269,270〜386,388〜393,396〜401,403,404,406,408〜411,413〜416,419〜420,422〜438,442〜444,446〜449,451〜453,455〜458,460,462〜466,470,472〜477,479〜480,482〜484,486,487,489,491〜493,495〜498,500〜508,512〜517,519〜522,528〜530,532,533,535〜538,540,542〜551,553,557〜559,567,570,572〜581,または582のいずれか1つであってよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式Iを含む単離されたペプチドを含む組成物を含み、式Iは次の通りである。
XX1VKX2X3X4(配列番号:166)
式中、
XはKKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであるかまたは存在しない。
X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VTもしくはVLであるかまたは存在せず;
X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VTもしくはVHであるかまたは存在せず;
X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRであり;かつ
X4はERもしくはEであるかまたは存在しない。
前記式Iは、配列番号:2〜40,46〜52,58〜65,67〜71,74〜77,80〜83,86〜88,92〜96,99〜101,166,173,178,182,268〜325,332〜392〜393,396〜415,417〜444,446〜468,470〜487,489〜494,497〜508,510,512,514〜517,520〜522,524〜525,528〜533,535〜536,538〜539,542〜544,546,548,551,553,556〜559,561,563〜568,571〜573,575〜581,または582のいずれか1つであってよく、たとえば配列番号:2〜33のいずれか1つであってよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式IIを含む単離されたペプチドを含む組成物を含み、式IIは次の通りである。
XTFFVKLSX1X2(配列番号:173)
式中、
XはKKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであるかまたは存在せず;
X1はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであるかまたは存在せず;かつ
X2はERもしくはEであるかまたは存在せず,たとえば前記式IIは、配列番号:2〜5,19〜38,46〜49,58〜61,64,68〜70,75,81,87,93,94,100,101,173,268〜303,350〜393,396,398,399,400,402,403,405,406〜408,412〜414,417,418,421〜423,426〜428,430,431,435,436,438,439,440〜442,448〜455,458,459,461,465,467,468,471,475,476,478〜481,483,485,487,489〜491,493,494,497〜499,503,507,510,512,514〜517,520,521,524,525,528,529,531,533,538,539,542〜,544,546,551,556〜559,561,563〜568,571〜573,575〜577,579,580,または581のいずれか1つであってよい。その他の例としては、XがKKLD(配列番号:174)、またはX2がER、または前記式がTFFVKLSLFTER(配列番号:49)またはTFFVKLSLFTE(配列番号:250)、または前記式がKKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)またはKKLDTFFVKLSLFTE(配列番号:34)である、単離されたペプチドが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態は、式IIIを含む単離されたペプチドを含む組成物を含み、式IIIは次の通りである。
XX1VKLX2LX3TEX4(配列番号:178)
式中、
XはKKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであるかまたは存在せず;
X1はF,M,S,V,TもしくはLであるかまたは存在せず;
X2はS,Q,M,TもしくはHであるかまたは存在せず;
X3はF,M,Q,H,N,P,S,G,AもしくはRであるかまたは存在せず;かつ
X4はRであるかまたは存在しない。
前記式IIIは、配列番号:2〜13,15〜18,22〜30,34,46〜52,58,64,65,70,71,76,77,82,83,88,93〜96,99,100,178,268〜325のいずれか1つであってよい。その例としては、XがKKLDTF(配列番号:178)、またはX4がR、または前記式がVKLSLFTER(配列番号:52)またはVKLSLFTE(配列番号:251)、または前記式がKKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)またはKKLDTFFVKLSLFTE(配列番号:34)の場合が挙げられる。
その他の例としては、配列番号:1〜101,167〜172,174〜177,179〜393,396〜581および582のうち少なくとも1つ、または配列番号:1〜32,34,64〜66,68,76,94〜96,98,および264〜393のうち少なくとも1つ、または表5.1の配列のうち少なくとも1つを含む、単離されたペプチドが挙げられる。
上述の単離されたペプチドは、D−アミノ酸、人工アミノ酸、もしくは化学的に修飾されたアミノ酸であるアミノ酸を少なくとも1つ有してもよく、かつ/またはN末端アセチル基および/もしくはC末端アミド基を含んでもよく、かつ/またはグリコシル化もしくはニトロシル化されていてもよい。
上述の単離されたペプチドは、ポリエチレングリコール、脂肪酸または薬物動態改良剤と結合されていてもよく、かつ/または環状ペプチドを含んでいてもよい。
上述の単離されたペプチドは、少なくとも1つの修飾、たとえば、D−アミノ酸および/またはN末端アセチル基および/またはC末端アミド基および/またはグリコシル化および/またはニトロシル化および/またはカルボニル化および/または酸化および/または結合された薬物動態改良剤および/または結合されたポリエチレングリコールのうち少なくとも1つまたはこれらの任意の組合せを含んでいてもよい。
上述の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば7〜20アミノ酸長であってよい。
上述の単離されたペプチドは、支持体、担体、および/または融合タンパク質のうち1つと結合されていてもよい。
上述の単離されたペプチドは、多量体化されていてもよい。
上述の単離されたペプチドには、検出可能な標識、たとえばビオチン化標識、放射性標識、蛍光標識もしくは金コロイド標識等が結合されていてもよく、かつ/または細胞傷害性薬、たとえば放射化学物質もしくは毒素等が結合されていてもよい。
上述の単離されたペプチドの長さは、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6または5アミノ酸長以下であってよく、またこれらのうちの任意の数の間にある任意の長さであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、たとえば配列番号:2、62、102〜165、583〜586、または589等の、上記で開示された任意のペプチドをコードする配列を含む単離されたポリヌクレオチドに関する。本発明はさらに、前記の単離されたポリヌクレオチドを含むベクターに関する。前記の、ベクター内に存在してもよい単離されたポリヌクレオチドにコードされるペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば7〜20アミノ酸長であってよい。
本発明のいくつかの実施形態は、アルブミン、アルブミンフラグメント、支持体、担体、または融合タンパク質のうち少なくとも1つと結合されている、任意の上述の単離されたペプチドを含むタンパク質複合体に関する。本発明はさらに、前記タンパク質複合体を製造する方法であって、
上記で定義された任意のペプチドを、ヒトである対象から得た、アルブミンまたはそのフラグメントを含む生物学的試料と接触させること;および
前記タンパク質複合体の存在を検出すること
を含む方法に関する。
前記ペプチドは、たとえば支持体に取り付けられていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、生物学的試料中のアルブミンまたはアルブミンフラグメントの存在を検出する方法であって、
上記で定義された任意のペプチドを、アルブミンまたはそのフラグメントを含む生物学的試料と接触させること;および
前記ペプチドの、前記アルブミンまたはアルブミンフラグメントへの結合を検出すること
を含む方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は上記で定義されたペプチドに特異的な結合手段に関し、該結合手段は、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体またはその結合性フラグメント、たとえば単一ドメイン抗体等の機能性フラグメントであり、たとえば前記抗体はモノクローナル抗体であってよく、前記結合性フラグメントはモノクローナル抗体結合性フラグメントであってよい。
いくつかの実施形態において、本発明は表1〜4の配列(配列番号:183〜184、および188〜246)のうち少なくとも1つを含むペプチドに特異的なアプタマー、たとえば配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)に特異的なアプタマーに関する。前記アプタマーは、たとえばDNAまたはペプチドアプタマーであってよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、その必要のある対象における免疫抑制を阻害する方法であって、
免疫抑制に関連する状態にある患者を特定すること;
前記患者に上記で定義されたペプチドのいずれかを投与すること;および
患者の体内における白血球の伸展の増加を検出すること
を含む方法に関する。前記ペプチドの長さは、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、16、15、14、13、12、11、10の、9、8、7、6または5アミノ酸長以下であってよく、またこれらのうちの任意の数の間にある任意の長さであってもよく、前記ペプチドは合成されたものであってよい。前記ペプチドの投与は、前記ペプチドを少なくとも重量で0.1%、たとえば少なくとも重量で0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%または30%含む組成物を投与することを含んでもよく、前記ペプチドの含有量は列記した任意の2つの値の間の範囲にあってもよい。前記患者は、がん、ウイルス感染または細菌感染、たとえば大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がんを患っていてもよい。前記方法はさらに、リンパ球遊走の増加を検出することを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、アルブミンフラグメントの受容体への結合を阻害する方法であって、
免疫抑制を患うヒトを特定すること;
免疫細胞を上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記ペプチドとの接触後の免疫細胞増殖の増加を検出すること
を含む方法に関する。前記免疫細胞は、たとえばリンパ球またはPBMCであってよい。前記ヒトは、がん、ウイルス感染または細菌感染、たとえば大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がんを患っていてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、NK細胞の細胞傷害性を増強する方法であって、
免疫抑制を患うヒトを特定すること;
NK細胞を上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記ペプチドとの接触後のNK細胞の細胞傷害性を、対照試料と、たとえば前記ペプチドの非存在下におけるNK細胞の細胞傷害性または無関係なペプチドとの接触後のNK細胞の細胞傷害性と比較して、その増強を検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトは、がん、ウイルス感染または細菌感染、たとえば大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がんを患っていてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトリンパ球の遊走を増加させる方法であって、
免疫抑制を患うヒトを特定すること;
ヒトリンパ球を上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記ペプチドとの接触後のヒトリンパ球の遊走を、対照試料と、たとえば前記ペプチドの非存在下におけるヒトリンパ球の遊走または無関係なペプチドとの接触後のヒトリンパ球の遊走と比較して、その増加を検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトは、がん、ウイルス感染または細菌感染、たとえば大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がんを患っていてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法であって、
ヒトリンパ球を、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの存在下において、上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を、対照試料と、たとえば前記ペプチドの非存在下におけるヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合、または無関係なペプチドの存在下におけるヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合と比較して、その阻害を検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトアルブミンフラグメントは、配列番号:185と少なくとも95%の相同性を有する配列、たとえば配列番号:185の配列を含むヒトアルブミンフラグメントを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法であって、
LFA−1受容体およびIL−2受容体のうち少なくとも1つがヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントに結合されているヒトリンパ球を供給すること;
前記ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントに、分子を特異的に結合させること;および
前記LFA−1受容体、IL−2受容体を介したヒトリンパ球への刺激の阻害の低減を検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトアルブミンフラグメントは、配列番号:185と少なくとも95%の相同性を有する配列、たとえば配列番号:185の配列を含むヒトアルブミンフラグメントを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、がん細胞にペプチドを結合させる方法であって、
がん細胞を上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記ペプチドの、前記がん細胞への結合を検出すること
を含む方法に関する。前記がんは、大腸がん細胞、腎臓がん細胞、乳がん細胞、皮膚がん細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵臓がん細胞、肺がん細胞、腎臓がん細胞、悪性黒色腫細胞または造血細胞がん細胞であってもよい。前記ペプチドには、検出可能な標識、たとえばビオチン化標識、放射性標識、蛍光標識もしくは金コロイド標識等が結合されていてもよく、かつ/または細胞傷害性薬、たとえば放射化学物質もしくは毒素等、および/または抗体もしくは抗体フラグメントまたはそれらの機能性フラグメントが結合されていてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトがん細胞の増殖を阻害する方法であって、
ヒトがん患者を特定すること;
前記ヒトがん患者の免疫細胞を、上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記患者のがん細胞の増殖の阻害または前記患者のがん細胞の細胞死の誘導を検出すること
を含む方法に関する。たとえば、前記患者のがん細胞の増殖の阻害を検出してもよく、前記患者のがん細胞の細胞死の誘導を検出してもよい。前記がんは、たとえば、大腸がん細胞、腎臓がん細胞、乳がん細胞、皮膚がん細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵臓がん細胞、肺がん細胞、腎臓がん細胞、悪性黒色腫細胞または造血細胞がん細胞であってもよい。たとえば、ヒトの免疫細胞の増殖の増加を検出してもよい。前記免疫細胞は、リンパ球またはPBMCであってよい。この方法において使用するペプチドは合成されたものであってよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体に結合したリガンドを除去する方法であって、
ヒトリンパ球を上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記LFA−1受容体へのリガンドの結合の低減を検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトリンパ球は、がん、ウイルス感染または細菌感染を患う患者由来、たとえば乳がん、腎細胞がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がんを患う患者由来であってよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトリンパ球のIL−2受容体に結合したリガンドを除去する方法であって、
ヒトリンパ球を上記で定義されたペプチドのいずれかと接触させること;および
前記IL−2受容体へのリガンドの結合の低減を検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトリンパ球は、がん、ウイルス感染または細菌感染を患う患者由来、たとえば乳がん、腎細胞がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がんを患う患者由来であってよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、免疫不全のヒトにおける免疫抑制を軽減する方法であって、
ヒトに、上記で定義されたペプチドを供給すること;および
前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を、たとえばCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖等を検出することによって検出すること
を含む方法に関する。前記ヒトは、がん、ウイルス感染または細菌感染を有していてもよく、該がんはたとえば乳がん、腎細胞がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がん等である。前記ペプチドは、前記ペプチドを少なくとも重量で0.1%、たとえば少なくとも重量で0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%または30%含む組成物として前記ヒトに投与されてもよく、前記ペプチドの含有量は列記した任意の2つの値の間の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態において、免疫抑制における検出は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法であって、
ヒトに、上記で定義されたポリヌクレオチドまたはベクターを供給すること;および
ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、LFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合の阻害を検出すること
を含む方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトがん細胞の増殖を阻害する方法であって、
がん細胞を有するヒトに、上記で定義されたポリヌクレオチドまたはベクターを供給すること;および
前記がん細胞の増殖の阻害を検出すること
を含む方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれにも結合したリガンドを除去する方法であって、
ヒトリンパ球を上記で定義されたポリヌクレオチドまたはベクターと接触させること;および
前記LFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへのリガンドの結合の低減を検出すること
を含む方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、免疫不全のヒトにおける免疫抑制を軽減する方法であって、
前記ヒトに、上記で定義されたポリヌクレオチドまたはベクターを供給すること;および
前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を、たとえばCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することによって検出すること
を含む方法に関する。いくつかの実施形態において、免疫抑制の軽減の検出は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、
上記で定義されたペプチドのいずれか;および
薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤
を含む医薬組成物に関する。前記ペプチドは、配列番号:1〜33、34、46〜53、62、64〜66、68、76、94〜96、98、583〜586、または589のうち少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を用いた治療を必要とする患者を特定する方法であって、
前記患者の免疫細胞を、上記で定義されたペプチドのいずれかとインビトロで接触させること;
前記免疫細胞の増殖の阻害を検出すること;
前記ペプチドが前記免疫細胞の増殖を阻害する場合に、免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を用いた治療に応答する見込みを有するとして前記患者を分類すること
を含む方法に関する。該方法は、たとえば、必要のある患者における免疫抑制を軽減すること(必要のある患者に、上記で定義されたペプチドを供給すること、および/または前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を検出すること含む)をさらに含んでもよく、必要のある患者における免疫抑制を軽減すること(必要のある患者に、上記で定義されたベクターまたはポリヌクレオチドを供給すること、および/または前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を検出すること含む)をさらに含んでもよい。
本発明の別の一実施形態は単離されたペプチドに関し、該ペプチドは配列番号:2のアミノ酸残基K2と同一のアミノ酸残基を含む、かつ/または該ペプチドは配列番号:2のアミノ酸残基K9と同一のアミノ酸残基を含む、かつ/または該ペプチドは配列番号:2のアミノ酸残基E15と同一のアミノ酸残基を含む。
上記で定義されたペプチドは、少なくとも1つの修飾、たとえば、少なくとも1つの自然には発生しないアミノ酸、および/または少なくとも1つのD−アミノ酸、N末端アセチル基、C末端アミド基、グリコシル化、ニトロシル化、結合された薬物動態改良剤、または結合されたポリエチレングリコールを含んでいてもよい。上記で定義されたペプチドの長さは、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6または5アミノ酸長以下であってよく、またこれらのうち任意の2つの数の間にある長さ、たとえば6〜20アミノ酸長、7〜20アミノ酸長であってもよく、8〜16アミノ酸長が好ましく、9〜15アミノ酸長が最も好ましい。上記で定義されたペプチドはいずれも、支持体と結合されていてもよく、また多量体化されていてもよい。
別の一実施形態において、本発明は、上記で定義された任意のペプチドをコードする配列を含む単離されたポリヌクレオチドと、該単離されたポリヌクレオチドを含むベクターと、上記で定義された任意のペプチドに結合しているアルブミンまたはアルブミンフラグメントを含むタンパク質複合体に関する。前記タンパク質複合体は、支持体に結合されていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式(I),XX1VKX2X3X4(配列番号:166)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる単離されたペプチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、前記ペプチドは、配列番号:2〜33のいずれかを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、式(II),X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる単離されたペプチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの数の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式(III),X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる単離されたペプチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの数の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式(VII),X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる単離されたペプチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの数の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、式(VIII),X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる単離されたペプチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの数の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、表5.1に示すペプチドのうち1以上を含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなる単離されたペプチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの数の間の範囲も包含される。
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載されるアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体のペプチド阻害剤(たとえば、上記のペプチドのうち1以上)をコードする単離されたポリヌクレオチドを含む、または該ポリヌクレオチドからなる、または本質的に該ポリヌクレオチドからなる単離されたポリヌクレオチドを含む組成物を含む。いくつかの実施形態は、このような単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含む。いくつかの実施形態はさらに、本明細書に記載される1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤に結合したアルブミンまたはアルブミンフラグメントを含むタンパク質複合体を含む。
いくつかの実施形態において、上記の任意の組成物は、以下からなる群より選択される緩衝剤を含む:Trizma、Bicine、Tricine、MOPS、MOPSO、MOBS、Tris、Hepes、HEPBS、MES、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ホウ酸塩、ACES、ADA、酒石酸塩、AMP、AMPD、AMPSO、BES、CABS、カコジル酸塩、CHES、DIPSO、EPPS、エタノールアミン、グリシン、HEPPSO、イミダゾール、イミダゾール乳酸、PIPES、SSC、SSPE、POPSO、TAPS、TABS、TAPSO、およびTES。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載されるタンパク質複合体を製造する方法を含む。該方法は、本明細書に記載されるペプチドとヒト由来の生物学的試料とを接触させることを含みうる。いくつかの実施形態において、前記生物学的試料はアルブミンまたはアルブミンフラグメントを含む。該方法は、前記タンパク質複合体の存在を検出することを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、生物学的試料中のアルブミンまたはアルブミンフラグメントの存在を検出する方法を含む。該方法は、ペプチド阻害剤(たとえば、本明細書に記載される1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)と、アルブミンまたはアルブミンフラグメントを含む生物学的試料とを接触させることを含みうる。該方法は、アルブミンまたはアルブミンフラグメントと、本明細書に記載される1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤との結合を検出することを含みうる。本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載される1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体に特異的な抗体またはその結合性フラグメントを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)を含むペプチドまたはそのフラグメントに特異的に結合するアプタマーを含む。本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載の任意の免疫調節ペプチド(たとえば、本明細書に掲載する表に示す任意のペプチド)に特異的に結合するアプタマーを含む。いくつかの実施形態において、アプタマーはオリゴヌクレオチドアプタマーである。いくつかの実施形態において、アプタマーはペプチドアプタマーである。
本発明のいくつかの実施形態は、免疫抑制、たとえば、がんに起因する、あるいはたとえば抗生物質耐性による、病原性、ウイルス性、細菌性の、持続性または慢性感染症に起因する免疫抑制を患う患者に対処する方法を含む。このようなアプローチは、免疫抑制を治療する、または、免疫細胞増殖の低減、NK細胞の細胞傷害性減弱、もしくは白血球遊走等の免疫抑制の特徴あるいはそのマーカーを阻害する方法、またはウイルス性もしくは細菌性の疾患を治療する方法(たとえば、肝炎等の慢性ウイルス感染またはスタフィロコッカス属、レンサ球菌属、シュードモナス属、もしくは他の病原細菌によって引き起こされる細菌感染を治療または抑制する方法)を含む。該方法は、がんまたは細菌性、ウイルス性、持続性、慢性もしくはウイルス性の感染症などの、免疫抑制に関連する状態にある患者を特定することを含む。該方法は、前記特定された患者に対し、本明細書に記載する前記ペプチド阻害剤(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)の1以上を投与すること、ならびにCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖等を検出することを含みうる。該方法はさらに、患者の体内における白血球の伸展の増加を検出することを含みうる。これらの方法のいくつかは、たとえば、表5.1または表5.4に示すペプチドのうち1以上を含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなる単離されたペプチド、または配列番号:2、62、584または589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる組成物を含む。いくつかの実施形態において、表5.1または表5.4に示され、本発明に使用される単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの数の間の範囲も包含される。
本発明のいくつかの実施形態は、アルブミンフラグメントの受容体への結合を阻害する方法を含む。該方法は、免疫抑制を有するヒトを特定することを含みうる。該方法は、免疫細胞とペプチド(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを、本明細書に記載するように接触させることを含みうる。免疫細胞と阻害剤とを接触させる際に、ヒトの血清が存在してもよい。該方法は、本明細書に記載するような、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤との接触後に、CD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の増殖の亢進、または免疫細胞の活性化もしくは刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、またはグランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激を検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトの自己血清の存在下、NK細胞またはリンパ球の細胞傷害性を増強する方法を含む。該方法は、免疫抑制を有するヒトを特定することを含みうる。該方法は、前記ヒトの血清の存在下、NK細胞とペプチド(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを、本明細書に記載するように接触させることを含みうる。該方法は、前記阻害剤との接触後の前記NK細胞の細胞傷害性が、対照試料と比較して増強されていることを検出することを含みうる。対照試料は、ヒト自己血清が存在し、かつ前記阻害剤が存在しない場合のNK細胞の細胞傷害性、またはヒト自己血清および無関係なペプチドが存在する場合のNK細胞の細胞傷害性を含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトのリンパ球の機能、たとえば、ヒトの自己血清の存在下における遊走、CD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖等を増強する方法を含む。該方法は、免疫抑制を患うヒトを特定することを含みうる。該方法は、前記ヒトの血清の存在下、ヒトリンパ球とペプチド(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを、本明細書に記載するように接触させることを含みうる。該方法は、前記阻害剤との接触後に、CD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる前記ヒトリンパ球の遊走の亢進、または免疫細胞の活性化もしくは刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖等を対照試料と比較して検出することを含みうる。対照試料は、ヒト自己血清が存在し、かつ前記阻害剤が存在しない場合のヒトリンパ球の遊走、またはヒト自己血清および無関係なペプチドが存在する場合のヒトリンパ球の遊走を含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、細胞受容体、たとえばヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法を含む。該方法は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの存在下、ヒトリンパ球とペプチド(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを、本明細書に記載するように接触させることを含みうる。該方法は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合の阻害を対照試料と比較して検出することを含みうる。対照試料は、前記阻害剤の非存在下における、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合、または無関係なペプチドの存在下における、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントのヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法を含む。該方法は、ヒトリンパ球を供給することを含みうる。いくつかの実施形態において、LFA−1受容体またはIL−2受容体の少なくとも1つがヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントに結合される。該方法は、阻害剤(たとえば、本明細書に記載される1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)を、ヒトアルブミンまたはアルブミンフラグメントに特異的に結合させることを含みうる。該方法は、CD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる、LFA−1受容体、IL−2受容体を介した前記ヒトリンパ球上の刺激の阻害の軽減または免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、がん細胞と、該がん細胞と特異的に相互作用する分子(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを、本明細書に記載するように結合させる方法を含む。該方法は、がん細胞と、1以上の前記阻害剤とを、本明細書に記載するように接触させることを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法はエクスビボすなわちインビトロの方法を含む。いくつかの実施形態において、該方法はインビボ法を含む。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、患者の腫瘍の周囲に、または腫瘍の近傍、たとえば腫瘍から10cm、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内に投与される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は全身的に投与される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、第2の治療薬、たとえば免疫細胞のLFA−1受容体がブロック解除された後に免疫細胞を刺激する目的で選択された治療薬、または免疫細胞のIL−2受容体がブロック解除された後に免疫細胞を刺激する目的で選択された治療薬と併用投与される。前記方法は、前記阻害剤の前記がん細胞への結合を検出することを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトがん細胞の増殖を阻害する方法を含む。該方法は、ヒトがん患者を特定することを含みうる。該方法は、ヒトがん患者の免疫細胞と阻害剤(たとえば、本明細書に記載するような、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを接触させることを含みうる。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、患者の腫瘍の周囲に、または腫瘍の近傍、たとえば腫瘍から10cm、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内に投与される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は全身的に投与される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、第2の治療薬、たとえば免疫細胞のLFA−1受容体がブロック解除された後に免疫細胞を刺激する目的で選択された治療薬と併用投与される。該方法は、前記患者のがん細胞の増殖の阻害または前記患者のがん細胞のアポトーシスもしくは細胞死の誘導を検出することを含みうる。該方法は、少なくとも1つの追加治療薬、たとえば、直接的にまたは間接的にLFA−1受容体を通じて免疫細胞の活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖の亢進)を刺激する治療薬を併用投与することを含みうる。いくつかの実施形態において、前記追加治療薬は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上を刺激する。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体に結合したリガンドを除去する方法を含む。該方法は、ヒトリンパ球と阻害剤(たとえば、本明細書に記載するような、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを接触させることを含みうる。該方法は、前記LFA−1受容体へのリガンドの結合の低減を検出することを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトリンパ球のIL−2受容体に結合したリガンドを除去する方法を含む。該方法は、ヒトリンパ球と阻害剤(たとえば、本明細書に記載するような、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)とを接触させることを含みうる。該方法は、IL−2受容体へのリガン度の結合の低減を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、免疫不全のヒトにおける免疫抑制を軽減する方法を含む。該方法は、本明細書に記載するように、阻害剤(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤)をヒトに供給することを含みうる。該方法は、前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントのヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法を含む。該方法は、本明細書に記載するように、1以上のポリヌクレオチドおよび/またはベクター(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤をコードする配列を有するポリヌクレオチドまたはベクター)をヒトに供給することを含みうる。該方法は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、LFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合の阻害を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、またはグランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激を検出することを含みうる。該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含んでもよい。該方法は、少なくとも1つの追加治療薬、たとえば、直接的にまたは間接的にLFA−1受容体を通じて免疫細胞の活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖の亢進)を刺激する治療薬を併用投与することを含みうる。前記追加治療薬は、前記阻害剤と同時に、または該阻害剤の後に、投与することができる。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上を刺激する。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトがん細胞の増殖を阻害する方法を含む。該方法は、本明細書に記載するように、1以上のポリヌクレオチドまたはベクター(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤をコードする配列を有するポリヌクレオチドまたはベクター)を、がんを有するヒトに供給することを含みうる。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、患者の腫瘍の周囲に、または腫瘍の近傍、たとえば腫瘍から10cm、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内に投与される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は全身的に投与される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、第2の治療薬、たとえば免疫細胞のLFA−1受容体がブロック解除された後に免疫細胞を刺激する目的で選択された治療薬と併用投与される。前記方法は、前記がん細胞の増殖の阻害を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、または細胞増殖を検出することによって検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、免疫細胞によってがんの浸潤を誘導することを含む。該方法は、本明細書に記載されるペプチド阻害剤を、患者の腫瘍の周囲に、または腫瘍の近傍、たとえば腫瘍から10cm、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内に投与することを含みうる。該方法は、免疫細胞によるがんの浸潤を検出することを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれにも結合したリガンドを除去する方法を含む。該方法は、本明細書に記載するように、1以上のポリヌクレオチドまたはベクター(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤をコードする配列を有するポリヌクレオチドまたはベクター)をヒトに供給することを含みうる。該方法は、前記LFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへのリガンドの結合の低減を検出することを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、免疫不全のヒトにおける免疫抑制を軽減する方法を含む。該方法は、本明細書に記載するように、1以上のポリヌクレオチドまたはベクター(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤をコードする配列を有するポリヌクレオチドまたはベクター)をヒトに供給することを含みうる。該方法は、前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を、たとえばCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖等を検出することによって検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、医薬組成物を含む。該医薬組成物は、本明細書に記載する1以上のポリヌクレオチドまたはベクター(たとえば、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤をコードする配列を有するポリヌクレオチドまたはベクター)および/または本明細書に記載する1以上の阻害剤(たとえば、本明細書に記載する、1以上のアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体のペプチド阻害剤)を含みうる。該医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤を含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、免疫調節ペプチドの阻害を必要とする患者を特定する方法を含む。患者は、患者自身の免疫細胞に結合したアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体を有することがあり、かつ/またはアルブミン由来免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を用いた治療に反応する可能性がありうる。該診断法は、前記患者の免疫細胞を、少なくとも1つの免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤とインビトロで接触させることを含みうる。該診断法は、前記免疫調節ペプチドまたは構造体のブロックが免疫パラメータの回復を増進したり免疫反応、たとえば前記患者のPBMCの増殖や反応を改善したりする場合に、免疫調節ペプチドまたは構造体を有する、かつ/または免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を用いた治療に反応する可能性を有するとして前記患者を分類することを含みうる。該方法は、患者の体内で免疫調節活性を有するものが、免疫調節ペプチド阻害剤のうちいずれであるかを決定することを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態は、アミノ酸配列FFVKLS(配列番号:62)を含む単離されたペプチドを含むが、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は30以下である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は29以下、たとえば28以下、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11の、10、9、8もしくは6、または列記した任意の2つの数で定義される範囲内である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は16以下である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は8以下である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、アミノ酸配列FFVKLS(配列番号:62)からなる、または本質的に該配列からなる。
本発明のいくつかの実施形態は、アミノ酸配列KKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)を含む単離されたペプチドを含む。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は100以下、たとえば99、90、80、70、60、50、40、30もしくは20以下、または列記した任意の2つの数で定義される範囲内である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は30以下である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、配列番号:2のアミノ酸配列からなる。
本発明のいくつかの実施形態は、アミノ酸配列RKLDTFFVKLSLFTERRR(配列番号:586)を含む単離されたペプチドを含む。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は100以下、たとえば99、90、80、70、60、50、40、30もしくは20以下、または列記した任意の2つの数で定義される範囲内である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は30以下である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、配列番号:586のアミノ酸配列からなる。
本発明のいくつかの実施形態は、式X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17を含む単離されたペプチドを含み;式中、X1は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X2は正に荷電したアミノ酸,F,またはNであり;X3は任意のアミノ酸であり;X4は任意のアミノ酸であり;X5は非荷電極性アミノ酸,R,Y,またはWであり;X6は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X7は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X8は、MでもFでもない、疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X9は正に荷電したアミノ酸,T,Q,またはYであり;X10は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X11は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X12は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X13は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X14は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X15は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X16は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;かつX17は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X1は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。いくつかの実施形態において、X1はRまたはKである。いくつかの実施形態において、X17はRRである。いくつかの実施形態において、X1はRであり、X17はRRである。いくつかの実施形態において、X1はRを含み、X17はRRを含む。いくつかの実施形態において、該ペプチドは水溶性である。いくつかの実施形態において、該ペプチドは水溶性である。いくつかの実施形態では、X1はK;X2はK;X3はL;X4はD;X5はT;X6はF;X7はF;X8はV;X9はK;X10はL;X11はS;X12はL;X13はF;X14はT;X15はE;またはX16はR、のうち1以上が成り立つ。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、アミノ酸配列KKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)を含む。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、アミノ酸配列RKLDTFFVKLSLFTERRR(配列番号:586)を含む。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドの長さは29アミノ酸残基以下、たとえば30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11の、10、9、8もしくは6アミノ酸残基以下、または列記した任意の2つの数で定義される範囲内である。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、式X0X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17からなる。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、アミノ酸配列KKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)を含む。いくつかの実施形態において、該単離されたペプチドは、アミノ酸配列RKLDTFFVKLSLFTERRR(配列番号:586)を含む。
いくつかの実施形態において、上記単離されたペプチドはいずれも、合成ペプチドを含む。
いくつかの実施形態において、上記単離されたペプチドはいずれも、少なくとも1つの修飾、たとえば、D−アミノ酸、N末端アセチル基、C末端アミド基、グリコシル化、ニトロシル化、カルボニル化、酸化、結合された薬物動態改良剤、および結合されたポリエチレングリコールのうち少なくとも1つまたはこれらの任意の組合せを含む。
いくつかの実施形態において、上記単離された任意のペプチドは、免疫細胞を活性化する。たとえば、免疫細胞の活性化としては、免疫細胞の増殖、CD69またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12のようなシグナル物質の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBのような細胞溶解分子の分泌、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、および/または細胞遊走等が挙げられる。
いくつかの実施形態において、上記単離された任意のペプチドは免疫細胞を活性化するが、これは該免疫細胞を含む溶液が配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)を有する第2のペプチドを含む場合、または該免疫細胞のLFA−1受容体に該第2のペプチドが結合している場合である。
いくつかの実施形態において、上記単離された任意のペプチドを、アミノ酸配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)からなる第2のペプチドと接触させると、該単離されたペプチドは該第2のペプチドに特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、上記単離された任意のペプチドを、LFA−1受容体を含む免疫細胞およびアミノ酸配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)からなる第2のペプチドと接触させると、該単離されたペプチドは該第2のペプチドの、該LFA−1受容体への結合を阻害する。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の単離されたペプチドのいずれかと、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、上記薬学的に許容される担体または希釈剤は、分解性粒子を含む。いくつかの実施形態において、前記組成物に含まれる前記ペプチドの量は、少なくとも1ng、たとえば、少なくとも約1ng,2ng,3ng,4ng,5ng,10ng,20ng,50ng,60ng,70ng,80ng,90ng,100ng,200ng,300ng,400ng,500ng,600ng,700ng,800ng,900ng,約1μg,2μg,3μg,4μg,5μg,6μg,7μg,8μg,9μg,10μg,20μg,30μg,40μg,50μg,60μg,70μg,80μg,90μg,100μg,もしくは200μg、または列記した任意の2つの数で定義される範囲内である。いくつかの実施形態において、前記組成物は、以下からなる群より選択される緩衝剤を含む:Trizma、Bicine、Tricine、MOPS、MOPSO、MOBS、Tris、Hepes、HEPBS、MES、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ホウ酸塩、ACES、ADA、酒石酸塩、AMP、AMPD、AMPSO、BES、CABS、カコジル酸塩、CHES、DIPSO、EPPS、エタノールアミン、グリシン、HEPPSO、イミダゾール、イミダゾール乳酸、PIPES、SSC、SSPE、POPSO、TAPS、TABS、TAPSO、およびTES。いくつかの実施形態において、がん細胞と接触した場合、前記組成物は該がん細胞に対する細胞傷害性を誘導する。いくつかの実施形態において、該がん細胞は前立腺がん細胞を含む。いくつかの実施形態において、該組成物はゲルを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、生理学的条件下で少なくとも72時間、ゲル状を保つ。
本発明のいくつかの実施形態は、がんを有し、その治療を必要とする個体に対し、上記の任意の組成物の有効量を投与することによって、(a)免疫細胞の活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性の増強、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖);(b)損傷を受けたアルブミン、アルブミン凝集体、アルブミンフラグメント、もしくは第2のペプチドと、LFA−1受容体もしくはIL−2受容体との結合の阻害(第2のペプチドまたはアルブミンフラグメントは、存在するとすれば、配列番号:183〜246のうち少なくとも1つを含む);または(c)腫瘍細胞に対する細胞傷害性、のうち少なくとも1つを誘導する方法を含む。いくつかの実施形態では、(a)および(b)が誘導される。いくつかの実施形態では、(a)、(b)および(c)が誘導される。いくつかの実施形態において、前記受容体はLFA−1受容体を含む。いくつかの実施形態において、前記受容体はIL−2受容体を含む。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は100以下である。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは配列番号:185を含む。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは配列番号:185からなる。いくつかの実施形態において、前記LFA−1受容体は、アルブミン、アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドの結合の阻害に続く刺激に利用することができる。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞は、アルブミン、アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドの結合の阻害に続いて刺激される。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞は、第2の治療薬によって刺激される。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、前記組成物と同時に投与される。いくつかの実施形態において、前記組成物は前記第2の治療薬を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、前記組成物の投与よりも前に投与される。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、前記組成物の投与に引き続いて投与される。いくつかの実施形態において、前記組成物のペプチドが前記個体に投与される際の用量は、少なくとも約0.1mg/kg、たとえば少なくとも約0.2mg/kg,0.3mg/kg,0.4mg/kg,0.5mg/kg,0.9mg/kg,1mg/kg,2mg/kg,3mg/kg,5mg/kg,もしくは10mg/kg、または列記した任意の2つの数で定義される範囲内である。いくつかの実施形態において、前記組成物のペプチドは、少なくとも、1回目の投与と、1回目の投与から少なくとも5日後の2回目の投与とによって投与される。いくつかの実施形態において、前記ペプチドは、前記がんの腫瘍から約10cm以内の組織に投与される。いくつかの実施形態において、前記ペプチドは、前記がんの腫瘍の周囲に投与される。いくつかの実施形態において、前記がんは、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、前記個体は、損傷を受けたアルブミン、アルブミン凝集体、アルブミンフラグメント、または第2のペプチドを含む血清を含み、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは、配列番号:183〜246のうち少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、前記第2のペプチドまたはアルブミンフラグメントは、アミノ酸配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)を含む。いくつかの実施形態において、前記第2のペプチドまたはアルブミンフラグメントに含まれるアミノ酸残基の数は100以下である。
本発明のいくつかの実施形態は、がん患者の免疫細胞を活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性の増強、サイトカイン産生、および/または細胞遊走)する方法を含み、該方法は、前記免疫細胞と、アミノ酸配列FFVKLS(配列番号:62)を含む単離されたペプチドとを接触させることを含み、該ペプチドは約6〜30個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞と、前記単離されたペプチドとを接触させることによって、損傷を受けたアルブミン、アルブミン凝集体、アルブミンフラグメント、または第2のペプチドの、LFA−1受容体への結合が阻害されるが、該アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは、配列番号:183〜246のうち少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドに含まれるアミノ酸の数は100以下である。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは配列番号:185を含む。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは配列番号:185からなる。いくつかの実施形態において、前記LFA−1受容体は、アルブミン、アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドの結合の阻害に続く刺激に利用することができる。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞は、アルブミン、アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドの結合の阻害に続いて刺激される。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞は、第2の治療薬によって刺激される。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、前記組成物と同時に投与される。いくつかの実施形態において、前記組成物は前記第2の治療薬を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、前記組成物の投与よりも前に投与される。いくつかの実施形態において、前記第2の治療薬は、前記組成物の投与に引き続いて投与される。
本発明のいくつかの実施形態は、がん細胞にペプチドを結合させる方法を含む。該方法は、がん細胞を上記の任意のペプチドと接触させること、および該ペプチドの該がん細胞への結合を検出することを含みうる。いくつかの実施形態において、前記ペプチドは検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、前記検出可能な部分は、ビオチン化標識、放射性標識、蛍光標識、酵素、または金コロイド標識を含む。いくつかの実施形態において、前記がん細胞は、大腸がん細胞、腎臓がん細胞、乳がん細胞、皮膚がん細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵臓がん細胞、肺がん細胞、悪性黒色腫細胞、小細胞肺がん細胞、非小細胞肺がん(腺がん)細胞、扁平上皮がん細胞、膀胱がん細胞、骨肉腫細胞、気管支がん細胞、または造血細胞がん細胞である。いくつかの実施形態において、前記ペプチドは、抗体または抗体フラグメントを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、免疫抑制の緩和を必要とする対象において該緩和を行う方法を含み、該方法は、請求項29〜36のいずれかに記載の組成物の有効量を該対象に投与することによって、以下のうち少なくとも1つを誘導する方法を含む:(a)免疫細胞の活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性の増強、サイトカイン産生、および/または細胞遊走);または(b)損傷を受けたアルブミン、アルブミン凝集体、アルブミンフラグメント、もしくは第2のペプチドと、LFA−1受容体もしくはIL−2受容体との結合の阻害(第2のペプチドまたはアルブミンフラグメントは、存在するとすれば、配列番号:183〜246のうち少なくとも1つを含む)。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドに含まれるアミノ酸残基の数は100以下である。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは配列番号:185を含む。いくつかの実施形態において、前記アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドは配列番号:185からなる。いくつかの実施形態において、前記LFA−1受容体は、アルブミン、アルブミンフラグメントまたは第2のペプチドの結合の阻害に続く刺激に利用することができる。
いくつかの実施形態は、請求項1〜26のいずれかに記載の単離されたペプチドと、検出可能な標識とを含むキットを含む。いくつかの実施形態において、前記標識は、ビオチン化標識、放射性標識、蛍光標識、酵素、または金コロイド標識を含む。
いくつかの実施形態は、上記の単離されたペプチドのいずれかをコードする、単離された核酸を含む。いくつかの実施形態は、この核酸を含む、単離されたベクターを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の単離されたペプチドのいずれかの、がんを治療する薬剤を調製するための使用を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の単離されたペプチドのいずれかの、がん患者において免疫細胞を刺激する薬剤を調製するための使用を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の組成物のいずれかの、がんを治療する薬剤を調製するための使用を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の組成物のいずれかの、がん患者において免疫細胞を刺激する薬剤を調製するための使用を含む。
いくつかの実施形態において、上記使用のいずれかを目的とする場合、前記がんは、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち少なくとも1つを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の単離されたペプチドのいずれかの、免疫抑制を治療する薬剤を調製するための使用を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、上記の組成物のいずれかの、免疫抑制を治療する薬剤を調製するための使用を含む。
本明細書では、多くの代替物もまた提供される。
代替物1は、式VIIを含む単離されたペプチドを含み、式VIIは次の通りである。
X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)
式中、
X700はK,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであるかまたは存在せず;
X701はL,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであるかまたは存在せず;
X702はD,A,E,I,V,WもしくはYであるかまたは存在せず;
X703はT,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであるかまたは存在せず;
X704はF,A,I,M,N,P,TもしくはVであるかまたは存在せず;
X705はF,L,M,Q,S,TもしくはVであるかまたは存在せず;
X706はV,F,G,L,PもしくはRであるかまたは存在せず;
X707はL,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであるかまたは存在せず;
X708はS,H,M,N,QもしくはTであるかまたは存在せず;
X709はL,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであるかまたは存在せず;
X710はF,A,C,G,H,I,L,M,NP,Q,R,S,T,VもしくはWであるかまたは存在せず;
X711はT,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであるかまたは存在せず;かつ
X712はR,F,K,N,R,TもしくはYであるかまたは存在しない。
代替物2は、代替物1である単離されたペプチドを含み、式VIIは、配列番号:1〜101,167〜172,174〜177,179〜393,396〜581,または582のいずれかである。
代替物3は、式VIIIを含む単離されたペプチドを含み、式VIIIは次の通りである。
X800KX801KX802EX803(配列番号:395)
式中、
X800はK,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであるかまたは存在せず;
X801はLDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであるかまたは存在せず;
X802はLSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであるかまたは存在せず;かつ
X803はR,F,K,N,R,TもしくはYであるかまたは存在しない。
代替物4は、代替物3である単離されたペプチドを含み、式VIIIは、配列番号:1〜34,64〜68,70〜72,74〜77,80,83,86,89,92〜96,99〜100,264,268〜269,270〜386,388〜393,396〜401,403,404,406,408〜411,413〜416,419〜420,422〜438,442〜444,446〜449,451〜453,455〜458,460,462〜466,470,472〜477,479〜480,482〜484,486,487,489,491〜493,495〜498,500〜508,512〜517,519〜522,528〜530,532,533,535〜538,540,542〜551,553,557〜559,567,570,572〜581,または582のいずれかである。
代替物5は、式Iを含む単離されたペプチドを含み、式Iは次の通りである。
XX1VKX2X3X4(配列番号:166)
式中、
XはKKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであるかまたは存在せず;
X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VTもしくはVLであるかまたは存在せず;
X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VTもしくはVHであるかまたは存在せず;
X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRであり;かつ
X4はERもしくはEであるかまたは存在しない。
代替物6は、代替物5である単離されたペプチドを含み、式Iは、配列番号:2〜40,46〜52,58〜65,67〜71,74〜77,80〜83,86〜88,92〜96,99〜101,166,173,178,182,268〜325,332〜392〜393,396〜415,417〜444,446〜468,470〜487,489〜494,497〜508,510,512,514〜517,520〜522,524〜525,528〜533,535〜536,538〜539,542〜544,546,548,551,553,556〜559,561,563〜568,571〜573,575〜581,または582のいずれかである。
代替物7は、代替物5である単離されたペプチドを含み、式Iは、配列番号:2〜33のいずれかである。
代替物8は、式IIを含む単離されたペプチドを含み、式IIは次の通りである。
XTFFVKLSX1X2(配列番号:173)
式中、
XはKKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであるかまたは存在せず;
X1はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであるかまたは存在せず;かつ
X2はERもしくはEであるかまたは存在しない。
代替物9は、代替物8である単離されたペプチドを含み、式IIは、配列番号:2〜5,19〜38,46〜49,58〜61,64,68〜70,75,81,87,93,94,100,101,173,268〜303,350〜393,396,398,399,400,402,403,405,406〜408,412〜414,417,418,421〜423,426〜428,430,431,435,436,438,439,440〜442,448〜455,458,459,461,465,467,468,471,475,476,478〜481,483,485,487,489〜491,493,494,497〜499,503,507,510,512,514〜517,520,521,524,525,528,529,531,533,538,539,542〜,544,546,551,556〜559,561,563〜568,571〜573,575〜577,579,580,または581のいずれかである。
代替物10は、代替物8である単離されたペプチドを含み、XはKKLD(配列番号:174)である。
代替物11は、代替物8である単離されたペプチドを含み、X2はERである。
代替物12は、代替物8である単離されたペプチドを含み、前記式はTFFVKLSLFTER(配列番号:49)またはTFFVKLSLFTE(配列番号:250)である。
代替物13は、代替物8である単離されたペプチドを含み、前記式はKKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)またはKKLDTFFVKLSLFTE(配列番号:34)である。
代替物14は、式IIIを含む単離されたペプチドを含み、式IIIは次の通りである。
XX1VKLX2LX3TEX4(配列番号:178)
式中、
XはKKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであるかまたは存在せず;
X1はF,M,S,V,TもしくはLであるかまたは存在せず;
X2はS,Q,M,TもしくはHであるかまたは存在せず;
X3はF,M,Q,H,N,P,S,G,AもしくはRであるかまたは存在せず;かつ
X4はRであるかまたは存在しない。
代替物15は、代替物14である単離されたペプチドを含み、式IIIは、配列番号:2〜13,268〜325のいずれかである。
代替物16は、代替物14である単離されたペプチドを含み、XはKKLDTF(配列番号:178)である。
代替物17は、代替物14である単離されたペプチドを含み、X4はRである。
代替物18は、代替物14である単離されたペプチドを含み、前記式はVKLSLFTER(配列番号:52)またはVKLSLFTE(配列番号:251)である。
代替物19は、代替物14である単離されたペプチドを含み、前記式はKKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2)またはKKLDTFFVKLSLFTE(配列番号:34)である。
代替物20は、配列番号:1〜101,167〜172,174〜177,179〜393,396〜581,または582のうち少なくとも1つを含む、単離されたペプチドを含む。
代替物21は、代替物20である単離されたペプチドを含み、配列番号:1〜32,34,64〜66,68,76,94〜96,98,および264〜393のうち少なくとも1つを含む。
代替物22は、代替物1〜21のいずれかである単離されたペプチドを含み、該単離されたペプチドは、表5.1に記載の配列のうち少なくとも1つを含む。
代替物23は、代替物1〜22のいずれかである単離されたペプチドを含み、アミノ酸のうち少なくとも1つはD−アミノ酸、人工アミノ酸、または化学修飾アミノ酸である。
代替物24は、N末端アセチル基をさらに含む、代替物1〜23のいずれかである単離されたペプチドを含む。
代替物25は、C末端アミド基をさらに含む、代替物1〜24のいずれかである単離されたペプチドを含む。
代替物26は、代替物1〜25のいずれかである単離されたペプチドを含み、該単離されたペプチドは化学修飾されている。
代替物27は、代替物1〜26のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、少なくとも1つの修飾を含む。たとえば、該ペプチドは、グリコシル化ニトロシル化、カルボニル化、もしくは酸化されていたり、またはポリエチレングリコール、脂肪酸、もしくは薬物動態改良剤に結合されていたりする。
代替物28は、代替物1〜23のいずれかである単離されたポリペプチドを含み、該ポリペプチドは環状ペプチドを含む。
代替物29は、代替物1〜28のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、少なくとも1つの修飾、たとえば、D−アミノ酸、N末端アセチル基、C末端アミド基、グリコシル化、ニトロシル化、カルボニル化、酸化、結合された薬物動態改良剤、および結合されたポリエチレングリコールのうち少なくとも1つまたはこれらの任意の組合せを含む。
代替物30は、代替物1〜29のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下である。
代替物31は、代替物1〜29のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドの長さは、6〜20アミノ酸長である。
代替物32は、代替物1〜31のいずれかである単離されたペプチドを含み、該単離されたペプチドは、N末端アセチル基を有さない。
代替物33は、代替物1〜31のいずれかである単離されたペプチドを含み、該単離されたペプチドは、C末端アミド基を有さない。
代替物34は、代替物1〜33のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、支持体、担体、および融合タンパク質のうち少なくとも1つと結合されている。
代替物35は、代替物1〜34のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、多量体化されている。
代替物36は、代替物1〜22のいずれかであるペプチドをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。
代替物37は、配列番号:102〜165のいずれかを含む代替物36である単離されたポリヌクレオチドを含む。
代替物38は、代替物36である単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含む。
代替物39は、代替物37である単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含む。
代替物40は、代替物36もしくは37である単離されたポリヌクレオチド、または代替物38もしくは39であるベクターを含み、該ペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下である。
代替物41は、代替物36もしくは37である単離されたポリヌクレオチド、または代替物38もしくは39であるベクターを含み、該ペプチドの長さは、6〜20アミノ酸長である。
代替物42は、アルブミン、アルブミンフラグメント、免疫グロブリン、支持体、担体、および融合タンパク質のうち少なくとも1つと結合されている代替物1〜35のいずれかであるペプチドを含むタンパク質複合体を含む。
代替法43は、代替物42であるタンパク質複合体を製造する方法であって、代替物1〜35のいずれかであるペプチドを、ヒトである対象から得た、免疫グロブリン、アルブミン、またはそのフラグメントを含む生物学的試料と接触させること;および前記タンパク質複合体の存在を検出することを含む方法を含む。
代替法44は、代替物1〜35のいずれかである前記ペプチドが支持体に結合されていることを特徴とする代替法43を含む。
代替法45は、生物学的試料中のアルブミンまたはアルブミンフラグメントの存在を検出する方法であって、代替物1〜35のいずれかであるペプチドを、アルブミンまたはそのフラグメントを含む生物学的試料と接触させること;および該ペプチドの該アルブミンまたは該アルブミンフラグメントへの結合を検出することを含む方法を含む。
代替物46は、代替物1〜35のいずれかであるペプチドに特異的な結合手段であって、抗体またはその結合フラグメントであることを特徴とする結合手段を含む。
代替物47は、代替物46である結合手段であって、前記抗体がモノクローナル抗体であり、前記結合フラグメントがモノクローナル抗体結合フラグメントであることを特徴とする結合手段を含む。
代替物48は、表1〜4の配列(配列番号:183〜184、および188〜246)のうち少なくとも1つを含むペプチドに特異的なアプタマーを含む。
代替物49は、配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)のペプチドに特異的な代替物48であるアプタマーを含む。
代替物50は、DNAアプタマーであることを特徴とする、代替物48または49であるアプタマーを含む。
代替物51は、ペプチドアプタマーであることを特徴とする、代替物48または49であるアプタマーを含む。
代替法52は、その必要のある対象における免疫抑制を阻害する方法であって、免疫抑制に関連する状態にある患者を特定すること;前記患者に代替物1〜35のいずれかであるペプチドを投与すること;および前記患者における白血球の伸展の増加を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含む方法を含む。該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含んでもよい。
代替法53は、代替法52であって、前記ペプチドの長さが30、29、28以下、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11の、10、9、8もしくは6アミノ酸長以下、または列記した任意の2つの数の間の長さであることを特徴とする方法を含む。
代替法54は、前記ペプチドが合成ペプチドである代替法52を含む。
代替法55は、代替法52であって、前記ペプチドの投与が、前記ペプチドを少なくとも重量で0.1%、たとえば少なくとも重量で0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%または30%含む組成物を投与することを特徴とする方法を含む。前記ペプチドの含有量は列記した任意の2つの値の間の範囲にあってもよい。
代替法56は、前記患者が、がん、ウイルス感染または細菌感染を有することを特徴とする代替法52を含む。
代替法57は、代替法56であって、前記がんが、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんであることを特徴とする方法を含む。
代替法58は、代替法52であって、リンパ球遊走の増加の検出をさらに含む方法を含む。
代替法59は、アルブミンフラグメントの受容体への結合を阻害する方法であって、免疫抑制を患うヒトを特定すること;免疫細胞を代替物1〜35のいずれかであるペプチドと接触させること;および前記ペプチドとの接触後の免疫細胞の増殖亢進を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含む方法を含む。該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含んでもよい。
代替法60は、前記免疫細胞が、リンパ球、単球、マクロファージ、またはNK細胞であることを特徴とする代替法59を含む。
代替法61は、前記免疫細胞が、PBMC、単球、マクロファージ、またはNK細胞であることを特徴とする代替法59を含む。
代替法62は、前記ヒトが、がん、ウイルス感染または細菌感染を有することを特徴とする代替法59を含む。
代替法63は、代替法62であって、前記ヒトが、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんを有することを特徴とする方法を含む。
代替法64は、NK細胞の細胞傷害性を増強する方法であって、免疫抑制を患うヒトを特定すること;NK細胞を代替物1〜35のいずれかの配列を含むペプチドに接触させること;および前記ペプチドとの接触後のNK細胞の細胞傷害性を、対照試料と、たとえば前記ペプチドの非存在下におけるNK細胞の細胞傷害性または無関係なペプチドとの接触後のNK細胞の細胞傷害性と比較して、その増強を検出することを含む方法を含む。
代替法65は、前記ヒトが、がん、細菌感染またはウイルス感染を有する患者であることを特徴とする代替法64を含む。
代替法66は、代替法64であって、前記がんを有する患者が、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんを有することを特徴とする方法を含む。
代替法67は、ヒトのリンパ球遊走を増強する方法であって、免疫抑制を患うヒトを特定すること;ヒトのリンパ球を代替物1〜35のいずれかであるペプチドに接触させること;および前記ペプチドとの接触後のヒトリンパ球の遊走を、対照試料と、たとえば前記ペプチドの非存在下におけるヒトリンパ球の遊走または無関係なペプチドとの接触後のヒトリンパ球の遊走と比較して、その増加を検出することを含む方法を含む。
代替法68は、前記ヒトが、がん、細菌感染またはウイルス感染を有することを特徴とする代替法67を含む。
代替法69は、代替法68であって、前記ヒトが、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち少なくとも1つを有することを特徴とする方法を含む。
代替法70は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法であって、ヒトリンパ球を、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの存在下において、代替物1〜35のいずれかであるペプチドと接触させること;およびヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を、対照試料への結合と比較して、その阻害を検出することを含む方法を含み、前記対照試料は、前記ペプチドの非存在下におけるヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合、または無関係なペプチドの存在下におけるヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を含む。
代替法71は、前記ヒトアルブミンフラグメントが、配列番号:185と少なくとも95%の相同性を有する配列を含むことを特徴とする代替法70を含む。
代替法72は、前記ヒトアルブミンフラグメントが、配列番号:185の配列を含むことを特徴とする代替法71を含む。
代替法73は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法であって、LFA−1受容体およびIL−2受容体のうち少なくとも1つがヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントに結合されているヒトリンパ球を供給すること;前記ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントに、分子を特異的に結合させること;および前記LFA−1受容体、IL−2受容体を介したヒトリンパ球への刺激の阻害の低減を検出することを含む方法を含む。
代替法74は、前記ヒトアルブミンフラグメントが、配列番号:185と少なくとも95%の相同性を有する配列を含むことを特徴とする代替法73を含む。
代替法75は、前記ヒトアルブミンフラグメントが、配列番号:185の配列を含むことを特徴とする代替法74を含む。
代替法76は、がん細胞にペプチドを結合させる方法であって、がん細胞を代替物1〜35のいずれかであるペプチドに接触させること;および前記ペプチドの、前記がん細胞への結合を検出することを含む方法を含む。
代替法77は、前記がん細胞が、大腸がん細胞、腎臓がん細胞、乳がん細胞、皮膚がん細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵臓がん細胞、肺がん細胞、悪性黒色腫細胞、小細胞肺がん細胞、非小細胞肺がん(腺がん)細胞、扁平上皮がん細胞、膀胱がん細胞、骨肉腫細胞、気管支がん細胞、または造血細胞がん細胞であることを特徴とする代替法76を含む。
代替法78は、前記ペプチドが、該ペプチドに結合したビオチン化標識、放射性標識、蛍光標識、または金コロイド標識等の検出可能な標識を含むことを特徴とする代替法76を含む。
代替法79は、前記ペプチドが、該ペプチドに結合した放射化学物質または毒素等の細胞傷害性薬を含むことを特徴とする代替法76を含む。
代替法80は、前記ペプチドが、抗体または抗体フラグメントを含むことを特徴とする代替法76を含む。
代替物81は、代替物1〜35のいずれかであるペプチドであって、該ペプチドに結合したビオチン化標識、放射性標識、蛍光標識、または金コロイド標識等の検出可能な標識をさらに含むことを特徴とするペプチドを含む。
代替法82は、代替物1〜35のいずれかであるペプチドであって、該ペプチドに結合した放射化学物質または毒素等の細胞傷害性薬を含むことを特徴とするペプチドを含む。
代替法83は、ヒトがん細胞の増殖を阻害する方法であって、ヒトがん患者を特定すること;ヒトがん患者の免疫細胞を代替物1〜35のいずれかであるペプチドに接触させること;および前記患者のがん細胞の増殖の阻害または前記患者のがん細胞の細胞死の誘導を検出することを含む方法を含む。
代替法84は、前記患者のがん細胞増殖の阻害が検出されることを特徴とする代替法83を含む。
代替法85は、がん細胞の細胞死の誘導または腫瘍の退行性変化のうち少なくとも1つが検出されることを特徴とする代替法83を含む。
代替法86は、代替法83であって、前記がん細胞が、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち少なくとも1種であることを特徴とする方法を含む。
代替法87は、代替法83であって、前記ヒトの免疫細胞の増殖、遊走、経内皮遊走および細胞傷害性の増加の検出をさらに含む方法を含む。
代替法88は、前記免疫細胞がPBMCであることを特徴とする代替法83を含む。
代替法89は、前記免疫細胞がリンパ球であることを特徴とする代替法83を含む。
代替法90は、前記ペプチドが合成ペプチドである代替法83を含む。
代替法92は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体に結合したリガンドを除去する方法であって、ヒトのリンパ球を代替物1〜31のいずれかであるペプチドに接触させること;および前記LFA−1受容体へのリガンドの結合の低減を検出することを含む方法を含む。
代替法92は、前記ヒトリンパ球が、がん、細菌感染またはウイルス感染を有する患者由来であることを特徴とする代替法91を含む。
代替法93は、代替法92であって、前記患者が、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち少なくとも1つを有することを特徴とする方法を含む。
代替法94は、ヒトリンパ球のIL−2受容体に結合したリガンドを除去する方法であって、ヒトのリンパ球を代替物1〜35のいずれかであるペプチドに接触させること;および前記IL−2受容体へのリガンドの結合の低減を検出することを含む方法を含む。
代替法95は、前記ヒトリンパ球が、がん、細菌感染またはウイルス感染を有する患者由来であることを特徴とする代替法94を含む。
代替法96は、代替法95であって、前記患者が、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち少なくとも1つを有することを特徴とする方法を含む。
代替法97は、免疫不全のヒトにおける免疫抑制を軽減する方法であって、代替物1〜35のいずれかであるペプチドをヒトに供給すること;および前記ヒトにおける免疫抑制の軽減を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含む方法を含む。該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含んでもよい。
代替法98は、前記ヒトが、がん、細菌感染またはウイルス感染を有することを特徴とする代替法97を含む。
代替法99は、代替法98であって、前記がんが、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんであることを特徴とする方法を含む。
代替法100は、代替法99であって、前記ペプチドの供給が、前記ペプチドを少なくとも重量で0.1%、たとえば少なくとも重量で0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%または30%含む組成物を投与することを特徴とする方法を含む。前記ペプチドの含有量は列記した任意の2つの値の間の範囲にあってもよい。
代替法101は、ヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、ヒトリンパ球上のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合を阻害する方法であって、代替物36〜41のいずれかであるポリヌクレオチドまたはベクターをヒトに供給すること;およびヒトアルブミンまたはヒトアルブミンフラグメントの、LFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへの結合の阻害を検出することを含む方法を含む。
代替法102は、ヒトがん細胞の増殖を阻害する方法であって、がん細胞を有するヒトに、代替物36〜41のいずれかであるポリヌクレオチドまたはベクターを供給すること;および前記がん細胞の増殖の阻害を検出することを含む方法を含む。
代替法103は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれにも結合したリガンドを除去する方法であって、ヒトのリンパ球を代替物36〜41のいずれかであるポリヌクレオチドまたはベクターに接触させること;および前記LFA−1受容体もしくはIL−2受容体またはそのいずれもへのリガンドの結合の低減を検出することを含む方法を含む。
代替法104は、免疫不全のヒトにおける免疫抑制を軽減する方法であって、前記ヒトに、代替物36〜41のいずれかであるポリヌクレオチドまたはベクターを供給すること;および前記ヒトにおいて、免疫抑制の軽減を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することを含む方法を含む。該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含んでもよい。
代替物105は、代替物1〜35のいずれかである修飾されたペプチドを含み、該ペプチドは、少なくとも1つの修飾、たとえば、D−アミノ酸、N末端アセチル基、C末端アミド基、グリコシル化アミノ酸、ニトロシル化アミノ酸、カルボニル化アミノ酸、酸化アミノ酸を含むか、またはポリエチレングリコール、脂肪酸、もしくは薬物動態改良剤に結合されている。
代替物106は、代替物103の修飾ペプチドであって、長さが30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11の、10、9、8もしくは6アミノ酸長以下であることを特徴とする修飾ペプチドを含む。
代替物107は、代替物1〜35または代替物103〜104のいずれかのペプチドと、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤とを含む医薬組成物を含む。
代替物108は、代替物107の医薬組成物であって、前記ペプチドが配列番号:1〜33、34、46〜53、62、64〜66、68、76、94〜96、98、583〜586、および589のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする医薬組成物を含む。
代替物109は、免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を用いた治療を必要とする患者を特定する方法であって、前記患者の免疫細胞を代替物1〜35のいずれかであるペプチドにインビトロで接触させること;前記免疫細胞の反応性の回復を検出すること;および前記ペプチドが前記免疫細胞の増殖を阻害する場合に、免疫調節ペプチドまたは構造体の阻害剤を用いた治療に応答する見込みを有するとして前記患者を分類することを含む方法を含む。
代替法110は、代替法109であって、前記必要とする患者における免疫抑制を軽減することをさらに含む方法を含み、ここで免疫抑制の軽減は、代替物1〜35のいずれかであるペプチドを前記必要とする患者に供給することを含む。
代替法111は、代替法1102であって、前記ヒトにおける免疫抑制の軽減の検出をさらに含む方法を含む。
代替法112は、代替法109であって、前記必要とする患者における免疫抑制を軽減することをさらに含む方法を含み、ここで免疫抑制の軽減は、代替物36〜41のいずれかであるベクターまたはポリヌクレオチドを前記必要とする患者に供給することを含む。
代替法113は、代替法112であって、前記ヒトにおいて免疫抑制の軽減を検出すること、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することをさらに含む方法を含む。該方法は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含んでもよい。
代替物114は、代替物1〜23のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基K2に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物115は、代替物1〜23のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基K9に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物116は、代替物1〜23のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基E15に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物117は、代替物114である単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基K9に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物118は、代替物114である単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基E15に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物は、代替物115である単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基E15に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物120は、代替物114である単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基K9に相同なアミノ酸残基を含み、かつ配列番号:2のアミノ酸残基E15に相同なアミノ酸残基を含む。
代替物121は、代替物1〜23または代替物114〜120のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、自然には発生しないアミノ酸を少なくとも1つ含む。
代替物122は、代替物114〜120のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、少なくとも1つの修飾、たとえば、D−アミノ酸、N末端アセチル基、C末端アミド基、グリコシル化アミノ酸、ニトロシル化アミノ酸、カルボニル化アミノ酸、酸化アミノ酸を含むか、またはポリエチレングリコール、脂肪酸、もしくは薬物動態改良剤に結合されている。
代替物123は、代替物114〜120のいずれかである単離されたペプチドを含み、前記ペプチドの長さは30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11の、10、9、8もしくは6アミノ酸長以下、または列記した任意の2つの数の間の範囲により定義される長さである。
代替物124は、代替物114〜120のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドの長さは、6〜20アミノ酸長、好ましくは8〜16アミノ酸長、最も好ましくは9〜15アミノ酸長である。
代替物125は、代替物114〜120のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、支持体に結合されている。
代替物126は、代替物114〜120のいずれかである単離されたペプチドを含み、該ペプチドは、多量体化されている。
代替物127は、代替物114〜120のいずれかであるペプチドをコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。
代替物128は、代替物127である単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含む。
代替物129は、代替物128である単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含む。
代替物130は、代替物127である単離されたポリヌクレオチドまたは代替物128であるベクターを含み、前記ペプチドの長さは30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11の、10、9、8もしくは6アミノ酸長以下、または列記した任意の2つの数の間の範囲により定義される長さである。
代替物131は、代替物127である単離されたポリヌクレオチドまたは代替物128であるベクターを含み、該ペプチドの長さは、6〜20アミノ酸長、好ましくは8〜16アミノ酸長、最も好ましくは9〜15アミノ酸長である。
代替物132は、代替物114〜127のいずれかであるペプチドに結合されたアルブミンまたはアルブミンフラグメントを含むタンパク質複合体を含む。
代替物133は、支持体に結合された代替物132であるタンパク質複合体を含む。
代替物134は、X1X2X3〜X8X9X10〜X14X15X16を含む単離されたペプチドを含み、式中、X1およびX16は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X2はM,N,P,G,E,R,Kからなる群から選択され、X9はT,R,Kからなる群から選択され;X15はP,D,E,Y,N,Qからなる群から選択され;X3〜X8およびX10〜X14は任意のアミノ酸である。
代替物135は、代替物134である単離されたペプチドを含み、X2はK,N,Pからなる群から選択され、X15はP,D,Eからなる群から選択される。
代替物136は、代替物135である単離されたペプチドを含み、X2およびX9はKであり、X15はEである。
代替物137は、代替物136である単離されたペプチドを含み、X5〜X8はF,F,V,Kであり、X10〜X11はL,Sである。
代替物138は、代替物137である単離されたペプチドを含み、前記ペプチドはKLDTFFVKLSLFTEである。
代替物139は、代替物134〜138のいずれかの単離されたペプチドと、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤とを含む医薬組成物を含む。
代替物140は、代替物134〜138のいずれかである単離されたペプチドを含む、抗体、モノクローナル抗体、またはその機能性フラグメントを含む。
代替物141は、代替物140であり、かつ単一ドメイン抗体(SdAb)ある、抗体、モノクローナル抗体、またはその機能性フラグメントを含む。
代替物142はキットを含み、該キットは、代替物134〜138のいずれかである単離されたペプチド、および/または代替物140〜141のいずれかである抗体、モノクローナル抗体、もしくはその機能性フラグメント、ならびに該キットの使用方法の説明書を含む。
代替法143は、インビトロ法であって、(a)免疫細胞を供給する工程;(b)前記免疫細胞を、代替物134〜138のいずれかである単離されたペプチドまたは代替物140〜141のいずれかである抗体、モノクローナル抗体、もしくはその機能性フラグメントに接触させる工程;および(c)前記免疫細胞の調節効果を、たとえばCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激等を検出することによって検出する工程を含む方法を含む。
ヒト(たとえば、がん、または持続性もしくは慢性の感染性もしくは炎症性疾患に罹患したヒト)において免疫抑制を引き起こす免疫調節ペプチドと相互作用する免疫調節ペプチド阻害剤がいくつか開発されている。免疫調節ペプチド阻害剤としては、P3028構造および/またはP3028配列(配列番号:185)を含むタンパク質またはペプチドに結合するものが好ましい。実施形態のいくつかおよび本明細書の記載に関して、P3028構造は、P3028配列(配列番号:185)を含むペプチドやタンパク質などのポリペプチドを指す。P3028構造は、P3028構造に特異的に結合する抗体によって認識されるペプチドやタンパク質などの巨大分子を包含してもよい(実施例1および図2参照)。たとえば、アルブミン凝集体、変性アルブミンおよび他の損傷を受けたアルブミンもP3028構造に包含されてもよい。本願の記載のいくつかにおいて、「P3028構造」、「P3028配列」および「P3028」という用語は同じ意味で用いられる。P3028構造を有する分子は、IL−2受容体やLFA−1受容体などの免疫細胞受容体と相互作用し、その結果として免疫抑制が引き起こされる。したがって、本明細書において、ペプチド、タンパク質、アルブミンフラグメント、損傷アルブミン(たとえば変性アルブミン)およびアルブミン凝集体は、P3028構造を含んでいてもよく、これらのペプチドやタンパク質は、IL−2受容体やLFA−1受容体などの免疫細胞受容体と相互作用することができると考えられる。免疫抑制は、免疫細胞の増殖、伸展および遊走の低下、ならびにNK細胞の細胞傷害性の低下を特徴としうる。しかしながら、本明細書に記載されているように、P3028構造を介した免疫抑制は、免疫調節ペプチド阻害剤の存在下において改変(たとえば軽減、緩和、排除または完全除去)することができる。いくつかの実験において、たとえば、免疫調節ペプチド阻害剤は、LFA−1受容体からP3028構造含有分子を取り除くことができ、それによってP3028構造を介した免疫抑制を改変することができることが分かった。したがって、様々な種類の免疫調節ペプチド阻害剤について以下で詳細に説明する。免疫調節ペプチド阻害剤には、抗体または抗体フラグメントに基づく免疫調節ペプチド阻害剤、ペプチドに基づく免疫調節ペプチド阻害剤、ペプチド模倣体に基づく免疫調節ペプチド阻害剤、(たとえばD−アミノ酸、N末端アセチル基またはC末端アミド基を含む)修飾免疫調節ペプチド阻害剤、環状ペプチド阻害剤、およびアプタマーに基づく免疫調節ペプチド阻害剤が包含されるが、これらに限定されない。さらに、免疫抑制を軽減または部分的に軽減するために(本明細書に記載の)組成物を使用する方法(たとえば、免疫細胞の増殖、伸展もしくは遊走、またはNK細胞の細胞傷害性に対するP3028介在性抑制を軽減する方法)、およびがんまたは炎症性疾患の進行を阻害、遅延または改変する方法が提供される。上記組成物は、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤を含む、該阻害剤からなる、または本質的に該阻害剤からなるものであってもよい。したがって、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤は、免疫抑制の緩和、症状軽減、重症度の低減、および/または免疫抑制の治療に有用であると考えられる。
本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤は、配列番号:183〜185または188〜246に示す配列の少なくとも1つを含むタンパク質またはペプチドと相互作用または結合する。上記配列を持つペプチドは、P3028配列およびP3028構造に類似した免疫調節機能を持ちうる(実施例17〜26参照)。
以下に開示される実施形態のいくつかに関して、アミノ酸またはアミノ酸残基は3文字コードまたは1文字コードで示される。一般に、20種のアミノ酸が遺伝子コードによってコードされており、本明細書においては以下のコードまたは略号で示される:アルギニン(「Arg」または「R」)、ヒスチジン(「His」または「H」)、リシン(「Lys」または「K」)、アスパラギン酸(「Asp」または「D」)、グルタミン酸(「Glu」または「E」)、セリン(「Ser」または「S」)、トレオニン(「Thr」または「T」)、アスパラギン(「Asp」または「N」)、グルタミン(「Gln」または「Q」)、システイン(「Cys」または「C」)、グリシン(「Gly」または「G」)、プロリン(「Pro」または「P」)、アラニン(「Ala」または「A」)、バリン(「Val」または「V」)、イソロイシン(「Ile」または「I」)、ロイシン(「Leu」または「L」)、メチオニン(「Met」または「M」)、フェニルアラニン(「Phe」または「F」)、チロシン(「Tyr」または「Y」)、およびトリプトファン(「Trp」または「W」)。
以下に開示される実施形態のいくつかに関して、「ペプチド」は、タンパク質および/またはタンパク質フラグメントを意味し、これらのタンパク質および/またはタンパク質フラグメントの長さは様々であってもよい(たとえば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36,37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、240、260、300、350、400、450、500、600、700、800、もしくは1000アミノ酸長、またはこれらの数の間の任意の数字によって定義される範囲である)。
以下に開示される実施形態のいくつかに関して、アミノ酸(およびそれらの残基)は、アミノ酸α炭素の側鎖の様々な特性に基づいて分類することができる。本明細書においては、遺伝子コードによってコードされる20種の天然アミノ酸、および合成のアミノ酸が包含されることに注目されたい。本明細書において「疎水性アミノ酸」(この用語の複数形および変化形を包含する)は、疎水性側鎖を有する天然または合成のアミノ酸(たとえばA、V、I、L、M、F、Y、またはW)を指す。本明細書において「正に荷電したアミノ酸」(この用語の複数形および変化形を包含する)は、正に荷電した側鎖を有する天然または合成のアミノ酸(たとえばR、H、またはK)を指す。本明細書において「負に荷電したアミノ酸」(この用語の複数形および変化形を包含する)は、負に荷電した側鎖を有する天然または合成のアミノ酸(たとえばDまたはE)を指す。本明細書において「疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸」(この用語の複数形および変化形を包含する)は、疎水性非芳香族炭素側鎖を有する天然または合成のアミノ酸(たとえばA、V、I、またはL)を指す。本明細書において「非荷電極性アミノ酸」(この用語の複数形および変化形を包含する)は、非荷電極性側鎖を有する天然または合成のアミノ酸(たとえばS、T、N、またはQ)を指す。
実施形態のいくつかおよび本明細書の記載に関して、DNAやRNAなどの核酸の塩基は、その名称または1文字コードで示される。当業者であれば、遺伝子コードは縮重しており、いくつかのアミノ酸残基では、2種以上の3塩基コドンが1種類のアミノ酸をコードすることができるということを理解するであろう。したがって、たとえば、単一のアミノ酸をコードすることができる2種以上の核酸を説明する目的で、本明細書に記載の1文字コードのいくつかは、2種以上の塩基のうちいずれかを表すことができる。本明細書においては以下の1文字コードを使用する:「A」(アデニン)、「G」(グアニン)、「C」(シトシン)、「T」(チミン)、「R」(アデニンまたはグアニン)、「Y」(シトシンまたはチミン)、「M」(アデニンまたはシトシン)、「K」(グアニンまたはチミン)、「S」(シトシンまたはグアニン)、「W」(アデニンまたはチミン)、「H」(アデニン、シトシン、チミンのいずれか1つ)、「B」(シトシン、グアニン、チミンのいずれか1つ)、「V」(アデニン、シトシン、グアニンのいずれか1つ)、「D」(アデニン、グアニン、チミンのいずれか1つ)、および「N」(アデニン、グアニン、シトシン、チミンのいずれか1つ)。
本明細書において「ブロック解除」(この用語の複数形および変化形を包含する)は、受容体に結合している免疫調節ペプチドまたはP3028構造の除去を指す。このような受容体のブロック解除によって、受容体に結合している免疫調節ペプチドと受容体に結合していない免疫調節ペプチドとの間の平衡を「受容体への結合がない」状態へとシフトさせることができる。たとえば、LFA−1受容体またはIL−2受容体に結合しているペプチドP3028を本明細書の実施形態に従って除去することによって、該受容体のブロックを解除することができる。さらに、たとえば、LFA−1受容体またはIL−2受容体に結合している、表1〜4に記載の配列の1以上を含む任意の免疫調節ペプチドを本明細書の実施形態に従って除去することによって、該受容体のブロックを解除することができる。
本明細書において「免疫細胞の活性化」ならびにこの用語の複数形および変化形(たとえば「免疫細胞を活性化する」などの用語を包含する)は、免疫細胞の増殖、CD69および/もしくはCD71の発現の活性化もしくは増加、シグナル物質(たとえばIFNγもしくはIL−12)の分泌の誘導、細胞溶解分子(たとえばパーフォリンもしくはグランザイムB)の分泌の誘導、細胞傷害性の亢進、サイトカイン産生、細胞遊走、細胞増殖、またはこれらの2以上を指す。一例として、本明細書の実施形態のいくつかによる免疫細胞の活性化は、免疫細胞が増殖した場合、免疫細胞が検出可能なCD69を発現し始めた場合、免疫細胞のCD71の発現が増加した場合、または免疫細胞がIFNγもしくはIL−12のいずれかまたはIFNγとIL−12の両方を分泌した場合に起こりうる。
現在入手可能なデータから、免疫系ががん抑制試料において主要な役割を果たしていることが裏付けられる。しかしながら、悪性腫瘍は、多様な免疫調節機構を利用して、免疫系を介した抗腫瘍反応を抑制することができる。様々な診断を受けたがん患者においては、血清中インターロイキン6(IL−6)濃度の上昇と不良な予後との間にしばしば関連性が見られることから、このサイトカインの産生源および誘導を調査した。正常血清アルブミンがタンパク質分解による断片化またはタンパク質変性を受けることによって、新規の構造が産生されることが見出され、この構造は免疫細胞に結合することによって免疫調節活性を示すことが明らかとなった。したがって、新たな種類の免疫調節物質が発見された。
「人工細胞表面カラム」(ACS)を用いたアフィニティークロマトグラフィーに基づくヒトエクスビボモデルを使用して、免疫細胞に結合する新規構造を有するアルブミン配列の存在の有無を確認した。ヒト免疫細胞(PBMC)のIL−2誘導性増殖に対する様々なアルブミンフラグメントの作用をACSシステムで分析した(実施例9参照)。すなわち、IL−2および様々な合成アルブミンフラグメントの存在下でPBMCを7日間培養した。増殖は、培養終了の18時間前に3H−チミジンの取り込みとして測定した。これらのペプチドのうち、P3028(「ペプチド3028」とも呼び、アミノ酸配列VFDEFKPLVEEPQNLIK(配列番号:185)を有している)は、IL−2誘導性増殖を常に抑制したが、人工細胞表面への結合によって同定した他のペプチドはいずれも、P3028配列/構造と同等の抑制活性は示さなかった(図6参照)。したがって、P3028は、LFA−1またはIL−2によって誘導された免疫細胞の増殖反応を抑制したことが確認され、P3028配列/構造は少なくともLFA−1受容体またはIL−2受容体を介して作用していることが示された。
増強された3H−TdRの取り込みは、細胞内チミジンプールの比活性の増強およびそれによるDNAの比活性の増強によるものであると考えることができ、したがって、必ずしも細胞数の増加を反映するものではない。これを踏まえると、別の方法でリンパ球増殖刺激を試験して、別の方法(MTS技術)で増殖反応を測定することが重要であると考えられた(実施例3参照)。これに伴い、抗CD3モノクローナル抗体でプレコーティングしたプレートで培養することによってT細胞を刺激し、3〜7日間培養した後、MTS染色を使用して代謝が活発な細胞の数を測定した(図8参照)。図に示すように、P3028配列/構造には抑制作用があった。P3028配列/構造によって引き起こされたMTS染色の低下は細胞の代謝の低下によるものであったと考えることもできる。上記リンパ球増殖モデルの両方の結果を考え合わせると、代謝の低下によって相応に内因性のチミジンプールが減少し、その結果、外因性チミジンの取り込みの増加およびそれによるチミジンプールの比活性の増加が起こり、これが、増殖の増加として誤って記録されたのではないかと考えられる。これらの実験では実際には3H−TdRが減少し、増殖の抑制が示された。したがって、3028配列を含むペプチドがIL−2を介した免疫細胞の増殖を効果的に抑制したことが確認された。
次いで、P3028のC末端部分、N末端部分などの種々のペプチドフラグメントを合成し、これらのペプチドが免疫細胞のIL−2誘導性増殖を抑制する能力について(それぞれのフラグメントを別々または組み合わせて)分析した(実施例6参照)。P3028のN末端フラグメント(すなわちアミノ酸配列VFDEFKPLVE(配列番号:186)を有するP3325)およびP3028のC末端フラグメント(すなわちアミノ酸配列EPQNLIKを有するP3218)(配列番号:187)を合成した。P3028のこれら2つのフラグメントの抑制活性は、単独でも組み合わせてもP3028よりも弱く(図12参照)、さらに、3028のこれらのペプチドフラグメントは、IL−2誘導性増殖に対するP3028の作用を阻害するものではないことが分かった(図13参照)。
さらに、P3028配列/構造の配列を含むペプチドは、IL−2受容体とだけでなく、LFA−1受容体とも相互作用することが分かった。第1の実験では、P3028ペプチドには、LFA−1特異的モノクローナル抗体とヒト免疫細胞上のLFA−1受容体との結合を調節する能力があることが分かった(実施例7参照)。このLFA−1特異的モノクローナル抗体は、免疫細胞のIL−2誘導性増殖に対する強力な阻害因子である(Vyth−Dreese et al., Eur. J. Immunol.12:3292−3299(1993)を参照されたい)。P3028ペプチドの存在下および非存在下において、標準的な免疫組織化学的染色を行った。すなわち、健常者およびがん患者から得た免疫細胞(PBMC)を比較した。PBMCをアセトンで固定し、P3028を加えたまたは加えていない10%ヒトAB型血清でブロッキングし、モノクローナル抗LFA−1抗体および二次抗体とともにインキュベートし、Fast Redを使用して発色させた。図16Aに示すように、健常対照試料由来PBMCでは細胞膜がはっきりと染色されたが(図中3)、これに対して、進行がん患者由来PBMCでは弱い染色(図中5)が示された。しかしながら、このがん患者由来のPBMCを3028構造に特異的な抗体とともに24時間インキュベートすると、図中3に示す膜染色が見られ、この抗体が3028構造に結合してLFA−1のブロックを解除したことが示された(図16C参照)。これについての考察は後述する。
P3028配列/構造は免疫細胞のIL−2応答性増殖反応を有意に抑制したことから、CD25へのIL−2の結合に対するP3028配列/構造の作用を調査した。プロテインGをコーティングしたマイクロプレート/ELISAプレートに、CD25とIgG Fc部分との融合タンパク質を結合させ、P3028の存在下または非存在下でビオチン化IL−2とともにプレートをインキュベートした。驚くべきことに、CD25へのIL−2の結合はP3028の存在によって増強され、これによってIL−2とCD25とP3028との三者間の相互作用が証明された(図18Aおよび図18B参照)。CD25へのIL−2の結合が増強されても、P3028配列/構造はIL−2誘導性増殖に対する強力な抑制因子であるため、適切に組み合わさったこの高親和性受容体および/またはシグナル伝達はP3028配列/構造によってブロックされる。コンピューター支援分子モデリングを使用することによって、P3028配列/構造がCD25のIL−2結合部位に結合することが示された(図19参照)。これらの結果から、P3028配列/構造はLFA−1受容体およびIL−2受容体の両方に結合することが分かり、したがって、P3028配列/構造は少なくとも二方向の免疫調節能力を持つことが明確に証明された。
特定のアルブミンフラグメントがNK細胞の細胞傷害性に与える影響も評価した。これらの実験では、アルブミンフラグメント(P3028、P3026およびP3027)(配列番号:185、183および184)に相当する合成ペプチドを調製し、K562標的細胞の溶解量を評価した(実施例4参照)。対照試料ペプチドP3027の存在下では抑制は見られなかったが、P3028はNK細胞の細胞傷害性の低下を引き起こし、その程度は小さいもののP3026もNK細胞の細胞傷害性の低下を引き起こした(図9Aおよび図9B参照)。したがって、P3028配列を有するペプチドは効果的にNK細胞の細胞傷害性を抑制する。
特定のアルブミンフラグメントが白血球の伸展および免疫細胞の遊走を抑制する能力も分析した。すなわち、デキストランを用いた沈降によってヘパリン添加血液からバフィーコート細胞を調製した。この細胞をPBSで2回洗浄し、清潔なスライドに載せた。細胞はガラス表面に強く接着し、広く伸展したが、これらの細胞を10μg/mlの濃度のP3028とともに15分間前処理すると、この免疫細胞の伸展が効率的に抑制された(実施例5参照)。同様に、P3028がPBMCの遊走に与える影響をBoyden chamber技術を使用して調査した(実施例5参照)。図11に示すように、P3028は、免疫細胞遊走に対する強力な抑制因子である(p<0.002)。
P3028配列/構造を有するタンパク質に特異的な抗体を調製して精製し、特性評価を行った(実施例9参照)。P3028に特異的なポリクローナル抗体はウサギまたはヤギにおいて作製した。すなわち、ウサギをP3028で免疫し、P3028を使用して特異的抗体をアフィニティー精製した。得られた抗体はいずれも、P3218(P3028のC末端フラグメント(配列番号:187))には結合しなかったが、P3325(N末端フラグメント(配列番号:186))に結合することが分かった。
これに続く一連の実験では、アフィニティー精製したウサギ抗3028抗体を使用して免疫組織化学的染色を行うことによって、悪性腫瘍(たとえば悪性黒色腫、腎細胞がんおよび大腸がん)におけるP3028の発現を同定した(実施例9参照)。悪性黒色腫、腎細胞がんおよび大腸がんの組織切片の免疫組織化学的染色によって、P3028配列を含む分子ががん細胞に広く発現かつ/または局在していることが示された。この結果は、悪性黒色腫転移巣から調製した腫瘍抽出物を用いたウエスタンブロットによって3028構造が検出されたことによってさらに裏付けられた(実施例1参照)。はっきりとした3028構造のバンド(約66kDよりもわずかに大きい)がウエスタンブロットによって同定されたが、完全長アルブミンおよびさらに大きな分子においても3028配列が検出された(図2参照)。これらの結果によって、3028構造を含む分子がタンパク質分解による断片化だけでなく、変性によっても生成されうることが証明された。したがって、P3028配列および/またはこの配列を含む分子が腫瘍組織に存在および/または局在していることが分かった。
次いで、ELISA技術を使用して、3028配列を含むタンパク質およびペプチドがヒト血清中に存在することを確認した。すなわち、サンドイッチアッセイを以下のように行った。アフィニティー精製抗3028抗体でタンパク質高結合ELISAマイクロウェルをコーティングし(捕捉抗体)、段階的に濃度を上げたP3028を添加した1%加熱不活性化血清溶液を各ウェルに加えた。洗浄後、ビオチン化マウス抗ヒトアルブミンモノクローナル抗体を加え、結合した抗体の量をHRP標識ストレプトアビジンおよびTMBクロモゲン基質で検出した(実施例1参照)。血清中濃度は、5つの健常対照試料由来の血清プール、1つの健常対照血清試料およびがん患者から得た2つの血清におけるP3028同等物として、1.2〜1.6μg/mlの範囲であることが分かった。3028含有分子の量は、サンドイッチELISAにおいて(3028エピトープに対する)捕捉抗体への血清中3028構造の結合を50%抑制するP3028の量として決定された(図3参照)。アルブミンの分子量はP3028の約35倍であることから、血清中のこれらの3028物質の量はこの範囲よりもかなり多い可能性があるが、P3028物質のエピトープ特異的反応性は上記の方法を使用して正確に測定することができる。
次いで、P3028配列/構造に特異的なファーストクラス阻害剤を使用して実験を行った。健常者由来ヒト免疫細胞およびがん患者由来ヒト免疫細胞のIL−2により誘導した増殖反応を、P3028配列/構造に特異的な抗体の存在下または非存在下で分析した(実施例9参照)。すなわち、P3028配列/構造に特異的な抗体の存在下または非存在において、腎細胞がん患者由来のPBMCおよび悪性黒色腫患者由来のPBMCの増殖反応を、健常者由来のPBMCの増殖反応と比較した。P3028配列/構造に特異的な抗体の存在下では、IL−2による誘導後にPBMCの増殖の増加が見られた。すなわち、P3028配列/構造に対する抗体阻害剤は、免疫細胞のIL−2誘導性増殖に対するP3028配列/構造を介した抑制を取り除くことができた。これらの結果より、P3028配列/構造の結合パートナー(たとえばP3028に特異的な抗体または結合フラグメント)は、P3028配列/構造を介した免疫抑制を軽減することができることが示された。
P3028配列/構造は免疫系に対する強力な生理学的抑制因子であり、免疫活性を調節可能な治療用組成物の標的となりうる。IL−2に応答したPBMC増殖反応の低下をモデル化したヒトエクスビボモデルにおいて、P3028配列/構造に対する抗体はがん関連免疫抑制を解消した(実施例9参照)。さらに、このモデルにおいて得られた結果と、がん患者の全生存期間との間には相関性が見られた(実施例2参照)。したがって、P3028配列/構造のさらなる結合パートナー(たとえばペプチド、環状ペプチド、ペプチド模倣体、抗体およびその一部)は、P3028配列/構造を介した免疫抑制を阻害するのに有用である可能性があると考えられた。
P3028配列/構造の結合パートナー(阻害剤)として3種のペプチドを構築し、図23に示すように、溶液中におけるこれらの阻害剤のP3028への結合力を試験した(実施例10参照)。1種の分子(SCF28)のみが、生物学的ヒトエクスビボモデルにおいて試験を行うのに十分な溶解性を有していた。この構造に基づいて、P28R(配列番号:2)を第1の薬物候補として構築した。
P28RはP3028と強く結合したため、P28RがP3028配列/構造の機能を阻害する能力を試験した。上述したように、β2−インテグリンは、正常に機能している免疫系において重要な役割を果たしている。しかしながら、β2−インテグリン(LFA−1)にP3028配列/構造が結合すると、実質的に免疫が抑制される。上記で示したように(実施例7参照)、LFA−1染色アッセイでは、がん患者由来PBMCの膜染色は正常対照試料と比較して著しく低下した。しかしながら、がん患者由来のPBMCを抑制因子であるP3028配列/構造に対する抗体とともにインキュベートすると、LFA−1の露出を増強することができた(実施例7および図16C参照)。上記と同様にして、新鮮な凍結腫瘍切片をペプチドP28R(配列番号:2)とともにインキュベートすると、腫瘍浸潤リンパ球上のLFA−1のブロックが解除され(すなわち、LFA−1受容体に結合している免疫調節ペプチドまたはP3028構造が除去され)、その結果、抗CD11a抗体の結合が増強される(図26)。この結果から、上記抗体(P28R)によってP3028構造が除去され、LFA−1受容体のブロックが解除されたことが分かった。P28RがP3028構造を阻害する能力を試験するため、LFA−1染色を行う前に、固定していない新鮮な凍結腫瘍切片を薬物候補であるP28Rの存在下で4〜20時間インキュベートした(実施例15参照)。比較対照として、腫瘍切片をリン酸緩衝生理食塩水のみを使用してインキュベートした。図26に示すように、P28Rは、LFA−1受容体のブロックを効果的に解除し(たとえば、LFA−1受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造を除去し)、それによって、LFA−1の機能発現を顕著に増強し、細胞の遊走および細胞傷害活性を促した。したがって、P28RはP3028のLFA−1への結合を低下させ、P3028を介した免疫抑制を効果的に阻害する。さらに、本明細書に記載の実施形態のいくつかに従って、P28コア(配列番号:62)とともにインキュベーションを行うことによっても、LFA−1のブロックを解除することができる(たとえば、LFA−1受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造を除去することができる)と考えられる。
したがって、P3028の受容体としては、LFA−1およびIL−2受容体のα鎖(CD25)が挙げられる。CD11a(LFA−1のα鎖)へのモノクローナル抗体の結合を利用して、LFA−1の生理的遮断物質の有無、ならびにP28Rおよび抗P3028抗体のブロック解除活性を調査した。さらに、LFA−1受容体と同様に、IL−2受容体も本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤によってブロック解除することができる(たとえば、IL−2受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造を除去することができる)と考えられる。したがって、実施形態のいくつかにおいては、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤によって、IL−2受容体のブロックが解除され、たとえば、表1〜4に挙げたペプチドのいずれか1以上(たとえば配列番号:185を含むペプチド)によるIL−2受容体のブロックが解除される。
健常対照由来PBMCをP3028(図15および図17)またはがん患者血清(図17)とともにインキュベートすると、LFA−1への抗CD11a抗体の結合が阻害される。さらに、進行がん患者由来PBMCを抗P3028抗体とともにインキュベートすると、LFA−1への抗CD11a抗体の結合が回復する(図16)。P3028はPBMCに結合することができる(ペプチドを添加しなかった図15A、およびペプチド3028とともにプレインキュベートした図15Bを参照されたい;ペプチド3028とともにプレインキュベートしたことによって、抗LFA−1モノクローナル抗体(HI111)が阻害されたが、これはペプチド3028が単核血球に結合したことを示す)。
P28Rは、P3028配列/構造によって抑制されているLFA−1受容体のブロックを解除できる(たとえば、LFA−1受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造を除去することができる)。これを踏まえ、免疫刺激を増強するP28Rの能力をヒトエクスビボモデルにおいて試験した。7つの健常対照試料および様々な診断受けた7人のがん患者から得た試料において、MTS技術またはCFSE技術を使用してPBMCに対するP28Rの刺激活性を測定した(実施例13参照)。P28Rは、他の刺激が存在しない条件でも、7人のがん患者のうち6人において有意な刺激活性を有していた。それに対して、対照試料由来のPBMCでは、わずかな刺激活性のみが示されたか、あるいは、刺激活性はまったく示されなかった(実施例13参照)。上述した、がん関連免疫抑制に対する抗P3028抗体の回復効果の評価(実施例9参照;図22参照)と同様にして、P28R阻害剤のIL−2受容体に対するブロック解除能力と、それによって免疫細胞の増殖を誘導する能力とを調査した。治療を受けていない4人の患者由来のPBMCを培養し、それぞれP28Rで処理してPBMCの増殖を測定した。P28Rによる処理前に高い増殖活性を示していたPBMCはP28Rによる影響をほとんど受けず(図24Cおよび図24D参照)、培養初期に低い増殖活性を示していたPBMCは顕著に刺激された(図24Aおよび図23B参照;実施例13参照)。したがって、P28R阻害剤は、P3028配列/構造が結合したことによって免疫細胞が抑制されている場合に、別の刺激が存在しなくても、効果的に免疫細胞の増殖を誘導することができる。
がん細胞はP3028構造に富むことが示されたため(実施例1および図1〜2参照)、P28Rががん細胞に特異的に結合する能力を調査した。腫瘍へのビオチン化P28Rの結合を調査した。3つの乳がん組織、2つの腎細胞がん組織および4つの悪性黒色腫組織を分析した。この実験において分析したこれらの種々の腫瘍はいずれも、P28Rと結合したことに注目されたい。たとえば、図25に示した染色乳がん切片では強い陽性シグナルが示され、この結果、この腫瘍内に抑制作用を有するP3028構造が存在すること、およびP28Rがこの腫瘍に結合する能力を有することが示された(実施例14参照)。
P3028構造は、リンパ球の遊走および細胞傷害活性を抑制することから(実施例4および実施例5参照)、腫瘍内に存在するP3028含有構造がP3028配列/構造の結合パートナー(たとえば、抗体、その結合フラグメントおよび/または阻害性ペプチド(たとえばP28R)、またはP28R構造に相当するペプチド模倣体)によって隔離されていない限り、腫瘍の陽性染色領域に対する免疫系を介した攻撃は効率的に抑制されていると予想される。P3028はLFA−1受容体と強く結合するという結果と一致して、リンパ球上のLFA−1はP3028構造の結合によってブロックされていたため、リンパ球は上記操作によって染色されなかった。
P28RをP3028配列/構造に結合させることにより、LFA−1受容体のブロックが解除され、それによってP3028配列/構造依存性の免疫抑制を緩和することが可能である。これを踏まえ、P28Rをテンプレート化合物として使用して、P3028に結合してこれを隔離する別の化合物を同定した。P28R構造のバリアントを合成し、PEPSCAN技術を使用して、P3028に結合する能力を試験した(実施例12参照)。P28Rの各残基位置におけるアミノ酸置換(すなわち各位置のアミノ酸を他の19種のアミノ酸で置換する改変)が遺伝的にコードされたペプチドライブラリを合成した。各ペプチドを固定支持体に結合させてペプチドライブラリを作製し、P3028とともにインキュベートした。ウサギ抗マウスペルオキシダーゼ(rampo)二次抗体を使用したサンドイッチELISAによって、P3028への候補阻害剤の結合を検出した(実施例12参照)。次いで、各ペプチドの結合についてrampoスコアを測定した(図27参照)。ペプチドP28Rのrampoスコアは約262〜460の範囲であり、その平均値は370であった。実施形態のいくつかにおいて、本明細書に開示される免疫調節ペプチド阻害剤は、所望のP3028結合rampoスコアに基づいて選択される。実施形態のいくつかでは、所望のP3028結合rampoスコアは、P28Rのrampoスコアと同等またはそれ以上である。さらに、P28Rよりも低い親和性でP3028に結合するペプチドの中にも、治療目的で使用できるものがあると考えられる。P28Rよりも結合親和性が低いペプチドのいくつかは、P3028に対する親和性が低いことを踏まえ、たとえば、P28Rとは異なるシグナル伝達事象を調節するものであってもよい。したがって、本発明の実施形態は、P28Rよりも低いrampoスコアでP3028に結合する任意のペプチドをさらに包含する。したがって、本発明は、任意の親和性でP3028に結合するペプチド(たとえば、表5.1に記載のペプチドのいずれか1以上、好ましくは免疫系を調節するペプチド(たとえば、免疫系マーカーまたは免疫抑制マーカーを調節、アップレギュレートまたはダウンレギュレートするペプチド(たとえば、免疫細胞の増殖、伸展もしくは遊走、またはNK細胞の細胞傷害性に対するP3028介在性抑制を軽減するペプチドなど))を含む実施形態も包含する。
ペプチドP28Rの31種の置換体(配列番号:3〜33)は、500を超えるrampo値を有しており(図28参照)、これはすなわち、これら31種のペプチド(P3028の強力な結合パートナー)を効率的にP3028に結合させることによって、P3028を隔離し、その結果、P3028を介した免疫抑制を軽減することができることが示された。表6.1は、アッセイによる評価において、P3028と結合することが確認された31種のペプチドを挙げている。さらに、各位置のアミノ酸をそれぞれ置換したペプチド群の(rampoスコアに基づく)結合力を、それぞれの群のP28R(配列番号:2)対照試料の結合力と比較した(実施例12参照)。P28R対照試料と実質的に同等以上のrampoスコアで結合するペプチド(すなわち、P28R対照試料のrampoスコアと比較して少なくとも98%のrampoスコアでP3028と結合するペプチド)が同定された(配列番号:268〜393)。表6.2は、P3028と結合することが確認された126種のペプチドを挙げている。これら126種のペプチドには表6.1に記載の31種のペプチドが含まれることに注目されたい。したがって、P3028に対する126種の結合パートナーがこの最初のスクリーニングで同定され、これらの分子またはそのバリアント(たとえば、これらの結合パートナーに対応する、D−アミノ酸、N末端アミドおよび/もしくはC末端アセチル基を有するバリアント、またはペプチド模倣体またはアプタマー)は、免疫細胞へのP3028配列/構造の結合を阻害するために使用することができ、これにより、免疫細胞へのP3028配列/構造の結合が阻害されることによって、P3028依存性の免疫抑制が緩和または軽減される。P28Rのバリアントの1つであるペプチドKKL15(配列番号:1)は、C末端アルギニンのみを欠失しており、電荷相互作用と疎水性相互作用の両方を介してP3028配列/構造に結合すると考えられる。図31に示すように、KKL15の正に荷電したアミノ酸は、P3028の負に荷電したアミノ酸と相互作用し、さらに、疎水性アミノ酸は疎水性接触を形成して、上記相互作用を増強する。
P28RのP3028結合ドメインをさらにマッピングするため、P28Rの欠失体および末端切断体を合成し、PEPSCANアッセイを使用してP3028への結合を試験した。この方法では、P3028の結合パートナーが多数得られた。rampoスコアに基づくと、6番目〜9番目の残基(「FFVK」:配列番号:182)の欠失およびC末端アミノ酸欠失は、P3028への結合パートナーペプチドの結合を低下させる傾向があった(実施例12および図30参照)。これに対して、ペプチドP28Rの欠失体および末端切断体のいくつかでは、ペプチドP28Rと同等またはそれ以上のrampoスコアが示された(たとえば、配列番号:34、64〜66、68および76参照)。さらに、P28RのN末端から1つずつアミノ酸を欠失させたペプチド(最大で8つまで欠失させる)(たとえば配列番号:46〜53参照)は、rampoスコアの測定によれば、P3028に対する高い親和性を保持していた。この結果から、P28Rよりも低分子の阻害剤は、P3028に結合させてこれを隔離し、P3028と免疫細胞受容体(IL−2受容体またはLFA−1受容体など)との相互作用を妨害することによってP3028誘導性免疫抑制を軽減するのに有用である可能性が証明された。
IL−2の刺激による免疫細胞増殖に対してP28Rが調節効果を有することが示されたことから(実施例2参照)、他の態様のIL−2による免疫細胞の刺激でもP28Rが調節効果を有するかどうかをさらに調査した。実施例2のエクスビボモデルを一部変更したモデルにおいて、様々な用量のP28R(「P28Rなし」の対照試料、または5μg/ml、10μg/mlまたは20μg/mlのP28Rのいずれか)の存在下で、8つの健常対照試料または様々な診断を受けた9人のがん患者の試料に由来するPBMCを7日間培養した。8つの対照試料のうち5つ(図33A参照)および9人のがん患者すべて(図33B参照)において、ミトコンドリアの代謝が用量依存的に刺激されたことがMTSの変換として測定された。PBMCを3日間のみ培養した場合においても、類似した結果が得られた(実施例28参照)。
免疫調節ペプチドの他の阻害剤の有効性を同定するため、MTSの変換に基づくミトコンドリアの代謝に対するP28R(配列番号:2)の効果を、このペプチドと密接に関連するペプチドP27と比較した。P27は、配列KKLDTFFKKLSLFTER(配列番号:264)を有し、P28RのV8がK8に置換されたP28Rのバリアントである。P28RはP27よりも効率的にP3028に結合する(P27はrampoスコア253でP3028に結合するのに対し、対照試料であるP28Rはrampoスコア308でP3028に結合する;実施例12参照)。P28RまたはP27の濃度は、非処理対照試料、5μg/ml(「SCF28−R5」および「SCF275」)、10μg/ml(「SCF28−R10」および「SCF2710」)、20μg/ml(「SCF28−R20」および「SCF2720」)、または40μg/ml(「SCF28−R40」および「SCF2740」)であった。図34に結果を示す。P28Rは用量依存的にがん患者の細胞を刺激したのに対し、P27では効果は見られなかった(実施例29参照)。
さらに、IL−2誘導性増殖に対するP28R(配列番号:2)の効果をBrdU取り込みアッセイにおいて測定した。上記のエクスビボモデルを一部変更したモデルにおいて、6つの健常対照試料および10人のがん患者から得た試料からPBMCを回収した。6つの対照試料のうち4つにおいてIL−2に応答した高い増殖反応が見られたのに対して、がん患者では、10人から得た試料のうち4人の試料においてIL−2に応答した高い増殖反応が見られた(図35参照)。IL−2に応答したPBMCの増殖反応において見られたこれらの差は、IL−2による刺激に対する応答性が高い者とIL−2による刺激に対する応答性が低い者との間で差が生じていることを示していた(実施例30参照)。
様々な用量のP28Rに対する応答性について、高応答者と低応答者とを比較した。高応答者または低応答者から得た細胞を様々な用量のP28Rとともに培養した(図36Aおよび図36B参照)。IL−2誘導性増殖をBrdUの取り込みとして測定した。P28Rは、IL−2に対して応答性が高い患者から得た細胞においては刺激効果を示さなかったが(N=4)(図36A参照)、IL−2に対して応答性が低い患者から得た細胞に対しては刺激効果を示した(N=6)(図36B参照)。したがって、健常対照由来PBMCまたは増殖率が正常ながん患者由来PBMCを培養する際にP28Rを加えても増殖は影響を受けなかったのに対して、免疫抑制されたがん患者由来のPBMCは、P28Rによって増殖が有意に刺激されたことから、P28Rが、P3028に結合してP3028の免疫抑制活性をブロックする効果を有することがこのエクスビボモデルにおいて示された。特定の理論に捉われるものではないが、実施形態のいくつかにおいて、P28R(配列番号:2)またはP28コア(配列番号:62)は、免疫細胞増殖の阻害物質に結合し、免疫細胞増殖を誘導する。
次に、BrdUの取り込みを測定することによって、IL−2誘導性増殖に対する効果をP27(配列番号:264)とP28R(配列番号:2)とで比較した。応答性が低いがん患者から得たPBMCを、ペプチドなし(「非処理細胞」)または5μg/ml、10μg/mlもしくは20μg/mlの様々な濃度のP28RまたはP27とともに培養した。図37に示すように、P28RおよびP27はいずれも、IL−2によって誘導されたPBMCの増殖率を上昇させたことがBrdUの取り込みによる測定によって示された。図37に示した結果と図34の結果を比較すると、BrdUの取り込みの測定結果から、P27は、IL−2の刺激による細胞増殖を増強することが分かったが、MTSの変換の測定結果からは、P27はミトコンドリアの代謝は増強しないことが分かった。一方、P28Rは、IL−2による刺激に応答して、MTSの変換とBrdUの取り込みのいずれをも増強することが分かった(実施例31参照)。
BrdUの取り込みおよびMTSの変換に対する様々な免疫調節ペプチド阻害剤の様々な効果についてさらに調査を行った。IL−2の刺激による免疫細胞増殖に対するP28Rの効果は、使用したアッセイの種類によって大きく異なった(図38参照)。PBMC培養の7日目において行ったMTS変換では、ペプチドP28Rは、試験したがん患者(N=9)の100%および試験した健常対照試料(N=8)の63%において刺激活性を有していた。これに対して、PBMC培養の7日目に行ったBrdUの取り込みでは、P28Rは、患者(N=6)の17%および患者(N=10)の20%に対してのみ刺激活性を示した。BrdUの取り込みの測定では、P28Rは、IL−2に対して低い増殖応答を示すがん患者由来のPBMCの培養においてIL−2誘導性増殖を刺激した。これに対して、MTSの変換による刺激効果の測定では、試験した健常対照試料(N=3)の67%から得たPBMCおよびがん患者(N=4)の50%から得たPBMCは、IL−2で刺激されなかった(実施例32および図38参照)。しかしながら、MTSにおいて応答性なしと測定された者(「無応答者」)のPBMCにおいて、刺激効果をBrdUの取り込みとして測定すると、いずれの無応答者においてもPBMCはIL−2により有意に刺激された(図38参照)。2人の患者において、BrdUの取り込みにより測定したIL−2に対する応答は、P28Rによって増強されたが(図38Aおよび図38C参照)、MTSの変換により測定した場合、P28Rのこの増強効果は、2人患者のうち1人においてのみ観察された(図38B参照)。したがって、1人の患者ではBrdUとMTSのいずれでもIL−2の刺激活性が確認されたが(図38Aおよび38B参照)、これに対して、もう1人の患者では、BrdUにおいてのみIL−2の刺激活性が確認された(図38C参照)(実施例32参照)。これらの結果に基づくと、MTSの変換によって測定された代謝活性に対する効果は、BrdUの取り込みとして測定されたDNA合成と必ずしも一致するとは限らないことが考えられ、さらに、患者集団が異なれば、免疫調節ペプチドの阻害剤に対して異なった応答性を示すと考えられた。
P3028と結合する別の分子を同定することが可能であると考えられた。このようなさらなる結合分子も、P3028をブロックできる可能性がある。6−merの環状ペプチドを複数合成し、このうちP3028への結合力が高かったものを同定した(表12、および配列番号:265〜267参照)(実施例19参照)。上記の6−merの環状ペプチドのうち、rampoスコアを元にP3028への結合が最も強いことが同定された2種の6−mer環状ペプチドは、3028に結合する直鎖ペプチドと相同性を有することが判明した(図32参照)。
P3028に加えて、他のいくつかのアルブミンフラグメントおよび合成ペプチドも免疫細胞に結合することが分かった。これらのフラグメントのいくつかはP3028に類似した免疫調節活性を有し、P3028と同様に免疫細胞に結合することができ、かつ/またはP3028を認識する免疫調節抗体に結合することができる。第1の実験では、トリプシン消化によってアルブミンフラグメントを作製した。このトリプシン処理フラグメントは、本明細書に記載のACSシステムにおいて免疫細胞に結合することが分かった(実施例17参照)。表1は、トリプシン処理により作製したアルブミンフラグメントのうち、MALDI-TOF分析によりACSシステムの免疫細胞に結合することが検出されたものを示す。
第2の実験では、変性ヒト血清アルブミンをアスパラギナーゼ(ASN−N)で分解し、これらのタンパク質分解フラグメントの免疫細胞への結合能をACSシステムで評価した。ここでも、MALDI TOF技術を使用して、吸着したペプチド溶液と吸着しなかったペプチド溶液を比較することにより免疫細胞に結合するペプチドを同定した。これらのペプチドを表2に示す。
さらに、表3に示す合成ペプチドをいくつか合成し、ACSシステムを使用して、これらの分子の免疫細胞への結合を評価した。
さらに、アルブミンフラグメントペプチドのいくつかは、免疫調節効果を有するdHSA特異的抗体(mAb A)に特異的に結合する(実施例18参照)。表4にこれらのペプチドを示す。
表1〜4に挙げたペプチドのいずれか1以上に対する阻害剤は、P3028に対する阻害剤の製造方法とほぼ同じ方法で作製することができると考えられる。すなわち、表1〜4に記載のペプチドのいずれか1以上に特異的なポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は、慣用の免疫学的技術を使用して容易に作製することができる。さらに、抗体の結合性フラグメントも、慣用の免疫学的技術を使用して調製および単離することができる。本明細書に記載したように、これらの抗体または抗体フラグメントはヒト抗体またはヒト抗体フラグメントであってもよく、ヒト化抗体またはヒト化抗体フラグメントであってもよい。上述した方法または実施例9および実施例10に記載した方法と同様にして、上記のペプチド阻害剤をチップベースのアッセイおよび生化学分析で評価することができ、たとえば、ペプチド阻害剤の存在下または非存在下における免疫細胞の増殖を分析することによって評価することができる。以下の節では、免疫調節ペプチド阻害剤(好ましくはP3028の阻害剤)の開発についてより詳細に説明する。
表1〜4に挙げたペプチドのいずれか1以上に対する阻害剤は、P28R(配列番号:2)配列またはP28コア(配列番号:62)配列を修飾したものを含んでいてもよいと考えられ、さらに、このような阻害剤も、LFA−1受容体の抑制を軽減したり、免疫細胞に刺激を与えるのに有用であると考えられる。阻害ペプチドが有していてもよい修飾を本明細書に記載の実施形態のいくつかに従って同定するため、P28R(配列番号:2)の各位置のアミノ酸を別の種類のアミノ酸に置換し、位置スキャンデータを利用してこれらの置換がP3028(配列番号:185)への結合に及ぼす影響を調査した。P28R(配列番号:2)のペプチド配列中の各アミノ酸を他の天然アミノ酸で置換し、固相チップ上に固定したこれらの各ペプチドへのP3028(配列番号:185)の結合を評価した(たとえば実施例36を参照されたい)。表5.3、表5.4、表5.5、表5.6および表13に、本明細書に記載の実施形態に従って任意に実施される様々なP28Rの修飾をまとめた。本明細書に記載の実施形態のいくつかによる阻害ペプチドは、表5.3または表13に示す修飾の1以上を含んでいてもよい。また、表5.3に示すように、阻害ペプチドは、2番目、5〜11番目および15番目の残基からなる中心コアを含み、他の位置の残基は、存在しなくても、実質的に任意のアミノ酸で置換されていてもよい。また、阻害ペプチドは、配列番号:2のK2、T5〜S11およびE15からなる中心コアを含み、他の残基は存在しなくても、実質的に任意のアミノ酸で置換されていてもよい。
さらに、位置スキャンデータから、配列FFVKLS(配列番号:62)からなる「コアペプチド」(本明細書において「P28コア」と呼ぶ)を同定することができることに注目されたい。実施形態のいくつかにおいて、P28コア(配列番号:62)を含む、該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチドが提供される。これらのペプチドは、約30以下のアミノ酸残基を含んでいてもよく、たとえば、約30以下、約29以下、約28以下、約27以下、約26以下、約25以下、約24以下、約23以下、約22以下、約21以下、約20以下、約19以下、約18以下、約17以下、約16以下、約15以下、約14以下、約13以下、約12以下、約11以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、または約6以下のアミノ酸残基を含んでいてもよい。実施形態のいくつかでは、上記コアペプチドは、表1〜4に記載の免疫調節ペプチドの1以上の結合によるLFA−1受容体のブロックを解除する(たとえば、LFA−1受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造を除去する)。
位置スキャンデータに基づくと、配列番号:2の置換体は、本明細書に記載の実施形態のいくつかによれば、P3028に結合させたり、P3028を介して抑制されたLFA−1受容体のブロックを解除(たとえば、LFA−1受容体に結合しているP3028ペプチドおよびP3028構造含有分子を除去)したり、かつ/または免疫細胞を刺激するのに有用であると考えられる。ヒト健常対照由来PBMCを使用したヒトエクスビボモデルにおける短期培養によってペプチドP28R(配列番号:2)および修飾したP28Rの活性を調査し、CD69が増強された細胞のパーセンテージとしてPBMCの活性化を測定した(実施例37参照)。P28R(配列番号:2)およびペプチド31135(KKLDTFFVYLSLFTER)(配列番号:589)は、このエクスビボモデルの健常者PBMCを直接刺激するが、ペプチド30677(KKLDTFFVKLSLMTER)(配列番号:583)、ペプチド30678(KKLDTFFVKLQLFTER)(配列番号:584)、ペプチド30680(KKLDTVMVKLQLMTER)(配列番号:585)、ペプチド30864(KSLDTFFVKLSLFTER)(配列番号:587)、ペプチド30685(KKLDTFFVKLSLFTFR)(配列番号:588)、ペプチド31136(KKLDTFFVNLSLFTER)(配列番号:590)およびペプチド31138(KKLDTFFVDLSLFTER)(配列番号:591)は、このエクスビボモデルの健常者PBMCを刺激しなかったことが観察された(図41Aおよび41B参照)。したがって、実施形態のいくつかにおいては、P28R(配列番号:2)、ペプチド31135(配列番号:589)、およびP28Rとペプチド31135との組み合わせのいずれかを含む、本質的にこれらのいずれかからなる、またはこれらのいずれかからなる組成物を提供して、免疫細胞を直接刺激する。したがって、実施形態のいくつかにおいては、配列番号:2のペプチド、配列番号:62のペプチド、配列番号:583〜586もしくは587〜595のいずれかのペプチド、もしくはこれらのペプチドの組み合わせを含む組成物、または本質的にこれらのペプチドのいずれかからなる組成物が提供される。
ペプチド31135は、配列番号:2の9番目および配列番号:62の4番目に相当する位置にYを含むことに注目されたい(表5.3および表5.5参照)。実施形態のいくつかにおいては、配列番号:2の9番目にYを含むP28R修飾体を含む修飾ペプチドを含む、本質的に該修飾ペプチドからなる、または該修飾ペプチドからなる組成物が提供される。上記免疫細胞は健常者の免疫細胞を含んでいてもよい。上記免疫細胞は、がん患者血清に由来する免疫細胞(たとえばがん患者の免疫細胞)を含んでいてもよい。実施形態のいくつかにおいては、配列番号:62の4番目にYを含むP28コア修飾体を含む修飾ペプチドを含む、本質的に該修飾ペプチドからなる、または該修飾ペプチドからなる組成物が提供される。上記免疫細胞は健常者の免疫細胞を含んでいてもよい。上記免疫細胞は、がん患者血清に由来する免疫細胞(たとえばがん患者の免疫細胞)を含んでいてもよい。
P28R(配列番号:2)は、(たとえば10%正常ヒトAB型血清を添加したRPMIを含む培地中での)短期培養においてP3028に結合し、健常対照由来PBMCを刺激することができることから(実施例37参照)、本明細書に記載の実施形態のいくつかによるP28Rの末端切断体も、表1〜4に挙げたペプチドのいずれか1以上に結合してこれらを阻害するのに有用であると考えられる。PBMCに対する活性化能についてP28Rの末端切断体を評価した(実施例38参照)。10%ヒトAB型血清を添加したRPMI中で上記ペプチド(40μg/mL)とともにPBMCを24時間インキュベートした。フローサイトメトリーを使用してCD69(図42A)またはCD71(図42B)の発現が増強された細胞のパーセンテージとしてPBMCの活性化を測定した。図42Aおよび図42Bに示すように、ペプチドP28R(配列番号:2)はこのエクスビボモデルの健常者PBMCを効果的に活性化したが、ペプチド32251(配列番号:592)およびペプチド32230(「P28コア」)(FFVKLS)(配列番号:62)はこのモデルの健常者PBMCを活性化しなかった。さらに、イヌ由来がん血清またはヒトがん患者由来がん血清中で上記ペプチドとともにPBMCをインキュベートした(図43参照)。完全長ペプチドP28R(配列番号:2)およびP28コアペプチド(ペプチド32230)(配列番号:62)はいずれもがん血清の存在下でPBMCを活性化したことが分かった。したがって、本明細書に記載の実施形態のいくつか従えば、P28R、P28コアまたはこれらのペプチドの組み合わせは、がんを有する対象の血清中において免疫細胞を刺激するのに有用であると考えられる。
実施形態のいくつかにおいて、P28コア(配列番号:62)を含む、P28コアからなる、または本質的にP28コアからなるペプチドが提供される。P28コア(配列番号:62)を含む、P28コアからなる、または本質的にP28コアからなるペプチドは、P3028ペプチドに結合するものであってもよい。P28コアペプチド(配列番号:62)は、完全長ペプチドP28Rと同程度に効率的に3028ペプチドに結合することができ、がん血清中のPBMCの活性化(たとえば、増殖、CD69および/もしくはCD71の発現の増加、IL−12もしくはIFNγの分泌、パーフォリンもしくはグランザイムBの分泌、または細胞傷害性、細胞遊走もしくはサイトカイン産生の亢進)を誘導できることが観察された(実施例38および図43参照)。しかしながら、PBMCの短期培養を含むエクスビボモデルにおいては、P28RペプチドがPBMCの活性化(CD69およびCD71)を刺激したのに対して、P28コアペプチド(配列番号:62)はPBMCの活性化を刺激しなかったことが観察された(図42Aおよび42B参照)。したがって、実施形態のいくつかにおいては、P28コア(配列番号:62)を含む、P28コアからなる、または本質的にP28コアからなるペプチドは、P28R(配列番号:2)と同程度に効率的にまたは実質的に同程度に効率的にP3028ペプチドに結合する。実施形態のいくつかにおいて、P28R(配列番号:2)は、P3028に結合させることによって細胞の受容体のブロックを解除する(たとえば、細胞の受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造を除去する)ことを目的として提供される。さらに、P28Rは、免疫細胞に対する直接的な刺激活性を有していてもよい。実施形態のいくつかにおいて、P28コア(配列番号:62)は、P3028に結合させることによって細胞の受容体のブロックを解除する(たとえば、細胞の受容体に結合しているP3028ペプチドまたは3028構造を除去する)ことを目的として提供される。
さらに、免疫細胞化学分析またはP28Rコーティングビーズとのロゼット形成(細胞へのビーズの結合)によって、ビオチン化P28RはPBMCに直接結合することが示された。したがって、実施形態のいくつかでは、PBMCに直接結合させることを目的としてP28Rが提供される。実施形態のいくつかでは、PBMCに結合させることを目的として、検出可能な部分を含むP28Rが提供される。実施形態のいくつかでは、PBMCに結合させることを目的として、毒素を含むP28Rが提供される。実施形態のいくつかでは、毒素または検出可能な部分を含むペプチド31135が提供される。
がん細胞に対するP28R(配列番号:2)の効果を、ヌードマウスおよび免疫能の正常なマウスのインビボモデルにおいてさらに調査した。異種移植ヌードマウスモデルのヒト膵臓がんにP28Rを腫瘍内注射すると、その1日後に腫瘍細胞のアポトーシスが誘導された(実施例39参照)。P28Rはカスパーゼ3(進行中のアポトーシスのマーカー)を誘導したのに対し、薬物溶媒のみで処置した腫瘍ではカスパーゼ3は誘導されなかった(図44Aおよび図44B参照)。実施形態のいくつかでは、P28R(配列番号:2)は腫瘍細胞(たとえば前立腺がん細胞)に対して直接的な細胞傷害作用を有している。実施形態のいくつかでは、表5.3に記載のペプチドまたは表5.2に記載の少なくとも1つの修飾を含む修飾P28Rペプチドは、腫瘍細胞(たとえば前立腺がん細胞)に対して直接的な細胞傷害作用を有している。
P28Rが免疫刺激作用を有することが観察されたため(たとえば実施例37参照)、P28R(配列番号:2)の免疫系を活性化する能力についても評価した。B16黒色腫を接種した免疫能の正常な(C57BL)マウスのB16黒色腫に40mg/100μlのP28Rを腫瘍内注射した(実施例40参照)。3日後に腫瘍を摘出し、ポリクローナルウサギ抗CD45抗体を使用して切片を免疫組織化学染色した。CD45の免疫染色によって、P28Rによる処置後に腫瘍の大部分を占めた細胞は炎症性細胞であったことが示された(図中450)(図45A参照)。同じ濃度のウサギIgGとともにインキュベートした対照腫瘍切片では、染色は見られなかった(図中452)(図45B)。実施形態のいくつかでは、P28R(配列番号:2)、P28コア(配列番号:62)、配列番号:586または589のペプチド、または表5.2に記載の少なくとも1つの修飾を含む修飾P28Rペプチドは、免疫系を活性化することができ、それによって、たとえば腫瘍細胞に対する免疫応答を誘導することができると考えられる。実施形態のいくつかでは、先に挙げたペプチドの1以上を腫瘍またはその近傍に投与する。実施形態のいくつかでは、先に挙げたペプチドの1以上を腫瘍の周囲に投与する。実施形態のいくつかでは、先に挙げたペプチドの1以上を全身に投与する。
P28Rの修飾体は免疫細胞を刺激するのに有用であると考えられるため、P28Rにおける様々なアミノ酸置換およびアミノ酸付加が免疫刺激作用に及ぼす影響をさらに調査した。健常者対照から得たPBMCの活性化に対する修飾ペプチドの効果を評価した(実施例41参照)。10%ヒトAB型血清を添加したRPMI中でPBMCを上記ペプチド(40μg/mL)とともに48時間インキュベートし、フローサイトメトリーを使用してCD69マーカーまたはCD71マーカーが増強された細胞のパーセンテージとしてPBMCの活性化を測定した。ペプチドP28R(配列番号:2)、ペプチドP28コア(ペプチド32230)(配列番号:62)、ペプチド32251(KKLDTFFPKLSLFTER)(配列番号:592)、ペプチド32814(RKLDTFFVKLSLFTERRR)(配列番号:586)、ペプチド32815(KKLDQFFVKLSQHNER)(配列番号:595)、ペプチド32665(KKLDTFMVKLSQHTER)(配列番号:593)、およびペプチド32819(KKLDTFFVKLSLFTER(C(PEG24)))(配列番号:594)を試験した。図46に示すように、ペプチド32814(配列番号:586)は、CD69の増強(図46A参照)およびCD71の増強(図46B参照)のいずれに対しても、P28R(配列番号:2)(バッチCS8040)と同様に短期培養において刺激効果を有していた。これを踏まえた本明細書における考察は後述する。
治療用途に加えて、P28Rならびにその末端切断体および修飾体の診断用途についても検討した。たとえば、P28Rまたはその末端切断体もしくは修飾体を含む試薬を使用して、全身および局所(腫瘍内)の免疫状態に関して患者情報を得ることができる。
抗P3028抗体、または標識P28R(配列番号:2)もしくは標識P28コア(配列番号:62)(たとえば、ビオチン化P28RまたはP28コア)を使用して、腫瘍内の免疫抑制性3028構造の存在を免疫組織化学的染色によって同定することができると考えられる。図47は、ビオチン化P28Rを使用して染色したヒト乳がんの2つの領域を示す。図47Bでは図中470に染色が観察される。図47Aでは染色は観察されない。染色されなかった部分を図中472に示す。
このように、本明細書に記載の実施形態に従って標識ペプチドを使用することにより、P3028構造を含む腫瘍領域(およびこの構造を含まない領域)を同定することができる。実施形態のいくつかでは、配列番号:2のペプチド、配列番号:62のペプチド、配列番号:584のペプチド、表5.4に挙げたペプチド、または表5.3もしくは表13に挙げた1以上の修飾を含む修飾P28Rもしくは修飾P28コアペプチドが提供され、これらはさらに検出可能な部分を含む。検出可能な部分を含むこのペプチドは、表1〜4に記載の1以上の免疫調節ペプチド(たとえばP3028(配列番号:185))に結合することができる。
免疫抑制の緩和
本明細書に記載する免疫調節ペプチドの阻害剤が免疫抑制の解除に有用でありうることから、本明細書に示すいくつかの実施形態は、免疫抑制の緩和、症状軽減、免疫抑制の軽減、または治療のための方法を含む。いくつかの実施形態では、免疫抑制を患う対象が特定される。前記対象はヒト、またはヒト以外の哺乳動物を含みうる。本明細書に記載の、免疫調節ペプチドの阻害剤のうち少なくとも1つを含む組成物を、前記患者に投与することができる。該組成物は、配列番号:1〜33、34、46〜53、62、64〜66、68、76、94〜96、98、94〜96、265〜393、583〜586、587〜595のいずれかを含む、該配列からなる、もしくは本質的に該配列からなる少なくとも1つのペプチド、または表5.3もしくは表13の修飾の1以上を含む修飾P28Rコアペプチドもしくは修飾P28コアペプチドを含む少なくとも1つのペプチドを含みうる。前記ペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、もしくは1100アミノ酸長以下、またはこれらのうち任意の2つの数の間の範囲により定義される長さでありうる。前記組成物は、本明細書に記載されるような緩衝剤、たとえばTrizma、Bicine、Tricine、MOPS、MOPSO、MOBS、Tris、Hepes、HEPBS、MES、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ホウ酸塩、ACES、ADA、酒石酸塩、AMP、AMPD、AMPSO、BES、CABS、カコジル酸塩、CHES、DIPSO、EPPS、エタノールアミン、グリシン、HEPPSO、イミダゾール、イミダゾール乳酸、PIPES、SSC、SSPE、POPSO、TAPS、TABS、TAPSO、およびTESをさらに含んでもよい。また、前記組成物は、本明細書に記載されるような分解性粒子をさらに含んでもよい。前記組成物は、前記対象に対して、種々の経路で、たとえば全身的に、免疫抑制部位に(たとえば、腫瘍による局所的免疫抑制が存在する場合)、または免疫抑制部位の近傍、たとえば免疫抑制部位から10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、もしくは0.5cm以内に、投与することができる。前記組成物に加えて、第2の治療薬を投与してもよく、このような第2の治療薬は、たとえば前記組成物の投与よりも前に、あるいは前記組成物の投与と同時に、あるいは前記組成物の投与に引き続いて投与される。前記第2の治療薬は、たとえば免疫刺激薬を含むことができる。対象における免疫細胞の活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性の増強、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖)を検出することもできる。とえば、免疫細胞の活性化は、1以上の免疫細胞のマーカー、たとえばCD69、CD71などのマーカーの発現の増加として検出することができる。免疫細胞の活性化(たとえば、CD69および/またはCD71の発現の増加、IFNγまたはIL−12の分泌、パーフォリンまたはグランザイムBの分泌、細胞傷害性の増強、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖)は、当業者に知られている様々な技術、たとえばフローサイトメトリー、免疫組織化学、ELISA、ウエスタンブロッティング、免疫ブロッティング、定量的PCR、増殖を測るためのBUdR取込みの検出等によって、検出することができる。特定の理論に捉われるものではないが、種々の免疫抑制薬細胞、調節性T細胞、未成熟樹状細胞(iDC)、腫瘍関連マクロファージ(TAM)および骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)が、免疫抑制において機能する可能性を有し、さらにまた、血清阻止因子、血中免疫複合体、IL−1Ra産生亢進、および腫瘍内タンパク質分解活性亢進等の、別の免疫抑制機構もまた、がん関連免疫抑制において機能しうる。そのため、いくつかの実施形態では、免疫抑制の治療、緩和、軽減またはその症状の軽減は、免疫抑制細胞の活性、表現型、もしくは増殖の変化、または免疫抑制因子の発現量もしくは局在性の変化によって測定することができる。
免疫調節ペプチド阻害剤
いくつかの実施形態は、P3028等の免疫調節ペプチドおよび/または表1〜4に列挙される免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184、および188〜246)の1以上に対する阻害剤を含む。これらは、アルブミン由来免疫調節ペプチド遮断剤、免疫調節ペプチド結合パートナー、または免疫調節ペプチド阻害剤とも呼ばれる。免疫調節ペプチド阻害剤は、ペプチド、環状ペプチド、ペプチド模倣体、タンパク質、核酸、抗体、抗体フラグメント、核酸アプタマー、ペプチドアプタマー、および小分子を含みうるが、これらに限定はされない。以下の節では、抗体または抗体フラグメントに基づく免疫調節ペプチド阻害剤について、より詳細に説明する。
抗体または抗体フラグメントに基づく免疫調節ペプチド阻害剤
いくつかの実施形態は、抗体または抗体フラグメントに基づく免疫調節ペプチド阻害剤を含む。対象(たとえば、がんまたは細菌感染もしくはウイルス感染等の病原性感染を有する対象)における免疫抑制を阻害するためにこれらの免疫調節ペプチド阻害剤を使用する方法についても、検討する。コア抗体構造ユニットは、四量体を含むことが知られている。四量体はそれぞれ、同一のポリペプチド鎖2組からなり、各組に1本の「軽鎖」(約25kDa)と1本の「重鎖」(約50〜70kDa)が存在する。各鎖のアミノ末端部分には、約100〜110個あるいはそれ以上のアミノ酸からなる可変領域が含まれ、主として抗原の認識を担っている。各鎖のカルボキシル末端部分は定常領域を定義し、エフェクター効果を担っている。重鎖はμ、δ、γ、α、またはεに分類され、これらはそれぞれ抗体のアイソタイプをIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして定義する。さらなるアイソタイプであるIgYは、鳥類の宿主に見出される。これらの鎖はいずれも同じ一般構造を有し、比較的変異の少ないフレームワーク領域(FR)と、それに結合した、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域とによって構成されている。各組の2本の鎖のCDRはフレームワーク領域に沿って整列し、それによって特定のエピトープへの結合が可能となる。N末端からC末端に向かって、軽鎖も重鎖も、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4のドメインを含む。各ドメインのアミノ酸の帰属は、Kabatの「免疫学的に興味深いタンパク質の配列」(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987,1991));Chothia & Lesk J.Mol.Biol.196:901−917(1987);またはChothia et al.,Nature 342:878−883(1989)によるものである。
したがって、いくつかの実施形態は、P3028等の免疫調節ペプチドまたは表1〜4に列挙される免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)の1以上の領域に結合するドメインを含む抗体もしくはフラグメントを含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体またはフラグメントは、マウスからウサギ、ラット、ハムスター、モルモット、ヤギ、ロバ、ウシ、ウマ、ラクダ、ウシ、ニワトリ、またはヒトである宿主に由来する。いくつかの実施形態において、前記抗体またはフラグメントのアイソタイプは、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、またはIgYである。いくつかの実施形態において、前記抗体またはフラグメントは、一群のポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、前記抗体は、モノクローナルである。いくつかの実施形態において、前記抗体またはフラグメントは、キメラである。いくつかの実施形態において、前記抗体またはフラグメントは、ヒト宿主由来の領域を少なくとも1つ含み、該領域は以下のうちの1以上であってよい:Fc;Fab;軽鎖可変領域;軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3;重鎖可変領域;重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3;軽鎖フレームワーク領域;軽鎖FR1、FR2、FR3、またはFR4;重鎖フレームワーク領域;重鎖FR1、FR2、FR3、またはFR4。いくつかの実施形態において、前記抗体は、ヒト以外の宿主のCDRまたはFRを少なくとも1つ含む。いくつかの実施形態において、抗体領域は、Kabatの定義に従う。いくつかの実施形態において、抗体領域は、Chothiaの定義に従う。いくつかの実施形態において、抗体領域は、Kabatの定義とChothiaの定義の組合せに従う。いくつかの実施形態において、前記抗体または抗体フラグメントは、表5.1、表5.4、表5.5または表5.6に記載のペプチドの1以上を模倣している。
抗体は、免疫学における従来の技術、たとえば米国特許第8,142,784号および第7,628,986号に記載の技術を用いて、容易に作製することができる。ヒト以外の宿主中で作製された抗体は、たとえば、該非ヒト宿主の抗体の可変領域のうち少なくとも1つをヒト抗体に置換することにより、ヒト化することができる。さらに、ヒト抗体は、たとえばトランスジェニック宿主動物中で作製することもできる。トランスジェニック動物(たとえばゼノマウス等のマウス)は、内因性免疫グロブリン産生のない状態でヒト抗体の完全なレパートリーを産生させるために、免疫付与によって作製することができる(Jakobovits et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551;Jakobovits et al.(1993)Nature 362:255−258;Bruggermann et al.(1993)Year in Immuno.7:33;および米国特許第5,591,669号;米国特許第5,589,369号;米国特許第5,545,807号)。さらに、ファージディスプレイ技術(McCafferty et al.(1990)Nature 348:552−553)を用いて、免疫のないドナー由来の免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、ヒト抗体および抗体フラグメントをインビトロで作製することができる(Johnson,Kevin S.and Chiswell,David J.(1993)Current Opinion in Structural Biology 3:564−571)。免疫のないドナー由来のV遺伝子のレパートリーを構築し、多種多様な抗原(自己抗原を含む)に対する抗体を本質的に単離することができる(Marks et al.(1991)J.Mol.Biol.222:581−597;Griffith et al.(1993)EMBO J.12:725−734;米国特許第5,565,332号;米国特許第5,573,905号)。多くのファージディスプレイライブラリが知られており、また、たとえば米国特許第7,985,840号に記載のものを作製することができる。ヒト抗体はまた、インビトロの活性化B細胞よって作製されてもよい(米国特許5,567,610;米国特許5,229,275)。したがって、いくつかの実施形態は、P3028(配列番号:185)および/または表1〜4のペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)に結合する抗体の作製を含む。いくつかの実施形態おいて、前記抗体は、非ヒト宿主抗体の可変領域を少なくとも1つ含むヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、前記抗体は、非ヒト宿主、たとえばトランスジェニック動物の中で作製されたヒト抗体である。いくつかの実施形態において、前記トランスジェニック動物はトランスジェニックマウスである。いくつかの実施形態において、前記抗体はインビトロで作製される。いくつかの実施形態において、前記抗体はファージディスプレイ技術を用いて作製される。いくつかの実施形態において、前記抗体は、インビトロの活性化B細胞において作製される。
抗体および抗体フラグメントは、標的部位に細胞傷害性化合物を送達するように構成できる。したがって、いくつかの実施形態は、本明細書に記載の細胞傷害性化合物に結合された抗体および/または抗体フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、前記抗体または抗体フラグメントは、本明細書に記載の切断可能なリンカーを介して細胞傷害性化合物に結合される。
いくつかの実施形態は、P3028(配列番号:185)に特異的に結合する抗体もしくは結合フラグメントを含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。いくつかの実施形態は、P3028のフラグメント(配列番号:186および187)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントを含む。P3028に結合する典型的な抗体については、実施例9で説明する。
いくつかの実施形態において、前記抗体またはそのフラグメントは、P3028を阻害または封鎖するために使用できる。いくつかの実施形態において、P3028に特異的な前記抗体またはそのフラグメントは、P3028に結合された1以上の免疫細胞を有する患者に投与して、該患者のLFA−1受容体またはIL−2受容体の少なくとも1つをブロック解除することができる。いくつかの実施形態において、前記抗体またはそのフラグメントを、本明細書に記載するような免疫抑制の治療を必要とする患者に投与することによって、該患者の免疫反応を刺激または増強することができる。たとえば、前記抗体またはそのフラグメントを、免疫抑制の阻害を必要とする患者(たとえば、がんまたは細菌感染もしくはウイルス感染等の病原性感染を有する対象)に供給することができる。前記抗体またはそのフラグメントを供給した後、患者を評価することができ、該評価は、たとえば腫瘍の免疫細胞浸潤または細菌感染もしくはウイルス感染の軽減を測定することによって、たとえば該対象のPBMCによる免疫反応の改善を測定することによって達成できる。
別の実施形態において、前記抗体またはそのフラグメントは、たとえば生物学的試料中のP3028を検出するために使用することができる。前記抗体またはそのフラグメントは、複合体の形成を検出するために使用することができる。たとえば免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、または264〜393のペプチド)が支持体に結合されて一次抗体として使用される場合、または該ペプチドのフラグメントが該阻害剤に結合したP3028の存在を検出するために使用される場合などである。
いくつかの実施形態は、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的に結合する抗体またはそのフラグメント(たとえば、表5.1のペプチドの1以上を模倣した、またはそれらと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは98%の相同性を有する抗体またはそのフラグメント)を含む。前記抗体またはそのフラグメントは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、または264〜393のうち少なくとも1つを含むペプチドに、特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的な前記抗体またはフラグメントは、生物学的試料中のP3028の免疫調節ペプチド阻害剤の存在を検出するために使用することができる。P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的な前記抗体またはそのフラグメントは、複合体の形成を検出するためにも使用することができる。たとえば、P3028が支持体に結合されている場合、前記抗体またはそのフラグメントは、P3028に結合した免疫調節ペプチド阻害剤の存在を検出するための一次抗体として使用される。
いくつかの実施形態において、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的な前記抗体またはフラグメントは、P3028の阻害剤を単離し同定するために使用することができる。たとえば、前記抗体またはそのフラグメントは、ヒトの免疫細胞を刺激するために、かつ/またはヒトのがん細胞に結合させるために使用される阻害剤を精製する目的で使用することができる。
いくつかの実施形態において、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的な前記抗体またはフラグメントは、P3028の阻害剤の存在を検出するために使用することができる。たとえば、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的な前記抗体またはフラグメントは、免疫調節ペプチド阻害剤に接触したがん細胞の検出を目的とした生物学的試料の免疫組織化学染色に使用することができる。たとえば、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤に特異的な前記抗体は、免疫調節ペプチド阻害剤に結合した免疫細胞またはがん細胞の存在の検出または単離を目的としたフローサイトメトリーに使用することができる。以下の節では、ペプチドに基づく免疫調節ペプチド阻害剤について、より詳細に説明する。
ペプチドに基づく免疫調節ペプチド阻害剤
いくつかの実施形態において、P3028のような免疫調節ペプチドの1以上の領域に結合するドメインを含む単離されたペプチドが供給される。「単離」という語は、該物質が元の環境(たとえば、自然発生した物質の場合は自然環境)から除去されることを必要とする。たとえば、生きた動物中に存在する自然発生ポリヌクレオチドは単離されていないが、同じポリヌクレオチドが、その自然の系に共存する物質のいくつかまたはすべてから分離された場合、単離されたことになる。配列が精製された形態であることもまた、有利である。「精製」という語は、完全な純度を必要とするのではなく、相対的な定義であることが意図される。たとえば、単離されたタンパク質は通常、クマシー染色により電気泳動上均質とされる程度に精製される。出発物質または天然物質を精製する場合、少なくとも1桁、好ましくは2ないし3桁、より好ましくは4ないし5桁の精製が明示的に期待される。単離されたペプチドは、たとえば実質的な塩形態、結晶形態、凍結乾燥形態で、あるいは溶液(たとえば緩衝液を含みうる水溶液)中、および/または薬学的に許容される担体もしくは希釈剤中に存在しうる。単離されたペプチドは、実質的に純粋な形態で存在することができ、たとえば、該ペプチドを重量で少なくとも約1%、たとえば重量で少なくとも約1%、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、98.5、99、99.5、99.9、99.99または99.999%含む組成物中に存在しうる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の単離された免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、62、64〜66、68、76、94〜96、98、94〜96、265〜393、583〜586、587〜595のいずれかを含む、該配列からなる、もしくは本質的に該配列からなる少なくとも1つのペプチド、または表5.3もしくは表13の修飾の1以上を含む修飾P28Rコアペプチドもしくは修飾P28コアペプチド)の長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。たとえば、配列(FVKL)からなる免疫調節ペプチド阻害剤は、長さが6〜16アミノ酸長であり、かつFVKLを含む免疫調節ペプチド阻害剤に匹敵するrampoスコアを有するP3028に結合することができる(図29および実施例12参照)。また、N末端、C末端、または露出ループに近いアミノ酸配列は、高次ペプチド構造に取り込まれた部分よりも潜在的な結合標的に接近しやすいため、1100アミノ酸長以下のペプチドがP3028を結合することになる。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、表5.1、表5.4、表5.5または表5.6に記載のペプチドの1以上)を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に該免疫調節ペプチド阻害剤を含む組成物と、その使用方法(たとえば、P3028を結合させる方法またはP3028に媒介される免疫抑制を軽減する方法)とに関する。望ましくは、これらのペプチド(たとえば、表5.1、表5.4、表5.5または表5.6に記載の、いずれか1以上のペプチド)の長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
実施例12に示すように、表6.1に示した31通りのP28Rにおける1アミノ酸置換体(配列番号:3〜34)が、P28Rよりも高いrampoスコアで、P3028に結合する。さらに、少なくとも4通りのグリシン残基によるP28Rの残基の1アミノ酸置換体(配列番号:94〜96および98)が、P28Rと少なくとも同等の、たとえば約500を超えるrampoスコアで、P3028に結合する。さらに、表6.2(配列番号:268〜393)に示すように、少なくとも129通りの1アミノ酸置換体が、P28Rと少なくとも実質的に同等の(すなわち、少なくとも98%の)rampoスコアで、P3028に結合する。さらに、少なくとも、P28RのN末端アルギニンの切断(配列番号:34)およびP28RのC末端アミノ酸8つまでの切断(配列番号:46〜53)により、P28Rと少なくとも同等のrampoスコアを有するペプチドが提供される。さらに、少なくとも、P28の内部のアミノ酸残基数個の切断(配列番号:64〜66、68、7634)により、P28Rと少なくとも同等のrampoスコアを有するペプチドが提供される。したがって、配列番号:3〜34の2以上の置換の組合せを含む、P28Rの置換を含むペプチドが、本発明において検討される。さらにまた、配列番号:34、46〜53、64〜66、68、および/もしくは74に見られるような、P28Rの少なくとも1つの欠失、ならびに/または、配列番号:3〜34、94〜96、98、および/もしくは268〜393に見られるような、P28Rの(欠失していない残基の)少なくとも1つの置換を含むペプチドが、本発明において期待される。
したがって、いくつかの実施形態は、式(I)を含む、または式(I)からなる、または本質的に式(I)からなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関し、式(I)は次の通りである。
式(I):
XX1VKX2X3X4(配列番号:166)
式中、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。
X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれか1つであってよい。
X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,またはVHのいずれか1つであってよい。
X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれか1つであってよい。
X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。
いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。
いくつかの実施形態において、前記式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態は、式(II)を含む、または式(II)からなる、または本質的に式(II)からなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関し、式(II)は次の通りである。
式(II):
X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)
式中、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。
X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。
X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。
いくつかの実施形態において、前記式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態は、式(III)を含む、または式(III)からなる、または本質的に式(III)からなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関し、式(III)は次の通りである。
式(III):
X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)
式中、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。
X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。
X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。
X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。
X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。
いくつかの実施形態において、前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態は、式(VII)を含む、または式(VII)からなる、または本質的に式(VII)からなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関し、式(VII)は次の通りである。
式(VII):
X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394),
式中、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。
X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。
X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。
X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。
X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。
X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。
X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。
X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。
X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。
X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。
X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。
X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。
X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。
いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態は、式(VIII)を含む、または式(VIII)からなる、または本質的に式(VIII)からなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関し、式(VIII)は次の通りである。
式(VIII):
X800KX801KX802EX803(配列番号:395)
式中、X800はK,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであるか、または存在しない。
X801はLDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであるか、または存在しない。
式中、X802はLSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであるか、または存在しない。
式中、X803はR,F,K,N,R,TもしくはYであるか、または存在しない。
いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関する。いくつかの実施形態において、これらの組成物に使用される表5.1の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態において、前記ペプチドは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96または98のうち1つを含む。ここでも、この単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であってよく、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
本発明の実施形態はさらに、P3028配列またはP3028構造に対して特異的親和性を有する免疫調節ペプチド阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、P3028配列またはP3028構造に対して特異的親和性を有し、該親和性は、rampoアッセイ、すなわち前記免疫調節ペプチド阻害剤を固相に添加し、P3028を加え、結合を検出するためにrampo二次抗体の酵素活性を測定することによって測定される(実施例12参照)。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、少なくともP28Rのrampoスコアと実質的に同等のrampoスコアを有するP3028構造またはP3028配列と結合する(実施例12および表6.2参照)。好ましくは、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、このrampoアッセイによるP3028に対する特異的親和性として、少なくとも約300rampo単位、たとえば、少なくとも約300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、820、840、860、880、900、920、940、960、980、1000、1020、または1040rampo単位を有し、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、少なくとも500rampoスコアを有するP3028構造またはP3028配列と結合する(実施例12および表6.1参照)。P3028への親和性を有する典型的なペプチドについては、実施例12で説明する(表6.1、6.2、および図29〜30参照)。
同様に、実施形態は、表1〜4に記載する免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)のいずれか1以上への親和性を有する単離された免疫調節ペプチド阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は表1〜4に記載する免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)のいずれか1以上への特異的親和性を有し、該親和性は、rampoアッセイ、すなわち前記免疫調節ペプチド阻害剤を固相に添加し、表1〜4に記載する免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)のいずれか1以上を加え、結合を検出するためにrampo二次抗体の酵素活性を測定することによって測定される。たとえば、本発明の態様は表5.1に記載する任意のペプチドを含み、本明細書に記載する方法はいずれも、表5.1に記載する1以上の任意のペプチドを使用して実施することができる。好ましくは、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、このrampoアッセイによる表1〜4に記載する免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)のいずれか1以上への特異的親和性として、少なくとも約300rampo単位、たとえば、少なくとも約300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、820、840、860、880、900、920、940、960、980、1000、1020、または1040rampo単位を有し、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
ペプチド配列のバリエーション
免疫調節ペプチド阻害剤P28R(KKLDTFFVKLSLFTER;配列番号:2)の多くの配列バリエーションに、腫瘍細胞に対する免疫調節活性および/または細胞傷害性があることが示されている(実施例37〜40参照)。特定の理論に捉われるものではないが、本明細書に記載するいくつかの実施形態によれば、配列番号:2および表5.3に記載する配列番号:2のバリエーション、たとえば表5.4に記載のペプチドの1以上は、ペプチド3028(配列番号:185)を結合させること、配列番号:185を含むペプチドまたはアルブミンのフラグメントを結合させること、表1〜4に挙げた任意の1以上のペプチドを結合させること、免疫細胞を直接的に刺激すること、および/または腫瘍細胞を殺すことにおいて有用でありうる(実施例36〜40参照)。したがって、いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤ペプチドは、配列番号:2に対して表5.3に示すような1以上の修飾、たとえば1、2、3、4、5、6、7、9、または10の修飾、たとえば1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、3〜4、3〜5、3〜6、3〜7、3〜8、3〜9、3〜10、4〜5、4〜6、4〜7、4〜8、4〜9、4〜10、5〜6、5〜7、5〜8、5〜9、5〜10、6〜7、6〜8、6〜9、6〜10、7〜8、7〜9、7〜10、8〜9、8〜10、または9〜10のバリエーションを有するアミノ酸配列を含むか、そのような配列からなるか、または本質的にそのような配列からなる。前記阻害ペプチドは、配列番号:2の1、3〜4、12〜14、または16のうち1以上の位置に、たとえば1、2、3、4、5、6、または7つのさらなるバリエーションを有してもよく、該さらなるバリエーションは任意のアミノ酸またはアミノ酸の欠失を含む。
いくつかの実施形態において、前記ペプチドバリエーションは、8番目の位置にMを含まない。いくつかの実施形態において、前記ペプチドバリエーションは、9番目の位置にMを含まない。いくつかの実施形態において、前記ペプチドバリエーションは、15番目の位置にMを含まない。いくつかの実施形態において、前記修飾ペプチドは、8番目、9番目、15番目のいずれの位置にもMを含まない。
したがって、いくつかの実施形態において、P28Rのバリエーションを含む前記ペプチド阻害剤は、式(IX)のペプチドを含む、または本質的に式(IX)のペプチドからなる、または式(IX)のペプチドからなり、式(IX)は次の通りである。
式(IX)
X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917
式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず、
X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり、
X903は任意のアミノ酸であり、
X904は任意のアミノ酸であり、
X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり、
X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり、
X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり、
X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり、
X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり、
X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり、
X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり、
X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり、
X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり、
X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり、
X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり、
X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり、
X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。
X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRを含んでもよく、RRからなっていてもよい。
本明細書に記載のペプチドバリエーションに基づく多くのペプチド阻害剤が免疫細胞を刺激することが示されている(実施例36参照)。典型的なペプチドバリエーションを表5.4に示す。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、表5.4のペプチドを含む、または表5.4のペプチドからなる、または本質的に表5.4のペプチドからなる。P3028への結合性の低い(実施例36参照)あるいは健常者の血清に含まれる健常なPBMCへの刺激性の低い(実施例37参照)別の典型的なペプチドバリエーションを表5.5および5.6に示す。いくつかの実施形態において、表5.4、5.5、または5.6のペプチドを含む、該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチドが提供される。
本発明の実施形態はさらに、本明細書に記載する単離された免疫調節ペプチド阻害剤との相同性を有するペプチドおよびタンパク質を含む。「相同性」という語は、核酸またはタンパク質の配列における相同性または三次元の相同性を含むことが意図される。ペプチドに対する、酸またはペプチドの配列の相同性および/または三次元の相同性を測定するための技術は、いくつか存在する。これらの方法は、ある配列、ドメイン、またはモデルと、標的とする配列、ドメイン、またはモデルとの相同性の程度を見出す目的で慣例的に使用される。様々な機能性免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028の配列またはP3028構造に対する免疫調節ペプチド阻害剤)に本明細書に開示するペプチド阻害剤の特徴を組み込むことが可能であり、それによって、様々な程度の、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、または589の免疫調節ペプチド阻害剤との相同性を提供できる。たとえば、阻害剤の小さな領域を有する融合タンパク質の場合、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、または589の免疫調節ペプチド阻害剤との全体的な相同性の度合いは低いものの、阻害剤(たとえばP3028と結合する分子等のようなP3028の阻害剤)として機能する能力、LFA−1受容体および/またはIL−2受容体を介して免疫細胞刺激を増強する(たとえば、免疫系または免疫抑制のマーカーを調節、アップレギュレート、あるいはダウンレギュレートする、たとえばP3028に媒介される、免疫細胞の増殖、伸展、遊走、またはNK細胞の細胞傷害性の阻害を軽減する)能力、または免疫細胞刺激を増強する能力を保持している。したがって、本発明の実施形態は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、または589の配列に対して1%〜100%の相同性を有しうる。すなわち、実施形態は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、または589のいずれかと、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有しうる。好ましくは、これらのペプチドまたは修飾ペプチドもまた、免疫系を調節する能力(たとえば、免疫系または免疫抑制のマーカーを調節、アップレギュレート、あるいはダウンレギュレートする、たとえばP3028に媒介される、免疫細胞の増殖、伸展、遊走、またはNK細胞の細胞傷害性の阻害を軽減する能力)を保持する。
実施形態はさらに、単離された免疫調節ペプチド阻害剤のマルチマーおよび/または支持体に結合された単離された免疫調節ペプチド阻害剤を含む組成物を含む。いくつかの実施形態は、単一の免疫調節ペプチド阻害剤のコピーを複数含む免疫調節ペプチド阻害剤のマルチマーを含む組成物を含む。いくつかの実施形態は、2種以上の異なる免疫調節ペプチド阻害剤を含むマルチマーを含む組成物を含む。いくつかのマルチマーは、少なくとも2種、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10)と等しい、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、100または101種の免疫調節ペプチド阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、前記マルチマーは同一の免疫調節ペプチド阻害剤のマルチマーであり、別の実施形態において、前記マルチマーは異なる免疫調節ペプチド阻害剤のマルチマーである。したがって、いくつかの実施形態は、1以上の免疫調節ペプチド阻害剤を含む組成物に関し、別の実施形態において、該1以上の免疫調節ペプチド阻害剤は、同一の分子のマルチマーである。
ペプチドに基づく免疫調節ペプチド阻害剤を作製する方法
当技術分野において、ペプチドを作製する方法は多数知られている。ペプチドを作製する方法の実例は、米国特許第6,495,674号に見出すことができ、該文献は、参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。いくつかの実施形態において、ペプチド阻害剤は化学的に合成される。ペプチドの化学合成もまた、よく知られている。たとえば、固相化学合成は、少なくとも、約100アミノ酸長までのペプチドを作製するために使用することができる。したがって、いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は合成ペプチドである。
別の実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤は、当技術分野でよく知られた技術を利用するDNA組み換え技術によって作製される。そのような方法は、免疫調節ペプチド阻害剤をコードするヌクレオチド配列、たとえば、適切な転写・翻訳制御シグナルを含む発現ベクターを構築するために使用することができる。これらの方法は、たとえば、インビトロのDNA組み換え技術、合成技術、およびインビボのDNA組み換えを含みうる。別法として、ペプチド阻害剤をコードすることができるRNAを、たとえば合成装置を使用して、化学的に合成することもできる。たとえば、Oligonucleotide Synthesis,1984,Gait,M.J.ed.,IRL Press,Oxfordに記載の技術を参照されたい。該文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。別法として、前記ペプチド阻害剤よりも実質的に長いペプチドまたはタンパク質、すなわち前記ペプチド阻害剤がプロテアーゼ標的部位に挟まれたペプチドまたはタンパク質をコードするDNAまたはRNAを提供し、それによってより長いペプチドまたはタンパク質からペプチド阻害剤を産生することもできる。典型的なプロテアーゼには、トロンビン、トリプシン、キモトリプシン、LysC、GluC、およびAspNが含まれる。別法として、前記ペプチド阻害剤の2以上のコピー、すなわち前記ペプチド阻害剤がプロテアーゼ標的部位に挟まれた2以上のコピーをコードするDNAまたはRNAを提供し、それによってより長いペプチドまたはタンパク質からペプチド阻害剤を産生することもできる。したがって、いくつかの実施形態において、P3028のペプチド阻害剤は、リボソームによって産生される。
いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、細胞株において発現される。たとえば、1以上の免疫調節ペプチド阻害剤をコードする核酸をいくつかの細胞に供給し、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のペプチド、または表5.1に記載されるいずれか1以上のペプチドを発現させ、その免疫調節ペプチド阻害剤を単離および/または精製する。典型的な核酸を、表5.2および配列番号:102〜165に挙げる。
本発明のいくつかの実施形態の阻害ペプチドを発現させるために、様々な宿主発現ベクター系を利用することができる。免疫調節ペプチド阻害剤が可溶性ペプチドである場合、宿主細胞が該ペプチドまたはポリペプチドを分泌しない場合は、該ペプチド阻害剤を培養物から回収することができ、該細胞が該ペプチドまたはポリペプチドを分泌する場合は、培地から回収することができる。しかしながら、前記発現系は、前記ペプチドまたはその機能的等価物をその場で、すなわち細胞膜に固定された状態で発現可能な組み換え宿主細胞をも包含する。そのような発現系からのペプチドの精製または濃縮は、適切な洗浄剤と脂質ミセルおよび当業者によく知られた方法を使用して達成できる。しかしながら、そのような組み換え宿主細胞自体は、ペプチドの構造特性および機能持性を保存することだけでなく生物活性を評価することも重要である状況において、たとえば薬剤スクリーニングアッセイ等において、使用することができる。
本発明の目的のために使用できる発現系としては、阻害ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組み換えバクテリオファージDNA発現ベクター、組み換えプラスミドDNA発現ベクター、もしくは組み換えコスミド発現ベクターで形質転換された細菌(たとえば、大腸菌または枯草菌)、阻害ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(たとえば、サッカロミケス属、ピキア属)等の微生物;阻害ペプチドをコードする配列を含む組み換えウイルス(たとえば、バキュロウイルス)発現ベクターに感染した昆虫細胞系;阻害ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組み換えウイルス(たとえば、カリフラワーモザイクウイルス:CaMV、タバコモザイクウイルス:TMV)発現ベクターに感染しているか、あるいは阻害ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組み換えプラスミド(たとえば、Tiプラスミド)発現ベクターで形質転換された植物細胞系;哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(たとえば、メタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物のウイルスに由来するプロモーター(たとえば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組み換え発現コンストラクトを有する哺乳動物細胞系(たとえば、COS、CHO、BHK、293、3T3);または細胞溶解物もしくはその画分と、阻害ペプチドをコードする核酸とを含みうる無細胞発現系が挙げられるが、これらに限定はされない。
細菌系では、産生させるペプチドの使用意図に応じて、多くの発現ベクターを有利に選択することができる。たとえば、そのようなペプチドを、医薬組成物の生成のために、あるいは該ペプチドに対する抗体の作製のために大量生産する場合、たとえば、精製の容易な高濃度の融合タンパク質生成物の発現をもたらすベクターが好適でありうる。そのようなベクターとしては、大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther et al.,EMBO J.,2:1791(1983))、pINベクター(Inouye&Inouye,Nucleic Acids Res.,13:3101−3109(1985);Van Heeke&Schuster,J.Biol.Chem.,264:5503−5509 (1989))等が挙げられるが、これらに限定はされない。前者においては、阻害ペプチドをコードする配列をlacZコード領域を備えたフレーム内に個々に結合させ、融合タンパク質を生成させることができるpGEXベクターもまた、外来のポリペプチドをグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)を備えた融合タンパク質として発現させるために使用することができる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン−アガロースビーズへの吸着およびそれに続くフリーグルタチオンの存在下での溶出によって溶解細胞から精製することができる。PGEXベクターは、GST部分からクローン化標的遺伝子産物を解放する目的のために、トロンビンまたはファクターXaのプロテアーゼ切断部位を含むよう設計されている。
昆虫系において、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)は外来遺伝子を発現させるためのベクターとして使用される。このウイルスはSpodoptera frugiperdaの細胞の中で成長する。前記ペプチドをコードする配列は、このウイルスの非必須領域(たとえばポリヘドリン遺伝子)で個々にクローン化してAcNPVプロモーター(たとえばポリヘドリンプロモーター)の管理下に置くことができる。ペプチドをコードする配列の挿入が成功すると、ポリヘドリン遺伝子の不活性化および非閉塞組み換えウイルス(すなわち、ポリヘドリン遺伝子によってコードされたタンパク質コートを欠くウイルス)の産生がもたらされる。次いで、これらの組み換えウイルスを使用することによって、挿入された遺伝子が発現しているSpodoptera frugiperda細胞を感染させる(たとえば、Smith et al.,J.Virol.46:584(1983);および米国特許第4,215,051号参照)。
哺乳類宿主細胞では、ウイルスに基づく多くの発現系を利用することができる。発現ベクターとしてアデノウイルスを使用する場合、目的のヌクレオチド配列をアデノウイルス転写/翻訳制御複合体、たとえば後期プロモーターや三連リーダー配列に結合させることができる。次いで、このキメラ遺伝子をインビトロまたはインビボの組み換えによってアデノウイルスゲノムに挿入できる。ウィルスゲノムの非必須領域(たとえば領域E1またはE3)への挿入により、生存可能でありかつ感染宿主中で目的のペプチドを発現することの可能な組み換えウイルスが生じる(たとえば、Logan&Shenk,Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:3655−3659(1984)参照)。特定の開始シグナルもまた、ペプチドをコードする、挿入されたヌクレオチド配列の効率的な翻訳に必要とされうる。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接する配列を含む。
無細胞系では、細胞抽出物またはその画分は、核酸からポリペプチドへのインビトロにおける翻訳によって提供される。無細胞系は、たとえば、大腸菌抽出物、酵母抽出物等を含みうる。前記抽出物は、溶解物であってもよい。前記抽出物は、たとえば、リボソームを濃縮するために、かつ/または残屑や宿主のゲノムDNA等の望ましくない物質を除去するために精製されてもよい。無細胞系において免疫調節ペプチド阻害剤をコードする核酸は、プラスミドDNA、線状DNA、またはRNAを含みうる。
いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤は、発現後に単離または精製される。単離または精製は、アフィニティー精製を含みうる。いくつかの実施形態において、発現系のペプチド生成物はアフィニティータグ、たとえば切断可能なリンカーによって分離されたGST、たとえばトロンビンまたはファクターXaプロテアーゼ切断部位を含む。アフィニティー精製の後、アフィニティータグを切断し、アフィニティータグや切断部位を有さない実質的に純粋なペプチドを生成させることができる。いくつかの実施形態では、精製の結果として、重量で少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、98.5、99、99.5、99.9、99.99、または99.999%がペプチドである組成物が得られる。以下の節では、本明細書に記載の実施形態とともに使用しうる薬学的に許容可能な担体および希釈剤について、より詳細に説明する。
D−アミノ酸および非天然アミノ酸
いくつかの実施形態は、D−アミノ酸を少なくとも1つ含む1以上の免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。グリシンは例外であるが、アミノ酸の不斉炭素はD異性体またはL異性体として存在しうる。通常、リボソームによって合成されたアミノ酸は、L配置にある。しかしながら、D−アミノ酸を含むペプチド、またはD−アミノ酸とL−アミノ酸との組合せを含むペプチドは、活性、たとえばリガンドまたは阻害剤としての活性を有しうる。たとえば、D−アミノ酸を少なくとも1つ含むペプチドは、P3028配列/構造に結合し、P3028配列/構造がIL−2受容体および/またはLFA−1受容体に結合する能力を阻害することができる。
したがって、いくつかの実施形態は、非天然アミノ酸を少なくとも1つの含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む。非天然アミノ酸は、標準遺伝コードによってコードされる20アミノ酸のR基以外のR基を有するアミノ酸を含む。非天然アミノ酸は、L配置またはD配置で存在しうる。したがって、いくつかの実施形態は、D配置および/またはL配置の非天然アミノ酸を有するペプチドを含む。典型的な非天然アミノ酸は、米国特許第8,153,758号、第7,888,533号、第6,344,483号に記載されており、これらはいずれも参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であってD−アミノ酸を少なくとも1つ含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物に関する。同様に、いくつかの実施形態は、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であって非天然アミノ酸を少なくとも1つ含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む組成物に関する。さらに、いくつかの実施形態は、免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤または表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であって、グリシン以外のアミノ酸がいずれもD−アミノ酸である免疫調節ペプチド阻害剤を含む組成物を含む。
IL−2受容体(CD25)の結晶構造は解明されており、IL−2受容体のIL−2結合部位へのP3028結合のコンピューターモデリングも行なわれている(図19参照)。さらに、IL−2のリガンド結合ドメインの結晶構造も知られている(Qu,A and Leahy,DJ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1995,92:10277−10281参照;該文献は、参照によりその全体が明示的に援用される)。さらに、P3028と1以上の免疫調節ペプチド阻害剤との間の好ましい相互作用によって、好ましい相互作用を維持するためのさらなるアミノ酸残基、D−アミノ酸残基、および/または非天然アミノ酸残基の選択が容易になりうる。
いくつかの実施形態において、これらの免疫調節ペプチド阻害剤のうち少なくともいくつかは、合理的設計またはP3028配列/構造阻害剤を用いて選択されたD−アミノ酸の位置を含む。米国特許第7,957,912号において注目されたように、ペプチドの合理的設計では、タンパク質主鎖構造を出発点とし、3次元の折り畳み特性を維持しつつ、そのタンパク質の特性を変えるためのアミノ酸配列を設計する。いくつかの実施形態では、コンピューターモデリングによって多くの配列を操作し、タンパク質構造(配列、部分配列等)を設計することができる。合理的設計の態様は、多くの刊行物に記載されており、その例として以下の文献が挙げられる。Malakauskas and Mayo(1998)“Design, Structure and Stability of a Hyperthermophilic Protein Variant”Nature Struc.Biol.5:470;Dahiyat and Mayo(1997)“De Novo Protein Design:Fully Automated Sequence Selection”Science,278,82−87.DeGrado,(1997)“Proteins from Scratch”Science,278:80−81;Dahiyat,Sarisky and Mayo(1997)“De Novo Protein Design:Towards Fully Automated Sequence Selection”J.Mol.Biol.273:789−796;Dahiyat and Mayo(1997)“Probing the Role of Pachng Specificity in Protein Design”Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:10172−10177;Hellinga(1997)“Rational Protein Design−−Combining Theory and Experiment”Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:10015−10017;Su and Mayo(1997)“Coupling Backbone Flexibility and Amino Acid Sequence Selection in Protein Design”Prot.Sci.6:1701−1707;Dahiyat,Gordon and Mayo(1997)“Automated Design of the Surface Positions of Protein Helices”Prot.Sci.,6:1333−1337;Dahiyat and Mayo(1996)“Protein Design Automation”Prot.Sci.,5:895−903。
いくつかの実施形態では、1以上のD−アミノ酸および/または非天然アミノ酸を含む、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤のバリアントライブラリにおいて、P3028配列/構造への結合についてのスクリーニングが行われる。いくつかの実施形態では、前記ライブラリにおいて、P3028への結合についてのスクリーニングが行われる(実施例10および12参照)。いくつかの実施形態では、前記ライブラリにおいて、LFA−1受容体へのP3028配列/構造の阻害についてのスクリーニングが行われる(実施例15参照)。
いくつかの実施形態において、目的とする薬剤設計のためのテンプレートとして、リード分子が使用される。リードペプチドは、たとえば、本明細書(たとえば実施例12等)に記載するP3028配列/構造に結合する典型的な免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)を含みうるが、これらに限定はされない。前記リードペプチドは、少なくとも1つのD−アミノ酸および/または少なくとも1つの非天然アミノ酸を含むように合成することができる。いくつかの実施形態において、第1代の人工免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載されるように、たとえばP3028配列/構造への結合親和性の評価によって検出される。また、前記第1代の人工免疫調節ペプチド阻害剤の免疫刺激活性は、たとえばLFA−1受容体またはIL−2受容体を有する細胞における、P3028配列/構造によって阻害されうるLFA−1および/またはIL−2に依存する反応の刺激を評価することによって検出できる。前記第1代の人工免疫調節ペプチド阻害剤の結合および/または免疫刺激活性が得られれば、前記リードペプチドに少なくとも1つのさらなる修飾を加え、その第2代免疫調節ペプチド阻害剤について、P3028配列/構造への結合および免疫刺激活性の評価を行う。前記さらなる修飾は、少なくとも1つのD−アミノ酸および/または少なくとも1つの非天然アミノ酸の付加または置換を含みうるが、これに限定はされない。このスクリーニングと修飾の手順を繰り返すことによって、より多くの免疫調節ペプチド阻害剤を作製することができる。
さらに、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤のいずれか1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)は、N末端アセチル基および/またはC末端アミド基を含みうる。さらに、少なくとも1つのD−アミノ酸および/または少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤のいずれか1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)は、N末端アセチル基および/またはC末端アミド基を含むよう調製することができる。
ペプチド模倣体
いくつかの実施形態は、ペプチド模倣体に基づく免疫調節ペプチド阻害剤を含む、またはそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのような免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。ペプチド模倣体は、ペプチドが有する生化学的相互作用を少なくとも1つ有する小分子化合物を含みうるが、これに限定はされない。いくつかのペプチド模倣体は、小分子の主鎖を含みうる。いくつかのペプチド模倣体は、小分子の主鎖に共有結合した自然発生アミノ酸のR基を少なくとも1つ含みうる。いくつかのペプチド模倣体は、既知のペプチド配列の少なくとも1つの位置と同一になるような置換を受けている。したがって、いくつかの実施形態は、本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の典型的な免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であってペプチド模倣体の置換(たとえば、非ペプチド結合、小分子の主鎖、または人工的ペプチド結合)を少なくとも1つ含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の典型的な単離された免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であってペプチド模倣体の置換(2以上のモノマーを含み、それぞれのモノマーが少なくとも1つのR基に共有結合した小分子の主鎖を含む)を含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。さらなる実施形態は、本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の典型的な免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であってペプチド模倣体の小分子主鎖(主鎖分子はそれぞれ、たとえばベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジン等のアリール基;シクロアルカンもしくはヘテロシクロアルカン;シクロアルケンもしくはシクロシクロアルケン;または上記の分子の2以上の組合せ)を少なくとも1つ含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。R基はそれぞれ、自然発生のアミノ酸のR基であってもよく、合成分子R基であってもよい。R基はそれぞれ異なってもよいが、2以上のR基が同一であってもよい。いくつかのペプチド模倣体は、たとえば、P3028の第1の位置に結合する第1のモノマーと、P3028の第2の位置に結合する第2のモノマーとを含み、該第1のモノマーと該第2のモノマーとが共有結合していることを特徴とする(たとえば、Chen et al.,ACS Chemical Biology 2009;4(9):769−81のアプローチを参照されたい;該文献は、参照によりその全体が明示的に援用される)。本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の典型的な免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)に組み込まれるペプチド模倣体の主鎖は、式(IV)のβターンペプチド模倣体環状化合物の誘導体を含みうるが、これは米国特許第6,881,719号に教示される通りである。該文献は、参照によりその全体が明示的に援用される。
いくつかの実施形態において、上記の式(IV)のR1およびR3は、自然のアミノ酸および/または合成アミノ酸のR基を含む。いくつかの実施形態は、本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の典型的な単離された免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であってペプチド模倣体の置換(式(IV)の2以上の誘導体のポリマーを含む)を含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。いくつかの実施形態において、式(IV)に由来する個々のペプチド模倣体のモノマーまたはダイマーは、P3028配列/構造に結合する能力ゆえに選択され、次いでポリマーへと組み立てられて、P3028配列/構造に特異的に結合する模倣体ポリマーを生成する。
米国特許第7,816,324号に記載されているように、式(V)または式(VI)のいずれかのペプチド模倣体を修飾して、ペプチドに結合する模倣αへリックスモチーフとすることができる。
したがって、本発明のいくつかの態様は、本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の典型的な単離された免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であってペプチド模倣体の置換(αへリックスと同様に堅固な構造を与え、置換基の配置および方向付けをする式Vまたは式VIの主鎖を組み入れる置換)を含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。たとえば、堅固なトリスベンズアミド上の置換により、ペプチドが結合する理想的なαへリックスのi、i+4、およびi+7の位置に見出されるアミノ酸の側鎖に相当するよう3つの官能基(R1〜R3)を配置することができる。図19に示すように、P3028はIL−2受容体のαへリックスを含む領域に結合するようモデル化される。したがって、いくつかの実施形態は、本明細書に記載のP3028に結合する1以上の典型的な単離された免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であって、式Vまたは式VIの模倣体を組み入れるペプチド模倣体の置換(R1〜R3は、P3028の既知の結合パートナー、たとえば、IL−2受容体(CD25)(配列番号:247)、LFA−1受容体(CD11a−配列番号:248およびCD18−配列番号:249)、または配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せのαサブユニット上の位置から選択される)を含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。
実施形態はさらに、ペプチド模倣体のライブラリを含む。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣体のライブラリは、合理的設計のアプローチを使用して選択および/または合成される。米国特許第7,816,324号(参照によりその全体が明示的に援用される)に開示されるように、ペプチド模倣体のライブラリは、タンパク質複合体界面の構造に関する知識に基づいて開発することができる。したがって、いくつかの実施形態において、ペプチド模倣体化合物はP3028の構造および既知の結合パートナーとの相互作用に基づくものであり、既知の結合パートナーとしては、たとえば、結晶構造が既知であるIL−2受容体(図19参照)、結晶構造が既知であるLFA−1受容体、KKL15ペプチド(実施例11参照)、およびP3028配列/構造の既知の阻害剤(例えば配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、または表5.1に記載されるいずれか1以上のペプチド)が挙げられる。いくつかの実施形態において、αヘリックス模倣体はタンパク質−タンパク質間の、またはタンパク質−ペプチド間の相互作用を調節するために使用されてもよい。したがって、P3028配列/構造とその結合パートナーとの間の界面に見出される重要な要素を模倣する合成主鎖が、小分子の免疫調節タンパク質阻害剤の開発において検討される。いくつかの実施形態において、ペプチド模倣体ライブラリの分子は、支持体、チップ、表面、または基質、たとえば米国特許第7,153,68号に記載されるようにマイクロアレイに結合される。該米国特許文献は、参照によりその全体が明示的に援用される。以下の節では、アプタマーに基づく免疫調節ペプチド阻害剤について、より詳細に説明する。
環状ペプチド
いくつかの実施形態は、少なくとも1つの環状ペプチド免疫調節ペプチド阻害剤を含む。「ループペプチド」とも呼ばれることもある環状ペプチドは、当技術分野で知られており、化学的に合成(たとえば、米国特許7,589,170号参照)またはインビボで合成(たとえば、米国特許7,252,952号参照)することができる。これらの米国特許文献は、参照によりその全体が明示的に援用される。米国特許第7,589,170号に教示されるように、環化は、たとえば2つの側鎖官能基間のジスルフィド結合形成、1つの側鎖官能基と主鎖のαアミノ基もしくはカルボキシル基との間のアミド結合またはエステル結合形成、2つの側鎖官能基間のアミド結合またはエステル結合形成、主鎖のαアミノ基とカルボキシル基との間のアミド結合形成によって、またはペプチドの2以上の位置を結合するリンカーを介して達成される。
ペプチドの一部を環化することも、またペプチド全体を環化することもでき、それによって、環状ペプチドが形成される。したがって、いくつかの実施形態では、ペプチドのN末端を該ペプチドのC末端に結合することによって、ペプチド全体が環化される。いくつかの実施形態では、N末端はαアミド結合によってC末端に結合される。いくつかの実施形態において、N末端は非αアミド結合によってC末端に結合され、非αアミド結合の例としては、たとえばSer(S)もしくはThr(T)の側鎖とC末端カルボキシル基との間の結合、2つのCys(C)残基間のジスルフィド結合、またはTrp(W)残基とCys(C)残基との間のチオエーテル結合、または合成リンカー分子による結合が挙げられる。いくつかの実施形態において、C末端は非αアミド結合、たとえばSer(S)もしくはThr(T)の側鎖とC末端カルボキシル基との間の結合または合成リンカー分子による結合によって、内部のアミノ酸に結合される。いくつかの実施形態では、N末端もしくはC末端と1つの内部アミノ酸、または2つの内部アミノ酸同士が、非αアミド結合、たとえば2つのCys(C)残基間のジスルフィド結合、またはTrp(W)残基とCys(C)残基との間のチオエーテル結合によって結合される。
いくつかの実施形態において、環状ペプチド免疫調節ペプチド阻害剤は、環状ポリペプチド構造を1つ含む。いくつかの実施形態において、環状ペプチド免疫調節ペプチド阻害剤は、2つ以上の環状ポリペプチド構造、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の環状ポリペプチド構造を含む。環状ポリペプチド構造はそれぞれ、少なくとも2つのアミノ酸残基、たとえば約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、26、27の、28、29、30、35、もしくは40、またはこれらのうちの任意の2つの数で定義される範囲にある数のアミノ酸残基を含みうる。
いくつかの実施形態では、環状ペプチドのライブラリにおいて、アルブミン由来の免疫調節ペプチド、たとえば表1〜4または5.4のペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)に結合する環状ペプチドを見出すためのスクリーニングが行われる。環状ペプチドのライブラリのスクリーニングについては、PCT国際公開第95/09344号パンフレットに記載されており、該文献は参照によりその全体が援用される。いくつかの実施形態において、環状ペプチドのライブラリは合成される。いくつかの実施形態において、ライブラリ内のそれぞれのループペプチドの長さは同じであり、たとえば5−mer、6−mer、7−mer、8−mer、9−mer、10−mer、11−mer、または12−merである。いくつかの実施形態において、前記ライブラリは、2以上の異なる長さの環状ペプチドを含む。実施例12に示すように、6−merのライブラリを合成し、P3038に結合するペプチドを見出すためのスクリーニングを実施した。P3028への相当な結合性を示すことが突き止められたリード環状ペプチド(配列番号:265)の位置スキャン(すなわちそれぞれの位置での1アミノ酸置換)を行い、P3028に結合するさらなる環状6−merの特定を試みた。最も高い親和力でP3028に結合した2つの6−mer(配列番号:266〜267)は、P3028に結合する直鎖ペプチドとの相同性を有していた(図32参照)。したがって、アルブミン由来の免疫調節ペプチドに結合する直鎖ペプチドの態様を環状ペプチドに組み込むことで、アルブミン由来の免疫調節ペプチドに結合する環状ペプチドを作製することが期待される。
いくつかの実施形態において、アルブミン由来の免疫調節ペプチドもしくは構造体の阻害剤またはその一部が環化される。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれかのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ、またはこれらの一部が、結晶化を容易にする目的で修飾される。いくつかの実施形態では、環状構造に寄与しうる側鎖を含むアミノ残基、たとえばシステインが、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれかのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せのいずれかのN末端、C末端、および/または内部に付加される。
アプタマー
アプタマーは、標的分子に特異的に結合する小分子である。アプタマーは、オリゴヌクレオチドアプタマー、たとえばDNA、RNA、または合成オリゴヌクレオチドを含みうる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドアプタマーは、合成された主鎖、たとえばモルホリノを有するオリゴヌクレオチドを含む。アプタマーはさらに、ペプチドアプタマーを含みうる。本発明の態様は、アプタマー(たとえば、核酸に基づく、またはペプチドに基づくアプタマー)を含む、アプタマーからなる、または本質的にアプタマーからなる組成物を含み、該アプタマーは、本明細書に記載するP3028配列/構造に結合する典型的な免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)に対応するか、またはそれを模倣するものである。本発明のいくつかの実施形態は、P3028配列/構造に特異的に結合するアプタマーを含む。
いくつかの実施形態は、オリゴヌクレオチドアプタマーのライブラリを含む。P3028配列/構造に結合するオリゴヌクレオチドアプタマーは、本明細書に記載の教示により、容易に開発することができる。米国特許第7,745,607号(参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される)に記載されるように、標的、たとえばP3028配列/構造に特異的に結合するアプタマーは、二本鎖を形成させるために、アンチセンスオリゴヌクレオチドと、相補的なアンチセンス結合ドメインを有し、さらにランダムなヌクレオチドドメインを有するライブラリオリゴヌクレオチドとを相互作用させること;ii)固体支持体上に前記二本鎖を固定化すること;iii)P3028配列/構造の存在下で前記二本鎖をインキュベートすること;およびiv)前記二本鎖構造から解離してP3028配列/構造に結合したライブラリオリゴヌクレオチドを回収することによって特定することができる。別法として、二本鎖分子を形成させるために、ビオチン化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたライブラリオリゴヌクレオチドを提供することもできる。前記二本鎖分子は、表面、たとえばアビジン被覆ビーズ等に固定化される。P3028等の標的に対し、オリゴヌクレオチドを加えて接触させる。標的に結合したオリゴヌクレオチドを回収し、増幅する。同様のスクリーニングアプローチを用いて、P3028配列/構造に結合する、ペプチドに基づくアプタマーを特定することができる。P3028配列/構造に結合する、ペプチドに基づくアプタマーは、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)およびそのバリアントを模倣することができる。以下の節では、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤に組み込むことのできる修飾の多くについて、より詳細に説明する。
修飾
本明細書に記載の実施形態はさらに、本明細書に記載のP3028配列/構造に結合する1以上の単離された典型的な免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)であって修飾(たとえば、グリコシル化、ニトロシル化、細胞毒素、検出可能な部分、または放射性核種)を少なくとも1つ含む免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を含む。グリコシル化は、ポリエチレングリコール(PEG)の付加を含みうる。PEGの付加により、本明細書に記載の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤の水溶液への溶解度を高め、宿主の免疫系による攻撃から該分子を保護したり、かつ/または宿主中での該分子の半減期を長くしたりすることができる。
いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、細胞毒素に直接結合される。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せは、細胞毒素と共有結合している。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、リンカーを介して毒素に結合される。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せは、リンカーを介して細胞毒素に結合される。多様なリンカー技術を使用することができる。リンカーは、切断可能であっても切断不可能であってもよい。多くの場合、薬剤の最大限の細胞傷害性が観察されるのは、細胞傷害性分子が複合体から解放されているとき(たとえば標的部位において修飾されていない形態となっている免疫調節ペプチド阻害剤)であることが知られている。細胞毒素複合体の調製のために使用されている切断可能なリンカーのうち1つは、cisアコニット酸に基づく酸に不安定なリンカーである。該リンカーは、異なる細胞内区画(受容体介在型エンドサイトーシスの過程で遭遇するエンドソームやリソソーム)の酸性環境を利用するものである。ShenおよびRyserは、ダウノルビシンとポリマー担体との複合体の調製のために、この方法を導入した(Biochem.Biophys.Res.Commun.102:1048−1054(1981)。YangおよびReisfeldは、同じ技術を用いて、ダウノルビシンを抗メラノーマ抗体と結合させた(J.Natl.Canc.Inst.80:1154−1159(1988))。最近、Dillmanらもまた、同様の方法で酸に不安定なリンカーを使用することにより、ダウノルビシンと抗T細胞抗体との複合体を調製した(Cancer Res.48:6097−6102(1988))。Trouetらが検討した別のアプローチは、スペーサーアームを介してダウノルビシンを標的分子に結合させることを含むものであった(Proc.Natl.Acad.ci.79:626−629(1982))。これは、リソソームペプチダーゼの活性によって、そのような複合体から薬剤を遊離させうることを前提として行われた。当業者であれば、細胞毒素を抗体に結合させるために用いた切断可能なリンカーによるアプローチは、ペプチドを、たとえば配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれかのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを、細胞毒素と結合させるためにも使用できることを理解するであろう。
本明細書に記載するP3028配列/構造に結合する典型的な免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)に組み込むことのできる典型的な細胞毒素の例としては、放射性毒素、モノメチルオーリスタチンE、モノメチルオーリスタチンF、アプリジン、アザリビン、アナストロゾール、アザシチジン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリオスタチン1、ブスルファン、カリケアミシン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、カルマスティン、セレブレックス、クロラムブシル、シスプラチン、イリノテカン(CPT−11)、SN−38、カルボプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ドセタセル、ダクチノマイシン、ダウノマイシン・グルクロニド、ダウノルビシン、デクサメタゾーン、ジエチルスチルベストロール、アドリアマイシン、アドリアマイシングルクロニド、エピルビシングルクロニド、エチニルエストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドグルクロニド、リン酸エトポシド、フロクスウリジン(FUdR)、3’,5’−−O−ジオレオイルフロクスウリジン(FUdR−dO)、フルダラビン、フルタミド、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、ゲムシタビン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、6−メルカプトプリン、メトトレザト、ミトキサントロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、フェニル酪酸塩、プレドニゾン、プロカルバジン、パクリタキセル、ペントスタチン、PSI−341、サポリン、セムスチンストレプトゾシン、タモキシフェン、タキサン類、プロピオン酸テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、ウラシルマスタード、ベルケイド、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、リシン(たとえばリシンA鎖)、アブリン、リボヌクレアーゼ、オンコナーゼ、rapLR1、デオキシリボヌクレアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスたんぱく、ゲロニン、ジフテリア毒素、緑膿菌外毒素、および緑膿菌内毒素が挙げられる。
本明細書に記載するP3028配列/構造に結合する典型的な免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)またはP3028に特異的に結合する抗体に組み込むことのできる検出可能な部分(本明細書において「検出可能な標識」と呼ぶこともある)の典型的な例としては、放射標識、蛍光団、ビオチン、蛍光タンパク質、コロイド金、および/または、補酵素が挙げられる。放射標識は3Hおよび14Cを含みうる。蛍光団としては、Alexa−Fluor色素、Pacific Blue、Pacific Orange、Cascade Blue、Cascade Yellow、R−フィコエリトリン、フルオレセイン(FITC)、ローダミン、Texas red、BODIPY色素類、Cy2、Cy3、C5、およびCy7が挙げられる。蛍光タンパク質としては、青色、シアン色、緑色、黄色、赤色の蛍光タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態において、蛍光標識はFRET対を含みうる。たとえば、1つのペプチドをFRETドナーおよびFRETアクセプターに結合させ、このドナーとアクセプターは、該ペプチドが第1の配置(たとえば、標的に結合した状態)にある場合は、FRETアクセプターが実質的にFRETドナーのFRET半径内に存在するように、ただし該ペプチドが第2の配置(たとえば、標的に結合されていない状態)にある場合は、FRET半径内には存在しないように構成することができる。たとえば、第1のペプチドをFRETアクセプターに結合させ、第2のペプチドをFRETドナーに結合させ、このドナーとアクセプターは、該第1のペプチドと該第2のペプチドがいずれも標的(たとえば標的細胞)と結合している場合は、FRETアクセプターが実質的にFRETドナーのFRET半径内にあるように、ただし少なくとも一方のペプチドが標的に結合されていない状態にある場合は、FRET半径内には存在しないように構成することができる。いくつかの実施形態において、蛍光標識は蛍光団と消光剤とを含みうる。蛍光団および消光剤を前記ペプチドに結合させ、該ペプチドが第1の配置(たとえば、標的に結合した状態)にある場合は、消光剤が蛍光団から放射される電磁放射を消光するように、ただし該ペプチドが第2の配置(たとえば、標的に結合されていない状態)にある場合は消光しないように、構成することができる。補酵素は、ビオチン等のビタミンを含みうる。
本明細書に記載するP3028配列/構造に結合する典型的な免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)またはP3028に特異的に結合する抗体に組み込むことのできる典型的な放射性核種の例としては、111I、131I、90Y、67Cu、186Re、188Re、212Bi、または211Atが挙げられる。好ましい放射標識免疫調節ペプチド阻害剤は、たとえば6000rad以上を腫瘍に送達することができ、患者の骨髄が300radを超える放射線を浴びることのないように、十分な親和性を有する。次の節では、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤を含むタンパク質複合体を包含する実施形態のいくつかについて、より詳細に説明する。
いくつかの実施形態では、診断キットが提供される。該キットは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の免疫調節ペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ、または配列番号:183〜185もしくは188〜246のいずれか、たとえばP3028(配列番号:185)に特異的に結合する抗体を含みうる。該キットはさらに、本明細書に記載する検出可能な部分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、キット内のペプチド阻害剤または抗体は、ビオチン化されている。
担体分子
いくつかの実施形態は、担体分子を含む。担体分子は、たとえば、安定性もしくは半減期を増したり、溶解度を高めたり、吸着性を高めたり、ペプチドを適切な細胞、器官、もしくは組織に方向付けしたり、かつ/または、治療用分子に対する免疫反応を最小限に抑えたりすることができる。
典型的な担体分子としては、ヒト血清アルブミン;複数個の酸部分を有するポリマー(PCT国際公開第01/93911号パンフレット参照);カチオン性治療用分子のための薬物担体として使用される際に該分子の安定性を改善することができるアニオン性基含有両親媒性ブロックコポリマー(PCT国際公開第03/00778号パンフレット参照);基礎的な治療用分子の特性を改善するためのシクロデキストリンおよび酸(欧州特許第0 681 481号参照);疎水性治療用分子のための担体としての脂質(PCT国際公開第04/064731号パンフレット参照);免疫グロブリン;および半減期を改善し、免疫反応を最小限に抑えるための担体としてのFcフラグメント(米国特許第7,736,653参照)が挙げられる。いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)は、担体を1つ含むかまたは1つの担体に結合されている。いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)は、2以上の担体を含む。
いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤は分解性粒子を有する。理論に拘束されるものではないが、分解性粒子によって免疫調節粒子が可溶化され、体循環中の制御された時間にわたってその活性を発揮できることが期待される。したがって、いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)を含む、分解性粒子が提供される。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤を含む分解性粒子が、それを必要とする対象に投与される。前記分解性粒子は、全身的に投与することもできる。また、前記分解性粒子は、局所的に、たとえば免疫抑制部位の近傍(たとえば、免疫抑制部位から10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、もしくは0.5cm以内に、またはこれらの数のうち任意の2つによって定義される範囲内)に投与することもできる。いくつかの実施形態において、前記対象は、表1〜4のいずれかの免疫調節ペプチド配列によりLFA−1受容体がブロックされている。前記分解性粒子は、別の1以上の治療薬と併用投与されてもよい。たとえば、免疫調節ペプチド阻害剤がLFA−1受容体のブロック解除(たとえば、LFA−1受容体に結合している免疫調節ペプチドまたは3028構造の除去)に有用である場合、(たとえばLFA−1受容体を介して)免疫反応を刺激する薬剤が、免疫調節ペプチド阻害剤および分解性粒子との併用投与に有用でありうる。いくつかの実施形態において、前記した別の治療薬は、たとえば分解性粒子の一部として、前記免疫調節ペプチド阻害剤同時に投与される。いくつかの実施形態において、前記した別の治療薬は、前記免疫調節ペプチド阻害剤よりも後に、たとえば少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間後に、あるいは約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくは31日後に、またはここに挙げた任意の2つの時間によって定義される範囲内において投与される。本明細書の実施形態に従って、適切な様々の分解性粒子を使用することができる。いくつかの実施形態において、前記分解性粒子は球体、たとえばミクロスフェアを含む。いくつかの実施形態において、前記分解性粒子は球体、たとえばナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、前記分解性粒子は、デンプンまたは糖を含む。いくつかの実施形態において、前記分解性粒子は、有機ポリマーもしくは有機ポリマーの組合せ、たとえばポリエステル、ポリリン酸エステル、ポリホスファゼン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール(glycoloyic)酸、または2以上のポリマーの組合せ(たとえば列記した2以上のポリマーの組合せ)を含む。
タンパク質複合体
いくつかの実施形態は、免疫調節ペプチド阻害剤を含む単離されたタンパク質複合体を含む組成物を含む。前記単離されたタンパク質複合体は、免疫調節ペプチド、たとえばP3028(配列番号:185)または表1〜4に記載の免疫調節ペプチド(配列番号:183〜184および188〜246)と、1以上の免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、表5.1に記載のペプチドのいずれか1以上)とを含みうる。いくつかの実施形態において、前記単離されたタンパク質複合体は、ペプチド3028(配列番号:185)と、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96または98の配列または表5.1に記載のペプチドのいずれか1以上とを含む。実施例10、11、および12ならびに表5.1では、P3028配列/構造に結合した配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれかのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む典型的なタンパク質複合体が提供される。前記タンパク質複合体は、P3028またはそのバリアントのアミノ酸残基と、阻害ペプチドもしくはペプチド模倣体のアミノ酸との間の少なくとも1つの好ましい静電相互作用を含みうる。前記タンパク質複合体は、P3028またはそのバリアントのアミノ酸残基と、阻害ペプチドもしくはペプチド模倣体のアミノ酸との間の少なくとも1つの好ましい疎水性相互作用を含みうる(実施例11参照)。いくつかの実施形態において、前記タンパク質複合体は、P3028と少なくとも約80%、たとえば約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%以上の相同性を有する、P3028のバリアントを含む。前記タンパク質複合体はさらに、がん細胞に結合した少なくとも1つのタンパク質、たとえば表面タンパク質を含みうる。したがって、いくつかの実施形態において、前記単離されたタンパク質複合体は、がん細胞の表面に局在しうる。
したがって、いくつかの実施形態は、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤の1以上を含むタンパク質複合体を作製する方法を含む。該方法は、たとえば、本明細書に記載の免疫調節ペプチド阻害剤を、P3028もしくはそのバリアントまたはそのフラグメントに結合させることによって実施できる。該方法は、本明細書で説明されるように、rampoを調べることによって遂行できる複合体の存在の検出を含んでもよい。
いくつかの実施形態は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを、P3028配列/構造(配列番号:185)を含む分子に結合させる方法を含む。いくつかの実施形態は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを、P3028配列/構造(配列番号:185)のバリアントを含む分子に結合させる方法を含む。いくつかの実施形態は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを、P3028配列/構造(配列番号:185)またそのフラグメントを含むタンパク質に結合させる方法を含み、該P3028のフラグメントの長さは、少なくとも約10アミノ酸長、より好ましくは11アミノ酸長、より好ましくは12アミノ酸長、より好ましくは13アミノ酸長、より好ましくは14アミノ酸長、より好ましくは15アミノ酸長、より好ましくは16アミノ酸長、より好ましくは17アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記結合は、タンパク質複合体の要素間の好ましい親水性相互作用および/または静電相互作用を含む。いくつかの実施形態において、前記結合は、タンパク質複合体の要素間の共有結合(たとえば架橋による)を含む。架橋は、化学的に、かつ/または電磁放射(たとえば紫外線スペクトル中の電磁放射)によって誘導されうる。
いくつかの実施形態において、前記ペプチドは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む。典型的な支持体は、ピン、ビーズ、表面、マトリックス、人工細胞表面、または細胞表面を含む。たとえば、前記ペプチドは、アフィニティータグを介して支持体に取り付けてもよい。いくつかの実施形態において、P3028もしくはそのバリアントまたはそのフラグメントは、支持体に取り付けられる。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含むペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せは支持体に取り付けられ、P3028もしくはそのバリアントまたはそのフラグメントは溶媒に溶解される。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含むペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せは溶媒に溶解され、P3028もしくはそのバリアントまたはそのフラグメントは支持体に取り付けられる。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含むペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せとP3028とは、それぞれ溶媒、たとえば血清に溶解される。
いくつかの実施形態において、前記結合は、生物の中、たとえばヒト等の生物から得られた生物学的試料中の細胞間マトリックスおよび/または血清の中で生じる。前記生物学的試料は、生物の細胞、組織または細胞外組成物の少なくとも1つを含んでいてよく、該細胞外組成物には、抽出物、精製された抽出物、および/またはその画分が含まれる。典型的な生物学的試料としては、全血、血清、骨髄、単離された免疫細胞、および腫瘍生検材料が挙げられる。単離された免疫細胞は、白血球および末梢血単核細胞(PBMC、たとえばリンパ球、単球、またはマクロファージ)を含みうる。前記方法は、複合体のうち少なくとも1つの要素、たとえば配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを、前記生物に送達することを含みうる。いくつかの実施形態において、前記結合はインビトロで、たとえば緩衝液中または生物学的試料中で生じる。前記方法は、複合体のうち少なくとも1つの要素、たとえば配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを、複合体の残りの要素を含む溶液に添加することを含みうる。あるいは、前記方法は、複合体の2以上の要素、たとえば配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せおよびP3028もしくはそのバリアントまたはそのフラグメントを、溶液に添加することを含みうる。いくつかの実施形態において、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含むペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せは、生物学的試料に添加される。
いくつかの実施形態は、複合体の存在を検出することを含む。いくつかの実施形態は、支持体に取り付けられたペプチドに結合されたP3028配列/構造(実施例12参照)の存在を、たとえばELISAによって検出することを含む。いくつかの実施形態は、複合体の存在をFRETによって検出することを含む。たとえば、FRETドナーである蛍光団を複合体の第1の要素に結合し、FRETアクセプターである蛍光団を複合体の第2の要素に結合し、その結果、複合体が形成された場合に限ってFRETの伝達が生じるようにすることができる。いくつかの実施形態は、消光の停止により複合体の存在を検出することを含む。たとえば、複合体の1つの要素を、蛍光団と、この蛍光団によって放射された電磁放射用の消光剤とに結合することができる。この場合、前記複合体の要素が結合されていないときには蛍光団が実質的に消光剤の半径内にあるため、蛍光団によって放射された電磁放射は消光剤に吸収される(たとえば、消光剤をN末端に、蛍光団をC末端に結合させる、あるいは消光剤をC末端に、蛍光団をN末端に結合させることができる)。複合体が形成されると、蛍光団は消光剤の半径外に出るため、蛍光団から放射された電磁放射が検出されるようになる。
いくつかの実施形態は、複合体の機能を検出することによって複合体の存在を検出することを含む。たとえば、ペプチド3028がLFA−1受容体および/またはIL−2受容体に結合されている免疫細胞では、IL−2に誘導される増殖、T細胞受容体刺激、白血球の伸展、免疫細胞の遊走、および/またはNK細胞の細胞傷害性が低下していることがある(実施例2〜6参照)。IL−2に誘導される増殖、T細胞受容体刺激、白血球の伸展、免疫細胞の遊走、および/またはNK細胞の細胞傷害性の増強(たとえば、複合体の少なくとも1つの要素が添加されていない、未処理の対照試料との比較における増強)を直接的または間接的に検出することで、複合体の形成を検出することができる。たとえば、実施例13に示すように、P3028配列/構造と免疫調節ペプチド阻害剤との間の複合体の形成は、リンパ球刺激を増進しうる。また、たとえば実施例1に示すように、複合体の形成によってLFA−1受容体がブロック解除されることもある。したがって、いくつかの実施形態は、たとえばリンパ球刺激の増強、LFA−1受容体のブロック解除、および/またはLFA−1受容体を介した免疫細胞刺激を、複合体を形成しないことがわかっている対照試料と比較して検出することによって、複合体の形成を間接的に検出することを含む。
いくつかの実施形態は、複合体の要素の局在を検出することによって複合体の存在を検出することを含む。いくつかの実施形態において、複合体の形成を検出することは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つを含む免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ、または腫瘍細胞上のP3028配列/構造に特異的に結合するペプチド模倣体の存在を検出することを含む。実施例1に示すように、P3028配列/構造は腫瘍細胞に結合しうる。実施例14に示すように、P3028配列/構造の阻害剤は、たとえばP3028配列/構造に結合することによって、腫瘍細胞に結合しうる。したがって、いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上におけるP3028配列/構造の阻害剤の存在、たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうちの少なくとも1つ、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せの存在は、複合体の形成を示す。したがって、複合体の形成は、腫瘍細胞の少なくとも1つのマーカーと阻害剤との共局在によって検出することができる。共局在は、たとえば免疫組織化学またはフローサイトメトリーによって検出することができる。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、たとえば蛍光団や放射標識を用いて標識される。いくつかの実施形態において、前記阻害剤は、たとえば該阻害剤に特異的に結合する一次抗体を用いて検出される。次の節では、免疫調節ペプチド阻害剤をコードする核酸のいくつかの実施形態について、より詳細に説明する。
阻害剤ペプチドをコードする核酸
いくつかの実施形態は、免疫調節ペプチド阻害剤をコードする、単離された核酸を含む。当業者であれば、ペプチド配列が与えられれば、そのペプチド配列をコードする核酸配列は容易に決定できること、また、遺伝子コードの縮重により、任意の1つのペプチドをコードすることができる核酸配列は1つより多く存在することを理解するであろう。ペプチドをコードする核酸配列もまた、既知の技術を使用して、発現ベクターに組み込むことができる。発現ベクターは、発現系(たとえば宿主細胞、宿主生物、無細胞発現系等)でペプチドを作製するために使用することができる。発現ベクターはまた、本明細書に記載するように、生物(たとえば免疫抑制のブロックを必要とする患者等)の中でペプチドを作製するために使用することもできる。典型的な発現ベクターとしては、pVAXコンストラクト等のプラスミドDNA、バクテリオファージDNA、コスミドDNA、BACおよびYAC等の人工染色体、レンチウイルス等のレトロウイルス系、アデノウイルスまたはワクシニアウイルス(たとえばMVA)等のDNAウイルス系が挙げられる。翻訳開始コドンに相当するN末端アミノ酸(典型的にはATGに相当するMet)を有さないペプチドの場合、発現ベクターがインフレーム翻訳開始コドンを含みうる。このようなアミノ酸は、切断可能なリンカー(たとえばプロテアーゼによって切断されるペプチド配列)によって、ペプチドのN末端から分離できる。発現ベクターは、転写調節配列、たとえばコアプロモーター、転写エンハンサー、および/またはインスレーター配列を含みうる。このような配列は、転写装置(たとえばRNAポリメラーゼIII)のアセンブリと、それに続く、前記ペプチドをコードする転写産物の産生とを(たとえば、転写に好適なヘテロクロマチン環境を整えることによって)容易にすることができる。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、ペプチドの2以上のコピーおよび/または2以上の独特のペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、発現ベクターは2以上のペプチドをコードし、それぞれのペプチドは、独特の転写単位(たとえば、プロモーター、転写エンハンサー、および/または転写ターミネーター)に制御される。いくつかの実施形態では、2以上のペプチドをコードする核酸が、単一の転写単位に制御される。そのような実施形態では、個々のペプチドをコードする配列は、個々の翻訳開始部位(たとえば配列内リボソーム進入部位:IRES)に制御されうる。そのような実施形態では、単一の核酸が2以上のペプチドをコードするタンパク質またはポリペプチドをコードしうるが、該2以上のペプチドは、少なくとも1つのプロテアーゼ標的部位によって分離されている。
当業者であれば、ペプチド阻害剤等のペプチドをコードするポリヌクレオチドは、該ペプチドの配列に基づいて容易に構築できることを理解するであろう。免疫調節ペプチド阻害剤ペプチド(配列番号:2〜33)の配列をコードする典型的なポリヌクレオチドを表5.2に示す。当業者であれば、遺伝子コードの縮重のため、与えられたポリペプチドをコードできるポリヌクレオチドは1より多く存在しうることを理解するであろう。したがって、本明細書、たとえば表5.2には、典型的なポリヌクレオチドとともに、典型的な縮重を説明するコンセンサスポリヌクレオチドを記載する。表5.2のポリヌクレオチドは例示のためのものであり、配列番号:102〜165を含む。当業者であれば、別のポリヌクレオチドもまた、本明細書に開示されたペプチド阻害剤等のペプチド阻害剤をコードしうることをさらに理解するであろう(たとえば、表5.1のペプチドのいずれか1以上をコードするポリヌクレオチドも、本発明の実施形態である)。たとえば、ポリヌクレオチドは、たとえば選択的スプライシングおよび/またはポリヌクレオチドの塩基を修飾しうるRNA特異的アデノシンデアミナーゼ(ADAR)等の酵素によって、転写後に修飾することができる。
したがって、本明細書に記載の実施形態はさらに、単離された核酸またはポリヌクレオチドを含む、該核酸またはポリヌクレオチドからなる、または本質的に該核酸またはポリヌクレオチドからなる組成物を含み、該ポリヌクレオチドは、本明細書に記載するP3028配列/構造に結合する典型的な免疫調節ペプチド阻害剤の1以上(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤または表5.1に記載されるいずれか1以上のペプチド)をコードするものである。さらに、前述の核酸またはポリヌクレオチドを含むベクター、コンストラクト、およびプラスミドもまた、実施形態である。次の節では、本明細書に記載の1以上の組成物に含まれうるさらなる成分について説明する。
医薬組成物
いくつかの実施形態において、ペプチド阻害剤(たとえば、表5.1に記載のペプチドのいずれか1以上)を含む、ペプチド阻害剤からなる、または本質的にペプチド阻害剤からなる医薬組成物が提供される。該医薬組成物は、本明細書に記載のペプチド阻害剤と、本明細書に記載の薬学的に許容される成分を含みうる。薬学的に許容される典型的な成分としては、希釈剤、担体、賦形剤および/または緩衝剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載のペプチド阻害剤を含む、または該ペプチド阻害剤からなる、または本質的に該ペプチド阻害剤からなる。たとえば、組成物は、式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)のペプチドを含むか、式(I)のペプチドからなるか、または本質的に式(I)のペプチドからなっていてよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、組成物は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)のペプチドを含むか、式(II)のペプチドからなるか、または本質的に式(II)のペプチドからなっていてよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、組成物は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)または配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、もしくは98のペプチドを含むか、該ペプチドからなるか、または本質的に該ペプチドからなっていてよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、組成物は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)のペプチドを含むか、式(VII)のペプチドからなるか、または本質的に式(VII)のペプチドからなっていてよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、組成物は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)のペプチドを含むか、式(VIII)のペプチドからなるか、または本質的に式(VIII)のペプチドからなっていてよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。さらに、組成物は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含む、またはそのようなペプチド阻害剤からなる、または本質的にそのようなペプチド阻害剤からなっていてよい。いくつかの実施形態において、これらの組成物に使用される表5.1の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
医薬組成物は、1以上の、薬学的に許容されるその他の薬学的成分、たとえば希釈剤、担体、賦形剤および/または緩衝剤等を含みうる。「薬学的に許容される」とは、有効成分の生物活性の有効性を減少させない、無毒な化合物を意味する。そのような薬学的に許容される添加剤、希釈剤、緩衝剤、担体、または賦形剤は、当技術分野ではよく知られている(Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.R Gennaro,Ed.,Mack Publishing Company(1990)およびhandbook of Pharmaceutical Excipients,3rd edition,A.Kibbe,Ed.,Pharmaceutical Press(2000)参照)。
前記医薬組成物は、緩衝剤を含みうる。「緩衝剤」という語は、pHを安定させることを目的とする、酸と塩基との混合物を含む水溶液を指すことが意図される。緩衝剤の例としては、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝液;ポリエステル、ポリカーボネート、および/またはポリ酸無水物;ならびに医薬製剤中で使用されるその他の無毒な相溶性物質が挙げられる。その他の典型的な緩衝剤は、Trizma、Bicine、Tricine、MOPS、MOPSO、MOBS、Tris、Hepes、HEPBS、MES、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ホウ酸塩、ACES、ADA、酒石酸塩、AMP、AMPD、AMPSO、BES、CABS、カコジル酸塩、CHES、DIPSO、EPPS、エタノールアミン、グリシン、HEPPSO、イミダゾール、イミダゾール乳酸、PIPES、SSC、SSPE、POPSO、TAPS、TABS、TAPSO、およびTESである。
前記医薬組成物は、希釈剤を含みうる。「希釈剤」という語は、医薬製剤中の化合物の希釈を目的とする、水性または非水性の溶液を指すことが意図される。希釈剤は、食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたはエタノールの1以上であってよい。
前記医薬組成物は、賦形剤を含みうる。賦形剤は、炭水化物、界面活性剤、ポリマー、脂質、およびミネラルの1以上であってよい。炭水化物の例としては、ラクトース、ショ糖、マンニトールおよびシクロデキストリンが挙げられ、これらは組成物に、たとえば凍結乾燥を容易にするために、添加される。ポリマーの例としては、デンプン、セルロースエーテル、セルロースカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、アルギナート、カラギーナン、ヒアルロン酸およびその誘導体、ポリアクリル酸、ポリスルホン酸塩、ポリエチレングリコール/ポリエチレン酸化物、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレン酸化物コポリマー、加水分解の程度の異なるポリビニルアルコール/ポリ酢酸ビニル、およびポリビニルピロリドンが挙げられ、これらは異なる分子量のいずれであってもよく、たとえば、粘度調整、生体接着の達成、または化学的タンパク質分解からの脂質の保護を目的として、組成物に添加される。脂質の例としては、脂肪酸、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、セラミド、スフィンゴ脂質および糖脂質が挙げられ、これらのアシル鎖長および飽和度はいずれであってもよく、卵レシチン、大豆レシチン、水素添加卵レシチン、水素添加大豆レシチンがさらに挙げられ、これらはポリマーと同様の理由で組成物に添加される。ミネラルの例としては、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、および酸化チタンが挙げられ、これらは液体の蓄積の低減や有利な着色料特性を得るために、組成物に添加される。
前記医薬組成物は、担体を含みうる。いくつかの実施形態において、担体は非水性の担体である。本発明の医薬組成物の中で使用することができる、適切な水性担体および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、これらの適切な混合物、オリーブオイル等の植物油、およびオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動率は、たとえばレシチンのようなコーティング材料を使用することによって、分散液の場合は必要とされる粒径を維持することによって、また、界面活性剤を使用することによって維持できる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤等の補助剤を含みうる。対象化合物における微生物による作用の予防は、様々抗菌剤および抗真菌剤、たとえばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等を含有することによって保証されてもよい。組成物が、糖類や塩化ナトリウム等の等張化剤を含有することも望ましいかもしれない。さらに、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチン等の、吸収を遅らせる薬剤を含有することで、注射可能な剤形の持続的吸収が可能となりうる。
前記医薬組成物は、持続放出用に処方できる。いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、持続放出できるように、ゲルまたはゲル状物質として処方される。該ゲルまたはゲル状物質は、生理学的条件下において、約3日間、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日間、3〜4日間、3〜5、3〜6、3〜7、3〜8、3〜9、3〜10、3〜11、3〜12、3〜13、3〜14、4〜5、4〜6、4〜7、4〜8、4〜9、4〜10、4〜11、4〜12、4〜13、4〜14、5〜6、5〜7、5〜8、5〜9、5〜10、5〜11、5〜12、5〜13、5〜14、6〜7、6〜8、6〜9、6〜10、6〜11、6〜12、6〜13、6〜14、7〜8、7〜9、7〜10、7〜11、7〜12、7〜13、7〜14、8〜14、9〜14または10〜14日間、安定した状態を保つ。いくつかの実施形態において、前記ゲルは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、もしくは583〜586を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなる阻害ペプチドであって水溶性でない阻害ペプチドと、該阻害ペプチドと組み合わされることでゲルを形成するよう選択される緩衝剤または補助剤とを含む。理論に拘束されるものではないが、本明細書のいくつかの実施形態によれば、ゲルは前記阻害ペプチドの徐放に好適でありうる。
前記医薬組成物は、水溶液に溶解するよう処方できる。たとえば、配列番号:589からなる、または本質的に配列番号:589からなる阻害ペプチドは、水溶液に可溶であることが示されている。したがって、いくつかの実施形態において、医薬組成物は、配列番号:589からなる、または本質的に配列番号:589からなる阻害ペプチドであって水溶液に可溶または部分的に可溶である阻害ペプチドを含む。前記水溶液は、補助剤として提供されてもよい。
投与形態
本明細書に記載の医薬製剤は、局所的にまたは全身的に投与されてもよい。投与経路としては、局所的、眼内、経鼻、経肺、口腔、非経口(静脈内、皮下、および筋肉内)、経口、経膣、直腸投与が挙げられる。最も一般に用いられるのは、経口投与である。
いくつかの実施形態において、たとえば腫瘍への免疫細胞の浸潤、腫瘍の細胞傷害性、または腫瘍の免疫細胞受容体のブロック解除が所望される場合、前記医薬製剤は腫瘍に、または腫瘍の近傍に投与される。たとえば、前記医薬製剤は、腫瘍の周囲に、または腫瘍から10cm以内、たとえば、10cm、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内、またはこれらの距離のうち任意の2つによって定義される範囲内に投与される。
前記医薬組成物は、治療有効量または投与量で患者に投与される。治療有効量は、患者が苦しんでいる疾患の症状を少なくとも部分的に抑えるのに十分な医薬組成物の投与量を含む。正確な投与量は、投与の方法や疾患の障害の性質および重症度に依存する。患者の全体的な健康状態、性別、年齢、および体重によって、投与量を変えることも必要となりうる。前記投与量は、1つの投与単位の形態で、あるいはより小さい投与単位を複数合わせて単回投与されてもよく、また、さらに分割した投与量が所定の間隔、たとえば何日かごとに(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30日ごとに、または列記した任意の2つの値の間の範囲内で)複数回投与されてもよい。典型的な投与量は、ミリグラム、マイクログラム、またはナノグラムの範囲、たとえば対象の体重1kg当たり何ミリグラム、何マイクログラム、何ナノグラムといった値を含みうる。活性化合物または活性物質は、投与形態に応じて、共にあるいは別途、投与してもよい。本明細書のいくつかの実施形態の典型的な投与計画は「プライムブースト」法を含み、該方法では、化合物または物質の第1の投与量を第1の投与において投与し、化合物または物質の第2の投与量を第2の投与において投与する。さらなる投与(たとえば、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の投与)が行われてもよい。第1の投与量は、以後の投与量(たとえば、第2の投与量、あるいは、行われる場合は、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、または第10の投与量)より多くてもよく、たとえば、以後の投与量の少なくとも1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍)、30倍、40倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、または10000倍であってよい。また、後の投与量(たとえば、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、または第10の投与量)が、第1の投与量より多くてもよく、たとえば、第1の投与量の少なくとも1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍)、30倍、40倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、または10000倍であってよい。いくつかの実施形態において、次の投与量(たとえば、第1の投与量の後の第2の投与量、第2の投与量の後の第3の投与量、あるいは、行われる場合は、第5の投与量の後の第4の投与量)は、先の投与量の後、少なくとも1日後、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、60、90、もしくは100日後に、または列記した任意の2つの値の間の範囲内で投与される。
適切な製剤形態としては、たとえば、顆粒剤、散剤、錠剤、コーティング錠、(マイクロ)カプセル剤、微粒剤、発泡性の散剤または顆粒剤、坐剤、アンプル形態の注射剤、さらに活性化合物が持続放出される製剤が挙げられ、これらの製剤においては、上述の賦形剤、希釈剤、または担体が慣習的に使用される。他の製剤は、当業者によく知られた、別の有効成分放出特性を生じさせるものでありうる。放出特性の例としては、持続放出、持続作用、長時間放出、徐放、制御放出、調節放出、または連続放出が挙げられる。持続放出性の錠剤またはカプセル剤の利点は、同じ薬剤の即時放出製剤と比べて投与の頻度を少なくできること、および血流中で安定した薬剤濃度を維持できることである。今日、多くの徐放薬が製剤化されている。そのような製剤では、有効成分が不溶性物質(たとえば、ある種のアクリル、またはキチン)のマトリックスに埋め込まれており、溶解した薬剤はマトリックスの穴を通って外へ出て行くようになっている。片側にレーザードリル穴、反対側に多孔質膜を有するポリマーベースの錠剤に封入されている薬剤も存在する。胃酸が多孔質膜を押すと、薬剤はレーザードリル穴を通って押し出される。やがて、薬剤の投与量全体が系へと放出され、ポリマーでできた容器はそのままの状態で残るが、これは後に通常の消化を通じて排泄される。いくつかの製剤では、薬剤はマトリックス中に溶出し、マトリックスは物理的に膨張してゲルを形成し、薬剤はゲルの表面から出て行く。マイクロカプセル化は、複雑な溶出プロファイルを生み出すより完成された技術とされている。不活性なコアのまわりに存在する医薬有効成分をコートし、さらに不溶性物質の層を重ねてミクロスフェアを形成することにより、より一定した再現性の高い溶解速度が得られる。いくつかの実施形態において、前記組成物は、前記免疫調節ペプチド阻害剤を少なくとも重量で0.1%、たとえば少なくとも重量で0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%または30%含む組成物を含み、前記ペプチド阻害剤の含有量は列記した任意の2つの値の間の範囲にあってもよい。これらはいずれも、当業者にはよく知られている。
アルブミンまたはアルブミンフラグメントの存在を検出する方法
いくつかの実施形態は、生物学的試料中のアルブミンまたはアルブミンフラグメントの存在を検出する方法を含み、該方法は、免疫調節ペプチド阻害剤を生物学的試料と接触させ、該免疫調節ペプチド阻害剤をアルブミンまたはアルブミンフラグメントに結合させて、結合した免疫調節ペプチド阻害剤の存在を検出するものである。いくつかの実施形態において、P3028配列/構造またはそのフラグメントの存在を検出する方法は、P3028配列/構造を含む生物学的試料を、P3028配列/構造に結合する免疫調節ペプチド阻害剤または抗体と接触させて、結合した免疫調節ペプチド阻害剤の存在を検出することを含みうる。該免疫調節ペプチド阻害剤または抗体は、本明細書で説明される検出可能な部分を含んでもよい。
これらの方法に使用される前記免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書で説明されるペプチドを含んでもよく、該ペプチドからなってもよく、また本質的に該ペプチドからなっていてもよい。たとえば、前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、または589の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、記載のいずれか1以上のペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む、またはそれらからなる、または本質的にそれらからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、該ペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的に該ペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される、記載の単離されたペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載される1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せの長さはいずれも、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
したがって、免疫調節ペプチド阻害剤がP3028配列/構造を含むアルブミンフラグメントまたはアルブミンにひとたび結合すると、該阻害剤の存在が検出され、それによってP3028配列/構造の存在が検出されることになる。
3028配列/構造を含むアルブミンまたはアルブミンフラグメントの存在を検出するいくつかの方法において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチドを含む。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、そのようなペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的にそのようなペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は支持体に結合されている(実施例12参照)。典型的な支持体としては、表面、試験片、ペトリ皿、マトリックス、樹脂、またはビーズが挙げられる。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は溶液に溶解される(実施例10参照)。いくつかの実施形態では、P3028配列/構造を含む可能性のある生物学的試料を、溶液中の該阻害剤と接触させる(実施例10および12参照)。前記生物学的試料は、血液、血清、免疫細胞、免疫細胞溶解物、腫瘍細胞、または腫瘍細胞溶解物を含みうる。免疫調節ペプチド阻害剤との接触後、付着したタンパク質複合体を有する支持体を洗浄し、結合していない、あるいは結合の弱い免疫調節ペプチド阻害剤をすべて除去する。前記試料中にP3028配列/構造が存在した場合、支持体に結合している阻害剤に結合したP3028配列/構造の存在が、たとえばrampoアッセイの使用により検出される。試料中にP3028配列/構造が存在しない場合、結合したタンパク質が検出されることはない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載するように、前記免疫調節ペプチド阻害剤は検出可能な標識に結合されている。検出可能な標識の典型的な例としては、ビオチン、蛍光団、放射性標識、および酵素が挙げられる。いくつかの実施形態では、P3028配列/構造を含む可能性のある生物学的試料が提供される。前記生物学的試料は、血液、血漿、血清、単離された免疫細胞、単離されたがん細胞、腫瘍細胞、組織生検材料、および/または腫瘍または腫瘍生検材料を含みうる。ペプチド3028の阻害剤(免疫調節ペプチド阻害剤)を、生物学的試料と接触させる。次いで、試料を洗浄してもよい。P3028配列/構造が存在すれば、前記検出可能な標識は、生物学的試料中に存在することとなる(実施例14参照)。P3028配列/構造が存在しなければ、標識は検出されない。検出可能な標識を検出する典型的な方法としては、顕微鏡検査、組織切片法、免疫アッセイ、免疫組織化学、フローサイトメトリー、免疫ブロッティング、ELISA、およびELISpotが挙げられる(図39参照)。たとえば、組織切片を調べることで、P3028配列/構造を含む細胞および/または組織を特定することができる。たとえば、凍結切片法またはプラスチック切片法を用いて解離した免疫細胞および/または腫瘍細胞を検査することによって、P3028配列/構造に結合した細胞を見出すことができる。以下の節では、免疫抑制の治療、予防、または阻害を必要とする対象(たとえば、癌または細菌感染もしくはウイルス感染等の病原性感染を有する対象)においてそれを行うためのアプローチについて、より詳細に説明する。
免疫抑制を治療、予防、または阻害する方法
免疫抑制に関連する状態および疾患は多数存在し、たとえば種々のがん、感染症、および炎症性疾患等は、免疫抑制に関連している。したがって、本明細書に記載の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤を用いて治療、予防、または阻害することのできる免疫抑制に関連する典型的な状態としては、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、または造血細胞がん等の種々のがんが挙げられる。これらの状態もまた、本明細書に記載の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤を用いて治療、予防、緩和、または阻害することができる。したがって、本明細書に記載の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤を用いて治療、予防、または阻害することのできる、免疫抑制に関連する典型的な状態としてはさらに、ホルモンの失調、たとえば過剰かつ/または異所性のコルチゾール活性が挙げられる。
したがって、いくつかの実施形態は、ヒトにおける免疫抑制または前記感染症もしくは疾患の1以上を治療、予防、または軽減する方法を含む。いくつかの実施形態において、前記方法は免疫抑制に関連する状態(たとえば、がん)を有する患者を特定することを含む。そのような特定のためのステップは、臨床評価(たとえばCT、MRI、もしくはPET走査)または診断アッセイによって遂行できる。前記方法はさらに、特定されたまたは選択された患者に対し、本明細書に記載した免疫調節ペプチド阻害剤の配列もしくはそのような分子をコードする核酸を含む、または該配列もしくは該核酸からなる、または本質的に該配列もしくは該核酸からなる組成物を投与することを含む。たとえば、免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる前記組成物は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のいずれか、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含みうる。いくつかの実施形態において、前記組成物は、患者の腫瘍の周囲に、または腫瘍の近傍、たとえば腫瘍から10、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内に投与される。いくつかの実施形態において、前記組成物は全身的に投与される。いくつかの実施形態において、前記組成物は、第2の治療薬、たとえば免疫細胞のLFA−1受容体がブロック解除された後(たとえば、結合した免疫調節ペプチドまたは3028構造がLFA−1受容体から除去された後)に免疫細胞を刺激する目的で選択された治療薬と併用投与される。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であってよく、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記免疫調節ペプチド阻害剤を含む、または該免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または本質的に該免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物は、本明細書で説明されるペプチドもしくはそのような分子をコードする核酸を含んでもよく、該ペプチドもしくは核酸からなっていてもよく、また本質的に該ペプチドもしくは核酸からなっていてもよい。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589に記載されるペプチドのいずれか1以上、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態において、そのようなペプチド阻害剤をコードする核酸、たとえば配列番号:102〜165の核酸が提供されうる。好ましくは、前記方法に使用される免疫調節ペプチド阻害剤は、P28R、その誘導体、またはそのような分子(たとえば、本明細書に記載のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなる1以上の任意の免疫調節ペプチド阻害剤)をコードする核酸である。たとえば、前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記ペプチド阻害剤は、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む、またはそれらからなる、または本質的にそれらからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、該ペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的に該ペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、表5.1、5.4、5.5、5.6の単離されたペプチドまたは表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。そのようなペプチド阻害剤をコードする核酸は、たとえば配列番号:102〜165に示すものである。
上記の方法に用いられる免疫調節ペプチド阻害剤は、少なくとも1つのD−アミノ酸、少なくとも1つの非天然アミノ酸、N末端アセチル基、またはC末端アミド基を含んでもよく、グリコシル化されていてもよく、PEG、細胞毒素、または放射性核種に結合されていてもよい。前記ペプチドは、患者の少なくとも1個の細胞に投与することができる。前記投与はインビボで、たとえば治療として行われてもよい。前記投与はエクスビボで、たとえば診断ツールとして、または患者に投与される免疫細胞をあらかじめ刺激するエクスビボ療法として行なわれてもよい。本明細書に記載のペプチド阻害剤を含む、該阻害剤からなる、もしくは本質的に該阻害剤からなる免疫調節ペプチド阻害剤またはそのような分子をコードする核酸のヒト免疫細胞への投与、および免疫細胞刺激の検出は、実施例13に記載される。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、そのようなペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的にそのようなペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
そのようなペプチド阻害剤をコードする核酸は、たとえば配列番号:102〜165に示す核酸である。前記免疫調節ペプチド阻害剤の投与に続いて、投与されたヒトのヒト免疫細胞の刺激を検出することができる(たとえば、免疫細胞の増殖、遊走、またはNK細胞の細胞傷害性の増進等)。これらの方法は、前記免疫調節ペプチド阻害剤が投与された後に、患者における免疫抑制の軽減を測定もしくはまたは観察すること(たとえば、免疫細胞の増殖、遊走、もしくは伸展、またはNK細胞の細胞傷害性の増進を評価することができる)、またはCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖を検出することを含みうる。
上述のように、いくつかの実施形態は、免疫抑制を患う患者を特定するステップを含む。この分析は、一般に、患者の免疫細胞の活性の測定、たとえば、患者の生物学的試料中の少なくとも1種の免疫細胞(たとえば、白血球、PBMC、リンパ球、単球、マクロファージ)の量の測定を含みうる。患者の血清中の、および/または患者のがん細胞上のP3028配列/構造の存在(標識された免疫調節ペプチド阻害剤を用いて遂行できる評価)もまた、患者の免疫系の抑制を示す。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、患者の生物学的試料(たとえば、血液、血漿、血清またはがん細胞生検材料を含む試料)に含まれるP3028配列/構造の存在を検出することを含む。患者の生物学的試料に含まれるペプチド3028の存在を検出するための実施例、方法、および組成物は、米国特許第7960126号、第8133688号、第8110347号ならびに米国特許出願公開第2010/0323370号明細書および第2011/0262470号明細書に記載されており、これらはいずれも参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。P3028配列/構造は、生物学的試料を、P3028配列/構造に結合する少なくとも1つの抗体を使用した、たとえば免疫アッセイ、ブロッティング技術、ELISA、ELISpot、フローサイトメトリー、サイトメトリービーズアッセイ、プロテオミクス、および/または免疫組織化学に供することによって、検出することができる。P3028配列/構造は、患者の生物学的試料またはその画分を、たとえば質量分析に供することによっても、検出することができる。P3028配列/構造は、さらに、本明細書に記載するようなP3028配列/構造の標識したペプチド阻害剤を、たとえば組織染色、蛍光顕微鏡、免疫組織化学または比色酵素アッセイ等によって直接的に検出することによっても、検出することができる(実施例14参照)。P3028配列/構造はまた、たとえば患者の血清と接触させた免疫細胞と、P3028配列/構造を含まないことが知られている対照試料血清と接触させた免疫細胞とを比較することによって、機能的に検出することもできる。いくつかの実施形態では、血清を変性させる。典型的な免疫細胞としては、PBMCが挙げられる。いくつかの実施形態では、血清は変性させない。免疫細胞は、たとえばIL−2またはリポ多糖類(LPS)等によって刺激されてもよい。いくつかの実施形態では、免疫細胞のIL−6産生についての分析を行う。
いくつかの実施形態では、がんを有する患者を診断することによって、免疫抑制を患う対象を特定することができる。いくつかの実施形態では、患者の細胞の、P3028配列/構造への結合(実施例7参照)またはP3028配列/構造の阻害剤への結合(実施例14参照)を検出することによって、がん細胞を同定することができ、それによって患者を特定することができる。同定の可能な、免疫抑制に関係している可能性のある典型的ながんとしては、乳がん、腎細胞がん、および悪性黒色腫が挙げられる。
前記免疫調節ペプチド阻害剤の患者への投与は、様々なアプローチによって行うことができる。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、患者に直接投与される。前記免疫調節ペプチド阻害剤は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、経皮、経口、および/また腫瘍の周囲に投与することができる。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、たとえば直接注射によって、腫瘍の部位へと投与される。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、腫瘍の近傍、たとえば、腫瘍から10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、もしくは0.5cm以内に、またはこれらの数のうち任意の2つによって定義される範囲内に投与される。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載するような薬学的に許容される希釈剤または担体とともに投与される。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、エクスビボで投与される。たとえば、患者の免疫細胞を患者から単離し、阻害剤と接触させ、患者に戻すことができる。実施例13および14では、患者の免疫細胞をP3028配列/構造の阻害剤と接触させることについて説明している。
本明細書に記載する免疫調節ペプチド阻害剤の任意の1以上を、上述の1以上の方法に使用することができる。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つ、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せに対応する、少なくとも1つの、P3028配列/構造のペプチド模倣体阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つ、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せに対応するペプチド3028の小分子阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、P3028配列/構造に特異的に結合する抗体または抗体フラグメントを含む。P3028配列/構造を阻害する抗体は実施例9に記載されている。
前記方法のいくつかにおいて、前記P3028配列/構造の免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載するような免疫調節ペプチド阻害剤をコードする核酸を含む。たとえば、該核酸にコードされるペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされる式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされる式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされる前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される、前記核酸にコードされる前記ペプチド阻害剤は、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む、またはそれらからなる、または本質的にそれらからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、該ペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的に該ペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載される単離されたペプチドまたは表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せであって、これらの方法に使用される前記核酸にコードされる前記単離されたペプチドまたはバリエーションの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
たとえば、そのようなペプチド阻害剤をコードする核酸は、たとえば配列番号:102〜165に示す核酸である。前記核酸は、本明細書に記載の発現ベクターに入った状態で供給することができる。前記核酸は、免疫調節ペプチド阻害剤をコードする該核酸を含む発現ベクターをヒトに直接投与することによって、たとえば、遺伝的免疫付与に使用されるレトロウイルスベクターもしくはアデノウイルスベクターまたは発現プラスミド(たとえばpVAX)によって、ヒトに供給することができる。発現ベクターは、ヒトの細胞にエクスビボで供給した後に、該細胞を該ヒトに戻してもよく、電気穿孔技術を用いてインビボで供給してもよい。ウイルスベクターを介して宿主細胞に核酸を導入する方法は、米国特許第7,572,906号に記載されており、該文献は参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。アデノウイルスを用いてエクスビボで免疫細胞への形質導入を行う方法は、米国特許第8.012,468号に記載されており、該文献は参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、宿主細胞を、P3028の免疫調節ペプチド阻害剤をコードするベクターと接触させる。前記ベクターは、宿主細胞中で複製することができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞を、「ヘルパー発現ベクター」(すなわち非感染宿主中でのベクターの複製を促進するウイルスゲノム)とも接触させる。いくつかの実施形態において、阻害剤は実施例16と同様に投与される。いくつかの実施形態において、細胞の接触はエクスビボで行われる。いくつかの実施形態において、前記細胞は免役細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞はリンパ球、PBMC、または白血球のいずれかである。いくつかの実施形態において、阻害剤は実施例13と同様に投与される。
いくつかの実施形態において、治療有効量は、実質的に純粋な免疫調節ペプチド阻害剤の少なくとも約1ngを含み、たとえば、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000ng、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000μg、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000mg、または1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、100、105、110、120、130、140、または160、170、180、190、200、250、300、350、400、450もしくは500gを必要とする患者に投与することができ、列記した任意の2つの値の間の範囲も治療有効量に包含される。
いくつかの実施形態において、治療有効量は、治療有効量の阻害剤を1回または2回以上投与することを含む投与計画、たとえば少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450、もしくは500回の投与を含む投与計画に従って供給されうる。投与は、1時間ごと、またはそれ以下の頻度で、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間ごとに1回以下、または1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、9、10、11、12、13、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくは31日ごとに1回以下の頻度で投与されうる。
いくつかの方法によれば、前記免疫調節ペプチド阻害剤の投与の後、免疫抑制の軽減の測定、検出、または観察が行われる。いくつかの実施形態において、免疫抑制の軽減の測定、検出、または観察は、免疫調節ペプチド阻害剤の投与を受けた患者から生物学的試料を得た後、該生物学的試料中に存在する、P3028に結合する免疫細胞受容体の減少を検出することおよび/または免疫細胞のIL−2誘導後の免疫細胞増殖を検出することによって実施できる。いくつかの実施形態では、上記患者から得た生物学的試料の分析結果を、対照生物学的試料(たとえば、免疫調節ペプチド阻害剤の投与前に同じ患者から採取した生物学的試料または健常なヒトから採取した生物学的試料)について行われた同じ分析(たとえば、P3028配列/構造への免疫細胞受容体の結合の量またはIL−2に誘導される免疫細胞の増殖の測定)の結果と比較する。実施例9および13では、血清と接触させた細胞における免疫抑制が対照試料と比べて軽減されていることの検出について説明する。
上述の通り、免疫抑制の軽減は、免疫細胞刺激、たとえば免疫細胞の増殖または免疫細胞の細胞傷害性の増強として検出することができる。P3028に誘導される免疫抑制の軽減、すなわちT細胞受容体刺激の増強(実施例3参照);NK細胞の細胞傷害性の増強(実施例4参照);白血球の伸展の増進(実施例5参照);増加した免疫細胞移動(実施例5参照);および/またはIL−2に誘導される増殖(実施例6参照)は、上述の方法によって測定できる。IL−6産生の低減もまた、がん患者、たとえば免疫抑制を患う患者のより優れた診断となりうる(米国特許第8,110,347号参照;該文献は参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される)。免疫抑制の軽減は、IL−2への応答としてのPBMCの増殖の増進によって(実施例9参照)、またはたとえばCD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化もしくは刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、グランザイムBまたはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激、亢進された細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖等を検出することによって検出されることが望ましい。
いくつかの実施形態において、免疫抑制の軽減は、患者から回収した免疫細胞および/または血清および/またはアルブミン中のマーカーの存在または量を検出することによって検出される。いくつかの実施形態において、前記検出は、患者の血清、血液、および/または患者のアルブミンを回収すること、ならびに該患者の血清、血漿、血液またはアルブミンと免疫細胞とをエクスビボで接触させることを含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞をIL−2とも接触させる。IL−2への、免疫細胞の増殖応答は、免疫抑制の軽減を検出するために使用できる。前記免疫細胞は、患者の細胞であっても、別のヒトから得た細胞であっても、細胞培養物から得た細胞であってもよい。いくつかの実施形態において、免疫抑制の軽減は、免疫系の活動増加の効果(たとえば、がん細胞の数の減少、腫瘍の大きさの減少、またはがん細胞増殖の低減または阻害)として検出できる。いくつかの実施形態において、がん細胞は、たとえばP3028配列/構造に結合する細胞を検出することによって(実施例7参照)、またはP3028配列/構造の阻害剤に結合する細胞(実施例14参照)を検出することによって、同定し、また定量することができる。
アルブミンフラグメントの受容体への結合を阻害する方法
さらなる方法は、アルブミンフラグメントの免疫細胞受容体(たとえば、LFA−1受容体またはIL−2受容体)への結合を阻害するためのアプローチを含みうる。該方法は、本明細書に記載するように、免疫抑制を患うヒトを特定することを含みうる。該免疫抑制は、1以上の免疫調節ペプチドまたは免疫調節構造によって引き起こされうる。典型的な免疫調節ペプチドまたは免疫調節構造としては、P3028配列/構造、および/または配列番号:183〜185もしくは188〜246を含むか、該配列からなるか、または本質的に該配列からなるタンパク質またはペプチドが挙げられる。該方法はさらに、免疫細胞を、本明細書に記載のペプチド阻害剤を含む、または該ペプチド阻害剤からなる、または本質的に該ペプチド阻害剤からなるペプチドと接触させることを含みうる。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチドは、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、そのようなペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的にそのようなペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチドは、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。前記免疫細胞は、ヒト血清の存在下において、たとえば本明細書に記載するようなアルブミンまたはアルブミンフラグメントであってよい。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトアルブミンフラグメント(たとえば、P3028配列/構造を有するアルブミンフラグメント)のLFA−1受容体またはIL−2受容体への結合を阻害する方法を含む。アルブミンフラグメントであるP3028は、LFA−1受容体およびIL−2受容体に結合することができ(実施例7および8参照)、この結合は、免疫調節ペプチド阻害剤を含む、本質的に免疫調節ペプチド阻害剤からなる、または免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物を供給することによって阻害できる。いくつかの実施形態において、P3028の、LFA−1またはIL−2受容体への結合を阻害する方法は、免疫調節ペプチド阻害剤をインビボまたはインビトロでP3028に接触させることを含み、任意に、P3028の、LFA−1またはIL−2受容体への結合の阻害を検出することを含んでもよい。たとえば、P3028の、LFA−1受容体およびIL−2受容体への結合は、P3028に特異的に結合する抗体に、P3028を結合させることによって阻害されうる(実施例9参照)。これらの方法もまた、P3028によるLFA−1受容体のブロッキングを解除または阻害する能力のある、ペプチドに基づく免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、P28R免疫調節ペプチド阻害剤(配列番号:2)(実施例16参照)またはP28コアペプチド(配列番号:62)(実施例38参照))を結合させることによって実施できる。
好ましくは、これらの方法に使用される免疫調節ペプチド阻害剤を含むか、該免疫調節ペプチド阻害剤からなるか、または本質的に該免疫調節ペプチド阻害剤からなる組成物は、本明細書に記載するような式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含むか、式(I)からなるか、または本質的に式(I)からなる免疫調節ペプチド阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、そのようなペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的にそのようなペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。さらに、そのようなペプチド阻害剤をコードする核酸、たとえば配列番号:102〜165に示す核酸を提供することもできる。
好ましくは、上記の方法に使用される免疫調節ペプチド阻害剤は、P28R、その誘導体、またはそのような分子をコードする核酸(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ、またはそのような分子をコードする核酸)である。上記の方法に用いられる免疫調節ペプチド阻害剤は、少なくとも1つのD−アミノ酸、少なくとも1つの非天然アミノ酸、N末端アセチル基、またはC末端アミド基を含んでもよく、グリコシル化、ニトロシル化、カルボニル化、もしくは酸化されていてもよく、薬物動態改良剤、PEG、細胞毒素、または放射性核種に結合されていてもよい。
いくつかの実施形態は、LFA−1受容体またはIL−2受容体の結合したリガンド(たとえば、P3028を含む分子)を該受容体から除去することを含む。実施例15に示すように、P3028配列/構造の阻害剤をP3028に結合させることによって、該阻害剤をP3028に結合させていない対照試料と比較すると、LFA−1受容体に特異的に結合する抗体にとってのLFA−1受容体のアベイラビリティが高められうる。いくつかの実施形態では、P3028を前記阻害剤に結合させ、それによってIL−2受容体に結合しているP3028を該受容体から除去する(実施例10および12参照)。
がん細胞を免疫調節ペプチド阻害剤に結合させる方法
実施形態はさらに、がん細胞を免疫調節ペプチド阻害剤(たとえば、細胞毒素、放射性核種または検出可能な標識を有する免疫調節ペプチド阻害剤)に結合させる方法を含む。これらの方法は、がん細胞を、本明細書に記載する免疫調節ペプチド阻害剤の1以上を含むか、該阻害剤からなるか、または本質的に該阻害剤からなる組成物と(たとえば、インビトロまたはインビボで)接触させることによって実施される。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、そのようなペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的にそのようなペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。さらに、そのようなペプチド阻害剤をコードする核酸、たとえば配列番号:102〜165に示す核酸を提供することもできる。
好ましくは、上記の方法に使用される免疫調節ペプチド阻害剤は、P28R、P28コア、その誘導体、またはそのような分子をコードする核酸(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるいずれか1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ、またはそのような分子をコードする核酸(たとえば、配列番号:102〜165))である。上記の方法に用いられる免疫調節ペプチド阻害剤は、少なくとも1つのD−アミノ酸、少なくとも1つの非天然アミノ酸、N末端アセチル基、またはC末端アミド基を含んでもよく、グリコシル化されていてもよく、PEG、細胞毒素、または放射性核種に結合されていてもよい。
表1〜4の任意の免疫調節ペプチドに特異的に結合する免疫調節ペプチド阻害剤または抗体がひとたびがん細胞に結合すると、がん細胞は検出可能となる。すなわち、上記の方法は、免疫調節ペプチド阻害剤の結合を直接的または間接的に測定するための検出ステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤の結合は、実施例14と同様に直接的に検出される。いくつかの実施形態において、免疫制御のペプチド阻害剤の結合は、間接的に検出される。本明細書に記載するように、がん細胞上にP3028が存在すると、免疫反応が局所的に抑制されうる。したがって、いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤の、がん細胞への結合の検出は、実施例13に記載するように、抑制されていた免疫の回復を検出するステップをも含みうる。抑制されていた免疫の回復は、たとえば、低下していたPBMC増殖の回復(実施例2および13参照)、T細胞受容体刺激の回復(実施例3参照)、NK細胞の低下していた細胞傷害性の回復(実施例4参照)、減弱されていた白血球の伸展の回復(実施例5参照)または減弱されていた免疫細胞の遊走の回復(実施例6参照)、またはIL−2に誘導される増殖の増強(実施例6および9参照)として測定することができる。いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤へのがん細胞の結合は、インビボで行われる。実施例16では、インビボのがん細胞への、P3028阻害剤の送達について説明する。実施例42では、がん細胞上のP3028阻害剤の検出について説明する。
いくつかの実施形態において、免疫調節ペプチド阻害剤の検出は、ヒトから得た組織生検材料上で行われてもよい。いくつかの実施形態において、がん細胞と推定される細胞が前記組織生検材料に含まれていたり、該組織生検材料に対してがん細胞を見出すためのスクリーニングが行われたりしてもよい。これらの方法によって、組織生検材料を、本明細書に記載するように免疫調節ペプチド阻害剤と接触させる。本明細書に記載するように、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、検出可能な標識を含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、生細胞を免疫調節ペプチド阻害剤と接触させる(実施例14参照)。いくつかの実施形態では、組織切片を免疫調節ペプチド阻害剤と結合させる。次いで、検出可能な標識の検出を行い、免疫系による攻撃を受けないがん細胞を特定する。前記検出可能な標識は、当技術分野で知られている方法、たとえば免疫アッセイ、ブロッティング技術、ELISA、ELISpot、フローサイトメトリー、サイトメトリービーズアッセイ、プロテオミクス、および/または免疫組織化学等によって検出することができる。
がん細胞に細胞毒素または放射性核種を送達する方法
さらなる実施形態は、がん細胞に細胞毒素または放射性核種を送達する方法を含む。いくつかの実施形態は、がん細胞を放射性物質(たとえば111I、131I、90Y、67Cu、186Re、188Re、212Biまたは211At)または治療用化合物(たとえば毒素)の標的とすることを含む。本明細書に記載するように、免疫調節ペプチド阻害剤(たとえばペプチドP28R)は、がん細胞に結合するが、健常な免疫細胞(たとえばリンパ球)には結合しない(実施例14参照)。したがって、いくつかの実施形態では、がん細胞への治療用化合物の結合は、前記免疫調節ペプチド阻害剤によって媒介されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する治療用化合物(たとえば細胞毒素、放射性毒素等)を、P3028に結合する免疫調節ペプチド阻害剤に結合させる。
これらの方法は、がん細胞を、本明細書に記載する免疫調節ペプチド阻害剤の1以上を含むか、該阻害剤からなるか、または本質的に該阻害剤からなる組成物と(たとえば、インビトロまたはインビボで)接触させることによって実施され、該阻害剤には、放射性物質(たとえば111I、131I、90Y、67Cu、186Re、188Re、212Biまたは211At)または治療用化合物(たとえば毒素)が含まれる。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなる。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。さらに、本明細書に記載するように、前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、または98の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、または589の配列を含んでもよく、該配列からなっていてもよく、また本質的に該配列からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、記載のいずれか1以上のペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む、またはそれらからなる、または本質的にそれらからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、該ペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的に該ペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される、記載の単離されたペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載される1以上のペプチド、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せの長さはいずれも、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
好ましくは、上記の方法に使用される免疫調節ペプチド阻害剤は、P28R、その誘導体、またはそのような分子(たとえば、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、もしくは98の1以上の免疫調節ペプチド阻害剤、または表5.1に記載されるいずれか1以上のペプチド)をコードする核酸である。上記の方法に用いられる免疫調節ペプチド阻害剤は、少なくとも1つのD−アミノ酸、少なくとも1つの非天然アミノ酸、N末端アセチル基、またはC末端アミド基を含んでもよく、グリコシル化されていてもよく、PEGに結合されていてもよい。
細胞毒素または放射性核種を含む免疫調節ペプチド阻害剤がひとたびがん細胞(たとえばヒト患者内の)と接触すると、該毒素および/または放射性核種はがん細胞死を誘導しうる。いくつかの実施形態において、該がん細胞死はアポトーシスを含む。細胞死は、カスパーゼ3の活性化を含むことがある(実施例39参照)。いくつかの実施形態において、ペプチドp28R(配列番号:2)またはp28Rを含むか、p28Rからなるか、もしくは本質的にp28Rからなる医薬組成物は、腫瘍の周囲または腫瘍の近傍(たとえば、腫瘍から10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、もしくは0.5cm以内)に投与され、腫瘍細胞の細胞死を誘導する。いくつかの実施形態において、該腫瘍は前立腺がん細胞を含む。いくつかの実施形態において、該腫瘍は黒色腫(たとえばB16黒色腫)を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも約10ng/100mlのペプチド阻害剤が、腫瘍の周囲に投与される。たとえば、約10ng/100ml、20ng/100ml、30ng/100ml、40ng/100ml、50ng/100ml、60ng/100ml、70ng/100ml、80ng/100ml、90ng/100ml、100ng/100ml、200ng/100ml、300ng/100ml、400ng/100ml、500ng/100ml、600ng/100ml、700ng/100ml、800ng/100ml、900ng/100ml、1μg/100ml、2μg/100ml、3μg/100ml、4μg/100ml、5μg/100ml、6μg/100ml、7μg/100ml、8μg/100ml、9μg/100ml、10μg/100ml、20μg/100ml、30μg/100ml、40μg/100ml、50μg/100ml、100μg/100ml、200μg/100ml、500μg/100ml、1000μg/100mlが投与され、列記した任意の2つの値の間の範囲、たとえば約10ng〜100ng/100ml、10ng〜200ng/100ml、10ng〜500ng/100ml、10ng〜1μg/100ml、20ng〜10μg/100ml、100ng〜200ng/100ml、100ng〜500ng/100ml、100ng〜1μg/100ml、200ng〜10μg/100ml、200ng〜500ng/100ml、200ng〜1μg/100ml、200ng〜10μg/100ml、1μg〜100μg/100ml、1μg〜500μg/100ml、1μg〜1000μg/100ml、約5μg〜100μg/100ml、5μg〜500μg/100ml、5μg〜1000μg/100ml、10μg〜100μg/100ml、10μg〜500μg/100ml、10μg〜1000μg/100ml、50μg〜100μg/100ml、50μg〜500μg/100ml、50μg〜1000μg/100ml、100μg〜500μg/100ml、または約100μg〜1000μg/100mlも包含される。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は全身的に投与される。いくつかの実施形態において、前記医薬組成物は、第2の治療薬、たとえば免疫細胞のLFA−1受容体がブロック解除された後(たとえば、結合した免疫調節ペプチドまたは3028構造がLFA−1受容体から除去された後)に免疫細胞を刺激する目的で選択された治療薬と併用投与される。
これらの方法は、患者のがん、またはがんの進行を観察または監視するステップを含みうる。いくつかの実施形態では、細胞毒素または放射性核種を含む前記免疫調節ペプチド阻害剤が、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんを有するがん患者に投与される。いくつかの実施形態では、細胞毒素または放射性核種を含む前記免疫調節ペプチド阻害剤の投与に先立って、免疫調節ペプチド阻害剤の結合を見出すために、ヒトの生物学的試料のスクリーニングが行われる。たとえば、実施例14または41と同様に、検出可能な標識に結合されている表1〜4の任意の免疫調節ペプチドに特異的に結合する免疫調節ペプチド阻害剤または抗体を、生物学的試料に投与してもよい。該検出可能な標識の検出によって、免疫調節ペプチド阻害剤ががん細胞に結合することが確認でき、前記細胞毒素または放射性核種を含む同じ免疫調節ペプチド阻害剤を患者に供給することができる。
がん細胞の増殖を阻害する方法
本発明のいくつかの実施形態は、がん細胞の増殖を阻害する方法を含む。該方法は、ヒトがん患者を特定することを含みうる。該患者は、たとえば、大腸がん、腎臓がん、乳がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、肺がん、悪性黒色腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、気管支がん、または造血細胞がんのうち1以上を患う患者であってよい。該方法は、該ヒトの免疫細胞と免疫調節ペプチド阻害剤とを接触させることを含みうる。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞の接触は、腫瘍内への投与、または腫瘍の近傍、たとえば腫瘍から10、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0.5cm以内への投与を含む。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載のペプチドを含むか、該ペプチドからなるか、または本質的に該ペプチドからなる。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む、またはそれらからなる、または本質的にそれらからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、該ペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的に該ペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態において、前記方法は、そのようなペプチド阻害剤(たとえば、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せ)をコードするポリヌクレオチドをヒトに供給することを含む。たとえば、そのようなペプチド阻害剤をコードするポリヌクレオチドは、たとえば配列番号:102〜165に示すポリヌクレオチドである。
がんに関連する免疫抑制の軽減は、がん細胞に対する免疫反応を誘導および/または増強しうる。がん細胞に対する免疫反応は、がん細胞の増殖を低減させ、かつ/または細胞死もしくはアポトーシスを起こさせうる。したがって、前記方法は、患者のがん細胞の増殖の阻害を検出することを含みうる。前記方法は、患者のがん細胞の細胞死またはアポトーシスの誘導を検出することを含みうる。前記方法は、前記患者のがん細胞の増殖の阻害および該患者のがん細胞の細胞死またはアポトーシス誘導を検出することを含みうる。アポトーシスは、当技術分野で知られている方法、たとえばニュートラルレッドアッセイ、死細胞のトリパンブルー色素排除、アクリジンオレンジ染色、TUNEL染色、ならびに/または切断されたPARPおよび/もしくは切断されたカスパーゼの検出によって同定できる。
LFA−1受容体に結合したリガンドを除去する方法
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトリンパ球のLFA−1受容体に結合したリガンドを除去する方法を含む。前記方法は、ヒトリンパ球を免疫調節ペプチド阻害剤と、またはそのような阻害剤をコードするポリヌクレオチドと接触させることを含みうる。いくつかの実施形態において、前記免疫調節ペプチド阻害剤は、本明細書に記載のペプチドを含むか、該ペプチドからなるか、または本質的に該ペプチドからなる。たとえば、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、本明細書に記載される式(I),(XX1VKX2X3X4)(配列番号:166)を含んでもよく、式(I)からなっていてもよく、また本質的に式(I)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチドは、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含んでもよく、式(II)からなっていてもよく、また本質的に式(II)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含んでもよく、式(III)からなっていてもよく、また本質的に式(III)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含んでもよく、式(VII)からなっていてもよく、また本質的に式(VII)からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、式(IX)を含んでもよく、式(IX)からなっていてもよく、また本質的に式(IX)からなっていてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、本明細書に記載するように、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含んでもよく、そのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよく、または本質的にそのような配列もしくはペプチドもしくはバリエーションからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用されるこれらの単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
さらに、これらの方法に使用される前記ペプチド阻害剤は、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含む、またはそれらからなる、または本質的にそれらからなるペプチド阻害剤を含んでもよく、該ペプチド阻害剤からなっていてもよく、また本質的に該ペプチド阻害剤からなっていてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1、5.4、5.5、5.6に記載の単離されたペプチドまたは表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態において、前記方法は、そのようなペプチド阻害剤をコードするポリヌクレオチドをヒトに供給することを含む。たとえば、そのようなペプチド阻害剤をコードするポリヌクレオチドは、たとえば配列番号:102〜165に示すポリヌクレオチドである。
本明細書に記載するように(実施例15および24ならびに図15、16、17および26を参照のこと)、免疫調節ペプチド阻害剤は免疫調節ペプチド配列/構造に結合し、それによって免疫調節ペプチド配列/構造がLFA−1受容体に結合することを防止できる。典型的な免疫調節ペプチドは、P3028構造/配列を含みうる。典型的な免疫調節ペプチドは、配列番号:183〜185または188〜246のペプチドを含みうる。したがって、本明細書に記載するように、前記方法は、前記LFA−1受容体へのリガンドの結合の低減を検出することを含みうる。リガンドの結合の低減は、リガンドの結合によってブロックされるLFA−1受容体の少なくとも1つのエピトープを認識する抗体(たとえば実施例15および23の抗体)を用いて検出することができる。また、リガンドの結合の低減は、LFA−1受容体のリガンドに特異的に結合する抗体(たとえば、P3028配列/構造等の免疫調節ペプチドに特異的に結合する抗体)を用いて検出することができる(実施例9参照)。
必要のある患者を特定する方法
患者の集団が異なれば、それぞれの集団が有するアルブミン由来免疫調節ペプチドは異なる可能性があり、あるアルブミン由来免疫調節ペプチドが個々の患者に与える影響も異なりうると考えられる。実施例30に示すように、IL−2に対して高い増殖反応を示す免疫細胞を有するがん患者もあれば、IL−2に対して低い増殖反応しか示さない免疫細胞を有するがん患者もある。また、実施例31および32に示すように、患者の集団が異なれば、同じ免疫調節ペプチド阻害剤に対して異なる反応を示すこともありうる。さらに、ある阻害剤が、ある患者群の免疫系を調節することはできるが、他の患者群に対してはそうでないこともありうる。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、必要のある患者を特定する方法を含む。必要のある患者としては、自身の免疫細胞のうちいくつかに結合したアルブミン由来の免疫調節ペプチドを有する患者が挙げられる。必要のある患者としては、免疫調節ペプチドの阻害剤に反応するであろう患者が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者の免疫細胞を単離してもよい。前記免疫細胞上の免疫調節構造の存在を検出することができる。前記免疫細胞上の免疫調節構造の阻害剤の効果を検出することができる。免疫調節構造が存在する場合、かつ/または免疫細胞の機能が阻害剤によって調節されている場合、該患者は必要のある患者として分類することができる。該阻害剤の有効量を決定することも可能である。該阻害剤の治療有効量を、必要とする該患者に投与することができる。
いくつかの実施形態は、インビトロアッセイにおいて免疫調節ペプチドの存在を検出する方法を含む。免疫細胞に結合したアルブミン由来の免疫調節ペプチド、免疫調節配列および構造の存在をインビトロで検出する方法、ならびにアルブミン由来の免疫調節ペプチドが免疫細胞の活動に与える影響をインビトロで検出する方法は、米国特許第8,182,983号(参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される);米国特許第7,960,126号(参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される);米国特許第8,133,688号(参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される);米国特許第8,110,347号(参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される);および米国特許出願公開第2011/0262470号明細書(参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される)に記載されている。
いくつかの実施形態は、免疫調節ペプチドの阻害剤に対する、阻害された免疫細胞の反応を検出することを含む。いくつかの実施形態では、免疫細胞は患者から単離される。いくつかの実施形態では、免疫細胞はPBMCを含む。いくつかの実施形態では、前記免疫細胞と免疫調節ペプチドとを接触させる。
いくつかの実施形態では、前記免疫細胞と、配列番号:1〜33、34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98、264〜393、583〜586、もしくは589のうち少なくとも1つのペプチド、表5.1、5.4、5.5、5.6に記載されるペプチドのいずれか1以上、または表5.3および表13に記載のP28RもしくはP28コアのバリエーションのいずれかもしくはその組合せを含むか、該ペプチドまたはバリエーションからなるか、または本質的に該ペプチドまたはバリエーションからなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。
いくつかの実施形態では、免疫細胞と、式(I),XX1VKX2X3X4(配列番号:166)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。いくつかの実施形態において、Xは任意選択の配列であり、KKLDT(配列番号:167),RKLDT(配列番号:168),KKGDT(配列番号:169),KKEDT(配列番号:170),KKLDQ(配列番号:171),KKGDQ(配列番号:252),KKEDQ(配列番号:253),RKLDQ(配列番号:254),RKGDQ(配列番号:255),RKEDQ(配列番号:256),RKGTD(S配列番号:257),RKEDT(配列番号:258),KLDT(配列番号:172),KGDT(配列番号:259),KEDT(配列番号:260),KLDQ(配列番号:261),KGDQ(配列番号:262),KEDQ(配列番号:263),LDT,LDQ,GDT,GDQ,EDT,EDQ,DT,DQ,TもしくはQであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X1はFF,FM,FS,FV,FT,FL,AF,AM,AS,AV,AT,AL,VF,VM,VS,VV,VT,またはVLのいずれかである。いくつかの実施形態において、X2はLS,LQ,LM,LT,LH,VS,VQ,VM,VT,VHのいずれかである。いくつかの実施形態において、X3はLFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MAR,またはMRRのいずれかである。いくつかの実施形態において、X4は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、Xが存在しない場合、X1はFF,かつX2はLSである。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(I)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態では、免疫細胞と、式(II)X20TFFVKLSX21X22(配列番号:173)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。いくつかの実施形態において、X20は任意選択の配列であり、KKLD(配列番号:174),RKLD(配列番号:175),KKGD(配列番号:176),KKED(配列番号:177),KLD,LDもしくはDであってもよく、存在しなくてもよい。X21は任意選択の配列であり、LFT,LMT,LQT,LHT,LNT,LPT,LST,LGT,LAT,LRT,QFT,QMT,QQT,QHT,QNT,QPT,QST,QGT,QAT,QRT,VFT,VMT,VQT,VHT,VNT,VPT,VST,VGT,VAT,VRT,MFT,MMT,MQT,MHT,MNT,MPT,MST,MGT,MAT,MRT,LFN,LMN,LQN,LHN,LNN,LPN,LSN,LGN,LAN,LRN,QFN,QMN,QQN,QHN,QNN,QPN,QSN,QGN,QAN,QRN,VFN,VMN,VQN,VHN,VNN,VPN,VSN,VGN,VAN,VRN,MFN,MMN,MQN,MHN,MNN,MPN,MSN,MGN,MAN,MRN,LFP,LMP,LQP,LHP,LNP,LPP,LSP,LGP,LAP,LRP,QFP,QMP,QQP,QHP,QNP,QPP,QSP,QGP,QAP,QRP,VFP,VMP,VQP,VHP,VNP,VPP,VSP,VGP,VAP,VRP,MFP,MMP,MQP,MHP,MNP,MPP,MSP,MGP,MAP,MRPR,LFR,LMR,LQR,LHR,LNR,LPR,LSR,LGR,LAR,LRR,QFR,QMR,QQR,QHR,QNR,QPR,QSR,QGR,QAR,QRR,VFR,VMR,VQR,VHR,VNR,VPR,VSR,VGR,VAR,VRR,MFR,MMR,MQR,MHR,MNR,MPR,MSR,MGR,MARもしくはMRRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X22は任意選択の配列であり、ERもしくはEであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される式(II)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態では、免疫細胞と、式(III)X30X31VKLX32LX33TEX34(配列番号:178)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。いくつかの実施形態において、X30は任意選択の配列であり、KKLDTF(配列番号:179),KLDTF(配列番号:180),LDTF(配列番号:181),DTF,TFもしくはFであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31は任意選択の配列であり、F,S,M,V,TもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X31はFである。いくつかの実施形態において、X32はS,Q,M,T,またはHであってよい。いくつかの実施形態において、X32はSである。X33はF,M,Q,H,N,P,S,G,A,またはRであってよい。いくつかの実施形態において、X34はFである。X34は任意選択の配列であり、Rであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される前記式(III)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するように、免疫細胞と、式(VII)X700KX701X702X703X704X705X706KX707X708X709X710X711EX712(配列番号:394)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。いくつかの実施形態において、X700は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X701は任意選択の配列であり、L,A,C,D,E,F,G,H,I,K,M,N,Q,R,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X702は任意選択の配列であり、D,A,E,I,V,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X703は任意選択の配列であり、T,C,M,N,P,Q,R,S,WもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X704は任意選択の配列であり、F,A,I,M,N,P,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X705は任意選択の配列であり、F,L,M,Q,S,TもしくはVであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X706は任意選択の配列であり、V,F,G,L,PもしくはRであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X707は任意選択の配列であり、L,A,F,G,I,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X708は任意選択の配列であり、S,H,M,N,QもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X709は任意選択の配列であり、L,A,H,I,M,N,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X710は任意選択の配列であり、F,A,C,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,S,T,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X711は任意選択の配列であり、T,F,G,H,I,L,M,N,P,S,VもしくはWであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X712は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するように、免疫細胞と、式(VIII)X800KX801KX802EX803(配列番号:395)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。いくつかの実施形態において、X800は任意選択の配列であり、K,A,D,E,G,H,I,L,M,N,P,Q,R,T,VもしくはKであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X801は任意選択の配列であり、LDTFFV,GDTFFV,EDTFFV,LDQFFV,LDTAFV,LDTVFV,LDTFMV,LDTFSV,LDTFVV,LDTFTV,LDTFLV,LDGFFV,LDTFGV,LDTFFK,ADTFFV,CDTFFV,DDTFFV,FDTFFV,HDTFFV,IDTFFV,KDTFFV,MDTFFV,NDTFFV,QDTFFV,RDTFFV,SDTFFV,TDTFFV,VDTFFV,LATFFV,LETFFV,LITFFV,LVTFFV,LWTFFV,LYTFFV,LDCFFV,LDMFFV,LDNFFV,LDPFFV,LDRFFV,LDSFFV,LDWFFV,LDYFFV,LDTIFV,LDTMFV,LDTNFV,LDTPFV,LDTTFV,LDTFQV,LDTFFF,LDTFFG,LDTFFL,LDTFFP,LDTFFR,LDTFIV,LDTSFV,LDTFAV,LDTFCV,LDTQFV,LDTLFV,LTTFFV,LDTFFI,LDHFFV,LMTFFV,LDTFEV,LDTFWV,LFTFFV,LDVFFV,LDTFRV,LDTFHV,LDTYFV,LPTFFV,PDTFFV,LDTFPV,LDTFNV,LDTWFV,LDTGFV,LDAFFV,LQTFFV,LCTFFV,LSTFFV,YDTFFV,LDEFFV,WDTFFV,LDTKFV,LDTCFV,LDTFYV,LDTHFV,LHTFFV,LRTFFV,LDLFFV,LDTRFV,LLTFFV,LDTFDV,LDTFFA,LDTFFT,LNTFFV,LDDFFV,LDIFFV,LDFFFV,LKTFFV,LDTFFQ,LGTFFV,LDTFFC,LDKFFV,LDTFKV,LDTEFV,LDTFFW,LDTFFM,LDTFFS,LDTFFH,LDTFFY,LDTFFN,LDTDFV,LDTFFE,LDTFFD,LTFFV,LDTFF,TFFV,LDF,LDTE,FFV,LDV,LVもしくはLであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X802は任意選択の配列であり、LSLFT,VSLFT,LQLFT,LMLFT,LTLFT,LHLFT,LSQFT,LSVFT,LSMFT,LSLMT,LSLQT,LSLHT,LSLNT,LSLPT,LSLST,LSLGT,LSLAT,LSLRT,LSLFN,LSLFP,LSLFR,LGLFT,ASLFT,FSLFT,GSLFT,ISLFT,MSLFT,NSLFT,PSLFT,QSLFT,RSLFT,SSLFT,TSLFT,YSLFT,LNLFT,LSAFT,LSHFT,LSIFT,LSNFT,LSRFT,LSSFT,LSTFT,LSWFT,LSLCT,LSLIT,LSLLT,LSLTT,LSLVT,LSLWT,LSLFF,LSLFG,LSLFH,LSLFI,LSLFL,LSLFM,LSLFS,LSLFV,LSLFW,LYLFT,LVLFT,LSFFT,LSGFT,LSKFT,LSCFT,LCLFT,LRLFT,LPLFT,LWLFT,LKLFT,LDLFT,LSYFT,LALFT,WSLFT,LSLFA,LSLFQ,LSPFT,HSLFT,LSLYT,LILFT,KSLFT,CSLFT,LSLFY,LSLFK,LSLFC,LFLFT,LELFT,LSLKT,LLLFT,LSLFD,LSLDT,LSLFE,DSLFT,LSLET,LSDFT,LSEFT,ESLFT,SLFT,LSFT,LFT,LSL,LTもしくはTであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、X803は任意選択の配列であり、R,F,K,N,R,TもしくはYであってもよく、存在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、前記式(VIII)を含む単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,320,340,360,380,400,450,500,550,600,650,700,750,800,850,900,950,1000,1050,もしくは1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態では、免疫細胞と、式(IX)を含む、または該配列からなる、または本質的に該配列からなるペプチドを含む阻害剤とを接触させる。したがって、いくつかの実施形態において、前記ペプチド阻害剤は、式(IX):X901X902X903X904X905X906X907X908X909X910X911X912X913X914X915X916X917,のペプチドを含み、式中、X901は任意のアミノ酸であるかまたは存在せず;X902は正に荷電したアミノ酸、F、またはNであり;X903は任意のアミノ酸であり;X904は任意のアミノ酸であり;X905は、非荷電極性アミノ酸、R、Y、またはWであり;X906は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X907は疎水性または非荷電極性アミノ酸であり;X908は、MでもFでもない疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸であり;X909は正に荷電したアミノ酸、T、Q、またはYであり;X910は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X911は非荷電極性アミノ酸またはHであり;X912は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X913は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X914は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X915は負に荷電したアミノ酸,Y,またはQであり;X916は負に荷電していない任意のアミノ酸であり;X917は正に荷電した1以上のアミノ酸であるかまたは存在しない。X901は正に荷電したアミノ酸を含んでもよい。X901はRまたはKであってもよい。X917はRRであってもよい。いくつかの実施形態において、式(IX)を含む前記単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。
いくつかの実施形態では、免疫細胞と、表5.1に記載の任意の1以上のペプチドを含む、または該ペプチドからなる、または本質的に該ペプチドからなるペプチド阻害剤を含む、または該ペプチド阻害剤からなる、または本質的に該ペプチド阻害剤からなる阻害剤とを接触させる。いくつかの実施形態において、これらの方法に使用される表5.1に記載の単離されたペプチドの長さは、1100アミノ酸長以下、たとえば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、320、340、360、380、400、450、500、550、600、650、700、750、800、900、950、1000、1050または1100アミノ酸長以下であり、列記した任意の2つの値の間の範囲も包含される。いくつかの実施形態では、免疫細胞の反応が検出される。いくつかの実施形態では、IL−2の刺激に対する反応が検出される(実施例2参照)。いくつかの実施形態では、T細胞刺激が検出される(実施例3参照)。いくつかの実施形態では、NK細胞の細胞傷害性が分析される(実施例4参照)。いくつかの実施形態では、白血球の伸展が検出される(実施例5参照)。いくつかの実施形態では、LFA−1受容体のブロック解除が検出される(実施例6参照)。いくつかの実施形態では、P28Rの腫瘍への結合が実証されうる。いくつかの実施形態ではP3028(配列番号:185)のIL−2受容体への結合が検出される(実施例8参照)。いくつかの実施形態では、免疫細胞による、たとえば免疫細胞刺激への応答として起こるMTS変換が検出される(実施例31〜32参照)。いくつかの実施形態では、免疫細胞による、たとえば免疫細胞刺激への応答として起こるBUdRの取込みが検出される(実施例31〜32参照)。何人かの患者は、前記阻害剤への応答としていくつかの同じ免疫細胞反応を示すものの、同じ阻害剤への応答としての別の免疫細胞反応は示さないことが予想される(実施例31〜32ならびに図34、37、および38参照;P28Rが、ある患者においてはIL−2に誘導されるBrdU取込み刺激およびMTS変換を増進したが、別の患者においてはBrdUを増進したもののMTS変換は増進しなかったことがわかる)。したがって、いくつかの実施形態は、本明細書に記載する免疫細胞反応の2以上を検出することを含む。2以上の免疫細胞反応を検出することで、第1の反応は起こすが第2の反応は起こさないであろう患者を特定することができるため、どの阻害剤または阻害剤の組合せを適用すべきであるか、また必要のある患者にさらなる治療を行うべきか否かというような臨床決定の指針として有用でありうる。いくつかの実施形態において、CD69やCD71発現の増加によって証拠付けられる免疫細胞の活性化または刺激、インターフェロンγまたはIL−12産生によって証拠付けられるシグナル物質の分泌の誘導、またはグランザイムBもしくはパーフォリンによって証拠付けられる細胞溶解物質の放出の刺激の検出が行われる。いくつかの実施形態において、免疫細胞の活性化または刺激の検出は、細胞傷害性、サイトカイン産生、細胞遊走、および/または細胞増殖のうち1以上の亢進を検出することを含む。
いくつかの実施形態では、必要のある患者のための該阻害剤の有効量の決定が行われてもよい。いくつかの実施形態では、患者の細胞を前記阻害剤に2回以上インビトロで接触させ、免疫反応を起こさせる。図33A、33B、および34に示すように、P28Rは、たとえばミトコンドリア代謝に対して、用量依存的な免疫調節効果を有しうる(実施例28および29参照)。
図34に示すように、がん患者の免疫細胞に対し、P28R(配列番号:2)を増量しながらインビトロで投与した。P28Rを20μg/mlで投与すると、P28Rを40μg/mlで投与した場合と比べてMTS変換は顕著に高かった。したがって、当業者には理解されることであるが、いくつかの実施形態は、ある患者の細胞に有効な阻害剤の投与量をインビトロで決定し、次いで該阻害剤の適切な投与量を患者に供給することを含む。
材料および方法
特に記載がない限り、以下の実施例では以下の材料および/または方法を適宜使用した。
ヒト血清
ヒト血清は、添加剤を加えずに血清採取管(バキュテイナ、ベクトン・ディッキンソン、ニュージャージー州フランクリンレイクス)に採取し、これと同時にPBMC単離用の血液試料も採取した。血清は56℃で30分間加熱して不活性化した。
PBMCの単離
PBMCを単離するため、抗凝血剤として酸性クエン酸−デキストロース溶液Aを含有するガラス製真空管(バキュテイナ、ベクトン・ディッキンソン、ニュージャージー州フランクリンレイクス)を使用して、健常ボランティアまたはがん患者から静脈血を採取した。2%デキストランT500(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社、スウェーデン、ウプサラ)の0.9%NaCl溶液中で沈降させることによって赤血球を除去した(PHA刺激による培養(後述)ではこの工程は省略した)。次いで、Ficoll−Paque Plus(GEヘルスケア バイオサイエンス社、スウェーデン、ウプサラ)を使用した密度勾配遠心分離によってPBMCを単離し、2%ヒト血清アルブミン(HSA)(ファルマシア&アップジョン、スウェーデン、ストックホルム)を加えたRPMI1640 Dutch改変培地(Gibco、インビトロジェン社、スウェーデン、ストックホルム)(RPMI/2%HSA)でPBMCを2回洗浄した。PHA刺激による細胞培養では、RPMI/2%HSAの代わりに10%自己由来血漿を加えたハンクス平衡塩類溶液(HBSS)でPBMCを洗浄した。細胞生存率は0.05%トリパンブルー排除法で評価し、常に95%を超える生存率が示された。細胞懸濁液をチュルク液で染色し、PBMC調製物中のリンパ球数および単球数を血球計でカウントした。PBMCをRPMI/2%HSA中に懸濁し、リンパ球濃度を5×105個/mlに調整した。
非コーティング培養プレートおよびコーティング培養プレートにおけるIL−2の誘導によるPBMCの増殖
HSAまたはHSA/IgGによる培養プレートのプレコーティング
96ウェル丸底組織培養プレート(Costar、コーニング社、米国ニューヨーク州)をHSAのみ、またはHSAおよび静脈内注射用ヒトIgGプール(ガンマ線照射済み、バクスター社、デンマーク)でプレコーティングした。すなわち、添加物を加えていないRPMI1640でHSAを10mg/mlに希釈した。いくつかの実験では、1mg/mlのIgGを9mg/ml HSAのRPMI溶液に混合した(HSA/IgG)。次いで、HSAまたはHSA/IgG 200μlをプレートの各ウェルに加えた。プレートを4℃で30分間インキュベートし、各ウェルをRPMI1640 200μlで2回洗浄した。コーティングしたプレートは直ちに使用した。
200IU/mlペニシリン、200μl/mlストレプトマイシン、4mM L−グルタミン(いずれもシグマケミカル社(米国ミズーリ州)から入手)および20%加熱不活性化ヒト血清(自己由来またはがん患者由来)を添加したRPMI1640 100μlを、非コーティング組織培養マイクロタイタープレートまたはHSAもしくはHSA/IgGでコーティングした組織培養マイクロタイタープレートに加えた。健常者または転移性腎細胞がん患者から単離したPBMCをRPMI/2%HSAで5×105個/mlに希釈し、そのうち100μlをマイクロタイターの各ウェルに加えた。インターロイキン2(IL−2、Proleukin、Chiron社、オランダ)を最終濃度120IU/ウェルでいくつかのウェルに加えた。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で7日間培養した。培養終了の18時間前に、1.6μCi/ウェルの[3H]−チミジン(アマシャム社、英国)の取り込みを測定することにより、増殖を分析した。三重測定した各ウェルのdpm(壊変毎分)の平均値を計算に使用した。
アルブミンペプチドの存在下におけるインターロイキン2(IL−2)の誘導によるPBMCの増殖
10μg/mlの所定のアルブミンペプチドとともにPBMCを室温で30分間プレインキュベートしたこと以外は上記と同様にして、IL−2誘導性増殖のための培養系を健常ドナー由来PBMCまたは自己血清由来PBMCを用いて構築した。
コーティング組織培養プレートまたは非コーティング組織培養プレートにおけるアルブミンペプチドの存在下でのインターロイキン2(IL−2)の誘導によるPBMCの増殖
以下のようにして、96ウェル丸底組織培養プレート(Costar、コーニング社、米国ニューヨーク州)をHSAのみ、またはHSAおよび静脈内注射用ヒトIgGプール(ガンマ線照射済み、バクスター社、デンマーク)でプレコーティングした。すなわち、添加物を加えていないRPMI1640でHSAを10mg/mlに希釈した。さらに、1mg/mlのIgGを9mg/ml HSAのRPMI溶液に加えた混合物(HSA/IgG)も調製した。次いで、HSAまたはHSA/IgG200μlをプレートの各ウェルに加えた。プレートを4℃で30分間インキュベートし、各ウェルをRPMI1640 200μlで2回洗浄した。コーティングしたプレートは直ちに使用した。200IU/mlペニシリン、200μl/mlストレプトマイシン、4mM L−グルタミン(いずれもシグマケミカル社(米国ミズーリ州)から入手)および20%加熱不活性化ヒト血清(自己由来)を添加したRPMI1640 100μlを、HSAまたはHSA/IgGでコーティングした組織培養マイクロタイタープレートの各ウェルに加えた。健常者から単離したPBMCをRPMI/2%HSAで希釈し、ペプチドを10μg/mlの濃度で細胞懸濁液に直接加えた。次いで、この細胞懸濁液100μl(5×104個のリンパ球)を各ウェルに加え、各ウェルのペプチドの最終濃度を5μg/mlとした。IL−2(Proleukin、Chiron社、オランダ)を最終濃度120IU/ウェルで各ウェルに加えた。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で7日間培養した。培養終了の18時間前に、1.6μCi/ウェルの[3H]−チミジン(アマシャム社、英国)の取り込みを測定することにより、増殖を分析した。三重測定した各ウェルのdpm(壊変毎分)の平均値を計算に使用した。
アルブミンペプチド
合成アルブミンペプチドはCSBio社(カリフォルニア州メンローパーク)でカスタム調製した。ペプチドは95%を超える純度であったことをHPLCで確認した。ペプチドを−20℃で凍結乾燥して保存した。ペプチドをELISAに使用する場合は滅菌H2O(シグマ)で再構築し、細胞培養実験に使用する場合はRPMI1640(Gibco)で再構築した。細胞培養実験に使用する前に、0.22μmのシリンジフィルタ(ミリポア社)で濾過してペプチドを滅菌した。
ヒトアルブミンへのマウス抗体の結合を検出するためのELISA
PBS中に様々な濃度で希釈したdHSA 100μl、または同じ濃度に希釈したアルブミン対照試料を使用して、Hibindingマイクロタイタープレート(Costar 2592、コーニング社、米国ニューヨーク州)の各ウェルを二連でコーティングした。プレートを室温で一晩インキュベートした。次いで、PBS(シグマ)中0.05%Tween−20からなる洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、PBSで調製した0.1%ウシ皮膚由来ゼラチン(シグマ)200μlで各ウェルを25℃で1時間ブロッキングし、洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄した。変性ヒトアルブミンに特異的な2種のマウスモノクローナル抗体(IgG1)(抗dAbclh040801または抗dAlbclh040809)(1μg/ml)をそれぞれ別々に、ELISA試薬希釈液(0.01%ゼラチン(シグマ)および0.05%Tween−20(シグマ)の20mM Tris緩衝食塩水(TBS、シグマ)溶液)に加えた。各抗体を25℃で1.5時間インキュベートし、洗浄した。ELISA試薬希釈液で1/5〜1/10に希釈したEnvision−HRP(DakoCytomation Norden A/S、Glostrup、デンマーク)を加え、25℃で30分間インキュベートし、洗浄した。最後に、H2O2およびテトラメチルベンジジンからなる基質溶液(R&D Systems Europe, Ltd、英国アビンドン)を加えた。1M H2SO4で反応を止め、Multiscan EXマイクロプレートリーダー(Labsystems)を使用して、450nmおよび570nmの二波長における吸光度(Ab)として光学濃度を測定した。
ウサギ抗3028抗血清を用いたELISA
P3028(10μg/ml)、変性HSA(denHSA、4.5μg/ml)または対照HSA試料(4.5μg/ml)100μlを使用して、Hi−bindingマイクロタイタープレート(Costar 2592、コーニング社、米国ニューヨーク州)の各ウェルを二連でコーティングした。上記コーティング試薬はいずれもPBSで希釈し、室温で一晩インキュベートした。次いで、PBS(シグマ)中0.05%Tween−20からなる洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、PBSで調製した0.5%ウシ皮膚由来ゼラチン(シグマ)200μlで各ウェルを25℃で1時間ブロッキングし、洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄した。ELISA試薬希釈液(0.01%ゼラチンおよび0.05%Tween−20を含むPBS溶液)で1/1000 000に希釈したウサギ免疫前血清またはウサギ抗3028血清を加え、25℃で1時間インキュベートし、洗浄した。ELISA試薬希釈液で1/5に希釈したビオチン化ウマ抗ウサギ/マウスIgG(Vectastain ELITE、Vetor Laboratories Inc.、米国カリフォルニア州)を加え、プレートを25℃で1時間インキュベートし、洗浄した。次いで、HRP標識ストレプトアビジン(R&D systems Europe,Ltd.、英国)を加えた。洗浄緩衝液で洗浄後、最後に、H2O2およびテトラメチルベンジジンからなる基質溶液(R&D Systems Europe, Ltd.)を加えた。1M H2SO4で反応を止め、Multiscan EXマイクロプレートリーダー(Labsystems)を使用して、450nmおよび570nmの二波長における吸光度(A)として光学濃度を測定した。
統計的考察
様々な患者群の平均値または様々な試験における平均値の比較はunpaired t−testを使用して行った。無増悪期間および生存期間はカプラン・マイヤー法およびログランク検定を使用して分析した。
様々な群または様々な試験におけるPHAに応答した増殖反応の比較は、三重測定したウェルのdpmの対数平均値に対してunpaired t−testを実施することによって行った。PHA刺激PBMCの増殖反応に対するCHL添加の効果を決定するため、下記式に準じて調節率(MI)を算出した。
MI = log (dpm PHA + drug/dpm PHA)
実施例1:免疫抑制活性を有する血清ペプチド
免疫調節ペプチドの同定
人工細胞表面(ACS)は、PBMCの細胞表面構造を選択的にビオチン化し、このPBMCを溶解して得られたビオチン化タンパク質をストレプトアビジンカラムに結合させることにより調製した(ACSの詳細については実施例17を参照されたい)。トリプシン処理によって得られたペプチド混合物をACSに吸着させ、MALDI TOF MS技術を使用して、吸着したペプチド溶液と吸着しなかったペプチド溶液を比較することにより結合したペプチドを同定した。これらのペプチドの結合の程度、およびこれらのペプチドと既に同定されている免疫調節構造との空間的関係に基づき、新規ペプチドを4つ選択して合成し、これらのペプチドが有する免疫調節活性を調査し、主としてIL−2応答性増殖反応に対するこれらのペプチドの作用について評価した。これらのペプチドのうち、P3028(配列番号:185)は様々な免疫抑制活性を有することが分かった。
悪性腫瘍におけるP3028エピトープの発現
P3028に対するウサギポリクローナル抗体を複数作製し、それぞれアフィニティー精製した(実施例9参照)。腫瘍細胞におけるP3028の局在を決定するため、抗P3028ウサギポリクローナル抗体を使用して悪性転移巣の切片を免疫染色した。組織切片は、がん患者から生検で得た組織をホルマリンで固定することによって作製した。切片を脱パラフィンし、染色の前に、0.01M Hepesを添加したハンクス平衡塩類溶液(BSS、Gibco BRL)中の10%正常ヒトAB型血清で1時間ブロッキングした。2%AB型血清および0.1g/mlサポニンを含むBSSで希釈した10μg/mlアフィニティー精製ウサギ抗P3028で切片を30分間染色した。0.1g/mlサポニンを含むBSSで洗浄後、マウスIgおよびウサギIgに特異的なUltravison Oneアルカリホスファターゼポリマー(Lab Vision社、米国カリフォルニア州)を加えた。0.1g/mlサポニンを含むBSSで切片を洗浄して過剰なポリマーを除去した。ナフトールホスフェート基質およびliquid Fast Red chromogen(Lab Vision社)を使用して、結合したポリマー複合体を検出した。マイヤーのヘマトキシリンで切片を対比染色し、Glycergelで封入した。図1に示すように、抗P3028抗体が結合した構造(図中1)がヒト悪性腫瘍(たとえば悪性黒色腫、腎細胞がん、大腸がん)において広く発現されている。
P3028構造の存在を検出するため、悪性黒色腫転移巣の抽出物のウエスタンブロットを行った。ウエスタンブロットは標準的な技術を使用して行い、P3028構造はP3028に対するアフィニティー精製ウサギポリクローナル抗体を使用して検出した(実施例9参照)。悪性黒色腫転移巣由来の腫瘍抽出物におけるP3028構造は、スクリーニングされた4人の患者から得た7つの転移巣の7つの抽出物において同定された(図2参照)。P3028ペプチドはすべての患者において検出された。また、P3028構造は完全長アルブミン中に存在していた。さらに、この構造は分子量の大きな分子中に見られた。これらの結果は、P3028構造がタンパク質分解による断片化だけでなく変性によっても生成されうることと一致する。
血清中におけるP3028構造の存在
アフィニティー精製した抗体を使用したサンドイッチELISAを実施することにより、ヒト血清中においてP3028構造を露出する物質を測定した。すなわち、ヒト血清中においてP3028構造が検出可能であるかどうかを確認した。
血清中においてP3028エピトープを露出するアルブミンの検出は、サンドイッチELISAを使用して以下のように行った。ヒトアルブミンP3028に特異的なアフィニティー精製ポリクローナルウサギ抗血清でタンパク高結合ELISAマイクロウェルをコーティングした(捕捉抗体;実施例9参照)。1%加熱不活性化血清溶液(5つの健常対照試料の血清プール、1つの健常対照血清試料、およびがん患者から得た2つの血清に由来)に段階的に濃度を上げたP3028を添加し、得られた混合物を各ウェルに加えた。洗浄後、ビオチン化マウス抗ヒトアルブミンモノクローナル抗体を加え、結合した抗体の量をHRP標識ストレプトアビジンおよびTMBクロモゲン基質で検出した(図3には2つの実験のうち代表的なものを1つ示す)。
P3028構造の量は、捕捉抗体への血清中P3028構造の結合を50%抑制するP3028の量として決定された(図3参照)。血清中濃度は、5つの健常対照試料由来の血清プール、1つの健常対照血清試料およびがん患者から得た2つの血清におけるP3028同等物として、1.2〜1.6μg/mlの範囲であることが分かった。アルブミンの分子量はP3028の約35倍であることから、血清中のこれらのP3028物質の量はこの範囲よりもかなり多い可能性がある。P3028物質のエピトープ特異的反応性はこの実施例の方法を使用して正確に測定された。
実施例2:IL−2誘導性増殖に対するACS同定ペプチドの作用
がん患者における免疫抑制のヒトエクスビボモデル
インターロイキン2(IL−2)は、免疫反応の開始および活性化に主要な役割を果たし、リンホカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)、ならびにT細胞の増殖および細胞傷害性を誘導する能力を有する。これを踏まえ、IL−2による免疫細胞の刺激を模したヒトエクスビボモデルを構築した。このモデルは、P3028などの免疫系調節因子およびその阻害剤の効果を調査するのに有用であった。
このモデルは、健常献血ドナー(対照試料)またはがん患者からの静脈血試料から単離したPBMCを含んでいた。培地100pl(200IU/mlペニシリン、200μg/mlストレプトマイシン、4mM L−グルタミン(いずれもシグマケミカル社(米国ミズーリ州)から入手)および20%加熱不活性化ヒト血清を添加したRPMI 1640 Dutch改変培地(Gibco、インビトロジェン社、スウェーデン、ストックホルム))を96ウェル丸底組織培養プレート(Costar、コーニング社、米国ニューヨーク州)に加えた。次いで、RPMI/2%HSAに懸濁したPBMC100μl(リンパ球5×104個)を各ウェルに加え、IL−2(Proleukin、Chiron社、オランダ)を最終濃度120IU/ウェルで加えた。IL−2を添加していない対照試料ウェルの測定も平行して行った。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で7日間培養した。培養終了の18〜24時間前に、1.6pCi/ウェルの[3H]−チミジン(アマシャム社、英国)の取り込みを測定することにより、細胞増殖を分析した。三重測定した各ウェルのdpm(壊変毎分)の平均値を計算に使用した。
10%自己血清中で培養した健常対照試料由来PBMCおよび腎細胞がん(RCC)患者由来PBMCのIL−2誘導性増殖は、このモデルを使用して調査した。評価結果を図4に示す。腎がん患者血清中で培養したPBMCにおけるIL−2誘導性増殖は、健常対照試料と比較して有意に低下した(p<0.0002)。
エクスビボモデルにおけるIL−2に対する応答性と腎細胞がん患者の全生存期間との相関性
このモデルのIL−2に対する応答性と、腎細胞がん患者の全生存期間との間には相関性が見られることが示された。インターロイキン2に応答したPBMC増殖反応に基づく全生存期間の分析対象に含まれていた患者は、全身性転移性腎細胞がんであると診断された。これらの患者は事前に治療を受けておらず、インターロイキン2(Proleukin、Chiron社、オランダ)による治療を受ける予定であった。血液試料は治療の開始前に採取された。生存曲線はカプラン・マイヤー法を使用してプロットし、サブグループ間の無増悪期間および生存期間の比較はログランク検定を使用して行った。さらに、LPSの刺激によるIL−6産生レベルの予後に対する影響もCox回帰を使用して算出した。
図5は、IL−2応答性増殖反応に基づく腎細胞がん患者のカプラン・マイヤー分析を示す。患者は増殖反応に応じて、>30,000dpm(図中52)、15,000〜30,000dpm(図中54)または<15,000dpm(図中56)に分類した。ログランク検定を行ったところ、患者の全生存期間と増殖反応には相関性が見られた(p=0.0042)。図5に示すように、エクスビボモデルにおいて自己血清中PBMCのIL−2誘導性増殖が最も低かった患者(図中56)は、全生存期間も最も低かった。したがって、増殖率が低いと生存率も低いと言える。
IL−2誘導性増殖に対する様々なペプチドの作用
IL−2誘導性増殖に対する様々なペプチドの作用は、健常対照試料由来PBMCを使用したヒトエクスビボモデルにおいて分析した。IL−2(20U/ml)および様々なペプチドの存在下でPBMCを7日間培養した。ペプチドを加えなかった対照試料も分析した(図中「None」)。増殖は、培養終了の18時間前に3H−チミジンの取り込みとして測定した。使用したペプチドは、P3026(配列番号:183)、P3027(配列番号:184)、P3028(配列番号:185)およびP3029(配列番号:186)であった。これらのペプチドうち、P3028はIL−2誘導性増殖を常に抑制したが(対照試料と比較してp<0.0006;n=17)、人工細胞表面への結合が同定された他のペプチドはいずれも抑制活性を有さなかった。(P3026、P3027、P3029はn=4または5)。図6は、4種のペプチドの作用の分析を示す。
さらに、ヒトエクスビボモデルにおいて使用したがん患者由来PBMCにおいても、IL−2応答性増殖反応のP3028による抑制が示された。がん患者のPBMCを使用してIL−2による刺激のエクスビボモデルを構築し、IL−2による刺激をP3028の存在下または非存在下で比較した。図7に示すように、IL−2誘導性増殖に対するP3028の抑制活性は、がん患者由来PBMCを含む培養でも発揮することができ、IL−2に対する応答が既に抑制されていた場合でもP3028の抑制活性が示された(図7参照)。
実施例3:T細胞受容体刺激に対するP3028の作用
T細胞受容体刺激に対するP3028の作用を試験するため、酸性クエン酸−デキストロースAを含む50ml輸液袋中の健常対照試料からPBMC単離用血液を得た。2mM EDTA含有PBSで全血を1:1に希釈した。Ficoll−Paque Plus(GEヘルスケア バイオサイエンス社、スウェーデン)を使用した密度勾配遠心分離によってPBMCを単離した後、PBMCを2mM EDTA含有PBSで洗浄し、次いでリンパ球培養用培地で洗浄した。細胞生存率は0.02%トリパンブルー排除法で評価し、常に95%を超える生存率が示された。細胞懸濁液を血球計でカウントした。血清非含有培地中にPBMCを懸濁し、増殖アッセイ用としてリンパ球濃度を1×106個/mlに調整し、遊走アッセイ用としてリンパ球濃度を6.4×105個/mlに調整した。リンパ球培養用培地RPMI 1640(インビトロジェン、スウェーデン)には、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(インビトロジェン、スウェーデン)および4mM Gluta−Max(インビトロジェン、スウェーデン)を添加した。CD3により誘導した増殖では、精製抗ヒトCD3抗体(BD Pharmingen、スウェーデン)でプレートをコーティングした。次いで、2.5μg/ml抗体PBS溶液50μlを各ウェルにピペットで加え、1時間インキュベートした。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で4日間、5日間または7日間培養した。細胞増殖は、培養終了の4時間前において、ミトコンドリア活性試験CellTiter 96(登録商標)AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay(MTS、プロメガ、スウェーデン)で分析した。MTS溶液10μlを各ウェルに加え、37℃で4時間インキュベートした後に測定を行った。reference dyeの測定値を各ウェルから差し引いた。ペプチド溶液は、ペプチド3028、ペプチドSCF28R、ペプチド28209またはペプチドSCF27(Schafer−N、デンマーク、コペンハーゲン)をそれぞれリンパ球培養用培地に25μg/mlの濃度で溶解することによって調製した。培地中の最終濃度は5μg/mlまたは10μg/mlであった。
抗CD3モノクローナル抗体でプレコーティングしたプレートで培養することによってT細胞を刺激し、3〜7日間培養した後、MTS染色を使用して代謝が活発な細胞(すなわち増殖細胞)の数を測定した。固相CD3モノクローナル抗体の検出をT細胞増殖の測定値として使用した。図8は、4人の健常者由来PBMCを使用したTCR刺激リンパ球増殖に対するP3028の作用を示す。各健常者由来試料において、リンパ球の増殖は、刺激の非存在下(図中82)、IL−2による刺激(図中84)、P3028による処理のみ(図中86)およびIL−2による刺激とP3028との組合せ(図中88)で測定した。図8の棒グラフの各棒は各試料とも同じ順序で並んでいる。
図8から明らかのように、P3028は、4つの実験のうち少なくとも3つにおいて抑制作用を有していた(p<0.001)。P3028によって引き起こされたMTS染色の低下が細胞の代謝の低下によるものであったとは考えにくい。しかし、上記リンパ球増殖モデル両方の結果を考え合わせると、代謝の低下によって相応に内因性のチミジンプールが減少し、その結果、外因性チミジンの取り込みの増加およびそれによるチミジンプールの比活性の増加が起こり、これが、増殖の増加として誤って記録されたのではないかと考えられる。これらの実験では実際には3H−TdRは減少し、増殖の抑制が示された。
実施例4:NK細胞の細胞傷害性に対するP3028の作用
4人の健常ドナーから得た血中単核細胞に含まれるNK細胞の細胞傷害活性を試験した。標準的なFicoll−paque Plus(ファルマシア社、スウェーデン)を使用した密度勾配遠心分離によって、健常ドナー由来ヘパリン添加血液から単球を分離した。市販キット(NKTEST、Orpegen Pharma GmblI、ドイツ、ハイデルベルク)をメーカーのプロトコルに従って使用することにより、単球集団に含まれるNK細胞の細胞傷害活性を試験した。すなわち、このキットには、エフェクター細胞と標的細胞との識別を可能にする脂溶性緑色蛍光膜色素で標識されたNK感受性標的細胞(K562)が凍結保存されたものが含まれている。該標的細胞をエフェクター細胞とともにインキュベーションした後、死滅した標的細胞の核に浸透してこれを特異的に染色するDNA染色によって、殺傷された標的細胞を同定する。このようにして、殺傷された標的細胞のパーセンテージをフローサイトメトリーによって測定することができる。上記の単球を、10μg/mlの所定の種々のペプチド(上記で説明したペプチド)とともに37℃で30分間プレインキュベートした。次いで、エフェクター細胞と標的細胞の比率が40:1となるように標的細胞を加え、得られた細胞混合物を37℃で3〜4時間インキュベートした。試料をFACSCalibur(BDバイオサイエンス、カリフォルニア州、サンノゼ)で分析した。
図9Aおよび図9Bは、NK細胞の細胞傷害性に対するアルブミンペプチドの作用を示す(p=0.015、paired t−test、正規化対数値)。図9Aおよび図9Bに示すように、P3028の存在下では4人の各ドナー由来の単球によるK562標的細胞の特異的溶解率(%)はすべて低下し、ペプチド3026の存在下でもその程度は小さいものの溶解率が低下した。P3028とは構造的関連性のない対照試料であるペプチド3027の存在下では抑制は見られなかった。この短期培養においてはIL−2を加えなかったことから、このモデルにおけるNK細胞の細胞傷害性の抑制は、P3028がIL−2活性に作用を及ぼしたことによるものではなかった。
実施例5:白血球の伸展および免疫細胞の遊走に対するP3028の作用
正常に機能している免疫系では、免疫細胞は組織に動員され、組織内に遊走する。P3028の作用を、白血球の伸展および免疫細胞の遊走からなる2つの機能テストで調査した。
白血球の伸展
白血球の伸展に対するP3028の作用を分析するため、デキストランを用いた沈降によってヘパリン添加血液からバフィーコート細胞を調製した。この細胞をPBSで2回洗浄し、70%エタノールおよび96%エタノールで洗浄したスライドに載せた。スライド上に滴下した細胞懸濁液を10μg/mlのP3028の存在下または非存在下において湿潤箱中で15分間インキュベートした。スライド上の溶液を注意深く取り除き、スライドを空気乾燥し、メイ・グリュンワルド・ギムザで1分間染色した。図10Aに示すように、細胞はガラス表面に強く接着し、広く伸展した。細胞をP3028で前処理すると、白血球の伸展が効率的に抑制された(図10B参照)。
免疫細胞の遊走
酸性クエン酸−デキストロースAを含む50ml輸液袋中の健常対照試料からPBMC単離用血液を得た。2mM EDTA含有PBSで全血を1:1に希釈した。Ficoll−Paque Plus(GEヘルスケア バイオサイエンス社、スウェーデン)を使用した密度勾配遠心分離によってPBMCを単離した後、PBMCを2mM EDTA含有PBSで洗浄し、次いでリンパ球培養用培地で洗浄した。細胞生存率は0.02%トリパンブルー排除法で評価し、常に95%を超える生存率が示された。細胞懸濁液を血球計でカウントした。血清非含有培地中にPBMCを懸濁し、増殖アッセイ用としてリンパ球濃度を1×106個/mlに調整し、遊走アッセイ用としてリンパ球濃度を6.4×105個/mlに調整した。リンパ球培養用培地RPMI 1640(インビトロジェン、スウェーデン)には、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(インビトロジェン、スウェーデン)および4mM Gluta−Max(インビトロジェン、スウェーデン)を添加した。CD3により誘導した増殖では、精製抗ヒトCD3抗体(BD Pharmingen、スウェーデン)でプレートをコーティングした。次いで、2.5μg/ml抗体PBS溶液50μlを各ウェルにピペットで加え、1時間インキュベートした。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で4日間、5日間または7日間培養した。細胞増殖は、培養終了の4時間前において、ミトコンドリア活性試験CellTiter 96(登録商標)AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay(プロメガ、スウェーデン)で分析した。MTS溶液10μlを各ウェルに加え、37℃で4時間インキュベートした後に測定を行った。reference dyeの測定値を各ウェルから差し引いた。ペプチド溶液は、ペプチド3028、ペプチドSCF28R、ペプチド28209またはペプチドSCF27(Schafer−N、デンマーク、コペンハーゲン)をリンパ球培養用培地に25μg/mlの濃度で溶解することによって調製した。培地中の最終濃度は5μg/mlまたは10μg/mlであった。
上記で希釈して調製した6.4×105個のPBMCを含む懸濁液50μlをピペットでエッペンドルフチューブに移し、400gで5分間遠心分離した。ブランク、P3028および種々の抑制因子をそれぞれ希釈して調製した各溶液を加えた。これらの被験物質とともにPBMCを37℃で1時間インキュベートした。これと同時に、Boyden Chamberの下層ウェルにfMLP非含有培地または1×10−8M fMLP含有培地25μlをピペットで加えてBoyden Chamberを準備した。次いで、チャンバーの上層ウェルに、上記PBMC50μlを最終濃度3.2×104個で加えた。37℃で1時間かけてPBMCを遊走させた。フィルターを取り除き、70%エタノール中で一晩保存した。その後、濃度を段階的に上げたアルコールでフィルターを脱水し、最後にキシレン中に浸した。フィルターをスライドに載せ、封入し、マイクロスケールを備えた顕微鏡で細胞をカウントした。試験はそれぞれ二重測定で行い、遊走は、fMLPを加えなかったブランクの二重測定の平均値に対する割合(%)として算出した。図11に示すように、P3028は、Boyden chamberのメンブレンを通り抜ける免疫細胞遊走に対する強力な抑制因子である(p<0.002)。図11において、健常対照試料(N=6)の遊走は黒色の棒(左)で示し、がん患者(N=3)の遊走は白色の棒(右)で示す。図11においてエラーバーは95%の信頼区間を示す。P3028は、健常者細胞由来PBMCおよびがん患者由来PBMCの遊走を抑制した。
実施例6:IL−2誘導性増殖に対するP3028の作用のさらなる特性評価
P3028のC末端部分およびN末端部分を合成し、それぞれ別々または組み合わせて分析した。P3028のこれら2つの部分の抑制活性は、単独でも組み合わせてもP3028よりもはるかに弱く(図12参照)、ヒトのエクスビボモデルにおいてIL−2誘導性増殖に対するP3028の作用を阻害するものではない(図13参照)。図12は、IL−2誘導性増殖に対するP3028のC末端部分(P3218)(配列番号:187)およびN末端部分(P3325)(配列番号:186)の作用と完全長P3028の作用との比較を示す。代表的な1つの実験を示す。図13は、IL−2誘導性増殖に対するP3028の抑制作用が、P3028のC末端部分(P3218)および/またはN末端部分(P3325)によって中和されないことを示す。
実施例7:LFA−1へのP3028の結合
免疫細胞化学染色によってPBMC上にβ2−インテグリンが存在することを確認した。また、β2−インテグリンに対するモノクローナル抗体の結合を妨害する因子ががん患者血清中に存在するかどうかを、PBMC上のβ2−インテグリンを染色することにより分析した。アセトン固定、10%ヒトAB型血清によるブロッキング、および抗LFA−1抗体を用いたインキュベーションを含む標準的な免疫組織化学染色法を行った。上記と同様にしてPBMCを分離し、直ちに、Shandonサイトスピン(Shandon Scientific Ltd、英国)を用いて1000rpmで7分間遠心分離することによって、スライド1枚あたり5×104個となるように前洗浄済み顕微鏡用スライド上に塗抹した。塗抹したスライドを室温で一晩放置して乾燥した後、パラフィルムで包み、−70℃で保管した。使用直前に、サイトスピンスライドを解凍し、アセトンで室温にて5分間固定した。染色の1時間前に、アルブミンペプチド(40μg/ml)を加えたもしくは加えていない10%正常ヒトAB型血清、またはがん患者血清でサイトスピンスライドをブロッキングした。次いで、Tris緩衝食塩水(TBS、pH7.6)で1μg/ml(PBMC)に希釈したモノクローナルマウス抗ヒトCD11a(BDバイオサイエンス)からなる一次抗体を加えた。スライドを30分間インキュベートし、TBSで洗浄後、Envisionアルカリホスファターゼ(Dako Norden A/S、デンマーク)またはUltravisionアルカリホスファターゼ(Lab Vision社)とともに30分間インキュベートした。TBSで洗浄後、Fast Red TR salt(シグマ)、naphtol AS−MX(シグマ)および5mM levamisol(シグマ)からなるアルカリホスファターゼ基質中でスライドを20分間インキュベートすることによって内因性アルカリホスファターゼ活性をブロッキングし、TBSで洗浄した。スライドをマイヤーのヘマトキシリンで1分間対比染色し、Glycergel(Dako Norden A/S)で封入した。関連しない抗原(Aspergillus niger由来グルコースオキシダーゼ)に対するモノクローナルマウスIgG1(Dako Norden A/S)を陰性対照試料として使用した。インキュベーションはすべて室温の湿潤箱中で行った。
AB型血清にペプチドを加えて行ったプレインキュベーションは、ペプチドの添加なし(図15A参照)とP3028の添加あり(図15B参照)の条件で行った。この実験において使用した抗LFA−1抗体はIL−2誘導性増殖に対する強力な阻害因子であったことに注目されたい。
図14に示すように、対照血清試料とともにプレインキュベートした調製物ではLFA−1が強く染色されたのに対し(図中3)(図14A参照)、がん患者血清とともにインキュベーションした細胞では染色が低下した(図中5)(図14B参照)。これによって、β2−インテグリン抑制因子の存在が示された。
図15に示すように、がん患者血清を用いた実験結果と類似して、P3028を用いた処理を行うことによって単核血球のLFA−1へのLFA−1抗体の結合を調節することができる。図15は、単核血球への抗LFA−1抗体(mAb)の結合がP3028によって阻害されたことを示す。ペプチドを加えなかった細胞ではLFA−1の強い染色(図中3)が観察されたのに対し(図15A参照)、P3028を加えた細胞ではLFA−1の弱い染色(図中5)が観察された(図15B参照)。
P3028構造によるLFA−1の阻害をさらに示すため、上記インテグリンの染色性について健常対照試料由来PBMCとがん患者由来PBMCとを比較した。図16は、健常対照試料由来PBMC上のLFA−1の染色像(図16A参照)、ならびに抗P3028抗体による処理前(図16B参照)および処理後(図16C参照)のがん患者由来PBMC上のLFA−1の染色像を示す。図16Aに示すように、健常対照試料由来PBMCでは細胞膜がはっきりと染色されたが(図中3)、これに対して、進行がん患者由来PBMCでは弱い染色(図中5)が示された。しかしながら、この患者由来のPBMCをP3028構造に対する抗体とともに24時間インキュベートすると、図中3に示す膜染色が見られ、この抗体がP3028構造に結合してLFA−1のブロックを解除したことが示された(図16C参照)。
同様に、図17に示すように、健常対照試料由来PBMCをP3028またはがん患者由来血清とともにインキュベートすると、LFA−1の膜染色がブロックされた。図17は、抗LFA−1抗体による単核血球染色(A)(図中3)がP3028(B)またはがん患者血清(C)によってブロックされたことを示す(図中5)。
実施例8:IL−2受容体のα鎖(CD25)に対するP3028の結合
P3028はIL−2応答性増殖反応を有意に抑制するため、IL−2受容体(CD25)へのIL−2の結合に対するP3028の作用を調査した。プロテインGをコーティングしたマイクロプレート/ELISAプレートに、CD25とIgG Fc部分との融合タンパク質を結合させ、P3028の存在下または非存在下でビオチン化IL−2とともにプレートをインキュベートした。図18Bは、ビオチン化IL−2の希釈系列(1:300(菱形)、1:600(正方形)、ビオチン化IL−2添加せず(三角形; 図18B参照))のELISA分析の結果を示す。rhuIL−2R αへのビオチン化IL−2の結合は、P3028量の上昇に伴い増加した。驚くべきことに、CD25へのIL−2の結合はP3028によって増強され、IL−2とCD25とP3028との三者間の相互作用が示された(図18B参照)。CD25へのIL−2の結合が増強されても、P3028はIL−2誘導性増殖に対する強力な抑制因子であるため、適切に組み合わさったこの高親和性受容体および/またはシグナル伝達はP3028によってブロックされる。
コンピューター支援分子モデリングを使用することによって、P3028がCD25のIL−2結合部位に結合することが示された(図19参照)。IL−2に結合したIL−2受容体の結晶構造は当技術分野において公知であり(Wang et al., Science 2005, 310(5751): 1159−116、およびStauber et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2006, 103(8): 2788−2793を参照されたい(これらの文献は本明細書の一部を構成するものとしてその全体が援用される))、これを元にP3028の結合をモデル化した。図19は、IL−2受容体のα鎖(CD25)(図中190)のIL−2結合部位(図中194)(B)に結合したP3028(図中192)(A)を示す。IL−2(図中196)も図に示す。
実施例9:P3028に結合する抗体
アルブミンP3028に対するウサギ抗血清を作製した。N末端にシステインを付加してP3028を合成し、担体タンパク質としてのキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に結合させた。KLH結合P3028およびフロイントアジュバントでウサギを繰り返し免疫することによって、ポリクローナル抗血清を作製した。いくつかの実験では、P3028を結合したUltralink Iodoacetyl gel(ピアス・バイオテクノロジー社)上でクロマトグラフィーを行うことによって、抗血清をアフィニティー精製した。細胞培養実験における、RPMI 1640 Dutch改変培地(Gibco、インビトロジェン社、スウェーデン、ストックホルム)への緩衝液の交換は、PD−10 sephadexカラム(アマシャム・バイオサイエンス、スウェーデン、ウプサラ)を通過させ、0.22μm Millexシリンジフィルタ(ミリポア社、米国マサチューセッツ州)を通して濾過滅菌することによって行った。ウサギの免疫化および抗血清の精製はAgrisera社(スウェーデン)において実施した。
ヒト血清または変性ヒト血清アルブミン(dHSA)に対する結合能について、2羽のウサギから得た2種の抗血清(RおよびL)を試験した。治療目的で市販されているヒト血清アルブミンを10回加熱してウイルスを死滅させ、試験に使用した。P3028、dHSA、または対照試料としての処理(変性は行わずに10回加熱)したHSAでウェルをコーティングした。この対照HSAは、変性操作を行わなかったこと以外は変性HSAと同様に調製した。図20に示すように、免疫前の血清はいずれのアルブミンにも結合しなかったが、アルブミンP3028で免疫した2羽のウサギから得た2種の抗血清は、P3028(図中204)またはdHSA(図中206)でコーティングしたプレートに結合し、またその程度は小さいものの、対照試料である処理したHSA(図中208)にも結合した。コーティングなし(図中202)のウェルでは結合は実質的に検出されなかった。したがって、アルブミンP3028に対するウサギ抗血清はdHSAに結合し、その程度は小さいものの、対照試料HSAにも結合した。
P3028フラグメントへのウサギ抗P3028血清の結合は競合ELISAアッセイを使用して分析した。ウサギ抗血清をELISA試薬希釈液で1/1000 000に希釈し、所定の濃度の様々なペプチドとともに室温で1時間プレインキュベートした。モノクローナル抗体単独またはペプチドと混合したモノクローナル抗体100μlをP3028でコーティングしたウェルに加え、ELISAを実施した。この実験では、アルブミンペプチドである2607(配列番号:192)、3218(P3028のC末端)(配列番号:187)、3325(P3028のN末端)(配列番号:186)および完全長P3028(配列番号:185)が、P3028でコーティングしたウェルとウサギ抗P3028血清Lとの結合をどの程度阻害するのかを測定した。E5K構造を含むペプチド2607を陰性対照試料として使用した。図21に示すように、上記の血清抗体はいずれもP3028の3325フラグメントに選択的に結合したが、3218フラグメントには結合しなかった。アフィニティー精製した抗体でも類似した結果が得られる。
IL−2応答性増殖反応に対するアフィニティー精製抗P3028抗体の効果を、免疫抑制されたがん患者および正常対照試料から得たPBMCを使用したエクスビボモデルにおいて調査した。3028特異的アフィニティー精製ウサギ抗体の免疫調節効果を試験するため、洗浄培地およびPBMC懸濁培地に2%HSAを加えなかったこと以外は上記と同様にして、IL−2誘導性増殖培養を行った。血清含有培地(100μl/ウェル)に20μg/mlの各ウサギ抗体を加えて、室温で30分間プレインキュベートし、次いで培養ウェルにPBMC懸濁液100μlを加えた。
P21は腎細胞がんを有しており、p26、p28およびp29は悪性黒色腫を有していた。図22に示すように、免疫抑制されたがん患者において、アフィニティー精製ウサギ抗P3028抗体はいずれもIL−2応答性増殖反応に対する抑制を解消した(図22A)。IL−2応答性増殖反応が正常な正常対照試料では、これらの抗体の添加による効果は見られなかった(図22B参照)(抗体:R、がん患者、p=0.0002、paired t−test、正規化対数値)。増殖率が100,000dpm未満のダウンレギュレートされた免疫反応を有する正常対照試料では、がん患者から得たPBMCの培養と同様に増殖率が刺激された。
アフィニティー精製した抗体の効果がこのモデルにおけるウサギIgGの非特異的活性によるものではなかったことを確かめるため、ポリクローナルウサギIgGを対照試料培養に加えた。ウサギIgGはごくわずかな活性しか示さなかった。さらに、それ自体は抑制活性を持たない少量のP3028によってこれらの抗体の刺激効果が中和されたことから、抗P3028抗体の特異性が実証された。この自己由来エクスビボモデルにおける結果と類似して、IL−2応答性増殖反応が弱い被験者から得た血清における免疫抑制活性も、培養物に抗P3028抗体を添加することによって解消された。
実施例10:P3028に結合するペプチド
がん患者血清および合成ペプチドP3028がPBMC上LFA−1のα鎖(CD11a)の染色に及ぼす作用を評価することによって得られた情報を利用して、免疫調節ペプチドP3028の結合因子/阻害剤となりうる候補物質の構造を設計した。使用した特定のモノクローナルマウス抗体(HI 111)のエピトープは、CD11aの249番目〜300番目の残基にマッピングされている(Ma Q, et al., J Biol Chem. 2002;277:10638−41)。荷電疎水性アミノ酸配列の相補性に基づいて、P3028ペプチドに結合する第1候補を設計した。次いで、この配列に含まれる各アミノ酸を他の19種のL−アミノ酸で置換した候補ペプチドを複数合成し、これらの結合力を試験することによって配列を最適化した。
P3028配列/構造の阻害剤として3つの候補ペプチドを同定し、溶液中におけるそれらの阻害能力を試験した。P3028阻害剤の候補ペプチドをチップ上で合成した。標準的なFmoc化学、およびスカベンジャーを加えた三フッ素酸による脱保護を利用して、標的タンパク質のアミノ酸配列に基づいた直鎖ペプチドおよび/またはCLIPSペプチドを合成した。構造依存性(conformational)エピトープを再構築するため、Chemically Linked Peptides on Scaffolds(CLIPS)技術(Timmerman et al. (2007))を使用して、構造が固定化されたペプチドを化学足場上で合成した。たとえば、α,α’−ジブロモキシレン処理により環化した、ジシステインを含む環状化単鎖ペプチドを複数合成した。ループの大きさは、システイン残基を様々な間隔で導入することにより変えることができる。新しく導入するシステイン以外に他のシステインが存在する場合、これらのシステインはアラニンで置換した。1,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼンの重炭酸アンモニウム(20mM、pH7.9)/アセトニトリル(1:1(v/v))溶液などの0.5mM CLIPSテンプレート溶液とクレジットカードサイズのポリプロピレン製PEPSCANカード(455種のペプチド/枚)とを反応させることによって、ペプチド内に複数存在するシステイン残基の側鎖をCLIPSテンプレートに連結させる。上記溶液中に完全に浸したまま、カードを30〜60分間穏やかに振盪した。次いで、カードを過剰量のH2Oでよく洗浄し、1%SDS/0.1%β−メルカプトエタノールのPBS(pH7.2)溶液を含む破砕緩衝液中において70℃で30分間超音波攪拌し、さらにH2O中で45分間超音波攪拌する。各ペプチドへのHisタグ付きP3028の結合は、PEPSCANに基づいたELISAにより以下のように試験した。ペプチドが共有結合で連結された455ウェルのクレジットカードサイズのポリプロピレン製カードを、たとえばブロッキング溶液(たとえば4%ウマ血清、5%オボアルブミン(w/v)のPBS/1%Tween溶液)で希釈した1mg/mLのペプチド溶液とともにインキュベートする。洗浄後、ペプチドを、モノクローナルマウス抗hisタグ抗体(1/1000、ノバジェン、70796−3)とともに25℃で1時間インキュベートし、洗浄後、ウサギ抗マウス抗体ペルオキシダーゼ標識(1/1000、Southern Biotech、6175−05)とともに25℃で1時間インキュベートした。洗浄後、ペルオキシダーゼ基質である2,2’−アジノ−ジ−3−エチルベンゾチアゾリンスルホン酸(ABTS)および2μlの3%H2O2を加えた。1時間後、発色を測定した。発色は電荷結合素子(CCD)を備えたカメラおよびイメージ処理システムで定量した。
生データ(生データ:光学濃度、任意単位によるOD値)は、CCDカメラにより得られた光学値である。ほとんどの光学値は0〜3000の範囲に存在し、標準的な96ウェルプレートELISAリーダーにおける測定値の対数log1〜log3に相当する。まず、ペルオキシダーゼによる発色前にCCDカメラでカードの写真を撮影し、ペルオキシダーゼによる発色後に再度カードの写真を撮影する。撮影した2枚の写真の差を取り、データを得る(生データと呼ぶ)。得られた生データをPeplabTMデータベースにコピーする。次いで、生データをexcelにコピーし、このファイルを生データファイルと名付けて保存する。この試験を再度行ってもよい。気泡を含むウェルによって偽陽性が示されることがあるが、カードを目視で確認して気泡が見られた場合、そのウェルの測定値をゼロとして評価する。
17番目、22番目および26番目のデータに示すように、これらにはP3028(PGE73=HisタグP3028)に対する優れた結合因子が含まれていた。グラフに示すように、ペプチドSCF28およびSCF29は、P3028(PGE73)の結合を効率的に阻害するが、SCF27は阻害しない。ペプチドSCF28(配列番号:1)は、生物学的ヒトエクスビボモデルにおいて試験を行うのに十分な高い溶解性を有していた。この構造に基づいてペプチドP28R(配列番号:2)を構築した。それぞれの番号において、各データは、PBS緩衝液中ペプチド非添加アッセイ(図中230)、PBS緩衝液中SCF027アッセイ(図中232)、PBS緩衝液中SCF029アッセイ+10%DMSO(図中234)、PBS緩衝液中ペプチド非添加アッセイ+10%DMSO(図中236)、およびPBS緩衝液中SCF028アッセイ+10%DMSO(図中238)の結果を示す。図23の棒グラフにおいて、各アッセイを示す棒は各番号とも同じ順序で左から右に並んでいる。アッセイで使用したペプチドは0.5mg/mLの濃度であった。
実施例11:P3028とのペプチド相互作用
がん患者血清および合成ペプチドP3028がPBMC上LFA−1のα鎖(CD11a)(配列番号:248)の染色に及ぼす作用を評価することによって得られた情報を利用して、免疫抑制性ペプチドP3028の結合因子/阻害剤となりうる候補物質の構造を設計した。使用した特定のモノクローナルマウス抗体(HI 111)のエピトープは、CD11a(配列番号:248)の274番目〜325番目の残基にマッピングされている(UniProt accession code P20701;Ma Q, et al.,J Biol Chem.2002; 277:10638−41)。荷電疎水性アミノ酸配列の相補性(図31参照)に基づき、CD11aの312番目〜326番目の残基を含む配列を使用して、P3028ペプチドに結合する第1候補を設計した。この第1候補をペプチドKKL15(配列番号:1)と呼ぶ。
ペプチドKKL15(配列番号:1)は、たとえば、P3028に対して相補性を示す。図31に示すように、正に荷電したアミノ酸は、P3028の負に荷電したアミノ酸と相互作用し、さらに、疎水性アミノ酸は疎水性接触を形成して、上記相互作用を増強する。
実施例12:P3028に結合するペプチド
ペプチドP28Rの構造に基づいて、P3028に結合する別のペプチドを複数同定した。これらのさらなる結合因子は、ペプチドP28Rのアミノ酸の欠失、末端切断または置換を含んでいた。PEPSCAN技術を使用して、これらのペプチドのP3028への結合を分析した。PEPSCAN技術(「rampo」アッセイ)は生化学的結合アッセイである。この技術の詳細を以下に説明する。
ペプチドマイクロアレイスクリーニング技術を使用して、P3028(配列番号:185)へのP28R(配列番号:2)またはP28Rバリアントの結合を測定した。この技術では、合成ペプチドライブラリを合成し、このライブラリをポリプロピレン製マイクロアレーチップに共有結合させる。Timmerman et al.,2004に記載された方法に従い、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)をリンカーとして使用した標準的なFmoc化学、およびスカベンジャーを加えたトリフルオロ酢酸(TFA)を使用した脱保護を利用して、直鎖ペプチドをクレジットカードサイズのポリプロピレン製カード上に合成した(455種のペプチド/枚)。
カード上に合成された各ペプチドへのHisタグ付きP3028の結合は、ELISAアッセイで以下のように試験した。ペプチドが共有結合で連結された455ウェルのクレジットカードサイズのポリプロピレン製カードを、ブロッキング溶液(4%ウマ血清、5%オボアルブミン(w/v)のPBS/1%Tween溶液)で希釈した0.5μg/mLのHisタグ付きP3028ペプチド(PGE73)溶液とともにインキュベートした。洗浄後、ペプチドを、モノクローナルマウス抗Hisタグ抗体(ノバジェン、70796−3、インキュベーション緩衝液で1/1000に希釈したもの)とともに25℃で1時間インキュベートし、洗浄後、ウサギ抗マウス抗体ペルオキシダーゼ標識(Rampo)(Southern Biotech、6175−05、1/1000に希釈したもの)とともに25℃で1時間インキュベートした。洗浄後、ペルオキシダーゼ基質である2,2’−アジノ−ジ−3−エチルベンゾチアゾリンスルホン酸(ABTS)および2μlの3%H2O2を加えた。モノクローナル抗体の結合力を405nmにおける発色(光学濃度、OD405)として測定した。発色は電荷結合素子(CCD)を備えたカメラおよびイメージ処理システムで定量した。
CCDカメラによって測定したOD405値は、生データ値(「rampo値」、「rampo単位」または「rampoスコア」)であると見なした。ほとんどの測定値は0〜3000の範囲に存在し、標準的な96ウェルプレートELISAリーダーにおける測定値の対数log1〜log3に相当した。まず、ペルオキシダーゼによる発色前にCCDカメラでカードの写真を撮影し、ペルオキシダーゼによる発色後に再度カードの写真を撮影した。撮影した2枚の写真の差を取り、データを得た(生データと見なした)。次いで、生データをexcelにコピーし、このファイルを生データファイルと名付けて保存した。この試験を再度行った。気泡を含むウェルによって偽陽性が示されることがある。カードを目視で確認して気泡が見られた場合、そのウェルの測定値をゼロとして評価する。
ペプチドP3028への結合を試験したペプチドライブラリは、ペプチドP28R(配列番号:2)の各位置のアミノ酸を他のアミノ酸で置換したもの(すなわち各位置のアミノ酸を他の19種のアミノ酸で置換したもの)を含んでいた。図27、図28、図29および図30、ならびに表5.1に結合実験の結果を示す。P28Rの16個のアミノ酸をそれぞれ置換した置換体すべてについて測定したrampoスコアは、102〜1190の範囲であった。P28Rのrampoスコアは262〜460の範囲であり、その平均値は370であった。図28に示すように、ペプチドP28R(配列番号:2)の31種の1アミノ置換体では、500を超えるrampoスコアが示された。これら31種の置換ペプチドには、表6.1に示す配列番号:3〜31が含まれる。13番目の残基を、M、Q、H、またはNで置換したペプチド(配列番号:22〜25)では、いずれも800を超える有意に高い値が示された。さらに、7番目の残基をMまたはSに置換したペプチド(配列番号:9または10)および11番目の残基をQまたはMに置換したペプチド(配列番号:15または16)は、700を超えるrampo値を有する。
P28Rの各残基位置にL−アミノ酸による置換を1つ含む19種のペプチド群のrampoスコアを、それぞれの群の対照試料であるP28Rペプチド(配列番号:2)のrampoスコアと比較した。P28Rよりも高いまたは実質的に同等のrampoスコアを有する1アミノ酸置換体を同定した。本明細書において「P28Rと実質的に同等の」rampoスコアとは、P28Rのrampoスコアと比較して98%以上であるrampoスコアである。したがって、P3028への結合がP28Rと同等またはP28Rよりも高いP28Rバリアントが同定された。
たとえば、P28R(配列番号:2)の8番目の残基はVである。対照試料であるP28Rペプチドのrampoスコアは308であったのに対して、8番目の残基がF、G、L、PまたはRに置換されたペプチド(配列番号:326〜330)のrampoスコアはいずれも302以上(スコア308の98%)であった。P28Rの1アミノ酸置換体のうち、対照試料であるP28Rペプチドと同等以上のスコアを有するものを表6.2に示す。
表6.2に示したP28Rの残基置換体(配列番号:268〜393)を図32に要約する。P3028との結合性を保持するためには、2番目(K)、9番目(K)および15番目(E)の残基は、比較的わずかにしか置換できないことに注目されたい。P28Rの2番目、9番目および/または15番目の残基を置換すると、置換していないP28Rと比べて、(rampoスコアによって測定された)P3028に対する結合性が実質的に低くなる。したがって、これらの3つの位置の残基がシグナル伝達を調節していると考えられる。当業者であれば、これら3つの位置の残基のシグナル伝達調節作用を利用して、免疫調節ペプチドの阻害剤を設計することができることを十分に理解するであろう。
ペプチドP28Rの末端切断体および内部欠失体についてPEPSCAN分析を行った。図29は、以下の配列を有するペプチドのrampoスコアを示す:KKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2);KKLDTFFVKLSLFTE(配列番号:34);KKLDTFFVKLSLFT(配列番号:35);KKLDTFFVKLSLF(配列番号:36);KKLDTFFVKLSL(配列番号:37);KKLDTFFVKLS(配列番号:38);KKLDTFFVKL(配列番号:39);KKLDTFFVK(配列番号:40);KKLDTFFV(配列番号:41);KKLDTFF(配列番号:42);KKLDTF(配列番号:43);KKLDT(配列番号:44);KKLD(配列番号:45);KLDTFFVKLSLFTER(配列番号:46);LDTFFVKLSLFTER(配列番号:47);DTFFVKLSLFTER(配列番号:48);TFFVKLSLFTER(配列番号:49);FFVKLSLFTER(配列番号:50);FVKLSLFTER(配列番号:51);VKLSLFTER(配列番号:52);KLSLFTER(配列番号:53);LSLFTER(配列番号:54);SLFTER(配列番号:55);LFTER(配列番号:56);FTER(配列番号:57);KLDTFFVKLSLFTE(配列番号:58);LDTFFVKLSLFT(配列番号:59);DTFFVKLSLF(配列番号:60);TFFVKLSL(配列番号:61);FFVKLS(配列番号:62);FVKL(配列番号:63)。
図30は、以下の配列を有するペプチドのrampoスコアを示す:KKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:2);KLDTFFVKLSLFTER(配列番号:46);KKLTFFVKLSLFTER(配列番号:64);KKLDTFVKLSLFTER(配列番号:65);KKLDTFFKLSLFTER(配列番号:66);KKLDTFFVKSLFTER(配列番号:67);KKLDTFFVKLSFTER(配列番号:68);KLDTFFVKLSLFER(配列番号:69);KLDTFFVKLSLFTE(配列番号:58);LDTFFVKLSLFTER(配列番号:47);KKTFFVKLSLFTER(配列番号:70);KKLDFVKLSLFTER(配列番号:71);KKLDTEKLSLFTER(配列番号:72);KKLDTFFVSLFTER(配列番号:73); KKLDTFFVKLFTER(配列番号:74);KKLDTFFVKLSLER(配列番号:75);LDTFFVKLSLFT(配列番号:59);DTFFVKLSLFTER(配列番号:48);KKFFVKLSLFTER(配列番号:76);KKLDVKLSLFTER(配列番号:77);KKLDTFLSLFTER(配列番号:78);KKLDTFFVLFTER(配列番号:79);KKLDTFFVKLTER(配列番号:80);KKLDTFFVKLSLR(配列番号:81);KFFVKLSLFTER(配列番号:82);KKLVKLSLFTER(配列番号:83);KKLDTLSLFTER(配列番号:84);KKLDTFFLFTER(配列番号:85);KKLDTFFVKTER(配列番号:86);KKLDTFFVKLSR(配列番号:87);KFVKLSLFTER(配列番号:88);KKLKLSLFTER(配列番号:89);KKLDTSLFTER(配列番号:90);KKLDTFFFTER(配列番号:91);KKLDTFFVKER(配列番号:92);KKLDTFFVKLS(配列番号:38);GKLDTFFVKLSLFTER(配列番号:93);KKGDTFFVKLSLFTER(配列番号:94);KKLDGFFVKLSLFTER(配列番号:95);KKLDTFGVKLSLFTER(配列番号:96);KKLDTFFVGLSLFTER(配列番号:97);KKLDTFFVGLSLFTER(配列番号:98);KKLDTFFVKLGLFTER(配列番号:99);KKLDTFFVKLSLGTER(配列番号:100);KKLDTFFVKLSLFTGR(配列番号:101)。
図30に示すように、配列番号:64、65、68および76のペプチドを含む、ペプチドP28Rの欠失体および末端切断体のいくつかは、ペプチドP28Rと同等以上のrampoスコアを有する。さらに、配列番号:94、95、96、98および99のペプチドを含む、グリシン置換体のいくつかは、P28Rと同等のrampoスコアを有していた。P28RのN末端から1つずつアミノ酸を欠失させたバリアント(最大で8つまで欠失させる)(配列番号:46〜53)は、rampoスコアの測定によれば、P3028に対して高い親和性を保持していた。P28RのC末端R残基を欠失させたバリアント(配列番号:34)は、P3028に対して高い親和性を保持していた。
実施例13:リンパ球活性化に対するP3028の低分子阻害剤の作用
P3028の阻害剤であるP28Rの分析をヒトエクスビボモデルにおいて行った。7つの健常対照試料および様々な診断受けた7人のがん患者から得た試料において、MTS技術またはCFSE技術を使用して測定することによりPBMCに対する刺激活性を調査した。興味深いことに、P28Rは、他の刺激が存在しない条件でも、7人のがん患者のうち6人において有意な刺激活性を有していた。それに対して、対照試料由来のPBMCでは、わずかな刺激活性のみが示されたか、あるいは、刺激活性はまったく示されなかった。
図24に示すように、P28Rは、IL−2応答性増殖反応の抑制に対して刺激活性を示した。PBMCをIL−2とともに7日間培養し、増殖率をBrdUの取り込みとして測定した。棒グラフの棒はそれぞれ三重測定の平均値を示す。IL−2に応答した増殖反応が弱いと判定されたがん患者由来のPBMCにおいて行った、がん関連免疫抑制に対する抗P3028抗体の回復効果の評価(図22参照)と同様にして、IL−2誘導性増殖の抑制に対する低分子阻害剤P28Rの回復効果について調査した。治療を受けていない4人の患者由来のPBMCを培養した結果を図24に示す。それぞれのP28R添加量において、IL−2で刺激した細胞(図中240)を左側に示し、刺激していない細胞(図中242)を右側に示す。培養の初期において増殖が少なかったPBMCはP28Rによって顕著に刺激されたが(図24Aおよび図24B参照)、これに対して、培養の初期において増殖が多かったPBMCではP28Rによる実質的な効果は見られなかった(図24Cおよび図24D参照)。予想した通り、いずれの患者においても、全身性の免疫抑制は見られず、局所的な免疫抑制を示す患者由来試料が刺激された。
実施例14:腫瘍細胞へのP3028低分子阻害剤の結合
本明細書において述べたように、P3028構造は腫瘍に存在する。ビオチン化P3028阻害剤(P28R)を使用して、腫瘍組織における3028構造の分布および阻害剤の結合をさらに調査した。3つの乳がん組織、2つの腎細胞がん組織および4つの悪性黒色腫組織を分析した。阻害剤は、試験した腫瘍のいずれにも結合した。図25は、染色した乳がん組織の一例を示しているが、強い陽性反応(図中7)が見られ、この腫瘍組織内に抑制作用を有する3028構造が存在することが示された。P3028構造は(上述したように)リンパ球の遊走および細胞傷害活性を抑制することから、露出したP3028がP28Rの結合によってブロックされない限り、腫瘍の陽性染色領域に対する免疫細胞の攻撃は効率的に抑制されると考えられる。しかしながら、この実験では、リンパ球上のLFA−1への結合によってP3028構造がブロックされたため、リンパ球は染色されなかった。
実施例15:P28RによるLFA−1受容体のブロック解除
本明細書で述べたように、β2−インテグリンは、正常に機能している免疫系において一定の役割を果たしている。本明細書ではさらに、β2−インテグリン(LFA−1)への内因性抑制因子(P3028)の結合に基づいた免疫抑制メカニズムについても述べる。実施例7で述べたように、がん患者由来PBMCの膜染色は正常対照試料と比較して著しく低下した。しかしながら、がん患者由来のPBMCを抑制因子であるP3028に対する抗体とともにインキュベートすると、LFA−1の露出を増強することができた(実施例7および図16参照)。実施例7の抗LFA−1抗体および二次抗体(Ultravision)を使用してLFA−1染色を行い、Fast Redを使用して発色させた。LFA−1染色を行う前に、固定していない新鮮な凍結腫瘍切片を薬物候補であるP28Rとともに4〜20時間インキュベートした(図26B参照)。比較対照として、リン酸緩衝生理食塩水のみを使用して対照腫瘍切片をインキュベートした(図26A参照)。
図26に示すように、P28Rは、LFA−1のブロックを解除し、それによって、LFA−1の機能発現を顕著に増強し、細胞の遊走および細胞傷害活性を促した。P28Rで処理した細胞ではLFA−1が強く染色されたが(図中3)、これに対して、P28Rで処理しなかった細胞ではLFA−1が弱く染色された(図中5)。この結果から、P28RによってP3028構造が除去され、LFA−1のブロックが解除されたことが示された。
実施例16:ナノ単位投与によるがん患者への免疫調節ペプチド阻害剤の送達
P3028構造の存在によって免疫が抑制されており、かつ悪性黒色腫の皮下転移を有するがん患者を選択する。細針生検によって炎症性浸潤を確認した後、微小透析カテーテルを転移巣の1つに挿入する。P3028に特異的な免疫調節ペプチド阻害剤を注入する前に、ベースラインとして、炎症性浸潤、サイトカインプロファイルおよびP3028構造の濃度を測定する。次いで、注入中および注入後に、サイトカインプロファイルの変化およびP3028構造の濃度の変化を測定する。注入は24時間または48時間継続し、注入直後、1週間後および2週間後に、微小透析カテーテルで阻害剤を送達した領域を切除し、炎症性浸潤および腫瘍の退行性変化を調査する。たとえばLFA−1のブロック解除、P3028構造への結合および/または免疫細胞の動員の増強によって測定されるように、免疫調節ペプチド阻害剤を投与することによってがん患者の免疫抑制を軽減することができると予想される。
実施例17:細胞表面分子に対するアルブミンペプチド結合因子
細胞表面分子と結合するアルブミンフラグメント
米国特許第2011/0262470号(この文献は参照によりその全体が明示的に本明細書に援用される)に教示されているように、アルブミンフラグメントには細胞表面分子と結合できるものがある。米国特許第2011/0262470号には、人工細胞表面(ACS)カラムに結合する血清ペプチドの同定が報告されている。ACSカラムは以下のように調製した。
最初に、ビオチン化細胞表面タンパク質を調製した。4人の健常ドナーから採取した血液450mlそれぞれからバフィーコートを作製した。2%デキストランT500(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社、スウェーデン、ウプサラ)の0.9%NaCl溶液中で沈降させることによって赤血球を除去した。Ficoll−Paque Plus(GEヘルスケア バイオサイエンス社、スウェーデン)を使用した密度勾配遠心分離によって単球(PBMC)を単離した。10×106個/mlの濃度になるように、CaおよびMgを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco)中にPBMCを懸濁した。EZ Link Sulfo−NHS−biotin(ピアス、米国)を最終濃度0.2mg/mlで加え、得られた混合物をシェーカー上で室温にて10分間インキュベートした。PBMCをPBSで洗浄して過剰なビオチンを除去した。ペレット化した細胞2×107個あたり1.0mlの氷冷溶解緩衝液(100mMオクチルグルコシドおよび1mMフッ化フェニルメチルスルホニルを加えた、0.15M NaClおよび5mM MgCl2含有50mM Tris−HCL(pH7.5))を加え、緩やかに振盪しながらビオチン化PBMCを溶解し、氷上で30分間インキュベートした。5000×g、4℃で10分間遠心分離して残渣を除去し、上清を回収し、4人ドナーから得た上清をプールした。この溶解物をポリプロピレン製プラスチックチューブに入れ、−70℃で保存した。
トリプシン処理dHSAフラグメントによる吸収を調べるため、単球から得たビオチン化細胞表面タンパク質をストレプトアビジン−セファロースに結合させたアフィニティーカラムを以下のように調製した。溶解緩衝液中のビオチン化細胞溶解物18mlを、結合緩衝液(20mM NaH2PO4、0.15M NaCl、pH7.5)で1/10に希釈した。この量の溶解物は36×107個の単球に相当する。希釈した溶解物を1mlHitrap Streptavidin HPアフィニティーカラム(アマシャム・バイオサイエンス)に加えた。残っている可能性のある遊離ビオチンをブロッキングするため、0.1Mグリシン(シグマ)5mlをカラムに加えた。カラム上の不飽和ストレプトアビジンを結合緩衝液中ビオチン(シグマ)150μgと反応させた。カラムをPBSで注意深く洗浄し、PBS中0.1%NaN3を入れて使用まで4℃で保存した。
ASP−Nで断片化したdHSAによる吸収を調べるため、単球から得たビオチン化細胞表面タンパク質をストレプトアビジン−セファロースに結合させたアフィニティーカラムを以下のように調製した。Spectrapore 4透析チューブ(Spectrum Europe、オランダ、ブレダ)を用いて、結合緩衝液(20mM NaH2PO4、0.15M NaCl、pH7.5)に対して透析することによって、溶解緩衝液中ビオチン化細胞溶解物の緩衝液交換を行った。結合緩衝液中のビオチン化細胞溶解物27ml(54×107個の単球に相当)を、洗浄した1.5mlStreptavidin Sepharose HP(アマシャム・バイオサイエンス)に加えた。残っている可能性のある遊離ビオチンをブロッキングするため、0.1Mグリシン(シグマ)25mlをStreptavidin Sepharoseに加えた。不飽和ストレプトアビジンを結合緩衝液中ビオチン(シグマ)225μgと反応させた。Streptavidin SepharoseをPBSで注意深く洗浄した。Streptavidin Sepharoseに結合させたビオチン化細胞溶解物1mlを、空のカラム(Tricorn Empty High Performance Column、アマシャム・バイオサイエンス)に充填し、Ca2+およびMg2+を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco)で洗浄した。
トリプシンまたはASP−Nを用いた消化は以下のように行った。sequencing grade modified trypsin(プロメガ社、ウイスコンシン州)10mgまたはエンドプロテイナーゼASP−N(シグマ)2mgを含む25mM NH4HCO3(pH8)でdHSAの凍結乾燥品(0.5mg)を再構築し、37℃で一晩インキュベートした。断片化されなかったアルブミンおよび酵素を除去するため、アミコンウルトラ4(分子量カットオフ:5000)またはCentriplus(分子量カットオフ:10000)遠心式フィルター(ミリポア社、スウェーデン、ソルナ)を通して試料を限外濾過した。酵素を含まない断片化dHSA含有濾液を回収し、CaおよびMgを含むPBS(Gibco)で希釈した。
dHSAをトリプシン処理し、トリプシン処理により得られたペプチド混合物をACSに吸着させた。酵素で断片化したPBS中dHSA2ml(総タンパク質量0.2mgに相当)をACSカラムに通過させた。ボイド容量と吸着した試料の希釈を考慮して、少量(0.2ml)ずつ通過画分を回収した。吸着しなかった対照試料を含む、30μlの各試料をSpeed−Vac遠心分離機で乾燥した。MALDI TOFマススペクトロメトリー技術を使用して、吸着したペプチド溶液と吸着しなかったペプチド溶液を比較することにより結合したペプチドを同定した。乾燥試料は0.1%TFA10μlで再構築した。C18逆相充填剤を含むZip Tipピペットチップ(ミリポア、米国)を使用して、再構築試料を脱塩した。質量700〜3600Daの試料を分析するため、Zip Tipで溶出した各試料1μlを、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(0.02mg/ml)の70%アセトニトリル/0.3%トリフルオロ酢酸飽和溶液1μlと混合した。質量1500〜9000Daの試料を分析するため、Zip Tipで溶出した各試料1μlを、シナピン酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸)1μlと混合した。この混合物1μlをMALDIプレート上にスポットし、MALDI−TOF MS(Voyager−DE PRO、アプライドバイオシステムズ、米国カリフォルニア州)を使用して分析した。MS−Fitを使用してSwissProtデータベースまたはNCBIデータベースを検索することによって、得られた質量スペクトルに基づいた同一性検索を行った。
トリプシン分解処理を行うと、アルブミンの完全長ペプチド配列はMALDI−TOF技術を使用して回収できず、さらに免疫細胞の細胞表面受容体に対して結合能を有する配列のいくつかもトリプシン処理によって分解されたと考えられたため、dHSAをアスパラギナーゼ(ASN−N)でも分解し、分解後に得られたペプチド混合物をACSに吸着させた。MALDI TOF MS技術を使用して、吸着したペプチド溶液と吸着しなかったペプチド溶液を比較することにより結合したペプチドを同定した。同定したペプチドを表8に示す。
さらに、表9に示す9種の合成アルブミンペプチドを合成した。
実施例18:細胞表面分子に対するアルブミンペプチド結合因子
モノクローナル抗体mAb Aは免疫調節活性を有することが示された。mAb Aが結合するエピトープの構造をさらに調査した。すなわち、アルブミンフラグメントを抗体とともにインキュベートし、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF MS)を使用して、変性アルブミンに特異的なマウスモノクローナル抗体が結合する可能性のあるヒト血清アルブミン部位を特定した。1つの方法では、抗体が結合するトリプシン処理ペプチドのいくつかはMALDIにおいて特徴的な質量スペクトルを生成せず、分析から「隠れてしまう」ことを利用した。別の方法では、抗体が結合したタンパク質部位はタンパク質分解から保護されることを利用する。
精製したヒト血清アルブミン(HSA)を尿素で変性し、DTTで還元し、アルキル化した。変性HSAを、低濃度(0.02〜2ng/ml)のトリプシンを用いてトリプシン処理した。アルブミンに典型的なペプチド質量が検出されなかったため、MALDIで得られたスペクトルは不十分なものであった。(0.02ng/mlのトリプシンで消化した)この調製物をゲル電気泳動すると、相当な量の未消化アルブミンが含まれていることが分かった。したがって、高濃度(5μg/ml)でトリプシン消化を継続し、通常MALDIによるタンパク質の同定に使用される質量スペクトルを得た。
mAb Aが結合するアルブミンフラグメントを同定するため、上記で完全に切断されたアルブミン溶液の一部をmAb Aとともにインキュベートした。MALDI−TOF MSを行い、酵素処理により変性させたアルブミンのスペクトルをmAb Aの存在下で得たものとmAb Aの非存在下で得たものとで比較した。質量分析したもののうち、14種のアルブミン(配列番号:231〜244)は、mAb Aとともにインキュベーションした後に消失または減少した。表10にこれらのペプチドのアミノ酸配列を示す。表に記載のスペクトルは、アルブミン分子の66番目〜508番目の残基を包含する複数の領域を示す。
上記の結果をさらに確認するため、(あらかじめ0.02ng/mlのトリプシンで消化した)変性アルブミンにモノクローナル抗体mAb Aを結合させ、エピトープのペプチド配列を保護した。次いで、形成された複合体を再度トリプシンで処理した。MALDI−TOF MSを行い、アルブミンにより生成されたペプチド質量スペクトルを、抗体の非存在下でトリプシン処理した変性アルブミンにより生成されたスペクトルと比較した。39個のアルブミン質量ピークのうち上記と同じ14個が、mAbの存在下でトリプシン処理した試料において完全に消失または有意に減少した(表10の6番目の列を参照されたい)。結果を確認するために複数回読み取りを行った。
アルブミンのmAb結合性エピトープはトリプシンで切断されることによって、mAbに対する結合親和性が低すぎるエピトープフラグメントを生成する可能性があるため、アルブミンのペプチドフラグメントのいくつかは、トリプシン処理したアルブミンフラグメントへの抗体の結合によっては同定できなかったと考えられた。したがって、抗体が結合するフラグメントを別の方法で同定した。抗体を用いたタンパク質分解からの保護に基づいた、mAb AのMALDIエピトープマッピングを再度行った。この実験では、上記とわずかに異なる方法を使用した。変性したHSAをmAb Aとともにインキュベートした。mAb Aが結合しなかったアルブミンを、限外濾過器を使用したサイズ排除によって試料から取り除いた。残った遊離のmAbおよびmAb−アルブミン複合体をトリプシンで消化した(mAbが結合したアルブミン分子の配列はトリプシン消化に耐えるはずである)。切断された小さなmAbフラグメントおよび保護されていないアルブミンを限外濾過(30kD)によって試料から取り除いた。pHを2.7まで下げることによって、mAbとこれに結合したアルブミンフラグメントからなる複合体を解離させた。再度、30kDで限外濾過を行い、完全長mAbを30kDより小さいアルブミンフラグメントから分離した。これらのフラグメントをMALDI TOFにより分析したところ、アルブミンに典型的なスペクトルは同定されなかった。合理的に考えると、mAb Aのエピトープを含むアルブミンフラグメントはMALDI TOFにより分析するには大きすぎたことが理由として考えられた。(先の操作においてmAbで保護された部位を切断するため)上記濾液(<30kD)をトリプシンでさらに消化し、ペプチドの質量をMALDI TOF MSによる分析に適したものとした。
第2のトリプシン処理の後、MALDI TOF MSによって検出された32個の質量ピークのうち8個がアルブミンに一致した(表11参照)。したがって、これらの新規のアミノ酸配列はエピトープの一部を示しており、さらにトリプシン切断部位のN末端側の配列を含む。8個のペプチド質量ピークのうち6個(配列番号:231、233、235、236、242および243)は、完全に切断したアルブミンをMALDI−TOF分析の前にmAb Aとともにインキュベートした先の実験において消失したペプチド質量ピークであった(表10参照)。8個のペプチドのうち2個(配列番号:245および346)は、完全に切断したアルブミンを用いた結合アッセイでは同定されなかった。このようにして、上記抗体のエピトープを確定した。アルブミン分子中にはこのような構造が複数存在し、これらの構造が結合する複数の受容体の間で架橋が形成される場合があることに注目することは重要である。このようにして、アルブミンにはmAb Aのエピトープ部位が複数存在しうることが確認された。
実施例19:P3028に結合する環状ペプチド
P3028に結合する環状ペプチドを同定するため、チップ上においてジペプチドおよびトリペプチドのバリアントを可能な限りすべて合成し、ELISA技術を使用してHisタグ標識P3028との結合を分析した。同定された結合モチーフに基づいて、6−merの環状ペプチドを複数作製し、試験を行った。これらの結果を踏まえて、環状リードペプチドCLALNVMCG(配列番号:264)を構築した。各位置のアミノ酸を他の19種のL−アミノ酸で置換したリード環状ペプチドの位置スキャンを行った。各ペプチド置換体の結合性を試験したところ、上記のリードペプチドよりもさらに高い結合力を有するペプチド配列が複数同定された。CLRLNVFCG(配列番号:265)およびCLRLIVMCG(配列番号:266)の2つのペプチドが最も高い親和性を有していた。位置スキャン結合アッセイにおいてP3028への結合力が最も高かったこの2つの環状ペプチドを表12にまとめる。
位置スキャンによってP3028(配列番号:185)への結合が増強されることが同定された、環状リードペプチド中の置換可能なアミノ酸残基(すなわち配列番号:264〜266)を図33に要約する。さらに、P3028へのP28Rの結合と同等以上の結合を示すP28Rの残基置換体のうち、P3028への結合がさらに高いかまたは実質的に同等であると同定された残基置換体(表6.1および表6.2参照)も図33に要約する。スキャンデータに基づいてP3028に結合することが同定された環状ペプチド配列(配列番号:264〜266)と、P3028に結合することが同定された直鎖ペプチド配列(配列番号:2〜31および268〜393)は、相同性が非常に高いことが判明した(図33参照)。環状ペプチドのN末端C残基およびC末端CG残基は、ペプチドの環化に関与することに注目されたい。したがって、図33の黒色のマス目に示すように、P3028の結合因子であることが同定された6−merの環状ペプチド(配列番号:264〜266)と、P28R関連ペプチド(配列番号:2〜31および268〜393)のN末端またはC末端は、相同性が非常に高い。アルブミン由来免疫調節ペプチドに結合して、これを阻害する別の環状ペプチドを同定することが可能であると考えられる。
実施例20:IL−2誘導性増殖に対するアルブミンペプチドの作用
配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むアルブミンペプチドの作用を、実施例2に記載したヒトエクスビボモデルを使用して測定する。
健常献血ドナー(対照試料)またはがん患者からの静脈血試料からPBMCを単離する。培地100pl(200IU/mlペニシリン、200μl/mlストレプトマイシン、4mM L−グルタミン(いずれもシグマケミカル社(米国ミズーリ州)から入手)および20%加熱不活性化ヒト血清を添加したRPMI 1640 Dutch改変培地(Gibco、インビトロジェン社、スウェーデン、ストックホルム))を96ウェル丸底組織培養プレート(Costar、コーニング社、米国ニューヨーク州)に加える。実験培養を行うため、各ウェルの培地に配列番号:183〜185または188〜246のペプチドを添加する。次いで、RPMI/2%HSAに懸濁したPBMC100pl(リンパ球5×104個)を各ウェルに加え、IL−2(Proleukin、Chiron社、オランダ)を最終濃度120IU/ウェルで加える。IL−2を添加しない対照ウェルの測定も平行して行う。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で7日間培養する。培養終了の18〜24時間前に、1.6pCi/ウェルの[3H]−チミジン(アマシャム社、英国)の取り込みを測定することにより、細胞増殖を分析する。三重測定した各ウェルのdpm(壊変毎分)の平均値を計算に使用する。
このようにして、PBMCのIL−2による刺激を抑制するアルブミンペプチドを同定する。
実施例21:T細胞受容体刺激に対するアルブミンペプチドの作用
実施例3と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むアルブミンペプチドのT細胞受容体刺激に対する作用を測定する。CD3に対するモノクローナル抗体でプレコーティングしたプレートで培養することによって細胞を刺激し、3〜7日間培養した後、MTS染色を使用して代謝が活発な細胞(すなわち細胞増殖)の数を測定する。固相CD3モノクローナル抗体を検出することによりT細胞の増殖を測定する。
このようにして、T細胞受容体刺激を抑制するアルブミンペプチドを同定する。
実施例22:NK細胞の細胞傷害性に対するアルブミンペプチドの作用
実施例4と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むアルブミンペプチドの、NK細胞の細胞傷害性に対する作用を測定する。
標準的なFicoll−paque Plus(ファルマシア社、スウェーデン)を使用した密度勾配遠心分離によって、健常ドナー由来ヘパリン添加血液から単球を分離する。市販キット(NKTEST、Orpegen Pharma GmblI、ドイツ、ハイデルベルク)をメーカーのプロトコルに従って使用することにより、単球集団に含まれるNK細胞の細胞傷害活性を試験する。すなわち、このキットは、エフェクター細胞と標的細胞との識別を可能にする脂溶性緑色蛍光膜色素で標識されたNK感受性標的細胞(K562)が凍結保存されて含まれている。エフェクター細胞とともにインキュベーションした後、殺傷された標的細胞は、死滅した標的細胞の核に浸透してこれを特異的に染色するDNA染色によって同定される。このようにして、殺傷された標的細胞のパーセンテージをフローサイトメトリーによって測定することができる。上記の単球を、10μg/mlの所定のペプチド(上記で説明したペプチド)とともに37℃で30分間プレインキュベートした。エフェクター細胞と標的細胞の比率が40:1となるように標的細胞を加え、得られた細胞混合物を37℃で3〜4時間インキュベートした。試料をFACSCalibur(BDバイオサイエンス、カリフォルニア州、サンノゼ)で分析する。
このようにして、NK細胞の細胞傷害性を抑制するアルブミンペプチドを同定する。
実施例23:白血球の伸展に対するアルブミンペプチドの作用
実施例5と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むアルブミンペプチドの、白血球の伸展に対する作用を測定する。デキストランを用いた沈降によってヘパリン添加血液からバフィーコート細胞を調製する。各ペプチドの作用を試験するため、10μg/mlの濃度の配列番号:183〜185または188〜246のペプチドのうち1つを用いて15分間にわたり細胞試料を処理すると、効率的に伸展が抑制された。この細胞をPBSで2回洗浄し、清潔なスライドに載せた。ガラス表面への細胞の接着および伸展を検出する。
このようにして、白血球の伸展を抑制するアルブミンペプチドを同定する。
実施例24:免疫細胞の遊走に対するアルブミンペプチドの作用
実施例5と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むアルブミンペプチドの、免疫細胞の遊走に対する作用を測定する。PBMCの遊走はBoyden chamber技術を使用して調査する。健常対照試料およびがん患者試料のPBMCの遊走は、配列番号:183〜185または188〜246に示す各ペプチドの存在下または非存在下の両方の条件で評価する。このようにして、免疫細胞の遊走を抑制するアルブミンペプチドを同定する。
実施例25:LFA−1へのアルブミンペプチドの結合
実施例7と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むアルブミンペプチドのLFA−1への結合を測定する。標準的な免疫組織化学的染色を、アセトン固定、10%ヒトAB型血清によるブロッキング、抗LFA−1抗体および二次抗体(Ultravision)を用いたインキュベーション、ならびにFast Redを使用した発色により行う。AB型血清にペプチドを加えて行うプレインキュベーションは、ペプチドを加えない条件と配列番号:183〜185または188〜246のいずれかのペプチドを加えた条件とで行う。
LFA−1に結合するペプチドは抗体の結合を妨害するため、該ペプチドで処理していない対照試料と比較して、抗体処理細胞におけるFast Redによる染色量が低下する。
実施例26:アルブミンペプチドに結合する抗体
実施例9と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むペプチドに特異的に結合する抗体を作製する。すなわち、配列番号:183〜185または188〜246のペプチドそれぞれに対するウサギ抗血清を作製する。N末端にシステインを付加して配列番号:183〜185または188〜246の各ペプチドを合成し、担体タンパク質としてのキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に結合させる。KLH結合P3028およびフロイントアジュバントでウサギを繰り返し免疫することによって、ポリクローナル抗血清を作製する。P3028を結合したUltralink Iodoacetyl gel(ピアス・バイオテクノロジー社)上でクロマトグラフィーを行うことによって、抗血清をアフィニティー精製する。
得られた抗血清は、ヒト血清およびdHSAに結合する能力について試験する。治療目的で市販されているヒト血清を10回加熱してウイルスを死滅させ、試験に使用する。したがって、このアルブミンペプチドに特異的に結合するウサギ抗血清は、dHSAおよび/または対照試料HSAに結合する。
配列番号:183〜185または188〜246のペプチドへのウサギ抗血清の結合は、競合ELISAアッセイを使用して分析する。
配列番号:183〜185または188〜246のペプチドに対するアフィニティー精製抗体がIL−2応答性増殖反応に及ぼす効果を、免疫抑制されたがん患者および正常対照試料から得たPBMCを使用したエクスビボモデルにおいて調査する。
このようにして、配列番号:183〜185または188〜246のペプチドに結合する抗体を同定する。
実施例27:アルブミン由来ペプチドに結合するペプチド
実施例10と同様にして、配列番号:183〜185または188〜246の少なくとも1つを含むペプチドに結合するペプチドを同定する。すなわち、上記ペプチドの結合因子となりうる候補ペプチドを合成する。配列番号:183〜185または188〜246の各ペプチドを含むHisタグペプチドを溶液中の結合因子候補と接触させ、Hisタグを使用して溶液から単離する。各ペプチドに対する結合因子はHisタグペプチドとともに単離され、次いで同定を行う。
さらに、実施例12と同様にして、上記アルブミンペプチドのそれぞれに結合するペプチドの置換体、末端切断体および欠失体を同定する。置換体、末端切断体および欠失体はチップ上で合成し、配列番号:183〜185または188〜246のいずれか1つのアルブミンペプチドと接触させ、結合を測定する。実施例12と同様にして、rampoアッセイを使用して結合したペプチドの量を定量する。最も高いrampoスコアを示した結合因子を単離する。
実施例13および実施例15と同様にして、各ペプチドの結合因子のうちそれぞれ最も高いスコアを示したものについて、免疫抑制を軽減する能力を評価する。また、リンパ球の活性化を誘導する能力、およびLFA−1受容体のブロックを解除する能力について、それぞれの結合因子を評価する。さらに、実施例14と同様にして、腫瘍細胞への結合性について各結合因子を評価する。
実施例28:ミトコンドリアの代謝およびMTSの変換に対するP28Rの効果
様々な診断を受けた9人のがん患者(腎細胞がん、悪性黒色腫、直腸がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、膵臓がんおよび気管支がんを含む)から得た試料および8つの健常対照試料からPBMCを回収し、実施例2のエクスビボモデルを一部変更したモデルにおいて、様々な量のP28R(配列番号:2)の存在下でPBMCを7日間培養した。対照試料はP28Rによる処理を行わなかった。図33Aおよび図33Bに示すように、P28Rの非存在下(図中322)、または5μg/ml(図中324)、10μg/ml(図中326)もしくは20μg/ml(図中328)のP28Rの存在下でPBMCを培養した。8つのうち5つの対照試料(図33A参照)および9つのがん患者試料すべて(図33B参照)において、ミトコンドリアの代謝が用量依存的に刺激されたことがMTSの変換として測定された。PBMCを3日間のみ培養した場合においても、類似した結果が得られた。
実施例29:ミトコンドリアの代謝およびMTSの変換に対する免疫調節ペプチド阻害剤の効果
MTSの変換に基づくミトコンドリアの代謝に対するP28R(配列番号:2)の効果を、このペプチドと密接に関連するペプチドP27と比較した。P27(「SCF 27」とも呼ぶ)は、配列KKLDTFFKKLSLFTER(配列番号:264)を有し、P28RのV8がK8に置換されたP28Rのバリアントである。P28RはP27よりも効率的にP3028に結合する(P27はrampoスコア253でP3028に結合するのに対し、対照試料であるP28Rはrampoスコア308でP3028に結合する;実施例12参照)。
実施例2のエクスビボモデルを一部変更したモデルにおいて、様々な診断を受けたがん患者由来のPBMCを様々な濃度のP28RまたはP27とともに培養した(P28RはN=9で行い、P27はN=8で行った)。P28RまたはP27の濃度は、非処理対照試料、5μg/ml(「SCF28−R5」および「SCF275」)、10μg/ml(「SCF28−R10」および「SCF2710」)、20μg/ml(「SCF28−R20」および「SCF2720」)、または40μg/ml(「SCF28−R40」および「SCF2740」)であった。図34に結果を示す。P28Rは用量依存的にがん患者の細胞を刺激したのに対し、P27では効果は見られなかった。
実施例30:IL−2誘導性増殖(BrdUの取り込み)に対するP28Rの効果
IL−2誘導性増殖に対するP28R(配列番号:2)の効果をBrdU取り込みアッセイにおいて測定した。実施例2のエクスビボモデルを一部変更したモデルにおいて、10人のがん患者(腎細胞がん、悪性黒色腫、直腸がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん)、扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、膵臓がんおよび気管支がんを含む)から得た試料および6つの健常対照試料からPBMCを回収した。培地100pl(200IU/mlペニシリン、200μl/mlストレプトマイシン、4mM L−グルタミン(いずれもシグマケミカル社(米国ミズーリ州)から入手)および20%加熱不活性化ヒト血清を添加したRPMI 1640 Dutch改変培地(Gibco、インビトロジェン社、スウェーデン、ストックホルム))を96ウェル丸底組織培養プレート(Costar、コーニング社、米国ニューヨーク州)に加えた。次いで、RPMI/2%HSAに懸濁したPBMC100pl(リンパ球5×104個)を各ウェルに加え、IL−2(Proleukin、Chiron社、オランダ)を最終濃度120IU/ウェルで加えた。IL−2を添加していない対照試料ウェルの測定も平行して行った。細胞を5%CO2湿潤雰囲気中37℃で7日間培養した。細胞の増殖はBrdUの取り込みによって分析した。
図35に示すように、6つの対照試料のうち4つにおいてIL−2に応答した高い増殖反応が見られたのに対して、がん患者では10人のうち4人においてIL−2に応答した高い増殖反応が見られた。IL−2に応答したPBMCの増殖反応において見られたこれらの差は、IL−2に対する応答性が高い者とIL−2に対する応答性が低い者との間で差が生じていることを示していた。
様々な用量のP28Rに対する応答性について、高応答者と低応答者とを比較した。高応答者または低応答者から得た細胞を、P28Rの非存在下、または5μg/ml、10μg/mlもしくは20μg/mlのP28Rの存在下で7日間培養した。上記の実施例と同様にして、IL−2誘導性増殖をBrdUの取り込みとして測定した。図36Aに高応答者における結果を示し、図36Bに低応答者の結果を示す。P28Rは、IL−2に対して応答性が高い患者から得た細胞においては刺激効果を示さなかったが(N=4)(図36A参照)、IL−2に対して応答性が低い患者から得た細胞に対しては刺激効果を示した(N=6)(図36B参照)。
実施例31:IL−2誘導性増殖(BrdUの取り込みおよびMTSの変換)に対する免疫調節ペプチド阻害剤の効果
BrdUの取り込みを測定することによって、IL−2誘導性増殖に対する効果をP27(P28Rに関連するペプチド)とP28Rとで比較した。P27(「SCF27」とも呼ぶ)は、配列KKLDTFFKKLSLFTER(配列番号:264)を有し、P28RのV8がK8に置換されたP28Rのバリアントである。P28RはP27よりも効率的にP3028に結合する(P27はrampoスコア253でP3028に結合するのに対し、対照試料であるP28Rはrampoスコア308でP3028に結合する;実施例12参照)。
様々な濃度のP28R(「SCF28−R」とも呼ぶ)とともに培養した群と、様々な濃度のP27(「SCF27」とも呼ぶ)とともに培養した群とを設けた以外は実施例30と同様にして、実施例30の応答性が低いがん患者由来のPBMCを培養した。P28RまたはP27の濃度は、ペプチドなし(「非処理細胞」)、5μg/ml、10μg/mlまたは20μg/mlであった。実施例30と同様にしてBrdUの取り込みを測定した。図37に示すように、P28RおよびP27はいずれも、IL−2によって誘導されたPBMCの増殖率を上昇させた。ここで得られた結果は、IL−2の刺激によるミトコンドリアの代謝がP27ではなくP28Rによって増強されたことがMTS変換によって測定された実施例29および図34のデータと比較することができる。BrdUの取り込みの測定結果から、P27は、IL−2の刺激による細胞増殖を増強することが分かったが、MTSの変換の測定結果からは、P27はミトコンドリアの代謝を増強しないことが示されている。これに対して、P28Rは、これら両方のパラメータを増強することが分かった。本明細書において述べたように、抑制性ペプチドP3028は、CD25(実施例8ならびに図18および図19参照)およびLFA−1(実施例7ならびに図15および図16参照)などの様々な受容体に結合する。P27よりも高効率なP3028の結合因子であるP28Rは、LFA−1からP3028を除去し、かつ/またはCD25のブロックを解除することができると考えられる。一方、P3028に対する結合力がP28Rよりも低い/弱いP27は、LFA−1のブロックを解除する能力はないが、CD25のブロックを解除することができると考えられる。したがって、P3028などの様々な免疫調節ペプチドが様々な方法で様々な患者集団に影響を与えていると考えられる。さらに、免疫調節ペプチドに対する阻害剤は、その種類によって、様々な受容体の活性および/または様々なシグナル伝達経路を調節することができると考えられる。
実施例32:MTSアッセイおよびBrdUアッセイの比較
この研究において用いた2種の細胞増殖アッセイはいずれも細胞増殖を測定するために広く使用されている。PBMC培養の7日目に行ったMTSの変換では、ペプチドP28Rは、患者9人中9人および健常対照試料8つ中5つにおいて刺激活性を示した。これに対して、PBMC培養の7日目に行ったBrdUの取り込みでは、P28Rは、6人中1人および10人中2人の患者においてのみ刺激活性を示した。
BrdUの取り込みの測定では、P28Rは、IL−2に対して低い増殖応答を示すがん患者由来のPBMCの培養においてIL−2誘導性増殖を刺激した(実験条件は実施例30と同様であった)。MTSの変換による刺激効果の測定では、3つ中2つの健常対照試料から得たPBMCおよび4人中2人のがん患者から得たPBMCはIL−2で刺激されなかった(実験条件は実施例28と同様であった)。しかしながら、MTSにおいて応答性なしと測定された者(「無応答者」)のPBMCにおいて、刺激効果をBrdUの取り込みとして測定すると、いずれの無応答者においてもPBMCはIL−2により有意に刺激された。
図38に上記の結果を示す。図38Aおよび図38Bに示す患者と図38Cおよび図38Dに示す患者の2人の患者それぞれに由来するPBMCを、IL−2の存在下(図中382)(左の棒)またはIL−2の非存在下(図中384)(右の棒)で培養した。IL−2ならびにペプチドP28R(「SCR28R」とも呼ぶ)およびペプチドP27(「SCF27」とも呼ぶ)の効果は、ペプチドなし(「非処理細胞」)、または5μg/ml、10μg/mlもしくは20μg/mlのペプチド濃度で測定した。
2人の患者において、BrdUの取り込みとして測定したIL−2に対する応答は、P28Rによって増強されたが(図38Aおよび図38C参照)、MTSの変換により測定した場合、P28Rのこの増強効果は、2人患者のうち1人においてのみ観察された(図38B参照)。したがって、1人の患者ではBrdUとMTSのいずれでもIL−2の刺激活性が確認されたが(図38Aおよび図38B参照)、これに対して、もう1人の患者では、BrdUにおいてのみIL−2の刺激活性が確認された(図38C参照)。これらの結果に基づくと、MTSの変換によって測定された代謝活性に対する効果は、BrdUの取り込みとして測定されたDNA合成と必ずしも一致するとは限らないことが結論付けられた。
さらに、P28Rは、BrdU測定とMTS測定のいずれにおいてもIL−2の効果を増強したが、SCF27は、BrdUの取り込みの測定においてのみ刺激効果を示した。図38Cに示した患者では、図38Aと非常によく似た結果が示されたが、MTSの変換により効果を測定した図38Dにおいては刺激効果は見られない。
これらの結果から、P3028などのアルブミン由来免疫調節構造は、様々なメカニズムを介してシグナル伝達を調節していると考えられることが示された。したがって、患者集団が異なれば、免疫調節ペプチドの阻害剤に対して異なった応答性を示すと考えられる。インビトロ診断アッセイを使用することによって、アルブミン由来免疫調節構造を有する患者を同定することが容易となり、さらには、免疫調節構造に対する特定の阻害剤(または阻害剤の組み合わせ)に応答性を示す患者を同定することが容易になると考えられる。
実施例33:リンパ球活性化に対する免疫調節ペプチド結合因子の効果
実施例13と同様にして、リンパ球活性化に対する効果について免疫調節ペプチドの結合因子(たとえば表5.1、表6.1、表6.2もしくは表12に記載のペプチド(配列番号:1〜32および265〜393)、または配列番号:34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98もしくは264)を分析する。これらのペプチドの分析はヒトエクスビボモデルにおいて行う。7つの健常対照試料および様々な診断受けた7人のがん患者から得た試料においてMTS技術またはCFSE技術を使用して測定することにより、PBMCに対する刺激活性を調査する。また、他の刺激が存在しない条件においてもペプチドの刺激活性を分析し、処理を行っていない対照試料と比較する。
P3028配列またはP3028構造によって抑制されたIL−2応答性増殖反応に対する、表5.1、表6.1、表6.2または表12に記載のペプチド(配列番号:1〜32および265〜393)、または配列番号:34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98もしくは264の刺激活性を調べる。PBMCをIL−2とともに7日間培養し、増殖率をBrdUの取り込みとして測定する。各条件とも三重測定で分析する。PBMCの初期増殖を、同じドナー由来のPBMCを各ペプチドで処理した後の増殖と比較する。
実施例34:腫瘍細胞への免疫調節ペプチド阻害剤の結合
P3028に結合することが示された、表5.1、表6.1、表6.2または表12に記載のP28Rペプチド(配列番号:1〜32および265〜393)、または配列番号:34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98もしくは264のP28Rペプチドをそれぞれビオチン化し、これらのビオチン化ペプチドの腫瘍細胞への結合を分析する。実施例14と同様にして、5つの乳がん組織、2つの腎細胞がん組織および4つの悪性黒色腫組織を分析する。
実施例35:免疫調節ペプチドの阻害剤によるLFA−1受容体のブロック解除
本明細書で述べたように、β2−インテグリンは、正常に機能している免疫系において一定の役割を果たしている。本明細書ではさらに、β2−インテグリン(LFA−1)への内因性抑制因子(P3028)の結合に基づいた免疫抑制メカニズムについても述べる。実施例7で述べたように、がん患者由来PBMCの膜染色は正常対照試料と比較して著しく低下した。しかしながら、がん患者由来のPBMCを抑制因子であるP3028に対する抗体とともにインキュベートすると、LFA−1の露出を増強することができた(実施例7および図16参照)。
実施例7の抗LFA−1抗体および二次抗体(Ultravision)を使用してLFA−1染色を行い、Fast Redを使用して発色させる。LFA−1染色の前に、固定していない新鮮な凍結腫瘍切片を、P3028に結合することが示されている、表5.1、表6.1、表6.2もしくは表12に記載のP28Rペプチド(配列番号:1〜32および265〜393)、または配列番号:34、46〜53、64〜66、68、76、94〜96、98もしくは264のP28Rペプチドそれぞれとともに4〜20時間インキュベートする。比較対照として、対照腫瘍切片試料をリン酸緩衝生理食塩水のみを使用してインキュベートした。抗LFA−1抗体による染色量を測定し、LFA−1受容体のブロッキングが存在していれば、該抗体による染色量からLFA−1受容体のブロッキング量を決定する。さらに、処理した細胞の遊走および細胞傷害活性の分析も行う。
実施例36:配列番号:2のアミノ酸残基の位置スキャン
P28R(配列番号:2)の各位置のアミノ酸を別の種類のアミノ酸に置換し、位置スキャンデータを利用してこれらの置換がP3028(配列番号:185)への結合に及ぼす影響を調査した。P28R(配列番号:2)のペプチド配列中の各アミノ酸を他の天然アミノ酸で置換し、固相チップ上に固定した。チップ上に合成したこれらの「変異」P28RペプチドへのP3028の結合をELISA技術により測定した。表13に結果をまとめた。得られた結果から、P3028への結合を保持しつつ各位置において任意に置換可能なアミノ酸が同定され、それらを表13に示した。
*Mは側鎖に硫黄原子を有し、特定の理論に捉われるものではないが、8番目、9番目および/または15番目のアミノ酸をMで置換した場合にのみ、P3028へのペプチド阻害剤の結合が低下すると考えられることは注目されたい。
以下に示す位置の以下の種類のアミノ酸残基が、P28RへのP3028の結合に関与していると考えられることが示された(他の置換「可能な」アミノ酸のいくつかは表13に示す):
K2:正に荷電したアミノ酸
T5:非荷電極性アミノ酸
F6:疎水性または非荷電性アミノ酸
F7:疎水性または非荷電性アミノ酸
V8:疎水性非芳香族炭素鎖アミノ酸
K9:正に荷電したアミノ酸
S11:非荷電極性アミノ酸
E15:負に荷電したアミノ酸
したがって、実施形態のいくつかでは、配列の中心コアであるT5〜S11、さらに、2つのアミノ酸K2およびE15がペプチドP3028への結合に関与していると同定される。
さらに、位置スキャンデータから、「コアペプチド」(FFVKLS(配列番号:62)(本明細書において「P28コア」とも呼ぶ))が、完全長ペプチドP28Rと同程度に効率的に3028ペプチドに結合すると同定することができることに注目されたい。しかしながら、P28コアペプチドはこのモデルの短期培養ではPBMCの活性化(CD69およびCD71)を刺激しないのに対して、P28Rペプチドはこのモデルの短期培養においてPBMCの活性化を刺激することができる。
しかしながら、ヒトがん血清またはイヌがん血清を用いた培養では、P28コアは刺激活性を示す。したがって、特定の理論に捉われるものではないが、P28コアはP3028の抑制作用によるブロックの解除(たとえば、細胞の受容体に結合している3028構造の除去)に有用であると考えられる。たとえば、実施形態のいくつかでは、P28コアは、P3028を介して抑制されたLFA−1受容体のブロック解除に有用だと考えられる。
位置スキャンデータに基づくと、配列番号:2の置換体は、P3028へ結合させたり、P3028を介して抑制されたLFA−1受容体のブロックを解除したり、かつ/または免疫細胞を刺激するのに有用ではないかと考えられる。
実施例37:PBMCの活性化に対する修飾ペプチドの効果
PBMCを使用したヒトエクスビボモデルにおける24時間または48時間の短期培養によってペプチドP28R(配列番号:2)および修飾したP28Rの活性を調査した。P28Rおよび修飾P28Rの効果は、健常者対照由来のPBMCにおいて調査した。活性化は、フローサイトメトリーを使用して、CD69マーカーが増強された細胞のパーセンテージとして測定した。10%ヒトAB型血清を添加したRPMI中で上記ペプチド(40μg/mL)とともにPBMCを24時間インキュベートした。
このエクスビボモデルにおいては、(CD69の発現として測定した)刺激効果に対する様々なアミノ酸置換の影響を調査した。位置スキャンによって高い結合力を示すことが判明したアミノ酸置換体およびP28Rの刺激効果を評価した。P28R(KKLDTFFVKLSLFTER)(配列番号:2)、ペプチド30677(KKLDTFFVKLSLMTER)(配列番号:583)、ペプチド30678(KKLDTFFVKLQLFTER)(配列番号:584)、およびペプチド30680(KKLDTVMVKLQLMTER)(配列番号:585)を試験した(図41A参照)。図41Aは、各ペプチドについて行った2つの実験(図中410および412)の結果を示す。4種のペプチドはいずれも健常者対照由来のPBMCの活性化を誘導した。
P28R(配列番号:2);ペプチド30864(KSLDTFFVKLSLFTER)(配列番号:586);ペプチド30685(KKLDTFFVKLSLFTFR)(配列番号:587);ペプチド31135(KKLDTFFVYLSLFTER)(配列番号:588);ペプチド31136(KKLDTFFVNLSLFTER)(配列番号:589);およびペプチド31138(KKLDTFFVDLSLFTER)(配列番号:590)を試験した(図41B参照)。図41Bは、各ペプチドについて行った2つの実験(図中414および416)を示す。ペプチド31135も免疫細胞を刺激した。したがって、表13での分析結果に加えて、本明細書に記載の実施形態のいくつかにおいては、配列番号:2の9番目の残基をチロシンに置換してもよい。
これらの結果は、表13に示した位置スキャンに基づく分析データと全体に一致する(実施例36参照)。特定の理論に捉われるものではないが、位置スキャンにより得たデータと免疫細胞刺激により得たデータとの間に見られるいくつかの差異は、本明細書の開示と矛盾するわけではない。表13はELISAアッセイにおけるP3028への結合力に関し、それに対して図41Aおよび図41BはPBMC活性化アッセイに関することに注目されたい。実施形態のいくつかにおいて、配列番号:2または583〜585を含む、本質的に該配列からなる、または該配列からなるペプチドは、健常者の免疫細胞(たとえばPBMC)を刺激する。
実施例38:PBMCの活性化に対するP28コアペプチドの効果
実施例37において観察されたように、10%正常ヒトAB型血清添加RPMIを培地として使用した場合、P28R(配列番号:2)は、短期培養において健常対照由来PBMCを刺激することができる。P28Rの末端切断体についても、PBMCに対する活性化能を評価した。10%ヒトAB型血清を添加したRPMI中で上記ペプチド(40μg/mL)とともにPBMCを24時間インキュベートした。フローサイトメトリーを使用して、CD69(図42A)またはCD71(図42B)の発現が増強された細胞のパーセンテージとしてPBMCの活性化を測定した。各ペプチドについて2回実験を行った。
図42Aおよび図42Bに示すように、ペプチドP28R(配列番号:2)はこのモデルの健常者PBMCを効果的に活性化したが、ペプチド32251(配列番号:592)およびペプチド32230(「P28コア」)(FFVKLS)(配列番号:62)はこのモデルの健常者PBMCを活性化しなかった。
しかしながら、上記培地中の正常ヒトAB型血清を、イヌ由来がん血清またはヒトがん患者血清で置き換えたPBMC培養では、CD69の発現の増加としてPBMCの活性化を測定したところ、P28R(配列番号:2)およびP28コア(ペプチド32230)(FFVKLS)(配列番号:62)のいずれによってもPBMCが活性化された(図43参照)。図43は、2人のがん患者由来の血清(ヒトがん患者血清1(図中430)およびヒトがん患者血清2(図中432))のいずれかを含む培地中における、完全長ペプチドP28R(配列番号:2)と6アミノ酸残基のP28コア配列(ペプチド32230)(FFVKLS)(配列番号:62)との比較を示す。P28R(配列番号:2)およびP28コア(配列番号:62)はいずれもがん血清の存在下でPBMCを活性化した。
さらに、免疫細胞化学分析またはP28Rコーティングビーズとのロゼット形成(細胞へのビーズの結合)によって、ビオチン化P28RはPBMCに直接結合することが示された。
以上の結果より、P28R(配列番号:2)はP3028に結合して、細胞の受容体のブロックを解除することができ、さらに、免疫細胞を直接刺激できることが示された。また、P28コア(配列番号:62)はP3028に結合して、細胞の受容体のブロックを解除することができる。
実施例39:P28Rの細胞傷害活性
P28R(配列番号:2)の効果を、ヌードマウスおよび免疫能の正常なマウスのインビボモデルにおいてさらに調査した。異種移植ヌードマウスモデルのヒト膵臓がんにP28Rを腫瘍内注射すると、その1日後に、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する能力が示された。図44Aおよび図44Bは、カスパーゼ3の免疫組織化学的染色(図中440)を示し、薬物溶媒のみで処置した腫瘍(図44B)と比較して、P28Rで処置した腫瘍においてはカスパーゼ3の活性化が有意に増強されるとともにアポトーシスが進行中であることが示されている(図44A)。染色されなかった部分を図中442に示す。これらの結果は、腫瘍に対して免疫反応を起こす能力のない動物にP28Rを投与してからわずか1日後に得られた結果であることに注目されたい。
したがって、本明細書に記載の実施形態のいくつかによれば、P28Rの腫瘍内投与は腫瘍細胞に対して細胞傷害作用を有している。実施形態のいくつかでは、P28Rは腫瘍細胞に対して直接的な細胞傷害作用を有している。
実施例40:P28Rの治療活性
免疫系を活性化することによって腫瘍細胞の溶解を誘導するP28R(配列番号:2)の能力を、B16黒色腫を接種した免疫能の正常な(C57BL)マウスにおいて調査した。40mg/100μlのP28Rを腫瘍内注射し、3日後に腫瘍を摘出した。図45に示すように、ポリクローナルウサギ抗CD45抗体を使用した免疫組織化学的染色(図中450)によって、上記処置後に腫瘍の大部分を占めた細胞は炎症性細胞であったことが同定された(図45A)。比較対照として、対照腫瘍切片を同じ濃度のウサギIgGとともにインキュベートした(図45B)。染色されなかった部分を図中452に示す。
したがって、P28Rは、炎症性細胞によるB16黒色腫腫瘍の浸潤を誘導できることが示された。本明細書に記載の実施形態のいくつかによれば、P28Rは、免疫細胞による腫瘍(たとえば悪性黒色腫)の浸潤を誘導することができる。
実施例41:免疫細胞刺激に対する修飾ペプチドの効果
様々なアミノ酸置換およびアミノ酸付加が免疫刺激作用に及ぼす影響を調査した。健常者対照から得たPBMCの活性化に対する修飾ペプチドの効果を評価した。フローサイトメトリーを使用して、CD69マーカーまたはCD71マーカーが増強された細胞のパーセンテージとして活性化を測定した。10%ヒトAB型血清を添加したRPMI中で上記ペプチド(40μg/mL)とともにPBMCを48時間インキュベートした。各ペプチドにつき、2つの実験(図46Aの460および462;図46Bの464および466)を行った。ペプチドP28R(配列番号:2)、ペプチドP28コア(ペプチド32230)(配列番号:62)、ペプチド32251(KKLDTFFPKLSLFTER)(配列番号:592)、ペプチド32814(RKLDTFFVKLSLFTERRR)(配列番号:591)、ペプチド32815(KKLDQFFVKLSQHNER)(配列番号:595)、ペプチド32665(配列番号:593)、およびペプチド32819(配列番号:594)を試験した。
図46に示すように、ペプチド32814(配列番号:591)は、P28R(配列番号:2)(バッチCS8040)と同様に短期培養において刺激効果を有していた。したがって、CD69の増強(図46A)およびCD71の増強(図46B)によって示されたように、ペプチド32814(配列番号:591)は健常者PBMCを活性化した。
実施例42:診断用途
治療用途に加えて、P28Rならびにその末端切断体および修飾体の診断用途についても検討した。たとえば、P28Rまたはその末端切断体もしくは修飾体を含む試薬を使用して、全身および局所(腫瘍内)の免疫状態に関する患者情報を得ることができる。
抗P3028抗体、または標識P28R(配列番号:2)もしくは標識P28コア(配列番号:62)(たとえば、ビオチン化P28RまたはP28コア)を使用した免疫組織化学的染色によって、腫瘍内の免疫抑制性3028構造の存在を同定することができると考えられる。図47は、ビオチン化P28Rを使用して染色したヒト乳がんの2つの領域を示す。図47Bでは図中470に染色が観察される。図47Aでは染色は観察されない。染色されなかった部分を図中472に示す。
このように、本明細書に記載の実施形態に従い、標識ペプチドを使用して、P3028構造を含む腫瘍領域(およびこの構造を含まない領域)を同定することができる。
実施例43:P28ペプチド阻害剤を使用した腫瘍の治療
悪性黒色腫を有する患者を同定する。配列番号:2のアミノ酸配列からなるペプチド40μg/100mlとPBS緩衝液とを含む、ゲル状物質として製剤化された医薬組成物を週1回3週間にわたり患者の腫瘍の周囲に注射する。腫瘍細胞に対する傷害性が観察される。腫瘍への免疫細胞の浸潤が観察される。
実施例44:P28コアペプチド阻害剤を使用した腫瘍の治療
乳がんを有する患者を同定する。配列番号:62のアミノ酸配列からなるペプチド80μg/100mlとTris緩衝液とを含む、ゲル状物質として製剤化された医薬組成物を患者の腫瘍の周囲に注射する。腫瘍への免疫細胞の浸潤が観察される。
実施例45:P28R修飾ペプチド阻害剤を使用した腫瘍の治療
前立腺がんを有する患者を同定する。水性緩衝液に溶解した、配列番号:586のアミノ酸配列からなるペプチド1mg/kgを含む医薬組成物を2日に1回計5回にわたり患者に全身投与する。腫瘍細胞に対する傷害性が観察される。腫瘍への免疫細胞の浸潤が観察される。