[go: up one dir, main page]

JP2019108492A - 硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

硬化性組成物および硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019108492A
JP2019108492A JP2017243190A JP2017243190A JP2019108492A JP 2019108492 A JP2019108492 A JP 2019108492A JP 2017243190 A JP2017243190 A JP 2017243190A JP 2017243190 A JP2017243190 A JP 2017243190A JP 2019108492 A JP2019108492 A JP 2019108492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
curable composition
reactive silicon
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017243190A
Other languages
English (en)
Inventor
雄二郎 富塚
Yujiro Tomizuka
雄二郎 富塚
佳孝 砂山
Yoshitaka Sunayama
佳孝 砂山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2017243190A priority Critical patent/JP2019108492A/ja
Publication of JP2019108492A publication Critical patent/JP2019108492A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

【課題】高温条件下における保存安定性に優れた硬化性組成物を提供する。【解決手段】反応性ケイ素基を有する重合体、(R2(CH3)2SiO)nR3で表される有機シリコン化合物および(R4)3SiNHSi(R4)3で表されるオルガノシラザンを含み、上記オルガノシラザンの含有率は、上記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満である硬化性組成物を提供する。ただし、上記式中、R2およびR4は炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、R3は水酸基含有化合物から水酸基の一部または全部の水酸基を除いた残基を表し、nは正の整数を表す。【選択図】なし

Description

本発明は反応性ケイ素基を有する重合体および有機シリコン化合物を含有する湿気硬化型の硬化性組成物、シーラント材、接着剤およびその硬化物に関する。
分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有する重合体は、室温においても、空気中の湿分等により反応性ケイ素基の加水分解が起こり、シロキサン結合を形成して架橋し、ゴム状の硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
これらの反応性ケイ素基を有する重合体の中で、主鎖骨格がポリオキシアルキレンである重合体、飽和炭化水素である重合体、ポリアクリル酸アルキルエステル共重合体、およびポリメタクリル酸アルキルエステル共重合体は、既に工業的に生産され、シーラント材、接着剤、塗料等の用途に広く使用されている(例えば、特許文献1)。
これらの反応性ケイ素基を有する重合体を含む硬化性組成物は、配合や使用条件により、硬化物の伸びが不足したり、表面の残留タック(ベタツキ)が問題となることがあった。このような問題を解決するために、分子内に少なくとも1個の反応性シリコン官能基を有するプロピレンオキシド系重合体と、分子内に1個のシラノール基を有する化合物、および/または水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成しうる化合物とを含む硬化性組成物が開示されている(特許文献2)。
特開平05−287187号公報 特開昭61−034066号公報
従来の反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体と分子内にシラノール基を有する化合物および/または水分と反応して分子内にシラノール基を有する化合物を生成しうる化合物とを含む硬化性組成物は、分子内にシラノール基を有する化合物および/または水分と反応して分子内にシラノール基を有する化合物を含むため、保存条件によってはゲル化が起こるなど、保存安定性が悪い場合があった。
特に夏場に保管容器に入れた硬化性組成物を、温度調節設備を備えない倉庫に保管する場合、硬化性組成物はかなり高温に曝されることになる。また、船で輸送される場合には、赤道付近を数か月に渡り航海し、長期間高温の条件下に曝されることがある。従来の硬化性組成物では、このような条件下で、しばしば粘度が上昇し、十分な保存安定性が得られない場合があった。
本発明は、硬化性組成物が、分子内にシラノール基を有する化合物および/または水分と反応して分子内にシラノール基を有する化合物を生成しうる化合物を含有する場合であっても、上記化合物に対するオルガノシラザンの含有率が一定量未満であれば、粘度の上昇などを抑制して、良好な保存安定性が得られることを見出したものである。
本発明は、高温の保存条件においても粘度の変化が少ない、保存安定性に優れる硬化性組成物を提供することを目的とする。本発明の硬化性組成物は、特に50℃を超える保管条件においても粘度の変化が少ない。本発明は、高温の保存条件においても保存安定性に優れる硬化性組成物を含有する接着剤およびシーラント材を提供し、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物を提供する。
本発明は、下記[1]〜[9]である。
[1]下式1で表される反応性ケイ素基を有する重合体、下式2で表される有機シリコン化合物および下式3で表されるオルガノシラザンを含む硬化性組成物であって、
前記オルガノシラザンの含有率は前記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満である、硬化性組成物。
−SiX(R(3−a)・・・式1
[式1中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、aは1〜3の整数を表し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
(R(CHSiO)・・・式2
[式2中、Rは炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、Rは水酸基含有化合物から水酸基の一部または全部の水酸基を除いた残基を表し、nは正の整数を表す。]。
(RSiNHSi(R・・・式3
[式3中、Rは、炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。]。
[2]上記反応性ケイ素基を有する重合体の主鎖骨格は、アルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルに基づく単位のいずれか一方または両方を有する重合体および飽和炭化水素重合体からなる群より選ばれる1種である[1]の硬化性組成物。
[3]上記反応性ケイ素基を有する重合体は、主鎖骨格がアルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体を含む、[1]または[2]の硬化性組成物。
[4]上記アルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体の分子量分布は、1.0〜1.6である、[2]または[3]の硬化性組成物。
[5]上記有機シリコン化合物は、フェニルトリメチルシリルエーテルまたはトリメチロールプロパントリス(トリメチルシリル)エーテルのいずれか一方または両方である、[1]〜[4]の硬化性組成物。
[6]前記有機シリコン化合物は、前記オルガノシラザンを低減させたものである、[1]〜[5]の硬化性組成物。
[7]上記オルガノシラザンは、ヘキサメチルジシラザンである[1]〜[6]の硬化性組成物。
[8]接着剤用である、[1]〜[7]の硬化性組成物。
[9]シーラント材用である、[1]〜[7]の硬化性組成物。
[10][1]〜[7]の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
本発明によれば、高温条件下で保存した場合であっても粘度の変化が少ない、保存安定性に優れる硬化性組成物を得ることができる。本発明によれば、高温の保存条件においても保存安定性に優れる、接着剤用やシーラント材用の硬化性組成物を得ることができ、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物を得ることができる。
本明細書および請求の範囲における、用語の定義および記載の仕方は、以下の通りである。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルのいずれか一方または両方を意味する。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく単位を含む重合体を意味する。
重合体における「単位」とは、単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する原子団(すなわち、「単量体単位」)、および、重合体を処理することによって該原子団の一部が別の構造に変換された原子団を意味する。
数平均分子量(以下、「Mn」という。)および重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、テトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)系ゲル浸透クロマトグラフィー測定(以下、「GPC」という。)により、ポリスチレン換算分子量として算出される。分子量分布とは、Mnに対するMwの比である。
反応性ケイ素基導入前の重合体の分子量と反応性ケイ素基を導入した重合体の分子量を比較すると、通常反応性ケイ素基を導入した重合体の分子量が少し大きくなる傾向にあるが、大きい差はない。
「〜」で表される数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値および上限値とする数値範囲を意味する。
本発明は、反応性ケイ素基を有する重合体、特定の有機シリコン化合物およびオルガノシラザンを含み、上記オルガノシラザンの含有率は、上記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満である、硬化性組成物に関する。
<反応性ケイ素基>
反応性ケイ素基は、下記式1で表わされる基である。反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、硬化触媒によって促進される反応によりシロキサン結合を形成して架橋しうる基である。反応性ケイ素基は、主鎖骨格を形成する重合体の主鎖末端に導入されることが好ましい。
−SiX 3−a・・・式1
[式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、aは1〜3の整数を表し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
得られた硬化物が柔軟で接着性が良好であるため、上記aは1または2であることが好ましく、aが2であることがより好ましい。
上記Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、α−クロロアルキル基およびトリオルガノシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、α−クロロメチル基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基およびトリフェニルシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。反応性ケイ素基を有する重合体の硬化性と安定性のバランスが良いため、メチル基またはエチル基が好ましく、硬化物の硬化速度が速いためα−クロロメチル基が好ましい。容易に入手できるためメチル基が特に好ましい。
上記Xの加水分解性基は、具体的には、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基が挙げられる。アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいためアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。上記Xがメトキシ基またはエトキシ基であると、シロキサン結合を速やかに形成し硬化物中に架橋構造を形成することが容易であり、硬化物の物性値が良好となりやすい。
aは反応性が良好である点から、2または3がより好ましい。aが2または3である場合には、Xは同じでも、異なっていてもよい。
反応性ケイ素基において、ケイ素原子に結合している加水分解性基の数が多くなるほど、反応性が大きくなるため、硬化性組成物の硬化速度が大きくなり、硬化物の伸び物性は低下しやすい。特に同一のケイ素原子に結合している加水分解性基の数が多くなるほどその傾向は顕著になりやすい。
1分子の重合体に異なる種類の反応性ケイ素基を導入することもできる。導入する反応性ケイ素基の種類や導入割合は、硬化物において所望の伸び物性や硬化速度が得られるように適宜定めることができる。
反応性ケイ素基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基、α−クロロメチルジメトキシシリル基、α−クロロメチルジエトキシシリル基が挙げられる。活性が高く良好な硬化性が得られるため、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基がより好ましい。ジメトキシメチルシリル基は保存安定性が良好となりやすく、トリエトキシシリル基は反応性ケイ素基の加水分解反応に伴って生成するアルコールがエタノールであり、安全性が高い傾向がある。
反応性ケイ素基を有する重合体を得る方法は、例えば、分子中に水酸基を有する重合体に、上記水酸基に対して反応性を示す基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有する重合体を得て、ついで反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物を作用させてヒドロシリル化する方法といった、従来公知の方法を用いることができる。
<反応性ケイ素基を有する重合体>
本発明の硬化性組成物における、反応性ケイ素基を有する重合体は、特に制限はなく、各種単量体に基づく単位を含む重合体を主鎖骨格として有するものを使用できる。
上記主鎖骨格としては、例えば、後述のポリオキシアルキレン重合体、後述の飽和炭化水素重合体、後述のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体、ポリエステル重合体、ポリサルファイド重合体、ポリアミド重合体、ポリカーボネート重合体、ジアリルフタレート重合体が例示される。
反応性ケイ素基を有する重合体の主鎖骨格としては、硬化性組成物の硬化物における伸び物性、モジュラスや耐候性などのバランスを調整しやすいため、後述のポリオキシアルキレン重合体、後述のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体および上記飽和炭化水素重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。接着性や耐候性に優れるため後述のポリオキシアルキレン重合体または後述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体のいずれか一方または両方がより好ましい。
(ポリオキシアルキレン重合体)
上記反応性ケイ素基を有する重合体は、主鎖骨格がアルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体(以下、「ポリオキシアルキレン重合体」という。)であること(以下、「反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体」という。)が好ましい。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体は、従来公知の方法で製造することができ、水酸基を含有するポリオキシアルキレン重合体に上記反応性ケイ素基を導入して得ることができる。
ポリオキシアルキレン重合体は、環状エーテルが反応しうる活性水素を含有する化合物を開始剤として触媒の存在下、環状エーテルを反応させて得られるものが好ましい。活性水素は水酸基に基づく水素であることが好ましい。
開始剤としては、下記に例示される化合物またはそれらの化合物に少量の環状エーテルを付加した化合物が挙げられる。下記に例示される化合物は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。
開始剤としては、モノオールまたは多価アルコールが好ましく、硬化物の伸び物性が良好である点で、多価アルコールがより好ましい。
モノオールとしては、炭素数1〜6のアルコールまたはアルカノールアミンが好ましく、硬化性組成物の粘度を下げることができる点で、メタノール、エタノール、プロパール、ブタノール、モノエタノールアミンがより好ましく、メタノールまたはブタノールがさらに好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、テトラメチロールシクロヘキサン、ソルビトール、マンニトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミンが挙げられる。硬化物の伸び物性が良好である点で、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールまたはソルビトールが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンがより好ましい。
環状エーテルとしては、環内に1個の酸素原子を有する3〜6員環の環状エーテル化合物が好ましい。エチレンオキシド(以下、「EO」という。)、プロピレンオキシド(以下、「PO」という。)またはブチレンオキシドがより好ましく、EO、PO、またはEOとPOの組み合わせがさらに好ましい。シーラント材や接着剤に使用される場合には、非晶質であり比較的低粘度であるため、POを含むものが好ましい。
環状エーテルは1種でもよく、2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合には、それらを混合して反応させても、順次反応させてもよい。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体における、ポリオキシアルキレン重合体は、例えば、KOHのようなアルカリ触媒を用いる重合法、有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒を用いる重合法、複合金属シアン化物錯体触媒を用いる重合法、ホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法といった従来公知の方法により製造することができる。
複合金属シアン化物錯体触媒を用いた場合、得られる重合体の分子量分布を狭くすることができ、粘度の低い硬化性組成物が得られやすいため好ましい。
複合金属シアン化物錯体触媒は、ハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレートとを反応させて得られる反応生成物に有機配位子を配位させたものが好ましい。有機配位子としては、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、アミンおよびアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく、分子量分布をより狭くできる点で、t−ブチルアルコールを含むものが好ましく、t−ブチルアルコールであるものがより好ましい。t−ブチルアルコールが配位した複合金属シアン化物錯体触媒を用いた場合には、分子量分布が1.01〜1.4の重合体が得られる傾向がある。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体の製造方法は、例えば、特公昭45−36319号、特開昭50−156599号、特開昭61−197631号、特開平3−72527号、特開平8−231707号、米国特許3632557、米国特許4960844等の各公報に提案されている方法が挙げられる。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体の1分子あたりに導入された反応性ケイ素基の数は、0.8個以上であることが好ましく、1個以上であることがより好ましく、1.2個以上であることがさらに好ましい。上記反応性ケイ素基の数が多いほど、硬化性が良好となり、硬化物においてベタツキが生じにくくなる。
反応性ケイ素基を含有するポリオキシアルキレン重合体のMnは、3,000〜100,000が好ましく、4,000〜50,000がより好ましく、5,000〜40,000がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物における硬化性が良好となりやすく、得られる硬化物の伸び物性が良好となりやすい。
反応性ケイ素基を含有するポリオキシアルキレン重合体のMw/Mnは、1.0〜1.6が好ましく、1.01〜1.4がより好ましく、1.02〜1.3がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物における硬化性が良好となりやすく、得られる硬化物の伸び物性が良好となりやすい。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体は、1種類を用いても、2種類以上を用いてもよい。
(反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体)
上記反応性ケイ素基を有する重合体は、主鎖骨格が(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に基づく単位を有する、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含んでもよい(以下、「反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体」という。)。
上記ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に基づく単位を有する重合体である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、該単量体の重合方法および共重合体への反応性ケイ素基の導入方法については、特開2002−179904号公報、特開2011−94160号公報、に記載の単量体、重合方法および反応性ケイ素基の導入方法を用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とアルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の両方を有するものが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましい。
炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数が10〜22の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ドコシルがより好ましく、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルがさらに好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とアルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を併用する場合、その比率は特に限定されないが、前者/後者の質量比は、95/5〜40/60であることが好ましく、90/10〜50/50がより好ましい。
共重合体への反応性ケイ素基の導入方法としては、上記文献に記載の方法を特に限定なく用いることができるが、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合するにあたり、式1で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体を併用する方法が好ましい。
上記式1で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体としては、例えば、ビニルシラン、(メタ)アクリル酸シリルエステルが挙げられる。
ビニルシランとしては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
(メタ)アクリル酸シリルエステルとしては、(メタ)アクリル酸−3−(メチルジメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸−3−(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸−3−(メチルジエトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸−3−(トリエトキシシリル)プロピルが挙げられる。
生成する共重合体の硬化物における引張強度が良好であることから、スチレン単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる共重合体またはアクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方または両方からなるポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が好ましく、スチレン単量体およびアクリル酸アルキルエステル単量体からなる共重合体またはアクリル酸アルキルエステル単量体からなるポリアクリル酸アルキルエステル共重合体がより好ましい。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の製法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報または特開平6−211922号公報に記載された連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法、特開平9−272714号公報、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、特開2011−94160号公報、特開2012−31423号公報に記載の原子移動ラジカルによるリビングラジカル重合法を用いることができる。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量分布は、開始剤の種類や重合温度などの重合条件により調節することができる。重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布が大きい傾向がある。リビングラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布が小さい傾向がある。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する上記単量体は、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体の存在下で重合してもよい。この場合には、硬化性組成物中における反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分散性が向上しやすい。反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する上記単量体を、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体以外の硬化性組成物の構成成分の存在下で重合してもよく、硬化性組成物の構成成分の非存在下で重合してもよい。さらに、得られた反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体を混合してもよい。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、市販の重合体を用いることもできる。市販の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体としては、例えば、XMAP Sタイプ(例えば、SA100S、SA110S、SA310S、OR100S、いずれもカネカ社製品名)、アルフォン(例えば、US−6170、US−6190、いずれも東亜合成社製品名)、アクトフロー(NE−1000、NE−3000、いずれも綜研化学社製品名)が挙げられる。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の高分子鎖1本あたりの平均の反応性ケイ素基の数は、0.05〜5個が好ましく、0.1〜3個がより好ましく、0.1〜2個がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物の架橋密度が得られやすく、破断強度が良好となりやすい。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体のMnは3,000〜100,000が好ましく、4,000〜50,000がより好ましく、5,000〜40,000がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物の伸びや耐候性が良好である点で好ましい。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体のMw/Mnは1.0〜6が好ましく、1.01〜4がより好ましく、1.02〜3がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物の伸びや耐候性が良好である点で好ましい。
上記反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
(反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体)
上記反応性ケイ素基を有する重合体は、主鎖骨格が飽和炭化水素重合体である重合体を含んでもよい。上記主鎖骨格が飽和炭化水素重合体であると、耐熱性、耐候性、耐久性、および、湿気遮断性に優れる傾向がある。
上記飽和炭化水素重合体は、炭素数2〜6のオレフィン化合物に基づく単位を有する重合体、ジエン化合物に基づく単位を有する重合体が好ましい。
上記炭素数2〜6のオレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンが例示できる。上記ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンが例示できる。上記飽和炭化水素重合体は、上記化合物以外に、アクリロニトリル、スチレンの基づく単位を有していてもよい。
上記飽和炭化水素重合体としては、イソブチレンに基づく単量体のみからなる重合体、ブタジエンに基づく単量体のみからなる重合体、イソプレンに基づく単量体のみからなる重合体、クロロプレンに基づく単量体のみからなる重合体、エチレンおよびプロピレンに基づく単位を有する重合体、イソブチレンおよびイソプレンに基づく単位を有する重合体、イソプレンおよびアクリロニトリルに基づく単位を有する重合体、イソプレンおよびスチレンに基づく単位を有する重合体、ブタジエンおよびアクリロニトリルに基づく単位を有する重合体、ブタジエンおよびスチレンに基づく単位を有する重合体、イソプレン、アクリロニトリルおよびスチレンに基づく単位を有する重合体、ブタジエン、アクリロニトリルおよびスチレンに基づく単位を有する重合体が例示できる。
上記飽和炭化水素重合体は、上記オレフィン化合物に基づく単位を持つ重合体を得た後、水素添加して得られる重合体(以下、「水添オレフィン重合体」という。)であってもよい。
水添オレフィン重合体としては、イソブチレンに基づく単位を有する重合体を得た後水素添加した重合体やブタジエンに基づく単位を有する重合体を得た後水素添加した重合体が例示できる。
上記イソブチレンに基づく単位を有する重合体は、イソブチレンに基づく単位のみから形成されていてもよいし、イソブチレン以外の単量体に基づく単位を有する共重合体でもよいが、硬化物の伸縮耐久性の面からイソブチレンに基づく単位を50質量%以上含有するものが好ましく、80質量%以上含有するものがより好ましく、90〜99質量%含有するものがさらに好ましい。
上記飽和炭化水素重合体としては、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるため、水添オレフィン重合体が好ましく、イソブチレンに基づく単位を有する重合体を得た後水素添加した重合体やブタジエンに基づく単位を有する重合体を得た後水素添加した重合体がより好ましく、イソブチレンに基づく単位を有する重合体をリビングカチオン重合で得た後水素添加した重合体がさらに好ましい。
上記反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の合成法としては、公知の各種重合方法を用いることができる。
上記反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体の製法としては、例えば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開平1−197509号、特許公報第2539445号、特許公報第2873395号、特開平7−53882号の各明細書などに記載されている方法を、特に限定されずに用いることができる。
上記反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体の1分子あたりに導入された反応性ケイ素基の数は、0.8個以上であることが好ましく、1個以上であることがより好ましく、1.2個以上であることがさらに好ましい。上記反応性ケイ素基の数が多いほど、硬化性が良好となり、硬化物においてベタツキが生じにくくなる。
上記反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体のMnは、3,000〜100,000が好ましく、4,000〜50,000がより好ましく、5,000〜40,000がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物における硬化性が良好となりやすく、得られる硬化物の伸び物性が良好となりやすい。
上記反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体のMw/Mnは、1〜6が好ましく、1.01〜4がより好ましく、1.02〜3がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物における硬化性が良好となりやすく、得られる硬化物の伸び物性が良好となりやすい。
上記反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
(反応性ケイ素基を有する重合体)
上記の反応性ケイ素基を有する重合体は、1種類を使用しても、2種以上を併用してもよい。具体的には、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体、反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体からなる群より選択される1種以上を使用できる。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む場合には、反応性ケイ素基を有する重合体の100質量部に対する反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体の含有量は、20〜100質量部が好ましく、30〜80質量部がより好ましい。上記範囲内であると低粘度の硬化性組成物が得られやすく、伸びが良好な硬化物が得られやすい。
反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含む場合には、反応性ケイ素基を有する重合体の100質量部に対する反応性ケイ素基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の含有量は、10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。上記範囲内であると耐候性が良好となりやすい。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体を含む場合には、反応性ケイ素基を有する重合体の100質量部に対する反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素重合体の含有量は、5〜70質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。上記範囲内であると硬化物の強度が高くなりやすい。
反応性ケイ素基を有する重合体における重合体1分子中に導入される反応性ケイ素基の数は、平均して少なくとも0.8個以上であることが好ましく、1個以上であることがより好ましく、1.2個以上であることがさらに好ましい。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が上記範囲内であると、良好な硬化性が得られやすく、良好な伸び物性を発現しやすい。反応性ケイ素基を有する重合体における重合体1分子中に導入される反応性ケイ素基の数は、上記反応性ケイ素基を有する重合体の全体のMnと反応性ケイ素基を有する重合体の混合物のNMR測定から得られる重合体1gあたりの反応性ケイ素基の数の値とから算出される値である。
反応性ケイ素基を有する重合体の全体のMnは3,000以上100,000以下であり、より好ましくは4,000以上50,000以下であり、さらに好ましくは5,000以上40,000以下である。Mnが上記範囲内であれば、良好な硬化物の伸び特性が得られやすく、粘度も調整しやすい。反応性ケイ素基を有する重合体の全体のMnは、反応性ケイ素基を有する重合体の全てのGPCチャートを合わせて解析して得られる値である。
反応性ケイ素基を有する重合体の全体の分子量分布は、1.0〜6が好ましく、1.01〜4がより好ましく、1.02〜3がさらに好ましい。分子量分布が上記範囲内であれば、硬化性組成物の粘度が低くなりやすく、作業性が良好となりやすい。反応性ケイ素基を有する重合体の全体の分子量分布は、反応性ケイ素基を有する重合体の全てのGPCチャートを合わせて解析して得られる値である。
<有機シリコン化合物>
本発明の硬化性組成物は、上記反応性ケイ素基を有する重合体、下式2で表される有機シリコン化合物およびオルガノシラザンを含み、上記オルガノシラザンの含有率は、上記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満である。上記有機シリコン化合物は、反応によりシラノールを発生する化合物である。
(R(CHSiO)・・・式2
[式中、Rは炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表す。Rは、水酸基含有化合物から水酸基の一部または全部の水酸基を除いた残基を表す。nは正の整数である。]。
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはビニル基が好ましく、入手が容易であるためメチル基がより好ましい。
の水酸基含有化合物から水酸基の一部または全部の水酸基を除いた残基となりうる水酸基含有化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルブタノール、イソブタール、ノルマルペンタノール、イソペンタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−クロロエタノール、2−クロロプロパノール、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、などの炭素数30以下のアルコール;フェノール、クレゾール、クロルフェノール、ビスフェノールA、ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロナフトキノンなどの炭素数6〜30の置換または非置換の芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられる。反応性ケイ素基を有する重合体と反応する速度が適当であるため、フェノール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンが好ましく、フェノール、トリメチロールプロパンがより好ましい。
となりうる化合物としては、酸素やハロゲン原子以外のヘテロ原子を含まないことが好ましく、入手が容易であり好ましい効果を発現するため、置換または非置換のフェニル基を有する化合物が好ましい。
上記有機シリコン化合物としては、たとえば、CHOSi(CH、CHCHOSi(CH、CHCH(CH)OSi(CH、CHCHClCHOSi(CH、ClCHCHOSi(CH、COSi(CH(トリメチルフェノキシシラン、以下、「PTMS」という。)、m−CHOSi(CH、m−ClCOSi(CH、(CHSiOCHCHOSi(CH、(CHSiOCHCH(CH)OSi(CH、(CHSiOCHCHOSi(CH、(CHSiOCHCHOCHCHOSi(CH、(CHSiO(CHCH(CH)O)Si(CH、(CHSiO(CHCHO)Si(CH、(CHSiO(CHCH(CH)O)Si(CH、(CHSiO(CHCH(OSi(CH)CH)OSi(CH、((CHSiOCHCCHCH(トリメチロールプロパントリス(トリメチルシリル)エーテル。以下、「TMP−3TMS」という。)、(CHSiOCHCHOCHCHCH、(CHSiO(CHOSi(CH、p-(CHSiOCOSi(CH、ClCHCH(OSi(CHCH=CH)、(CH=CH(CHSiO)(CH(OSi(CHCH=CH)が挙げられる。
上記有機シリコン化合物の式量は、140以上が好ましく、150以上がモジュラスや伸びの改善の点からより好ましい。有機シリコン化合物の式量は、5,000以下が好ましく、2,000以下がモジュラスや伸びの改善の点から好ましい。
入手が容易であるため、PTMSまたはTMP−3TMSのいずれか一方または両方がより好ましい。
PTMSおよびTMP−3TMSを含有する場合、PTMSのTMP−3TMSに対する質量比は20/80〜80/20であることが好ましく、30/70〜70/30がより好ましい。該両者の含有量の質量比が上記の範囲内であると、良好な硬化性と硬化物の繰り返し伸縮耐久性向上効果をバランス良く得ることができ、弾性率が比較的高いにもかかわらず、繰り返し伸縮耐久性が良好な硬化物が得られやすい。
硬化性組成物に含まれる上記有機シリコン化合物の合計量に対する、PTMSとTMP−3TMSの合計量の割合が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
<オルガノシラザン>
本発明におけるオルガノシラザンは式3で表される。
(RSiNHSi(R・・・式3
[式中、Rは、炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]。
としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Rは同一であることが好ましく、全てがエチル基またはメチル基であることがより好ましく、全てがメチル基であることがさらに好ましい。
上記オルガノシラザンは、上記有機シリコン化合物を製造するための原料の一つである。従来の上記有機シリコン化合物においては、その製造工程において用いたオルガノシラザンがしばしば残留することがあった。例えば、PTMSやTMP−3TMSの製造時には、原料であるフェノールやトリメチロールプロパンとクロロトリメチルシランを反応させる工程において、反応で生じる塩酸の中和および原料であるフェノールやトリメチロールプロパンにトリメチルシリル基を導入する目的でヘキサメチルジシラザンなどのオルガノシラザンを添加する。該ヘキサメチルジシラザンの添加量は、反応を速やかに行わせるために、クロロトリメチルシランに対して1.1モル当量以上添加する。そのため、反応後の系中において、反応で使われなかったヘキサメチルジシラザンが、PTMSまたはTMP−3TMSに対して、数質量%程度残留していることがあった。
本発明は、オルガノシラザンの含有量が一定量以下の硬化性組成物では、従来よりも過酷な高温条件下においても、増粘が起こりにくく、保存安定性が良好であり、得られた硬化物の伸び物性が良好であることを見出したものである。
上記オルガノシラザンとしては、有機シリコン化合物を製造する際の反応性がよいことから、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザンが好ましく、入手しやすいため、ヘキサメチルジシラザンがより好ましい。
本発明における有機シリコン化合物は、該有機シリコン化合物中に含まれるオルガノシラザンの含有量を低減させたものであることが好ましい。
上記有機シリコン化合物に含まれるオルガノシラザンを低減させる方法としては、例えば、酸を添加して塩とした後、油水分離で水相側に抽出する方法、減圧脱気により、沸点の低いオルガノシラザンを蒸留する方法が挙げられる。収率が良好であることから、減圧脱気で蒸留する方法が好ましい。
上記オルガノシラザンの含有量は、ガスクロマトグラフィーによる内部標準法により定量することができ、定量された値を用いて下記含有率を算出できる。
上記オルガノシラザンの含有率は、上記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満であり、低いほど好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、下記ガスクロマトグラフィーによる分析において、検出されないことがさらに好ましい。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、上記反応性ケイ素基を有する重合体、上記有機シリコン化合物および上記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満のオルガノシラザンを含有する。
硬化性組成物における反応性ケイ素基を有する重合体は、硬化性組成物の100質量部に対して、10〜30質量部含有することが好ましく、15〜25質量部含有することがより好ましい。反応性ケイ素基を有する重合体の含有量が上記範囲内であると、硬化物の伸びや強度が良好となりやすい。
硬化性組成物における有機シリコン化合物の合計の含有量は、硬化物に期待する物性に合わせて適宜選択できるが、反応性ケイ素基を有する重合体100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。有機シリコン化合物の含有量が上記範囲の下限値以上であると、硬化物表面のベタツキが防止されやすい。上記範囲の上限値以下であると良好な硬化性が得られやすい。
硬化性組成物におけるオルガノシラザンの含有量は、反応性ケイ素基を有する重合体100質量部に対して20ppm未満が好ましく、10ppm以下がより好ましく、含有しないことがさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性組成物を高温で保存しても増粘しにくく、保存安定性が良好となりやすい。
硬化性組成物におけるオルガノシラザンの含有量は、ガスクロマトグラフィーによる内部標準法で定量することができる。
硬化性組成物は、上記有機シリコン化合物中に含まれるオルガノシラザンの含有量を低減させる方法により、オルガノシラザンの含有量を低減させた有機シリコン化合物を、上記反応性ケイ素基を有する重合体と混合して得ることが好ましい。
反応性ケイ素基を有する重合体と有機シリコン化合物とを混合する方法としては有機シリコン化合物の性状に応じて、条件を調整し、均一に溶解、分散させればよい。この際、完全に均一な状態にする必要はなく、不透明な状態であっても、ほぼ均一に分散していればよい。また必要に応じて、分散性改良剤、たとえば界面活性剤などを併用してもよい。
有機シリコン化合物は硬化性組成物が硬化する時に加水分解してシラノール化合物を生成し、これが反応性ケイ素基を有する重合体中の反応性ケイ素基または加水分解された基と反応する。有機シリコン化合物に対してオルガノシラザンが0.2質量%以上含まれると、硬化性組成物のpHが高くなり、加水分解が起こりやすくなるために、硬化性組成物が多量化して増粘する。有機シリコン化合物に対してオルガノシラザンが0.2質量%未満であると、硬化性組成物のpHは中性付近となり、加水分解が抑制されるため、高温の保存条件下においても硬化性組成物の増粘を防ぐことができる。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、硬化性組成物において公知の成分を含むことができる。具体的には硬化触媒、助触媒、充填材、チクソ性付与剤、安定剤、接着性付与剤、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、溶剤、防かび剤等の添加剤が挙げられる。硬化性組成物は、これらの各種添加剤を1種類以上含んでもよい。
このような添加剤成分を含む硬化性組成物を調整する方法は特に制限されず、硬化性組成物の製造途中または製造後の適当な時期に、添加剤成分を一度に、または何回かに分けて添加すればよい。
硬化触媒としては、特開2011−178955号公報の段落[0041]〜[0046]に記載の硬化触媒の1種以上を使用できる。硬化触媒の含有量は、反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して、0.01〜15.0質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬化反応が充分に進行しやすくなり、上限値以下であると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じず、良好な硬化物が得られやすい。
助触媒としては、国際公開第16/031913号パンフレットに記載の助触媒の1種以上を使用できる。助触媒としては、硬化性組成物の硬化速度が速く、硬化物の良好な機械物性が得られることから、アミン、カルボン酸、またはリン酸が好ましく、アミンがより好ましい。助触媒の含有量は、反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して、0.01〜15質量部が好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬化反応が充分に進行しやすくなり、上限値以下であると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じず、良好な硬化物が得られやすい。
充填材としては、特開2011−178955号公報の段落[0047]に記載の充填材の1種以上を使用できる。充填材の含有量は、反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して、1〜1,000質量部が好ましく、10〜400質量部がより好ましく、50〜300質量部がさらに好ましい。
チクソ性付与剤としては、特開2011−111525号公報の段落[0086]に記載のチクソ性付与剤の1種以上を使用できる。チクソ性付与剤の含有量は、反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
安定剤としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等が例として挙げられ、具体例としては、特開2011−111525号公報の段落[0087]〜[0090]に記載の安定剤の1種以上を使用できる。
安定剤は1種でもよく2種以上を組み合わせてもよい。特に、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤のうち2種以上を組み合わせることにより、それぞれの特徴を生かして全体として安定性を向上させることができる。
酸化防止剤、光安定剤または紫外線吸収剤を含む場合の含有量は、各々に反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
接着性付与剤としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン、アミノ基を有するシラン、エポキシ基を有するシラン、カルボキシ基を有するシラン等の有機シランカップリング剤;イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)プロピルトリメトキシチタネート、3−メルカプトプロピルトリメトキチタネート等の有機金属カップリング剤;エポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは1種でもよく2種以上を組み合わせてもよい。
有機シランカップリング剤、有機金属カップリング剤の含有量は、各々に反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、特開2014−227427号公報の段落[0076]〜[0077]に記載の化合物が挙げられる。エポキシ基を有する化合物は1分子中に1個以上のエポキシ基を有するものであって、エポキシ樹脂またはエポキシ基含有シリコン化合物等が挙げられる。硬化性、接着強度、被着体汎用性、耐水性、耐久性および作業性等のバランスの点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはエポキシ基含有シリコン化合物が好ましい。
エポキシ樹脂の含有量は、反応性ケイ素基を有する重合体の合計100質量部に対して100質量部以下が好ましく、5〜80質量部がより好ましい。
<産業上の利用可能性>
本発明の硬化性組成物は、シーラント材・接着剤(建築用弾性シーラント材、複層ガラス用シーラント材等。)、封止剤(ガラス端部の防錆・防水用封止剤、太陽電池裏面封止剤等。)、密封剤(建造物用密封剤、船舶用密封剤、自動車用密封剤、道路用密封剤等。)、電気絶縁材料(電線・ケーブル用絶縁被覆剤。)の分野に好適に用いられる。特にビルの外壁など屋外で施工されるシーラント材のように、外壁の伸縮に追随し、復元性、伸び物性、繰り返し伸縮耐久性が要求される用途に好適である。
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例1、2、4および5は実施例であり、例3および6は比較例である。
(保存安定性試験)
調整した硬化性組成物を、温度80℃において、28日間保管した。保管前後の硬化性組成物の粘度を、標準液にて校正したE型粘度計にて測定した。測定条件は、温度25℃、回転数20rpmであった。
(ヘキサメチルジシラザンの定量)
有機シリコン化合物の10gおよびエチルベンゼンの0.1gに、ヘキサンを加えて100gとなるように調整した後、撹拌してサンプル液を得た。得られたサンプル液をガスクロマトグラフィーにより、有機シリコン化合物中のヘキサメチレンジシラザン量を定量した。定量には、濃度既知のヘキサメチルジシラザンとエチルベンゼンの濃度比とガスクロマトグラフィーの面積比から得られた検量線を用いた。
ガスクロマトグラフィーの測定条件は、カラムとしてDB-1(膜厚:0.25μm、内径:0.25mm、長さ:30m)を用い、イナートガスをヘリウム、線速度を25.0cm/sec(100℃)、スプリット比を50とした。オーブンの温度条件は、50℃で2分保持後、10℃/minで325℃まで昇温した、気化室の温度は225℃、FID検出器の温度は350℃に設定した。サンプル液の注入量は0.5ulとした。
(製造例:重合体A1の製造)
グリセリンにプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレントリオール(官能基1個当たりの分子量330)を開始剤(以下、「開始剤A」という。)として用いた。
亜鉛ヘキサシアノコバルテートのt−ブチルアルコール錯体触媒(0.08g)の存在下、開始剤A(64.1g)に、プロピレンオキシド(1,522g)を、120℃にて反応系の圧力が下がらなくなるまで反応させた。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ主鎖末端に水酸基を1分子あたり3個有する前駆重合体a1を得た。前駆重合体a1の25℃における粘度は24Pa・sであり、Mnは30,000、Mw/Mnは1.17であった。
上記前駆重合体a1に、前駆重合体a1の水酸基量に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加して、前駆重合体a1をアルコラート化した。つぎに、加熱減圧によりメタノールを留去した後に、前駆重合体a1の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加した。これにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ全主鎖末端にアリル基を有する重合体を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、得られた全主鎖末端にアリル基を有する重合体の主鎖末端のアリル基の当量に対して0.72倍当量のジメトキシメチルシランを添加し、70℃にて5時間反応させて、ポリオキシプロピレン鎖を有しかつ主鎖末端にジメトキシメチルシリル基を有する重合体A1を得た。
(有機シリコン化合物の処理1)
20Lのリアクターに10kgの粗PTMS(ヘキサメチルジシラザン含有量:0.2質量%、表1中「未精製PTMS」と記す。)を投入して、常温から60℃となるように昇温を開始するのと同時に、常圧から10mmHgとなるように減圧を開始した。リアクター内圧が10mmHgとなってから、2時間減圧脱気した後と、4時間減圧脱気した後の系中のヘキサメチルジシラザンの含有量を上記の方法で定量した。2時間減圧脱気後のPTMS中にはヘキサメチルジシラザンは100ppm含まれていた。(以下、「PTMS−A」という。)。4時間減圧脱気後のPTMS中のヘキサメチルジシラザン量は、検出限界以下であった(以下、「PTMS−B」という。)。
(有機シリコン化合物の処理2)
粗PTMSを粗TMP−3TMS(ヘキサメチルジシラザン含有量:0.2質量%、表2中「未精製TMPS」と記す。)とし、温度を120℃とする他は、上記処理1と同様に操作した。2時間減圧脱気後のTMP−3TMS中には、ヘキサメチルジシラザンは100ppm含まれていた(以下、「TMPS−A」という。)。4時間減圧脱気後のTMP−3TMS中のヘキサメチルジシラザン量は、検出限界以下であった(以下、「TMPS−B」という。)。
(例1)
合成例1で得られた重合体A1の100重量部に、桐油の5重量部、有機シリコン化合物の1重量部、水200ppmを混合し、硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、上記保存安定性試験を行った結果を表1に示す。
(例2〜3)
表1に記載の配合とする他は、例1と同様にして硬化性組成物を得た。上記保存安定性試験を行った結果を表1に示す。
(例4〜6)
表2に記載の配合とする他は、例1と同様にして、硬化性組成物を得た。上記保存安定性試験を行った結果を表2に示す。
Figure 2019108492
Figure 2019108492
処理を行わなかったPTMSを用いた例3においては、保存により例1や例2よりも増粘が見られた。処理を行わなかったTMP−3TMSを用いた例6においては、保存により例4や例5よりも増粘が見られた。
本発明の硬化性組成物は、従来よりも高温の条件下における保存安定性に優れているため、船便などのように、赤道付近を通り長期間にわたる輸送においても、変質しにくい。本発明の硬化性組成物は、接着剤、シーラント材(建築用弾性シーラント材、複層ガラス用シーラント材等。)、封止剤(ガラス端部の防錆・防水用封止剤、太陽電池裏面封止剤等。)、密封剤(建造物用密封剤、船舶用密封剤、自動車用密封剤、道路用密封剤等。)、電気絶縁材料(電線・ケーブル用絶縁被覆剤。)等の分野に好適に用いられる。

Claims (10)

  1. 下式1で表される反応性ケイ素基を有する重合体、下式2で表される有機シリコン化合物および下式3で表されるオルガノシラザンを含む硬化性組成物であって、
    前記オルガノシラザンの含有率は前記有機シリコン化合物に対して0.2質量%未満である、硬化性組成物。
    −SiX(R(3−a)・・・式1
    [式1中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、aは1〜3の整数を表し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。]
    (R(CHSiO)・・・式2
    [式2中、Rは炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、Rは水酸基含有化合物から水酸基の一部または全部の水酸基を除いた残基を表し、nは正の整数を表す。]。
    (RSiNHSi(R・・・式3
    [式3中、Rは、炭素数1〜4の飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。]。
  2. 前記反応性ケイ素基を有する重合体の主鎖骨格は、アルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルに基づく単位のいずれか一方または両方を有する重合体および飽和炭化水素重合体からなる群より選ばれる1種である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記反応性ケイ素基を有する重合体は、主鎖骨格がアルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体を含む、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記アルキレンオキシド単量体に基づく単位を有する重合体の分子量分布は、1.0〜1.6である、請求項2または3に記載の硬化性組成物。
  5. 前記有機シリコン化合物は、フェニルトリメチルシリルエーテルまたはトリメチロールプロパントリス(トリメチルシリル)エーテルのいずれか一方または両方である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記有機シリコン化合物は、該有機シリコン化合物に含まれる前記オルガノシラザンの含有量を低減させたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記オルガノシラザンは、ヘキサメチルジシラザンである請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 接着剤用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. シーラント材用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
JP2017243190A 2017-12-19 2017-12-19 硬化性組成物および硬化物 Pending JP2019108492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017243190A JP2019108492A (ja) 2017-12-19 2017-12-19 硬化性組成物および硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017243190A JP2019108492A (ja) 2017-12-19 2017-12-19 硬化性組成物および硬化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019108492A true JP2019108492A (ja) 2019-07-04

Family

ID=67179043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017243190A Pending JP2019108492A (ja) 2017-12-19 2017-12-19 硬化性組成物および硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019108492A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3480238B1 (en) Two-pack type epoxy resin composition
JP2000109676A (ja) 硬化性組成物
WO2019189491A1 (ja) 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物
JPWO2007072825A1 (ja) 室温硬化性組成物
JP7285247B2 (ja) 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物
JP2019182885A (ja) 硬化性組成物
JP2000129147A (ja) 硬化性の組成物
JP3924939B2 (ja) 室温硬化性組成物
JP4341110B2 (ja) 加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、その製造方法および硬化性組成物
JP7306120B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
EP1277769B1 (en) Compositions of silicon containing (meth)acrylic acid ester polymers
JP6610690B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
JPWO2020110713A1 (ja) ポリオキシアルキレン系重合体及び硬化性組成物
CN115335455B (zh) 聚氧化烯系聚合物的混合物及固化性组合物
JP2019108492A (ja) 硬化性組成物および硬化物
JP2000109677A (ja) 室温硬化性組成物
JP4782321B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5109147B2 (ja) 伸び増強剤及びそれを含む硬化性組成物
JP2021075722A (ja) 硬化性組成物
JP2021055011A (ja) 硬化性組成物
WO2004096875A1 (ja) 反応性改質剤
JP2021055013A (ja) 反応性ケイ素基含有重合体及び硬化性組成物
JP2020152894A (ja) 硬化性組成物及び硬化物
JP2021055017A (ja) 硬化性組成物
JP2020105439A (ja) 末端不飽和結合含有有機重合体の製造方法、又は、加水分解性シリル基含有有機重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210707

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210914