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JP2019051663A - バリアフィルム積層体 - Google Patents

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JP2019051663A JP2017178111A JP2017178111A JP2019051663A JP 2019051663 A JP2019051663 A JP 2019051663A JP 2017178111 A JP2017178111 A JP 2017178111A JP 2017178111 A JP2017178111 A JP 2017178111A JP 2019051663 A JP2019051663 A JP 2019051663A
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Abstract

【課題】バリアフィルムを180度方向に引っ張ったときの剥離強度に優れたバリアフィルム積層体を提供する。【解決手段】第一基材層11aと第一基材層11a上に形成された第一バリア層14aとを含む第一バリアフィルム16aと、第二基材層11bと第二基材層11b上に形成された第二バリア層14bとを含む第二バリアフィルム16bと、接着層15と、を備え、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとが接着層15を介して第一バリア層14aと第二バリア層14bとが対向するように貼り合わされたバリアフィルム積層体10。接着層15が、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、を含有する接着剤から形成され、上記エポキシ樹脂が鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂を含むバリアフィルム積層体10。【選択図】図1

Description

本発明はバリアフィルム積層体に関する。
液晶ディスプレイのバックライトユニット及びエレクトロルミネッセンス発光ユニット等の発光ユニットでは、発光体が酸素又は水蒸気等と接触して長時間が経過することにより、発光体としての性能が低下することがある。このため、これらの発光ユニットではしばしば、高分子フィルムにガスバリア層が形成されたガスバリアフィルムを接着層を介して積層したバリアフィルム積層体が、発光体の保護フィルムとして使用される(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−76288号公報
上述のようなバリアフィルム積層体において、ガスバリアフィルムは、酸素又は水蒸気等が主としてバリアフィルム積層体上面(又は下面)から厚さ方向(積層方向)に侵入することを抑制するガスバリア性を有する。バリアフィルム積層体は、このガスバリアフィルムが積層されることから、ガスバリアフィルム単層の場合と比べて酸素又は水蒸気等の侵入を一層抑制することができ、仮にガスバリアフィルムの一方にピンホール等の欠陥が生じてもバリアフィルム積層体としてのガスバリア性は容易には損なわれない。
一方、バリアフィルム積層体では、酸素又は水蒸気等がバリアフィルム積層体側面から接着層を通じて面方向(積層方向と垂直な方向)に侵入することもあり、さらにガスバリアフィルムに欠陥が生じた場合には、ガスバリアフィルム積層体としてのガスバリア性が損なわれ、保護する発光体の性能を低下させる可能性がある。このため、バリアフィルム積層体では、ガスバリアフィルムのみならず接着層に高いガスバリア性を持たせることがある。これにより、接着層を通じた酸素又は水蒸気等の侵入を抑制することができ、バリアフィルムに欠陥が生じた場合でも、バリアフィルム積層体としてのガスバリア性を保持しやすくなる。
ところが、このようなガスバリア性を有する接着層を用いたバリアフィルム積層体では、バリアフィルム間の剥離強度が剥離角度によって変化し、特に一方のバリアフィルムを他方のバリアフィルムの面方向に対して平行(180度方向)に引っ張ったときに剥離が生じやすくなる問題があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、バリアフィルムを180度方向に引っ張ったときの剥離強度に優れたバリアフィルム積層体を提供することを目的とする。
本発明は、第一基材層と上記第一基材層上に形成された第一バリア層とを含む第一バリアフィルムと、第二基材層と上記第二基材層上に形成された第二バリア層とを含む第二バリアフィルムと、接着層と、を備える、バリアフィルム積層体を提供する。上記バリアフィルム積層体において、上記第一バリアフィルムと上記第二バリアフィルムとが上記接着層を介して上記第一バリア層と上記第二バリア層とが対向するように貼り合わされている。また、上記第一バリア層が第一無機薄膜層と第一ガスバリア性被覆層とを含み、上記第二バリア層が第二無機薄膜層と第二ガスバリア性被覆層とを含み、上記接着層が、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、を含有する接着剤から形成され、上記エポキシ樹脂が鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂を含む。
ガスバリア性を有する接着層を用いたバリアフィルム積層体において、一方のバリアフィルムを他方のバリアフィルムの面方向に対して平行(180度方向)に引っ張ったときの剥離の様子を確認したところ、剥離は、接着層/バリアフィルム界面剥離、又は、接着層の凝集剥離ではなく、バリア層付近の基材層の凝集剥離であることがわかった。バリアフィルム積層体は多数の層の積層体であり、その製造時及び製造後に生じた応力が内部に蓄積されることがある。ガスバリア性を有する接着層は一般に硬い性質を有し、柔軟性が不足していることが多いことから、このような接着層を備えたバリアフィルム積層体では生じた応力の分散が難しくなるからである。その結果、基材層のバリア層付近に応力が集中し、基材層の凝集剥離が生じやすい状態になり、バリアフィルムを180度方向に引っ張ったときの基材層の凝集剥離となって現れたものと考えられる。基材層の凝集剥離が起こると、剥離強度が低下することがあった。特に、基材層として延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた場合、表面が層状に剥離する(表層剥離)ことから、剥離強度の低下が一層顕著となる傾向があることがわかった。
そこで、本発明者らは、接着剤に用いるエポキシ樹脂を鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂とすることにより、接着層に柔軟性を与え、バリアフィルムを180度方向に引っ張ったときの剥離強度の低下を抑制できることを見出した。本発明によれば、バリアフィルム積層体が上記接着剤から形成される接着層を備えることから、バリアフィルム同士を180度方向に引っ張ったときの剥離強度(以下、180度剥離強度という)に優れたバリアフィルム積層体を得ることができる。
上記バリアフィルム積層体において、上記鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂はヘキサンジオールジグリシジルエーテルであることが好ましい。これにより、バリアフィルム間の優れた180度剥離強度を得ながら、さらに、ガスバリア性を向上させることができる。
上記接着層の形成に用いる上記接着剤における、上記エポキシ樹脂の含有量Mの上記硬化剤の含有量Mに対する比(M/M)は、質量比で、0.05〜0.5であることが好ましい。これにより、バリアフィルム間の優れた剥離強度が得られやすくなる。
上記接着剤はアミノ基を有するシランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。これにより、バリアフィルム間の剥離強度が向上する傾向がある。
上記接着剤における、上記エポキシ樹脂の含有量Mの上記アミノ基を有するシランカップリング剤の含有量MSCAに対する比(M/MSCA)は、質量比で、1.0以上であることが好ましい。これにより、バリアフィルム間の剥離強度が向上しやすくなる。
上記接着剤は、エポキシ基を有するシランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。これにより、バリアフィルム間の剥離強度が向上する傾向がある。
上記接着層の酸素透過率は、厚さ5μmにおいて1000cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。これにより、バリアフィルム積層体のガスバリア性がさらに向上する傾向がある。
本発明によれば、バリアフィルムを180度方向に引っ張ったときの剥離強度に優れたバリアフィルム積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体を用いて得られる波長変換シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体を用いて得られるバックライトユニットの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体を用いて得られるエレクトロルミネッセンス発光ユニットの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[バリアフィルム積層体]
図1は本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。図1において、バリアフィルム積層体10は第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bと接着層15とを備え、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとが接着層15を介して貼り合わされている。
接着層15は、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、を含有する接着剤から形成される。より具体的には、上記接着剤を一方のバリアフィルム上に塗布・乾燥し、塗膜を介して他方のバリアフィルムを貼り合わせ、これらをエージング処理することにより、塗膜中のエポキシ樹脂とその硬化剤との硬化反応を経て、接着層が形成される。言い換えると、接着層15は、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤との反応物を含有する。また、上記エポキシ樹脂は鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂を含む。これにより、形成された接着層15は柔軟性を有するものとなる。接着層15が柔軟性を有することにより、バリアフィルム積層体の製造時及び製造後に生じた応力を分散し、応力が特定の箇所への負荷となることを抑制することができる。したがって、上記接着層15を備えるバリアフィルム積層体10では、バリアフィルム間の優れた180度剥離強度が得られる。
本明細書において、鎖状脂肪族型のエポキシ樹脂とは鎖状脂肪族炭化水素基を主骨格として有するエポキシ樹脂を指し、上記主骨格とは例えばエポキシ樹脂中のエポキシ基導入部位を除いた部分を指す。また、2官能エポキシ樹脂は官能基としてのエポキシ基を分子中に2つ有するエポキシ樹脂を指す。なお、鎖状脂肪族炭化水素基は環構造(芳香族環及び脂肪族環を含む)を有しない脂肪族炭化水素基である。
鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂は、例えば、アルキレンジアミンやアルキレンジオール等にエピクロロヒドリンを作用させて、得ることができる。この場合、得られたエポキシ樹脂中の、アルキレンジアミンのアミノ基に由来する窒素原子、又は、アルキレンジオールのヒドロキシル基に由来する酸素原子から末端のエポキシ基を含む部分がエポキシ基導入部位となる。また、アルキレンジアミンやアルキレンジオールにおけるアルキレン基に由来する部分がエポキシ樹脂の主骨格となる。
鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂としては、具体的には、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、及びジエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂はこれらの中でも、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル又はネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルであることが好ましく、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルであることがより好ましい。鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂がヘキサンジオールジグリシジルエーテルである場合、バリアフィルム積層体のガスバリア性が向上する傾向がある。
上記エポキシ樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂を含むことができる。上記その他のエポキシ樹脂としては、芳香族型のエポキシ樹脂、環状脂肪族型のエポキシ樹脂、単官能エポキシ樹脂、及び3官能以上のエポキシ樹脂等が挙げられる。その他のエポキシ樹脂は3官能以上のエポキシ樹脂であることができる。エポキシ樹脂が3官能以上のエポキシ樹脂を含む場合、3官能以上のエポキシ樹脂の含有量MEMの鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂の含有量ME2に対する比(MEM/ME2)は、不揮発分の質量比で、1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。接着剤が3官能以上のエポキシ樹脂を鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂に対して一定以下の上記含有量で含有することにより、接着層への柔軟性の付与や180度剥離強度の効果を損なうことなく、ガスバリア性を向上できる傾向がある。
アミノ基を有する硬化剤は特に限定されず、エポキシ樹脂と混合して加熱により硬化可能なものであればよい。
上記接着剤におけるエポキシ樹脂の含有量Mのアミノ基を有する硬化剤の含有量Mに対する比(M/M)は、不揮発分の質量比で、好ましくは1.0以下であり、より好ましくは0.05〜0.5であり、さらに好ましくは0.2〜0.5であり、特に好ましくは0.3〜0.5である。接着剤がエポキシ樹脂とアミノ基を有する硬化剤とを上記範囲内で含有することにより、バリアフィルムの密着性がさらに得られやすくなる。
上記接着剤はさらにシランカップリング剤を含有することが好ましく、アミノ基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤を含有することがより好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤を含有することがさらに好ましい。アミノ基を有するシランカップリング剤はさらに2つ以上の加水分解性官能基を有することが好ましい。エポキシ基を有するシランカップリング剤はさらに2つ以上の加水分解性官能基を有することが好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノヘキシルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノオクチルメチルジメトキシシラン、及び、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記接着剤がアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する場合、上記接着剤における、エポキシ樹脂の含有量Mのアミノ基を有するシランカップリング剤の含有量MSCAに対する比(M/MSCA)は、不揮発分の質量比で、1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。接着剤がアミノ基を有するシランカップリング剤を上記比率で含有することにより、バリアフィルムの剥離強度が向上しやすくなる。
また、上記接着剤がエポキシ基を有するシランカップリング剤を含有する場合、上記接着剤における、アミノ基を有する硬化剤の含有量Mのエポキシ基を有するシランカップリング剤の含有量MSCEに対する比(M/MSCE)は、不揮発分の質量比で、10.0以上であることが好ましい。接着剤がエポキシ基を有するシランカップリング剤を上記比率で含有することにより、バリアフィルムの剥離強度が向上しやすくなる。
接着層15の酸素透過率は、厚さ5μmにおいて、厚さ方向に、1000cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。上記酸素透過率は500cm/(m・day・atm)以下であることがより好ましく、200cm/(m・day・atm)以下であることがさらに好ましい。接着層15の酸素透過率が、1000cm/(m・day・atm)以下であることにより、発光ユニットに用いた場合に、仮にバリア層が欠陥を有していたとしても、欠陥周辺のダークスポットの発生を抑制しやすくなる。上記酸素透過率の下限値は特に制限されないが、例えば、0.1cm/(m・day・atm)である。
接着層15の厚さは、0.5〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、2〜6μmあることがさらに好ましい。接着層15の厚さが0.5μm以上であることにより、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとの密着性が得られやすくなり、上記厚さが20μm以下であることにより、ガスバリア性が得られやすくなる。
図1において、第一バリアフィルム16aは第一基材層11aと第一基材層11a上に形成された第一バリア層14aとを含み、第二バリアフィルム16bは第二基材層11bと第二基材層11b上に形成された第二バリア層14bとを含む。
第一基材層11a及び第二基材層11bは加工及び流通等における破損を抑制するための層である。第一基材層11aと第二基材層11bとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン;ポリカーボネート;並びにトリアセチルセルロース等のフィルムが挙げられるが、これらに限定されない。第一基材層11a及び第二基材層11bは、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム又はポリオレフィンフィルムであることが好ましく、ポリエステルフィルム又はポリアミドフィルムであることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムであることがさらに好ましい。また、第一基材層11a及び第二基材層11bは二軸延伸されていることが好ましい。第一基材層11aと第二基材層11bは同じであっても異なっていてもよい。第一基材層11a又は第二基材層11bが延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムである場合、第一バリアフィルム16a又は第二バリアフィルム16bを180度方向に引っ張ったとき、第一基材層11a又は第二基材層11bの表面が層状に剥離する(表層剥離)ことがあるが、本実施形態に係るバリアフィルム積層体10は上記接着層15を備えることから、180度剥離強度の低下が生じることなく、延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムがその機能を十分に発揮することができる。
第一基材層11a及び第二基材層11bの厚さは、特に制限されないが、3μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
第一基材層11a及び第二基材層11b上にそれぞれ第一バリア層14a及び第二バリア層14bが、必要に応じてアンカーコート層(図示しない)を介して、形成されている。アンカーコート層としてはポリエステル樹脂等が挙げられ、アンカーコート層の厚さは0.01〜1μm程度である。
第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとは第一バリア層14aと第二バリア層14bとが対向するように貼り合わされている。これにより、より優れたガスバリア性を得ることができ、また、第一バリア層14a及び第二バリア層14bを外力から保護できることから、より安定したガスバリア性を得ることができる。
第一バリアフィルム16aは第一バリア層14aを2つ以上含んでいてもよく、第二バリアフィルム16bは第二バリア層14bを2つ以上含んでいてもよい。第一バリアフィルム16aが第一バリア層14aを2つ以上含む場合、複数の第一バリア層14aの構成は同じであってもよく、異なっていてもよい。上記第二バリアフィルム16bが第二バリア層14bを2つ以上含む場合、複数の第二バリア層14bの構成は同じであってもよく、異なっていてもよい。上記バリアフィルム積層体10を発光ユニットに用いる場合、バリアフィルム積層体10は第一バリアフィルム16aが発光体層と接するように配置される。バリアフィルム積層体10が第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとを重ねたバリアフィルム積層体であることにより、発光ユニットに用いた場合に、外力による発光体層の破損を抑制し、且つ、ガスバリア性を向上させることができる。
第一バリア層14aは第一無機薄膜層12aと第一ガスバリア性被覆層13aとを含み、第一基材層11a上に第一無機薄膜層12aと第一ガスバリア性被覆層13aとがこの順に積層されている。第二バリア層14bは第二無機薄膜層12bと第二ガスバリア性被覆層13bとを含み、第二基材層11b上に第二無機薄膜層12bと第二ガスバリア性被覆層13bとがこの順に積層されている。
第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bは無機化合物を含み、金属酸化物を含むことが好ましい。上記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、イットリウム、タンタル、ケイ素、マグネシウム等の金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、安価でバリア性能に優れることから、酸化ケイ素(SiO、xは1.0〜2.0)であることが好ましい。xが1.0以上であると、良好なガスバリア性が得られやすい傾向がある。
第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの形成方法は真空成膜であることが好ましい。真空成膜としては、物理気相成長法及び化学気相成長法が挙げられる。物理気相成長法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。また、化学気相成長法としては、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等が挙げられる。製造コストの観点から、第一無機薄膜層12a又は第二無機薄膜層12bは蒸着法で形成された無機蒸着膜層であることが好ましい。
第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの厚さは、10〜300nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの厚さが10nm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、ガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bの厚さが300nm以下であることにより、第一無機薄膜層12a及び第二無機薄膜層12bに柔軟性を保持させることができ、成膜後に折り曲げ、引張等の外力により、亀裂等が生じにくくなる傾向がある。
第一ガスバリア性被覆層13a及び第二ガスバリア性被覆層13bは下記式(1)で表わされる金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物から形成されることが好ましい。
M(OR(Rn−m ・・・(1)
上記式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1〜nの整数である。金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C]等が挙げられる。金属アルコキシドは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムであることが好ましい。金属アルコキシドの加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH))、及び、トリプロポキシアルミニウムの加水分解物である水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における金属アルコキシド及びその加水分解物の含有量は、例えば、10〜90質量%である。
上記組成物はさらに水酸基含有高分子化合物を含んでいてもよい。水酸基含有高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びデンプン等の水溶性高分子が挙げられる。水酸基含有高分子化合物はバリア性の観点からポリビニルアルコールであることが好ましい。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における水酸基含有高分子化合物の含有量は、例えば、10〜90質量%である。
第一ガスバリア性被覆層13a及び第二ガスバリア性被覆層13bの厚さは、50〜1000nmであることが好ましく、100〜500nmであることがより好ましい。第一ガスバリア性被覆層13a及び第二ガスバリア性被覆層13bの厚さが50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、十分な柔軟性を保持できる傾向がある。
バリアフィルム積層体10は、光散乱機能を発揮させるために、第二バリアフィルム16b側の表面にさらにコーティング層(図示しない)を備えていてもよい。バリアフィルム積層体10がコーティング層を備えることにより、光散乱機能以外にも、干渉縞(モアレ)防止機能及び反射防止機能等を得ることができる。
バリアフィルム積層体10は、酸素や水蒸気等と接触することにより劣化し得る発光体の保護フィルム(発光体保護フィルム)として好適に用いることができる。上記発光体としては、量子ドット等の蛍光体、エレクトロルミネッセンス発光体等が挙げられる。
本実施形態に係るバリアフィルム積層体の製造方法について説明する。まず、第一バリアフィルム16a及び第二バリアフィルム16bが準備される。第一バリアフィルム16a及び第二バリアフィルム16bの作製方法は上述のとおりである。次に、上記接着剤が、第一バリアフィルム16aの第一バリア層14a側(又は第二バリアフィルム16bの第二バリア層14b側)の面上に塗布され、塗膜が形成される。接着剤の塗布方法としては、リバースグラビア塗工方法等が挙げられる。上記塗膜は、必要に応じて、乾燥されてもよい。乾燥温度は70〜130℃程度であり、乾燥時間は10〜60秒間程度である。その後、第一バリアフィルム16aと第二バリアフィルム16bとが上記塗膜を介して第一バリア層14aと第二バリア層14bとが対向するように貼り合わせられる。貼り合わせ後、上記塗膜を加熱硬化させることにより、上記塗膜が接着層15となり、バリアフィルム積層体10を製造することができる。上記塗膜を硬化させるための加熱(エージング)温度は例えば40〜60℃であり、加熱時間は例えば1〜4日間である。
[波長変換シート]
図2は本発明の一実施形態に係るバリアフィルム積層体を用いて得られる波長変換シートの概略断面図である。波長変換シートは液晶ディスプレイ用バックライトユニットの光源からの光の一部の波長を変換可能なシートである。図2に示すように、波長変換シート20は、上述したバリアフィルム積層体10と、上記バリアフィルム積層体10上に形成された蛍光体層21と、上記蛍光体層21上に設けられた別のバリアフィルム積層体10と、を備えて概略構成されている。波長変換シート20は、2つのバリアフィルム積層体10の間に、蛍光体層21が包み込まれた(すなわち、封止された)構造を有する。波長変換シート20において、バックライトユニットの光源側に配置される一方のバリアフィルム積層体には、上述したバリアフィルム積層体10とは異なる保護フィルムが用いられてもよい。また、波長変換シート20は必ずしも光源側に保護フィルムを備えていなくてもよい。すなわち、波長変換シート20は、バリアフィルム積層体10と、上記バリアフィルム積層体10の上記第一バリアフィルム16a上に形成された蛍光体層21と、を備えるものであってもよい。
蛍光体層21は樹脂及び蛍光体を含む。蛍光体層21の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。蛍光体層21は、量子ドットからなる2種類の蛍光体を含むことが好ましい。また、蛍光体層21は、1種類の蛍光体を含む蛍光体層と別の種類の蛍光体を含む蛍光体層が2層以上積層されたものであってもよい。2種類の蛍光体には、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、バックライトユニットの光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。光源に青色発光ダイオード(青色LED)を用いる場合、各蛍光色は、赤色及び緑色である。各蛍光の波長、及び光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば、赤色で610nmであり、緑色で550nmである。
次に、蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体としては、特に発光効率の良いコア・シェル型量子ドットが好適に用いられる。コア・シェル型量子ドットは、発光部としての半導体結晶コアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第一シェル及び第二シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCdSe、第一シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第二シェルにはZnSが使用可能である。
蛍光体層21は、蛍光体をすべて単一の層に分散させた単層構成を有していてもよく、各蛍光体を複数の層に別々に分散させ、これらを積層させた多層構成を有していてもよい。
次に、波長変換シート20の製造方法について図2を参照しながら説明する。蛍光体層21の形成方法としては、特に限定されず、例えば、特表2013−544018号明細書に記載される方法が挙げられる。バインダー樹脂に蛍光体を分散させ、調製した蛍光体分散液をバリアフィルム積層体10の第一バリアフィルム16a側の面上に塗布した後、塗布面に別のバリアフィルム積層体10を貼り合わせ、蛍光体層21を硬化することにより、波長変換シート20を製造することができる。
[バックライトユニット]
上記波長変換シート20を用いることにより、バックライトユニットが得られる。図3は、上記バリアフィルム積層体を用いて得られるバックライトユニットの概略断面図である。図3において、バックライトユニット30は光源32と上記波長変換シート20とを備え、上記蛍光体層21を挟んで上記光源32側とその反対側とに上記バリアフィルム積層体10が配置される。詳細には、バックライトユニット30において、波長変換シート20のバリアフィルム積層体10の表面上に導光板34及び反射板36がこの順で配置されており、光源32は上記導光板34の側方(導光板34の面方向)に配置されている。
導光板34及び反射板36は、光源32から照射された光を効率的に反射し、導くものであり、公知の材料が使用される。導光板34としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。光源32には、例えば、青色発光ダイオード素子が複数個設けられている。この発光ダイオード素子は、紫色発光ダイオード、又はさらに低波長の発光ダイオードであってもよい。光源32から照射された光は、導光板34(D1方向)に入射した後、反射及び屈折等を伴って蛍光体層21(D2方向)に入射する。蛍光体層21を通過した光は、蛍光体層21を通過する前の光に蛍光体層21で発生した黄色光が混ざることで、白色光となる。
[エレクトロルミネッセンス発光ユニット]
図4は、上記バリアフィルム積層体を用いて得られるエレクトロルミネッセンス発光ユニットの概略断面図である。本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニット50は、エレクトロルミネッセンス発光体層56と、バリアフィルム積層体10とを備える。エレクトロルミネッセンス発光ユニット50は、例えば、透明電極層54と、該透明電極層54上に設けられたエレクトロルミネッセンス発光体層56と、該エレクトロルミネッセンス発光体層56上の設けられた誘電体層58と、該誘電体層58上に設けられた背面電極層60を含む電極要素を、上記バリアフィルム積層体10及び保護フィルム62で挟持するとともに密封することにより得られる。エレクトロルミネッセンス発光体層56は上記バリアフィルム積層体10の第一バリアフィルム16a上に形成される。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[バリアフィルム積層体の作製]
(実施例1)
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、全固形分に対して5質量%となるように添加し、これらを混合することでアンカーコート層組成物を作製した。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(第一基材層、厚さ:25μm)の一方の面上に、上記アンカーコート層組成物をバーコート法により塗布し、100℃1分間乾燥硬化させることにより、厚さ50nmのアンカーコート層を形成した。
電子ビーム加熱式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を1.5×10−2Paの圧力下で電子ビーム加熱によって蒸発させ、上記アンカーコート層上に厚さ30nmのSiO膜(第一無機薄膜層)を形成した。なお、蒸着における加速電圧は40kVであり、エミッション電流は0.2Aであった。
次に、テトラエトキシシラン10.4質量部と塩酸(濃度:0.1N)89.6質量部とを混合して、混合液を30分間撹拌し、テトラエトキシシランの加水分解溶液を得た。一方、ポリビニルアルコールを水/イソプロピルアルコールの混合溶媒(水/イソプロピルアルコール(質量比)=90:10)中に溶解させ、3質量%のポリビニルアルコール溶液を得た。テトラエトキシシランの加水分解溶液60質量部とポリビニルアルコール溶液40質量部とを混合し、ガスバリア性被覆層組成物を得た。
第一無機薄膜層上に、上記ガスバリア性被覆層組成物を塗布、乾燥することにより、300nmの厚さを有する第一ガスバリア性被覆層を形成した。さらに、上記第一ガスバリア性被覆層上に、上記と同様にして、厚さ30nmの別の第一無機薄膜層を形成し、上記別の第一無機薄膜層上に、厚さ300nmの別の第一ガスバリア性被覆層を形成した。上記のようにして、第一基材層、アンカーコート層、第一無機薄膜層、第一ガスバリア性被覆層、第一無機薄膜層、及び第一ガスバリア性被覆層がこの順に積層されてなる第一バリアフィルムを得た。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(第二基材層、厚さ:25μm)の一方の面上に、上記アンカーコート層組成物をバーコート法により塗布し、100℃1分間乾燥硬化させることにより、厚さ50nmのアンカーコート層を形成した。
電子ビーム加熱式の真空蒸着装置を用いて、酸化珪素材料(SiO、キヤノンオプトロン株式会社製)を1.5×10−2Paの圧力下で電子ビーム加熱によって蒸発させ、上記アンカーコート層上に厚さ30nmのSiO膜(第二無機薄膜層)を形成した。なお、蒸着における加速電圧は40kVであり、エミッション電流は0.2Aであった。
第二無機薄膜層上に、上記ガスバリア性被覆層組成物を塗布、乾燥することにより、300nmの厚さを有する第二ガスバリア性被覆層を形成した。上記のようにして、第二基材層、アンカーコート層、第二無機薄膜層、及び第二ガスバリア性被覆層がこの順に積層されてなる第二バリアフィルムを得た。
2官能の鎖状脂肪族型のエポキシ樹脂系主剤(ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、三菱化学株式会社製、商品名:YED−216、不揮発分:100質量%)5質量部、アミノ基を有する硬化剤(三菱ガス化学株式会社製、商品名:C−93、不揮発分:65質量%)16質量部、及び、アミノ基を有するシランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−602)1質量部をメタノール23質量部及び酢酸エチル47質量部からなる溶媒中に溶解し、接着剤を調製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
得られた第一バリアフィルムの第一ガスバリア性被覆層の表面上に、上記接着剤をリバースグラビア装置を用いて塗布後82℃で1分間乾燥し、接着剤の塗布面と第二ガスバリア性被覆層とが対向するように第二バリアフィルムを貼り合わせ、50℃2日間エージングを行った。上記のようにして、第一バリアフィルムと第二バリアフィルムとを5μmの厚さを有する接着層を介して貼り合せ、バリアフィルム積層体を作製した。
(実施例2)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤の配合量を5質量部から1質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例3)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤の含有量を、5質量部から2.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例4)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤を、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(株式会社ADEKA製、商品名:ED−523T、不揮発分:100質量%)に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例5)
接着剤の調製において、アミノ基を有するシランカップリング剤を、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−903)に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例6)
接着剤の調製において、アミノ基を有するシランカップリング剤を、エポキシ基を有するシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−402)に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例7)
接着剤の調製において、アミノ基を有するシランカップリング剤の配合量を、1質量部から0.1質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例8)
接着剤の調製において、アミノ基を有するシランカップリング剤の配合量を、1質量部から0.05質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例9)
接着剤の調製において、アミノ基を有するシランカップリング剤を配合しなかったこと以外は、実施例3と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(実施例10)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤を、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(三菱化学株式会社製、商品名:YED−216、不揮発分:100質量%)4質量部、及び、多官能エポキシ樹脂(三菱ガス化学株式会社製、商品名:M−100、不揮発分:100質量%)1質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表1にまとめて示す。
(比較例1)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤を、多官能エポキシ樹脂(三菱ガス化学株式会社製、商品名:M−100、不揮発分:100質量%)5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表2にまとめて示す。
(比較例2)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤を、2官能の芳香族型のエポキシ樹脂(レゾルシノールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:EX−201、不揮発分:100質量%)5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表2にまとめて示す。
(比較例3)
接着剤の調製において、エポキシ樹脂系主剤を、2官能の環状脂肪族型のエポキシ樹脂(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、株式会社ダイセル製、商品名:セロキサイド2021P、不揮発分:100質量%)5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてバリアフィルム積層体を作製した。接着剤の組成を表2にまとめて示す。
[接着層の評価]
(酸素透過率)
実施例及び比較例で用いられた接着剤を厚さ70μmのCPP(無延伸ポリプロピレンフィルム)上に塗布し、上記接着剤の塗布面に、厚さ70μmのCPPを貼り合せ、50℃で2日間エージングを行った。上記のようにして、厚さ70μmのCPP、厚さ5μmの接着層、及び厚さ70μmのCPPがこの順に積層されてなる、酸素透過率測定用サンプル(積層体)を得た。得られたサンプルを差圧式ガス透過率測定装置(GTRテック株式会社製、GTR-30X)内に配置し、JIS K7126−1(附属書1)に記載の方法に従って、温度40℃、相対湿度0%の環境下で試験ガスを酸素とし、差圧101kPa(1atm)で差圧法にて上記サンプルの酸素透過率を測定した。酸素透過率の測定結果を表1及び表2に示す。なお、上記測定方法では、接着剤にて貼り合わせられたフィルムとして、接着層より高い酸素透過率(例えば、1000cm/(m・day・atm)より高い酸素透過率)を有するフィルムを用いることにより、積層体の酸素透過率を接着層の酸素透過率とみなすことができる。すなわち、上記測定方法では、接着剤にて貼り合わせられたフィルムとして、酸素透過率2500cm/(m・day・atm)であるCPPを用いていることから、2500cm/(m・day・atm)以下のサンプルの酸素透過率の測定結果は、接着層の酸素透過率とみなすことができる。
[バリアフィルム積層体の評価]
(180度剥離強度及び剥離態様)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルム積層体を幅1cmの短冊状にカットし、バリアフィルム積層体の第一バリアフィルム側をガラス板上に固定した。固定された短冊状のバリアフィルム積層体の第二バリアフィルムを、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製)を用いて、ガラス板に対して平行(180度)な方向に、300mm/分の速度で、第一バリアフィルムから引き剥がし、剥離に要した強度(180度剥離強度)を測定した。上記強度は、温度23℃湿度65%RHの環境下で測定した。さらに、第一バリアフィルム及び第二バリアフィルムの剥離面を目視及び顕微鏡観察にて観察し、剥離の態様を評価した。180度剥離強度及び剥離面の測定結果を表1及び表2に示す。
(90度剥離強度及び剥離態様)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルム積層体を幅1cmの短冊状にカットし、バリアフィルム積層体の第一バリアフィルム側をガラス板上に固定した。固定された短冊状のバリアフィルム積層体の第二バリアフィルムを、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製)を用いて、ガラス板に対して垂直(90度)な方向に、300mm/分の速度で、第一バリアフィルムから引き剥がし、剥離に要した強度(90度剥離強度)を測定した。上記強度は、温度23℃湿度65%RHの環境下で測定した。さらに、第一バリアフィルム及び第二バリアフィルムの剥離面を目視及び顕微鏡観察にて観察し、剥離の態様を評価した。90度剥離強度及び剥離面の測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2019051663
Figure 2019051663
実施例1〜10及び比較例1〜3のバリアフィルム積層体ではいずれも、ガラス板に固定された第一バリアフィルムに対して垂直(90度)な方向に第二バリアフィルムを引き剥がしたときには良好な剥離強度が得られた。また、実施例1〜10のバリアフィルム積層体では、ガラス板に固定された第一バリアフィルムに対して平行(180度)な方向に第二バリアフィルムを剥がしたときにも同様に良好な剥離強度が得られた。実施例1〜10のバリアフィルム積層体の180度剥離面を見ると、接着層の凝集剥離が確認された。一方、比較例1では、ガラス板に固定された第一バリアフィルムに対して平行(180度)な方向に第二バリアフィルムを剥がしたときにも同様に良好な剥離強度が得られなかった。比較例1〜3のバリアフィルム積層体の剥離面を見ると、バリア層近傍の基材層が層状に剥離していることが確認された。このような評価結果が得られた理由としては、エポキシ樹脂として鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂のみを用いたことにより接着層が硬くなり、バリアフィルム積層体の製造時及び製造後に生じた応力が基材層に集中したこと等が考えられる。なお、実施例5では、接着剤を塗布前に数時間放置したとき白濁が観察されたが、剥離強度には影響がなかった。
10…バリアフィルム積層体、11a…第一基材層、11b…第二基材層、12a…第一無機薄膜層、12b…第二無機薄膜層、13a…第一ガスバリア性被覆層、13b…第二ガスバリア性被覆層、14a…第一バリア層、14b…第二バリア層、15…接着層、16a…第一バリアフィルム、16b…第二バリアフィルム、20…波長変換シート、21…蛍光体層、30…バックライトユニット、50…エレクトロルミネッセンス発光ユニット。

Claims (7)

  1. 第一基材層と前記第一基材層上に形成された第一バリア層とを含む第一バリアフィルムと、
    第二基材層と前記第二基材層上に形成された第二バリア層とを含む第二バリアフィルムと、
    接着層と、
    を備え、
    前記第一バリアフィルムと前記第二バリアフィルムとが前記接着層を介して前記第一バリア層と前記第二バリア層とが対向するように貼り合わされており、
    前記第一バリア層が第一無機薄膜層と第一ガスバリア性被覆層とを含み、
    前記第二バリア層が第二無機薄膜層と第二ガスバリア性被覆層とを含み、
    前記接着層が、エポキシ樹脂と、アミノ基を有する硬化剤と、を含有する接着剤から形成され、前記エポキシ樹脂が鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂を含む、バリアフィルム積層体。
  2. 前記鎖状脂肪族型の2官能エポキシ樹脂はヘキサンジオールジグリシジルエーテルである、請求項1に記載のバリアフィルム積層体。
  3. 前記接着剤における、前記エポキシ樹脂の含有量Mの前記硬化剤の含有量Mに対する比(M/M)が、質量比で、0.05〜0.5である、請求項1又は2に記載のバリアフィルム積層体。
  4. 前記接着剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリアフィルム積層体。
  5. 前記接着剤における、前記エポキシ樹脂の含有量Mの前記アミノ基を有するシランカップリング剤の含有量MSCAに対する比(M/MSCA)が、質量比で、1.0以上である、請求項4に記載のバリアフィルム積層体。
  6. 前記接着剤が、エポキシ基を有するシランカップリング剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリアフィルム積層体。
  7. 前記接着層の酸素透過率は、厚さ5μmにおいて1000cm/(m・day・atm)以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバリアフィルム積層体。
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