[go: up one dir, main page]

JP2019529671A - フッ化ビニリデンポリマー - Google Patents

フッ化ビニリデンポリマー Download PDF

Info

Publication number
JP2019529671A
JP2019529671A JP2019517897A JP2019517897A JP2019529671A JP 2019529671 A JP2019529671 A JP 2019529671A JP 2019517897 A JP2019517897 A JP 2019517897A JP 2019517897 A JP2019517897 A JP 2019517897A JP 2019529671 A JP2019529671 A JP 2019529671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vdf
polymer
salt
group
vinylidene fluoride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019517897A
Other languages
English (en)
Inventor
ジュリオ ア. アブスレメ,
ジュリオ ア. アブスレメ,
セゴレーヌ ブルソー,
セゴレーヌ ブルソー,
Original Assignee
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー., ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. filed Critical ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.
Publication of JP2019529671A publication Critical patent/JP2019529671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L27/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L27/02Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L27/12Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
    • C08L27/16Homopolymers or copolymers or vinylidene fluoride
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F14/18Monomers containing fluorine
    • C08F14/22Vinylidene fluoride
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/20Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/38Polymerisation using regulators, e.g. chain terminating agents, e.g. telomerisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/44Polymerisation in the presence of compounding ingredients, e.g. plasticisers, dyestuffs, fillers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2203/00Applications
    • C08L2203/16Applications used for films
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2203/00Applications
    • C08L2203/18Applications used for pipes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

本発明は、フッ化ビニリデンポリマーの製造方法に、前記方法によって得られたフッ化ビニリデンポリマーに、および様々な用途での前記フッ化ビニリデンポリマーの使用に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月5日出願の欧州特許出願第16306305.0号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、フッ化ビニリデンポリマーの製造方法に、前記方法によって得られたフッ化ビニリデンポリマーに、および様々な用途での前記フッ化ビニリデンポリマーの使用に関する。
半導体および食品工業は、より高い純度およびより高い性能、とりわけ改善された機械的強度を有する、フルオロポリマー、特にフッ化ビニリデンポリマーなどのポリマーでできた物品を必要としている。
フッ化ビニリデンポリマーは典型的には、懸濁重合または乳化重合法によって製造されている。
例えば、米国特許第5,283,302号明細書(呉羽化学工業株式会社)1994年2月1日は、微細スフェルライトを有するフッ化ビニリデンポリマーの製造方法であって、前記方法が、水性媒体中での懸濁重合によって実施され、前記方法が、重合転化率が10〜50%に達したときに連鎖移動剤を添加することを含む方法を開示している。
また、欧州特許出願公開第2196479 A号明細書(株式会社クレハ)2010年6月16日は、高分子量を有するフッ化ビニリデンポリマー粉末の製造方法であって、前記方法が、とりわけ、懸濁化剤、連鎖移動剤および重合開始剤を含む水性媒体中で超臨界懸濁重合によって実施される方法を開示している。
しかしながら、半導体および食品用途などの、様々な用途に好適に使用される、より高い機械的強度と組み合わせて、より高い純度およびより高い熱安定性を示すフッ化ビニリデンポリマーでできた物品が当技術分野では依然として必要とされている。
欧州特許出願公開第0626396 A号明細書(AUSIMONT SPA)1994年11月30日は、乳化重合法であるが、アルカリ金属塩(パーフルオロオクタン酸塩)が界面活性剤として使用され(実施例1を参照されたい)、そしてここで、連鎖移動剤が、重合中に連続的にかまたは不連続量でかのどちらかで反応器へ供給される方法を指向している。
米国特許第3,714,137号明細書(SUEDDEUTSCHE KALKSTICKSTOFF−WERKE)1973年1月30日は、酸性pHでおよびペルオキシ二硫酸塩重合開始剤の存在下でのフッ化ビニリデンの重合を開示しており;水性反応媒体のpH値は、反応に不活性である任意の酸によって調整されてもよく、好ましいpH範囲は4〜6である。好ましい酸は、ホウ酸、硫酸および塩酸である。好ましい開始剤は、アンモニウムペルオキシ二硫酸およびカリウムペルオキシ二硫酸である。
国際公開第2012/030784号パンフレット(ARKEMA)2012年3月8日は、酸官能化モノマーを使用するフルオロポリマーの製造方法を指向しており;より具体的には、それは、a)少なくとも1つのラジカル開始剤、少なくとも1つの酸官能化モノマーまたはその塩(好ましくはアンモニウムもしくはナトリウム塩)、および少なくとも1つのフルオロモノマー、典型的にはフッ化ビニリデンを含む水性エマルジョンを形成する工程と、b)前記少なくとも1つのフルオロモノマーの重合を開始する工程とを含む、水性反応媒体中でのフルオロポリマーの製造方法に関する。連鎖移動剤が、生成物の分子量を調整するために重合に添加される。それらは、反応の初めに一度に、または反応の全体にわたって追加的にまたは連続的に添加されてもよい。緩衝剤は、約4〜約10、好ましくは約4.5〜約9.5の範囲の少なくとも1つのpKa値を有する、有機もしくは無機酸またはそれのアルカリ金属塩、または塩基またはそのような有機もしくは無機酸の塩を含んでもよい。この公文書に記載されている好ましい緩衝剤には、例えば、リン酸塩緩衝剤および酢酸塩緩衝剤が含まれる。
フッ化ビニリデンポリマーが本発明の方法によって容易に得られ得ることが今見いだされた。
第1の場合に、本発明は、フッ化ビニリデン(VDF)ポリマー[ポリマー(VDF)]の製造方法であって、前記方法が、フッ化ビニリデン(VDF)および、任意選択的に、VDFとは異なる少なくとも1つのフッ素化モノマーを、少なくとも4のpHを有する水性媒体(前記水性媒体は、
− 水、
− 少なくとも1つのアルカリ金属カチオンを含む少なくとも1つの塩[塩(AM)](前記塩(AM)は、1個もしくは複数個のプロトン(H)を含まない)、および
− 任意選択的に、少なくとも1つの懸濁化剤
を含む、好ましくはそれらからなる)中で
少なくとも1つのラジカル開始剤および少なくとも1つの連鎖移動剤の存在下で重合させる工程を含み、
ここで、前記少なくとも1つの連鎖移動剤が、前記少なくとも1つのラジカル開始剤の前にまたはそれと一緒に前記水性媒体に添加される方法に関する。
水性媒体は有利には、少なくとも4の、好ましくは少なくとも5の、より好ましくは少なくとも6の、さらにより好ましくは少なくとも7のpHを有する。
本発明の目的のためには、用語「少なくとも1つのアルカリ金属カチオンを含む塩[塩(AM)]」は、酸と塩基との反応から形成される化合物であって、酸の水素イオン(プロトン)がすべてアルカリ金属カチオンに取って代わられている化合物を意味することを意図する。
塩(AM)は典型的には、少なくとも1つのアルカリ金属カチオンと、有機もしくは無機アニオンとを含む。アルカリ金属カチオンは典型的には、Li、NaおよびKカチオンからなる群から選択される。
塩(AM)は好ましくは、少なくとも1個のNaカチオンを含む。
塩(AM)は好ましくは、式Na(P)のピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、NaPO、NaCOおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
塩(AM)はより好ましくは、式Na(P)のピロリン酸四ナトリウム(TSPP)である。
水性媒体は有利には、1個もしくは複数個のプロトン(H)を含む1つもしくは複数の塩を含まない。
水性媒体は典型的には、水の1Kg当たり0.05〜5g、好ましくは水の1Kg当たり0.1〜2g、より好ましくは水の1Kg当たり0.3〜0.8gに含まれる量で少なくとも1つの塩(AM)を含む。
水性媒体中の少なくとも1個のNaカチオンの量は典型的には、水の1Kg当たり0.02〜10g、好ましくは水の1Kg当たり0.05〜5g、より好ましくは水の1Kg当たり0.1〜1gに含まれる。
塩(AM)が式Na(P)のピロリン酸四ナトリウム(TSPP)である場合、水性媒体中の(P4−アニオンの量は典型的には、水の1Kg当たり0.005〜10g、好ましくは水の1Kg当たり0.05〜5g、より好ましくは水の1Kg当たり0.1〜1.0gに含まれる。
塩(AM)がNaPOである場合、水性媒体中の(PO3−アニオンの量は典型的には、水の1Kg当たり0.001〜15g、好ましくは水の1Kg当たり0.05〜10g、より好ましくは水の1Kg当たり0.2〜2.0gに含まれる。
水性媒体は、
− 水、
− 少なくとも1つのアルカリ金属カチオンを含む少なくとも1つの塩[塩(AM)](前記塩(AM)は、1個もしくは複数個のプロトン(H)を含まない)、および
− 少なくとも1つの懸濁化剤
を好ましくは含む、より好ましくはそれらからなる。
懸濁化剤は好ましくは、多糖誘導体からなる群から選択される。
本発明の目的のためには、用語「多糖誘導体」は、グリコシド結合によって互いに連結された1個もしくは複数個のグリコシド単位を繰り返し単位として含む多糖ポリマーの誘導体を意味することを意図する。
グリコシド単位は、6員ピラノシド環かまたは5員フラノシド環かのどちらかを意味することを本明細書では意図する。
好適な6員ピラノシドの非限定的な例としては、とりわけ、α−D−グルコピラノシドまたはβ−D−グルコピラノシドなどのD−グルコピラノシドが挙げられる。
好適な5員フラノシドの非限定的な例としては、とりわけ、D−グルコフラノシドが挙げられる。
特に明記しない限り、多糖誘導体の動的粘度は、2重量%の濃度で水溶液中20℃でASTM D445に従って測定される。
多糖誘導体は好ましくは、2重量%の濃度で水溶液中20℃でASTM D445に従って測定されるように、約1〜約30000mPa.s、好ましくは約3〜約21000、より好ましくは約50〜約15000、さらにより好ましくは約80〜約13000mPa.s、さらにより好ましくは約120〜約11250mPa.sに含まれる動的粘度を有する。
多糖誘導体はより好ましくは、2重量%の濃度で水溶液中20℃でASTM D445に従って測定されるように、約2.4〜約3.6mPa.s、好ましくは約80〜約120mPa.s、より好ましくは約11250〜約21000mPa.sに含まれる動的粘度を有する。
多糖誘導体は好ましくは、グリコシド結合によって互いに連結された、D−グルコピラノシドおよびD−グルコフラノシド、またはそれらの混合物から選択されるグリコシド単位を含む。
多糖誘導体はより好ましくは、β−グリコシド結合によって互いに連結された、ここで下の式(I):
Figure 2019529671
(式中、出現ごとにいかなる他のものと等しいかもしくは異なる、各R’は、水素原子、C〜C炭化水素基またはC〜Cヒドロキシアルキル基、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシエチル基または2−ヒドロキシプロピル基を表す)
の1つもしくは複数のβ−D−グルコピラノシド単位を含む。
多糖誘導体は好ましくは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースまたは2−ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択され、最後のものが特に好ましい。
多糖誘導体はより好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ここで、メトキシル置換度(すなわち、基R’の総数に対して、R’が式(I)においてメチル基である、基R’の1分子当たりの平均数)は、約1.2〜1.6(例えば1.4)であり、および/またはヒドロキシプロピル置換度(すなわち、基R’の総数に対して、R’が式(I)において2−ヒドロキシプロピル基である、基R’の1分子当たりの平均数)は、約0.15〜0.25(例えば0.21)である。
非限定的な例として、本発明の方法におけるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、2重量%の濃度で水溶液中20℃で約80〜120mPa.sまたは約11250〜21000mPa.sに含まれる動的粘度を有する。
本発明の方法での使用に好適な多糖誘導体の非限定的な例としては、とりわけ、2重量%の濃度で水溶液中20℃で80〜120mPa.sの動的粘度を有する、商標名METHOCEL(登録商標)K100、2重量%の濃度で水溶液中20℃で11250〜21000mPa.sの動的粘度を有する、METHOCEL(登録商標)K15M、2重量%の濃度で水溶液中20℃で2.4〜3.6mPa.sの動的粘度を有する、METHOCEL(登録商標)K3、2重量%の濃度で水溶液中20℃で3000〜6000mPa.sの動的粘度を有する、METHOCEL(登録商標)K4M、および2重量%の濃度で水溶液中20℃で4〜8mPaxsの動的粘度を有するCULMINAL(登録商標)MHPC5で入手可能なセルロース誘導体が挙げられる。
懸濁化剤は典型的には、全モノマーの1Kg当たり0.01〜2.0g、好ましくは全モノマーの1Kg当たり0.1〜1.0gに含まれる量で本発明の方法において使用される。
ラジカル開始剤の選択は特に制限されないが、本発明の方法での使用に好適なそれらの開始剤は、重合プロセスを開始するおよび/または加速することができる化合物から選択されることが理解される。
ラジカル開始剤は好ましくは、有機ラジカル開始剤からなる群から選択される。
適当な有機ラジカル開始剤の非限定的な例としては、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキシド;ジアセチルパーオキシジカーボネート;ジエチルパーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシジカーボネート;tert−ブチルパーネオデカノエート;2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4ジメチルバレロニトリル;tert−ブチルパーピバレート;tert−アミルパーピバレート;ジオクタノイルパーオキシド;ジラウロイル−パーオキシド;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);tert−ブチルアゾ−2−シアノブタン;ジベンゾイルパーオキシド;tert−ブチル−パー−2エチルヘキサノエート;tert−ブチルパーマレエート;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル);ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート;tert−ブチルパーアセテート;2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン;ジクミルパーオキシド;ジ−tert−アミルパーオキシド;ジ−tert−ブチルパーオキシド(DTBP);p−メタンヒドロパーオキシド;ピナンヒドロパーオキシド;クメンヒドロパーオキシド;およびtert−ブチルヒドロパーオキシドが挙げられるが、それらに限定されない。
連鎖移動剤は好ましくは、式(II):
−(O)−CO−(O)−R (II)
(式中:
− 互いに等しいかもしくは異なる、RおよびRは、C〜C10アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基であり、
− 互いに等しいかもしくは異なる、xおよびyは、0または1に等しい)
のものである。
連鎖移動剤は典型的には、
(i)式(II−a):
R’−O−CO−O−R’ (II−a)
(式中、互いに等しいかもしくは異なる、R’およびR’は、C〜C10アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基である)
の有機カーボネート、および
(ii)式(II−b):
R’’−CO−O−CH (II−b)
(式中、R’’は、C〜C10アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基である)
のアルキルアセテート
からなる群から選択される。
式(II−a)の有機カーボネートの非限定的な例としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネートおよびピロエチルカーボネート(pyroethyl carbonate)が挙げられる。
式(II−b)のアルキルアセテートの非限定的な例としては、例えば、エチルアセテートおよびイソプロピルアセテートが挙げられる。
連鎖移動剤は典型的には、全モノマーの1Kg当たり5〜100g、好ましくは全モノマーの1Kg当たり15〜50gに含まれる量で本発明の方法において使用される。
本発明の方法は典型的には、懸濁重合によって、または超臨界懸濁重合によって実施される。
本発明の方法は典型的には、少なくとも10℃の、好ましくは少なくとも25℃の、より好ましくは少なくとも45℃の温度で実施される。
本発明の方法は典型的には、高くても80℃の、好ましくは高くても75℃の、より好ましくは高くても70℃の温度で実施される。
本発明の方法は典型的には、少なくとも25バールの、好ましくは少なくとも60バールの、より好ましくは少なくとも90バールの圧力で実施される。
本発明の方法は典型的には、水性媒体からの、典型的には濾過によって、それによって提供される、ポリマー(VDF)を分離する工程をさらに含む。
本発明の方法によって得られるポリマー(VDF)は典型的には、30℃〜120℃、好ましくは50℃〜90℃に含まれる温度で、典型的には乾燥させられる。
当業者は、より短い滞留時間がより高い温度では必要とされることを理解するだろう。本発明の方法によって得られるポリマー(VDF)は典型的には、通常少なくとも1時間の滞留時間、50℃〜90℃に含まれる温度で乾燥させられる。
第2の場合に、本発明は、フッ化ビニリデン(VDF)および、任意選択的に、VDFとは異なる少なくとも1つのフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位を含むフッ化ビニリデン(VDF)ポリマー[ポリマー(VDF)]であって、前記ポリマー(VDF)が1つもしくは複数の頭−頭または尾−尾VDF−VDF2個一組に由来する繰り返し単位を含むポリマー(VDF)に関する。
本発明のポリマー(VDF)は典型的には、1つもしくは複数の頭尾VDF−VDF2個一組および1つもしくは複数の頭−頭または尾−尾VDF−VDF2個一組に由来する繰り返し単位を含む。
本発明の目的のためには、用語「頭尾VDF−VDF2個一組」は、式−CHCF−CHCF−の2個一組を意味することを意図し、一方、用語「頭−頭または尾−尾VDF−VDF2個一組」は、式−CFCH−CHCF−の逆2個一組を意味することを意図する。
本発明のポリマー(VDF)は好ましくは、1つもしくは複数の頭−頭または尾−尾VDF−VDF2個一組に由来する繰り返し単位を、ポリマー(VDF)の繰り返し単位の総量に対して、4.5%未満の量で含む。
本発明のポリマー(VDF)は、前記ポリマー(VDF)中の繰り返し単位の総量に対して4.5%未満の逆VDF−VDF2個一組の量によって示されるように主鎖中の欠陥の低い量のために、向上した機械的特性に意外にも恵まれていることが見いだされた。
他方では、ポリマー中の鎖欠陥のより高い量は、前記ポリマーのより低い融点、および弾性率のより低い値などの対応する、より低い引張特性をもたらすことが見いだされた。
ポリマー(VDF)中の頭尾、頭−頭および尾−尾VDF−VDF2個一組の量は、任意の好適な手順によって、好ましくはRUSSO,S.らSynthesis and microstructural characterization of low−molar−mass poly(vinylidene fluoride).Polymer.1993,vol.34,no.22,p.4777−4781に記載されているような19F NMR分析を用いて測定することができる。
本発明のポリマー(VDF)は有利には、本発明の方法によって得られる。
本発明の方法によって得られるポリマー(VDF)は典型的には、粉末粒子の形態にある。
本発明の方法によって得られるポリマー(VDF)は、溶融加工技術によってさらに加工され、それによってペレットを提供し得る。
ポリマー(VDF)は有利には、ペレットの形態で使用される。
意外にも、本発明のポリマー(VDF)は、全有機物量(TOC)の非常に低い値を有することが分かった。
本発明のポリマー(VDF)は有利には、前記ポリマー(VDF)の1Kg当たり10mgよりも低い、好ましくは前記ポリマー(VDF)の1Kg当たり9mgよりも低い、より好ましくは前記ポリマー(VDF)の1Kg当たり8mgよりも低いTOCの値を有する。
ポリマー(VDF)中の全有機物量(TOC)は、典型的にはペレットの形態での前記ポリマー(VDF)を使用して、任意の好適な手順によって測定することができる。
ポリマー(VDF)は有利には、0.06〜0.13l/g、好ましくは0.07〜0.12l/g、より好ましくは0.08〜0.11l/gに含まれる固有粘度を有する。
ポリマー(VDF)の固有粘度は、任意の好適な手順によって測定することができる。ポリマー(VDF)の固有粘度は典型的には、N,N−ジメチルホルムアミド中25℃で測定される。
本発明のポリマー(VDF)は有利には、ASTM E313−96に従って測定されるように、50よりも高い、好ましくは53よりも高い、より好ましくは55よりも高い白色度(White Index)(WI)の値を有する。
本発明のポリマー(VDF)は好ましくは、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも75モル%、より好ましくは少なくとも95モル%のフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位および、任意選択的に、VDFとは異なる少なくとも1つのフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位を含む。
本発明のポリマー(VDF)は、少なくとも1つの含水素モノマーに由来する繰り返し単位をさらに含んでもよい。
本発明の目的のためには、用語「フッ素化モノマー」は、少なくとも1個のフッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーを意味することを意図する。
本発明の目的のためには、用語「含水素モノマー」は、少なくとも1個の水素原子を含み、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーを意味することを意図する。
フッ素化モノマーが少なくとも1個の水素原子を含む場合、それは、水素含有フッ素化モノマーと称される。
フッ素化モノマーが水素原子を含まない場合、それは、パー(ハロ)フッ素化モノマーと称される。
フッ素化モノマーは、1個もしくは複数個の他のハロゲン原子(Cl、Br、I)をさらに含んでもよい。
好適なフッ素化モノマーの非限定的な例としては、とりわけ、下記:
− テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのC〜Cパーフルオロオレフィン;
− フッ化ビニル、1,2−ジフルオロエチレンおよびトリフルオロエチレンなどのC〜C含水素フルオロオレフィン;
− 式CH=CH−Rf0(式中、Rf0は、C〜Cパーフルオロアルキルである)のパーフルオロアルキルエチレン;
− クロロトリフルオロエチレンなどのクロロ−および/またはブロモ−および/またはヨード−C〜Cフルオロオレフィン;
− 式CF=CFORf1(式中、Rf1は、C〜Cフルオロ−もしくはパーフルオロアルキル、例えば、CF、C、Cである)の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル;
− CF=CFOX(パー)フルオロ−オキシアルキルビニルエーテル[式中、Xは、C〜C12アルキル基、C〜C12オキシアルキル基または、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピル基などの、1個もしくは複数個のエーテル基を有するC〜C12(パー)フルオロオキシアルキル基である];
− 式CF=CFOCFORf2[式中、Rf2は、C〜Cフルオロ−もしくはパーフルオロアルキル基、例えばCF、C、C、または−C−O−CFなどの、1個もしくは複数個のエーテル基を有するC〜C(パー)フルオロオキシアルキル基である]の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル;
− 式CF=CFOY[式中、Yは、C〜C12アルキル基もしくは(パー)フルオロアルキル基、C〜C12オキシアルキル基、または1個もしくは複数個のエーテル基を有するC〜C12(パー)フルオロオキシアルキル基であり、Yは、その酸、酸ハライドまたは塩形態でのカルボン酸またはスルホン酸基を含む]の官能性(パー)フルオロ−オキシアルキルビニルエーテル;ならびに
− フルオロジオキソール、好ましくはパーフルオロジオキソール
が挙げられる。
本発明のポリマー(VDF)は好ましくは、
− 少なくとも95モル%のフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位および
− 最大でも5モル%のVDFとは異なる少なくとも1つのフッ素化モノマー、好ましくはヘキサフルオロプロピレン(HFP)に由来する繰り返し単位
を含む。
第3の場合に、本発明は、本発明の少なくとも1つのポリマー(VDF)を含む物品に関する。
本発明の物品は典型的には、フィルム、プラーク、パイプおよびフィッティングからなる群から選択される。
第4の場合に、本発明は、物品の製造方法であって、前記方法が、本発明の少なくとも1つのポリマー(VDF)または本発明の少なくとも1つのポリマー(VDF)を含む組成物を、前記物品またはそれの部品へ加工する工程を含む方法に関する。
本発明の物品は典型的には、本発明の方法によって得られる。
本発明の物品は典型的には、本発明の少なくとも1つのポリマー(VDF)または本発明の少なくとも1つのポリマー(VDF)を含む組成物を溶融相で加工することによって得られる。
本発明は、以下の実施例に関連してより詳細にこれから説明されるが、実施例の目的は、例示的なものであるにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
ポリマー(VDF)の固有粘度の測定
固有粘度(η)[dl/g]は、Ubbelhode粘度計を用い、ポリマー(VDF)を約0.2g/dlの濃度でN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させることによって得られた溶液の、25℃での、滴下時間に基づいて、以下の方程式:
Figure 2019529671
(式中、cは、ポリマー濃度[g/dl]であり、ηは、相対粘度、すなわち、試料溶液の滴下時間と、溶媒の滴下時間との間の比であり、ηspは、比粘度、すなわち、η−1であり、Γは、ポリマー(VDF)については3に相当する、実験因子である)
を用いて測定した。
ポリマー(VDF)のペレットに関する全有機物量(TOC)の測定
50gのポリマー(VDF)のペレットを含有するきれいなガラス瓶を超純水で満たし2分間放置した。水を次いで抜いた。この手順を10回繰り返した。容器を、次いで50mlの超純水で満たし、85℃で7日間のオーブン中での浸出試験のために蓋をかぶせた。ペレットの各試料を正副2通り浸出させた。7日浸出後に、そのようにして得られた溶液中のTOC値(mg/Kg)を、島津装置モデルTOC−Lで測定した。全炭素(TC)を測定し、これらのペレットに関するTOC値を得るために全無機炭素(TIC)の値を差し引いた。表1に示される値は、浸出試験後に得られた同じ生成物の2つの試料に関する値の平均を表す。
ポリマー(VDF)中の逆VDF−VDF2個一組の測定
1鎖当たりの全逆転は、RUSSO,S.らSynthesis and Microstructural Characterization of Low Molar Mass Polyvinylidene Fluoride.Polymer.1993,vol.34,no.22,p.77781に記載されているような19F NMR分析を用いて評価した。したがって、1つもしくは複数の頭−頭または尾−尾VDF−VDF2個一組に由来する単位の量は、繰り返し単位の総量に対して、モル%単位で表される。
ポリマー(VDF)のペレットに関する白色度(WI)の測定
白色度(WI)は、Minolta(登録商標)CR410として商業的に入手可能な比色計を用いて、ASTM E313−96に従ってポリマー(VDF)のペレットに関して測定した。
本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)の製造のための一般的な手順
一連の2420gの脱塩水、表1に記載されるような塩および懸濁化剤としての0.64gのMETHOCEL(登録商標)K100セルロースエーテルを4リットル反応器に導入した。この混合物を、880rpmの速度で回転する羽根車で攪拌した。反応器を、20℃の固定温度で、真空(30mmHg)およびN(1バールに固定)のシーケンスでパージした。このシーケンスを3回行った。
表1に記載されるような連鎖移動剤(CTA)(ジエチルカーボネートまたはエチルアセテート)およびラジカル開始剤としての1.12gのt−アミルパーピバレートを次いで反応器に添加した。連鎖移動剤の量は、25℃でのDMF中で約0.10l/gのポリマーの粘度を得るために計算した。
1070gの初期VDFをこの混合物に導入した。52℃に固定した第1設定点温度まで反応器を徐々に加熱した。この温度で、圧力を120バールに固定した。重合中に合計250gのVDFを供給することによって、圧力を120バールに等しい一定に保った。この供給後に、それ以上のモノマーを添加せず、圧力は90バールまで低下した。次いで、反応器を67℃まで徐々に加熱した。圧力を80バールに保ち、285gのVDFを反応器に供給した。圧力はその後55バールまで低下した。VDFの転化率は約80〜90%に達した。大気圧に達するまで反応器を脱気することによって重合を止めた。ポリマー(VDF)を濾過によって集め、脱塩水中で洗浄した。洗浄工程後に、ポリマー粉末を65℃で一晩乾燥させた。
そのようにして得られたポリマー(VDF)の融点は、171℃〜173℃の範囲にあった。
本発明による実施例1〜4のポリマー(VDF)のそれぞれについてのプロセス条件を表1に示す。
比較例1
本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)の製造について本明細書で上に詳述されたものと同じ手順を、しかしNa(P)(TSPP)を使用することなく繰り返した。プロセス条件を表1に示す。
比較例2
本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)の製造について本明細書で上に詳述されたものと同じ手順を、しかしNa(P)(TSPP)を、水の1Kg当たり0.6gの量での(NHHPOと取り換えて繰り返した。プロセス条件を表1に示す。
比較例3
一連の2320gの脱塩水、1.45gのピロリン酸四ナトリウムおよび懸濁化剤としての0.64gのMETHOCEL(登録商標)K100セルロースエーテルを4リットル反応器に導入した。この混合物を、880rpmの速度で回転する羽根車で攪拌した。
反応器を、20℃の固定温度で、真空(30mmHg)およびN(1バールに固定)のシーケンスでパージした。このシーケンスを3回行った。
ラジカル開始剤としての1.12gのt−アミルパーピバレートを反応器に添加した。100gの脱塩水を、導入ラインをすべてきれいにするために使用した。
1070gの初期VDFをこの混合物に導入した。52℃に固定した第1設定点温度まで反応器を徐々に加熱した。この温度で、圧力を120バールに固定した。合計53gのVDFを供給することによって、圧力を120バールに等しい一定に保った。
15%の重合転化率に達したときに、連鎖移動剤としての112.5gのエチルアセテートを反応器に素早く注入し、これに、反応器中の圧力を120バールに等しい一定に維持するために200gのVDFが続いた。この供給後に、それ以上のモノマーを添加せず、圧力は90バールまで低下した。次いで、反応器を67℃まで徐々に加熱した。圧力を80バールに保ち、287gのVDFを反応器に供給した。圧力はその後55バールまで低下した。VDFの転化率は85%に達した。大気圧に達するまで反応器を脱気することによって重合を止めた。VDFホモポリマーを濾過によって集め、脱塩水で洗浄した。洗浄工程後に、ポリマー粉末を65℃で一晩乾燥させた。
プロセス条件を表1に示す。
比較例4
本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)の製造について本明細書で上に詳述されたものと同じ手順を、しかしNa(P)(TSPP)を、水の1Kg当たり1.66gの量での(NHCOと取り換えて繰り返した。プロセス条件を表1に示す。
比較例5
一連の2320gの脱塩水、水の1Kg当たり0.385gのピロリン酸(H)、水の1Kg当たり0.385gのNa(P)(TSPP)および懸濁化剤としての0.64gのMETHOCEL(登録商標)K100セルロースエーテルを4リットル反応器に導入した。この混合物を、880rpmの速度で回転する羽根車で攪拌した。
反応器を、20℃の固定温度で真空(30mmHg)およびN(1バールに固定)のシーケンスでパージした。このシーケンスを3回行った。連鎖移動剤としての32.1gのジエチルカーボネートおよびラジカル開始剤としての1.12gのt−アミルパーピバレートを反応器に添加した。導入ラインを100gの脱塩水で洗浄した。
1070gの初期VDFをこの混合物に導入した。52℃に固定した第1設定点温度まで反応器を徐々に加熱した。この温度で、圧力を120バールに固定した。重合中に合計250gのVDFを供給することによって、圧力を120バールに等しい一定に保った。この供給後に、それ以上のモノマーを添加せず、圧力は90バールまで低下した。次いで、反応器を67℃まで徐々に加熱した。圧力を80バールに保ち、287gのVDFを反応器に供給した。圧力はその後55バールまで低下した。大気圧に達するまで反応器を脱気することによって重合を止めた。VDFの転化率は87.5%に達した。ポリマーを濾過によって集め、脱塩水中で洗浄した。洗浄工程後に、ポリマー粉末を65℃で一晩乾燥させた。プロセス条件を表1に示す。
ペレットでのポリマー(VDF)の押出のための一般的な手順
本プロセスは、所望の温度分布に設定することを可能にする6つの温度制御域を有する、主供給装置を備えた、二軸スクリュー共回転押出機(34mmのスクリュー径Dを有するLeistritz LSM 30.34 GG−5R)を用いて実施した。ダイは、4mmの直径をそれぞれ有する2つの穴からなった。2つの押出物を水タンク中で冷却し、取り出し、次いで圧縮空気で乾燥させた。最後に、2つの押出物を、ペレットを得るために切断した。
Figure 2019529671
表2に示されるように、本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)によってとりわけ示されるような本発明によるポリマー(VDF)は有利にも、比較例1〜5のいずれかに従って得られる公知のポリマーと比べて10よりも低いTOCの値に恵まれている。
また、表2に示されるように、本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)によってとりわけ示されるような本発明によるポリマー(VDF)は有利にも、50よりも高い白色度(WI)の値を示す。
さらに、表2に示されるように、本発明による実施例1〜4のいずれかのポリマー(VDF)によってとりわけ示されるような本発明によるポリマー(VDF)は有利にも、4.5%未満の逆VDF−VDF2個一組の量を有し、こうして良好な機械的特性に恵まれている。
Figure 2019529671

Claims (13)

  1. フッ化ビニリデン(VDF)ポリマー[ポリマー(VDF)]の製造方法であって、前記方法が、フッ化ビニリデン(VDF)および、任意選択的に、VDFとは異なる少なくとも1つのフッ素化モノマーを、少なくとも4のpHを有する水性媒体(前記水性媒体は、
    − 水、
    − 少なくとも1つのアルカリ金属カチオンを含む少なくとも1つの塩[塩(AM)](前記塩(AM)は、1個もしくは複数個のプロトン(H)を含まない)、および
    − 任意選択的に、少なくとも1つの懸濁化剤
    を含む、好ましくはそれらからなる)中で
    少なくとも1つのラジカル開始剤および少なくとも1つの連鎖移動剤の存在下で重合させる工程を含み、
    ここで、前記少なくとも1つの連鎖移動剤が、前記少なくとも1つのラジカル開始剤の前にまたはそれと一緒に前記水性媒体に添加される方法。
  2. 前記塩(AM)が、少なくとも1つのアルカリ金属カチオンと、有機もしくは無機アニオンとを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩(AM)が、Li、NaおよびKカチオンからなる群から選択される少なくとも1つのアルカリ金属カチオンを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記塩(AM)が、式Na(P)のピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、NaPO、NaCOおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記水性媒体が、水の1Kg当たり0.05〜5g、好ましくは水の1Kg当たり0.1〜2g、より好ましくは水の1Kg当たり0.3〜0.8gに含まれる量で少なくとも1つの塩(AM)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記懸濁化剤が、多糖誘導体からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記多糖誘導体が、グリコシド結合によって互いに連結された、D−グルコピラノシドおよびD−グルコフラノシド、またはそれらの混合物から選択されるグリコシド単位を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記連鎖移動剤が、
    (i)式(II−a):
    R’−O−CO−O−R’ (II−a)
    (式中、互いに等しいかもしくは異なる、R’およびR’は、C〜C10アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基である)
    の有機カーボネート、および
    (ii)式(II−b):
    R’’−CO−O−CH (II−b)
    (式中、R’’は、C〜C10アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基である)
    のアルキルアセテート
    からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. フッ化ビニリデン(VDF)および、任意選択的に、VDFとは異なる少なくとも1つのフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位を含むフッ化ビニリデン(VDF)ポリマー[ポリマー(VDF)]であって、前記ポリマー(VDF)が、1つもしくは複数の頭−頭または尾−尾VDF−VDF2個一組に由来する繰り返し単位を、繰り返し単位の総量に対して、4.5%未満の量で含むポリマー(VDF)。
  10. 請求項9に記載のポリマー(VDF)であって、前記ポリマー(VDF)が、前記ポリマー(VDF)の1Kg当たり10mgよりも低い、好ましくは前記ポリマー(VDF)の1Kg当たり9mgよりも低い、より好ましくは前記ポリマー(VDF)の1Kg当たり8mgよりも低い全有機物量(TOC)の値を有するポリマー(VDF)。
  11. 請求項9〜10のいずれか一項に記載のポリマー(VDF)であって、前記ポリマー(VDF)が、0.06〜0.13l/g、好ましくは0.07〜0.12l/g、より好ましくは0.08〜0.11l/gに含まれる固有粘度を有するポリマー(VDF)。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリマー(VDF)を含む物品。
  13. 請求項12に記載の物品であって、前記物品が、フィルム、プラーク、パイプおよびフィッティングからなる群から選択される物品。
JP2019517897A 2016-10-05 2017-10-03 フッ化ビニリデンポリマー Pending JP2019529671A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16306305.0 2016-10-05
EP16306305 2016-10-05
PCT/EP2017/075048 WO2018065396A1 (en) 2016-10-05 2017-10-03 Vinylidene fluoride polymer

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019529671A true JP2019529671A (ja) 2019-10-17

Family

ID=57144929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019517897A Pending JP2019529671A (ja) 2016-10-05 2017-10-03 フッ化ビニリデンポリマー

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20190225791A1 (ja)
EP (1) EP3523345A1 (ja)
JP (1) JP2019529671A (ja)
KR (1) KR20190066034A (ja)
CN (1) CN109843946A (ja)
WO (1) WO2018065396A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220041837A1 (en) * 2017-11-24 2022-02-10 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Fluoropolymer composition stabilized against changes in ph
JP7144298B2 (ja) * 2018-03-06 2022-09-29 株式会社クレハ フッ化ビニリデン重合体の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07188337A (ja) * 1993-10-29 1995-07-25 Ausimont Spa 弗化オレフィンモノマー類の水性エマルション中での(共)重合法
JP2002220403A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Kureha Chem Ind Co Ltd フッ化ビニリデン重合体及びその製造方法
JP2004509993A (ja) * 2000-09-22 2004-04-02 デュポン ダウ エラストマーズ エルエルシー フルオロエラストマーの製造方法
US20130150519A1 (en) * 2010-09-01 2013-06-13 Arkema Inc. Method of producing fluoropolymers using acid-functionalized monomers
JP2014040519A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Kureha Corp フッ化ビニリデン系重合体の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE754314A (fr) 1969-08-05 1971-01-18 Sueddeutsche Kalkstickstoff Procede de preparation du fluorure de polyvinylidene
FR2610325B1 (fr) * 1987-02-03 1989-10-06 Atochem Copolymere heterogene de fluorure de vinylidene et de chlorotrifluoroethylene. procede de fabrication du copolymere heterogene
DE69207105T2 (de) 1991-08-01 1996-05-15 Kureha Chemical Industry Co., Ltd., Tokio/Tokyo Verfahren zur Herstellung von Vinylidene-Fluoride-Polymer
IT1265033B1 (it) 1993-05-28 1996-10-28 Ausimont Spa Polivinilidenfluoruro ad elevate prestazioni meccaniche ed elevata stabilita' termochimica, e relativo processo di preparazione
JP4092669B2 (ja) * 1998-04-27 2008-05-28 ソニー株式会社 固体電解質二次電池
FR2896250B1 (fr) * 2006-01-13 2012-08-17 Arkema Agent d'extrusion a base de pvdf
WO2009047969A1 (ja) 2007-10-11 2009-04-16 Kureha Corporation フッ化ビニリデン系ポリマー粉体及びその利用
CN104497190B (zh) * 2014-12-29 2016-09-21 浙江孚诺林化工新材料有限公司 一种用于锂离子电池电极材料粘结剂的偏氟乙烯聚合物的制备方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07188337A (ja) * 1993-10-29 1995-07-25 Ausimont Spa 弗化オレフィンモノマー類の水性エマルション中での(共)重合法
JP2004509993A (ja) * 2000-09-22 2004-04-02 デュポン ダウ エラストマーズ エルエルシー フルオロエラストマーの製造方法
JP2002220403A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Kureha Chem Ind Co Ltd フッ化ビニリデン重合体及びその製造方法
US20130150519A1 (en) * 2010-09-01 2013-06-13 Arkema Inc. Method of producing fluoropolymers using acid-functionalized monomers
JP2014040519A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Kureha Corp フッ化ビニリデン系重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN109843946A (zh) 2019-06-04
EP3523345A1 (en) 2019-08-14
WO2018065396A1 (en) 2018-04-12
KR20190066034A (ko) 2019-06-12
US20190225791A1 (en) 2019-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7245776B2 (ja) フッ化ビニリデンポリマー
JP6363071B2 (ja) テトラフルオロエチレンコポリマー
US20220282008A1 (en) Method for producing fluoropolymer, method for producing polytetrafluoroethylene, method for producing perfluoroelastomer, and composition
JPH07324114A (ja) 優れた機械的および弾性的特性を有する新規フッ化熱可塑性エラストマーおよびその製造方法
KR101924660B1 (ko) 친수성 비닐리덴 플루오라이드 중합체
US20220282007A1 (en) Method for producing fluoropolymer
JP6657194B2 (ja) フッ化ビニリデンポリマー
KR100328279B1 (ko) 고도의기계적성질및고도의열화학적안정성을갖는폴리비닐리덴플루오라이드및이의제조방법
JPWO2006061988A1 (ja) フッ化ビニリデン重合体及びその製造方法
RU2128668C1 (ru) Способ получения полимеров винилиденфторида
KR20230071147A (ko) 거대분자 현탁제를 사용한 수중에서의 비닐리덴 플루오라이드의 중합
JP2019529671A (ja) フッ化ビニリデンポリマー
JP2019157110A (ja) フッ化ビニリデン重合体の製造方法
NO177501B (no) Fremgangsmåte til fremstilling av podekopolymerisater av polyakrylsyreestere og vinylklorid
JP2024147795A (ja) フルオロポリマー分散液を作るためのプロセス
JP4146530B2 (ja) フッ化ビニリデン熱可塑性共重合体
JPH03185007A (ja) 水性懸濁媒質中での弗化ビニリデン重合中の反応器内におけるビルドアップ形成の減少方法
JP2019182961A (ja) フッ化ビニリデン共重合体の製造方法
JP5320227B2 (ja) 耐酸着色性の優れたフッ化ビニリデン重合体の製造方法
JP2002332308A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
NO821582L (no) Fremgangsmaate til fremstilling av polymerisater og kopolymerisater av vinylklorid
KR102292538B1 (ko) 염화비닐계 중합체의 제조방법 및 이로부터 제조된 염화비닐계 중합체
KR20150037050A (ko) 폴리염화비닐 수지의 제조 방법
JPS6079021A (ja) 加工性の優れた塩化ビニル系樹脂の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220405