JP2019150394A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、身体表面の局所的で立体的な凸部とその周囲部分に対するフィット性を改善した吸収性物品の伸縮構造に関するものである。
吸収性物品においては、身体表面へのフィット性を向上するために、脚周りや胴周り等の適所に伸縮性を付与することが一般的である。伸縮性を付与するための手法としては、従来、糸ゴム等の細長状の弾性部材を長手方向に伸長した状態で多数並べて固定する手法が広く採用されているが、面的なフィット性に優れるものとして、弾性シートを伸縮性の付与方向に伸長した状態で取り付ける手法も提案されている。(例えば特許文献1参照)。
この弾性シートをカバー層で挟んだ積層伸縮構造は、不織布等の非伸縮性素材からなる第1カバー層と、不織布等の非伸縮性素材からなる第2カバー層との間に、弾性シートが積層されてなるものである。弾性シートは伸縮方向(厚み方向直交する一方向)に伸長された状態で、第1カバー層及び第2カバー層が、伸縮方向及びこれと直交する方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の接合部で、弾性シートに形成された貫通孔を通じて接合される。自然長の状態では、弾性シートの収縮に伴い第1カバー層及び第2カバー層に収縮皺が寄り、伸びが最大となる状態(弾性限界の状態)では弾性シートの伸長に伴い第1カバー層及び第2カバー層がピンと張った状態となり、収縮皺が消える。この積層伸縮構造は、面的なフィット性に優れるのはもちろん、第1カバー層及び第2カバー層と弾性シートとの接合が無く、かつ第1カバー層及び第2カバー層の接合も極めて少ないため非常に柔軟であり、また、弾性シートの貫通孔が通気性向上にも寄与するという利点がある。
しかしながら、このような積層伸縮構造の伸縮方向は、製造時に弾性シートを伸長した方向、つまり厚み方向と直交する方向の一方向に限られる。したがって、腸骨稜や上前腸骨棘のような身体表面の局所的で立体的な凸部とその周囲部分に対するフィット性には改善の余地がある。
また、上述の積層伸縮構造では、伸長状態の弾性シートを第1カバー層及び第2カバー層に挟み込むため、製品の構造や製造方法によっては、伸縮構造の配置に制限がある。さらに、上述の積層伸縮構造は、第1カバー層及び第2カバー層に不可避的に形成される収縮皺が使い捨ておむつ特有の外観をもたらす。
他方、不織布等の非伸縮性素材に直線状のスリットを形成したカバー層を、弾性シートと一体化した積層伸縮構造も知られている(特許文献3参照)。このスリットを有するカバー層を用いた積層伸縮構造では、弾性シートを非伸長状態でカバー層と一体化しても、スリットが中央側ほど大きく広がるようにして開口可能であることにより、その開口変形の範囲内で主にスリットと交差する方向に伸縮可能となる。もちろん、このスリットを有するカバー層を用いた積層伸縮構造は、弾性シートを伸長状態でスリットシートと一体化した場合にも、製造時に弾性シートを伸長した方向に伸長可能であることに加えて、スリットの開口変形の範囲内でスリットと直交する方向に伸縮可能となる。しかし、直線状のスリットの開口変形は方向等の制限が多く、スリットの配置や寸法により、伸縮方向や、伸縮可能な部分の形状、伸縮の程度等が制限される。
また、スリットを有するカバー層を用いた積層伸縮構造の別の例として、多数の細かな直線状のスリットを密な千鳥状に配列したカバー層と、弾性シートとを一体化したものも提案されている(特許文献4参照)。この場合、各スリットが中央側ほど大きく広がるようにして開口することにより、カバー層がスリットと直交する方向に伸長しつつ斜め網状となるものである。しかし、この場合も、スリットが直線状であるため、伸縮方向や伸縮の程度が制限される。
そこで、本発明の主たる課題は、身体表面の局所的で立体的な凸部とその周囲部分に対するフィット性に優れる吸収性物品の伸縮構造を提供することにある。
上記課題を解決した吸収性物品の伸縮構造の各種態様は次のとおりである。
<第1の態様>
弾性シートと、前記弾性シートの表側を覆う第1カバー層と、前記弾性シートの裏側を覆う第2カバー層とが一体化され、
前記第1カバー層及び前記第2カバー層は伸縮性を有しておらず、
前記第1カバー層、前記第2カバー層及び前記弾性シートが重なる領域内に立体的変形領域を有し、
前記立体的変形領域における前記第1カバー層及び前記第2カバー層には、スリット又はこれを形成するためのミシン目からなるスリット部が複数本設けられており、
前記複数本のスリット部は、前記立体的変形領域を横切って前記立体的変形領域の一方の縁部から他方の縁部まで延びており、
前記複数本のスリット部は互いに交差しており、
前記第1カバー層及び前記第2カバー層における前記立体的変形領域内に位置する部分のすべてが、前記スリット部を介さずに、前記立体的変形領域外に位置する部分に連続している、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
<第1の態様>
弾性シートと、前記弾性シートの表側を覆う第1カバー層と、前記弾性シートの裏側を覆う第2カバー層とが一体化され、
前記第1カバー層及び前記第2カバー層は伸縮性を有しておらず、
前記第1カバー層、前記第2カバー層及び前記弾性シートが重なる領域内に立体的変形領域を有し、
前記立体的変形領域における前記第1カバー層及び前記第2カバー層には、スリット又はこれを形成するためのミシン目からなるスリット部が複数本設けられており、
前記複数本のスリット部は、前記立体的変形領域を横切って前記立体的変形領域の一方の縁部から他方の縁部まで延びており、
前記複数本のスリット部は互いに交差しており、
前記第1カバー層及び前記第2カバー層における前記立体的変形領域内に位置する部分のすべてが、前記スリット部を介さずに、前記立体的変形領域外に位置する部分に連続している、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
本態様の吸収性物品の伸縮構造では、複数本のスリット部がそれらの交差位置に近づくほど大きく広がるような第1カバー層及び第2カバー層の変形を伴い、弾性シートが各スリット部の広がりに応じて弾性伸長可能である。この結果、立体的変形領域に厚み方向の一方側から他方側に向かう力が加えられたとき、立体的変形領域はこれに追従して、主に各スリット部と直交する複数方向に伸長しつつ、周囲部分に対して窪むように変形することができる。したがって、このような窪み変形する立体的変形領域を、身体表面の局所的で立体的な凸部と接する位置に設ければ、その凸部とその周囲部分に対するフィット性に優れるようになる。
また、複数本のスリット部により立体的変形領域が決まるため、一本の直線状のスリットを基本とする従来例と比べて、伸縮方向に制限がなく、伸縮の程度も大きなものとすることができる。
さらに、第1カバー層及び第2カバー層における立体的変形領域内に位置する部分のすべてが、スリット部を介さずに、立体的変形領域外に位置する部分に連続しているため、既存の製造設備において、第1カバー層及び第2カバー層にスリット部を設けるだけで製造することが可能となる。
本態様の吸収性物品の伸縮構造では、複数本のスリット部がそれらの交差位置に近づくほど大きく広がるような第1カバー層及び第2カバー層の変形を伴い、弾性シートが各スリット部の広がりに応じて弾性伸長可能である。この結果、立体的変形領域に厚み方向の一方側から他方側に向かう力が加えられたとき、立体的変形領域はこれに追従して、主に各スリット部と直交する複数方向に伸長しつつ、周囲部分に対して窪むように変形することができる。したがって、このような窪み変形する立体的変形領域を、身体表面の局所的で立体的な凸部と接する位置に設ければ、その凸部とその周囲部分に対するフィット性に優れるようになる。
また、複数本のスリット部により立体的変形領域が決まるため、一本の直線状のスリットを基本とする従来例と比べて、伸縮方向に制限がなく、伸縮の程度も大きなものとすることができる。
さらに、第1カバー層及び第2カバー層における立体的変形領域内に位置する部分のすべてが、スリット部を介さずに、立体的変形領域外に位置する部分に連続しているため、既存の製造設備において、第1カバー層及び第2カバー層にスリット部を設けるだけで製造することが可能となる。
<第2の態様>
前記立体的変形領域は、自然長の状態では、前記弾性シートの収縮に伴い形成される収縮皺が前記第1カバー層及び第2カバー層に形成されない、
第1の態様の吸収性物品の伸縮構造。
前記立体的変形領域は、自然長の状態では、前記弾性シートの収縮に伴い形成される収縮皺が前記第1カバー層及び第2カバー層に形成されない、
第1の態様の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
スリット部による伸縮構造は、製造時に弾性シートを伸長した状態で取り付けてもよいが、その必要はない。したがって、製造時に弾性シートをほぼ伸長していない状態で第1カバー層及び第2カバー層と一体化することにより、本態様のように皺(襞含む)が形成されず、良好な外観の伸縮構造となる。この場合、第1カバー層及び第2カバー層にスリット部しか設けないことにより、自然長状態では、弾性シートが第1カバー層及び第2カバー層により綺麗に隠蔽されるという利点もある。
スリット部による伸縮構造は、製造時に弾性シートを伸長した状態で取り付けてもよいが、その必要はない。したがって、製造時に弾性シートをほぼ伸長していない状態で第1カバー層及び第2カバー層と一体化することにより、本態様のように皺(襞含む)が形成されず、良好な外観の伸縮構造となる。この場合、第1カバー層及び第2カバー層にスリット部しか設けないことにより、自然長状態では、弾性シートが第1カバー層及び第2カバー層により綺麗に隠蔽されるという利点もある。
<第3の態様>
前記スリット部は、前記立体的変形領域の中央部を通り、両端部が前記立体的変形領域の縁部まで延びる複数本のスリット部を含む、
第1又は2の態様の吸収性物品の伸縮構造。
前記スリット部は、前記立体的変形領域の中央部を通り、両端部が前記立体的変形領域の縁部まで延びる複数本のスリット部を含む、
第1又は2の態様の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
スリット部は本態様のように、中央部を通るものを複数本含むことができる。この場合、スリット部は立体的変形領域の中央部から放射状(X状や十字状を含む)に延びることとなる。本態様では、最小限のスリット部の数で広範囲にわたる立体的変形領域を形成することができる。本態様は、立体的変形領域を円形や楕円形、ひし形とする場合に好適である。
スリット部は本態様のように、中央部を通るものを複数本含むことができる。この場合、スリット部は立体的変形領域の中央部から放射状(X状や十字状を含む)に延びることとなる。本態様では、最小限のスリット部の数で広範囲にわたる立体的変形領域を形成することができる。本態様は、立体的変形領域を円形や楕円形、ひし形とする場合に好適である。
<第4の態様>
前記スリット部は、前記立体的変形領域の中央部を通り、両端部が前記立体的変形領域の縁部まで延びる中央スリット部と、この中央スリット部の端部を通り、両端部が前記立体的変形領域の縁部まで延びる端スリット部とを含む、
第1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造。
前記スリット部は、前記立体的変形領域の中央部を通り、両端部が前記立体的変形領域の縁部まで延びる中央スリット部と、この中央スリット部の端部を通り、両端部が前記立体的変形領域の縁部まで延びる端スリット部とを含む、
第1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
本態様のように、中央スリット部と、その端部を通る端スリット部を含むことができる。この場合、スリット部はT字状やH字状等に延びることとなる。本態様は、立体的変形領域を三角形や矩形とする場合に好適である。
本態様のように、中央スリット部と、その端部を通る端スリット部を含むことができる。この場合、スリット部はT字状やH字状等に延びることとなる。本態様は、立体的変形領域を三角形や矩形とする場合に好適である。
<第5の態様>
前記吸収性物品が、
前後方向中央を含む股間部と、前後方向 中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記腹側部分及び前記背側部分は、前記吸収体よりも左右両側に延び出たサイドフラップ部を有し、
前記背側部分の前記サイドフラップ部に、前記背側部分と前記腹側部分とを着脱可能に連結するための連結手段を有し、
前記腹側部分の外面に、前記連結手段が連結されるターゲット部を有する、
テープタイプ使い捨ておむつであり、
前記背側部分のサイドフラップ部における前記連結手段より幅方向内側、及び前記腹側部分のサイドフラップ部における前記ターゲット部より幅方向外側の少なくとも一方に、前記立体的変形領域を有する、
第1〜4のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造。
前記吸収性物品が、
前後方向中央を含む股間部と、前後方向 中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分とを有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記腹側部分及び前記背側部分は、前記吸収体よりも左右両側に延び出たサイドフラップ部を有し、
前記背側部分の前記サイドフラップ部に、前記背側部分と前記腹側部分とを着脱可能に連結するための連結手段を有し、
前記腹側部分の外面に、前記連結手段が連結されるターゲット部を有する、
テープタイプ使い捨ておむつであり、
前記背側部分のサイドフラップ部における前記連結手段より幅方向内側、及び前記腹側部分のサイドフラップ部における前記ターゲット部より幅方向外側の少なくとも一方に、前記立体的変形領域を有する、
第1〜4のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
テープタイプ使い捨ておむつでは、背側部分のサイドフラップ部における連結手段より幅方向内側や、腹側部分のサイドフラップ部におけるターゲット部より幅方向外側の部位は、腸骨稜や上前腸骨棘のような身体表面の局所的で立体的な凸部に接する部分となる。よって、この部位に、前述のスリット部を有する立体的変形領域を設けることが望ましい。
テープタイプ使い捨ておむつでは、背側部分のサイドフラップ部における連結手段より幅方向内側や、腹側部分のサイドフラップ部におけるターゲット部より幅方向外側の部位は、腸骨稜や上前腸骨棘のような身体表面の局所的で立体的な凸部に接する部分となる。よって、この部位に、前述のスリット部を有する立体的変形領域を設けることが望ましい。
<第6の態様>
前記背側部分には、幅方向に弾性伸縮するウエスト伸縮シートが少なくとも左右のサイドフラップ部にわたり取り付けられ、
前記ウエスト伸縮シートを有する領域は、前記ウエスト伸縮シートとともに幅方向に弾性伸縮可能であり、
前記ウエスト伸縮シートと、前記連結手段との間に、前記立体的変形領域を有する、
第5の態様の吸収性物品の伸縮構造。
前記背側部分には、幅方向に弾性伸縮するウエスト伸縮シートが少なくとも左右のサイドフラップ部にわたり取り付けられ、
前記ウエスト伸縮シートを有する領域は、前記ウエスト伸縮シートとともに幅方向に弾性伸縮可能であり、
前記ウエスト伸縮シートと、前記連結手段との間に、前記立体的変形領域を有する、
第5の態様の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
テープタイプ使い捨ておむつの背側部分に、本態様のようなウエスト伸縮シートを取り付け、ウエスト周りのフィット性を向上させることは知られている。このようなウエスト伸縮シートは連結手段の近くまで設けることが困難な場合が多い。これは、殆ど多くのテープタイプ使い捨ておむつは、製品の前後方向が製造ラインにおけるMD方向(マシン方向)に一致するようにして製造されることや、ウエスト伸縮シートを幅方向に伸長した状態で取り付ける必要があること等に起因するものである。しかし、このウエスト伸縮シートと連結手段との間の部分は、サイドフラップ部に位置し、前述のように腸骨稜に接する部分となる。よって、この部位に前述のスリット部を有する立体的変形領域を設けることは好ましい。前述のスリット部を有する立体的変形領域は、予め第1カバー体及び第2カバー体にスリット部を設けておき、弾性シートをほぼ非伸長の状態で配置するだけで製造できるため、従来は形成困難な位置にも立体的変形領域を形成することができる。
テープタイプ使い捨ておむつの背側部分に、本態様のようなウエスト伸縮シートを取り付け、ウエスト周りのフィット性を向上させることは知られている。このようなウエスト伸縮シートは連結手段の近くまで設けることが困難な場合が多い。これは、殆ど多くのテープタイプ使い捨ておむつは、製品の前後方向が製造ラインにおけるMD方向(マシン方向)に一致するようにして製造されることや、ウエスト伸縮シートを幅方向に伸長した状態で取り付ける必要があること等に起因するものである。しかし、このウエスト伸縮シートと連結手段との間の部分は、サイドフラップ部に位置し、前述のように腸骨稜に接する部分となる。よって、この部位に前述のスリット部を有する立体的変形領域を設けることは好ましい。前述のスリット部を有する立体的変形領域は、予め第1カバー体及び第2カバー体にスリット部を設けておき、弾性シートをほぼ非伸長の状態で配置するだけで製造できるため、従来は形成困難な位置にも立体的変形領域を形成することができる。
本発明によれば、体表面の局所的で立体的な凸部とその周囲部分に対するフィット性に優れるようになる、等の利点がもたらされる。
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xは連結テープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としてのホットメルト接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向LDの中央を含む股間部と、前後方向LDの中央より前側に延びる腹側部分Fと、前後方向LDの中央より後側に延びる背側部分Bとを有している。また、このテープタイプ使い捨ておむつは、股間部を含む範囲に内蔵された吸収体56と、吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11と、液不透過性シートの裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布12とを有するものである。他方、腹側部分Fから背側部分Bにかけての幅方向両側には、吸収体56を有しないサイドフラップ部SFが形成されるとともに、背側部分Bのサイドフラップ部SFは、後方に向かうにつれて側方に位置するように延びる脚周り縁10と、この脚周り縁10よりも後方に位置する胴周り構成領域80とを有している。そして、背側部分Bの胴周り構成領域80は、腹側部分Fの外面に着脱可能に連結される連結テープ13を有している。装着状態では、連結テープ13が腹側部分Fの外面に連結される。図2等に示すように、腹側部分Fのサイドフラップ部にも、前方に向かうにつれて側方に位置するように延びる脚周り縁10と、この脚周り縁10よりも後方に位置する胴周り構成領域80を有している。腹側部分F及び背側部分Bの脚周り縁10は連続しており、テープタイプ使い捨ておむつの前後方向LDの中間がくびれた形状となっている。また、図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFを有している。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3及び図5に示すように、一枚で吸収体56の全体を包む構造とするほか、上下2枚等の複数枚のシートで吸収体56の全体を包むようにしてもよい。包装シート58は省略することもできる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する起き上がりギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。また、中間シート40は、おむつの全長にわたり設けてもよいが、図示例のように排泄位置を含む中間部分にのみ設けてもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するものが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するものが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
液不透過性シート11は、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56と同じか又はより広範囲にわたり延びていることが望ましいが、他の遮水手段が存在する場合等、必要に応じて、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56の端部を覆わない構造とすることもできる。
(外装不織布)
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。外装不織布12としては特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。外装不織布12としては特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
起き上がりギャザー60を採用する場合、その構造は特に限定されず、公知のあらゆる構造を採用できる。図示例の起き上がりギャザー60は、実質的に幅方向WDに連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状のギャザー弾性部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの接合始端を有し、この接合始端から幅方向外側の部分は各サイドフラップ部SFの内面、つまり図示例では液不透過性シート11の側部及びその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより接合されている。
脚周りにおいては、起き上がりギャザー60の接合始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性部材63の収縮力により立ち上がり、身体表面に密着するようになる。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(連結テープ)
背側部分Bにおける胴周り構成領域80には、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結手段としての連結テープ13がそれぞれ設けられている。おむつの装着に際しては、連結テープ13を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ13の連結部13Aを腹側部分F外面の適所に連結する。
背側部分Bにおける胴周り構成領域80には、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結手段としての連結テープ13がそれぞれ設けられている。おむつの装着に際しては、連結テープ13を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ13の連結部13Aを腹側部分F外面の適所に連結する。
連結テープ13の構造は特に限定されないが、図示例では、胴周り構成領域80に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向中間部に設けられた、腹側に対する連結部13Aとを有し、この連結部13Aより先端側が摘み部となっている。連結テープ13の形状も特に限定されるものではないが、テープ取付部13Cは前後方向寸法が最も長くかつ一定の部分を有し、テープ本体部13Bは先端に向かうにつれて細くなるテーパー形状とすることができる。また、テープ取付部13Cの前後方向寸法は胴周り構成領域80の前後方向寸法の50〜90%であることが好ましく、後述する立体的変形領域90の前後方向寸法Y1よりも長いことが好ましい。
連結部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設ける他、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。
また、テープ取付部13Cからテープ本体部13Bまでを形成するシート基材としては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
(ターゲット部)
腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所には、ターゲット部を設けることが好ましい。ターゲット部は、図示例のように、連結を容易にするためのターゲットシート20を腹側部分Fの外面に貼り付けることにより設けることができる。ターゲットシート20は、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所が不織布からなる場合、例えば図示例のように外装不織布12を有する場合には、ターゲットシート20を省略し、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。この場合、目印としてのターゲットシート20を外装不織布12と液不透過性シート11との間に設ける他、外装不織布12や液不透過性シート11の外面に目印を印刷してもよい。
腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所には、ターゲット部を設けることが好ましい。ターゲット部は、図示例のように、連結を容易にするためのターゲットシート20を腹側部分Fの外面に貼り付けることにより設けることができる。ターゲットシート20は、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所が不織布からなる場合、例えば図示例のように外装不織布12を有する場合には、ターゲットシート20を省略し、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。この場合、目印としてのターゲットシート20を外装不織布12と液不透過性シート11との間に設ける他、外装不織布12や液不透過性シート11の外面に目印を印刷してもよい。
(ウエスト伸縮シート)
背側部分Bにおける少なくとも左右の連結テープ13の間には、幅方向WDに弾性伸縮するウエスト伸縮シート70が取り付けられ、ウエスト伸縮シート70を有する領域が幅方向WDに弾性伸縮するものとなっていると好ましい。ウエスト伸縮シート70は、エンドフラップ部EFにのみ位置していてもよいが、図示例のようにエンドフラップ部EFから吸収体56の後端部までにわたるように配置されていると、吸収体56の後端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。
背側部分Bにおける少なくとも左右の連結テープ13の間には、幅方向WDに弾性伸縮するウエスト伸縮シート70が取り付けられ、ウエスト伸縮シート70を有する領域が幅方向WDに弾性伸縮するものとなっていると好ましい。ウエスト伸縮シート70は、エンドフラップ部EFにのみ位置していてもよいが、図示例のようにエンドフラップ部EFから吸収体56の後端部までにわたるように配置されていると、吸収体56の後端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。
ウエスト伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性を有することが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5及び図7に示すように、二枚の不織布等の支持層71をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせるとともに、両支持層71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性部材72を幅方向WDに沿って伸長した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合における支持層71の素材としては、外装不織布12と同様のものを用いることができる。弾性部材72の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
ウエスト伸縮シート70の幅は適宜定めることができるが、図示例のように、左右のサイドフラップ部SF間にわたる幅となっていることが好ましい。具体的な寸法としては、ウエスト伸縮シート70の幅は連結テープ13を除いた本体部分の全幅Xの80〜95%程度とすることが好ましい。
ウエスト伸縮シート70における幅方向WDの両端部は、製造時に吸引により保持して取り付けを行うために非伸縮領域76となっていてもよい。非伸縮領域76の寸法、及びこれらの間に位置し、幅方向WDに伸縮する中間伸縮領域75の寸法は適宜定めることができるが、中間伸縮領域75の幅は後述する左右の連結テープ13の連結部13A間の幅の45〜90%とすることが好ましく、非伸縮領域76の幅は製造時の縮みやめくれ防止のため5〜50mm程度とすることが好ましい。非伸縮領域76は弾性部材72を有しない領域としてもよいが、中間伸縮領域75及び非伸縮領域76にわたり弾性部材72を取り付けるとともに、非伸縮領域76では弾性部材72を切断する等により、非伸縮領域76に弾性部材72が残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造としてもよい。
また、弾性部材72の一部が吸収体56を横断するように配置することもできるが、図6に示すように、弾性部材72が吸収体56と重なる部分の一部又は全部を切断する等により、弾性部材72が残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造とすると、吸収体56の後端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
ウエスト伸縮シート70は、図示例では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に配置されているが、この配置に特に限定されるものではない。例えば、ウエスト伸縮シート70は液不透過性シート11と外装不織布12との間に配置されていてもよいし、外装不織布12の外側に設けてもよい。また、外装不織布12を複数枚のシートを重ねて形成する場合には、ウエスト伸縮シート70全体を、外装不織布12のシート間に設けても良い。
(立体的変形領域)
特徴的には、図1、図6及び図8に示すように、背側部分Bのサイドフラップ部における連結テープ13より幅方向WDの内側に、窪み変形する立体的変形領域90が設けられている。すなわち、この立体的変形領域90では、立体的変形領域90の内外にわたる大きさの弾性シート93と、弾性シート93の表側を覆う第1カバー層91と、裏側を覆う第2カバー層92とが一体化されている。つまり、本例では、第1カバー層91はギャザーシート62からなり、第2カバー層92は外装不織布12からなる。第1カバー層91及び第2カバー層92は、本例ではそれぞれ一層のシートからなっているが、少なくとも一方が一体化した複数層のシートからなっていてもよい。また、立体的変形領域90の形成部位に応じて、第1カバー層91及び第2カバー層92となる素材が本例と異なることはいうまでもない。さらに、第1カバー層91及び第2カバー層92は伸縮性を有しないものであれば、そこに含まれるシートに伸縮性を有するものが含まれていてもよいが、表裏両面が不織布で形成されていることが好ましい。なお、伸縮性を有しない(非伸縮)とは、厚み方向と直交するあらゆる方向において弾性限界における伸長倍率が1.0〜1.3倍のものを意味する。
特徴的には、図1、図6及び図8に示すように、背側部分Bのサイドフラップ部における連結テープ13より幅方向WDの内側に、窪み変形する立体的変形領域90が設けられている。すなわち、この立体的変形領域90では、立体的変形領域90の内外にわたる大きさの弾性シート93と、弾性シート93の表側を覆う第1カバー層91と、裏側を覆う第2カバー層92とが一体化されている。つまり、本例では、第1カバー層91はギャザーシート62からなり、第2カバー層92は外装不織布12からなる。第1カバー層91及び第2カバー層92は、本例ではそれぞれ一層のシートからなっているが、少なくとも一方が一体化した複数層のシートからなっていてもよい。また、立体的変形領域90の形成部位に応じて、第1カバー層91及び第2カバー層92となる素材が本例と異なることはいうまでもない。さらに、第1カバー層91及び第2カバー層92は伸縮性を有しないものであれば、そこに含まれるシートに伸縮性を有するものが含まれていてもよいが、表裏両面が不織布で形成されていることが好ましい。なお、伸縮性を有しない(非伸縮)とは、厚み方向と直交するあらゆる方向において弾性限界における伸長倍率が1.0〜1.3倍のものを意味する。
弾性シート93は特に限定されるものではなく、それ自体弾性を有するシートであれば、弾性(エラスティック)フィルムの他、伸縮不織布であってもよい。また、弾性シート93としては、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。弾性シート93は、特性により限定されるものではないが、例えば幅方向WD(伸縮方向ED、MD方向)における引張強度が8〜25N/35mm、前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD、CD方向)における引張強度が5〜20N/35mm、幅方向WDにおける引張伸度が450〜1050%、及び前後方向LDにおける引張伸度が450〜1400%の弾性シート93を用いることができる。弾性シート93の厚みは特に限定されないが、例えば20〜40μm程度とすることができる。
第1カバー層91及び弾性シート93、第2カバー層92及び弾性シート93は、それぞれホットメルト接着剤を介して接着することにより、又は少なくとも一方の溶着により一体化することができる。また、第1カバー層91、弾性シート93及び第2カバー層92は、それらが一体として伸縮可能である限り、隣接層の全体が連続的に接合されていても、間欠的に接合されていてもよい。また、特表2004−532758号公報や、特開2016−189826号公報に示される一体化手法を採用し、第1カバー層91及び第2カバー層92の間に弾性シート93を挟んだ状態で散点状に超音波シールを行い、第1カバー層91及び第2カバー層92を多数の接合部で弾性シート93に形成した貫通孔を通じて接合してもよい(図示略)。
また、特徴的には、立体的変形領域90における第1カバー層91及び第2カバー層92には、スリット又はこれを形成するためのミシン目からなるスリット部95,96が複数本設けられている。これらスリット部95,96は、立体的変形領域90を横切って立体的変形領域90の一方の縁部から他方の縁部まで延びているとともに、互いに交差している。そして、第1カバー層91及び第2カバー層92における立体的変形領域90内に位置する部分のすべてが、スリット部95,96を介さずに、立体的変形領域90外に位置する部分に連続している。この結果、本例の立体的変形領域90では、図6(b)及び図10に示す例のように、複数本のスリット部がそれらの交差位置に近づくほど大きく広がるような第1カバー層91及び第2カバー層92の変形を伴い、弾性シート93がスリット部95,96の広がりに応じて弾性伸長可能である。
換言すると、本立体的変形領域90では、図6(b)に矢印で示すように立体的変形領域90に厚み方向の一方側から他方側に向かう力が加えられたとき、立体的変形領域90はこれに追従して、主に各スリット部95,96と直交する複数方向に伸長しつつ、周囲部分に対して窪むように変形することができる。したがって、このような窪み変形する立体的変形領域90を、身体表面の局所的で立体的な凸部と接する位置に設ければ、その凸部とその周囲部分に対するフィット性に優れるようになる。また、複数本のスリット部95,96により立体的変形領域90が決まるため、一本の直線状のスリットを基本とする従来例と比べて、伸縮方向に制限がなく、伸縮の程度も大きなものとすることができる。さらに、第1カバー層91及び第2カバー層92における立体的変形領域90内に位置する部分のすべてが、スリット部95,96を介さずに、立体的変形領域90外に位置する部分に連続しているため、既存の製造設備において、第1カバー層91及び第2カバー層92にスリット部95,96を設けるだけで製造することが可能となる。
スリット部95,96による伸縮構造は、製造時に弾性シート93を伸長した状態で取り付けてもよい。その場合、立体的変形領域90は、弾性シート93が自然長まで収縮するのに伴い、第1カバー層91及び第2カバー層92が収縮し、第1カバー層91及び第2カバー層92に収縮皺が形成される。これと異なり、製造時に弾性シート93をほぼ伸長していない状態で第1カバー層91及び第2カバー層92と一体化することも可能である。図示例はこの場合を想定しており、自然長の状態では、立体的変形領域90に皺(襞含む)が形成されず、外観が良好となる。特に、第1カバー層91及び第2カバー層92にスリット部95,96しか設けないことにより、自然長の状態では、弾性シート93が第1カバー層91及び第2カバー層92により綺麗に隠蔽されるという利点もある。
スリット部95,96は、前後方向LDや幅方向WDのみならず、斜め方向に延びていてもよい。またスリット部95,96は立体的変形領域90を横切って縁部まで延びる限り、図示例のように直線状とする他、弧状や波線等の曲線状とすることができる。互いに交差する二本のスリット部95,96の交差角度は立体的変形領域90の寸法・形状やスリット部95,96の配置により適宜定めることができるが、通常の場合90度、又は交差角度の一方が鋭角の場合には15度以上90度未満、特に30度以上90度未満とすることができる。立体的変形領域90の寸法は適宜定めることができるが、通常の場合、前後方向寸法Y1は2〜7mm程度、幅方向寸法X1は4〜7mm程度の範囲内とすることができ、図1及び図9(a)に示すように前後方向寸法Y1が幅方向寸法X1より長くしたり、図9(b)に示すように幅方向寸法X1が前後方向寸法Y1より長くしたり、図示しないが前後方向寸法Y1及び幅方向寸法X1を同じとしたりすることができる。立体的変形領域90は、周縁に物品の端部を含まないことが好ましいが、一部含んでいてもよい。スリット部95,96の本数は限定されず、図示例より多くてもよい。
複数のスリット部95,96の配置は特に限定されない。例えば、図8に示す各例のように、一部の複数(図8(a)の例)のスリット部95、又は全部(図8(b)(c)のスリット部95が、立体的変形領域90の中央部を通り、両端部が立体的変形領域90の縁部まで延びているのは好ましい。この場合、スリット部95は立体的変形領域90の中央部から放射状(X状や十字状を含む)に延びることとなる。このようにスリット部95が立体的変形領域90の中央部から放射状に延びるように配置されていると、最小限のスリット部95の数で広範囲にわたる立体的変形領域90を形成することができる。また、このスリット部95の配置は、立体的変形領域90を円形や楕円形、ひし形とする場合に好適である。
図8(a)に示す例のように、スリット部95,96は、立体的変形領域90の中央部を通り、両端部が立体的変形領域90の縁部まで延びる中央スリット部95と、この中央スリット部の端部を通り、両端部が立体的変形領域90の縁部まで延びる端スリット部96とを含むのも好ましい。この場合、スリット部95,96はT字状やH字状等に延びることとなる。またこのスリット部95,96の配置は、立体的変形領域90を三角形や矩形とする場合に好適である。図8(d)に示すように、立体的変形領域90をU字状やV字状に囲むように端スリット部96を三本又は二本設けるだけでもよい。
第1カバー層91のスリット部95,96、及び第2カバー層92のスリット部95,96は、同じ寸法・形状で、同じ位置に配置されている(つまり厚み方向に完全に重なる)ことが望ましいが、多少ずれていてもよい。また、第1カバー層91のスリット部95,96、及び第2カバー層92のスリット部95,96は、異なる寸法・形状であってもよい。
本例のようなサイドフラップ部SFを有するテープタイプ使い捨ておむつでは、背側部分Bのサイドフラップ部SFにおける連結テープ13より幅方向WD内側や、腹側部分Fのサイドフラップ部SFにおけるターゲット部(図示例ではターゲットシート20)より幅方向WD外側の部位は、腸骨稜や上前腸骨棘のような身体表面の局所的で立体的な凸部に接する部分となる。よって、図9(a)に示すように、これらの両方の部位に、前述のスリット部95,96を有する立体的変形領域90を設けることも可能である。また、もちろん、これらのいずれか一方の部位に設けるだけでもよい。また、図9(b)に示す例のように、背側部分Bのエンドフラップ部EFに設けるのも好ましい。
また、図示例のように背側部分Bにウエスト伸縮シート70を取り付け、ウエスト周りのフィット性を向上させる場合、ウエスト伸縮シート70は連結テープ13の近くまで設けることが困難な場合が多い。これは、殆ど多くのテープタイプ使い捨ておむつは、製品の前後方向LDが製造ラインにおけるMD方向(マシン方向)に一致するようにして製造されることや、ウエスト伸縮シート70を幅方向WDに伸長した状態で取り付ける必要があること等に起因するものである。しかし、このウエスト伸縮シート70と連結テープ13との間の部分は、サイドフラップ部SFに位置し、前述のように腸骨稜に接する部分となる。よって、この部位に前述のスリット部95,96を有する立体的変形領域90を設けることは好ましい。前述のスリット部95,96を有する立体的変形領域90は、予め第1カバー体及び第2カバー体にスリット部95,96を設けておき、弾性シート93をほぼ非伸長の状態で配置するだけで製造できるため、従来は形成困難な位置にも立体的変形領域90を形成することができる。
<その他>
上記例におけるスリット部95,96を有する立体的変形領域90は、テープタイプ使い捨ておむつのサイドフラップ部SFに設けられているが、他の部位や他の種類の製品に設けることも可能である。例えば、図示しないが、上述のスリット部95,96を有する立体的変形領域90は、テープタイプ使い捨ておむつの連結テープ13に設けたり、パンツタイプ使い捨ておむつの胴周り等に設けたりすることができる。
上記例におけるスリット部95,96を有する立体的変形領域90は、テープタイプ使い捨ておむつのサイドフラップ部SFに設けられているが、他の部位や他の種類の製品に設けることも可能である。例えば、図示しないが、上述のスリット部95,96を有する立体的変形領域90は、テープタイプ使い捨ておむつの連結テープ13に設けたり、パンツタイプ使い捨ておむつの胴周り等に設けたりすることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「引張強度」及び「引張伸度(破断伸び)」は、試験片を幅35mm・長さ80mmの長方形状とする以外は、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS−G100Nを用いることができる。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「引張強度」及び「引張伸度(破断伸び)」は、試験片を幅35mm・長さ80mmの長方形状とする以外は、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS−G100Nを用いることができる。
・「吸水量」は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつの他、パンツタイプ、パッドタイプ等の各種使い捨ておむつ、生理用ナプキン、スイミングや水遊び用の使い捨て着用物品等、使い捨て着用物品全般における伸縮構造に利用できるものである。
10…脚周り縁、11…液不透過性シート、12…外装不織布、13…連結テープ、13A…連結部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、20…ターゲットシート、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、B…背側部分、F…腹側部分、WD…幅方向、LD…前後方向、70…ウエスト伸縮シート、80…胴周り構成領域、90…立体的変形領域、93…弾性シート、91…第1カバー層、92…第2カバー層、95,96…スリット部、95…中央スリット部、96…端スリット部、SF…サイドフラップ部。
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