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JP2019085169A - 包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】陳列時の外観を良好に保ちつつ、容器製造時のリサイクル性が良好であるとともに、ガス置換コストを低減しつつ、充填された食品の品質保持期間を延長できる包装容器の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、内部に食品が充填され密封包装された包装容器であって、前記包装容器がガスバリア層を有する多層構造体を備え、JIS−B0601(2001年)に準拠して測定した前記容器表面における最大高さ粗さ(Rz)が1μm以上30μm以下であり、20℃、65%RHの条件下における単位容積当たりの酸素透過度が0.00001cc/cm・day・atm以上0.001cc/cm・day・atm以下であり、密封包装後10日目の内部の気体の酸素濃度O(10)が、0体積%以上5体積%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、包装容器に関する。
一般に食品は大気中の酸素により酸化されて品質が劣化し、食品に含まれる好気性菌は酸素の下で繁殖する。酸素による品質の劣化及び好気性菌の繁殖を抑制し食品の品質保持期間(賞味期限)を延長するために、食品包装の際に包装容器内の酸素を除去する包装を行う場合がある。その包装手段の一つとしてガス置換充填包装(窒素や二酸化炭素などで容器内のガスを置換する包装)が知られている。
ガス置換充填包装を用いた例として、特許文献1には、食品をガスバリア性のある内容器に脱酸素剤と共に密封しガス置換充填包装し、この内容器をガスバリア性のある外容器にガス置換充填包装して密封する方法が記載されており、かかるガス置換充填包装が、削り節類、煮干し類、風味調味料、ふりかけ類、海草類、お茶類、香草類、珍味類、ナッツ類、菓子、パン類等の風味を有する食品の包装に適していることが記載されている。
特許文献2には、酸素ガスバリア性樹脂層及びヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を少なくとも有する積層シート/フィルムからなる容器又は袋に、予め冷凍された食品を充填し、その後容器内又は袋内を不活性ガスで置換し、ヒートシールを行う冷凍食品の包装方法が記載されており、かかる包装方法により冷凍食品を良好な品質で長期間保管できることが記載されている。
特開2002−308342号公報 特開2001−048235号公報
しかしながら、商品を陳列する際に外観をよくするために容器ごと傾斜をかけて陳列する場合、上記従来のガス置換充填包装を適用できる包装容器では、陳列時の傾斜によっては容器内で食品が滑り商品の外観が悪化する傾向にあることがわかった。一方、容器内での食品の滑りを抑制するために、容器内の表面に凹凸を持たせた場合、容器製造時に発生したトリム(切り出し部分)や不良品を回収再使用(リサイクル)する際に微粉が発生し、押出工程でトラブルが発生する場合があることがわかった。
また、ガス置換充填包装内の酸素濃度はガス置換の条件を変更することで調節できるが、包装容器内の空気を完全に置換ガスに置換することは、コストが高くなる傾向にある。一方、コスト低減のためガス置換率を低くした場合、食品の酸化劣化や好気性菌の繁殖により食品品質保持期間が短くなる傾向にある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、陳列時の外観を良好に保ちつつ、容器製造時のリサイクル性が良好である包装容器であって、ガス置換コストを低減しつつ、充填された食品の品質保持期間を延長できる包装容器を提供することである。
すなわち、本発明は、
[1]内部に食品が充填され密封包装された包装容器であって、前記包装容器がガスバリア層を有する多層構造体を備え、JIS−B0601(2001年)に準拠して測定した前記容器表面における最大高さ粗さ(Rz)が1μm以上30μm以下であり、前記包装容器の20℃、65%RHの条件下における酸素透過度が0.00001cc/cm・day・atm以上0.001cc/cm・day・atm以下であり、密封包装後10日目の包装容器内部の気体の酸素濃度O(10)が0体積%以上5体積%以下である包装容器;
[2]JIS−B0613(2001年)に準拠して測定した容器表面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上2.5μ以下である[1]の包装容器;
[3]密封包装直後の内部の気体の酸素濃度O(0)が0.1体積%以上5体積%以下である[1]または[2]の包装容器;
[4]密封包装直後の内部の気体の酸素濃度O(0)に対する上記酸素濃度O(10)の比O(10)/O(0)が、0以上1未満である[1]〜[3]のいずれかの包装容器;
[5]上記気体が、窒素及び二酸化炭素から選ばれる少なくとも一種を含む[1]〜[4]のいずれかの包装容器;
[6]上記気体の二酸化炭素濃度が0.5体積%以上40体積%以下である[5]の包装容器;
[7]上記ガスバリア層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、リン及び多価金属元素を含む複合構造体、又は加工デンプンを主成分として含有する[1]〜[6]のいずれかの包装容器;
を提供することにより達成される。
本発明の包装容器は、陳列時の外観を良好に保ちつつ、容器製造時のリサイクル性が良好である。また、ガス置換コストを低減しつつ、充填された食品の品質保持期間を延長できる。
本発明の包装容器が備える多層構造体を製造する共押出装置の一例を示す概略図である。 本発明の包装容器の使用形態の例を示すトレー状容器の概略断面図である。
本発明の包装容器は、内部に食品が充填され密封包装された包装容器であって、前記包装容器がガスバリア層を有する多層構造体を備え、JIS−B0601(2001年)に準拠して測定した前記容器表面の最大高さ粗さ(Rz)が1μm以上30μm以下であり、前記包装容器の20℃、65%RHの条件下における酸素透過度が0.00001cc/cm・day・atm以上0.001cc/cm・day・atm以下であり、密封包装後10日目の容器内部の気体の酸素濃度O(10)が0体積%以上5体積%以下である包装容器である。なお、本願における包装容器表面とは包装容器内面及び外面の両面を意味する。
本発明の包装容器は多層構造体のみから構成されていても多層構造体及び他の材料との組み合わせで構成されていてもよい。本発明が解決しようとする課題をより効果的に解決できる観点から、本発明の包装容器は多層構造体のみから構成されていると好ましい。
本発明の包装容器に充填される食品としては、エチレンなどのガス発生の可能性が低い密封包装可能な食品が挙げられ、例えば加工食品等が好ましい。加工食品としては、例えば、インスタントカレー、調理済カレー、インスタントシチュー、調理済シチュー、ソースミックス、中華料理の素、まぜご飯の素、米飯加工品、レンジ専用食品等の調理品;プレミックス、蜂蜜、水あめ、シロップ、生地・皮、デザートの素等のホームメイキング材料;乾麺、生麺・ゆで麺、スパゲッティ、マカロニ等の麺類;米、包装餅等の穀物;畜肉ハム、畜肉ソーセージ、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、焼豚、ベーコン等の加工肉類;かまぼこ、はんぺん、ちくわ等の練り製品;豆腐、こんにゃく、油上げ等の水物;サラダ、煮豆、和惣菜、中華惣菜、洋惣菜等の惣菜類;乳幼児食品;健康食品;食品贈答品等が挙げられる。中でも、固形物である食品が好ましく、惣菜類がより好ましい。
包装容器表面の最大高さ粗さ(Rz)は1μm以上であり、2μm以上が好ましい。包装容器表面の最大高さ粗さ(Rz)は30μm以下であり、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。最大高さ粗さ(Rz)が1μm未満であると、傾斜をかけて陳列する際に容器内の食品に偏りが生じ外観を損なう傾向にある。最大高さ粗さ(Rz)が30μm以上を超えると容器製造時に発生したトリム(切り出し部分)や不良品を回収再使用(リサイクル)する際に微粉が発生し、押出工程でトラブルが起きやすくなる傾向にある。
包装容器表面の算術平均粗さ(Ra)は0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。包装容器表面の算術平均粗さ(Ra)は2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。算術平均粗さ(Ra)が0.1μm未満であると、傾斜をかけて陳列する際に容器内での食品に偏りが生じ外観を損なう傾向にある。算術平均粗さ(Ra)が2.5μmを超えると、容器製造時に発生したトリム(切り出し部分)や不良品を回収再使用(リサイクル)する際に微粉が発生し、押出工程でトラブルが起きやすくなる傾向にある。
本発明の包装容器表面の表面粗さ(最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra))とは、包装容器表面から最大幅1414μm、高さ1060μmの評価範囲を任意に10か所選択し、JIS−B0601(2001年)に準拠して、非接触式、カットオフ値(λc)2.5mmで測定された値の平均値を意味する。なお、多層構造体の平均厚みよりも大きい段差は表面粗さの評価値から除外するものとし、任意に選択する観測範囲においてかかる段差が含まれない範囲を選択するものとする。
本発明の包装容器表面の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)は、例えば、共押出装置または射出成形における金型の内面、特に、出口部分(ダイ)内面の表面粗さを制御することによって調整できる。それは、金型出口部分内面の表面形状が、押出される多層構造体に転写されるためであると考えられる。従って、金型内面の平滑性を高くすることで、得られる多層構造体及び包装容器の表面粗さを小さくできる。また、後述する共押出装置のエアースリットによっても、表面粗さを調整できる。
前記ダイ内面の十点平均粗さ(RzJIS94)は15μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。一方、十点平均粗さ(RzJIS94)は0.1μm以上であっても0.3μm以上であってもよい。また、前記ダイ内面の算術平均粗さ(Ra)は1.2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらに好ましい。一方、算術平均粗さ(Ra)は0.01μm以上であっても0.03μm以上であってもよい。ダイ内面の表面粗さを上記範囲内とすると、得られる多層構造体及び包装容器の表面粗さを本発明の好適な範囲に調整できる傾向にある。
ここで、出口部分(ダイ)内面の表面粗さを表すダイ内面の十点平均粗さ(RzJIS94)及び算術平均粗さ(Ra)は、それぞれ任意に選択した10か所における測定値の平均値とする。また、本明細書において、ダイ内面の十点平均粗さ(RzJIS94)及び算術平均粗さ(Ra)の測定値は、JIS−B0601(1994年)に準拠して、カットオフ値(λc)2.5mm、評価長さ(1)7.5mm、接触式で測定される値である。
本発明の包装容器の密封包装直後の包装容器内部の気体の酸素濃度O(0)は、食品の酸化劣化及び好気性菌の繁殖の抑制の観点からは限りなく0に近いことが好ましいが、O(0)を0に近づけるにつれてガス置換コストが増大する傾向にある。本発明者らは検討により、密封包装後の内容物による酸素消費により容器内の酸素濃度が低下していくため、本発明の包装容器の場合O(0)が5体積%以下の範囲内であれば包装容器内の酸素による食品の劣化及び好気性菌の繁殖を抑制でき食品品質保持期間を充分に延長できることを見出した。ガス置換のコストを押さえつつ食品品質保持期間を延長する観点から、本発明の包装容器の密封包装直後の包装容器内部の気体の酸素濃度O(0)は0.1体積%以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。また、O(0)は5体積%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
本発明の包装容器の密封包装後10日目の包装容器内部の気体の酸素濃度O(10)は0体積%以上である。また、O(10)は5体積%以下であり、4%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。O(10)が5体積%を超えると、酸素による食品の劣化及び好気性菌の繁殖により食品品質保管期間が著しく低下するため好ましくない。
本発明の包装容器において、密封包装直後の内部の気体の酸素濃度O(0)に対する上記酸素濃度O(10)の比O(10)/O(0)は0以上が好ましい。また、O(10)/O(0)は1未満が好ましく、0.9以下がより好ましく、0.8以下がさらに好ましく、0.7以下が特に好ましい。O(10)/O(0)は上記範囲内であると、包装容器内の酸素濃度を常に低く保つことができるため、食品の鮮度と風味をより良好に維持できる。O(10)/O(0)を上記範囲に調整する方法としては、ガスバリア性が高い多層構造体を用いる方法、包装容器内に占める食品の体積%を上げる方法等がある。
本発明の包装容器内部の酸素以外の気体としては、窒素及び二酸化炭素から選ばれる少なくとも一種の気体を含んでいるのが好ましい。包装容器内部に窒素を含む場合、食品の酸化劣化を抑制できる傾向にある。また、包装容器内部に二酸化炭素を含む場合、好気性菌の繁殖を抑制できる傾向にある。
本発明の包装容器内部に窒素を含む場合、酸素と二酸化炭素以外の容器内の気体における窒素含有量として95体積%以上が好ましく、98体積%以上がより好ましく、99体積%以上がさらに好ましく、100体積%であってもよい。
本発明の包装容器内部に二酸化炭素を含む場合、容器内の気体における二酸化炭素の含有量は30体積%以下が好ましく、25体積%以下がより好ましい。容器内の気体における二酸化炭素の含有量は0.5体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましい。二酸化炭素含有量を上記範囲とすることで、好気性菌の繁殖を効果的に抑制できる。
本発明の包装容器の収容部の容積に対する充填される食品の容積率(体積%)としては、15体積%以上80体積%以下が好ましい。食品の容積率が15体積%以上であると、傾斜をかけて陳列する際、食品の偏りをより抑制しやすくなる傾向にある。また、食品の容積率が80体積%以下であると、ガス置換を比較的容易に行うことができる傾向にある。
本発明の包装容器の20℃、65%RHの条件下における酸素透過度は0.00001cc/(cm・day・atm)以上であり、0.00005cc/(cm・day・atm)以上であってもよい。また、本発明の包装容器の20℃、65%RHの条件下における酸素透過度は0.001cc/(cm・day・atm)以下であり、0.0005cc/(cm・day・atm)以下が好ましく、0.0003cc/(cm・day・atm)以下がより好ましい。本発明の包装容器の酸素透過度が0.001cc/cm・day・atm以上であると、容器内部の酸素濃度を低く保つことが難しくなり食品の品質保持期間が短くなる傾向にある。なお、「0.00001cc/(cm・day・atm)」の酸素透過度とは、容器全体において、酸素1気圧下での1日の酸素透過量が容器内1cm当たりで0.00001ccであることを意味する。
[ガスバリア層]
本発明の包装容器が備える多層構造体におけるガスバリア層は、気体の透過を防止する機能を有する層であり、具体的には20℃、65%RH条件下で、JIS−K7126−2(2006年)第2部(等圧法)に準拠して測定した酸素透過度が、100cc・20μm/(m・day・atm)以下の化合物をいう。なお、本発明に用いられるガスバリア層の酸素透過度は、50cc・20μm/(m・day・atm)以下が好ましく、10cc・20μm/(m・day・atm)以下がより好ましい。なお、「100cc・20μm/(m・day・atm)」の酸素透過度とは、20μmのバリア材1mにおいて、酸素1気圧下での1日の酸素透過量が100ccであることを意味する。
上記のガスバリア層に含まれるガスバリア材としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」ともいう。)、リン及び多価金属元素を含む複合構造体、加工デンプン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。中でも、ガスバリア性の点から、EVOH、リン及び多価金属元素を含む複合構造体、又は加工デンプンが好ましく、溶融成形性の点からEVOHがより好ましい。
(EVOH)
EVOHは、通常、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化することで得ることができる。エチレン−ビニルエステル共重合体の製造およびケン化は、公知の方法により行うことができる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的であるが、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニル等のその他の脂肪酸ビニルエステルであってもよい。
EVOHのエチレン単位含有量は20モル%以上が好ましく、22モル%以上がより好ましく、24モル%以上がさらに好ましい。また、前記EVOHのエチレン単位含有量は60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。エチレン単位含有量が20モル%以上であると、溶融成形性及び高湿下でのガスバリア性が良好となる傾向にある。一方、エチレン単位含有量が60モル%以下であると、ガスバリア性が高まる傾向にある。EVOHのエチレン単位含有量は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
EVOHのビニルエステル成分のケン化度は80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。ケン化度を90モル%以上とすることで、成形品のガスバリア性を高めること等ができる。また、またEVOHのケン化度は100モル%以下であっても、99.99モル%以下であってもよい。EVOHのケン化度は、H−NMR測定を行い、ビニルエステル構造に含まれる水素原子のピーク面積と、ビニルアルコール構造に含まれる水素原子のピーク面積とを測定して算出できる。EVOHのケン化度が上記範囲内であると、良好なガスバリア性となる傾向にある。
また、EVOHは、本発明の目的が阻害されない範囲で、エチレンとビニルエステル及びそのケン化物以外の他の単量体由来の単位を有していてもよい。EVOHが前記他の単量体単位を有する場合、EVOHの全構造単位に対する前記他の単量体単位の含有量は、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましく、5モル%以下であることが特に好ましい。また、EVOHが上記他の単量体由来の単位を有する場合、その下限値は0.05モル%であってもよいし0.10モル%であってもよい。前記他の単量体としては、例えば、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン等のアルケン;3−アシロキシ−1−プロペン、3−アシロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−メチル−1−ブテン、4−アシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4−アシロキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4−アシロキシ−1−ペンテン、5−アシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4−アシロキシ−1−ヘキセン、5−アシロキシ−1−ヘキセン、6−アシロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン等のエステル基を有するアルケン又はそのケン化物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和酸又はその無水物、塩、又はモノ若しくはジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等ビニルシラン化合物;アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
EVOHは、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等の手法の後変性されたEVOHであってもよい。かかる変性されたEVOHは溶融成形性が良好になる傾向にある。
EVOHとして、エチレン単位含有量、ケン化度、共重合体成分、変性の有無又は変性の種類等が異なる2種以上のEVOHを混合して用いてもよい。
EVOHは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法で重合でき、無溶媒又はアルコールなどの溶液中で重合を進行させる塊状重合法又は溶液重合法が通常用いられる。
溶液重合法において用いられる溶媒は特に限定されないが、アルコールが好適に用いられ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールがより好適に用いられる。重合反応液における溶媒の使用量は、目的とするEVOHの粘度平均重合度や溶媒の連鎖移動を考慮して選択すればよく、反応液に含まれる溶媒と全単量体との重量比(溶媒/全単量体)は0.01〜10が好ましく、0.05〜3がより好ましい。
重合に用いられる触媒としては、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾ系開始剤;イソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤などを用いることができる。
重合温度は20〜90℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。重合時間は2〜15時間が好ましく、3〜11時間がより好ましい。重合率は、仕込みのビニルエステルに対して10〜90%が好ましく、30〜80%がより好ましい。重合後の溶液中の樹脂含有率は5〜85%が好ましく、20〜70%がより好ましい。
所定時間の重合後又は所定の重合率に達した後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレンガスを蒸発除去した後、未反応のビニルエステルを除去する。
次に、上記共重合体溶液にアルカリ触媒を添加し、上記共重合体をケン化する。ケン化方法は、連続式、回分式のいずれも可能である。アルカリ触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラートなどが用いられる。
ケン化反応後のEVOHは、アルカリ触媒、酢酸ナトリウムや酢酸カリウムなどの副生塩類、その他不純物を含有するため、これらを必要に応じて中和、洗浄することにより除去することが好ましい。ここで、ケン化反応後のEVOHを、イオン交換水等の金属イオン、塩化物イオン等をほとんど含まない水で洗浄する際、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等を一部残存させてもよい。
EVOHは他の熱可塑性樹脂、金属塩、酸、ホウ素化合物、可塑剤、フィラー、ブロッキング防止剤、滑剤、安定剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、乾燥剤、架橋剤、充填材、各種繊維などの補強材等、他の成分を有していてもよい。中でも、熱安定性や他樹脂との接着性の観点から金属塩及び酸を含むことが好ましい。
前記金属塩としては、層間接着性をより高める観点からはアルカリ金属塩が好ましく、熱安定性の観点からはアルカリ土類金属塩が好ましい。EVOHが金属塩を含む場合、その含有量はEVOHに対し金属塩の金属原子換算で1ppm以上が好ましく、5ppm以上がより好ましく、10ppm以上がさらに好ましく、20ppm以上が特に好ましい。また金属塩の含有量はEVOHに対し金属塩の金属原子換算で10000ppm以下が好ましく、5000ppm以下がより好ましく、1000ppm以下がさらに好ましく、500ppm以下が特に好ましい。金属塩の含有量が上記範囲にあると、層間接着性を良好に保ちつつ、リサイクルを行った際の熱安定性が良好となる傾向になる。
前記酸としては、カルボン酸化合物又はリン酸化合物がEVOH溶融成形時の熱安定性を高める観点から好ましい。EVOHがカルボン酸化合物を含む場合、カルボン酸の含有量(EVOHを含むガスバリア層の乾燥組成物中のカルボン酸の含有量)は1ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、50ppm以上がさらに好ましい。また、カルボン酸の含有量は10000ppm以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましく、500ppm以下がさらに好ましい。EVOHがリン酸化合物を含む場合、リン酸化合物の含有量(EVOHを含むガスバリア層のリン酸化合物のリン酸根換算含有量)は1ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、30ppm以上がさらに好ましい。一方、リン酸化合物の含有量は10000ppm以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましく、300ppm以下がさらに好ましい。EVOHがカルボン酸化合物又はリン酸化合物を上記範囲内で含むと、溶融成形時の熱安定性が良好になる傾向にある。
EVOHが前記ホウ素化合物を含む場合、その含有量(EVOHを含むガスバリア層の乾燥組成物中のホウ素化合物のホウ素換算含有量)は1ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、50ppm以上がさらに好ましい。また、ホウ素化合物の含有量は2000ppm以上が好ましく、1000ppm以上がより好ましく、500ppm以上がさらに好ましい。ホウ素化合物の含有量が上記範囲内であると、溶融成形時の熱安定性が良好になる傾向にある。
上記リン酸化合物、カルボン酸又はホウ素化合物を、EVOHを含むガスバリア層に含有させる方法は特に限定されず、例えばEVOHを含む組成物のペレット等を調製する際に組成物に添加して混練する方法が好適に採用される。この組成物に添加する方法も特に限定されないが、乾燥粉末として添加する方法、溶媒を含浸させたペースト状で添加する方法、液体に懸濁させた状態で添加する方法、溶媒に溶解させて溶液として添加する方法、溶液に浸漬させる方法などが例示される。中でも、均質に分散させる観点から、溶媒に溶解させて溶液として添加する方法又は溶液に浸漬させる方法が好ましい。溶媒は特に限定されないが、添加剤の溶解性、コストの観点、取り扱いの容易性、作業環境の安全性等の観点から水が好適に用いられる。
多層構造体におけるガスバリア層がEVOHを主成分として含有する場合、EVOHの割合は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%であってもよい。ここで、「主成分」とはガスバリア層を構成する成分の中で最も質量%が多い成分を意味する。
多層構造体におけるガスバリア層がEVOHを主成分として含有する場合、かかるガスバリア層一層の平均厚みは3μ以上が好ましく、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。また、かかるガスバリア層一層の平均厚みは100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。なお、上記EVOHを主成分として含有するガスバリア層一層の平均厚みとは、上記多層構造体に含まれる上記EVOHを主成分として含有するガスバリア層全体の厚みの合計を上記ガスバリア層の層数で除した値をいう。かかるガスバリア層の平均厚みが上記範囲内であると、本発明の包装容器の耐久性、柔軟性、外観特性が良好となる傾向がある。
(リン及び多価金属元素を含む複合構造体)
リン及び多価金属元素を含む複合構造体は、リン化合物と多価金属の化合物とが反応することにより形成されるバリア層を有する。リン化合物を含む溶液と多価金属の化合物を含む溶液又は分散液とを混合してコーティング剤とし、かかるコーティング剤を基材上に塗布し、多価金属の化合物とリン化合物とを反応させて形成することができ、上記多価金属原子をMで表すと、多価金属原子Mとリン原子との間にM−O−Pで表される結合が生成される。M−O−P結合は赤外吸収スペクトルにおける特性吸収帯が1080〜1130cm−1の領域に見られ、当該複合構造体の赤外吸収スペクトルにおいて、800〜1400cm−1の領域における最大吸収波数は1080〜1130cm−1の範囲にあることが好ましい。複合構造体の最大吸収波数が上記範囲内にあると、優れたガスバリア性が得られる傾向にある。
コーティング剤を塗布する基材としては特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂;布帛、紙類等の繊維集合体;木材;ガラス等が挙げられる。中でも、熱可塑性樹脂および繊維集合体が好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。基材の形態は特に制限されず、フィルムまたはシート等の層状であってもよい。基材としては、熱可塑性樹脂フィルムおよび紙からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、熱可塑性樹脂フィルムを含むものがより好ましく、熱可塑性樹脂フィルムがさらに好ましい。熱可塑性樹脂フィルムとしてはポリエステルが好ましく、複合構造体の機械強度の観点からポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
多価金属元素としては、2分子以上のリン化合物が反応できる多価金属元素であれば任意の元素を使用できる。半多価金属元素であってもよい。例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウムなどの元素である。中でも、アルミニウムが好ましい。
多価金属元素の化合物としては、リン化合物と反応して複合構造体を形成できるものであれば任意の化合物を使用できる。また、多価金属化合物は溶剤に溶解した溶液として用いても、多価金属化合物の微粒子を溶剤に分散した分散液として用いてもよく、例えば、硝酸アルミニウムを多価金属化合物として、その水溶液として用いることができる。
また、多価金属酸化物の微粒子を水又は水性溶剤中に分散させて、分散液として用いることもでき、酸化アルミニウム微粒子の分散液が好ましい。一般に、多価金属酸化物の微粒子はその表面に水酸基を有しており、水酸基の存在によって上記リン化合物と反応して上記結合を生成する。多価金属酸化物の微粒子は、例えば、加水分解可能な特性基が金属原子に結合した化合物を原料として、これを加水分解し、この加水分解生成物を縮合させることで合成できる。原料としては、例えば塩化アルミニウム、アルミニウムトリエトキシド及びアルミニウムイソプロポキシドを挙げることができる。上記加水分解生成物を縮合させる方法としては、例えば、ゾルゲル法などの液相合成法が挙げられる。多価金属酸化物微粒子の形状としては、例えば、球状、扁平状、多面体状、繊維状及び針状が好ましく、ガスバリア性を高める観点からは、繊維状又は針状がより好ましい。また、多価金属酸化物微粒子の平均粒径は、ガスバリア性及び透明性を高めるため、1nm以上100nm以下が好ましい。
リン化合物としては、多価金属の化合物と反応して上記結合を生成できるものであれば任意のリン化合物を使用できる。リン化合物としては、例えばリン酸系化合物及びその誘導体を挙げることができ、具体的にはリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸が挙げられる。上記ポリリン酸としては、ピロリン酸、三リン酸、あるいは4以上のリン酸が縮合したポリリン酸を使用することができる。また、リン酸系化合物の誘導体としては、リン酸塩、エステル(例えば、リン酸トリメチル)、あるいはハロゲン化物であってもよいし、脱水物(例えば、五酸化リン)、ハロゲン化物を使用することができる。
このリン化合物は溶液として用いることができ、例えば水を溶剤とする水溶液や、低級アルコールの溶液のような親水性の有機溶剤の溶液として用いることができる。
多価金属化合物の溶液又は分散液と、リン化合物の溶液とを混合してコーティング剤とすることができる。上記コーティング剤には、その他の成分を添加してもよく、例えば、高分子化合物、金属錯体、粘土化合物、架橋剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などを挙げることができる。上記高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、多糖類(例えば、デンプンなど)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体など)及びそれらの塩、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体のけん化物などを挙げることができる。
上記コーティング剤を塗布し、溶剤を除去乾燥して得られた塗布膜を、例えば、加熱処理することにより、多価金属化合物とリン化合物とを反応させて上記結合を生成させ、リン及び多価金属元素を含む複合構造体を形成することができる。上記加熱処理温度は110℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上であり、さらに好ましくは140℃以上であり、170℃以上であることが特に好ましい。加熱処理温度が低いと十分な結合を生成するために必要な時間が長くなり、生産性が低下する。加熱処理温度の上限は、基材フィルムの種類によって異なり、240℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましい。また、加熱処理の時間の下限は0.1秒が好ましく、1秒がより好ましく、5秒がさらに好ましい。加熱処理の時間の上限は1時間が好ましく、15分がより好ましく、5分がさらに好ましい。なお、加熱処理は大気雰囲気下、窒素雰囲気下やアルゴン雰囲気下のいずれでも行える。
〈加工デンプン〉
加工デンプンの原料となるデンプンとしては特に限定されず、例えばコムギ、トウモロコシ、タピオカ、ジャガイモ、コメ、エンバク、アロールートおよびエンドウ原料に由来するものが挙げられる。デンプンとしては、ハイアミロースデンプンが好ましく、ハイアミローストウモロコシデンプン及びハイアミロースタピオカデンプンがより好ましい。
加工デンプンは、エーテル、エステル又はこれらの組み合わせである官能基でヒドロキシ基が置換されるように化学的に改質されていることが好ましい。加工デンプンとしては、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を含むように改質されるか、又はカルボン酸無水物との反応により改質されていることが好ましい。加工デンプンとして炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を含むように改質される場合、上記加工デンプンの置換基としては、炭素数2〜4の官能基を有するのが好ましく、例えばヒドロキシエーテル置換基を生成するためのヒドロキシエチル基又はヒドロキシブチル基が好ましい。また、加工デンプンがカルボン酸無水物との反応により改質されたものである場合、官能基としては、プタン酸エステル又はより低級の同族体が好ましく、酢酸エステルがさらに好ましい。エステル誘導体を製造するために、マレイン酸、フタル酸またはオクテニルコハク酸無水物などのジカルボン酸無水物を使用することもできる。
加工デンプンとしては、ヒドロキシプロピル基を含むヒドロキシプロピル化アミロースデンプンが好ましく、ヒドロキシプロピル化ハイアミロースデンプンがより好ましい。
加工デンプンの置換度は、無水グルコース単位あたりの置換基の平均数で表され、通常、最大値は3である。上記加工デンプンの置換度としては、0.05以上1.5未満が好ましい。
加工デンプンはその他のデンプンを含んでいてもよい。その他のデンプンとしては、例えばハイアミロースデンプンとローアミロースデンプンとの混合物が挙げられる。
加工デンプンは、水を含んでいてもよく、水は可塑剤として機能することができる。水の含有率の上限は20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。加工デンプンを主成分とするガスバリア層の水分含有率は、一般に、使用環境下の相対湿度における平衡水分含有率である。
加工デンプンは、1または複数の水溶性ポリマーを含んでいてもよい。水溶性ポリマーとしては特に限定されないが、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール又はこれらの組み合わせを挙げることができる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。1または複数の水溶性ポリマーの含有率の上限は1質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。上記含有率の下限は20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。
加工デンプンは、1または複数の可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤としては特に限定されないが、ポリオールが好ましく、ソルビトール、グリセロール、マルチトール、キシリトール又はこれらの組み合わせがより好ましい。1または複数の可塑剤の含有率の上限は20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。
加工デンプンは、潤滑剤を含んでいてもよい。潤滑剤としては、炭素数12〜22の脂肪酸、炭素数12〜22の脂肪酸塩又はこれらの組み合わせが好ましく、潤滑剤の含有率としては、5質量%以下が好ましい。
加工デンプンを主成分として含有するガスバリア層一層の平均厚みの下限は10μmが好ましく、100μmがより好ましい。一方、上記ガスバリア層一層の平均厚みの上限は1000μmが好ましく、800μmがより好ましい。なお、上記加工デンプンを主成分とするガスバリア層一層の平均厚みとは、多層構造体に含まれる上記加工デンプンを主成分として含有するガスバリア層全体の厚みの合計を上記ガスバリア層の層数で除した値をいう。上記ガスバリア層一層の平均厚みが上記下限より小さいと、均一な厚さで成形することが困難になり、上記多層構造体の耐久性が低下するおそれがある。逆に、上記ガスバリア層一層の平均厚みが上記上限を超えると、上記多層構造体の柔軟性、延伸性、熱成形性等が低下するおそれがある。
[多層構造体]
本発明の包装容器が備える多層構造体は、少なくとも1層のガスバリア層を備え、多層構造体の層構成は、用途等に応じて適宜設定できる。なお、ガスバリア層及び熱可塑性樹脂層がそれぞれ複数用いられている場合、それぞれの層を構成する材料は同一でも異なっていてもよい。
多層構造体におけるガスバリア層の層数は、ガスバリア性をより向上させる観点から1層以上が好ましい。また、熱可塑性樹脂層の層数は、耐衝撃性を向上させる観点から、1層以上が好ましく、2層以上がより好ましい。
[熱可塑性樹脂層]
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を主成分とする層である。熱可塑性樹脂層は単一の熱可塑性樹脂を主成分としても、複数の熱可塑性樹脂を主成分としてもよい。本発明における多層構造体は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を主成分とする熱可塑性樹脂層を積層することで、延伸性及び熱成形性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂層一層の平均厚みは100μm以上が好ましく200μm以上がより好ましい。また、熱可塑性樹脂層一層の平均厚みは1000μm以下が好ましく、500μm以下が好ましく、400μm以下がより好ましい。熱可塑性樹脂層一層の平均厚みが100μm以上であると厚みの調整が容易であり、本発明の多層構造体の耐久性をより高めることができる。熱可塑性樹脂層一層の平均厚みが500μm以下であると、熱成形性が良好となる傾向にある。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度又は融点まで加熱することにより軟化して塑性を示す樹脂であれば特に限定されず、例えばポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したグラフト化ポリオレフィン樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ビニルエステル樹脂、アイオノマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、芳香族又は脂肪族ポリケトン等が挙げられる。中でも機械的強度や成形加工性の点でポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂がより好ましい。
〈添加剤〉
熱可塑性樹脂層は、本発明の目的を損なわない範囲で添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、上記熱可塑性樹脂以外の樹脂、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー等が挙げられる。熱可塑性樹脂層が添加剤を含む場合、添加剤の含有率は熱可塑性樹脂層の総量に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
[接着層]
本発明において多層構造体は相関接着力を高めるために接着層(以下、「Ad」と略記する場合がある。)を有していてもよい。接着層としては公知の接着性樹脂を使用でき、多層構造体の製造方法に合わせて適宜選択できる。
ラミネート法等により本発明の包装容器が備える多層構造体を製造する場合、接着層としてはポリイソシアネート成分とポリオール成分とを混合し反応させる二液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましい。また、接着層に公知のシランカップリング剤などの少量の添加剤を加えることによって、さらに接着性を高めることができる場合がある。
共押出成形法により本発明の包装容器が備える多層構造体を製造する場合、接着層としては、ガスバリア層及び熱可塑性樹脂層との接着性を有していれば特に限定されないが、カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する接着性樹脂が好ましい。カルボン酸変性ポリオレフィンとしては、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸、そのエステル又はその無水物を化学的(例えば付加反応、グラフト反応等)に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を好適に使用できる。ここでオレフィン系重合体とは、ポリエチレン(低圧、中圧、高圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテン等のポリオレフィン、オレフィンと他のモノマー(ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステルなど)との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体等)を意味する。中でも、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの含有量5〜55質量%)、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体(アクリル酸エチルエステルの含有量8〜35質量%)が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸、そのエステル又はその無水物としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸、又はそのエステル、エチレン性不飽和ジカルボン酸、又はそのモノ若しくはジエステル、若しくはその無水物が挙げられ、中でもエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物が好ましい。具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステルなどが挙げられ、特に、無水マレイン酸が好適である。
エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加量又はグラフト量(変性度)は、オレフィン系重合体に対し0.0001〜15質量%、好ましくは0.001〜10質量%である。エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加反応、グラフト反応は、例えば、溶媒(キシレンなど)、触媒(過酸化物など)の存在下でラジカル重合法などにより行うことができる。このようにして得られたカルボン酸変性ポリオレフィンの210℃で測定したメルトフローレート(MFR)は0.2〜30g/10分であることが好ましく、0.5〜10g/10分であるであることがさらに好ましい。これらの接着性樹脂は単独で用いてもよいし、また二種以上を混合して用いることもできる。
多層構造体の平均厚みは100μm以上が好ましく、200μm以上がより好ましい。また、本発明の多層構造体の平均厚みは2000μm以下が好ましく、1000μm以下がより好ましく、800μm以下がさらに好ましい。上記多層構造体の平均厚みが100μm以上であると、耐衝撃性に優れる傾向にある。また、上記多層構造体の平均厚みが2000μm以下であると、製造コストが低下し、良好な熱成形性が得られる傾向にある。
本発明の多層構造体の層構造は特に限定されず、ガスバリア層E、接着層をAd、熱可塑性樹脂から得られる層をTで表した場合、例えばT/E/T、E/Ad/T、T/Ad/E/Ad/T等の構造が挙げられる。回収層を有する場合、回収層をRegと表すと、例えばT/Reg/Ad/E/Ad/Reg/T、T/Reg/Ad/E/Ad/T、T/Ad/E/Ad/Reg/Tの構造が挙げられる。これらの各層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。耐衝撃性を高める観点から、本発明の多層構造体は最外層に熱可塑性樹脂層を有している層構造が好ましい。
多層構造体は、共押出成形法、共射出成形法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等公知の方法により製造できる。共押出成形法としては、共押出ラミネート法、共押出シート成形法、共押出インフレーション成形法、共押出ブロー成形法等が挙げられる。
共押出装置にて多層構造体を製造する例について図1を参照しながら説明する。図1に示す共押出装置は、ポリマー(ポリマー60/ポリマー50/ポリマー60)を押し出す押出ダイ70と、押出ダイ70から押し出された多層構造体100を搬送する第1搬送ロール80及び第2搬送ロール90と、多層構造体100の第1搬送ロール80とは反対側に配設されるエアースリット110とを備える。この共押出装置により、熱可塑性樹脂層を形成するポリマー60とガスバリア層を形成するポリマー50とを押出ダイ70から共押出し、この押出ダイ70から押し出された上記ポリマーからなる多層構造体100を第1搬送ロール80及び第2搬送ロール90等により搬送させながら巻き取ることにより、多層構造体フィルムが得られる。なお、図1において、押出ダイ70、第1搬送ロール80、第2搬送ロール90及びエアースリット110については、断面構造を示すハッチングを省略している。
エアースリット110に導入するエアーAの圧力は、0.01MPa以上が好ましく、0.05MPa以上がより好ましい。また、上記エアーAの圧力は、0.4MPa以下が好ましく、0.3MPa以下がより好ましい。エアースリット110に導入するエアーAの圧力を上記範囲内とすることにより、多層構造体の平滑性を制御し、得られる包装容器表面の粗さを小さくできる。
[包装容器]
本発明の、多層構造体を備える包装容器の種類は特に限定されず、例えば、トレー状容器、カップ状容器、バッグ状容器、ボトル状容器、パウチ状容器等が挙げられる。中でも、小売店での陳列の観点からトレー状容器又はパウチ状容器が好ましい。
前記その他の層としては、例えば熱硬化性樹脂層;布帛、紙類等の繊維集合体層;木材層;ガラス層等が挙げられる。
本発明の包装容器は、収容部に食品が充填された後に、当該包装容器内部の酸素濃度が所定の濃度になるようにガス置換した状態で密閉包装が行われる。
(トレー状容器)
本発明の一実施形態である包装容器について、図2に示すトレー状容器を例にとって、具体的に説明する。但し、トレー状容器は包装容器の一例に過ぎず、以下のトレー状容器の説明は、本発明の範囲を限定するものではない。
図2のトレー状容器1は、収容部となるトレー本体2及び蓋5を備える。このトレー状容器1は、トレー本体2に内容物である食品10を充填した後、トレー状容器内部4の酸素濃度が5%以下になるようにガス置換した状態でトレー本体2の開口を塞ぐようにトレー本体2のフランジ部3に蓋5をシールすることで使用される。トレー本体2及び蓋5は、例えばフィルム状、シート状等の多層構造体を熱成形することで得られる。
トレー本体2の多層構造体は3層からなり、層構成としては、ガスバリア材であるEVOHを主成分として含むガスバリア層2bの両面側に熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを主成分として含む熱可塑性樹脂層2aが積層されている。一方、蓋5の多層構造体も3層からなり、層構成としては、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを主成分として含む第1熱可塑性樹脂層5cの上面側にガスバリア材であるEVOHを主成分として含むガスバリア層5bが積層されている。そして、このガスバリア層5bの上面側に熱可塑性樹脂であるナイロンを主成分として含む第2熱可塑性樹脂層5aが積層され、第2熱可塑性樹脂層5aが最外層を構成している。
本発明の多層構造体をトレー状容器に用いる場合、トレー本体に使用されるガスバリア材としてはEVOH又は加工デンプンが好適に用いられる。また、トレー蓋に使用されるガスバリア材としてはEVOH又はリン及び多価金属元素を含む複合構造体が好適に用いられる。
本発明の包装容器は、フィルム、シート等の多層構造体を加熱して軟化させた後に、金型形状に合わせて成形する方法(熱成形)や目的とする金型に射出して成形する方法(射出成形)等により成形できる。
熱成形方法としては、例えば真空あるいは圧空を用い、必要によりプラグを併せ用いて金型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法等)、プレス成形する方法等が挙げられる。成形温度、真空度、圧空の圧力、成形速度等の各種成形条件は、プラグ形状や金型形状、原料フィルムやシートの性質等により適当に設定される。成形温度は、成形するのに十分なだけ樹脂が軟化できる温度であれば特に限定されず、フィルム、シート等の多層構造体の構成によってその好適な温度範囲は異なる。
フィルムを熱成形する場合、加熱によるフィルムの溶解が生じたり、ヒーター板の金属面の凹凸がフィルムに転写したりするほど高温にはしない一方、賦形が十分でないほど低温にしないことが好ましく、具体的なフィルム温度は50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また、フィルム温度は120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましい。
一方、シートを熱成形する場合、フィルムの場合より高温でも成形が可能な場合がある。この場合のシート温度は、例えば130℃以上180℃以下が好ましい。
[食品の密封包装方法]
本発明の食品の密封包装方法は、例えば、成形されたトレー本体に食品を充填し、トレー状容器内部の酸素濃度が5%以下になるようにガス置換した状態でトレー本体のフランジ部に蓋をヒートシールし、トレー状容器を密封包装する方法が挙げられる。
本発明の包装容器におけるガス置換方法は公知の方法を用いることができ、例えば、ノズル式、チャンバー式、ガスフラッシュ式等が挙げられる。ノズル式は、包装容器の口部にノズルを差し込み、包装容器内を脱気した後に袋内にガスを充填する方法である。チャンバー式は、チャンバーの中に包装容器をセットしチャンバー内全体を脱気した後、チャンバー内にガスを充填する方法である。ガスフラッシュ式は、内容物の充填とともにガスを噴出させ、容器内の空気を追出しガスを置換する方法である。
[殺菌方法]
殺菌方法としては、低温殺菌(ホットパック、ボイル殺菌)、高温殺菌(レトルト殺菌)、湿熱殺菌、乾熱殺菌、高周波加熱、赤外線加熱、電気抵抗加熱等が用いられる。殺菌は食品を包装材に充填する前でも充填する後でも良いが、菌の混入を抑制するという観点から、包装材充填後の殺菌が好ましい。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態においては、包装容器の多層構造体が1又は複数のガスバリア層及び1又は複数の熱可塑性樹脂層等を備えていたが、多層構造体はガスバリア層及び熱可塑性樹脂層以外のその他の層を含んでいてもよい。その他の層を構成する樹脂組成物の種類は、特に限定されないが、ガスバリア層、熱可塑性樹脂層又はこれらの層との間の接着性が高いものが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
<実施例で使用する材料>
・「エバール(商標)J171B」:株式会社クラレ製、EVOH、エチレン単位含有量32mol%
・「エバール(商標)E105B」:株式会社クラレ製、EVOH、エチレン単位含有量44mol%
・「エバール(商標)G156B」:株式会社クラレ製、EVOH、エチレン単位含有量48mol%
・「エバール(商標)フィルム EF−XL」:株式会社クラレ製、二軸延伸EVOHフィルム、厚み12μm
・「ノバテック(商標)PP EA7AD」:日本ポリプロ株式会社製、ポリプロピレン(以下、「PP」と略記する場合がある。)
・「アドマー(商標)QF500」:三井化学社製、接着性ポリオレフィン
・「OP U−1」:三井化学東セロ株式会社製、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm(以下、「OPP」と略記する場合がある。)
・「タケラック(商標)A−385」:武田薬品工業株式会社製、二液系接着剤
・「タケネート(商標)A−10」:武田薬品工業株式会社製、二液系接着剤
・「エンブレム(商標)ONBC−15」:ユニチカ株式会社製、延伸ナイロンフィルム、厚み15μm(以下、「ONY」と略記する場合がある。)
<評価方法>
(1)ダイの表面粗さ
小型表面粗さ測定機サーフテスト「SJ−400」(接触式、株式会社ミツトヨ製)を用い、JIS−B0601(1994年)に準拠して、カットオフ値(λc)2.5mm、評価長さ(l)7.5mmで十点平均粗さ(RzJIS94)及び算術平均粗さ(Ra)を測定し、任意に選択した10か所における平均値を測定値とした。
(2)包装容器の表面粗さ
形状測定レーザマイクロスコープ「VK−X200」(非接触式、キーエンス社製)を用い、JIS−B0601(2001年)に準拠して、カットオフ値(λc)を2.5mmとし、幅1414μm、高さ1060μmの評価面積における容器の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)を測定し、任意に選択した10か所の評価面積における平均値を測定値とした。なお、多層構造体の平均厚みよりも大きい段差は表面粗さの評価値から除外するものとし、任意に選択する観測範囲においてかかる段差が含まれない範囲を選択した。
(3)回収における厚みムラ
80℃に加熱したニップロールを通し、フィルム・シート用粉砕機(株式会社ホーライ製)にてスクリーン開目穴径を15mmに調整して粉砕し、積層したフレーク状のチップを得た。内径100mmの配管50mに10m毎に5か所のL型配管を設置した。このL型配管によって、サイクロンを有するホッパーを備えた空送設備にて、フレーク上チップ1tを気流搬送し、1t搬送後のフレーク状チップを用いて、東洋精機製作所社製の20mm押出機「D2020」(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト)にて単層製膜を以下の条件で行い、単層フィルムを得た。
押出温度:供給部/圧縮部/計量部/ダイ
=180/220/220/220℃
スクリュー回転数:60rpm
吐出量:1.3kg/hr
引取りロール温度:80℃
引取りロール速度:1.1m/min.
フィルム厚み:90μm
連続製膜において、製膜開始から1時間後にMD方向にサンプリングし、2mの長さ範囲における厚みを連続厚み計にて調査した。点数は25mm間隔で採取し、その標準偏差(μm)を求めて、以下の基準で厚みムラを評価した。
A:5.0μm以下
B:5.0μm超7.5μm以下
C:7.5μm超10μm以下
D:10μm超15μm以下
E:15μm超
(4)容器内のドリップシートの滑り性測定
容器内のドリップシートの滑り性を評価するために、トレイメイト(ユニ・チャーム株式会社製)を摩擦測定器(東洋精機製作所社製)のスレッドに取り付け、スリップ板に上記で作製した多層シートを設置した。傾斜板を2.9度/秒で傾斜させ、スレッドが傾斜すると同時に傾斜を停止し、傾斜の角度を測定し、以下のように判断した。
A :15度以上で滑り開始
B :15度より低い角度で滑り開始
(5)容器の酸素透過度測定
MOCON INC.製酸素透過度測定装置OX−TRAN2/20型(検出限界値0.0005cc/pck・day・atm)を用いて多層容器及び多層フィルムの15℃50%RHの条件下でJIS−K7126−2(2006年)第2部(等圧法)に準拠して酸素透過度をそれぞれ測定した。多層容器の大きさを測定し、体積を算出した。多層容器及び多層フィルムの酸素透過度の合計を体積で割ることで、単位あたりの酸素透過度(cc/cm.day.atm)とした。なお、「0.0005cc/(pck・day・atm)」の酸素透過度とは、容器全体において、酸素1気圧下での1日の酸素透過量が容器(pck)当たりで0.0005ccであることを意味する。
(6)容器内ガス組成の測定
MOCON Europe社製 CheckPoint3にて容器内の酸素濃度を測定した。
(7)一般細菌数(好気性菌数)
15℃、50%RHにて10日間保管した後の食品衛生検査指針・微生物編(2015)を準用し、標準寒天培地法(35℃±1℃、48±3時間)にて測定を行なった。なお、いずれの実施例及び比較例においても密封包装直後の一般細菌は10CFU/g以下であった。
(8)食品の色
15℃、50%RHにて10日間保管後の食品の着色状況を目視で確認し、以下のように判断した。
A :保管前とほとんど変わらない
B :わずかに退色している
C :かなり退色している
(9)食品の匂い
15℃、50%RHにて10日間保管後の食品の匂いを確認し、以下のように判断した。
A :保管前とほとんど変わらない
B :わずかに匂いがしなくなった
C :ほとんど匂いがしなくなった
(10)食品の味
15℃、50%RHにて10日間保管後の食品の味を確認し、以下のように判断した。
A :保管前とほとんど変わらない
B :わずかに味がしなくなった
C :味が薄くなった
<実施例1>
(多層構造体(トレー本体用)の作製)
ガスバリア層としてEVOH「エバール(商標)J171B」、熱可塑性樹脂層としてポリプロピレン「ノバテック(商標)PP EA7AD」(PP)及び接着層として接着性ポリオレフィン「アドマー(商標)QF500」(Ad)を用いて、以下の方法/条件にて3種5層の多層構造体(PP/Ad/EVOH/Ad/PP=270μm/15μm/30μm/15μm/270μm)を得た。なお、製膜設備としては製膜ダイを有する押出機の後に温度コントロール可能な引き取りロールを有し、巻き取り機にて得られた多層構造体を巻き取った。
EVOH用押出機:20mmφ押出機 ラボ機ME型CO−EXT(東洋精機社製)
Ad用押出機 :25mmφ押出機 P25−18AC(大阪精機社製)
PP用押出機 :32mmφ押出機 GF−32−A(プラスチック工学研究所社製)
EVOH押出温度 供給部/圧縮部/計量部/ダイ
=175/210/220/220℃
Ad押出温度 供給部/圧縮部/計量部/ダイ
=100/160/220/220℃
PP押出温度 供給部/圧縮部/計量部/ダイ
=150/200/210/220℃
ダイ :300mm幅コートハンガーダイ(プラスチック工学研究所社製)
引取りロール温度:80℃
(トレー本体の成形)
得られた多層構造体(トレー本体用)を、熱成形機(浅野製作所製)を用いてシート温度150℃にて容器形状(縦12cm×横9cm×高さ3cm)に熱成形(圧空:5kg/cm、プラグ温度:150℃、金型温度:70℃を使用)を行い、熱成形容器(トレー本体)を得た。
(多層構造体(トレー蓋部用)の作製)
二軸延伸ポリプロピレンフィルム「OP U−1」(OPP)の片面に二液系接着剤(「タケラック(商標)A−385」/「タケネートA−10」)を固形分2.5g/mの目付で塗布後、ガスバリア層として用いる二軸延伸EVOHフィルム「エバール(商標)EF−XL」をドライラミネート法により積層した。次に、延伸ナイロンフィルム「エンブレム(商標)ONBC−15」を同様の方法で積層し、OPP/EF−XL/ONYの構成を有する多層構造体(厚み47μm)を作製した。
(包装容器の作製)
Sealpac GmbH社製セミオートマチックトレーシーラー Mを用いて、作製したトレー本体に唐揚を80g充填し、作製した多層構造体(トレー蓋部用)を蓋材として用いてガス置換密閉包装を行い食品が充填された包装容器を作製した。ガスとしては窒素ガスを使用した。
得られた包装容器について上述した(1)〜(4)の評価方法に従い、ダイの表面粗さ、包装容器の表面粗さ、回収における厚みムラ及び容器内のドリップシートの滑り性を評価した。評価結果を表1に示す。また、上述した(5)〜(10)の評価方法に従い、包装容器の酸素透過度、包装容器内ガス組成、一般細菌数、食品の色、食品の匂い及び食品の味について評価した。評価結果を表2に示す。
<実施例2〜9、比較例1〜4>
バリア層の種類、食品の種類を表1の通りに変更し、適宜EVOH押出機のスクリュー回転速度を変更した以外は、実施例1と同様の方法で包装容器を作製し評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
<実施例10>
キャスティングロールから高さ3cmの場所にエアー噴出し口の隙間が0.3mmのエアースリットを配設し、ダイから引取りロール上に押出すと同時にエアースリットにより空気を0.1MPaで吹き付けたこと以外は実施例1と同様の方法で包装容器を作製し評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
<比較例5>
キャスティングロールから高さ3cmの場所にエアー噴出し口の隙間が0.3mmのエアースリットを配設し、ダイから引取りロール上に押出すと同時にエアースリットにより空気を0.3MPaで吹き付けたこと以外は実施例1と同様の方法で包装容器を作製し評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2019085169
Figure 2019085169
実施例1では包装容器の酸素透過度の及び初期の酸素濃度、容器表面の最大高さ粗さ(Rz)、算術平均粗さ(Ra)が好適な範囲に調整されており、陳列時の外観を良好に保ちつつ、容器製造時のリサイクル性が良好であり、且つ充填された食品の品質保持期間を延長することができた。実施例2〜5では包装容器の酸素透過度又は初期の酸素濃度が実施例1と比べて高く調整されており、食品の品質評価が実施例1と比べ多少劣るものの、密封包装後10日目の包装容器内部の気体の酸素濃度O(10)が5体積%以下になったため、食品品質評価は良好な値を示すことを確認した。実施例6及び7では、エチレンなどのガス発生の可能性が低い加工食品でも実施例1と同等の効果を確認することができた。実施例8〜10では金型の内面、特に、出口部分(ダイ)内面の表面粗さや押出装置に設置したエアースリットを調整することにより、容器表面の最大高さ粗さ(Rz)、算術平均粗さ(Ra)を高く調整されており、実施例1と比べるとリサイクル性がやや劣るものの、良好にリサイクルできることを確認した。比較例1〜3では初期の酸素濃度を低く抑えたにも関わらず、包装容器の20℃、65%RHの条件下における酸素透過度が0.001cc/cm・day・atmよりも大きいため、充填された食品の品質を保持できなかった。比較例1、3、4、5では容器表面の最大高さ粗さ(Rz)、算術平均粗さ(Ra)が好適な範囲から外れることにより、陳列時の外観や、容器製造時のリサイクル性が悪化することを確認した。
本発明の包装容器は、陳列時の外観を良好に保ちつつ、リサイクル性に優れた包装容器として用いることができる。また、本発明の包装容器はガス置換時のガスの使用量を抑えても品質保持期間を延長可能であり、低コストでガス置換充填包装容器を提供できる。
1 トレー状容器
2 トレー本体
2a 熱可塑性樹脂層
2b ガスバリア層
3 フランジ部
4 容器内部
5 蓋
5a 第2熱可塑性樹脂層
5b ガスバリア層
5c 第1熱可塑性樹脂層
10 食品
50 ポリマー(ガスバリア層)
60 ポリマー(熱可塑性樹脂層)
70 押出ダイ
80 第1搬送ロール
90 第2搬送ロール
100 多層構造体
110 エアースリット

Claims (7)

  1. 内部に食品が充填され密封包装された包装容器であって、
    前記包装容器がガスバリア層を有する多層構造体を備え、JIS−B0601(2001年)に準拠して測定した前記容器表面における最大高さ粗さ(Rz)が1μm以上30μm以下であり、
    前記包装容器の20℃、65%RHの条件下における酸素透過度が0.00001cc/cm・day・atm以上0.001cc/cm・day・atm以下であり、
    密封包装後10日目の包装容器内部の気体の酸素濃度O(10)が0体積%以上5体積%以下である、包装容器。
  2. JIS−B0601(2001年)に準拠して測定した容器表面の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上2.5μ以下である、請求項1に記載の包装容器。
  3. 密封包装直後の内部の気体の酸素濃度O(0)が0.1体積%以上5体積%以下である、請求項1または2に記載の包装容器。
  4. 密封包装直後の内部の気体の酸素濃度O(0)に対する上記酸素濃度O(10)の比O(10)/O(0)が0以上1未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の包装容器。
  5. 上記気体が、窒素及び二酸化炭素から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の包装容器。
  6. 上記気体の二酸化炭素濃度が0.5体積%以上40体積%以下である、請求項5に記載の包装容器。
  7. 上記ガスバリア層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、リン及び多価金属元素を含む複合構造体、又は加工デンプンを主成分として含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の包装容器。
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