JP2019090507A - タンクの凝縮ガス判定装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯留槽外に生じた凝縮ガスの量を把握し得るタンクの凝縮ガス判定装置及び方法を提供する。【解決手段】貯留物3を貯留する貯留槽4と、貯留槽4を内側に収容する外槽2と、貯留槽4と外槽2を備えたタンク1内の空間における圧力を測定する圧力センサ9と、少なくとも圧力センサ9の示す圧力値または圧力値の変動に基づき、貯留槽4と外槽2の間に凝縮する凝縮ガスCの量を判定する判定部14とを備える。貯留槽4と外槽2との間の下部における液体の量を測定する液体センサ10を備えると共に、判定部14にて算出された凝縮ガスCの算出凝縮量L1と、液体センサ10の検出値により把握された測定液体量L2との比較に基づいて警報を発報する警報装置15を備えてもよい。【選択図】図1
Description
本発明は、液化ガス等を貯留するタンクにおいて、貯留槽外で凝縮するボイルオフガスの量を判定する装置及び方法に関する。
従来、液化ガス等を貯留するタンクとして、二重槽式のタンクが用いられている。この種のタンクは、PC(prestressed concrete)や金属等により構成した外槽の内側に、金属等により形成された貯留槽が収容され、前記外槽と前記貯留槽の間の空間に断熱層を備えている。
前記貯留槽を収容した外槽は、全体が基礎の上に支持されており、前記貯留槽の底面と、前記基礎の上面の間には、前記貯留槽と前記基礎との間を断熱するよう、底部断熱層が設けられている。該底部断熱層は、泡ガラスや発泡樹脂、断熱コンクリートといった変形しにくい断熱材により構成される。
また、前記貯留槽の側壁と、前記外槽の側壁との間の空間(アニュラスペース)には、側部断熱層が設けられる。側部断熱層は、例えば前記アニュラスペースに、パーライト等の断熱材を充填することで形成される。
尚、この種のタンクに関連する先行技術文献としては、例えば、下記の特許文献1等がある。
上述の如き二重槽式のタンクにおいて、貯留物として低温の液化ガス等を貯留する場合、外部からの入熱により貯留物の一部が蒸発してボイルオフガスが生じる。ここで、タンクが例えば前記貯留槽の上部にデッキを吊り下げるサスペンデッドデッキ型のタンクである場合、貯留槽が密閉されていないため、ボイルオフガスが貯留槽の外へ漏れ、アニュラスペースに滞留することがある。アニュラスペース内のボイルオフガスは、貯留槽表面の温度やタンク内の圧力等の条件によっては凝縮し、アニュラスペースの底部に溜まる。
こうした凝縮ガスは、それ自体が特に問題となることはないが、貯留槽からの漏洩との混同により、誤警報が発報される不具合を生じることがある。液化ガス等を貯留する上述の如きタンクにおいては、貯留槽からの漏洩を、例えばアニュラスペースの下部に設置した温度計により検知している。貯留槽に破損等が生じ、貯留物である液化ガスが漏洩すると、漏洩した液化ガスはまず貯留槽と前記外槽の間に溜まる。その結果、アニュラスペース底部に設けた温度センサが液化ガスにより急冷され、温度センサの検出値が低下するので、漏洩の発生を把握することができるのである。
ところが、同様の温度変化は、ボイルオフガスがアニュラスペースにおいて凝縮した上述の凝縮ガスによっても生じ得る。アニュラスペースの底部に溜まった凝縮ガスを温度センサが検知すれば、貯留槽に漏洩がなくても、漏洩が発生したと誤って判定されてしまうのである。しかしながら、従来、アニュラスペースにおいて凝縮した凝縮ガスと、貯留槽から漏洩した液化ガスとを区別したり、凝縮ガスの量を把握する方法は確立されていなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、貯留槽外に生じた凝縮ガスの量を把握し得るタンクの凝縮ガス判定装置及び方法を提供しようとするものである。
本発明は、貯留物を貯留する貯留槽と、該貯留槽を内側に収容する外槽と、前記貯留槽と前記外槽を備えたタンク内の空間における圧力を測定する圧力センサと、少なくとも該圧力センサの示す圧力値または該圧力値の変動に基づき、前記貯留槽と前記外槽の間に凝縮する凝縮ガスの量を判定する判定部とを備えたタンクの凝縮ガス判定装置にかかるものである。
本発明のタンクの凝縮ガス判定装置は、前記貯留槽と前記外槽との間の下部における液体の量を測定する液体センサを備えると共に、前記判定部にて算出された凝縮ガスの算出凝縮量と、前記液体センサの検出値により把握された測定液体量との比較に基づいて警報を発報する警報装置を備えてもよい。
本発明のタンクの凝縮ガス判定装置において、前記液体センサは、前記貯留槽と前記外槽との間の下部に水平方向に対して傾斜配置されたケーブルと、該ケーブルに沿って配置された測定端子とを備えてもよい。
本発明のタンクの凝縮ガス判定装置においては、前記貯留槽と前記外槽の間に凝縮する凝縮ガスの量を判定するにあたり、パラメータとして前記圧力センサにおける圧力値または該圧力値の変動のほか、前記貯留物の温度、前記貯留物の貯留量、前記貯留物の物性、タンクの寸法、タンクの構成部材の温度、タンクの構成部材の寸法、タンクの構成部材の物性、タンク内の空間の温度、外気温、地中温度、日射量、風速のうち少なくとも一つを用いてもよい。
また、本発明は、貯留物を貯留する貯留槽と、該貯留槽を内側に収容する外槽との間に凝縮する凝縮ガスの量を、前記タンク内の空間における圧力値または該圧力値の変動に基づいて判定する、タンクの凝縮ガス判定方法にかかるものである。
本発明のタンクの凝縮ガス判定装置及び方法によれば、貯留槽外に生じた凝縮ガスの量を把握し得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1、図2は本発明の実施によるタンクの形態の一例を示している。タンク1は、外殻をなす外槽2と、貯留物3を貯留する貯留槽4とを備えて構成されるサスペンデッドデッキ型の二重槽タンクである。外槽2と貯留槽4は各々円形状の平断面を有する円筒状の形状をなしており、外槽2は金属やPC等により、貯留槽4は金属等により、それぞれ形成される。そして、外槽2の内側に貯留槽4が収容されるよう、コンクリート等により形成された基礎5の上に外槽2と貯留槽4とが平面視で同心円状に配置される。貯留槽4の上部は、ドーム状をなす外槽2の屋根2aから吊り下げられたデッキ4aにより覆われている。貯留物3は、例えばLNGやLPG、液化エチレン等の低温の液体である。
円形をなす貯留槽4の底面4cと、基礎5との間には円盤状の底部断熱層6が設置されている。底部断熱層6は、断熱材として、泡ガラスや発泡樹脂、断熱コンクリート等の多孔質の素材を備えている。尚、底部断熱層6として、前記断熱材の他に、例えば貯留槽4を基礎5の上に支持するための支持構造等、各種の構造を備えても良いが、ここでは図示を省略している。
貯留槽4の側壁4bと、外槽2の側壁2bとの間には、側部断熱層7が配置される。側部断熱層7は、貯留槽4の側方と外槽2の間に形成されるアニュラスペースAに、例えばパーライト等の粒状の断熱材を充填することで構成される。
また、貯留槽4の側壁4bには、該側壁4bを径方向外側から覆うようにブランケット8が設置されている。ブランケット8は、貯留槽4を外部から断熱する機能のほかに柔軟性を有するグラスウール等の素材により形成され、アニュラスペースAにおいて貯留槽4の熱変形を吸収するようになっている。貯留槽4の上部を覆うデッキ4aの上面側にも、断熱材4dが設置される。
さらに、アニュラスペースAの底部には、床面から外槽2の側壁2bの内側下部にかけて保護材2cが設置されている。保護材2cは、後述する凝縮ガスC等、低温の液体がアニュラスペースAに溜まった際、低温によって外槽2を構成する素材が損傷を受けることを防止するための部材である。
さらに、アニュラスペースAの底部には、床面から外槽2の側壁2bの内側下部にかけて保護材2cが設置されている。保護材2cは、後述する凝縮ガスC等、低温の液体がアニュラスペースAに溜まった際、低温によって外槽2を構成する素材が損傷を受けることを防止するための部材である。
こうして、タンク1では、貯留槽4の下方に設置された底部断熱層6、貯留槽4の上方のデッキ4aに設置された断熱材4d、及び貯留槽4の側方に設置された側部断熱層7及びブランケット8により、下部の基礎5、及び外槽2の外側の外部空間と、貯留槽4との間を断熱するようになっている。
タンク1内に画成された空間の各所には圧力センサ9が備えられている。通常、ここに図示するように、貯留槽4の内側の圧力と、貯留槽4と外槽2の間の圧力をそれぞれ測定する二台の圧力センサ9が取り付けられるが、この他にも必要に応じて圧力センサ9をタンク1の様々な部分に取り付ける場合がある。
また、タンク1内には、各所の部材や空間の温度を測定するために温度センサ10が備えられている。温度センサ10は、例えば図2に示す如く、光ファイバを備えたケーブル11に沿って複数の測定端子12を配置した構成である。本実施例の場合、外槽2の上端部における周上の一箇所に設置した成端箱13から、アニュラスペースAへケーブル11が延びる形で温度センサ10が設置されている。尚、図1〜図3に図示した測定端子12の配置は模式的なものであり、実際の配置を必ずしも正確に反映してはいない。例えば、ケーブル11の各部分において、測定端子12の配置はより密にしても良いし、逆に疎であっても良い。測定端子12の配置は、温度を測定したい部位に合わせて適宜調整し得る。
ケーブル11は、両端を成端箱13に接続され、該成端箱13と共に環状をなしている。ケーブル11は、外槽2の上端からアニュラスペースA内を側壁2bに沿って外槽2の底部まで垂直方向に沿って延び、さらに側壁2bの内側を周方向に沿って一周するように配置される。ケーブル11には、垂直方向に沿って配された部分、及び周方向に沿って配された部分にそれぞれ測定端子12が配置される。ケーブル11のうち、垂直方向に沿った配された部分に備えた測定端子12では、アニュラスペースA内の温度が測定される。
ケーブル11のうち、周方向に沿って配置された部分には、一定の間隔をおいて測定端子12が設けられており、アニュラスペースAの下部の温度を測定するようになっている。
アニュラスペースAにおけるケーブル11の詳しい配置を図3に示す。図3は、円筒状をなす外槽2の側壁2bを周方向に展開した模式図であり、横方向が側壁2bの周方向における位置に、縦方向が側壁2bの高さ方向における位置に相当している。周方向における位置は、成端箱13を設置した位置を0°とし、成端箱13と反対側にあたる位置を180°または−180°として図示している。
ケーブル11は、成端箱13に接続された二本の端部から側壁2bを下方へ延び、さらに側壁2bの下部にて周方向左右へ延びる。図3中、右側へ延びたケーブル11と、左側へ延びたケーブル11とは、成端箱13とは反対側の180°(−180°)の位置で繋がっている(図2参照)。
周方向に沿って配置されるケーブル11は、水平方向に対して適当な傾斜を有して配置される。本実施例の場合、図3中、右に延びるケーブル11は、0°の位置において側壁2bの下端にあり、そこから90°の位置に向かって上り勾配をなす。90°の位置から180°の位置までは下り勾配をなす。また、図3中、左に延びるケーブル11は、0°の位置において側壁2bの下端にあり、−90°の位置に向かって上り勾配をなす。−90°の位置から−180°の位置までは下り勾配をなす。側壁2bの下部におけるケーブル11の傾斜は、周方向の距離に対して例えば5%以上20%以下程度とし、好ましくは例えば10%とする(尚、図3では説明の便宜上、側壁2bの上下方向の寸法や、ケーブル11の勾配を実際以上に強調して表示している)。こうして、ケーブル11は、アニュラスペースAにおける側壁2bの下部を、高さ方向の位置を徐々に変えつつ一周している。
アニュラスペースAの下部にケーブル11に沿って上述の如く配置された測定端子12は、アニュラスペースAの下部における液体の液面レベルを監視するための構成である。アニュラスペースAの底部に凝縮ガスCが溜まったり、貯留槽4から貯留物3が漏洩した場合、アニュラスペースAの底部で液体に没した測定端子12では温度が大きく下がる。こうして、アニュラスペースAの底部における液面レベルを、温度が下がった測定端子12の配置された高さとして把握することができる。すなわち、本実施例の場合、温度センサ10は液体センサとしての役割をも果たしている。
そして、図2、図3に示す如きケーブル11の傾斜配置は、アニュラスペースAにおける液面レベルを把握するにあたり、高さ方向の分解能を確保するための構成である。本実施例の如きケーブル11に測定端子12を備えた温度センサ10の場合、技術上の制約から、測定端子12はケーブル11に沿ってある程度以上の間隔を開けて配置されることが通常である。しかしながら、そのような配置では、温度の分布を測るにあたり、ケーブル11の向きに沿った分解能が測定端子12同士の間隔によって決まってしまう。
一方、アニュラスペースAにおける液面レベルの測定においては、垂直方向に数cm程度以下の分解能が要求される。凝縮ガスCがアニュラスペースAの底部に溜まる速さが、例えば1時間あたり数cm程度だからである。これは、上述の如き温度センサ10のケーブル11に配置される測定端子12間の間隔よりはかなり小さい。
そこで、ケーブル11を垂直に配置するのではなく、本実施例の如くアニュラスペースAの周方向に適当な勾配を付して配置すれば、ケーブル11に沿った測定端子12同士の距離を変えることなく、垂直方向における測定端子12の分布を密にすることができる。例えば、上述の如く測定端子12を配置したケーブル11の勾配を水平方向に対して10%とすれば、垂直方向に関する測定端子12同士の間隔は、ケーブル11に沿った間隔の10分の1弱となる。こうして、ケーブル11においては、アニュラスペースAにおける高さ方向の温度分布を高い分解能で測定することができる。
ケーブル11の配置は、ここでは外槽2の周方向に沿って二度上下するような勾配を付した場合を例に説明したが、これに限定されない。ケーブル11は、温度測定に関して垂直方向に所要の分解能を得ることができるように傾斜配置されていれば良く、ここに示した配置のほかにも種々の配置を取り得る。例えば側壁2bを螺旋状に取り巻くように配置することもできるし、ジグザグ状に配置しても良い。
ケーブル11の測定端子12で計測された温度の検出値は、ケーブル11を介して成端箱13へ送られ、該成端箱13から温度信号10aとして制御装置14に入力される。また、各所に備えた圧力センサ9で測定された圧力の検出値は、圧力信号9aとして制御装置14に入力される。制御装置14は、圧力信号9aや温度信号10aとして受け取った検出値に基づき、場合によって警報装置15を作動させるようになっている。
制御装置14は、タンク1の運転や管理を行う装置であり、本実施例においては凝縮ガスCの量や警報の発報を判定する判定部としての機能を兼ねている。制御装置14は、圧力センサ9や温度センサ10の検出値や、計算式等の各種データを格納する記憶部16と、測定データ等に基づき演算を行う計算部17を備えている。そして、上述の如き圧力信号9aや温度信号10aにより各部の状態を監視するほか、図示しない配管類を介した貯留物3の受け入れや払い出しといった各種の操作を制御するようになっている。圧力センサ9や温度センサ10からの圧力信号9aや温度信号10aの入力は、有線で行っても良いし、無線でも良い。
警報装置15は、タンク1において何らかのエラーや損傷等、特定の事態が生じた場合に警報を報知する装置である。警報の内容は、例えばブザーのような音響でも良いし、警報灯や、特定の画面表示のような視覚により報知する形式でも良い。また、これらの形式を組み合わせることもできる。
さらに、タンク1やその周囲には、各所の温度やその他のパラメータに関する測定を行う種々の計器類が設置される。貯留槽4の側壁4b、及び外槽2の外部空間には、それぞれ温度センサ18が設置されている。また、貯留槽4には、貯留物3の温度や液面レベルを測定するための温度センサ19が配置されている。温度センサ19は、貯留槽4の上方から内部に向かって縦方向に配したケーブルに沿って測定点を設置したセンサであり、各測定点における温度を制御装置14に入力するようになっている。制御装置14では、温度センサ19の下部の測定点からの温度情報により、貯留物3の温度ないし垂直方向に沿った温度分布を測定することができる。尚、タンク1の内外には、この他にも様々な計器類を各所に備えても良い。
また、タンク1には、貯留物3を貯留槽4に受け入れるための受入管、貯留物3を貯留槽4から払い出すための払出管、ボイルオフガスBを外部へ抜き出すためのボイルオフガス抜出管など、種々の配管類が備えられるが、ここでは図示を省略している。
次に、上記した本実施例の作動を説明する。
本実施例のタンク1では、貯留物3として上述の如く低温の液体を貯留槽4に貯留する。サスペンデッドデッキ型のタンクであるタンク1では、貯留槽4は完全に密閉されないため、自然入熱により貯留物3からボイルオフガスBが生じると、該ボイルオフガスBは貯留槽4から漏れ出して外槽2との間に滞留する。ここに滞留したボイルオフガスBは、圧力や温度等の条件によって凝縮し、図1に示す如くアニュラスペースAの底部に凝縮ガスCとなって溜まる。
凝縮ガスCの凝縮を引き起こす主たる要因のひとつは、タンク1内における圧力、及び該圧力の変動である。タンク1内の圧力は、例えば一日の時間軸に沿って、図4に示す如き変動を示す。
貯留物3がLNGやLPGといった燃料である場合、貯留物3やボイルオフガスBは、例えば図4に示す如く変動する。ここに示した例では、ボイルオフガスBの要求量は日中に多く、夜間の要求量は少なくなっている。そして、夜間には貯留物3から発生したボイルオフガスBを外槽2内に蓄積する運用を行っており、タンク1内の圧力は夜間から朝方にかけて徐々に上昇する。昼間になると、貯留物3やボイルオフガスBが払い出されて圧力は低下していく。このように、消費量の変動に伴い、タンク1内の圧力は図4に示す如く、おおむね一日を周期として上下する。尚、ここで説明した圧力変動はあくまで一例であり、消費量や運用の如何により、タンク1内の圧力変動はこの他にも種々のパターンを示す。
このように時々刻々変動する圧力状況において、凝縮ガスCは、特に圧力の上昇時に発生する。タンク1内において、圧力がごく緩やかに上昇している状況であれば、タンク1内の流体は、おおむね全体としての圧力や温度に応じた相を示す。しかしながら、タンク1は一般に数十mの大きさを備えた巨大な装置であるため、全体としての圧力や温度等の変化に、相の変化が追いつかない部分が局所的に生じる場合がある。具体的には、タンク1内の圧力がある程度以上の上昇率で上昇すると、貯留槽4中の貯留物3が、液体のまま温度を下げる過冷却の状態となる。ここで、貯留物3は、貯留槽4の側壁4bを介してアニュラスペースA内のボイルオフガスBに接している。過冷却状態の貯留物3の冷熱が側壁4bを介してボイルオフガスBに伝わると、冷熱を受け取ったボイルオフガスBは凝縮し、凝縮ガスCとなってアニュラスペースAの底部に溜まる。
そして、本実施例では、判定部としての制御装置14にて、アニュラスペースAの底部に溜まる凝縮ガスCの量を判定することができる。
凝縮ガスCの発生量、ないしアニュラスペースAの底部における蓄積量には種々の条件が関係する。通常、凝縮ガスCの量を左右する最大の要因は上述の圧力ないし圧力の変動であるが、その他に、貯留物3の温度、貯留量、物性(飽和蒸気圧曲線、密度、粘性係数、比熱、熱伝導率、蒸発潜熱)、タンク1の寸法、タンク1の各部を構成する部材(例えば、外槽2や貯留槽4、底部断熱層6や側部断熱層7等。以下、「構成部材」と称する)の温度、寸法や物性(熱伝導率、密度、比熱、空隙率、透過係数)、タンク1内の空間(アニュラスペースAや、その他外槽2より内側に画成された各空間)の温度、外気温、日射量、風速、地中温度(基礎5の温度や、基礎5の下方の地中の温度)、アニュラスペースAにおけるボイルオフガスBの分圧、などが凝縮ガスCの量に関係する。
凝縮ガスCは、アニュラスペースA内のボイルオフガスBが冷却されるほど、すなわち、貯留槽4の内部から外部への冷熱の移動量が大きいほど多くなる。冷熱の移動量には、貯留物3の貯留量や物性(密度、粘性係数、比熱、熱伝導率)、貯留槽4の寸法や物性(熱伝導率、密度、比熱)、貯留物3や貯留槽4の温度、アニュラスペースA内の温度等が関係する。
一方、アニュラスペースA内のボイルオフガスBや凝縮ガスCは、外槽2の外からの入熱により温められる。この入熱は凝縮ガスCを減少させる方向に働く。外からの入熱量には、タンク1ないし外槽2の寸法や物性(熱伝導率、密度、比熱、空隙率、透過係数)、外気温や基礎5の温度、日射量、風速、アニュラスペースAの温度等が関係する。
また、凝縮ガスCの量は、アニュラスペースA内に充満するボイルオフガスBの量によっても変わる。ボイルオフガスBの量には、タンク1内の圧力のほか、貯留物3の物性(飽和蒸気圧曲線、蒸発潜熱)、貯留物3の温度、アニュラスペースA内の温度、ボイルオフガスBの分圧が関係する。
また、上に列挙した各パラメータは互いに関連し、相互に影響を及ぼしつつ、一部は時間経過に従って変動する。
これらの各パラメータは、制御装置14の記憶部16に入力され、記憶される。制御装置14はまた、上述の各パラメータに基づいて凝縮ガスCの量を判定する計算ツールTを備えている。制御装置14の計算部17では、この計算ツールTに各パラメータを記憶部16から読み出して入力することで、アニュラスペースAにおける凝縮ガスCの現在の量を液面レベルとして算出できるようになっている。
計算ツールTは、上述の各種パラメータを組み込んだ計算式を利用する。すなわち、貯留物3の温度、貯留量、物性(飽和蒸気圧曲線、密度、粘性係数、比熱、熱伝導率、蒸発潜熱)、タンク1の寸法、タンク1の構成部材の温度、寸法や物性(熱伝導率、密度、比熱、空隙率、透過係数)、タンク1内の圧力値や該圧力値の変動、タンク1内の空間の温度、外気温や地中温度等である。貯留物3の粘性係数、比熱、熱伝導率、蒸発潜熱、タンク1の構成部材の寸法や熱伝導率、密度、比熱等は定数である。貯留物3の飽和蒸気圧曲線は温度の関数として、密度は温度及び圧力の関数として与えられる。タンク1内の圧力やその変動、貯留物3の温度や貯留量、タンク1の構成部材の温度、タンク1内の空間の温度、外気温や地中温度、日射量、風速は変数である。
具体的な計算式を立てるにあたっては、まず、実際のタンク1において数種類の条件下で凝縮ガスCの量を測定すると共に、その時の各パラメータの値を記録する。そして、各条件におけるパラメータの値から凝縮ガスCの凝縮量を算出できるよう、各パラメータ毎に適当な係数や指数等を決定すれば良い。
すなわち、凝縮ガスCの凝縮量は、算出に用いる各パラメータをX1,X2,……,Xnとし、凝縮ガスCの液面レベルをLとした場合、例えば以下の如き式にて与えられる。
[式1]
L=k1X1 a1+k2X2 a2+……+knXn an+c
[式1]
L=k1X1 a1+k2X2 a2+……+knXn an+c
ここで、k1,k2,……,knは各パラメータの係数、a1,a2,……,anは各パラメータの指数、cは定数である。そして、上記[式1]に、複数の測定条件におけるX1,X2,……,Xn及びLを代入し、各条件において[式1]が成立するよう、各係数k1,k2,……,kn、各指数a1,a2,……,an及び定数cを決定すれば良い。
この際、X1,X2,……,Xnとしては、上に列挙したパラメータの中から適宜取捨選択すれば良い。ただし、凝縮ガスCの量には、上述の如く圧力値や該圧力値の変動が大きく関与するので、前記計算式は、特に圧力値または圧力値の変動の少なくとも一方を反映する設計とすべきである。また、圧力値やその変動に加えて他のパラメータをも適宜組み込めば、凝縮ガスCの量をより正確に算出できる。尚、ここでは凝縮ガスCの凝縮量を液面レベルとして算出する場合を例示したが、凝縮量は液面レベルに限らず、例えば体積として算出しても良い。
計算式を徒に煩雑にしないよう、最終的に計算される凝縮ガスCへの寄与度が小さいパラメータに関しては、計算式に不採用としても良い。あるいは、測定や計算の難しい一部のパラメータに関しては、推定値や仮定値を用いても良い。例えば、貯留物3が燃料等である場合、貯留槽4と外槽2の間には窒素等の不活性ガスが充填されるが、その場合、アニュラスペースAにおけるボイルオフガスBの分圧は、圧力センサ9の検出値のみから単純に算出することはできない。そこで、凝縮ガスCの量を算出するにあたっては、アニュラスペースA内の気体がすべてボイルオフガスBに置き換わっているものと仮定しても良い。すなわち、ボイルオフガスBの分圧に関しては、想定し得る最大量を算出すれば、後述する警報の発報に係る判定には足りる。
その他のパラメータに関しては、例えば以下の方法で取得できる。タンク1内の圧力値、及び該圧力値の変動は、圧力センサ9の検出値を記録することで把握できる。タンク1内の空間の温度、貯留物3の貯留量や温度は、温度センサ10,19の検出値により得られる。
タンク1の構成部材の温度についても、各所に設置した温度センサ18,19により取得できる。例えば、貯留槽4の側壁4bの温度は、該側壁4bに設置した温度センサ18により直接測定することができる。この他に、例えば貯留物3の温度に、貯留物3や貯留槽4の物性に基づいた補正値等を加味して算出することもできる。また、側壁4bの温度は貯留物3の温度の変数であるとし、計算式には貯留物3の温度を採用して側壁4bの温度を用いないようにすることもできる。このほか、温度を直接測定することが難しい空間や部材については、例えば近接する部材の温度を近似値として用いても良い。あるいは、例えば適当な初期値を設定しておき、周辺の部材の物性や、圧力の変動等に基づいて対象の温度を推定しても良い。
貯留物3の物性のうち、粘性係数、比熱、熱伝導率、蒸発潜熱は、貯留物3の種類によって決まる。貯留物3の飽和蒸気圧や密度は、貯留物3の種類のほか、上述の如く温度や圧力により決まる。タンク1や、その構成部材の寸法は、予め測定することで得られる。また、タンク1や構成部材の物性(熱伝導率、密度、比熱、空隙率、透過係数)は素材の種類によって決まる。外気温は外槽2の外に備えた温度センサ18により測定できる。地中温度は、図示しない別の温度センサにより測定しても良いし、外気温に基づいて推定することもできる。日射量や風速は、図示しないセンサを別途タンク1外に備えて測定すれば良い。
尚、上で説明した式1はあくまで一例であって、計算ツールTにはこの他にも種々の形式の計算式を採用し得る。例えば、コンピュータのマクロ演算等を用いた数値解析により、各パラメータ同士の関係を近似的に算出し、上記式1とは異なる計算式を導出することもできる。
尚、上で説明した式1はあくまで一例であって、計算ツールTにはこの他にも種々の形式の計算式を採用し得る。例えば、コンピュータのマクロ演算等を用いた数値解析により、各パラメータ同士の関係を近似的に算出し、上記式1とは異なる計算式を導出することもできる。
あるいは、計算ツールTとしては、上述の各パラメータに応じた凝縮ガスCの量が条件毎に入力されたテーブルとし、圧力センサ9や温度センサ10,18,19の検出値に基づき、前記テーブルから条件に対応する凝縮ガスCの量を呼び出すようにしても良い。また、計算式とテーブルを適宜組み合わせることもできる。
アニュラスペースAの底部における凝縮ガスCを含む液体の量に関しては、上述の如くケーブル11に備えた測定端子12からの検出値により測定することができる。すなわち、温度が下がった測定端子12の配置された高さを、アニュラスペースAの底部における液体の液面レベルとして把握することができる。
こうして、判定部14では、貯留槽4の外に生じる凝縮ガスCの量を、タンク1内の圧力値やその変動から把握することができる。温度センサ10の検出値を通じてアニュラスペースAの底部に液体が検出された際には、そのうち凝縮ガスCの占める量を判定し、アニュラスペースA内の液体が貯留槽4から漏洩した貯留物3か、凝縮ガスCかを区別することができる。また、これらが混ざり合っていた場合には、それぞれの占める量を把握することができる。
そして、本実施例のタンク1では、圧力センサ9や温度センサ10,18,19による測定等に基づき計算ツールTを用いて算出された凝縮ガスCの算出量(以下、算出凝縮量L1)と、アニュラスペースAの底部の測定端子12の検出値から算出された液体の量(以下、測定液体量L2)との比較に基づき、警報装置15から警報を発報するようになっている。すなわち、算出凝縮量L1と測定液体量L2とを制御装置14の計算部17にて照らし合わせ、測定液体量L2が算出凝縮量L1を上回った場合に、貯留槽4に漏洩が生じたと判定し、警報装置15から警報を発報する。
警報発報までの手順を図5にフローチャートとして示す。制御装置14には、圧力センサ9や温度センサ10における検出値が圧力信号9aや温度信号10aとして時々刻々入力され、記憶部16に記憶される(ステップS1)。その他、温度センサ18,19や、図1に図示していない各種のセンサにより、貯留物3の温度や液面レベル、外気温や貯留槽4の側壁4bの温度、その他の各種の検出値を制御装置14にて収集する。
ステップS1で収集したデータに基づき、ステップS2として、計算ツールTにより算出凝縮量L1を算出する。ここでは、主要なパラメータとして、圧力センサ9により測定されたタンク1内の圧力値や、該圧力値の変動を利用することができる。また、その他のパラメータをも適宜利用しても良い。
算出凝縮量L1の算出に圧力値の変動を用いるにあたっては、例えば時々刻々変動する圧力値の微分値を用いることができるが、それではノイズの影響が大きくなってしまう問題がある。そこで、例えば現在までの一定時間における圧力値の変化、すなわち現時点の圧力値と、一定時間Δt前の時点における圧力値との差を圧力変動値として用いても良い。あるいは、圧力値やその微分値そのものではなく、圧力値が所定の閾値を超えた状態の継続時間をパラメータとして用いても良い。いずれにしても、凝縮ガスCの量に関わる圧力値やその変動を反映した値であれば、適宜算出凝縮量L1の算出に利用することができる。
さらに、ステップS3として、ケーブル11の測定端子12における測定データに基づき、現在の測定液体量L2を決定する。
続くステップS4において、算出凝縮量L1と測定液体量L2を照らし合わせ、比較する。ここでは、例えばステップS2で液面レベルとして得られた算出凝縮量L1を、ステップS3で液面レベルとして得られた測定液体量L2と比較するといった処理を行う。尚、ここでは算出凝縮量L1を液面レベルとして算出した場合を説明しているが、仮に算出凝縮量L1を体積として算出する場合は、例えばステップS3で液面レベルとして得た測定液体量L2にアニュラスペースAの断面積や空隙率等をかけ合わせてアニュラスペースAにおける液体の体積を算出し、ステップS2で体積として得た算出凝縮量L1と比較するといった処理を行う。
ステップS4で測定液体量L2が算出凝縮量L1を上回っていた場合には、貯留槽4に漏洩が生じたと判定し、ステップS5に移る。ステップS5では、警報装置15を作動させ、貯留槽4に漏洩が生じた旨の警報を発報する。ステップS4において、測定液体量L2が算出凝縮量L1以下であった場合には、ステップS1に戻って以降の工程を繰り返す。
上述の各ステップは、算出凝縮量L1と測定液体量L2とを適切に比較できる限りにおいて、適宜順序を入れ替えたり、分割・統合しても良い。例えば、ステップS2とステップS3の順序は問われない。ステップS3をステップS2の前に実行しても良いし、ステップS2とステップS3を並行して同時に実行しても良い。また例えば、ステップS1における各センサからの測定データの収集工程を分割し、ステップS2における算出凝縮量L1の算出のための測定と、ステップS3における測定液体量L2のための測定とを別のタイミングで行っても良い。
上述の工程において、測定液体量L2はケーブル11の測定端子12における検出値から直接的に把握することができる。一方、算出凝縮量L1に関しては圧力値やその変動等のパラメータから間接的に算出しており、誤差が含まれる可能性も多分に考慮すべきである。実際の凝縮ガスCの量に対し、算出凝縮量L1を少なく算出してしまった場合には誤報が発報される可能性が高くなるし、逆に算出凝縮量L1を多く算出してしまうと、仮に貯留槽4に漏洩が生じていても警報が発報されない虞がある。
誤報の可能性を抑える方策としては、例えば算出凝縮量L1と測定液体量L2を比較するにあたり、測定液体量L2と算出凝縮量L1との差に所定の基準値を設ける。そして、測定液体量L2から算出凝縮量L1を差し引いた値が前記基準値を上回った場合に警報を発報するようにすれば良い。
誤報の可能性を抑える別の方策としては、例えば各パラメータから算出凝縮量L1を算出するにあたり、測定誤差が大きいパラメータや、推定が難しいパラメータに関しては、算出凝縮量L1を最も大きくするような値を仮定値として使用することができる。上述のボイルオフガスBの分圧に関する推定(アニュラスペースA内の気体が全てボイルオフガスBに置き換わっていると仮定して計算する)はその一例である。算出凝縮量L1が多めに算出されれば、警報発報の閾値が上がり、誤報の可能性が低くなる。
また逆に、漏洩の不検知を避ける方策としては、測定誤差の大きいパラメータや、推定の困難なパラメータに関し、算出凝縮量L1が小さくなるような値を仮定することができる。算出凝縮量L1が少なめに算出され、測定液体量L2が算出凝縮量L1を上回れば、残りが漏洩した貯留物3と判断される。したがって、誤報の可能性はやや高くなってしまう代わり、漏洩不検知の可能性は低くなる。尚、漏洩の不検知を避ける方策を採用した結果、誤報の可能性が高まってしまうとしても、算出凝縮量L1を測定液体量L2と比較して警報を発報すること自体は変わらない。つまり、凝縮ガスCの量を推定できず、凝縮ガスCの発生を貯留槽4からの貯留物3の漏洩と区別できない従来の技術と比較すれば、やはり誤報の可能性は抑えることができる。
このほか、各パラメータや最終的な算出凝縮量L1に対し、適当な補正値を計算に加えることで、判定に係る算出凝縮量L1の大小を適宜操作しても良い。こうした操作は、例えば実際にタンク1の運用を通して得られた実測データや、タンク1を運用する顧客の要求(例えば誤報の減少と、漏洩不検知の防止のいずれを重視するか)等に応じ、計算ツールTにて用いる計算式やテーブルの内容を調整すること等により実行できる。
算出凝縮量L1の操作は、圧力センサ9の設置位置の選定によっても行うことができる。上述の如く、圧力センサ9はタンク1の複数箇所に設置されるが、圧力の動きは場所によって異なる。つまり、圧力値が上下しやすい場所としにくい場所、あるいは、圧力値の変動が凝縮ガスCの発生に反映されやすい場所とされにくい場所等がある。算出凝縮量L1として精度の高い値を求めたい場合には、圧力値の変動が大きく、且つそこでの圧力値の変動が凝縮ガスCの発生量に連動しやすい場所に設置した圧力センサ9の検出値をパラメータとして採用すれば良い。ただし、そのようにすると算出凝縮量L1に関しノイズの影響が大きくなり、誤報が生じやすくなる可能性がある。その場合は、ある程度圧力の変動が小さい場所に設置した圧力センサ9の検出値を採用することも有効である。こうした圧力センサ9の設置場所の選定は、やはりタンク1の運用を通して得られた実測データ等を参酌して経験的に行えば良い。
あるいは、複数の箇所に設置された圧力センサ9のそれぞれの検出値から算出凝縮量L1を算出すると共に測定液体量L2と比較し、いずれかの算出凝縮量L1を測定液体量L2が上回った場合に警報を発報しても良い。この方式では、複数の測定点にて漏洩の可能性を監視することで、漏洩の不検知をより確実に防止することができる。
以上のように、上記本実施例のタンクの凝縮ガス判定装置においては、貯留物3を貯留する貯留槽4と、該貯留槽4を内側に収容する外槽2と、前記貯留槽4と前記外槽2を備えたタンク1内の空間における圧力を測定する圧力センサ9と、少なくとも該圧力センサ9の示す圧力値または該圧力値の変動に基づき、前記貯留槽4と前記外槽2の間に凝縮する凝縮ガスCの量を判定する判定部(制御装置)14とを備えている。
また、本実施例のタンクの凝縮ガス判定方法においては、貯留物3を貯留する貯留槽4と、該貯留槽4を内側に収容する外槽2との間に凝縮する凝縮ガスCの量を、前記タンク1内の空間における圧力値または該圧力値の変動に基づいて判定するようにしている。こうすることにより、貯留槽4と外槽2との間に溜まる凝縮ガスCの量を判定することができる。
また、本実施例のタンクの凝縮ガス判定装置においては、前記貯留槽4と前記外槽2との間の下部における液体の量を測定する液体センサ(温度センサ)10を備えると共に、前記判定部14にて算出された凝縮ガスCの算出凝縮量L1と、前記液体センサ10の検出値により把握された測定液体量L2との比較に基づいて警報を発報する警報装置15を備えている。こうすることで、貯留槽4外に溜まった凝縮ガスCにより、貯留槽4における漏洩発生の誤報が発報される可能性を抑えることができる。
また、本実施例のタンクの凝縮ガス判定装置において、前記液体センサ10は、前記貯留槽4と前記外槽2との間の下部に水平方向に対して傾斜配置されたケーブル11と、該ケーブル11に沿って配置された測定端子12とを備えている。こうすることにより、貯留槽4外における高さ方向の温度分布を高い分解能で測定し、液面レベルを把握することができる。
また、本実施例のタンクの凝縮ガス判定装置においては、前記貯留槽4と前記外槽2の間に凝縮する凝縮ガスCの量を判定するにあたり、パラメータとして前記圧力センサ9における圧力値または該圧力値の変動のほか、前記貯留物3の温度、前記貯留物3の貯留量、前記貯留物3の物性、タンク1の寸法、タンク1の構成部材の温度、タンク1の構成部材の寸法、タンク1の構成部材の物性、タンク1内の空間の温度、外気温、地中温度、日射量、風速のうち少なくとも一つを用いている。こうすることで、貯留槽4と外槽2との間に溜まる凝縮ガスCの量をより正確に判定することができる。
したがって、上記本実施例によれば、貯留槽外に生じた凝縮ガスの量を把握し得る。
尚、本発明のタンクの凝縮ガス判定装置及び方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 タンク
2 外槽
3 貯留物
4 貯留槽
9 圧力センサ
10 液体センサ(温度センサ)
11 ケーブル
12 測定端子
14 判定部(制御装置)
15 警報装置
C 凝縮ガス
L1 算出凝縮量
L2 測定液体量
2 外槽
3 貯留物
4 貯留槽
9 圧力センサ
10 液体センサ(温度センサ)
11 ケーブル
12 測定端子
14 判定部(制御装置)
15 警報装置
C 凝縮ガス
L1 算出凝縮量
L2 測定液体量
Claims (5)
- 貯留物を貯留する貯留槽と、
該貯留槽を内側に収容する外槽と、
前記貯留槽と前記外槽を備えたタンク内の空間における圧力を測定する圧力センサと、
少なくとも該圧力センサの示す圧力値または該圧力値の変動に基づき、前記貯留槽と前記外槽の間に凝縮する凝縮ガスの量を判定する判定部と
を備えたタンクの凝縮ガス判定装置。 - 前記貯留槽と前記外槽との間の下部における液体の量を測定する液体センサを備えると共に、
前記判定部にて算出された凝縮ガスの算出凝縮量と、前記液体センサの検出値により把握された測定液体量との比較に基づいて警報を発報する警報装置を備えた請求項1に記載のタンクの凝縮ガス判定装置。 - 前記液体センサは、前記貯留槽と前記外槽との間の下部に水平方向に対して傾斜配置されたケーブルと、該ケーブルに沿って配置された測定端子とを備えている、請求項2に記載のタンクの凝縮ガス判定装置。
- 前記貯留槽と前記外槽の間に凝縮する凝縮ガスの量を判定するにあたり、パラメータとして前記圧力センサにおける圧力値または該圧力値の変動のほか、
前記貯留物の温度、
前記貯留物の貯留量、
前記貯留物の物性、
タンクの寸法、
タンクの構成部材の温度、
タンクの構成部材の寸法、
タンクの構成部材の物性、
タンク内の空間の温度、
外気温、
地中温度、
日射量、
風速
のうち少なくとも一つを用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンクの凝縮ガス判定装置。 - 貯留物を貯留する貯留槽と、該貯留槽を内側に収容する外槽との間に凝縮する凝縮ガスの量を、前記タンク内の空間における圧力値または該圧力値の変動に基づいて判定する、タンクの凝縮ガス判定方法。
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