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JP2019196165A - 移動式解体処理車両 - Google Patents

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JP2019196165A
JP2019196165A JP2019018590A JP2019018590A JP2019196165A JP 2019196165 A JP2019196165 A JP 2019196165A JP 2019018590 A JP2019018590 A JP 2019018590A JP 2019018590 A JP2019018590 A JP 2019018590A JP 2019196165 A JP2019196165 A JP 2019196165A
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進一 宇都宮
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Hisatomo Nishizawa
久友 西澤
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Abstract

【課題】野生獣類に例示される獣類の捕殺場所もしくはその近傍の場所まで移動することが可能であって、その場所で獣類の解体処理を行うことが可能な移動式解体処理車両を提供する。【解決手段】移動式解体処理車両1は、走行可能な車体2に捕殺された獣類の屠体を受け入れて食肉処理を行う車両であって、車体の後部仕切り12よりも後方に設けられる洗体ユニット9と、車体の内部に設けられる解体室8、保冷室5と、車体の後部においてスライド移動可能に支持された箱状に形成されて車体の後方に所定量スライド移動させることにより、洗体ユニットを取囲む状態となる洗体ユニット囲い機構10とを備え、洗体ユニットは、車体の後部に取り付けられた折畳み・展開可能なリフト部14に排水パンが設けられており、洗体ユニット囲い機構が後方にスライド移動され、リフト部が展開された状態で、屠体の洗浄を行う空間が構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、移動式解体処理車両に関し、さらに詳細には、路上を走行可能な車体に捕殺
された獣類のと体を受け入れて食肉処理を行う移動式解体処理車両に関する。
近年、鹿、猪等の野生獣類の生息数の増加および生息地域の拡大に伴って農林業への被
害が深刻化している。被害対策の一つとして、狩猟等により野生獣類を捕殺し、その肉を
有効活用することが推進されている。しかしながら、捕殺された野生獣類が食用として処
理される割合はごく僅かであって、ほとんどが廃棄されている状況にある。その一因とし
て、野生獣類の捕殺場所から食肉処理施設まで距離があり、速やかに搬入できないために
、食肉としての利用が困難となっていることが挙げられる。
したがって、野生獣類の食肉利用を促進するためには、捕殺後の解体処理をいかに迅速
に行うかが課題となる。そこで、本願発明者は、自動車を用いた移動式処理車両によって
その解決を図ることを想起するに至った。ここで、従来から知られている食品移動営業車
両(特許文献1、2参照)を利用する方法の検討も行ったが、当該移動車両は、食品の加
工、調理、販売を消費者に対して直接行うための車両であって、野生獣類の解体に利用す
ることは不可能であった。
特開2008−265487号公報 特開2004−231046号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、野生獣類に例示される獣類の捕殺場所もしくはそ
の近傍の場所まで走行して移動することが可能であって、その場所において獣類の解体処
理を行うことが可能な移動式解体処理車両を提供することを目的とする。
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明に係る移動式解体処理車両は、路上を走行可能な車体に捕殺された獣類のと体を
受け入れて食肉処理を行う移動式解体処理車両であって、前記車体の後部仕切りよりも後
方に設けられて、前記と体の洗浄を行う洗体ユニットと、前記車体の内部に設けられて、
洗浄された前記と体の解体を行う解体室、および、解体された前記と体の保冷を行う保冷
室と、前記車体の後部において前後方向にスライド移動可能に支持されて、側部、上部、
および後部にパネルを有する箱状に形成されており、前記車体の後方に向けて所定量スラ
イド移動させることにより、前記洗体ユニットを取囲む状態となる洗体ユニット囲い機構
と、を備え、前記洗体ユニットは、前記車体の後部に取り付けられた折畳み・展開可能な
リフト部に排水パンが設けられて構成されており、前記洗体ユニット囲い機構が前記車体
の後方にスライド移動され、前記リフト部が展開された状態で、前記と体の洗浄を行う作
業空間が構成されることを要件とする。
本発明によれば、野生獣類に例示される獣類の捕殺場所もしくはその近傍の場所まで走
行して移動することが可能であって、その場所において獣類の解体処理を行うことが可能
な移動式解体処理車両を実現することができる。
本発明の第一の実施形態に係る移動式解体処理車両の例を示す概略図(側面図)である。 図1の移動式解体処理車両の例を示す概略図(側面図)である。 図1の移動式解体処理車両の内部構造を示す概略図(側面図)である。 図1の移動式解体処理車両の内部構造を示す概略図(平面図)である。 図1の移動式解体処理車両のリフト部の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 図1の移動式解体処理車両の洗体ユニットおよび洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。 本発明の第二の実施形態に係る移動式解体処理車両の内部構造を示す概略図(側面図)である。 図20の移動式解体処理車両の内部構造を示す概略図(平面図)である。 図20の移動式解体処理車両の後部構造を示す概略図(背面図)である。 図20の移動式解体処理車両の洗体ユニット囲い機構の構成を説明する説明図である。
(第一の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第一の実施形態について詳しく説明する。図1は、本
実施形態に係る移動式解体処理車両1の例を示す側面図(概略図)である。また、図2は
、移動式解体処理車両1において洗体ユニット囲い機構10を車体2の後方の所定位置ま
でスライド移動させた状態を示す側面図(概略図)である。また、図3は、移動式解体処
理車両1において内部構造を示す側面図(概略図)である(構造を分かり易く示すため、
車体2の一部(側壁部等)は不図示)。また、図4は、移動式解体処理車両1において内
部構造を示す平面図(概略図)である(構造を分かり易く示すため、車体2の一部(屋根
部等)は不図示)。ここで、図中において、と体を符号Xで示す。なお、実施形態を説明
するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返し
の説明は省略する場合がある。
この移動式解体処理車両1は、路上を走行可能な車両であって、獣類の捕殺場所もしく
はその近傍の場所まで走行して移動し、その場所において捕殺された獣類のと体を受け入
れて食肉処理を行うものである。一例として、ベース車両には排気量4リットルのディー
ゼルエンジンを搭載した最大積載量2トンのトラックを用いている。ただし、排気量、エ
ンジン(動力源)、最大積載量、車両形態等は上記に限定されるものではない。また、路
上を走行可能であればよいため、自走式に限定されるものではなく、トレーラー式(被牽
引車両)としてもよい。
先ず、移動式解体処理車両1の車体2の構成について説明する。図1〜図4に示すよう
に車体2は、前方から後方に向かって、運転席3、第1機器室4、保冷室5、前室6、第
2機器室7、解体室8、洗体ユニット9を備えて構成されている。捕殺された獣類のと体
の処理工程の概略として、洗体ユニット9でと体を受け入れて洗浄を行い、解体室8でと
体の解体を行う。次いで、前室6でと体の保冷準備等を行い、保冷室5へと体を収容して
保冷を行う。以下、各構成について詳しく説明する。
本実施形態に係る洗体ユニット9は、車体2の後部仕切り12よりも後方の位置に設け
られている。ここで、後部仕切り12の位置は、ベース車両(トラック)において通常は
後部扉等が設けられて外部と内部とを仕切る位置であって、後部バンパー11の後端部と
前後方向で同程度の位置である。一例として、後部仕切り12は固定壁部12aと可動扉
部12bとを組み合わせて構成されている。
洗体ユニット9の具体的な構成例としては、車体2の後部に取り付けられた折畳み・展
開可能で且つ上昇・下降可能なリフト部14に、排水パン16が配設された構成を備えて
いる。
リフト部14は、約15〜20cm程度の厚みを有する略箱状の本体部14aを有して
おり、バッテリで駆動されるモータによって本体部14aの折畳み・展開を行うと共に、
展開した状態で上昇・下降を行う構成となっている。また、本体部14aには、排水パン
16が埋め込まれた形で設けられており、排水パン16の開口部16aが、網状もしくは
格子状の蓋16bで覆われた構成となっている。なお、変形例として、蓋16bに代えて
リフト部14の上面に複数の開口孔を打抜き加工によって形成して汚水の取入れ口として
もよい(不図示)。
ここで、リフト部14について、本体部14aが折畳みの状態(上昇位置)を図3中の
A(二点鎖線)で示し、本体部14aが展開した状態(上昇位置)を図3中のB(実線)
で示し、本体部14aが展開した状態(下降位置)を図3中のC(二点鎖線)で示す。
これによれば、本体部14aを展開して下降させた状態とすることにより、と体を本体
部14a上すなわち排水パン16上(ここでは、蓋16b上)に載置した状態、あるいは
、と体を後述のクレーン34で吊った状態で、と体の洗浄を行うことができる(なお、本
体部14aを上昇させた状態での洗浄は想定されていないが、不可能ではない)。ここで
、と体の洗浄は、高圧エアおよび高圧水を用いて行うものであり、一例として、後部仕切
り12は固定壁部12aに高圧エア接続口および高圧水接続口が設けられている(不図示
)。なお、高圧水には、清水タンク26(一例として総容量500リットル)に貯留され
た清水が用いられる。
一方、洗浄後の汚水は排水パン16で受けて、一端が排水パン16に接続されると共に
他端が汚水タンク28に接続された可撓性を有するドレンパイプ18内を通流して、汚水
タンク28(一例として総容量560リットルの汚水タンク28A、28B)へと送出さ
れて貯留される。
なお、排水パン16で受けた汚水が最初に流入する汚水タンク28Aは、底面28aを
、水平面に対して所定方向に傾斜した面を用いて構成することが好ましい。これによれば
、汚水に含まれる血液等の汚れ成分を傾斜した面に沿って下方へ流して集積させることが
できるため、底面28aの汚れ付着の軽減と、清掃を容易に且つ確実に行うことが可能と
なる。
ここで、ドレンパイプ18は、排水パン16との接続部18aの位置が、リフト部14
(ここでは、本体部14a)が下降した状態(図3中の二点鎖線C)において汚水タンク
28との接続部(不図示)の位置よりも高さ方向に低くなるようにし、且つ、リフト部1
4(ここでは、本体部14a)が上昇した状態(図3中の実線B)において汚水タンク2
8との接続部(不図示)の位置よりも高さ方向に高くなるようにして配設されている。こ
れによれば、本体部14aを展開して下降させた状態でと体の洗浄を行って排水パン16
内に一時的に貯留される汚水を、本体部14aを上昇させることにより重力を利用して自
動的に汚水タンク28へと送出することができる。送水ポンプ等の機器も不要となるため
、装置コストの削減も図ることができる。
また、排水パン16に設けられるドレンパイプ18との接続部18aは、リフト部14
(ここでは、本体部14a)が展開した状態において排水パン16の側壁部となる位置(
図5(a)参照)で、且つ、リフト部14(ここでは、本体部14a)が折畳み状態にお
いて排水パン16の底部となる位置(図5(b)参照)に配設されている(図の簡素化の
ためシンク15、煮沸消毒器17は不図示)。これによれば、洗体ユニット9におけると
体の洗浄が終了し、本体部14aを展開状態から折畳み状態にする際に、その状態で底部
となる位置に接続部18aの位置が設けられていることによって排水パン16内に汚水が
残留してしまうことが防止でき、内部を清潔に保つことができる。
また、本実施形態に係るリフト部14には、収納・引出し可能なシンク15が設けられ
ている。一例として、本体部14aが展開した状態(図3中のB)の図を用いてシンク1
5の収納・引出し構造を説明する。図3中のBにおける二点鎖線Dで示す通り、リフト部
14(本体部14a)にシンク15の全体もしくは一部が引込まれた状態で収納される。
一方、図3中のBにおける実線Eで示す通り、リフト部14(本体部14a)からシンク
15が引出され、パンタグラフ状の支持部15aによって作業者が作業しやすい高さ位置
に保持される。なお、シンク15に水、温水、次亜塩素酸水を供給する各接続口は、一例
として、後部仕切り12は固定壁部12aに設けられている(不図示)。
これによれば、車体2の内部へ入ることなく、洗体ユニット9に設けられたシンク15
によって、ナイフ等の用具の洗浄や、作業者の手の洗浄を行うことができる。したがって
、利便性が向上するのみならず、車体2の内部の汚染低減にも効果がある。
さらに、本実施形態においては、と体の解体に使用されるナイフ等の用具の滅菌を行う
煮沸消毒器17もシンク15に並設されて配置されており、シンク15と共に収納・引出
し可能に構成されている。したがって、ナイフ等の用具の殺菌を行うことが可能となって
いる。
次に、本実施形態に特徴的な構成として、車体2の後部において前後方向にスライド移
動可能に支持されており、車体2の後方に向けて所定量スライド移動させることによって
、洗体ユニット9を取囲む状態となる洗体ユニット囲い機構10を備えている。一例とし
て、洗体ユニット囲い機構10は、左右の側部パネル10a、10b、上部パネル10c
、および後部パネル10dを有する箱状に形成されており、側壁部2b、2cや屋根部等
に設けられたスライドレールによって支持されている。なお、各パネルは固定型の部材、
可動型の部材のいずれか、もしくはそれらの組み合わせで構成されており、また、採光窓
等が設けられていてもよい。本実施形態においては、後部パネル10dの左半部には固定
された壁10Aが、右半部には開閉可能な扉10Bが設けられている。これによれば、洗
体ユニット囲い機構10を車体2の後方の所定位置までスライド移動させると、リフト部
14が展開可能な状態となって、と体の洗浄を行う作業空間を形成することができる。
しかしながら、洗体ユニット囲い機構10を車体の後方の所定位置までスライド移動さ
せた状態で、リフト部14(本体部14a)を展開して下降させた状態とすると、上記の
作業空間は形成されるものの、洗体ユニット囲い機構10における側部パネル10a、1
0b、上部パネル10c、後部パネル10dそれぞれの下端部と、リフト部14(本体部
14a)との間に隙間が生じてしまうため、と体の洗浄作業を行う環境としては、汚染要
素の進入可能性がある点で好ましくない。
この点に関して、本実施形態においては、所定位置まで下降させた状態のリフト部14
(本体部14a)と、後方にスライド移動した状態の洗体ユニット囲い機構10(側部パ
ネル10a、10b、上部パネル10c、後部パネル10d)との間に生じる開口部を遮
蔽する遮蔽壁を設ける構成として、その解決を図っている。一例として、遮蔽壁は、板状
(もしくはシート状)に形成されると共に、リフト部14もしくは洗体ユニット囲い機構
10のいずれかもしくは両方において、回動もしくはスライド移動の一方もしくは両方の
動作によって折畳み(収納)・展開(引出し)可能に取付けられている。
ここで、図6〜図19を用いて、洗体ユニット囲い機構10および遮蔽壁の構成・動作
を詳しく説明する。説明をわかり易くするために、動作の説明対象となる構成を実線で表
示し、その動作方向を矢印で示している。
先ず、図6は、洗体ユニット囲い機構10(実線)が車体2の前方の所定位置で保持さ
れている状態を示す。なお、この状態において、リフト部14(本体部14a)は上昇位
置で折畳みの状態(図3中の二点鎖線Aの状態)となっている。このとき、車体2の後部
仕切り12と、洗体ユニット囲い機構10の後部パネル10dとが最も接近した状態とな
る。車体2の走行は、この状態で行われる。この図6の状態から洗体ユニット囲い機構1
0(実線)を矢印方向に移動させる。
次いで、図7は、洗体ユニット囲い機構10が車体2の後方の所定位置までスライド移
動された状態を示す。このとき、リフト部14(本体部14a)が上昇位置で展開可能な
状態となる。なお、図7において実線で表示された後部パネル10dの扉10Bが開閉可
能となっており、この扉10Bがと体の搬入経路となる。
次いで、図8は、車体2の後方の所定位置までスライド移動された洗体ユニット囲い機
構10において、その内部の構成を透視した状態を示す。リフト部14(実線)の本体部
14aが上昇位置で展開される前の状態である。この図8の状態からリフト部14(実線
)の本体部14aが矢印方向に展開される。
次いで、図9は、車体2の後方の所定位置までスライド移動された洗体ユニット囲い機
構10の内部空間において、リフト部14の本体部14aが上昇位置で展開された状態を
示す。この図9の状態から遮蔽壁102a(実線)が矢印方向に引き起こされて展開され
る。
次いで、図10は、上昇位置で展開されたリフト部14から遮蔽壁102aが展開され
て、側部パネル10bと本体部14aとの間の開口部104aが遮蔽された状態を示す。
一例として、遮蔽壁102aは、リフト部14の本体部14aに対して回動可能に固定さ
れている。なお、変形例として、側部パネル10bの内壁に対して回動可能に固定される
構成としてもよい(不図示)。この図10の状態から遮蔽壁102b、102c(実線)
が展開される。
次いで、図11は、後部パネル10d(ここでは、壁10A)の内壁に対して上下方向
にスライド移動可能に固定された遮蔽壁102bを示すと共に、当該遮蔽壁102bに対
して折畳み・展開可能に固定された遮蔽壁102cを矢印方向に展開する途中状態を示す
。この図11の状態から引き続き遮蔽壁102c(実線)が展開される。
次いで、図12は、遮蔽壁102bに支持された遮蔽壁102cが所定位置まで展開さ
れた状態を示す。この図12の状態から後部パネル10d(ここでは、壁10A)の内壁
に支持された遮蔽壁102b(実線)が下方にスライド移動され、これに伴い遮蔽壁10
2bに支持された遮蔽壁102c(実線)も下方にスライド移動される。
次いで、図13は、遮蔽壁102bおよび遮蔽壁102cが下方の所定位置までスライ
ド移動された状態を示す。これにより、後部パネル10dの壁10Aと本体部14aとの
間の開口部104bが遮蔽壁102bにより遮蔽され、側部パネル10aと本体部14a
との間の開口部104cが遮蔽壁102cにより遮蔽される。この図13の状態からリフ
ト部14の本体部14a(実線)が下方(矢印方向)に移動(下降)される。
次いで、図14は、展開されたリフト部14の本体部14aが下方の所定位置まで移動
(下降)された状態を示す。この図14の状態から遮蔽壁102d、102e(実線)が
矢印方向に引き起こされて展開される。
次いで、図15は、所定位置まで移動(下降)されたリフト部14から遮蔽壁102d
、102e(実線)が展開されて、車体の2の後部仕切り12と本体部14aとの間の開
口部(左半側の下部104dおよび右半側104e)が遮蔽された状態を示す。一例とし
て、遮蔽壁102d、102eは、リフト部14の本体部14aに対して回動可能に固定
されている。なお、変形例として、遮蔽壁102a、102c等に対して回動可能に固定
される構成としてもよい(不図示)。この図15の状態から遮蔽壁102f(実線)が展
開される。
次いで、図16は、遮蔽壁102fが所定位置まで展開されて、車体の2の後部仕切り
12と本体部14aとの間の開口部(左半側の上部104f)が遮蔽された状態を示す。
一例として、遮蔽壁102fは、遮蔽壁102eに対して回動可能に固定されている。こ
の図16の状態から後部パネル10dの扉10B(実線)が閉じられた状態を次図に示す
次いで、図17は、展開されたリフト部14の本体部14aが下方の所定位置まで移動
(下降)され、後部パネル10dの扉10B(実線)が閉じられた状態を示す。この図1
7の状態から遮蔽壁102d(実線)が矢印方向に展開される。
次いで、図18は、閉じられた扉10Bから遮蔽壁102gが展開されて、後部パネル
10dの扉10Bと本体部14aとの間の開口部104gが遮蔽された状態を示す。一例
として、遮蔽壁102gは、扉10Bの内壁に対して回動可能に固定されている。なお、
変形例として、本体部14aや、遮蔽壁102a、102b等に対して回動可能に固定さ
れる構成としてもよい(不図示)。この図18の状態からシンク15および煮沸消毒器1
7が本体部14aから上方へ引き出されて展開される。
以上の手順例を経て、図19に示すように、洗体ユニット9が洗体ユニット囲い機構1
0によって囲われた状態で、と体Xの洗浄を行う作業空間が構成できる。このとき、上記
の各遮蔽壁によって各開口部が遮蔽できるため、作業空間を外部から遮蔽した状態に保つ
ことができる。したがって、汚染要素の進入を防いで、適切な環境下でと体Xの洗浄や、
剥皮等の作業を行ことが可能となる。なお、上記の手順は一例であって、これに限定され
るものではなく、各遮蔽壁の展開の順番等は適宜変更してもよい。
ここで、洗体ユニット囲い機構10の内側となる領域において、と体の牽引・吊上げを
行うクレーン34が設けられている。より具体的には、クレーン34は、車体2の後部仕
切り12が配設される外枠部2aに回動可能に取り付けられている。ここで、クレーン3
4は、と体の吊上げを行うフック34a、フック34aに連結されたワイヤ34b、フッ
ク34aおよびワイヤ34bを支持するアーム34c、およびワイヤ34bを駆動する電
動ウインチ34d、を有している。これにより、と体の洗浄を行う作業空間にと体を運び
入れる作業、ならびに、展開して下降させた状態の本体部14a上(排水パン16上)に
おいてと体を載置した状態もしくは吊上げた状態とする作業を容易に行うことができる。
特に本実施形態に係るクレーン34は、車体2の側方の位置よりも左右方向の中心寄り
の位置にアーム34cの回動支点34eが設けられて、フック34aが配設される先端部
34fが排水パン16上の位置と車体2の内部(解体室8の内部)の位置との間を移動可
能に構成されている。
この構成によれば、先端部34fに位置するフック34aを、と体を吊上げたままの状
態で解体室8内へ進入させることができるため、と体をフック34aから解体室8内の懸
吊機構(具体的には、後述の懸吊レール36)に移し替える(吊り替える)作業を極めて
容易に行うことが可能となる。
次に、本実施形態に係る解体室8は、車体2の後方において、後部仕切り12によって
室外と仕切られた室内空間に設けられている。この解体室8では、と体の内臓摘出等の解
体工程が行われる。後部仕切り12によって洗体ユニット9が設けられる車体2の外部(
ここでは、後部仕切り12よりも後方であって、後方へスライド移動された洗体ユニット
囲い機構10によって周囲を囲われた領域をいう)と、解体室8が設けられる車体2の内
部とを完全に仕切ることができるため、交差汚染の防止を図ることができる。なお、符号
19は室内の空気を床下に排気する排気ファンである。
ここで、解体室8には、天井部に懸吊レール36および当該懸吊レール36に懸架され
て移動可能な懸吊ハンガー38が設けられている(一例として、懸吊ハンガー38のロー
ラが懸吊レール36上を転動する構成としている)。これによれば、洗体ユニット9にお
いて洗浄されたと体を懸吊ハンガー38を用いて懸吊することができる。したがって、と
体を床や台等に載置した状態ではなく、懸吊された状態で解体を行うことができるため、
と体に細菌類が付着して汚染されてしまうことが防止できる。
また、解体室8(もしくは解体室8と連通させた第2機器室7)には温度83度以上の
温水を発生させる電気温水器42が設けられている。なお、当該温水は水栓52からシン
ク54内へ送出される。また、シンク54には煮沸消毒器55が並設されている。これら
によれば、と体の解体に使用されるナイフ等の用具の洗浄や消毒を行うことができる。ち
なみに、隣接するシンク58には清水の水栓56が設けられている。
さらに、解体室8(もしくは解体室8と連通させた第2機器室7)には、高圧蒸気滅菌
装置32が設けられており、と体の解体に使用されるナイフ等の用具の滅菌を行うことが
できる。
また、解体室8には、次亜塩素酸水を発生させる次亜塩素酸水発生装置および次亜塩素
酸水を吐出する吐出ノズルが設けられている(いずれも不図示)。これによれば、解体後
(解体中も可)のと体に対して、次亜塩素酸水をかけて洗い流すことができるため、と体
を十分に殺菌することができる。
また、解体室8には、解体されたと体の頭部、内臓部等を載置する血受けパン59が折
畳み・展開可能に設けられている。
また、解体室8には、隣室(ここでは、前室6)との間に自動扉64と、自動扉64を
開扉させる開扉スイッチ(不図示)とが設けられている。これによれば、自動扉64によ
って、解体が行われる解体室8と隣室(ここでは、前室6)とを仕切ることができるため
、交差汚染の防止を図ることができる。
なお、開扉スイッチは、作業者の膝よりも下の部分で押動するフットスイッチ、もしく
は、作業者の肘で押動する肘スイッチであることが好ましい。これによれば、懸吊ハンガ
ー38で懸吊されたと体を手で押動することで懸吊レール36に沿って移動させながら、
足(膝よりも下の部分)もしくは肘で開扉スイッチの押動を行うことができるため、作業
効率を高めることができる。また、開扉スイッチに手を触れないようにすることができる
ため、手に付着した細菌類によって開扉スイッチが汚染されてしまうことが防止できる。
なお、解体室8に、オゾン発生装置を設ける構成としてもよい(不図示)。これにより
、室内の空気に対して除菌を行うことができる。
次に、本実施形態に係る前室6は、車体2の中程(解体室8に対して前方)において、
自動扉64によって解体室8と仕切られた室内空間に設けられている。この前室6では、
解体室8で解体したと体を搬入して、と体の状態確認や、必要に応じてビニール等の包装
材による包装といった保冷準備工程が行われる。このように、解体室8と保冷室5との間
に前室6を配置する構成とすることで、汚染区域(解体室8)と非汚染区域(保冷室5)
とを隔離させることができるため、交差汚染リスクを大幅に低減させることができる。
ここで、前室6の天井部には、解体室8の天井部から連続して懸吊レール36が設けら
れている。これによれば、解体室8において懸吊ハンガー38を用いて懸吊された状態で
解体、洗浄、除菌が行われたと体を、そのまま懸吊された状態で、懸吊ハンガー38を懸
吊レール36上を移動させるだけで前室6内へ搬入することができる。したがって、と体
を別の懸吊装置等に移し替える必要がないため、作業効率を高めることができる。また、
と体を床や台等に載置する状態も生じないため、と体に細菌類が付着して汚染されてしま
うことが防止できる。当然、移動前に懸吊ハンガー38にも次亜塩素酸水をかけて除菌し
ておくことが好適である。
また、前室6には、隣室(ここでは、保冷室5)との間に自動扉72と、自動扉72を
開扉させる開扉スイッチ(不図示)とが設けられている。これによれば、自動扉72によ
って、前室6と隣室(ここでは、保冷室5)とを仕切ることができるため、交差汚染の防
止を図ることができる。
ここで、開扉スイッチは、作業者の膝よりも下の部分で押動するフットスイッチ、もし
くは、作業者の肘で押動する肘スイッチであることが好ましい。これによれば、懸吊ハン
ガー38で懸吊されたと体を手で押動することで懸吊レール36に沿って移動させながら
、足(膝よりも下の部分)もしくは肘で開扉スイッチの押動を行うことができるため、作
業効率を高めることができる。また、開扉スイッチに手を触れないようにすることができ
るため、手に付着した細菌類によって開扉スイッチが汚染されてしまうことが防止できる
なお、解体室8と保冷室5との間には、前室6と並ぶ位置において、それら各室とは仕
切られた構造(もしくは、一部連通させた構造)で第2機器室7が配置されており、前述
の電気温水器42等が収納されている。さらに、第2機器室7には、車体2の側面位置(
側壁部2b)に外部と内部とを仕切る側部扉61が設けられると共に、室内に獣類の捕殺
に用いられる猟銃を保管する保管庫63が設けられている。一例として、保管庫63は、
施錠可能な箱状に形成されており、と体の洗浄処理および搬送を行う際に、猟銃を保管庫
63内に収容して施錠をしておくことができるため、猟銃を安全に管理することができる
次に、本実施形態に係る保冷室5は、車体2の中程(前室6に対して前方)において、
自動扉72によって前室6と仕切られた室内空間に設けられている。この保冷室5では、
前室6で保冷準備を行ったと体を搬入して、と体の保冷工程が行われる。前述の通り、解
体室8と保冷室5との間に前室6を配置すると共に、解体室8と前室6との間に自動扉6
4を設置し、前室6と保冷室5との間に自動扉72を設置する構成とすることで、保冷室
5を非汚染区域として保つことができる。
また、保冷室5には、室内を温度5度以下に保持可能な冷蔵室内機78(もしくはその
吹出し口)が設けられている。これによれば、と体の鮮度を保ちながら食肉処理施設まで
輸送することができる。なお、冷蔵室内機78は、必要に応じて温度0度以下の冷凍能力
を備える仕様としてもよい。
なお、保冷室5にオゾン発生装置を設ける構成としてもよい(不図示)。これにより、
室内の空気に対して除菌を行うことができる。
また、保冷室5には、車体2の側壁部2bにおいて開閉可能な側部扉82が設けられて
いる。これによれば、保冷されたと体を側部扉82から室外へ搬出させることができる。
したがって、搬出時において前室6、解体室8を通って後部仕切り12から搬出させずに
済むため、と体の汚染リスクを低減することができる。
ここで、保冷室5の天井部には、解体室8の天井部および前室6の天井部から連続して
懸吊レール36が設けられている。これによれば、前室6において懸吊ハンガー38を用
いて懸吊された状態で保冷準備が行われたと体を、そのまま懸吊された状態で、懸吊ハン
ガー38を懸吊レール36上を移動させるだけで保冷室5内へ搬入することができる。し
たがって、と体を別の懸吊装置等に移し替える必要がないため、作業効率を高めることが
できる。また、と体を床や台等に載置する状態も生じないため、と体に細菌類が付着して
汚染されてしまうことが防止できる。
本実施形態においては、懸吊レールは、保冷室5内において側部扉82に向かって下降
する傾斜状に構成されている。これにより、と体が懸吊された状態の懸吊ハンガー38が
、自動的に側部扉82に向かって移動し、整列される作用が得られる。
なお、本実施形態に係る解体室8、前室6、および保冷室5は、室内側における床面と
壁面との境界部が曲面状に構成されている。これにより、床面と壁面との境界部の清掃・
洗浄を容易且つ確実に行うことができる。したがって、当該境界部に汚れが蓄積し、細菌
類等によって汚染されてしまうことを防止できる。
次に、本実施形態に係る第1機器室4は、車体2の前方(運転席3に対して後方で、保
冷室5に対して前方)において、保冷室5と仕切られた室内空間に設けられている。この
第1機器室4には、各処理工程で使用される機器を駆動するための電気を発電する発電装
置84や、エアコンプレッサー(不図示)等が収納されている。なお、第1機器室4の前
方室外に保冷室5の冷蔵室内機78と接続される冷蔵室外機88が配設されている。
なお、運転席3のその他機構、あるいは、走行のための機構(エンジン、駆動機構、灯
火類等)については、公知の車両(ここでは、トラック)と同様であるため、説明を省略
する。
(第二の実施形態)
続いて、本発明の第二の実施形態に係る移動式解体処理車両1について説明する。本実
施形態に係る移動式解体処理車両1は、前述の第一の実施形態と基本的な構成は同様であ
るが、幾つかの相違点を有している。以下、当該相違点を中心に本実施形態について説明
する。ここで、図20は、本実施形態に係る移動式解体処理車両1において内部構造を示
す側面図(概略図)である(構造を分かり易く示すため、車体2の一部(側壁部等)は不
図示)。また、図21は、移動式解体処理車両1において内部構造を示す平面図(概略図
)である(構造を分かり易く示すため、車体2の一部(屋根部等)は不図示)。また、図
22は、移動式解体処理車両1において後部構造を示す背面図(概略図)である(構造を
分かり易く示すため、洗体ユニット囲い機構10の一部(後部パネル10d等)は不図示
)。
先ず、本実施形態において、後部仕切り12は、支柱12cを間に挟む配置で固定壁部
12aと可動扉部12bとを組み合わせて構成されている。ここで、後部仕切り12(こ
こでは、固定壁部12a)には、解体室8内の空気を室外(洗体ユニット9側)へ排気す
る排気ファン93、および、室外(洗体ユニット9等)へ、電源、高圧エア、高圧水(清
水)を供給するための各接続口を備えた供給部96等が設けられている。なお、可動扉部
12bは、簡素で軽量の構造であるため、閉扉の際に磁石を用いて係止(固定)される構
成としている。また、クレーン34は、支柱12cに回動可能に取り付けられている。
次に、本実施形態においては、車体2の後部仕切り12よりも前方に収納されて、且つ
、下部にキャスター91bを有することで後部仕切り12(ここでは、固定壁部12a)
に設けられた開口部12dから、展開された状態のリフト部14上(すなわち展開された
状態の本体部14aの上面)へ引出し可能な汚染物収納ボックス91を備えている。
この汚染物収納ボックス91は、後部仕切り12よりも前方の所定位置に収納された状
態において、後壁部91cが後部仕切り12の開口部12dを隙間無く密閉して当該後部
仕切り12の一部を構成する構成となっている。さらに、後壁部91cには、洗体ユニッ
ト9側からと体Xの頭部、骨、および皮を投入可能な開閉扉91aが設けられている。
さらに、車体2の後部仕切り12よりも前方に配設されると共に、後部仕切り12に開
閉扉が設けられて、洗体ユニット12で作業を行う際に使用される作業靴を洗体ユニット
9側から収納・取出し可能な作業靴収納ボックス95を備えている。
上記の構成によれば、後部仕切り12によって仕切られた室外の洗体ユニット9におい
て、と体Xの洗浄および初期作業(すなわち、皮剥ぎ、頭部・骨等の取外し)を行うこと
ができ、且つ、洗体ユニット9側から開閉扉91aを開けて当該頭部、骨、および皮を汚
染物収納ボックス91内へ投入することができる。すなわち、これらの作業を解体室8内
へ立ち入ることなく実施することができる。さらに、洗体ユニット12で作業を行う際の
作業靴も洗体ユニット9側から作業靴収納ボックス95に収納・取出し可能となっている
。したがって、後部仕切り12によって仕切られた室外と室内との間で交差汚染の防止を
図ることができる。
次に、本実施形態に係る車体2には、解体室8内に配設されて、と体Xの解体により生
じた内臓を当該解体室8内から投入可能な内臓収納ボックス92を備えている(解体室8
に仕切り壁を設けて当該仕切り壁に内臓収納ボックス92へ投入可能な開閉扉を備える構
成であってもよい)。この内臓収納ボックス92は、上記の汚染物収納ボックス91と共
に後部仕切り12の開口部12dから、展開された状態のリフト部14上(展開された状
態の本体部14aの上面)へ引出し可能に構成されている。これによれば、移動式解体処
理車両1が食肉処理施設(二次処理施設)へ帰着して、汚染物収納ボックス91内および
内臓収納ボックス92内の収納物を廃棄する際に、室内を汚染することなく作業を行うこ
とができ、且つ、作業自体も容易化されるため、時間の短縮を図ることができる。なお、
前述の第一の実施形態と相違して、解体室8は血受けパンを有しない構成としている。
ここで、解体室8は床部(全部領域もしくは所定の一部領域)が傾斜面として形成され
ている。本実施形態においては、矢印G方向に向かって下降する傾斜面としている。これ
によれば、解体室8内の洗浄に用いた排水や、と体Xの洗浄に用いた排水を集水して、排
出させることができるため、床部(床面)に汚水が残留してしまうことがなく、内部を清
潔に保つことができる。
同様に、保冷室5は床部(全部領域もしくは所定の一部領域)が傾斜面として形成され
ている。本実施形態においては、矢印F方向に向かって下降する傾斜面としている。これ
によれば、保冷室5内の洗浄に用いた排水を集水して、排出させることができるため、床
部(床面)に汚水が残留してしまうことがなく、内部を清潔に保つことができる。
次に、本実施形態に係るリフト部14は、本体部14aの上面(展開された状態におけ
る上面)に一または複数(ここでは、二つ)のリングボルト94を備えている。洗体ユニ
ット9において、リフト部14(本体部14a)を展開した状態として、と体Xの皮剥ぎ
を行う場合、足の先端(一例として、アキレス腱の辺り)の皮にナイフで切れ目を入れた
後、切れ目よりも胴体側の皮を当該リングボルト94に結び付け、その状態でクレーン3
4によって足(先端)の吊上げを行うと、足の先端側から頭部側へと皮を剥ぐことができ
る。これによれば、皮剥ぎの作業を人力によらず動力(クレーン34の吊上げ力)によっ
て行うことができるため、省力化と時間短縮を図ることができる。
次に、本実施形態においても、所定位置まで下降させた状態のリフト部14(本体部1
4a)と、後方にスライド移動した状態の洗体ユニット囲い機構10(側部パネル10a
、10b、上部パネル10c、後部パネル10d)との間に生じる開口部を遮蔽する遮蔽
壁を設ける構成としている。本実施形態に係る遮蔽壁は、板状(もしくはシート状)に形
成されると共に、洗体ユニット囲い機構10の内側(内壁)において、スライド移動によ
って収納・引出し可能に取付けられている。なお、回動を併用する構成としてもよい(不
図示)。
本実施形態においては、図23の説明図(図をわかり易くするため、リフト部14は不
図示)に示すように、側部パネル10aの内側(内壁)に遮蔽壁106a、側部パネル1
0bの内側(内壁)に遮蔽壁106b、後部パネル10dの壁10Aの内側(内壁)に遮
蔽壁106c、後部パネル10dの扉10Bの内側(内壁)に遮蔽壁106d、がそれぞ
れ上下方向にスライド移動可能なように取付けられている。すなわち、図23(a)に示
すように、洗体ユニット囲い機構10の内側(内壁)に遮蔽壁106a〜106dが収納
された状態から、図23(b)に示すように、矢印方向に遮蔽壁106a〜106dをス
ライド移動させることによって、側方および後方の遮蔽を行うことができる。なお、前方
の遮蔽は、ブレーキランプ等が取付けられる車体2の後端下部パネル2dを遮蔽壁として
用いる構成としている。ただし、側方および後方と同様に前方にも遮蔽壁を別途設ける構
成としてもよい(不図示)。
以上、説明した通り、本発明に係る移動式解体処理車両によれば、野生獣類に例示され
る獣類の捕殺場所もしくはその近傍の場所まで走行して移動し、その場所において獣類の
解体処理を行うことが実現できる。
特に、鹿、猪等の野生獣類は山間部で捕殺される場合がほとんどであるため、食肉処理
施設への搬入に時間がかかり、利活用が困難という課題があった。しかし、本発明に係る
移動式解体処理車両によれば、走行して移動することができるため、基幹となる食肉処理
施設を中心とする広域エリアにおいて活用することができる。したがって、輸送距離・時
間が課題となる山間部エリアにおいて、利活用率を向上させることができる。また、狩猟
者の高齢化によって搬送が困難となることに起因する捕殺された野生獣類の廃棄率の増加
も抑制でき、利活用率を向上させることができる。さらに、と体の受入から保冷までを迅
速に行うことができるため、夏場のようにと体の腐敗が進行し易い季節においても、利活
用率を向上させることができる。
このように、本発明に係る移動式解体処理車両によれば、一次処理施設の代替ツールと
して活用できるのみならず、捕殺された野生獣類の洗浄、解体、保冷を迅速に行うことで
食肉の鮮度を高く保つことができるため、肉質の改善、安定化、ブランド力の向上も可能
となる。
また、と体の処理工程において発生する排出物、汚水は、現地で放出することなく全て
持ち帰って二次処理施設で適切に処理することができるため、環境に対する負荷を与える
こともない。
なお、本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲
において種々変更可能である。特に、鹿、猪等の野生獣類を例に挙げて説明を行ったが、
豚、牛、羊等の家畜獣類に対しても同様に適用できることは言うまでもない。
1 移動式解体処理車両
2 車体
3 運転席
4 第1機器室
5 保冷室
6 前室
7 第2機器室
8 解体室
9 洗体ユニット
10 洗体ユニット囲い機構
11 後部バンパー
12 後部仕切り
14 リフト部
15 シンク
16 排水パン
26 清水タンク
28、28A、28B 汚水タンク
34 クレーン
36 懸吊レール
38 懸吊ハンガー
59 血受けパン
61、82 側部扉
63 保管庫
64、72 自動扉
91 汚染物収納ボックス
92 内臓収納ボックス
X と体

Claims (17)

  1. 路上を走行可能な車体に捕殺された獣類のと体を受け入れて食肉処理を行う移動式解体
    処理車両であって、
    前記車体の後部仕切りよりも後方に設けられて、前記と体の洗浄を行う洗体ユニットと

    前記車体の内部に設けられて、洗浄された前記と体の解体を行う解体室、および、解体
    された前記と体の保冷を行う保冷室と、
    前記車体の後部において前後方向にスライド移動可能に支持されて、側部、上部、およ
    び後部にパネルを有する箱状に形成されており、前記車体の後方に向けて所定量スライド
    移動させることにより、前記洗体ユニットを取囲む状態となる洗体ユニット囲い機構と、
    を備え、
    前記洗体ユニットは、前記車体の後部に取り付けられた折畳み・展開可能なリフト部に
    排水パンが設けられて構成されており、
    前記洗体ユニット囲い機構が前記車体の後方にスライド移動され、前記リフト部が展開
    された状態で、前記と体の洗浄を行う作業空間が構成されること
    を特徴とする移動式解体処理車両。
  2. 前記洗体ユニットは、前記リフト部が前記車体に対して下降・上昇可能に構成されてお
    り、
    下降した状態の前記リフト部と、前記洗体ユニット囲い機構との間に生じる開口部を遮
    蔽する遮蔽壁をさらに備えること
    を特徴とする請求項1記載の移動式解体処理車両。
  3. 前記遮蔽壁は、前記リフト部もしくは前記洗体ユニット囲い機構においてスライド移動
    もしくは回動により収納・引出し可能に取付けられていること
    を特徴とする請求項2記載の移動式解体処理車両。
  4. 前記洗体ユニットは、展開された状態の前記リフト部に収納・引出し可能に設けられた
    シンクを有すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  5. 前記車体は、後方における外枠部もしくは支柱に支持されて、前記と体の吊上げを行う
    クレーンを有し、
    前記クレーンは、前記洗体ユニット囲い機構の内側に配設され、前記車体の左右方向の
    中心寄りの位置に回動支点が設けられて、先端部が前記排水パン上の位置と前記車体の内
    部となる前記解体室との間を移動可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  6. 前記車体は、前記車体の前記後部仕切りよりも前方に収納されて、且つ、下部にキャス
    ターを有して前記後部仕切りに設けられた開口部から展開された状態の前記リフト部上へ
    引出し可能な汚染物収納ボックスを備え、
    前記汚染物収納ボックスは、所定の収納状態において、後壁部が前記開口部を密閉して
    前記後部仕切りの一部を構成すると共に、前記後壁部には、前記洗体ユニット側から前記
    と体の頭部、骨、および皮を投入可能な開閉扉が設けられていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  7. 前記車体は、前記解体室内に配設されて、前記解体室内から前記と体の内臓を投入可能
    な内臓収納ボックスを備え、
    前記内臓収納ボックスは、前記汚染物収納ボックスと共に前記後部仕切りの前記開口部
    から展開された状態の前記リフト部上へ引出し可能に構成されていること
    を特徴とする請求項6記載の移動式解体処理車両。
  8. 前記車体は、前記車体の前記後部仕切りよりも前方に配設されると共に、前記後部仕切
    りに開閉扉が設けられて、前記洗体ユニットで用いられる作業靴を前記洗体ユニット側か
    ら収納・取出し可能な作業靴収納ボックスを備えていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  9. 前記解体室および前記保冷室は、床部における所定領域が傾斜面として形成されている
    こと
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  10. 前記リフト部は、展開された状態の本体部の上面に、前記と体の皮を係止させて、前記
    クレーンを用いた前記と体の吊上げによって皮剥ぎを行うリングボルトを有すること
    を特徴とする請求項5記載の移動式解体処理車両。
  11. 前記解体室から前記保冷室に至る天井部に連続して配設される懸吊レールと、前記懸吊
    レールに移動可能に懸架されて前記と体の懸吊を行う懸吊ハンガーと、をさらに備えてい
    ること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  12. 前記保冷室は、前記車体の側面位置に外部と内部とを仕切る側部扉が配設されており、
    前記懸吊レールは、前記保冷室内において前記側部扉に向かって下降する傾斜状に配設
    されていること
    を特徴とする請求項11記載の移動式解体処理車両。
  13. 前記解体室および前記保冷室は、内部における床面と壁面との境界部が曲面状に構成さ
    れていること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  14. 前記車体は、前記獣類の捕殺に用いられる猟銃の保管庫をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  15. 前記排水パンに一端が接続されて前記排水パン内の汚水を通流させる可撓性のドレンパ
    イプと、前記ドレンパイプの他端が接続されて前記汚水を貯留させる汚水タンクと、をさ
    らに備え、
    前記ドレンパイプは、前記排水パンとの接続位置が前記汚水タンクとの接続位置よりも
    、前記リフト部が下降した状態において低く、前記リフト部が上昇した状態において高く
    なるように配設されていること
    を特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  16. 前記解体室は、隣室との間に自動扉と、前記自動扉を開扉させる開扉スイッチと、を有
    し、
    前記開扉スイッチは、作業者の膝よりも下の部分で押動するフットスイッチ、もしくは
    、作業者の肘で押動する肘スイッチであること
    を特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
  17. 次亜塩素酸水を発生させる次亜塩素酸水発生装置をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の移動式解体処理車両。
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