JP2019211044A - 4輪駆動車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋回走行中に左右一対の電子制御カップリングの出力特性を把握することができる4輪駆動車両の制御装置を提供する。【解決手段】本実施例の車両10の制御装置70によれば、入力側回転部材すなわちリングギヤ52aと出力側回転部材すなわち後輪16L、16Rとの差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtに基づいて左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの摩擦係数μl、μrが推定されるので、推定された摩擦係数μl、μrに基づき、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を把握することができる。これにより、旋回走行中に、たとえば左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を揃えるために伝達トルク指令値を補正する制御を実行することによって、4輪駆動車両の旋回安定性が損なわれることを抑制することができる。【選択図】図3
Description
本発明は、左右一対の電子制御カップリングを備える4輪駆動車両の、制御装置に関するものである。
駆動力源から伝達トルクが伝達される左右一対の主駆動輪と、4輪駆動状態では前記駆動力源から伝達トルクの一部が動力伝達部材を介して伝達される左右一対の副駆動輪と、前記左右一対の副駆動輪とそれぞれ直列に設けられ、伝達トルク指令値に応じて入力側回転部材から出力側回転部材へ伝達する伝達トルクを変化させる左右一対の電子制御カップリングと、を含む4輪駆動車両の、制御装置が知られている。たとえば特許文献1に記載されている4輪駆動車両の制御装置がそれである。
上記特許文献1に記載の4輪駆動車両の制御装置では、後輪すなわち副駆動輪の左右に配置された左右一対の電子制御カップリングに制御電流を供給して、左右後輪の伝達トルクをそれぞれ制御している。これにより、4輪駆動車両の旋回安定性などを効率的に制御することができる。
しかしながら、湿式多板クラッチで構成された電子制御カップリングは、湿式多板クラッチの個体差、温度特性あるいは経時変化などにより出力特性にバラツキが発生する。そのため、上記特許文献1に記載の4輪駆動車両の制御装置では、たとえば制御装置からの制御電流すなわち伝達トルク指令値に対して左右一対の電子制御カップリングから左右の後輪に伝達される伝達トルクに差が発生するため、4輪駆動車両の旋回安定性などが損なわれる可能性がある。したがって、4輪駆動車両の旋回安定性などが損なわれないように、たとえば左右一対の電子制御カップリングに供給する伝達トルク指令値を補正するため、旋回走行中に左右一対の電子制御カップリングの出力特性を把握する必要がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、旋回走行中に左右一対の電子制御カップリングの出力特性を把握することができる4輪駆動車両の制御装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、駆動力源から伝達トルクが伝達される左右一対の主駆動輪と、4輪駆動状態では前記駆動力源から伝達トルクの一部が動力伝達部材を介して伝達される左右一対の副駆動輪と、前記左右一対の副駆動輪とそれぞれ直列に設けられ、伝達トルク指令値に応じて入力側回転部材から出力側回転部材へ伝達する伝達トルクを変化させる左右一対の電子制御カップリングと、を含む4輪駆動車両の、制御装置であって、前記左右一対の電子制御カップリングを解放して前記主駆動輪のみを駆動させる2輪駆動状態での旋回走行中に、等しい伝達トルクを指令する伝達トルク指令値を前記左右一対の電子制御カップリングにそれぞれ指令したときに、前記左右一対の電子制御カップリングのうちのいずれか一方がスリップ状態となった場合の前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との差回転の変化速度に基づいて前記左右一対の電子制御カップリングの摩擦係数を推定することにある。
本発明の4輪駆動車両の制御装置によれば、2輪駆動状態での旋回走行中に、前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との差回転の変化速度に基づいて前記左右一対の電子制御カップリングの摩擦係数が推定されるので、推定された前記摩擦係数に基づき、旋回走行中に、前記左右一対の電子制御カップリングの出力特性を把握することができる。これにより、たとえば前記左右一対の電子制御カップリングの出力特性を揃えるために前記伝達トルク指令値を補正する制御を実行することによって、4輪駆動車両の旋回安定性が損なわれることを抑制することができる。
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本実施例が適用された車両10の概略構成を説明する図であるとともに、その各部を制御するための制御系統及び制御機能の要部を説明する図である。車両10は4輪駆動車両であって、駆動力源としてたとえばエンジン12を備えている。エンジン12は、ガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジンなどの内燃機関である。車両10は、エンジン12の動力すなわちエンジン12の駆動トルクいわゆる伝達トルクを前輪14L、14R(特に区別しない場合には、前輪14という)に伝達する第1動力伝達経路と、エンジン12の伝達トルクを後輪16L、16R(特に区別しない場合には、後輪16という)に伝達する第2動力伝達経路とを備えている。前輪14は、2輪駆動状態および4輪駆動状態のときに、前記第1動力伝達経路を介してエンジン12から伝達トルクが伝達される駆動輪となる主駆動輪である。後輪16は、2輪駆動状態のときに従動輪となり、且つ4輪駆動状態のときに前記第2動力伝達経路を介してエンジン12から伝達トルクが伝達される駆動輪となる副駆動輪である。したがって、車両10は、FFベースの前後輪駆動車両である。
前記第1動力伝達経路は、変速機18、フロントデフ20、左右の前輪車軸22L、22R(特に区別しない場合には、前輪車軸22という)などを備えている。フロントデフ20は、前輪14に伝達される伝達トルクを分配する前輪用伝達トルク分配ユニットして作用する。前記第2動力伝達経路は、エンジン12の伝達トルクを後輪16に分配する前後輪伝達トルク分配装置であるトランスファ26、トランスファ26にて分配されたエンジン12の伝達トルクを後輪16へ伝達する伝達トルク伝達軸であるプロペラシャフト28を備えている。また、前記第2動力伝達経路は、プロペラシャフト28から入力された伝達トルクを左右の後輪16L、16Rに配分する後輪用伝達トルク分配ユニット30、左右の後輪車軸32L、32R(特に区別しない場合には、後輪車軸32という)などを備えている。
変速機18は、エンジン12と前輪14との間の前記第1動力伝達経路およびエンジン12と後輪16との間の前記第2動力伝達経路のうちの共通する動力伝達経路の一部を構成している。変速機18は、たとえば変速比γ(=変速機入力回転速度Nin/変速機出力回転速度Nout)が異なる複数の変速段が選択的に成立させられる公知の遊星歯車式多段変速機、変速比γが無段階に連続的に変化させられる公知の無段変速機、或いは公知の同期噛合型平行2軸式変速機などである。
トランスファ26は、図1に示すように、第1回転部材38と、プロペラシャフト28の前輪14側の端部に形成されたドリブンピニオン28aに噛み合うリングギヤ40aが形成された第2回転部材40と、第1回転部材38と第2回転部材40との間の動力伝達を選択的に断接する噛合式の第1クラッチ24とを備えている。第1クラッチ24によって第1回転部材38と第2回転部材40との動力伝達が接続された場合には、エンジン12から前輪14に出力された伝達トルクの一部が後輪16すなわちプロペラシャフト28に分配される。
第1回転部材38は、その内周側を前輪車軸22Rが貫通する円筒部材であって、たとえば第1軸線C1まわりに回転可能にデフケース20cおよびトランスファケース26cに支持されている。第1回転部材38の前輪14L側の端部には、デフケース20cに形成された図示しない内周噛合歯と噛み合う、図示しない外周噛合歯が形成されている。第1回転部材38の前輪14L側とは反対側の端部には、第1クラッチ24に設けられた円筒状の可動スリーブ42の内周歯42aと常時噛み合う第1クラッチ歯38bが形成されている。
第2回転部材40は、その内周側を前輪車軸22Rが貫通する円筒部材であって、たとえば第1軸線C1まわりに回転可能にトランスファケース26cに支持されている。第2回転部材40の前輪14R側の端部には、前述したリングギヤ40aが形成されており、第2回転部材40の前輪14R側とは反対側の端部には、可動スリーブ42の内周歯42aと噛合可能な第2クラッチ歯40bが形成されている。
第1クラッチ24は、第1回転部材38にデフケース20cおよび変速機18を介して連結されたエンジン12と、第2回転部材40に連結されたプロペラシャフト28との間の動力伝達を選択的に断接するトルク伝達装置としての噛合クラッチである。第1クラッチ24は、第1回転部材38に形成された第1クラッチ歯38bと、第2回転部材40に形成された第2クラッチ歯40bと、第1クラッチ歯38bと第1軸線C1方向の相対移動可能に常時噛み合い且つ第2クラッチ歯40bにも噛合可能な内周歯42aが形成された可動スリーブ42とを備えている。また、第1クラッチ24は、可動スリーブ42を、第2クラッチ歯40bに噛み合う噛合位置と第2クラッチ歯40bに噛み合わない非噛合位置とに第1軸線C1方向に移動させる第1アクチュエータ44を備えている。なお、第1アクチュエータ44は、たとえば第1クラッチ用電磁コイルおよびボールカムを含み電気的に制御可能な第1クラッチ用電動アクチュエータと、その第1クラッチ用電動アクチュエータに作動される噛合クラッチとから構成されている。第1クラッチ24には、図示していないが、好適には、可動スリーブ42の内周歯42aが第2クラッチ歯40bと噛み合うに際して第1回転部材38と第2回転部材40との相対回転差を小さくする同期機構が備えられていても良い。なお、図1は、第1クラッチ24が解放された状態を示している。
後輪用伝達トルク分配ユニット30は、左右の後輪車軸32L、32Rの差回転を許容しつつトランスファ26から分配される伝達トルクを後輪16に伝達するデファレンシャル機構46と、デファレンシャル機構46とプロペラシャフト28との間の動力伝達を選択的に断接する噛合式の第2クラッチ50とを備えている。トランスファ26から分配された伝達トルクは、プロペラシャフト28から第2クラッチ50を介してデファレンシャル機構46に伝達される。
デファレンシャル機構46は、図1に示すように、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rを有している。デファレンシャル機構46は、後輪16のうちの左輪に対応する後輪16Lに伝達する伝達トルクを調整する左電子制御カップリング34Lと、後輪16のうちの右輪に対応する後輪16Rに伝達する伝達トルクを調整する右電子制御カップリング34Rと、それら左電子制御カップリング34Lと右電子制御カップリング34Rとが両端部に連結された中央車軸48とを有している。左電子制御カップリング34Lおよび右電子制御カップリング34Rには、図示しないが、たとえばカップリング用電磁コイルおよびボールカムを含み電気的に制御可能なカップリング用電動アクチュエータと、そのカップリング用電動アクチュエータによって摩擦力が調節される湿式多板クラッチとがそれぞれ備えられている。左電子制御カップリング34Lおよび右電子制御カップリング34Rは、カップリング用電磁コイルに通電することにより発生する磁力によって後輪16L、16Rに伝達する伝達トルクがそれぞれ調整されるようになっている。つまり、左電子制御カップリング34Lおよび右電子制御カップリング34Rには、たとえば走行において要求される後輪16L、16Rの伝達トルクの大きさに対応する伝達トルク指令値に基づき、後述する電子制御装置70からそれぞれのカップリング用電磁コイルに左右一対の電子制御カップリング34L、34Rへ伝達トルク指令値に対応する制御電流I3、I4がそれぞれ供給される。
後輪16L側の左電子制御カップリング34Lは、後輪16に直列に設けられて、伝達トルク指令値が増加させられると後輪16Lに伝達される伝達トルクが増加し、後輪16R側の右電子制御カップリング34Rは、後輪16に直列に設けられて、伝達トルク指令値が増加させられると後輪16R側に伝達される伝達トルクが増加するように構成されている。伝達トルク指令値が増加させられることにより、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rを締結する力であるクラッチ押付力いわゆるクラッチ締結力Wcが増加させられる。これにより、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rをそれぞれ制御することで、左右の後輪16の伝達トルク配分を連続的に制御することができる。
図1に示すように、後輪用伝達トルク分配ユニット30には、第2軸線C2まわりに回転可能に後輪用伝達トルク分配ユニット30内に設けられた第1回転部材52と、第2軸線C2まわりに回転可能にデファレンシャル機構46の中央車軸48に一体的に固定された第2回転部材54とが備えられている。第2クラッチ50は、それら第1回転部材52と第2回転部材54との間の動力伝達を選択的に断接する噛合式のドグクラッチである。第1回転部材52は、その内周側に中央車軸48が貫通する円筒部材であり、その円筒部材である第1回転部材52の後輪16L側の端部には、プロペラシャフト28の後輪16側の端部に形成されたドライブピニオン28bと噛み合うリングギヤ52aが形成されている。第1回転部材52の後輪16L側とは反対側の端部には、第2クラッチ50に設けられた円筒状の可動スリーブ56の内周歯56aと噛合可能な第1クラッチ歯52bが形成されている。第2回転部材54は、中央車軸48に固定された円板部材であり、第2回転部材54の外周部には、可動スリーブ56の内周歯56aと常時噛み合う第2クラッチ歯54aが形成されている。
第2クラッチ50は、図1に示すように、第1回転部材52に連結されたプロペラシャフト28と、第2回転部材54に連結されたデファレンシャル機構46の中央車軸48との間の動力伝達を選択的に断接するトルク伝達装置としての噛合クラッチである。第2クラッチ50は、第1回転部材52に形成された第1クラッチ歯52bと、第2回転部材54に形成された第2クラッチ歯54aと、第2クラッチ歯54aと第2軸線C2方向の相対移動可能に常時噛み合い且つ第1クラッチ歯52bにも噛合可能な内周歯56aが形成された可動スリーブ56とを備えている。また、第2クラッチ50は、可動スリーブ56を、第1クラッチ歯52bに噛み合う噛合位置と第1クラッチ歯52bに噛み合わない非噛合位置とに第2軸線C2方向に移動させる第2アクチュエータ58を備えている。なお、第2アクチュエータ58は、たとえば第2クラッチ用電磁コイルおよびボールカムを含み電気的に制御可能な第2クラッチ用電動アクチュエータと、その第2クラッチ用電動アクチュエータによって作動させられる噛合クラッチとから構成されている。第2クラッチ50には、図示していないが、好適には、可動スリーブ56の内周歯56aが第1クラッチ歯52bと噛み合うに際して第1回転部材52と第2回転部材54との相対回転差を小さくする同期機構が備えられていても良い。なお、図1は、第2クラッチ50が解放された状態を示している。
車両10には、前輪車軸22と後輪車軸32との間に異なるギヤ比が存在している。具体的には、車両10は、第1クラッチ24におけるドリブンピニオン28aの回転速度Nfp(rpm)とリングギヤ40aの回転速度Nfr(rpm)との比で表される前輪車軸側ギヤ比γf、および第2クラッチ24におけるドライブピニオン28bの回転速度Nrp(rpm)とリングギヤ52aの回転速度Nrr(rpm)との比で表される後輪車軸側ギヤ比γrを有しており、それぞれ異なるギヤ比となっている。たとえば前輪車軸側ギヤ比γfおよび後輪車軸側ギヤ比γrは、プロペラシャフト28の回転速度に対して、リングギヤ52aの回転速度Nrrよりもリングギヤ40aの回転速度Nfrが低くなるように形成されている。前輪車軸側ギヤ比γfおよび後輪車軸側ギヤ比γrがそれぞれ異なるギヤ比である場合に、車両10の車速Vが所定車速以上に上昇すると、たとえば左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側回転部材たとえばリングギヤ52aの回転速度Nrrと出力側回転部材たとえば後輪16との回転速度Wrl、Wrr(rpm)の回転速度差によりスリップが生じる。
以上のように構成された車両10では、第1クラッチ24、第2クラッチ50、左電子制御カップリング34L、および右電子制御カップリング34Rがそれぞれ係合させられると、エンジン12から左右の前輪14L、14Rおよび左右の後輪16L、16Rへ伝達トルクが伝達される4輪駆動状態となる。また、第1クラッチ24、第2クラッチ50、左電子制御カップリング34L、および右電子制御カップリング34Rがそれぞれ解放させられると、エンジン12から左右の前輪14L、14Rへ伝達トルクが伝達される2輪駆動状態となる。なお、上記2輪駆動状態では、第1クラッチ24、第2クラッチ50、左電子制御カップリング34L、および右電子制御カップリング34Rがそれぞれ解放されるので、プロペラシャフト28を左右の前輪14L、14Rおよび左右の後輪16L、16Rから切り離すディスコネクト状態となる。また、上記4輪駆動状態では、第1クラッチ24、第2クラッチ50、左電子制御カップリング34L、および右電子制御カップリング34Rがそれぞれ係合されるので、プロペラシャフト28を左右の前輪14L、14Rおよび左右の後輪16L、16Rに接続するコネクト状態となる。ディスコネクト状態において、前輪車軸側ギヤ比γfおよび後輪車軸側ギヤ比γrにより、前輪14の回転速度Wfl、Wfr(rpm)は、後輪16の回転速度Wrl、Wrrより僅かに速い。
車両10は、たとえば前後輪14、16の伝達トルクの配分を制御する電子制御装置70を備えている。電子制御装置70は、たとえばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。
電子制御装置70には、車両10が備える各種センサにより検出される各種入力信号が供給されるようになっている。たとえば、回転速度センサ80により検出されるエンジン12のエンジン回転速度Ne(rpm)を表す信号、車速センサ82により検出される車速V(km/h)を表す信号、アクセル開度センサ84により検出されるアクセル開度Acc(%)を表す信号、スロットル弁開度センサ86により検出されるスロットル弁開度θth(%)を表す信号などがそれぞれ供給される。また、電子制御装置70には、ステアリングセンサ88により検出される操舵角θを表す信号と、車輪速センサ90により検出される前輪14L、14Rおよび後輪16L、16Rの車輪速すなわち回転速度Wfl、Wfr、Wrl、Wrr(rpm)を表す信号と、が電子制御装置70に入力される。また、電子制御装置70には、図示しない4WD切換スイッチにより検出される運転者からの4輪駆動状態への切換要求を表す4WD切換信号、タービン回転速度Nt(rpm)などが供給される。
電子制御装置70には、上記以外に種々の信号が供給される。たとえば電子制御装置70には、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側回転部材の回転速度ωcin(rpm)および出力側回転部材の回転速度ωcout(rpm)を表す信号がそれぞれ供給される。入力側回転部材は、たとえばリングギヤ52aであって、回転速度センサ94によって検出されたリングギヤ52aの回転速度Nrr(rpm)を表す信号が入力側回転部材の回転速度ωcinを表す信号として電子制御装置70に供給される。出力側回転部材は、たとえば後輪16であって、車輪速センサ90によって検出された後輪16L、16Rの回転速度Wrl、Wrrを表す信号が出力側回転部材の回転速度ωcoutを表す信号として電子制御装置70にそれぞれ供給される。
電子制御装置70からは、車両10に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。たとえば、エンジン12の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号Se、変速機18の変速に関する油圧制御のための油圧制御指令信号Spなどが出力される。また、電子制御装置70からは、第1クラッチ24を係合させるために第1アクチュエータ44の第1クラッチ用電磁コイルに供給される第1制御電流I1、第2クラッチ50を係合させるために第2アクチュエータ58の第2クラッチ用電磁コイルに供給される第2制御電流I2が出力される。また、電子制御装置70からは、後輪16Lと中央車軸48との間で伝達する伝達トルクを制御するために左電子制御カップリング34Lに設けられた図示しないカップリング用電動アクチュエータのカップリング用電磁コイルに供給される第3制御電流I3、後輪16Rと中央車軸48との間で伝達する伝達トルクを制御するために右電子制御カップリング34Rに設けられた図示しないカップリング用電動アクチュエータのカップリング用電磁コイルに供給される第4制御電流I4が出力される。また、電子制御装置70からは、図示しないシフト装置のシフトレンジを指示するシフトレンジ信号、操舵の制動信号などが出力される。
図1に示すように、電子制御装置70は、制御機能の要部として、走行状態判定手段すなわち走行状態判定部100、トルク指令値制御手段すなわちトルク指令値制御部102、回転速度検出手段すなわち回転速度検出部104、差回転状態判定手段すなわち差回転状態判定部106、差回転加速度算出手段すなわち差回転加速度算出部108、摩擦係数推定手段すなわち摩擦係数推定部110、出力特性判定手段すなわち出力特性判定部112、トルク指令値補正手段すなわちトルク指令値補正部114を機能的に備えている。
走行状態判定部100は、車両10の走行状態を判定する。具体的には、車速センサ82によって検出される車速V、アクセル開度センサ84によって検出されるアクセル開度Acc、スロットル弁開度センサ86によって検出されるスロットル弁開度θth、車輪速センサ90によって検出される前後輪14、16の回転速度Wfl、Wfr、Wrl、Wrr、ステアリングセンサ88により検出される操舵角θなどに基づいて、車両10の走行状態たとえば車両10が旋回走行中であるか否かを判定する。たとえば走行状態判定部100は、車両10の操舵角θが予め実験的にあるいは設計的に求められた所定の一定操舵角θathよりも大きく、車両10の車速Vが予め実験的にあるいは設計的に求められた所定の一定車速Vthよりも大きい状態の場合に旋回走行中であると判定する。
また、走行状態判定部100は、車両10がディスコネクト状態であるか否かを判定する。たとえば走行状態判定部100は、車両走行中に、第1クラッチ24、第2クラッチ50、左電子制御カップリング34L、および右電子制御カップリング34Rがそれぞれ解放させられた2輪駆動状態であるか否かを判定する。
トルク指令値制御部102は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rに供給する伝達トルク指令値すなわち制御電流I3、I4を制御する。本実施例では、たとえば車両10がディスコネクト状態且つ旋回走行中の伝達トルク指令値の補正に際しては、その補正量の決定のために2輪駆動モードでの旋回走行中の車両10の挙動に影響が無い範囲すなわち旋回走行が継続可能な増加範囲に制御された相互に等しい一定の伝達トルクを示す伝達トルク指令値すなわち制御電流I3、I4を左右の電子制御カップリング34L、34Rに指令する。車両10がディスコネクト状態且つ旋回走行中に、トルク指令値制御部102によって等しい伝達トルク指令値が左右一対の電子制御カップリング34L、34Rに供給されると、車両10の旋回内輪の回転速度は旋回外輪の回転速度よりも相対的に遅いため旋回内輪と旋回外輪との間に回転速度の差が生じて、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rのいずれかに滑りすなわちスリップが発生する。
回転速度検出部104は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側回転部材の回転速度ωcinおよび出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrを検出する。具体的には、回転速度検出部104は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側回転部材の回転速度ωcinとしてリングギヤ52aの回転速度Nrrを回転速度センサ94によって検出する。また、回転速度検出部104は、左電子制御カップリング34Lの出力側回転部材の回転速度ωcoutlとして後輪16Lの回転速度Wrlを車輪速センサ90によって検出し、右電子制御カップリング34Rの出力側回転部材の回転速度ωcoutrとして後輪16Rの回転速度Wrrを車輪速センサ90によって検出する。
差回転状態判定部106は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rのうちのいずれか一方がスリップ状態であるか否かを判定する。具体的には、差回転状態判定部106は、入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrとの回転速度差すなわち差回転ωdl、ωdrのうちのいずれか一方が、予め実験的に求められた一定の差回転判定値ωthよりも大きいか否かを判定する。差回転ωdlは、入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutlとの回転速度の差であり、差回転ωdrは、入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutrとの回転速度の差である。
差回転加速度算出部108は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrとの差回転ωdl、ωdrの変化速度をそれぞれ算出する。前記変化速度は、入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrとの差回転のそれぞれの時間変化率であり、すなわち差回転ωdl、ωdrの角加速度で表される差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dt(特に区別しない場合には、差回転加速度dωd/dtという)である。左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの差回転加速度dωd/dtは、クラッチ締結力Wc、車両10の旋回半径Rおよび車速Vなどにより変化する。
摩擦係数推定部110は、差回転加速度算出部108によって算出された差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtに基づいて、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの摩擦係数μl、μrをそれぞれ推定する。具体的には、重量Wと加速度αとの乗算の値として表される力Fは、摩擦力Fとして重量Wと摩擦係数μとの乗算の値で表すことができるので、その関係について前記重量Wはクラッチ締結力Wcに置き換え且つ前記加速度αは差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtに置き換えて想定することにより、差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtに基づいて摩擦係数推定部110は摩擦係数μl、μrをそれぞれ推定する。摩擦係数μlは左電子制御カップリング34Lの摩擦係数であって、摩擦係数μrは右電子制御カップリング34Rの摩擦係数である。摩擦係数推定部110は、たとえば予め実験的に求められた差回転加速度dωd/dtとクラッチ締結力Wcとの想定関係マップとの比較によって摩擦係数μl、μrをそれぞれ推定する。
出力特性判定部112は、摩擦係数推定部110によって推定された摩擦係数μl、μrに基づいて、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性に異常があるか否かを判定する。摩擦係数推定部110によって推定された摩擦係数μl、μrが、たとえば前記想定関係マップで示される想定μ特性の想定値からの乖離が発生した場合、および左右一対の電子制御カップリング34L、34R双方の摩擦係数μl、μrが所定の差よりも大きく乖離した場合には、出力特性判定部112は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性に異常があると判定する。前記摩擦係数の所定の差は、左右一対の電子制御カップリング34L、34R双方の摩擦係数μl、μrが大きく乖離した場合を判定するために予め実験的にあるいは設計的に求められた一定の判定摩擦係数μthのことをいう。
図2は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの差回転加速度dωd/dtとクラッチ締結力Wcとの関係による摩擦係数μの特性を示す図である。図2の直線aは、前記想定関係マップの一例として、予め実験的に求められた想定μ特性を示している。たとえばクラッチ締結力Wc1であるときの差回転加速度dωd1/dtである場合に、摩擦係数μ1が想定μ特性の想定値となる。図2の直線bは、クラッチ締結力Wc1であるときの差回転加速度dωd2/dtが差回転加速度dωd1/dtよりも大きく摩擦係数μ2が想定値μ1よりも大きい高μ特性を示している。図2の直線cは、クラッチ締結力Wc1であるときの差回転加速度dωd3/dtが差回転加速度dωd1/dtよりも小さく摩擦係数μ3が想定値μ1よりも小さい低μ特性を示している。すなわち摩擦係数推定部110によって推定された摩擦係数μl、μrが、たとえば想定μ特性を基準とする予め実験的にあるいは設計的に求められた一定の想定許容範囲μroを超えて、想定μ特性の想定値から乖離した高μ特性あるいは低μ特性である場合には、出力特性判定部112は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性に異常があると判定する。
トルク指令値補正部114は、出力特性判定部112によって左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性に異常があると判定された場合に、伝達トルク指令値を補正する。具体的には、トルク指令値補正部114は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を揃えるために、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの摩擦係数μl、μrの想定μ特性の想定値からの乖離、および摩擦係数μlと摩擦係数μrとの間の乖離すなわちμ特性の特性差の乖離を無くすように左右一対の電子制御カップリング34L、34Rのμ特性が想定μ特性になるように伝達トルク指令値を補正して差回転加速度dωd/dtに対するクラッチ締結力Wcを変化させる。
図3は、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を制御するための電子制御装置70の制御動作の要部を説明するフローチャートであり、繰り返し実行される。
走行状態判定部100に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10では、車両10がディスコネクト状態であるか否かが判定される。S10の判定が肯定された場合、すなわち車両10がディスコネクト状態である場合には、走行状態判定部100に対応するS20が実行される。S10の判定が否定された場合、すなわち車両10がディスコネクト状態ではない場合には、本ルーチンは終了させられる。
走行状態判定部100に対応するS20では、車両10が旋回走行中であるか否かが判定される。S20の判定が肯定された場合、すなわち車両10の操舵角θが所定の一定操舵角θathよりも大きく、車両10の車速Vが所定の一定車速Vthよりも大きい状態である場合には、トルク指令値制御部102に対応するS30が実行される。S20の判定が否定された場合、すなわち車両10の操舵角θが所定の一定操舵角θathよりも小さく、車両10の車速Vが所定の一定車速Vthよりも小さい状態である場合には、本ルーチンは終了させられる。
トルク指令値制御部102に対応するS30では、伝達トルク指令値に基づき、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rに供給する伝達トルク指令値すなわち制御電流I3、I4が制御される。本実施例では、車両10の挙動に影響が無い範囲に制御された相互に等しい伝達トルクを示す伝達トルク指令値が左右一対の電子制御カップリング34L、34Rにそれぞれ供給される。トルク指令値制御部102によって、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rに制御された伝達トルク指令値が供給された場合には、回転速度検出部104に対応するS40が実行される。
回転速度検出部104に対応するS40では、回転速度検出部104によって左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側回転部材であるリングギヤ52aの回転速度ωcinおよび出力側回転部材の後輪16L、16Rの回転回転速度ωcoutl、ωcoutrが検出される。回転速度検出部104によって、入力側回転部材の回転速度ωcinおよび出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrが検出されると、差回転状態判定部106に対応するS50が実行される。
差回転状態判定部106に対応するS50では、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rのうちのいずれか一方がスリップ状態であるか否かが判定される。S50の判定が肯定された場合、すなわち入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrとの差回転ωdl、ωdrのうちのいずれか一方が、一定の差回転判定値ωthよりも大きい場合には、摩擦係数推定部110に対応するS60が実行される。S50の判定が否定された場合、すなわち入力側回転部材の回転速度ωcinと出力側回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrとの差回転ωdl、ωdrが、一定の差回転判定値ωthよりも小さい場合には、本ルーチンは終了させられる。
摩擦係数推定部110に対応するS60では、差回転加速度算出部108によって算出された差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtに基づいて、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの摩擦係数μl、μrが推定される。摩擦係数推定部110によって、摩擦係数μl、μrが推定されると、出力特性判定部112に対応するS70が実行される。
出力特性判定部112に対応するS70では、摩擦係数推定部110によって推定された摩擦係数μl、μrに基づいて、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性に異常があるか否かが判定される。S70の判定が肯定された場合、すなわち摩擦係数μl、μrが想定μ特性の想定値からの乖離が発生した場合および左右一対の電子制御カップリング34L、34R双方の摩擦係数μl、μrが所定の差よりも大きく乖離した場合には、トルク指令値補正部114に対応するS80が実行される。S70の判定が否定された場合、すなわち摩擦係数μl、μrが想定μ特性の想定値からの乖離が発生していない場合および左右一対の電子制御カップリング34L、34R双方の摩擦係数μl、μrが所定の差よりも小さい場合には、本ルーチンは終了させられる。
トルク指令値補正部114に対応するS80では、出力特性判定部112によって左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性に異常があると判定された場合に、伝達トルク指令値を補正する。すなわち、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を揃えるために、トルク指令値制御部108から左右一対の電子制御カップリング34L、34Rに補正された伝達トルク指令値が供給されるようにする。トルク指令値補正部114によって伝達トルク指令値が補正されると、本ルーチンは終了させられる。
このように、本実施例の車両10の制御装置70によれば、入力側回転部材すなわちリングギヤ52aと出力側回転部材すなわち後輪16L、16Rとの差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtに基づいて左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの摩擦係数μl、μrが推定されるので、推定された摩擦係数μl、μrに基づき、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を把握することができる。これにより、旋回走行中に、たとえば左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力特性を揃えるために伝達トルク指令値を補正する制御を実行することによって、4輪駆動車両の旋回安定性が損なわれることを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例においては、駆動力源としてエンジン12を備える車両に適用されているが、必ずしもこれに限らず、駆動力源として電動機を1つ以上備えている電気自動車およびハイブリッド車両等にも適用され得る。
また、前述の実施例においては、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力側の回転部材はリングギヤ52aであったが、必ずしもこれに限らず、たとえば左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの入力軸となる中央車軸48、第2回転部材54、第1回転部材52あるいはプロペラシャフト28などであってもよい。すなわち回転速度センサ94によって中央車軸48、第2回転部材54、第1回転部材52あるいはプロペラシャフト28の回転速度を表す信号が、入力側の回転部材の回転速度ωcinを表す信号として電子制御装置70に供給されてもよい。
また、前述の実施例においては、左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの出力側の回転部材は後輪16であったが、必ずしもこれに限らず、たとえば後輪車軸32であってもよい。すなわち回転速度センサ94によって検出された後輪車軸32L、32Rのそれぞれの回転速度を表す信号が、出力側の回転部材の回転速度ωcoutl、ωcoutrを表す信号として電子制御装置70にそれぞれ供給されてもよい。
また、前述の実施例においては、回転速度検出部104で検出される各部の回転速度および差回転加速度算出部108で算出される各部の差回転加速度の所定の期間における推移を記憶する記憶部を機能的に備えていてもよい。これにより、たとえば摩擦係数推定部110は、差回転加速度算出部108によって算出された差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtの所定の期間における推移に基づいて左右一対の電子制御カップリング34L、34Rの摩擦係数μl、μrをそれぞれ推定してもよい。
また、前述の実施例においては、差回転加速度dωdl/dt、dωdr/dtは差回転加速度算出部108によって算出されていたが、必ずしもこれに限らず、たとえば、車両に加速度センサを設けることにより、前記加速度センサによって検出されるものであってもよい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両(4輪駆動車両)
12:エンジン(駆動力源)
14:前輪(主駆動輪)
16:後輪(副駆動輪、出力側の回転部材)
34L、34R:左右一対の電子制御カップリング
52a:リングギヤ(入力側の回転部材)
70:電子制御装置(制御装置)
dωd/dt:差回転加速度(差回転の変化速度)
12:エンジン(駆動力源)
14:前輪(主駆動輪)
16:後輪(副駆動輪、出力側の回転部材)
34L、34R:左右一対の電子制御カップリング
52a:リングギヤ(入力側の回転部材)
70:電子制御装置(制御装置)
dωd/dt:差回転加速度(差回転の変化速度)
Claims (1)
- 駆動力源から伝達トルクが伝達される左右一対の主駆動輪と、4輪駆動状態では前記駆動力源から伝達トルクの一部が動力伝達部材を介して伝達される左右一対の副駆動輪と、前記左右一対の副駆動輪とそれぞれ直列に設けられ、伝達トルク指令値に応じて入力側回転部材から出力側回転部材へ伝達する伝達トルクを変化させる左右一対の電子制御カップリングと、を含む4輪駆動車両の、制御装置であって、
前記左右一対の電子制御カップリングを解放して前記主駆動輪のみを駆動させる2輪駆動状態での旋回走行中に、等しい伝達トルクを指令する伝達トルク指令値を前記左右一対の電子制御カップリングにそれぞれ指令したときに、前記左右一対の電子制御カップリングのうちのいずれか一方がスリップ状態となった場合の前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との差回転の変化速度に基づいて前記左右一対の電子制御カップリングの摩擦係数を推定する
ことを特徴とする4輪駆動車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018109854A JP2019211044A (ja) | 2018-06-07 | 2018-06-07 | 4輪駆動車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018109854A JP2019211044A (ja) | 2018-06-07 | 2018-06-07 | 4輪駆動車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019211044A true JP2019211044A (ja) | 2019-12-12 |
Family
ID=68845083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018109854A Pending JP2019211044A (ja) | 2018-06-07 | 2018-06-07 | 4輪駆動車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019211044A (ja) |
-
2018
- 2018-06-07 JP JP2018109854A patent/JP2019211044A/ja active Pending
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