JP2019065110A - 樹脂シート、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂組成物層の厚膜形成が可能であるとともに、当該樹脂組成物層を硬化してなる硬化層におけるメッキの定着性に優れる樹脂シート、および当該樹脂シートの製造方法を提供する。【解決手段】半導体装置の製造方法において電子部品の封止に使用される樹脂シート1であって、樹脂シート1が、硬化性の樹脂組成物層11を備え、樹脂組成物層11が、硬化性樹脂、造膜性樹脂および無機フィラーを含有する樹脂組成物から形成されたものであり、前記造膜性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂を含む樹脂シート1。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置の製造方法において電子部品の封止に使用される樹脂シート、および当該シートの製造方法に関する。
従来、半導体装置の製造方法において、硬化性の樹脂組成物層を備える樹脂シートを用いて、半導体チップといった電子部品を封止することが行われている。例えば、基板上に設けられた電子部品に対し、当該樹脂シートにおける樹脂組成物層を積層した後、当該樹脂組成物層を硬化させて硬化層を形成することで、電子部品の封止が行われる(特許文献1)。ここで、当該封止において、電子部品と硬化層との間に空隙が生じることを抑制する観点から、上述した樹脂シートでは、樹脂組成物層が十分な厚さを有し、それにより樹脂組成物層が電子部品の周囲を良好に覆うことが求められている。
近年、電子部品が内蔵された基板(以下、「部品内蔵基板」という場合がある。)の開発が進められており、このような部品内蔵基板の製造においても、上述した樹脂シートを使用して電子部品の封止が行われることがある。この場合、電子部品の封止に続いて、当該硬化層を貫通する孔を形成した後、当該孔を通じて電子部品と外部とを電気的に接続する配線が形成される。
上述した孔の形成の際には、硬化層を構成する樹脂の残渣(以下「スミア」という場合がある。)が発生し、このスミアが孔内に残ることがある。スミアが孔内に残った状態で配線を形成すると、配線の導通不良といった問題が生じ易くなる。そのため、孔を形成した後且つ配線を形成する前において、発生したスミアを除去する処理(以下「デスミア処理」ということがある。)が行われる。このようなデスミア処理の手法の1つとして、処理の対象をアルカリ性溶液に晒すという手法が存在する。当該手法によれば、スミアをアルカリ性溶液に溶解させて、除去することができる。
部品内蔵基板の製造方法では、上述したアルカリ性溶液を用いたデスミア処理に続き、配線形成の工程の一部として、硬化層の表面に金属のメッキ処理が行われる。ここで、特許文献1に開示される樹脂シートでは、メッキ処理において、当該樹脂組成物層を硬化してなる硬化層にメッキが十分に定着しないという問題があった。メッキの定着が不十分である場合、配線の形成を良好に行うことができず、得られる部品内蔵基板の品質が低下する。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、樹脂組成物層の厚膜形成が可能であるとともに、当該樹脂組成物層を硬化してなる硬化層におけるメッキの定着性に優れる樹脂シート、および当該樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、半導体装置の製造方法において電子部品の封止に使用される樹脂シートであって、前記樹脂シートが、硬化性の樹脂組成物層を備え、前記樹脂組成物層が、硬化性樹脂、造膜性樹脂および無機フィラーを含有する樹脂組成物から形成されたものであり、前記造膜性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂を含むことを特徴とする樹脂シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る樹脂シートでは、樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、当該樹脂組成物の塗工液の粘度が比較的高いものとなるため、当該塗工液の塗工によって十分な厚さを有する樹脂組成物層を形成することが可能となる。さらに、樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、当該樹脂組成物層を硬化してなる硬化層では、アルカリ性溶液を用いたデスミア処理を行った際に、無機フィラーが適度に硬化層から脱離する一方で、無機フィラーの周囲に存在するマトリックス成分がアルカリ性溶液中に溶出し難い。その結果、デスミア処理後の硬化層の表面は微小な凹凸を有するものとなり、その後メッキ処理を行った場合に、当該表面に対するメッキのアンカー効果が良好に発揮され、硬化層におけるメッキの定着性が優れたものとなる。
上記発明(発明1)において、前記樹脂組成物層の厚さは、100μm以上、300μm以下であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記樹脂組成物層は、単一の層からなることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1,2)において、前記樹脂組成物層は、2層以上の単位樹脂組成物層を積層してなるものであり、前記単位樹脂組成物層の厚さは、それぞれ100μm以上であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記無機フィラーは、最小被覆面積が550m2/g未満である表面処理剤により表面処理されたものであることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)において、前記半導体装置の製造方法は、前記樹脂組成物層を硬化してなる硬化層の表面の少なくとも一部に対してメッキ処理を行う工程を含むことが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、前記半導体装置の製造方法は、前記樹脂組成物層を硬化してなる硬化層の表面の少なくとも一部にアルカリ性溶液を接触させる工程を含むことが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)において、前記半導体装置は、部品内蔵基板であることが好ましい(発明8)。
第2に本発明は、半導体装置の製造方法において電子部品の封止に使用される樹脂シートの製造方法であって、前記樹脂シートが、硬化性の樹脂組成物層を備え、前記樹脂組成物層が、硬化性樹脂、造膜性樹脂および無機フィラーを含有する樹脂組成物から形成されたものであり、前記造膜性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、前記製造方法が、前記樹脂組成物の塗工液を塗工して塗膜を形成する工程、および当該塗膜を乾燥することにより前記樹脂組成物層を形成する工程を備えることを特徴とする樹脂シートの製造方法を提供する(発明9)。
上記発明(発明9)においては、前記樹脂組成物の塗工液の1回の塗工により前記塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより、上記(発明3)の単一の層からなる樹脂組成物層を形成すること、または上記(発明4)の単位樹脂組成物層を形成することを含むことが好ましい(発明10)。
上記発明(発明9,10)において、前記樹脂組成物の塗工液は、沸点が130℃以上である希釈剤を含有することが好ましい(発明11)。
本発明の樹脂シートは、樹脂組成物層の厚膜形成が可能であるとともに、当該樹脂組成物層を硬化してなる硬化層におけるメッキの定着性に優れる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔樹脂シート〕
図1には、本実施形態に係る樹脂シート1の断面図が示される。図1に示すように、本実施形態に係る樹脂シート1は、樹脂組成物層11と、当該樹脂組成物層11の少なくとも一方の面に積層された剥離シート12とを備える。なお、樹脂組成物層11における剥離シート12とは反対の面に、別の剥離シートがさらに積層されてもよい。ただし、剥離シート12および別の剥離シートは省略されてもよい。
〔樹脂シート〕
図1には、本実施形態に係る樹脂シート1の断面図が示される。図1に示すように、本実施形態に係る樹脂シート1は、樹脂組成物層11と、当該樹脂組成物層11の少なくとも一方の面に積層された剥離シート12とを備える。なお、樹脂組成物層11における剥離シート12とは反対の面に、別の剥離シートがさらに積層されてもよい。ただし、剥離シート12および別の剥離シートは省略されてもよい。
1.樹脂組成物層
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が硬化性を有する。ここで、硬化性を有するとは、樹脂組成物層11が加熱等によって硬化し得ることをいう。すなわち、樹脂組成物層11は、樹脂シート1を構成している状態では未硬化である。樹脂組成物層11は、熱硬化性であることが好ましい。これにより、樹脂組成物層11の厚さが大きかったり、着色剤を含有していたりすることにより、樹脂組成物層11に対してエネルギー線照射による硬化処理をし難い場合であっても、当該樹脂組成物層11を良好に硬化することができる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が硬化性を有する。ここで、硬化性を有するとは、樹脂組成物層11が加熱等によって硬化し得ることをいう。すなわち、樹脂組成物層11は、樹脂シート1を構成している状態では未硬化である。樹脂組成物層11は、熱硬化性であることが好ましい。これにより、樹脂組成物層11の厚さが大きかったり、着色剤を含有していたりすることにより、樹脂組成物層11に対してエネルギー線照射による硬化処理をし難い場合であっても、当該樹脂組成物層11を良好に硬化することができる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が、硬化性樹脂、造膜性樹脂および無機フィラーを含有する樹脂組成物から形成されたものである。さらに、本実施形態に係る樹脂シート1では、当該樹脂組成物が、造膜性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含む。
(1)硬化性樹脂
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が硬化性樹脂を含有することにより、電子部品を強固に封止することが可能となる。硬化性樹脂としては、樹脂組成物層11の厚さが大きかったり、着色剤を含有していたりすることにより、樹脂組成物層11に対してエネルギー線を照射し難い場合であっても、当該樹脂組成物層11を良好に硬化することができる観点から、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、樹脂組成物層11の硬化を可能とするものであれば特に限定されず、例えば、封止材に通常含有される樹脂を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾオキサジン化合物、酸無水物化合物、アミン系化合物、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはそれらの混合物を使用することが好ましく、少なくともエポキシ樹脂を使用することが好ましい。なお、フェノキシ樹脂や、アクリル樹脂で側鎖にグリシジル基を有するもの等、高分子量体でエポキシ基を有するものも、熱によりエポキシ基が反応し、樹脂組成物層11の硬化に関与しうるが、本実施形態に係る樹脂シート1においては、高分子量体で、樹脂組成物層11をシート状に形成する機能を有するものは造膜性樹脂とみなす。このような高分子量体の重量平均分子量は、一般的に25,000以上である。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が硬化性樹脂を含有することにより、電子部品を強固に封止することが可能となる。硬化性樹脂としては、樹脂組成物層11の厚さが大きかったり、着色剤を含有していたりすることにより、樹脂組成物層11に対してエネルギー線を照射し難い場合であっても、当該樹脂組成物層11を良好に硬化することができる観点から、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、樹脂組成物層11の硬化を可能とするものであれば特に限定されず、例えば、封止材に通常含有される樹脂を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾオキサジン化合物、酸無水物化合物、アミン系化合物、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはそれらの混合物を使用することが好ましく、少なくともエポキシ樹脂を使用することが好ましい。なお、フェノキシ樹脂や、アクリル樹脂で側鎖にグリシジル基を有するもの等、高分子量体でエポキシ基を有するものも、熱によりエポキシ基が反応し、樹脂組成物層11の硬化に関与しうるが、本実施形態に係る樹脂シート1においては、高分子量体で、樹脂組成物層11をシート状に形成する機能を有するものは造膜性樹脂とみなす。このような高分子量体の重量平均分子量は、一般的に25,000以上である。
エポキシ樹脂は、一般的に、加熱を受けると三次元網状化し、強固な硬化物を形成する性質を有する。このようなエポキシ樹脂としては、公知の種々のエポキシ樹脂が用いることができ、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジルエーテル;アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂;ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等のように、分子内の炭素−炭素二重結合を例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシドを挙げることができる。その他、ビフェニル骨格、トリフェニルメタン骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、ナフタレン骨格等を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。これらエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述したエポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールAのグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂)またはこれらの組み合わせを使用することが好ましい。
フェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリフェニルメタン型フェノール、テトラキスフェノール、ノボラック型フェノール、クレゾールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール(ビフェニル型フェノール)等が挙げられ、これらの中でも、ビフェニル型フェノールを使用することが好ましい。これらのフェノール樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との反応性等の観点から、フェノール樹脂を併用することが好ましい。
樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、特に15質量%以上であることが好ましく、さらには20質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、60質量%以下であることが好ましく、特に50質量%以下であることが好ましく、さらには40質量%以下であることが好ましい。当該含有量が10質量%以上であることで、樹脂組成物層11の硬化がより十分なものとなり、電子部品をより強固に封止することができる。また、当該含有量が60質量%以下であることで、樹脂組成物層11の意図しない段階での硬化をより抑制することができ、保存安定性がより優れたものとなる。なお、樹脂組成物を希釈して塗工液とし、その塗工、乾燥を経てシート状に形成する場合、樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の含有量は、乾燥工程において揮発する成分の量を除いた量を基準とし、樹脂組成物の他の構成成分の含有量も同様とする。
硬化性樹脂として、エネルギー線硬化性樹脂を用いてもよい。エネルギー線硬化性樹脂の例としては、紫外線により硬化する樹脂が挙げられ、紫外線により硬化する樹脂の例としては、分子内にアクリロイル基、メタクリロイル基等の反応性二重結合を有する基を有する樹脂が挙げられる。エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂組成物は、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、熱硬化性樹脂およびエネルギー線硬化性樹脂の両方を含有していてもよい。
(2)造膜性樹脂
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、造膜性樹脂を含有することにより、樹脂組成物層11をシート状に形成することが容易となる。さらに、本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、造膜性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含む。樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、当該樹脂組成物の塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、当該塗工液を塗工することで、十分な厚さを有する樹脂組成物層を形成することが可能となる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、造膜性樹脂を含有することにより、樹脂組成物層11をシート状に形成することが容易となる。さらに、本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、造膜性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含む。樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、当該樹脂組成物の塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、当該塗工液を塗工することで、十分な厚さを有する樹脂組成物層を形成することが可能となる。
さらに、本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層に対してアルカリ性溶液を用いたデスミア処理を行う際に、当該硬化層における無機フィラーの周囲に存在するマトリックス成分がアルカリ性溶液中に溶出し難いものとなる。その一方で、無機フィラーは硬化層からアルカリ性溶液中に適度に脱離するため、硬化層の表面には、無機フィラーが脱離して生じる微小な空隙と、残留するマトリックスとから形成される微小な凹凸が存在するものとなる。デスミア処理に続いて、このような微小な凹凸を有する硬化層の表面に対してメッキ処理を行うことで、当該表面に対するメッキのアンカー効果が良好に発揮され、硬化層におけるメッキの定着性が優れたものとなる。その結果、硬化層の表面に対して配線が良好に定着した半導体装置を製造することが可能となる。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、樹脂組成物の塗工液に所望の粘度を付与するとともに、樹脂組成物層を硬化してなる硬化層がアルカリ性溶液に対して所望の耐性を有するものとなる限り限定されず、例えば、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールとホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルアセトアセタール等が挙げられ、これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリビニルブチラールを使用することが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、25,000以上であることが好ましく、特に50,000以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量は、600,000以下であることが好ましく、特に300,000以下であることが好ましい。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、ポリビニルアセタール樹脂とともに、その他の造膜性樹脂を含有してもよい。その他の造膜性樹脂の例としては、フェノキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられ、これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。その他の造膜性樹脂の重量平均分子量は、25,000以上であることが好ましく、特に50,000以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量は、1,500,000以下であることが好ましく、特に800,000以下であることが好ましい。
上記フェノキシ系樹脂としては、特に限定されないものの、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型、ビスフェノールS型、ビスフェノールアセトフェノン型、ノボラック型、フルオレン型、ジシクロペンタジエン型、ノルボルネン型、ナフタレン型、アントラセン型、アダマンタン型、テルペン型、トリメチルシクロヘキサン型、ビフェノール型、ビフェニル型等が例示され、これらの中でもビスフェノールA型フェノキシ樹脂を使用することが好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層からアルカリ性溶液中に溶出し易い造膜性樹脂の樹脂組成物中の含有量が少ないことが好ましく、特に、そのような造膜性樹脂を含有しないことが好ましい。上記硬化層からアルカリ性溶液中に溶出し易い造膜性樹脂の例としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエステルウレタン系樹脂が挙げられる。
樹脂組成物中におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は、4質量%以上であることが好ましく、特に6質量%以上であることが好ましく、さらには8質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、40質量%以下であることが好ましく、特に30質量%以下であることが好ましく、さらには20質量%以下であることが好ましい。当該含有量が上記範囲であることで、所望の粘度を有する樹脂組成物の塗工液を調製し易くなり、樹脂組成物層11の厚膜形成を行い易くなるとともに、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層のアルカリ性溶液に対する耐性が効果的に高いものとなり、硬化層に対するメッキの定着性がより優れたものとなる。
また、樹脂組成物中における、ポリビニルアセタール樹脂を含む全ての造膜性樹脂の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に3質量%以上であることが好ましく、さらには5質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、30質量%以下であることが好ましく、特に20質量%以下であることが好ましく、さらには10質量%以下であることが好ましい。当該含有量が上記範囲であることで、樹脂組成物層11をシート状に形成することがより容易となる。
造膜性樹脂中におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は、75質量%以上であることが好ましく、特に85質量%以上であることが好ましく、さらには92質量%以上であることが好ましい。また、造膜性樹脂中におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は100質量%以下であることが好ましい。
(3)無機フィラー
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が無機フィラーを含有することにより、樹脂組成物層11が硬化されてなる硬化層が、優れた機械的強度を発揮するものとなる。さらに、硬化層に対してアルカリ性溶液を用いたデスミア処理を行う際に、無機フィラーが硬化層から適度に脱離し、その結果、前述したような、硬化層の表面に対するメッキのアンカー効果が良好に発揮され、硬化層におけるメッキの定着性が優れたものとなる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が無機フィラーを含有することにより、樹脂組成物層11が硬化されてなる硬化層が、優れた機械的強度を発揮するものとなる。さらに、硬化層に対してアルカリ性溶液を用いたデスミア処理を行う際に、無機フィラーが硬化層から適度に脱離し、その結果、前述したような、硬化層の表面に対するメッキのアンカー効果が良好に発揮され、硬化層におけるメッキの定着性が優れたものとなる。
上記無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、ムライト、コージェライト等の複合酸化物、モンモリロナイト、スメクタイト等を材料とするフィラーを例示することができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもシリカフィラーを使用することが好ましい。
無機フィラーの形状は、粒状、針状、板状、不定型等の何れでもよいものの、これらの中でも球状であることが好ましい。
上記無機フィラーの平均粒径は、0.01μm以上であることが好ましく、特に0.1μm以上であることが好ましく、さらには0.3μm以上であることが好ましい。また、上記無機フィラーの平均粒径は、3.0μm以下であることが好ましく、特に1.0μm以下であることが好ましい。無機フィラーの平均粒径が上記範囲であることにより、樹脂組成物層11が硬化されてなる硬化層が機械的強度を効果的に発揮し易くなるとともに、無機フィラーが硬化層からアルカリ性溶液中に適度に脱離し易いものとなる。なお、本明細書における無機フィラーの平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,製品名「ナノトラックWave−UT151」)を使用して、動的光散乱法により測定した値とする。
また、上記無機フィラーの最大粒径は、0.05μm以上であることが好ましく、特に0.5μm以上であることが好ましい。また、当該最大粒径は、5μm以下であることが好ましく、特に3μm以下であることが好ましい。無機フィラーの最大粒径が上記範囲であることで、硬化層中に無機フィラーを充填し易くなり、硬化層がより優れた機械的強度を有するものとなる。なお、本明細書における無機フィラーの最大粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,製品名「ナノトラックWave−UT151」)を使用して、動的光散乱法により測定した値とする。
本実施形態に係る樹脂シート1では、無機フィラーが表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。これにより、樹脂組成物中における無機フィラーの分散性や充填性が改善されるとともに、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層に対してアルカリ性溶液を用いたデスミア処理を行う際に、無機フィラーが硬化層から適度に脱離し易くなる。特に、当該表面処理剤の最小被覆面積は、550m2/g未満であることが好ましく、特に520m2/g以下であることが好ましく、さらには450m2/g以下であることが好ましい。また、表面処理剤の最小被覆面積は、100m2/g以上であることが好ましく、特に200m2/g以上であることが好ましく、さらには300m2/g以上であることが好ましい。表面処理剤の最小被覆面積が550m2/g未満であることで、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層からの無機フィラーの脱離が良好に生じ易くなり、その結果、硬化層におけるメッキの優れた定着性が得やすくなる。また、表面処理剤の最小被覆面積が100m2/g以上であることで、樹脂組成物中における無機フィラーの分散性や充填性がより優れたものとなる。
上記表面処理剤の例としては、エポキシシラン、ビニルシラン等が挙げられる。これらの中でも、エポキシシランを使用することが好ましい。エポキシシランの具体例としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、無機フィラーの脱離を効果的に促進できるという観点から、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
上記ビニルシランの具体例としては、例えばビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。これらの中でも、無機フィラーの脱離を効果的に促進できるという観点から、ビニルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
無機フィラーを表面処理剤で表面処理する方法は、特に限定されず、一般的な方法により行うことができる。例えば、混合機を用いて未処理の無機フィラーを常温にて撹拌し、そこへ表面処理剤を噴霧した後、さらに所定時間撹拌することで表面処理することができる。噴霧後の撹拌時間は、例えば5分以上、15分以下であることが好ましい。なお、表面処理剤を無機フィラーに十分に定着させるために、上記の操作後、混合機から無機フィラーを取り出して1日以上放置してもよく、また、軽微な加熱処理を行なってもよい。また、均一に表面処理を行うために、表面処理剤の噴霧した後、有機溶媒をさらに添加して、上記撹拌を行ってもよい。混合機としては、公知のものを使用でき、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル等が挙げられ、これらの中でもミキサーを使用することが好ましい。
樹脂組成物中における、無機フィラーの含有量は、40質量%以上であることが好ましく、特に50質量%以上であることが好ましく、さらには60質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、90質量%以下であることが好ましく、特に85質量%以下であることが好ましく、さらには80質量%以下であることが好ましい。無機フィラーの含有量が40質量%以上であることで、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層がより良好な機械的強度を有するものとなる。また、無機フィラーの含有量が90質量%以下であることで、樹脂組成物層11が硬化し易いものとなり、樹脂シート1を使用してより良好な品質を有する半導体装置を製造することが可能となる。
また、無機フィラーが表面処理剤で表面処理されたものである場合、樹脂組成物中に含有される無機フィラーのうち、表面処理剤で表面処理された無機フィラーの割合は、70質量%以上であることが好ましく、特に85質量%以上であることが好ましい。当該割合が上記範囲であることで、硬化層からの無機フィラーの脱離を効果的に促進することと、硬化層が優れた機械的強度を有することとを良好に両立することが可能となる。
(4)硬化触媒
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、熱硬化性樹脂を含む場合、硬化触媒をさらに含有することが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂の硬化反応を効果的に進行させることが可能となり、樹脂組成物層11を良好に硬化することが可能となる。硬化触媒の例としては、イミダゾール系硬化触媒、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物が、熱硬化性樹脂を含む場合、硬化触媒をさらに含有することが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂の硬化反応を効果的に進行させることが可能となり、樹脂組成物層11を良好に硬化することが可能となる。硬化触媒の例としては、イミダゾール系硬化触媒、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒等が挙げられる。
イミダゾール系硬化触媒の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾールなどが挙げられ、反応性の観点から、2−エチル−4−メチルイミダゾールを使用することが好ましい。
アミン系硬化触媒の具体例としては、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン等のトリアジン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン化合物が挙げられる。中でも、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジンが好ましい。
また、リン系硬化触媒の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
上述した硬化触媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物中における硬化触媒の含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、特に0.05質量%以上であることが好ましく、さらには、0.1質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、2.0質量%以下であることが好ましく、特に1.5質量%以下であることが好ましく、さらには1.0質量%以下であることが好ましい。当該含有量が上記範囲であることで、樹脂組成物層11をより良好に硬化することが可能となる。
(5)可塑性溶剤
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が、1.0質量%以上の含有量で、可塑性溶剤を含有することが好ましい。これにより、樹脂組成物層11の脆さが改善され、樹脂組成物層11は崩壊し難いものとなり、保管時、搬送時、使用時等において樹脂組成物層11における破損や破断の発生が抑制される。さらに、樹脂組成物層11が所定の柔軟性を有するものとなるため、樹脂組成物層11によって電子部品の周囲を十分に覆い易くなり、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層と電子部品との間における空隙の形成を良好に抑制することができる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が、1.0質量%以上の含有量で、可塑性溶剤を含有することが好ましい。これにより、樹脂組成物層11の脆さが改善され、樹脂組成物層11は崩壊し難いものとなり、保管時、搬送時、使用時等において樹脂組成物層11における破損や破断の発生が抑制される。さらに、樹脂組成物層11が所定の柔軟性を有するものとなるため、樹脂組成物層11によって電子部品の周囲を十分に覆い易くなり、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層と電子部品との間における空隙の形成を良好に抑制することができる。
上記可塑性溶剤は、樹脂組成物層11の脆さを十分に改善できるものであれば限定されない。前述の通り、樹脂組成物層11は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたものであることが好ましく、この場合、電子部品の封止の際には、樹脂組成物層11を加熱することで硬化することができる。ここで、可塑性溶剤は、加熱によって揮発するものであることで、上記加熱によって、形成される硬化層から十分に除去される。なお、可塑性溶剤は、保管時や搬送時のような電子部品への適用の前の段階において、樹脂組成物層11から過度に放出されることを抑制するために、常温では揮発し難いものであることが好ましい。また、後述するように、樹脂組成物を溶媒で希釈して塗工液を調製した後、当該塗工液を用いて樹脂組成物層11が形成される場合には、上記可塑性溶剤は、当該塗工液を調製するために使用される溶媒であることが好ましい。
上記可塑性溶剤は、沸点が130℃以上であるものが好ましく、また、上記可塑性溶剤は、沸点が210℃以下であるものが好ましい。上記可塑性溶剤の沸点が130℃以上であることで、当該可塑性溶剤を含む塗工液を塗布してなる塗膜を乾燥させる際に、当該塗膜中に可塑性溶剤の全部は揮発せず、適度に残り易くなり、樹脂組成物層11中の可塑性溶剤の含有量を前述した値に調整し易くなる。さらに、樹脂シート1の保管時や搬送時において、樹脂組成物層11から可塑性溶剤が放出されることを効果的に抑制することができ、上述の通り調整した可塑性溶剤の含有量を長期間維持し易くなる。一方、上記可塑性溶剤の沸点が210℃以下であることで、樹脂組成物層11を加熱により硬化する場合に、当該加熱によって可塑性溶剤が揮発し易くなる結果、硬化層中の可塑性溶剤の含有量を十分に低下させ易くなる。
上記可塑性溶剤の具体例としては、シクロヘキサノン(沸点:155.6℃)、ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)、ジメチルスルホキシド(沸点:189.0℃)、エチレングリコールのエーテル類(セロソルブ)(沸点:120〜310℃程度)、オルト−キシレン(沸点:144.4℃)等の有機溶媒等が挙げられる。
(6)その他の成分
本実施形態における樹脂組成物は、さらに、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、着色剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
本実施形態における樹脂組成物は、さらに、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、着色剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
(7)樹脂組成物層の構成
樹脂組成物層11の厚さは、100μm以上であることが好ましく、特に105μm以上であることが好ましく、さらには110μm以上であることが好ましい。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、当該樹脂組成物の塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、当該塗工液を用いた1回の塗工により、100μm以上という十分に厚い樹脂組成物層11を形成することが可能となる。樹脂組成物層11の厚さが100μm以上であることで、樹脂シート1を用いて電子部品を封止する際に、樹脂組成物層11によって電子部品の周囲を効果的に覆うことが可能となり、当該樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層と電子部品と間に空隙が生じることを効果的に抑制することが可能となる。なお、樹脂組成物層11の厚さの上限としては特に限定されないものの、例えば、300μm以下であることが好ましく、特に250μm以下であることが好ましく、さらには200μm以下であることが好ましい。なお、上記の樹脂組成物層11の厚さは、樹脂組成物層11が2層以上の樹脂組成物層を積層することにより形成されている場合には、すべての樹脂組成物層11の厚さの合計の厚さである。
樹脂組成物層11の厚さは、100μm以上であることが好ましく、特に105μm以上であることが好ましく、さらには110μm以上であることが好ましい。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、当該樹脂組成物の塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、当該塗工液を用いた1回の塗工により、100μm以上という十分に厚い樹脂組成物層11を形成することが可能となる。樹脂組成物層11の厚さが100μm以上であることで、樹脂シート1を用いて電子部品を封止する際に、樹脂組成物層11によって電子部品の周囲を効果的に覆うことが可能となり、当該樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層と電子部品と間に空隙が生じることを効果的に抑制することが可能となる。なお、樹脂組成物層11の厚さの上限としては特に限定されないものの、例えば、300μm以下であることが好ましく、特に250μm以下であることが好ましく、さらには200μm以下であることが好ましい。なお、上記の樹脂組成物層11の厚さは、樹脂組成物層11が2層以上の樹脂組成物層を積層することにより形成されている場合には、すべての樹脂組成物層11の厚さの合計の厚さである。
本実施形態に係る樹脂シート1においては、上記のとおり当該樹脂組成物の塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、当該塗工液を用いた1回の塗工により、100μm以上という十分に厚い樹脂組成物層11を形成することが可能である。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が、単一の層からなることが好ましい。ここで、「単一の層からなる」とは、樹脂組成物層11が、複数の単位樹脂組成物層が積層されてなるものではないことをいい、単一の単位樹脂組成物層からなることをいう。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が単一の層からなることにより、複数の層を積層することで樹脂組成物層を形成する場合と比較して、生産性に優れたものとなる。また、複数の単位樹脂組成物層を積層した場合には、積層時に異物や気泡を噛み込む可能性があるが、樹脂組成物層11が単一の層からなることにより、このような現象に起因した不具合を回避することができる。
また、樹脂組成物層11を2層以上の単位樹脂組成物層を積層することにより形成する場合には、単位樹脂組成物層の厚さがいずれも100μm以上であることが好ましい。これにより、少ない枚数の単位樹脂組成物層の積層により、総厚が200μm以上の樹脂組成物層11を得ることができるため、生産性に優れる。単位樹脂組成物層の厚さは、150μm以下であることが好ましい。
2.剥離シート
本実施形態に係る樹脂シート1は、剥離シート12を備えていてもよい。剥離シート12の構成は任意であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。これらの剥離面(樹脂シート1の樹脂組成物層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等の剥離剤が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂シート1は、剥離シート12を備えていてもよい。剥離シート12の構成は任意であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。これらの剥離面(樹脂シート1の樹脂組成物層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等の剥離剤が挙げられる。
剥離シート12の厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上、250μm以下である。
3.樹脂シートの物性
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が硬化してなる硬化層上に対して、無電解銅メッキおよびそれに続く電解銅メッキにより形成された、厚さ30μmの銅メッキ層を硬化層から剥がす際のピール強度が、2N/10mm以上であることが好ましく、特に4N/10mm以上であることが好ましい。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含み、その結果として、前述した通り、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層に対するメッキの定着性が優れたものとなる。そのため、上述のような高いピール強度を達成することができ、メッキの膨れが効果的に抑制される。なお、上記ピール強度の上限値は特に限定されないが、15N/10mm以下であることが好ましく、12N/10mmであることがより好ましい。上記ピール強度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載する通りである。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物層11が硬化してなる硬化層上に対して、無電解銅メッキおよびそれに続く電解銅メッキにより形成された、厚さ30μmの銅メッキ層を硬化層から剥がす際のピール強度が、2N/10mm以上であることが好ましく、特に4N/10mm以上であることが好ましい。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含み、その結果として、前述した通り、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層に対するメッキの定着性が優れたものとなる。そのため、上述のような高いピール強度を達成することができ、メッキの膨れが効果的に抑制される。なお、上記ピール強度の上限値は特に限定されないが、15N/10mm以下であることが好ましく、12N/10mmであることがより好ましい。上記ピール強度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載する通りである。
4.樹脂シートの製造方法
本実施形態に係る樹脂シート1は、前述した樹脂組成物の塗工液を塗工することにより樹脂組成物層11を形成して製造することが好ましい。このような製造方法であれば、可塑性溶剤を微量含む樹脂組成物層11を形成する場合に、樹脂組成物を構成する成分の溶解、分散、希釈等のために上記塗工液に添加した希釈剤を完全に乾燥させることなく樹脂組成物層11を形成することが容易となり、このような可塑性溶剤を微量含む樹脂組成物層11を得ることが容易である。また、特に、前述した樹脂組成物の塗工液の1回の塗工により単一の層からなる樹脂組成物層11を(樹脂組成物層11が複数の単位樹脂組成物層を積層したものである場合には、単位樹脂組成物層を)形成して製造することが好ましい。例えば、前述した樹脂組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、当該塗工液を剥離シート12の剥離面上に塗工して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより樹脂シート1を製造することができる。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、上述した塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、1回の塗工により、樹脂組成物層11(単位樹脂組成物層)を厚膜形成することが可能となる。
本実施形態に係る樹脂シート1は、前述した樹脂組成物の塗工液を塗工することにより樹脂組成物層11を形成して製造することが好ましい。このような製造方法であれば、可塑性溶剤を微量含む樹脂組成物層11を形成する場合に、樹脂組成物を構成する成分の溶解、分散、希釈等のために上記塗工液に添加した希釈剤を完全に乾燥させることなく樹脂組成物層11を形成することが容易となり、このような可塑性溶剤を微量含む樹脂組成物層11を得ることが容易である。また、特に、前述した樹脂組成物の塗工液の1回の塗工により単一の層からなる樹脂組成物層11を(樹脂組成物層11が複数の単位樹脂組成物層を積層したものである場合には、単位樹脂組成物層を)形成して製造することが好ましい。例えば、前述した樹脂組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、当該塗工液を剥離シート12の剥離面上に塗工して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより樹脂シート1を製造することができる。本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、上述した塗工液が比較的高い粘度を有するものとなり、1回の塗工により、樹脂組成物層11(単位樹脂組成物層)を厚膜形成することが可能となる。
上述した塗工は、ナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、グラビアコート法、ブレードコート法およびロールキスコート法等が挙げられ、特にナイフコート法を使用することが好ましい。これらの塗工法によれば、十分な厚さを有する樹脂組成物層11を形成することが容易となる。
ナイフコート法により塗工する場合、その塗工速度は、0.3m/分以上とすることが好ましく、特に0.5m/分以上とすることが好ましい。また、当該速度は、30m/分以下とすることが好ましく、特に15m/分以下とすることが好ましい。このような塗工速度とすることにより、樹脂組成物層11を厚膜形成し易くなる。
形成した塗膜を乾燥する際の条件としては、乾燥温度が40℃以上であることが好ましく、特に45℃以上であることが好ましい。また、乾燥温度は、150℃以下であることが好ましく、特に130℃以下であることが好ましい。乾燥時間は、8分以上であることが好ましく、特に10分以上であることが好ましい。また、乾燥時間は、20分以下であることが好ましく、特に15分以下であることが好ましい。なお、塗膜の乾燥は、乾燥温度を変更しながら行ってもよく、例えば、乾燥時間を各温度につき3分〜4分程度として、乾燥温度を50℃、70℃、90℃および100℃と順に上昇させて乾燥させることが好ましい。
上記希釈剤としては、上述した可塑性溶剤に採用し得るものを用いることができ、その他のものとしては、トルエン(沸点:110.6℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、メチルエチルケトン(沸点:79.6℃)、イソプロピルアルコール(沸点:82.6℃)等の有機溶媒等が挙げられる。希釈剤は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。剥離シート12は工程材料として剥離してもよいし、封止に使用するまでの間、樹脂組成物層11を保護していてもよい。
また、樹脂シート1の両面に剥離シートがそれぞれ積層された積層体の製造方法としては、一の剥離シートの剥離面上に塗工液を塗工して塗膜を形成し、これを乾燥させて樹脂組成物層11と一の剥離シートとからなる積層体を形成した後、当該積層体の樹脂組成物層11における一の剥離シートとは反対の面を他の剥離シートの剥離面に貼付して、一の剥離シート/樹脂組成物層11/他の剥離シートという構成を有する樹脂シート1を得ることができる。この場合、剥離シートの少なくとも一方は工程材料として剥離してもよいし、封止に使用するまでの間、樹脂組成物層11を保護していてもよい。
また、樹脂組成物層11を、複数の層の積層により得る場合には、上記の方法により得られた樹脂組成物層を、単位樹脂組成物層とし、これを複数枚積層して樹脂組成物層11を得ればよい。この場合には、単位樹脂組成物層を積層した分だけ、厚さの厚い樹脂組成物層11を得られるという利点がある。
5.樹脂シートの使用方法
本実施形態に係る樹脂シート1は、半導体装置の製造方法において、電子部品の封止に使用される。例えば、基板上や、粘着シートといった仮固定材上に設けられた電子部品に対して、樹脂シート1における樹脂組成物層11を積層した後、樹脂組成物層11を硬化させて硬化層を形成することで、電子部品の封止を行うことができる。
本実施形態に係る樹脂シート1は、半導体装置の製造方法において、電子部品の封止に使用される。例えば、基板上や、粘着シートといった仮固定材上に設けられた電子部品に対して、樹脂シート1における樹脂組成物層11を積層した後、樹脂組成物層11を硬化させて硬化層を形成することで、電子部品の封止を行うことができる。
本実施形態に係る樹脂シート1は、製造から使用までの間の実質的に全部または一部の期間、冷蔵保存することが好ましい。冷蔵保存により、樹脂組成物層11に含まれる硬化性樹脂の反応が進行することを防ぐことができる。また、樹脂組成物層11が可塑性溶剤を微量含む場合に、保管中の可塑性溶剤の揮散を抑制することができる。冷蔵保存は、15℃以下で行うことが好ましく、0〜12℃で行うことがより好ましい。
上述した硬化は、樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含む場合には、樹脂組成物層11を加熱することによって行うことが好ましい。この場合、加熱処理の温度を、100℃以上とすることが好ましく、特に120℃以上とすることが好ましい。また、当該温度を、240℃以下とすることが好ましく、特に200℃以下とすることが好ましい。また、加熱処理の時間を、15分間以上とすることが好ましく、特に20分間以上とすることが好ましい。また、当該時間を、300分間以下とすることが好ましく、特に100分間以下とすることが好ましい。
また、上述した加熱による樹脂組成物層11の硬化は、複数回の加熱処理により段階的に行うことが好ましい。この場合の加熱は、2回以上に分けて行うことが好ましく、特に、温度T1で熱硬化させる第1の加熱処理と、温度T1よりも高い温度T2にて熱硬化させる第2の加熱処理とによる、2段階の加熱の処理により行われることがより好ましい。この場合、第1の加熱処理では、温度T1が100℃以上、130℃以下であることが好ましく、加熱処理の時間は15分以上、60分以下であることが好ましい。また、第2の加熱処理では、温度T2が、150℃以上、220℃以下であることが好ましく、加熱処理の時間は30分以上、120分以下であることが好ましい。
樹脂組成物がエネルギー線硬化性樹脂を含む場合には、樹脂組成物層11の硬化は、エネルギー線の照射、例えば、紫外線の照射により行えばよい。紫外線を照射する場合、その条件は通常、照度が50〜500mW/cm2、照射量が100〜2,500mJ/cm2程度である。この場合、樹脂組成物層により電子部品を積層した後、樹脂組成物層11の硬化前又は後に、樹脂組成物層11中の可塑性溶剤を揮発させるための加熱工程を行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂シート1が、樹脂組成物層11の片面側のみに剥離シート12を備える場合、当該剥離シート12は、樹脂組成物層11を電子部品に積層した後、樹脂組成物層11を硬化させる前に樹脂組成物層11から剥離してもよく、あるいは、樹脂組成物層11を硬化させた後、形成された硬化層から剥離してもよい。本実施形態に係る樹脂シート1が、樹脂組成物層11の両面側に剥離シートを備える場合、一の剥離シートを剥離して、露出した樹脂組成物層11の露出面を電子部品に積層し、他の剥離シートについては、樹脂組成物層11の硬化の前後のいずれかにおいて剥離してよい。
上述した半導体装置の製造方法は、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層の表面の少なくとも一部にアルカリ性溶液を接触させる工程を含むことが好ましい。また、上述した半導体装置の製造方法は、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層の表面の少なくとも一部に対してメッキ処理を行う工程を含むことが好ましい。
上述したアルカリ性溶液を接触させる工程、および上述したメッキ処理を行う工程を含む製造方法の例としては、半導体装置として部品内蔵基板を製造する方法が挙げられる。部品内蔵基板の製造方法では、例えば、最初に、基板上に設けられた電子部品に対して、樹脂シート1における樹脂組成物層11を積層した後、樹脂組成物層11を硬化させて硬化層を形成する。次に、当該硬化層に剥離シート12が積層されている場合には、当該剥離シート12を剥離した後に、硬化層における電子部品が存在するのとは反対側の面から、硬化層と電子部品との界面、あるいは硬化層の、電子部品が存在する側の表面まで達する孔を形成する。続いて、上述したアルカリ性溶液を接触させる工程として、孔が形成された硬化層と電子部品と基材との積層体をアルカリ性溶液に接触させる。この処理により、孔を形成した際に生じたスミアが孔内部から除去される(デスミア処理)。続いて、上述したメッキ処理を行う工程として、配線の形成が行われる。具体的には、硬化層における孔を形成した面に対して、銅といった金属を用いたメッキ処理を行い、孔に対して当該金属を埋め込んだ後、メッキされた当該金属における不要な部分をエッチング等により除去して、残る金属片として配線を形成することができる。その後、硬化層の両表面にビルドアップ法等により、多層基板を形成し、部品内蔵基板が得られる。
本実施形態に係る樹脂シート1では、樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含むことにより、上述したアルカリ性溶液に接触させる工程を行う場合には、樹脂組成物層11を硬化してなる硬化層において、無機フィラーの周囲に存在するマトリックス成分がアルカリ性溶液中に溶出し難いものとなる。その一方で、無機フィラーは硬化層からアルカリ性溶液中に適度に脱離するため、硬化層の表面は、無機フィラーが脱離して生じる微小な空隙と残留するマトリックスとにより、微小な凹凸を有するものとなる。さらに、アルカリ性溶液に接触させる工程に続いて、上述したメッキ処理を行う工程を行う場合、微小な凹凸が形成された硬化層の表面においてメッキのアンカー効果が良好に発揮されるため、硬化層におけるメッキの定着性が優れたものとなる。その結果、硬化層の表面に対して配線が良好に定着した半導体装置を製造することが可能となる。
上述した電子部品の例としては、一般的に封止の対象となる電子部品であれば特に限定されず、例えば、半導体チップ、コンデンサー等が挙げられる。また、製造される半導体装置としては、部品内蔵基板、半導体パッケージ等が挙げられ、特に部品内蔵基板であることが好ましい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例および試験例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1および比較例1〜2〕
表1に示す構成成分を混合し、メチルエチルケトンにて希釈して、表1に示す固形分濃度を有する樹脂組成物の塗工液を得た。上記塗工液を、片面がシリコーン剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製,製品名「PET38AL−5*」)の剥離面上に、ナイフコーターを用いて以下の条件で塗工し、得られた塗膜を以下の条件で乾燥することで、樹脂組成物層を形成した。その後、樹脂組成物層の剥離フィルムと接していない側の表面に、第2の剥離フィルム(リンテック社製、製品名「SP−PET381031」)の剥離面を積層し、樹脂組成物層と2枚の剥離シートとからなる樹脂シートを得た。なお、後述するように、無機フィラーは、分散媒としてのシクロヘキサノンに分散させた状態で樹脂組成物の塗工液中に配合している。当該シクロヘキサノンは、樹脂シートの形成後も樹脂シート中に残るものである。ここで、表1における無機フィラーの配合量は、無機フィラーの含有量のみが反映されたものであり、上記シクロヘキサノンの含有量は反映されていないものである。また、表1には、上記塗工液の粘度計(アントン・パール社製,製品名「レオメータMCR302」)で測定した粘度も示す。
<ナイフコーターを用いた塗工条件>
塗工速度:0.6m/分
塗工ギャップ:700μm
<乾燥条件>
乾燥温度:50℃→70℃→90℃→100℃
乾燥時間:各温度につき、3分20秒
表1に示す構成成分を混合し、メチルエチルケトンにて希釈して、表1に示す固形分濃度を有する樹脂組成物の塗工液を得た。上記塗工液を、片面がシリコーン剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製,製品名「PET38AL−5*」)の剥離面上に、ナイフコーターを用いて以下の条件で塗工し、得られた塗膜を以下の条件で乾燥することで、樹脂組成物層を形成した。その後、樹脂組成物層の剥離フィルムと接していない側の表面に、第2の剥離フィルム(リンテック社製、製品名「SP−PET381031」)の剥離面を積層し、樹脂組成物層と2枚の剥離シートとからなる樹脂シートを得た。なお、後述するように、無機フィラーは、分散媒としてのシクロヘキサノンに分散させた状態で樹脂組成物の塗工液中に配合している。当該シクロヘキサノンは、樹脂シートの形成後も樹脂シート中に残るものである。ここで、表1における無機フィラーの配合量は、無機フィラーの含有量のみが反映されたものであり、上記シクロヘキサノンの含有量は反映されていないものである。また、表1には、上記塗工液の粘度計(アントン・パール社製,製品名「レオメータMCR302」)で測定した粘度も示す。
<ナイフコーターを用いた塗工条件>
塗工速度:0.6m/分
塗工ギャップ:700μm
<乾燥条件>
乾燥温度:50℃→70℃→90℃→100℃
乾燥時間:各温度につき、3分20秒
ここで、表1に示す構成成分の詳細は以下の通りである。
[熱硬化性樹脂]
BisA型エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「YL980」)
ビフェニル型エポキシ樹脂:ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製,製品名「NC−3000−L」)
ナフタレン型エポキシ樹脂:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製,製品名「HP−6000」)
ビフェニル型フェノール樹脂:ビフェニル型フェノール樹脂(明和化成社製,製品名「MEHC−7851−SS」)
[造膜性樹脂]
ポリビニルアセタール樹脂:ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製,製品名「BX−5」,重量平均分子量:130,000)
BisA型フェノキシ樹脂:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「YX7200B35」」,重量平均分子量:30,000)
アクリル樹脂:アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製,製品名「SG−P3」」,重量平均分子量:130,000)
[硬化触媒]
イミダゾール系熱硬化触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製,製品名「2E4MZ」)
[無機フィラー]
エポキシシラン処理シリカフィラー:シリカフィラー(アドマテックス社製,製品名「SO−C2」,平均粒径:0.5μm,最大粒径:2μm,形状:球状)を、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製,製品名「KBM−403」,最小被覆面積:330m2/g)を用いて表面処理したもの。なお、シクロヘキサノンを分散媒とした分散状態にて、樹脂組成物の塗工液に配合した。
[熱硬化性樹脂]
BisA型エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「YL980」)
ビフェニル型エポキシ樹脂:ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製,製品名「NC−3000−L」)
ナフタレン型エポキシ樹脂:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製,製品名「HP−6000」)
ビフェニル型フェノール樹脂:ビフェニル型フェノール樹脂(明和化成社製,製品名「MEHC−7851−SS」)
[造膜性樹脂]
ポリビニルアセタール樹脂:ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製,製品名「BX−5」,重量平均分子量:130,000)
BisA型フェノキシ樹脂:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「YX7200B35」」,重量平均分子量:30,000)
アクリル樹脂:アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製,製品名「SG−P3」」,重量平均分子量:130,000)
[硬化触媒]
イミダゾール系熱硬化触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製,製品名「2E4MZ」)
[無機フィラー]
エポキシシラン処理シリカフィラー:シリカフィラー(アドマテックス社製,製品名「SO−C2」,平均粒径:0.5μm,最大粒径:2μm,形状:球状)を、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製,製品名「KBM−403」,最小被覆面積:330m2/g)を用いて表面処理したもの。なお、シクロヘキサノンを分散媒とした分散状態にて、樹脂組成物の塗工液に配合した。
〔試験例1〕(表面観察)
実施例および比較例で作製した樹脂シートにおける樹脂組成物層側の面を銅貼り積層板上にラミネートした後、樹脂組成物層から剥離シートを剥離した。続いて、当該樹脂組成物層を、100℃で60分間加熱し、さらに170℃で60分間加熱することにより硬化させて、硬化層を形成した。得られた硬化層と銅貼り積層板との積層体を、アルカリ性溶液としての過マンガン酸カリウムを含有する水酸化ナトリウム溶液(奥野製薬工業社製,製品名「OPC−1200」35mlを水315mlで希釈し、さらに過マンガン酸カリウムを添加して過マンガン酸カリウム濃度を0.32mol/Lとしたもの;以下「アルカリ性溶液(1)」ともいう。)中に80℃で15分間浸漬した。当該浸漬後の測定用サンプルの表面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製,製品名「S−4700」)を用いて、加速電圧5kVまたは10kV、傾斜角45度、倍率10000倍の条件で撮影した。得られた写真を図2〜4に示す。ここで、図2には実施例1に係る写真が、図3には比較例1に係る写真が、図4には比較例2に係る写真がそれぞれ示される。
実施例および比較例で作製した樹脂シートにおける樹脂組成物層側の面を銅貼り積層板上にラミネートした後、樹脂組成物層から剥離シートを剥離した。続いて、当該樹脂組成物層を、100℃で60分間加熱し、さらに170℃で60分間加熱することにより硬化させて、硬化層を形成した。得られた硬化層と銅貼り積層板との積層体を、アルカリ性溶液としての過マンガン酸カリウムを含有する水酸化ナトリウム溶液(奥野製薬工業社製,製品名「OPC−1200」35mlを水315mlで希釈し、さらに過マンガン酸カリウムを添加して過マンガン酸カリウム濃度を0.32mol/Lとしたもの;以下「アルカリ性溶液(1)」ともいう。)中に80℃で15分間浸漬した。当該浸漬後の測定用サンプルの表面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製,製品名「S−4700」)を用いて、加速電圧5kVまたは10kV、傾斜角45度、倍率10000倍の条件で撮影した。得られた写真を図2〜4に示す。ここで、図2には実施例1に係る写真が、図3には比較例1に係る写真が、図4には比較例2に係る写真がそれぞれ示される。
図2および図3に示される写真によると、実施例1および比較例1の硬化層の表面では、硬化層から無機フィラーが脱離して生じた空洞が多数存在している。このことから、実施例1および比較例1の樹脂シートを用いて形成された硬化層では、アルカリ性溶液による処理を行った場合、無機フィラーが適度に脱離する一方で、無機フィラーの周囲を埋めていたマトリックスはアルカリ性溶液に溶け出すことなく、ほぼそのまま残ることがわかる。
これに対し、図4に示される写真によると、比較例2の硬化層の表面では、多数の無機フィラーが存在する一方で、上述したマトリックスは殆ど見当たらない。このことから、比較例2の樹脂シートを用いて形成された硬化層では、上述したマトリックスが、無機フィラーを残した状態でアルカリ性溶液に溶け出したことがわかる。
〔試験例2〕(樹脂組成物層の厚さの測定)
実施例および比較例で作製した樹脂シートの厚さを、定圧厚さ測定器(テックロック社製,製品名「PG−02J」)を用いて測定し、得られた測定値から剥離フィルムの厚さを差し引いて、樹脂組成物層の厚さ(μm)を算出した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で作製した樹脂シートの厚さを、定圧厚さ測定器(テックロック社製,製品名「PG−02J」)を用いて測定し、得られた測定値から剥離フィルムの厚さを差し引いて、樹脂組成物層の厚さ(μm)を算出した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(メッキの剥がれの評価)
実施例および比較例で作製した樹脂シートの樹脂組成物層側の面を、コア材(日立化成社製,製品名「MCL−E−679FG」)の片面に、真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製,製品名「V130」)を使用して、90℃および0.3MPaの条件にてラミネートし、その後、樹脂組成物層から剥離シートを剥離した。続いて、100℃で60分間加熱した後、さらに180℃で60分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させた。これにより、コア材と、樹脂組成物層が硬化してなる硬化層とからなる積層体を得た。
実施例および比較例で作製した樹脂シートの樹脂組成物層側の面を、コア材(日立化成社製,製品名「MCL−E−679FG」)の片面に、真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製,製品名「V130」)を使用して、90℃および0.3MPaの条件にてラミネートし、その後、樹脂組成物層から剥離シートを剥離した。続いて、100℃で60分間加熱した後、さらに180℃で60分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させた。これにより、コア材と、樹脂組成物層が硬化してなる硬化層とからなる積層体を得た。
得られた積層体を、グリコールエーテル系溶媒とエチレングリコールモノブチルエーテルが2:1の比率で混合されてなる膨潤液(奥野製薬工業社製,製品名「OPC−1080コンディショナー」)中に60℃で5分間浸漬した後、粗化液としての上述のアルカリ性溶液(1)に80℃で5分間浸漬することで、デスミア処理を行った。
続いて、上記積層体を、パラジウム・スズコロイド触媒溶液(奥野製薬工業社製,製品名「OPC50インデューサM」)中に40℃で6分間浸漬した後、活性化処理溶液(奥野製薬工業社製,製品名「OPC-150クリスターRW」)中に室温で5分間浸漬し、さらにその後、無電解銅めっき液(奥野製薬工業社製,製品名「ATSアドカッパーIW」)中に室温で35分間浸漬することで、上記積層体に対して無電解銅メッキを行った。これにより、厚さ1μmの銅によるメッキ層を形成した。その後、当該メッキ層が形成された積層体を、150℃の環境下に30分間置くことでアニール処理を施した。
上記アニール処理後、上記積層体に対し、電解液(硫酸銅濃度:200g/L,硫酸濃度:50g/L,塩化物イオン濃度:50mg/L)中において、電流密度1A/dm2の条件にて電解銅メッキを行った。これにより、メッキ層の最終的な厚さは30μmとなった。続いて、このメッキ層が形成された積層体を、190℃の環境下に60分間置くことでアニール処理を施した。
厚さ30μmのメッキ層が形成された積層体における、硬化層からのメッキ層の剥がれの有無を目視にて確認した。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(メッキのピール強度の測定)
試験例3において、メッキの剥がれが「無し」との評価を得た実施例1および比較例1における、厚さ30μmのメッキ層が形成された積層体を10mm幅にカットし、万能型引張試験機(島津製作所製,製品名「オートグラフAG−IS」)を用いて、ピール角度90°およびピール速度50mm/minの条件で、硬化層に接する側のメッキ層を、当該硬化層から剥がし、その時のピール強度(N/10mm)を測定した。結果を表1に示す。
試験例3において、メッキの剥がれが「無し」との評価を得た実施例1および比較例1における、厚さ30μmのメッキ層が形成された積層体を10mm幅にカットし、万能型引張試験機(島津製作所製,製品名「オートグラフAG−IS」)を用いて、ピール角度90°およびピール速度50mm/minの条件で、硬化層に接する側のメッキ層を、当該硬化層から剥がし、その時のピール強度(N/10mm)を測定した。結果を表1に示す。
以上のように、実施例で得られた樹脂シートは、樹脂組成物層の厚さが十分に厚いものであるとともに、硬化層におけるメッキの定着性に優れていた。
本発明に係る樹脂シートは、部品内蔵基板といった半導体装置の製造に好適に利用することができる。
1…樹脂シート
11…樹脂組成物層
12…剥離シート
11…樹脂組成物層
12…剥離シート
Claims (11)
- 半導体装置の製造方法において電子部品の封止に使用される樹脂シートであって、
前記樹脂シートが、硬化性の樹脂組成物層を備え、
前記樹脂組成物層が、硬化性樹脂、造膜性樹脂および無機フィラーを含有する樹脂組成物から形成されたものであり、
前記造膜性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂を含む
ことを特徴とする樹脂シート。 - 前記樹脂組成物層の厚さは、100μm以上、300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂シート。
- 前記樹脂組成物層は、単一の層からなることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂シート。
- 前記樹脂組成物層は、2層以上の単位樹脂組成物層を積層してなるものであり、
前記単位樹脂組成物層の厚さは、それぞれ100μm以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂シート。 - 前記無機フィラーは、最小被覆面積が550m2/g未満である表面処理剤により表面処理されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂シート。
- 前記半導体装置の製造方法は、前記樹脂組成物層を硬化してなる硬化層の表面の少なくとも一部に対してメッキ処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂シート。
- 前記半導体装置の製造方法は、前記樹脂組成物層を硬化してなる硬化層の表面の少なくとも一部にアルカリ性溶液を接触させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂シート。
- 前記半導体装置は、部品内蔵基板であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂シート。
- 半導体装置の製造方法において電子部品の封止に使用される樹脂シートの製造方法であって、
前記樹脂シートが、硬化性の樹脂組成物層を備え、
前記樹脂組成物層が、硬化性樹脂、造膜性樹脂および無機フィラーを含有する樹脂組成物から形成されたものであり、
前記造膜性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、
前記製造方法が、前記樹脂組成物の塗工液を塗工して塗膜を形成する工程、および当該塗膜を乾燥することにより前記樹脂組成物層を形成する工程を備える
ことを特徴とする樹脂シートの製造方法。 - 前記樹脂組成物の塗工液の1回の塗工により前記塗膜を形成し、
当該塗膜を乾燥することにより、請求項3に記載の単一の層からなる樹脂組成物層を形成すること、または請求項4に記載の単位樹脂組成物層を形成すること
を含むことを特徴とする請求項9に記載の樹脂シートの製造方法。 - 前記樹脂組成物の塗工液は、沸点が130℃以上である希釈剤を含有することを特徴とする請求項9または10に記載の樹脂シートの製造方法。
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