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JP2019136027A - 発酵物 - Google Patents

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輝嘉 高垣
Teruyoshi Takagaki
輝嘉 高垣
山城 弘
Hiroshi Yamashiro
弘 山城
隆史 杉本
Takashi Sugimoto
隆史 杉本
伸治 石原
Shinji Ishihara
伸治 石原
平田 徹
Toru Hirata
徹 平田
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Rabj Co Ltd
Yaegaki Biotechnology Inc
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Rabj Co Ltd
Yaegaki Biotechnology Inc
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Abstract

【課題】低分子化とは別の機能を合わせ持つコラーゲン原料を提供する。【解決手段】コラーゲンの乳酸菌による発酵物に関する。また、コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を含むオルニチンまたはシトルリンの製造方法に関する。また、前記発酵物を含む美白用組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、発酵物に関し、特にコラーゲンの乳酸菌による発酵物に関する。
コラーゲンは美容用途などに有用な素材として注目されており、なかでもコラーゲンを酵素によって低分子化したコラーゲンペプチドは、高分子のコラーゲンに比べて体内への吸収性が高まることが期待できることから、高機能のコラーゲン原料として知られている(特許文献1および2)。しかしながら、消費者の多様化するニーズに応えるためには、低分子化だけでは不充分であり、低分子化とは別の機能を合わせ持つコラーゲン原料を提供することが求められている。
一方、乳酸菌はヨーグルト、漬物等の発酵食品の製造において用いられている。乳酸菌発酵により食物の風味を改善でき、代謝産物として様々な有用成分が産生されることが知られている。乳酸菌の発酵原料としては主に牛乳、野菜などが用いられているが、コラーゲン中で乳酸菌を発酵させられることは知られていなかった。
特開2004−238365号公報 特開2016−079122号公報
本発明は、低分子化とは別の機能を合わせ持つコラーゲン原料を提供することを目的とする。
本発明者らは、コラーゲンの処理方法について種々検討したところ、コラーゲンを主成分とする培地により乳酸菌の発酵が可能であることを見出した。さらに、コラーゲンを乳酸菌で発酵させると、発酵物中にオルニチンおよびシトルリンを含む代謝産物が産生されること、および、当該発酵物が美白作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、コラーゲンの乳酸菌による発酵物に関する。
乳酸菌はラクトコッカス属微生物であることが好ましい。
ラクトコッカス属微生物はラクトコッカス・ラクティスであることが好ましい。
コラーゲンは魚類由来のコラーゲンであることが好ましい。
また、本発明は、コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を含む、オルニチンまたはシトルリンの製造方法に関する。
また、本発明は、前記発酵物を含む、美白用組成物に関する。
前記美白がメラニンの合成の抑制により引き起こされる美白であることが好ましい。
メラニンの合成の抑制が、チロシナーゼ遺伝子の発現抑制により引き起こされることが好ましい。
本発明によれば、コラーゲンを乳酸菌で発酵させることで、発酵物中にオルニチンおよびシトルリンを含む代謝産物が産生される。また、本発明の発酵物にはコラーゲン成分、および発酵工程で使用した乳酸菌も含まれ、これらの成分による効能も享受できる。さらに、当該発酵物は美白作用を有する。
本発明の発酵物により培養した色素細胞の、細胞数を示す。 本発明の発酵物により培養した色素細胞の、着色度を示す。 チロシナーゼ遺伝子の発現量を示す。 TRP−1遺伝子の発現量を示す。 TRP−2遺伝子の発現量を示す。
(1)発酵物
本発明の発酵物は、コラーゲンの乳酸菌による発酵物であることを特徴とする。
コラーゲンとしては、特に限定されず、たとえば動物などから抽出したものが使用できる。由来する動物種についても特に限定されず、たとえばティラピア等の淡水魚類、タラ、鮭等の海水魚類、牛、豚等の哺乳動物、鶏等の鳥類が挙げられる。この中でも、魚類由来のものが好ましく、ティラピア由来のものがより好ましい。また、由来する部位についても特に限定されず、魚類を使用する場合には、たとえば鱗、皮、骨、軟骨、ひれ、臓器などが挙げられる。この中でも鱗が好ましい。
また、コラーゲンとしては、前述したコラーゲンを酵素によって低分子化したコラーゲンペプチドを使用してもよい。コラーゲンペプチドを得るための酵素としては、特に限定されず、たとえばプロテアーゼ、ペプチダーゼ、コラーゲナーゼなどが挙げられる。これらの酵素は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。酵素反応の条件は特に限定されないが、温度は40℃以下が好ましく、35〜38℃がより好ましい。酵素反応処理物に、さらに、ろ過、濃縮、殺菌、スプレードライ等の処理を行うこともできる。コラーゲンペプチドの形態としては粉末、液体が挙げられる。
乳酸菌としては、コラーゲンを含む培地中で増殖するものであれば特に限定されず、たとえばラクトコッカス(Lactococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、リューコノストック(Leuconostoc)属などに属する微生物が挙げられるが、ラクトコッカス属、ラクトバチルス属が好ましい。ラクトコッカス属に属する乳酸菌としては、たとえばラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクティス サブスピーシーズラクティス(Lactococcus lactis subsp.lactis)などが挙げられるが、ラクトコッカス・ラクティス サブスピーシーズラクティスが好ましい。前述した属および種に該当する乳酸菌であれば市販品だけでなく、独自に分離した菌株でも使用することができる。
発酵方法は、コラーゲンを含む培地を使用する限り、特に限定されず、たとえば静置培養、pHを一定にした中和培養や、回分培養、連続培養等、菌体が良好に生育する条件であれば、特に制限はない。
必要に応じて発酵促進物質、例えば糖類、澱粉、デキストリンなどの炭素源、酵母エキス、ペプトンなどの窒素源、ビタミン類、ミネラル類などを加えることができる。
糖類としては、たとえばグルコース、アラビノース、ショ糖、乳糖、ソルビトール、フラクトース、トレハロースが挙げられる。なかでもグルコース、アラビノース、トレハロースを含有することが好ましい。
培地中のコラーゲンの濃度は5〜40重量%が好ましく、15〜30重量%がより好ましい。糖類を使用する場合、使用量は培地中に0.1〜5重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。
発酵温度は特に限定されないが、20〜42℃が好ましく、25〜37℃がより好ましい。42℃を超えると、培養できなくなる傾向があり、20℃未満では、培養時間が長くなる傾向がある。
発酵時間は特に限定されないが、4〜120時間が好ましく、12〜48時間がより好ましく、18〜36時間がさらに好ましい。
発酵時の雰囲気は限定されないが、好気条件下であることが好ましい。
乳酸菌の増殖能および発酵能を活性化させるため、発酵工程前に乳酸菌を前培養することが好ましい。前培養は前述した発酵条件で行うことができる。
前述の発酵工程終了後、得られた発酵物をそのまま用いることもできるが、必要に応じて、殺菌処理、濃縮処理を行ってもよい。発酵物から乳酸菌を除去したものを用いてもよい。乳酸菌の除去方法としては、フィルターろ過、遠心分離等が挙げられる。また、発酵物の形態についても特に限定されず、液状、粉末状等の形態で用いることができる。
前述の発酵工程によって、コラーゲンが低分子化されるとともに、発酵物中のオルニチン、またはシトルリンの含量は、原料コラーゲン中の含量より増加する。ここで、オルニチン、シトルリン等のアミノ酸について、発酵物中の含量とは、発酵物の液体成分に含まれる遊離アミノ酸の量をいう。
本発明の発酵物中に含まれるコラーゲンの重量平均分子量は3200以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2800以下であることがさらに好ましい。
本発明の発酵物において、乳酸菌数は、固体基準で1.0×1010cfu/g以上が好ましく、1.5×1010cfu/g以上がより好ましく、2.5×1010cfu/g以上がさらに好ましい。
本発明の発酵物において、オルニチン含量は0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、1.0重量%以上がさらに好ましく、1.5重量%以上がさらにより好ましく、1.8重量%以上が特に好ましい。オルニチンは肝臓でアンモニアを代謝し、機能低下した肝臓を保護するなどの効能が知られている。オルニチンは通常の食事では必要量を摂取することが困難であるが、本発明の発酵物を利用すれば効率的に摂取することができる。
本発明の発酵物において、シトルリン含量は0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましく、0.4重量%以上がさらにより好ましい。シトルリンは血管拡張作用等の効能が知られている。シトルリンは通常の食事では必要量を摂取することが困難であるが、本発明の発酵物を利用すれば効率的に摂取することができる。
本発明の発酵物はコラーゲンと乳酸菌という食経験のある原料から製造されるため、安全性が高く、食品、飲料、医薬品、医薬部外品、化粧品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、栄養補助食品(サプリメント)、飼料などに適用可能である。これらの中でも化粧品、食品、サプリメントが好ましい。化粧品の形態としては、美白用組成物の剤形として後述する形態が挙げられる。食品の形態としては特に限定されず、たとえばゼリー、ドリンク、菓子、介護食などが挙げられる。サプリメントの形態としては、固形剤や液状剤などに適用可能であるが、錠剤、カプセル、顆粒等の固形剤が好ましい。このような化粧品、食品、サプリメントを摂取することで、腸内環境改善作用、免疫賦活作用、美容・美肌作用などが期待できる。
本発明のコラーゲンの低分子化方法は、コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を有することを特徴とする。発酵工程において、コラーゲン、乳酸菌は、前述のものを使用することができ、発酵は前述した条件で行うことができる。
(2)オルニチンまたはシトルリンの製造方法
本発明のオルニチンの製造方法は、コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を含むことを特徴とする。また、本発明のシトルリンの製造方法は、コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を含むことを特徴とする。いずれの製造方法においても、コラーゲン、乳酸菌は、前述のものを使用することができ、発酵は前述した条件で行うことができる。コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程に続き、発酵物を加水分解する工程を含んでもよい。また、コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程の後、発酵物から乳酸菌を除去する工程や、発酵物を加水分解する工程を実施してもよい。乳酸菌はフィルターろ過や遠心分離等の公知の方法により発酵物から除去することができる。
コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を経て得られる発酵物は、原料コラーゲンの分解物に加えて、オルニチンおよび/またはシトルリンを含む。さらに、原料コラーゲンの未分解物も含み得る。これらはいずれも有用成分であるため、そのまま摂取することも可能である。また、オルニチンおよび/またはシトルリンを精製して利用することも可能である。オルニチンおよび/またはシトルリンの精製は、イオン交換樹脂による分離や、溶解度差を利用した分別結晶化等、これらのアミノ酸の精製方法として公知の方法により行うことができる。
(3)美白用組成物
本発明の美白用組成物は、上記発酵物を含むことを特徴とする。上記発酵物は、色素細胞によるメラニンの合成を抑制することにより、皮膚の美白効果を奏する。皮膚の美白効果は、チロシナーゼ遺伝子の発現抑制によるものであることが好ましい。一般的に、皮膚の日焼けやシミは、色素細胞中のメラニンの沈着により生じることが知られている。メラニンはチロシナーゼの働きにより、アミノ酸の一種であるチロシンから合成される。本発明では、チロシナーゼ遺伝子の発現抑制によりメラニンの沈着を防止し、皮膚の美白効果を達成できる。
本発明の美白用組成物において、上記発酵物の配合量は特に限定されないが、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。
美白用組成物は、上記発酵物に加えて、化粧品において通常用いられる任意成分を含んでいてもよい。このような任意成分としては、例えば、界面活性剤、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、顔料、紫外線吸収剤、ビタミン類、アミノ酸類、薬効成分、植物抽出物などが挙げられる。
美白用組成物の剤形は特に限定されず、化粧品において通常用いられる剤形に製造できるが、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、ファンデーション、スプレーなどが挙げられる。
美白用組成物は化粧料として皮膚に塗布することにより、皮膚の美白効果を奏する。塗布箇所としては、顔、身体、手足等の皮膚が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(1)発酵物の作製(実施例1)
(1−1)コラーゲンペプチドの作製
ティラピアの鱗を希塩酸中に1時間浸漬することで脱灰処理を行い、続いて苛性ソーダを用いて中和および水洗を行った。水洗後の鱗を熱水中に投入し、95℃で4時間以上かけてゼラチンを抽出した。得られたゼラチン溶液の固形分に対し、0.4〜0.8重量%のプロテアーゼを添加し38℃で酵素反応を行った。反応終了後、酵素反応液の固形分に対し1〜2重量%の活性炭を添加し、ろ過助剤として珪藻土を用いたフィルターろ過、減圧濃縮および加熱殺菌(85℃、15分)を行ったあと、スプレードライして粉末状のコラーゲンペプチドを得た。
(1−2)発酵物の作製
前培養として、上記(1−1)で得られたコラーゲンペプチド25重量%、グルコース1重量%、残部を水とする培地100mlに、本発明者らが分離したラクトコッカス・ラクティス サブスピーシーズラクティス RT221株(Lactococcus lactis subsp.lactis RT221)を植菌し、30℃で24時間培養した。ついで、本培養として、上記(1)で得られたコラーゲンペプチド25重量%、グルコース1重量%、残部を水とする培地に対して前培養液が2重量%になるように植菌し、30℃で24時間培養した。培養終了後、加熱殺菌し、噴霧乾燥して、粉末状の発酵物を得た。
(1−3)アミノ酸組成の測定
上記(1−2)で得られた発酵物から乳酸菌をフィルターろ過したものを検体とし、該検体を常法で加水分解し、アミノ酸自動分析法でアミノ酸組成を測定した。同様の加水分解方法およびアミノ酸自動分析法により、発酵処理前の上記(1−1)のコラーゲンペプチドのアミノ酸組成も測定した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2019136027
乳酸菌発酵前のコラーゲンペプチドではオルニチンとシトルリンはいずれも検出限界(10mg/100g)以下であったのに対し、乳酸菌発酵物100g中にはオルニチンが1.99g、シトルリンが439mg含まれており、乳酸菌発酵によりオルニチンとシトルリンの含有量が増大することが確認された。
(2)発酵物の色素沈着抑制能の測定(実施例2〜4、参考例1、比較例1〜2)
(2−1)色素細胞の培養
上記(1−2)で得られた発酵物から乳酸菌をフィルターろ過により除去し、乳酸発酵コラーゲンを得た。この乳酸発酵コラーゲンを、10μg/mL、100μg/mL、または500μg/mLの最終濃度となるように細胞培養培地(derma−life)に添加した(実施例2〜4)。この培地中で正常ヒト培養色素細胞を7日間培養した。培養開始より定期的に写真撮影し、色素細胞の増殖と着色を目視観察した。
乳酸発酵コラーゲンに代えて、エンドセリン1を50nMの最終濃度となるように細胞培養培地に添加した以外は、実施例2〜4と同じ操作を行った(参考例1)。エンドセリン1は、チロシナーゼ誘導能(メラニン産生促進作用)を有する陽性対照として用いた。
乳酸発酵コラーゲンを添加しない以外は、実施例2〜4と同じ操作を行った(比較例1)。また、乳酸発酵コラーゲンに代えて、ハイドロキノンを25μMの最終濃度となるように細胞培養培地に添加した以外は、実施例2〜4と同じ操作を行った(比較例2)。ハイドロキノンは、チロシナーゼ活性を阻害する陰性対照として用いた。
(2−2)色素沈着抑制能の測定
培養開始後の5日目に、色素細胞の細胞数を位相差顕微鏡下で任意の1視野に認められるメラニン細胞の実数を計測し、複数視野での測定値の平均値を算出した。その結果を図1に示す。
培養開始後7日目に細胞をホルマリンで固定後、チロシナーゼ機能を有する色素細胞をdopa染色により染色し、細胞の着色を吸光法により測定した。その測定結果を細胞数により補正し、細胞あたりの着色度を算出した。算出結果を図2に示す。
図1に示すように、乳酸発酵コラーゲン添加群(実施例2〜4)による色素細胞の増殖抑制能には用量依存性が認められた。また、図2に示すように、実施例3では、比較例1および参考例1よりもdopa染色による着色度が低かった。一方、実施例3では比較例2よりもdopa染色による着色度が高かった。なお、dopaはチロシナーゼの活性によるチロシンからメラニンの生合成経路における中間体であり、dopa染色による着色度はチロシナーゼ活性の強度と相関する。
(2−3)遺伝子発現量の測定
実施例2〜4、参考例1、比較例1〜2により得られた色素細胞から総RNAを抽出して、定量的RT−PCRによりチロシナーゼ遺伝子、TRP−1遺伝子、およびTRP−2遺伝子の発現量を測定した。TRP−1遺伝子、およびTRP−2遺伝子は、チロシナーゼ遺伝子の下流で機能する遺伝子である。その結果を図3〜5に示す。なお、図3〜5において、縦軸は、β−アクチンの発現量に対する各遺伝子の発現量の比を示す。
図3〜5に示すように、エンドセリン1添加群(参考例1)は未添加群(比較例1)と比較して、各遺伝子の発現が有意に増強された。これに対し、乳酸発酵コラーゲン添加群(実施例2〜4)は、チロシナーゼ遺伝子については用量依存的に遺伝子発現を低下させた(図3)。ハイドロキノン添加群(比較例2)は、未添加群(比較例1)と大きな差はみられなかった(図3)。ハイドロキノンはチロシナーゼの酵素活性のみを阻害する作用機序が知られており、チロシナーゼの遺伝子発現およびタンパク質合成には影響しない。
以上の結果は、乳酸発酵コラーゲンが、色素細胞からのチロシナーゼ発現を抑制するとともに、チロシナーゼの酵素機能を制御することにより、美白効果を奏することを示している。

Claims (8)

  1. コラーゲンの乳酸菌による発酵物。
  2. 乳酸菌がラクトコッカス属微生物である、請求項1に記載の発酵物。
  3. ラクトコッカス属微生物がラクトコッカス・ラクティスである、請求項2に記載の発酵物。
  4. コラーゲンが魚類由来のコラーゲンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発酵物。
  5. コラーゲンを乳酸菌で発酵させる工程を含む、オルニチンまたはシトルリンの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発酵物を含む、美白用組成物。
  7. 美白がメラニンの合成の抑制により引き起こされる、請求項6に記載の美白用組成物。
  8. メラニンの合成の抑制が、チロシナーゼ遺伝子の発現抑制により引き起こされる、請求項7に記載の美白用組成物。

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