JP2020016826A - 多波長レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤緑青のレーザダイオードの位置を擬似的にシフトさせ、小型化を図る多波長レーザ装置。【解決手段】互いに異なる波長を有し、レーザビームを出射する複数のレーザダイオード1a〜1cから出射された複数のレーザビームをバルク部分で屈折させてシフトさせ、界面部分で透過及び反射させて出射光軸に伝搬させる複合プリズム素子3a,3bを備え、複数のレーザビームが複合プリズム素子を通過した後の出射光軸の基準面からレーザダイオード1a,1bの第1発光点位置までの物理的距離が基準面からレーザダイオード1cの第2発光点位置までの物理的距離よりも長い場合に、複合プリズム素子の屈折率と厚みとを設定することにより、基準面から第1発光点位置までの見かけの距離と基準面から第2発光点位置までの見かけの距離とを同一にした。【選択図】図1
Description
本発明は、複数のレーザ光源からのレーザ光を光学素子で合波して、集光レンズで一点に集光させる多波長レーザ装置に関する。
光の3原色(赤R,緑G,青B)を出力できるレーザダイオードが知られている。R,G,Bの3つのレーザダイオードのビームをレンズやミラー等の光学素子を通し且つR,G,Bの3つのレーザダイオードを高速に変調しながら、MEMSミラー(Micro-Electro-Mechanical Systems)等でレーザビームを走査させる。これにより、レーザプロジェクタとして画像を表示することができる。
横モードがシングルモードとみなすことができるレーザダイオードは、M2値が小さく、理想的なレーザ光源である。このレーザダイオードは、集光時に深い焦点深度が得られるため、フォーカスフリーの小型プロジェクタ用レーザ光源等に使用することができる。
特許文献1には、R,G,Bの3つのレーザダイオードを用いたレーザ光源が記載されている。レーザダイオードは、半導体チップからなるが、通電時の熱を逃がすために、TO38,TO56等の小型のCANパッケージにパッケージングされている。集光レンズを用いて3つのレーザダイオードの集光点を一致させるときには、クロスキューブプリズム等を用いて3方向からのレーザビームを入射する方法が考えられる。これにより、小型な光学系を実現することができる。
しかしながら、光学系は小型であるが、放熱器の寸法を合わせたレーザ装置としての寸法では、大型化してしまうという課題を有していた。また、レーザ装置が平面的に広がってしまうため、レーザ装置の光軸が中心付近となってしまう。即ち、レーザ装置の端部に、レーザビーム出射点を設けることが困難であった。
上記課題を解決するために、レーザダイオードが一面のみ、あるいは二面に分かれて配置され、放熱機構を含めたレーザ装置を小型化する場合を考える。例えば、1つの面に複数のレーザダイオードが配置されているとき、装置出射光軸上の一点から見た複数のレーザビームの発光点位置までの距離は同一距離とはならない。即ち、1つの面上の異なる位置に配置されたレーザビームの集光点は、他のレーザのビームの集光点位置と異なる。
一方、図9に示すように、距離が一番小さい青色レーザダイオードBの前方に、レンズ11を配置して、擬似的に発光点位置を移動させる方法もある。しかしながら、レンズ11を挿入すると拡がり角(集光角)は、小さくなるが、レーザビームのビーム径Wとビーム拡がり角θとの積は、一定であるため、集光点でのビーム径Wは大きくなる。このため、レーザ装置をレーザプロジェクタとして使用するときには、解像度が低下する。従って、レーザダイオードの位置を物理的に遠ざけなければならず、レーザ装置が大型化してしまう。
本発明の課題は、赤緑青のレーザダイオードの位置を擬似的にシフトさせ、小型化を図ることができる多波長レーザ装置を提供する。
本発明に係る多波長レーザ装置の請求項1は、互いに異なる波長を有し、レーザビームを出射する複数のレーザダイオードと、前記複数のレーザダイオードから出射された複数のレーザビームをバルク部分で屈折させてシフトさせ、界面部分で透過及び反射させて出射光軸に伝搬させる1以上の複合プリズム素子とを備え、前記複数のレーザビームが前記1以上の複合プリズム素子を通過した後の前記出射光軸上の一点から前記複数のレーザダイオードの内の1以上のレーザダイオードの第1発光点位置までの物理的距離が前記一点から前記複数のレーザダイオードの内の前記1以上のレーザダイオードを除く残りのレーザダイオードの第2発光点位置までの物理的距離よりも長い場合に、前記1以上の複合プリズム素子の屈折率と厚みとを設定することにより、前記一点から前記第1発光点位置までの見かけの距離と前記一点から前記第2発光点位置までの見かけの距離とを同一にしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記1以上の複合プリズム素子からの1以上のレーザビームを集光する集光レンズを備えることを特徴とする。
請求項3の発明では、前記複数のレーザダイオードは、第1レーザダイオードと第2レーザダイオードと第3レーザダイオードとからなり、前記1以上の複合プリズム素子は、第1誘電体多層膜が形成され、前記第1レーザダイオード及び前記第2レーザダイオードからのレーザビームを入射して前記第1誘電体多層膜で透過及び反射させる第1複合プリズム素子と、第2誘電体多層膜が形成され、前記第1複合プリズム素子からのレーザビームと前記第3レーザダイオードからのレーザビームとを入射して前記第2誘電体多層膜で透過及び反射させる第2複合プリズム素子とを備えることを特徴とする。
請求項4の発明では、前記1以上の複合プリズム素子は、1つの複合プリズム素子からなり、前記1つの複合プリズム素子は、第1誘電体多層膜及び第2誘電体多層膜が形成され、前記第1誘電体多層膜は、前記1以上のレーザダイオードより入射した1以上のレーザビームを透過及び反射し、前記第2誘電体多層膜は、前記1以上のレーザビームと前記残りのレーザダイオードより入射したレーザビームを透過及び反射することを特徴とする。
請求項5の発明では、前記第1複合プリズム素子は、前記バルク部分が第1屈折率を有し、前記第2複合プリズム素子は、前記バルク部分が前記第1屈折率よりも値が小さい第2屈折率を有することを特徴とする。
請求項6の発明では、前記1つの複合プリズム素子は、前記第1誘電体多層膜を含む第1バルク部分と、前記第2誘電体多層膜を含む第2バルク部分とからなり、前記第1バルク部分は、第1屈折率を有し、前記第2バルク部分が前記第1屈折率よりも値が小さい第2屈折率を有することを特徴とする。
請求項7の発明では、前記1以上の複合プリズム素子に入射されたレーザビームの一部を前記第2誘電体多層膜を通して受光する受光素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、1以上の複合プリズム素子の屈折率と厚みとを設定することにより、一点から第1発光点位置までの見かけの距離と一点から第2発光点位置までの見かけの距離とを同一にした。
即ち、1以上の複合プリズム素子の屈折率により、後ろよりに位置するレーザダイオードの発光点位置を擬似的に前よりの発光点位置にシフトさせて、一点から発光点位置までの見かけの距離を短くさせることで、一点から第1発光点位置までの見かけの距離と一点から第2発光点位置までの見かけの距離とを同一にすることができる。従って、レーザ装置の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態に係る多波長レーザ装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1の多波長レーザ装置の構成図である。実施例1の多波長レーザ装置は、RGBレーザモジュールに適用したものである。実施例の多波長レーザ装置は、赤色レーザダイオード1aと緑色レーザダイオード1bと青色レーザダイオード1cと、アパーチャ2a〜2c、複合プリズム素子3a,3b、集光レンズ4を備えている。
図1は、本発明の実施例1の多波長レーザ装置の構成図である。実施例1の多波長レーザ装置は、RGBレーザモジュールに適用したものである。実施例の多波長レーザ装置は、赤色レーザダイオード1aと緑色レーザダイオード1bと青色レーザダイオード1cと、アパーチャ2a〜2c、複合プリズム素子3a,3b、集光レンズ4を備えている。
各レーザダイオード(LD)1a〜1cは、互いに異なる波長を有し、レーザ光を出射する。赤色レーザダイオード1aは、光軸上に配置され、緑色レーザダイオード1bと青色レーザダイオード1cは、光軸に直交する位置に互いに離間して配置されている。レーザダイオードの種類には、ファブリペロー型レーザダイオードや、垂直共振器面発光型レーザダイオード(VCSEL)等がある。
アパーチャ2a〜2cは、レーザビームの周辺光を除去するために配置されている。アパーチャ2aは、赤色レーザダイオード1aに対向して配置され開口部を有し、赤色レーザダイオード1aから出射されたレーザビームを開口部により所定幅のレーザビームに制限する。
アパーチャ2bは、緑色レーザダイオード1bに対向して配置され開口部を有し、緑色レーザダイオード1bから出射されたレーザビームを開口部により所定幅のレーザビームに制限する。
アパーチャ2cは、青色レーザダイオード1cに対向して配置され開口部を有し、青色レーザダイオード1cから出射されたレーザビームを開口部により所定幅のレーザビームに制限する。
複合プリズム素子3a(3b)は、キューブ型ビームスプリッタからなり、2つの直角プリズムで構成され、2つの直角プリズムの斜面S1,S2(界面部分)には誘電体多層膜5a(5b)が施され、直角プリズムの斜面同士を接着して構成されている。
なお、複合プリズム素子3a(3b)は、直角プリズムの斜面同士を接着する代わりに、オプティカルコンタクトにより2つの直角プリズムを一体化してもよい。
複合プリズム素子3aは、本発明の第1複合プリズム素子に対応し、立方体(バルク部分)からなり、立方体の一面Sa(入射面)がアパーチャ2aの長手部と平行に配置され、一面Saに直交する他の一面Sb(入射面)がアパーチャ2bの長手部と平行に配置され、一面Saにレーザダイオード1aからのレーザビームが入射され、他の一面Sbにレーザダイオード1bからのレーザビームが入射される。複合プリズム素子3aは、バルク部分でレーザダイオード1aからのレーザビームとレーザダイオード1bからのレーザビームとを屈折させてそれぞれの見かけの発光点位置をシフトさせる。
複合プリズム素子3aの誘電体多層膜5aは、レーザダイオード1aからのレーザビームを出射光軸に透過させ、レーザダイオード1bからのレーザビームを反射させて出射光軸に伝搬させる。
複合プリズム素子3bは、本発明の第2複合プリズム素子に対応し、立方体(バルク部分)からなり、立方体の一面Sc(入射面)がアパーチャ2aの長手部と平行に配置され、一面Scに直交する他の一面Sd(入射面)がアパーチャ2cの長手部と平行に配置され、一面Scにレーザダイオード1a,1bからのレーザビームが入射され、他の一面Sdにレーザダイオード1cからのレーザビームが入射される。複合プリズム素子3bは、バルク部分でレーザダイオード1a,1bからのレーザビームとレーザダイオード1cからのレーザビームとを屈折させてそれぞれの見かけの発光点位置をシフトさせる。
複合プリズム素子3bの誘電体多層膜5bは、レーザダイオード1a,1bからのレーザビームを出射光軸に透過させ、レーザダイオード1からのレーザビームを反射させて出射光軸に伝搬させる。集光レンズ4は、複合プリズム素子3bからのレーザダイオード1a,1b,1cからの合成ビームを同一のスポットに集光する。
複合プリズム素子3a(3b)の直角プリズムは、空気の屈折率n1(n1=1)よりも大きい屈折率n2を有し、例えば、屈折率(n=1.52)が一様なガラス材料BK7からなる。
屈折率が空気(屈折率n1)よりも大きい屈折率n2を有する複合プリズム素子3a,3b内をレーザビームが伝搬すると、図2に示すように、レーザダイオードの1a〜1cの見かけの発光点位置が光軸の+Z方向にシフトする。このシフト量ΔZは、以下の式で表される。
ΔZ=T{1−(n1/n2)}
ここで、Tは、複合プリズム素子3a,3bのビーム進行方向の厚みである。シフト量ΔZは、上式から、複合プリズム素子3a,3bのビーム進行方向の厚みTと複合プリズム素子3a,3bの屈折率n2と空気の屈折率n1から算出することができる。
ΔZ=T{1−(n1/n2)}
ここで、Tは、複合プリズム素子3a,3bのビーム進行方向の厚みである。シフト量ΔZは、上式から、複合プリズム素子3a,3bのビーム進行方向の厚みTと複合プリズム素子3a,3bの屈折率n2と空気の屈折率n1から算出することができる。
図1に示すレーザ装置において、レーザダイオード1a〜1cからの3つのレーザビームが複合プリズム素子3a,3bを通過した後の出射光軸上の基準面(本発明の一点に対応)からレーザダイオード1a〜1cの内のレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの物理的距離Z1が基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの物理的距離Z2よりも長い。
この場合に、複合プリズム素子3a,3bの屈折率n2と厚みTとを設定することにより、基準面からレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの見かけの距離と基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの見かけの距離とを同一にしている。
この例では、レーザダイオード1a,1bについては、レーザダイオード1a,1bからのレーザビームは、複合プリズム素子3aと複合プリズム素子3bとを透過するので、複合プリズム素子3aの屈折率n2と複合プリズム素子3bの屈折率n2により、基準面に対して後ろよりに位置するレーザダイオード1a,1bの発光点位置を擬似的に前よりの発光点位置にシフトさせて、基準面から発光点位置までの見かけの距離を複合プリズム素子3a,3bの挿入分だけ短くさせることができる。このシフト量をΔZ1とすると、見かけの距離は、Z1−ΔZ1である。
次に、レーザダイオード1cについては、レーザダイオード1cからのレーザビームは、複合プリズム素子3bのみを透過するので、複合プリズム素子3bの屈折率n2により、基準面に対して後ろよりに位置するレーザダイオード1a,1bの発光点位置を擬似的に前よりの発光点位置にシフトさせて、基準面から発光点位置までの見かけの距離を複合プリズム素子3bの挿入分だけ短くさせることができる。このシフト量をΔZ2(ΔZ2<ΔZ1)とすると、見かけの距離は、Z2−ΔZ2である。
ここで、(Z1−ΔZ1)>(Z2−ΔZ2)であるので、(Z1−ΔZ1)=(Z2−ΔZ2)とするために、レーザダイオード1bから複合プリズム素子3aの面Sbまでの距離よりもレーザダイオード1cから複合プリズム素子3bの面Sdまでの距離を大きくしている。即ち、レーザダイオード1cとアパーチャ2cとを複合プリズム素子3bからより遠ざけている。
このように実施例1のレーザ装置によれば、複合プリズム素子3a,3bの屈折率n2と厚みTとを設定することにより、基準面からレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの見かけの距離と基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの見かけの距離とを同一にした。
即ち、複合プリズム素子3a,3bの屈折率n2により、後ろよりに位置するレーザダイオードの発光点位置を擬似的に前よりの発光点位置にシフトさせて、基準面から発光点位置までの見かけの距離を短くさせることで、基準面からレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの見かけの距離と基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの見かけの距離とを同一にすることができる。従って、レーザ装置の小型化を図ることができる。
(実施例2)
図3は、実施例2の多波長レーザ装置の構成図で、同一の屈折率n2を有する1つの複合プリズム素子3を用いた例を示す図である。図1に示す実施例1では、複合プリズム素子3aと複合プリズム素子3bとの間に空気が存在したが、図3に示す実施例2では、空気をなくすために複合プリズム素子3を長くしている。
図3は、実施例2の多波長レーザ装置の構成図で、同一の屈折率n2を有する1つの複合プリズム素子3を用いた例を示す図である。図1に示す実施例1では、複合プリズム素子3aと複合プリズム素子3bとの間に空気が存在したが、図3に示す実施例2では、空気をなくすために複合プリズム素子3を長くしている。
複合プリズム素子3は、バルク部分が屈折率n2を有し、誘電体多層膜5aが形成され、1以上のレーザビームを入射して誘電体多層膜5aで透過及び反射させ、誘電体多層膜5bが形成され、1以上のレーザビームとレーザダイオード1cからのレーザビームとを入射して誘電体多層膜5bで透過及び反射させる。
このように複合プリズム素子3を一体化することで、複合プリズム素子の位置決め工程を簡略化することができる。
(実施例3)
図4は、複数の屈折媒質が存在する時の見かけ上の距離を示す図である。図5は、実施例3の多波長レーザ装置の構成図で、互いに異なる屈折率を有する2つの複合プリズム素子3c,3dを用いた例を示す図である。実施例3は、実施例1の構成に対して、以下の構成が異なる。複合プリズム素子3cは、レーザダイオード1aからのレーザビームとレーザダイオード1bからのレーザビームとを透過及び反射して伝播させる。複合プリズム素子3cの屈折率は、n3である。例えば、屈折率は、一様なガラス材料SF11であり、1.8である。
図4は、複数の屈折媒質が存在する時の見かけ上の距離を示す図である。図5は、実施例3の多波長レーザ装置の構成図で、互いに異なる屈折率を有する2つの複合プリズム素子3c,3dを用いた例を示す図である。実施例3は、実施例1の構成に対して、以下の構成が異なる。複合プリズム素子3cは、レーザダイオード1aからのレーザビームとレーザダイオード1bからのレーザビームとを透過及び反射して伝播させる。複合プリズム素子3cの屈折率は、n3である。例えば、屈折率は、一様なガラス材料SF11であり、1.8である。
複合プリズム素子3dは、レーザダイオード1a,1bからのレーザビームとレーザダイオード1cからのレーザビームとを透過及び反射して伝播させる。複合プリズム素子3dの屈折率は、n3よりも小さい値を持つn2である。複合プリズム素子3dは、屈折率(n=1.52)が一様なガラス材料BK7からなる。
図4に示すように、n3>n2のとき、屈折率n2の媒質の単位長さあたりのシフト量ΔZ2´よりも屈折率n3の媒質の単位長さあたりのシフト量ΔZ3´の方が大きくなる。このため、基準面からレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの見かけの距離は、Z1−ΔZ3−ΔZ2となる。基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの見かけの距離は、Z2−ΔZ2となる。
基準面からレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの見かけの距離と、基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの見かけの距離とを同一にするためには、以下の式を満たす必要がある。
(Z1−ΔZ3−ΔZ2)=(Z2−ΔZ2)
上式は、Z1−Z2=ΔZ3となる。
(Z1−ΔZ3−ΔZ2)=(Z2−ΔZ2)
上式は、Z1−Z2=ΔZ3となる。
上式を満たすように、屈折率n3と厚みTを操作することによりシフト量ΔZ3を設定すれば、基準面からレーザダイオード1a,1bの発光点位置までの見かけの距離と、基準面からレーザダイオード1cの発光点位置までの見かけの距離とを同一にすることができる。また、実施例3は、実施例1に対して、レーザダイオード1cから複合プリズム素子3dまでの距離を、レーザダイオード1bから複合プリズム素子3cまでの距離と略同一とすることができるので、さらに、レーザ装置のスペースが少なくて済み、さらに、レーザ装置の小型化を図ることができる。
(実施例4)
図6は、実施例4の多波長レーザ装置の構成図で、屈折率n3の領域(第1バルク部分)と屈折率n2の領域(第2バルク部分)とを有する1つの複合プリズム素子3eを用いた例を示す図である。図5に示す実施例3では、複合プリズム素子3cと複合プリズム素子3dとの間に空気が存在したが、図6に示す実施例4では、空気をなくすために複合プリズム素子3eを長くしている。
図6は、実施例4の多波長レーザ装置の構成図で、屈折率n3の領域(第1バルク部分)と屈折率n2の領域(第2バルク部分)とを有する1つの複合プリズム素子3eを用いた例を示す図である。図5に示す実施例3では、複合プリズム素子3cと複合プリズム素子3dとの間に空気が存在したが、図6に示す実施例4では、空気をなくすために複合プリズム素子3eを長くしている。
複合プリズム素子3eは、第1バルク部分に誘電体多層膜5aが形成され、1以上のレーザダイオードからの1以上のレーザビームを入射して誘電体多層膜5aで透過及び反射させ、第2バルク部分に誘電体多層膜5bが形成され、1以上のレーザビームと残りのレーザダイオードからのレーザビームとを入射して誘電体多層膜5bで透過及び反射させる。
また、屈折率変化面がビーム伝搬方向に対して斜めになっていると、非点収差が発生する。このため、屈折率変化面をS3のようにビーム伝搬方向に対して、垂直に配置している。屈折率変化面S3は、フレネル反射を抑制するためのコーティングが施されている。また、屈折率の異なる硝子材料を接着させるために、熱膨張係数の値が略同じである硝子材料を使用して、硝子材料の熱変形を防止している。
このように複合プリズム素子3eを一体化することで、複合プリズム素子3eの位置決め工程を簡略化することができる。
(実施例5)
図7は、実施例5の多波長レーザ装置の構成図である。図7は、図6に示す構成に対して、さらに、本発明の受光素子としてのフォトダイオードPD1,PD2を設けたものである。
図7は、実施例5の多波長レーザ装置の構成図である。図7は、図6に示す構成に対して、さらに、本発明の受光素子としてのフォトダイオードPD1,PD2を設けたものである。
フォトダイオードPD1は、複合プリズム素子3eの長手部に沿って且つアパーチャ2b及び誘電体多層膜6aに対向させて配置され、誘電体多層膜6aで反射されるレーザダイオード1aからのレーザビームと誘電体多層膜6aで透過されるレーザダイオード1bからのレーザビームを受光する。
フォトダイオードPD2は、複合プリズム素子3eの長手部に沿って且つアパーチャ2c及び誘電体多層膜6bに対向させて配置され、誘電体多層膜6bで反射される誘電体多層膜6aからのレーザビームと誘電体多層膜6bで透過されるレーザダイオード1cからのレーザビームとを受光する。
フォトダイオードPD1,PD2は、受光されたレーザダイオード1a〜1cからのレーザビームの出力を図示しない定出力制御部に出力する。定出力制御部は、フォトダイオードPD1,PD2の受光出力に基づき受光出力を一定出力になるように制御する(APC制御)。
レーザダイオード1a〜1cは、動作温度により閾値電流が変動してしまうので、光出力を変動させてしまうが、フォトダイオードPD1,PD2と定出力制御部とにより光出力を安定化させることができる。
(実施例6)
図8は、実施例6の多波長レーザ装置の構成図である。図8では、図6に示す複合プリズム素子5eをさらに延長した複合プリズム素子5fを用い、複合プリズム素子5fの延長した領域で斜面に誘電体多層膜5cを配置している。誘電体多層膜5cに対向し且つレーザダイオード1b,1c側にフォトダイオードPDを配置している。
図8は、実施例6の多波長レーザ装置の構成図である。図8では、図6に示す複合プリズム素子5eをさらに延長した複合プリズム素子5fを用い、複合プリズム素子5fの延長した領域で斜面に誘電体多層膜5cを配置している。誘電体多層膜5cに対向し且つレーザダイオード1b,1c側にフォトダイオードPDを配置している。
フォトダイオードPDは、誘電体多層膜5cを介してレーザダイオード1a〜1cからのレーザビームの一部を受光する。フォトダイオードPDは、受光されたレーザダイオード1a〜1cからのレーザビームの出力を図示しない定出力制御部に出力する。定出力制御部の処理は、前述した通りである。
このように実施例6の多波長レーザ装置によれば、実施例5の多波長レーザ装置の効果と同様な効果が得られる。
本発明の多波長レーザ装置は、小型レーザプロジェクタ、ファイバ結合型レーザダイオードモジュールに適用可能である。
1a 赤色レーザダイオード
1b 緑色レーザダイオード
1c 青色レーザダイオード
2a〜2c アパーチャ
3,3a,3b,3c,3d 複合プリズム素子
3e,3f 複合プリズム素子
4 集光レンズ
5,5a,5b 誘電体多層膜
S1,S2,S3 斜面(界面部分)
n1,n2,n3 屈折率
PD1,PD2 フォトダイオード
1b 緑色レーザダイオード
1c 青色レーザダイオード
2a〜2c アパーチャ
3,3a,3b,3c,3d 複合プリズム素子
3e,3f 複合プリズム素子
4 集光レンズ
5,5a,5b 誘電体多層膜
S1,S2,S3 斜面(界面部分)
n1,n2,n3 屈折率
PD1,PD2 フォトダイオード
Claims (7)
- 互いに異なる波長を有し、レーザビームを出射する複数のレーザダイオードと、
前記複数のレーザダイオードから出射された複数のレーザビームをバルク部分で屈折させてシフトさせ、界面部分で透過及び反射させて出射光軸に伝搬させる1以上の複合プリズム素子とを備え、
前記複数のレーザビームが前記1以上の複合プリズム素子を通過した後の前記出射光軸上の一点から前記複数のレーザダイオードの内の1以上のレーザダイオードの第1発光点位置までの物理的距離が前記一点から前記複数のレーザダイオードの内の前記1以上のレーザダイオードを除く残りのレーザダイオードの第2発光点位置までの物理的距離よりも長い場合に、前記1以上の複合プリズム素子の屈折率と厚みとを設定することにより、前記一点から前記第1発光点位置までの見かけの距離と前記一点から前記第2発光点位置までの見かけの距離とを同一にしたことを特徴とする多波長レーザ装置。 - 前記1以上の複合プリズム素子からの1以上のレーザビームを集光する集光レンズを備えることを特徴とする請求項1記載の多波長レーザ装置。
- 前記複数のレーザダイオードは、第1レーザダイオードと第2レーザダイオードと第3レーザダイオードとからなり、
前記1以上の複合プリズム素子は、第1誘電体多層膜が形成され、前記第1レーザダイオード及び前記第2レーザダイオードからのレーザビームを入射して前記第1誘電体多層膜で透過及び反射させる第1複合プリズム素子と、
第2誘電体多層膜が形成され、前記第1複合プリズム素子からのレーザビームと前記第3レーザダイオードからのレーザビームとを入射して前記第2誘電体多層膜で透過及び反射させる第2複合プリズム素子と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の多波長レーザ装置。 - 前記1以上の複合プリズム素子は、1つの複合プリズム素子からなり、
前記1つの複合プリズム素子は、第1誘電体多層膜及び第2誘電体多層膜が形成され、
前記第1誘電体多層膜は、前記1以上のレーザダイオードより入射した1以上のレーザビームを透過及び反射し、
前記第2誘電体多層膜は、前記1以上のレーザビームと前記残りのレーザダイオードより入射したレーザビームを透過及び反射することを特徴とする請求項1又は2記載の多波長レーザ装置。 - 前記第1複合プリズム素子は、前記バルク部分が第1屈折率を有し、
前記第2複合プリズム素子は、前記バルク部分が前記第1屈折率よりも値が小さい第2屈折率を有することを特徴とする請求項3記載の多波長レーザ装置。 - 前記1つの複合プリズム素子は、前記第1誘電体多層膜を含む第1バルク部分と、前記第2誘電体多層膜を含む第2バルク部分とからなり、前記第1バルク部分は、第1屈折率を有し、前記第2バルク部分が前記第1屈折率よりも値が小さい第2屈折率を有することを特徴とする請求項4記載の多波長レーザ装置。
- 前記1以上の複合プリズム素子に入射されたレーザビームの一部を前記第2誘電体多層膜を通して受光する受光素子を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の多波長レーザ装置。
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JP2018141093A JP2020016826A (ja) | 2018-07-27 | 2018-07-27 | 多波長レーザ装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117047261A (zh) * | 2023-09-04 | 2023-11-14 | 深圳公大激光有限公司 | 一种环形斑激光加工系统 |
WO2024034166A1 (ja) * | 2022-08-10 | 2024-02-15 | アルプスアルパイン株式会社 | 光学装置 |
US11990728B2 (en) | 2020-05-26 | 2024-05-21 | Nichia Corporation | Light emitting device |
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-
2018
- 2018-07-27 JP JP2018141093A patent/JP2020016826A/ja active Pending
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