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JP2019120613A - レーダ装置、レーダ装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

レーダ装置、レーダ装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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JP2019120613A
JP2019120613A JP2018001379A JP2018001379A JP2019120613A JP 2019120613 A JP2019120613 A JP 2019120613A JP 2018001379 A JP2018001379 A JP 2018001379A JP 2018001379 A JP2018001379 A JP 2018001379A JP 2019120613 A JP2019120613 A JP 2019120613A
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光彬 湯川
Mitsuyoshi Yukawa
光彬 湯川
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Abstract

【課題】物体を検出するための信号に対してドップラーシフトによって生じる距離サイドローブを、複雑な構成や演算を要せず除去する。【解決手段】レーダ装置は、相補符号を構成する、第1の符号と第2の符号とを生成し、該第1の符号と該第2の符号それぞれに対して変調を行った後に合成することにより生成された送信信号を送信し、対象物に反射した該送信信号を、受信信号として受信し、該受信信号と該第1の符号との相関値を示す第1の相関値と、該受信信号と該第2の符号に基づく符号との相関値を示す第2の相関値を算出し、該第1の相関値と該第2の相関値とに基づいて、該対象物の検出処理を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、レーダ装置、レーダ装置の制御方法、およびプログラムに関する。
レーダ装置は、電波(送信信号)を送信し、物体に反射した電波(受信信号)を受信することで、物体の検出および位置の測定を行う装置である。レーダ装置において、レーダ装置の性能や特性を決める一つの要素に、送信信号の変調方式が挙げられる。例えば、送信信号の変調方式のうち、パルス圧縮方式では、送信符号を用いて生成される送信信号を送信し、物体に反射して戻った受信信号と送信符号間との相関値から得られる物体検出信号から、物体の検出およびの位置の測定を行なうことができる。このパルス圧縮方式によれば、送信符号との相関が低い外部電波による干渉を回避することが可能となる。
しかしながら、送信符号として距離サイドローブ(自己相関関数において物体の位置に対応する位置以外に現れる信号)が生じる符号を利用する場合、物体の検出に失敗する可能性がある。すなわち、このような符号を利用する場合、反射強度の小さい物体が反射強度の大きい物体の付近に存在している時に、前者の物体による物体検出信号が、後者の物体による物体検出信号の距離サイドローブに埋もれてしまう可能性がある。
そこで、相補符号と呼ばれる、複数の符号から構成される符号が、距離サイドローブを回避する送信符号としてしばしば用いられている。例えば、符号Aと符号Bからなる相補符号について、符号Aと符号Bのi番目の要素をそれぞれA、Bと表す。このとき、A、Bそれぞれの時刻tにおける自己相関値RAA(t)とRBB(t)は、以下のように表される。
Figure 2019120613
Figure 2019120613
この2つの自己相関値のそれぞれは、距離サイドローブを有するが、これらの相関値の和(物体検出信号)を求めると以下の特性を示す。
Figure 2019120613
つまり、距離サイドローブが0となり、相関値の和のピークの位置から、物体のレーダ装置からの距離を算出することができる。
例として、相補符号A=(1、−1、−1、−1)と相補符号B=(1、1、−1、1)の場合、自己相関値RAAとRBBは、以下のように表される。
Figure 2019120613
Figure 2019120613
つまり、自己相関値RAAとRBBはそれぞれメインピークとして4、距離サイドローブとして+1もしくは−1を有することが分かる。
一方、自己相関値RAAとRBBとの和を求めると、
Figure 2019120613
となり、距離サイドローブが0となることが分かる。このような、自己相関値の和の距離サイドローブが0となる相補符号を送信符号として用いることで、距離サイドローブの発生を回避して、物体の距離を算出することが可能となる。
また、既知の相補符号をもとに、より要素数の多い相補符号を得ることもできる。例えば、相補符号を構成する符号Aと符号Bを用いて、相補符号Cと相補符号Dを以下の式から求めることができる。
Figure 2019120613
Figure 2019120613
このように、相補符号は、複数の符号から構成され、当該符号間の相互相関値が0でないという性質を有する。そのため、相補符号を構成する符号Aと符号Bを送信符号として用いる場合、符号Aと符号Bを送信信号として一定の間隔を設けて送信し、物体に反射したそれぞれの送信信号を受信信号として時分割に受信する必要がある。このような時分割での送受信では、検出対象の物体が移動する場合に課題が生じる。すなわち、当該物体が移動している場合は、送信信号がドップラーシフトを受けてしまうために、符号ごとの受信信号に位相差が生じてしまい、結果として、相関値の和(物体検出信号)に距離サイドローブが発生してしまう。
距離サイドローブの発生を具体的に説明する。検出対象の物体の移動速度をv、符号送信周期をTPRI、送信電波波長λとすると、位相差(位相変化量)αは、
Figure 2019120613
と求まる。また、算出される自己相関値の和は、
Figure 2019120613
となる。(数7)から、αが0でないために距離サイドローブが0でないことが分かる。
検出対象の物体の移動に伴う距離サイドローブの発生を抑制する方法として、いくつかの方法が提案されている。例えば、受信信号を時系列で取得し、当該物体からの反射信号の位相時間変化からドップラーシフトを算出し補正する方法や、相補符号の適切な順序決定や符号内ビット列順序反転操作などによりドップラーシフトの影響を抑制する方法(非特許文献1)がある。
E.Spano「Complementary sequences with high sidelobe suppression factors for ST/MST radar applications」IEEE TRANSACTIONS ON GEOSCIENCE AND REMOTE SENSING, VOL.34(1996)
以上述べた従来技術において、ドップラーシフトの補正処理を行う場合はドップラーシフト算出やその補正のために演算処理量が増え、計算機の性能が要求される。また、適切な符号列を決定する方法により距離サイドローブ減衰量を大きくしたい場合は、より多くの符号を適切な順序で送受信することが必要となるため、測定時間増大、処理時間増大などの課題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、物体を検出するための信号に対してドップラーシフトによって生じる距離サイドローブを、複雑な構成や演算を要せず除去することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明のレーダ装置は以下の構成を有する。すなわち、相補符号を構成する、第1の符号と第2の符号とを生成する第1の生成手段と、前記第1の符号と前記第2の符号それぞれに対して変調を行った後に合成することにより生成された送信信号を送信する送信手段と、対象物に反射した前記送信信号を、受信信号として受信する受信手段と、前記受信信号と前記第1の符号との相関値を示す第1の相関値と、前記受信信号と前記第2の符号に基づく符号との相関値を示す第2の相関値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記第1の相関値と前記第2の相関値とに基づいて、前記対象物の検出処理を行う検出手段と、を有する。
本発明によれば、物体を検出するための信号に対してドップラーシフトによって生じる距離サイドローブを、複雑な構成や演算を要せず除去することが可能となる。
第1の実施形態におけるレーダ装置101の構成を説明するブロック図である。 第1の実施形態における符号送信タイミングを説明する図である。 第1の実施形態におけるアナログビームフォーミングアンテナが照射電波を送信し、電力送信角度をスキャンする図である。 第1の実施形態におけるデジタルビームフォーミングアンテナを有するレーダ装置101のブロック図である。 第2の実施形態におけるレーダ装置101の内部構成を説明するブロック図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその実施形態の一例に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
[レーダ装置の構成]
図1に、第1の実施形態のレーダ装置101の構成を示す。レーダ装置101は、概略的には、送信部1021、受信部1022、解析部1023、制御部1024、および出力部1025から構成される。
送信部1021は、送信符号の生成、変調および送信を行う。送信部1021では、符号生成部103、DA変換部104、変調部105が、それぞれ対となって構成される。まず、符号生成部103は、相補符号を構成する2つの符号(符号Aと符号B)を一定の時間間隔(以下、符号送信周期)で交互に生成する。DA(デジタル−アナログ)変換部104は、符号生成部103により生成された符号をアナログ信号に変換する。変調部105は、局所発振器109から位相シフタ110を介して出力される2つの信号を利用して、DA変換部104により得られたアナログ信号を変調する。加算部106は、変調部105により得られた2つの信号を合成して和信号を生成する。送信RF部107は、加算部106により得られた和信号に対して強度調節や不要周波数帯信号フィルタリングを行い、送信アンテナ108は、送信RF部107により得られた信号を電波として出力(送信)する。送信アンテナ108から出力された電波(送信信号)は、検出対象の物体である対象物100に照射される。なお、送信アンテナ108は、図1では単一のアンテナとして描かれているが、フェーズドアレイアンテナなどのアレイアンテナでも良く、その他には、全方向アンテナ、ホーンアンテナ、レンズアンテナなど様々な形態が想定される。
受信部1022は、送信部1021から送信された信号の受信処理を行う。受信部1022では、復調部113、AD変換部114が、それぞれ対となって構成される。まず、受信RF部112は、受信アンテナ111を介して、送信アンテナ108から出力されて対象物100で反射された電波を受信信号として受信する。復調部113は、変調部105で変調用搬送波として用いられた信号と同じ信号を用いて(すなわち、互いに位相が90度異なる2つの信号を用いて)、受信信号を復調し、IQ復調信号を得る。AD (アナログ−デジタル)変換部114は、復調部113により得られたIQ復調信号をAD変換することでサンプリング時間間隔ごとにデジタルIQ信号へと変換する。
解析部1023は、受信部1022により得られた信号を用いて、対象物100の検出処理(対象物100の検出および対象物100の位置の測定等)を行う。解析部1023では、相関値算出部115が対となって構成され、符号送信周期毎に、AD変換部114により生成されたデジタルIQ信号と、符号生成部103により生成された2つの相補符号との相関値をそれぞれ計算する。合成処理部116と速度算出部117と平均化部118は、対象物100の検出処理を担う。合成処理部116は、物体検出信号(対象物の検出および/または対象物の位置の測定を行なうための信号)として、相関値算出部115により得られた2つの相関値の差分値(Xsub)を計算する。速度算出部117は、合成処理部116により得られた差分値の要素(Xsub(n、j)(nは符号信号周期のインデックス、jは要素の順番のインデックス))を用いて、対象物100の速度スペクトル(F(f、j))を計算する。平均化部118は、速度算出部117により計算された速度スペクトルを積算して、平均速度を算出する。結果処理部119は、ユーザに結果として提示するため結果データを生成する。また、結果処理部119は合成処理部116により得られた物体検出信号(差分値)に基づいて、レーダ装置101と対象物100との距離を測定する。また、結果処理部119は生成した結果データを、出力部1025を介してユーザに提示するための制御を行う。
制御部1024は、レーダ装置101内の各種制御を担う。出力部1025は、レーダ装置101内で生成された各種データの出力(表示等を含む)を行う。
[第1の実施形態におけるレーダ装置101の具体的な動作]
続いて、本実施形態におけるレーダ装置101の具体的な動作について説明する。まず、符号生成部103は、相補符号を構成する2つの符号(符号Aと符号B)を、符号送信周期TPRIで交互に繰り返し生成する。また、符号Aと符号Bそれぞれの要素数をnとする。符号生成部103により生成された符号Aと符号Bは、DA変換部104によりアナログ信号に変換され、変調部105により局所発振器109から出力される信号を変調用搬送波として用いて変調される。2つの変調部105に入力される信号の位相は90度異なっている。これは、局所発振器109から出力される2つの信号の一方が、位相シフタ110により90度位相を変えることにより実現される。
変調部105から出力された2つの信号は、加算部106により加算されて和信号として出力される。和信号は、送信RF部107において適切な形で強度調節や不要周波数帯信号フィルタリングが行われ、送信アンテナ108に送られる。送信アンテナ108は、送信RF部により得られた信号を電波として出力する。送信アンテナ108から出力された電波は、対象物100に照射され、受信アンテナ111で受信される。
受信RF部112を介して信号を受信した復調部113は、変調部105で変調用搬送波として用いられた信号と同じ信号を用いて、受信信号を復調し、IQ復調信号を得る。AD変換部114は、IQ復調信号をAD変換することでサンプリング時間間隔tごとにデジタルIQ信号へと変換する。相関値算出部115は、符号送信周期毎に、AD変換部114により生成されたデジタルIQ信号と、符号生成部103により生成された2つの符号(符号Aと符号B)との相関値をそれぞれ計算する。
ここで、図2を参照して、符号Aの時間的性質を説明する。説明のため、符号Aについて述べるが、符号Bについても同様である。図2は、符号送信タイミングを説明する図である。図2において、符号Aを構成する1つの要素に割り当てられる時間をビット継続時間tbitと表す(図2の上段参照)。ビット継続時間tbitは、サンプリング時間間隔tの自然数倍である。符号Aの要素数はnであるから、符号Aの時間的長さは、tbit×nとなる(図2の中段参照)。tbit×nの時間的長さを有する符号Aは、符号送信周期TPRI間の間隔を有して生成/送信される(図2の下段参照)。
続いて、相関値算出部115の処理を具体的に説明する。符号生成部103により生成された符号Aと符号Bのうち、符号Bの各要素に虚数単位i(i=−1)を乗算した配列を符号B’( =iB)とする。AD変換部114により生成されたデジタルIQ信号について、n番目の符号送信周期においてk番目に得られたI信号成分とQ信号成分を、それぞれS(n、k)とS(n、k)と表す。そして、複素平面上において、I信号成分(S(n、k))を実軸に、Q信号成分(S(n、k))を虚軸に割り当てると、複素系列S(n、k)+iS(n、k)が得られる。相関値算出部115は、この複素系列と符号A,符号B’のそれぞれとの、要素kにおける相関値(相関値X(n、k)と相関値X(n、k))を以下のように計算する。なお、符号Aと符号Bの実時間信号を、それぞれA(t)とB(t)(0≦t≦tbit×n)と表す。
Figure 2019120613
Figure 2019120613
ここで、
Figure 2019120613
である。
2つの相関値(相関値X(n、k)と相関値X(n、k))は、合成処理部116に送られる。合成処理部116は、相関値X(n、k)と相関値X(n、k)との差分値Xsub(n、k)を計算する。
このような処理により、レーダ装置101が適切な自己相関値を得ることができることは、以下のようにして説明できる。受信信号を復調して得られる信号は、複素数を用いると、A+iBと表される。本来は、さらに対象物100の反射断面積や位置によって定まる強度や位相因子を乗算したものとなるが、特段の影響はないため、本説明では省略する。A+iBと符号AおよびB’(=iB)との相関値を求めると、
Figure 2019120613
Figure 2019120613
となる。ここで、〈A、B〉は、符号Aと符号Bとの相関値を表す。2つの相関値の差分値Xsubを求めると
Figure 2019120613
が得られる。上記式において、右辺は符号Aと符号Bそれぞれの自己相関値の和である。すなわち、差分値Xsubは距離サイドローブが0となる値となる。
このように、本実施形態では、2つの符号Aと符号Bとを同時に送受信しているため、受信信号が対象物100の移動の影響を受けないことが分かる。また、上記の計算はすべて線形であるため、複数の対象物の検出および距離の測定に対しても有効である。
合成処理部116は、計算して求めた差分値Xsubを、速度算出部117に送信する。差分値Xsubの位相は、対象物100の移動に伴うレーダ装置101と対象物間の距離の変化によって変化する。対象物100が等速度運動していると仮定すると、差分値Xsubの位相は、等速度で変化する。そのため、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)による周波数解析により、対象物100の速度のレーダ装置101と対象物100を通る直線方向成分を求めることができる。
差分値Xsubの、n番目の符号送信周期におけるj番目の要素をXsub(n、j)と表す場合、要素Xsub(n+1、j)は、要素(n、j)を得てから符号送信周期TPRI後に得られる。対象物100が移動している場合は、要素Xsub(n、j)と要素Xsub(n+1、j)は、符号送信周期TPRI間で起こる、対象物100の動きに伴う位相差を有する。そこで、速度算出部117は、下式のように、Xsub(n、j)(n=1、2、…、N)に対してFFTを行って、速度スペクトルF(f、j)を求める。
Figure 2019120613
f=fpeakにてF(f、j)がピーク値となるとき、そのピークは対象物100の動きに由来しており、対象物100の移動速度vは電波の波長をλとすると、
Figure 2019120613
と求まる。
差分値Xsubの要素Xsub(n、j)は、n番目の符号送信周期において受信される、対象物100に対する反射信号を含めた全ての受信信号の総和から求められるものである。要素Xsub(n、j)に対して線形計算であるFFTを行うことによって、同じ要素に対する全符号送信周期におけるすべての受信信号の速度スペクトルを求めることができる。
ここで、本実施形態において求めた検出物の移動速度vと、非特許文献1に開示される従来技術における検出可能な移動速度との比較を行う。本実施形態では、符号送信周期TPRI毎に得られる複数の受信信号からから速度を算出する。一方、従来技術では、複数の相補符号の組を複数回送受信する。例えば、相補符号を構成する符号Aと符号Bについて、各符号の要素を逆順序にした符号を符号A’と符号B’とすると、(A,B,A’,B’)の順序で送信される。つまり、4つの符号を1つの周期とする。FFTを行うデータとして、符号送信周期毎に得られる同じ要素に対しての差分値要素Xsub(n、j)が必要である。そのため、1つの周期中に送信する符号数をnper(従来技術ではnper=4となる)とすると、FFTを行うデータはnper×TPRI毎に得られることになる。FFTの性質上、最大検出速度vmaxは、
Figure 2019120613
となり、本実施形態と比較して最大検出速度は1/nper倍となる。このように、本実施形態では、同一符号の送受信時間間隔を短くすることができるため、最大検出速度を高く設定できることができる。
速度算出部117は、得られた速度スペクトルF(f、j)を平均化部118に送る。平均化部118は、上記手順を複数回繰り返して同様に得られた速度スペクトルF(f、j)を積算することでSN比を向上させ、平均速度を算出する。平均化部118は、算出した平均速度を結果処理部119に送信する。
結果処理部119は、ユーザに結果として提示するため結果データを、信号処理を介して生成する。例えば、送信アンテナ108が、送信ビームを形成するアナログビームフォーミングアンテナで構成される場合を説明する。図3に、送信アンテナ108としてのアナログビームフォーミングアンテナ301の構成を示す。アナログビームフォーミングアンテナ301は、適当なアンテナゲインを有し、電波照射領域の一部に送信電波302を送信する。アナログビームフォーミングアンテナ301は、複数のアンテナ素子から構成され、各アンテナ素子から送信される電波のゲインと位相は、アンテナ素子中の位相シフタ303や増幅器304などの回路によって調節される。この回路の制御はレーダ装置101の制御部1024により行われる。すべてのアンテナ素子からの出力電波は、重なり合い、設定されたゲインと位相によって電波送信方向が定まる。つまり、制御部1024が電力送信角度を設定することができる。制御部1024が電力送信角度を時々刻々と変更して設定することで、電波照射領域中に電波がスキャンされ得る。このような状況で、結果処理部119は、設定された各電波送信角度と、平均化部118により算出された平均速度とを対応付けた結果データを生成することが可能となる。
また、例えば、受信アンテナ111が、受信ビームを形成するデジタルビームフォーミングアンテナで構成される場合を説明する。図4に、受信アンテナ111がデジタルビームフォーミングアンテナで構成されるレーダ装置101の構成を示す。デジタルビームフォーミングアンテナは、複数の素子アンテナから構成され、各素子アンテナに対応して、それぞれ複数の、受信RF部112、復調部113、AD変換部114、相関値算出部115、合成処理部116が構成される。各素子アンテナから得られる相補符号の相関値の和をあわせて解析することで、到来電波の角度分布を求めることができる。到来方向推定方法にはビームフォーマー法、CAPON法、MUSIC法、ESPRIT法など様々知られている。
図4の例では、合成処理部116により得られた差分値は速度算出部117に送られ、上述のように速度スペクトルが算出される。当該速度スペクトルは更に平均化部118に送られ、平均速度が算出される。更に、当該平均速度は到来方向推定部120に送られ、到来方向推定が行われる。このような状況で、結果処理部119は、解析結果は結果処理部119に送られ、対象物100の移動速度、距離、受信アンテナ111における角度ごとの反射信号強度と位相のマップ等を、結果データとして生成することが可能となる。また、結果処理部119は、使用環境中で検出対象外とみなされる物体反射波の特性を利用した除去処理や、信号をもとに物体の特徴を抽出する機械学習などの物体検出に関わる信号処理など、想定用途に応じた信号処理を行って、結果データを生成しても良い。
このように本実施形態によれば、検出の対象物が移動している時であっても当該対象物からの反射信号に含まれるドップラーシフトの影響を回避した低距離サイドローブな物体検出信号を得ることができる。また、物体の検出に関する計算はすべて線形であるため、複数の検出物体を分離検出する際にも有効である。
(第2の実施形態)
[レーダ装置の構成]
第2の実施形態として、移動物体が存在するか否かに応じて、生成する送信符号を変更するレーダ装置について説明する。図5(a)に、第2の実施形態のレーダ装置102の構成を示す。第1の実施形態において説明した図1と同じ構成には、同じ参照番号を付し、説明を省略する。図5において、レーダ装置102は、図1の構成に追加して移動判定部502を有し、合成処理部116に替えて合成処理部501を有する。移動判定部502は、速度算出部117から受け取った情報に基づいて、電波照射領域に移動物体が存在するか否か(検出対象の物体が移動しているか否か)を判定する。合成処理部501は、相関値算出部115により得られた相関値に対する合成処理を行う。
[第2の実施形態におけるレーダ装置102の具体的な動作]
続いて、本実施形態におけるレーダ装置102の具体的な動作について説明する。第1の実施形態において述べた動作と同様な動作については、説明を省略する。
まず、第1の実施形態と同様に、レーダ装置102は、相補符号を構成する2つの符号から生成された和信号を送信し、対象物100に反射した信号を受信しているものとする。移動判定部502は、速度算出部117から、検出した対象物100の速度情報を受け取る。当該速度情報は、第1の実施形態において説明した手法により得られた相関値の差分値に対するFFT演算結果である速度スペクトルであり、当該速度スペクトルは、位相変化量(ドップラーシフト量)に対応する。位相変化量が大きいほど、(数7)に示したように、時分割して符号を送受信した時の自己相関値の和に発生する距離サイドローブが大きくなる。
本実施形態では、移動判定部502は、メインローブと距離サイドローブとの比について所定の閾値rthを有する。当該閾値rthは、ユーザにより予め設定され得る。移動判定部502は、速度算出部117から受け取った速度スペクトル(位相変化量φ)から、メインローブと距離サイドローブの比r(φ)を求め、この比r(φ)が閾値rthを超えるか否かを判定する。比r(φ)が閾値rthを超える場合、移動判定部502は対象物100が移動している(対象物100は移動物体である)と判定する。なお、移動判定部502は、これ以外の手法で対象物100が移動しているか否かを判定してもよい。
移動判定部502により対象物100が移動していると判定された場合は、レーダ装置102は、継続して、第1の実施形態と同様の手法で、相補符号を構成する2つの符号を同時に送受信する。合成処理部501は、図1の合成処理部116と同様に機能し、相関値算出部115により得られた相関値の差分値を計算する。
一方、移動判定部502により対象物100が移動していない(対象物100は移動物体ではない)と判定された場合は、制御部1024は、図5(b)に示すように、符号生成部103、DA変換部104、変調部105の片方を停止させる。図5(b)は、図5(a)に対して、移動判定部502により移動物体が存在しないと判定された場合に動作が停止するブロックを灰色で塗りつぶした図である。図5(b」のように構成されるレーダ装置102において、符号生成部103は、相補符号を構成する2つの符号を交互に繰り返し生成する。このように生成された符号は、DA変換部104、変調部105、加算部106、送信RF部107を介して送信信号に変換され、時分割で送信アンテナ108から送信される。送信信号は対象物100に反射し、受信アンテナ111で受信され、受信RF部112、復調部113、AD変換部114、相関値算出部115を介して2つの相関値が算出される。続いて、合成処理部501は、2つの相関値の和を計算することで物体検出信号を得ることができる。得られた信号は速度算出部117に送られ、以降は第1の実施形態と同様の信号処理が行われる。なお、移動判定部502により対象物100が移動していないと判定された場合には、合成処理部501から出力された信号は、速度算出部117と平均化部118を通過してもよい。この場合、結果処理部119で、物体検出信号に基づいて、レーダ装置101と対象物100との距離が測定される。
このように、本実施形態では、近隣に移動物体が存在する場合には、ドップラーシフトの影響を回避した低距離サイドローブな物体検出信号を得て、移動物体が存在しない場合には、従来の手法で物体検出信号を得る。すなわち、レーダ装置102は、検出対象の物体の動きに応じて物体検出信号を得るための処理を適切に切り換えることができ、結果として処理負荷の軽減につながるという効果がある。
また、電波規制の観点から、2つの符号を同時に送信する場合は、1つの符号あたりの符号変調信号の最大強度を、2つの符号を時分割送信した時に比べて半分にまで弱くする必要がある。よって移動物体が存在しない場合は適応的に2つの符号を時分割送信することで最大検出距離を伸ばすことが期待できる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 102 レーダ装置、1021 送信部、1222 受信部、1023 解析部、1024 制御部、1025 出力部

Claims (18)

  1. 相補符号を構成する、第1の符号と第2の符号とを生成する第1の生成手段と、
    前記第1の符号と前記第2の符号それぞれに対して変調を行った後に合成することにより生成された送信信号を送信する送信手段と、
    対象物に反射した前記送信信号を、受信信号として受信する受信手段と、
    前記受信信号と前記第1の符号との相関値を示す第1の相関値と、前記受信信号と前記第2の符号に基づく符号との相関値を示す第2の相関値を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記第1の相関値と前記第2の相関値とに基づいて、前記対象物の検出処理を行う検出手段と、
    を有することを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記検出手段は、前記第1の相関値と前記第2の相関値との差分値に基づいて、前記対象物の検出処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
    レーダ装置。
  3. 前記第1の符号と前記第2の符号に対して位相が90度異なる信号を用いて変調した後に合成することにより前記送信信号を生成する第2の生成手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。
  4. 前記受信信号に対して前記位相が90度異なる信号を用いて復調を行うことによりIQ復調信号を生成する第3の生成手段を更に有し、
    前記算出手段は、前記IQ復調信号のI信号成分を実軸、Q信号成分を虚軸として複素平面上に割り当てることにより複素系列を生成し、前記複素系列と前記第1の符号との相関値を前記第1の相関値として生成し、前記複素系列と前記第2の符号に基づく符号との相関値を前記第2の相関値として算出することを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記第2の符号に基づく符号は、前記第2の符号の各要素に虚数単位を乗算した符号であることを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
  6. 前記検出手段は、前記対象物の速度を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  7. 前記検出手段は、前記第1の相関値と前記第2の相関値との差分値に対してフーリエ変換を行って得た結果から、前記対象物の速度を検出することを特徴とする請求項6に記載のレーダ装置。
  8. 前記検出手段により検出された前記対象物の速度をユーザに提示する提示手段を更に有することを特徴とする請求項6または7に記載のレーダ装置。
  9. 前記送信手段がビームを形成して前記送信信号を送信する、もしくは、前記受信手段がビームを形成して前記受信信号を受信する場合、前記提示手段は、当該ビームの設定に関する情報と前記対象物の速度を対応付けてユーザに提示することを特徴とする請求項8に記載のレーダ装置。
  10. 前記検出手段は、前記対象物の位置を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  11. 前記検出手段により検出された前記対象物の位置をユーザに提示する提示手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載のレーダ装置。
  12. 前記対象物が移動しているか否かを判定する判定手段を更に有し、
    前記判定手段により、前記対象物が移動していないと判定された場合に、
    前記送信手段は、前記第1の符号と前記第2の符号それぞれに対して変調を行った後の信号である第1の送信信号と第2の送信信号を時分割で送信し、
    前記受信手段は、前記対象物に反射した前記第1の送信信号と前記第2の送信信号を、それぞれ第1の受信信号と第2の受信信号として受信し、
    前記算出手段は、前記第1の受信信号と前記第1の符号との相関値を示す第3の相関値と、前記第2の受信信号と前記第2の符号との相関値を示す第4の相関値とを算出し、
    前記検出手段は、前記第3の相関値と前記第4の相関値とに基づいて前記検出処理を行うことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  13. 前記検出手段は、前記第3の相関値と前記第4の相関値との和に基づいて前記検出処理を行うことを特徴とする請求項12に記載のレーダ装置。
  14. 前記第3の相関値と前記第4の相関値との和に基づいて、前記対象物との距離を測定する測定手段を更に有することを特徴とする請求項12または13に記載のレーダ装置。
  15. 前記判定手段は、前記第1の相関値と前記第2の相関値との差分値に基づいて、前記対象物が移動しているか否かを判定することを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  16. 前記送信信号の送信に用いる送信アンテナと、前記受信信号の受信に用いる受信アンテナと、を更に有することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  17. レーダ装置の制御方法であって、
    相補符号を構成する、第1の符号と第2の符号とを生成する第1の生成工程と、
    前記第1の符号と前記第2の符号それぞれに対して変調を行った後に合成することにより生成された送信信号を送信する送信工程と、
    対象物に反射した前記送信信号を、受信信号として受信する受信工程と、
    前記受信信号と前記第1の符号との相関値を示す第1の相関値と、前記受信信号と前記第2の符号に基づく符号との相関値を示す第2の相関値を算出する算出工程と、
    前記算出工程において算出された前記第1の相関値と前記第2の相関値とに基づいて、前記対象物の検出処理を行う検出工程と、
    を有することを特徴とするレーダ装置の制御方法。
  18. コンピュータを、請求項1から16のいずれか1項に記載のレーダ装置として機能させるためのプログラム。
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