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JP2019073601A - 加水燃料の製造方法及び燃焼装置 - Google Patents

加水燃料の製造方法及び燃焼装置 Download PDF

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Hideki Yamamoto
秀樹 山本
蔦 茂治
Shigeji Tsuta
茂治 蔦
成昌 田中
Narimasa Tanaka
成昌 田中
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Abstract

【課題】加水燃料の製造が効率よく安定的に行えるとともに、加水燃料を使用しやすくする。【解決手段】燃料源と水と界面活性剤を混合して製造される加水燃料の製造方法において、次の加水燃料の界面活性剤選定方法で選定された界面活性剤を、界面活性剤として添加する。界面活性剤選定方法は、燃料源のハンセン溶解度パラメータを算出するHSP算出工程と、HSP算出工程で算出された燃料源のハンセン溶解度パラメータに基づいて、界面活性剤を選択する界面活性剤選定工程を有し、界面活性剤選定工程において、燃料源のハンセン溶解度パラメータと界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離がより近いものを優先的に選択する。【選択図】図2

Description

この発明は、燃料油や石炭などの燃料源に水を加えた加水燃料と、これを燃焼させる燃焼装置に関する。
加水燃料は使用燃料の削減やCO排出削減に有効であり、例えば下記特許文献1、2などのように様々に提案されている。
特許文献1の加水燃料は燃料油と水と乳化剤を混合したものであり、特許文献2の加水燃料は石炭粉と水と界面活性剤を混合したものであって、いずれも、所定の態様で界面活性剤(乳化剤)を添加することにより、油水分離しない良好な混合状態となる加水燃料を得るようにしている。
しかし、加水燃料を製造するための界面活性剤の選定は、多くの界面活性剤のなかから実験的に、または経験的に行われていた。界面活性剤の添加量の決定も同様であった。つまり、種類の異なる燃料源と多様な界面活性剤との混合に関して相対評価ができておらず、最適な界面活性剤を選べていない可能性があるうえに、必要量以上に界面活性剤を使用している可能性もあった。
また、加水燃料の長時間にわたる安定した分散性が困難なこともあって、図9に示したように、加水燃料の燃焼装置101にはこれまで、重油102を貯留する燃料タンク103と、水104を貯留する水タンク105と、燃料タンク103から延びる供給管106と、水タンク105から延びる供給管107を備え、供給管106,107の先を合流させてバーナ108に接続するが、バーナ108の前段で、ミキサ109を通して必ず撹拌しなければならなかった。図3中、110は空気供給のブロワ、111はボイラである。
特開2015−147842号公報 特開昭61−204296号公報
この発明は、加水燃料の製造が効率よく安定的に行えるとともに、加水燃料を使用しやすくすることを主な目的とする。
上述の課題を解決するため、水と混合される燃料源のハンセン溶解度パラメータを算出するHSP算出工程と、前記HSP算出工程で算出された前記燃料源のハンセン溶解度パラメータに基づいて、前記水と前記燃料源との混合に際して添加される界面活性剤を選択する界面活性剤選定工程を有し、前記界面活性剤選定工程において、前記燃料源のハンセン溶解度パラメータと前記界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離がより近いものを優先的に選択する加水燃料の界面活性剤選定方法を採用した。
界面活性剤選定工程で選択される界面活性剤は、単独の界面活性剤であるほか、複数の界面活性剤を混合して疎水基のハンセン溶解度パラメータを調整するもの、又は調整したものであってもよい。
この構成では、燃料源のハンセン溶解度パラメータに基づいて、燃料源を水中に分散させるのに適切な界面活性剤が数値的に選定される。
この発明によれば、燃料源のハンセン溶解度パラメータを用いて適切な界面活性剤の選定をして加水燃料の設計をするので、分散状態が長時間維持される加水燃料の製造が効率よく安定的に行えるようになる。このため、界面活性剤の使用量を低減できるほか、燃料源として、例えば褐炭などのように、燃料としての品質が低くて捨てられるだけであったものを燃料として使用できるようにすることもでき、ランニングコストの低減に多大な貢献をする。
また、長時間にわたって良好な分散性を確実に得られるので、加水燃料は製造後にタンクに貯留しても安定して使用できるため、使用しやすい。この結果、加水燃料を燃焼するための燃焼措置の構成部材を削減して、燃焼装置の簡素化をはかることもできる。
燃焼装置の概略構成図。 加水燃料の界面活性剤選定方法を示す説明図。 粉砕した褐炭を表した顕微鏡写真。 褐炭の分散性試験の結果を示す写真。 褐炭の溶解球を示す図。 分散安定性を確認した試験の結果を示す写真。 A重油の分散性試験の結果を示す写真。 A重油の溶解球を示す図。 従来の燃焼装置の概略構成図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1に、加水燃料の一例としての石炭水スラリーを用いた燃焼装置11の概略構成図を示す。この燃焼装置11は、石炭水スラリーを補助燃料として使用するものである。石炭水スラリーは、石炭のなかでも石炭化度が低く水分や不純物が多いため低品質で捨てられるだけであった褐炭を用いて製造される。
まず、加水燃料としての石炭水スラリーの製造方法について説明する。
加水燃料は、燃料源と水と界面活性剤を混合して製造される。燃料源としては、前述の褐炭などの石炭やA重油、B重油、C重油、ガソリン、灯油、軽油、植物油、動物油、廃油など燃料源から、所望のものが使用できる。この例では、前述の褐炭を用いた例を説明するが、製造方法に違いはない。
水は、水道水など適宜の水が使用でき、燃料製造に支障をきたす不純物があるなどの特別な事情がない限り、特に加工は不要である。
界面活性剤は、次の加水燃料の界面活性剤選定方法で選定される。この選定方法は、水と混合される燃料源のハンセン溶解度パラメータを算出するHSP算出工程と、HSP算出工程で算出された燃料源のハンセン溶解度パラメータに基づいて、水と燃料源との混合に際して添加される界面活性剤を選択する界面活性剤選定工程を有し、界面活性剤選定工程において、燃料源のハンセン溶解度パラメータと界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離Raがより近いものを優先的に選択するというものである(図2参照)。
ここで、ハンセン溶解度パラメータ(以下、単に「HSP」ともいう。)とは、物質間の溶解特性を表すパラメータであり、δ,δ,δという3つの凝集エネルギー成分に分割したベルトル量である。δは、分子間の分散力によるエネルギー:分散力項であり、δは分子間の双極子相互作用によるエネルギー:双極子間力項目であり、δは分子間の水素結合によるエネルギー:水素結合力項である。
HSPは、前述のようにベクトル量であるため、純粋な物質で全く同一の値を示す物質はほとんど存在しないことが知られている。また、一般的に使用される物質のHSPは、データベース化されており、データベースを参照することにより所望の物質のHSPを入手することができる。データベース化されていない物質であっても、HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)のようなコンピュータソフトウェアを用いて算出することができる。複数の物質からなる混合物の場合でも算出可能である。
燃料源として使用する褐炭は地中から産出される特殊な岩石であって、そのHSPは既知ではなく、産地ごとに異なることも考えられるため、加水燃料とするためには、図2に示したように、使用する褐炭のHSPを算出する必要がある(HSP算出工程s11)。
褐炭のHSPの算出の仕方は公知であり、おおよそ次のとおりである。まず、HSPが既知の純溶媒を複数選択して、それらと石炭との親和性を評価する。つぎに、前述のHSPを構成する3つのパラメータ(δ,δ,δ)を軸にした三次元グラフ上に、親和性の良い良溶媒と、親和性の悪い貧溶媒のHSPをプロットし、良溶媒が内側に、貧溶媒が外側になる半径最小の仮想の溶解球を作成し、この溶解球の中心を褐炭のHSPと決定する。溶解球の半径Roは相互作用半径である。
前述の純溶媒の選択に際しては、三次元空間上の貧溶媒と良溶媒のバランスに考慮する。つまり、溶解球を貧溶媒がなるべく万遍なく覆う状態となるように溶媒の種類や数を選択する。このとき、良溶媒が例外なく溶解球内に入っているか、貧溶媒が溶解球の中に入っていないかを「0.000」〜「1.000」の範囲で示したFittingパラメータが「0.8」以上であるようにする。Fittingパラメータは「1.000」に近づくほど健全性が高いものであり、前述のように「0.8」以上であれば十分な健全性を有しており、HSPの値の正確性を担保できると判断する。
褐炭のHSPを算出するため、表1に示したように14種類の溶媒(No.1〜No.14)を用いて、分散性試験を行った。各溶媒のHSP(δ,δ,δ)は前述のとおり既知であり、表1の溶剤名の右側に記してある。
試験は、溶媒30ミリリットルと粉砕した褐炭約0.05gをろうそく瓶に入れて、手で30回振盪したのち静置し、24時間後の様子を目視で観察した。
褐炭はインドネシア産のものであり、粉砕による微粒化は次のように行った。褐炭を約5.0gと、2.0mmのジルコニアボールを500gと、水100ミリリットルをポットに加えてボールミルを24時間、100rpmで行った。褐炭粉は、図3の顕微鏡写真に示したように粒径約3μm以下まで微細化できた。微細化した褐炭は、水とジルコニアボールを分離して乾燥機で乾燥させてから実験に使用した。
分散性試験の結果は、色の濃淡によってScore「1」、「2」、「3」、「0」を付した。濃いものほど分散性が良いものであり、Score「1」とし、次に色が濃いものをScore「2」とした。一方、多くの褐炭粉が沈殿しているものにScore「0」を付し、Score「0」のものほど色が薄くはないが沈殿が見られるものにScore「3」を付した。したがって、Score「2」よりも「1」のほうが良溶媒であり、Score「3」「0」は貧溶媒である。
結果は、図4の写真で示したように、良溶媒であることを示すScore「1」から、貧溶媒であることを示すScore「0」まで確認できた。表1には、各溶媒を上から「1」、「2」、「3」、「0」と、Scoreごとに順に並べている。
得られた結果から、良溶媒と貧溶媒のHSP(δd,δp,δh)を三次元空間上にプロットし、溶解球を作成した結果が、図5である。
この溶解球の中心座標が褐炭のHSPであり、褐炭のHSPは表2に示したとおり、δd,δp,δhはそれぞれ、「22.6」、「10.0」、「13.6」となることが判る。
溶解球のFittingについては、「0.926」であり、高い健全性を有することもわかる。なお、溶解球の半径であるRoは14.6である。
このようにして得られた褐炭のHSPに基づいて、適切な界面活性剤の選択を次に行う(図2参照。界面活性剤選定工程s12,s13)。
つまり、褐炭のHSPと、データベース31に保存された界面活性剤の疎水基のHSPとの距離Raを算出して、比較する(比較工程s12)。そして、褐炭のHSPと疎水基のHSPとの距離Raがより近い界面活性剤を優先的に選択する(選択工程s13)。距離Raの算出はコンピュータで行われるが、比較自体や選択は、プログラムに基づいて自動的に行っても、人手で行ってもよい。
界面活性剤選定工程s12,s13を経て、具体的には表3に示したように、
”Tetradecyltrimethylammonium Bromide”,
”Hexadecyltrimethylammonium Chloride”,
”Hexadecyltrimethylammonium Bromide”
という3つの界面活性剤が選択された。
界面活性剤の決定に際しては、前述のように距離Raがより近いものを優先的に選択するが、Raが最も近い界面活性剤を選ぶほか、分散性を確保できるならば、2番目に近い界面活性剤や3番目に近い界面活性剤などを選んでもよい。
具体的には、燃料源のハンセン溶解度パラメータと界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離Raが、HSP算出工程で作成された溶解球の半径Roの長さの60%以下の長さである界面活性剤を選択するとよい。より好ましくは、50%以下のながさの界面活性剤を選択するとよい。
選択された前述3つの界面活性剤は、溶解球の半径Roが「14.6」である褐炭のHSPに対して、距離Raがそれぞれ、「6.8」、「8.2」、「8.4」であり、いずれも距離Raは溶解球の半径Roの長さの60%以下の長さであり、距離Raは短い。
選択した界面活性剤が褐炭と水との混合に良好な分散性を示すか否かを次の実験により確認した。
実験には、界面活性剤選定工程s12,s13で選択した3つの界面活性剤のうち、最もRaの値が小さい”Tetradecyltrimethylammonium Bromide”と、比較のために、Raの値がそれよりも大きく「10.6」であり、選択から外れた“Trimethylstearylammonium Chloride”という界面活性剤を用いた。
実験は、褐炭粉の濃度を0.1g/mlとし、界面活性剤濃度を0.01w%、0.1w%、1w%の3種類として、褐炭粉と水と界面活性剤の混合液を超音波で5分間、分散処理して静置し、24時間後の様子を目視観察した。評価は、沈殿量が多いか、少ないか、また分散力を評価するために液中の粒子径を測定した。粒子径の測定は、大塚電子株式会社製の濃厚系粒径アナライザー「FPAR−1000」を用いた。
図6にその結果の写真を示す。また、表4は目視評価と粒子径測定の結果を表にまとめたものである。
図6と表4から判るように、界面活性剤選定工程s12,s13で選択した溶剤では、濃度が1.0w%でも、0.1w%でも分散性が良好であったのに対して、比較例の界面活性剤では、いずれの濃度でも沈殿量が多く、分散不良であった。また、粒子径の測定結果からは、粒径の大きなものも安定して分散していることが判る。界面活性剤の濃度は高いほど分散性が良いが、0.1w%という少量であっても良好な分散性が得られている。
このような分散性を確認する実験の結果から、褐炭のHSPと界面活性剤の疎水基のHSPとの間の距離Raが近い界面活性剤を用いることで、粒子径の大きなものも含めてたくさんの粒子を分散でき、沈殿量を少なくできることが判る。つまり、岩石の粉末である褐炭に、燃料として必要な流動性を安定して付与できる。
この実験では、比較例の界面活性剤としてRaが「10.6」のものを選んだため、前述のような結果になったが、界面活性剤選定工程s12,s13で選択した3つの溶剤(表3参照)のうち、Raが「8.2」の界面活性剤でも、「8.4」の界面活性剤でも、十分な機能を果たすと推測できる。
したがって、界面活性剤選定工程s12,s13での選択にあたっては、必ずしもRaの値が最も小さい界面活性剤を選ばなければならないわけではなく、Raの値に基づいてより小さいものの中から種々の条件、たとえば界面活性剤自体の有害性や引火性、粘度などの物性や、燃焼装置の稼働条件や、求められる安全性などの諸条件を考慮して、選択が行われる。
前述のようにして選択された界面活性剤は、燃料源と水と界面活性剤を混合して製造される加水燃料の界面活性剤として、混合に際して添加される。褐炭は、前述の実験で行ったのと同様に微粒子化してから、所定割合で水と混合する。褐炭と水との混合の前、又は後に、界面活性剤を添加して、機械や手作業で撹拌する。このように製造されるので、石炭水スラリーの製造には特別な装置は不要である。
添加する界面活性剤の濃度は、褐炭の濃度や褐炭の粒子径、粒子径分布などにより適宜設定されるが、前述のようにRaが近い界面活性剤を用いると、界面活性剤の濃度は低くてよい。
なお、燃料源のHSPがあらかじめ分かっている場合には、前述の加水燃料の製造方法から、HSP算出工程s11を省くことができ、選定すべき界面活性剤まであらかじめ分かっている場合には界面活性剤選定工程s12,s13も省略することができる。
つぎに、燃焼装置11について説明する。
燃焼装置11は、図1に示したように、主燃料である燃料油、この場合には例えばA重油を貯留する主燃料タンク12と、補助燃料である加水燃料(前述の加水燃料の製造方法で製造された加水燃料)としての石炭水スラリーを貯留する加水燃料タンク13と、燃焼を行うバーナ14と、バーナ14に空気を送るブロワ15と、主燃料タンク12とバーナ14とを接続する燃料供給路16と、加水燃料タンク13とバーナ14とを直接接続する加水燃料供給路17を備えている。図1中、18はボイラである。
加水燃料タンク13に貯留される加水燃料は、前述のように燃料源として褐炭を用いたものである。
図示は省略するが、燃焼装置11には重油の燃焼と石炭水スラリーの燃焼とを適宜切り替える制御装置が備えられている。
このように燃焼装置11は、主燃料タンク12と加水燃料タンク13を備えて、これらをそれぞれバーナ14に接続して構成される。これは、石炭水スラリーが一度混合して製造されると、高い分散性を安定して長時間にわたって維持するからであり、バーナ14への供給前に混合するミキサが不要になる。
このような構成の燃焼装置11では、主燃料タンク12にA重油を貯留し、加水燃料タンク13に前述の製造方法で製造した石炭水スラリーを貯留して、バーナ14に着火して所定の運転を行う。
前述のような加水燃料の界面活性剤の選定方法と、これを用いた加水燃料の製造方法によれば、多くの界面活性剤の中からやみくもに分散性を試す従来技術とは異なり、燃料源を水中に分散させるのに適切な界面活性剤の選定が、燃料源である褐炭などのハンセン溶解度パラメータに基づいて数値的に行える。ハンセン溶解度パラメータは、物質間の溶解特性を表すものであり、客観的に溶解性を判断できる。このため、分散状態が長時間維持される加水燃料の製造が効率よく安定的に行えるようになる。つまり、流動性の安定した加水燃料を確実に得られる。
そのうえ、HSP算出工程で作成された溶解球のFittingパラメータを0.8以上としたので、溶解球は健全性の高いものであり、選定に高い確実性を得られる。
界面活性剤選定工程s12,s13において、燃料源のハンセン溶解度パラメータと界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離Raが、HSP算出工程で作成された溶解球の半径Roの長さの60%以下の長さである界面活性剤を選択することによっても、距離Raの近さを担保でき、選定の高い確実性が得られる。
しかも、適切な界面活性剤を選定できるので、界面活性剤の使用量が少量であっても良好な分散性を得られるため、コストも低減できる。
また加水燃料の製造は、褐炭などの燃料源と水と選定された界面活性剤を混合するだけでよいので、特別の装置も不要であり、簡単に製造できる。製造する量が少量でも多量でも、同様に容易に製造可能である。
そして、一度製造した加水燃料は高い分散性を有し、中時間にわたって分散状態を維持するので、燃焼装置11の加水燃料タンク13に貯留して、そのまま燃料として供給して使用できる。このため、燃焼装置11の構成を簡素化でき、コンパクト化も図れる。
特に、燃料源として褐炭を用いた石炭水スラリーを燃焼装置11の補助燃料として使用すると、使用燃料の削減やCO排出削減に有効であるばかりでなく、前述のように界面活性剤の使用量を低減でき燃焼装置11も簡素であるためコストの低減をはかれるうえに、石炭としてほとんど価値のない褐炭の有効利用ができる。
このような加水燃料やこれを使用する燃焼装置11は、たとえば零細農家の温室などをはじめとした小規模の加熱設備として特に有効に使用できる。
加水燃料は、前述の燃焼装置11のように補助燃料としてだけではなく、単独で燃焼に使用できるように設計してもよい。
この場合には、燃料源として、例えばA重油を使用するとよい。
参考までに、A重油についても、HSPの算出を行った。HSP算出工程s11および界面活性剤選定工程s12,s13は、褐炭を例示した前述と同様である。
A重油のHSPを算出するため、表5に示したように17種類の溶媒(No.1〜No.17)を用いて、分散性試験を行った。各溶媒のHSP(δ,δ,δ)は前述のとおり既知であり、表5の溶剤名の右側に記してある。
試験は、溶媒1ミリリットルとA重油1ミリリットルをスクリュー管に入れた後、手で20回振盪し、静置して24時間後の様子を目視観察した。
その結果の写真は、図7に示すとおりであり、溶媒と相溶したものにScore「1」を、2相に分離したものにScore「0」を付した(表5参照)。
得られた結果から、良溶媒と貧溶媒のHSP(δ,δ,δ)を三次元空間上にプロットし、溶解球を作成した結果が、図8である。
この溶解球の中心座標が褐炭のHSPであり、褐炭のHSPは表6に示したとおり、δ,δ,δはそれぞれ、「20.2」、「0.1」、「12.5」となることが判る。
溶解球のFittingについては、「0.863」であり、高い健全性を有することもわかる。なお、溶解球の半径であるRoは14.1である。
あとは、このようにして得られた褐炭のHSPに基づいて、適切な界面活性剤の選択を行う(界面活性剤選定工程s12,s13)。この工程の説明は、選択される界面活性剤が前述例と異なるだけそのほかは同じであるので、省略する。
11…燃焼装置
12…主燃料タンク
13…加水燃料タンク
14…バーナ
16…燃料供給路
17…加水燃料供給路

Claims (8)

  1. 水と混合される燃料源のハンセン溶解度パラメータを算出するHSP算出工程と、
    前記HSP算出工程で算出された前記燃料源のハンセン溶解度パラメータに基づいて、前記水と前記燃料源との混合に際して添加される界面活性剤を選択する界面活性剤選定工程を有し、
    前記界面活性剤選定工程において、前記燃料源のハンセン溶解度パラメータと前記界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離がより近いものを優先的に選択する
    加水燃料の界面活性剤選定方法。
  2. 前記HSP算出工程で作成された溶解球のFittingパラメータが0.8以上である
    請求項1に記載の加水燃料の界面活性剤選定方法。
  3. 前記界面活性剤選定工程において、前記燃料源のハンセン溶解度パラメータと前記界面活性剤の疎水基のハンセン溶解度パラメータとの距離が、前記HSP算出工程で作成された溶解球の半径の長さの60%以下の長さである界面活性剤を選択する
    請求項1または請求項2に記載の加水燃料の界面活性剤選定方法。
  4. 前記燃料源が褐炭である
    請求項1から請求項3のうちいずかれ一項に記載の加水燃料の界面活性剤選定方法。
  5. 前記燃料源がA重油である
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の加水燃料の界面活性剤選定方法。
  6. 燃料源と水と界面活性剤を混合して製造される加水燃料の製造方法であって、
    請求項1または請求項2に記載された加水燃料の界面活性剤選定方法で選定された界面活性剤を、前記界面活性剤として添加する
    加水燃料の製造方法。
  7. 請求項6に記載の加水燃料の製造方法で製造された加水燃料を貯留する加水燃料タンクと、
    燃焼を行うバーナと、
    前記加水燃料タンクと前記バーナとを直接接続する加水燃料供給路を備えた
    燃焼装置。
  8. 燃料油を貯留する主燃料タンクと、
    前記主燃料タンクと前記バーナとを接続する燃料供給路を備え、
    前記加水燃料タンクに貯留される加水燃料が、前記燃料源として褐炭を用いたものである
    請求項7に記載の燃焼装置。
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