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JP2019216138A - ヒートシンク - Google Patents

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孝広 地主
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Toshiaki Tanaka
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Abstract

【課題】伝熱性に優れるヒートシンクを提供することである。【解決手段】ベースと、このベース上に互いに離間して配置される複数のフィンとを備え、このフィンは、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部を有し、この中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成され、全体の気孔率が90%〜99%である3次元網目状構造体によって形成される、ヒートシンクである。【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、ヒートシンクに関する。
3次元状に連結する骨格を有し、その骨格により3次元状に連結する気孔が形成される3次元網目状構造を有する多孔質体は、連結する気孔にガスあるいは液体等の流体を通過させるとともに、これらの流体を濾過処理するフィルター(特許文献1、2)や、これらの流体を骨格表面に担持した触媒により改質する触媒用担体等(特許文献2)に用いられている。
このような3次元網目状構造を有する多孔質体は、連通気孔を有する発泡樹脂骨格表面を導電化処理して電気メッキした後、加熱して樹脂を分解除去する方法(特許文献3)や、連通気孔を有する発泡樹脂に有機高分子結合剤と金属微小体との混練物を浸漬、スプレー等して塗着した後、加熱して樹脂を分解除去するとともに金属微小体を焼結する方法(特許文献1、2、4、6)、あるいは、連通気孔を有する発泡樹脂の骨格表面に粘着性を付与させ、次いで粉体を被着させた後、加熱して樹脂を分解除去するとともに粉体を焼結する方法(特許文献5)により製造される。
このような3次元網目状構造を有する多孔質体は、流体との接触面積が大きいことから、ヒートシンク等の熱交換部品への適用が検討されている。ヒートシンクは、温度の高い物体から低い物体へ効率的に熱を移動させて加熱や冷却の用途に用いられる機器であり、一般に、熱交換の媒体として液体や気体等の流体を用いて流体に熱を与える(加熱)もしくは流体から熱を奪う(冷却)ことで加熱や冷却を行う。
特許文献7には、3次元状に連結する骨格を有し、この骨格により3次元状に連通する連通孔を有し、気孔率が92〜98%であり、連通孔の大きさが800〜2000μmであり、骨格が中空状である熱交換器用多孔質部材が開示されている。これによって、熱交換器用の金属フィンに適するように通風抵抗と熱伝達率とのバランスを改善している。
非特許文献1には、ピンフィンヒートシンクのピンの隙間に発泡金属を充填しハイブリッドヒートシンクを作製し、伝熱促進をする方法が開示されている。
非特許文献2及び非特許文献3には、パラレルフィンの間に発泡金属を配置したパラレルフィンヒートシンクが開示されている。
非特許文献3では、熱伝導性のエポキシを用いて、発泡金属をフィンとベースに結合させている。
非特許文献1〜3はいずれも発泡金属とフィンまたはピンを複合化した構造であり発泡金属単体よりも通風抵抗が上昇する構造である。
安藤健志,今井悠介,平井秀和,中山顕,"発泡金属充填ピンフィンヒートシンクを用いた伝熱促進",日本機械学会論文集(B編),77巻,782号,2011,p1958−1967 S.S.Feng,J.J.Kuang,T.J.Lu1 and K.Ichiyama,"Heat Transfer and Pressure Drop Characteristics of Finned Metal Foam Heat Sinks Under Uniform Impinging Flow",Journal of Electronic Packaging,JUNE 2015,Vol.137,p021014-1~021014-12 A.Bhattacharya and R.L.Mahajan,"Finned Metal Foam Heat Sinks for Electronics Cooling in Forced Convection",Journal of Electronic Packaging,SEPTEMBER 2002,Vol.124,p155-163
特開平05−339605号公報 特開平08−020831号公報 特開昭57−174484号公報 特公昭61−053417号公報 特開平06−235033号公報 特公平06−089376号公報 特開2016−142420号公報
3次元網目状構造を有する多孔質部材をヒートシンク等の熱交換部材に適用すると、緻密な成形体で形成されるヒートシンクに比べて比表面積が大きいことから効率よく熱交換することができる。しかし、発泡金属型ヒートシンクはプレート型ヒートシンクに比べて通風抵抗が大きいことから自然空冷する際に発泡金属内部に気体が滞留し、伝熱性が低下する問題があった。
本発明の一実施形態は、伝熱性に優れるヒートシンクを提供することを一目的とする。
本発明の一実施形態は、以下の通りである。
[1]ベースと、前記ベース上に互いに離間して配置される複数のフィンとを備え、前記フィンは、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部を有し、前記中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成され、全体の気孔率が90%〜99%である3次元網目状構造体によって形成される、ヒートシンク。
[2]隣り合う前記フィンの間の距離は、1mm〜38mmである、[1]に記載のヒートシンク。
[3]前記フィンの配列方向の長さは、3mm〜20mmである、[1]又は[2]に記載のヒートシンク。
[4]前記ベース上に前記複数のフィンが配置される面積の合計は、前記ベースの全面積に対して20%〜83%である、[1]から[3]のいずれかに記載のヒートシンク。
[5]前記フィンは板状部材であり、隣り合う前記フィンは互いに平行に配置される、[1]から[4]のいずれかに記載のヒートシンク。
[6]前記3次元網目状構造体は、目粗さが6ppi〜30ppiである、[1]から[5]のいずれかに記載のヒートシンク。
[7]前記3次元網目状構造体は、前記ベースとの界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、[1]ら[6]のいずれかに記載のヒートシンク。
図1は、一実施形態によるヒートシンクを模式的に表す概略斜視図である。 図2は、フィンの幅が5mmにおける離間距離と熱抵抗の関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、以下の例示によって本発明は限定されない。
一実施形態によるヒートシンクは、ベースと、ベース上に互いに離間して配置される複数のフィンとを備え、フィンは、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部を有し、中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成され、全体の気孔率が90%〜99%である3次元網目状構造体によって形成される、ことを特徴とする。
これによれば、伝熱性に優れるヒートシンクを提供することができる。
以下、複数のフィンが配置される方向をフィンの配列方向又は幅方向とも記す。ベースと平行な面上でフィンの配列方向に直交する方向を奥行き方向とも記す。ベースに直交する方向を高さ方向とも記す。
図1に、ヒートシンクの一例の概略斜視図を示す。
図1に示すヒートシンク100は、ベース10と、ベース10上に互いに離間して配置される6個の板状フィン20とを備える。隣り合うフィン20の間には離間部分30が形成される。板状フィン20は、3次元網目状構造体によって形成される。
各部材の寸法、板状フィン20の個数はこれに限定されない。また、複数の板状フィン20の配列方向の幅は、それぞれ同一であっても異なってもよい。離間部分30の配列方向の幅は、それぞれ同一であっても異なってもよい。
以下、ヒートシンクを構成する各部材について説明する。
ベースは、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等の金属材料によって形成することができる。なかでも、発熱体からの伝熱性に優れることから、アルミニウム、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせが好ましい。
ベースは、緻密体であっても多孔質体であってもよい。発熱体からの伝熱性を高めるために、ベースは緻密体であることが好ましい。
ベースの平面サイズ及び高さは特に制限されず、ヒートシンクの用途やサイズに応じて変更可能である。
複数のフィンは互いに離間して配置されることが好ましい。隣り合うフィンの間に離間部分が形成されることで、流体が離間部分を通るようになり、流体とフィンの接触面積を大きくし、流体とフィンとの間で伝熱性能を改善することができる。また、流体が離間部分を通ることで、通風抵抗を低下させることができる。
フィンのベースからの高さ、フィンの奥行き方向の長さは特に制限されず、ヒートシンクの用途やサイズに応じて変更可能であり、奥行き方向に複数のフィンを設置することも可能である。
複数のフィンのうち1個又は2個以上は、板状フィン等の板状部材であることが好ましい。2個以上の板状フィンが隣り合って配置される場合、隣り合う板状フィンは、互いに平行に配置されることが好ましい。さらに、複数のフィンが全て板状フィンであり、全ての板状フィンは互いに離間して平行に配置されることが好ましい。この構造では、板状フィンと板状フィンとの間の離間部分が直線状の隙間になるため、フィンの奥行き方向の一方端から他方端に空気等の流体を直線状に通すことができ、通風抵抗を低くすることができる。
隣り合うフィンの間の距離は、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。これによって、フィン間の離間部分に流体を通して、フィンと流体との間で伝熱性を改善することができる。また、通風抵抗を低下させることができる。
隣り合うフィンの間の距離は、38mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、15mm以下がさらに好ましい。これによって、フィンの配列間隔を狭くして、フィンに接触する流体量を多くして、伝熱性を改善することができる。
隣り合うフィンの間の距離は、隣り合うフィンの間において対向するフィンの面の間の距離が最短になる部分の距離である。
ベース上にフィンが3個以上あり、隣り合うフィンの間の離間部分が複数ある場合は、複数の離間部分の間で、隣り合うフィンの間の距離は、同一であっても一部又は全てが異なってもよい。
隣り合うフィンの間の離間部分は、フィンの配列方向に交差する方向に直線状の隙間であることが好ましく、フィンの奥行き方向に直線状の隙間であることがより好ましい。この場合、直線状の隙間は、全長に渡ってフィン間の距離が等しいことが好ましい。
フィンの配列方向の長さは、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。これによって、ベースからフィンへの伝熱性を改善することができ、また、フィンの下部から上部への伝熱性を改善することができる。
フィンの配列方向の長さは、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。これによって、フィンの配列方向の中心部分に効率よく流体を通すことができ、流体とフィンとの伝熱性をより改善することができる。
フィンの配列方向の長さは、フィンの配列方向において長さが最長になる部分の距離である。
複数のフィンの間で、フィンの配列方向の長さは、同一であっても一部又は全てが異なってもよい。
フィンの配列方向の長さは、フィンの奥行き方向の全長に渡って等しいことが好ましい。
ベース上に複数のフィンが配置される面積の合計は、ベースの全面積に対して20%〜83%が好ましい。以下、この面積比をフィンの占有面積比とも記す。
このフィンの占有面積比は、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。これによって、ベース上の離間部分の空間を少なくして、流体とフィンとの接触面積を大きくし、流体とフィンとの伝熱性を改善することができる。
このフィンの占有面積比は、83%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。これによって、ベース上のフィンの領域をある程度制限し、フィンの中心部にまで流体が通り、伝熱性を改善することができる。また、ベース上の離間部分の空間を多くして、通風抵抗を低くすることができる。
複数のフィンは、配列方向を第1の方向とし、配列方向と交差又は直交する方向を第2の方向とする場合に、第1の方向に離間して配置されるとともに、第2の方向にさらに離間して配置されていてもよい。この場合、第2の方向から流体を通すことで、フィンの奥行き方向に流体が流れるとともにフィンの配列方向へも流体が流れるようになり、流体とフィンとの伝熱性を改善することができる。
フィンのベースからの高さが高くなるほど放熱のための面積が大きくなるため、発熱体の冷却効率に優れる。一方で、フィンは、ベースからの高さが高い位置では、伝熱性が低下し、冷却効率に寄与しないことがある。そのため、フィンのベースからの高さは、伝熱性及び冷却効率を考慮して決定されることが好ましい。
一実施形態によるフィンは、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部が形成され、中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成され、全体の気孔率が90%〜99%である3次元網目状構造体によって形成されることが好ましい。
骨格の断面形状は特に限定されないが、円形、楕円形、三角形、四角形等の多角形等であってよい。
骨格の外径は、0.1〜0.5mmであることが好ましい。また、骨格の内径は0.04〜0.3mmであることが好ましい。骨格の外壁の断面方向の厚さは、0.03〜0.2mmであることが好ましい。
この範囲で、フィンの強度とともに通風抵抗及び放熱性をより改善することができる。
また、3次元網目状構造体の骨格は、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、又はこれらの組み合わせによって形成することができる。
アルミニウムとしては、Al:95質量%以上で、残部がC、N、O等の不純物からなり、他の金属元素を含まないものを用いることができる。アルミニウム合金としては、例えば、アルミニウムと、Cu、Mn、Mg、Si等から選択される1種以上の金属との合金を用いることができる。
骨格を形成するアルミニウム及び/又はアルミニウム合金は、密度比が90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。この密度比は、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金の理論密度に対する、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される骨格の密度の比である。
ここで、骨格の密度は、アルキメデス法による実測が不可能なため、画像分析ソフトウエア(三谷産業製WinRoof等)を用いて、骨格断面の画像を自動二値化処理したり、該画像をグレースケールに変換して適当な閾値を設定したりすることにより、測定を行うことができる。
3次元網目状構造体の骨格は、3次元状に連通する連通孔部を形成する。
この連通孔部によって、3次元網目状構造体の通風抵抗を低くすることができ、また、比表面積を大きくして放熱性を高めることができる。
連通孔部の大きさは、500μm〜4000μmが好ましく、1000μm〜3500μmがより好ましい。ここで、連通孔の大きさは、円相当径である。
3次元網目状構造体の全体の気孔率は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。また、3次元網目状構造体の全体の気孔率は、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。これによって、3次元網目状構造体の通風抵抗及び放熱性をより改善することができる。
ここで、3次元網目状構造体の全体の気孔率は、質量と縦・横・高さを測定して見かけ密度を求め、アルミニウムまたはアルミニウム合金の理論密度で除して密度比(%)を求め、100からこの密度比を引くことで求めることができる。
3次元網目状構造体の目粗さは、6ppi以上が好ましい。これによって、開気孔の多孔質体として、比表面積を十分に確保し、放熱性をより改善することができる。
3次元網目状構造体の目粗さは、30ppi以下が好ましく、23ppi以下がより好ましい。これによって、微細な気孔をある程度制限し、多孔質体の表面ともに内部の熱交換性をより改善することができる。
ここで、3次元網目状構造体の目粗さは、3次元網目状構造体表面の1インチに観察される孔部の数(ppi、ポアパーインチ)で表され、株式会社キーエンス製「ワンショット3D測定マイクロスコープ」等によって測定することができる。
3次元網目状構造体の比表面積は、500m−1〜3000m−1が好ましく、550m−1〜1250m−1がより好ましい。これによって、通風抵抗及び放熱性をより改善することができる。
ここで、3次元網目状構造体の比表面積は、ガス吸着法によって測定することができる。
以下、3次元網目状構造体を製造する方法の一例について説明する。なお、一実施形態による3次元網目状構造体は、以下の製造方法によって製造されたものに限定されない。
3次元網目状構造体は、例えば、3次元網目状構造を有し加熱分解可能な基体に、Al系粉末を付着させ、その後に、基体を加熱分解して除去することで、製造することができる。ここで、Al系粉末は、アルミニウム粉末、アルミニウム合金粉末、又はこれらの組み合わせである。
基体は、3次元状に連結する骨格によって3次元状に連通する連通孔が形成された3次元網目状構造体であることが好ましい。基体の外観形状、細孔特性等は、3次元網目状構造体の最終的な形状等に応じて、適宜設定することができる。
基体は、加熱分解によって除去される特性から、樹脂を好ましく用いることができる。具体的には、基体としては、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等のフォームを挙げることができ、中でもポリウレタンフォームが好ましい。
アルミニウム粉末には、Al:95質量%以上で、残部がC、N、O等の不純物からなり、他の金属元素を含まないものを用いることができる。
アルミニウム合金粉末には、AlにCu、Mn、Mg、Si等の合金化元素を予合金化したアルミニウム合金粉末等を用いることができる。これによって、アルミニウム合金によって3次元網目状構造体の骨格を形成することができ、3次元網目状構造体の強度をより高めることができる。
Al系粉末には、一般的な製品として、表面に10Å程度の酸化被膜(アルミナ:Al)が形成されるものを用いることができる。
Al系粉末は、平均粒子径が20μm以下が好ましい。これによって、基体の微細な骨格に、Al系粉末を密に付着させることができる。
Al系粉末には、粒子径が100μmを超える粒子が含まれないことが好ましい。これによって、基体の微細な骨格に付着した粒子が剥がれ落ちないようにすることができる。
Al系粉末は、活性な粉末であるため取扱い性の観点から、平均粒子径が0.1μm以上が好ましい。
ここで、平均粒子径は、レーザ回折法によって測定することができる。
基体へAl系粉末を付着する方法としては、例えば、基体を導電化処理しAl系電気メッキする方法、Al系粉末を含む分散媒に基体を浸漬する方法、Al系粉末を基体にスプレーする方法、基体表面に粘着性を付与させAl系粉末を付着させる方法等が挙げられる。これらの詳細は、特許文献1〜7に開示されている。なかでも、浸漬法又はスプレー法を用いることが好ましい。
Al系粉末を含む分散媒に基体を浸漬させる方法では、分散媒として、アルコール、水、フェノール樹脂等を用いることができる。Al系粉末の濃度は、50質量%〜70質量%が好ましい。分散媒には、接着剤、分散剤等の添加剤を含ませてもよい。
浸漬後に適宜乾燥し分散媒等の揮発成分を除去することが好ましい。
基体にAl系粉末をスプレーする方法では、Al系粉末は、乾燥状態でスプレーしてもよく、分散媒と混合し液体状でスプレーしてもよい。
スプレー後に適宜乾燥し分散媒等の揮発成分を除去することが好ましい。
Al系粉末が付着した基体は、基体の樹脂が熱分解される温度以上で熱処理することが好ましい。これによって、樹脂製の基体を除去し、金属で形成される中空状の骨格を残すことができる。
また、Al系粉末が付着した基体は、Al系粉末の融点以上で熱処理することが好ましい。例えば、アルミニウムの融点(660.4℃)以上である。これによって、基体に付着したAl系粉末が溶融して、より緻密な骨格を形成することができる。
基体に付着したAl系粉末は、熱処理前では、表面が酸化被膜で覆われ、酸化被膜を介して各粒子が接触している。そして、基体に付着したAl系粉末は、その融点以上に熱処理されると、溶融して粒子の表面の酸化被膜を破って、粒子表面を濡らしながら隣り合う粒子が結合するようになる。このとき粒子表面に形成されていた酸化被膜が代用骨格となり、溶融したAl系粉末がこの代用骨格の外側で濡れることにより、骨格の外壁の形状を維持しながら、粒子同士がより強固に結合するようになる。
具体的には、Al系粉末が付着した基体は、660℃以上で熱処理することが好ましく、665℃以上がより好ましい。
Al系粉末が付着した基体は、これに限定されないが、700℃以下で熱処理することが好ましく、680℃以下がより好ましい。
Al系粉末が付着した基体は、非酸化性雰囲気中で熱処理することが好ましい。これによって、Al系粉末の酸化を防ぐとともに、樹脂製の基体の熱分解を促進することができる。
上記した3次元網目状構造体の製造方法にしたがえば、密度比が90%以上であるアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成される中空状の骨格を形成することができる。熱処理後の骨格は、樹脂製の骨格が存在していた部分が空洞部となった中空状となる。
3次元網目状構造体の骨格を形成するアルミニウム及び/又はアルミニウム合金には、製造条件によっては、原料の粒子表面に形成されていた酸化被膜、すなわちアルミナ(Al)が内部に分散するようになる。
アルミナは硬質な材料であるため、基地となるアルミニウム及び/又はアルミニウム合金に分散して基地を強化することができる。3次元網目状構造体の骨格にアルミナが分散することで、骨格の強度をより高めることができる。
基体へのAl系粉末の付着は、基体の表面からのAl系粉末の厚さが100μm〜1000μmとなるようにすることが好ましい。これによって、Al系粉末が溶融する際に、表面張力による型崩れを防止し、最終的な骨格形状の型崩れを防止することができる。また、この程度にAl系粉末を付着することで、最終的な骨格の断面方向の長径(太さ)を100μm〜300μmとすることができる。
ベースと3次元網目状構造体の界面はアルミニウム系ろう材によって接合されていることが好ましい。これによって、ベースから3次元網目状構造体への伝熱性をより高めることができる。
以下、3次元網目状構造体をベースにろう付けする方法の一例について説明する。
3次元網目状構造体とベースをろう付けするためのろう材には、アルミニウム系ろう材を好ましく用いることができる。3次元網目状構造体がアルミニウム及び/又はアルミニウム合金であるため、伝熱性を高めるとともに、熱膨張率を近くすることができる。
アルミニウム系ろう材としては、例えば、シート状ろう材、ペースト状ろう材等が挙げられる。アルミニウム系ろう材の成分としては、BA4045等が挙げられる。
まず、ベースにシートろうを設置し、その上に3次元網目状構造体を設置する。その後に、熱処理をする。シートろうの表面に水で希釈したノコロックフラックスを塗布しても良い。ノコロックフラックスを塗布することでアルミニウムの酸化被膜が除去され、強固に接合することができる。
シートろうは、厚みが50〜300μmが好ましく、100〜150μmがより好ましい。これによって、ろう付け後に、3次元網目状構造体とベースとの伝熱性をより高めることができる。
ろう材の熱処理は、580〜605℃が好ましい。熱処理温度、ろう材の種類、厚みによっても異なるが、ろう材の熱処理時間は、3〜10分間が好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「3次元網目状構造体の作製」
3次元網目状構造を有する樹脂製の基体として、幅200mm、奥行き200mm、高さ25mmのポリウレタンフォームを用意した。このポリウレタンフォームは、気孔率(全体の体積に対する連通孔の体積の割合)が98%であり、目粗さが8ppiであり、連通孔の大きさが円相当径で2750μmであった。
次いで、分散媒として樹脂分4質量%のポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノール、日本合成化学工業株式会社製)を用意し、平均粒子径6μmのアルミニウム粉末を、用意した分散媒に質量比10:7で混合し、アルミニウム粉末分散液を作製した。作製したアルミニウム粉末分散液中に用意した基体を浸漬した後、余分なスラリーをロールにより除去してから、80℃にて120分乾燥させて、アルミニウム粉末が付着した基体を用意した。このようにして作製したアルミニウム粉末が付着した基体を、圧力が10−3Paの減圧雰囲気(真空雰囲気)の下、675℃にて120分間加熱し、アルミニウム系3次元網目状構造体を作製した。
3次元網目状構造体について、マイクロスコープと光学顕微鏡にて観察し、画像分析ソフトウエア(三谷商事株式会社製WinROFF)を用いて、気孔(連通孔)の大きさについて測定するとともに、3次元網目状構造体の気孔(連通孔)の円相当直径について求め、その平均値を求めた。
3次元網目状構造体の比表面積は、ガス吸着法によって測定した。
3次元網目状構造体の骨格の中空状の形状、開口部の形状、目粗さは、ワンショット3D測定マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて観察した。
3次元網目状構造体の気孔の大きさ:2500μm。
3次元網目状構造体の比表面積:750m−1
3次元網目状構造体の骨格:骨格は中空状であった。
3次元網目状構造体の目粗さ:8.4ppi。
「ヒートシンクの作製」
ベースには、材質がA6063Sのアルミニウム板を用いた。ベース部分の寸法は、W48mm×L50mm×H5mmである。
ベース上に、W(5mm〜20mm)×L50mm×H15mmのフィンを1.1mm〜38mmの隙間を空けて2個〜8個配置した。フィンには、上記して作製した3次元網目状構造体を加工して用いた。
実施例1〜7では、幅が5mmのフィンを、フィン間の距離を1.1mm〜38mmになるように2個〜8個配置した。実施例8では、幅が10mmのフィンを、フィン間の距離を9mmになるように3個配置した。実施例9では、幅が20mmのフィンを、フィン間の距離を8mmになるように2個配置した。
各実施例では、フィンが互いに平行になるように配置した。フィンを3個以上配置する場合は、全てのフィン間の距離が等しくなるように配置した。
比較例1では、幅が48mmのフィンを1個配置した。
抵抗を簡易評価するためにフィンとベースをシリコングリース(信越化学工業株式会社製「G−777」)で接着した。
フィンの占有面積比は、板状フィンを平行に配置する構成では、ベースの全幅に対する各フィンの幅の合計と等しくなる。そのため、フィンの占有面積比は、ベースの幅方向の距離に対して各フィンの幅方向の距離の合計から求めた。結果を表1に示す。
「熱抵抗の評価」
熱抵抗の評価をJEDEC51−2Aに準拠した装置で行った。具体的には12mm×12mm×2.5mmの熱電対内臓セラミックスヒータの上面以外を断熱材で断熱し、試験片をセラミックスヒータが中心になるように設置した。さらに、フィンとベースの密着性を高めるためにフィン、ベースおよびヒータを設置した断熱材をΦ0.1mmの糸でまとめて縛った。
試験片をW500mm×L500mm×H500mmで厚さ3mmのアクリル容器の中心に垂直に設置した。試験片から220mmの位置の温度を熱電対で測定し室温とした。セラミックスヒータを8Wになるように運転し、セラミックスヒータと空気の温度が変化しなくなるまで運転したときを定常状態として熱抵抗を測定した。熱抵抗はセラミックスヒータの温度と室温の差をセラミックスヒータの出力である8Wで除して求めた。
Figure 2019216138
評価結果を表1にまとめた。さらに、フィンの幅が5mmにおける離間距離と熱抵抗の関係を図2に示す。図2に示す横方向の破線は、比較例1の熱抵抗値を示す。
各実施例から、フィンを離間して配置することで熱抵抗が低下することがわかる。
実施例1〜4では、フィン間の距離(離間距離)が長くなると熱抵抗が低減した。
実施例5〜6では、離間距離がさらに長くなり実施例4よりも熱抵抗が上昇した。
実施例7では、離間距離がさらに長くなりさらに熱抵抗が上昇したが、比較例1よりも熱抵抗が若干低減した。
実施例8〜9では、フィンの幅が長くなると熱抵抗の低下幅が小さくなった。
比較例1では、フィンが一体化しているため、離間して配置したものよりも熱抵抗が高くなった。
次に、フィンの占有面積比と熱抵抗の関係を比較すると、フィンの占有面積比が20%〜83%となる実施例1〜9において比較例1よりも熱抵抗が低下した。
一実施形態によるヒートシンクは、発熱体からベースを介して、離間して配置され3次元網目状構造体によって形成される複数のフィンに伝わった熱が離間部分を介して自然空冷しやすく、放熱性に優れることから、発熱量の大きい半導体等のヒートシンクに好ましく用いることができる。
100 ヒートシンク
10 ベース
20 3次元網目状構造体
30 離間部分

Claims (7)

  1. ベースと、前記ベース上に互いに離間して配置される複数のフィンとを備え、前記フィンは、中空状の骨格によって3次元状に連通する連通孔部を有し、前記中空状の骨格は、密度比が90%以上のアルミニウム及び/又はアルミニウム合金によって形成され、全体の気孔率が90%〜99%である3次元網目状構造体によって形成される、ヒートシンク。
  2. 隣り合う前記フィンの間の距離は、1mm〜38mmである、請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記フィンの配列方向の長さは、3mm〜20mmである、請求項1又は2に記載のヒートシンク。
  4. 前記ベース上に前記複数のフィンが配置される面積の合計は、前記ベースの全面積に対して20%〜83%である、請求項1から3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  5. 前記フィンは板状部材であり、隣り合う前記フィンは互いに平行に配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  6. 前記3次元網目状構造体は、目粗さが6ppi〜30ppiである、請求項1から5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
  7. 前記3次元網目状構造体は、前記ベースとの界面がアルミニウム系ろう材によって接合されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のヒートシンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022009169A1 (en) * 2020-07-09 2022-01-13 3M Innovative Properties Company Cold plate made via 3d printing

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