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JP2019100311A - ガスエンジンシステム - Google Patents

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烈 小笠原
Retsu Ogasawara
烈 小笠原
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】 燃料経路に部品を組み込むことなく、燃料ガスの発熱量を推定することができるガスエンジンシステムを提供すること。【解決手段】 ガスエンジンシステム1は、燃料弁251の開度A及びスロットル弁261の開度Bを制御するエンジン制御装置40を備える。エンジン制御装置40は、ガスエンジン10の運転状態が、ガスエンジンの回転数及びガスエンジンにかかる負荷が所定の基準値である基準運転状態であるときに、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を、吸気配管24内の吸気負圧PAに基づいて推定する発熱量推定処理を実行し得るように構成される。【選択図】 図2

Description

本発明は、ガスエンジンシステムに関する。
日本国内で用いられている都市ガスは、単位体積あたりの発熱量に応じて、13A,12A,6A,5C,L1(6B,6C,7C),L2(5A,5B,5AN),L3(4A,4B,4C)といった7グループ(13種類)に分類される。現在では、13A,12Aに分類される都市ガスが主に用いられる。13Aに分類される都市ガス(以下、13Aガスという場合もある)の単位体積当たりの発熱量(基準発熱量)は、45MJ/mである。しかし、実際にガス機器に供給される13Aガスの発熱量にはバラツキがあり、45MJ/mを中心として一定の範囲で発熱量が変動する。
また、ガスヒートポンプ(GHP)等に備えられるガスエンジンは、ガスを燃料として駆動する。従って、ガスエンジンの燃料ガスとして、13Aガス等に代表される都市ガスが用いられる場合もある。ここで、例えば13Aガスが燃料ガスとして供給されるガスエンジンは、13Aガスの発熱量が基準発熱量(45MJ/m)であることを前提として設計されるので、供給される13Aガスの発熱量が上記したバラツキにより基準発熱量とは異なる場合、ガスエンジンの能力が十分に発揮されないことが懸念される。
例えば、所定の負荷Lがかかっているガスエンジンの燃焼室に供給される混合気(燃料ガス+空気)の流量は、供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量であることを前提として設定される。従って、燃料ガスの発熱量が基準発熱量とは異なる場合には、所定の負荷Lに対して設定される混合気流量は、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される混合気流量とは異なる。発熱量によって混合気流量が異なる場合、様々な問題が発生する虞がある。例えば、供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも小さい場合、負荷Lに見合う出力を得るために、混合気流量が増加される。この場合、ガスエンジンに接続される吸気管に介装されるスロットル弁の開度が増加される。スロットル弁の開度の増加によってスロットル弁の開度が上限開度に近い開度にされた場合、負荷Lの増加によりさらにスロットル弁の開度を増加しようとしても、上限開度以上に開度を増加させることができない。そのため、負荷Lに応じたガスエンジンの出力を得ることができない場合が生じ得る。つまり、供給される燃料ガスの発熱量が変動すると、その変動に起因して混合気流量が変動することによる不具合が発生する虞がある。
このように、供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量とは異なる場合には、ガスエンジンの能力が十分に発揮されない虞がある。そして、そのような状況に対処するために、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を推定する必要がある。従来においては、燃料ガスの発熱量を推定するために、様々な手法が用いられている。
特許文献1によれば、タンク内に蓄えられた燃料ガスを一時的に放出して燃焼室への燃料ガスの供給量を一時的に増加させ、そのときのエンジンの出力の上昇状態に基づいて燃料ガスの発熱量が推定される。
特開2013−127232号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1によれば、燃料ガスの発熱量を推定するために、燃料ガスが流通する燃料経路にタンク及びバルブが組み込まれる。燃料経路に組み込まれる部品には、高い信頼性、厳しい寸法管理、スペックに関する厳しい基準を満足する必要がある。そのためこれらを満足する部品のコストが高く、それ故に、システム全体の製造コストが増加する。また、特許文献1によれば、燃料ガスの発熱量を推定するために燃料ガス流量を一時的に増加させるが、それに起因して、エンジン回転数の急激な変動、過剰回転の発生、燃料ガス増加によるノッキングの発生、等の好ましくない現象が生じる虞があり、これらの現象の発生により、エンジン本体或いはエンジン駆動部品を損壊する虞がある。
本発明は、燃料経路に部品を組み込むことなく、燃料ガスの発熱量を推定することができるガスエンジンシステムを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明に係るガスエンジンシステム(1)は、燃料ガスと空気との混合気が供給される燃焼室(111)が内部に形成され、燃焼室内の混合気が点火されることにより駆動力を発生するガスエンジン(10)と、燃料ガスが流通する燃料配管(21)と、燃料配管を流通する燃料ガスと空気との混合気が流通するとともに、流通する混合気を燃焼室に供給するための吸気配管(24)と、燃料配管に設けられ、燃料配管を流通する燃料ガスの流量を調整することができるように構成された燃料弁(251)と、吸気配管に設けられ、燃焼室に供給される混合気の流量を調整することができるように構成されたスロットル弁(262)と、燃料弁の開度及びスロットル弁の開度を制御する制御装置(40)と、を備える。そして、制御装置は、ガスエンジンの運転状態が、ガスエンジンの回転数及びガスエンジンにかかる負荷が所定の基準値である基準運転状態であるときに、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を、吸気配管内の吸気負圧、前記スロットル弁の開度、前記吸気配管を流れる混合気の流量、のいずれかに基づいて推定する発熱量推定処理を実行し得るように構成される。
ガスエンジンの運転状態が基準運転状態(エンジン回転数及びガスエンジンにかかる負荷が所定の基準値である運転状態)であるときには、燃焼室に供給される混合気の流量は、その混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量であることを前提として、基準混合気流量として一義的に定めることができる。また、このときにおけるスロットル弁の開度及び吸気配管内の吸気負圧も、それぞれ基準スロットル弁開度及び基準吸気負圧として一義的に定めることができる。しかしながら、ガスエンジンの運転状態が基準運転状態であっても、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量でない場合、燃焼室に供給される混合気の流量は基準混合気流量とは異なり、且つ、スロットル弁の開度及び吸気負圧も基準スロットル弁開度及び基準吸気負圧とは異なる。例えば、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量未満の場合、燃焼室内での混合気の燃焼により得られるエネルギーは、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に得られるエネルギーよりも小さい。従って、基準運転状態時にそのような発熱量の小さい燃料ガスが燃焼室に供給される場合、混合気の流量が基準混合気流量であると、エネルギー不足によりエンジン回転数が低下する。この場合、基準運転状態を維持するため、すなわちエンジン回転数の低下を抑制してエンジン回転数を基準値に維持するために、スロットル弁の開度が増加される。スロットル弁の開度の増加により吸気配管内の混合気流量が増加するとともに、吸気配管内の吸気負圧が上昇する(負方向に低下する)。また、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも大きい場合、燃焼室内での混合気の燃焼により得られるエネルギーは、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に得られるエネルギーよりも大きい。従って、基準運転状態時にそのような発熱量の大きい燃料ガスが燃焼室に供給される場合、混合気の流量が基準混合気流量であると、過剰なエネルギーによりエンジン回転数が上昇する。この場合、基準運転状態を維持するため、すなわちエンジン回転数の上昇を抑制してエンジン回転数を基準値に維持するために、スロットル弁の開度が減少される。スロットル弁の開度の減少により吸気配管内の混合気流量が減少するとともに、吸気配管内の吸気負圧が低下する(負方向に上昇する)。
つまり、ガスエンジンのエンジン回転数及び負荷が同一である条件下において(すなわち基準運転状態であるという条件下において)、吸気配管内の吸気負圧、スロットル弁の開度、混合気流量は、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量により変化する。このことを利用して、本発明では、基準運転状態であるときに制御装置が発熱量推定処理を実行して、吸気配管内の吸気負圧、スロットル弁の開度、吸気配管を流れる混合気流量、のいずれかに基づいて、燃焼室に供給される燃料ガスの発熱量が推定される。吸気配管内の吸気負圧は、例えば吸気配管に圧力センサ(吸気圧センサ)を取り付けることによって検出することができる。スロットル弁の開度は、スロットル弁を駆動させるための駆動部品(例えばスロットル弁モータ)に取り付けられたスロットル弁開度センサにより検出することができる。混合気流量はスロットル弁開度から求めることができる。よって、本発明によれば、燃料経路(燃料配管)に燃料ガスの発熱量を推定するための専用の部品を組み込むことなく、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を推定することができる。
発熱量推定処理は、吸気配管内の吸気負圧(PA)を取得する吸気負圧取得処理(S107)と、吸気負圧取得処理にて取得した吸気負圧に基づいて、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量の推定値である推定発熱量(E)を演算する推定発熱量演算処理(S108)とを含むのがよい。これによれば、吸気配管内の吸気負圧に基づいて、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を推定することができる。この場合、推定発熱量演算処理は、ガスエンジンの運転状態が基準運転状態である場合における、吸気負圧と燃料ガスの発熱量との相関関係を利用して、推定発熱量を演算する処理であるのがよい。さらに、上記相関関係は、燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの流量(Qgas)と空気の流量(Qair)との比(流量比C=Qgas:Qair)により変化する。従って、推定発熱量演算処理は、流量比Cに応じて定められる吸気負圧と燃料ガスの発熱量との相関関係に基づいて、推定発熱量を演算する処理であるのがよい。
上記において、基準発熱量は、ガスエンジンに用いる燃料ガスを定義するために用いられる発熱量であると良い。例えば、ガスエンジンに用いる燃料ガスが13Aガスである場合、基準発熱量は45MJ/m程度であるのがよく、ガスエンジンに用いる燃料ガスが12Aガスである場合、基準発熱量は42MJ/m程度であるのがよい。
また、制御装置は、発熱量推定処理にて演算された推定発熱量が予め定められた基準発熱量(E0)未満である場合に、燃料弁の開度を、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準燃料弁開度(A0)よりも大きい開度に設定する燃料リッチ補正処理(S206)と、発熱量推定処理にて演算された推定発熱量が基準発熱量よりも大きい場合に、燃料弁の開度を基準燃料弁開度よりも小さい開度に設定する燃料リーン補正処理(S208)と、を実行し得るように構成されるとよい。これによれば、燃焼室に供給される燃料ガスの発熱量の推定値(推定発熱量)が基準発熱量未満である場合に、燃料弁の開度を基準燃料弁開度よりも大きく設定し、推定発熱量が基準発熱量よりも大きい場合に、燃料弁の開度を基準燃料弁開度よりも小さく設定することにより、燃焼室に供給される混合気の流量を、燃料ガスの発熱量の変動にかかわらずほぼ一定に維持することができる。これにより、燃料ガスの発熱量の変動に起因して混合気流量が変動することにより生じる不具合の発生が防止される。
また、制御装置は、点火時期進角補正処理(S207)と、点火時期遅角補正処理(S209)とを実行し得るように構成されているとよい。点火時期進角補正処理は、燃料リッチ補正処理が実行される場合に実行され、燃焼室内での混合気の点火時期を、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準点火時期よりも進角させる処理である。点火時期遅角補正処理は、燃料リーン補正処理が実行される場合に実行され、燃焼室での混合気の点火時期を基準点火時期よりも遅角させる処理である。
燃料リッチ補正処理が実行される場合は、燃焼室に供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量未満の場合である。発熱量が基準発熱量未満の燃料ガスを含む混合気が燃焼室内で点火されてから燃焼するまでに要する時間は、発熱量が基準発熱量の燃料ガスを含む混合気が燃焼室内で点火されてから燃焼するまでに要する時間よりも長い。この場合、制御装置が点火時期進角補正処理を実行して、点火時期を、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される点火時期(基準点火時期)よりも進角させることにより、供給される燃料ガスに最適な点火時期にて燃料ガスに点火することができ、その結果、エンジン効率を向上させることができる。
また、燃料リーン補正処理が実行される場合は、燃焼室に供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも大きい場合である。発熱量が基準発熱量よりも大きい燃料ガスを含む混合気が燃焼室内で点火されてから燃焼するまでに要する時間は、発熱量が基準発熱量の燃料ガスを含む混合気が燃焼室内で点火されてから燃焼するまでに要する時間よりも短い。この場合、制御装置が点火時期遅角補正処理を実行して、点火時期を基準点火時期よりも遅角させることにより、供給される燃料ガスに最適な点火時期にて燃料ガスに点火することができ、その結果、エンジン効率を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るガスエンジンシステムの概略構成を示す図である。 図2は、エンジン制御装置が実行する発熱量推定処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。 図3は、流量比Cが1:10の場合における、吸気負圧及び混合気流量と、推定発熱量との相関関係を表すマップの一例である。 図4は、エンジン制御装置が実行する燃料弁開度調整処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るガスエンジンシステム1の概略構成を示す図である。図1に示すように、ガスエンジンシステム1は、ガスエンジン10と、吸気系統部品20と、排気系統部品30と、エンジン制御装置40とを備える。エンジン制御装置40が、本発明の制御装置に相当する。
ガスエンジン10は、燃料ガスと空気との混合気を燃焼させることによって動力を得る機関である。ガスエンジン10は、エンジン本体11と、ピストン12と、コネクティングロッド13と、出力軸14と、吸気弁機構15と、排気弁機構16と、点火プラグ17とを有する。
エンジン本体11は、周知のように、シリンダヘッド及びシリンダブロックを有し、これらの部品及びその他の部品(例えばクランクケース)が組み合わされることにより構成される。エンジン本体11内には空洞が形成されており、この空洞内に円柱状のピストン12が軸方向に往復移動可能に配設される。そして、エンジン本体11の空洞を構成する内壁面とピストン12の頂面とに囲まれる空間により、燃焼室111が形成される。このようにして、ガスエンジン10の内部に燃焼室111が形成される。燃焼室111には、燃料ガスと空気との混合気が供給される。
また、燃焼室111内にその先端が露呈するように点火プラグ17がエンジン本体11に取付けられる。点火プラグ17はイグニッションコイル18およびイグナイタ19を介してエンジン制御装置40に電気的に接続される。点火プラグ17は、エンジン制御装置40からの点火指令に基づいて作動する。点火プラグ17が作動することにより、燃焼室111内の混合気が点火される。混合気が点火されることによりガスエンジン10が駆動する。
エンジン本体11内のピストン12の背面に、コネクティングロッド13の先端が揺動可能に接続される。コネクティングロッド13の後端は、図示しないクランクシャフトを介して出力軸14に接続される。クランクシャフトは、ピストン12の往復運動を回転運動に変換する。従って、エンジン本体11内でピストン12が往復運動することにより、出力軸14が回転する。出力軸14には、回転数検出センサ51(電磁ピックアップ)が取り付けられる。回転数検出センサ51は、出力軸14の単位時間当たりの回転数、すなわちエンジン回転数Rを検出する。回転数検出センサ51にて検出されたエンジン回転数Rは、エンジン制御装置40に入力される。
また、燃焼室111を形成するエンジン本体11の内壁面には、吸気ポート11a及び排気ポート11bが形成される。吸気ポート11aに吸気系統部品20(具体的には後述する吸気配管24)が接続される。排気ポート11bに排気系統部品30(具体的には後述する排気配管31)が接続される。
吸気系統部品20は、燃料配管21と、空気配管22と、ミキサ23と、吸気配管24と、燃料弁調整機構25と、スロットル弁調整機構26とを有する。
燃料配管21の一方端(上流端)には図示しない燃料源が接続されており、燃料源から燃料ガス(例えば13Aガス)が燃料配管21に供給される。従って、燃料配管21内には燃料ガスが流通する。また、空気配管22の一方端(上流端)は大気開放されており、大気から空気が空気配管22に供給される。従って、空気配管22内には空気が流通する。
また、燃料配管21の他方端(下流端)と空気配管22の他方端(下流端)とは合流しており、合流部分にミキサ23が設けられる。従って、ミキサ23は、燃料配管21及び空気配管22に接続される。ミキサ23には、燃料配管21から燃料ガスが、空気配管22から空気が、それぞれ供給される。そして、ミキサ23にて、例えばベンチュリ効果により、燃料配管21を流通する燃料ガスと空気配管22を流通する空気が混合される。
また、ミキサ23に、吸気配管24の一方端(上流端)が接続されており、ミキサ23で混合された燃料ガスと空気との混合気は吸気配管24を流通する。また、吸気配管24の他方端(下流端)は、エンジン本体11内に形成された吸気ポート11aに接続される。従って、吸気配管24は吸気ポート11aを通じて燃焼室111に連通しており、吸気配管24を流通する混合気は吸気ポート11aを介して燃焼室111に供給される。なお、ガスエンジン10が多気筒エンジンである場合、吸気配管24の下流側の部分が複数の分岐管を備えるインテークマニホールドにより構成される。インテークマニホールドの各分岐管が、それぞれの気筒内の燃焼室に吸気ポートを通じて連通される。
燃料弁調整機構25は、燃料弁251及び燃料弁モータ252を有する。燃料弁251は、燃料配管21の途中に介装される。燃料弁モータ252は例えばステッピングモータにより構成され、駆動することにより燃料弁251の開度を調整することができるように、燃料弁251に取り付けられる。燃料弁モータ252を駆動させて燃料弁251の開度を調整することで、燃料配管21を流通する燃料ガスの流量、すなわち燃焼室111に供給される混合気中に含まれる燃料ガスの流量(燃料ガス流量Qgas)が調整される。
スロットル弁調整機構26は、スロットル弁261及びスロットル弁モータ262を有する。スロットル弁261は、吸気配管24の途中に介装される。スロットル弁モータ262は例えばステッピングモータにより構成され、駆動することによりスロットル弁261の開度を調整することができるように、スロットル弁261に取り付けられる。スロットル弁モータ262を駆動させてスロットル弁261の開度を調整することで、吸気配管24を流通する混合気の流量、すなわち燃焼室111に供給される混合気の流量(混合気流量Qmix)が調整される。
燃料弁モータ252およびスロットル弁モータ262は、エンジン制御装置40に電気的に接続されており、エンジン制御装置40によってこれらのモータの動作、すなわち燃料弁251の開度およびスロットル弁261の開度が制御される。
燃料弁モータ252に燃料弁開度センサ52が取り付けられる。燃料弁開度センサ52は、燃料弁モータ252の回転角度に基づいて燃料弁251の開度Aを検出する。燃料弁開度センサ52が検出した燃料弁251の開度Aはエンジン制御装置40に入力される。また、スロットル弁モータ262にスロットル弁開度センサ53が取り付けられる。スロットル弁開度センサ53は、スロットル弁モータ262の回転角度に基づいてスロットル弁261の開度Bを検出する。スロットル弁開度センサ53が検出したスロットル弁261の開度Bはエンジン制御装置40に入力される。
また、吸気配管24の途中であって且つスロットル弁261の介装位置よりも下流側(燃焼室111に近い側)に、吸気圧センサ54が取り付けられる。吸気圧センサ54は、吸気配管24内の圧力(吸気負圧PA)を検出する。吸気圧センサ54が検出した吸気負圧PAは、エンジン制御装置40に入力される。
排気系統部品30は、排気配管31及び触媒装置32を有する。排気配管31の一方端(上流端)は、エンジン本体11内に形成された排気ポート11bに接続される。従って、排気配管31は排気ポート11bを通じて燃焼室111に連通する。排気配管31内には、燃焼室111内で生じ排気ポート11bから排出される排気が流通する。排気配管31の他方端は大気開放される。また、排気配管31の途中に触媒装置32が介装される。触媒装置32内に触媒321(例えば三元触媒)が設けられる。触媒321によって排気配管31内を流れる排気が浄化される。
また、ガスエンジン10の出力軸14は、動力伝達ベルトBTを介して負荷軸60に接続される。従って、出力軸14が回転すると、負荷軸60も回転する。本実施形態において、負荷軸60は圧縮機70の出力軸である。この場合、ガスエンジン10が駆動して出力軸14が回転することにより、圧縮機70の出力軸(負荷軸60)も回転して、圧縮機70が作動する。圧縮機70は、吸入ポート71と吐出ポート72を備える。吸入ポート71には吸入配管81が接続され、吐出ポート72には吐出配管82が接続される。圧縮機70が作動した場合(負荷軸60が回転した場合)、圧縮機70は、吸入配管81内の気体を吸入ポート71から吸入し、内部にて吸入した気体を圧縮する。そして、圧縮した気体を吐出ポート72から吐出配管82に吐出する。
圧縮機70の吸入ポート71に接続された吸入配管81に、吸入圧力センサ55が取り付けられる。吸入圧力センサ55は、吸入配管81内の圧力、すなわち圧縮機70に吸入される気体の圧力(吸入圧力)PBを検出する。吸入圧力センサ55が検出した吸入圧力PBはエンジン制御装置40に入力される。
圧縮機70の吐出ポート72に接続された吐出配管82に、吐出圧力センサ56が取り付けられる。吐出圧力センサ56は、吐出配管82内の圧力、すなわち圧縮機70から吐出される気体の圧力(吐出圧力)PCを検出する。吐出圧力センサ56が検出した吐出圧力PCはエンジン制御装置40に入力される。
また、エンジン本体11内に、吸気弁機構15及び排気弁機構16が組み込まれる。吸気弁機構15は吸気弁体151を有し、排気弁機構16は排気弁体161を有する。吸気弁体151は、燃焼室111内のうち吸気ポート11aを閉塞可能な位置に配設され、排気弁体161は、燃焼室111内のうち排気ポート11bを閉塞可能な位置に配設される。
吸気弁機構15及び排気弁機構16は、ガスエンジン10の出力軸14の回転動作に連動してそれぞれ所定のタイミングで動作する。吸気弁機構15が動作することにより、吸気弁体151が吸気ポート11aを閉塞する位置と閉塞しない位置に周期的に変位する。排気弁機構16が動作することにより、排気弁体161が排気ポート11bを閉塞する位置と閉塞しない位置に周期的に変位する。
エンジン制御装置40は、CPU,ROM,RAMを含むマイクロコンピュータにより構成されており、各種センサからの入力情報及びガスエンジン10にかかる負荷Lに基づいて、燃料弁251の開度A及びスロットル弁261の開度Bを制御する。エンジン制御装置40による燃料弁251の開度A及びスロットル弁261の開度Bの制御により、ガスエンジン10が制御される。
このような構成のガスエンジンシステム1の駆動時には、燃料配管21を流れる燃料ガスと空気配管22を流れる空気がミキサ23で混合されて混合気が生成される。生成された混合気は吸気配管24を流通する。吸気配管24内の混合気は、吸気弁機構15が吸気ポート11aを開弁する所定のタイミングで燃焼室111に供給される。燃焼室111に供給された混合気は、点火プラグ17が所定のタイミングで作動することにより点火される。混合気が点火されることにより混合気が燃焼する。混合気が燃焼する際に発生するエネルギーによりピストン12が往復運動する。ピストン12の往復運動はクランクシャフトにより回転運動に変換される。この回転運動が出力軸14及び動力伝達ベルトBTを介して負荷軸60に伝達されることによって圧縮機70が作動する。また、燃焼室111内の混合気の燃焼により生じた排気は、排気弁機構16が排気ポート11bを開弁する所定のタイミングで排気配管31に排出される。排気配管31に排出された排気は、触媒装置32内の触媒321で浄化された後に外部に放出される。
ガスエンジン10の駆動中、エンジン制御装置40は、負荷Lに応じてガスエンジン10が出力するように、スロットル弁261の開度Bを制御する。この場合、エンジン制御装置40は、負荷Lに応じたエンジン回転数Rを決定し、決定したエンジン回転数Rでガスエンジン10が動作するように、スロットル弁モータ262に指令信号を出力する。スロットル弁モータ262は、入力した指令信号に応じて駆動する。これにより、負荷Lに応じてガスエンジン10が駆動する。
また、エンジン制御装置40は、ガスエンジン10の駆動中、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を推定するための発熱量推定処理を実行する。図2は、エンジン制御装置40が実行する発熱量推定処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図2に示す発熱量推定処理は、ガスエンジン10の駆動中、所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。このルーチンが起動すると、エンジン制御装置40は、まず、図2のステップ(以下、ステップをSと略記する)101にて、回転数検出センサ51が検出した現在のエンジン回転数Rを取得する。次いで、エンジン制御装置40は、吸入圧力センサ55が検出した現在の吸入圧力PB及び吐出圧力センサ56が検出した現在の吐出圧力PCを取得する(S102)。
続いてエンジン制御装置40は、S103にて、ガスエンジン10の運転状態が基準運転状態であるか否かを判断する。ここで、基準運転状態とは、エンジン回転数Rが所定の基準回転数R0であり、且つ、ガスエンジン10にかかる負荷Lが所定の大きさL0である運転状態を言う。別言すれば、基準運転状態は、エンジン回転数R及び負荷Lが所定の基準値である運転状態を言う。一例として、エンジン回転数が1200rpm、負荷Lが40Nである状態を、基準運転状態に設定することができる。なお、エンジン回転数Rは、回転数検出センサ51により検出される。また、負荷Lの大きさは、圧縮機70の仕事量に比例し、圧縮機70の仕事量は、圧縮機70による気体の圧縮量に比例する。従って、負荷Lの大きさは、圧縮機70に吸入される気体の圧力である吸入圧力PBと圧縮機70から吐出される気体の圧力である吐出圧力PCとの差ΔP(=PC−PB)に基づいて求めることができる。
S103にて、ガスエンジン10の運転状態が基準運転状態ではないと判断した場合(S103:No)、エンジン制御装置40はこのルーチンを終了し、所定の微小時間経過後に再びこのルーチンを起動する。一方、S103にて、ガスエンジン10の運転状態が基準運転状態であると判断した場合(S103:Yes)、エンジン制御装置40はS104に処理を進める。
S104では、エンジン制御装置40は、燃料弁開度センサ52が検出した現在の燃料弁251の開度A、及び、スロットル弁開度センサ53が検出した現在のスロットル弁261の開度Bを取得する。
続いて、エンジン制御装置40は、S105にて、流量比Cを演算する。流量比Cは、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの流量(燃料ガス流量Qgas)と空気の流量(空気流量Qair)との比(Qgas:Qair)である。ここで、燃焼室111に供給される混合気の流量(混合気流量Qmix)は、スロットル弁261の開度Bに依存し、開度Bが大きいほど混合気流量Qmixが大きい。従って、混合気流量Qmixは、スロットル弁261の開度Bに基づいて求めることができる。また、燃料ガス流量Qgasは、燃料弁251の開度Aに依存し、開度Aが大きいほど燃料ガス流量Qgasが大きい。従って、燃料ガス流量Qgasは、燃料弁251の開度Aに基づいて求めることができる。さらに、空気流量Qairは、混合気流量Qmixと燃料ガス流量Qgasとの差(Qmix−Qgas)から求めることができる。以上より、流量比Cは、スロットル弁261の開度Bと燃料弁251の開度Aとから、Qgas:(Qmix−Qgas)として、演算することができる。
エンジン制御装置40は、S105にて流量比Cを演算した後に、S106に処理を進めて、吸気圧センサ54が検出した現在の吸気負圧PAを取得する(吸気負圧取得処理)。次いで、S108にて、吸気圧センサ54が検出した吸気負圧PAに基づいて、推定発熱量Eを演算する(推定発熱量演算処理)。推定発熱量Eは、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量の推定値である。
ガスエンジン10の運転状態が基準運転状態(エンジン回転数R及びエンジンにかかる負荷Lが所定の基準値である運転状態)であるときには、燃焼室111に供給される混合気の流量(混合気流量Qmix)は、その混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が、その燃料ガスについて予め定められている基準発熱量(E0)であることを前提として、基準混合気流量Q0として一義的に定めることができる。また、このときにおける吸気配管24内の吸気負圧PAも、基準吸気負圧PA0として一義的に定めることができる。
また、基準運転状態下において、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量とは異なっていても、混合気流量Qmix及び吸気負圧PAは一義的に定められるが、その値は、基準混合気流量Q0及び基準吸気負圧PA0とは異なる。
例えば、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量未満の場合、燃焼室111内での混合気の燃焼により得られるエネルギーは、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に得られるエネルギーよりも小さい。従って、基準運転状態時にそのような発熱量の小さい燃料ガスが燃焼室111に供給される場合、混合気流量Qmixが基準混合気流量Q0であると、エネルギー不足によりエンジン回転数Rが低下する。この場合、基準運転状態を維持するため、すなわちエンジン回転数Rの低下を抑制してエンジン回転数Rを基準値(R0)に維持するために、スロットル弁261の開度Aが増加される。スロットル弁261の開度Aの増加により吸気配管24内の混合気の流量(混合気流量Qmix)が増加するとともに、吸気配管24内の吸気負圧PAが上昇する(負方向に低下する)。以上のことから、基準運転状態下において、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量未満である場合には、混合気流量Qmixは基準混合気流量Q0よりも大きく、且つ吸気負圧PAは基準吸気負圧PA0よりも高い(負方向に低い)。
また、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも大きい場合、燃焼室111内での混合気の燃焼により得られるエネルギーは、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に得られるエネルギーよりも大きい。従って、基準運転状態時にそのような発熱量の大きい燃料ガスが燃焼室111に供給される場合、混合気流量Qmixが基準混合気流量Q0であると、過剰なエネルギーによりエンジン回転数Rが上昇する。この場合、基準運転状態を維持するため、すなわちエンジン回転数Rの上昇を抑制してエンジン回転数を基準値(R0)に維持するために、スロットル弁261の開度Aが減少される。スロットル弁261の開度Aの減少により吸気配管24内の混合気の流量(混合気流量Qmix)が減少するとともに、吸気配管24内の吸気負圧PAが低下する(負方向に上昇する)。以上のことから、基準運転状態下において、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも大きい場合には、混合気流量Qmixは基準混合気流量Q0よりも小さく、且つ吸気負圧PAは基準吸気負圧PA0よりも低い(負方向に高い)。
つまり、ガスエンジン10のエンジン回転数R及び負荷Lが同一である条件下において(すなわち基準運転状態であるという条件下において)、吸気配管24内の吸気負圧PAは、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量に影響する。言い換えれば、基準運転状態下において、吸気負圧PAと燃料ガスの発熱量とは相関関係を有する。従って、ガスエンジン10の運転状態が基準運転状態であるときに、吸気負圧PAに基づいて、燃焼室111に供給される燃料ガスの発熱量を推定することができる。
また、上記した、吸気負圧PA(混合気流量Qmix)と燃料ガスの発熱量との相関関係は、流量比Cによって変化する。従って、流量比Cをパラメータとして、吸気負圧PA(混合気流量Qmix)と燃料ガスの発熱量との相関関係を表すことができる。また、このような相関関係は、予め実験等により、或いは理論的に、求めておくことができる。図3は、吸気負圧PA及び混合気流量Qmixと、推定発熱量Eとの相関関係が表されたマップの一例を示す。図3に示す例は、流量比C(Qgas:Qair)が1:10の場合における、吸気負圧PA及び混合気流量Qmixと、推定発熱量Eとの相関関係を表すマップである。また、図3において、基準発熱量が45MJ/m、基準混合気流量Q0が50L/min、基準吸気負圧PA0が−30kPaである。図3からわかるように、吸気負圧PAと推定発熱量Eとの間に、吸気負圧PAが低いほど(負方向に高いほど)推定発熱量Eは大きく、吸気負圧PAが高いほど(負方向に低いほど)推定発熱量Eは小さいという相関関係がある。また、混合気流量Qmixが小さいほど推定発熱量Eは大きく、混合気流量Qmixが大きいほど推定発熱量Eは小さい。
エンジン制御装置40は、流量比Cをパラメータとした、図3に示すようなマップを複数記憶している。そして、S107にて、流量比がS105にて演算された流量比Cである場合における、吸気負圧PA(混合気流量Qmix)と推定発熱量Eとの関係を表すマップを抽出し、抽出したマップを参照して、吸気負圧PA(混合気流量Qmix)から推定発熱量Eを演算する。このようにして、エンジン制御装置40は、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの推定発熱量を、基準運転状態である場合における吸気負圧と燃料ガスの発熱量との相関関係を利用して、演算する。S107にて推定発熱量Eを演算した後に、エンジン制御装置40はこのルーチンを終了し、微小時間経過後に再びこのルーチンを起動する。
このように、エンジン制御装置40は、ガスエンジン10の運転状態が基準運転状態であるときに、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を、吸気配管24内の吸気負圧PAに基づいて推定する発熱量推定処理を実行し得るように構成される。この発熱量推定処理を実行するためには、例えば吸気配管24の吸気負圧PAを検出するための吸気圧センサ54を吸気配管24に取り付けておけばよく、発熱量の推定のために燃料経路(燃料配管21)に新たに部品を取り付ける必要がない。従って、本実施形態によれば、燃料経路に部品を組み込むことなく、燃料ガスの発熱量を推定することができるガスエンジンシステムを提供することができる。
また、エンジン制御装置40は、ガスエンジン10の駆動中、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量に応じて燃料弁251の開度Bを調整する燃料弁開度調整処理を実行する。図4は、エンジン制御装置40が実行する燃料弁開度調整処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
図4に示す燃料弁開度調整処理ルーチンは、ガスエンジン10の駆動中、所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。このルーチンが起動すると、エンジン制御装置40は、まず、図4のS201にて、発熱量推定処理にて演算した最新の推定発熱量Eを読み出す。次いで、読み出した推定発熱量Eが基準発熱量E0に等しいか否かを判断する(S202)。推定発熱量Eが基準発熱量E0に等しい場合(S202:Yes)、本来必要な発熱量を有する燃料ガスが供給されているということである。従ってこの場合、エンジン制御装置40は、S203に処理を進めて、燃料弁251の開度Aを、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準燃料弁開度A0に設定する。これにより燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0にされる。
S203にて開度Aを基準燃料弁開度A0に設定した後に、エンジン制御装置40はS204に処理を進める。S204では、エンジン制御装置40は、点火プラグ17の作動による燃焼室111内の混合気への点火時期θを基準点火時期θ0に設定する。基準点火時期θ0は、燃料ガスの発熱量が基準発熱量E0である場合に最も効率的に燃料ガスが燃焼する点火時期として予め定められる点火時期である。S204にて点火時期θを基準点火時期θ0に設定した後に、エンジン制御装置40はこのルーチンを終了し、微小時間経過後に再びこのルーチンを起動する。
また、S202にて、推定発熱量Eが基準発熱量E0に等しくないと判断した場合(S202:No)、エンジン制御装置40は、S205に処理を進めて、推定発熱量Eが基準発熱量E0未満であるか否かを判断する。推定発熱量Eが基準発熱量E0未満であると判断した場合(S205:Yes)、エンジン制御装置40はS206に処理を進めて、燃料リッチ補正処理を実行する。燃料リッチ補正処理では、エンジン制御装置40は、燃料弁251の開度Aを基準燃料弁開度A0よりも大きい開度として予め定められる燃料リッチ補正開度A+に設定する。これにより燃料弁251の開度Aが燃料リッチ補正開度A+にされる。
ここで、燃料ガスの発熱量が基準発熱量未満である場合、上記したように混合気流量Qmixは基準混合気流量Q0よりも大きい。また、S206の燃料リッチ補正処理により燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0よりも大きい燃料リッチ補正開度A+にされた場合、燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0である場合よりも、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの流量(燃料ガス流量Qgas)が増加する。つまり、混合気が燃料リッチ側に移行する。これにより燃焼室111内で燃料ガスが燃焼したときに得られるエネルギーが増加する。得られるエネルギーが増加した場合、混合気流量Qmixがそのままであると、ガスエンジン10の出力OPが負荷Lに応じた出力よりも大きくなってエンジン回転数Rが上昇する。従って、出力OPが負荷Lに応じた出力になるように、すなわちエンジン回転数Rの上昇を抑えてエンジン回転数Rを基準回転数R0に維持するために(基準運転状態を維持するために)、スロットル弁261の開度Bが減少される。これにより混合気流量Qmixが減少して基準混合気流量Q0に戻される。
S206にて燃料リッチ補正処理を実行した後に、エンジン制御装置40はS207に処理を進めて、点火時期進角補正処理を実行する。点火時期進角補正処理では、エンジン制御装置40は、点火プラグ17の作動による燃焼室111内の混合気への点火時期が、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準点火時期θ0よりも早くなるように、すなわち点火時期が基準点火時期θよりも進角側に移動するように、点火時期を制御する。
S206にて燃料リッチ補正処理を実行する場合は、燃焼室111に供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量未満の場合である。発熱量が基準発熱量よりも小さい燃料ガスが燃焼室111に供給された場合、点火から燃焼までに要する時間が、発熱量が基準発熱量の燃料ガスが燃焼室111に供給された場合に点火から燃焼までに要する時間に比べて長い。従って、発熱量が基準発熱量未満の燃料ガスに最適な点火時期は、発熱量が基準発熱量である燃料ガスに最適な点火時期(基準点火時期θ0)よりも早い。よって、燃料リッチ補正処理を実行する場合には、S206にて点火時期進角補正処理を実行して、点火時期を基準点火時期θ0よりも早める(進角側にずらす)ことにより、供給される燃料ガスの発熱量に最適な点火タイミングで燃料ガスに点火することができる。これにより、エンジン効率が向上する。S207の処理を実行した後に、エンジン制御装置40はこのルーチンを終了し、所定の微小時間経過後に再びこのルーチンを起動する。
また、S205にて、推定発熱量Eが基準発熱量E0未満ではないと判断した場合、すなわち推定発熱量Eが基準発熱量E0よりも大きい場合(S205:No)、エンジン制御装置40はS208に処理を進めて、燃料リーン補正処理を実行する。燃料リーン補正処理では、エンジン制御装置40は、燃料弁251の開度Aを基準燃料弁開度A0よりも小さい開度として予め定められる燃料リーン補正開度A−に設定する。これにより燃料弁251の開度Aが燃料リーン補正開度A−にされる。
ここで、燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも大きい場合、上記したように混合気流量Qmixは基準混合気流量Q0よりも小さい。また、S208の燃料リーン補正処理により燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0よりも小さい燃料リーン補正開度A−にされた場合、燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0である場合よりも、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの流量(燃料ガス流量Qgas)が減少する。つまり、混合気が燃料リーン側に移行する。これにより燃焼室111内で燃料ガスが燃焼したときに得られるエネルギーが減少する。得られるエネルギーが減少した場合、混合気流量Qmixがそのままであると、ガスエンジン10の出力OPが負荷Lに応じた出力よりも小さくなってエンジン回転数Rが低下する。従って、出力OPが負荷Lに応じた出力になるように、すなわちエンジン回転数Rの低下を抑えてエンジン回転数Rを基準回転数R0に維持するために(基準運転状態を維持するために)、スロットル弁261の開度Bが増加される。これにより混合気流量Qmixが増加して基準混合気流量Q0に戻される。
S208にて燃料リーン補正処理を実行した後に、エンジン制御装置40はS209に処理を進めて、点火時期遅角補正処理を実行する。点火時期遅角補正処理では、エンジン制御装置40は、点火プラグ17の作動による燃焼室111内の混合気への点火時期が、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準点火時期θ0よりも遅くなるように、すなわち点火時期が基準点火時期θよりも遅角側に移動するように、点火時期を制御する。
S208にて燃料リーン補正処理を実行する場合は、燃焼室111に供給される燃料ガスの発熱量が基準発熱量よりも大きい場合である。発熱量が基準発熱量よりも大きい燃料ガスが燃焼室111に供給された場合、点火から燃焼までに要する時間が、発熱量が基準発熱量の燃料ガスが燃焼室111に供給された場合に点火から燃焼までに要する時間に比べて短い。従って、発熱量が基準発熱量よりも大きい燃料ガスに最適な点火時期は、発熱量が基準発熱量である燃料ガスに最適な点火時期よりも遅い。よって、燃料リーン補正処理を実行する場合には、S209にて点火時期遅角補正処理を実行して、点火時期を基準点火時期θ0よりも遅らせる(遅角側にずらす)ことにより、供給される燃料ガスの発熱量に最適な点火タイミングで燃料ガスに点火することができる。これにより、エンジン効率が向上する。S209の処理を実行した後に、エンジン制御装置40はこのルーチンを終了し、所定の微小時間経過後に再びこのルーチンを起動する。
このように、本実施形態では、エンジン制御装置40が燃料弁開度調整処理を実行して、燃焼室111に供給される燃料ガスの発熱量の推定値に応じて燃料弁251の開度Aが調整される。具体的には、燃料ガスの推定発熱量Eが基準発熱量E0未満のときは、燃料弁251の開度を基準燃料弁開度A0よりも大きい開度A+に設定し、燃料ガスの推定発熱量Eが基準発熱量E0よりも大きいときは、燃料弁251の開度を基準燃料弁開度A0よりも小さい開度A−に設定する。つまり、推定発熱量Eが大きいほど開度Aが小さくなるように(推定発熱量Eが小さいほど開度Aが大きくなるように)、燃料弁251の開度Aが調整される。これにより、混合気流量Qmixを、燃料ガスの発熱量の変動にかかわらすほぼ一定の流量(基準混合気流量Q0)に維持することができる。よって、燃料ガスの発熱量の変動に起因して混合気流量Qmixが変動することにより生じる不具合の発生を防止することができる。
また、エンジン制御装置40は、燃料リッチ補正処理を実行して燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0よりも大きくされる場合に、点火時期進角補正処理を実行して点火時期を基準点火時期θ0よりも進角させる。さらに、エンジン制御装置40は、燃料リーン補正処理を実行して燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0よりも小さくされる場合に、点火時期遅角補正処理を実行して点火時期を基準点火時期θ0よりも遅角させる。エンジン制御装置40がこれらの点火時期進角補正処理及び点火時期遅角補正処理を実行することにより、供給される燃料ガスの発熱量に適した点火時期で混合気に点火することができ、その結果、エンジン効率を向上させることができる。
表1は、基準運転状態下で燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量(推定発熱量E)が基準発熱量から基準発熱量未満に変化した際に、エンジン制御装置40が燃料弁開度調整処理を実行した場合における、燃料弁251の開度A、スロットル弁261の開度B、流量比C、吸気負圧PA、混合気流量Qmix、点火時期θの各値の変化の一例を示す表である。表1中の(1)欄は、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量(45MJ/m)である場合における各値を示し、(2)欄は、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量から基準発熱量未満の発熱量(40MJ/m)に低下した直後における各値を示し、(3)欄は、エンジン制御装置40が燃料弁開度調整処理を実行した場合における各値を示す。
Figure 2019100311
表1の(1)欄に示すように、燃料ガスの発熱量(推定発熱量E)が基準発熱量(45MJ/m)である場合、燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0、スロットル弁261の開度Bが基準スロットル弁開度B0、流量比Cが1:10、吸気負圧PAが基準吸気負圧PA0(−30kPa)、混合気流量Qmixが基準混合気流量Q0(50L/min)、点火時期θが基準点火時期θ0(20°)である。
表1の(1)欄に示す状態から、(2)欄に示すように燃料ガスの発熱量(推定発熱量E)が基準発熱量(45MJ/m)から40MJ/mに低下した場合、エンジン回転数の低下を抑制するためにスロットル弁261の開度Bが基準スロットル弁開度B0よりも大きい開度B+にされる。また、それに伴い、吸気負圧PAが基準吸気負圧PA0(−30kPa)からそれよりも大きい(負方向に小さい)圧力(−25kPa)に上昇するとともに、混合気流量Qmixが基準混合気流量Q0(50L/min)からそれよりも大きい流量(55L/min)に増加する。
表1の(2)欄に示す状態である場合、エンジン制御装置40は、燃料弁開度調整処理の中で、燃料リッチ補正処理及び点火時期進角補正処理を実行する。燃料リッチ補正処理により、(3)欄に示すように、燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0よりも大きい燃料リッチ補正開度A+にされる。これにより混合気に含まれる燃料ガスの割合が増加して、流量比Cが、1:10から1.1:10に変化する。また、混合気に含まれる燃料ガスの割合が増加することによって、得られるエネルギーが増加するため、混合気流量Qmixが55L/minのままであると、ガスエンジン10の出力OPが負荷Lに対して過剰となりエンジン回転数Rが上昇する。エンジン回転数Rの上昇を抑制するために混合気流量Qmixが減少される。これにより、混合気流量Qmixが55L/minから基準混合気流量Q0(50L/min)に戻される。さらに、点火時期進角補正処理の実行により、点火時期θが基準点火時期θ0(20°)からそれよりも早い点火時期である22°に進角される。これによりエンジン効率が向上する。
表2は、基準運転状態下で燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量(推定発熱量E)が、基準発熱量から基準発熱量よりも大きい発熱量に変化した際に、エンジン制御装置40が燃料弁開度調整処理を実行した場合における、燃料弁251の開度A、スロットル弁261の開度B、流量比C、吸気負圧PA、混合気流量Qmix、点火時期θの各値の変化の一例を示す表である。表2中の(1)欄は、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量(45MJ/m)である場合における各値を示し、(2)欄は、混合気に含まれる燃料ガスの発熱量が基準発熱量から基準発熱量よりも大きい発熱量(50MJ/m)に上昇した直後における各値を示し、(3)欄は、エンジン制御装置40が燃料弁開度調整処理を実行した場合における各値を示す。
Figure 2019100311
表2の(1)欄に示すように、燃料ガスの発熱量(推定発熱量E)が基準発熱量(45MJ/m)である場合、燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0、スロットル弁261の開度Bが基準スロットル弁開度B0、流量比Cが1:10、吸気負圧PAが基準吸気負圧PA0(−30kPa)、混合気流量Qmixが基準混合気流量Q0(50L/min)、点火時期θが基準点火時期θ0(20°)である。
表2の(1)欄に示す状態から、(2)欄に示すように燃料ガスの発熱量が基準発熱量(45MJ/m)から50MJ/mに上昇した場合、エンジン回転数の上昇を抑制するためにスロットル弁261の開度Bが基準スロットル弁開度B0よりも小さい開度B−にされる。また、それに伴い、吸気負圧PAが基準吸気負圧PA0(−30kPa)からそれよりも小さい(負方向に大きい)圧力(−35kPa)に低下するとともに、混合気流量Qmixが基準混合気流量Q0(50L/min)からそれよりも小さい流量(45L/min)に減少する。
表2の(2)欄に示す状態である場合、エンジン制御装置40は、燃料弁開度調整処理の中で、燃料リーン補正処理及び点火時期遅角補正処理を実行する。燃料リーン補正処理により、(3)欄に示すように、燃料弁251の開度Aが基準燃料弁開度A0よりも小さい燃料リーン補正開度A−にされる。これにより混合気に含まれる燃料ガスの割合が減少して、流量比Cが、1:10から0.9:10に変化する。また、混合気に含まれる燃料ガスの割合が減少することによって、得られるエネルギーが減少するため、混合気流量Qmixが45L/minのままであると、出力OPが負荷Lに対して不足しエンジン回転数Rが低下する。エンジン回転数Rの低下を抑制するために混合気流量Qmixが増加される。これにより、混合気流量Qmixが45L/minから基準混合気流量(50L/min)に戻される。さらに、点火時期遅角補正の実行により、点火時期θが基準点火時期θ0(20°)からそれよりも遅い点火時期である18°に遅角される。これによりエンジン効率が向上する。
このように、本実施形態によれば、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量に応じて、燃料弁251の開度A及び点火時期が調整される。これにより、混合気流量Qmixを燃料ガスの発熱量の変動にかかわらずほぼ一定に維持することができるとともに、供給される燃料ガスに最適な点火時期にて混合気に点火させることができ、その結果、エンジン効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきではない。例えば、エンジン制御装置40は、燃料リッチ補正処理及び点火時期進角補正処理を実行する場合、基準発熱量E0と推定発熱量Eとの差(E0−E)が大きいほど開度Aが大きく且つ点火時期θがより早くなるように、開度A及び点火時期θを設定することができる。また、エンジン制御装置40は、燃料リーン補正処理及び点火時期遅角補正処理を実行する場合、推定発熱量Eと基準発熱量E0との差(E−E0)が大きいほど開度Aが小さく且つ点火時期θがより遅くなるように、開度A及び点火時期θを設定することができる。つまり、推定発熱量Eと基準発熱量E0との差に応じて、最適な開度A及び点火時期θを設定することができる。また、推定発熱量と基準発熱量とを比較することなしに、推定発熱量Eが大きいほど開度Aが小さく且つ点火時期θが遅くなるように(推定発熱量Eが小さいほど開度Aが大きく且つ点火時期θが早くなるように)、推定発熱量Eに基づいて開度A及び点火時期θを設定することができる。この場合でも、エンジン制御装置40は、推定発熱量が基準発熱量未満のときに燃料リッチ補正処理を実施し、推定発熱量が基準発熱量よりも大きいときに燃料リーン補正処理を実施していることになり、且つ、燃料リッチ補正処理を実施した場合に点火時期進角補正処理を実施し、燃料リーン補正を実施した場合に点火時期遅角補正処理を実施していることになる。また、燃料リッチ補正処理及び燃料リーン補正処理によって設定される最適な開度A、及び、点火時期進角補正処理及び点火時期遅角補正処理によって設定される最適な点火時期θは、流量比Cにより異なると考えられる。従って、エンジン制御装置40は、流量比Cに応じて、上記処理により開度A及び点火時期θを設定することができる。また、上記実施形態では、ガスエンジン10の出力軸14に、負荷軸60として圧縮機70の出力軸を接続した例を示したが、それ以外の動力を必要とする部品をガスエンジン10の出力軸14に接続することができる。また、上記実施形態では、基準運転状態であるときの吸気配管24内の吸気負圧PAに基づいて、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を推定する例を示したが、上記説明からわかるように、吸気負圧PAの変化は、吸気配管24を流れる混合気の流量(混合気流量Qmix)の変化、及び、スロットル弁開度Bの変化を伴う。従って、吸気負圧PAに代えて、基準運転状態であるときの混合気流量Qix、或いは、スロットル弁開度Bに基づいて、燃焼室111に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を推定することもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…ガスエンジンシステム、10…ガスエンジン、11…エンジン本体、111…燃焼室、12…ピストン、14…出力軸、17…点火プラグ、20…吸気系統部品、21…燃料配管、22…空気配管、23…ミキサ、24…吸気配管、25…燃料弁調整機構、251…燃料弁、252…燃料弁モータ、26…スロットル弁調整機構、261…スロットル弁、262…スロットル弁モータ、30…排気系統部品、40…エンジン制御装置(制御装置)、51…回転数検出センサ、52…燃料弁開度センサ、53…スロットル弁開度センサ、54…吸気圧センサ、55…吸入圧力センサ、56…吐出圧力センサ、60…負荷軸、70…圧縮機、A…燃料弁の開度、A−…燃料リーン補正開度、A+…燃料リッチ補正開度、A0…基準燃料弁開度、B…スロットル弁の開度、C…流量比、E…推定発熱量、E0…基準発熱量、L…負荷、PA…吸気負圧、PA0…基準吸気負圧、Q0…基準混合気流量、Qmix…混合気流量、R…エンジン回転数、R0…基準回転数、θ…点火時期、θ0…基準点火時期

Claims (5)

  1. 燃料ガスと空気との混合気が供給される燃焼室が内部に形成され、燃焼室内の混合気が点火されることにより駆動力を発生するガスエンジンと、
    燃料ガスが流通する燃料配管と、
    前記燃料配管を流通する燃料ガスと空気との混合気が流通するとともに、流通する混合気を前記燃焼室に供給するための吸気配管と、
    前記燃料配管に設けられ、前記燃料配管を流通する燃料ガスの流量を調整することができるように構成された燃料弁と、
    前記吸気配管に設けられ、前記燃焼室に供給される混合気の流量を調整することができるように構成されたスロットル弁と、
    前記燃料弁の開度及び前記スロットル弁の開度を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記ガスエンジンの運転状態が、前記ガスエンジンの回転数及び前記ガスエンジンにかかる負荷が所定の基準値である基準運転状態であるときに、前記燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量を、前記吸気配管内の吸気負圧、前記スロットル弁の開度、前記吸気配管を流れる混合気の流量、のいずれかに基づいて推定する発熱量推定処理を実行し得るように構成される、ガスエンジンシステム。
  2. 請求項1に記載のガスエンジンシステムにおいて、
    前記発熱量推定処理は、
    前記吸気配管内の吸気負圧を取得する吸気負圧取得処理と、
    前記吸気負圧取得処理にて取得した吸気負圧に基づいて、前記燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料ガスの発熱量の推定値である推定発熱量を演算する推定発熱量演算処理と
    を含む、ガスエンジンシステム。
  3. 請求項2に記載のガスエンジンシステムにおいて、
    前記推定発熱量演算処理は、ガスエンジンの運転状態が前記基準運転状態である場合における、吸気負圧と燃料ガスの発熱量との相関関係を利用して、前記推定発熱量を演算する処理である、ガスエンジンシステム。
  4. 請求項2又は3に記載のガスエンジンシステムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記発熱量推定処理にて演算された前記推定発熱量が予め定められた基準発熱量未満である場合に、前記燃料弁の開度を、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準燃料弁開度よりも大きい開度に設定する燃料リッチ補正処理と、
    前記発熱量推定処理にて演算された前記推定発熱量が前記基準発熱量よりも大きい場合に、前記燃料弁の開度を前記基準燃料弁開度よりも小さい開度に設定する燃料リーン補正処理と、
    を実行し得るように構成される、ガスエンジンシステム。
  5. 請求項4に記載のガスエンジンシステムにおいて、
    前記制御装置は、
    前記燃料リッチ補正処理が実行される場合に実行され、前記燃焼室内での混合気の点火時期を、燃料ガスの発熱量が基準発熱量である場合に設定される基準点火時期よりも進角させる点火時期進角補正処理と、
    前記燃料リーン補正処理が実行される場合に実行され、前記燃焼室での混合気の点火時期を前記基準点火時期よりも遅角させる点火時期遅角補正処理と、
    を実行し得るように構成される、ガスエンジンシステム。
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