JP2019137944A - 空気紡績機 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸監視装置の測定を高精度に維持でき、屑糸の量を低減でき、糸継サイクルの時間を短縮可能な空気紡績機を提供する。【解決手段】空気紡績機は、空気紡績装置3と、糸貯留ローラ51と、巻取装置7と、糸監視装置と、制御部と、を備える。空気紡績装置3は、繊維束9に旋回空気流によって撚りを加えて紡績糸10を生成する。糸貯留ローラ51は、紡績糸10を一時的に貯留する。巻取装置7は、糸貯留ローラ51に貯留された紡績糸10を巻き取ってパッケージ70を形成する。糸監視装置は、空気紡績装置3と糸貯留ローラ51との間に配置され、紡績糸10の長欠陥L及び短欠陥を検出できる。制御部は、糸監視装置により紡績糸10に長欠陥Lが検出された場合、当該長欠陥Lが糸貯留ローラ51に残った状態で、巻取装置7による紡績糸10の巻取りを中断するように、パッケージ70の回転を停止させる。【選択図】図11
Description
本発明は、空気紡績機に関する。詳細には、本発明は、長さが異なる糸欠陥に対する糸継ぎに関する。
従来から、糸巻取機において、走行する糸の有無又は糸の品質を監視する糸監視装置と、糸継装置と、を備え、糸監視装置により糸欠陥を検出したときに糸が切断された後、糸継装置が、紡績部からの糸と、巻取部からの糸と、を糸継ぎする構成が知られている。特許文献1は、この種の糸巻取機を開示する。
特許文献1の糸巻取機は、空気紡績装置と、糸貯留装置と、糸貯留装置の下流に設けられた糸監視装置と、糸継装置と、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取部と、を備える。この糸巻取機では、糸監視装置が糸欠陥を検出した場合、空気紡績装置による紡績を停止した後に、糸貯留装置から巻取部までの糸が連続した状態でパッケージの回転を停止させている。その結果、糸欠陥は、パッケージに巻き取られる。
上記特許文献1の構成では、空気紡績装置が紡績を停止した後、糸貯留装置の下流の糸が切断され、残糸吸引装置によって、糸貯留装置に巻き付いていた残糸を除去していた。従って、特許文献1の構成は、糸貯留装置に巻き付いていた一定の量を有する残糸を除去する必要があるとともに、糸欠陥を除去できる量の糸をパッケージから解舒する必要があるので、除去される糸の量が多く、糸継サイクルの時間も長くなってしまう。
特許文献1においては糸監視装置が巻取部の近くに配置されているので、糸が巻取部でパッケージに巻き取られるときに糸がトラバースされる影響で、糸監視装置の測定精度が低下してしまう。
本発明の目的は、糸監視装置の測定を高精度に維持でき、屑糸の量を低減でき、糸継サイクルの時間を短縮可能な空気紡績機を提供することにある。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の空気紡績機が提供される。即ち、この空気紡績機は、空気紡績装置と、糸貯留ローラと、巻取装置と、糸監視装置と、制御部と、を備える。前記空気紡績装置は、繊維束に旋回空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する。前記糸貯留ローラは、前記紡績糸を一時的に貯留する。前記巻取装置は、前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸を巻き取ってパッケージを形成する。前記糸監視装置は、前記空気紡績装置と前記糸貯留ローラとの間に配置され、前記紡績糸の長欠陥及び短欠陥を検出できる。前記制御部は、前記糸監視装置により前記紡績糸に前記長欠陥が検出された場合、前記長欠陥が前記糸貯留ローラに残った状態で、前記巻取装置による前記紡績糸の巻取りを中断するように、前記パッケージの回転を停止させる。
これにより、長欠陥がパッケージに巻き取られることを防止でき、パッケージから解舒する紡績糸の長さも短くて済むので、屑糸の量を低減できるとともに、糸継サイクルの時間も短縮できる。紡績糸の走行が相対的に安定する位置に糸監視装置を配置することで、糸監視装置の測定精度を高く維持することができる。
前記の空気紡績機において、前記制御部は、前記糸監視装置により前記紡績糸に前記短欠陥が検出された場合、前記長欠陥が検出された場合における前記パッケージの回転を停止させるタイミングより遅いタイミングで、前記パッケージの回転を停止させることが好ましい。
これにより、短欠陥が検出される前に糸貯留ローラに貯留された正常な紡績糸(以下、「正常糸」とも言う)がパッケージに巻き取られるので、短欠陥を除去する場合でも、屑糸の量を低減することができるとともに、糸継サイクルの時間を短縮できる。
前記の空気紡績機においては、前記糸貯留ローラの近傍に配置され、前記紡績糸に含まれる長欠陥を除去する第1除去装置を備えることが好ましい。
これにより、糸貯留ローラに貯留された長欠陥を容易に除去することができる。
前記の空気紡績機においては、前記糸貯留ローラの下流側であって、回動可能に配置され、前記紡績糸に含まれる前記短欠陥を除去する第2除去装置を備えることが好ましい。
これにより、糸貯留ローラの下流側に短欠陥が配置されるタイミングでパッケージの回転を停止させた場合に、当該短欠陥を第2除去装置によって容易に除去することができる。
前記の空気紡績機において、前記制御部は、前記パッケージの回転が停止した後に前記糸貯留ローラの回転を停止させることが好ましい。
糸貯留ローラの上流側で切断された紡績糸の糸端は、回転している糸貯留ローラに巻き取られた後、遠心力によって糸貯留ローラの外周面から少し離れた状態を維持しながら小さく振り回される。このような状態を長く継続することで、糸貯留ローラに貯留された糸層に当該糸端が絡むことを防止できる。
前記の空気紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この空気紡績機は、貯留糸検出装置を備える。前記貯留糸検出装置は、前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸の有無を検出する。前記制御部は、前記糸監視装置が前記短欠陥を検出したときに、前記糸貯留ローラに前記紡績糸が貯留されていないことを前記貯留糸検出装置により検出した後、時間差をおいて前記パッケージの回転を停止させる。
これにより、パッケージの回転が停止したときに、短欠陥を糸貯留ローラの下流に位置させることができる。
前記の空気紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この空気紡績機は、糸検出装置と、空気噴射装置と、を備える。前記糸検出装置は、前記糸貯留ローラと前記巻取装置との間に配置され、前記紡績糸が走行する糸道における前記紡績糸の有無を検出する。前記空気噴射装置は、前記糸貯留ローラと前記巻取装置との間に配置され、前記糸道に対して空気を噴射する。前記制御部は、前記空気紡績装置による前記紡績糸の生成が中断された後、前記パッケージを、前記紡績糸を巻き取る巻取方向に回転させながら、前記空気噴射装置による空気の噴射を行わせる。前記制御部は、前記空気噴射装置が前記糸道に対して空気を噴射しているとき、前記糸検出装置により前記紡績糸が前記糸道に存在しないことを検出すると、前記パッケージの回転を停止させる。
これにより、糸貯留ローラの上流側で切断された紡績糸の糸端が糸貯留ローラから離れたことを迅速かつ確実に検出できる。
前記の空気紡績機において、前記糸貯留ローラは、直径が70mm以上110mm以下の貯留部を有することが好ましい。
これにより、長欠陥が糸貯留ローラに確実に残った状態でパッケージの巻取りを停止することができ、長欠陥の除去に要する処理時間を短縮することができる。
前記の空気紡績機において、前記糸貯留ローラは、10m以上の前記紡績糸を貯留できることが好ましい。
これにより、10m以上の長欠陥であっても、長欠陥が糸貯留ローラに残った状態でパッケージの巻取りを停止することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の空気紡績方法が提供される。即ち、この空気紡績方法は、空気紡績工程と、糸貯留工程と、巻取工程と、糸監視工程と、制御工程と、を含む。前記空気紡績工程では、空気紡績装置によって繊維束に旋回空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する。前記糸貯留工程では、糸貯留ローラによって前記紡績糸を一時的に貯留する。前記巻取工程では、前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸を巻き取ってパッケージを形成する。前記糸監視工程では、前記空気紡績装置と前記糸貯留ローラとの間に配置された糸監視装置によって、前記紡績糸の長欠陥及び短欠陥を検出できる。前記制御工程では、前記糸監視装置により前記紡績糸に前記長欠陥が検出された場合、前記長欠陥が前記糸貯留ローラに残った状態で、前記巻取工程による前記紡績糸の巻取りを中断するように、前記パッケージの回転を停止させる。
これにより、長欠陥がパッケージに巻き取られることを防止でき、パッケージから解舒する紡績糸の長さも短くて済むので、屑糸の量を低減できるとともに、糸継サイクルの時間も短縮できる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の説明において「上流」及び「下流」とは、紡績糸10の巻取時における、スライバ8と繊維束9と紡績糸10との走行方向での上流及び下流を意味する。
精紡機(空気紡績機)は、並設された複数の紡績ユニット100と、当該複数の紡績ユニット100を集中的に管理する図略の機台制御装置と、を備える。それぞれの紡績ユニット100は、スライバ8を用いて紡績糸10を生成し、生成された紡績糸10を巻き取ってパッケージ70を形成する。
精紡機は、上記機台制御装置と通信可能な制御部90(図4を参照)を備えている。制御部90は、CPU、ROM、RAM等のハードウェアと、制御プログラム等のソフトウェアと、を備えたコンピュータとして構成されており、紡績ユニット100が備える各部の作動を制御する。制御部90は、1つの紡績ユニット100ごとに設けられても良いし、複数の紡績ユニット100ごとに設けられても良い。
図1に示すように、各紡績ユニット100は、主として、上流から下流へ向かって順に配置された、ドラフト装置2と、空気紡績装置3と、糸監視装置4と、糸貯留装置5と、糸継装置6と、巻取装置7と、を備えている。
ドラフト装置2は、複数(本実施形態においては4つ)のドラフトローラと、それぞれのドラフトローラに対向するように配置される複数(本実施形態においては4つ)の対向ローラと、を備える。ドラフト装置2は、図略のスライバケースからスライバガイドを介して供給されるスライバ8を、ドラフトローラと対向ローラとの間で挟み込んで搬送することにより、所定の繊維量(又は太さ)となるまで引き伸ばして(ドラフトして)、繊維束9を生成する。
上記4つのドラフトローラは、上流側から順に、バックローラ21と、サードローラ22と、ゴム製のエプロンベルト23が装着されたミドルローラ24と、フロントローラ25である。各ドラフトローラは、所定の回転速度で回転駆動される。制御部90は、後述のドラフトモータ91の回転を制御することによって、当該各ドラフトローラの回転速度を制御できる。制御部90は、空気紡績装置3による紡績糸10の生成速度に合わせて、当該各ドラフトローラの回転速度を適宜に制御している。図4では、1つのドラフトモータ91が図示されているが、各ドラフトローラに対してドラフトモータが1つずつ設けられても良い。あるいは、バックローラ21とサードローラ22のみ、共通のドラフトモータで駆動しても良い。
フロントローラ25のすぐ下流側には、空気紡績装置3が配置されている。空気紡績装置3は、図略の紡績ノズルを備え、当該紡績ノズルから空気紡績装置3の内部に圧縮空気が噴射されることによって発生する旋回空気流により、ドラフト装置2から供給された繊維束9に撚りを加えて、紡績糸10を生成する。
空気紡績装置3は、制御部90の制御指令に基づいて、糸出し紡績と通常紡績を行うことができる。糸出し紡績とは、紡績糸10の生成方法及び紡績速度が通常紡績とは異なり、空気紡績装置3が紡績糸10の生成を開始又は再開するときに行う紡績動作である。通常紡績とは、糸出し紡績の後、巻取装置7により巻き取られる紡績糸10を連続して生成する紡績動作である。
空気紡績装置3のすぐ下流には、紡績糸検出装置30が配置されている。紡績糸検出装置30は、空気紡績装置3が生成して送出した直後の紡績糸10の有無を検出する。紡績糸検出装置30は、例えば、非接触式の光センサ又は静電容量式センサ等を用いることができる。
紡績糸検出装置30の下流側には、糸監視装置4が配置されている。糸監視装置4は、走行する紡績糸10の品質(太さ等)を光透過式のセンサによって監視し、紡績糸10に含まれる糸欠陥を検出する。なお、糸監視装置4は光透過式のセンサに限定されず、例えば静電容量式センサを用いて紡績糸10の品質を監視しても良い。
上記糸欠陥は、紡績糸10に異常がある箇所であって、センチ単位の短欠陥と、メートル単位の長欠陥等を含む。短欠陥は、例えば、紡績不良及び異物の混入によって他の部分よりも太い部分であるスラブと、細かい繊維が絡み合ったかたまりであるネップと、綿の茎葉であるトラッシュ等を含む。長欠陥は、スライバ8の太さムラによって紡績糸10に発生する比較的に長い細ムラ及び/又は太ムラと、繊維束9がドラフト装置2の対向ローラにラップアップすることによって紡績糸10が徐々に細くなる部分と、何らかの理由によってHD(Hairiness Difference)が異常な状態である糸ムラ等を含む。本実施形態においては、異常箇所の長さが50cm以上の糸欠陥を長欠陥とし、異常箇所の長さが50cmより短い糸欠陥を短欠陥とする。
糸監視装置4により糸欠陥が検出された場合、空気紡績装置3において紡績が停止されるので、当該空気紡績装置3の部分において紡績糸10の強度が低下し、紡績糸10が切断される。このように、空気紡績装置3は、糸監視装置4が糸欠陥を検出したときに紡績糸10を切断する切断部としての機能を有する。なお、カッタを用いて紡績糸10を切断しても良い。
上記のように、糸監視装置4を、空気紡績装置3及び糸貯留装置5の間に設置する構成は、糸監視装置4を糸貯留装置5の下流側に設置する構成に比べて、切断された紡績糸10の糸端A(図10においては糸端C)の近くに糸欠陥を位置させることができる。これにより、糸継ぎ時に発生する屑糸の量を削減できる。
糸監視装置4の下流側には、第1ガイド11が配置されている。第1ガイド11は、糸継ぎを行うとき等に紡績糸10を糸貯留装置5に引き寄せるために移動可能に構成されている。第1ガイド11は、後述の第1ガイドモータ93の駆動により、図1の実線に示す案内位置と、鎖線に示す待機位置と、の間で回動できるように配置されている。
第1ガイド11の下流側には、テンションセンサ40が配置されている。テンションセンサ40は、例えばロードセル式のセンサとして構成されている。テンションセンサ40は、走行する紡績糸10の張力を測定し、当該張力に対応した電気信号を制御部90へ出力する。
テンションセンサ40の下流側には、糸貯留装置5が配置されている。糸貯留装置5は、糸貯留ローラ51と、当該糸貯留ローラ51を回転駆動する貯留モータ52と、糸掛け部材53と、を備える。
糸貯留ローラ51は、直径が70mm以上110mm以下の貯留部51aを有し、当該貯留部51aの外周面に紡績糸10が巻き付けられることにより、紡績糸10を一時的に貯留する。糸貯留ローラ51は、10m以上(本実施形態においては、50m以上)の紡績糸10を貯留することが可能に形成されている。このように、糸貯留ローラ51により貯留される紡績糸10の量を多くすることができるので、当該糸貯留ローラ51の貯留量を検出することができる貯留糸検出装置50を取付可能な範囲が広がる。図2では、貯留部51aは外径が一定である円筒形状を有するように図示されている。しかし、貯留部51aは、上流側から下流側に向かうに従って径が小さくなるテーパ状に形成されていても良く、複数のテーパ部を備えていても良い。
糸貯留ローラ51と、貯留モータ52との間には、図略の中間軸が設けられている。この中間軸の介在により、貯留モータ52の回転軸及び軸受の摩損を軽減することができる。当該中間軸では、直径が互いに異なる部分が軸方向で隣り合っており、その結果、中間軸は段付き状に形成されている。糸貯留ローラ51の軸穴は、当該中間軸の先端側にある相対的に細い部分しか挿入できないように形成されている。これにより、糸貯留ローラ51の位置決めを容易に行うことができる。なお、中間軸を段付き状に形成しなくても良い。
糸貯留ローラ51の下流端部には、糸掛け部材53が取り付けられている。糸掛け部材53は、糸貯留ローラ51に対して相対回転可能に支持されている。糸掛け部材53又は糸貯留ローラ51の何れか一方に永久磁石が取り付けられ、他方には磁気ヒステリシス材が取り付けられている。これらの磁気的手段により、糸掛け部材53が糸貯留ローラ51に対し相対回転するのに抗するトルクが発生する。従って、このトルクに打ち勝つような力が糸掛け部材53に加わった場合(所定以上の張力が掛かっている場合)にのみ、糸掛け部材53は糸貯留ローラ51に対して相対的に回転し、糸貯留ローラ51に巻き付けられた紡績糸10を解舒することができる。このトルクに打ち勝つ力が糸掛け部材53に掛かっていない場合、糸貯留ローラ51と糸掛け部材53は一体的に回転し、糸貯留ローラ51に紡績糸10が貯留される。永久磁石の代わりに、電磁石を取り付けても良い。磁気的手段の代わりに、糸掛け部材53を回転駆動する駆動モータを設けても良い。
このように、糸貯留装置5は、下流側の糸張力が上がると紡績糸10を解舒し、糸張力が下がる(紡績糸10が弛みそうになる)と紡績糸10の解舒を止めるように動作する。これにより、糸貯留装置5は、紡績糸10の弛みを解消して、紡績糸10に適切な張力を付与することができる。糸掛け部材53が上記のように糸貯留装置5と巻取装置7との間の紡績糸10に加わる糸張力の変動を吸収するように動作することで、当該糸張力の変動が、空気紡績装置3から糸貯留装置5までの間の紡績糸10に影響を及ぼすことを防止できる。従って、空気紡績装置3と糸貯留装置5との間の紡績糸10は、相対的に安定な状態で走行しているので、この部分に糸監視装置4を設置することで、糸監視装置4の検出精度を高く維持することができる。
貯留モータ52は、正逆回転が可能な電動モータとして構成され、所定の場合(例えば、長欠陥を除去するとき)には糸貯留ローラ51を逆回転させて、糸貯留ローラ51に巻き付けられている紡績糸10を解舒させることもできるようになっている。
糸貯留ローラ51の貯留部51aの上流側部分(紡績糸10を巻き始める部分)に対応する位置であって、糸貯留装置5の近傍には、糸貯留ローラ51に貯留されている紡績糸10の有無を検出する貯留糸検出装置50と、糸吸引装置(第1除去装置)54と、が配置されている。
貯留糸検出装置50は、例えば光センサから構成され、糸貯留ローラ51に貯留された10m以上50m以下の紡績糸10を検出できる位置に配置されている。貯留糸検出装置50は、糸貯留ローラ51に貯留されている紡績糸10の貯留量を検出する役割も果たしている。所望する貯留量に対応する位置に貯留糸検出装置50を設置し、貯留糸検出装置50の検出結果を用いて紡績速度又は/及び巻取速度を調整することで、所望する貯留量を容易に実現することができる。この貯留糸検出装置50は省略しても良い。この場合、糸貯留ローラ51に紡績糸10が案内される速度(紡績速度)と、糸貯留ローラ51から紡績糸10が解舒される速度(巻取速度)との速度差に基づいて、糸貯留ローラ51に貯留されている紡績糸10の貯留量が算出される。
糸吸引装置54は、図2に示すように、糸貯留ローラ51を挟んで、貯留糸検出装置50とは反対の位置に配置されている。糸吸引装置54は、中空のパイプにより構成され、負圧源としての図略のブロアに接続されており、パイプの先端部に吸引空気流を発生させることができる。糸吸引装置54は、先端部に吸引空気流を発生することで、糸貯留装置5の上流側で切断された糸端A(図5)又は糸端C(図10)を吸引捕捉することができる。
後述の制御部90は、例えば、糸吸引装置54と図略のブロアとの間の空気経路に設けられた糸吸引バルブ54aの開閉を制御することによって、当該糸吸引装置54のパイプの先端部に吸引空気流を発生又は停止することができる。
糸貯留ローラ51の下流側であって、紡績糸10が走行する糸道の近傍に糸外しガイド14が配置されている。糸外しガイド14は、糸貯留ローラ51の下流側の糸道の一側(図1の実線に示す待機位置)から他側(図1の鎖線に示す動作位置)に向かって回動可能に設けられている。糸外しガイド14が動作位置に移動することによって、紡績糸10が糸掛け部材53から外される。
糸貯留ローラ51及び糸外しガイド14の下流側には、第2ガイド12が配置されている。第2ガイド12のすぐ下流側には、糸貯留ローラ51から解舒される紡績糸10の動きを規制する第3ガイド13が配置されている。
第3ガイド13のすぐ下流側には、図略のブロアに接続されるヤーントラップ41が配置されている。ヤーントラップ41は、中空のパイプにより構成され、先端部が糸道に接近して設けられている。ヤーントラップ41は、先端部に吸引空気流を発生させることで、走行する紡績糸10に付着している風綿などのゴミを吸引除去する。
ヤーントラップ41の下流側には、糸継装置6が配置されている。糸継装置6は、空気紡績装置3とパッケージ70との間の紡績糸10が何らかの理由により分断状態となったときに、空気紡績装置3からの紡績糸10(第1糸)と、パッケージ70からの紡績糸10(第2糸)と、を糸継ぎする。本実施形態において、糸継装置6は、旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。糸継装置6は上記スプライサ装置に限定せず、例えば機械式のノッタ等を採用することもできる。
紡績ユニット100は、紡績糸10を糸継装置6まで案内する捕捉案内装置を備える。捕捉案内装置は、第1糸を案内する第1捕捉案内装置15と、第2糸を案内する第2捕捉案内装置(第2除去装置)16と、から構成される。
第1捕捉案内装置15は、根元部分が回動可能に支持されており、この根元部分を回動中心として上下方向に回動することができる。第1捕捉案内装置15は、中空状に構成されるとともに、図略のブロアに接続されており、先端部に吸引空気流を発生させることができる。第1捕捉案内装置15は、下方に回動することで、第1糸の糸端Bを捕捉することが可能な第1糸捕捉位置に移動することができる(図8を参照)。第1捕捉案内装置15は、第1糸を捕捉した後、上方に回動することで、第1糸を糸継装置6へ案内することができる。
第2捕捉案内装置16は、根元部分が回動可能に支持されており、この根元部分を回動中心として上下方向に回動することができる。第2捕捉案内装置16も、中空状に構成されるとともに、図略のブロアに接続されており、先端部に吸引空気流を発生させることができる。第2捕捉案内装置16は、上方に回動することで、第2糸の糸端(図8においては糸端A、図11においては糸端E)を捕捉することが可能な第2糸捕捉位置に移動することができる(図8を参照)。第2捕捉案内装置16は、第2糸を捕捉した後、下方に回動することで、第2糸を糸継装置6へ案内することができる。
この状態で糸継装置6を駆動することで、第1糸と第2糸を糸継ぎし、空気紡績装置3とパッケージ70との間で紡績糸10を連続状態とする。これにより、パッケージ70へ紡績糸10の巻取りを再開することができる。
糸継装置6の下流側には、糸検出装置60が配置されている。糸検出装置60は、糸道を走行している紡績糸10の有無を検出する。糸検出装置60は、糸継装置6による糸継ぎの成否、パッケージ70に混入する可能性がある屑糸の存在等も検出するように構成されていても良い。糸検出装置60は、例えば、非接触式の光センサ又は静電容量式のセンサを用いることができる。
糸検出装置60のすぐ下流側には、空気噴射装置61と糸規制ガイド62が配置されている。空気噴射装置61は、図略の圧縮空気源に接続され、糸道に対して圧縮空気を噴射することができる。糸規制ガイド62は、空気噴射装置61により吹き飛ばされてくる紡績糸10が引っ掛かることにより、当該紡績糸10の動き及び位置を規制する。
糸検出装置60の下流側には、図3に示すように、上流側から順に、メインガイド64と、サブガイド65と、が設置されている。空気噴射装置61は、サブガイド65より上流側であって、メインガイド64の上(下流側の側面)に取り付けられている。空気噴射装置61は、メインノズル61aと、補助ノズル61bと、を備え、メインガイド64とサブガイド65との間に圧縮空気を噴射する。
空気噴射装置61は、空気噴射装置61の正面から糸道に向かう方向に圧縮空気をメインノズル61aから噴射する。補助ノズル61bは、糸道(糸規制ガイド62の先端)より図3の左側に取り付けられている。空気噴射装置61は、メインノズル61aから噴射された空気と合流するように、糸道に向かって補助ノズル61bからも圧縮空気を噴射する。即ち、補助ノズル61bからは、糸道に対して斜めに圧縮空気が噴射される。これにより、巻取装置7でのトラバースによって揺れ動いている紡績糸10も、糸規制ガイド62により好適に規制することができる。即ち、補助ノズル61bを設けることで、吹き飛ばされた紡績糸10が糸規制ガイド62から外れることを防止できる。
空気噴射装置61及び糸規制ガイド62を設けることで、糸端A(E)を規制することができ、第2捕捉案内装置16によって糸端A(E)を容易に捕捉することができる。
空気噴射装置61及び糸規制ガイド62の下流側には、巻取装置7が配置されている。巻取装置7は、ドラフト装置2の上流端よりも高い位置に設けられている。巻取装置7は、クレードルアーム71と、巻取ドラム72と、を備える。糸貯留装置5から巻取装置7への、紡績糸10が走行する糸道は、糸検出装置60と巻取装置7との間に配置された下流ガイド63により屈曲して案内されている。
クレードルアーム71は、紡績糸10を巻き付けるための巻取管73を回転可能に支持することができる。クレードルアーム71は、その根元部分を回動中心として回動可能である。これにより、巻取管73に紡績糸10を巻き付けてパッケージ70の径が大きくなっても、パッケージ70と巻取ドラム72との接触具合を適切に維持でき、紡績糸10の巻取りを継続することができる。
巻取ドラム72は、後述の巻取ドラムモータ72aの駆動力が伝達されることにより、巻取管73又はパッケージ70の外周面に接触した状態で回転する。巻取ドラム72の外周面には図略の綾振溝が形成されており、この綾振溝によって紡績糸10を所定の幅でトラバースすることができる。このように、巻取装置7は、紡績糸10をトラバースさせながら巻取管73に巻き付けて、パッケージ70を形成することができる。
次に、紡績ユニット100の電気的構成について、図4を参照しながら簡単に説明する。紡績ユニット100は、上述のそれぞれの装置の駆動及び制動のために用いられる、ドラフトモータ91と、紡績バルブ92と、第1ガイドモータ93と、糸外しガイドモータ94と、第2ガイドモータ95と、糸継カムモータ96と、捕捉案内モータ97と、空気噴射バルブ98と、巻取ドラムモータ72aと、巻取ブレーキバルブ99と、を備えている。
ドラフトモータ91は、例えば複数の電動モータであり、ドラフト装置2のバックローラ21、サードローラ22、ミドルローラ24、及びフロントローラ25を、それぞれ所定の速度で駆動することができる。
紡績バルブ92は、圧縮空気源から空気紡績装置3に圧縮空気を供給する経路に配置された電磁弁として構成されている。紡績バルブ92は、空気紡績装置3において繊維束9を撚って紡績するための旋回空気流を発生させるか否かを切り換えることができる。
第1ガイドモータ93は、第1ガイド11を、その根元部分を回動中心として、案内位置と待機位置とに回動させることができる、正回転及び逆回転可能な電動モータである。
糸外しガイドモータ94は、糸外しガイド14を、待機位置と動作位置とに回動させることができる、正回転及び逆回転可能な電動モータである。
第2ガイドモータ95は、第2ガイド12を、その根元部分を回動中心として、動作位置と待機位置とに回動させることができる、正回転及び逆回転可能な電動モータである。パッケージ70の巻取り中、第2ガイドは図1の実線に示す動作位置に位置しており、第3ガイド13とともに紡績糸10の走行を案内する。後述する糸継ぎの後に第2ガイド12を図1の鎖線に示す待機位置から動作位置に移動させることにより、紡績糸10を再び糸道にセットすることができる。
糸継カムモータ96は、糸継装置6が備える図略のカムを回転駆動することができる、正回転及び逆回転可能な電動モータである。このカムは、糸継装置6が備える各糸継動作部(例えば、糸寄せレバー、糸押さえレバー、クランプ部、及びカッタ等)を動作させる。
捕捉案内モータ97は、第1捕捉案内装置15及び第2捕捉案内装置16を上下に回動させることができる、正回転及び逆回転可能な電動モータである。捕捉案内モータ97は、第1捕捉案内装置15を駆動する電動モータと、第2捕捉案内装置16を駆動する電動モータと、を個別に備えていても良い。
空気噴射バルブ98は、圧縮空気源から空気噴射装置61に圧縮空気を供給する経路に配置された電磁弁として構成されている。空気噴射バルブ98は、空気噴射装置61へ圧縮空気の供給と供給停止とを切り換えることができる。
巻取ブレーキバルブ99は、巻取装置7のブレーキ機構(図略)を作動させるための適宜のアクチュエータ(例えば、空気圧シリンダ)に圧縮空気を供給するための経路に配置された電磁弁である。巻取ブレーキバルブ99は、巻取装置7におけるパッケージ70の制動と制動解放とを切り換えることが可能に構成されている。
制御部90は、上記それぞれのモータと電気的に接続しており、各モータの回転と停止、あるいは回転速度等を制御することができる。制御部90は、上記各バルブと電気的に接続しており、それぞれのバルブの開閉を制御することができる。紡績糸検出装置30、糸監視装置4、貯留糸検出装置50、及び糸検出装置60は、制御部90に電気的に接続されており、検出結果をそれぞれ制御部90に出力することができる。
次に、糸監視装置4により糸欠陥を検出した場合に行われる糸継ぎについて説明する。短欠陥Sが検出された場合に行われる糸継ぎの流れについて、図5から図9までを参照して先に説明する。
糸監視装置4により短欠陥Sが検出された場合、制御部90は、即時に紡績バルブ92を閉じ、ドラフトモータ91の回転を停止させる。紡績の停止によって、図5に示すように、貯留糸検出装置50より上流側の紡績糸10が紡績の停止によって切断される。これにより、糸貯留装置5に貯留されている紡績糸10の上流側に糸端Aが発生する。
制御部90は、紡績バルブ92を閉じた後、貯留糸検出装置50が紡績糸を検出しなくなった時点から所定巻取時間が経過するまで、パッケージ70の回転を維持する。これにより、糸貯留装置5に貯留されていた正常糸をパッケージ70に巻き取らせることができるので、短欠陥Sを除去する際の屑糸の量を低減できる。通常の巻取速度で、糸貯留装置5に貯留されていた正常糸を巻き取ることで、後述の第1低速巻取りの時間を短縮することができ、糸継ぎサイクルの時間を短縮できる。
上記の所定巻取時間は、紡績糸10の走行速度及び紡績糸10の太さ等に基づいて適宜に設定することができる。少量の紡績糸10が糸貯留ローラ51の貯留部51aに巻き付けられた状態で、パッケージ70の回転が完全に停止することが好ましい。これにより、糸貯留装置5と巻取ドラム72の間の装置に糸端Aが絡んでしまうことを回避できる。
紡績の停止後、貯留糸検出装置50が紡績糸10を検出しなくなった時点から所定巻取時間が経過した後に、制御部90は巻取ドラムモータ72aの回転を停止させ、巻取ブレーキバルブ99を開いて、図略のブレーキ機構を動作させる。これにより、パッケージ70の回転が停止する。
パッケージ70の回転が停止した後、制御部90は、貯留モータ52(即ち、糸貯留ローラ51)の回転を停止させる。糸貯留ローラ51が回転している間は、糸端Aは遠心力によって、糸貯留ローラ51の外周面から少し離れた状態で振り回される。従って、糸貯留ローラ51の回転を遅いタイミングで停止させることで、糸貯留ローラ51に貯留されている糸層に当該糸端Aが絡むことを防止できる。
制御部90は、紡績が停止した後から、糸貯留ローラ51の回転停止までの間に、適宜のタイミングで紡績ノズルによるクリーニング動作を実行させる。ただし、クリーニング動作は省略しても良い。
クリーニング動作が完了した後、制御部90は、図6に示すように、第1ガイド11を待機位置(実線)に移動させるように第1ガイドモータ93を回転させる。
これと同時に、又はその前あるいは後に、制御部90は、第1捕捉案内装置15を第1糸捕捉位置(図6の実線を参照)に移動させるように捕捉案内モータ97を回転させる。
糸貯留ローラ51の回転が停止した後、制御部90は、糸吸引バルブ54aを開いて、糸吸引装置54の先端に吸引空気流を発生させる。これと同時又はその後、制御部90は、貯留モータ52を逆回転させ、図2に示すように、糸貯留ローラ51を1.5〜2回転分逆回転させる。これにより、紡績糸10が糸貯留ローラ51から少し解舒され、糸吸引装置54により糸端Aを容易に捕捉することができる。このように、糸端Aは糸吸引装置54によって吸引捕捉されるので、この後に行う第1低速巻取りの過程で当該糸端Aが糸貯留ローラ51に貯留されている糸層に絡むことを防止できる。
糸貯留ローラ51の逆回転が終了した後、即ち、糸端Aが糸吸引装置54により吸引捕捉された後、制御部90は巻取ドラムモータ72aを動作させ、図7に示すように、パッケージ70による紡績糸10の巻取りを第1低速(例えば、10〜30m/min)で開始させる。
上記第1低速巻取りが開始した後、制御部90は、所定の時間をおいて空気噴射バルブ98を開いて、空気噴射装置61によって糸道に向かって圧縮空気を噴射する。上記所定の時間は、糸端Aが糸検出装置60を通過する前のタイミングで空気噴射装置61による圧縮空気の噴射を開始できるように、適宜に設定される。
巻取装置7の第1低速巻取りにより、糸貯留ローラ51に貯留されていた紡績糸10が徐々にパッケージ70に巻き取られる。その後、糸端Aは、糸吸引装置54から引き出される。糸端Aは、糸吸引装置54から解放されると、図7に示すように、ヤーントラップ41により吸引される。そして、巻取装置7の第1低速巻取りが続くことにより、当該糸端Aがヤーントラップ41からも引き出される。このように、糸端Aが段階的に保持されながら下流側に移動するので、当該糸端Aが他の装置に絡むことを回避できる。
糸端Aがヤーントラップ41から引き出されると、糸端Aは自由な状態になるので、図8に示すように、当該糸端Aは、空気噴射装置61により糸道から離れる方向に吹き飛ばされ、糸規制ガイド62に引っ掛かる。
図8に示すように、糸端Aが糸規制ガイド62に引っ掛かり、糸道から離れているので、紡績糸10は糸検出装置60を通過しない。糸検出装置60は、糸道に紡績糸10が無いことを検出し、紡績糸10が無い旨の検出信号を制御部90に送信する。制御部90は、当該検出信号を糸検出装置60から受信すると、パッケージ70の回転を停止させる。
このように、糸端Aが糸貯留装置5から離れ、ヤーントラップ41から引き出されたことが空気噴射装置61を用いることで即時に検出でき、第2捕捉案内装置16が第2糸捕捉位置で当該糸端Aを捕捉できる状態で、巻取装置7の第1低速巻取りを停止させることが可能になる。即ち、糸端Aがパッケージ70に巻き取られることを防止できる。これにより、糸端Aがパッケージ70の糸層に絡むことなく、第2捕捉案内装置16によって第2糸を容易に捕捉することができる。
その後、制御部90は、第2捕捉案内装置16を、図8の実線に示す第2糸捕捉位置まで移動させて、糸端Aを捕捉させる。第2捕捉案内装置16が糸端Aを捕捉した後、制御部90は、空気噴射バルブ98を閉じて、空気噴射装置61による圧縮空気の噴射を停止させる。
次に、制御部90は、パッケージ70を逆回転させながら、第2捕捉案内装置16を、図9の実線に示す糸継位置まで移動させる。これにより、第2捕捉案内装置16により捕捉された第2糸が糸継装置6に案内される。
第2捕捉案内装置16を糸継位置まで移動させる代わりに、第2捕捉案内装置16を図9の点線に示す待機位置までいったん移動させ、パッケージ70の逆回転が完了した後に、糸継位置に移動させても良い。当該待機位置は、紡績糸10が糸継装置6のノズル等に接触しないように、かつ、糸検出装置60を通過できるように、適宜設定することができる。これにより、パッケージ70の逆回転中に、紡績糸10が糸継装置6に引っ掛かることを防止できる。
図9に示すように、第2捕捉案内装置16の案内によって、紡績糸10は糸検出装置60を通過するようになり、糸検出装置60によって、当該紡績糸10の有無を検出することができる。
この糸検出装置60の検出結果に基づいて、第2捕捉案内装置16による糸端Aの捕捉が成功したか否かを容易に判定することができる。具体的には、制御部90は、第2捕捉案内装置16を糸継位置まで移動させた後、糸検出装置60によって紡績糸10が検出された場合、第2捕捉案内装置16による第2糸の捕捉が成功したと判定し、糸検出装置60によって紡績糸10が検出できない場合、第2捕捉案内装置16による第2糸の捕捉が失敗したと判定する。制御部90は、第2捕捉案内装置16による第2糸の捕捉が失敗した場合、糸継ぎを中断する。
第2捕捉案内装置16による第2糸の捕捉が成功したと制御部90が判定した場合、パッケージ70から所定長さの紡績糸10が解舒された後、制御部90は、巻取ドラム72(巻取ドラムモータ72a)の逆回転を停止し、パッケージ70の逆回転を停止させる。上記の所定長さは、第2捕捉案内装置16によって短欠陥Sを除去できるように、紡績糸10の太さ又はパッケージ70の逆回転速度等に基づいて適宜に設定されている。しかし、これに限定されず、例えば、糸検出装置60により紡績糸10を監視し、糸検出装置60によって短欠陥Sが通過したことを検出した後、制御部90は、パッケージ70の逆回転を停止させても良い。
パッケージ70の逆回転が停止した後、制御部90は、紡績バルブ92を開いて、空気紡績装置3による糸出し紡績を開始させるとともに、ドラフト装置2の各ローラを当該糸出し紡績に応じた回転速度で回転させる。
糸出し紡績により生成された紡績糸10が紡績糸検出装置30により検出された後に、所定糸出し紡績時間が経過すると、制御部90は、第1捕捉案内装置15を、図9の実線に示す糸継位置まで移動させる。これにより、第1捕捉案内装置15により捕捉された第1糸が糸継装置6に案内される。当該所定糸出し紡績時間は、第1捕捉案内装置15が第1糸を捕捉できるように適宜に設定することができる。例えば、第1捕捉案内装置15の内部に図略の糸検出センサを設置し、当該糸検出センサが第1糸を検出した時点で第1捕捉案内装置15を移動させる構成とすることもできる。
制御部90は、上記第1捕捉案内装置15の移動を開始する前に、第2ガイド12を図9の実線に示す待機位置まで移動するように、第2ガイドモータ95を作動させる。
第1捕捉案内装置15が第1糸捕捉位置から糸継位置まで移動する間に、制御部90は、第1ガイド11を、図9の実線に示す案内位置まで移動させ、これと同時又はその後に、第2ガイド12を図9の鎖線に示す動作位置に戻すことで、紡績糸10が糸掛け部材53に掛かり、糸貯留ローラ51への紡績糸10の貯留が開始される。制御部90は、第1捕捉案内装置15が糸継位置に移動した時点では糸出し紡績に応じた回転速度で回転しているように、適宜のタイミングで糸貯留ローラ51の回転を開始させる。
これと同時又はその後に、制御部90は、図9に示すように、糸外しガイド14を待機位置(鎖線)から動作位置(実線)まで回動させる。これにより、紡績糸10が糸貯留装置5の糸掛け部材53から外され、糸貯留ローラ51に貯留されず、第1捕捉案内装置15によって吸引される。
これと同時に、制御部90は、空気紡績装置3の通常紡績を開始させるとともに、ドラフト装置2の各ローラを通常紡績時における回転速度で回転させる。
空気紡績装置3による通常紡績が開始してから、所定通常紡績時間経過後に、制御部90は、糸外しガイド14を待機位置まで戻させ、糸貯留装置5による紡績糸10の貯留を再開させる。これと同時に、糸継装置6による糸継ぎを開始させる。
糸継装置6における糸継ぎが完了した後、制御部90は、巻取装置7における第2低速巻取りを開始させるとともに、空気噴射装置61による圧縮空気の噴射を開始させ、糸継ぎが成功したか否かを判定する。第2低速巻取りとは、パッケージ70が第2低速(例えば10〜20m/min)で正回転し、紡績糸10が低速で巻き取られることである。
糸継ぎが失敗した場合、分断状態の紡績糸10が空気噴射装置61によって吹き飛ばされるので、紡績糸10が糸検出装置60から外れる。従って、糸検出装置60は、糸道に紡績糸10が無いことを検出して、検出信号を制御部90へ送信する。この場合、制御部90は、糸継ぎが失敗したと判定し、ドラフト装置2のドラフト動作と、空気紡績装置3の紡績動作と、巻取装置7の第2低速巻取りを停止させる。そして、制御部90は、図13に示すように、空気噴射装置61による圧縮空気の噴射を所定時間継続させる。圧縮空気が継続噴射される間に、制御部90は、巻取装置7と糸継装置6との間の紡績糸10を長くするように、巻取ドラム72を少し逆回転させ、パッケージ70から紡績糸10を解舒する。圧縮空気を噴射する上記の所定時間は、紡績糸10に内在するトルクを解消できるように適宜に設定されている。これにより、その後の糸継ぎ等における糸端の挙動を安定させることができる。
当該所定時間経過後、制御部90は、空気噴射装置61の動作をいったん停止し、第2捕捉案内装置16を第2糸捕捉位置に移動させ、糸継ぎを再開させる。第2捕捉案内装置16により第2糸を捕捉する間に、空気噴射装置61を間欠的に動作させる。空気噴射装置61が間欠的に動作する時間間隔等は、第2捕捉案内装置16によって第2糸を捕捉できる状態を維持するように適宜に設定されている。これにより、第2捕捉案内装置16によって第2糸を捕捉できるとともに、圧縮空気の消費を低減することができる。
糸継ぎが成功した場合、紡績糸10が空気噴射装置61による圧縮空気の噴射に影響されず、糸検出装置60によって検出される。この場合、制御部90は、糸継ぎが成功したと判定し、巻取ドラムモータ72aを通常の巻取速度まで加速させ、巻取装置7による通常の巻取りを再開させる。
短欠陥Sを含む所定量の紡績糸10は、糸継装置6が備えるカッタによって切断され、図9に示すように、第2捕捉案内装置16によって吸引され、除去される。
続いて、糸監視装置4により長欠陥Lが検出された場合に行われる糸継ぎの流れについて、図10から図12までを参照して詳細に説明する。以下の説明においては、短欠陥Sが検出された場合と異なる動作のみ説明し、短欠陥Sが検出された場合と同じ動作に関する説明を省略する。
糸監視装置4により長欠陥Lが検出された場合、制御部90は、紡績バルブ92を即時に閉じ、ドラフトモータ91の回転を停止させる。紡績の停止によって、図5に示すように、貯留糸検出装置50より上流側の紡績糸10が切断される。これにより、糸貯留装置5に貯留されている紡績糸10の上流側に糸端Cが発生する。
制御部90は、短欠陥Sが検出された場合より早いタイミングで、図10に示すように、当該長欠陥Lが糸貯留装置5により貯留されている状態で、巻取装置7の巻取りを停止させる。例えば、制御部90は、紡績を停止すると同時に、巻取装置7の巻取りを停止させることができる。この場合、巻取装置7が巻取りの停止を開始してから巻取りが完全に停止するまでのタイムラグによって、ある程度の紡績糸10を巻き取ることができる。しかし、これに限定せず、制御部90が、紡績バルブ92を閉じた後、所定時間経過後に、巻取装置7の巻取りを停止させても良い。
そして、短欠陥Sの場合と同じように、制御部90は、パッケージ70の回転が停止した後に、糸貯留装置5による紡績糸10の貯留を停止させる。糸貯留ローラ51の回転が停止した後、制御部90は、糸吸引装置54の先端に吸引空気流を発生させ、糸端Cを吸引捕捉させる。これと同時又はその後、制御部90は、貯留モータ52を逆回転させ、図2に示すように、糸貯留ローラ51を1.5〜2回転分逆回転させる。
それと同時又はその後、制御部90は、図11に示すように、糸継装置6を動作させて、糸継装置6が紡績糸10を保持した状態で、糸継装置6が備えたカッタを用いて紡績糸10を切断し、2つの糸端が発生する。以下の説明において、糸貯留装置5側の糸端(糸貯留装置5に貯留されている紡績糸10の下流側の糸端)を糸端Dと称し、巻取装置7側の糸端(パッケージ70に巻かれている紡績糸10の糸端)を糸端Eと称する。
図11に示すように、糸端Dは、ヤーントラップ41によって吸引捕捉され、糸端Eは、糸継装置6によって保持される。
その後、制御部90は、糸貯留ローラ51を逆回転させる。このとき、図11のヤーントラップ41に吸引されている糸端Dは、糸外しガイド14が図9の実線に示す動作位置に移動することにより、ヤーントラップ41から引き出される。長欠陥Lを含む紡績糸10は、糸貯留ローラ51から解舒され、糸吸引装置54によって吸引除去される。糸貯留ローラ51が逆回転を開始してから所定時間が経過しても貯留糸検出装置50が紡績糸10を検出し続けた場合、制御部90は、解舒に失敗したと判断し、糸継ぎを中断する。
それと同時又はその後、制御部90は、図12のタイミングチャートで示すように、糸継装置6が糸端Eを保持している状態で、空気噴射装置61による圧縮空気の噴射を開始させる。そして、空気噴射装置61が圧縮空気を噴射している間に、制御部90は、糸継装置6と巻取装置7との間に紡績糸10の弛みを作るために、巻取ドラム72を少し逆回転させ、少量の紡績糸10をパッケージ70から解舒させる。これにより、紡績糸10の張力を緩和でき、紡績糸10の暴れを回避することができる。
制御部90は、空気噴射装置61による圧縮空気の噴射が開始した後、糸継装置6を動作させ、糸端Eを開放させる。糸端Eが開放されると、空気噴射装置61によって吹き飛ばされ、糸規制ガイド62に引っ掛かる(図8を参照)。
糸継装置6が動作して、糸端Eを開放した後、制御部90は、図8に示すように、第2捕捉案内装置16を第2糸捕捉位置に移動させる。制御部90は、図12に示すように、第2捕捉案内装置16が第2糸捕捉位置へ移動する間に、空気噴射装置61をいったん停止させ、第2捕捉案内装置16が第2糸捕捉位置に到着した後、空気噴射装置61による圧縮空気の噴射を再開する。圧縮空気の噴射後の適宜のタイミングで、糸検出装置60のゼロ点補正が行われる。第1捕捉案内装置15による第1糸の捕捉、第2捕捉案内装置16による第2糸の捕捉、糸継装置6への案内、糸継ぎ等の動作は、上記短欠陥Sが検出された場合と同じであるため、説明を省略する。
長欠陥Lを除去し、糸継ぎ後に、紡績糸10の巻取りを再開しても良い。あるいは、長欠陥Lを除去した後にアラームを出して、長欠陥Lが発生したことを作業者に知らせてもよい。
以上に説明したように、本実施形態の精紡機は、空気紡績装置3と、糸貯留ローラ51と、巻取装置7と、糸監視装置4と、制御部90と、を備える。空気紡績装置3は、繊維束9に旋回空気流によって撚りを加えて紡績糸10を生成する。糸貯留ローラ51は、紡績糸10を一時的に貯留する。巻取装置7は、糸貯留ローラ51に貯留された紡績糸10を巻き取ってパッケージ70を形成する。糸監視装置4は、空気紡績装置3と糸貯留ローラ51との間に配置され、紡績糸10の長欠陥L及び短欠陥Sを検出できる。制御部90は、糸監視装置4により紡績糸10に長欠陥Lが検出された場合、当該長欠陥Lが糸貯留ローラ51に残った状態で、巻取装置7による紡績糸10の巻取りを中断するように、パッケージ70の回転を停止させる。
これにより、長欠陥Lがパッケージ70に巻き取られることを防止でき、パッケージ70から解舒する紡績糸10の長さも短くて済むので、屑糸の量を低減できるとともに、糸継サイクルの時間も短縮できる。紡績糸10の走行が相対的に安定する位置に糸監視装置4を配置することで、糸監視装置4の測定精度を高く維持することができる。
本実施形態の精紡機の制御部90は、糸監視装置4により紡績糸10に短欠陥Sが検出された場合、長欠陥Lが検出された場合におけるパッケージ70の回転を停止させるタイミングより遅いタイミングで、パッケージ70の回転を停止させる。
これにより、短欠陥Sが検出される前に糸貯留ローラ51に貯留された正常糸がパッケージ70に巻き取られるので、短欠陥Sを除去する場合でも、屑糸の量を低減することができるとともに、糸継ぎサイクルの時間を短縮できる。
本実施形態の精紡機は、糸貯留ローラ51の近傍に配置され、紡績糸10に含まれる長欠陥Lを除去する糸吸引装置54を備える。
これにより、糸貯留ローラ51に貯留された長欠陥Lを容易に除去することができる。
本実施形態の精紡機は、糸貯留ローラ51の下流側であって、回動可能に配置され、紡績糸10に含まれる短欠陥Sを除去する第2捕捉案内装置16を備える。
これにより、糸貯留ローラ51の下流側に短欠陥Sが配置されるタイミングでパッケージ70の回転を停止させた場合に、当該短欠陥Sを第2捕捉案内装置16により容易に除去することができる。
本実施形態の精紡機の制御部90は、パッケージ70の回転が停止した後に糸貯留ローラ51の回転を停止させる。
糸貯留ローラ51の上流側で切断された紡績糸10の糸端A(C)は、回転している糸貯留ローラ51に巻き取られた後、遠心力によって糸貯留ローラ51の外周面から少し離れた状態を維持しながら小さく振り回される。このような状態を長く継続することで、糸貯留ローラ51に貯留された糸層に当該糸端A(C)が絡むことを防止できる。
本実施形態の精紡機は、糸貯留ローラ51に貯留された紡績糸10の有無を検出する貯留糸検出装置50を備える。制御部90は、糸監視装置4が短欠陥Sを検出したときに、糸貯留ローラ51に紡績糸10が貯留されていないことを貯留糸検出装置50により検出した後、時間差をおいてパッケージ70の回転を停止させる。
これにより、パッケージ70の回転が停止したときに、短欠陥Sを糸貯留ローラ51の下流に位置させることができる。
本実施形態の精紡機は、糸検出装置60と、空気噴射装置61と、を備える。糸検出装置60は、糸貯留ローラ51と巻取装置7との間に配置され、紡績糸10が走行する糸道における当該紡績糸10の有無を検出する。空気噴射装置61は、糸貯留ローラ51と巻取装置7との間に配置され、糸道に対して圧縮空気を噴射する。制御部90は、空気紡績装置3による紡績が中断された後、パッケージ70を、紡績糸10を巻き取る巻取方向に回転させながら、空気噴射装置61による空気の噴射を行わせる。制御部90は、空気噴射装置61が糸道に対して圧縮空気を噴射しているとき、糸検出装置60により紡績糸10が糸道に存在しないことを検出すると、パッケージ70の回転を停止させる。
これにより、糸貯留ローラ51の上流側で切断された紡績糸10の糸端Aが糸貯留ローラ51から離れたことを迅速かつ確実に検出できる。
本実施形態の精紡機の糸貯留ローラ51は、直径が70mm以上110mm以下の貯留部51aを有する。
これにより、長欠陥Lが糸貯留ローラ51に確実に残った状態でパッケージ70の巻取りを停止することができ、長欠陥Lの除去に要する処理時間を短縮することができる。
本実施形態の精紡機の糸貯留ローラ51は、10m以上の紡績糸10を貯留できる。
これにより、10m以上の長欠陥Lであっても、長欠陥Lが糸貯留ローラ51に残った状態でパッケージ70の巻取りを停止することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
図12のタイミングチャートに示す各部の動作は、短欠陥Sが検出された場合でも実施することができる。
図12のタイミングチャートに示す各部の動作は、糸継ぎが失敗した場合だけ、実施しても良い。
糸継ぎが失敗したと判定した場合、空気噴射装置61の動作を継続せず、パッケージ70の逆回転中に、糸端A(E)の動きを安定させることが可能であれば、例えば、図略のクランプ等によって、当該糸端A(E)を保持することもできる。あるいは、空気噴射装置61の動作の継続もクランプ等による糸端A(E)の保持も行わなくても良い。
空気噴射装置61及び糸規制ガイド62は、メインガイド64の上ではなく、巻取ドラム72より上流側であって、第2捕捉案内装置16によって第2糸を捕捉できる別の位置に配置されても良い。
空気噴射装置61は、1つのノズルだけ備えても良い。
糸吸引装置54の代わりに、ヤーントラップ41によって、長欠陥Lを含む糸端Dから糸端Cまでの紡績糸10を吸引除去することもできる。この場合、制御部90は、糸吸引バルブ54aを閉じ、糸吸引装置54の動作を停止させて、糸貯留ローラ51を正回転させる。ヤーントラップ41は省略しても良い。
空気紡績装置3は、上記構成に代えて、互いに反対方向に繊維束に撚りを与える1対のエアージェットノズルを備えていても良い。紡績ユニット100は、ドラフト装置2と空気紡績装置3の代わりにオープンエンド紡績装置(ロータ式紡績装置)を設けても良い。
空気紡績装置3と糸貯留装置5との間に、デリベリローラ対を設け、当該デリベリローラ対により紡績糸10を空気紡績装置3から引き出しても良い。この場合、デリベリローラ対のうち1つのローラは、糸継ぎを行う紡績ユニット100において、当該ローラを個別に回転駆動することができるように、他の紡績ユニット100のローラとは独立して回転駆動される。パッケージ70の巻取りの中断時に、当該デリベリローラ対はパッケージ70と同期して回転を停止する。
スプライサ装置又はノッタ等の代わりに、ピーシングにより紡績糸10を連続状態にしても良い。ピーシングとは、パッケージ70からの紡績糸10を空気紡績装置3に逆送させた後、ドラフト装置2によるドラフトと空気紡績装置3による紡績を再開することにより、紡績糸10を連続状態とする方法である。
短欠陥Sが検出された場合、パッケージ70の巻取りを停止する代わりに、当該パッケージ70の巻取りを、第1低速までに減速させ、発生した糸端Aを徐々に巻き取ることもできる。この場合、糸貯留ローラ51は、その回転をそのまま続けても良いし、減速しても良いし、又は、いったん停止して、上記に説明したように1.5〜2回転分逆回転しても良い。
貯留糸検出装置50とは別に、糸貯留ローラ51の貯留部51aの根元側(紡績糸10走行の上流側)に第2貯留糸検出装置を更に設けても良い。これにより、糸貯留ローラ51に巻かれた長欠陥Lを含む紡績糸10を解舒して糸吸引装置54によって吸引除去する場合、当該紡績糸10の解舒の成否を、第2貯留糸検出装置の検出結果に基づいてより正確に判定することができる。その他、糸継ぎ時における貯留糸検出装置50の一部又は全部の検出動作の代わりに、当該第2貯留糸検出装置による検出動作を行うことができる。即ち、制御部90は、糸継ぎ時において、貯留糸検出装置50の検出結果の一部又は全部の代わりに、第2貯留糸検出装置の検出結果を用いることができる。
紡績ユニット100では、高さ方向において、上側から供給された紡績糸10が下側で巻き取られるように各装置が配置されていても良い。
複数の紡績ユニット100に対して移動可能に設けられた作業台車に糸継装置6が設けられても良い。この構成で、パッケージ70と糸貯留装置5との間の紡績糸10を切断する場合、紡績糸10は、作業台車に設けられたカッタ又は糸継装置6のカッタ、或いは各紡績ユニット100に設けられたカッタにより切断される。
複数の紡績ユニット100の巻取ドラム72が1つの駆動モータにより駆動されても良い。パッケージ70の巻取りを中断するとき、パッケージ70を巻取ドラム72から離間させ、図略のブレーキ機構によりパッケージ70の回転を停止しても良い。パッケージ70と糸貯留装置5との間で紡績糸10が切断された後、パッケージ70を巻取ドラム72に接触させることにより、パッケージ70に連なる紡績糸10をパッケージ70に巻き取っても良い。その後、糸継ぎのために、パッケージ70を再び巻取ドラム72から離間させる。
糸貯留ローラ51から紡績糸10を除去するときに糸掛け部材53に紡績糸10が引っ掛からないようにするための構成は、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、糸貯留装置5に糸外しレバーを設け、当該糸外しレバーを動作させることにより、紡績糸10が糸掛け部材53に引っ掛からないようにしても良い。
3 空気紡績装置
4 糸監視装置
7 巻取装置
9 繊維束
10 紡績糸
51 糸貯留ローラ
70 パッケージ
90 制御部
4 糸監視装置
7 巻取装置
9 繊維束
10 紡績糸
51 糸貯留ローラ
70 パッケージ
90 制御部
Claims (10)
- 繊維束に旋回空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する空気紡績装置と、
前記紡績糸を一時的に貯留する糸貯留ローラと、
前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
前記空気紡績装置と前記糸貯留ローラとの間に配置され、前記紡績糸の長欠陥及び短欠陥を検出できる糸監視装置と、
前記糸監視装置により前記紡績糸に前記長欠陥が検出された場合、前記長欠陥が前記糸貯留ローラに残った状態で、前記巻取装置による前記紡績糸の巻取りを中断するように、前記パッケージの回転を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1に記載の空気紡績機であって、
前記制御部は、前記糸監視装置により前記紡績糸に前記短欠陥が検出された場合、前記長欠陥が検出された場合における前記パッケージの回転を停止させるタイミングより遅いタイミングで、前記パッケージの回転を停止させることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1又は2に記載の空気紡績機であって、
前記糸貯留ローラの近傍に配置され、前記紡績糸に含まれる長欠陥を除去する第1除去装置を備えることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の空気紡績機であって、
前記糸貯留ローラの下流側であって、回動可能に配置され、前記紡績糸に含まれる前記短欠陥を除去する第2除去装置を備えることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の空気紡績機であって、
前記制御部は、前記パッケージの回転が停止した後に前記糸貯留ローラの回転を停止させることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載の空気紡績機であって、
前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸の有無を検出する貯留糸検出装置を備え、
前記制御部は、前記糸監視装置が前記短欠陥を検出したときに、前記糸貯留ローラに前記紡績糸が貯留されていないことを前記貯留糸検出装置により検出した後、時間差をおいて前記パッケージの回転を停止させることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載の空気紡績機であって、
前記糸貯留ローラと前記巻取装置との間に配置され、前記紡績糸が走行する糸道における前記紡績糸の有無を検出する糸検出装置と、
前記糸貯留ローラと前記巻取装置との間に配置され、前記糸道に対して空気を噴射する空気噴射装置と、
を備え、
前記制御部は、前記空気紡績装置による前記紡績糸の生成が中断された後、前記パッケージを、前記紡績糸を巻き取る巻取方向に回転させながら、前記空気噴射装置による空気の噴射を行わせ、
前記制御部は、前記空気噴射装置が前記糸道に対して空気を噴射しているとき、前記糸検出装置により前記紡績糸が前記糸道に存在しないことを検出すると、前記パッケージの回転を停止させることを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1から7までの何れか一項に記載の空気紡績機であって、
前記糸貯留ローラは、直径が70mm以上110mm以下の貯留部を有することを特徴とする空気紡績機。 - 請求項1から8までの何れか一項に記載の空気紡績機であって、
前記糸貯留ローラは、10m以上の前記紡績糸を貯留できることを特徴とする空気紡績機。 - 空気紡績装置によって繊維束に旋回空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する空気紡績工程と、
糸貯留ローラによって前記紡績糸を一時的に貯留する糸貯留工程と、
前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取工程と、
前記空気紡績装置と前記糸貯留ローラとの間に配置された糸監視装置によって、前記紡績糸の長欠陥及び短欠陥を検出できる糸監視工程と、
前記糸監視装置により前記紡績糸に前記長欠陥が検出された場合、前記長欠陥が前記糸貯留ローラに残った状態で、前記巻取工程による前記紡績糸の巻取りを中断するように、前記パッケージの回転を停止させる制御工程と、
を含むことを特徴とする空気紡績方法。
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