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JP2019045751A - 画像形成方法 - Google Patents

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JP2019045751A JP2017170270A JP2017170270A JP2019045751A JP 2019045751 A JP2019045751 A JP 2019045751A JP 2017170270 A JP2017170270 A JP 2017170270A JP 2017170270 A JP2017170270 A JP 2017170270A JP 2019045751 A JP2019045751 A JP 2019045751A
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誠 野宮
Makoto Nomiya
誠 野宮
美千代 藤田
Michiyo Fujita
美千代 藤田
由香 須原
Yuka Suhara
由香 須原
知美 大柴
Tomomi Oshiba
知美 大柴
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Abstract

【課題】電子写真方式の画像形成において、記録媒体に依らずに記録媒体に対して高い接着性を有するトナー画像を形成する。【解決手段】本発明の画像形成方法は、静電荷像現像用のトナーを用いて記録媒体上に定着されたトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成方法において、上記トナーには、ステロール由来の構成単位以外の脂環式ユニットを有する重合体を含む結着樹脂で構成されているトナー母体粒子を有するトナーを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用のトナーを用いる電子写真方式の画像形成方法に関する。
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化および高速化に対応した電子写真用のトナーの開発が要求されている。印刷メディアの多様化に伴い、従来の紙だけでなく、フィルム等の表面に印刷する、いわゆるラベル印刷用途や包装材用途への展開も始まっている。
包装材用途の一つである軟包装材の印刷物は、印刷後にロール状態で長時間保管され、次の工程で、平面に引き延ばされ加工される。また、包装形態に加工された後も、例えば袋詰め包装の場合、包装物の形状変形に伴い、トナー画像もあらゆる方向への力が加わる。電子写真方式の画像形成方法によって軟包装材に画像を形成する場合では、このような過激な変形を余儀なくされる軟包装材上の画像においても、画像の劣化が起こらないような画像形成が求められている。
高画質化に対応して、粒径分布が狭く、小粒径のトナーを得る方法として、微細な樹脂粒子などを水系媒体中で凝集、融着させてトナーを得る、凝集合一法(「乳化凝集法」または「凝集融着法」とも言う)によるトナーの製造方法が知られている。バインダー樹脂には、スチレンアクリル樹脂や、低温定着性に優れたポリエステル樹脂が用いられ、複数の性能を同時に満たすために、複数の樹脂の複合化なども検討されている。また、ポリエステル系樹脂を含むトナーがステロール由来の構成単位を含むことにより特定の記録媒体との親和性が高くなることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−065936号公報
しかしながら、トナーには、一般に汎用性が求められており、従来のトナーでは、特定の記録媒体と高い親和性を有するが、記録媒体が変わるとその効果が不十分となることがある。
本発明は、電子写真方式の画像形成において、記録媒体に依らずに記録媒体に対して高い接着性を有するトナー画像を形成することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するための一手段として、静電荷像現像用のトナーを用いて記録媒体上に定着されたトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成方法において、上記トナーには、ステロール由来の構成単位以外の脂環式ユニットを有する重合体を含む結着樹脂で構成されているトナー母体粒子を有するトナーを用いる画像形成方法、を提供する。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成において、記録媒体に依らずに、例えば、樹脂製の記録媒体であっても通常の紙製の記録媒体であっても、記録媒体に対して高い接着性を有するトナー画像を形成することができる。
本発明の一実施の形態における画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例の構成を模式的に示す図である。 本発明の他の実施の形態における、ロール状に収容される記録媒体を用いる画像形成方法を実施可能な画像形成装置の構成を模式的に示す図である。 実施例における画像の曲げ試験の内容を説明するための図である。
本発明の一実施の形態にかかる画像形成方法は、静電荷像現像用のトナーを用いて記録媒体上に定着されたトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成方法である。当該画像形成方法は、後述する特定のトナーを用いる以外は、公知の電子写真方式の画像形成方法と同様に実施することが可能である。
上記トナーには、ステロール由来の構成単位以外の脂環式ユニットを有する重合体を含む結着樹脂で構成されているトナー母体粒子を有するトナーを用いる。上記トナーは、上記トナー母体粒子以外は、公知のトナーと同様に構成することができ、上記トナー母体粒子は、上記の特定の重合体を結着樹脂に含む以外は、公知のトナー母体粒子と同様に構成することができる。
上記トナー母体粒子は、通常、結着樹脂を連続相とし、着色剤や離型剤などの添加剤を分散相として有する。結着樹脂は、通常非晶性樹脂を含み、結晶性樹脂を含有してもよい。トナー母体粒子は、コアシェル構造の粒子であってもよく、上記の特定の重合体を含有する結着樹脂は、コア粒子を構成する結着樹脂であってもよいし、シェル層を構成する結着樹脂であってもよい。
上記特定の重合体は、脂環式ユニットを有する。当該脂環式ユニットは、一種でもそれ以上でもよい。ただし、ステロール由来の構成単位を除く。また、上記脂環式ユニットは、一価の基であってもよいし二価以上の基であってもよく、例えば、上記重合体の主鎖などの分子鎖から分岐して配置されている一価の基であってもよいし、上記分子鎖中に含まれる二価またはそれ以上の価数の基であってもよい。また、上記脂環式ユニットは、樹脂製の記録媒体への接着性を高める観点から、炭素原子で構成される環構造であることが好ましい。
上記脂環式ユニットは、本実施の形態の効果が得られる範囲において、公知の分子構造の中から適宜に選ぶことができ、一つ以上の原子を介さずに直接環を架橋する構造であれば架橋構造を有していてもよいが、樹脂製の記録媒体への接着性を高める観点から、環を跨ぐ架橋構造を有さない(単環構造を有する)ことが好ましい。また、上記脂環式ユニットは、上記の観点から、二重結合などの不飽和結合を有さないことが好ましい。
また、脂環式ユニットは、トナー画像の柔軟性および接着性を高める観点から、大きすぎないことが好ましく、例えば、炭素数が12以下の環構造であることが好ましい。また、脂環式ユニットは、上記の観点から、小さすぎないことが好ましく、例えば、炭素数が5以上の環構造であることが好ましく、8以上の環構造であることがより好ましい。
上記脂環式ユニットのうち、二重結合などの不飽和結合を含まない脂環式ユニットにおける脂環構造を有する化合物の例には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカンおよびデカヒドロナフタレンが含まれる。不飽和結合を含む脂環式ユニットにおける脂環構造を有する化合物の例には、シクロプロペン、シクロブテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンおよびシクロオクテンが含まれる。
上記脂環式ユニットは、結着樹脂の主鎖に含まれるよりも、側鎖に含まれる方が、動ける自由度が高く、トナー画像の柔軟性を高める観点から好ましい。このような観点から、上記脂環式ユニットは、脂環式(メタ)アクリレートモノマー由来のユニットであることが好ましい。脂環式(メタ)アクリレートモノマーの例には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、(シクロドデシル(メタ)アクリレート)が含まれる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」のいずれか片方又は両方を意味する。また、上記主鎖に含まれる脂環式ユニットを構成するモノマーの例には、二価以上の脂環基を有する化合物が含まれ、具体的には、1.4−シクロへキサンジオール、(1.2−シクロヘキサンジオール、1.5−シクロオクタンジオール、1.2−シクロオクタンジオール、1.4−シクロへキサンジカルボン酸、1.2−シクロヘキサンジカルボン酸)が含まれる。
上記脂環式ユニットを含むモノマーの含有量は、多すぎるとトナーの低温定着性が不十分となることがあり、少なすぎると所期の効果が小さくなることがある。このような観点から、上記含有量は、上記トナー母体粒子を構成する全樹脂のモノマーの総量に対して、2〜40質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることがさらに好ましい。
上記トナー母体粒子中の特定の成分は、NMR、GC、HPLC、MS、IRおよびGC−MSなどの公知の機器分析を利用して検出することが可能であり、また定量することができる。
上記結着樹脂は、上記脂環式ユニットを含む限りにおいて、公知の樹脂の中から適宜に選ぶことができる。上記結着樹脂は、全ての樹脂が上記脂環式ユニットを含んでいてもよいし、上記脂環式ユニットを含む樹脂と、含まない樹脂との両方を含んでいてもよい。結着樹脂に用いられる非晶性樹脂は、1種類で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。非晶性樹脂の例には、ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂などが挙げられる。スチレン−アクリル変性ポリエステルなどの非晶性ポリエステルも含まれる。
上記脂環式ユニットを含まない結着樹脂は、公知のトナーの結着樹脂の中から適宜に選ぶことができる。その代表例には、ビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体が挙げられる。上記ビニル系単量体は、一種でもそれ以上でもよい。
上記ビニル系単量体の例には、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、オレフィン類、ハロゲン化オレフィン系モノマー、ジオレフィン系モノマー、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N−ビニル化合物およびその他のビニル化合物が含まれる。
上記スチレン系単量体の例には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレンおよびp−n−ドデシルスチレンが含まれる。
上記(メタ)アクリル酸系単量体の例には、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびアクリルアミドが含まれる。
上記オレフィン類の例には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1および4−メチルペンテン−1が含まれる。上記ハロゲン化オレフィン系モノマーの例には、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンが含まれる。上記ジオレフィン系モノマーの例には、ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンが含まれる。
上記ビニルエステル類の例には、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルおよびギ酸ビニルが含まれる。上記ビニルエーテル類の例には、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテルおよびビニルシクロヘキシルエーテルが含まれる。上記ビニルケトン類の例には、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルヘキシルケトンが含まれる。上記N−ビニル化合物の例には、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールおよびN−ビニルピロリドンが含まれる。上記その他のビニル化合物の例には、ビニルナフタレンおよびビニルピリジンが含まれる。
上記ビニル樹脂は、イオン性解離基を有することが好ましい。イオン性解離基の例には、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基が含まれる。中でも、カルボキシル基を有するビニル系単量体が好ましい。
カルボキシル基を有するビニル系単量体の例には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステルおよびイタコン酸モノアルキルエステルが含まれる。スルホン酸基を有するビニル系単量体の例には、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸が含まれる。リン酸基を有するビニル系単量体の例には、アシドホスホオキシエチルメタクリレートが含まれる。
上記トナー母体粒子は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、上記結着樹脂以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、着色剤およびワックスが含まれる。当該着色剤には、公知の着色剤を用いることができる。
黒色用の着色剤の例には、カーボンブラックおよび磁性粉が含まれる。カーボンブラックの例には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックおよびランプブラックが含まれる。磁性粉の例には、マグネタイトおよびフェライトが含まれる。
マゼンタまたはレッド用の着色剤の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238および同269が含まれる。
オレンジまたはイエロー用の着色剤の例には、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180および同185が含まれる。
グリーンまたはシアン用の着色剤の例には、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66およびC.I.ピグメントグリーン7が含まれる。
また、染料の例には、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93および同95が含まれる。
トナー母体粒子における上記着色剤の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましい。上記着色剤の数平均一次粒子径は、種類により異なるが、概ね10〜200nmであることが好ましい。上記着色剤は、例えば、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で凝集系に添加することにより、トナー母体粒子に導入することが可能である。また、着色剤はその表面をカップリング剤などの表面処理剤で処理して使用されてもよい。
トナー母体粒子は、白トナー、光輝トナーや顔料を含まない透明トナーでもよい。白用の着色剤の例には、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、チタンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイトなどの無機顔料;ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子などの有機顔料などが含まれる。また、白用の着色剤の例には、中空構造を有する顔料(例えば、中空シリカなどの無機顔料)などが含まれる。また、光輝用の着色剤の例には、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末、酸化チタンや黄色酸化鉄を被覆した雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩などの被覆薄片状無機結晶基質、単結晶板状酸化チタン、塩基性炭酸塩、酸オキシ塩化ビスマス、天然グアニン、薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉などが含まれる。
上記ワックスは、トナー母体粒子の材料に使用可能な公知の化合物から適宜に選ぶことができ、一種でもそれ以上でもよい。上記ワックスの例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス;ミツロウなどの動物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス類、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、ソルビタンモノステアレート、コレステリルステアレートなどのエステルワックス類などが含まれる。
上記ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。ワックスの融点が上記範囲内であることは、トナーの低温定着性および耐熱安定性の両方を高める観点から好ましい。また、トナー母体粒子中のワックスの含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
上記トナー母体粒子(またはトナー粒子)の粒径は、非常に微小なドット画像(たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベル)を忠実に再現する観点から、体積基準におけるメジアン径(D50v)で3〜8μmであることが好ましい。
一般に、トナーには、写真画像の色再現を忠実に行えることが要求されるが、上記の粒径を有すトナー母体粒子を有するトナーによれば、写真画像を構成するドット画像が微小化され印刷画像と同等以上の高精細写真画像を得ることが可能である。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数百部から数千部レベルでプリント注文を受ける印刷分野では、高精細な写真画像の入った高画質プリントを迅速にユーザへ納品することが可能となる。
トナー母体粒子の体積基準メジアン径(D50v)は、「マルチサイザー3」(ベックマン コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー粒子またはトナー母体粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTON II(ベックマン コールター社製、「ISOTON」は同社の登録商標)」の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、「マルチサイザー3」のアパチャー径は50μmのものを使用する。
また、上記トナー母体粒子(またはトナー粒子)の体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、2〜21%であることが好ましい。このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー母体粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナー母体粒子が得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能となる。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することが可能となる。
体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー母体粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表し、以下の式によって定義される。下記式中、「σv」は体積基準の粒度分布における標準偏差を表し、「D50v」は体積基準の粒度分布におけるメジアン径を表す。CV値は、例えばトナー粒子の分級によって調整することが可能である。
CV値(%)=(σv/D50v)×100
また、上記トナー母体粒子の軟化点(Tsp)は、70〜110℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。着色剤は、一般に、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するが、軟化点を上記の範囲とすることで、定着時にトナー母体粒子に加わる熱の着色剤に対する影響をより低減させることが可能となる。したがって、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。また、トナー母体粒子の軟化点を上記の範囲とすることにより、低い温度でのトナー画像の定着を行うことが可能となり、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成が可能となる。
トナー母体粒子の軟化点は、たとえば、以下の方法を単独で、あるいは、組み合わせることにより制御が可能である。
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックスの種類や添加量を調節する。
また、トナー母体粒子の軟化点は、例えば、「フローテスターCFT−500(株式会社島津製作所製)」を用い、トナー母体粒子またはトナー粒子を高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×10Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、降下量5mmの時の温度を軟化点とすることにより求めることができる。
上記トナー母体粒子は、公知の製法によって作製することが可能である。たとえば、重合性単量体、重合開始剤および溶媒を含有するトナー母体粒子を作製するための材料液を水系媒体中に分散し、水系媒体中で生成した樹脂粒子を凝集、合一させることによって作製することができる。
なお、上記「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒の例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンおよびテトラヒドロフランが含まれる。当該有機溶媒は、得られる樹脂を溶解しないアルコール系の有機溶媒であることが好ましい。
水系媒体中に上記材料液を分散する方法には、機械的せん断力による分散方法などの公知の分散方法を採用することが可能である。このような分散方法に用いられる分散装置の例には、高速回転するロータを備えた市販の分散装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製、同社の登録商標)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、および、圧力式のホモジナイザーが含まれる。
上記材料液には、通常、重合開始剤および有機溶媒が含有される。また、上記材料液には、トナー母体粒子の作製に好適なさらなる成分がさらに含有されていてもよい。このようなさらなる成分の例には、連鎖移動剤、分散安定剤および界面活性剤が含まれる。
上記重合開始剤には、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤の例には、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤および過酸化物系重合開始剤が含まれる。
アゾ系またはジアゾ系重合開始剤の例には、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルおよびアゾビスイソブチロニトリルが含まれる。
上記過酸化物系重合開始剤の例には、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンおよびトリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンが含まれる。
また、上記水溶性の重合開始剤の例には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、ならびに、過酸化水素、が含まれる。
上記材料液中の上記重合開始剤の量は、重合性単量体1質量部に対して、0.005〜0.1質量部であることが好ましく、0.01〜0.05質量部であることがより好ましい。
上記有機溶媒は、上記重合性単量体および重合開始剤を溶解するが、重合生成物に対する相溶性が低く、当該重合生成物の相分離を促進し、かつ当該重合性単量体の重合による皮膜の形成を妨げない成分であることが好ましい。当該有機溶媒の例には、炭素数8〜18、特に炭素数12〜18の飽和炭化水素類、芳香族炭化水素類、および、脂肪酸エステル類、が含まれる。特に好ましくは、トルエン、酢酸エチルおよびヘキサデカン、が挙げられる。
上記連鎖移動剤は、樹脂粒子における分子量調整のために用いられ、その例には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーが含まれる。
上記分散安定剤は、水系媒体中に分散させた重合性単量体を重合したり、水系媒体中に分散させた樹脂粒子等を凝集、融着してトナー母体粒子を作製する際に、トナー母体粒子の材料を水系媒体中に安定して分散させておく観点から好ましい。当該分散安定剤の例には、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等のものがある。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物および高級アルコール硫酸ナトリウムが含まれる。なお、上記分散安定剤には、一般には界面活性剤とされている成分であっても使用することが可能である。
上記界面活性剤は、水系媒体中で重合性単量体を用いて重合を行う場合、当該重合性単量体を含有する上記材料液の油滴を水系媒体中に均一に分散させる観点から好ましい。当該界面活性剤の例には、イオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が含まれる。
イオン性界面活性剤の例には、スルホン酸塩、硫酸エステル塩および脂肪酸塩が含まれる。当該スルホン酸塩の例には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、および、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、が含まれる。
上記硫酸エステル塩の例には、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、および、オクチル硫酸ナトリウムが含まれる。上記脂肪酸塩の例には、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、および、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、が含まれる。
上記ノニオン性界面活性剤の例には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、および、ソルビタンエステル、が含まれる。
上記トナー粒子は、上記トナー母体粒子に外添剤を添加することによって調製することができる。上記外添剤には、公知の外添剤を用いることができ、外添剤の添加には公知の技術を採用することができる。
上記外添剤の大きさは、数平均一次粒径で4〜800nmであることが好ましい。当該外添剤は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、無機微粒子、有機微粒子および滑剤が含まれる。外添剤の添加により、トナー粒子の流動性および帯電性が改良され、また、クリーニング性が向上する。
上記無機微粒子の例には、シリカ、チタニア、アルミナおよびチタン酸ストロンチウムの微粒子が含まれる。無機微粒子は、その表面が疎水化処理されていてもよい。
シリカ微粒子の例には、日本アエロジル株式会社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、および、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5、が含まれる。
チタニア微粒子の例には、日本アエロジル株式会社製の市販品T−805、T−604、テイカ株式会社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン工業株式会社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、および、出光興産株式会社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC、が含まれる。
アルミナ微粒子の例には、日本アエロジル株式会社製の市販品RFY−C、C−604、および、石原産業株式会社製の市販品TTO−55、が含まれる。
上記有機微粒子の例には、その数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子が含まれ、具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体の微粒子が含まれる。
上記滑剤の例には、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、リシノール酸などの高級脂肪酸の金属塩が含まれる。ステアリン酸の金属塩の例には、ステアリン酸の亜鉛塩、アルミニウム塩、銅塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩が含まれる。オレイン酸の金属塩の例には、オレイン酸の亜鉛塩、マンガン塩、鉄塩、銅塩およびマグネシウム塩が含まれる。パルミチン酸の金属塩の例には、パルミチン酸の亜鉛塩、銅塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩が含まれる。リノール酸の金属塩の例には、リノール酸の亜鉛塩およびカルシウム塩が含まれる。リシノール酸の金属塩の例には、リシノール酸の亜鉛塩およびカルシウム塩が含まれる。
トナー粒子における上記外添剤の含有量は、0.1〜10.0質量%であることが好ましい。外添剤の添加方法の例には、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機などの公知の混合装置を使用して添加する方法が含まれる。
上記トナー粒子は、そのまま一成分現像剤として用いることができ、例えば磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することができる。本実施の形態における二成分現像剤としてのトナーは、上記トナー粒子に加えてキャリア粒子を含有する。キャリア粒子には、二成分現像剤のキャリア粒子として使用可能な公知の粒子を用いることができる。キャリア粒子の例には、磁性粒子、樹脂で表面が被覆された樹脂被覆磁性粒子、および、樹脂粒子中に磁性粒子が分散されている磁性粒子分散型樹脂粒子、が含まれる。
上記磁性粒子の材料の例には、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金、が含まれる。中でも、磁性粒子は、フェライト粒子であることが好ましい。
キャリア粒子の体積基準粒径は、15〜100μmであることが好ましく、25〜80μmであることがより好ましい。また、キャリア粒子の飽和磁化値は、20〜80emu/g(2.0×10−2〜8.0×10−2A・m/g)であることが好ましい。このような粒径と飽和磁化値を有するキャリア粒子は、画像形成時に現像スリーブ上に柔らかな磁気ブラシを形成し、鮮鋭性に優れたトナー画像を形成する観点から好ましい。上記体積平均粒径および飽和磁化値は、それぞれ、公知の測定装置により測定が可能である。具体的には、体積基準粒径は、湿式分散器を備えたレーザー回折式粒度分析装置「HELOS」(シンパテック社製)により、飽和磁化は「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定が可能である。
二成分現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子とを公知の方法で混合することにより得られる。二成分現像剤におけるトナー粒子のキャリア粒子に対する含有量は、2〜10質量%であることが好ましい。また、上記の混合に用いられる混合装置は、限定されず、その例には、ナウターミキサ、WコーンおよびV型混合機が含まれる。
本実施の形態の画像形成方法において、上記トナーは、電子写真方式の画像形成方法に、通常のトナーと同様に適用することができる。すなわち、上記画像形成方法は、トナーによって形成された記録媒体上の未定着トナー画像を上記記録媒体に定着させて画像を形成する電子写真方式の画像形成方法において、トナーに、上記の本実施の形態のトナーを用いる画像形成方法である。上記画像形成方法は、例えば、下記工程を含む。
(1)電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程
(2)電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持させた現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程
(4)記録媒体の表面に担持されているトナー画像を熱定着させる定着工程
上記記録媒体は、定着されたトナー画像を担持するための部材である。記録媒体には、公知の媒体を用いることができ、その例には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、コート紙などの塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用または包装材用のブラスチックフィルム、および、布、が含まれる。
上記ブラスチックフィルムにおけるブラスチックの例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ONY)、無延伸ナイロン(CNY)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、および、PLA(ポリ乳酸)が含まれる。
上記画像形成方法は、上記のトナーを用いることから、柔軟性に富むトナー画像を形成することが可能である。このため、上記画像形成方法は、変形しやすい記録媒体を用いる方法であることが好ましく、樹脂製のフィルムを記録媒体として用いる方法であることが好ましい。中でも、上記脂環式ユニットを含む上記結着樹脂との親和性が高いことから、上記記録媒体にポリエチレンテレフタレートを主成分とフィルムを用いることが、柔軟性を有するとともに高い接着性を有するトナー画像を記録媒体上に形成する観点から好ましい。
また、上記記録媒体は、所定の大きさを有するシートの形態であってもよいが、トナー画像が定着された後にロール状に巻き取られる形態であることが好ましい。画像形成後の巻き取りは、包装加工の効率的な大量生産を実施するのに好適であり、画像形成後の記録媒体(フィルム)をロール形態での保管し、次工程以降の包装加工に用いることが可能となる。上記記録媒体は、表面処理を施されているものでも、表面処理を施されていないものでも、どちらでも良い。表面処理方法としては、コロナ処理、プラズマ処理などが挙げられる。コスト的な面からは、表面処理はない方が好ましく、画像の接着性の面では、表面処理が施されている方が好ましい。
上記記録媒体の厚みは、厚すぎると軟包装材として加工適性が不十分となることがあり、薄すぎると破断リスクが高まるために、軟包装材としての加工適性が不十分となることがある。軟包装材としての十分な加工適性を発現させる観点から、上記厚みは、20〜70μmであることが好ましい。
上記画像形成方法は、前述の本実施の形態のトナーを用いる以外は、公知の画像形成装置を用いて行うことが可能である。以下、図を用いてさらに説明する。
画像形成装置100は、いわゆるタンデム型カラー画像形成装置であり、図1に示されるように、原稿画像を読み取るための原稿画像読取装置SCと、トナー画像を形成するための四つの画像形成部と、画像形成部で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写するための転写装置と、記録媒体Pを搬送するための給紙搬送装置と、記録媒体Pが担持する未定着のトナー画像を記録媒体Pに定着させるための定着手段としての熱ロール式の定着装置50とを有している。
四つの上記画像形成部は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の四色の画像を形成するための装置であり、例えば、図1の上からYMCKの順で配置されている。それぞれの画像形成部は、感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、およびクリーニング装置6を有する。
感光体1は、例えばドラム状の有機感光体であり、帯電装置2は、例えばコロナ放電による非接触の帯電装置である。露光装置3は、例えばレーザー発振装置であり、現像装置4は、YMCKのいずれかの色の二成分現像剤を収容する二成分現像剤用の現像装置である。一次転写ローラ5は、例えば、中間転写ベルト7を介して感光体1に向けて自在に付勢される帯電ローラであり、クリーニング装置6は、例えば、感光体1の表面に当接するゴム製の弾性ブレードを有するブレードクリーニング装置である。上記二成分現像剤は、本実施の形態のトナーである。
上記転写装置は、無端状の中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7を張設する複数のローラ8と、二次転写ローラ9と、クリーニング装置10とを有する。ローラ8は、一つ以上の駆動ローラを含み、駆動ローラ以外の従動ローラを含んでいてもよい。二次転写ローラ9は、例えば、搬送されてくる記録媒体Pを介して中間転写ベルト7との間にニップ部を形成可能なる帯電ローラであり、クリーニング装置10は、例えば、中間転写ベルト7の表面に当接する上記弾性ブレードを有するブレードクリーニング装置である。
上記給紙搬送装置は、記録媒体Pを収容する給紙カセット11と、給紙カセット11から記録媒体Pを取り出すための給紙ローラ12と、記録媒体Pを二次転写ローラ9のニップ部まで搬送するための搬送ローラ13と、搬送されている記録媒体Pの位置を制御するためのレジストローラ14と、定着装置50から排出された記録媒体Pを機外へ排出するための排出ローラ15と、機外に排出された記録媒体Pを収容するための排紙トレイ16とを有する。記録媒体Pは、例えば、OHP用シートのような樹脂製のシートである。
原稿画像読取装置SCは、原稿の画像情報を読み取り、YMCKの各色の画像データに変換し、対応する色の画像データを露光装置3に送る。
上記画像形成部では、回転駆動する感光体1の表面が帯電装置2からの電圧の印加によって帯電する。帯電した感光体1の表面に、露光装置3がYMCKの対応する色の画像データに応じたレーザー光を照射して静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体1の表面には、現像装置4からトナー粒子が供給され、当該トナー粒子が静電潜像の部分に付着して静電潜像が現像される。
こうしてそれぞれの画像形成部において形成された、感光体1の表面に担持されているYMCKのそれぞれの色のトナー画像は、一次転写ローラ5からの電圧の印加により、回動する中間転写ベルト7上に逐次重なるように転写されて、合成されたカラートナー画像が中間転写ベルト7上に形成される。一次転写ローラ5は、一次転写時のみに感光体1に当接してもよく、例えば、黒色画像用の画像形成部における一次転写ローラ5は、常時、感光体1に当接しており、他の色用の一次転写ローラ5は、一次転写時のみに感光体1に当接する。
一次転写後の感光体1の表面における転写残トナーなどの付着物は、クリーニング装置6によって当該表面から除去される。
給紙カセット11内に収容された記録媒体P(例えば普通紙)は、給紙ローラ12により給紙カセット11から取り出され、搬送ローラ13、レジストローラ14を経て二次転写ローラ9に搬送される。中間転写ベルト7上のカラートナー画像は、二次転写ローラ9からの電圧の印加により、記録媒体P上に転写される。二次転写ローラ9は、例えば、二次転写時のみ中間転写ベルト7に向けて付勢される。
二次転写後の中間転写ベルト7の表面における転写残トナーなどの付着物は、クリーニング装置10によって当該表面から除去される。
記録媒体P上のカラートナー画像は、定着装置50の加熱加圧により記録媒体Pの表面に定着する。こうして、定着したカラートナー画像が記録媒体Pに形成される。カラートナー画像が形成された記録媒体Pは、排出ローラ15を経て排紙トレイ16上に搬送される。上記の工程の繰り返しにより、記録媒体P上に定着したトナー画像が次々と形成される。
上記画像形成方法は、特に樹脂製のシートに、高い接着性を有するトナー画像を形成する。そのメカニズムについては明らかではないが、以下のように考えられる。
・脂環構造の導入により、定着後のトナー画像の柔軟性が向上し、記録媒体の変形によるトナー画像の損傷および剥離が抑制される。
・上記脂環構造が環として(面として)記録媒体と接するため、トナー画像の接着力が強くなる。
図2は、ロール状に収容される記録媒体Pを用いる画像形成方法を実施可能な画像形成装置の構成を模式的に示す図である。画像形成装置200は、ロール状の記録媒体Pを収容する収容部201と、記録媒体Pの連続するシートを上記給紙搬送装置の上流部に搬送するための搬送ユニット202と、定着トナー画像が形成された記録媒体Pを後送するための搬送ユニット203と、搬送ユニット203から搬送される記録媒体Pをロール状に収納するための収納部204とをさらに有する以外は、画像形成装置100と実質的に同じ構成を有する。記録媒体Pは、例えば、軟包装材に用いられるPET製の一連のシートである。
また、画像形成装置200では、搬送ユニット202を介して収容部201から記録媒体Pが連続して二次転写ローラ9に向けて搬送され、定着装置50でトナー画像が定着された記録媒体Pが搬送ユニット203を介して収納部204でロール状に収納される以外は、画像形成装置100によるトナー画像の形成と同様にトナー画像が記録媒体Pに形成される。
画像形成装置200によるトナー画像の形成においても、トナー画像は、記録媒体Pに対して十分な柔軟性と接着性とを有している。よって、トナー画像の定着後に記録媒体Pがロール状に収納されても、トナー画像の割れおよび剥がれが抑制される。また、後の加工時において、トナー画像が形成された記録媒体Pがロールから送り出されるときにおいても、トナー画像の剥がれが抑制される。
過激な変形を余儀なくされる軟包装材上の画像においても、画像の劣化が起こらないことを実現するためには、印刷物に変形が加わっても、トナー画像が変形しやすい記録媒体に対して十分な追随性を示すことが好ましく、そのためには、トナー画像の柔軟性とトナー画像の記録媒体への接着性の向上とが望まれる。本実施の形態では、トナーの結着樹脂中に前述の脂環構造を有することにより、印刷物に変形が加わっても、トナー画像が記録媒体に対する十分な追随性を示す。よって、本実施の形態では、印刷物が包装材料として使われるときの加工適性の向上と画像劣化の抑制とを両立させることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態の画像形成方法は、静電荷像現像用のトナーを用いて記録媒体上に定着されたトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成方法において、上記トナーには、ステロール由来の構成単位以外の脂環式ユニットを有する重合体を含む結着樹脂で構成されているトナー母体粒子を有するトナーを用いる。よって、電子写真方式の画像形成において、記録媒体に依らずに、例えば、樹脂製の記録媒体であっても通常の紙製の記録媒体であっても、記録媒体に対して高い接着性を有するトナー画像を形成することができる。
上記脂環式ユニットが脂環式(メタ)アクリレートモノマー由来のユニットであることは、トナー画像の柔軟性を高める観点からより一層効果的である。
また、上記脂環式ユニットは、トナー画像の柔軟性および接着性を高める観点から、5〜12員環を有することがより効果的であり、8〜12員環を有することがより一層効果的である。
また、上記画像形成方法は、トナー画像が定着された後に上記記録媒体がロール状に巻き取られる画像形成方法においてより一層効果的である。
また、上記記録媒体にポリエチレンテレフタレートを主成分とフィルムを用いることは、柔軟性を有するとともに高い接着性を有するトナー画像を記録媒体上に形成する観点からより一層効果的である。
また、上記記録媒体の厚みが20〜70μmであることは、軟包装材としての十分な加工適性を発現させる観点からより一層効果的である。
[分散液Aの調製]
離型剤としてベヘン酸ベヘニル(融点73℃)60質量部と、イオン性界面活性剤「ネオゲン RK」(第一工業製薬株式会社製、「ネオゲン」は同社の登録商標)5質量部と、イオン交換水240質量部とを混合した液を95℃に加熱し、ホモジナイザー「ウルトラタックスT50」(IKA社製)を用いて十分に分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーを用いて分散処理することにより、離型剤の粒子の固形分濃度が20質量%の分散液Aを調製した。この分散液A中の粒子の体積平均粒径(メジアン径)は、240nmであった。
[分散液B−1の調製]
下記の重縮合系樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)ユニットの原料モノマー液1を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 245.0質量部
テレフタル酸 67質量部
フマル酸 48質量部
1.4−シクロへキサンジオール(CHDO) 40質量部
次いで、得られた溶液に、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.4質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次いで、得られた反応液を200℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて、反応により生成する樹脂の軟化点が所望の軟化点に達するまで反応を行った。次いで、脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(b−1)を得た。非晶性ポリエステル樹脂(b−1)のガラス転移温度Tgは61℃であり、分子量(Mw)は19000であった。
100質量部の非晶性ポリエステル樹脂(b−1)を400質量部の酢酸エチル(関東化学株式会社製)に溶解し、得られた溶液を、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(株式会社日本精機製作所製)でV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散した。次いで、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去した。
こうして、固形分量が13.5質量%の非晶性リエステル樹脂(b−1)の微粒子が水系媒体中に分散してなる分散液B−1を調製した。分散液B−1に含まれる粒子の体積基準のメジアン径(体積平均粒径)は、190nmであった。
[分散液B−2の調製]
上記原料モノマー液1を、下記の成分を下記の量で含有する原料モノマー液2に代えた以外は分散液B−1の調製と同様にして分散液B−2を調製した分散液B−2に含まれる粒子の体積基準のメジアン径は、200nmであった。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 206質量部
テレフタル酸 67質量部
フマル酸 47質量部
1,4−シクロへキサンジオール 80質量部
[分散液Cの調製]
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製、同社の登録商標)を用いて分散処理することにより、着色剤の微粒子の水系分散液である分散液Cを調製した。分散液Cにおける着色剤の微粒子の体積平均粒径(体積基準のメジアン径)は、110nmであった。
[分散液D−1の調製]
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム8質量部をイオン交換水1900質量部に溶解させた溶液を仕込み、得られた混合液を98℃に加熱した。
一方で、下記組成の単量体混合液(d−1)を80℃にて溶解させてd−1の溶液を調製した。次いで、当該溶液を上記混合液に添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック株式会社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。なお、下記ベヘン酸ベヘニルは、離型剤であり、その融点は73℃である。
スチレン(St) 252質量部
n−ブチルアクリレート(nBA) 130質量部
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA) 8質量部
メタクリル酸(MAA) 10質量部
n−オクチルメルカプタン 1.5質量部
ベヘン酸ベヘニル 145質量部
次いで、上記分散液に、過硫酸カリウム7質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、得られた分散液を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌して上記単量体の重合を行い、得られた樹脂の微粒子が水系媒体中に分散してなる分散液(D−1)を調製した。
[分散液D−2の調製]
スチレンの量を230質量部に、n−ブチルアクリレートの量を128質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を32質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−2を調製し、単量体混合液をd−1からd−2に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−2を調製した。
[分散液D−3の調製]
スチレンの量を225質量部に、n−ブチルアクリレートの量を125質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を40質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−3を調製し、単量体混合液をd−1からd−3に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−3を調製した。
[分散液D−4の調製]
スチレンの量を208質量部に、n−ブチルアクリレートの量を122質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を60質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−4を調製し、単量体混合液をd−1からd−4に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−4を調製した。
[分散液D−5の調製]
スチレンの量を192質量部に、n−ブチルアクリレートの量を118質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を80質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−5を調製し、単量体混合液をd−1からd−5に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−5を調製した。
[分散液D−6の調製]
スチレンの量を184質量部に、n−ブチルアクリレートの量を118質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を88質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−6を調製し、単量体混合液をd−1からd−6に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−6を調製した。
[分散液D−7の調製]
スチレンの量を120質量部に、n−ブチルアクリレートの量を110質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を160質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−7を調製し、単量体混合液をd−1からd−7に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−7を調製した。
[分散液D−8の調製]
スチレンの量を229質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を129質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートに代えてシクロオクチルメタクリレート(COMA)を用いる以外は単量体混合液d−2の調製と同様にして単量体混合液d−8を調製し、単量体混合液をd−2からd−8に変更する以外は分散液D−2の調製と同様にして分散液D−8を調製した。
[分散液D−9の調製]
スチレンの量を222質量部に、n−ブチルアクリレートの量を128質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を40質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−8の調製と同様にして単量体混合液d−9を調製し、単量体混合液をd−8からd−9に変更する以外は分散液D−8の調製と同様にして分散液D−9を調製した。
[分散液D−10の調製]
スチレンの量を204質量部に、n−ブチルアクリレートの量を126質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を60質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−8の調製と同様にして単量体混合液d−10を調製し、単量体混合液をd−8からd−10に変更する以外は分散液D−8の調製と同様にして分散液D−10を調製した。
[分散液D−11の調製]
スチレンの量を187質量部に、n−ブチルアクリレートの量を123質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を80質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−8の調製と同様にして単量体混合液d−11を調製し、単量体混合液をd−8からd−11に変更する以外は分散液D−8の調製と同様にして分散液D−11を調製した。
[分散液D−12の調製]
スチレンの量を119質量部に、n−ブチルアクリレートの量を111質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を160質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液d−8の調製と同様にして単量体混合液d−12を調製し、単量体混合液をd−8からd−12に変更する以外は分散液D−8の調製と同様にして分散液D−12を調製した。
[分散液D−13の調製]
スチレンの量を220質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を130質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートに代えてシクロデシルメタクリレート(CDMA)を用いる以外は単量体混合液d−3の調製と同様にして単量体混合液d−13を調製し、単量体混合液をd−3からd−13に変更する以外は分散液D−3の調製と同様にして分散液D−13を調製した。
[分散液D−14の調製]
スチレンの量を185質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を125質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートに代えてシクロデシルメタクリレート(CDMA)を用いる以外は単量体混合液d−5の調製と同様にして単量体混合液d−14を調製し、単量体混合液をd−5からd−14に変更する以外は分散液D−5の調製と同様にして分散液D−14を調製した。
[分散液D−15の調製]
スチレンの量を260質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートを用いなかった以外は単量体混合液d−1の調製と同様にして単量体混合液d−15を調製し、単量体混合液をd−1からd−15に変更する以外は分散液D−1の調製と同様にして分散液D−15を調製した。
[分散液E−1の調製]
分散液(D−1)にイオン交換水400質量部を添加し、よく混合したのち、得られた分散液に、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加した。得られた分散液に、82℃の温度で、下記成分を下記の量で含有する単量体混合液(e−1)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた分散液を2時間にわたり加熱撹拌することにより下記単量体の重合を行い、その後、上記分散液を28℃まで冷却した。こうして、ビニル樹脂からなる非晶性樹脂微粒子の水系分散液である分散液E−1を調製した。
スチレン(St) 468質量部
n−ブチルアクリレート(nBA) 90質量部
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA) 12質量部
メタクリル酸(MAA) 30質量部
n−オクチルメルカプタン 16質量部
分散液E−1中の非晶性樹脂の微粒子について、その体積基準のメジアン径は220nmであり、上記非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は55℃であり、上記非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は32,000であった。
[分散液E−2の調製]
スチレンの量を439質量部に、n−ブチルアクリレートの量を83質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を48質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−1の調製と同様にして単量体混合液e−2を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−2を用い、単量体混合液e−1に代えて単量体混合液e−2を用いる以外は分散液E−1の調製と同様にして、分散液E−2を調製した。
[分散液E−3の調製]
スチレンの量を425質量部に、n−ブチルアクリレートの量を85質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を60質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−1の調製と同様にして単量体混合液e−3を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−3を用い、単量体混合液e−1に代えて単量体混合液e−3を用いる以外は分散液E−1の調製と同様にして、分散液E−3を調製した。
[分散液E−4の調製]
スチレンの量を400質量部に、n−ブチルアクリレートの量を80質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を90質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−1の調製と同様にして単量体混合液e−4を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−4を用い、単量体混合液e−1に代えて単量体混合液e−4を用いる以外は分散液E−1の調製と同様にして、分散液E−4を調製した。
[分散液E−5の調製]
スチレンの量を374質量部に、n−ブチルアクリレートの量を76質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を120質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−1の調製と同様にして単量体混合液e−5を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−5を用い、単量体混合液e−1に代えて単量体混合液e−5を用いる以外は分散液E−1の調製と同様にして、分散液E−5を調製した。
[分散液E−6の調製]
スチレンの量を365質量部に、n−ブチルアクリレートの量を73質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を132質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−1の調製と同様にして単量体混合液e−6を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−6を用い、単量体混合液e−1に代えて単量体混合液e−6を用いる以外は分散液E−1の調製と同様にして、分散液E−6を調製した。
[分散液E−7の調製]
スチレンの量を275質量部に、n−ブチルアクリレートの量を55質量部に、そしてシクロヘキシルメタクリレートの量を240質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−1の調製と同様にして単量体混合液e−7を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−7を用い、単量体混合液e−1に代えて単量体混合液e−7を用いる以外は分散液E−1の調製と同様にして、分散液E−7を調製した。
[分散液E−8の調製]
スチレンの量を433質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を89質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートに代えてシクロオクチルメタクリレート(COMA)を用いる以外は単量体混合液e−2の調製と同様にして単量体混合液e−8を調製した。そして、分散液D−1に代えて分散液D−8を用い、単量体混合液e−2に代えて単量体混合液e−8を用いる以外は分散液E−2の調製と同様にして、分散液E−8を調製した。
[分散液E−9の調製]
スチレンの量を423質量部に、n−ブチルアクリレートの量を87質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を60質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−8の調製と同様にして単量体混合液e−9を調製した。そして、分散液D−8に代えて分散液D−9を用い、単量体混合液e−8に代えて単量体混合液e−9を用いる以外は分散液E−8の調製と同様にして、分散液E−9を調製した。
[分散液E−10の調製]
スチレンの量を398質量部に、n−ブチルアクリレートの量を82質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を90質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−8の調製と同様にして単量体混合液e−10を調製した。そして、分散液D−8に代えて分散液D−10を用い、単量体混合液e−8に代えて単量体混合液e−10を用いる以外は分散液E−8の調製と同様にして、分散液E−10を調製した。
[分散液E−11の調製]
スチレンの量を372質量部に、n−ブチルアクリレートの量を78質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を120質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−8の調製と同様にして単量体混合液e−11を調製した。そして、分散液D−8に代えて分散液D−11を用い、単量体混合液e−8に代えて単量体混合液e−11を用いる以外は分散液E−8の調製と同様にして、分散液E−11を調製した。
[分散液E−12の調製]
スチレンの量を269質量部に、n−ブチルアクリレートの量を61質量部に、そしてシクロオクチルメタクリレートの量を240質量部にそれぞれ変更する以外は単量体混合液e−8の調製と同様にして単量体混合液e−12を調製した。そして、分散液D−8に代えて分散液D−12を用い、単量体混合液e−8に代えて単量体混合液e−12を用いる以外は分散液E−8の調製と同様にして、分散液E−12を調製した。
[分散液E−13の調製]
スチレンの量を420質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を90質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートに代えてシクロデシルメタクリレート(CDMA)を用いる以外は単量体混合液e−3の調製と同様にして単量体混合液e−13を調製した。そして、分散液D−3に代えて分散液D−13を用い、単量体混合液e−3に代えて単量体混合液e−13を用いる以外は分散液E−3の調製と同様にして、分散液E−13を調製した。
[分散液E−14の調製]
スチレンの量を370質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を80質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートに代えてシクロデシルメタクリレート(CDMA)を用いる以外は単量体混合液e−5の調製と同様にして単量体混合液e−14を調製した。そして、分散液D−5に代えて分散液D−14を用い、単量体混合液e−5に代えて単量体混合液e−14を用いる以外は分散液E−5の調製と同様にして、分散液E−14を調製した。
[分散液E−15の調製]
スチレンの量を480質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの量を90質量部に変更し、そしてシクロヘキシルメタクリレートを添加しなかった以外は単量体混合液e−5の調製と同様にして単量体混合液e−15を調製した。そして、分散液D−5に代えて分散液D−15を用い、単量体混合液e−5に代えて単量体混合液e−15を用いる以外は分散液E−5の調製と同様にして、分散液E−15を調製した。
分散液D−1〜D−15における単量体混合液の主な組成を表1に、分散液E−1〜E−15における単量体混合液の主な組成を表2に、それぞれ示す。
Figure 2019045751
Figure 2019045751
[分散液Fの調製]
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた反応容器に、多価カルボン酸であるオクタン二酸(分子量174.2)258.0質量部と、多価アルコールである1,8−オクタンジオール(分子量146.2)192.0質量部とを投入した。そして、触媒としてジブチルスズオキシド0.7質量部をさらに反応容器に投入し、窒素ガス雰囲気下、170℃で5時間反応させた。
さらに、3.3kPaにて所望の融点の樹脂が得られるまで170℃で反応させて結晶性樹脂(f)を得た。この結晶性樹脂(f)をDSCにて昇温速度10℃/分で測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は70℃であり、重量平均分子量は、15000であった。
結晶性樹脂(f)200質量部を酢酸エチル200質量部に溶解し、この溶液を撹拌しながら、イオン交換水500質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液を上記溶液にゆっくりと滴下した。得られた溶液を減圧下、酢酸エチルを除去した後、当該溶液のpHをアンモニアで8.5に調製した。その後、固形分濃度を30質量%に調整した。こうして、水系媒体中に結晶性樹脂(f)の微粒子が水系媒体中に分散された分散液Fを調製した。分散液Fに含まれる粒子の体積基準のメジアン径は、190nmであった。
[分散液Gの調製]
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに、下記成分を下記の量で入れ、反応容器内を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し、窒素ガス気流下において180℃で撹拌しながら6時間重合反応を行った。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 360質量部
イソフタル酸 52質量部
テレフタル酸 52質量部
トリメリット酸 32質量部
フマル酸 17質量部
得られた反応液へ、さらにチタンテトラブトキサイド0.3質量部を添加し、当該反応液の温度を200℃に上げて撹拌しながら当該温度にて6時間重合反応を行った。次いで、反応容器内を1.5kPaまで減圧し、上記温度にて減圧下でさらに1時間反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂のMwは17,200であり、ガラス転移点Tgは60.5℃であった。
150質量部の上記非晶性ポリエステル樹脂をメチルエチルケトン100質量部と混合した後に70℃で撹拌して溶解し、次いで、得られた溶液に、中和剤である25質量%水酸化ナトリウム水溶液を撹拌下で添加し、次いで、得られた分散液に70℃の純水を添加して、水系媒体中に油相のポリエステル含有液滴が分散した分散液を得た。
次いで、当該分散液から減圧濃縮によりメチルエチルケトンを除去し、次いで上記分散液を30℃まで冷却し、次いで、上記分散液にドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムを樹脂固形分に対し3質量部%相当添加し、シェル用の樹脂の微粒子の水系分散物である分散液Gを得た。分散液G中の樹脂粒子の体積平均粒径を「NanotrackWave EX150」(日機装株式会社製)で測定したところ、155nmであった。
[トナー母体粒子t−1の作製]
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、分散液B−1を330質量部(固形分換算)、イオン交換水を1000質量部投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、反応容器中の分散液のpHを10に調整した。
次いで、得られた分散液に、23質量部の分散液C(固形分換算)を投入し、43質量部の分散液A(固形分換算)を投入し、そして、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を撹拌下、30℃において10分間かけて上記分散液に添加した。
その後、3分間放置した後に昇温を開始し、得られた分散液を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を維持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にて、生成する会合粒子の粒径を測定し、当該会合粒子の体積基準のメジアン径が6.2μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を上記反応容器中の分散液に添加して粒子成長反応を停止させた。
さらに、昇温を行い、上記分散液を加熱撹拌することにより90℃で粒子の融着を進行させ、平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(シスメックス株式会社製、「FPIA」は同社の登録商標)を用いて(HPF検出数を4000個とする)平均円形度が0.945になった時点で上記反応容器中の分散液を2.5℃/分の冷却速度で30℃に冷却した。
次いで、冷却された上記分散液を固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、当該ケーキを40℃で24時間乾燥させることにより、トナー母体粒子t−1を得た。
[トナー母体粒子t−2の作製]
分散液B−1に代えて分散液B−2を用いる以外はトナー母体粒子t−1の作製と同様にして、トナー母体粒子t−2を得た。
[トナー母体粒子t−3の作製]
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、分散液E−1を360質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、分散液のpHを10に調整した。
次いで、当該分散液に、30質量部の分散液C(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、当該分散液を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持して粒子成長反応を継続した。
この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、当該会合粒子の体積基準のメジアン径が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を当該反応液に添加して粒子成長反応を停止させた。
さらに、得られた分散液を加熱撹拌することにより、90℃で粒子の融着を進行させ、トナー母体粒子の平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用い、HPF検出数を4,000個とする条件で平均円形度が0.945になった時点で、上記分散液を2.5℃/分の冷却速度で30℃に冷却した。
次いで、上記分散液について固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散して固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した。そして、得られたトナーケーキを40℃で24時間乾燥させることにより、トナー母体粒子t−3を得た。
[トナー母体粒子t−4〜t−17の作製]
分散液E−1に代えて分散液E−2〜E−15のそれぞれを用いる以外はトナー母体粒子t−3の作製と同様にして、トナー粒子母体t−4〜t−17のそれぞれを作製した。
[トナー母体粒子t−18の作製]
360質量部の分散液E−5(固形分換算)に代えて、300質量部の分散液E−5(固形分換算)および60質量部の分散物F(固形分換算)を用いる以外はトナー母体粒子t−7の作製と同様にして、トナー母体粒子t−18を作製した。
[トナー母体粒子t−19の作製]
360質量部の分散液E−15(固形分換算)に代えて、300質量部の分散液E−15(固形分換算)および60質量部の分散物F(固形分換算)を用いる以外はトナー母体粒子t−17の作製と同様にして、トナー母体粒子t−19を作製した。
[トナー母体粒子t−20の作製]
360質量部の分散液E−5(固形分換算)に代えて、300質量部の分散液E−5(固形分換算)および30質量部の分散物F(固形分換算)を用いてトナー母体粒子t−7の作製と同様にして粒子成長反応を行った。
この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、当該会合粒子の体積基準のメジアン径が6.0μmになった時点で、上記分散液に、45質量部の分散液G(固形分換算)を30分間かけて投入し、得られた反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を当該反応液に添加して粒子成長反応を停止させた。以後、トナー母体粒子t−7の作製と同様にしてトナー母体粒子t−20を得た。
[トナー粒子T−1の作製]
100質量部のトナー母体粒子t−1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部、および、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部、を添加し、「ヘンシェルミキサ」(日本コークス工業株式会社製)により、回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去した。このように外添剤処理を施し、トナー粒子T−1を作製した。
[トナー粒子T−2〜T−20の作製]
トナー母体粒子t−1に代えてトナー母体粒子t−2〜t−20のそれぞれを用いる以外はトナー母体粒子t−1の作製と同様にして、トナー粒子T−2〜T−20のそれぞれを作製した。
トナー粒子T−1〜T−20の構成および各トナー粒子におけるトナー母体粒子の結着樹脂の分散液を表3に示す。
Figure 2019045751
[現像剤1〜20の作製]
フェライト粒子にアクリル樹脂で被覆してなる平均粒径35μmのキャリア粒子と、トナー粒子1〜20のそれぞれとを混合処理して、トナー濃度が8質量%の二成分現像剤である現像剤1〜20のそれぞれを作製した。
[実施例1]
図2に示すような画像形成装置200として、カラー複写機「bizhub PRESS C71cf」(コニカミノルタ株式会社製)を用いて記録媒体に画像を形成した。なお、定着温度、トナー付着量、システム速度を自由に設定できるように改造し、定着温度185℃、システム速度270mm/secにて、画像形成を行った。本画像形成装置は、記録媒体がロール状に巻かれた状態から画像形成装置内を搬送され、トナー画像が形成された後に再びロール状に巻かれる。このように、ロール状に巻かれて設置され、印刷後には再びロール状に巻かれて格納される記録媒体に画像を形成した。記録媒体には、厚さ40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(透明、PET)を用いた。現像剤には、上記の現像剤1を用いた。形成するトナー画像は、トナーの付着量が8g/mのベタ画像であった。
[実施例2〜18]
現像剤1に代えて現像剤2〜16、18および20のそれぞれを用いる以外は実施例1と同様にして、トナー画像を形成した。
[実施例19]
現像剤1に代えて現像剤3を用い、記録媒体として、厚さ40μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて厚さ40μmの透明ポリプロピレンフィルム(PP)を用いる以外は実施例1と同様にして、トナー画像を形成した。
[実施例20〜24]
現像剤3に代えて現像剤6、7、9、11および13のそれぞれを用いる以外は実施例19と同様にして、トナー画像を形成した。
[実施例25]
記録媒体として、厚さ40μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、コロナ処理を施した厚さ40μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる以外は実施例5と同様にして、トナー画像を形成した。
[実施例26]
記録媒体として、厚さ40μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、コロナ処理を施した厚さ40μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる以外は実施例10と同様にして、トナー画像を形成した。
[比較例1、2]
現像剤1に代えて現像剤17および19のそれぞれを用いる以外は実施例1と同様にしてトナー画像を形成した。
[曲げに対する画像耐性(曲げ耐久性)の評価]
現像剤の定着画像を有する上記フィルム(F)の画像部を、図3に示すように、5mm径の円柱40の外周面に沿って90°まで曲げ、その後まっすぐに(180°まで)に伸ばす上記画像部の屈伸運動を1秒間に2往復の速度で500回、750回、1000回、1250回および1500回繰り返し、それぞれの回数の屈伸運動を行った上記画像部の画像を、「JKワイパー」(日本製紙クレシア株式会社製)を用いて、5.0kPaの荷重をかけて5cm擦り、当該画像部における画像の剥がれの有無を確認し、以下の基準により評価した。◎、○、△が実用上問題ないレベルであり、×は、実用上問題がある。
×:500回時点で画像の剥がれが発生
△:500回時点では画像の剥がれはなく、1000回時点で画像の剥がれが発生
○:1000回時点では画像の剥がれはなく、1500回時点で画像の剥がれが発生
◎:1500回時点でも画像の剥がれがない
実施例1〜18で形成されたトナー画像における記録媒体の種類、トナー粒子の主な組成、および、曲げ耐久性の評価結果を表4に、実施例19〜26、比較例1および2で形成されたトナー画像における記録媒体の種類、トナー粒子の主な組成、および、曲げ耐久性の評価結果を表5に、それぞれ示す。下記表中、aCMの量は、トナー母体粒子中の全樹脂成分の質量に対する脂環式ユニットの質量の割合(質量%)である。
Figure 2019045751
Figure 2019045751
表4、5に示されるように、現像剤1〜16、18および20で形成されたトナー画像は、十分に良好な曲げ耐久性を有している。
これに対して、現像剤17、19で形成されたトナー画像は、曲げ耐久性が不十分である。これは、トナー母体粒子中に脂環式ユニットが含まれていないため、トナー母体粒子と樹脂製の記録媒体との接着性が不十分となり、柔軟な記録媒体の変形によってトナー画像を構成する樹脂層が記録媒体から分離することがあるため、と考えられる。
本発明によれば、電子写真方式のフルカラー画像において、柔軟性に富む樹脂製の記録媒体に、曲げ耐久性に優れるトナー画像を形成することができる。よって、本発明によれば、電子写真方式における画像形成のさらなる普及が期待される。
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6、10 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 ローラ
9 二次転写ローラ
11 給紙カセット
12 給紙ローラ
13 搬送ローラ
14 レジストローラ
15 排出ローラ
16 排紙トレイ
40 円柱
50 定着装置
100、200 画像形成装置
201 収容部
202、203 搬送ユニット
204 収納部
F フィルム
P 記録媒体
SC 原稿画像読取装置

Claims (7)

  1. 静電荷像現像用のトナーを用いて記録媒体上に定着されたトナー画像を形成する電子写真方式の画像形成方法において、
    前記トナーには、ステロール由来の構成単位以外の脂環式ユニットを有する重合体を含む結着樹脂で構成されているトナー母体粒子を有するトナーを用いる、
    画像形成方法。
  2. 前記脂環式ユニットは、脂環式(メタ)アクリレートモノマー由来のユニットである、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記脂環式ユニットは、5〜12員環を有する、請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記脂環式ユニットが、8〜12員環を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記記録媒体は、トナー画像が定着された後にロール状に巻き取られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記記録媒体に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とフィルムを用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記記録媒体の厚みは、20〜70μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
JP2017170270A 2017-09-05 2017-09-05 画像形成方法 Pending JP2019045751A (ja)

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