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JP2019116672A - 無電解めっき物を製造する方法 - Google Patents

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JP2019116672A
JP2019116672A JP2017252098A JP2017252098A JP2019116672A JP 2019116672 A JP2019116672 A JP 2019116672A JP 2017252098 A JP2017252098 A JP 2017252098A JP 2017252098 A JP2017252098 A JP 2017252098A JP 2019116672 A JP2019116672 A JP 2019116672A
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film
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JP2017252098A
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達也 中辻
Tatsuya Nakatsuji
達也 中辻
卓実 田中
Takumi Tanaka
卓実 田中
央 草香
Hiroshi Kusaka
央 草香
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Mitsubishi Chemical Corp
Toyota Motor East Japan Inc
Iox KK
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Mitsubishi Chemical Corp
Toyota Motor East Japan Inc
Iox KK
Mitsubishi Chemicals Holdings Corp
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Abstract

【課題】無電解めっき物を製造する方法を提供する。
【解決手段】ナノ粒子を配合した塗料組成物層、塗膜とめっき皮膜の間にアンカー層を形成し、基材本来の特性を損なわず、層を物理的に密着させる。塗料組成部はPdを含有せず、めっき液と接触する塗膜表層とアルカリ処理により形成されたアンカー層にのみ、Pdが偏在する。
【効果】環境負荷の高い薬剤を使わず、難めっき樹脂に対して、無電解めっき皮膜を良好に形成させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、環境負荷の高い薬剤を使わない難めっき樹脂への無電解めっき皮膜の形成方法、皮膜及び成形品に関する。
ポリプロピレン(PP)やアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)等の樹脂成形品に、部分的な装飾めっきを形成する方法として、現在、一般的に実施されている工法は次の通りである。
ABS及びポリカーボネート(PC)の二色成形品で、ABSのみを選択的にめっきすることにより部分めっきを表現する方法がある。このプロセスは、成形金型として単色成形金型を用いる方法と比較すると、金型費用が約2倍かかる。また、ABSとPCの見切りに成形ガスによる汚染があると、めっき後の見切りにバリ等の不具合が発生してしまう。その結果、成形金型のメンテナンス周期も短くなる傾向がある。
また、ABSとPCは成型時の熱で溶融することで互いの界面が明瞭にならず、めっき界面の見切りが明確に形成できないことがある。
その他、全面めっきを施し、次いでめっき体裁部にマスキングを行い、非めっき部に塗装等を施して、次いでマスキングを剥離することにより、めっき部と塗装部(非めっき部)の組み合わせにより部分めっきを表現する方法がある。このプロセスは、マスキング等の工程が必要となり、工数も増えるため、より多くの製造費用がかかる。しかも、めっき上の塗装が必要になり、めっきと塗装との間で密着性に問題がある。
また、成形後に未めっき部に塗装等の方法によりマスキングを実施し、次いで未マスキング部にめっきを施し、次いで、マスキングを剥離することにより、部分めっきを表現する方法がある。このプロセスも、マスキング等の工程が必要となり、工数も増えるため、より多くの製造費用がかかる。しかも、めっき上の塗装が必要になり、めっきと塗装との間で密着性に問題がある。
また、マスキングめっき工法は、めっき面と被めっき面の界面から水分が浸透し易く、溶剤、人工汗、香水、油分等の液剤剥離が起こり易い状態にあるという問題もある。
樹脂成形品のめっきでは、樹脂成形品とめっきとの間に、優れた密着性が要求される。そのため、樹脂成形品の表面に微細な凹凸を形成するエッチングを行う(粗化する)ことで、アンカー効果(投錨効果)を付与することができる。しかし、このエッチングは、工程が煩雑である上、クロム酸等の環境負荷の高い薬品を使用する必要がある。
従来技術は、エッチングにより物理的な密着であるため、エッチングできる基材が限定されること、エッチング工程でクロム酸を使用する場合が多いこと、工程が長いこと等の欠点が有る(図1)。
そのため、見切りが明瞭であり、クロム酸エッチングを使わずに高い密着性と耐久性を持つ立体形状への部分めっき方法が求められている。
従来技術は次の通りである。
特許文献1(図1)では、ポリイミド-シリカ複合微粒子を用いて、無電解メッキする方法が提案されている。その複合微粒子には、アルコキシ基含有シラン変性ポリアミック酸組成物が使用されている。しかし、特許文献1では、基材となるポリイミドフィルム中にシリカ粒子が含有されるため、基材本来の特性が損なわれる。また、基材はポリイミド樹脂に限定される。
特許文献2(図1)では基材上にポリピロールを含有する塗膜層を形成することで、化学結合によりめっき皮膜を形成する手法が提案されている。しかし、特許文献2では化学結合による密着性のみなので、アンカー効果がなく物理的には密着していない。また、工程は長い。
特許文献3は、基材上にアニオン性吸着層を形成することで、電気的にめっき皮膜を形成させる手法である。
特許文献4では、パラジウム粒子と分散剤との複合体、溶媒、バインダー、ナノ粒子からなる塗料組成物を基材に塗布し、強固なめっき皮膜を形成する方法が提案されている。
特開2005-325147号公報 特開2010-95776号公報 特許第5819020号 特許第6072330号
本発明は、環境負荷の高い薬剤を使わず、難めっき樹脂に対して、無電解めっき皮膜を良好に形成させる技術を提供することが目的である。
本発明は、環境負荷の高い薬剤を使わず、難めっき樹脂に対して、無電解めっき皮膜を良好に形成させる技術である。
請求項1:
無電解めっき物を製造する方法であって、
(1)基材に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程、
(2)工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程、
(3)工程(2)で前記インキ組成物を硬化した基材をアルカリ処理し、脱脂する工程、
(4)工程(3)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
(5)工程(4)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
(6)任意に、工程(5)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
(7)工程(5)で前記還元した基材、又は工程(6)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
を含む方法。
請求項2:
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造する方法であって、
前記フィルムには(A)インサート層が含まれ、当該(A)インサート層は、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物が塗布されており、
(1)前記フィルムの(A)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
(2)工程(1)のインサート成型により露出した(B)インキ組成物の層に対して、アルカリ処理し、脱脂する工程、
(3)工程(2)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
(4)工程(3)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
(5)任意に、工程(4)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
(6)工程(4)で前記還元した基材、又は工程(5)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
を含む方法。
請求項3:
インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造する方法であって、
前記フィルムには(A)インサート層が含まれ、
(1)(A)インサート層に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程、
(2)工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程、
(3)工程(2)で前記インキ組成物を硬化したフィルムの(A)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
(4)工程(3)のインサート成型により露出した(B)インキ組成物の層に対して、アルカリ処理し、脱脂する工程、
(5)工程(4)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
(6)工程(5)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
(7)任意に、工程(6)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
(8)工程(6)で前記還元した基材、又は工程(7)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程を含む方法。
請求項4:
前記(B)インサート層がアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなるシートを含む、請求項2又は3に記載の方法。
請求項5:
前記無電解めっき物がパターンめっき物である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
請求項6:
請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造される無電解めっき物。
請求項7:
請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造される無電解めっき物であって、
前記Pdイオンが還元されたPdが無電解めっき物の塗膜表面近くに偏在している、
無電解めっき物。
請求項8:
基材にめっき皮膜が形成されためっき物であって、
(1)基材に、
(2)表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜、
(3)Pdが偏在している境界層、及び
(4)めっき皮膜
が順に形成されているめっき物。
請求項9:
基材に、表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜、及びめっき皮膜が、順に形成されためっき物であって、前記塗膜とめっき皮膜との境界にPdが偏在している層を有する、めっき物。
請求項10:
前記めっき物がパターンめっき物である、請求項8又は9に記載のめっき物。
「任意にPdが付与された基材を酸により洗浄する工程」の説明
本発明の無電解めっき物を製造する方法では、「部分めっき」を施す場合、「Pdが付与された基材を酸により洗浄する工程」を有する。
本発明の無電解めっき物を製造する方法では、「全面めっき」を施す場合、「Pdが付与された基材を酸により洗浄する工程」を必要としない。
本発明の無電解めっき物を製造する方法は、「部分めっき」を施す場合及び「全面めっき」を施す場合を含むので、「任意にPdが付与された基材を酸により洗浄する工程」を含む。本発明の無電解めっき物を製造する方法では、この任意付加的な事項において、前記説明の通り、その付加的事項について、任意であることが明瞭に理解できるから、発明の範囲は明確である。
本発明は、特許文献1と違って、ナノ粒子を配合した塗料組成物層を形成する。本発明は、基材本来の特性が損なわれない。本発明は、また、バインダー成分の選択により、ポリイミドだけではなく様々な基材に適用させることができる。
本発明は、特許文献2と違って、塗膜とめっき皮膜の間にアンカー層を形成する。本発明は、物理的に密着させることができる。
特許文献3(図2)は、塗料中にPdを配合しないことから、Pd使用量が少ない。しかし、特許文献3は、アニオン化処理のできる基材(PP、易接着PET)に効果が有り、化学的な密着のみであることは、検討の余地が有る。
本発明(図2)は、塗膜とめっき皮膜の間にアンカー層を形成する。本発明は、特許文献3とは異なる技術である。
特許文献4(図2)は、シリカを配合した塗料にアルカリ脱脂をすることから、塗膜表面に凹凸を形成することができる。しかし、特許文献4は、塗料中にPdを配合するため、Pd使用量については検討の余地が有る。
本発明(図2)は、塗料組成部はPdを含有せず、めっき液と接触する塗膜表層とアルカリ処理により形成されたアンカー層にのみ、Pdが偏在する。本発明は、特許文献4とは異なる技術である。
本発明は、環境負荷の高い薬剤を使わず、難めっき樹脂に対して、無電解めっき皮膜を良好に形成させる技術を提供する。
従来の無電解めっきの工程を説明する図である。 本発明の無電解めっきの工程を説明する図である。 従来の無電解めっきを説明するSTEM観察である。 本発明の無電解めっきを説明するSTEM観察である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の優位性
(1)従来、樹脂材料にエッチングによりアンカーを形成する目的で、6価クロム等の環境負荷の高い薬剤を用いる必要があった。
従来技術に比べて、本発明は、アルカリ処理によりアンカー層を形成することができる。
(2)従来、エッチングにより形成されたアンカーは数μmの凹凸になるため、無電解めっき後の外観は光沢が得られなかった。
従来技術に比べて、本発明は、ナノ粒子のサイズにより凹凸の大きさを調整できるため、高い外観光沢を得ることができる。
(3)従来、メタロイド技術等では、塗料組成物中にPdを含むため、めっき液と接触しないPdが存在し、効率性の点で改善の余地があった(図3)。
従来技術に比べて、本発明は、Pdはアンカー形成後に付着させるため、Pdをより効率的に塗膜表面に配置させることができる(図4)。
(4)本発明では、インサートシートは、熱可塑性であり、各種材料への接着性が強く、ポリカーボネート(PC)等の難めっき樹脂に対して、溶着して強固に密着する。本発明では、溶着しづらいPP等の樹脂に対しても、インサートシートの裏面に接着層を形成させることで、強固に密着させることができる。
(5)本発明では、インサートシートは、熱可塑性のため、加熱すると延伸させることができる。また、シート状に形成された塗料組成物層も延伸に追随して、無電解めっき前処理層としての機能を維持することができる。本発明では、インサート成型時にシート、及び塗料組成物層が追随して、立体形状にめっきをすることが可能になる。
(6)従来、マスキングめっきにより厚みのあるめっきを形成すると、めっき端部に電流が集中するため、端部がめっき不良になる問題があった。
従来技術に比べて、本発明は、インサート成型時にシートが基材側に沈み込み、塗装箇所と非塗装箇所に段差がなく平坦面になるため、端部に電流が集中せず、部分めっきをしても端部の見切りが明瞭な形状になる。本発明では、電気めっきにより厚膜化をしても、横方向にめっきが広がらないので、パターン形状が崩れることを抑制することができる。
(7)従来、端部が横に広がることにより、基材との密着性が十分に取れていない端面が形成されることで、端面から水等が染み込み易くなり、耐水性の低下に繋がっていた。
従来技術に比べて、本発明は、端面の広がりを抑制し、高い耐水性が得られる。
(8)従来、めっき皮膜と熱膨張係数との差が大きい基材では、熱負荷がかかると応力差で剥離が生じ易くなる。
従来技術に比べて、本発明は、インサートシートが間に入ることで、緩衝作用が生まれ、めっき皮膜と基材との応力差を緩和することができる。
(9)従来、メタロイド技術等では、高密着性と対候性のあるめっき皮膜を得るためには、熱硬化性樹脂を使用する。硬化温度が高く、耐熱性の低いABSやPC等の基材を使う場合、長時間の熱処理が必要である。
本発明では、インサート成型時に200〜300℃の高温にさらされ、熱硬化時間を短縮することが可能になる。
本発明では、塗料中にPdを配合しないため、Pd使用量が少ない。
本発明では、シリカを配合した塗料にアルカリ脱脂をすることで、塗膜表面に凹凸を形成できる。
本発明では、塗料以外は、市販の材料、ラインを使用できるため、導入の障壁が小さい。
[1]無電解めっき物の製造方法
本発明の無電解めっき物の製造方法では、
(1)基材に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程、
(2)工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程、
(3)工程(2)で前記インキ組成物を硬化した基材をアルカリ処理し、脱脂する工程、
(4)工程(3)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
(5)工程(4)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
(6)任意に、工程(5)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
(7)工程(5)で前記還元した基材、又は工程(6)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
を含む方法により、無電解めっき物を製造することができる。
工程(1)
基材に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程である。
基材
本発明で使用される基材は、特に限定されない。
基材として、プラスチック(樹脂)、ガラス、金属、セラミックス等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリメチルペンテン(TPX)等のポリオレフィン等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、また、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンの共重合合成樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル、エチレン及びスチレンの共重合合成樹脂)等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、更に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸エステル等のポリエステル;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂;ポリカーボネート(PC);PC/ABS;ポリ塩化ビニル等を用いることが好ましい。
ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタール;ポリエーテルエーテルケトン;ノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン;ポリフェニレンスルファイド(PPS);液晶ポリマー(LCP);変性ポリフェニルエーテル;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン(PES);フェノール;ポリフタルアミド(PPA);ポリアリレート等を用いることが好ましい。
バイオPC(バイオポリカーボネート系樹脂)、TSOP(トヨタスーパーオレフェンポリマー)等を用いることが好ましい。
バイオPCは含酸素脱環式骨格を有する植物由来のイソソルバイドなどを主原料としたポリカーボネートで、例として三菱ケミカル(株)製のデュラビオ(R)があげられる。
TSOPは、エラストマーを連続相とし、ポリプロピレン(PP)樹脂を微細分散結晶として働かせるという、トヨタ独自の分子設計理論に基づき開発した高性能PP系樹脂材料である。
セラミックスとしては、ガラス、アルミナ等が挙げられる。また、基材として不織布を使用する場合、木質繊維、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維等の不織布が挙げられる。
基材の形状としては、特に限定されない。例えば、板状(又はフィルム状)、不織布状(又は織布状)、糸状、金型で成形された各種形状、等のいずれであってもよい。
基材によって、インキ組成物に含まれる溶剤、バインダー等を適宜選択することができる。
無電解めっき前処理インキ組成物
無電解めっき前処理インキ組成物は、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である。
(ア)溶媒
インキ組成物は、溶媒を含む。
溶媒(分散媒)は、(ウ)表面処理されたナノ粒子を分散させることができる。また、溶媒はバインダーとの親和性に優れている。無電解めっき前処理インキ組成物中の(ウ)表面処理されたナノ粒子の分散性を付与できるという観点から、水及びN-メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
非プロトン性極性溶媒として、NMP、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等の非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド;γ-ブチロラクトン等を用いることが好ましい。非プロトン性極性溶媒の中でも、NMP、DMF及びDMAcからなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましい。
溶媒は、例えば、水からNMPに変換することが可能である。
溶媒は、更に、前記インキ組成物に含まれる(イ)バインダーの溶解性、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子の分散性等を考慮し、更にインキ組成物の粘度、蒸発速度、インキ組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性の観点で選択することが好ましい。これらの観点を満足させるため、更に別種の溶媒を追加して用いることができる。
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、1-ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、シクロヘキサノン等のケトン類等を追加で用いることが好ましい。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル等の芳香族カルボン酸エステル類等を追加で用いることが好ましい。
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n-へキサン、n-へプタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類等を追加で用いることが好ましい。
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類等を追加で用いることが好ましい。
酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルカノールエステル類;2-フェノキシエタノール(エチレングリコールフェニルエーテル)等を追加で用いることが好ましい。
特に、印刷性及び塗装性、印刷・塗装後のレベリング過程を考慮して、蒸発速度が遅い溶媒の使用が好ましい。
蒸発速度が遅い溶媒として、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート及び2-フェノキシエタノールが例示される。これらの溶媒は希釈溶媒として用いることができる。
溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(イ)バインダー
インキ組成物は、バインダーを含む。
バインダーは、インキ組成物の粘度、インキ組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性、硬化条件等の観点から、良好に無電解めっきの反応性が得られるものを選択することが好ましい。バインダーは、前記溶媒に分散又は溶解するものである。
具体的には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、シェラック樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル塩化ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂等を用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂は、アクリル酸エステルの重合体若しくはメタクリル酸エステルの重合体又はこれらをコモノマーとする共重合体であり、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等を用いることが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂とは、ポリイミド主鎖にアミド結合を導入した樹脂であり、無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応や無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応等で得られる樹脂を用いることが好ましい。
バインダーは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、エポキシ樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種が更に好ましい。
バインダーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ウ)ナノ粒子
インキ組成物は、ナノ粒子を含む。
ナノ粒子は、無電解めっきの反応の妨げとならなければ、特に限定されるものではない。
ナノ粒子として、無機系酸化物を用いることが好ましい。
無機系酸化物としては、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等を用いることが好ましい。
無機系酸化物の中でも、二酸化ケイ素を主成分とするナノ粒子を用いることが好ましい。二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とするナノ粒子としてシリカがある。シリカは、二酸化ケイ素の他に無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコンと呼ばれる。二酸化ケイ素を主成分とするナノ粒子は、ナノ粒子自体がアルカリ処理にて、溶解するため、無電解めっきの反応性及び密着性が高い。
アルカリ処理にて溶解しないナノ粒子であっても、バインダー樹脂を用いることで、バインダー樹脂がアルカリ処理にて膨潤し、溶解する結果、そのナノ粒子とバインダーとの間に隙間が生じ、またナノ粒子が脱落するため、アルカリ処理にて溶解するナノ粒子と同程度の効果を得ることができる。
ナノ粒子として金属粒子を使用すると、添加した金属が前記バインダーである有機成分の酸化分解触媒として働く場合がある。そのため、本発明では、ナノ粒子として金属粒子を使用することはあまり好ましくない。
ナノ粒子の形状は、特に限定されない。ナノ粒子の形状は、球形、多角形等であることが好ましい。
(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量は、前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である。
ナノ粒子添加量は、前記バインダー1重量部に対して0.05〜20重量部程度がより好ましく、0.1〜3重量部程度が更に好ましい。ナノ粒子の添加量が前記範囲であることで、インキ組成物の粘度が良好に維持され、塗布し易いインキ組成物となる。
また、インキ組成物と基材との密着性が良好であり、無電解めっき膜が容易に剥離されない。言い換えると、ナノ粒子の添加量が多過ぎると、粘度上昇が大きくなり過ぎ、塗布し難くなる傾向がある。また、インキ組成物と基材との密着性が低くなり、無電解めっき膜がテープで容易に剥離する現象を引き起こす傾向がある。少ないと添加の効果を十分に得ることができない。
ナノ粒子の平均粒子径は、10〜1,000nm程度の範囲であることが好ましく、10〜500nm程度がより好ましく、10〜250nm程度が更に好ましい。
ナノ粒子に規定する平均粒子径の範囲を満たさない粒子が含まれていても、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に制限されない。
本発明で、ナノ粒子の平均粒子径とは、ナノ粒子の一次粒子の粒子径を意味する。
ナノ粒子の粒子径は、その粒子径範囲により、およそ0.1μm以下であれば動的光散乱法や電子顕微鏡観察によりにより求めることが可能である。また、ナノ粒子の粒子径は、およそ0.1μm以上であればレーザー回折・散乱法により求めることが可能である。
ナノ粒子の平均粒子径は、動的光散乱法で測定したものは散乱光強度基準による調和平均粒子径(直径)とする。ナノ粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で測定したものは体積基準のメジアン径とする。
ナノ粒子の平均粒子径が10〜1,000nm程度の範囲であることで、粒子は凝集され難く、分散性が良好で、インキ組成物の扱い性が良い。また、ナノ粒子を含むインキ組成物を使用した場合に、めっき後の外観が良好である。
言い換えると、ナノ粒子の平均粒子径が10nm未満の粒子は、凝集力が強く、分散し難くなり、インキ組成物の良好な扱い性を得られなくなる傾向がある。また、インキ組成物に平均粒子径が1,000nmを超えるナノ粒子を使用すると、インキ組成物を用いてめっきすると、外観が劣る傾向がある。
ナノ粒子の表面処理
ナノ粒子は表面処理されていることが好ましい。つまり、インキ組成物は、ナノ粒子を含み、それは表面処理されたナノ粒子であること(表面処理ナノ粒子)が好ましい。
ナノ粒子が表面処理されていることで、ナノ粒子同士が良好に分散し、再凝集が引き起こさず、インキ組成物を用いて均一なめっきを得ることができる。言い換えると、表面処理がないと、粒子同士の分散不良並びに再凝集が起き易く、均一なめっきとならない傾向がある。
ナノ粒子の表面処理として、親水性処理及び疎水性処理を共に利用することができる。ナノ粒子の表面処理は、インキ組成物に含まれる前記溶媒及びバインダーの種類によって、適宜選択することができる。
ナノ粒子の表面処理は、前記バインダー及び溶媒が疎水性を持つものが多いことから、疎水性処理が好ましい。疎水性処理として、シランカップリング剤を用いた表面処理が好ましい。
表面処理に使用されるシランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いることが好ましい。
表面処理として分散安定性の観点から、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
ナノ粒子(無機系酸化物)の表面処理は、例えば、未処理の無機充填材を混合機で常温にて攪拌分散させながら、前記シランカップリング剤を添加噴霧して5〜15分間攪拌することによって行なうことができる。混合機として、公知の混合機を使用することができ、例えばブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル等を用いることが好ましく、ミキサーを用いることがより好ましい。
例えば、シランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシラン((CH3O)3SiC6H5)、フェニルトリエトキシシラン((C2H5O)3SiC6H5)等を用いると、ナノ粒子の表面をフェニルシラン処理することが可能である。インキ組成物は、表面がフェニルシラン処理されたナノ粒子、言い換えると、表面がフェニルシラン基で表面改質されたナノ粒子やりフェニルシラン表面処理ナノ粒子を含むことが好ましい。
シランカップリング剤の処理量はナノ粒子100重量部当たり0.5〜2重量部程度が好ましい。
ナノ粒子は、平均粒子径が10〜1,000nm程度の球状シリカであることが好ましく、シリカはシランカップリング剤で表面処理(疎水性処理)されていることが好ましい。
インキ組成物はナノ粒子(二酸化ケイ素等)や表面処理されたナノ粒子(フェニルシラン処理されたシリカ等)を含む。これを用いて、所定の方法にて、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理、次いで無電解めっき処理を行うことで、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜を形成することが可能である。前記インキ組成物を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。
インキ組成物はナノ粒子や表面処理されたナノ粒子を含むことから、これを用いて形成させた皮膜は、温度差による基材とめっき皮膜の間に生じる応力を緩和する効果に優れる。その皮膜は、基材とめっき皮膜との間に存在することで、その応力を緩和し、密着力の低下を防ぐことが可能になる。
インキ組成物を用いて形成させためっき皮膜は、温度差の大きい環境に長時間曝されても、高い密着性を維持することができる。
(エ)無電解めっき前処理インキ組成物の製造方法
パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用されるインキ組成物である。
インキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜形成することが可能である。前記インキ組成物を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。前記インキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきの還元剤濃度を高めたり、反応温度を上げたりする等の処理を必要としない。前記インキ組成物を用いると、更に、有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
(ア)溶媒中に、(ウ)表面処理されたナノ粒子を分散させ、次いで(イ)バインダーを混合して混合物を作製する。
ナノ粒子を溶媒(分散媒)中に分散させる。ナノ粒子は、前記ナノ粒子を使用することができ、表面処理されたナノ粒子を用いることが好ましい。ナノ粒子は、平均粒子径が10〜1,000nm程度の球状シリカであることが好ましく、シリカはシランカップリング剤で表面処理(疎水性処理)されていることが好ましい。
溶媒として、前記2-フェノキシエタノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等の(ア)溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、ナノ粒子を均一に存在させることができれば特に限定されず、ナノ粒子100重量部に対して、100〜10,000重量部程度が好ましく、200〜5,000重量部程度がより好ましい。
バインダーとして、前記(イ)バインダーを使用することができる。バインダーの使用量は、インキ組成物の粘度、インキ組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性、硬化条件等の観点から、ナノ粒子100重量部に対して、1〜10,000重量部程度が好ましく、5〜2,000重量部程度がより好ましく、33〜1000重量部程度が更に好ましい。
混合は、特に限定されず、大気圧下又は大気(空気)雰囲気下で行うことが好ましい。混合はビーカー等の開放系で行うことができる。混合方法として、溶媒、ナノ粒子及びバインダーを含有する混合物を羽根付き撹拌棒で撹拌することが好ましい。
(ア)溶媒、(ウ)表面処理されたナノ粒子及び(イ)バインダーの混合物を混合する。
塗布処理
基材に対してインキ組成物を塗布する方法は限定されない。
塗布方法としては、バーコーター、グラビア印刷機(グラビアオフセット)、ダイレクトグラビア、マイクログラビア、ダイコーター、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、ディスペンサー、ディッピング、スプレー、スピンコーター、ロールコーター、リバースコーター、スクリーン印刷機等を用いる塗布方法がある。
マスキングレスや生産効率の観点ではグラビアオフセット印刷やパッド印刷、ディスペンサーが好ましい。パターンによってはスプレー塗装が好ましい。
塗布方法に合わせて、インキ組成物の粘度を調整することが好ましい。
グラビアオフセット印刷やパッド印刷にて塗布する場合、インキ組成物の粘度は50〜1,000mPa・s程度が好ましい。
ディスペンサーにて塗装する場合や、マスキングを施した上で、スプレー塗装する場合、インキ組成物の粘度は100mPa・s程度以下が好ましい。
乾燥及び硬化前のインキ組成物の膜厚は、使用用途によって適宜選択することができ、インキ組成物の粘度に依存する。その膜厚は、インキ組成物を良好に塗布できる観点から、1〜120μm程度が好ましく、10〜100μm程度が更に好ましい。その膜厚が120μmを超えると、インキ組成物が液垂れを引き起こす傾向がある。
工程(2)
前記工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程である。
硬化処理
基材にインキ組成物を塗布した後、インキ組成物に含まれる溶媒(溶剤)を揮発及び/又は乾燥させ、次いで硬化処理を行う。硬化処理により、(イ)バインダーが硬化される。
基材にインキ組成物を塗布した後、乾燥処理を行うことができる。乾燥処理によって、無電解めっきを行う際に不必要な溶媒を効率的に除去するとともに、塗膜と基材との密着性及び塗膜の表面強度を向上させることができる。
乾燥処理の温度は、60〜400℃程度が好ましく、80〜150℃程度がより好ましい。乾燥処理の時間は、乾燥温度に合わせて、6秒〜60分程度が好ましく、10分〜30分1分〜30分程度がより好ましい。
硬化処理の温度はインキ組成物に含まれる前記(イ)バインダーの種類に合わせて調整することができる。硬化処理の温度は40〜400℃程度が好ましい。また、基材としてプラスチックを用いる場合、プラスチック素材の軟化温度を考慮し、硬化処理の温度を40〜200℃程度に設定することが好ましい。
乾燥及び硬化後のインキ組成物の膜厚は、インキ組成物の固形分濃度に依存する。その膜厚は、無電解めっきを効率良く行うことができ、十分なめっき密着性が発揮されるという点から、0.05〜20μm程度が好ましく、1〜5μmが更に好ましい。その膜厚が0.05μm未満であっても、無電解めっきの反応性を得ることができるが、めっき密着性については十分に発揮されない傾向がある。その膜厚が20μmを超えると、無電解めっきの反応速度が劣る傾向がある。
工程(3)
前記工程(2)で前記インキ組成物を硬化した基材をアルカリ処理し、脱脂する工程である。
アルカリ処理
インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、インキ組成物に含まれる(イ)バインダーを硬化した後に、インキ組成物が塗布された基材をアルカリ処理する。
アルカリ処理により(イ)バインダー成分に被覆されていない最表層のナノ粒子を溶解及び/又は脱落させることができる。その結果、その最表層の次の表層(最表層の下層)の薄い膜のバインダー成分で被覆されたナノ粒子層を露出させることができる。
このアルカリ処理は、非常に重要な工程である。
インキ組成物を用いて、これら一連の処理を行うことにより、基材上にインキ膜を形成することができる。
工程(4)
前記工程(3)で前記脱脂した基材に、Pdイオンを付与する工程である。
Pd化合物から供給されるPdイオンを、還元剤を用いて還元することによって得ることができる。
前記Pdイオンを供給するPd化合物として、Sn-Pdコロイドからなるキャタリストが好ましい。キャタリストとして、例えば、キャタリストC、C-7、C-10(奥野製薬工業社製)、ENILEX CT-304、580(JCU社製)等を用いることができる。
Pd化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
工程(5)
前記工程(4)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程である。
Pdイオンを還元する還元剤として、例えばOPC505アクセレーター、OPC555アクセレーターM、OPC500アクセレーターMX、アクセレーターX(奥野製薬工業社製)、ES-400、JPB-400(JCU社製)等を用いることができる。
工程(6)
任意に、前記工程(5)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程である。
この工程はパターン外に付着したPdを選択的に除去する工程であり、これにより見切りの明瞭さに優れた部分めっきを施すことができる。
酸としては、強酸を含む水溶液が好ましい。例えば、硫酸、塩酸、硝酸等、またはそれらの混合物を含む水溶液を用いることができる。
水溶液中の酸の濃度としては0.1〜20%が好ましく、1〜10%がより好ましい。
酸への浸漬時間としては10秒〜30分が好ましく、30秒~10分がより好ましい。
酸の浴温については特に制限されないが、使用環境上、40℃以下が好ましい。
本発明の無電解めっき物を製造する方法では、「部分めっき」を施す場合、「Pdが付与された基材を酸により洗浄する工程」を有する。
本発明の無電解めっき物を製造する方法では、「全面めっき」を施す場合、「Pdが付与された基材を酸により洗浄する工程」を必要としない。
本発明の無電解めっき物を製造する方法は、「部分めっき」を施す場合及び「全面めっき」を施す場合を含むので、「任意にPdが付与された基材を酸により洗浄する工程」を含む。本発明の無電解めっき物を製造する方法では、この任意付加的な事項において、前記説明の通り、その付加的事項について、任意であることが明瞭に理解できるから、発明の範囲は明確である。
工程(7)
前記工程(5)で前記還元した基材、又は前記工程(6)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程である。
無電解めっき処理
アルカリ処理後のインキ(組成物)膜を、水洗した後、無電解めっきを行うことで、基材の上にパターンめっきを形成することができる。
インキ膜が形成された基材は、金属を析出させるためのめっき液と接触し、これにより無電解めっき皮膜が形成される。インキ組成物によって形成されたインキ膜は、無電解めっきの反応性がよく、得られた無電解めっき皮膜はむらがなく、密着性及び外観性に優れる。
めっき液は、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば特に限定されない。めっき液として、例えば、銅、金、銀、ニッケル、クロム等を用いることが好ましい。めっき液として、インキ組成物によって形成されたインキ膜との関係から、銅又はニッケルを含むめっき液を用いることが好ましい。
めっき条件は、常法に従うことができる。インキ膜は無電解めっきの反応性が非常に良好であるため、めっき液の還元剤濃度やアルカリ成分濃度を高める必要がない。そのため、めっき液の寿命が長持ちするだけでなく、インキのパターン通りにめっきが選択的に析出される。即ち、インキ組成物から形成されるインキ膜は、パターン形成能に優れる。
無電解めっき処理で、無電解銅めっき浴を用いる場合、その処理温度は25〜65℃程度が好ましく、その処理時間は10〜20分程度が好ましい。この無電解めっき処理により、0.3〜1.0μm程度の析出膜厚を形成することができる。
無電解めっき処理で、無電解ニッケルボロン浴を用いる場合、その処理温度は55〜70℃程度が好ましく、その析出速度は5μm/hr(60℃)程度が好ましい。
無電解めっき処理で、無電解ニッケルりん浴を用いる場合、その処理温度は30〜95℃程度が好ましく、その析出速度は浴温30℃においては3μm/hr程度、90℃においては20μm/hr程度が好ましい。
インキ組成物を用いて基材上にめっきを形成する技術は、パターンめっきを対象とすることが好ましい。しかし、本発明では、インキ組成物を全面めっきに使用しても良い。
加飾を目的とする場合、無電解めっきの後、電解銅めっき、半光沢ニッケル、光沢ニッケル、クロムめっき等の一般的なプロセスを用いることが好ましい。
加飾処理で、電解銅めっき浴を用いる場合、その処理温度は20〜60℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/m2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜40μm程度の析出膜厚を形成することができる。
加飾処理で、半光沢ニッケルめっき浴を用いる場合、その処理温度は45〜55℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/m2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜20μm程度の析出膜厚となる。
加飾処理で、光沢ニッケルめっき浴を用いる場合、その処理温度は45〜55℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/dm2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜20μm程度の析出膜厚となる。
加飾処理で、クロムめっき浴を用いる場合、その処理温度は40〜60℃程度が好ましく、電流密度は10〜60A/m2程度が好ましく、処理時間は1〜5分程度が好ましい。この加飾処理により、0.1〜0.3μm程度の析出膜厚となる。
[2]インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いる無電解めっき物の製造方法
製造方法(a)
(a)インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造することができ、
前記フィルムには(A)インサート層が含まれ、当該(A)インサート層は、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物が塗布されており、
(1)前記フィルムの(A)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
(2)工程(1)のインサート成型により露出した(B)インキ組成物の層に対して、アルカリ処理し、脱脂する工程、
(3)工程(2)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
(4)工程(3)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
(5)任意に、工程(4)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
(6)工程(4)で前記還元した基材、又は工程(5)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
を含む方法により、無電解めっき物を製造することができる。
前記(B)インサート層は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなるシートを含むことが好ましい。
製造方法(b)
(b)インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造することができ、
前記フィルムには(A)インサート層が含まれ、
(1)(A)インサート層に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程、
(2)工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程、
(3)工程(2)で前記インキ組成物を硬化したフィルムの(A)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
(4)工程(3)のインサート成型により露出した(B)インキ組成物の層に対して、アルカリ処理し、脱脂する工程、
(5)工程(4)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
(6)工程(5)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
(7)任意に、工程(6)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
(8)工程(6)で前記還元した基材、又は工程(7)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
を含む方法により、無電解めっき物を製造することができる。
前記(B)インサート層は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなるシートを含むことが好ましい。
[3]無電解めっき物
本発明の無電解めっき物の製造方法、及びインサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いる無電解めっき物の製造方法は、無電解めっき物を製造することができる。
無電解めっき物は、前記Pdイオンが還元されたPdが無電解めっき物の塗膜表面近くに偏在していることが好ましい。
「Pdが無電解めっき物の塗膜表面近くに偏在している」とは、塗膜表面と、塗膜に形成されたポーラスに沿った箇所にのみPdが偏在することである。これは、還元反応のためにPdを効率的に配置することができる。
無電解めっき物は、基材にめっき皮膜が形成されためっき物であって、
(1)基材に、
(2)表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜、
(3)Pdが偏在している境界層、及び
(4)めっき皮膜
が順に形成されていることが好ましい。
「(2)表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜」とは、「(1)基材」と「(3)Pdが偏在している境界層」との間に形成される層であり、これら両側の層に比べて、より多くの表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜のことである。
「(3)Pdが偏在している境界層」とは、「(2)表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜」と「(4)めっき皮膜」との間(境界)に形成される層であり、これら両側の層に比べて、Pdがより多く含有されている層(偏在している層)のことである。Pdが偏在している境界層が成形されるので、無電解めっき物において、塗膜表面近くにPdが偏在していることになる。
「(4)めっき皮膜」とは、無電解めっきにより形成する皮膜である。
無電解めっき物は、基材に、表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜、及びめっき皮膜が、順に形成されており、前記塗膜とめっき皮膜との境界にPdが偏在している層を有することが好ましい。
無電解めっき物は、パターンめっき物とすることができる。
インキ組成物を基材に塗布し、インキ膜を形成し、無電解めっきを行う。これにより、パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用される無電解めっき皮膜を形成することができる。無電解めっき皮膜を載せた成形品(被めっき物)は、めっき皮膜の密着性に優れる。
無電解めっき皮膜を載せた成形品は、例えば、携帯電話、パソコン、冷蔵庫等の電化製品の筐体;エンブレム、スイッチベース、ラジエータグリル、ドアハンドル、ホイールカバー等の自動車用部品等に使用することができる。
パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物を用いると、基材(プラスチック(樹脂)等)上に、パターンめっきを行う無電解めっきにおいて、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る優れた密着性と装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現することができる。その無電解めっきでは、パターンの拡がりを抑え、良好に部分めっきをすることが可能である。
インキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきにおける還元剤の濃度を高める必要が無く、また無電解めっきの反応温度を上げる必要もない。更に、また有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
インキ組成物が、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る良好な密着性を実現できる理由は、次の原理によるものと考えられる。
先ず、基材(プラスチック等)とインキ組成物との密着メカニズムは次の通りである。インキ組成物に含まれる溶媒(溶剤)成分により、基材表面が浸食され、インキ組成物のバインダー成分が基材に入り込み、基材と相溶し混成層を形成する。例えばABS樹脂であれば、ABS樹脂に含まれるブタジエンゴムが溶解し、膨潤するので、インキ組成物のバインダー成分が基材に入り込む。
無電解めっきの反応性及び密着性向上のメカニズムは次の通りである。インキ組成物が塗布された基材をアルカリ処理することにより、バインダー成分に被覆されていない最表層のナノ粒子が溶解及び/又は脱落する。これにより、最表層の次の表層(最表層の下層)のバインダー成分で薄く被覆されたナノ粒子層が露出する。その結果、このナノ粒子層を被覆している薄いバインダー被膜に含まれる無電解めっきの触媒作用を持つPd粒子と、無電解めっき液との接触頻度が増える。
また、そのアルカリ処理により、ナノ粒子とバインダー成分との間に隙間が生じ、その隙間で毛細管現象が生じ、めっき液のインキ膜内部への浸透性が良くなり、Pd粒子と無電解めっき液との接触頻度が増える。この現象により、インキ膜の表面から膜内部の深いところに存在するPd粒子により無電解めっき液中の金属イオンが還元され、還元された金属が根をはうように膜内部から析出するため、インキ膜とめっき膜との高い密着性が得られる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。
(1)無電解めっき前処理インキ組成物の作製
実施例1-1
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部、を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物1を作製した。
実施例1-2
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてビニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SV2)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物2を作製した。
実施例1-3
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるポリアミド樹脂溶液(固形分10重量%)10重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物3を作製した。
実施例1-4
ジアセトンアルコール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径10nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA010C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物4を作製した。
実施例1-5
トルエン14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径10nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA010C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるポリオレフィン樹脂溶液(固形分20重量%)5重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物5を作製した。
実施例1-6
シクロヘキサノン14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるポリエステル樹脂溶液(固形分30重量%)4重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物6を作製した。
比較例1-1
ジアセトンアルコール14重量部に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物7を作製した。
(2)無電解めっき前処理インキ組成物の塗工
実施例2-1
バーコータにより、ABS上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル1を得た。
実施例2-2
バーコータにより、ABS上に、無電解めっき用前処理インキ組成物2を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル2を得た。
実施例2-3
バーコータにより、ABS上に、無電解めっき用前処理インキ組成物3を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル3を得た。
実施例2-4
バーコータにより、ABS上に、無電解めっき用前処理インキ組成物4を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル4を得た。
実施例2-5
バーコータにより、PC/ABS樹脂上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル5を得た。
実施例2-6
バーコータにより、ポリアミド(PA、ナイロン)樹脂上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル6を得た。
実施例2-7
浸漬塗装により、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚24μmとなるように塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル7を得た。
実施例2-8
スプレー塗装により、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚24μmとなるように塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル8を得た。
実施例2-9
バーコータにより、TSOP樹脂(日本ポリプロ社製)上に、無電解めっき用前処理インキ組成物5を塗布膜厚24μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル9を得た。
実施例2-10
バーコータにより、バイオポリカーボネート(三菱ケミカル社製デュラビオD5380AR)上に、無電解めっき用前処理インキ組成物6を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル10を得た。
実施例2-11
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル11を得た。
比較例2-1
バーコータにより、ABS上に、無電解めっき用前処理インキ組成物7を塗布膜厚47μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル12を得た。
比較例2-2
バーコータにより、ABS製インサート成型用シート(有限会社シーアールディー製CA-502-M280)上に、無電解めっき用前処理インキ組成物7を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で3分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル13を得た。
参考例2-3
バーコータにより、アクリル製インサート成型用シート上に、無電解めっき用前処理インキ組成物1を塗布膜厚12μmで塗工した後、80℃の温風乾燥炉で45分乾燥させ、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル14を得た。
(3)インサート成型
実施例3-1
(2)で作製したインキ塗布サンプル11をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品1を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例3-2
(2)で作製したインキ塗布サンプル11をプレート状の金型にセットし、溶融したポリカーボネート樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は260℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品2を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例3-3
(2)で作製したインキ塗布サンプル11をプレート状の金型にセットし、溶融したバイオポリカーボネート樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品3を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
実施例3-4
(2)で作製したインキ塗布サンプル11をプレート状の金型にセットし、溶融したバイオポリカーボネート樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は230℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品4を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は80%であった。
実施例3-5
(2)で作製したインキ塗布サンプル11の裏面に日本製紙社製ポリオレフィン樹脂(スーパークロン930)を塗布膜厚2μmで塗布した後、80℃で10分乾燥させた。得られたシートをプレート状の金型にセットし、溶融したTSOP樹脂(日本ポリプロ社製)を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品5を得た。この時、成型されたTSOPシートの延伸率は25%であった。
比較例3-1
(2)で作製したインキ塗布サンプル13をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品6を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
参考例3-2
(2)で作製したインキ塗布サンプル14をプレート状の金型にセットし、溶融したABS樹脂を流し入れた。この時の金型の温度は250℃であった。冷却した後、インサート成型されて一体となったシートと樹脂を取り出し、樹脂成型品7を得た。この時、成型されたABSシートの延伸率は25%であった。
(4)評価項目1:無電解めっき反応性
無電解めっき前処理インキ塗布サンプルを、下記手順でめっき処理を行った。
めっき処理
(i)pH11〜14に調整され、60℃に加温されたアルカリ処理理液に、3分間浸した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。
(ii)キャタリストC-7(奥野製薬社製)を32℃に加温し、3分間浸漬した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。キャタリストC-7にはPdイオンが含まれ、この操作により、前記脱脂した基材にPdイオンが付与される。
(iii)アクセラレータX(奥野製薬社製)を35℃に加温し、3分間浸漬した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。
(iv)10%-塩酸水溶液を40℃に加温し、10分間浸漬した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。
めっき皮膜の析出
無電解銅(Cu)めっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解ニッケル(Ni)めっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。
実施例4-1〜4-15、比較例4-1及び4-2、参考例4-3
前記得られたインキ塗布サンプル1〜10、12、及び樹脂成型品1〜7を、上記(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の手順で処理し、次に、無電解Niめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
実施例4-16及び4-17
前記得られた樹脂成型品1を、上記(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の手順で処理し、次に、無電解Cuめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Cuめっき浴は、奥野製薬工業製OPCカッパーHFS(初期Cu濃度2.5g/L、浴容積500mL、40℃、20分)を用いた。
比較例4-4及び4-5
前記得られた樹脂成型品1を上記(ii)、(iii)及び(iv)の手順で処理し、無電解Niめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
比較例4-6及び4-7
前記得られた樹脂成型品1を上記(i)、(iii)及び(iv)の手順で処理し、無電解Niめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
比較例4-8及び4-9
前記得られた樹脂成型品1を上記(i)、(ii)及び(iv)の手順で処理し、無電解Niめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
参考例4-10及び4-11
前記得られた樹脂成型品1を上記(i)、(ii)及び(iii)の手順で処理し、無電解Niめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。無電解Niめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
無電解めっき反応性の評価基準
○:浸漬後3分以内に塗布パターン全部にめっきが析出したもの。
△:塗布パターンの部分的にめっきが析出したもの。
×:全く反応しなかったもの、或いは塗布パターン面積の1/10以下のめっき析出で止まったもの。
(5)評価項目2:Crめっきまでの達成可否
無電解めっき処理の後、無電解銅(Cu)めっきであれば、電解Cuめっき、半光沢ニッケル(Ni)、光沢ニッケル(Ni)、クロム(Cr)めっきを順次行い、どの工程でめっきが剥離したかを評価した。
無電解ニッケル(Ni)めっきの場合は、ストライク銅(Cu)めっきの後、無電解Cuめっき同様の工程でクロム(Cr)めっきまで順次行い、どの工程でめっきが剥離したかを評価した。
Crめっきまでの達成可否の評価基準
○:Crめっきまで到達したもの。
×:途中の電解Cuや電解Niで剥離したもの。
ストライクCuめっき浴は、浴温45℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
電解Cuめっき浴は、浴温30℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
半光沢Ni浴は、浴温50℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
光沢Ni浴は、浴温50℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
Crめっき浴は、浴温45℃12A/dm2を用いた。
(6)評価項目3:パターン形成能の評価
(インサートシートの場合)
電気めっきにより、30μm厚膜化した際の、めっきの横方向への広がりを測定した。
パターン形成能の評価基準
○:縦方向の広がりに対し、横方向への広がりが10%以内。
△:縦方向の広がりに対し、横方向への広がりが10〜100%。
×:縦方向の広がりに対し、横方向への広がりが100%以上。
(7)評価項目4:Crめっきまでの多層めっき膜のピール強度
前記評価項目3でCrめっきまで到達したサンプルは、90°剥離試験方法によりピール強度を評価した。
パターンめっきされた幅10mmの多層めっき皮膜を引き剥がし、その一端を引張試験機(IMADA製デジタルフォースゲージZTS-50N)の引張治具に持たせた。
そのパターンめっきされた多層めっき皮膜の剥がしていない側をもう一つの引張治具に持たせ、試験速度25mm/分で引張試験を行った。その最大荷重をピール強度とした。
なお、Crめっきまで到達したサンプルはどれも従来のクロム酸エッチングを行った前処理方法同様の光沢が得られ、くもり等は見受けられなかった。
(8)評価項目5:電気Cuめっき皮膜の熱処理前後でのピール強度
前記評価項目2で電気Cuめっきまで到達したサンプルは、90°剥離試験方法によりピール強度を評価した。
また、測定後のサンプルを80℃で24時間放置し、再度ピール強度を評価した。
熱処理前後での密着性の評価基準
○:熱処理後に密着性の低下が見られない。
×:熱処理後に密着性の低下が見られる、若しくは剥離が起こる。
(9)評価項目6:塩水噴霧試験による見切り部の腐食性
前記評価項目3でCrめっきまで到達したサンプルを、CAS試験により、耐食性を評価した。

Claims (10)

  1. 無電解めっき物を製造する方法であって、
    (1)基材に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程、
    (2)工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程、
    (3)工程(2)で前記インキ組成物を硬化した基材をアルカリ処理し、脱脂する工程、
    (4)工程(3)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
    (5)工程(4)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
    (6)任意に、工程(5)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
    (7)工程(5)で前記還元した基材、又は工程(6)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
    を含む方法。
  2. インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造する方法であって、
    前記フィルムには(A)インサート層が含まれ、当該(A)インサート層は、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物が塗布されており、
    (1)前記フィルムの(A)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
    (2)工程(1)のインサート成型により露出した(B)インキ組成物の層に対して、アルカリ処理し、脱脂する工程、
    (3)工程(2)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
    (4)工程(3)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
    (5)任意に、工程(4)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
    (6)工程(4)で前記還元した基材、又は工程(5)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程
    を含む方法。
  3. インサート成型で用いる無電解めっき用フィルムを用いて無電解めっき物を製造する方法であって、
    前記フィルムには(A)インサート層が含まれ、
    (1)(A)インサート層に、(ア)溶媒、(イ)バインダー、及び(ウ)表面処理されたナノ粒子を含有し、前記(ウ)表面処理されたナノ粒子の添加量が前記(イ)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である無電解めっき前処理インキ組成物を塗布する工程、
    (2)工程(1)で塗布した前記インキ組成物に含まれる(ア)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(イ)バインダーを硬化する工程、
    (3)工程(2)で前記インキ組成物を硬化したフィルムの(A)インサート層を基材に貼り付け、当該貼り付け物をインサート成型する工程、及び
    (4)工程(3)のインサート成型により露出した(B)インキ組成物の層に対して、アルカリ処理し、脱脂する工程、
    (5)工程(4)で前記脱脂した基材に、パラジウム(Pd)イオンを付与する工程、
    (6)工程(5)で基材に付与した前記Pdイオンを還元する工程、
    (7)任意に、工程(6)でPdが付与された基材を酸により洗浄する工程、及び、
    (8)工程(6)で前記還元した基材、又は工程(7)で前記洗浄した基材に対して、無電解めっきを行う工程を含む方法。
  4. 前記(B)インサート層がアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)からなるシートを含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記無電解めっき物がパターンめっき物である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造される無電解めっき物。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造される無電解めっき物であって、
    前記Pdイオンが還元されたPdが無電解めっき物の塗膜表面近くに偏在している、
    無電解めっき物。
  8. 基材にめっき皮膜が形成されためっき物であって、
    (1)基材に、
    (2)表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜、
    (3)Pdが偏在している境界層、及び
    (4)めっき皮膜
    が順に形成されているめっき物。
  9. 基材に、表面処理されたナノ粒子が均一に分散している塗膜、及びめっき皮膜が、順に形成されためっき物であって、前記塗膜とめっき皮膜との境界にPdが偏在している層を有する、めっき物。
  10. 前記めっき物がパターンめっき物である、請求項8又は9に記載のめっき物。
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