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JP2019219063A - 解凍装置 - Google Patents

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JP2019219063A JP2018114095A JP2018114095A JP2019219063A JP 2019219063 A JP2019219063 A JP 2019219063A JP 2018114095 A JP2018114095 A JP 2018114095A JP 2018114095 A JP2018114095 A JP 2018114095A JP 2019219063 A JP2019219063 A JP 2019219063A
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池田 裕二
Yuji Ikeda
裕二 池田
誠士 神原
Seishi Kanbara
誠士 神原
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Abstract

【課題】電磁波を利用して解凍対象物を解凍する解凍装置においてエネルギー効率を向上させる。【解決手段】解凍装置10は、解凍対象物1が配置される解凍室12と、電磁波を発振する電磁波発振器16と、電磁波発振器16から発振された電磁波を解凍室12に放射するアンテナ21〜23と、電磁波発振器16を冷却するための冷却部30と、電磁波発振器16を動作させて解凍対象物1を解凍する解凍運転中に冷却部30により電磁波発振器16を冷却する際に発生する排熱を解凍室12に供給する排熱供給部38とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波を利用して解凍対象物を解凍する解凍装置に関する。
従来から、マイクロ波などの電磁波を利用して、食品などの解凍対象物を解凍する解凍装置が知られている。特許文献1には、マイクロ波加熱の不均一性を解消する食品解凍装置が記載されている。
具体的に、特許文献1に記載の食品解凍装置は、冷凍された食品を収納する加熱室と、食品を載せるターンテーブルと、高周波電波を放射するマグネトロンと、加熱室内の周縁部を優先的に冷却する冷却器とを備えている。この食品解凍装置では、冷却器により加熱室内が十分に冷却され、加熱室の内壁から食品への熱放射や熱伝導がほとんどなくなる。そのため、マグネトロンを動作させて食品を解凍している際に、食品の表面層や末端部分のみが迅速に融解し、その部分に高周波電波が集中することが避けられる。
特開2005−53号公報
ところで、従来の解凍装置では、解凍対象物に対し、電磁波発振器による加熱と冷却器による冷却とが並行して行われる。そのため、エネルギー効率が良好ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、解凍装置のエネルギー効率を向上させることを目的とする。
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、解凍対象物が配置される解凍室と、電磁波を発振する電磁波発振器と、電磁波発振器から発振された電磁波を解凍室に放射するアンテナと、電磁波発振器を冷却するための冷却部と、電磁波発振器を動作させて解凍対象物を解凍する解凍運転中に、冷却部により電磁波発振器を冷却する際に発生する排熱を解凍室に供給する排熱供給部とを備えている、解凍装置である。
第2の発明は、第1の発明において、排熱供給部は、排熱として温風を解凍室に供給し、解凍室内に設けられ、解凍対象物を被覆して温風から該解凍対象物を遮蔽する遮蔽部材をさらに備えている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、排熱供給部を制御する排熱制御部と、解凍室側で反射して電磁波発振器に戻る電磁波の反射波強度を計測する反射波計測部とをさらに備え、解凍運転中において排熱制御部は、反射波計測部により計測された反射波強度に基づいて排熱供給部を制御する。
第4の発明は、第3の発明において、解凍運転中において排熱制御部は、解凍運転の開始から低下し続けていた反射波強度がボトム値になるタイミングで、排熱供給部を制御して解凍室への排熱供給を開始させる。
第5の発明は、第4の発明において、反射波強度がボトム値になるタイミングは、解凍運転の開始時点から、反射波強度が所定の閾値を下回る時点までの時間に基づいて推定される。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、電磁波発振器を制御する電磁波制御部をさらに備え、解凍運転中において電磁波制御部は、排熱供給の開始前に、電磁波発振器から解凍室に供給される電磁波のエネルギーを低下させる。
第7の発明は、第1又は第2の発明において、排熱供給部を制御する排熱制御部と、解凍室の雰囲気温度を計測する庫内温計測部とをさらに備え、排熱制御部は、庫内温計測部の計測温度が所定の目標温度に維持されるように排熱供給部から解凍室への排熱供給量を制御する。
本発明では、解凍運転中に、冷却部により電磁波発振器を冷却する際に発生する排熱が解凍室に供給される。すなわち、排熱が解凍対象物の解凍に有効利用される。そのため、解凍装置のエネルギー効率を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係る解凍装置の概略構成図である。 図2は、解凍装置の制御部のブロック図である。 図3は、解凍対象物の温度変化に対する反射波強度の変化を表す図表である。 図4は、本実施形態に係る解凍装置の制御部における処理動作を説明するためのフローチャートである。 図5は、解凍運転中における入力電力、解凍対象物の温度及び庫内温度の時系列変化を表す図表である。 図6は、解凍運転中における解凍対象物の温度変化に対するデバイス温度及び庫内温度の変化を表す図表である。
以下、図1−図6を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
[解凍装置の概略構成]
本実施形態は、食品の解凍に用いる解凍装置10である。解凍装置10は、図1に示すように、解凍室12を形成する箱状部材14と、マイクロ波を発振する複数の発振器16a〜16cと、発振器16a〜16c毎に設けられて発振器16a〜16cから発振されたマイクロ波を解凍室12に放射する複数のアンテナ21〜23と、発振器16a〜16c毎に設けられて発振器16a〜16cからアンテナ21〜23へマイクロ波を伝送する複数の伝送線路18a〜18cとを備えている。解凍室12には、解凍対象物1を載せる載置台13が設けられている。また、各アンテナ21〜23は、解凍室12に面する位置に配置されている。
なお、本実施形態では、解凍装置10が、第1発振器16aと第2発振器16bと第3発振器16cの3つのマイクロ波発振器を備えている。そして、第1発振器16aに対し第1アンテナ21と第1伝送線路18aが設けられ、第2発振器16bに対し第2アンテナ22と第2伝送線路18bが設けられ、第3発振器16cに対し第3アンテナ23と第3伝送線路18cが設けられている。
箱状部材14は、開閉扉が設けられる前側が開放された略直方体の箱体である。箱状部材14は、マイクロ波を反射する材料(金属等)で構成されている。箱状部材14の底面には、複数のアンテナ21〜23の収容室となる凹部14aが形成されている。凹部14aは、マイクロ波を透過する板状の絶縁体13(例えばセラミックス等の耐熱性を有する絶縁体)で塞がれている。解凍室12は、箱状部材14内において凹部14aを塞ぐ絶縁体13の内側に形成された、略直方体の空間である。解凍室12の底面の絶縁体13は、解凍対象物1を載せる載置台13となる。
箱状部材14は、解凍装置10の外装となるハウジング(図示省略)内に設けられている。ハウジングの前面には、解凍室12に解凍対象物1を出し入れするために上述の開閉扉が設けられている。開閉扉の内面は、マイクロ波を反射するように加工が施されている。解凍室12の全面は、マイクロ波を反射する面で区画されている。解凍室12では、マイクロ波の反射等により固有の電磁界分布が発生する。
また、解凍装置10は、図1に示すように、後述する排熱供給動作の際に温風から解凍対象物1を遮蔽する遮蔽部材11をさらに備えている。遮蔽部材11は、例えばマイクロ波を透過する材料により形成された椀状の部材である。遮蔽部材11は、その開口側が下側となるように載置台13に設置される。遮蔽部材11の開口の縁は全周に亘って平坦な載置台13に当接し、解凍対象物1を収容する内側空間24が形成される。遮蔽部材11には孔や切り欠きは形成されておらず、内側空間24は密閉空間である。なお、遮蔽部材11の形状は、椀状に限定されず、箱状など他の形状であってもよい。
解凍装置10では、遮蔽部材11により載置台13上の解凍対象物1を被覆した状態で各発振器16a〜16cを駆動すると、各発振器16a〜16cから発振されたマイクロ波が各伝送線路18a〜18cを介して各アンテナ21〜23へ供給され、各アンテナ21〜23から解凍室12へマイクロ波が放射される。マイクロ波は遮蔽部材11を透過して解凍対象物1に供給される。これにより、マイクロ波により解凍対象物1が加熱されて、解凍対象物1が解凍される。
なお、各発振器16a〜16cは、マイクロ波の発振源としてパワー半導体デバイスを用いた半導体発振器である。そのため、各発振器16a〜16cの駆動中(マイクロ波の発振中)は、パワー半導体デバイス(図示省略)が発熱する。本実施形態では、解凍装置10が、各発振器16a〜16cのパワー半導体デバイスを冷却するための冷却器30をさらに備えている。
[マイクロ波発振器の冷却器]
冷却器30は、各発振器16a〜16cを冷却するための装置である。冷却器30は、図1に示すように、冷却液(冷媒)が充填された冷却配管32と、冷却配管32において冷却液を循環させるポンプ34と、冷却配管32と各発振器16a〜16cとの間で熱交換をさせる伝熱部材36とを備えている。伝熱部材36は、例えば3つの発振器16a〜16cが実装された基板の背面に取り付けられている。伝熱部材36は、冷却配管32が接続される内部流路が形成された、高熱伝導性の部材(例えば金属製の部材)である。
また、解凍装置10は、伝熱部材36で加熱された冷却液を冷却する冷却ファン38をさらに備えている。冷却ファン38は、解凍運転中において、冷却器30により発振器16a〜16cを冷却する際に発生する排熱として、温風を解凍室12に供給する排熱供給部に相当する。
箱状部材14には、冷却ファン38により送られる空気を通過させる通風口15が形成されている。通風口15は、例えば箱状部材14の背面に形成された複数のスリットにより構成されている。また、冷却配管32における伝熱部材36の下流には、冷却ファン38から通風口15へ向かう風路を横断する部分33(以下、「風路横断部」と言う。)がある。風路横断部33には、複数の放熱フィンが取り付けられている。上述のハウジングには、冷却ファン38により吸引されて上述の風路に流入する空気が通過する吸気口が形成されている。
本実施形態では、冷却器30を運転させる際にポンプ34が駆動される。冷却配管32では、ポンプ34により冷却液が循環し、冷却液が伝熱部材36内を通過する際に各発振器16a〜16cとの熱交換により加熱される。その際、各発振器16a〜16cは冷却液により冷却される。
また、本実施形態では、冷却器30の運転中に冷却ファン38の運転が行われる。この運転期間は、冷却ファン38により送られた空気が、冷却配管32の風路横断部33に供給される。風路横断部33では、放熱フィンに接触する空気が冷却液との熱交換により加熱される。冷却液は冷却される。そして、冷却液により加熱された空気は、温風として通風口15から解凍室12へ供給される。これにより、解凍室12の空気が加温され、温熱が遮蔽部材11を介して内側空間24に伝達される。内側空間24では、空気とともに解凍対象物1が加温される。本実施形態では、冷却器30の運転中に、各発振器16a〜16cの排熱を解凍室12へ供給する排熱供給動作が行われる。
[解凍装置の制御部]
解凍装置10は、各発振器16a〜16c、冷却器30(ポンプ34)及び冷却ファン38を制御する制御部40を備えている。制御部40は、図2に示すように、各発振器16a〜16cを制御する電磁波制御部42と、冷却器30を制御する冷却制御部44と、排熱供給動作を制御する排熱制御部46とを備えている。
なお、解凍装置10には、制御に必要な情報を取得するために種々のセンサ等が設けられている。第1伝送線路18aには、解凍室12側で反射して第1発振器16aに戻るマイクロ波の反射波強度(反射波電圧)を計測する反射波計測部19が接続されている。反射波計測部19にはマイクロ波反射計が用いられている。また、解凍装置10には、第1発振器16aにおけるパワー半導体デバイスの温度を計測するためのデバイス温度センサ17と、解凍室12の雰囲気温度を計測する庫内温計測センサ27とが設けられている。
また、3つの伝送線路18a〜18cのうち第1伝送線路18aのみに反射波計測部19を設けたが、他の伝送線路18b,18cに反射波計測部19を設けてもよいし、複数の伝送線路18a〜18cの各々に反射波計測部19を設けてもよい。複数の反射波計測部19を設ける場合、例えば、各反射波計測部19の計測値の平均値を制御に用いることができる。また第1発振器16aのみにデバイス温度センサ17を設けたが、他の発振器16b,16cにデバイス温度センサ17を設けてもよいし、複数の発振器16a〜16cの各々にデバイス温度センサ17を設けてもよい。複数のデバイス温度センサ17を設ける場合、例えば、各デバイス温度センサ17の計測値の平均値を制御に用いることができる。
制御部40について詳細に説明する前に、図3を参照しながら、解凍運転中におけるマイクロ波の反射波強度(反射波計測部19の計測値)の変化について説明する。なお、図3は、本願発明者が行った試験の実測値である。図3の縦軸は、マイクロ波の反射波強度であり、SパラメータのうちS11の値(反射係数)である。また、図3の横軸は、解凍対象物1に温度計を差し込んでその中心部の温度を計測した値である。
解凍運転の開始直後は、解凍対象物1の略全体が固体状態であり、解凍対象物1に吸収されるマイクロ波の割合は少ない。そのため、反射波強度は比較的大きな値となる。そして、解凍対象物1の温度上昇に従って、解凍対象物1にマイクロ波が吸収される割合が増加し反射波強度が低下していく。反射波強度は、解凍対象物1の温度が−5℃付近になるまで低下し続けて増加に転じる。反射波強度は−5℃付近でボトム値(最小値)をとる。反射波強度が増加に転じた後、反射波強度は緩やかに増加する。
続いて、電磁波制御部42について説明する。電磁波制御部42は、各発振器16a〜16cの合計出力の制御を行う。電磁波制御部42は、解凍運転の開始時は、各発振器16a〜16cに対し合計出力を高めに設定する高出力運転を行わせる。ここで、解凍対象物1が−20℃以下の超低温状態では、解凍対象物1に吸収されるマイクロ波の割合は少なく、上述の高出力運転を行う。そして、解凍対象物1の温度が上昇していくと、解凍対象物1に吸収されるマイクロ波の割合が増えていき、図3に示すように、反射波計測部19により計測される反射波強度Rが低下していく。
電磁波制御部42は、反射波強度Rが出力判定用閾値T1(図3参照)以下になるという出力低下条件が成立すると、高出力運転よりも各発振器16a〜16cの合計出力を低くする低出力運転に切り替える。出力判定用閾値T1は、解凍対象物1の中心部温度が−10℃付近の温度に対応する反射波強度である。
なお、低出力運転に切り替えるタイミングは、解凍対象物1の表層付近で固体から液体への相変化(融解)が生じ始めるタイミングである。このタイミングでは、解凍対象物1の中心部温度が−10℃付近になる。融解は、解凍対象物1の外表面の少し内側で始まる。融解が始まる箇所の外側は、融解熱により冷却されて固体のままである。仮に高出力運転をさらに継続した場合、高出力運転におけるマイクロ波の投入エネルギーは解凍対象物1で生じる融解熱を上回るため、外面も融解が促進される。しかし、液体箇所が増えることで熱伝導しにくくなり、温度ムラが生じて均一な解凍が困難である。それに対し、本実施形態では、解凍対象物1の表層付近で融解が生じ始めるタイミングで、低出力運転へ切り替える。低出力運転において3つの発振器16a〜16cによるマイクロ波の投入エネルギー(合計エネルギー)は、解凍対象物1で生じる融解熱を下回るように又は略同じなるように設定される。そのため、融解した液体箇所がゆっくり増えていく。従って、熱伝導率が良い固体箇所を介して熱伝導が行われるため、解凍対象物1において温度が均一化され、より均一に解凍することが可能になる。
また、電磁波制御部42は、低出力運転中に排熱供給動作が開始されると、発振器16a〜16cの温度が略一定となるように、デバイス温度センサ17の計測温度に基づいて各発振器16a〜16cの合計出力を調節するデバイス温度制御を行う。デバイス温度制御では、デバイス温度センサ17の計測温度が所定のデバイス側目標値に維持されるように、例えば上述の合計出力についてフィードバック制御を行う。
続いて、冷却制御部44は、冷却器30により各発振器16a〜16cを冷却する冷却動作の制御を行う。各発振器16a〜16cの温度は、解凍運転の開始から徐々に上昇していく。冷却制御部44は、デバイス温度センサ17の計測温度が冷却判定用閾値T2(図6参照)以上になるという冷却開始条件が成立すると、冷却器30のポンプ34を運転させて冷却動作を開始する。
続いて、排熱制御部46は、冷却器30により発振器16a〜16cを冷却する際に発生する排熱を解凍室12に供給する排熱供給動作の制御を行う。具体的に、排熱制御部46は、ポンプ34の運転中に、排熱供給動作の制御として冷却ファン38の制御を行う。
ここで、反射波強度は、図3に示すように、低出力運転への切り替え後も暫くは減少し続けるが、上述したように解凍対象物1の中心部が−5℃付近の時にボトム値を取り、その後緩やかに増加し始める。排熱制御部46は、反射波強度がボトム値を取るという排熱供給条件が成立すると、冷却ファン38の運転を開始させて排熱供給動作を開始させる。
例えば、排熱制御部46は、解凍運転の開始時点から、反射波強度Rが所定の閾値Xを下回る時点までの時間t1に基づいて、反射波強度Rがボトム値になるタイミングを推定する。この推定に用いる閾値Xは、図3において反射波電圧の傾きが概ね一定になる範囲(150〜500mV)内で決めることができる。例えば、閾値Xとして、出力判定用閾値T1と同じ値を採用することができるし、その前後の値を採用することができる。この閾値Xを用いて推定した時間t1は、解凍対象物1の重量に概ね比例する。そして、解凍運転の開始時点から、反射波強度Rがボトム値になる時点までの時間t2も、解凍対象物1の重量に概ね比例する。そのため、閾値Xを用いて推定した時間t1に基づいて、反射波強度Rがボトム値になるタイミングを推定することができる。
具体的には、排熱制御部46は、式1を用いて、解凍運転の開始時点から反射波強度Rがボトム値になる時点までの時間t2を推定し、解凍運転の開始時点からのタイマーの計測時間が時間t2になった時点で、排熱供給動作を開始させる。式1において、Kは装置固有の係数であり、t0は解凍対象物1に依存する固定値である。なお、固定値t0は0秒でもよい。
式1:t2=t1×K+t0
なお、他の方法により、反射波強度Rがボトム値になるタイミングを検出又は推測してもよい。例えば、排熱制御部46は、反射波強度Rと排熱判定用閾値T3との差が所定値以下の状態が所定時間(例えば15秒間)に亘って継続すると、排熱供給条件が成立したと判定してもよい。排熱判定用閾値T3は、出力判定用閾値T1よりも低い値である。また、反射波強度Rが判定用閾値を下回るという条件や、反射波強度Rの低下率が所定値より大きくなるという条件などの他の条件を排熱供給条件としてもよい。
反射波強度がボトム値を取るタイミングは、解凍対象物1の表層付近(外表面から少し内側までの範囲)の融解が概ね完了したタイミングである。仮にこのタイミングより先に排熱供給動作を開始した場合、解凍対象物1の表層付近において外表面の融解が先行するため、マイクロ波が外表面に集中し、表層付近で解凍ムラが生じる。また、外表面が先に融解すると、外表面の少し内側に供給されるマイクロ波が減少するため、排熱供給に比べてエネルギー効率が良いマイクロ波加熱を有効に利用できなくなる。そのため、本実施形態では、解凍対象物1の表層付近の融解が概ね完了したタイミングで排熱供給動作を開始する。従って、マイクロ波が外表面に集中する局所加熱が生じにくく、解凍対象物1においてより均一に解凍することが可能になる。
また、排熱制御部46は、単位時間当たり反射波強度Rの低下率(以下、「反射波強度低下率ΔR/Δt」という。)に基づいて、排熱供給動作の継続時間を算出する。ここで、反射波強度低下率ΔR/Δtは、時間t1と同様に、解凍対象物1の重量を反映した値である。具体的に、反射波強度低下率ΔR/Δtが小さいほど(つまり、反射波強度Rの低下が緩やかであるほど)、解凍対象物1の重量が大きく、排熱供給動作の継続時間を長くする必要がある。例えば、排熱制御部46は、反射波強度低下率ΔR/Δtから排熱供給動作の継続時間を算出する算出式を有している。排熱制御部46は、反射波強度低下率ΔR/Δtが略一定となる期間(例えば、反射波強度Rが出力判定用閾値T1となる時点の前後の期間)に、反射波計測部19の計測値に基づいて反射波強度低下率ΔR/Δtを算出し、その算出した値を上述の算出式に入力して排熱供給動作の継続時間を算出する。排熱制御部46は、排熱供給条件が成立すると直ちに排熱供給動作を開始させ、その開始時点から上述の継続時間が経過すると排熱供給動作を終了させる。
また、排熱制御部46は、排熱供給動作中に亘って、解凍室12の雰囲気の温度が略一定となるように、庫内温計測センサ27の計測温度に基づいて冷却ファン38の回転数を制御する室温制御を行う。室温制御では、庫内温計測センサ27の計測温度が所定の室温目標値に維持されるように、冷却ファン38の回転数に対しフィードバック制御を行う。なお、本実施形態では、解凍室12内において遮蔽部材11の外側に庫内温計測センサ27を設けたが、遮蔽部材11の内側に庫内温計測センサ27を設けてもよい。
[解凍装置の動作]
続いて、図4〜図6を参照しながら、解凍装置10の解凍運転における制御部40の動作について説明する。なお、図5及び図6において、「入力電力」は3つの発振器16a〜16bの入力電力の合計値を表し、「庫内計測温度」は庫内温計測センサ27の計測値を表し、「解凍対象物の温度」は解凍対象物1の中心部の温度の計測値を表し、「デバイス計測温度」はデバイス温度センサ17の計測値を表す。
使用者が載置台13に解凍対象物1を載せて開閉扉を閉めた後にスタートボタンを押すと、ステップST31において、電磁波制御部42が各発振器16a〜16cに対し運転(高出力運転)を開始させることで、解凍運転が開始される。解凍室12では、各アンテナ21〜23から放射されるマイクロ波により、解凍対象物1の解凍が開始される。なお、解凍運転中は、反射波計測部19、デバイス温度センサ17、及び、庫内温計測センサ27の各々の出力信号が制御部40に定期的に入力される。
また、解凍対象物1の解凍開始後は、冷却開始条件が成立するまで冷却器30は停止状態である(図5における「冷却停止」)。冷却制御部44は、デバイス温度センサ17の計測温度に基づいて冷却開始条件が成立するか否かを定期的に判定する(図4に記載省略)。この判定において、デバイス温度センサ17の計測温度が冷却判定用閾値T2以上と判定されると、冷却制御部44は、ポンプ34の運転を開始させて冷却動作を開始させる。この時、排熱供給条件が成立していなければ、冷却ファン38は運転させない。冷却器30の冷却配管32ではポンプ34により冷却液が循環し、各発振器16a〜16cが冷却される。
ステップST32では、電磁波制御部42が、反射波計測部19により計測される反射波強度Rに基づいて出力低下条件が成立するか否かを判定する。この判定において、反射波強度Rが出力判定用閾値T1以下と判定された場合に、電磁波制御部42は、ステップST33において各発振器16a〜16cを低出力運転に切り替える。図5及び図6では、解凍対象物1の温度が−10℃になる手前で低出力運転に切り替えられている。一方、ステップST32において反射波強度Rが出力判定用閾値T1以下と判定されない場合は、所定の時間(例えば5秒)が経過した後に再びステップST32を行う。なお、排熱制御部46は、反射波強度Rが出力判定用閾値T1となる時点の前後の期間に、反射波強度低下率ΔR/Δtに基づいて、排熱供給動作の継続時間を算出する。
次にステップST34では、排熱制御部46が、反射波計測部19により計測される反射波強度Rに基づいて排熱供給条件が成立するか否かを判定する。この判定において、上述の式1を用いて反射波強度Rがボトム値を取ったと判定された場合に、排熱制御部46は、ステップST35において冷却ファン38の運転を開始させて、排熱供給動作を開始させる。図5及び図6では、解凍対象物1の温度が0℃になる手前で排熱供給動作が開始されている。なお、冷却制御部44は、ポンプ34の運転が開始されていない場合、冷却ファン38の運転開始と同時にポンプ34の運転を開始させる。一方、ステップST34において反射波強度Rがボトム値を取ると判定されない場合は、所定の時間(例えば5秒)が経過した後に再びステップST34を行う。
排熱制御部46は、排熱供給動作中に、庫内温計測センサ27の計測温度に基づいて室温制御を行う。排熱制御部46は、庫内温計測センサ27の計測温度が室温目標値を超えると冷却ファン38の回転数を低下させ、庫内温計測センサ27の計測温度が室温目標値を下回ると冷却ファン38の回転数を増加させる。
また、電磁波制御部42は、排熱供給動作中に、デバイス温度センサ17の計測温度に基づいてデバイス温度制御を行う。電磁波制御部42は、デバイス温度センサ17の計測温度がデバイス側目標値を超えると各発振器16a〜16cの合計出力を低下させ、デバイス温度センサ17の計測温度がデバイス側目標値を下回ると上述の合計出力を増加させる。図5では、排熱供給動作の開始直後に合計出力が下がっている。
次に、ステップST36において、制御部40は、解凍終了条件として、排熱供給動作の継続時間が経過したか否かを判定する。この判定おいて、排熱供給動作の継続時間が経過したと判定された場合に、制御部40は解凍装置10を停止させる。
[本実施形態の効果等]
本実施形態では、冷却部30により発振器16a〜16cを冷却する際に発生する排熱を解凍室12に供給している。すなわち、排熱が解凍対象物1の解凍に有効利用される。そのため、解凍装置10のエネルギー効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、解凍室12内の解凍対象物1が、遮蔽部材11に被覆され、その遮蔽部材11により温風から遮蔽される。そのため、例えば解凍対象物1が食品の場合に、解凍対象物1が温風により傷むことを回避できる。
また、本実施形態では、発振器16aに戻るマイクロ波の反射波強度に基づいて排熱供給部38が制御される。ここで、解凍対象物1における解凍の進行に伴って解凍対象物1に吸収されるマイクロ波の割合が変化するのに追随して、マイクロ波の反射波強度は変化する。マイクロ波の反射波強度には、解凍対象物1の解凍状態が反映される。本実施形態では、マイクロ波の計測機器を有効利用して、解凍対象物1の解凍状態に応じて排熱供給部38を適切に制御することができる。
また、本実施形態では、反射波強度がボトム値を取ったと判定されたタイミングで、解凍室への排熱供給が開始される。このタイミングでは、上述したように、解凍対象物1の表層付近の融解が概ね完了している。従って、解凍対象物1の表層付近において外表面の融解が先行しないため、表層付近で加熱ムラが生じにくく、マイクロ波加熱により効率的に表層付近を融解させることができる。
また、本実施形態では、排熱供給の開始前に、発振器16a〜16cから解凍室12に供給されるマイクロ波のエネルギーを低下させる。具体的に、解凍対象物1の表層付近で融解が生じ始めるタイミングで、低出力運転への切り替えによりマイクロ波の投入エネルギーを低下させる。そのため、表層付近の融解が完了する前に、マイクル波のエネルギーと融解熱とがバランスされて、融解した液体箇所がゆっくり増えていく。従って、熱伝導率が良い固体箇所を介して熱伝導が行われるため、解凍対象物1において温度が均一化され、より均一に解凍することが可能になる。
また、本実施形態では、解凍室12に供給するマイクロ波発振器として、半導体発振器を用いている。ここで、半導体発振器は、発振出力の制御が可能であり、マグネトロンとは違い小電力のマイクロ波を発振することができる。そのため、解凍対象物1が食品の場合に、食材に応じてマイクロ波の発振出力を制御することで、熱平衡状態を維持した状態で、食材を均一に昇温させることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態において、排熱供給動作において解凍室12に供給される空気の温度を略一定にするために、冷却配管32において風路横断部33に流入する冷却液の温度が一定値になるように、ポンプ34の流量を制御してもよい。
また、上記実施形態では、解凍対象物1の重量に関係なく、解凍運転開始時のマイクロ波の出力(高出力運転におけるマイクロ波の出力)は一定であるが、解凍対象物1の重量に応じて解凍運転開始時のマイクロ波の出力を増減させてもよい。
また、上記実施形態では、マイクロ波発振器として3つの発振器16a〜16cを設けたが、発振器の数はこれに限定されず、発振器は1つであってもよい。
本発明は、電磁波を利用して解凍対象物を解凍する解凍装置等に適用可能である。
10 解凍装置
12 解凍室
16a〜16c 発振器(電磁波発振器)
21〜23 アンテナ
30 冷却器
38 冷却ファン(排熱供給部)
40 制御部

Claims (7)

  1. 解凍対象物が配置される解凍室と、
    電磁波を発振する電磁波発振器と、
    前記電磁波発振器から発振された電磁波を前記解凍室に放射するアンテナと、
    前記電磁波発振器を冷却するための冷却部と、
    前記電磁波発振器を動作させて前記解凍対象物を解凍する解凍運転中に、前記冷却部により前記電磁波発振器を冷却する際に発生する排熱を前記解凍室に供給する排熱供給部とを備えている、解凍装置。
  2. 前記排熱供給部は、前記排熱として温風を前記解凍室に供給し、
    前記解凍室内に設けられ、前記解凍対象物を被覆して前記温風から該解凍対象物を遮蔽する遮蔽部材をさらに備えている、請求項1に記載の解凍装置。
  3. 前記排熱供給部を制御する排熱制御部と、
    前記解凍室側で反射して前記電磁波発振器に戻る電磁波の反射波強度を計測する反射波計測部とをさらに備え、
    前記解凍運転中において前記排熱制御部は、前記反射波計測部により計測された反射波強度に基づいて前記排熱供給部を制御する、請求項1又は2に記載の解凍装置。
  4. 前記解凍運転中において前記排熱制御部は、前記解凍運転の開始から低下し続けていた前記反射波強度がボトム値になるタイミングで、前記排熱供給部を制御して前記解凍室への排熱供給を開始させる、請求項3に記載の解凍装置。
  5. 前記反射波強度がボトム値になるタイミングは、前記解凍運転の開始時点から、前記反射波強度が所定の閾値を下回る時点までの時間に基づいて推定される、請求項4に記載の解凍装置。
  6. 前記電磁波発振器を制御する電磁波制御部をさらに備え、
    前記解凍運転中において前記電磁波制御部は、前記排熱供給の開始前に、前記電磁波発振器から前記解凍室に供給される電磁波のエネルギーを低下させる、請求項4又は5に記載の解凍装置。
  7. 前記排熱供給部を制御する排熱制御部と、
    前記解凍室の雰囲気温度を計測する庫内温計測部とをさらに備え、
    前記排熱制御部は、前記庫内温計測部の計測温度が所定の目標温度に維持されるように前記排熱供給部から前記解凍室への排熱供給量を制御する、請求項1又は2に記載の解凍装置。
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