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JP2019068055A - 素子実装装置、素子実装方法及び素子実装基板製造方法 - Google Patents

素子実装装置、素子実装方法及び素子実装基板製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容易且つより確実に多行多列の素子をピックアップでき、一括して基板に実装することのできる素子実装装置及び素子実装方法を提供する。【解決手段】移送部5は、素子EをストックするキャリアCが載置されたキャリア台3と基板Sが載置された実装台4との間を移動すると共に、キャリアCから多行多列の素子Eを一括してピックアップして、ピックアップした多行多列の素子Eを基板Sに一括して移す。この移送部5は、多行多列の素子Eを包含する領域と同じか若干広い粘着シートAを保持する。そして、移送部5は、キャリアCに粘着シートAを押し付けて多行多列の素子Eを粘着シートAに貼り付けることで、キャリアCから多行多列の素子Eを一括してピックアップする。【選択図】図1

Description

本発明は、素子実装装置、素子実装方法及び素子実装基板製造方法に関する。
回路パターンが形成された基板に半導体素子、抵抗及びコンデンサ等の素子を実装する素子実装装置が普及している。素子実装装置は、素子がストックされた素子供給体と素子を実装する基板との間を往復する素子の移送部を有する。移送部は、素子を一つずつ素子供給体からピックアップして、基板まで素子を保持して搬送し、基板上に素子を離脱させる。基板には、ACF(Anisotropic Conductive Film)、ACP(Anisotropic
Conductive Paste)、NCF(Non Conductive Film)、NCP(Non Conductive Paste)又は均質共晶半田等の導電性接合材料が形成されており、基板に素子を配置してから加熱加圧することにより、素子が基板に実装される。
移送部による素子の保持方法としては真空吸着や静電吸着等の吸着が多用されている。真空吸着が採用される場合、素子実装装置の移送部には吸引穴が形成される。吸引穴にはコンプレッサやエジェクタを有する空気圧回路に接続されており、吸引穴には負圧が発生する。移送部は、負圧により吸引穴に素子を吸い付けることで、素子供給体から素子をピックアップし、基板まで搬送し、真空破壊や大気開放等による負圧解除によって基板にて素子を離す。静電吸着が採用される場合、ベース基板に多数のメサ形構造体が形成され、メサ形構造体に電極及び誘電体層が設けられる。このメサ形構造体を有する静電力発生部が素子に対する局所的な吸着点となって、電圧の印加による静電力によって各静電力発生部に素子を吸い付ける。
近年、素子の微小化が非常に速いペースで進展している。一辺のサイズが50μmや10μmといった200μm以下の素子も提案されている。これら素子は、例えば50μmや10μmといったミニLEDやマイクロLEDであり、ディスプレイ用の表示基板にRGBの各画素として多行多列に配列され、またバックライトの発光体として照明基板に配列される。
特表2015−505736号公報
移送部により微小な素子を吸着保持する場合、微小化された素子よりも更に小さい吸引穴又はメサ形構造体を用意する必要があり、互いに微小となった素子とこれら吸着部を精度良く位置合わせをすることが困難となってきている。例えば、10μmの素子を3μmの吸引穴で吸着する場合、素子と吸引穴とが4μm位置ズレするだけで、吸引穴を素子で塞ぐことができずに吸引力が低下し、または吸引穴に素子が落ち込んで傾いてしまい、ピックアップに失敗するか、基板への移送中に素子が脱落してしまう。
素子と吸引穴やメサ形構造体といった吸着部が各々一個の場合には、吸着部の位置を高精度に管理したり、吸着部と素子を相対的に移動させて互いの位置を高精度に補正することで、微小化された吸着部と素子でも互いの位置を合致させることは可能である。しかしながら、生産効率の観点から多行多列の素子を一括してピックアップし、一括して基板に実装する必要性に迫られる場合もある。例えば、LEDを画素として表示基板に搭載する場合、表示基板が4K対応であれば、RGBのうちの一色で少なくとも800万個以上のLEDを表示基板に実装する必要があり、生産効率の観点から、多行多列のLEDを一括してピックアップし、一括して基板に実装する必要がある。
多行多列の微小な素子を一括して取り扱う場合には、多行多列の素子と多行多列の吸着部の全てが個々に精度良く合致しなければならない。しかしながら、多行多列の素子と多行多列の吸着部の全てを精度良く位置合わせできるように管理することは、素子と吸着部が各々一個の場合と比べても桁違いに困難である。しかも、全ての素子と吸着部の位置を個別に補正することは不可能に近いので、多行多列の素子の一部が吸着部と位置ズレしていると、これを解決することは難しい。
そうすると、素子供給体から素子を取り残してしまったり、吸着不十分で保持してしまうことで搬送中に素子を脱落させてしまったりして、素子が未実装の領域が存在する基板となってしまう。即ち、製品の歩留まりが低下してしまったり、未実装域を1つずつ素子で埋めていく後作業が必要になって生産効率が低下してしまったりする。
本発明は、上述のような課題を解決するために提案されたものであり、容易且つより確実に多行多列の素子を一括してピックアップでき、一括して基板に実装することのできる素子実装装置、素子実装方法及び素子実装基板製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る素子実装装置は、素子がアレイ状に整列した素子供給体が載置される供給台と、前記素子がアレイ状に配置される基板が載置される実装台と、前記供給台と前記実装台との間を複数回往復移動して、前記供給台に戻る度に、前記素子供給体から一度に多行多列ずつ前記素子をピックアップして、前記実装台に至る度に、ピックアップした前記多行多列ずつ前記素子を前記基板に移す移送部と、を備え、
前記移送部は、前記多行多列の素子を包含する領域と同じか若干広いシートであり、規定温度によって粘着力が喪失又は低下する粘着シートを保持する保持部と、前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記規定温度以上に前記保持部を加熱するヒータと、を有し、前記素子供給体に前記粘着シートを押し付けて前記多行多列の素子を前記粘着シートに貼り付けることで、前記素子供給体から前記多行多列の素子を一度にピックアップし、前記規定温度以上に加熱することで、ピックアップした前記素子を前記粘着シートから剥離させて前記基板に一括して移すこと、を特徴とする。
前記粘着シートは、規定温度によって粘着力が喪失又は低下する熱剥離シートであり、前記移送部は、前記粘着シートを保持する保持部と、前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記規定温度以上に前記保持部を加熱するヒータと、を有するようにしてもよい。
前記保持部は、前記粘着シートの保持面が矩形形状を有し、一辺の長さが120mm以下であるようにしてもよい。
前記保持部は、熱膨張係数が18×10−6/K以下の素材で構成されるようにしてもよい。
前記素子供給体は、前記保持部の前記粘着シートよりも低い温度で粘着力が喪失又は低下する別の粘着シートを備え、前記別の粘着シートに前記素子をアレイ状に貼り付けて成り、前記ヒータは、前記保持部が前記素子をピックアップする際、前記保持部が保持する前記粘着シートが粘着力を喪失又は低下する温度よりも低く、前記素子供給体が備える前記別の粘着シートが粘着力を喪失又は低下する温度以上の温度に、前記保持部を加熱するようにしてもよい。
前記ヒータは、前記粘着シートを介して前記保持部によって保持されている前記多行多列の素子の配置位置が前記基板への配置位置に適合するまで、前記保持部を加熱して熱膨張させるようにしてもよい。
前記基板には紫外線によって硬化する導電性接合材料が形成され、前記実装台は、前記基板への紫外線照射部を有し、前記ヒータは、前記紫外線照射部が前記基板へ紫外線を照射し、前記導電性接合材料で前記基板と前記多行多列の素子が接合されてから、前記ヘッドを加熱するようにしてもよい。
帯状の前記粘着シートを走行させ、粘着力が喪失又は低下していない領域を前記保持部に供給するシート供給部を備えるようにしてもよい。
前記シート供給部は、前記帯状の粘着シートの走行経路途中に、前記保持部が保持する前記粘着シートを打ち抜くカッターを備えるようにしてもよい。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る素子実装方法は、素子がアレイ状に並べられた素子供給体から一度に多行多列の素子をピックアップして、ピックアップした前記多行多列の素子を基板に一括して移す素子実装方法であって、前記多行多列の素子を包含する領域と同じか若干広い粘着シートを前記素子供給体に押し付けて、前記多行多列の素子を前記粘着シートに貼り付けるピックアップステップと、前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記粘着シートの粘着力が喪失又は低下する規定温度以上に前記粘着シートを加熱させて、前記多行多列の素子を前記粘着シートから剥離させる実装ステップと、を含み、前記ピックアップステップと前記実装ステップとを複数回繰り返し、前記素子供給体から多行多列ずつ前記素子をピックアップし、前記基板に多行多列ずつ前記素子を移すこと、
を特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る素子実装基板製造方法は、素子がアレイ状に並べられた素子供給体から一度に多行多列の素子をピックアップして、ピックアップした前記多行多列の素子を基板に一括して実装し、前記素子がアレイ状に実装された素子実装基板を製造する素子実装基板製造方法であって、前記多行多列の素子を包含する領域と同じか若干広い粘着シートを前記素子供給体に押し付けて、前記多行多列の素子を前記粘着シートに貼り付けるピックアップステップと、前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記粘着シートの粘着力が喪失又は低下する規定温度以上に前記粘着シートを加熱させて、前記多行多列の素子を前記粘着シートから剥離させる実装ステップと、前記ピックアップステップと前記実装ステップとを複数回繰り返し、前記素子供給体から多行多列ずつ前記素子をピックアップし、前記基板に多行多列ずつ前記素子を移すことで、前記基板上に前記素子がアレイ状に実装された素子実装基板を製造する反復ステップと、を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、移送部による素子の保持方法を粘着シートによる貼り付けとしたので、多行多列の素子の全てを各々ピンポイントに位置合わせしなくとも、簡便且つより確実に多行多列の素子をピックアップでき、一括して基板に実装することができる。
第1の実施形態に係る素子実装装置の概略構成を示す斜視図である。 移送部に装着された粘着シートを模式的に示す斜視図である。 熱剥離シートで成る粘着シートの断面図であり、(a)は加熱前を示し、(b)は局所的に加熱した後を示す。 温度と粘着力との関係及びヘッドの温度変位を示すグラフである。 第1の実施形態に係る素子実装装置の詳細構成を示す正面図である。 第1の実施形態に係る素子実装装置の詳細構成を示す側面図である。 移送部の詳細構成を示す図である。 シート供給部の詳細構成を示す図である。 第1の実施形態に係る素子実装装置の動作を示すフローチャートである。 素子のピックアップステップにおけるホルダシートによるキャリア上の素子への圧接の状態を示す模式図である。 素子のピックアップステップにおけるキャリア上の素子の剥離の状態を示す模式図である。 素子の実装ステップにおける基板への素子の圧接と加熱の状態を示す模式図である。 素子の実装ステップにおけるホルダシートからの素子の剥離と基板への実装の状態を示す模式図である。 チルト機構を有する移送部を示す図である。 シート供給部を有する移送部を示す図である。 第2の実施形態に係る素子実装装置に係り、熱膨張と素子の位置ズレを示すグラフである。 熱膨張によって素子の位置ズレが補正される過程を示す模式図である。 第3の実施形態に係る素子実装装置に係り、キャリア台の構成を示す図である。 第3の素子実装装置の実装過程の動作を示すフローチャートである。
本発明に係る素子実装装置及び実装方法の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(概略構成)
図1は、素子実装装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、素子実装装置1内にはキャリアCと基板Sとが搬入されている。キャリアCは、素子Eをアレイ状にストックした素子供給体である。アレイ状とは、決められたパターンに従って複数行複数列に素子Eが配列された状態をいい、行方向と列方向の間隔が同一又は相違しており、例えば碁盤の目状の配置、蜂の巣模様のような千鳥状の配置等である。素子Eは、電子回路に使用される部品であり、MEMS、並びに半導体素子、抵抗及びコンデンサ等のチップが含まれ、半導体素子にはトランジスタ、ダイオード、LED及びサイリスタ等のディスクリート半導体、並びにICやLSI等の集積回路が含まれる。LEDには所謂ミニLED及びマイクロLEDが含まれる。特に、素子Eには、一辺が200μm以下の所謂微小部品が含まれる。基板Sは回路パターンが形成されて成り、例えばミニLEDが整列するバックライト用の照明基板、RGBの各マイクロLEDが画素として配列される表示基板である。
この素子実装装置1は、キャリアC上の素子Eを基板Sに実装する装置である。素子実装装置1は、一度に多行多列の素子EをキャリアCからピックアップし、ピックアップした多行多列の素子Eを基板Sに一括して移し替える。そして、この素子実装装置1は、キャリアCから多行多列ずつ素子Eをピックアップし、基板Sに多行多列ずつ素子Eを移すピックアップステップと実装ステップを複数回繰り返すことで、素子Eがアレイ状に配列された素子実装基板を製造する。また、この素子実装装置1は、移し替えた素子Eを基板Sに電気的及び機械的に接合する。このような素子実装装置1は、ダイボンディング装置又はチップボンディング装置とも呼ばれる。
素子実装装置1は、キャリア台3、実装台4及び移送部5を備えている。キャリア台3は、キャリアCが載置される載置面を有するキャリアCの供給台であり、ピックアップポジション21で停止する。すなわち、キャリア台3は、キャリアC上でアレイ状の配列でストックされた素子Eのうちピックアップ対象となる多行多列の素子E群を、その中央位置がピックアップポジション21に位置するように停止させる。実装台4は、基板Sが載置される載置面を有する基板Sの供給台であり、実装ポジション22で停止する。すなわち、実装台4は、基板S上の回路パターンにおいて、移送部5によって多行多列の素子E群が実装される回路パターンを、その中央位置が実装ポジション22に位置するように停止させる。
移送部5は、素子EをキャリアCから基板Sに移し替える。この移送部5は、ピックアップポジション21と実装ポジション22との間を複数回往復移動する。そして、移送部5は、キャリアCに戻る度に、ピックアップポジション21でキャリア台3に載置されたキャリアCと対面し、キャリアCから多行多列の素子Eを一括してピックアップする。また、移送部5は、実装台4に至る度に、実装ポジション22で実装台4に載置された基板Sと対面し、保持している多行多列の素子Eを一括して基板Sに渡す。なお、ピックアップポジション21において多行多列の素子Eを一括してピックアップする一連の動作をピックアップステップS1と呼び、実装ポジションにおいて多行多列の素子Eを一括して基板Sに渡す一連の動作を実装ステップS2と呼ぶ。
移送部5による素子Eのピックアップ方法は貼着である。移送部5には粘着シートAが装着される。粘着シートAは、図2に示すように、多行多列の素子Eが配列された領域と同じか若干広い粘着領域A1を片面に備えている。粘着領域A1内は隈無く粘着力を有している。換言すれば、多行多列の素子Eの全てを各々ピンポイントに位置合わせする必要はなく、粘着シートAは、各素子Eが粘着シートAの何れかの領域に接触すれば粘着力を発揮し、各素子Eを貼着する。若干広い粘着領域A1とは、ピックアップ予定の素子E群と、その素子E群の一つ外側に隣接する素子Eとの間のスペースにまでは及ぶが、当該隣接する素子Eには未達である範囲である。
移送部5は、この粘着シートAを、ピックアップポジション21にて粘着領域A1が素子Eを臨み、実装ポジション22にて粘着領域A1が基板Sを臨むように装着している。移送部5は、粘着シートAをキャリアC上の素子Eに押し付けることで、素子EをキャリアCから粘着シートAに移す。また、移送部5は、素子Eを基板Sに接触させてから粘着シートAの粘着力を喪失或いは低下させ、素子Eを粘着シートAから基板Sへ離脱させる。このような粘着シートAは、一例として、規定温度の熱により粘着力が喪失或いは低下する熱剥離シートである。
図3に熱剥離シートの一例を示す。図3に示すように、粘着シートAは基材A2と粘着層A3の二層構造を有する。粘着層A3は接着剤及び発泡フィラーA4を含む。発泡フィラーA4は、弾性を有する殻内に熱によりガス化して膨張する物質を充填させて成る。この粘着シートAでは、熱により発泡フィラーA4の体積が膨張し、素子Eとの接着面積が減少することで、素子Eに対する粘着力が喪失又は低下する。即ち、移送部5は、基板Sに素子Eを接触させた上で粘着シートAを加熱することで、粘着シートAから素子Eを剥離させて基板Sに渡す。また、熱剥離シートの例としては、接着層内で固体から液体への相転移が生じるものであってもよく、熱によって粘着力が制御できればよい。
キャリアCが素子Eを保持する態様としても、この熱剥離性の粘着シートAを用いることができる。以下、移送部5が有する粘着シートAとキャリアCが有する粘着シートAの両方を呼称する場合には粘着シートAと言い、移送部5が有する粘着シートAはホルダシートAhと呼称し、キャリアCが有する粘着シートAはキャリアシートAcと呼称する。
例えば、キャリアCは、ガラス板をベースとする。このガラス板の表面にキャリアシートAcが接着されている。キャリアシートAcは基材A2がガラス板の表面に対面するように、接着剤等を用いて接着されている。素子Eは、そのキャリアシートAcの粘着面に貼着されている。図4に示すように、キャリアシートAcの粘着力が喪失又は低下するキャリア側剥離温度T1は、ホルダシートAhの粘着力が喪失又は低下するホルダ側剥離温度T2よりも低い。例えば、発泡フィラーA4の充填率、発泡フィラーA4の大きさ、発泡フィラーA4内の物質の選定によるガス化温度の調整、発泡フィラーA4の殻の種類を選定することによる殻の弾性の調整により、キャリアシートAcとホルダシートAhが粘着力を喪失する規定温度を各々設定できる。
移送部5は、ピックアップステップS1にて、キャリアシートAc上の素子EにホルダシートAhを押し付けるとともに、キャリアシートAcをキャリア側剥離温度T1以上ホルダ側剥離温度T2未満の温度Teで発熱する。これにより、移送部5は、ホルダシートAhの粘着力は維持しつつ、キャリアシートAcの粘着力を喪失又は低下させ、キャリアシートAcからホルダシートAhに素子Eを転写する。
また、基板Sへの素子Eの接合のため、基板S上には予め導電性接合材料が形成されている。導電性接合材料は、合金接合、導電粒子圧着、バンプ圧接等により、基板Sと素子Eを電気的及び機械的に接続し、加熱により硬化する。例えば、導電性接合材料としてACF、ACP、NCF、NCP又は均質共晶半田が基板Sに形成されている。
この導電性接合材料に与えるプロセス温度T3は、ホルダシートAhの粘着力を喪失又は低下させるホルダ側剥離温度T2よりも高く設定されている。そのため、移送部5は、実装ステップS2にて、基板S上に素子Eを圧接させ、またホルダ側剥離温度T2よりも高いプロセス温度T3まで加熱することで、ホルダシートAhの粘着力を喪失又は低下させて素子Eを剥離させつつ、導電性接合材料により素子Eを基板Sに電気的及び機械的に接続する。
(詳細構成)
以上の素子実装装置1を更に詳細に説明する。図5は、素子実装装置1の詳細構成を示す正面図であり、図6は、素子実装装置1の詳細構成を示す側面図である。
図5及び図6に示すように、素子実装装置1は、キャリア台3、実装台4及び移送部5に加え、架台6、シート供給部7、シート排出部8及び昇降部9を備えている。以下、架台6の上面と平行な1軸方向をX軸方向と呼ぶ。Y軸方向は、架台6上面と平行でX軸と直交する方向であり、Z軸方向は、X軸及びY軸方向と直交する高さ方向であり、θ回転とは、Z軸回りの回転を指す。また、架台6の上面から架台6の外側にZ軸方向に沿って離れる方向を上方と言い、架台6の上面から架台6の内部方向にZ軸方向に沿って向かう方向を下方と言う。
架台6は、上面が平坦なテーブルであり、キャリア台3、実装台4、移送部5、シート供給部7、シート排出部8及び昇降部9が設置される。架台6内部には、素子実装装置1の各部を制御するCPU、ROM、RAM及び信号送信回路を有するコンピュータ又はマイコン等の制御手段11が収容されている。また、移送部5は吸着によりホルダシートAhを保持するが、架台6には、吸引力となる負圧を移送部5へ供給する空気圧回路12が収容され、制御手段11は空気圧回路12内の電磁弁を制御して負圧発生及び負圧解除を切り替える信号送信回路が設けられている。
キャリア台3は、X軸及びY軸方向に2次元状に拡がる載置面を有する。このキャリア台3は、X軸駆動機構31とY軸駆動機構32を備え、X軸方向及びY軸方向に可動である。X軸方向の可動範囲には、ピックアップポジション21とキャリア台3に対してキャリアCを搬入及び排出する搬入/排出ポジションとを含む。このX軸駆動機構31は、キャリアCと移送部5のX軸方向の位置合わせに用いられる。また、Y軸駆動機構32は、キャリアCと移送部5のY軸方向の位置合わせに用いられる。
これらX軸駆動機構31とY軸駆動機構32としては、例えばボールネジ機構が採用できる。即ち、各々の可動方向に沿ってレールとボールネジを延ばす。ボールネジは、回転モータ、ネジ軸及びスライダにより構成し、スライダをネジ軸に螺合させ、回転モータでネジ軸を軸回転させる。X軸駆動機構31は、Y軸駆動機構32のスライダに固定し、Y軸駆動機構32のレールに乗せる。キャリア台3は、X軸駆動機構31のスライダに固定し、X軸駆動機構31のレールに乗せる。
実装台4は、X軸及びY軸方向に2次元状に拡がる載置面を有する。この実装台4についてもX軸方向及びY軸方向に可動であり、ボールネジ機構により成るX軸駆動機構41とY軸駆動機構42を備えている。Y軸駆動機構42は、主に実装台4に載置された基板Sの搬入及び排出に用いられ、また基板Sと移送部5のY軸方向の位置合わせに用いられる。また、X軸駆動機構41は、移送部5と基板SのX軸方向の位置合わせに用いられる。
ピックアップポジション21と実装ポジション22は、X軸方向に間隔を空けて設けられる。架台6には、架台6上面よりも一段高く、ピックアップポジション21と実装ポジション22の並びに沿って延在する嵩上げ台61が設置されている。移送部5は、嵩上げ台61に設置され、ピックアップポジション21と実装ポジション22とを結ぶ直線に沿って自走し、またピックアップポジション21と実装ポジション22に位置するキャリア台3と実装台4に向けてZ軸方向に下降可能となっている。
即ち、嵩上げ台61には、X軸方向に沿ってレール63が敷設されている。レール63は、ピックアップポジション21と実装ポジション22との間を移動する移送部5のガイドである。レール63は、ピックアップポジション21に位置したキャリア台3と実装ポジション22に位置した実装台4とに届く長さを有する。レール63は支持部64によって把持されている。支持部64は、移送部5を支持するブロック体であり、更に、回転モータ、回転モータで軸回転させられるネジ軸により構成されるボールネジ65によって駆動する。
支持部64は、ピックアップポジション21と実装ポジション22とを結ぶ直線上に向かってY軸方向に延びる。移送部5は、この支持体64の延び先端面67に取り付けられている。この延び先端面67には、Z軸方向に延びるレール66が敷設されている。移送部5は、このレール66を把持することで支持体64に取り付けられ、Z軸方向に摺動可能となっている。
昇降部9は、Z軸方向に摺動可能となっている移送部5を押し下げることで、ピックアップポジション21に位置した移送部5をキャリア台3へ向けて下降させ、また実装ポジション22に位置した移送部5を実装台4に向けて下降させる。まず、架台6には、嵩上げ台61の後方に位置し、移送部5よりも高く延びる支柱62が立設されている。この支柱62は、上端がY軸方向に屈曲し、移送部5の移動軌跡直上まで迫り出している。昇降部9は、この支柱62の延び先端面69に設置されている。
即ち、支柱62の延び先端面69には、Z軸方向に延びるレール91が敷設されている。また支柱62の延び先端面69には、回転モータ92によって軸回転するネジ軸93がレール91に平行して設置されている。更に、このレール91を把持して、またネジ軸93に螺合して、当接ブロック94が取り付けられている。この当接ブロック94は、回転モータ92の駆動により移送部5に向けて下降し、移送部5の上端に当接し、更に移送部5を押し下げる。移送部5は、不図示のばね等を例とする付勢手段によって上方に付勢されており、当接ブロック94は、この付勢手段に抗して移送部5を押し下げる。当接ブロック94が移送部5から離れることで、当接ブロック94による押圧力が解除されると、移送部5は、付勢手段によって図5及び図6に示される上昇位置に戻されることになる。
尚、移送部5は、レール63に沿ってピックアップポジション21と実装ポジション22の直上まで移動可能となっている。そのため、当接ブロック94は、少なくともピックアップポジション21及び実装ポジション22の両方を範囲内に収めるようにX軸方向に長く、移送部5が何れの位置に存在しようとも、移送部5と当接して押し下げ可能となっている。また、移送部5は当接ブロック94に対してX軸方向に移動可能な状態で連結されていてもよい。
図7は、移送部5の詳細構成を示すブロック図である。移送部5は、キャリア台3や実装台4に近い方向からZ軸方向にヘッド51、シリンダ52、θ回転部53及び当接ブロック受け54がZ軸方向に連結して構成されている。また、移送部5は、ヘッド51とシリンダ52の列の脇にカメラ55を備えている。
ヘッド51は、ホルダシートAhを保持する保持部であり、また発熱することでキャリアシートAc、ホルダシートAh及び基板Sに形成された導電性接合材料を加熱する。シリンダ52は、例えばエアシリンダ等の加圧源であり、ヘッド51に荷重をかけることで、ピックアップポジション21でヘッド51を介してホルダシートAhを素子Eに押し付け、また実装ポジション22でヘッド51を介して素子Eを基板Sに押し付ける。θ回転部53は、ヘッド51をZ軸回りに回転させ、キャリアC上の素子Eと基板S上の回路パターンとを位置合わせする。当接ブロック受け54は、当接ブロック94と接触する部材である。カメラ55は、移送部5とキャリアC、及び移送部5と基板Sとの相対的な位置ズレを検出する。
このヘッド51は、ホルダシートAhの保持面51aをキャリア台3及び実装台4に向ける。保持面51aは、キャリア台3及び実装台4と平行に拡がる矩形であり、平坦である。このヘッド51は、多孔質構造を有し、若しくは吸着穴51bを有し、又は多孔質構造と吸着穴51bの両方を有する。例えば、ヘッド51は、多孔質構造を有する窒化アルミや窒化ケイ素を主材とするセラミックである。その他、ヘッド51は例えばステンレス製であってもよい。ステンレス製のヘッド51の場合は、吸着穴51bが必須となる。吸着穴51bは、素子Eの真裏を避け、例えばホルダシートAhの縁領域や、素子Eと素子Eの間のスペースに貫設される。
このヘッド51には負圧がかけられ、ヘッド51は負圧によりホルダシートAhを保持面51aで吸着保持する。即ち、ヘッド51の多孔質構造内部又は吸着穴51bは、空気圧回路12と接続されており、ヘッド51の多孔質構造を通じて、またヘッド51に設けられた貫通穴51bを通じて、保持面51aに負圧が発生し、ホルダシートAhを吸着保持する。一方、空気圧回路12を閉じてヘッド51にかける負圧を消失させると、ヘッド51はホルダシートAhの保持力を失い、ホルダシートAhは離脱する。制御手段11は、移送部5がシート排出部8に存在するときに限って負圧を消失させる。これにより、ホルダシートAhはシート排出部8に向けて排出される。
更に、このヘッド51内には、ヒータ56及びブロア57が設置されている。ヒータ56は、例えばパルスヒータ等の加熱源であり、ヘッド51を加熱し、ブロア57は空気の噴出によってヘッド51を空冷する。このヒータ56は、制御手段11によって制御される。ヒータ56は、制御手段11による制御の下、素子Eが基板Sに接触している間は、ホルダ側剥離温度T2を超えてプロセス温度T3までヘッド51を加熱する。また、ヒータ56は、素子Eが基板Sに接触しているとき以外は、加熱を中断又は弱め、ブロア57は、素子Eが基板Sに接触しているとき以外は、キャリア側剥離温度T1を超えてホルダ側剥離温度T2に満たない温度帯に達するまで、ヘッド51を冷却している。
ここで、ヘッド51は、その材質に応じた熱膨張係数に従って膨張する。ヘッド51の膨張は、一括保持している多行多列の各素子Eの位置を各々変位させる。そうすると、素子Eの電極と基板Sの電極が合わなくなり、素子Eと基板Sが接触不良となる場合がある。そこで、ヘッド51は、素子Eのサイズが10μm以上200μm以下、及び素子Eを保持してから基板Sに実装するまでのヘッド51の温度変化が100℃以上300℃以下で熱膨張係数が18×10−6/K以下の素材で構成される場合、保持面51aの一辺が50mm以下となることが望ましい。SUS304は熱膨張係数が17.3×10−6/Kであり、SUS430は熱膨張係数が10.4×10−6/Kであり、セラミックは熱膨張係数が2.6〜10.5×10−6/Kであるので、このような材料が好ましい。
但し、上述の条件の範囲であっても、要求される実装精度、素子Eを保持してから基板Sに実装するまでのヘッド51の温度変化の大きさ、ヘッド51の熱膨張係数の大きさによっては保持面51aの一辺の大きさを50mmよりも大きく設定することも可能である。つまり、実装精度が低いほど、ヘッド51の温度変化が小さいほど、また、熱膨張係数が小さいほど、保持面51aの大きさは大きく設定することができる。例えば、素子Eを保持してから基板Sに実装するまでのヘッド51の温度変化が100℃で、熱膨張係数が5×10−6/K以下である場合、サイズが10μm以上200μm以下の素子Eに対して、保持面51aの一辺を120mmに設定することが可能である。言い換えれば、素子Eのサイズが10μm以上200μm以下、及び素子Eを保持してから基板Sに実装するまでのヘッド51の温度変化が100℃以下であって、ヘッド51を熱膨張係数が5×10−6/K以下の素材で構成した場合、保持面51aの一辺を120mmとすることが好ましい。
図8に示すように、シート供給部7はホルダシートAhを用意する。シート排出部8は容器であり、粘着力が喪失又は低下した使用済みのホルダシートAhが廃棄される。シート供給部7とシート排出部8は、ピックアップポジション21と実装ポジション22との間に並設される。
シート供給部7は、カッター収容体71とカッター72と供給リール73と収容リール74とにより構成され、ホルダシートAhを移送部5のヘッド51に供給する。カッター収容体71の上面には矩形の溝が穿設されている。カッター72は枠形状を有し、この溝内に収容されている。供給リール73と収容リール74はカッター収容体71の両脇に分かれて配置されている。供給リール73には、帯状のホルダシートAhが巻回されている。ホルダシートAhは、供給リール73と収容リール74との間を、カッター収容体71を走行経路途中で経由して走行する。即ち、ホルダシートAhは、供給リール73から引き出され、カッター収容体71の上面に掛けられ、収容リール74に巻回されている。枠状のカッター72の形状及びサイズは、移送部5が備えるヘッド51の保持面51aと一致、つまり、一括してピックアップする多行多列の素子Eが配列される領域と一致している。
このシート供給部7は、帯状のホルダシートAhを走行させ、粘着力が喪失又は低下していない領域をカッター収容体71に合わせる。そして、カッター収容体71は、カッター72を溝から出現させて帯状のホルダシートAhからヘッド51に合わせたサイズ及び形状のホルダシートAhを打ち抜く。移送部5は、シート供給部7に向けて下降し、またヘッド51に負圧を供給することで、打ち抜かれたホルダシートAhを吸引保持する。
(詳細動作)
このような素子実装装置1の動作を説明する。図9は、素子実装装置1の動作を示すフローチャートである。まず、移送部5のヘッド51にホルダシートAhを装着する(ステップS01)。シート供給部7は、カッター収容体71からカッター72を出現させる。カッター72は、カッター収容体71に掛かっているホルダシートAhの帯から、移送部5に装着するホルダシートAhを打ち抜く。打ち抜きと前後して、移送部5は、シート供給部7の直上に移動する。昇降部9は、打ち抜かれたホルダシートAhに向けて移送部5を下降させる。移送部5のヘッド51には負圧が発生している。移送部5は、ホルダシートAhの基材A2を吸引しホルダシートAhを保持する。ホルダシートAhの粘着層A3は下面に露出する。
ホルダシートAhを保持した移送部5は、ピックアップポジション21に移動する(ステップS02)。ピックアップポジション21には、キャリア台3がキャリアCを載せて待機している。すなわち、キャリアC上でアレイ状にストックされた素子Eのうち今回移送部5でピックアップされる多行多列の素子E群(以下「ピックアップ予定の素子E群」と称す。)の中央位置がピックアップポジション21に位置付けられた状態で待機している。移送部5がピックアップポジション21に到達すると、移送部5とキャリアC、つまりピックアップ予定の素子E群との位置合わせを行う(ステップS03)。
ステップS03において、カメラ55はピックアップ予定の素子E群を撮影する。カメラ55の画像が制御手段11によって解析されて、移送部5とピックアップ予定の素子E群とのX軸方向及びY軸方向の位置ズレ及びZ軸回りの向きのズレが検出されると、移送部5とキャリア台3は、それらズレを解消するように相対的に移動する。X軸方向のズレにおいては、移送部5及びキャリア台3が何れもX軸方向に移動可能であるので、一方又は両方が稼働する。
ズレの検出においては、画像内に写った素子E群のうちの一つの対角上に位置する2つの素子Eの位置を画像処理により検出することで行う。画像処理では、二値化や輪郭強調を行い、素子E群の対角を明瞭にしてもよい。そして、対角の中点を演算し、演算結果と画像内の基準点との差分を取る。この差分が移送部5とピックアップ予定の素子E群とのX軸方向及びY軸方向の位置ズレとなる。また、Z軸回りの向きのズレに関しては、画像内に写った素子E群のうちの一つの対角と基準線とが一致するようにθ回転部53が作動することで解消される。
移送部5とピックアップ予定の素子E群との位置合わせが完了すると、移送部5によるキャリアCからのピックアップ予定の素子E群のピックアップを行う(ステップS04)。図10に示すように、昇降部9は、移送部5をキャリア台3のキャリアCに向けて下降させ、装着されたホルダシートAhをピックアップ予定の素子E群に押し付ける。ホルダシートAhは粘着領域A1が隈無く粘着力を有している。そのため、ホルダシートAhの投影領域に収まる素子Eの全て、つまり、ピックアップ予定の素子E群全てがホルダシートAhに貼り付く。ここで、上述したステップS02〜ステップS04が、ピックアップステップS1に相当する。
また、図11に示すように、ヘッド51は、ヒータ56の加熱とブロア57の冷却とによる温度調整によって、キャリアシートAcの剥離温度T1以上、ホルダシートAhの剥離温度T2未満の温度Teに加熱されている。ヘッド51の熱はキャリアシートAc及び素子Eを介してキャリアシートAcに伝熱し、又はヘッド51からの輻射熱としてキャリアシートAcに到達する。これにより、キャリアシートAcのうちのヘッド51の投影領域内は剥離温度T1以上に加熱される。キャリアシートAcのこの投影領域は粘着力が喪失又は低下し、ホルダシートAhに貼り付いている素子E群はキャリアC側から剥離する。即ち、ホルダシートAhに貼り付いた素子E群は、キャリアシートAcに残存せずにキャリアシートAcからホルダシートAhへ転写される。以下、ホルダシートAhに貼り付いた後のピックアップ予定の素子E群は、単に「素子E群」と称する。
ホルダシートAhへ素子E群が移ると、移送部5はピックアップポジション21から実装ポジション22へ移動する(ステップS05)。このとき、実装台4は、基板Sを載せて実装ポジション22で待機している。すなわち、基板S上に形成された回路パターンのうち今回移送部5で多行多列の素子E群が実装される領域(以下、「実装予定領域」と称す。)の中央位置が実装ポジション22に位置付けられた状態で待機している。移送部5が実装ポジション22に到達すると、移送部5と基板S上の実装予定領域との位置合わせを行う(ステップS06)。カメラ55は、実装予定領域の回路パターンを撮影する。そして、制御手段11は、移送部5と実装予定領域とのX軸方向及びY軸方向の位置ズレ及びZ軸回りの向きのズレを検出し、それらズレを解消するように、移送部5と実装台4とを相対的に移動させる。ズレ検出においては、例えば実装予定領域の対角に存在する回路パターン上の電極パッドを基準に位置ズレ及び向きのズレを算出すればよい。
移送部5と基板Sの位置合わせが完了すると、移送部5による基板S上への素子E群の実装を行う(ステップS07)。図12に示すように、昇降部9は移送部5を下降させ、移送部5は素子E群を一括して基板Sに押し付ける。即ち、回転モータ92が作動し、当接ブロック94が移送部5に向けて下降する。当接ブロック94は移送部5の当接ブロック受け54に当接し、移送部5全体を基板Sに向けて押し下げ、素子E群を基板Sに当接させる。このとき、シリンダ52には押し付けに必要な圧力が供給されているので、素子E群は所定圧力で基板Sに押し付けられることとなる。
図12に示すように、素子E群が基板Sに当接した際、ヒータ56はヘッド51をホルダシートAhの剥離温度T2よりも高い、導電性接合材料で素子E群を基板Sに接合するためのプロセス温度T3まで加熱する。素子E群が基板Sに接触する前から加熱を開始し、素子E群が基板Sに接触した直後にヘッド51の温度が剥離温度T2を通過するようにしてもよい。ヘッド51の熱はホルダシートAhに伝熱し、更にホルダシートAhから素子E群を介して導電性接合材料に伝熱する。そのため、図13に示すように、ホルダシートAhの粘着力は喪失又は低下し、ホルダシートAhから素子E群が剥離し、基板S側に素子E群が載置される。即ち、ホルダシートAhに貼り付いた素子E群は、ホルダシートAhに残ることなく、全てホルダシートAhから基板Sへ転写される。
更に、ヘッド51がプロセス温度T3に到達することで、導電性接合材料で素子E群が基板Sに接合される。このとき、ヘッド51は、素子E群をピックアップしたときの剥離温度T1からプロセス温度T3まで温度上昇し、この温度上昇に伴って熱膨張している。但し、ヘッド51は、そのサイズが50mm以下であり、又はヘッド51はセラミックやステンレス等の熱膨張係数が18×10−6/K以下の素材で構成されている。そのため、ヘッド51の熱膨張に伴う各素子Eの位置ズレは許容範囲内に収まり、各素子Eと基板Sとが電気的に接続される。ここで、上述したステップS06〜ステップS07が、実装ステップS2に相当する。
基板S側への素子Eの実装が完了すると、移送部5は使用済みのホルダシートAhを廃棄する(ステップS08)。移送部5はシート排出部8へ移動し、ヘッド51に供給されている負圧は解除される。ヘッド51への負圧が解除されると、移送部5に装着されていたホルダシートAhはヘッド51から脱落し、シート排出部8へ落下する。
移送部5が保持するホルダシートAhは、m行n列の素子Eを包含するサイズ及び形状を有するものとする。キャリアCには、a×m行b×n列の素子Eがストックされているものとする。また、基板Sには、c×m行d×n列の素子Eが実装される余地があるものとする。a、b、c及びdは正の実数、望ましくは自然数である。この場合、移送部5は、キャリアCから全ての素子Eをピックアップし終えるまで、又は基板Sの実装余地に全ての素子Eを配置し終えるまで、ピックアップポジション21と実装ポジション22との間を往復し、ホルダシートAhの装着、素子Eのピックアップ、素子Eの実装及びホルダシートAhの廃棄を繰り返す。つまり、図9に示すステップS02〜ステップS08を反復して実行する。なお、移送部5がキャリアCから余すことなく素子Eを取り切り、基板Sの回路パターンに余すことなく素子Eを実装し切ることを考慮すると、a、b、c及びdは自然数とすることが好ましい。
移送部5がピックアップと実装を繰り返す最中、シート供給部7では、供給リール73と収容リール74が作動し、ホルダシートAhの帯は間欠的に走行する。すでに打ち抜かれた領域は収容リール74側に移り、打ち抜きがない領域はカッター収容体71の上面に掛かる。カッター72はカッター収容体71から出現し、再びホルダシートAhを打ち抜く。移送部5は、新しいホルダシートAhをヘッド51に再装着し、ピックアップポジション21で新たなm行n列の素子Eのピックアップと、実装ポジション22での新たなにピックアップしたm行n列の素子Eの実装を繰り返す。これにより、素子実装装置1は、キャリアC上のa×m行b×n列の素子E群を順番にピックアップし、基板S上に実装していく。
(効果)
以上のように、この素子実装装置1は、キャリア台3と実装台4と移送部5を備えるようにした。キャリア台3は、素子Eがアレイ状に並べられたキャリアCが載置される。実装台4は、素子Eがアレイ状に配置される基板Sが載置される。移送部5は、キャリア台3と実装台4との間を移動すると共に、キャリアCから多行多列の素子Eを一括してピックアップして、ピックアップした多行多列の素子Eを基板Sに一括して移す。この移送部5は、多行多列の素子Eを包含する領域と同じか若干広いホルダシートAhを保持するようにした。そして、移送部5は、キャリアCにホルダシートAhを押し付けて多行多列の素子EをホルダシートAhに貼り付けることで、キャリアCから多行多列の素子Eを一括してピックアップする。
ホルダシートAhは、多行多列の素子Eが包含されるサイズ及び形状と同じか若干広い粘着領域A1を片面に備えており、粘着領域A1内は隈無く粘着力を有している。そのため、多行多列の素子Eの全てを各々ピンポイントに位置合わせしなくとも、ホルダシートAhは、各素子EがホルダシートAhの何れかの領域に接触すれば、粘着力を発揮して各素子Eを貼り付けることができる。
従って、例えば真空チャックのように全ての吸引穴の開口位置を高精度に管理しなくとも、多行多列の素子Eを簡便且つより確実にピックアップでき、キャリアCに素子Eを残してしまったり、搬送途中で素子Eを脱落させてしまったりすることが抑制できる。また、キャリアCに並ぶ素子Eの配列が変わったとしても、ヘッド51やホルダシートAhを交換する必要はなく、例えば多品種小ロットで素子Eを実装する際にも、素子実装装置1を一旦停止させることなく連続運転させることができ、生産効率が向上する。
特に、この素子実装装置1は、一辺が10μm以上200μm以下程度のサイズの素子Eを多行多列に整列させて一括して基板Sに実装する場合に好適である。例えば、素子実装装置1は、ミニLEDやマイクロLEDをバックライト用或いは表示画面を構成する画素用として表示基板に実装する。このような微小サイズの素子Eとなると、例えば真空吸着や静電吸着を用いた場合、吸引穴やメサ形構造体といった吸着部が少し大きくなるだけで、素子Eの位置が不安定になったり、吸着部の形成位置が少しズレるだけで、一部の素子Eが保持できなかったりする。一個の素子Eと一箇所の吸引穴を位置合わせすることは可能であるが、m行n列の素子Eとm行n列の吸着部の全てが精度良く位置合わせできるように管理することは非常に困難であるし、全ての素子Eと吸着部の位置を個別に補正することはできない。
しかしながら、この素子実装装置1では、多行多列の素子Eの全てを各々ピンポイントに位置合わせしなくとも、ホルダシートAhは、各素子EがホルダシートAhの粘着領域A1に接触しさえすれば、粘着力を発揮して各素子Eを貼り付けることができるので、一辺が10μm以上200μm以下程度のサイズの素子Eを多行多列に整列させて一括して基板Sに実装する場合に特に好適となるものである。もちろん、200μm超の素子Eであっても、この素子実装装置1によって基板Sに一括して移し替え可能である。
また、ホルダシートAhは、規定温度より粘着力が喪失又は低下する熱剥離シートとした。移送部5は、ヘッド51として例示した保持部とヒータ56を備える。ヘッド51は粘着シートAを保持し、ヒータ56は、基板Sに多行多列の素子Eを接触させた際に、規定温度以上にヘッド51を加熱するようにした。
即ち、多行多列の素子Eの基板Sへの実装方法としては、多行多列の素子Eを包含する領域と同じか若干広いホルダシートAhを素子供給体(キャリアC)に押し付けて、多行多列の素子EをホルダシートAhに貼り付けるピックアップステップS1と、基板Sに多行多列の素子Eを接触させた際に、ホルダシートAhの粘着力が喪失又は低下する規定温度以上にホルダシートAhを加熱させて、多行多列の素子EをホルダシートAhから剥離させる実装ステップS2を含むようにした。また、基板S上に素子Eがアレイ状に実装された素子実装基板の製造方法としては、このピックアップステップS1と実装ステップS2とを複数回繰り返すようにした。
これにより、多行多列の素子Eの全てを各々ピンポイントに位置合わせしなくとも、ホルダシートAhは、各素子EがホルダシートAhの粘着領域A1に接触しさえすれば、粘着力を発揮して各素子Eを貼り付けることができるとともに、より確実に素子Eを基板Sに離脱させることができるので、素子Eを基板Sに転写する際にホルダシートAh側に素子Eが残存してしまうことが防止できる。そのため、素子Eを実装した基板Sの歩留まりが向上する。また、実装できなかった箇所を素子Eで埋める実装後の後作業が生じる可能性が低くなり、製品の生産効率が向上する。
更に、加熱されるヘッド51は、その材質に応じた熱膨張係数に従って膨張し、一括保持している多行多列の素子Eを各々変位させる。しかしながら、本実施形態では、ヘッド51は、ホルダシートAhの保持面51aが矩形形状を有し、一辺の長さが50mm以下であるようにした。または、ヘッド51は、熱膨張係数が18×10−6/K以下の素材で構成されるようにした。これにより、素子Eの電極と基板Sの電極とが合わなくなるほどの素子Eの位置ズレは回避され、素子Eと基板Sとの接触不良が抑制される。従って、ヘッド51が加熱されることとなっても、素子Eを実装した基板Sの歩留まりが向上する。また、本実施形態では、ヘッド51は、ホルダシートAhの保持面51aが矩形形状を有し、一辺の長さが120mm以下で、熱膨張係数が5×10−6/K以下の素材で構成されるようにした。これによっても、上述と同様に、素子Eの電極と基板Sの電極とが合わなくなるほどの素子Eの位置ズレは回避され、素子Eと基板Sとの接触不良が抑制される。
また、キャリアCは、ヘッド51のホルダシートAhよりも低い温度で粘着力が喪失又は低下する別の粘着シートAであるキャリアシートAcを備えるようにした。このキャリアCは、キャリアシートAcに素子Eをアレイ状に貼り付けて成る。そして、ヒータ56は、ヘッド51が素子Eをピックアップする際、ヘッド51が保持するホルダシートAhが粘着力を喪失又は低下する温度よりも低く、キャリアCが備えるキャリアシートAcが粘着力を喪失又は低下する温度よりも高い温度に、ヘッド51を加熱するようにした。
これにより、ホルダシートAhが素子Eを貼り付けたとき、キャリアC側は素子Eを離しやすくなるので、素子EをホルダシートAhに転写する際にキャリアC側に素子Eが残存してしまうことが防止できる。そのため、素子Eを実装した基板Sの歩留まりが向上する。また、実装できなかった箇所を素子Eで埋める実装後の後作業が生じる可能性が低くなり、製品の生産効率が向上する。更に、キャリアCが素子Eを離すタイミングをコントロールすることができるので、キャリア台3によるキャリアCの移送時に素子Eが位置ズレすることがなく、実装時の接触不良もより確実に防止できる。
尚、本実施形態においては、キャリアシートAcも熱剥離シートである態様を例に説明したが、素子Eのピックアップ時に素子Eの保持力を喪失又は低下させることができるシートであれば、これに限らない。例えば、キャリアシートAcとしては、粘着面との法線方向の保持力がホルダシートAhよりも低い粘着シートを用いるようにしてもよい。ホルダシートAhで素子Eを貼り付けた後、移送部5をキャリアCから離すように上昇させるとき、キャリアシートAcとホルダシートAhの保持力の差によって、キャリアシートAcから素子Eが剥がれ、ホルダシートAhに素子Eを転写することができる。
また、図14に示すように、移送部5は、Y軸とZ軸とにより画成されるYZ平面に沿ってヘッド51とシリンダ52の列を傾けるチルト機構58を備えるようにしてもよい。チルト機構58は、例えばX軸方向に延びる回転軸と、この回転軸を軸回転させる回転モータを備える。シリンダ52とヘッド51が取り付けられたブラケットは、この回転軸に固着する。回転モータを駆動させると、ヘッド51とシリンダ52は、YZ平面に沿って向きを変更する。
この場合、カメラ55の撮像画像を用いて基板S上の実装予定位置の反りを検出すればよい。チルト機構58は、検出された反りに従って、基板S上の実装予定位置とヘッド51の保持面51aとが平行になるように、ヘッド51とシリンダ52の列を傾ける。カメラ55に代えて、基板Sの反りを検出するためにレーザ照射装置を備えてもよい。レーザ照射装置は、レーザ照射部とレーザ受光部を備え、レーザで基板Sを走査し、レーザ受光部の受光タイミングによって基板Sの反り、即ちレーザ照射部とレーザ走査位置の距離を検出する。
これにより、大型の基板Sが反っていても精度良く素子Eを実装することができる。また、基板Sが反っていても基板Sと素子Eとのエアギャップを無くし、全ての素子Eを同時に基板Sに接触させた上で、ホルダシートAhから素子Eを剥離させることができる。そのため、基板Sから素子Eが外れる可能性を低下させ、製品の歩留まりを向上させることができる。なお、XZ平面に沿ってヘッド51とシリンダ52の列を傾けるチルト機構58をさらに設けるようにすると、あらゆる方向への反りに対応が可能となる。
また、帯状のホルダシートAhを走行させ、粘着力が喪失又は低下していない領域を供給するシート供給部7を備えるようにした。これにより、ホルダシートAhを熱剥離シートとしても、効率良く素子Eを搬送することが可能となる。また、このシート供給部7は、帯状のホルダシートAhの走行経路途中に、ホルダシートAhを打ち抜くカッター72を備えるようにした。これにより、ホルダシートAhを一枚ずつ供給する必要はなく、ホルダシートAhを簡便且つ迅速に供給できる。
なお、図15に示すように、シート供給部7は、移送部5に備えられていてもよい。移送部5は、ヘッド51の両脇に供給リール73と収容リール74を備えている。供給リール73から引き出されたホルダシートAhの帯は、ヘッド51の保持面51aに掛けられ、収容リール74に巻回されている。ホルダシートAhの帯が保持面51aに合致する領域に素子Eが貼着され、その素子Eが熱により剥離すると、供給リール73と収容リール74を作動させて、使用済みの領域を収容リール74側に送り、新しい領域を保持面51aに位置させる。
この場合、ホルダシートAhの帯の幅方向(Y軸方向)の寸法は、多行多列の素子Eが配置される領域の幅方向(Y軸方向)の寸法と同じか若干広い幅に形成する。ヘッド51の保持面51aにおけるホルダシートAhの送り方向(X軸方向)の寸法、すなわち、図15においてホルダシートAhが平坦に支持されている部分のX軸方向の寸法は、多行多列の素子Eが配置される領域のX軸方向の寸法と同じか若干広い幅に形成する。また、保持面51aの両端で形成されるホルダシートAhの折れ曲がり部は、角が鋭くなるようにするとよい。
このように移送部5にシート供給部7が備えられていると、移送部5がシート供給部7とシート排出部8を経由するプロセスを省くことができる。そのため、新しいホルダシートAhのヘッド51への装着から、素子Eのピックアップと素子Eの実装を経て、ホルダシートAhの取り替えまでのタクトタイムが向上し、製品の生産効率が向上する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る素子実装装置1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第1の実施形態と同一の構成及び同一の機能については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図16に示すように、この素子実装装置1において、ヘッド51に備えられるヒータ56は、各素子Eの配置位置が基板Sに適合する適合温度帯T4まで、ヘッド51を加熱する。即ち、ヒータ56は、ヘッド51を加熱して熱膨張させ、各素子Eが基板Sに電気的に接合できる許容範囲に位置するように、多行多列の各素子Eの配置位置を変位させる。
適合温度帯T4は、ホルダシートAhの粘着力が喪失又は低下するホルダ側剥離温度T2を含めるように設定される。即ち、基板Sに実装される素子Eの間隔よりも狭めて、各素子EをキャリアシートAcに配列しておき、ヘッド51の材質及び大きさにより線膨張係数を調整し、ホルダ側剥離温度T2を調整しておき、又はこれらを複合的に用いて、適合温度帯T4とホルダ剥離温度T2を設定しておけばよい。
このような素子実装装置1では、ピックアップ予定の素子E群をキャリアCからピックアップし、ピックアップした素子E群を基板Sに接触させる。このとき、図17に示すように、ヒータ56は、ホルダ側剥離温度T2を含む適合温度帯T4までヘッド51を加熱し、ヘッド51の熱膨張により素子Eの間隔を基板Sの回路パターンに適合して拡げると共に、素子EをホルダシートAhから剥離させてヘッド51側との束縛を解きつつ、素子E群を基板Sに渡す。これにより、寧ろヘッド51の熱膨張によって各素子Eの位置は精度良く許容範囲内の適正ポジションPに収まることになり、各素子Eと基板Sとが電気的に接続されることになるため、ヘッド51の熱膨張に起因した歩留まりの低下を抑制することができる。
尚、ヒータ56は、更に導電性接合材料に対するプロセス温度T3までヘッド51を加熱する。剥離させた素子E群がホルダシートAhの摩擦係数によりヘッド51の熱膨張に引きずられ、尚も間隔を拡げるように位置変位する場合には、適合温度帯T4をプロセス温度T3に合わせるようにすればよい。
または、ホルダ側剥離温度T2を含む適合温度帯T4を通過するとき、即ちヘッド51の熱膨張により素子Eの間隔が基板Sに適合して拡がったとき、ヘッド51は負圧を一旦解除して、ホルダシートAhとヘッド51との束縛を解きつつ、プロセス温度T3にまでヘッド51を加熱する。ヘッド51が熱膨張しても、ヘッド51に吸引されていないホルダシートAhの伸張は、ヘッド51の熱膨張に追従し難く、ホルダシートAhと基板Sに挟まれている素子E群も適合温度帯T4からプロセス温度T3に至る過程で更に間隔を拡げる可能性が少なくなる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る素子実装装置1について図面を参照しつつ詳細に説明する。第1又は第2の実施形態と同一の構成及び同一の機能については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この素子実装装置1において、基板Sには紫外線で硬化又は仮硬化する導電性接合材料が形成されている。図18に示すように、実装台4の載置面は、基板Sよりも一回り小さい開口を有するドーナツ型であり、実装台4の下方には、実装ポジション中心に位置合わせされて紫外線照射装置59が配置されている。基板Sはガラス板をベースにしており、紫外線照射装置59は、基板Sに向けて紫外線を出射し、基板Sを透過して導電性接合材料に照射する。
図19は、第3の素子実装装置1の実装過程の動作を示すフローチャートである。昇降部9は、多行多列の素子Eを保持した移送部5を実装台4に向けて下降させ、シリンダ52は多行多列の素子Eを基板Sに押し付ける。素子Eが基板Sに押し付けられると(ステップS11)、紫外線照射装置59は、紫外線を導電性接合材料に照射し、導電性接合材料を硬化させる(ステップS12)。これにより、素子Eは基板Sに固定する。素子Eが基板Sに接合された後、ヒータ56はヘッド51をホルダ側剥離温度T2まで加熱する(ステップS13)。ヘッド51の熱は、ホルダシートAhに伝熱し、ホルダシートAhは粘着力を喪失又は低下させて、基板Sに接合している素子EをホルダシートAhから剥離させる。
ヒータ56がホルダ側剥離温度T2までヘッド51を加熱したとき、ヘッド51は熱膨張するが、ホルダシートAhに貼着している多行多列の素子Eは基板Sに固定されているので、ヘッド51の熱膨張に追従して位置変位し難くなっている。そのため、各素子Eの位置は許容範囲内を維持し、ヘッド51の熱膨張に起因した歩留まりの低下を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
1 素子実装装置
11 制御手段
12 空気圧回路
21 ピックアップポジション
22 実装ポジション
3 キャリア台
4 実装台
5 移送部
51 ヘッド
52 シリンダ
53 θ回転部
54 当接ブロック受け
55 カメラ
56 ヒータ
57 ブロア
58 チルト機構
59 紫外線照射装置
6 架台
61 嵩上げ台
62 支柱
7 シート供給部
8 シート排出部
9 昇降部
C キャリア
E 素子
S 基板
A 粘着シート
Ah ホルダシート
Ac キャリアシート

Claims (10)

  1. 素子がアレイ状に整列した素子供給体が載置される供給台と、
    前記素子がアレイ状に配置される基板が載置される実装台と、
    前記供給台と前記実装台との間を複数回往復移動して、前記供給台に戻る度に、前記素子供給体から一度に多行多列ずつ前記素子をピックアップして、前記実装台に至る度に、ピックアップした前記多行多列ずつ前記素子を前記基板に移す移送部と、
    を備え、
    前記移送部は、
    前記多行多列の素子を包含する領域と同じか若干広いシートであり、規定温度によって粘着力が喪失又は低下する粘着シートを保持する保持部と、
    前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記規定温度以上に前記保持部を加熱するヒータと、
    を有し、
    前記素子供給体に前記粘着シートを押し付けて前記多行多列の素子を前記粘着シートに貼り付けることで、前記素子供給体から前記多行多列の素子を一度にピックアップし、前記規定温度以上に加熱することで、ピックアップした前記素子を前記粘着シートから剥離させて前記基板に一括して移すこと、
    を特徴とする素子実装装置。
  2. 前記保持部は、熱膨張係数が18×10−6/K以下の素材で構成されること、
    を特徴とする請求項1記載の素子実装装置。
  3. 前記保持部は、前記粘着シートの保持面が矩形形状を有し、一辺の長さが120mm以下であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の素子実装装置。
  4. 前記素子供給体は、
    前記保持部の前記粘着シートよりも低い温度で粘着力が喪失又は低下する別の粘着シートを備え、
    前記別の粘着シートに前記素子をアレイ状に貼り付けて成り、
    前記ヒータは、前記保持部が前記素子をピックアップする際、前記保持部が保持する前記粘着シートが粘着力を喪失又は低下する温度よりも低く、前記素子供給体が備える前記別の粘着シートが粘着力を喪失又は低下する温度以上の温度に、前記保持部を加熱すること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の素子実装装置。
  5. 前記ヒータは、前記粘着シートを介して前記保持部によって保持されている前記多行多列の素子の配置位置が前記基板への配置位置に適合するまで、前記保持部を加熱して熱膨張させること、
    を特徴とする請求項1記載の素子実装装置。
  6. 前記基板には紫外線によって硬化する導電性接合材料が形成され、
    前記実装台は、前記基板への紫外線照射部を有し、
    前記ヒータは、前記紫外線照射部が前記基板へ紫外線を照射し、前記導電性接合材料で前記基板と前記多行多列の素子が接合されてから、前記ヘッドを加熱すること、
    を特徴とする請求項1記載の素子実装装置。
  7. 帯状の前記粘着シートを走行させ、粘着力が喪失又は低下していない領域を前記保持部に供給するシート供給部を備えること、
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の素子実装装置。
  8. 前記シート供給部は、
    前記帯状の粘着シートの走行経路途中に、前記保持部が保持する前記粘着シートを打ち抜くカッターを備えること、
    を特徴とする請求項7記載の素子実装装置。
  9. 素子がアレイ状に並べられた素子供給体から一度に多行多列の素子をピックアップして、ピックアップした前記多行多列の素子を基板に一括して移す素子実装方法であって、
    前記多行多列の素子を包含する領域と同じか若干広い粘着シートを前記素子供給体に押し付けて、前記多行多列の素子を前記粘着シートに貼り付けるピックアップステップと、
    前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記粘着シートの粘着力が喪失又は低下する規定温度以上に前記粘着シートを加熱させて、前記多行多列の素子を前記粘着シートから剥離させる実装ステップと、
    を含み、
    前記ピックアップステップと前記実装ステップとを複数回繰り返し、前記素子供給体から多行多列ずつ前記素子をピックアップし、前記基板に多行多列ずつ前記素子を移すこと、
    を特徴とする素子実装方法。
  10. 素子がアレイ状に並べられた素子供給体から一度に多行多列の素子をピックアップして、ピックアップした前記多行多列の素子を基板に一括して実装し、前記素子がアレイ状に実装された素子実装基板を製造する素子実装基板製造方法であって、
    前記多行多列の素子を包含する領域と同じか若干広い粘着シートを前記素子供給体に押し付けて、前記多行多列の素子を前記粘着シートに貼り付けるピックアップステップと、
    前記基板に前記多行多列の素子を接触させた際に、前記粘着シートの粘着力が喪失又は低下する規定温度以上に前記粘着シートを加熱させて、前記多行多列の素子を前記粘着シートから剥離させる実装ステップと、
    前記ピックアップステップと前記実装ステップとを複数回繰り返し、前記素子供給体から多行多列ずつ前記素子をピックアップし、前記基板に多行多列ずつ前記素子を移すことで、前記基板上に前記素子がアレイ状に実装された素子実装基板を製造する反復ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする素子実装基板製造方法。
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