JP2019098962A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキ制御装置に関し、ブレーキフィーリングを改善する。【解決手段】車載の電動発電機2で生成される回生制動力と液圧ブレーキ装置3で生成される摩擦制動力との併用により制動される車両1のブレーキ制御ユニット10に関する。アクセルオフ操作中に生成される回生制動力に由来する回生減速度を取得部14で取得する。取得部14で検出された回生減速度に応じて、ブレーキペダル4の踏み込み量と摩擦制動力に由来する摩擦減速度との関係を設定部15で変更する。【選択図】図1
Description
本発明は、車載の電動発電機で生成される回生制動力と液圧ブレーキ装置で生成される摩擦制動力とを併用して車両を制動するブレーキ制御装置に関する。
従来、電動発電機(電動機及び発電機の両機能を兼ね備えた装置)を搭載した電気自動車やハイブリッド自動車において、車両駆動用のモーター(電動発電機)の回生制動力と液圧ブレーキ装置の摩擦制動力とを併用して車両を制動するブレーキ制御装置が知られている(特許文献1参照)。すなわち、車両の惰性走行時や減速時にモーターをジェネレータとして作動させ、発電電力でバッテリーを充電することで制動力を発生させるものである。近年では、回生動作しているモーターの作動状態を制御することで、乗員の好みに応じて回生レベル(回生制動力の効き具合)を変更できるようにしたブレーキ制御装置も開発されている(特許文献2参照)。
乗員が回生レベルを選択できる制動システムでは、選択された回生レベルによってアクセルオフ時(アクセルペダルが踏み込まれていない状態のとき)にモーターで生成される減速度が変化する。例えば、特許文献2に示す例では、回生レベルをB0からB5までの六段階から選択できるようになっている。また、同一車速に対して、回生レベルがB5のときに最も発電量が大きくなり、回生レベルがB0のときに最も発電量が小さくなるようにモーターが制御されている。
一方、このような惰性走行中にブレーキペダルの踏み込み操作によって摩擦制動力が生じると、回生制動力に摩擦制動力が加算されることになり、乗員の意図以上に減速してしまうことがある。特に、発電量の大きい回生レベルが選択されている場合には、乗員が意図したよりも減速度が大きくなりやすい。逆に、発電量の小さい回生レベルが選択されている場合には、乗員が意図する減速度が得られにくい。このように、従来の制動システムでは、乗員が現在の回生レベルを意識してブレーキペダルの踏み加減を調整しなければならず、良好なブレーキフィーリングが得られにくいという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、回生制動力と摩擦制動力とを併用して車両を制動するブレーキ制御装置において、ブレーキフィーリングを改善することにある。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)開示のブレーキ制御装置は、車載の電動発電機で生成される回生制動力と液圧ブレーキ装置で生成される摩擦制動力との併用により制動される車両のブレーキ制御装置である。本装置は、アクセルオフ操作中に生成される前記回生制動力に由来する回生減速度を取得する取得部を備える。また、前記取得部で検出された前記回生減速度に応じて、ブレーキペダルの踏み込み量と前記摩擦制動力に由来する摩擦減速度との関係を変更する設定部を備える。
(2)前記設定部が、前記取得部で検出された前記回生減速度が大きいほど、同一の前記ブレーキペダルの踏み込み量に対する前記摩擦減速度を小さく設定することが好ましい。
(3)前記設定部が、前記ブレーキペダルの踏み込み量が所定量以下の範囲における、前記摩擦減速度の前記踏み込み量に対する傾きを減少させるとともに、前記ブレーキペダルの踏み込み量が前記所定量を超える範囲における、前記傾きを同一とすることが好ましい。
(3)前記設定部が、前記ブレーキペダルの踏み込み量が所定量以下の範囲における、前記摩擦減速度の前記踏み込み量に対する傾きを減少させるとともに、前記ブレーキペダルの踏み込み量が前記所定量を超える範囲における、前記傾きを同一とすることが好ましい。
(4)前記回生制動力の効き具合に対応する複数の回生レベルの一つを選択すべく、乗員に操作されるパドルシフトを備え、前記取得部が、前記パドルシフトで選択された前記回生レベルに基づいて前記回生減速度を算出することが好ましい。
(5)前記電動発電機で生成された回生発電量を算出する回生制御部を備え、前記取得部が、前記回生制御部で算出された前記回生発電量に基づいて前記回生減速度を算出することが好ましい。
(5)前記電動発電機で生成された回生発電量を算出する回生制御部を備え、前記取得部が、前記回生制御部で算出された前記回生発電量に基づいて前記回生減速度を算出することが好ましい。
回生制動力に由来する減速度に応じて液圧ブレーキ装置の効き具合を調節することが可能となり、車両のブレーキフィーリングを改善することができる。
以下、図面を参照して、実施形態としてのブレーキ制御装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.装置構成]
図1は、ブレーキ制御ユニット(ブレーキ制御装置)10が適用された車両1を示す模式図である。車両1には、車載の駆動モーター2(電動発電機)で生成される回生制動力と液圧ブレーキ装置3で生成される摩擦制動力とを併用して制動するブレーキシステムが適用される。車両1の車輪(駆動輪)には、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えた駆動モーター2が接続される。走行用バッテリー(リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池などの二次電池)の電力で駆動モーター2を回転駆動することで、駆動モーター2が車両1の駆動源となる。一方、車両1の惰性走行中に駆動モーター2を慣性駆動して回生電力を発生させ、これを走行用バッテリーに充電することで、駆動モーター2が車両1の制動源の一つとして機能する。
図1は、ブレーキ制御ユニット(ブレーキ制御装置)10が適用された車両1を示す模式図である。車両1には、車載の駆動モーター2(電動発電機)で生成される回生制動力と液圧ブレーキ装置3で生成される摩擦制動力とを併用して制動するブレーキシステムが適用される。車両1の車輪(駆動輪)には、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えた駆動モーター2が接続される。走行用バッテリー(リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池などの二次電池)の電力で駆動モーター2を回転駆動することで、駆動モーター2が車両1の駆動源となる。一方、車両1の惰性走行中に駆動モーター2を慣性駆動して回生電力を発生させ、これを走行用バッテリーに充電することで、駆動モーター2が車両1の制動源の一つとして機能する。
また、車両1の各車輪には、液圧ブレーキ装置3のキャリパー8が設けられる。キャリパー8は、ブレーキペダル4の踏み込みに応じて生成されるブレーキ液圧を受けて、ブレーキパッドをブレーキローターに押圧することによって摩擦制動力を発生させる制動源の一つである。本実施形態では、上記の二種類の制動源で生成される制動力を調節することで、車両1の走行的なブレーキフィーリングが改善される。なお、図1中では車両1の前輪のみを示しているが、後輪にも同様の構造,制御を適用することが可能である。
車両1の車室内には、乗員が回生レベル(回生制動力の効き具合)を選択するためのパドルシフト7が設けられる。パドルシフト7は、回生レベルを段階的に変更するための入力装置であり、ステアリング6の近傍に設けられる。回生レベルは、乗員の好みに応じて、複数の段階の中から選択的に設定される。本実施形態の車両1には、六段階の回生レベルB0〜B5が設定されている。各回生レベルで生成される回生制動力の大きさは、小さいものから順にB0,B1,…,B5である。
車両1に搭載される電子制御装置のうち、ブレーキ制御ユニット10とパワートレイン制御ユニット30とを図1中に示す。これらはいずれも、プロセッサー(中央処理装置),メモリ(メインメモリ),記憶装置(ストレージ)などを内蔵し、記憶装置内にインストールされたソフトウェア(プログラム)をプロセッサで実行することによって各々の制御内容を実現する。パワートレイン制御ユニット30はおもに駆動モーター2で生成される回生制動力に関わる制御を担当し、ブレーキ制御ユニット10はおもに液圧ブレーキ装置で生成される摩擦制動力に関わる制御を担当する。
パワートレイン制御ユニット30は、車両1を駆動するための駆動系装置(エンジン,変速機,駆動モーター,クラッチ,差動装置など)の作動状態を制御するための電子制御装置(コンピューター)である。駆動モーター2は、パワートレイン制御ユニット30の制御対象の一つである。駆動モーター2の作動状態(回転数やトルク)は、アクセルペダル5の踏み込み量や車速に応じて制御される。また、アクセルオフ操作中(アクセルペダル5が踏み込まれていない状態のとき)には、パドルシフト7で設定された回生レベルと車速とに応じた回生電力を走行用バッテリーで回収することで回生制動力を発生させる。
ブレーキ制御ユニット10は、ブレーキペダル4の踏み込み量(ブレーキストローク)や車速に応じて液圧ブレーキ装置3(制動装置)の作動状態を制御するための電子制御装置(コンピューター)である。液圧ブレーキ装置3のキャリパー8で生成される摩擦制動力の大きさは、ブレーキストロークが大きいほど増大するように、また、車速が低速であるほど増大するように制御される。具体的な摩擦制動力の制御手法は任意に設定可能であり、例えばブレーキ液圧を変更することで摩擦制動力を増減させてもよいし、同一のブレーキ液圧に対するブレーキパッドの変位量(キャリパー8に内蔵されるブレーキシリンダーの摺動量)を変更することで摩擦制動力を増減させてもよい。
なお、車速が一定であるとき、ブレーキストロークと摩擦減速度(摩擦制動力に由来する減速度)との関係は、図2(A)に示すような曲線(または直線)グラフで表現することができる。本実施形態のブレーキ制御ユニット10は、上記の関係をアクセルオフ操作中の回生減速度(回生制動力に由来する減速度)に応じて変更する機能を持つ。例えば、回生制動力に由来する減速度が比較的小さい状態では、あるブレーキ操作量に対する摩擦減速度(摩擦制動力に由来する摩擦減速度)を大きめの値に設定する。一方、回生制動力に由来する減速度が比較的大きい状態では、同一のブレーキ操作量に対する摩擦減速度を小さめの値に設定する。つまり、回生制動力に由来する減速度が大きいほど、ブレーキ操作量に対する摩擦減速度の傾きが緩勾配となるように、ブレーキ操作量と摩擦減速度との対応関係を変更する。
図2(B)は、ブレーキストロークが所定量以下の範囲でのみ、ブレーキ操作量と摩擦減速度との対応関係を変更してグラフの傾きを緩勾配とした場合の例である。つまり、ブレーキ操作量が所定量を超える範囲では、グラフの傾きを同一に設定する。少なくとも、ブレーキ操作量が所定量以下の範囲でグラフの傾きを緩勾配とすることで、回生レベルの相違によるトータルの減速度の違いを小さくすることができる。したがって、乗員の強い制動意思(ブレーキペダル4に対する大きな踏み込み)に対するブレーキの効き具合を揃えることができ、車両1のブレーキフィーリングがさらに向上する。
上記の制御を実施するためのソフトウェア(プログラム)は、ブレーキ制御ユニット10の内部にインストールされ、プロセッサーで実行される。図1に示すように、ブレーキ制御ユニット10には、取得部14及び設定部15が設けられる。これらは、ブレーキ制御ユニット10の機能を便宜的に分類して示したものであり、個々の要素を独立したプログラムとして記述してもよいし、これらの機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述してもよい。
取得部14は、アクセルオフ操作中に生成される回生制動力に由来する減速度である回生減速度を取得するものである。回生減速度とは、非回生協調ブレーキシステムの場合、駆動モーター2で生成される回生制動力のみに由来する減速度を意味する。したがって、ここでいう回生減速度には、液圧ブレーキ装置3で生成される摩擦制動力に由来する摩擦減速度は含まれない。ただし、回生協調ブレーキシステムが搭載され、アクセルオフ操作中に回生制動力と摩擦制動力の両方が得られる場合(この場合の回生協調とは、アクセル操作に応じて車両減速度を発生させる際、充電電力不足などによる回生制動力の不足を補うように摩擦制動力を協調動作するものを指す)は、単にアクセルオフに対する減速度を示す。したがって、回生減速度の算出手法としては、回生協調ブレーキシステムの搭載方法により、回生レベルに基づく算出手法と、駆動モーター2の作動状態に基づく算出手法との二通りが考えられる。
前者の場合、各回生レベルに対応する減速度の値をあらかじめ設定しておき、パドルシフト7で選択されている現時点の回生レベルに対応する減速度を回生減速度として算出する。あるいは、現時点の回生レベルだけでなく車速を考慮して回生減速度を算出する。また、後者の場合、駆動モーター2の回生発電量に基づいて回生制動力を算出し、回生制動力を車両重量で除した値に基づいて回生減速度を算出する。これらの算出手法に限らず、公知の手法を用いて回生減速度を算出するような制御構成としてもよい。
設定部15は、取得部14で取得された回生減速度に応じて、ブレーキペダルの踏み込み量と摩擦減速度との関係を変更するものである。ここでは、回生制動力が小さいほど、あるブレーキペダルの踏み込み量に対する摩擦減速度が大きく設定され、回生制動力が大きいほど、同一のブレーキペダルの踏み込み量に対する摩擦減速度が小さく設定される。つまり、回生減速度が大きいほど、図2(A),(B)に示すようなグラフの傾きが緩勾配となるように、ブレーキ操作量と摩擦減速度との対応関係が変更される。
図3(A)は、車両1が所定の車速で走行している状態で、アクセルオフ操作と同時にブレーキペダルを踏み込んだ場合の車両1の減速度を示すグラフである。ここでは、図2(B)に示すようなブレーキ操作量と摩擦減速度との対応関係が設定されているものとする。アクセルオフ操作によって生じる回生減速度の大きさは、回生レベルが高レベル(B5側)であるほど増大する。一方、10%分のブレーキストロークに対する減速度の増分は、回生レベルが高レベルであるほど小さく設定される。グラフ中の「アクセルオフ操作領域」に含まれる減速度は、上記の回生減速度に相当する。このように、回生減速度が大きいほど減速度の増分を小さくすることで、回生レベルの相違によるトータルの減速度の違いが小さくなり、車両1のブレーキフィーリングが改善される。
なお、図3(B)は、ブレーキ操作量と摩擦減速度との対応関係が固定されている場合の車両1の減速度を示すグラフである。ここでは、図2(B)中の実線グラフに示すようなブレーキ操作量と摩擦減速度との対応関係のみが設定されているものとする。アクセルオフ操作によって生じる回生減速度の大きさは、回生レベルが高レベル(B5側)であるほど増大する。一方、ブレーキペダル4の踏み込みによって生じる摩擦減速度は、回生減速度の大きさとは無関係に設定される。そのため、回生レベルが高レベルであるほどトータルの減速度が増大し、ブレーキが効き過ぎの状態となりやすいことがわかる。
[2.制御ユニット]
図4は、回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1における具体的な制御構成を例示するブロック図であり、図5は、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1におけるブロック図である。いずれの場合においても、パワートレイン制御ユニット30には、アクセル要求目標減速度演算部31と、モーター回生トルク制御部32とが設けられる。また、ブレーキ制御ユニット10には、少なくともブレーキ要求目標減速度演算部11とブレーキ液圧制御部13とが設けられる。また、前者のブレーキ制御ユニット10には、回生協調ブレーキ制御部12が追加される。
図4は、回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1における具体的な制御構成を例示するブロック図であり、図5は、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1におけるブロック図である。いずれの場合においても、パワートレイン制御ユニット30には、アクセル要求目標減速度演算部31と、モーター回生トルク制御部32とが設けられる。また、ブレーキ制御ユニット10には、少なくともブレーキ要求目標減速度演算部11とブレーキ液圧制御部13とが設けられる。また、前者のブレーキ制御ユニット10には、回生協調ブレーキ制御部12が追加される。
これらの電子制御装置10,30には、アクセルポジションセンサー21,ブレーキストロークセンサー22,シフトポジションセンサー23で検出された各種情報が入力される。アクセルポジションセンサー21は、アクセル開度(アクセルペダル5の踏み込み量)を検出するセンサーである。ブレーキストロークセンサー22は、ブレーキストローク(ブレーキペダル4の踏み込み量)を検出するセンサーである。シフトポジションセンサー23は、パドルシフト7で選択されている回生レベルを検出するセンサーである。
アクセル開度の情報は、パワートレイン制御ユニット30に入力され、ブレーキストロークの情報は、ブレーキ制御ユニット10に入力される。また、回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1では、回生レベルの情報がパワートレイン制御ユニット30,ブレーキ制御ユニット10の双方に入力される。これに対し、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1では、回生レベルの情報がパワートレイン制御ユニット30のみに入力される。この場合、ブレーキ制御ユニット10は、回生レベルの情報の代わりとなる情報をパワートレイン制御ユニット30から受信する。
アクセル要求目標減速度演算部31は、アクセルペダル5の踏み込み状態とパドルシフト7で選択されている回生レベルとに基づき、回生減速度(駆動モーター2で発生させたい減速度の目標値)を算出するものである。ここでは、アクセルペダル5が踏み込まれていない状態のときに、回生レベルに対応する回生減速度を算出する。ここで算出された回生減速度の値は、モーター回生トルク制御部32または回生協調ブレーキ制御部12に伝達される。
モーター回生トルク制御部32(回生制御部)は、駆動モーター2の回生発電状態を制御することで回生制動力を制御するものである。回生協調ブレーキシステムを持たない車両1の場合、アクセル要求目標減速度演算部31で算出された回生減速度に基づき、駆動モーター2の発電状態が制御される。この場合、駆動モーター2の回生発電量の情報がブレーキ制御ユニット10のブレーキ要求目標減速度演算部11に伝達される。一方、回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1の場合は、後述する回生協調ブレーキ制御部12で算出された回生減速度に基づき、駆動モーター2の発電状態が制御される。
ブレーキ要求目標減速度演算部11は、ブレーキストローク(ブレーキペダル4の踏み込み量)に基づき、摩擦減速度(液圧ブレーキ装置3で発生させたい減速度の目標値)を算出するものである。ここでは、図2(A),(B)に示すような対応関係に基づき、駆動モーター2で生じる回生減速度の大きさが考慮された上で、摩擦減速度が算出される。また、ブレーキ要求目標減速度演算部11には、前述した取得部14,設定部15が設けられる。
回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1の場合、シフトポジションセンサー23で検出された回生レベルの情報が取得部14に入力される。これを受けて取得部14は、現時点の回生レベルに対応する減速度を回生減速度として算出する。ここで算出される回生減速度は、基本的にはアクセル要求目標減速度演算部31で算出される回生減速度と同一であることが好ましいが、厳密に一致するものでなくてもよい。また、設定部15は、取得部14で算出された回生減速度に基づいてブレーキストロークと摩擦減速度との対応関係を変更する。例えば、図2(A),(B)中に破線で示すように、回生減速度が大きいほど、同一のブレーキペダルの踏み込み量に対する摩擦減速度が小さく設定される。そして、ブレーキ要求目標減速度演算部11は、ブレーキストロークに対応する摩擦減速度を算出し、その情報を回生協調ブレーキ制御部12に伝達する。
回生協調ブレーキシステムを持たない車両1の場合、モーター回生トルク制御部32から伝達される回生発電量の情報が取得部14に入力される。これを受けて取得部14は、回生発電量と同等の運動エネルギーが車両1から失われることから、回生減速度を算出する。ここで算出される回生減速度は、駆動モーター2の実際の発電状態から推定される車両1の減速度である。また、設定部15は、取得部14で算出された回生減速度に基づいてブレーキストロークと摩擦減速度との対応関係を変更する。その後、ブレーキ要求目標減速度演算部11は、ブレーキストロークに対応する摩擦減速度を算出し、その情報をブレーキ液圧制御部13に伝達する。
回生協調ブレーキ制御部12は、回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1のパワートレイン制御ユニット30のみに適用され、駆動モーター2による回生減速度と液圧ブレーキ装置3による摩擦減速度との合計した「トータルの減速度」をアクセルポジションおよびブレーキストロークに応じて調整する機能を持つ。ここでいうトータルの減速度とは、図3(A)中に示す棒グラフの頂面の高さに相当する。回生協調ブレーキ制御部12には、アクセル要求目標減速度演算部31で算出された回生減速度の情報と、ブレーキ要求目標減速度演算部11で算出された摩擦減速度の情報とが入力される。これらを加算したトータルの減速度が目標減速度に一致するように、回生協調ブレーキ制御部12は駆動モーター2の回生制動力と液圧ブレーキ装置3の摩擦制動力とを制御する。また、目標制動力は、ブレーキストロークや車速に基づいて設定されるものとする。なお、回生協調ブレーキシステムにおける具体的な制御手法については、公知の手法を適用してもよい(例えば、特開2015-066952号公報,特開2014-218137号公報などを参照)。
ブレーキ液圧制御部13は、液圧ブレーキ装置3のキャリパー8で生成される摩擦制動力の大きさを制御するものである。回生協調ブレーキシステムが搭載された車両1の場合、ブレーキ液圧制御部13は、回生協調ブレーキ制御部12で設定された摩擦制動力が液圧ブレーキ装置3で発生するように、液圧ブレーキ装置3を制御する。また、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1の場合には、ブレーキ要求目標減速度演算部11で算出された摩擦減速度が生じるように、液圧ブレーキ装置3を制御する。
[3.作用,効果]
(1)上記のブレーキ制御ユニット10では、取得部14でアクセルオフ操作中の回生減速度の大きさが取得され、設定部15で回生減速度に応じてブレーキストロークと摩擦減速度との関係が変更される。これにより、液圧ブレーキ装置3の効き具合を駆動モーター2の回生状態に応じて調節することが可能となり、車両1の総合的なブレーキフィーリングを改善することができる。
(1)上記のブレーキ制御ユニット10では、取得部14でアクセルオフ操作中の回生減速度の大きさが取得され、設定部15で回生減速度に応じてブレーキストロークと摩擦減速度との関係が変更される。これにより、液圧ブレーキ装置3の効き具合を駆動モーター2の回生状態に応じて調節することが可能となり、車両1の総合的なブレーキフィーリングを改善することができる。
(2)上記のブレーキ制御ユニット10では、回生減速度が大きいほど同一のブレーキ操作で得られる摩擦減速度が小さく設定される。例えば、図2(A),(B)に示すように、回生減速度が大きいほどグラフの傾きが緩勾配とされる。このようなブレーキ特性を設定しておくことで、回生レベルの相違によるトータルの減速度の違いを小さくすることができる。したがって、回生制動力の大小に関わらず、乗員の制動意図に見合った液圧ブレーキ装置3の効き具合にすることができ、車両1のブレーキフィーリングを改善することができる。
(3)図2(B)に示すように、ブレーキストロークが所定量以下の範囲でのみ、摩擦減速度のブレーキストロークに対する傾きを減少させることも考えられる。つまり、ブレーキストロークが所定量を超える範囲では、摩擦減速度のブレーキストロークに対する傾きを同一とする。このようなブレーキ特性を設定することで、図3(A)に示すように、乗員の強い制動意思(例えば50%以上のブレーキストローク)に対するブレーキの効き具合を揃えることができ、ブレーキフィーリングをさらに改善することができる。
(4)図4に示す例では、パドルシフト7で選択された回生レベルに基づいて回生減速度が算出される。このような制御により、既存の回生協調ブレーキシステムに大幅な変更を加えることなく、ブレーキフィーリングを改善することができる。つまり、回生協調ブレーキシステムを搭載した車両1に対する適合性を向上させることができる。
(5)一方、図5に示す例では、モーター回生トルク制御部32で算出された回生発電量に基づいて回生減速度が算出される。このような制御により、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1に対しても、大幅な変更を加えることなく、ブレーキフィーリングを改善することができる。つまり、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1に対する適合性を向上させることができる。
(5)一方、図5に示す例では、モーター回生トルク制御部32で算出された回生発電量に基づいて回生減速度が算出される。このような制御により、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1に対しても、大幅な変更を加えることなく、ブレーキフィーリングを改善することができる。つまり、回生協調ブレーキシステムを持たない車両1に対する適合性を向上させることができる。
[4.変形例]
上述の実施形態では、図2(A),(B)に示すような曲線で定義されたブレーキ特性を例示したが、ブレーキストロークと摩擦減速度との関係はこれらに限定されない。少なくとも、回生減速度に応じてブレーキ特性を変更する制御構成とすることで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
上述の実施形態では、図2(A),(B)に示すような曲線で定義されたブレーキ特性を例示したが、ブレーキストロークと摩擦減速度との関係はこれらに限定されない。少なくとも、回生減速度に応じてブレーキ特性を変更する制御構成とすることで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
1 車両
2 駆動モーター(電動発電機)
3 液圧ブレーキ装置
4 ブレーキペダル
5 アクセルペダル
6 ステアリング
7 パドルシフト
8 キャリパー
10 ブレーキ制御ユニット(ブレーキ制御装置,電子制御装置)
11 ブレーキ要求目標減速度演算部
12 回生協調ブレーキ制御部
13 ブレーキ液圧制御部
14 取得部
15 設定部
21 アクセルポジションセンサー
22 ブレーキストロークセンサー
23 シフトポジションセンサー
30 パワートレイン制御ユニット(電子制御装置)
31 アクセル要求目標減速度演算部
32 モーター回生トルク制御部(回生制御部)
2 駆動モーター(電動発電機)
3 液圧ブレーキ装置
4 ブレーキペダル
5 アクセルペダル
6 ステアリング
7 パドルシフト
8 キャリパー
10 ブレーキ制御ユニット(ブレーキ制御装置,電子制御装置)
11 ブレーキ要求目標減速度演算部
12 回生協調ブレーキ制御部
13 ブレーキ液圧制御部
14 取得部
15 設定部
21 アクセルポジションセンサー
22 ブレーキストロークセンサー
23 シフトポジションセンサー
30 パワートレイン制御ユニット(電子制御装置)
31 アクセル要求目標減速度演算部
32 モーター回生トルク制御部(回生制御部)
Claims (5)
- 車載の電動発電機で生成される回生制動力と液圧ブレーキ装置で生成される摩擦制動力との併用により制動される車両のブレーキ制御装置において、
アクセルオフ操作中に生成される前記回生制動力に由来する回生減速度を取得する取得部と、
前記取得部で検出された前記回生減速度に応じて、ブレーキペダルの踏み込み量と前記摩擦制動力に由来する摩擦減速度との関係を変更する設定部とを備える
ことを特徴とする、ブレーキ制御装置。 - 前記設定部が、前記取得部で検出された前記回生減速度が大きいほど、同一の前記ブレーキペダルの踏み込み量に対する前記摩擦減速度を小さく設定する
ことを特徴とする、請求項1記載のブレーキ制御装置。 - 前記設定部が、前記ブレーキペダルの踏み込み量が所定量以下の範囲における、前記摩擦減速度の前記踏み込み量に対する傾きを減少させるとともに、前記ブレーキペダルの踏み込み量が前記所定量を超える範囲における、前記傾きを同一とする
ことを特徴とする、請求項1または2記載のブレーキ制御装置。 - 前記回生制動力の効き具合に対応する複数の回生レベルの一つを選択すべく、乗員に操作されるパドルシフトを備え、
前記取得部が、前記パドルシフトで選択された前記回生レベルに基づいて前記回生減速度を算出する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。 - 前記電動発電機で生成された回生発電量を算出する回生制御部を備え、
前記取得部が、前記回生制御部で算出された前記回生発電量に基づいて前記回生減速度を算出する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017232701A JP2019098962A (ja) | 2017-12-04 | 2017-12-04 | ブレーキ制御装置 |
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