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JP2019138531A - 冷蔵庫 - Google Patents

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JP2019138531A
JP2019138531A JP2018021561A JP2018021561A JP2019138531A JP 2019138531 A JP2019138531 A JP 2019138531A JP 2018021561 A JP2018021561 A JP 2018021561A JP 2018021561 A JP2018021561 A JP 2018021561A JP 2019138531 A JP2019138531 A JP 2019138531A
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heat insulating
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refrigerator
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JP2018021561A
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越後屋 恒
Hisashi Echigoya
恒 越後屋
祐志 新井
Yushi Arai
祐志 新井
隆之 川野邉
Takayuki Kawanobe
隆之 川野邉
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Hitachi Global Life Solutions Inc
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Hitachi Global Life Solutions Inc
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2201/00Insulation
    • F25D2201/10Insulation with respect to heat
    • F25D2201/14Insulation with respect to heat using subatmospheric pressure

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  • Thermal Insulation (AREA)
  • Refrigerator Housings (AREA)

Abstract

【課題】断熱性能を悪化させることなく、溝や曲げ等の立体形状加工が容易にでき、外形寸法精度が良好である真空断熱材及び冷蔵庫を提供する。【解決手段】外箱と内箱との間に真空断熱材が配置された断熱壁を備え、前記真空断熱材は、バインダ成分を含まないガラス繊維集合体からなる芯材と、ガスバリヤ性を有する外被材と、水分やガスを吸着する吸着剤と、を有する冷蔵庫において、前記芯材の表面層から中心部に亘って同じ硬度又は中心部よりも表面層の方が柔らかい。【選択図】図3

Description

本発明は冷蔵庫に関する。
地球温暖化防止の観点から、社会の取り組みとして二酸化炭素(CO2)の排出抑制を図るため、発電の自然エネルギー化等が進められている。一般家庭においても太陽光パネル設置による自家発電や省エネタイプの家電製品への買い替え等、電力消費を抑制する意識が高まっており、年間を通じて通電される冷蔵庫については真空断熱材を採用したものが主流となっている。一般的に真空断熱材は、断熱性能を表す熱伝導率が、従来から冷蔵庫の断熱材として使用されている硬質ウレタンフォームよりも1桁小さいため、硬質ウレタンフォームと真空断熱材を組み合わせることにより、冷蔵庫からの熱漏洩を抑制することができる。
冷蔵庫等に採用されている真空断熱材の例としては、例えば特許文献1〜3に記載されている。
特許文献1には、繊維材料を成形した芯材と、前記芯材を覆い内部を減圧した外被材とを備え、前記芯材の表面層より内側層が柔らかく、前記外被材から前記芯材にわたって溝が形成された真空断熱材が記載されている。
この真空断熱材の芯材は、平均繊維径5μmのグラスウール表裏面に噴霧したホウ酸水溶液をバインダーとして、350℃の熱風乾燥炉内でプレスして得られた密度230kg/m3の成形体である。グラスウール表裏面に噴霧したバインダーは芯材の内側層まで浸透しないため、加熱プレス後の成形体はバインダーの浸透量が多い表面層が硬く、バインダーの浸透量が少ない内側層が柔らかいため、溝の成形が可能であり、省エネルギーに優れた冷蔵庫を提供できる旨記載されている。
特許文献2には、表皮層より内側の層が柔軟な平板状に成形してなる芯材と、この芯材を覆い内部を減圧した外被材とを備え、平板状のおもて面に略平面形状で所定の幅の底面を有する凹部を形成し、裏面に一つ以上の溝を形成した真空断熱材が記載されている。
この真空断熱材は、特許文献1に記載されている溝の代わりに、底部を有する凹部を形成した旨記載されており、形状自由度が高いことが示されている。
また、特許文献3には、バインダーによる硬化層を含まず圧縮方向に対する反発性を有する繊維集合体からなる芯材と、芯材を覆う内包材と、芯材と内包材を覆う外被材とを備え、外被材内を減圧して封止した真空断熱材を設置した冷蔵庫が記載されている。
この真空断熱材は、芯材の柔軟性及び圧縮方向に対する反発性を利用して、例えば冷蔵庫の機械室形状に合致する立体形状に折り曲げることができる。また、真空断熱材の板厚方向の表裏面にそれぞれ窪み部と膨らみ部を一対に設け、窪み部と膨らみ部の間の板厚を他部とほぼ同じにすることができる旨記載されている。
特許第3456988号公報 特許第3793113号公報 特許第4695663号公報
しかしながら、特許文献1と2に記載の真空断熱材は、溝や凹部を形成できると記載されているが、溝や凹部形状を加工する際に、芯材表面の硬化層が破壊されるため、部分的に断熱性能が悪化してしまうという課題がある。また、表面層の硬度が高い場合、破壊された部分が鋭利になる場合があるため外被材を傷付ける等、信頼性の面でも課題がある。また、表面に硬化層があることにより、平板状の真空断熱材を容易には曲げ加工することができないため、立体形状への加工性に課題があった。
また、特許文献3に記載の真空断熱材は、特許文献1と2の課題を解決するため、バインダーによる硬化層を設けない芯材としているが、それ故芯材を構成している繊維集合体(グラスウール)の反発力により嵩が大きいため、外被材内で減圧される際の圧縮により、芯材端部にズレが生じ、真空断熱材の外形寸法がばらつくという課題がある。また、バインダーを使用しない真空断熱材特有の課題である表面性の悪化もあった。
本発明の目的は、断熱性能を悪化させることなく、溝や曲げ等の立体形状加工が容易で、外形寸法精度が良好である真空断熱材を備えた冷蔵庫を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明にかかる冷蔵庫は、外箱と内箱との間に真空断熱材が配置された断熱壁を備え、前記真空断熱材は、バインダ成分を含まないガラス繊維集合体からなる芯材と、ガスバリヤ性を有する外被材と、水分やガスを吸着する吸着剤と、を有する冷蔵庫において、前記芯材の表面層から中心部に亘って同じ硬度又は中心部よりも表面層の方が柔らかいことを特徴とする。
また、本発明にかかる冷蔵庫は、前記芯材の一部に、曲げ部、溝部、凹部のいずれか又はこれらの複数を形成したたことを特徴とする。
また、本発明にかかる冷蔵庫は、前記真空断熱材を、天井部、側面部、背面部、底面部のいずれか、或いは複数、又は全部に用いたことを特徴とする。
また、本発明にかかる冷蔵庫は、前記真空断熱材が、前記芯材の一方の端面側に段付き部、これと対向する端面側に段曲げ部又は段付き部、これらの間に溝部がそれぞれ設けられており、前記段付き部と前記溝部及び前記段曲げ部以外の芯材内部に前記吸着剤を配置したことを特徴とする。
また、本発明にかかる冷蔵庫は、外箱と内箱との間に真空断熱材が配置された断熱壁を備え、前記真空断熱材は、バインダ成分を含まないガラス繊維集合体を1層又は2層以上積層した芯材を有する冷蔵庫において、前記真空断熱材は、前記ガラス繊維集合体を1層又は2層以上積層したときの厚さ方向の高さよりも低い第1の高さ寸法で第1温度帯を通過させた予備加熱工程と、前記予備加熱工程から連続して前記第1の高さ寸法と同じか低い第2の高さ寸法で第2温度帯を通過さる熱成形工程と、続けて第3温度帯を通過させる冷却工程と、前記芯材を所定の寸法に切断する芯材切断工程と、前記芯材内部に吸着剤を配置させる吸着剤投入工程と、前記吸着剤が配置された前記芯材を外被材に挿入する袋詰め工程と、これを真空引き・封止する真空パック工程と、真空パック後の前記芯材厚さを調整する平滑工程と、真空パックにより前記芯材の周囲の外被材端を芯材側に折り曲げる耳折り工程と、により製造されることを特徴とする。
また、本発明にかかる冷蔵庫は、前記第1温度帯が前記ガラス繊維の歪点以上、前記第2温度帯が前記ガラス繊維の歪点以上且つ第1温度帯以上、前記第3温度帯が100℃以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる冷蔵庫は、前記芯材の一部に、曲げ、溝等のいずれか又は複数を加工する成形工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、断熱性能を悪化させることなく、溝や曲げ等の立体形状加工が容易で、外形寸法精度が良好である真空断熱材を備えた冷蔵庫を提供できる。
本実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。 本実施形態に係る冷蔵庫の縦断面図(図1のA-A切断図)である。 本実施形態に係る冷蔵庫の図1のB-B切断面図である。 本実施形態に係る真空断熱材の構成を説明する概略断面図である。 実施例に係る真空断熱材を説明する図。 実施例及び比較例の纏め表である。 実施例15係る冷蔵庫の一例を説明する図である。 実施例15係る冷蔵庫の一例を説明する図(図1のC-C断面図)である。
本発明の実施形態にかかる冷蔵庫及び真空断熱材の製造方法について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。本発明の実施形態については図1〜図8を用いてそれぞれ説明する。
<実施形態>
本発明にかかる冷蔵庫の実施形態として、図1は真空断熱材を備えた冷蔵庫1の正面図、図2は冷蔵庫1の縦断面図であり、図1のA−A線の切断図である。図3は冷蔵庫1を示す図1のB−B線の切断面図である。
図1に示す実施形態を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3aと上段冷凍室3b、冷凍室4、野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a、6b、冷蔵室扉6a、6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉7〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫1とを密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。本実施形態では、各扉6〜9の表面材として強化処理をしたガラスを用いたが、これに限定することではなく、従来から用いられている鋼板等でも良い。尚、冷蔵室扉6aの冷蔵室扉6b側には冷蔵室扉6bのパッキン11の受面となる回転仕切り6cが設置されている。回転仕切り6cについては、冷蔵室扉6aと6bを閉じたときに、庫内の冷気が漏れない構造であればこれに限定することではなく、別の構造や手段であっても構わない。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材50等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。尚、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21側または前記内箱22側のいずれかに真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材50の説明については後述する。
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背面側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機31、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。本実施形態においては、1つの冷却器28で冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却する例を示したが、これに限定するものではなく、例えば冷蔵室2用の冷却器(図示なし)と冷凍室3a、4及び野菜室5用の冷却器(図示なし)、或いは、冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5、それぞれ専用の冷却器、等、複数の冷却器を備えた冷蔵庫であっても構わない。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12、14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50jで構成されている。この断熱仕切り12、14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50jに限定するものではない。
また、前記内箱22の天面の一部に、断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を配置し、冷蔵庫の扉を開けたときの庫内を明るく、見えやすくしたものである。庫内灯45については、LED、電球、蛍光灯、キセノンランプ等、光源を特に限定するものではない。庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の断熱材23の厚さが薄くなるため真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保している。この庫内灯45については特に図示位置に配置することを規定したものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面21aとほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するには庫内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまうため、本実施形態においては凹部40の裏面に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保している。実施例1では、真空断熱材50aを前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとした。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50cを配置している。
ここで、本実施形態における真空断熱材50の配置について図2と図3で改めて説明する。冷蔵庫1の外箱21の天面21aと背面21b、左右側面21d、21eにそれぞれ真空断熱材50a、50b、50d、50eが配置している。また、野菜室5の底面部の内箱22外面(断熱材23側)にも真空断熱材50cを配置している。左右側面21d、21eに配置の真空断熱材50d、50eについては冷蔵室2と冷凍室3a、3b、4及び野菜室5に跨って配置され、冷蔵室扉6a、6b、冷凍室扉8、野菜室扉9についても外箱22(本実施例ではガラス板)内面等に真空断熱材50f、50g,50hを配置している。その他、各仕切り断熱12と14にも真空断熱材50j、50kを配置している。尚、真空断熱材50の配置や使用数については特に限定するものではない。
ここで、真空断熱材50について図4を用いて説明する。図4は本実施形態の真空断熱材50を示したものであり、芯材51と該芯材51を覆うガスバリヤ性を有する外被材53及び吸着剤54とから構成している。該外被材53は前記真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムを向い合わせ、各辺の端部から一定の幅部分を熱溶着した袋状で構成されている。なお、本実施形態において、前記芯材51についてはバインダ等で接着や結着していない無機繊維の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを、高温の雰囲気内で加圧保持して密度を高めた状態に成形したものである。
ここで用いているグラスウールは、ホウ素酸化物(B2O3)を1.0重量%以上5.0重量%以下とした所謂ソーダ灰ガラスを遠心法で繊維化して集綿積層した綿状をなしたもので、一般的に建材用途で使用されるグラスウール断熱材と同等のガラス組成からなるものである。グラスウールを構成するガラス短繊維の平均繊維径は1μm〜10μmであるが、断熱性能とハンドリング性及び経済性を考慮すると平均繊維径は2μm〜5μmが好ましい。一般的に入手し易いのは平均繊維径3μm〜4μmである。本発明では特に前記組成のガラス短繊維で構成されるグラスウールに限定するものではなく、例えばEガラス等で構成される長繊維等を用いても良い。長繊維はガラス短繊維とはガラス組成と製法が異なるため、繊維径がガラス短繊維よりも太くなる傾向にある。また、無機系の材料であればガラスに限らずセラミック繊維やロックウール等を用いても良い。尚、本実施形態では前記芯材51を覆う内包材52は使用していないが、芯材51の厚さ(嵩密度の大きさ)によっては前記内包材52を使用する場合もある。これについても特に限定するものではない。
外被材53のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能で減圧雰囲気に耐えるものであれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層、第一のガスバリヤ層、第二のガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとした。表面層には吸湿性の低い樹脂フィルム、第一のガスバリヤ層は金属蒸着層を設けた樹脂フィルム、第二のガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一と第二のガスバリヤ層については金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせた。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸ポリプロピレン、第一のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きのポリエチレンテレフタレート、第二のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムとし、熱溶着層を直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。外被材53については特にこの構成に限定するものではない。表面層はポリアミド(ナイロン)やポリエチレンテレフタレート等でもよく、第一及び第二のガスバリヤ層についても金属箔や樹脂系フィルムに無機層状化合物や樹脂系ガスバリヤコート材等のガスバリヤ膜を設けたものでもよい。熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルムや、汎用性の高いポリプロピレンフィルム、高密度、中密度、低密度等のポリエチレンフィルムを用いても良い。また、真空断熱材50のそれぞれの外箱側と内箱側の面でフィルム構成が違っていてもよい。例えば、第二のガスバリヤ層として、一方の面がアルミ蒸着フィルム、別の面がアルミ箔という組み合わせであっても何ら問題ない。尚、各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤、貼り合わせ方法については特にこれに限定するものではない。
表面層と熱溶着層に吸湿性の低い樹脂を配置する目的は、酸素バリヤ性の高い上記のガスバリヤ層フィルムは吸湿によりガスバリヤ性が悪化するため、表面層と熱溶着層で挟むことで、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量が小さいため、真空排気効率が良く、真空断熱材50の内部圧力を減圧しやすい。
また、吸着剤54については物理吸着タイプの合成ゼオライト54aと化学吸着タイプの酸化カルシウム(生石灰,CaO)54bを併用したが、特にこれに限定するものではない。吸着剤54については水分やガスを吸着するものであれば良く、真空断熱材50の内部圧力を更に下げる目的で空気成分を吸着する材料、例えばZSM5型の疎水性ゼオライト等を用いても良い。
また、内包材52について、本実施形態では使用していないが、必要に応じて使用しても良く、熱溶着可能なポリエチレンフィルムが好ましい。但し、これに限定するものでなく、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等、熱溶着可能で吸湿性が低く、アウトガスが少ないものであれば用いることができる。
また、図5の(a)(b)(c)に示すように、真空断熱材50については適用部位に合わせて、曲げ、溝、段付き、凹み等の形状に加工することができる。図5(a)は曲げ形状を示したものであり、図5(b)は溝や段付き形状を示したものである。これについては(b−1)(b−2)(b−3)等、溝や段付きの組合せを自由に設定することができ、これに限定するものではない。図5(c)は底部を有する凹み形状を示したものである。これには(c−1)(c−2)等の形状があるが、特にこれに限定するものではない。
<実施例1>
本実施例1にかかる真空断熱材50は、前述の実施形態で述べた通りであるが、図4に示される芯材51を得るための作製方法を次に述べる。
(芯材51の作製方法)
バインダ成分を含まないグラスウールを加圧しながら図示しない温度制御可能なトンネル式の熱風循環炉内を長手方向に連続的に通過させることで熱成形された芯材51を得ることができる。このとき熱風循環炉内の温度は、少なくとも熱風循環炉の入り口側からグラスウールを予備加熱する第1温度帯、芯材51の厚さに成形(制御)する第2温度帯、そして冷却のための第3温度帯を設けている。各温度帯についてはこれに限定するものではなく、1つの温度帯や、もっと多くの温度帯を設けても構わない。
また、熱風循環炉内をグラスウールが通過するときの上下コンベア間の距離については、少なくとも熱風循環炉の入り口側からグラスウールを予備加熱するときの第1の高さ寸法、芯材51の厚さに成形(制御)するときの第2の高さ寸法を設定している。芯材51の冷却部については搬送用の下コンベアのみとして上コンベアを設けない。第1、第2の高さ寸法についてはこれに限定するものではなく、同じ高さ寸法としたり、もっと多くの種類の高さ寸法を設けても構わない。尚、冷却部に上コンベアを設けて高さ寸法を設けても何ら問題ない。
ここで、本実施例1で用いた熱風循環炉の構成について説明する。
熱風循環炉は前述のように炉体はトンネル式で、グラスウールはコンベアで搬送される。熱風循環炉の入り口側から予備加熱部、熱成形部を配置し、前記コンベアは上下に配置している。上下のコンベア間寸法をグラスウールの初期厚さ寸法より小さく設定し、つまりグラスウールを加圧した状態で熱風循環炉を通過させる。前記熱成形部の上下コンベア間寸法は、前記予備加熱部の上下コンベア間寸法と同等以下に設定する。熱成形部のグラスウール厚さの保持高さで芯材51の熱成形後厚さがほぼ決まる。
次に、本実施例1で用いた芯材51の冷却部について説明する。
熱成形された芯材51は、熱風循環炉から上下コンベアで挟まれた状態で搬送されて排出される。その後の冷却部は芯材51の表面が周囲空気になるべく多く接触できるように、網状のベルト式コンベアで搬送される。このとき上コンベアは設けず、下コンベアのみで搬送され、周囲温度と熱交換することで冷却されるものである。冷却部の空気温度を調整できるようにトンネル式の熱風循環炉構造としているが、実施例1では常温(25℃)を想定した設定とした。
実施例1の真空断熱材50は、前記芯材51の材料として目付量1,600g/m2のグラスウールを3枚積層した初期厚さ140〜180mmのものを用い、熱風循環炉内の予備加熱温度である第1温度帯をガラス(グラスウール)の歪点(約495℃)よりも高い500℃、第2温度帯は第1温度帯と同じ500℃、第3温度帯を常温(約25℃)、各温度帯のグラスウール高さについては第1の高さ寸法を60〜70mm、第2の高さ寸法を20mmとし、予備加熱部を9分、熱成形部を4分で通過させた。これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが40mm、6時間経過後45mmと厚さ方向には約13%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ2.8kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0017(W/m・K)であった。
実施例1で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例2>
実施例2にかかる真空断熱材50については、第2温度帯を600℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが35mm、6時間後40mmと厚さ方向には約14%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ3.2kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例2で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例3>
実施例3にかかる真空断熱材50については、第2温度帯を700℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが33mm、6時間経過後36mmと厚さ方向には約9%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ4.1kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例3で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例4>
実施例4にかかる真空断熱材50については、第1温度帯と第2温度帯をいずれも600℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが31mm、6時間経過後34mmと厚さ方向には約10%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ5.8kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例4で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例5>
実施例5にかかる真空断熱材50については、第2温度帯を700℃にした以外は実施例4と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが30mm、6時間経過後32mmと厚さ方向には約7%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ6.4kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0019(W/m・K)であった。
実施例5で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していないものと断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例6>
実施例6にかかる真空断熱材50については、熱成形部のグラスウール保持厚さを15mmにした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが28mm、6時間経過後30mmと厚さ方向には約7%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ6.0kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0017(W/m・K)であった。
実施例6で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例7>
実施例7にかかる真空断熱材50については、熱成形部のグラスウール保持厚さを30mmにした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが38mm、6時間経過後42mmと厚さ方向には約11%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ4.9kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0019(W/m・K)であった。
実施例7で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例8>
実施例8にかかる真空断熱材50については、第3温度帯を50℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが31mm、6時間経過後35mmと厚さ方向には約13%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ5.7kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0019(W/m・K)であった。
実施例8で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例9>
実施例9にかかる真空断熱材50については、第3温度帯を100℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが31mm、6時間経過後36mmと厚さ方向には約16%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ5.6kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0019(W/m・K)であった。
実施例9で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例10>
実施例10にかかる真空断熱材50については、第1温度帯と第2温度帯の通過時間をそれぞれ4.5分、2分とした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが36mm、6時間経過後40mmと厚さ方向には約11%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ4.6kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例10で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例11>
実施例11にかかる真空断熱材50については、第1温度帯と第2温度帯の通過時間をそれぞれ3分、2分とした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが36mm、6時間経過後40mmと厚さ方向には約11%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ4.2kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例11で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していないものと断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例12>
実施例12にかかる真空断熱材50については、熱成形部のグラスウール保持厚さを15mmにした以外は実施例11と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが34mm、6時間経過後38mmと厚さ方向には約12%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ4.9kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0017(W/m・K)であった。
実施例12で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例13>
実施例13にかかる真空断熱材50については、第3温度帯を常温(25℃)とし、網状の下コンベア側を吸引した以外は実施例4と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが31mm、6時間経過後34mmと厚さ方向には約10%復元し、吸引した側の芯材表面が毛羽立ったような状態となり、芯材内層側よりも柔らかい状態であった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ5.7kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例13で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<実施例14>
実施例14にかかる真空断熱材50については、第3温度帯を常温(25℃)とし、網状の上下コンベアを設置し、上下コンベア間寸法を30mmとして芯材の上下面を吸引した以外は実施例4と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが31mm、6時間経過後35mmと厚さ方向には約13%復元し、吸引した芯材表裏面が毛羽立ったような状態となり、芯材内層側よりも柔らかい状態であった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ5.6kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であった。
実施例14で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<比較例1>
比較例1として、第1温度帯と第2温度帯をいずれも300℃、熱成形部のグラスウール保持厚さを15mmにした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが51mmと厚く、6時間経過後には74mmまで約45%復元した。芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ1.5kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0017(W/m・K)であったが、真空断熱材の表面凹凸が多く、表面性は実施例1〜14よりも劣る結果であった。
比較例1で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝のを加工していないものと断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はでなかった。
<比較例2>
比較例2として、第1温度帯と第2温度帯をいずれも400℃、熱成形部のグラスウール保持厚さを15mmにした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが43mm、6時間経過後には66mmと厚さ方向には約55%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ2.8kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0017(W/m・K)であったが、真空断熱材の表面凹凸が多く、表面性は実施例1〜14よりもやや劣る結果となった。
比較例2で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<比較例3>
比較例3として、第1温度帯と第2温度帯をいずれも400℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが48mm、6時間経過後には75mmと厚さ方向には約56%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ2.6kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であったが、真空断熱材の表面凹凸が多く、表面性は実施例1〜14よりもやや劣る結果となった。
比較例3で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<比較例4>
比較例4として、第1温度帯を500℃、第2温度帯を400℃にした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが47mm、6時間経過後には74mmと厚さ方向には約56%復元したが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ2.6kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0018(W/m・K)であったが、真空断熱材の表面凹凸が多く、表面性は実施例1〜14よりもやや劣る結果となった。
比較例4で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したが、いずれも変化量は同等であり差はなかった。
<比較例5>
比較例5として、熱成形部のグラスウール保持厚さを10mmにした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが25mm、6時間経過後には26mmと厚さ方向には殆ど復元しなかったが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ2.8kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0023(W/m・K)であったが、真空断熱材の表面凹凸が多く、表面性は実施例1〜12よりもやや劣る結果となった。熱成形部のグラスウール保持厚さを10mmとしたことで過圧縮となったものと考えられ、ガラス繊維が破壊された影響と考えられる。
比較例5で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したところ、比較例5の方が熱伝導率の上昇量が大きかった。
<比較例6>
比較例6として、第1温度帯と第2温度帯の通過時間をそれぞれ18分、8分とした以外は実施例1と同じとした。
これにより得られた芯材は、熱成形直後の厚さが31mm、6時間後には32mmと厚さ方向には殆ど復元しなかったが、芯材表面と内側層の硬度に差は見られなかった。但し、全体的に硬くなっていた。また、後述する芯材のハンドリング性の指標として、芯材を長手方向に5mm圧縮する力を測定したところ8.3kgであった。尚、この芯材を用いて作製した真空断熱材の熱伝導率を英弘精機製オートラムダHC074で測定した結果は0.0025(W/m・K)であった。予備加熱及び熱成形の時間を長くしたことにより、グラスウールを構成するガラス繊維の一部が結着して硬化したため、熱伝導が大きくなったものと考える。
比較例6で作製した真空断熱材に対し、図5(a)(b)(c)にそれぞれ示すような曲げ加工、溝加工、凹み溝加工を施して、曲げや溝を加工していない真空断熱材と断熱性能(熱伝導率)の経時変化量を比較したところ、比較例6の方が熱伝導率の上昇量が大きかった。
ここで述べた実施例1〜14及び比較例1〜6については図6に一覧表として示す。
<実施例15>
実施例15に係る真空断熱材50を用いた冷蔵庫について、図7を用いて説明する。
先に述べた実施例4の条件で作製した冷蔵庫1用の真空断熱材50において、冷蔵庫1の各部に配置される仕様について以下記載する。
(側面用の真空断熱材)
左側面21d、右側面21eの内面にそれぞれ配置される放熱用パイプ60d、60e上に真空断熱材50d、50eを配置するため、真空断熱材50d、50eの一方の端部に段付部を、対向する端部に段曲げ部、芯材の中央部付近に凹溝部を設けている。段付部については芯材51を構成するグラスウールの厚みを変えて対応しているが、段曲げ部については板厚を変えないように曲げ成形し、凹溝部については外被材53を介して芯材51にわたってプレス加工したものである。本発明によれば、芯材表面に硬化層が形成されず、繊維同士の結着も殆ど無いことから、芯材51の内側層と表面層の硬度差が発生せず、プレス加工が容易にできるものである。したがって段曲げ部のように曲げ加工も容易にできる。尚、実施例15では段付部、段曲げ部、凹溝部を全て設けたが、特にこれに限定するものではない。
実施例15においては、段付部と凹溝部の間 又は 凹溝部と段曲げ部の間の芯材51の厚さ方向の略中間部分に吸着剤54を配置した。本実施例では前記吸着剤54として、物理吸着タイプの合成ゼオライト(商品名モレキュラシーブス)54aと、化学吸着タイプの生石灰(化学式CaO)54bを併用使用した。吸着剤54に関しては特にこれらに限定するものではなく、空気吸着剤やその他吸着剤が使用できる。
(天井21a用、背面21b用、底面21c用の真空断熱材)
天井21a、底面21b、背面21cに配置される真空断熱材50a、50b、50cは、各部の形状に沿った形にするため、曲げ成形を施している。底面21c用の真空断熱材50cについては曲げ形状に加え、庫内センサ(図示なし)のウレタン断熱材側への突き出し部分を逃げるための図5(c)に示すような底部のある凹溝を形成している。
本発明によれば、先に述べたように芯材表面に硬化層が形成されず、繊維同士の結着も殆ど無いことから、芯材51の内側層と表面層の硬度差が発生せず、曲げ加工や底部のある凹溝の加工が容易にできるものである。各部に配置した真空断熱材により、放熱パイプや平坦で無い形状部分にも配置できることから、冷蔵庫における真空断熱材の被覆率を拡大でき、断熱性能を改善することができる。
このような成形加工を施す場合においては、先に述べた実施例13及び実施例14のように、芯材表面が柔らかい方が加工しやすく好ましい。
1 冷蔵庫 2 冷蔵室 3a 貯氷室
3b 上段冷凍室 4 下段冷凍室 5 野菜室
6a 冷蔵室扉 6b 冷蔵室扉
7a 貯氷室扉 7b 上段冷凍室扉
8 下段冷凍室扉 9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ 11 パッキン
12,14 断熱仕切り 13 仕切り部材
20 箱体 21 外箱 22 内箱
23 発泡断熱材 27 送風機 28 冷却器
30 圧縮機 31 凝縮機
33 発泡ポリスチレン 40 凹部
41 電気部品 42 カバー 45 庫内灯
45a ケース
50 真空断熱材 51 芯材 52 内袋
53 外被材 54 吸着剤
60 放熱パイプ

Claims (7)

  1. 外箱と内箱との間に真空断熱材が配置された断熱壁を備え、
    前記真空断熱材は、バインダ成分を含まないガラス繊維集合体からなる芯材と、ガスバリヤ性を有する外被材と、水分やガスを吸着する吸着剤と、を有する冷蔵庫において、
    前記芯材の表面層から中心部に亘って同じ硬度又は中心部よりも表面層の方が柔らかいことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記芯材の一部に、曲げ部、溝部、凹部のいずれか又はこれらの複数が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記真空断熱材を、天井部、側面部、背面部、底面部のいずれか、或いは複数、又は全部に用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記真空断熱材は、前記芯材の一方の端面側に段付き部、これと対向する端面側に段曲げ部又は段付き部、これらの間に溝部がそれぞれ設けられており、前記段付き部と前記溝部及び前記段曲げ部以外の芯材内部に前記吸着剤を配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵庫。
  5. 外箱と内箱との間に真空断熱材が配置された断熱壁を備え、
    前記真空断熱材は、バインダ成分を含まないガラス繊維集合体を1層又は2層以上積層した芯材を有する冷蔵庫において、
    前記真空断熱材は、
    前記ガラス繊維集合体を1層又は2層以上積層したときの厚さ方向の高さよりも低い第1の高さ寸法で第1温度帯を通過させた予備加熱工程と、
    前記予備加熱工程から連続して前記第1の高さ寸法と同じか低い第2の高さ寸法で第2温度帯を通過さる熱成形工程と、
    続けて第3温度帯を通過させる冷却工程と、
    前記芯材内部に吸着剤を配置させる吸着剤投入工程と、
    前記吸着剤が配置された前記芯材を外被材に挿入する袋詰め工程と、
    これを真空引き・封止する真空パック工程と、
    真空パック後の前記芯材厚さを調整する平滑工程と、
    真空パックにより前記芯材の周囲の外被材端を芯材側に折り曲げる耳折り工程と、
    により製造されることを特徴とする冷蔵庫。
  6. 前記第1温度帯が前記ガラス繊維の歪点以上、前記第2温度帯が前記ガラス繊維の歪点以上且つ第1温度帯以上、前記第3温度帯が100℃以下であることを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記芯材の一部に、曲げ、溝等のいずれか又は複数を加工する成形工程を有することを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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