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JP2020011867A - 放射線検出用ガラスの処理方法 - Google Patents

放射線検出用ガラスの処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスを熱処理する際に生じるガラスの着色を抑制することが可能な放射線検出用ガラスの処理方法を提供する。【解決手段】銀リン酸系ガラスからなる放射線検出用ガラスを、水で洗浄した後に、熱処理してガラス中に生成した蛍光中心を消失させることを特徴とする放射線検出用ガラスの処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、放射線検出用ガラスの処理方法に関する。
放射線検出用ガラスは、放射線被ばく線量を測定するための検出物質として、医療分野、原子力分野等の放射線を取り扱う分野において広く用いられている。なお、ここで放射線とはベータ線、ガンマ線、エックス線等を指す。一般に放射線検出用ガラスには、例えば、銀イオンを含有したリン酸塩ガラスが用いられている。このガラスに放射線を照射すると、ガラス中に正孔と電子が生成し、形成された正孔と電子がガラス中のAgイオンに捕捉されてAg2+、Agとなる。ガラス中のAg2+、Agを、波長300〜400nmの紫外光により励起すると蛍光を発する(ラジオフォトルミネッセンス現象、以下「RPL現象」と示す。)。
RPL現象による蛍光強度は照射された放射線の線量当量(以下、「放射線量」と記す。)に比例するので、蛍光強度を測定する事により放射線量を計測する事が出来る。RPL現象によってガラス中に形成された蛍光中心は近接配位原子との相互作用により安定化し、室温下では蛍光中心の消失が起こらないため、長期間にわたり放射線量の計測が可能である。また、熱処理により、ガラス中に形成された蛍光中心を消失させることが可能である。(例えば、特許文献1参照)つまり、ガラスを蛍光中心が存在しない状態に再生できるため、繰り返して使用することが可能である。
特開2016−145145号公報
しかし、蛍光中心を消失させるためにガラスを熱処理すると、ガラスが着色することがある。着色したガラスは、放射線未照射時にガラス自身が有する蛍光(以下、「プレドーズ」と示す。)が多く、放射線量の計測を阻害するため、繰り返して使用できないという問題があった。
以上に鑑み、本発明は、ガラスを熱処理する際に生じるガラスの着色を抑制することが可能な放射線検出用ガラスの処理方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、ガラスが着色する原因は、熱処理する際に発生したAgであることを見出した。Agが発生するメカニズムは以下の通りである。まず、ガラス内部のAgとガラス表面に付着した大気中の水(H)がイオン交換し、ガラス表面にAgが移動する。移動したAgと大気中のCOが反応し、ガラス表面にAgCOが生成する。この状態でガラスを熱処理すると、AgCOはAgOとCOに、AgOはAgとOに分解される。つまり、熱処理時にガラス表面にはAgが発生し、Agはガラス中にコロイド(Ag)として拡散する。なお、Agは、ガラスを着色させるだけでなく、ガラスのプレドーズ値を上昇させる。
上記知見に基づきなされた本発明の放射線検出用ガラスの処理方法は、銀リン酸系ガラスからなる放射線検出用ガラスを、水で洗浄した後に、熱処理してガラス中に生成した蛍光中心を消失させることを特徴とする。
AgCOは、アルコール等の有機溶媒よりも水に溶け易いため、ガラスを水で洗浄することにより、ガラス表面に発生したAgCOを除去することが可能である。AgCOが除去されたガラスは、熱処理しても着色しにくく、低いプレドーズ値を有し易くなる。ここで、「水」とは、イオン交換水、純水、水道水等を指す。
本発明の放射線検出用ガラスの処理方法は、銀リン酸系ガラスが、組成として、モル%で、SiO+B 0.1〜30%、SiO 0〜20%、B 0〜10%、P 40〜70%、Al 5〜30%、NaO 10〜35%、AgO 0.01〜2%を含有することが好ましい。
本発明の放射線検出用ガラスの処理方法は、熱処理雰囲気の相対湿度が80%RH以下であることが好ましい。高温高湿であるほど、ガラス中のAgとガラス表面に付着した大気中の水(H)とのイオン交換が活発に行われるが、熱処理雰囲気の相対湿度を80%RH以下に制御することにより、イオン交換を抑制することができる。結果として、ガラスは熱処理しても着色しにくく、低いプレドーズ値を有し易くなる。
本発明の放射線検出用ガラスの処理方法は、熱処理時の最高温度までの昇温速度が1〜40℃/分であることが好ましい。
本発明の放射線検出用ガラスの処理方法は、使用済みの放射線検出用ガラスの再生に用いることが好ましい。
本発明によれば、ガラスを熱処理する際に生じるガラスの着色を抑制することが可能な放射線検出用ガラスの処理方法を提供することができる。
本発明の放射線検出用ガラスの処理方法は、銀リン酸系ガラスからなる放射線検出用ガラスを、水で洗浄した後に、熱処理してガラス中に生成した蛍光中心を消失させる。なお、放射線検出用ガラスの蛍光中心を消失させる工程は、主に初めて放射線量を検出する前(自然放射線による蛍光中心の消失が目的)と、放射線量の測定後(ガラスの再生が目的)に行われるのが一般的である。本発明の処理方法は、その何れにも適用可能であるが、特にガラスの再生時に適用することが好ましい。
銀リン酸系ガラスは、組成として、モル%で、SiO+B 0.1〜30%、SiO 0〜20%、B 0〜10%、P 40〜70%、Al 5〜30%、NaO 10〜35%、AgO 0.01〜2%を含有することが好ましい。ガラス組成範囲をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の各成分の含有量の説明において、特に断りがない限り「%」は「モル%」を示す。
SiO及びBは、ガラスの耐候性を高めるために重要な成分であり、また蛍光検出感度を高める成分である。SiO+Bの含有量は0.1〜30%、0.2〜28%、0.3〜25%、0.5〜19%、0.7〜17%、1〜15%、特に1.5〜10%であることが好ましい。SiO+Bの含有量が少なすぎると、耐候性が著しく低下し易い。一方、SiO+Bの含有量が多過ぎると、ガラス化し難くなることに加えて、逆に耐候性が低下し易くなる。なお、「SiO+B」は、SiO及びBの含有量の合量を意味する。
SiO及びBの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
SiOは、ガラスの耐候性を高めるために重要な成分であり、また蛍光検出感度、ガラスの機械的強度を高める成分である。SiOの含有量は0〜20%、0.1〜19%、0.3〜18%、0.5〜17%、0.7〜16%、1〜15%、特に1.5〜10%であることが好ましい。SiOの含有量が多過ぎると、溶融性が低下しガラス化し難くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなる。
は、ガラスの耐候性を高めるために重要な成分であり、また蛍光検出感度を高める成分である。Bの含有量は0〜10%、0.1〜10%、0.3〜9%、0.5〜8%、0.7〜7%、1〜6%、特に1.5〜5%であることが好ましい。Bの含有量が多過ぎると、分相によってガラス化し難くなることに加えて、逆に耐候性が低下し易くなる。
は、ガラスの骨格を形成する主成分である。Pの含有量は40〜70%、45〜67%、47〜65%、50〜63%、特に55〜63%であることが好ましい。Pの含有量が少な過ぎると、蛍光検出感度の低下が起こり易く、またガラスが分相、失透し易くなる。一方、Pの含有量が多過ぎると、溶融性が低下しガラス化し難くなる。
Alは、ガラスの耐候性を高める成分であると共に、分相、失透を抑制する成分である。Alの含有量は5〜30%、8〜29%、11〜28%、13〜26%、14〜24%、特に15〜23%であることが好ましい。Alの含有量が少な過ぎると、耐候性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、溶融性が低下しガラス化し難くなる。
/(SiO+B+Al)は1.5以上、1.6以上、特に1.7以上であることが好ましい。P/(SiO+B+Al)が小さ過ぎると分相や失透が起り易くなって、ガラス化し難くなる。また、P/(SiO+B+Al)の上限は特に限定されないが、P/(SiO+B+Al)が大き過ぎるとガラス化し難くなったり、耐候性が低下し易くなるため、5以下、4.5以下、特に4以下であることが好ましい。なお、「P/(SiO+B+Al)」はPの含有量をSiO、B及びAlの合量で除した値を指す。
/(B+Al)は1.5以上、1.6以上、特に1.7以上であることが好ましい。P/(B+Al)が小さ過ぎると分相や失透が起り易くなって、ガラス化し難くなる。また、P/(B+Al)の上限は特に限定されないが、現実的には、5以下、4.5以下、特に4以下であることが好ましい。なお、「P/(B+Al)」はPの含有量をB及びAlの合量で除した値を指す。
NaOはガラス融液の粘度を下げて、溶融性を顕著に高める成分であると共に、蛍光検出感度を高める成分である。NaOの含有量は10〜35%、11〜33%、13〜30%、14〜28%、特に15〜25%であることが好ましい。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなることに加えて、蛍光検出感度が低下し易くなる。一方、NaOの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。
AgOはRPL現象によって蛍光中心を形成するための重要な成分である。AgOの含有量は、0.01〜2%、0.01〜1%、特に0.01〜0.5%であることが好ましい。AgOの含有量が少な過ぎると蛍光検出感度が低下し易くなる。一方、AgOの含有量が多過ぎると耐候性が低下し易くなる。
本発明における放射線検出用ガラスは、上記成分以外にも以下の成分を含有することができる。
MgOはガラスの耐候性を高める成分である。MgOの含有量は0〜10%、0〜7%、特に0〜4%であることが好ましい。MgOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇して、リン酸マグネシウム等の失透結晶が析出し易くなる。
ZnOはガラスの分相、失透を抑制する成分である。ZnOの含有量は0〜10%、0〜7%、特に0〜4%であることが好ましい。ZnOの含有量が多過ぎると、耐候性、蛍光検出感度が低下し易くなる。
CaO、SrO及びBaOはガラスの耐候性を高める成分である。CaO+SrO+BaOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。CaO+SrO+BaOの含有量が多すぎると蛍光検出感度が低下し易くなり、また液相温度が低下して、リン酸塩等の失透結晶が析出し易くなる。
なお、CaO、SrO及びBaOの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
CaOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
SrOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
BaOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
放射線検出用ガラスのガラス転移点は600℃以下、550℃以下、特に530℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が高すぎると、後述する熱処理時の最高温度が高くなるため、熱処理時にB、P、NaOが蒸発し組成ズレが起こり易くなり、所望の特性が得にくくなる。ガラス転移点の下限は特に限定されないが、現実的には300℃以上である。
なお、放射線検出用ガラスの形状は特に限定されないが、通常は矩形等の板状である。
次に、本発明に用いられる放射線検出用ガラスの製造方法について説明する。
まず、所望の組成となるように原料粉末を調合する。次に調合した原料粉末を坩堝へ投入し、均質なガラスが得られるまで溶融する。次いで、溶融ガラスをカーボン板等の上に流し出し、板状に成形した後、常温まで徐冷することにより、放射線検出用ガラスを得る。徐冷条件としては、例えば、徐冷点より約20℃高い温度から約2℃/分で降温することが好ましい。
また、溶融時の酸素分圧が低くなるとAg成分が還元され易くなり、ガラス中にAgが生成し易くなる。Ag成分の還元を抑制する方法としては、溶融温度を1000〜1400℃と低くする方法、溶融雰囲気に酸化性ガスを導入する方法、原料として酸化剤である硝酸塩を使用する方法等が挙げられる。なお、酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、窒素酸化物(亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素等)等が挙げられる。また、硝酸塩としては、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム等を用いることができる。
なお、ガラス溶融坩堝の材質としては、SiO、Al等が挙げられる。なお、一般的なガラス溶融坩堝の材質であるPt、Rhは、ガラスを還元してAg量を増加させ、放射線検出用ガラスのプレドーズ値を上昇させる傾向があるため、放射線検出用ガラスの製造には不適である。
次に、放射線検出用ガラスを用いて蛍光強度測定を行った後、再生する一連の流れについて説明する。なお、ガラスを再生することにより、繰り返し使用することが可能になる。使用回数が多いほど、コストダウンに繋がることは言うまでもない。
(自然放射線による蛍光中心の消失)
まず、得られた放射線検出用ガラスの両面を光学研磨面(鏡面)となるように研磨し、水で洗浄した後、熱処理し、自然放射線によって形成された蛍光中心を消失させる。
(放射線量の測定)
続いて、放射線検出用ガラスが受けた放射線量を測定する。具体的には、放射線検出用ガラスに放射線が照射されると、ガラス中にAg2+、Agが形成される。その後、100〜150℃で10〜60分間熱処理し蛍光強度を安定化した後、紫外光を照射して蛍光強度を測定する。この蛍光強度から放射線量を算出する。
(ガラスの再生)
蛍光強度測定後のガラスを水で洗浄する。洗浄方法は特に限定されないが、超音波洗浄機を用いて洗浄すれば、洗浄時間を短縮できるため好ましい。なお、洗浄する水に界面活性剤、pH調整剤、及びアルコール等の有機溶媒等を、合量で30質量%まで添加しても構わない。
上述した通り、ガラスを水で洗浄することによりガラス表面に発生したAgCOを除去できるため、熱処理してもガラスが着色しにくく、低いプレドーズ値を有し易い。
次に、洗浄後のガラスを下記の熱処理条件で熱処理することにより、ガラスを再生する。
熱処理雰囲気の相対湿度は80%RH以下、70%RH以下、特に60%RH以下であることが好ましい。相対湿度が高すぎると、熱処理中にガラス表面に水が付着し易くなる。結果として、ガラス中にAgが拡散しガラスが着色し易くなり、ガラスのプレドーズ値が上昇し易くなる。相対湿度の下限は特に限定されないが、現実的には5%RH以上である。
熱処理時の最高温度は、(ガラス転移点−80℃)〜(ガラス転移点−10℃)、(ガラス転移点−55℃)〜(ガラス転移点−15℃)、(ガラス転移点−40℃)〜(ガラス転移点−15℃)、特に(ガラス転移点−25℃)〜(ガラス転移点−20℃)であることが好ましい。熱処理時の最高温度が低すぎると、ガラス中に形成された蛍光中心を十分に消失させにくく、ガラスを再生し難くなる。一方、熱処理時の最高温度が高すぎると、ガラス表面の銀イオン濃度が高まりガラスが変質し易くなるため、ガラスを再生し難くなる。具体的には、熱処理時の最高温度は、420〜500℃、430〜490℃、440〜480℃、特に450〜470℃であることが好ましい。また、最高温度での保持時間は、20〜150分、30〜120分、40〜90分、特に50〜70分であることが好ましい。保持時間が短過ぎると、ガラス内部にまで熱が伝わりにくいため、ガラス中に形成された蛍光中心を十分に消失させにくく、ガラスを再生し難くなる。一方、保持時間が長過ぎると、ガラス表面の銀イオン濃度が高まりガラスが変質し易くなるため、ガラスを再生し難くなる。また、高温に曝される時間が長くなり、ガラス中のAgとガラス表面に付着した大気中の水(H)とのイオン交換が行われ易くなる。結果として、ガラスが着色し易く、プレドーズ値が上昇し易くなる。
熱処理時の最高温度までの昇温速度は1〜40℃/分、2〜38℃/分、特に3〜36℃/分であることが好ましい。昇温速度が遅すぎると、高温に曝される時間が長くなり、ガラス中のAgとガラス表面に付着した大気中の水(H)とのイオン交換が行われ易くなる。結果として、ガラスが着色し易く、プレドーズ値が上昇し易くなる。一方、昇温速度が早すぎると、熱衝撃によりガラスが割れ易くなる。
なお、自然放射線によって形成された蛍光中心を消失させる際の洗浄条件、熱処理条件も上記と同様にすることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1及び2は、本発明の実施例で使用する放射線検出用ガラス(No.1〜14)及び比較例で使用する放射線検出用ガラス(No.15、16)を示している。
(1.放射線検出用ガラスの作製)
まず、表中のガラス組成になるように、各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の通常のガラスに使用される高純度原料を選定し、秤量して均一に混合したガラスバッチを石英ガラスるつぼに投入し、電気炉にて1000〜1300℃で1〜5時間、均質なガラスが得られるまで溶融した。なお、ガラスの均質化及び泡切れ等を目的として、溶融時に攪拌を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板形状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から2℃/分で常温まで徐冷し、放射線検出用ガラスを得た。ここで、得られた放射線検出用ガラスのガラス転移点を熱機械分析装置(TMA)により測定した。
(2.自然放射線による蛍光中心の消失)
得られた放射線検出用ガラスの両面を光学研磨面(鏡面)となるように研磨し、純水にて超音波洗浄機中で10分間洗浄した後、乾燥させた試料を表に示す条件で熱処理する事で、自然放射線によって形成された蛍光中心を消失させ、試料の光学研磨面に紫外光を照射した。
(3.エックス線の照射)
次に、試料の光学研磨面の垂直方向から約1Gyのエックス線を照射した。エックス線照射後、120℃で30分間熱処理して蛍光強度を安定化した後、試料の光学研磨面に紫外光を照射した。
(4.ガラスの再生(エックス線照射による蛍光中心の消失))
No.1〜14の試料に関しては、紫外光照射後のガラスを純水にて超音波洗浄機中で10分間洗浄した後、乾燥させた。No.15、16の試料に関しては、紫外光照射後のガラスをエタノールにて超音波洗浄機中で10分間洗浄した後、乾燥させた。
乾燥後の試料を表に示す条件で熱処理する事で、エックス線照射によって形成された蛍光中心を消失させ、ガラスを再生した。
(5.試料の評価)
こうして得られた各試料について、着色、プレドーズ値を評価した。
着色は次のようにして評価した。得られた試料を目視にて観察を行った。着色が確認されなかったものを「○」、着色が確認されたものを「×」とした。
プレドーズ値は次のようにして評価した。得られた試料の光学研磨面に紫外光を照射して測定した蛍光強度をプレドーズ値とした。
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜14の試料は、着色が確認されず、プレドーズ値は41〜55と低いため、再利用可能であった。一方、比較例であるNo.15、16の試料は、着色が確認され、またプレドーズ値は198〜204と高いため、再利用することが困難であった。

Claims (5)

  1. 銀リン酸系ガラスからなる放射線検出用ガラスを、水で洗浄した後に、熱処理してガラス中に生成した蛍光中心を消失させることを特徴とする放射線検出用ガラスの処理方法。
  2. 銀リン酸系ガラスが、組成として、モル%で、SiO+B 0.1〜30%、SiO 0〜20%、B 0〜10%、P 40〜70%、Al 5〜30%、NaO 10〜35%、AgO 0.01〜2%を含有することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出用ガラスの処理方法。
  3. 熱処理雰囲気の相対湿度が80%RH以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線検出用ガラスの処理方法。
  4. 熱処理時の最高温度までの昇温速度が1〜40℃/分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放射線検出用ガラスの処理方法。
  5. 使用済みの放射線検出用ガラスの再生に用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放射線検出用ガラスの処理方法。
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