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JP2020005511A - 培養方法及び培養装置 - Google Patents

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JP2020005511A
JP2020005511A JP2018126814A JP2018126814A JP2020005511A JP 2020005511 A JP2020005511 A JP 2020005511A JP 2018126814 A JP2018126814 A JP 2018126814A JP 2018126814 A JP2018126814 A JP 2018126814A JP 2020005511 A JP2020005511 A JP 2020005511A
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啓介 渋谷
Keisuke Shibuya
啓介 渋谷
近藤 健之
Takeyuki Kondo
健之 近藤
憲一郎 岡
Kenichiro Oka
憲一郎 岡
勝 難波
Masaru Nanba
勝 難波
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】細胞の連続培養による物質生産を効率的に行うことができる培養方法及び培養装置を提供する。
【解決手段】細胞を連続培養する培養方法であって、細胞の培養中に細胞の増殖と相関を有する状態量について測定し、状態量の測定値が予め設定されている設定値以上であるとき、培養槽に供給される培地の供給流量を第1流量値に制御し、測定値が所定値未満であるとき、培地の供給流量を第1流量値よりも小さい第2流量値に制御する。培養装置100は、細胞を培養するための培養槽1と、培養槽1に培地を供給する供給ポンプP1と、培養槽1に供給される培地を冷却可能な温度調節装置4と、細胞の培養中に細胞の増殖と相関を有する状態量を測定する分析装置8と、状態量の測定値に基づいて培地の供給流量を制御する制御装置9とを備える。
【選択図】図12

Description

本発明は、目的物質を産生する細胞を連続培養する培養方法及び培養装置に関する。
抗体医薬品をはじめとするバイオ医薬品は、細胞を培養し、細胞が産生した物質を精製することによって製造されている。細胞を培養する方法としては、培養中に培地を供給しない回分培養や、培養中に培地を供給するが培養が終わるまで排出しない流加培養(半回分培養)や、培養中に連続的に培地を供給し、且つ、同量の培地を連続的に排出する連続培養(灌流培養)がある。
回分培養によると、生産物の品質が培養毎にばらつき易いが、コンタミネーションのリスクを分散・低減することができる。一方、流加培養によると、生産物を高濃度化することが可能であり、大量培養を行う上で精製コストや培地コストを削減することができる。工業的な物質生産の分野においては、このような理由から、主として流加培養が用いられてきた。
しかし、流加培養は大型の培養設備を必要とするため、近年では、連続培養への変更が広く検討されている。連続培養によると、培養設備の小型化を図れるだけでなく、培養環境を容易に一定に維持することができるので、生産物の品質や生産量を安定させることができる。連続培養に関しては、目的物質の生産量を向上させるために培養中の細胞増殖を制御する技術が提案されている。
特許文献1には、無血清培養培地中に哺乳類細胞培養物を確立すること、5mM以下のL−アスパラギン濃度を有する無血清灌流培地での灌流によって細胞増殖停止を誘導すること、5mM以下のL−アスパラギン濃度を有する無血清灌流培地での灌流によって哺乳類細胞を増殖停止した状態に維持することを含む方法が記載されている(請求項1等参照)。組換えタンパク質産生は、細胞がL−アスパラギンによって誘導される細胞増殖停止に供されない培養物と比較して増加するとされている(請求項51参照)。
特表2014−520534号公報
細胞による物質生産に際しては、目的物質を大量に得るために、細胞を高い細胞数密度まで増殖させることが望まれる。しかし、連続培養においては、細胞の増殖と目的物質の産生とが同時期に進行するため、目的物質の生産中、細胞が少なからず死滅し、細胞の分解によって大量の不純物を生じる。培養液中の不純物濃度が高くなると、精製工程数や精製コストが増大したり、生産物の品質が損なわれたりすることが問題となる。
また、連続培養においては、目的物質の生産中、細胞の継代が進むため、変異の蓄積により目的タンパクの構造や代謝の経路・効率が変わる可能性があり、生産物の品質が損なわれることが問題となり得る。また、連続培養においては、培地の供給と排出を連続的に続けるため、細胞が必要とする以上の培地を供給する必要があるし、排出される培養液から低濃度の目的物質を精製する必要もあり、運転コストや精製コストの改善が求められている。
そこで、本発明は、細胞の連続培養による物質生産を効率的に行うことができる培養方法及び培養装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る培養方法は、細胞を連続培養する培養方法であって、細胞の培養中に前記細胞の増殖と相関を有する状態量を測定し、前記状態量の測定値が予め設定されている設定値の範囲外であって前記細胞の増殖速度が高いことを示すとき、培養槽に供給される培地の供給流量を第1流量値に制御し、前記測定値が前記設定値の範囲内であって前記細胞の増殖速度が低いことを示すとき、前記培地の供給流量を前記第1流量値よりも小さい第2流量値に制御する。
また、本発明に係る培養装置は、培養槽に培地を連続的に供給し、且つ、培地を連続的に排出させながら細胞を連続培養する培養装置であって、細胞を培養するための培養槽と、前記培養槽に培地を供給する供給ポンプと、前記培養槽に供給される前記培地を冷却可能な温度調節装置と、細胞の培養中に前記細胞の増殖と相関を有する状態量を測定する分析装置と、前記状態量の測定値に基づいて前記培地の供給流量を制御する制御装置と、を備える。
本発明に係る培養方法及び培養装置は、細胞の連続培養による物質生産を効率的に行うことができる。
細胞の増殖曲線と細胞が産生する生産物の量的変化を示す図である。 グルコースの濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。 グルタミンの濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。 乳酸の濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。 アンモニアの濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。 グルコースの濃度・グルタミンの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。 グルコースの濃度・乳酸の濃度と比増殖速度との関係を示す図である。 グルコースの濃度・アンモニアの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。 グルタミンの濃度・乳酸の濃度と比増殖速度との関係を示す図である。 グルタミンの濃度・アンモニアの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。 乳酸の濃度・アンモニアの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。 培養装置の構成の一例を模式的に示す図である。 培養装置における連続培養時の処理を示すフローチャートである。 細胞内代謝フラックスの解析方法を示す図である。 細胞周期の概念を示す図である。 核染色による蛍光強度と細胞数との関係を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態に係る培養方法及び培養装置について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る培養方法は、目的物質を産生する細胞を連続培養する方法に関する。連続培養は、培養槽に培地を連続的に供給し、且つ、供給した培地を培養槽から連続的に排出させながら行う培養方法である。連続培養では、培養槽に供給される液体培地の供給流量と、培養槽から排出される液体培地の排出流量とが、互いに同等の流量とされる。ここで言う連続は、培地供給制御及び排出制御を連続的に行うことを指し、培地供給及び排出が間欠的となっても構わない。
培養する細胞としては、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、ベイビーハムスター腎臓細胞、マウス骨髄腫細胞等の動物細胞が挙げられる。また、培養する細胞としては、植物細胞、微細藻類、ラン藻類、昆虫細胞、細菌、酵母、真菌、藻類、酵母等であってもよい。
目的物質としては、例えば、各種の生理活性物質、医薬品原料、化学原料、食品原料や、その他の有用性を有する機能物質等、任意の物質を生産することができる。本実施形態に係る培養方法において特に好ましい培養の目的は、浮遊細胞を用いた抗体の生産である。抗体としては、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、その他の抗体等のいずれを生産してもよい。
図1は、細胞の増殖曲線と細胞が産生する生産物の量的変化を示す図である。
図1に示すように、細胞は、対数増殖期に顕著に増殖し、培養時間が経過すると静止期に入って増殖と死滅が平衡になり、その後、死滅数が増えていく。一方、細胞によって生産される生産物量は、培養時間の経過に伴って増加し、細胞が静止期に入っても増え続ける。生産物量Pは、細胞による物質の産生速度をV、細胞数をNとしたとき、次の数式(I)のように表される。
P=∫V×Ndt・・・(I)
目的物質の最終的な生産量を高くするためには、数式(I)に表されるように、産生速度Vと細胞数Nの両方が大きい培養系で物質生産を行うことが有効である。また、物質生産の所要時間を短縮することを考慮すると、図1に示されるように、細胞数密度が上昇し易い培養前期に、高い細胞数密度まで増殖させておくことが適切といえる。細胞の増殖は、死細胞や不純物の増加、栄養源や基質の浪費、継代による変異の蓄積等を伴うため、細胞数密度が高くなった培養後期に、細胞の増殖を抑制し、専ら目的物質を産生させることが適切といえる。
そこで、本実施形態に係る培養方法では、連続培養を行っている間に、細胞が時期に適した増殖速度となるように、培養環境を切り替える制御を行う。培養環境を切り替える制御によって、細胞数密度が上昇し易い培養前期を細胞数密度を高めるための培養期とし、細胞が増殖し易い培養環境にして細胞の増殖速度を高める。一方、細胞数密度が高くなった培養後期を目的物質を産生させるための生産期とし、細胞の増殖が抑制される培養環境にして細胞の増殖速度を低くする(図1参照)。
培養環境を切り替える制御は、細胞の増殖と相関を有する状態量に基づいて行う。指標とする状態量としては、例えば、細胞数密度、細胞の比増殖速度、細胞の生存率、細胞の代謝反応速度(目的物質の代謝生産速度、栄養素の代謝消費速度、老廃物の代謝分泌速度等)、細胞の累積代謝量(目的物質の累積代謝生産量、栄養素の累積代謝消費量、老廃物の累積代謝分泌量等)、細胞周期(細胞集団中でG2期及びM期にある細胞の割合)等の細胞集団の倍加時間と相関を持つ量が挙げられる。
培養環境を切り替える制御は、細胞の培養中に、細胞の増殖と相関を有する状態量を測定し、その状態量の測定値が、予め設定されている設定値の範囲の範囲内になったときに行う。測定値としては、培養系で直接的に測定された状態量の値を用いることができる。或いは、事前の培養試験に基づいたシミュレーションを利用して、培養系で直接的に測定された状態量の値から推定される推定値を用いることもできる。
測定値と比較する設定値としては、細胞の増殖と相関を有する状態量であって、細胞の増殖速度が低いことを示し、物質の生産に適した状態に対応する状態量の値の範囲を、予備試験の結果等に基づいて予め設定することができる。設定値としては、対数増殖期の後期、対数増殖期から静止期への移行時期、静止期の初期等に対応する状態量の値の範囲を設定することが好ましい。
このような設定値の範囲を設定すると、培養系で測定された測定値が設定値の範囲の範囲外である時期が、細胞の対数増殖期と重なり、細胞が増殖し易い培養環境とするべき培養期に相当するようになる。一方、培養系で測定された測定値が設定値の範囲の範囲内である時期が、細胞の静止期と重なり、細胞の増殖が抑制される培養環境とすべき生産期に相当するようになる。
例えば、細胞の増殖と正の相関を有する状態量を指標とする場合、細胞の増殖と正の相関を有する状態量の測定値が大きいままであり、正相関用に設定した設定値と測定値との差が閾値を超えているとき(設定値の範囲の範囲外であって細胞の増殖速度が高いことを示すとき)には、細胞が増殖中であるため、培養期の培養条件とする。一方、細胞の増殖と正の相関を有する状態量の測定値が小さくなり、正相関用に設定した設定値と測定値との差が閾値以下になったとき(設定値の範囲の範囲内であって細胞の増殖速度が低いことを示すとき)には、細胞が静止期に入り始めているため、生産期の条件に切り替える。
或いは、細胞の増殖と負の相関を有する状態量を指標とする場合、細胞の増殖と負の相関を有する状態量の測定値が小さいままであり、負相関用に設定した設定値と測定値との差が閾値を超えているとき(設定値の範囲の範囲外であって細胞の増殖速度が高いことを示すとき)には、細胞が増殖中であるため、培養期の培養条件とする。一方、細胞の増殖と負の相関を有する状態量の測定値が大きくなり、負相関用に設定した設定値と測定値との差が閾値以下になったとき(設定値の範囲の範囲内であって細胞の増殖速度が低いことを示すとき)には、細胞の増殖が停滞し始めているため、生産期の条件に切り替える。
培養環境を切り替える制御の方法としては、培養槽に供給する培地の供給流量を制御する方法を用いることができる。細胞の増殖と相関を有する状態量の測定値が予め設定されている設定値の範囲の範囲外であって細胞の増殖速度が高いことを示すとき、培地の供給流量を細胞の増殖に適した高流量値(第1流量値)に制御し、状態量の測定値が予め設定されている設定値の範囲の範囲内であって細胞の増殖速度が低いことを示すとき、培地の供給流量を高流量値(第1流量値)よりも小さい低流量値(第2流量値)に制御することができる。高流量値は、生産期での細胞数密度と同じ細胞数密度の増殖を可能とする最小流量である。
連続培養中、このように培地の供給流量を低下させる制御を行うと、培養槽に供給される培地成分の濃度が低くなると共に、増殖を阻害する代謝生成物の培養槽における濃度が高くなる。そのため、培養槽内の培養環境が、細胞の増殖が抑制される培養環境に切り替えられる。
培地の供給流量の制御は、培養槽中の所定成分の濃度が閾値(境界値)を超えて変化するように行うことが好ましい。濃度を変化させる成分としては、例えば、グルコース等の炭素源や、グルタミン、グルタミン酸等のアミノ酸、アンモニウム塩、アンモニア等の窒素源や、ビタミン類、無機塩類、血清成分等のその他の栄養素や、細胞が代謝生成する乳酸、アンモニア等のように細胞の増殖を阻害する代謝生成物等が挙げられる。培地の供給流量の制御では、特に、培養槽におけるグルコースの濃度、培養槽におけるグルタミンの濃度、培養槽における乳酸の濃度、及び、培養槽におけるアンモニアの濃度のうち、一以上の濃度が調整されることが好ましい。
ここで、グルコース、グルタミン、乳酸及びアンモニアについて、各成分の濃度と、細胞の増殖速度や目的物質の産生速度との関係を、培養実験で確認した結果を示す。
供試細胞としては、免疫グロブリンG(Immunoglobulin G:IgG)の遺伝子を導入したチャイニーズハムスターの卵巣細胞(Chinese Hamster Ovary cells:CHO細胞)を用いた。また、培地としては、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium:DMEM培地)に10%のウシ胎児血清(Fetal bovine serum:FBS)を加えた液体培地を用いた。
はじめに、培地(DMEM+10%FBS)に、0.2cells/mLの細胞密度となるように供試細胞を播種し、連続培養で3日間培養した。そして、グルコース、グルタミン、乳酸及びアンモニアのうち、いずれかを種々の濃度に変えた培地に置換して、更に1日間培養した。その後、培養後の各系列における、IgGの産生量の増加(産生速度)、細胞量の増加(比増殖速度)、全細胞中の生細胞の割合(生存率)をそれぞれ求めた。
図2は、グルコースの濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。
図2には、培地のグルコースの濃度を、0、0.2、0.4、1.5、4、6g/Lのそれぞれに変えた結果を示す。図のとおり、グルコースの濃度が低いほど、比増殖速度が低くなる一方で、産生速度がやや高くなった。
図2に破線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、グルコースの濃度を0.4g/L以上に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルコースの濃度を0.4g/L未満に調整することが好ましいといえる。
図3は、グルタミンの濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。
図3には、培地のグルタミンの濃度を、0、0.2、0.4、1.5、4、6mMのそれぞれに変えた結果を示す。図のとおり、グルタミンの濃度が低いほど、比増殖速度や産生速度が低くなった。
図3に破線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、グルタミンの濃度を1.5mM以上に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルタミンの濃度を1.5mM未満に調整することが好ましいといえる。生産期の濃度は、ある程度高い産生速度を維持する観点からは、0.4mM以上1.5mM未満がより好ましいといえる。
図4は、乳酸の濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。
図4には、培地の乳酸の濃度を、0、0.2、0.4、1.5、3.5g/Lのそれぞれに変えた結果を示す。図のとおり、乳酸の濃度が高いほど、産生速度、比増殖速度、生存率がいずれも低くなった。
図4に破線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、乳酸の濃度を1.0g/L以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、乳酸の濃度を1.0g/Lを超える濃度に調整することが好ましいといえる。生産期の濃度は、約90%以上の高い生存率を維持する観点からは、1.0g/Lを超え5.0g/L以下がより好ましいといえる。
図5は、アンモニアの濃度とIgGの産生速度・比増殖速度・生存率との関係を示す図である。
図5には、培地のアンモニアの濃度を、0、2、6、10、20、30mMのそれぞれに変えた結果を示す。図のとおり、アンモニアの濃度が高いほど、産生速度、比増殖速度、生存率がいずれも低くなった。
図5に破線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、アンモニアの濃度を2.0mM以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、アンモニアの濃度を2.0mMを超える濃度に調整することが好ましいといえる。生産期の濃度は、約90%以上の高い生存率を維持する観点からは、2.0mMを超え20mM以下がより好ましいといえる。
図6は、グルコースの濃度・グルタミンの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。
図6には、培地のグルコースの濃度を、0〜2.5g/L、グルタミンの濃度を、0〜2.5mMのそれぞれに変えた結果を示す。二種の濃度を調整した場合、グルコースの濃度及びグルタミンの濃度がいずれも高いほど、比増殖速度が高くなり、グルコースの濃度及びグルタミンの濃度がいずれも低いほど、比増殖速度が低くなった。一種の成分の濃度を調整した図2や図3と比較すると、各成分の濃度が加算される方向に効果を示しており、比増殖速度を低下させるために低くすべきグルコースの濃度が、一種の成分を調整する場合よりも高くなった。
図6に太線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、グルコースの濃度を1.5g/L以上、且つ、グルタミンの濃度を1.5mM以上に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルコースの濃度を1.5g/L未満、且つ、グルタミンの濃度を1.5mM未満に調整することが好ましいといえる。
図7は、グルコースの濃度・乳酸の濃度と比増殖速度との関係を示す図である。
図7には、培地のグルコースの濃度を、0〜3.0g/L、乳酸の濃度を、0〜2.5g/Lのそれぞれに変えた結果を示す。一種の成分の濃度を調整した図2や図4と比較すると、各成分の濃度が相反する方向に効果を示しており、比増殖速度を低下させるために低くすべきグルコースの濃度が、一種の成分を調整する場合よりも高くなり、比増殖速度を低下させるために高くすべき乳酸の濃度は、一種の成分を調整する場合よりも高くなった。
図7に太線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、グルコースの濃度を1.5g/L以上、且つ、乳酸の濃度を2.0g/L以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルコースの濃度を1.5g/L未満、且つ、乳酸の濃度を2.0g/Lを超える濃度に調整することが好ましいといえる。
図8は、グルコースの濃度・アンモニアの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。
図8には、培地のグルコースの濃度を、0〜5.0g/L、アンモニアの濃度を、0〜2.5mMのそれぞれに変えた結果を示す。一種の成分の濃度を調整した図2や図5と比較すると、各成分の濃度が相反する方向に効果を示しており、比増殖速度を低下させるために低くすべきグルコースの濃度が、一種の成分を調整する場合よりも高くなった。
図8に太線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、グルコースの濃度を1.5g/L以上、且つ、アンモニアの濃度を2.0mM以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルコースの濃度を1.5g/L未満、且つ、アンモニアの濃度を2.0mMを超える濃度に調整することが好ましいといえる。
図9は、グルタミンの濃度・乳酸の濃度と比増殖速度との関係を示す図である。
図9には、培地のグルタミンの濃度を、0〜3.0mM、乳酸の濃度を、0〜2.5g/Lのそれぞれに変えた結果を示す。一種の成分の濃度を調整した図3や図4と比較すると、各成分の濃度が相反する方向に効果を示しており、比増殖速度を低下させるために低くすべきグルタミンの濃度が、一種の成分を調整する場合よりも低くなり、比増殖速度を低下させるために高くすべき乳酸の濃度は、一種の成分を調整する場合よりも高くなった。
図9に太線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、培養期には、グルタミンの濃度を1.0mM以上、且つ、乳酸の濃度を2.0g/L以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルタミンの濃度を1.0mM未満、且つ、乳酸の濃度を2.0g/Lを超える濃度に調整することが好ましいといえる。
図10は、グルタミンの濃度・アンモニアの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。
図10には、培地のグルタミンの濃度を、0〜5.0mM、アンモニアの濃度を、0〜2.5mMのそれぞれに変えた結果を示す。一種の成分の濃度を調整した図3や図5と比較すると、各成分の濃度が相反する方向に効果を示しており、比増殖速度を低下させるために低くすべきグルタミンの濃度が、一種の成分を調整する場合よりも低くなり、比増殖速度を低下させるために高くすべきアンモニアの濃度が、一種の成分を調整する場合よりも低くなった。
図10に太線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、増殖期には、グルタミンの濃度を1.0mM以上、且つ、アンモニアの濃度を1.5mM以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、グルタミンの濃度を1.0mM未満、且つ、アンモニアの濃度を1.5mMを超える濃度に調整することが好ましいといえる。
図11は、乳酸の濃度・アンモニアの濃度と比増殖速度との関係を示す図である。
図11には、培地の乳酸の濃度を、0〜5.0g/L、アンモニアの濃度を、0〜2.5mMのそれぞれに変えた結果を示す。一種の成分の濃度を調整した図4や図5と比較すると、各成分の濃度が加算される方向に効果を示しており、比増殖速度を低下させるために高くすべき乳酸の濃度が、一種の成分を調整する場合よりも高くなった。
図11に太線で示すように、比増殖速度=0.025h−1を考慮すると、増殖期には、乳酸の濃度を2.0g/L以下、且つ、アンモニアの濃度を2.0mM以下に調整することが好ましいといえる。一方、生産期には、乳酸の濃度を2.0g/Lを超える濃度、且つ、アンモニアの濃度を1.5mMを超える濃度に調整することが好ましいといえる。
したがって、培地の供給流量の制御は、培養液に含まれる一成分の濃度を調整する場合、その成分の濃度を、次の表1に示す条件とすることが好ましいといえる。また、培養液に含まれる複数成分の濃度を調整する場合、その成分の濃度を、次の表2に示す条件とすることが好ましいといえる。これらの成分は、各種の細胞に共通する成分であるため、信頼性が高く有効な指標となる。
Figure 2020005511
Figure 2020005511
表1に示すように、一成分の濃度を閾値(境界値)を超えるように調整すると、大きな濃度変化を生じさせる必要があるが、細胞の増殖速度を簡単に低下させることができるため、培養期と生産期とを明確に分離して効率的な連続培養を行うことができる。
また、表2に示すように、増殖を促進する複数成分の濃度を閾値(境界値)を超えるように調整すると、個々の成分に大きな濃度変化を生じさせる必要がないので、培養されている細胞に対する影響を低減できる。一方、増殖を阻害する代謝生成物の濃度のみを閾値(境界値)を超えるように調整する場合、その他の培地成分等の濃度が比較的高く保たれ、細胞に対する影響がより低減されるため、場合により、目的物質の代謝生成・タンパクの修飾等を停滞し難くすることができる。
培養環境を切り替える制御の方法としては、培地の供給流量の制御と培地の温度の制御との組み合わせを用いることもできる。細胞の増殖と相関を有する状態量の測定値が予め設定されている設定値の範囲の範囲外であって細胞の増殖速度が高いことを示すとき、培地の供給流量を増殖に適した高流量値(第1流量値)に制御すると共に、培地の温度を増殖に適した高温度域(第1温度域)に制御し、状態量の測定値が予め設定されている設定値の範囲の範囲内であって細胞の増殖速度が低いことを示すとき、培地の供給流量を増殖に適した高流量値(第1流量値)よりも小さい低流量値(第2流量値)に制御すると共に、培地の温度を増殖に適した高温度域(第1温度域)よりも低い低温度域(第2温度域)に制御することができる。
連続培養中、このように培地の供給流量を低下させる制御と、培地の温度を低下させる制御とを行うと、培養槽に供給される培地成分の濃度が低くなると共に、増殖を阻害する代謝生成物の培養槽における濃度が高くなり、更に、培養槽中の培養液の温度も低くなる。そのため、培養槽内の培養環境が、細胞の増殖が抑制される培養環境に確実に切り替えられる。
培地の温度は、具体的には、35℃以上39℃以下、より好ましくは36℃以上38℃以下の高温度域から、29℃以上35℃以下、より好ましくは31℃以上33℃以下の低温度域に切り替えることが好ましい。
次に、前記の培養方法に用いることができる培養装置の構成、及び、その運転方法について説明する。
図12は、培養装置の構成の一例を模式的に示す図である。
図12に示すように、本実施形態に係る培養装置100は、培養槽1と、攪拌機2と、散気管3と、温度調節装置4と、培地容器5と、細胞分離装置6と、回収槽7と、分析装置8と、制御装置9と、供給ポンプP1と、排出ポンプP2と、吸引ポンプP3と、を備えている。
培養槽1は、連続的に供給及び排出される液体培地中で細胞を培養する密閉型の容器とされている。培養槽1内には、培養液を攪拌するための攪拌機2や、培養液に酸素、空気、炭酸ガス等を通気するための散気管3が備えられている。また、培養槽1は、槽内の温度を調整する温度調節装置4を備えている。また、培養槽1内には、温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度等を測定する不図示のセンサが備えられる。
温度調節装置4は、例えば、ウォータージャケット式の熱交換器等で構成され、培養槽に供給される培地を冷却可能とされる。培地を冷却可能な温度調節装置4によって、連続培養中、培地の温度が高温度域から低温度域に切り替えられる。温度調節装置4は、培養槽1内の培養環境を至適温度に維持する観点から、加熱と冷却の両方を行う装置とされることが好ましい。
図12に示すように、培養槽1は、配管を介して培地容器5と接続される。培地容器5としては、複数個の容器を連続培養に用いることができる。各培地容器5の出口には、バルブVが設けられている。連続培養中、いずれかのバルブVが開放されると、培地容器5に用意された培地が、供給ポンプP1によって所定の流量で連続的に培養槽1に供給される。
また、培養槽1は、配管を介して細胞分離装置6と接続されている。連続培養時、培養槽1内の培養液は、排出ポンプP2によって供給流量と同等の流量で引き抜かれ、細胞分離装置6に送られる。細胞分離装置6は、培養液から細胞を分離する装置であり、例えば、濾過分離、重力沈降分離、遠心分離、超音波凝集分離、膜分離等の各種の原理の装置で構成される。
胞分離装置6で分離された細胞は、培養槽1に戻され、連続培養を続けられる。一方、細胞分離装置6で細胞が分離された培養液は、吸引ポンプP3によって回収槽7に送られる。細胞が産生した目的物質は、培地成分、老廃物等と共に回収槽7に回収されるため、回収された培養液は、後工程の精製処理等に供される。
分析装置8は、培養されている細胞の状態や、培養液の状態を分析する装置である。分析する項目としては、細胞の増殖と相関を有する状態量、培地成分の濃度、浸透圧等が挙げられる。状態量としては、細胞数密度、比増殖速度、生存率、細胞の代謝反応速度、細胞の累積代謝量、細胞周期等が挙げられる。また、培地成分の濃度としては、目的物質、グルコース、グルタミン、乳酸、アンモニア、アミノ酸、ビタミン類、代謝生成物、成長因子、血清成分等の濃度が挙げられる。
また、分析装置8は、細胞の増殖と相関を有する状態量について、事前の培養試験に基づいたシミュレーションを利用して、培養系で直接的に測定された値から推定値を推定する機能が備えられる。状態量の測定結果や推定結果等は、制御装置9に出力される。
制御装置9は、細胞の増殖と相関を有する状態量の測定値に基づいて、培養槽1に培地を供給する供給ポンプP1の供給流量や、温度調節装置4による培地の冷却温度の制御を行う。また、制御装置9は、培養槽1の培養環境因子や、攪拌機2の回転数の制御を行う。培養環境因子としては、培養温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度等が挙げられる。
図13は、培養装置における連続培養時の処理を示すフローチャートである。
図13には、培養装置100における連続培養の途中に、培養環境を切り替える制御を一回行う処理の流れを例示する。
培養装置100には、はじめに、細胞の培養に必要な培養条件を設定する(ステップS1)。設定する項目としては、培養槽1の培養液量、培養温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度、攪拌機2の回転速度、培地の供給流量等が挙げられる。培地の供給流量については、培養期と生産期のそれぞれに、個別の制御目標値が設定される。また、培養環境を切り替える制御の開始条件である設定値、連続培養を終了する終了条件が設定される。制御装置9に各項目が入力されると、攪拌機2、散気管3、温度調節装置4等が制御され、培養槽1内の培養環境が培養期に適した培養環境に調整される。
続いて、目的物質を産生する細胞を培地に播種する(ステップS2)。培養槽1内の培養環境が増殖期に適した培養環境に調整された段階、又は、その直前の段階で、培養槽1内に細胞を無菌的に投入して培養を開始する。細胞は適宜の細胞数や状態で投入してよいが、増殖期と同等の培養環境で前培養し、播種する場合の5〜10倍の細胞数密度に調整した細胞懸濁液を投入することが好ましい。
続いて、細胞を培養槽1内で培養して増殖させる(ステップS3)。増殖期の培養温度は、高い増殖速度を保つ観点から、37℃±2℃に制御することが好ましい。増殖期において、細胞は連続培養によって増殖させるが、連続培養の前段階として一時的に回分培養を行ってもよい。
続いて、連続培養(培養期の培養)を行っている間に、培養液の分析を行う(ステップS4)。分析装置8によって、細胞の増殖と相関を有する状態量の測定が行われ、直接的な測定や推定によって測定値が取得される。培養液の分析は、連続培養中、連続的に行ってもよいし、間欠的に行ってもよい。また、不図示のセンサによって、培養温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度等がモニターされる。
続いて、培養槽1内の培養環境が予め設定されている培養期の培養条件に適合しているか否かが判定される(ステップS5)。培養液の分析によって取得された、培養温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度等の培養環境因子が、ステップS1で設定された増殖期の培養条件の範囲を逸脱していないかどうかが判定される。
判定の結果、培養槽1内の培養環境が培養期の培養条件に適合していないと(ステップS5;No)、培養条件に適合させるための培養環境の制御を行う(ステップS6)。分析された項目が、ステップS1で設定された増殖期の培養条件の範囲を逸脱しないように、攪拌機2、散気管3、温度調節装置4等の制御目標値が更新され、PID制御、比例制御、オン・オフ制御等によって培養環境が調整される。その後、処理を戻し、適切な培養条件の下で培養期の培養が続けられる(ステップS3)。
一方、判定の結果、培養槽1内の培養環境が培養期の培養条件に適合していると(ステップS5;Yes)、処理を進め、細胞の状態が切替条件に適合しているか否かが判定される(ステップS7)。培養液の分析によって取得された、細胞の増殖と相関を有する状態量の測定値が、ステップS1で設定された培養環境を切り替える制御の設定値の範囲の範囲内か否かが判定される。
判定の結果、細胞の状態が切替条件に適合していないと(ステップS7;No)、増殖期から生産期への切り替えが適切でないため、処理を戻し、培養期の培養条件の下で培養期の培養が続けられる(ステップS3)。
一方、判定の結果、細胞の状態が切替条件に適合していると(ステップS7;Yes)、増殖期から生産期への切り替えが適切であるため、処理を進め、培養環境を切り替える制御を行う(ステップS8)。培養環境の切り替えは、培養槽に供給する培地の供給流量の制御や、培地の供給流量の制御と培地の温度の制御との組み合わせによって行われる。
続いて、細胞を培養槽1内で培養して目的物質を産生させる(ステップS9)。培地の温度の切り替えを行う場合、生産期の培養温度は、細胞の増殖をより確実に抑制する観点から、32℃±3℃に制御することが好ましい。
続いて、連続培養(生産期の培養)を行っている間に、培養液の分析を行う(ステップS10)。分析装置8によって、細胞の増殖と相関を有する状態量の測定が行われ、直接的な測定や推定によって測定値が取得される。培養液の分析は、連続培養中、連続的に行ってもよいし、間欠的に行ってもよい。また、不図示のセンサによって、培養温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度等がモニターされる。
続いて、培養槽1内の培養環境が予め設定されている生産期の培養条件に適合しているか否かが判定される(ステップS11)。培養液の分析によって取得された、培養温度、pH、溶存酸素濃度、二酸化炭素濃度等の培養環境因子が、ステップS1で設定された生産期の培養条件の範囲を逸脱していないかどうかが判定される。
判定の結果、培養槽1内の培養環境が生産期の培養条件に適合していないと(ステップS11;No)、培養条件に適合させるための培養環境の制御を行う(ステップS12)。分析された項目が、ステップS1で設定された増殖期の培養条件の範囲を逸脱しないように、攪拌機2、散気管3、温度調節装置4等の制御目標値が更新され、PID制御、比例制御、オン・オフ制御等によって培養環境が調整される。その後、処理を戻し、適切な培養条件の下で生産期の培養が続けられる(ステップS9)。
一方、判定の結果、培養槽1内の培養環境が生産期の培養条件に適合していると(ステップS11;Yes)、処理を進め、細胞の状態が終了条件に適合しているか否かが判定される(ステップS13)。培養液の分析によって取得された、細胞の増殖と相関を有する状態量の測定値が、ステップS1で設定された連続培養を終了する終了条件を満たしているか否かが判定される。
終了条件としては、細胞の増殖と相関を有する状態量であって、細胞の死滅が顕著であり、物質の生産に適さない状態に対応する状態量の値の範囲を、予備試験の結果等に基づいて予め設定することができる。測定値がこのような終了条件値を下回った状態は、細胞の死滅により不純物の混入等が進むため、連続培養を終了するのが好ましい状態となる。
判定の結果、細胞の状態が終了条件に適合していないと(ステップS13;No)、連続培養の終了が適切でないため、処理を戻し、生産期の培養条件の下で生産期の培養が続けられる(ステップS9)。
一方、判定の結果、細胞の状態が終了条件に適合していると(ステップS13;Yes)、連続培養の終了が適切であるため、処理を進め、培養を停止して目的物質の生産を終了する。
なお、以上の処理においては、連続培養の途中に、培養環境を切り替える制御を一回行っているが、複数回行ってもよい。培養環境を複数回切り替える場合は、培養環境を切り替える制御の指標値(測定値)として、互いに異なる値を設定することができる。培養環境を複数回切り替える場合、培養期及び生産期のうちの少なくとも一方が、複数の段階に分割される。培養期及び生産期のいずれかに、ステップS3〜7やステップS9〜13(図13参照)を、切り替える回数に応じて繰り返すことができる。
以下、細胞の増殖と相関を有する状態量の具体的な分析方法について説明する。
<細胞数密度・比増殖速度・生存率>
細胞の状態を表す指標のうち、細胞数密度、比増殖速度、生存率は、次の方法によって求めることができる。
生存率は、全細胞中の生細胞の割合として求めることができる。細胞数は、血球計算盤等を用いた顕微鏡観察、乾燥重量法、濁度法、静電容量法や、酸化型NADや還元型NADHを定量するNAD測定や、フローサイトメトリー等の各種の測定法を用いて測定することができる。また、生細胞数は、トリパンブルー染色法による判別を利用して測定することができる。
比増殖速度は、生細胞数の経時変化を測定して求めることができる。細胞の増殖速度vは、生細胞数をX、比増殖速度をμ、時間をtとしたとき、次の数式(II)のように表される。
v=dX/dt=μX・・・(II)
細胞の増殖速度vは、数式(II)に表されるように、生細胞数と時間との直線的な関係となるため、異なる2以上の培養時間の測定から求められる。なお、測定数が少なく誤差が無視できない場合があるため、対数増殖期に多数の測定を行い、対数グラフ上に示した測定結果を最小二乗法で直線近似して求めてもよい。
<代謝反応速度・累積代謝量>
細胞の状態を表す指標のうち、代謝反応速度(目的物質の代謝生産速度、栄養素の代謝消費速度、老廃物の代謝分泌速度等)や、累積代謝量(目的物質の累積代謝生産量、栄養素の累積代謝消費量、老廃物の累積代謝分泌量等)は、次の方法によって求めることができる。
目的物質の代謝生産速度は、産生される目的物質の濃度の経時変化を測定し、単位時間当たり、単位細胞数当たりの生産量に換算して求めることができる。目的物質の濃度は、例えば、目的物質がタンパクである場合、ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法により定量することができる。測定対象のタンパクと抗原抗体反応を生じる抗体を使用し、標識の蛍光分析、酵素活性分析等を行う。ELISA法としては、直接法、間接法、サンドイッチ法、競合法等のいずれを用いてもよい。
栄養素の代謝消費速度、老廃物の代謝分泌速度は、培養槽内の濃度の経時変化を測定し、単位時間当たり、単位細胞数当たりの変化量に換算して求めることができる。栄養素の濃度や老廃物の濃度は、高速液体クロマトグラフィ(High Performance Liquid Chromatography:HPLC)、液体クロマトグラフィ質量分析(Liquid Chromatography-Mass spectrometry:LC/MS)、液体クロマトグラフィタンデム質量分析(LC/MS−MS)、ガスクロマトグラフィ質量分析(Gas Chromatography-Mass spectrometry:GC/MS)、ガスクロマトグラフィタンデム質量分析(GC/MS−MS)等に、細胞を除いた培養液を供して定量することができる。
目的物質の累積代謝生産量、栄養素の累積代謝消費量、老廃物の累積代謝分泌量は、求めた代謝速度を時間積分する方法や、累積量を実測する方法で求めることができる。
図14は、細胞内代謝フラックスの解析方法を示す図である。
図14に示すように、代謝反応速度(目的物質の代謝生産速度、栄養素の代謝消費速度、老廃物の代謝分泌速度)は、細胞内代謝フラックスを解析して求めることもできる。解析の結果を利用すると、計算上で、目的物質の代謝生産速度、栄養素の代謝消費速度、老廃物の代謝分泌速度等の推定が可能である。
細胞内代謝フラックスの解析に用いる代謝反応モデルは、既知の代謝経路に基づいて作成した初期モデルを基礎としてシミュレーションを行い、その結果を培養実験の結果で補正することによって構築することができる。既知の代謝経路としては、例えば、解糖系、糖新生、クエン酸回路、グリオキシル酸回路、酸化的リン酸化、ペントースリン酸回路、還元的ペントースリン酸回路、尿素回路、β酸化、アミノ酸生合成、ヌクレオチド代謝、グリコーゲン合成、脂質生合成、脂肪酸生合成、コレステロール生合成、プリン合成、ピリミジン合成、シキミ酸経路等の各種の代謝経路を用いることができる。
培養実験では、対象の細胞を、炭素の放射性同位体で標識した基質を用いて培養する。そして、各代謝経路を通じて個々に生成される代謝物・中間代謝物の同位体比率をGC/MSで測定する。例えば、培養した細胞を培養槽から採取し、その細胞を固定した後、分析に必要な多種類の代謝物・中間代謝物を抽出する。そして、GC/MS用に誘導体化するために、2%メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を加え、55℃で2時間反応させた後、N−メチル−N−tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロアセトアミド(MTBSTFA)の1%tert−ブチルジメチルクロロシラン(t−BDMCS)溶液を45μL加え、37℃で1時間反応させた後、GC/MSで分析する。
GC/MS−MSの分析条件は、例えば、カラムとして、DB−35ms(ジーエルサイエンス社製、長さ30m)を使用し、昇温条件:100℃から300℃まで3.5℃/min、注入口温度:270℃、キャリアガス:ヘリウム、キャリアガス流量:1mL/minとすることができる。
一方、シミュレーションでは、はじめに、細胞内で連鎖・分岐する代謝反応について代謝反応モデルを仮定し、各代謝反応の代謝反応速度(図14のR1〜R8)の初期値を乱数として与える。そして、定常状態で各代謝物・中間代謝物に含まれる同位体の比率を計算し、この計算値を培養実験の測定結果と比較する。計算値と測定結果とに統計学的に有意差がある場合は、QP(Quadratic Programming)部分問題法とした数値解法により、互いの平均自乗誤差が最小となるように代謝反応速度値を補正する。そして、補正後の条件で再計算を行い、計算値と測定結果との有意差がなくなるまで計算と補正を繰り返す。
有意差がない状態は、計算上、妥当な代謝反応モデルであるため、計算した代謝反応速度値等を推定値として用いることができる。このような解析を利用すると、連続培養中、分析・定量を頻繁に行う必要がなくなり、時間がかかる分析・定量を行う制約をなくすることができる。
<細胞周期>
細胞の状態を表す指標のうち、細胞周期は、ヨウ化プロピジウム(Propidium Iodide:PI)染色法による判別を利用し、フローサイトメトリーを行うことによって求めることができる。
図15は、細胞周期の概念を示す図である。
図15に示すように、細胞周期は、細胞の分裂・増殖や、細胞内代謝に影響する。真核細胞の細胞周期は、有糸分裂期(M期)と、それ以外の間期(G1期、S期、G2期)とからなる。細胞周期は約16〜24時間、M期は約1時間、S期は約6〜8時間、G2期は約2〜6時間であり、M期、G1期、S期及びG2期の時間比は、凡そ1:5:7:3である。G1期には、様々な要因で細胞周期を中断し、G0期に入って休眠状態となる細胞がある。
G2期やM期の細胞は、細胞分裂を開始しようとしている一方で、G1期やG0期の細胞は、細胞分裂までに時間があり、G0期は不定の長さである。細胞が増殖し易い培養環境とするべき培養期は、細胞周期がG2期やM期にある細胞の割合が高い状態、すなわち、培養されている細胞の多くが細胞分裂を開始しようとしている状態と一致させることが好ましいといえる。一方、細胞の増殖が抑制される培養環境とすべき生産期は、細胞周期がG1期やG0期にある細胞の割合が高い状態、すなわち、培養されている細胞の多くが間期にある状態と一致させることが好ましいといえる。
図16は、核染色による蛍光強度と細胞数との関係を説明する図である。
図16において、縦軸は、細胞数、横軸は、PI染色法によって核染色した細胞の蛍光強度を示す。細胞を培養し、細胞周期が混在している細胞集団を核染色してフローサイトメトリーで蛍光検出すると、図16に示すような特異的なプロファイル(C11,C12,C13)が得られる。
曲線C11は、G1期やG0期の細胞から得られるプロファイルの一例を示している。G1期やG0期の細胞は、染色体DNAの複製が開始していないため、検出される蛍光強度が弱くなる。
また、曲線C12は、S期の細胞から得られるプロファイルの一例を示している。S期の細胞は、染色体DNAの複製を開始しており、DNA量が増加段階にあるため、検出される蛍光強度が一様でなくなり広範囲に広がる。
一方、曲線C13は、G2期やM期の細胞から得られるプロファイルの一例を示している。G2期やM期の細胞は、細胞分裂に十分なDNAが合成されているため、検出される蛍光強度が強くなる。
図16に示すプロファイルは、細胞数の度数分布として得られる。よって、フローサイトメトリーで蛍光検出を行い、度数分布上の各曲線の積分面積を計算すると、G2期やM期にある細胞の細胞数や割合を知ることができる。このような細胞周期(細胞集団中でG2期及びM期にある細胞の割合)は、細胞の増殖と相関があるが、分析のために細胞の増殖を待つ必要が無く、1時間程度で終了させることができるため、培養環境の切り替えを適切な時期に行うことができる。
以上の培養方法及び培養装置によると、細胞の増殖と相関を有する状態量が細胞の培養中に測定され、その状態量に基づいて培養環境を切り替える制御が行われるため、細胞を時期に適した増殖速度で効率的に連続培養することができる。培養前期の増殖期には、細胞数密度を効率的に上昇させることができるので、十分に増殖させた細胞に目的物質を大量に産生させることができる。一方、培養後期の生産期には、細胞の増殖を抑制して目的物質を産生させることができるので、死細胞や不純物の増加、栄養源や基質の浪費、継代による変異の蓄積等を抑制して、目的物質を高純度化と運転コストや精製コストの低減とを図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、或る実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、或る実施形態の構成の一部を省略したりすることも可能である。
100 培養装置
1 培養槽
2 攪拌機
3 散気管
4 温度調節装置
5 培地容器
6 細胞分離装置
7 回収槽
8 分析装置
9 制御装置
P1 供給ポンプ
P2 排出ポンプ
P3 吸引ポンプ
V バルブ

Claims (10)

  1. 細胞を連続培養する培養方法であって、
    細胞の培養中に前記細胞の増殖と相関を有する状態量を測定し、
    前記状態量の測定値が予め設定されている設定値の範囲の範囲外であって前記細胞の増殖速度が高いことを示すとき、培養槽に供給される培地の供給流量を第1流量値に制御し、
    前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であって前記細胞の増殖速度が低いことを示すとき、前記培地の供給流量を前記第1流量値よりも小さい第2流量値に制御する培養方法。
  2. 前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるとき、前記培地の供給流量を前記第1流量値に制御すると共に、前記培地の温度を第1温度域に制御し、
    前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるとき、前記培地の供給流量を前記第2流量値に制御すると共に、前記培地の温度を前記第1温度域よりも低い第2温度域に制御する請求項1に記載の培養方法。
  3. 前記状態量が、細胞数密度、比増殖速度、細胞の生存率、代謝反応速度、累積代謝量、又は、細胞集団中でG2期及びM期にある細胞の割合である請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  4. 前記培地の供給流量の制御によって、前記培養槽におけるグルコースの濃度、グルタミンの濃度、乳酸の濃度、及び、アンモニアの濃度のうち、一以上の濃度が調整される請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  5. 前記培養槽におけるグルコースの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには0.4g/L以上の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには0.4g/L未満の濃度に調整されるか、又は、前記培養槽におけるグルタミンの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには1.5mM以上の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには1.5mM未満の濃度に調整される請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  6. 前記培養槽における乳酸の濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには1.0g/L以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには1.0g/Lを超える濃度に調整されるか、又は、前記培養槽におけるアンモニアの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには2.0mM以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには2.0mMを超える濃度に調整される請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  7. 前記培養槽におけるグルコースの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには1.5g/L以上の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには1.5g/L未満の濃度に調整され、且つ、前記培養槽におけるグルタミンの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには1.5mM以上の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには1.5mM未満の濃度に調整されるか、又は、前記培養槽における乳酸の濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには2.0g/L以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには2.0g/Lを超える濃度に調整されるか、又は、前記培養槽におけるアンモニアの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには2.0mM以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには2.0mMを超える濃度に調整される請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  8. 前記培養槽におけるグルタミンの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには1.0mM以上の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには1.0mM未満の濃度に調整され、且つ、前記培養槽における乳酸の濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには2.0g/L以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには2.0g/Lを超える濃度に調整されるか、又は、前記培養槽におけるアンモニアの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには1.5mM以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには1.5mMを超える濃度に調整される請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  9. 前記培養槽における乳酸の濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには2.0g/L以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには2.0g/Lを超える濃度に調整され、且つ、前記培養槽におけるアンモニアの濃度が、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲外であるときには2.0mM以下の濃度、前記測定値が前記設定値の範囲の範囲内であるときには2.0mMを超える濃度に調整される請求項1又は請求項2に記載の培養方法。
  10. 培養槽に培地を連続的に供給し、且つ、培地を連続的に排出させながら細胞を連続培養する培養装置であって、
    細胞を培養するための培養槽と、
    前記培養槽に培地を供給する供給ポンプと、
    前記培養槽に供給される前記培地を冷却可能な温度調節装置と、
    細胞の培養中に前記細胞の増殖と相関を有する状態量を測定する分析装置と、
    前記状態量の測定値に基づいて前記培地の供給流量を制御する制御装置と、を備える培養装置。
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