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JP2019072329A - 電気刺激装置 - Google Patents

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JP2019072329A
JP2019072329A JP2017201760A JP2017201760A JP2019072329A JP 2019072329 A JP2019072329 A JP 2019072329A JP 2017201760 A JP2017201760 A JP 2017201760A JP 2017201760 A JP2017201760 A JP 2017201760A JP 2019072329 A JP2019072329 A JP 2019072329A
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則天 河島
Sokuten Kawashima
則天 河島
公貴 生野
Kimitaka Ikuno
公貴 生野
高垣 俊之
Toshiyuki Takagaki
俊之 高垣
圭吾 永山
Keigo Nagayama
圭吾 永山
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Abstract

【課題】疲労感や痛みを低減することのできる電気刺激装置を提供する。【解決手段】電気刺激装置は、生体に装着する電極(第一電気刺激用電極3,第二電気刺激用電極4)と、電極3,4に印加するパルスを供給するパルス出力手段12と、パルス出力手段12を制御する制御部15と、を備えている。制御部15は、電極3,4に継続して印加される所定の数のパルスについて、パルスの周波数及び/又は強度を、一様分布又はガウス分布に基づいてランダムに変化させる。【選択図】図2

Description

本発明は、電気刺激装置に関するものである。
従来から、麻痺した手足の機能向上を目的とした機能的電気刺激(FES:Functional Electrical Stimulation)、疼痛緩和等を目的とした治療的電気刺激(TES:Therapeutic Electrical Stimulation)、筋力低下予防等を目的とした神経筋電気刺激(NMES:Neuromuscular Electrical Stimulation)が知られており、特許文献1には、足関節周囲筋群の複数の各筋を個別に電気刺激を与える機能的電気刺激システムが記載されている。複数の筋を個別に刺激しているが、各筋に与えられる電気刺激のパルスの周波数は一定となっている。
特開2013−94305号公報
電気刺激のパルスの周波数が一定の場合、筋疲労が生じやすく、治療を受ける患者が疲労感や痛みを感じやすいという課題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、疲労感や痛みを低減することのできる電気刺激装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明の電気刺激装置は、生体に装着する電極と、前記電極に印加するパルスを供給するパルス出力手段と、前記パルス出力手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電極に継続して印加される所定の数の前記パルスについて、前記パルスの周波数及び/又は強度を一様分布又はガウス分布に基づいてランダムに変化させることを特徴とする。
この構成によれば、限局された運動単位だけを動員するのではなく、より広範囲にわたる運動単位を動員することになり、随意運動に近くなる。その結果、疲労感の軽減につながる。また、痛みや不快感が生じにくくなるため、より強い電気刺激を与えることができ、治療効果の向上や治療効率の向上が期待できる。
請求項2に係る電気刺激装置は、複数の前記パルスが連続して出力される出力期間と前記パルスが出力されない休止期間とが交互に繰り返され、複数の前記出力期間に含まれる前記パルスの周波数及び/又は強度が一様分布又はガウス分布になっていることを特徴とする。
この構成によれば、痛みや不快感が生じにくくなるため、より強い電気刺激を与えることができ、治療効果の向上が期待できる。また、治療頻度を増やすことができ、治療効果と治療効率を向上することができる。また、治療可能な対象者の拡大により治療効果を拡大することができる。
請求項3に係る電気刺激装置は、前記パルスの周波数及び/又は強度がランダムに変化するデータが配列されたテーブルを記憶する記憶手段を備え、前記データの分布は一様分布又はガウス分布になっており、前記制御部は、前記テーブルの前記データを順次参照して前記パルスの周波数及び/又は強度を設定することを特徴とする。
この構成によれば、パルスの周波数及び/又はパルスの強度を設定する際に、計算で求める場合に比べて速く設定することが可能であり、パルスの出力に追従して設定することができる。また、再現性の高い正確なランダム電気刺激が実現可能であり、より効果的な出力パターンを設定することができる。また、テーブルに配列されるパルスの強度のデータを所定値以下となるようにすることができるため、非常に強い電気刺激が出力されることがなく、安全性が高まる。
請求項4に係る電気刺激装置は、前記制御部は、所定値以下となるように前記パルスの強度を制御することを特徴とする。この構成によれば、非常に強い電気刺激が出力されることがなく、安全性が高まる。
請求項5に係る電気刺激装置は、前記パルスを前記生体に印加して確認しながら、前記パルスの強度の最大値を設定可能であることを特徴とする。この構成によれば、被治療者の状態や好みに合わせて、電気刺激の強度を設定することができる。
請求項6に係る電気刺激装置は、前記制御部は、前記パルスの周波数をガウス分布に基づいてランダムに変化させ、前記ガウス分布の±2σの範囲が、前記パルスの周波数の平均値の±30%までの範囲であることを特徴とする。この構成によれば、疲労感の軽減や治療効果の向上という効果をより高めることができる。
本発明によれば、限局された運動単位だけを動員するのではなく、より広範囲にわたる運動単位を動員することになり、随意運動に近くなる。その結果、疲労感の軽減につながる。また、痛みや不快感が生じにくくなるため、より強い電気刺激を与えることができ、治療効果の向上や治療効率の向上が期待できる。
本発明の実施の形態に係る電気刺激装置の平面図である。 同電気刺激装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は同電気刺激装置の刺激用電極に印加されるパルス波形図であり、(b)は出力期間を拡大して示すパルス波形図である。 (a)は一様分布を表す図であり、(b)はガウス分布を表す図である。 被験者に電気刺激を行った実験を説明する図である。 効果検証実験による底屈トルクの測定結果を示す図であり、(a)は条件Aの場合であり、(b)は条件Bの場合であり、(c)は条件Cの場合である。
以下、本発明の実施の形態に係る電気刺激装置について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態による電気刺激装置1は、電気刺激を出力するための電気回路が内部に設けられた装置本体2と、被治療者の麻痺部位の皮膚表面に配されて電気刺激の印加を行う第一電気刺激用電極3及び第二電気刺激用電極4と、第一電気刺激用電極3、第二電気刺激用電極4の各々を装置本体2に接続する第一電極ケーブル5、第二電極ケーブル6とを主たる構成としている。
第一電気刺激用電極3は2個の電極3a、3bから構成され、電極3a、3bは、その裏面が被治療者の皮膚表面に貼り付ける貼付面とされるホック式のゲル電極によって構成されている。電極3a、3bの各ホックは中途位置で二本に分岐した第一電極ケーブル5の各先端側に係着され、第一電極ケーブル5の基端側の接続プラグ5aは装置本体2の上側面左方に設けられた第一出力コネクタ7に着脱自在に挿嵌される。
第二電気刺激用電極4は2個の電極4a、4bから構成され、電極4a、4bは、その裏面が被治療者の皮膚表面に貼り付ける貼付面とされるホック式のゲル電極によって構成されている。電極4a、4bの各ホックは中途位置で二本に分岐した第二電極ケーブル6の各先端側に係着され、第二電極ケーブル6の基端側の接続プラグ6aは装置本体2の上側面右方に設けられた第二出力コネクタ8に着脱自在に挿嵌される。
装置本体2の表面には、治療条件の設定や変更などを行う操作スイッチ部9、設定された治療条件などの情報を表示する液晶表示部10、LED表示部11が設けられている。操作スイッチ部9は、主電源の入切を行う電源スイッチ9a、電気刺激の出力を調整する調節摘み9b、液晶表示部10のカーソルの上移動及び治療条件の設定値の増加を行う上スイッチ9c、液晶表示部10のカーソルの下移動及び治療条件の設定値の減少を行う下スイッチ9d、液晶表示部10のカーソルの左移動及び右移動を各々行う左スイッチ9e及び右スイッチ9f、治療条件の設定及び変更を行う決定スイッチ9g、電源スイッチ9aと操作ロックスイッチ9h以外の操作を無効にする操作ロックスイッチ9hの各種スイッチ群より構成されている。
図2は、電気刺激装置1の電気的構成を示すブロック図である。電気刺激装置1は、パルス出力手段12、電源回路13、電池電圧検出回路14、制御部15、記憶部16及び通信回路17を有しており、これらは装置本体2の内部に設けられている。制御部15は、液晶表示部10、LED表示部11、パルス出力手段12、記憶部16及び通信回路17を制御するもので、マイクロコンピュータ(マイコン)により構成される。記憶部16は、設定された治療条件などを読み出し可能に記憶するもので、例えば不揮発性メモリ(EEPROM)で構成される。通信回路17は、例えば近距離無線通信などによりタブレット端末(外部機器)50との間で情報の送受信を行うための回路である。操作スイッチ部9を操作する代わりに、タブレット端末50によって電気刺激装置1を操作することができる。また、タブレット端末50は、治療状況等の表示が可能であり、刺激パターン等の治療条件の記憶が可能である。
パルス出力手段12は、第一電気刺激用電極3及び第二電気刺激用電極4に電気刺激を供給する手段であり、電池電源18、電池電源18の電圧を昇圧し出力用電源として供給するDC−DCコンバータ19、DC−DCコンバータ19から入力された電圧を制御する出力制御回路20、出力制御回路20からの出力電圧を昇圧する第一出力トランス21及び第二出力トランス22、第一出力トランス21からの出力電流を検出する第一電流検出回路23、第二出力トランス22からの出力電流を検出する第二電流検出回路24から構成されている。第一電流検出回路23及び第二電流検出回路24で検出された出力電流信号は制御部15に入力され、制御部15は出力制御回路20を制御することで、例えば過電流の発生を防止している。
電池電源18は、具体的には単三乾電池(例えば、1.5V)4本が直列に接続されて構成され、図示は省略するが装置本体2の裏面に形成される電池収容部に装填することが可能となっている。尚、電池電源18の種類や使用本数は、単三乾電池4本に限定されることなく、アルカリ、ニッケル・カドミウム、ニッケル水素などの他の市販乾電池のほか、リチウムイオン二次電池などの充電式電池を採用しても構わない。また、電池電圧検出回路14によって電池電源18の電圧値を検出し、電池電圧検出回路14により電池電源18の電圧値が第一の閾値にまで低下したことが検出されると、制御部15は電圧値の低下を液晶表示部10に画像表示して治療者等に報知する。また、電池電源18の電圧値が第一の閾値より低い電圧値とされる第二の閾値に到達すると、制御部15は電気刺激装置1の電源を切断する。なお、電源回路13は、電池電源18に接続され制御部15に制御用電源を供給するための回路である。
電気刺激装置1の治療モードとしては、周波数及び/又は強度がランダムに変化するパルスを出力するランダムモードがある。また、ランダムモードの他に、一定周波数及び一定強度のパルスを出力するノーマルモード、治療対象部位の筋活動電位に比例した強度のパルスを出力するパワーアシストモード、治療対象部位とは異なる部位の筋活動電位に比例した強度のパルスを治療対象部位に出力する外部アシストモード、一定周波数及び一定強度のパルスを一定期間ずつ周期的に出力するバーストモード、外部センサ(圧力センサ、角度センサ、加速度センサ等)からの入力によりパルス出力のオン/オフを制御するセンサトリガモード等のうちの1つ又は複数のモードを、電気刺激装置1の治療モードとして設けるようにしてもよい。
次に、第一電気刺激用電極3及び第二電気刺激用電極4(以下、単に「電極」という場合がある)に印加する電圧波形又は電流波形について、電圧波形を例にして説明する。図3(a)に示すように、パルスが電極に連続して印加される出力期間Taと、パルスが電極に印加されない休止期間Tbとが交互に繰り返される。出力期間Taでは、図3(b)に示すように矩形波のパルス(パルス幅Tw)が電極に印加され、連続するパルスの周波数fが例えば、f1、f2(<f1)、f3(>f1)のようにランダムに変化する。ここで、周波数fの各値が設定される確率は所定の確率分布になるように設定されており、所定の確率分布とは、一様分布又はガウス分布である。すなわち、電極に継続して印加される所定の数のパルスについて、パルスの周波数fが所定の確率分布に基づいてランダムに変化している。
図4(a)は一様分布を示しており、パルスの周波数fがとり得る値は、中心周波数(周波数fの平均値)fcを中心とした、(1−a)fc〜(1+a)fcの周波数であり、この範囲内の各周波数fが同じ確率で設定される。この範囲は適宜設定すればよく、例えば中心周波数fcに対する30%の範囲(a=0.15)、すなわち、0.85fc〜1.15fcの範囲に設定すればよい。
図4(b)はガウス分布を示しており、設定されるパルスの周波数fの標準偏差をσとするとき、例えば±2σの範囲が、周波数fの平均値fcの±30%までの範囲になるように設定すればよい。
次に、一様分布及びガウス分布において、中心周波数fcと周波数fの変動範囲の設定方法について説明する。ここで、一様分布の場合、±aの値を設定することで周波数fの変動範囲が設定され、ガウス分布の場合、±2σの値を設定することで周波数fの変動範囲が設定される。中心周波数fcと周波数fの変動範囲は、液晶表示部10に表示された候補値の中から操作スイッチ部9を操作して選択する。中心周波数fcの候補値として、例えば1Hz、及び、5〜100Hz(5Hz間隔)の値が表示される。周波数fの変動範囲の候補値として、例えば±5%〜±30%(±5%間隔)の値が表示される。なお、これらの候補値は例示の値に限定されるものではなく、候補値の間隔を小さくして細かく設定できるようにしてもよい。なお、パルスの幅Twは、例えば0.1〜1msの値で設定できる。
次に、パルスの周波数fをランダムに設定する方法について説明する。図4(a)に示す一様分布の場合、マイコン標準の関数である一様分布を作成する関数を用いて周波数fの変動値を決定し、中心周波数fcに変動値を加えた値を周波数fとして設定する。また、図4(b)に示すガウス分布の場合、マイコン標準の関数である一様分布を作成する関数とボックスミュラー法を用いてガウス分布を作成し、周波数fの変動値を決定する。そして、中心周波数fcに変動値を加えた値を周波数fとして設定する。ここで、ボックスミュラー法は、一様分布に従う確率変数から標準ガウス分布に従う確率変数を生成させる方法である。以上のような関数を用いてパルスの1周期毎に変動値を計算して周波数fを設定する。
パルスの周波数fをランダムに設定する場合、図3(a)の1つの期間Taにおける周波数fが一様分布又はガウス分布になるようにしてもよく、2つの期間Taや図3(a)の期間Tg(2つの期間Taと半分の期間Taを含む)などのように複数の期間Taにおける周波数fが一様分布又はガウス分布になるようにしてもよい。マイコン標準の関数を使用して設定される周波数fについて、その周波数fが構成する確率分布は、データ数が限られるため一様分布又はガウス分布に厳密に一致するものではなく、一様分布又はガウス分布の近似分布になるが、本発明における一様分布又はガウス分布は、そのような近似分布を含むものとする。
パルスの周波数fをランダムに設定する場合、上記のような関数を用いて周波数fの変動値を計算する方法では、パルスの1周期毎に変動値を計算する必要があり、周波数fの設定が時間的に間に合わないことが考えられる。そこで、周波数fのデータが配列されたテーブルを予め作成して記憶部16に記憶させておき、記憶部16のテーブルのデータを順次参照して周波数fを設定する。このようにテーブルのデータを参照することで、パルスの1周期毎に変動値を計算で求める場合に比べて速く周波数fを設定することが可能であり、パルスの出力に追従して周波数fをランダムに設定することができる。なお、操作スイッチ部9を操作して中心周波数fcと周波数fの変動範囲を設定したときに、周波数fのデータが配列されたテーブルを作成すればよい。なお、テーブルは制御部15の内部メモリに記憶させてもよい。
ここで、図3(a)の1つの期間Taにおける周波数fが一様分布又はガウス分布になるようにして、パルスの周波数fをランダムに設定する例を説明する。パルスの1周期毎に変動値を計算して周波数fを設定する場合、例えば或る期間Taではf1、f2、f3、・・・と設定され、その次の期間Taではf2、f1、f3、・・・と設定され、周波数fの設定パターンが異なる。これに対し、テーブルのデータを参照して周波数fを設定する場合、或る期間Taとその次の期間Taとで周波数fの設定パターンは同じになるため、再現性の高い正確なランダム電気刺激が実現可能である。また、テーブルのデータの配列を適宜設定することで、より効果的な出力パターンを設定することができる。
また、調節摘み9bの操作により強度を調整しながらパルスを被治療者に印加し、被治療者に確認しながらパルスの強度の最大値を設定できるように、電気刺激装置1を構成してもよい。この構成によれば、設定された最大値を超える強度のパルスが出力されないので、被治療者の状態や好みに合わせた電気刺激を行うことができる。
次に、本実施の形態による電気刺激装置1によって被験者に電気刺激を行ったときの効果検証実験について、図5を参照して説明する。図5では、電気刺激装置1の一部構成を省略して示している。図5に示すように、被験者hを椅子30に座らせた状態で、右足をフォースプレート31上に固定した。電気刺激用の電極である陽極3aを右腓腹筋内側頭起始部に、陰極3bをアキレス腱にそれぞれ貼付した。陽極3a、陰極3bの形状は50mm×50mmの正方形とした。5秒間の安静時ベースライン計測の後、5秒間電極にパルスを印加して電気刺激を行い、その後20秒間の安静状態を保つ30秒間を1試行とし、試行の終了直後に自覚的な痛みと不快感をNRS(Numerical Rating Scale)を用いて評価した。NRSは、直線を「痛みがない(又は不快感がない):0」から「最悪な痛み(又は最悪な不快感):10」までの11段階に区切って、被験者自身に現在の痛み(又は不快感)に相応する数値を示してもらい、痛み(又は不快感)を評価する方法である。また、電気刺激を行っている5秒間において、フォースプレート31に備えられた荷重センサ32により足関節底屈トルクを計測した。すなわち、安静時ベースラインから電気刺激時の底屈トルクの差分を算出することで、電気刺激の強度および次項に示す3条件間の発揮トルクレベルを定量化、比較することがねらいである。
実験で用いた電気刺激の条件は次に示す3通りである。条件Aの電気刺激として、図4(a)の一様分布になっている周波数fで中心周波数fcを40Hzとし、変動範囲をfcの±15%として、周波数fがランダムに変化するパルスを電極に印加した。条件Bの電気刺激として、図4(b)のガウス分布になっている周波数fで中心周波数fcを40Hzとし、±2σをfcの±15%として、周波数fがランダムに変化するパルスを電極に印加した。条件Cの電気刺激として、周波数fが一定のパルスを電極に印加し、周波数fを40Hzとした。電気刺激の刺激強度は180%運動閾値強度とし、各条件A,B,Cについて10試行ずつ行った。各条件A,B,Cにおける1試行での刺激自体の強度と総パルス数を同一とした。また、被験者として、健常若年者9名(年齢25.4±2.8,身長171.3±7.3cm,体重60.3±9.3kg)を対象とした。
痛みのNRS評価値について、条件の違いによる効果を繰り返しあり一元配置分散分析によって検討し、多重比較検定を用いて条件間の差異を解析した。その結果、痛みのNRS評価値は、条件Aの場合3.3±1.26であり、条件Bの場合3.2±0.87であり、条件Cの場合4.5±1.91であり、p値はp<0.05である。この結果により、痛みのNRSは条件Cの場合と比較して条件A及び条件Bの場合に有意に低い値を示していることがわかる。
不快感のNRS評価値について、条件の違いによる効果を繰り返しあり一元配置分散分析によって検討し、多重比較検定を用いて条件間の差異を解析した。その結果、不快感のNRS評価値は、条件Aの場合3.3±1.89であり、条件Bの場合3.4±1.83であり、条件Cの場合4.3±2.1であり、p値はp<0.08である。この結果により、不快感のNRSは条件Cの場合と比較して条件A及び条件Bの場合に統計学的有意差はないものの不快感が低い傾向を示している。
底屈トルク値について条件の違いによる効果を繰り返しあり一元配置分散分析によって検討したところ、統計的有意性は認められなかった。しかし、ランダム化したパルス形態である条件A及び条件Bの場合に初期のトルク増加の効率が良い傾向を示す被験者や、図6に示すように、条件Cにて典型的に生じる刺激強度を増加させた際の過度なトルク増加(テタヌス収縮)が条件A及び条件Bの場合に減弱する被験者を複数認めた。図6は、電気刺激の刺激強度を148%運動閾値強度(図6中に破線bで示す)、152%運動閾値強度(図6中に実線aで示す)とした場合の底屈トルクの測定結果を示しており、図6(a)は条件Aの場合であり、同図(b)は条件Bの場合であり、同図(c)は条件Cの場合である。図6において、破線で示した直線は148%運動閾値強度の底屈トルクの平均値を示す。以上の結果から、条件Cの電気刺激によって生じる同一運動単位の動員によるpotentiationや高強度の電気刺激によって生じる筋の強収縮感や痛みが、パルスの周波数fをランダム化することで軽減されると考えられる。
この実施の形態による電気刺激装置1によれば、限局された運動単位だけを動員するのではなく、より広範囲にわたる運動単位を動員することになり、随意運動に近くなる。その結果、疲労感の軽減につながる。また、痛みや不快感が生じにくくなるため、より強い電気刺激を与えることができ、治療効果の向上が期待できる。また、出力期間Taと休止期間Tbとが交互に繰り返され、複数の出力期間Taに含まれるパルスの周波数が一様分布又はガウス分布になっていることにより、適度に休止期間Tbを挟みながら印加されるパルスの周波数の確率分布を、厳密な意味での一様分布又はガウス分布に近づけることができる。このため、痛みや不快感が生じにくくなり、より強い電気刺激を与えることができ、治療効果の向上が期待できる。また、治療頻度を増やすことができ、治療効果と治療効率を向上することができる。また、治療可能な対象者の拡大により治療効果を拡大することができる。なお、休止期間Tbを設けず、パルスを継続して出力するようにした場合でも本発明を適用することができる。
上記実施の形態では、パルスの周波数fをランダムに変化させた電気刺激について説明したが、パルスの周波数fを一定としパルスの強度、例えば、パルス幅、電流、電圧をランダムに変化させ、そのときのパルスの強度の確率分布が一様分布又はガウス分布になるようにしてもよい。例えば、パルスの幅とパルスの高さの少なくとも一方をランダムに変化させることで、パルスの強度をランダムに変化させることができる。パルスの周波数fを一定としパルスの強度をランダムに変化させた電気刺激を被験者に行った場合でも、上記実施形態のようにパルスの周波数fをランダムに変化させた電気刺激を被験者に行った場合と同様に、疲労感の軽減や痛みや不快感が生じにくくなるという効果を得ることができる。
ここで、パルスの強度をガウス分布に基づいてランダムに変化させる場合、発生確率は低いが非常に高い強度に設定される可能性がある。そこで、電気刺激装置1の制御部15は、パルスの強度が被治療者に印加しても問題ない程度である所定値以下になるように制御する。この構成によれば、非常に強い電気刺激が出力されることがなく、安全性が高まる。また、パルスの強度のデータをテーブルに配列する際、非常に高い強度のデータを取り除くことで、テーブルに配列されるパルスの強度のデータを所定値以下となるようにすることができる。このため、テーブルを参照してパルスの強度を設定する場合、非常に強い電気刺激が出力されることがなく、安全性が高まる。
また、パルスの周波数f及びパルスの強度を、一様分布又はガウス分布に基づいてランダムに変化させた電気刺激を被験者に行った場合でも、上記実施形態のように電気刺激によって動員される運動単位に一定のばらつきを持たせることが可能となり、かつ、同一の運動単位を同じ感覚で強制的に動員させることを避けられることから、パルスの周波数fをランダムに変化させた電気刺激を被験者に行った場合と同様に、疲労感の軽減や痛みや不快感が生じにくくなるという効果を得ることができる。
本発明は、上述の実施形態で説明した電気刺激装置に限定されることなく、種々の電気刺激装置全般に適用することができる。例えば、前述のパワーアシストモードや外部アシストモードを有する電気刺激装置において、パルスの周波数fをランダムに変化させることができる。また、前述のセンサトリガモードを有する電気刺激装置において、パルスの周波数f及び/又は強度をランダムに変化させることができる。また、上述の実施形態では低周波の場合を説明したが、中周波や干渉波を用いた電気刺激装置についても本発明を適用することができる。
なお、電気刺激出力に対して本発明に関する所定の変動を与えるものであれば、電気刺激装置の電気的構成は図2で説明したブロック図に限定されない。
上肢又は下肢に麻痺がある被治療者が、麻痺部位の運動機能訓練を行う場合などに用いられる電気刺激装置に適用することができる。
1 電気刺激装置
2 装置本体
3 第一電気刺激用電極
3a、3b 電極
4 第二電気刺激用電極
4a、4b 電極
5 第一電極ケーブル
6 第二電極ケーブル
7 第一出力コネクタ
8 第二出力コネクタ
9 操作スイッチ部
10 液晶表示部
11 LED表示部
12 パルス出力手段
13 電源回路
14 電池電圧検出回路
15 制御部
16 記憶部
17 通信回路
18 電池電源
19 DC−DCコンバータ
20 出力制御回路
21 第一出力トランス
22 第二出力トランス
23 第一電流検出回路
24 第二電流検出回路
50 タブレット端末

Claims (6)

  1. 生体に装着する電極と、前記電極に印加するパルスを供給するパルス出力手段と、前記パルス出力手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電極に継続して印加される所定の数の前記パルスについて、前記パルスの周波数及び/又は強度を一様分布又はガウス分布に基づいてランダムに変化させることを特徴とする電気刺激装置。
  2. 複数の前記パルスが連続して出力される出力期間と前記パルスが出力されない休止期間とが交互に繰り返され、複数の前記出力期間に含まれる前記パルスの周波数及び/又は強度が一様分布又はガウス分布になっていることを特徴とする請求項1に記載の電気刺激装置。
  3. 前記パルスの周波数及び/又は強度がランダムに変化するデータが配列されたテーブルを記憶する記憶手段を備え、前記データの分布は一様分布又はガウス分布になっており、前記制御部は、前記テーブルの前記データを順次参照して前記パルスの周波数及び/又は強度を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気刺激装置。
  4. 前記制御部は、所定値以下となるように前記パルスの強度を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気刺激装置。
  5. 前記パルスを前記生体に印加して確認しながら、前記パルスの強度の最大値を設定可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気刺激装置。
  6. 前記制御部は、前記パルスの周波数をガウス分布に基づいてランダムに変化させ、前記ガウス分布の±2σの範囲が、前記パルスの周波数の平均値の±30%までの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電気刺激装置。
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