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JP2019107684A - 鋳片成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続鋳造機の鋳型寸法により幅寸法が決定される鋳片の幅寸法を、鋳片表層のシーム疵の発生を抑制しつつ減寸することが可能な鋳片成形方法を提供する。【解決手段】鋳片成形方法は、鋳片と第一金型との長手方向の相対位置を変更させつつ、第一金型により鋳片をその幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、第一傾斜部と、第一平行部とを形成する第一プレス工程と、前記鋳片と第二金型との長手方向の相対位置を変更させつつ、第二金型により第一平行部の一部を鋳片の幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、第二傾斜部と、第二平行部とを形成する第二プレス工程と、を有し、第一プレス工程における第一平行部の圧下量である総幅圧下量Rαと、第二プレス工程における第二平行部の圧下量である総幅圧下量Rβとの関係が、Rα/Rβ≦0.7、又は、Rα/Rβ≧2.0となるようにプレスする。【選択図】図8

Description

本発明は、鋳片の幅寸法を所望の寸法に減寸させるための鋳片成形方法に関する。
近年、工業製品の多種多様化傾向を反映し、必要とされる鋼板の品質やサイズも多岐にわたっており、特に鋼板に求められる製品サイズは著しく多様化している。
通常、所定のサイズの鋼板を製造するには、そのサイズに適したサイズの鋳片を準備する必要がある。しかしながら、連続鋳造機から得られる鋳片を用いる場合、鋳片の幅寸法は連続鋳造機の鋳型のサイズに依存して決まるため、製品毎に最適な幅寸法の鋳片を作り分けることは難しい。
そこで、特許文献1、2に記載されているように、連続鋳造機により得られる所定の幅寸法の鋳片を製品毎に最適な幅寸法で作り分けるために、鋳片に対して製品板厚まで厚み方向への水平ロールによる水平圧延を行う前に、竪ロールを用いた幅圧延(サイジングミル圧延方法)が行われている。
幅圧延を行うと、鋳片の幅方向端部に、その厚み方向に増肉した増肉部(ドッグボーン)が形成される。そして、この増肉部が水平圧延されることにより、鋳片の長手方向端部にフィッシュテールと呼ばれる凹形状が形成される。このフィッシュテールは切り落とされて屑となるため、歩留りが落ちるという問題があった。
この問題を解決するために、図1に示すような、回転軸線方向の両端にカリバー部101を有する竪ロール100を用いて幅圧延を行うサイジングミル圧延方法が従来採用されていた。このような竪ロール100を用いた場合、カリバー部101により増肉部における厚み寸法の増大を抑制できるため、フィッシュテールを小さくすることができる。
しかし、竪ロール100にカリバー部101を設けただけでは、フィッシュテールを小さくする対策としては不十分であった。そこで、フィッシュテールをより小さくする技術として、金型を用いて鋳片を幅圧下するサイジングプレス圧下方法が開発された。
サイジングプレス圧下方法では、幅圧下の際に鋳片の幅方向端部の増肉を抑制する事が可能であり、フィッシュテールが生じにくい。しかし、サイジングプレス圧下方法のみで鋳片の長手方向全長に渡り幅圧下を行うことは、サイジングミル圧延方法を採用する場合に比べて生産性が劣る。
そこで、特許文献3では、フィッシュテールが問題となる鋳片の長手方向端部(先後端)のみをサイジングプレス圧下方法で幅圧下し、それ以外の長手方向中央部は竪ロールを用いたサイジングミル圧延方法で幅圧延を行うことで、高い歩留りと生産性とを両立させる技術が提案されている。
サイジングプレス方法による幅圧下後の鋳片の長手方向端部の幅が、サイジングミル圧延方法で幅圧延される幅よりも大きいと、フィッシュテールを生じてしまう。これを防ぐためには、サイジングプレス圧下方法での圧下量を大きくすることが考えられる。しかし、サイジングプレス圧下方法での圧下量が大きくなると、鋳片と金型との接触面積が大きくなり、圧下時の反力に耐えうる金型を備えた堅牢な設備が必要となり、経済的でない。
そこで、特許文献4には、設備費用を抑えながら、鋳片の長手方向端部の大圧下が可能であり、且つ生産性を担保する運転も可能である鋳片の幅圧下方法として、該鋳片の基側から先側および後側へかけて縮幅する斜辺部と、これに連接し、かつ該斜辺部の長さより長い予備平行部を形成した後、前記鋳片をその搬送方向とは逆方向に移動させ、前記予備平行部の少なくとも基側の一部を除く部分に対し更に一対の金型によりプレスして、新たな斜辺部と平行部を形成する方法が提案されている。
特開昭60−106601号公報 特開昭62−97701号公報 特開2008−254048号公報 特開2008−254034号公報
上述のように、特許文献3、4に記載された技術によれば、サイジングプレス圧下方法により鋳片の長手方向端部を幅圧下してフィッシュテールを抑制しつつ、生産性の高いサイジングミル圧延方法により鋳片の長手方向中央部を竪ロールで圧延するため、高い歩留りと生産性とを両立することができる。
その一方で、サイジングプレス圧下方法において長手方向端部の幅圧下量を大きくするために上述の特許文献4に記載されたような二段圧下を行うと、鋳片の表層にシーム疵(ヘゲ疵)が発生する場合があった。シーム疵が発生すると疵発生部分を溶削などにより手入れをする必要があり、歩留りが悪化するという問題点があった。更に、溶削する余分な工程を経るため鋳片温度が低下し、手入れ無しで次工程へ搬送する場合と比較し加熱炉昇温時間が掛るため次工程の生産性を妨げるという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、連続鋳造機の鋳型寸法により幅寸法が決定される鋳片の幅寸法を、鋳片表層のシーム疵の発生を抑制しつつ減寸することが可能な鋳片成形方法の提供を目的とする。
本発明の具体的方法は以下のとおりである。
[1]本発明の第一の態様は、鋳片の長手方向の端部を幅方向にプレス成形することにより、長手方向の端部に向けて縮幅する第一傾斜部と、前記第一傾斜部に連接するとともに長手方向に沿って延在する第一平行部とを形成し、更に、前記鋳片の前記第一平行部の長手方向の端部を幅方向にプレス成形することにより、長手方向の端部に向けて更に縮幅する第二傾斜部と、前記第二傾斜部に連接するとともに長手方向に沿って延在する第二平行部とを形成する鋳片成形方法であって、前記鋳片と第一金型との長手方向の相対位置を変更させつつ、前記第一金型により前記鋳片をその幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、前記第一傾斜部と、前記第一平行部とを形成する第一プレス工程と、前記鋳片と第二金型との長手方向の相対位置を変更させつつ、前記第二金型により前記第一平行部の一部を前記鋳片の幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、前記第二傾斜部と、前記第二平行部とを形成する第二プレス工程と、を有し、前記第一プレス工程における前記第一平行部の圧下量である総幅圧下量Rαと、前記第二プレス工程における前記第二平行部の圧下量である総幅圧下量Rβとの関係が、Rα/Rβ≦0.7、又は、Rα/Rβ≧2.0となるようにプレスする鋳片成形方法である。
[2]上記[1]に記載された鋳片成形方法では、前記第一金型と前記第二金型が同一の金型であってもよい。
[3]上記[1]又は[2]に記載された鋳片成形方法では、前記第二プレス工程により得られた前記鋳片の幅方向の端部を圧延する幅圧延工程を更に有してもよい。
本発明によれば、サイジングプレス圧下において、第一傾斜部と第一平行部を形成するためのプレスにおける総幅圧下量Rαと第二傾斜部と第二平行部を形成するためのプレスにおける総幅圧下量Rβとの関係がRα/Rβ≦0.7、又は、Rα/Rβ≧2.0であることにより、第二傾斜部と第二平行部との間に形成される増肉部の厚さ(増肉代)を小さくすることができる。
これにより、サイジングプレス圧下の後のサイジングミル圧延において、過大に増肉された増肉部の倒れ込みを防げるので、シーム疵発生を抑制することができる。このため、連続鋳造機の鋳型寸法により幅寸法が決定される鋳片の幅寸法を、鋳片表層のシーム疵の発生を抑制しつつ減寸することが可能な鋳片成形方法を提供できる。
サイジングミル圧延で使用される竪ロールの一例を示す正面図である。 鋳片の表層におけるシーム疵の発生箇所を示す平面図である。 鋳片の表層にシーム疵が発生するメカニズムの説明図であり、(a)は鋳片と竪ロールとの接触態様を示す側面図であり、(b)は鋳片と竪ロールとの接触態様を示す平面図である。 第一プレス工程S1及び第二プレス工程S2により得られる鋳片の平面図である。 第一プレス工程S1を説明するための模式図であって、(a)は第一プレス工程S1における一回目の幅圧下、(b)は第一プレス工程S1における二回目の幅圧下、(c)は第一プレス工程S1における複数回目の幅圧下を示す。 第二プレス工程S2を説明するための模式図であって、(a)は第二プレス工程S2における一回目の幅圧下、(b)は第二プレス工程S2における二回目の幅圧下、(c)は第二プレス工程S2における複数回目の幅圧下を示す。 「板幅端部の最大厚さ」を説明するための模式図である。 「総幅圧下量」を説明するための模式図である。 α/Rβと、鋳片厚に対する最大増肉代の比との関係を示すグラフである。 (a)は竪ロールによる幅圧延工程(サイジングミル圧延)で鋳片を幅圧延する状態を示す模式図であり、(b)は目標とする幅寸法に減寸した鋳片を示す平面図である。
本発明者等は、鋳片にシーム疵(ヘゲ疵)が発生する現象について鋭意検討した。その結果、下記の知見を得た。
(A)特許文献4に記載されているような二段圧下によるサイジングプレス圧下を行い、その後サイジングミル圧延を行うと、図2に示す位置、すなわち、鋳片の長手方向端部側の幅方向端部の表層にシーム疵が発生すること。
(B)図2に示すシーム疵の発生位置は、サイジングプレス圧下の二段目の圧下により形成された平行部と傾斜部との移行部近傍に相当すること。
(C)この移行部近傍は、サイジングプレス圧下により鋳片の幅方向端部を二段圧下した場合に生じる増肉量が最も大きくなる部位であること。
(D)図3(a)、(b)に示すように鋳片の幅方向端部に局所的な増肉部が存在すると、サイジングミル圧延を行う際に竪ロールのカリバー部の傾斜面(鍔)に接触して倒れ込み、これが図2に示す位置に発生するシーム疵の原因であること。
(E)従って、サイジングプレス圧下において、鋳片の幅方向端部の最大厚さを竪ロールのカリバー部の傾斜面に接触しない高さまで減らすことができれば、その後のサイジングミル圧延においてこの倒れ込みを防止し、シーム疵の発生を回避できること。
(F)更に、このシーム疵は、サイジングプレスにおける一段目と二段目の圧下量が近い場合、例えば一段目の圧下量=200mmと二段目の圧下量=200mmの場合に特に発生頻度が高いこと。
なお、従来、一段目と二段目の圧下量を近くしているのは、設備負荷が均等でプレス回数が少なく、生産性を阻害しないためである。
以下、上述の知見に基づきなされた本発明の一実施形態に係る鋳片成形方法について、図面を参照して説明する。図中、鋳片について、鋳片の長手方向(搬送方向)をX、幅方向をY、厚さ方向をZとして定義する。
本実施形態に係る鋳片成形方法では、サイジングプレス圧下として、第一プレス工程S1及び第二プレス工程S2を施すことにより図4に示す形状の鋳片1を成形する。
図4に示すように、鋳片1の幅方向両端部には、長手方向中央部から長手方向両端部に向けて、第一傾斜部11a、第一平行部11b、第二傾斜部12a、及び第二平行部12bが形成されている。
より具体的に言うと、鋳片1を平面視した場合、四つのコーナーのそれぞれに形成された第一傾斜部11a、第一平行部11b、第二傾斜部12a、及び第二平行部12bにより、長手方向両端部に向けて先細り形状を呈するように鋳片1が形成されている。
第一傾斜部11aは、平面視において、鋳片1の長手方向中央部(未圧下部)から長手方向端部に向けて徐々に幅寸法が小さくなるように傾斜して形成される。長手方向Xに対する第一傾斜部11aの傾斜角度θ1は90度未満であればよく、例えば30度である。
第一平行部11bは、平面視において、第一傾斜部11aの長手方向端部側に連接するとともに、長手方向Xに平行に延在するように形成される。
これらの第一傾斜部11aと第一平行部11bは、後述する第一プレス工程S1により形成される。
第二傾斜部12aは、平面視において、第一平行部11bの長手方向端部側に連接するとともに、第一平行部11bから長手方向端部に向けて徐々に幅寸法が小さくなるように傾斜して形成される。長手方向Xに対する第二傾斜部12aの傾斜角度θ2は90度未満であればよく、例えば30度である。なお、第一傾斜部11aの傾斜角度θ1と第二傾斜部11bの傾斜角度θ2は同一でなくてもよい。
第二平行部12bは、平面視において、第二傾斜部12aの長手方向端部側に連接するとともに、長手方向Xに平行に延在するように形成される。
これらの第二傾斜部12aと第二平行部12bは、後述する第二プレス工程S2により形成される。
続いて、本実施形態に係る鋳片成形方法の第一プレス工程S1と第二プレス工程S2について図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)を参照して以下に説明する。
なお、参照番号20はプレス金型を示す。プレス金型20は、平面視して台形状となっており、鋳片1の長手方向Xに対し傾斜する傾斜押圧部20aと、傾斜押圧部20aに連接するとともに鋳片1の長手方向Xに対し平行な平行押圧部20bとを有する。
金型20と鋳片1との長手方向Xの相対位置は、図示しない金型移動機構又は鋳片搬送機構により変更できる。これにより、鋳片1の任意の長手方向Xの位置において、幅方向Yに向けて金型20を駆動させることで鋳片1を幅圧下することが可能とされている。
(第一プレス工程S1)
第一プレス工程S1では、連続鋳造により得られる加熱状態の鋳片1と、金型20との長手方向Xの相対位置を変更させつつ、金型20により鋳片1を幅方向Yに向けて一回以上プレスすることにより、第一傾斜部11aと、第一平行部11bとを形成する。
このとき、鋳片1は1000℃〜1300℃に加熱された状態でプレス成形されることが好ましい。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、鋳片1の長手方向端部側の幅方向端部に対向するように金型20を配置して鋳片1の幅圧下を行う。これにより、鋳片1に第一傾斜部11aと第一平行部11bからなる第一圧下形状(すなわち、金型20の傾斜押圧部20aと平行押圧部20bに対応する形状)を形成する。
このとき、一回のプレスで所望の幅圧下量が得られない場合、鋳片1と金型20との長手方向Xの相対位置を固定した状態で数回に分けてプレスすればよい。一回のプレス量はプレス機の能力(最大圧下荷重)で規定される。
次に、図5(b)に示すように、上記の第一圧下形状が形成された鋳片1と金型20との長手方向Xの相対位置を変更させつつ、、鋳片1の幅圧下を行う。
このときの圧下量は、上記の第一圧下形状における第一平行部11bの圧下量が維持されるように設定される。従って、図5(b)に示すように、第一圧下形状の第一平行部11aの長手方向の長さが増加する。
そして、図5(c)に示すように、鋳片1と金型20との相対移動と、幅圧下とを複数回繰り返すことにより、第一傾斜部11aと、第一平行部11bとが形成される。
なお、金型20の一回の相対移動距離は、金型20の平行押圧部20bの長手方向Xの寸法以下であればよい。
(第二プレス工程S2)
第二プレス工程S2では、第一プレス工程S1により第一傾斜部11aと第一平行部11bとが形成された鋳片1と金型20との長手方向Xの相対位置を変更させつつ、金型20により第一平行部11bの一部を鋳片1の幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、第二傾斜部12aと、第二平行部12bとを形成する。
このとき、鋳片1は1000℃〜1300℃に加熱された状態でプレス成形されることが好ましい。
具体的には、まず、図6(a)に示すように、第一プレス工程S1により形成された第一平行部11bの一部に対向するように金型20を配置して鋳片1の幅圧下を行う。これにより、第一傾斜部11aと第一平行部11bに加え、鋳片1に第二平行部12aと第二傾斜部12bからなる第二圧下形状(すなわち、金型20の傾斜押圧部20aと平行押圧部20bに対応する形状)を形成する。
このとき、第一プレス工程S1と同様に、一回のプレスで所望の幅圧下量が得られない場合、鋳片1と金型20との長手方向Xの相対位置を固定した状態で数回に分けてプレスすればよい。一回のプレス量はプレス機の能力(最大圧下荷重)で規定される。
次に、図6(b)に示すように、上記の第二圧下形状が形成された鋳片1と金型20との長手方向Xの相対位置を変更させつつ、鋳片1の幅圧下を行う。
このときの圧下量は、上記の第二圧下形状における第二平行部12bに対応する部位の圧下量が維持されるように設定される。従って、図6(b)に示すように、第二圧下形状の長手方向の長さが増加する。
そして、図6(c)に示すように、金型20の相対移動と幅圧下を複数回繰り返すことにより、第二傾斜部12aと、第二平行部とが形成される。
なお、金型20の一回の相対移動距離は、平行押圧部20bの長手方向Xの寸法以下であればよい。
本実施形態に係る鋳片成形方法では、第一プレス工程S1における第一平行部11bの総幅圧下量Rαと第二プレス工程S2における第二平行部12bの圧下量である総幅圧下量Rβとの関係が、Rα/Rβ≦0.7、又は、Rα/Rβ≧2.0、となるようにプレスを行う。
これは、板幅端部の最大厚さ(図7参照)が、一段目の幅減少量と二段目の幅減少量が同程度の時に最も大きくなるとの本発明者らの新たな知見に基づくものである。
なお、「板幅端部の最大厚さ」とは、第二プレス工程後の鋳片1の板幅端部のうち、厚さが最大となる部位(鋳片1の板幅端部のうち、第一平行部11bにおける第二傾斜部12aの近傍の部位)の厚さを意味する。
また、「総幅圧下量」とは、図8に示すように、幅方向の両端部から圧下した量の合計量である。すなわち、第一プレス工程S1での総幅圧下量Rαは、一方の幅方向端部における片幅圧下量W1と他方の端方向端部における片幅圧下量W2との合計量であり、第二プレス工程S2での総幅圧下量Rβは、一方の幅方向端部における片幅圧下量W3と他方の幅方向端部における片幅圧下量W4との合計量である。
図9は、合計幅圧下量Rα+Rβを500mmに固定した場合における、「Rα/Rβの値」と、「鋳片厚に対する最大増肉代の比」との関係を示すグラフである。なお、この時の鋳片厚は、サイジングプレス圧下前の厚み、すなわち連続鋳造後の厚みであり、増肉代とは、鋳片厚からの厚さの増加代(鋳片上面側と下面側双方を足したもの)の事である。
すなわち、「鋳片厚に対する最大増肉代の比」は、(板幅端部の最大厚さ―鋳片厚)/鋳片厚[%]を意味する。
図9に示すように、Rα/Rβの値が1.0〜1.5で鋳片厚に対する最大増肉代の比が最も大きくなることがわかる。Rα/Rβの値が1.0よりも小さくなればなるほど鋳片厚に対する最大増肉代の比は小さくなり、又、1.5よりも大きくなればなるほど鋳片厚に対する最大増肉代の比は小さくなる。
板幅端部の最大厚さが小さくなるほど、第二プレス工程S2後に実施される幅圧延工程S3(サイジングミル圧延)において鋳片1が竪ロール100のカリバー部101の傾斜面に当たりにくくなり、シーム疵も発生しにくくなる。また、シーム疵が発生するのは部分的な増肉部であり、定常部(第二平行部12b)についてはシーム疵が発生しないようカリバー部101の形状は設計されているので増肉代が鋳片厚の20%以下であれば、経験的にシーム疵が発生しにくくなる。よって、Rα/Rβの値は0.7以下、又は2.0以上とされる。また、増肉代が鋳片厚の15%以下ではシーム疵は皆無となるので、Rα/Rβの値は0.38以下、又は4.0以上とすることが望ましい。Rα/Rβの値は0.30以下、又は4.30以上とすることがさらに望ましい。
本実施形態に係る鋳片成形方法では、上述の金型20による第一プレス工程S1と第二プレス工程S2を、鋳片1の長手方向両端部に行った後、図10(a)に示すように、カリバー部101を有する竪ロール100を用いた幅圧延工程S3を数回に分けて行う。これにより、シーム疵を発生させることなく、図10(b)に示すような、目標とする幅寸法に減寸した鋳片1を得ることができる。
幅圧延工程S3は、圧延荷重上限を超えない範囲の圧延量で、数段階に分けて行われ、長手方向Xの全体に亘り所定の幅に成形する。
なお、竪ロール100のカリバー部101は鋳片厚に最適化されるように形状が設計されているが、ある程度の鋳片厚の変動には対応できるようになっている。
幅圧延工程S3により得られた鋳片1は、厚さ方向の圧延(粗圧延、仕上げ圧延)を経て、所定の厚みの鋼板に圧延される。
以上、好適な実施形態に基づき本発明の具体例を説明したが、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。本発明は、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述の実施形態では第一プレス工程S1と第二プレス工程S2において同一の金型20を用いているが、第一プレス工程S1で第一金型を用い、第二プレス工程S2で第一金型と異なる形状を有する第二金型を用いてもよい。この場合、第一傾斜部11aの傾斜角度θ1と第二傾斜部12aの傾斜角度θ2を異ならせることができる。
また、例えば、上述の実施形態では二段の鋳片幅プレス成形を行っているが、三段以上の鋳片幅プレス成形を行ってもよい。
また、例えば、上述の実施形態では鋳片1の長手方向両端部に第一プレス工程S1と第二プレス工程S2を行っているが、鋳片1の長手方向一端部のみに第一プレス工程S1と第二プレス工程S2を行うことで、鋳片1の長手方向一端部のみに、第一傾斜部11a、第一平行部11b、第二傾斜部12a、及び第二平行部12bを形成してもよい。
幅1700mm、厚さ277mmの鋳片に対し、長手方向端部の幅を二段圧下で1200mmとする第一プレス工程及び第二プレス工程(サイジングプレス圧下)を行った。第二プレス工程後の鋳片に対し、カリバー部を有する竪ロールを用いて幅圧延工程(サイジングミル圧延)を行い、得られた鋳片におけるシーム疵発生の有無を観測した。
各実験例における第一プレス工程と第二プレス工程の条件と、評価結果を表1に示す。なお、増肉部代は、各実施例と同一条件で第一プレス工程と第二プレス工程(サイジングプレス圧下)のみを行った後の、最も増肉した部分の高さを測定して得た。
Figure 2019107684
表1に示す通り、Rα/Rβが0.7以下又は2.0以上である実験例1〜6によれば、サイジングプレス後の鋳片における最も増肉した部位の板幅端部の最大厚さを低減することができ、シーム疵の無い鋳片を得ることができた。
一方、Rα/Rβが1.50、及び1.00である実験例7、8では、サイジングプレス後の鋳片における最も増肉した部位の板幅端部の最大厚さが大きく、当該部位がサイジングミル圧延において竪ロールのカリバー部と接触して倒れ込みが起こり、シーム疵が発生した。
1 鋳片
11a 第一傾斜部
11b 第一平行部
12a 第二傾斜部
12b 第二平行部
100 竪ロール
101 カリバー部

Claims (3)

  1. 鋳片の長手方向の端部を幅方向にプレス成形することにより、長手方向の端部に向けて縮幅する第一傾斜部と、前記第一傾斜部に連接するとともに長手方向に沿って延在する第一平行部とを形成し、更に、前記鋳片の前記第一平行部の長手方向の端部を幅方向にプレス成形することにより、長手方向の端部に向けて更に縮幅する第二傾斜部と、前記第二傾斜部に連接するとともに長手方向に沿って延在する第二平行部とを形成する鋳片成形方法であって、
    前記鋳片と第一金型との長手方向の相対位置を変更させつつ、前記第一金型により前記鋳片をその幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、前記第一傾斜部と、前記第一平行部とを形成する第一プレス工程と、前記鋳片と第二金型との長手方向の相対位置を変更させつつ、前記第二金型により前記第一平行部の一部を前記鋳片の幅方向に向けて一回以上プレスすることにより、前記第二傾斜部と、前記第二平行部とを形成する第二プレス工程と、
    を有し、
    前記第一プレス工程における前記第一平行部の圧下量である総幅圧下量Rαと、前記第二プレス工程における前記第二平行部の圧下量である総幅圧下量Rβとの関係が、Rα/Rβ≦0.7、又は、Rα/Rβ≧2.0となるようにプレスすることを特徴とする鋳片成形方法。
  2. 前記第一金型と前記第二金型が同一の金型である
    ことを特徴とする請求項1に記載の鋳片成形方法。
  3. 前記第二プレス工程により得られた前記鋳片の幅方向の端部を圧延する幅圧延工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳片成形方法。
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