JP2019173258A - 紙製バリア材料 - Google Patents
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Abstract
Description
従来から、紙製の包装材料へのガスバリア性の付与には、紙基材(原紙)上に、ガスバリア層としてアルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等を紙基材(原紙)に押し出しラミネート、または、貼合する方法が主に用いられてきた。
上記以外のガスバリア性を付与した紙製の包装材料としては、水溶性高分子と無機層状化合物からなるガスバリア層を有する紙製のガスバリア材料(特許文献1、2)、被覆層上に特定のビニルアルコール系重合体からなるバリア層を設けた紙製のガスバリア材料(特許文献2)などが開示されている。
また、ガスバリア性に水蒸気バリア性を加えたバリア材料も開示されている(特許文献3)。
また、紙をバリア材料の基材に用いる場合、紙はフィルムと異なり、平滑性が低く、水分の浸透が多いため、バリア性を有する塗工液を有効にかつ均一に塗工することが困難であった。
そこで、本発明は、紙基材にバリア性を有する塗工液が有効にかつ均一に塗工された、優れた水蒸気バリア性を有する、環境負荷が少ない紙製バリア材料を提供することを目的とする。
〔1〕紙基材上に少なくとも水蒸気バリア塗工層を有する紙製バリア材料であって、該水蒸気バリア塗工層が水蒸気バリア性樹脂を含有し、該紙基材の点滴吸油度が50秒以上であることを特徴とする紙製バリア材料。
〔2〕前記水蒸気バリア塗工層が更に顔料を含有し、該顔料100重量部に対する前記水蒸気バリア性樹脂の含有量が、絶乾で30重量部以上350重量部以下であることを特徴とする〔1〕に記載の紙製バリア材料。
〔3〕前記紙基材上に更にガスバリア塗工層を有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の紙製バリア材料。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、さらに保護層を有することを特徴とする紙製バリア材料。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用した包装材料。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用した袋。
〔7〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用したトレー。
〔8〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用したカップ。
〔9〕〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用した液体紙容器。
加えて、主成分がサステナブルな原料であるバイオマス素材の紙であるため、カーボンニュートラルの考えから、化石資源由来のフィルムに比べて、製造から廃棄までの二酸化炭素の排出量を削減でき、かつ生分解性を有するため廃棄時も環境汚染を引き起こす可能性が低く、環境負荷が少ない。
ガスバリア塗工層に用いられるガスバリア性を有する樹脂としては下記に例示するように水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子が一般的であり、紙基材上にガスバリア塗工層、水蒸気バリア塗工層をこの順に設けた場合、紙基材中の水分や紙基材を経由して浸透する空気中の水分などにより、水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を含有するガスバリア塗工層が劣化しやすい。一方、紙基材上に、耐水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層をこの順に有することにより、水蒸気バリア塗工層が紙基材中の水分などのガスバリア塗工層への影響(劣化)を効果的に抑制することができる。このため、特に水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層をこの順に有する紙製バリア材料は、良好な水蒸気バリア性およびガスバリア性を有する。
本発明において紙基材とは、主としてパルプからなるシートであり、填料、各種助剤を含んでもよい。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂繊維、ナイロン等のポリアミド系樹脂繊維、ポリ塩化ビニル等の含ハロゲン系樹脂繊維等の合成繊維などを用いることができ、適宜配合して用いることが可能である。
さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
さらに、これらの各種薬剤と顔料を併用してもよい。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
この様にして得られる紙基材としては、上質紙、中質紙、塗工紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、グラシン紙、板紙、白板紙、ライナーなどの各種公知のものが例示可能である。
本発明の紙基材は、点滴吸油度が50秒以上であり、好ましくは100秒以上である。本発明の紙製バリア材料の水蒸気バリア性を向上させるためには、ある程度の量の水蒸気バリア性樹脂を含有させる必要があり、そのため、水蒸気バリア塗工層は顔料成分と樹脂成分を比べると樹脂成分が多くなる傾向にある。水蒸気バリア性樹脂は親油性を持つ樹脂が多く、紙基材への浸透を抑えるために、紙基材の点滴吸油度が50秒以上とする。紙基材の点滴吸油度が50秒以上であると、それら水蒸気バリア性樹脂成分が紙の表面上にとどまりやすくなり、水蒸気バリア性を有効に発揮する均一な皮膜を生成しやすい。その結果、良好な水蒸気バリア性が得られる。本発明において、紙基材の点滴吸油度は、上記した表面処理の条件や内添填料、内添助剤の量等により調整することができる。
本発明の紙基材は、主として水を媒体とする塗工液を塗工するため、紙基材が水に濡れた時の強度が一定以上であることが好ましい。そのため、抄紙方向(MD)の湿潤引張強さは、300N/m以上であることが好ましい。
本発明の紙基材は、用途に応じて最適な坪量とすればよいが、一般的には、30g/m2〜600g/m2程度、30g/m2〜500g/m2のものが用いられることが多い。
本発明の紙製バリア材料は、紙基材上の少なくとも一方の面に水蒸気バリア塗工層を有する。前記したとおり、紙基材、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順に積層されている方が好ましい。
本発明において、水蒸気バリア塗工層に含有させる水蒸気バリア性樹脂としては、水蒸気バリア性を有している、水溶性または水分散性の水系樹脂であり、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、パラフィン(WAX)系、ポリエステル樹脂、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、またはそれらのパラフィン(WAX)配合合成接着剤等を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、2種類以上混合して使用することが好ましい。
また、水蒸気バリア塗工層と紙基材の接着性を向上させるため、水分散性樹脂と水溶性樹脂の双方を含んでいることが好ましい。
顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
水蒸気バリア性に優れた効果を発現するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系などのスチレン系の水蒸気バリア性樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
また、本発明において、水蒸気バリア性の向上、及びガスバリア塗工層との密着性から、水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力としては10mN/m以上60mN/m以下とすることができ、15mN/m以上50mN/m以下であれば、より効果が発揮される。
本発明において、ガスバリア塗工層は、ガスバリア性を有している、水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子を含有することができる。
本発明において、ガスバリア塗工層に使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。
これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール類、セルロース誘導体が好ましく、ポリビニルアルコール類がさらに好ましい。
また、ガスバリア塗工層に使用される水分散性高分子としては、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂などを例示することができる。
なお、本発明において、顔料を水溶性高分子、水分散性高分子中に配合する際に、顔料がスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、水蒸気バリア塗工層との密着性の観点から、ガスバリア塗工層用塗料の表面張力を、10mN/m以上60mN/m以下に調整することができ、より効果を発揮させるには、15mN/m以上50mN/m以下に調整することが好ましい。
また、水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力に対して、ガスバリア塗工層用塗料の表面張力を±20mN/mとすることが、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層との密着性の観点から好ましい。
本発明において、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置及び塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、主として水を媒体とする水系塗工が好ましい。
水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
なお、本発明において、水蒸気バリア塗工層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。水蒸気バリア塗工層を2層以上の多層で構成する場合は、全ての水蒸気バリア塗工層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
なお、本発明において、ガスバリア塗工層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。ガスバリア塗工層を2層以上の多層で構成する場合は、全てのガスバリア塗工層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
本発明の紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、さらに保護層を有してもよい。保護層は、空気中の水分や、バリア塗工層の擦過、割れなどによる紙製バリア材料の水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層への影響(劣化)を防ぐと共に、紙製バリア材料に更なる水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与する、あるいは耐油性、耐溶剤性、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐光性、耐水性などを付与することができる。また、保護層が樹脂層である場合は、ヒートシール性を付与することもできる。
保護層としては、樹脂層、紙層、金属箔等が挙げられ、これらの中で樹脂層が好ましい。但し、生分解性が求められる用途の場合は、保護層に用いるものは生分解性樹脂など生分解性を有しているものが好ましい。
樹脂層の樹脂としては、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメチルメタアクリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアセタール、ポリカーボネート等の化石資源由来樹脂、ポリ乳酸(PLA)、エステル化澱粉、酢酸セルロース、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、バイオポリエチレン、バイオポリエチレンテレフタレート、バイオポリウレタン等の生物由来樹脂を含むことができる。
なお、生物由来樹脂とは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的または生物学的に合成することにより得られる、数平均分子量(Mn)1,000以上の高分子材料をいう。
なお、生分解性樹脂とは、微生物の働きにより、分子レベルまで分解され、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質の樹脂をいう。
樹脂ラミネート層が押し出しラミネート層の場合は、紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、上記した各種樹脂を押し出しラミネート法により樹脂ラミネート層として積層する。また、樹脂ラミネート層がフィルム貼合層の場合は、紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、上記した各種樹脂製のフィルムをドライラミネート法、サンドラミネート法等により樹脂ラミネート層として貼合する。
本発明の紙製バリア材料は、下記のバリア性を有することが好ましい。なお、下記バリア性の値は、上記した保護層を形成していない状態で測定した値である。本発明の紙製バリア材料は、各種フィルムや金属箔を用いずとも優良なバリア性を有している。
(1)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が200g/m2・day以下
(2)温度:23℃、相対湿度0%における酸素透過度が5ml/m2・day・atm以下
さらに好ましくは、下記のバリア性を有する。
(3)温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%における水蒸気透過度が50g/m2・day以下
(4)温度:23℃、相対湿度0%における酸素透過度が3ml/m2・day・atm以下
本発明の紙製バリア材料を食品などの包装材、特に軟包装材として用いる場合は、ヒートシール性を有する樹脂と積層することにより、包装材料としての密閉性を高め、内容物を酸素による酸化や湿気などによる劣化などから守り、保存期間の延長を可能にすることができる。
また、産業用資材や建築資材などに用いられる積層体として使用する場合においても、酸素や湿気の侵入を抑えることで、腐敗、劣化を防止できるほか、溶剤の臭気が漏れ出るのを防止するフレーバーバリア性などの効果が期待される。
(1)点滴吸油度:一般軽油(軽油2号)1滴(10μl)をサンプルに対し注射器で自重滴下し、サンプルに浸透して液面の艶が無くなるまでの時間を計測した。
(2)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。なお、保護層を設ける前の紙製バリア材料を用いて測定した。
(3)酸素透過度:酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/21)を使用し、23℃−0%RH条件および23℃−85%RH条件にて測定した。なお、保護層を設ける前の紙製バリア材料を用いて測定した。
(紙基材1の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)320mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)100重量部を原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量63.0g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度3%に調製した澱粉(サナス社製、ローコンス)を、両面合計で1.0g/m2塗工、乾燥し、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量64.0g/m2の紙基材1を得た。紙基材1の点滴吸油度は100秒であった。
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80〜100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・アクリル系共重合体エマルジョン(サイデン化学社製、X−511−374E)を100部(固形分)、パラフィン系撥水剤(丸芳化学社製、MYE−35G、ワックス含有ポリエチレンエマルジョン)を100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の水蒸気バリア塗工層用塗工液A1を得た。
(ガスバリア塗工層用塗工液B1の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)水溶液を固形分濃度10%となるよう調製した。得られたポリビニルアルコール水溶液中に、ポリビニルアルコール100部(固形分)に対しシリコーン系界面活性剤(サンノプコ社製、SNウェット125)を1部(固形分)となるように配合し、ガスバリア塗工層用塗工液B1を得た。
(紙製バリア材料の作製)
得られた紙基材1上に、水蒸気バリア塗工層用塗工液A1を乾燥重量で塗工量15g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上にガスバリア塗工層用塗工液B1を乾燥重量で塗工量5.0g/m2となるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、紙製バリア材料を得た。
(紙基材2の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量59.0g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度2%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)を、両面合計で1.0g/m2塗工、乾燥し、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量60.0g/m2の紙基材2を得た。紙基材2の点滴吸油度は50秒であった。
(紙製バリア材料の作製)
紙基材1に替えて紙基材2を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
(紙製バリア材料の作製)
水蒸気バリア塗工層用塗工液A1を乾燥重量で塗工量12g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
(水蒸気バリア塗工層用塗工液A2の調製)
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80〜100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・アクリル系共重合体エマルジョン(サイデン化学社製、X−511−374E)を50部(固形分)、パラフィン系撥水剤(丸芳化学社製、MYE−35G、ワックス含有ポリエチレンエマルジョン)を20部(固形分)となるように配合し、固形分濃度45%の水蒸気バリア塗工層用塗工液A2を得た。
(紙製バリア材料の作製)
水蒸気バリア塗工層用塗工液A1に替えて水蒸気バリア塗工層用塗工液A2を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
実施例1で得られた紙製バリア材料の両面に、共押出しラミネートにより低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、製品名:LC602A)をそれぞれ厚み30μm積層した以外は実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
(紙基材3の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)320mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)100重量部を原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量62.5g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度4%に調製した澱粉(サナス社製、ローコンス)を、両面合計で1.5g/m2塗工、乾燥し、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量64.0g/m2の紙基材3を得た。紙基材3の点滴吸油度は150秒であった。
(紙製バリア材料の作製)
紙基材1に替えて紙基材3を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
(紙基材4の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量58.5g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度3%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)を、両面合計で1.5g/m2塗工、乾燥し、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量60.0g/m2の紙基材4を得た。紙基材4の点滴吸油度は80秒であった。
(紙製バリア材料の作製)
紙基材1に替えて紙基材4を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
(紙基材5の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)320mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)100重量部を原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量64.0g/m2の紙を得た。次いで、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量64.0g/m2の紙基材5を得た。紙基材5の点滴吸油度は13秒であった。
(紙製バリア材料の作製)
紙基材1に替えて紙基材5を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
(紙基材6の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量59.5g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度1%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)を、両面合計で0.5g/m2塗工、乾燥し、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量60.0g/m2の紙基材7を得た。紙基材6の点滴吸油度は28秒であった。
(紙製バリア材料の作製)
紙基材1に替えて紙基材6を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
Claims (9)
- 紙基材上に少なくとも水蒸気バリア塗工層を有する紙製バリア材料であって、該水蒸気バリア塗工層が水蒸気バリア性樹脂を含有し、該紙基材の点滴吸油度が50秒以上であることを特徴とする紙製バリア材料。
- 前記水蒸気バリア塗工層が更に顔料を含有し、該顔料100重量部に対する前記水蒸気バリア性樹脂の含有量が、絶乾で30重量部以上350重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア材料。
- 前記紙基材上に更にガスバリア塗工層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製バリア材料。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙製バリア材料の少なくとも一方の面上に、さらに保護層を有することを特徴とする紙製バリア材料。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用した包装材料。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用した袋。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用したトレー。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用したカップ。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙製バリア材料を使用した液体紙容器。
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