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JP2019132752A - 携帯型電子機器、および運動支援システム - Google Patents

携帯型電子機器、および運動支援システム Download PDF

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JP2019132752A JP2018016187A JP2018016187A JP2019132752A JP 2019132752 A JP2019132752 A JP 2019132752A JP 2018016187 A JP2018016187 A JP 2018016187A JP 2018016187 A JP2018016187 A JP 2018016187A JP 2019132752 A JP2019132752 A JP 2019132752A
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義宏 山村
Yoshihiro Yamamura
義宏 山村
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】TTFFが短く、ユーザーの利便性を向上させた携帯型電子機器を実現する。【解決手段】現在時刻が開始時点より前の第1の時点に達したと判断すると、衛星信号を受信させ、該衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、第1の時点から第1の時間経過後に衛星信号を受信させ、現在時刻が第1の時点よりも開始時点に近い第2の時点に達したと判断すると、衛星信号を受信させ、該衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、第2の時点から第1の時間よりも短い第2の時間経過後に衛星信号を受信させる。【選択図】図6

Description

本発明は、携帯型電子機器、および運動支援システムに関する。
ランニングやサイクリング等のスポーツ活動に従事するユーザーの位置、速度をGPS(Global Positioning System)受信機で計測するスポーツ活動モニタリング装置(以下、GPSスポーツ機器とも呼称する)が実用化されている。GPSスポーツ機器を用いることによって、ユーザーはスポーツ活動中に自らの走行速度や走行距離等のパフォーマンス情報を把握することができ、マラソン大会やトライアスロン大会等のレース中の走行ペースを管理する際に有効に活用することができる。
例えば、マラソン大会等のレースにGPSスポーツ機器を使用する場合には、ユーザーが計測指示をGPSスポーツ機器に与えてからできるだけ短い時間でGPS受信機が位置、速度を計測できる状態になることが望ましい。言い換えると、GPS受信機のTTFF(Time To First Fix)をできるだけ短くすることが求められる。TTFFを短くするためには、GPS受信機をいわゆるホットスタートあるいはウォームスタートの状態にすればよいことが知られている。ここで、本明細書において「ホットスタート」とは、GPS受信機が位置、速度を計測する地点、時刻において有効なエフェメリス(精密衛星軌道情報)を保持している状態を意味する。一方、「ウォームスタート」とは、GPS受信機が位置、速度を計測する地点、時刻において有効なエフェメリスを保持していないが、アルマナック(概略衛星軌道情報)を保持している状態を意味する。また、「コールドスタート」とは、GPS受信機が位置、速度を計測する地点、時刻において有効なエフェメリスもアルマナックも保持していない状態を意味する。
TTFFを短くする技術として特許文献1には、旅行中の日時に有効なアルマナックを含む旅行データパッケージをあらかじめインターネットを経由して提供する情報提供システムが記載されている。ユーザーは自らの携帯端末に情報提供システムが提供する旅行データパッケージを記憶させて旅行に出かけることにより、旅行先においてウォームスタートの状態でGPS受信機を動作させることができる。即ち、旅行データパッケージには、旅行日程に基づいて位置データが抽出されており、この位置データを初期位置としてGPS受信器、例えば携帯型電子機器によってGPSの測位を実施することで、GPSの捕捉を高速に行うことができるとしている。
特開2001−109764号公報
特許文献1に記載された技術では、GPS受信機をウォームスタートの状態で動作させることができるので、コールドスタートの場合と比較してTTFFを短くすることができる。しかしながら、ホットスタートの状態と比較すると、有効なエフェメリスを保持していないことから、TTFFを期待通り十分に短くすることができているとは言い難い。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る携帯型電子機器は、現在時刻を計時する計時部と、衛星測位システムからの衛星信号を受信する衛星測位部と、イベントの開始時点を含むイベント情報を取得する取得部と、前記開始時点、および前記計時部からの時刻情報に基づき、前記衛星測位部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記現在時刻が前記開始時点より前の第1の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第1の時点から第1の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記現在時刻が前記第1の時点よりも前記開始時点に近い第2の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第2の時点から前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させることを特徴とする。
本適用例に係る携帯型電子機器によれば、制御部は、現在時刻が開始時点より前の所定時刻である第1の時点に達したと判断した以降に、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、現在時刻が開始時点に近づくに連れて、衛星信号を受信してエフェメリスを取得する受信処理を実行する時間間隔を短くする。これにより、現在時刻が開始時点より前の所定時刻である第1の時点に達したと判断した以降は、アルマナック、および、できるだけ多くの衛星のエフェメリスを収集する。そして、現在時刻が第1の時点よりも開始時点に近い第2の時点に達したと判断した以降、即ち第2の時点よりも開始時点に近づいたと判断した場合、制御部は、衛星測位部の衛星信号の受信間隔を短くして、可視衛星、あるいは測位に必要な最小限の数、例えば4ないし5個のエフェメリスの更新(取得)を優先させることができる。その結果、開始時点までに取得されるエフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができることから、いわゆるホットスタートとすることができ、TTFFを短縮することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記制御部は、前記第1の時間経過後に前記衛星信号を受信したときに前記エフェメリスを取得できた場合、前記第2の時点まで前記衛星測位部の受信処理を待機させることが好ましい。
本適用例によれば、第1の時点から第1の時間経過後に衛星信号を受信したときに、衛星信号からエフェメリスを取得できた場合、第2の時点まで衛星測位部の受信処理を待機させることにより、電源としての電池や充電池の必要以上の消耗を防ぐことができる。
[適用例3]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記制御部は、前記第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信したときに前記エフェメリスを取得できた場合、前記現在時刻が前記第2の時点よりも前記開始時点に近い第3の時点に達するまで、前記衛星測位部の受信処理を待機させることが好ましい。
本適用例によれば、第2の時点から第2の時間経過後に衛星測位部に衛星信号を受信したときに、衛星信号からエフェメリスを取得できた場合、第3の時点まで衛星測位部の受信処理を待機させることにより、電源としての電池や充電池の必要以上の消耗を防ぐことができる。
[適用例4]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記制御部は、前記現在時刻が前記第3の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に現在地を決定させることが好ましい。
本適用例によれば、現在時刻が開始時点に近い第3の時点以降は、衛星測位部に現在地を決定させることにより、開始時点から遅滞なくユーザーの位置や移動などの決定を行うことができる。
[適用例5]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記制御部は、前記第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信したときに前記エフェメリスを取得できなかった場合、前記現在時刻が前記第2の時点と、前記第2の時点よりも前記開始時点に近い第3の時点との間の第4の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に現在地を決定させることが好ましい。
本適用例によれば、第2の時点から第2の時間経過後に衛星測位部に衛星信号を受信したときに、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、現在時刻が第2の時点と、第2の時点よりも開始時点に近い第3の時点との間の第4の時点に達した以降衛星測位部に現在地を決定させることにより、開始時点から遅滞なくユーザーの位置や移動などの決定を行うことができる。
[適用例6]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記第2の時間経過後に前記衛星信号を受信する場合の前記衛星測位部を動作させる第2の期間は、前記第1の時間経過後に前記衛星信号を受信する場合の前記衛星測位部を動作させる第1の期間よりも、長いことが好ましい。
本適用例によれば、開始時点に近づくに連れて、衛星信号からエフェメリスやアルマナックを取得できる動作時間を長くすることから、1回の動作において取得することができるエフェメリスやアルマナックの情報量を多くすることができる。これにより、開始時点に近づいたときに、エフェメリスやアルマナックなどの衛星情報量を十分に取得することができることから、TTFFを短縮することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記制御部は、前記イベントの終了を検出すると、前記衛星測位部による前記衛星信号の受信を制限することが好ましい。
本適用例によれば、イベントの終了以降の衛星測位部による衛星信号の受信を制限することにより、取得されたイベントに係る情報(データ)処理をスムーズに行うことができる。また、必要以上の電池の消耗を防ぐことができる。
[適用例8]上記適用例に記載の携帯型電子機器において、前記イベント情報は開始位置情報を含み、前記衛星測位部は、前記衛星信号を使って現在地を決定し、前記制御部は、前記現在地が前記開始位置情報に対して所定の範囲に入ったと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させることが好ましい。
本適用例によれば、現在地が所定の範囲に入った、即ち開始位置に近づいたときに、衛星測位部に衛星信号を受信させる処理を実行させることから、開始位置に到達するまでの期間に、エフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができ、TTFFを短縮することができる。
[適用例9]本適用例に係る運動支援システムは、ユーザーに装着され、前記ユーザーの運動を計測する携帯型電子機器と、前記携帯型電子機器と通信可能な情報処理装置と、を備える運動支援システムであって、前記携帯型電子機器は、現在時刻を計時する計時部と、衛星測位システムからの衛星信号を受信する衛星測位部と、イベントの開始時点を含むイベント情報を取得する取得部と、前記情報処理装置との間において、少なくともイベント情報を含む情報通信を行う第1の通信部と、前記開始時点、および前記計時部からの時刻情報に基づき、前記衛星測位部を制御し、前記現在時刻が前記開始時点より前の第1の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第1の時点から第1の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記現在時刻が前記第1の時点よりも前記開始時点に近い第2の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第2の時点から前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させる制御部と、を備え、前記情報処理装置は、前記イベント情報を記憶させる記憶部と、前記記憶された前記イベント情報を、前記携帯型電子機器に送信する第2の通信部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例に係る運動支援システムによれば、携帯型電子機器は、イベントの開始時点を含むイベント情報を情報処理装置から取得し、現在時刻が開始時点より前の所定時刻(第1の時点)に達したと判断した以降に、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、現在時刻が開始時点に近づくに連れて、衛星信号を受信してエフェメリスを取得する受信処理を実行する時間間隔を短くする。これにより、現在時刻が開始時点より前の所定時刻である第1の時点に達したと判断した以降は、アルマナック、および、できるだけ多くの衛星のエフェメリスを収集する。そして、現在時刻が第1の時点よりも開始時点に近い第2の時点に達したと判断した以降、即ち第2の時点よりも開始時点に近づいたと判断した場合、制御部は、衛星測位部の衛星信号の受信間隔を短くして、可視衛星、あるいは測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を優先させることができる。その結果、開始時点までに取得されるエフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができることから、いわゆるホットスタートとすることができ、TTFFを短縮することができる。
本発明に係る運動支援システムの概要を示す概略構成図。 運動支援システムに用いられるウェアラブル機器の概略構成を示す外観図。 ウェアラブル機器の装着例を示す外観図。 ウェアラブル機器の構成を示す断面図。 運動支援システムおよびウェアラブル機器の構成例を示すブロック図。 衛星信号の受信を時系列で示すタイミングチャート。 ワークアウト開始に近づいた場合におけるウェアラブル機器の測位手順の前半を示すフローチャート。 ワークアウト開始に近づいた場合におけるウェアラブル機器の測位手順の後半を示すフローチャート。 ウェアラブル機器の測位方法の詳細を示すタイミングチャート。 ウェアラブル機器の測位方法に係る変形例1を示すフローチャート。 ウェアラブル機器の測位方法に係る変形例2を示すフローチャート。
以下、本発明に係る運動支援システム、および携帯型電子機器の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
先ず、本発明に係る運動支援システムの実施形態の手法について説明する。以下では、運動支援システムに用いられる運動支援装置(検出装置)として、例えばユーザーの手首に装着される脈波センサーや体動センサーを備えた携帯型電子機器としてのウェアラブル機器(リスト機器)を例示して説明する。
運動支援システムに用いられる携帯型電子機器としてのウェアラブル機器には、ユーザーの生体情報としての脈波情報を取得する脈波センサーやユーザーの動作情報(体動情報)を取得する体動センサーが備えられている。さらに、ウェアラブル機器には、ユーザーの位置情報を取得する全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)などと呼ばれる位置情報衛星を用いた位置測位システムの一例としてのGPS(Global Positioning System)が備えられている。なお、ウェアラブル機器は、頸部や足首等、ユーザーの他の部位に装着されるウェアラブル機器としてもよい。
脈波センサーは、脈拍数などの脈波情報を取得することが可能である。脈波センサーとしては、例えば光電センサー(光センサー)が用いられる。この場合には、生体に対して照射された光の反射光または透過光を当該光電センサーで検出する手法等が考えられる。血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。
体動センサーは、ユーザーの体動を検出するセンサーである。体動センサーとしては、加速度センサーや角速度センサー(ジャイロセンサー)、あるいは方位センサー(地磁気センサー)や気圧センサー(高度センサー)等を用いることが考えられるが、他のセンサーを用いてもよい。
GPSは、全地球測位システムとも呼ばれ、複数の衛星信号に基づいて地球上の現在位置を測定するための衛星測位システムである。GPSは、GPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算をおこないユーザーの位置情報を取得する機能、および時計機能における時刻修正機能を備えている。
2.運動支援システム
次に、図1、図2、図3、図4、および図5を参照して、本発明に係る運動支援システムの構成について説明する。図1は、本発明に係る運動支援システムの概要を示す概略構成図である。図2は、運動支援システムに用いられるウェアラブル機器の概略構成を示す外観図である。図3は、ウェアラブル機器の装着例を示す外観図である。図4は、ウェアラブル機器の構成を示す断面図である。図5は、運動支援システムおよびウェアラブル機器の構成例を示すブロック図である。
本実施形態に係る運動支援システム100は、図1に示すように、生体センサー(光電センサー)としての脈波センサーやGPSが備えられたウェアラブル機器200と、ウェアラブル機器200とデータ通信可能な情報処理装置の一例としての情報処理装置300と、情報処理装置300とネットワークNEを介して接続される情報処理装置の他の一例としてのサーバー400と、を含む。
ウェアラブル機器200に備えられた全地球的航法衛星システムとしての衛星測位部160(図5参照)は、GPS衛星8からの電波(衛星信号)を受信して内部時刻を修正したり、測位計算を行って位置情報を取得したりする機能を備えている。
GPS衛星8は、地球の上空において、所定の軌道上を周回する位置情報衛星の一例である。GPS衛星8は、航法メッセージが重畳された高周波の電波、例えば周波数が1.57542GHzの電波(L1波)を地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された、例えば1.57542GHzの電波を衛星信号という。衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。
現在、複数のGPS衛星8(図1においては、4個のみを図示)が存在している。衛星信号がどのGPS衛星8から送信されたかを識別するために、各GPS衛星8はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。C/Aコードは、各chipが+1、または−1のいずれかであり、ランダムパターンのように見える。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。このようにして、衛星信号がどのGPS衛星8から送信されたかを識別する衛星番号を取得することができる。
GPS衛星8は原子時計を搭載している。衛星信号には、原子時計で計時された極めて正確なGPS時刻情報が含まれている。地上のコントロールセグメントにより、各GPS衛星8に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されている。衛星信号には、その時刻誤差を補正するための時刻補正パラメーターも含まれている。ウェアラブル機器200は、1つのGPS衛星8から送信された衛星信号(電波)を受信し、その中に含まれるGPS衛星8の時刻情報であるGPS時刻情報と時刻補正パラメーターとを使用して時刻情報を取得することができる。なお、衛星信号には、GPS衛星8の軌道上の位置を示すエフェメリス(精密衛星軌道情報)やアルマナックが含まれている。
ここで、エフェメリス(精密衛星軌道情報)は、一つの衛星の位置を高精度に表す、時間の関数であり、アルマナックに比べて軌道を表現するためのパラメーターが多いので、軌道の精度は高い。取得には、およそ30秒〜1分を要する。また、アルマナックは、全衛星のおおよその位置が、時間の関数で表されている。取得には、10分以上を要する。
ウェアラブル機器200は、GPS時刻情報と、エフェメリス(精密衛星軌道情報)やアルマナックなどの軌道情報と、を使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、ウェアラブル機器200の内部時刻にある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、ウェアラブル機器200の三次元の位置を特定するためのx,y,zパラメーターに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、ウェアラブル機器200は、例えば三つ以上のGPS衛星8からそれぞれ送信された衛星信号(電波)を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行い、現在地の位置情報を取得することができる。
情報処理装置300は、例えばスマートフォンやタブレット型の端末装置などで構成することができる。情報処理装置300は、光電センサーである生体センサーとしての脈波センサーが用いられたウェアラブル機器200と、例えばBluetooth(登録商標)通信などを例示することができる近距離無線通信や有線通信(不図示)等によって接続されている。
なお、本実施形態におけるウェアラブル機器200および情報処理装置300は、Bluetoothの機能を有しており、情報処理装置300とウェアラブル機器200とは、Bluetooth通信によって接続されている。Bluetooth通信は、2.4GHz帯を複数の周波数チャネルに分け、利用する周波数をランダムに変える周波数ホッピングを行いながら、半径10〜100m程度の範囲のBluetooth搭載機器間の無線通信を行うことができる。指向性の少ない、簡易なデジタル無線通信としてモバイル通信に好適なBluetooth通信によって、ウェアラブル機器200と情報処理装置300との接続を好適に行うことができる。
また、本実施形態のBluetooth通信は、Bluetooth Low Energy(Bluetooth 4.0 ともいう)による通信を適用している。Bluetooth Low Energy(以下、BLEという)は、2.4GHz帯の無線を用いた近距離無線通信の規格であり、省電力性が重視されている。BLEでは、ホスト側とデバイス側とで、GATT(Generic ATTribute)というプロファイルで通信を行う。このような、BLEを適用した通信を行うことにより、従来のバージョンに比べ大幅に省電力化することが可能となり、ウェアラブル機器の使用可能時間を長くすることが可能となる。
また、情報処理装置300は、ネットワークNEを介してPC(Personal Computer)やサーバーシステム等のサーバー400と接続されることができる。ここでのネットワークNEは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、近距離無線通信等、種々のネットワークNEを利用できる。この場合、サーバー400は、ウェアラブル機器200で計測された脈波情報や体動情報を、情報処理装置300からネットワークNEを介して受信し、記憶する処理記憶部として実現される。
なお、ウェアラブル機器200は、情報処理装置300を省略し、ウェアラブル機器200とサーバー400を直接接続する変形実施も可能である。この場合、ウェアラブル機器200は、情報処理装置300に含まれている計測情報を処理する機能、および計測情報をサーバー400に送信したりサーバー400からの情報を受付けたりする機能を備える。ただし、運動支援システム100において、ウェアラブル機器200は、情報処理装置300との通信が可能であればよく、直接的にネットワークNEに接続しなくてもよい。このような構成では、ウェアラブル機器200の構成を簡略化することが可能になる。
また、運動支援システム100は、サーバー400により実現されるものには限定されない。例えば、運動支援システム100は、情報処理装置300により実現されてもよい。例えばスマートフォン等の情報処理装置300は、サーバーシステムに比べれば処理性能や記憶領域、バッテリー容量に制約があることが多いが、近年の性能向上を考慮すれば、十分な処理性能等を確保可能となることも考えられる。よって、処理性能等の要求が満たされるのであれば、情報処理装置300を本実施形態に係る運動支援システム100とすることが可能である。
また、本実施形態に係る運動支援システム100は、1つの装置により実現するものには限定されない。例えば、運動支援システム100は、ウェアラブル機器200、情報処理装置300、およびサーバー400のうちの2以上の装置を含んでもよい。この場合、運動支援システム100で実行される処理は、いずれか1つの機器において実行されてもよいし、複数の機器で分散処理されてもよい。また、本実施形態に係る運動支援システム100が、ウェアラブル機器200、情報処理装置300、およびサーバー400とは異なる機器を含むことも妨げられない。
さらに、端末性能の向上、あるいは利用形態等を考慮した場合、ウェアラブル機器200により、本実施形態に係る運動支援システム100を実現する実施形態とすることができる。
また、本実施形態に係る運動支援システム100の各部の処理をプログラムにより実現することができる。すなわち、本実施形態の手法は、衛星信号に含まれる、GPS衛星8の軌道上の位置を示すエフェメリス(精密衛星軌道情報)やアルマナックなどに基づいて実行されるユーザーの現在位置の測位計算(オートサーチ)などの実行を含む手法である。具体的に、本実施形態の手法は、現在時刻が開始時点より前の第1の時点に達したと判断すると、衛星測位部160(図5参照)に衛星信号を受信させ、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、第1の時点から第1の時間経過後に衛星測位部に衛星信号を受信させ、現在時刻が第1の時点よりも開始時点に近い第2の時点に達したと判断すると、衛星測位部に衛星信号を受信させ、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、第2の時点から第1の時間よりも短い第2の時間経過後に衛星測位部に衛星信号を受信させる手順を含む処理をコンピューターに実行させるプログラムに適用できる。
また、本実施形態の運動支援システム100は、情報(例えばプログラムや各種のデータ)を記憶するメモリーと、メモリーに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、あるいは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。ただしプロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。メモリーは、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサーにより実行されることで、運動支援システム100の各部の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令でもよいし、プロセッサーのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
2.1.携帯型電子機器としてのウェアラブル機器
携帯型電子機器としてのウェアラブル機器200は、図3に示すように、ユーザーの所与の部位(例えば手首などの測定の対象部位)に装着され、脈波情報や位置情報等を検出する。ウェアラブル機器200は、図2に示すように、ハウジング30を含みユーザーに密着されて脈波情報等を検出する機器本体18と、機器本体18に取り付けられ機器本体18をユーザーに装着するための一対のバンド部10と、を有する。ハウジング30を含む機器本体18には、表示部50、および光センサー部40が設けられている。バンド部10には、嵌合穴12と尾錠14とが設けられる。尾錠14は、尾錠枠15、および係止部(突起棒)16から構成される。また、ハウジング30の側面には、操作部130として押しボタンが複数配置されている。
なお、以下のウェアラブル機器200の説明では、機器本体18をユーザーに装着したとき、測定の対象部位となる対象物(被検体)側に位置する側を「裏側、もしくは裏面側」、その反対側となる機器本体18の表示面側を「表側、もしくは表面側」として説明する。また、測定される「対象物(対象部位)」を「被検体」ということがある。また、ウェアラブル機器200のハウジング30を基準として座標系を設定し、表示部50の表示面に交差する方向であって、表示部50の表示面側のハウジング30を表面とした場合の裏面から表面へと向かう方向をZ軸正方向としている。あるいは、光センサー部40から表示部50に向かう方向、あるいは表示部50の表示面の法線方向においてハウジング30から離れる方向をZ軸正方向と定義してもよい。ウェアラブル機器200が被検体に装着された状態では、上記Z軸正方向とは、被検体からハウジング30へと向かう方向に相当する。また、Z軸に直交する2軸をXY軸とし、特にハウジング30に対してバンド部10が取り付けられる方向をY軸に設定している。
図2は、嵌合穴12と係止部16とを用いてバンド部10が固定された状態であるウェアラブル機器200を、バンド部10側の方向(ハウジング30の面のうち装着状態において被検体側となる面側)である−Z軸方向から見た斜視図である。ウェアラブル機器200では、バンド部10に複数の嵌合穴12が設けられ、尾錠14の係止部16を、複数の嵌合穴12のいずれかに挿入することでユーザーへの装着が行われる。複数の嵌合穴12は、バンド部10の長手方向に沿って設けられる。
機器本体18は、図4に示すように、第1ハウジング21と第2ハウジング22とを含むハウジング30を有する。第2ハウジング22は、機器本体18をユーザーに装着したとき、測定の対象物の側に位置する。第1ハウジング21は、第2ハウジング22に対して、測定の対象物側と反対側(表側)に配置される。そして、第2ハウジング22の裏面には、検出窓221が設けられ、検出窓221に対応する位置に光センサー部40が設けられている。
図2では、生体センサー(脈波情報を取得する脈波センサーとしての光電センサー401(図4参照))を想定し、ハウジング30のうち、ウェアラブル機器200の装着時に被検体側となる面に光センサー部40が設けられる例を示した。但し、生体センサーが設けられる位置は図2の例示には限定されない。例えば生体センサーは、ハウジング30の内部に設けられてもよい。
図3は、ユーザーが装着した状態でのウェアラブル機器200を、表示部50の設けられる側(Z軸方向)から見た図である。図3に示すように、本実施形態に係るウェアラブル機器200は通常の腕時計の文字盤に相当する位置、あるいは数字やアイコンを視認可能な位置に表示部50を有する。ウェアラブル機器200の装着状態では、ハウジング30のうちの第2ハウジング22(図4参照)側が被検体に密着するとともに、表示部50は、ユーザーによる視認が容易な位置となる。
次に、ウェアラブル機器200のうちの機器本体18の構成を、図4に示す断面構造例と図5に示す機能ブロック例を参照して説明する。図4に示すように、機器本体18は、第1ハウジング21と第2ハウジング22とに加えて、モジュール基板35と、モジュール基板35に接続された光センサー部40と、回路基板41と、パネル枠42と、回路ケース44と、表示部50を構成するLCD501と、体動センサーの一例としての加速度センサー55、方位センサー56、および角速度センサー(ジャイロセンサー)58と、二次電池60と、衛星アンテナ65と、制御部(CPU)90と、を含む。ただし、ウェアラブル機器200の構成は図4に示す構成に限定されず、他の構成を追加することや一部の構成を省略することが可能である。
第1ハウジング21は、胴部211とガラス板212を備えてもよい。この場合、胴部211およびガラス板212は、内部構造を保護する外壁として用いられるとともに、ガラス板212を介して、ガラス板212の直下に設けられる液晶ディスプレイ(以下、LCD501)等の表示部50の表示をユーザーが視認可能な構成としてもよい。つまり本実施形態では、検出した生体情報や運動状態を表す情報、あるいは時刻情報等の種々の情報をLCD501を用いて表示し、当該表示を第1ハウジング21側からユーザーに提示するものであってもよい。なお、ここでは機器本体18の天板部分をガラス板212により実現する例を示したが、LCD501を視認可能な透明部材であり、LCD501等のハウジング30の内部に含まれる構成を保護可能な程度の強度を有する部材であれば、透明のプラスチック等、ガラス以外の材料により天板部分を構成することが可能である。
第2ハウジング22には、検出窓221、および遮光部222が設けられる。そして、第2ハウジング22には、検出窓221に対応する位置に光センサー部40が設けられる。検出窓221においては光が透過する構成となっており、光センサー部40に含まれる発光部150(図5参照)から射出される光は、検出窓221を透過して被検体(測定の対象物)に対して照射される。また、被検体で反射された反射光も検出窓221を透過し、光センサー部40のうちの受光部140(図5参照)において受光される。つまり、検出窓221を設けることで、光電センサー401を用いた生体情報の検出が可能になる。光センサー部40は、モジュール基板35に接続されている。なお、モジュール基板35は、フレキシブル基板47などを用いて回路基板41と電気的な接続がなされている。
回路基板41には、一方の面にLCD501等の表示パネルを案内するパネル枠42が配置され、他方の面に二次電池60などを案内する回路ケース44が配置されている。回路基板41には、衛星アンテナ65を含む衛星測位部160(図5参照)を制御する回路、光センサー部40を駆動し脈波(脈拍)を測定する回路、計時部110を制御する回路、LCD501を駆動する回路、体動センサー部170を駆動しセンサーデータを取得する回路などを制御する制御回路としての制御部90が実装されている。回路基板41は、LCD501の電極と図示しないコネクターを介して導通されている。そして、LCD501では、モニタリングされたユーザーの移動軌跡、各モードに応じて脈拍数などの脈拍測定データ、時刻情報などが表示される。
回路ケース44には、充電可能な電池としての二次電池60(リチウム二次電池)が案内されている。二次電池60は、両極の端子が接続基板48などによって回路基板41に接続され、電源を制御する回路へ電源を供給する。電源は、この回路で所定の電圧に変換されるなどして各回路へ供給され、光センサー部40を駆動し脈拍を検出する回路、LCD501を駆動する回路、各回路を制御する制御回路(制御部90)などを動作させる。二次電池60の充電は、コイルばねなどの導通部材(不図示)により回路基板41と導通された一対の充電端子を介して行われる。なお、ここでは電池として二次電池60を用いる例を説明したが、電池には、充電が不要な一次電池を用いてもよい。
また、図4に示したように、検出窓221は、第1ハウジング21と第2ハウジング22との接続部に設けられる密封部51まで延在形成されていてもよい。ここで、密封部51は、ハウジング30の内部を外部から密閉するパッキン52が設けられているものであってもよい。パッキン52は、第1ハウジング21と第2ハウジング22との接続部に設けられ、ハウジング30の内部を外部から密閉するものである。
また、ウェアラブル機器200は、その機能構成として、図5に示されているように、光センサー部40、表示部50、第1の通信部80、制御部90、計時部110、イベント情報を取得する取得部120、操作部130、衛星測位部160、センサー部としての体動センサー部170、および記憶部180を含んでいる。
光センサー部40は、脈波等を検出するものであり、受光部140、および発光部150を含む。光センサー部40は、前述したように発光部150から射出される光が被検体(測定の対象物)に対して照射され、その反射光が受光部140で受光されることによって脈波情報を検出することができる。光センサー部40は、脈波センサーにより検出された信号を、脈波検出信号として出力する。光センサー部40としては、例えば光電センサーが用いられる。この場合には、生体(ユーザーの手首)に対して、発光部150から照射された光の反射光または透過光を、受光部140によって検出する手法等が考えられる。このような手法では、血管内の血流量に応じて、照射された光の生体での吸収量、反射量が異なるため、光電センサーで検出したセンサー情報は血流量等に対応した信号となり、当該信号を解析することで拍動に関する情報を取得することができる。ただし、脈波センサーは光電センサーに限定されず、心電計や超音波センサー等、他のセンサーを用いてもよい。
表示部50は、制御部90の指示に基づいて、ユーザーの生体情報や運動状態を表す情報、位置情報、あるいは時刻情報等の種々の情報をLCD501に表示し、ユーザーに提示することができる。表示部50は、ユーザーの位置情報を地図上に示すことができ、地図上にプロットされた移動履歴を移動軌跡としてユーザーに対してビジュアル的に示すことができる。このような表示を行うことにより、ユーザーは、移動軌跡などを画像情報としてビジュアル的に視認できるので、ランニングやウォーキングの実績を把握しやすくなる。
制御部90は、光センサー部40を駆動し脈波を測定する回路、表示部50(LCD501)を駆動する回路、体動センサー部170を駆動し体動情報を検出する回路、および衛星測位部160を制御する回路などの制御回路を構成する。制御部90は、操作部130からの信号により、位置情報の計測開始(ワークアウト開始)や計測終了(ワークアウト終了)のタイミング、もしくは表示モードの切り替えなどを制御することができる。
第1の通信部80は、情報処理装置300との間において、イベント情報を含む情報通信を行うことができる。また、第1の通信部80は、制御部90から送信された脈波情報や体動情報、もしくはユーザーの位置情報(測定位置情報)を、情報処理装置300に送信することができる。
制御部90は、それぞれの部位で検出された脈波情報や体動情報、またはユーザーの位置情報などを第1の通信部80に送信し、第1の通信部80を介して脈波情報や体動情報、もしくはユーザーの位置情報(測定位置情報)やセンサーデータを、情報処理装置300に送信する。
制御部90は、上述した位置情報の計測において、例えば、マラソン大会等のレースにウェアラブル機器200を使用する場合には、ユーザーが計測指示をウェアラブル機器200に与えてからできるだけ短い時間でウェアラブル機器200(衛星測位部160)が位置、速度を計測できる状態にするための制御を行うことができる。
例えば、マラソン大会等のレースにウェアラブル機器200を使用する場合には、ユーザーが計測指示をウェアラブル機器200に与えてからできるだけ短い時間でウェアラブル機器200が位置、速度を計測できる状態になることが望ましい。言い換えると、ウェアラブル機器200のTTFF(Time To First Fix)をできるだけ短くすることが求められる。TTFFを短くするためには、ウェアラブル機器200をいわゆるホットスタートあるいはウォームスタートの状態にすればよいことが知られている。制御部90は、例えば、マラソン大会等のレースの開始時刻の所定時間前から直前までの位置情報の取得手順(取得方法)を制御し、ウェアラブル機器200をいわゆるホットスタートの状態にすることができる。この取得手順については、後述にて詳細に説明する。
また、制御部90は、衛星測位部160の取得した位置情報や加速度センサー55の取得した加速度データなどを用いて、ユーザーの移動距離、移動スピード、ピッチ、およびペースなどをリアルタイムに計測することができる。なお、ペースとは、単位距離当たりにかかった時間のことを示している。
計時部110は、例えば衛星測位部160の取得したGPS時刻情報と時刻補正パラメーターとを使用して現在時刻を計時する。そして、計時部110は、計時した現在時刻を制御部90に出力する。
取得部120は、ネットワークNEを介して、該当するアプリに登録されているイベントデータから、少なくともイベントの開始時点(開始時刻)が含まれているイベント情報を、自動的に取得することができる。ここで、イベント情報には、イベントの開催場所や開始位置、イベント開催日時、イベント内容(例えば、マラソン大会、ランニング大会など)を含むことができる。なお、取得部120は、情報処理装置300などから第1の通信部80を介して手動入力することもできる。
押しボタンで構成される操作部130は、制御部90と接続されている。ユーザーは、複数配置されたボタン(操作部130)を押すなどの操作を行うことにより、例えば位置情報の計測開始(ワークアウト開始)や計測終了(ワークアウト終了)のタイミング、もしくは表示モードの切り替えなどを指示することができる。
衛星測位部160は、衛星アンテナ65、信号処理部66、衛星情報取得部68、および位置算出部69を含む。衛星測位部160は、衛星アンテナ65が受信した複数の衛星信号を信号処理部66が処理し、処理された複数の衛星信号、例えばエフェメリス(精密衛星軌道情報)やアルマナックを含む衛星信号を衛星情報取得部68が取得する。そして、衛星情報取得部68が取得した複数の衛星信号に基づいて、位置算出部69において、測位計算を行ってユーザーの測定位置情報を決定することができる。
衛星情報取得部68は、制御部90の指示に基づく取得タイミングにおいて、衛星情報として、例えば、一つの衛星の位置を高精度に表す時間の関数であるエフェメリス、および全衛星のおおよその位置が、時間の関数で表されているアルマナックを取得することができる。
位置算出部69は、取得された複数の衛星信号に基づいて測位計算を行い、計測開始(ワークアウト開始)から計測終了(ワークアウト終了)までの期間におけるワークアウト情報として複数の測定位置情報を決定することができる。ここで決定される測定位置情報は、ユーザーの現在地に係る位置情報である。このように、測位衛星システムの衛星からの信号を使って決定されたユーザーの現在地である測定位置情報に基づいて、計測開始(ワークアウト開始)から計測終了(ワークアウト終了)までの期間におけるユーザーの移動軌跡を決定することができる。
なお、計測開始、および計測終了のタイミングは、操作部130のボタン操作、もしくは加速度センサー55や図示しない脈拍センサーなどの出力に基づいて、制御部90が判定することによって決定されることができる。
センサー部としての体動センサー部170は、加速度センサー55、方位センサー(地磁気センサー)56、および角速度センサー58などを含み、ユーザーの体の動きに係る情報の検出、即ち体動情報を検出することができる。体動センサー部170は、ユーザーの体動に応じて変化する信号である体動検出信号として、加速度センサー55からは加速度データ、方位センサー(地磁気センサー)56からは方位データ、および角速度センサー58からは角速度データが出力される。加速度データ、方位データ、および角速度データなどのセンサーデータは、制御部90に出力されたり、もしくは第1の通信部80を介して情報処理装置300に出力されたりする。
記憶部180は、制御部90の制御によって、光センサー部40による脈波等の生体情報、衛星測位部160による位置情報、および体動センサー部170による体動情報などを記憶することができる。
2.2.情報処理装置
情報処理装置300は、図5に示すように、ウェアラブル機器200との通信処理を行う第2の通信部280を含んでいる。ただし、情報処理装置300は図5の構成に限定されず、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。例えば、図示しないが、第2の通信部280の受信した計測情報や位置情報に基づいた位置の算出処理を行う処理部、取得されたユーザーの情報などを記憶する記憶部、処理部によって処理された情報を報知する報知部、もしくはウェアラブル機器200に含まれている光センサー部40や体動センサー部170、もしくは衛星測位部160などを含んでもよい。
第2の通信部280は、ウェアラブル機器200によって検知、計測され、ウェアラブル機器200の第1の通信部80から送信されたセンサーデータ、もしくは計測情報や位置情報(測定位置情報)を受信する。また、第2の通信部280は、情報処理装置300によって算出処理された算出位置情報や入力されたイベント情報などをウェアラブル機器200に送信する。
情報処理装置300は、算出処理された算出位置情報や報知信号などを、他の端末機器などに設けられた報知機能部に送信するための通信処理を行う。この場合、携帯電話網や無線LANネットワークを用いずに、例えばBluetoothなどの近距離無線通信規格にしたがった無線通信の処理を行うことができる。ここで送信される報知信号は、画像信号、振動信号、もしくは発光信号などとすることができる。また、情報処理装置300は、ネットワークNEを介してPCやサーバーシステム等のサーバー400と接続する。
3.位置情報の取得手順(取得方法)
ウェアラブル機器200の制御部90は、ウェアラブル機器200をいわゆるホットスタートの状態にして、ウェアラブル機器200のTTFFを短縮するために、例えば、イベントの開始時刻の所定時間前から直前までの位置情報の取得手順(取得方法)を制御することができる。
以下、この取得手順の一実施例を、図6、図7A、図7B、および図8を参照して説明する。図6は、衛星信号の受信を時系列で示すタイミングチャートである。図7Aは、ワークアウト開始に近づいた場合におけるウェアラブル機器の測位手順の前半を示すフローチャートである。図7Bは、ワークアウト開始に近づいた場合におけるウェアラブル機器の測位手順の後半を示すフローチャートである。図8は、ウェアラブル機器の測位方法の詳細を示すタイミングチャートである。なお、以下では、上述した運動支援システム100の構成と同符号を用いて説明する。
本取得手順は、図6に示すように、イベントのスタート時刻である開始時点としてのワークアウト開始時刻(イベント開始時刻)から、所定の時間前(例えば2時間前)の時刻を第1の時点と設定している。そして、図6には、第1の時点から、第1の時点の後刻であるワークアウト開始時刻(イベント開始時刻)までの位置情報を取得するタイミングが示されている。
図6に示すように、第2の時点は、現在時刻が第1の時点よりも開始時点に近い時点である。第2の時点は、例えばワークアウト開始時刻の1時間前と設定することができる。また、第3の時点は、現在時刻が第2の時点よりも開始時点に近い時点である。第3の時点は、例えばワークアウト開始時刻の15分前と設定することができる。また、第4の時点は、現在時刻が第2の時点と第3の時点との間に設定された時点である。第4の時点は、例えばワークアウト開始時刻の30分前と設定することができる。
本実施例に係る位置情報の具体的な取得手順(取得方法)について、図7Aおよび図7Bのフローチャートを参照して説明する。
先ず、制御部90は、現在時刻がイベントのスタート時刻である開始時点としてのワークアウト開始時刻(イベント開始時刻)より前の第1の時点に達したか否かを判定する(ステップS101)。そして、制御部90は、第1の時点に達していると判定した場合(ステップS101:Yes)、衛星測位部160にオートサーチを実行させて衛星信号を受信させ、衛星信号からエフェメリスやアルマナックを取得する(ステップS102)。
また、制御部90は、第1の時点に達していないと判定した場合(ステップS101:No)、通常の間隔で行っているオートサーチのフローに移行し、通常のオートサーチタイミングであるか否かを判定し(ステップS130)、通常のオートサーチタイミングであると判定した場合(ステップS130:Yes)、オートサーチを実行し(ステップS131)、第1の時点に達したか否かを判定する(ステップS101)に戻る。なお、このステップS130で、通常のオートサーチタイミングでないと判定した場合(ステップS130:No)は、第1の時点に達したか否かを判定する(ステップS101)に戻る。ここで、「通常のオートサーチ」とは、衛星測位部160が、所定の間隔、例えば1時間に1回程度の間隔で、1回あたり2分間程度の受信時間を要して衛星信号を受信し、エフェメリスやアルマナックなどの衛星情報を取得することをいう。
次に、制御部90は、衛星測位部160にオートサーチを実行させて衛星信号を受信させ、衛星信号からエフェメリスを取得する(ステップS102)において、オートサーチに成功したか否か、換言すれば、衛星信号からエフェメリスを取得することができたか否かを判定(ステップS103)する。
制御部90は、この判定において、衛星信号からエフェメリスを取得することができた場合(ステップS103:Yes)、第2の時点に達するまで受信処理を待機させる(ステップS106)。また、制御部90は、この判定において、衛星信号からエフェメリスを取得することができなかった場合(ステップS103:No)、第1の時点からの時間である第1の時間(例えば、20分間に設定する)を経過しているか否か(第1の受信時点に達したか否か)を判定する(ステップS104)。
制御部90は、第1の時間を経過しているか否かの判定(ステップS104)において、第1の時間を経過していると判定された場合(ステップS104:Yes)、次のステップに移行し、衛星信号を受信する(ステップS105)。ここでの衛星信号の受信により、アルマナックや他の衛星情報を取得することができる。また、制御部90は、第1の時間を経過しているか否かの判定(ステップS104)において、第1の時間を経過していないと判定された場合(ステップS104:No)、第1の時間が経過しているか否かの判定を、第1の時間を経過するまで繰り返す。
次に、制御部90は、現在時刻が第1の時点の後刻である第2の時点に達したか否かを判定する(ステップS107)。そして、制御部90は、第2の時点に達していると判定した場合(ステップS107:Yes)、衛星測位部160にオートサーチを実行させて衛星信号を受信させ、衛星信号からエフェメリスを取得する(ステップS108)。そして、制御部90は、オートサーチに成功したか否か、換言すれば、衛星信号からエフェメリスを取得することができたか否かを判定する(ステップS109)。また、制御部90は、ステップS107において、第2の時点に達していないと判定した場合(ステップS107:No)、第2の時間を経過するまで第2の時間が経過しているか否かの判定(ステップS107)を、設定された所定間隔で繰り返す。
制御部90は、ステップS109において、オートサーチに成功した場合、即ち衛星信号からエフェメリスを取得することができた場合(ステップS109:Yes)、図7Bに示すように、第3の時点に達する(ステップS125:Yes)まで、受信処理を待機させる(ステップS123)。このように、ワークアウト開始時刻に近づいた時点でオートサーチに成功した場合、即ち衛星信号からエフェメリスを取得することができた場合に受信処理を待機させることにより、必要以上のオートサーチの実行を抑制することができ、電源である電池(充電池)の消耗を減少させることができる。
制御部90は、ステップS109において、オートサーチに成功しなかった場合、即ち衛星信号からエフェメリスを取得することができなかった場合(ステップS109:No)、図7Bに示す次のステップに移行し、第2の時点から第2の時間(例えば、15分間に設定する)が経過したか否か(第2の受信時点に達したか否か)を判定する(ステップS120)。ここで第2の時間は、第1の時間よりも短い時間で設定される。つまり、図6に示すように、第2の受信時点は、第2の時点と第3の時点との間に位置する。
制御部90は、ステップS120において、第2の時点から第2の時間が経過していないと判定した場合(ステップS120:No)、図7Aに示すステップS108に戻り、オートサーチを実行する。
制御部90は、ステップS120において、第2の時点から第2の時間が経過したと判定した場合(ステップS120:Yes)、衛星測位部160に再度オートサーチを実行させて衛星信号を受信させ、衛星信号からエフェメリスを取得する(ステップS121)。そして、制御部90は、オートサーチに成功したか否か、換言すれば、衛星信号からエフェメリスを取得することができたか否かを判定する(ステップS122)。
制御部90は、ステップS122において、オートサーチに成功した場合、即ち衛星信号からエフェメリスを取得することができた場合(ステップS122:Yes)、測位を迅速に開始できる、いわゆるホットスタートの状態にできたと判断し、第3の時点に達する(ステップS125:Yes)まで、受信処理を待機させる(ステップS123)。ここで第3の時点とは、現在時刻が第2の時点よりも開始時点に近い時点であり、例えばワークアウト開始時刻の15分前の時点である。このように、ワークアウト開始時刻に近づいた時点でオートサーチに成功した場合、即ち衛星信号からエフェメリスを取得することができた場合に受信処理を待機させることにより、必要以上のオートサーチの実行を抑制することができ、電源である電池(充電池)の消耗を減少させることができる。
制御部90は、ステップS122において、オートサーチに成功しなかった場合、即ち衛星信号からエフェメリスを取得することができなかった場合(ステップS122:No)、第4の時点に達したか否かの判定を行なう(ステップS124)。ここで。第4の時点とは、現在時刻が第2の時点と、第2の時点よりも開始時点(ワークアウト開始)に近い第3の時点との間に位置する、例えばワークアウト開始時刻の30分前の時点である。
制御部90は、ステップS124において、第4の時点に達していないと判定した場合(ステップS124:No)、第4の時点に達する(ステップS124:Yes)まで、第4の時点に達したか否かの判定(ステップS124)を、設定された所定間隔で繰り返す。
制御部90は、第4の時点に達したか否かの判定(ステップS124)において、第4の時点に達したと判定した場合(ステップS124:Yes)、次のステップに移行し、衛星測位部160に自動で測位を開始させ(ステップS110)、ユーザーの現在位置を決定させる。ステップS110において、ワークアウト開始に時刻に近づいた第4の時点から自動で測位を開始させることにより、いわゆるホットスタートの状態にするための、衛星測位部160を測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を優先させることができる。
また、制御部90は、第3の時点に達したか否かを判定し(ステップS125)において、第3の時点に達したと判定した場合(ステップS125:Yes)も、次のステップに移行し、衛星測位部160に自動で測位を開始させ(ステップS110)、ユーザーの現在位置を決定させる。これにより、前述と同様に、衛星測位部160を測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を優先させることができる。
ステップS110によって、測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を行うことができ、開始時点までに取得されるエフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができる。その結果として、いわゆるホットスタートの可能な状態として、次のワークアウト開始に臨むことができる。
このように、いわゆるホットスタートの可能な状態において、ワークアウトが開始される(ステップS111)。このワークアウトにより、イベントの開始時刻から遅滞なく測位を行うことができ、ワークアウト終了(ステップS115)まで、ユーザーの移動距離、移動スピード、ピッチ、およびペースなどをリアルタイムに計測するこができる。このワークアウト終了(ステップS115)により、ウェアラブル機器200による一連の位置情報の取得手順(取得方法)を終了する。
上述したようなウェアラブル機器200およびウェアラブル機器200を用いた運動支援システム100によれば、制御部90は、現在時刻が開始時点(ワークアウト開始時刻)より前の所定時刻(第1の時点)に達したと判断した以降に、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、現在時刻が開始時点に近づくに連れて、衛星測位部160が衛星信号を受信してエフェメリスを取得する受信処理を実行する時間間隔を短くする。これにより、現在時刻が開始時点より前の所定時刻である第1の時点に達したと判断した以降は、アルマナック、および、できるだけ多くの衛星のエフェメリスを収集することができる。そして、制御部90は、現在時刻が第1の時点よりも開始時点に近い第2の時点に達したと判断した以降、即ち第2の時点よりも開始時刻に近づいたと判断した場合、衛星測位部160による衛星信号の受信間隔を短くして、可視衛星、あるいは測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を優先させることができる。その結果、開始時点までに取得されるエフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができることから、他の情報処理装置(例えば情報処理装置300)などを用いることなくウェアラブル機器200単独で、いわゆるホットスタート状態とすることができ、ウェアラブル機器200におけるTTFFを短縮することができる。
また、第1の時点から第1の時間経過後に衛星信号を受信したときに、衛星信号からエフェメリスを取得できた場合、第2の時点まで衛星測位部160の受信処理を待機させることにより、電源である電池(充電池)の必要以上の消耗を防ぐことができ、電池寿命を長くすることができる。
また、第2の時点から第2の時間経過後に衛星測位部160に衛星信号を受信したときに、衛星信号からエフェメリスを取得できた場合、第3の時点まで衛星測位部の受信処理を待機させることにより、電源である電池(充電池)の必要以上の消耗を防ぐことができ、電池寿命を長くすることができる。
また、現在時刻が開始時点(ワークアウト開始時刻)に近い第3の時点以降は、衛星測位部160に現在地を決定させることにより、開始時点から遅滞なくユーザーの位置や移動軌跡などの決定を行うことができる。即ち、いわゆるホットスタートとすることができ、ウェアラブル機器200におけるTTFFを短縮することができる。
また、第2の時点から第2の時間経過後に衛星測位部160に衛星信号を受信したときに、衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、現在時刻が第2の時点と、第2の時点よりも開始時点に近い第3の時点との間の第4の時点に達した以降衛星測位部160に現在地を決定させることにより、開始時点から遅滞なくユーザーの位置や移動軌跡などの決定を行うことができる。即ち、いわゆるホットスタートとすることができ、ウェアラブル機器200におけるTTFFを短縮することができる。
なお、ウェアラブル機器200において、図8のタイミングチャートに示すように、第2の時間経過後に衛星信号を受信する場合の衛星測位部160を動作させる第2の期間は、第1の時間経過後に衛星信号を受信する場合の衛星測位部160を動作させる第1の期間よりも、長いことが好ましい。
このように、第2の期間を第1の期間よりも長くすることにより、現在時刻が開始時点(ワークアウト開始時刻)に近づくに連れて、衛星信号からエフェメリスやアルマナックを取得できる動作時間を長くすることから、1回の動作において取得することができるエフェメリスやアルマナックのデータ数を多くすることができる。これにより、開始時点に近づいたときに取得されるエフェメリスやアルマナックなどの衛星情報量を十分に得ることができることから、TTFFを短縮することができる。
4.ウェアラブル機器の変形例
次に、運動支援システム100に含まれるウェアラブル機器200の測位方法に係る変形例を、図9、および図10を参照して説明する。図9は、ウェアラブル機器の測位方法に係る変形例1を示すフローチャートである。図10は、ウェアラブル機器の測位方法に係る変形例2を示すフローチャートである。なお、本説明では、上述の実施形態と同様な構成部位は、同じ符号を付し、その説明を省略する。また、例えば第1の時点などタイミングに係る文言は、上述の実施形態と同様な文言を用いる。
先ず、図9のフローチャートを参照して、ウェアラブル機器200の測位方法に係る変形例1について説明する。変形例1の測位方法は、上述した実施形態の測位方法と、ワークアウト終了後の手順が追加されていることが異なる。したがって、以下では、ワークアウト終了後の手順について説明し、上述の実施形態と同様の手順の説明は省略する。
図9に示すように、ウェアラブル機器200の制御部90は、ワークアウト開始(ステップS111)によって、ユーザーの活動状態の計測を開始し、所定の間隔でワークアウトを実行する(ステップS113)。ワークアウトの実行(ステップS113)により、ユーザーの移動距離、移動スピード、ピッチ、およびペースなどをリアルタイムに計測するこができる。
次に、制御部90は、イベントが終了したか否か、即ちワークアウト終了か否かを判定し(ステップS114)、ワークアウト終了でないと判定した場合(ステップS114:No)、前ステップS113に戻り、ワークアウト終了と判定(ステップS114:Yes)するまでワークアウトを継続する。
また、制御部90は、イベントが終了したか否か、即ちワークアウト終了か否かを判定し(ステップS114)、ワークアウト終了であると判定した場合(ステップS114:Yes)、所定の時間が経過する迄の間の衛星測位部160による衛星信号の受信を制限する(ステップS211)。ここで、「衛星信号の受信を制限する」とは、衛星測位部160による衛星信号の受信を止めたり、衛星信号の受信の頻度を下げたり、もしくは衛星信号の受信の受信時間を短くしたりすることを意味する。なお、衛星信号の受信の頻度を下げるとは、衛星信号の受信間隔を広げること、と言い換えることができる。
次に、制御部90は、ワークアウト終了の時点から所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS212)。制御部90は、この判定で、ワークアウト終了の時点から所定の時間が経過していない場合(ステップS212:No)、前のステップS211に戻り、衛星測位部160による衛星信号の受信の抑制を継続する。
また、制御部90は、ステップS212の判定で、ワークアウト終了の時点から所定の時間が経過していると判定した場合(ステップS212:Yes)、オートサーチを実行し(ステップS213)、計測終了の指示が有ると判定した場合(ステップS214:Yes)は、一連の手順を終了する。なお、計測終了の指示がないと判定した場合(ステップS214:No)は、オートサーチの実行(ステップS213)を継続する。
以上説明した変形例1に係るウェアラブル機器200の測位方法によれば、イベントの終了以降の衛星測位部160による衛星信号の受信を抑制することにより、取得されたイベントに係る情報(データ)処理を優先させることができ、情報(データ)処理をスムーズに行うことができる。
また、イベントの終了以降の衛星測位部160による衛星信号の受信を抑制することにより、衛星信号の受信による電源である電池(充電池)の必要以上の消耗を防ぐことができ、電池寿命を長くすることができる。
次に、図10のフローチャートを参照して、ウェアラブル機器200の測位方法に係る変形例2について説明する。変形例2の測位方法は、受信した衛星信号を使って決定することができた現在地によって、自動で測位を開始する手順である。
図10に示すように、先ず、ウェアラブル機器200の制御部90は、衛星測位部160に衛星信号を受信させ(ステップS310)、ユーザーの現在地を決定する(ステップS311)。
次に、制御部90は、ユーザーの現在地が、イベント情報に含まれている開始位置情報、例えばマラソン大会のスタート位置などのイベントの開始位置に対して、所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS312)。制御部90は、ユーザーの現在地が所定の範囲内にない場合(ステップS312:No)、衛星測位部160に衛星信号を受信させるステップ(ステップS310)に戻る。
また、制御部90は、ユーザーの現在地が所定の範囲内にある場合(ステップS312:Yes)、次のステップに移行し、衛星測位部160に自動で測位を開始させる(ステップS313)。ユーザーの現在地が所定の範囲内に入ったと判定されたとき、換言すれば、ユーザーがイベントの開始位置に近づいたと判断されたとき、ステップS313において、自動で測位を開始させることにより、いわゆるホットスタートの状態にするための、衛星測位部160を測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を優先させることができる。このように、測位に必要な最小限の数(例えば4ないし5個)のエフェメリスの更新(取得)を行うことができ、開始時点までに取得されるエフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができる。その結果として、いわゆるホットスタートの可能な状態として、次のワークアウト開始に臨むことができる。
このように、いわゆるホットスタートの可能な状態において、ワークアウトが開始される(ステップS314)。このワークアウトにより、イベントの開始時刻から遅滞なく測位を行うことができ、ワークアウト終了(ステップS315)まで、ユーザーの移動距離、移動スピード、ピッチ、およびペースなどをリアルタイムに計測するこができる。このワークアウト終了(ステップS115)により、ウェアラブル機器200の変形例2に係る一連の位置情報の取得手順(取得方法)を終了する。
以上説明した変形例2に係るウェアラブル機器200の測位方法によれば、ユーザーの現在地が所定の範囲に入った、即ち開始位置に近づいたときに、衛星測位部160による衛星信号の受信を実行させ、自動で測位を開始する。これにより、開始位置に到達するまでの期間に、エフェメリスなどの衛星情報量を十分に得ることができ、TTFFを短縮することができる。
なお、イベントの開始位置に対する所定の範囲は、複数設定されていてもよい。この場合、イベントの開始位置に対して大きな範囲内に入ったときに比し、イベントの開始位置に対して小さな範囲内に入ったときの方が、衛星測位部160による衛星信号の受信間隔を短くしたり、1回の受信時間を長くしたりすることが好ましい。ここで、「イベントの開始位置に対して大きな範囲内に入ったとき」とは、イベントの開始位置に対してユーザーの現在地が遠くに位置しているときと言い換えることができ、「イベントの開始位置に対して小さな範囲内に入ったとき」とは、イベントの開始位置に対してユーザーの現在地が近くに位置しているときと言い換えることができる。
このようにすれば、ユーザーの現在地がイベントの開始位置に近づくに連れて、衛星信号からエフェメリスやアルマナックを取得できる回数を増やしたり、動作時間を長くしたりすることができる。したがって、ユーザーの現在地がイベントの開始位置に近づくに連れて、取得することができるエフェメリスやアルマナックのデータ数を多くすることができ、開始位置に近づいたときのエフェメリスやアルマナックなどの衛星情報量を十分に得ることができることから、TTFFを短縮することができる。
なお、上述のユーザーの現在地がイベントの開始位置に近づくということは、イベントの開始時刻が迫ってきており、ワークアウトの開始までの時間が少なくなってきている、と言い換えることができる。
また、上述した実施形態では、全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)が備える位置情報衛星としてGPS衛星8を用いたGPSを例示して説明したが、これはあくまで一例である。全地球的航法衛星システムは、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他のシステムや、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの衛星信号を発信する位置情報衛星を備えるものであればよい。即ち、ウェアラブル機器200は、GPS衛星8以外の衛星を含む位置情報衛星からの電波(無線信号)を処理して把握される日付情報、時刻情報、位置情報および速度情報のいずれか一つを取得する構成であってもよい。なお、全地球的航法衛星システムは、地域航法衛星システム(RNSS:Regional Navigation Satellite System)とすることができる。
8…GPS衛星、21…第1ハウジング、22…第2ハウジング、30…ハウジング、35…モジュール基板、40…光センサー部、41…回路基板、50…表示部、55…加速度センサー、56…方位センサー、58…角速度センサー(ジャイロセンサー)、65…衛星アンテナ、66…信号処理部、68…衛星情報取得部、69…位置算出部、80…第1の通信部、90…制御部、100…運動支援システム、110…計時部、120…取得部、130…操作部、140…受光部、150…発光部、160…衛星測位部、170…体動センサー部、180…記憶部、200…携帯型電子機器としてのウェアラブル機器、280…第2の通信部、300…情報処理装置、400…サーバー(他の一例としての情報処理装置)、NE…ネットワーク。

Claims (9)

  1. 現在時刻を計時する計時部と、
    衛星測位システムからの衛星信号を受信する衛星測位部と、
    イベントの開始時点を含むイベント情報を取得する取得部と、
    前記開始時点、および前記計時部からの時刻情報に基づき、前記衛星測位部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記現在時刻が前記開始時点より前の第1の時点に達したと判断すると、
    前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第1の時点から第1の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、
    前記現在時刻が前記第1の時点よりも前記開始時点に近い第2の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、
    前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第2の時点から前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させることを特徴とする携帯型電子機器。
  2. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記第1の時間経過後に前記衛星信号を受信したときに前記エフェメリスを取得できた場合、前記第2の時点まで前記衛星測位部の受信処理を待機させることを特徴とする携帯型電子機器。
  3. 請求項1または2において、
    前記制御部は、
    前記第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信したときに前記エフェメリスを取得できた場合、前記現在時刻が前記第2の時点よりも前記開始時点に近い第3の時点に達するまで、前記衛星測位部の受信処理を待機させることを特徴とする携帯型電子機器。
  4. 請求項3において、
    前記制御部は、前記現在時刻が前記第3の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に現在地を決定させることを特徴とする携帯型電子機器。
  5. 請求項1または2において、
    前記制御部は、
    前記第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信したときに前記エフェメリスを取得できなかった場合、
    前記現在時刻が前記第2の時点と、前記第2の時点よりも前記開始時点に近い第3の時点との間の第4の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に現在地を決定させることを特徴とする携帯型電子機器。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、
    前記第2の時間経過後に前記衛星信号を受信する場合の前記衛星測位部を動作させる第2の期間は、
    前記第1の時間経過後に前記衛星信号を受信する場合の前記衛星測位部を動作させる第1の期間よりも、長いことを特徴とする携帯型電子機器。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項において、
    前記制御部は、前記イベントの終了を検出すると、前記衛星測位部による前記衛星信号の受信を制限することを特徴とする携帯型電子機器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、
    前記イベント情報は開始位置情報を含み、
    前記衛星測位部は、前記衛星信号を使って現在地を決定し、
    前記制御部は、前記現在地が前記開始位置情報に対して所定の範囲に入ったと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させることを特徴とする携帯型電子機器。
  9. ユーザーに装着され、前記ユーザーの運動を計測する携帯型電子機器と、前記携帯型電子機器と通信可能な情報処理装置と、を備える運動支援システムであって、
    前記携帯型電子機器は、
    現在時刻を計時する計時部と、
    衛星測位システムからの衛星信号を受信する衛星測位部と、
    イベントの開始時点を含むイベント情報を取得する取得部と、
    前記情報処理装置との間において、少なくともイベント情報を含む情報通信を行う第1の通信部と、
    前記開始時点、および前記計時部からの時刻情報に基づき、前記衛星測位部を制御し、
    前記現在時刻が前記開始時点より前の第1の時点に達したと判断すると、
    前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第1の時点から第1の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、
    前記現在時刻が前記第1の時点よりも前記開始時点に近い第2の時点に達したと判断すると、前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させ、
    前記衛星信号からエフェメリスを取得できなかった場合、前記第2の時点から前記第1の時間よりも短い第2の時間経過後に前記衛星測位部に前記衛星信号を受信させる制御部と、を備え、
    前記情報処理装置は、
    前記イベント情報を記憶させる記憶部と、
    前記記憶された前記イベント情報を、前記携帯型電子機器に送信する第2の通信部と、を備えていることを特徴とする運動支援システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190022061A (ko) * 2017-08-25 2019-03-06 유재희 직류 모터 감속기를 이용한 기기
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