JP2019025287A - 廃液吸引装置、廃液吸引方法、及び、廃液吸引装置の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部から第1密閉容器への廃液の吸引を継続しながら、第1密閉容器から第2密閉容器へ廃液を移送可能な廃液吸引装置を提供する。
【解決手段】廃液吸引装置10は、第1液吸引ポート15と第1液排出ポート16が設けられ、第1液吸引ポート15を通って外部から吸引した廃液を貯留する第1密閉容器11と、第1液排出ポート16に繋がる第2液吸引ポート26を通って第1密閉容器11から移送された廃液を貯留する第2密閉容器12と、第1密閉容器11と第2密閉容器12からガスを吸引するためのガス吸引通路23とを備え、ガス吸引通路23を通じてガスを吸引して第1密閉容器11及び第2密閉容器12の両方に負圧が形成された状態にすることで、第1密閉容器11に廃液を吸引しながら、第1密閉容器11と第2密閉容器12に差圧を生じさせて、第1密閉容器11から第2密閉容器12へ廃液が移送されるように構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】廃液吸引装置10は、第1液吸引ポート15と第1液排出ポート16が設けられ、第1液吸引ポート15を通って外部から吸引した廃液を貯留する第1密閉容器11と、第1液排出ポート16に繋がる第2液吸引ポート26を通って第1密閉容器11から移送された廃液を貯留する第2密閉容器12と、第1密閉容器11と第2密閉容器12からガスを吸引するためのガス吸引通路23とを備え、ガス吸引通路23を通じてガスを吸引して第1密閉容器11及び第2密閉容器12の両方に負圧が形成された状態にすることで、第1密閉容器11に廃液を吸引しながら、第1密閉容器11と第2密閉容器12に差圧を生じさせて、第1密閉容器11から第2密閉容器12へ廃液が移送されるように構成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引装置、廃液吸引方法、及び、廃液吸引装置の洗浄方法に関する。
従来から、医療現場で発生する廃液(手術などの際に発生する血液や生理食塩水など)を吸引するために廃液吸引装置が用いられている。特許文献1には、医療処置中に生成される廃棄物材料を収集する廃棄物収集ユニットが記載されている。
具体的に、特許文献1に記載の廃棄物収集ユニットは、第1の吸引ラインが接続された上側廃棄物容器と、第2の吸引ラインが接続された下側廃棄物容器とを備えている。廃棄物収集ユニットでは、真空源によって廃棄物容器内に真空を与えて、吸引ラインを通じて廃棄物材料を廃棄物容器のキャニスタ内に引き込む。廃棄物収集ユニットでは、廃棄物容器間に切替バルブが配置されており、切替バルブを開状態にすることで上側廃棄物容器から下側廃棄物容器へ廃棄物材料を移送することができる。
ところで、従来は、切替バルブを開状態にして上側廃棄物容器から下側廃棄物容器へ廃棄物材料を移送する際に、上側廃棄物容器から全ての廃棄物材料が排出された瞬間に、上側廃棄物容器が下側廃棄物容器のガス空間に繋がる。そのため、仮に外部から上側廃棄物容器に廃棄物材料を吸引しながら廃棄物材料を移送した場合、上側廃棄物容器から全ての廃棄物材料が排出された瞬間に上側廃棄物容器の内圧が大きく上昇し、外部からの廃棄物材料の吸引が一時的に止まる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも2つの密閉容器を備えた廃液吸引装置において、外部から第1密閉容器への廃液の吸引を継続しながら、第1密閉容器から第2密閉容器へ廃液を移送可能な廃液吸引装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引装置であって、第1液吸引ポートと第1液排出ポートとが設けられ、第1液吸引ポートを通って外部から吸引した廃液を貯留する第1密閉容器と、第1液排出ポートに繋がる第2液吸引ポートが設けられ、第2液吸引ポートを通って第1密閉容器から移送された廃液を貯留する第2密閉容器と、第1密閉容器と第2密閉容器とからガスを吸引するためのガス吸引通路とを備え、ガス吸引通路を通じて第1密閉容器及び第2密閉容器からガスを吸引して第1密閉容器及び第2密閉容器の両方に負圧が形成された状態にすることで、外部から廃液を第1密閉容器に吸引しながら、第1密閉容器と第2密閉容器とに差圧を生じさせて、第1液排出ポート及び第2液吸引ポートを通じて第1密閉容器から第2密閉容器へ廃液が移送されるように構成されている。
第2の発明は、第1の発明において、ガス吸引通路として、第1密閉容器に接続する第1ガス吸引管と第2密閉容器に接続する第2ガス吸引管とに途中で分岐する分岐吸引通路と、第1密閉容器と第2密閉容器とを接続する接続吸引通路とが設けられ、分岐吸引通路の出口からガスを吸引する期間に、第1ガス吸引管が閉状態で第2ガス吸引管が開状態になった第1状態と、第1ガス吸引管と第2ガス吸引管との両方が開状態になった第2状態とを切り替え可能な吸引切替部を備え、吸引切替部が第1状態に設定される期間は、接続吸引通路を通じて第1密閉容器のガスが第2密閉容器に吸引される。
第3の発明は、第1又は2の発明において、外部から圧縮ガスを導入するための圧縮ガス用ポートが設けられ、該圧縮ガス用ポートから導入した圧縮ガスを蓄える圧力タンクと、第1密閉容器と第2密閉容器の少なくとも一方に圧力タンク内の圧縮ガスを供給するための圧縮ガス供給管と、圧縮ガス供給管を開閉する開閉機構とをさらに備え、圧力タンクは、第2密閉容器内に配置されている。
第4の発明は、第1の発明において、ガス吸引通路は、第1密閉容器に接続する第1ガス吸引管と第2密閉容器に接続する第2ガス吸引管とに途中で分岐する分岐吸引通路を有し、第1ガス吸引管を流れるガス流量を調節する負圧調整部をさらに備えている。
第5の発明は、第4の発明において、負圧調整部として、第1ガス吸引管に設けられた圧力レギュレータと、第1密閉容器において液面が所定水位を超えると第1ガス吸引管を閉鎖するフロート弁とが設けられている。
第6の発明は、第1乃至5の何れか1つの発明において、第1密閉容器の容積は、第2密閉容器の容積よりも小さい。
第7の発明は、第1乃至6の何れか1つの発明において、第1液排出ポートは、第1密閉容器の底面に開口している。
第8の発明は、医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引装置であって、外部から廃液を吸引するための液吸引ポートと、吸引した廃液を排出するための液排出ポートとが設けられた密閉容器と、外部から圧縮ガスを導入するための圧縮ガス用ポートが設けられ、該圧縮ガス用ポートから導入した圧縮ガスを蓄える圧力タンクと、密閉容器に圧力タンク内の圧縮ガスを供給するための圧縮ガス供給管と圧縮ガス供給管を開閉する開閉機構とを備え、圧力タンクは、密閉容器内に配置されている。
第9の発明は、医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引方法であって、第1密閉容器と第2密閉容器とからガスを吸引することで、第1密閉容器及び第2密閉容器の両方に負圧が形成された状態にして、第1密閉容器に設けられた第1液吸引ポートから外部の廃液を第1密閉容器に吸引するステップと、第1液吸引ポートから外部の廃液を第1密閉容器に吸引しながら、第1密閉容器と第2密閉容器とに差圧を生じさせて、第1密閉容器と第2密閉容器とを接続する容器接続通路を通じて第1密閉容器から第2密閉容器へ廃液を移送するステップとを行う。
第10の発明は、第1乃至第8の何れか1つの発明の廃液吸引装置を洗浄する洗浄方法であって、第1密閉容器と第2密閉容器との各々に洗浄水を供給して、第1密閉容器と第2密閉容器との各々を洗浄するステップと、ガス吸引通路を通じて第1密閉容器と第2密閉容器のうち少なくとも第2密閉容器からガスを吸引することで、第1液排出ポートと第2液吸引ポートとを通じて第1密閉容器内の汚水を第2密閉容器へ移送するステップを行う。
第1の発明では、ガス吸引通路を通じてガスを吸引すると、第1密閉容器及び第2密閉容器の両方に負圧が形成される。第1密閉容器では、第1液吸引ポートに吸引力が作用し、外部の廃液が第1液吸引ポートを通って吸引される。そして、例えば、医療現場で廃液が第1密閉容器に吸引される際、空気が混入すると、第1密閉容器と第2密閉容器とに差圧が生じ(第1密閉容器の内圧が第2密閉容器の内圧より高くなり)、第1密閉容器内の廃液が、第1液排出ポート及び第2液吸引ポートを通って第2密閉容器へ移送される。また、例えば、第2密閉容器を介して第1密閉容器のガスが吸引される場合、又は、第1密閉容器の内圧が調節されるように廃液吸引装置が構成されている場合、ガスが混入しなくても第1密閉容器内の廃液は第2密閉容器へ移送される。第1の発明によれば、外部から第1密閉容器への廃液の吸引を継続しながら、第1密閉容器から第2密閉容器へ廃液を移送可能な廃液吸引装置を提供できる。
また、第2の発明では、吸引切替部を第1状態に設定する期間、第1密閉容器のガスは、第2密閉容器を介して分岐吸引通路に吸引される。一方、吸引切替部を第2状態に設定する期間、第1密閉容器のガスは、分岐吸引通路に直接的に吸引される。第2状態は、第1状態に比べて第1密閉容器の内圧が低くなり、第1液吸引ポートに作用する吸引力が大きくなる。第2の発明によれば、吸引切替部を切り替えることで、廃液の発生箇所に作用する吸引力を調節することができる。
また、第3の発明では、第1密閉容器と第2密閉容器の少なくとも一方に圧縮ガスを供給することが可能であり、ポンプのような電装品を利用せずに、密閉容器から液体を排出させることができる。そして、圧力タンクが第2密閉容器内に配置されているため、圧力タンクを設けることで廃液吸引装置が大型化することを抑制することができる。
また、第4の発明では、例えば分岐吸引通路を通じて第1密閉容器と第2密閉容器との両方からガスを吸引する期間に、第1ガス吸引管を流れるガス流量を絞ることで、第1密閉容器と第2密閉容器との差圧を拡大して、第1密閉容器から第2密閉容器への廃液の移送量を増大させることができる。
また、第5の発明では、負圧調整部として、圧力レギュレータとフロート弁とが設けられている。ここで、吸引力によって患者の組織が損傷する虞がある場合などに、圧力レギュレータの開度を小さくすることで、第1密閉容器の内圧が高くなり、廃液の発生箇所に作用する吸引力を小さくすることができる。この場合、第1密閉容器と第2密閉容器との差圧が大きくなり、第1密閉容器から第2密閉容器への廃液の移送量が多くなる。一方、廃液の吸引量を多くしたい場合などに、圧力レギュレータの開度を大きくすることで、第1密閉容器の内圧は低くなり、廃液の発生箇所に作用する吸引力が大きくなる。この場合、第1密閉容器と第2密閉容器との差圧が小さく、第1密閉容器から第2密閉容器への廃液の移送量が少ないため、第1密閉容器に廃液が溜まっていく場合がある。このような場合に、第1密閉容器において液面が上昇してフロート弁に浮力が作用すると、フロート弁において弁座に弁体が近づき開度が小さくなり、第1ガス吸引管を流れるガス流量が低下する。そして、第1密閉容器と第2密閉容器との差圧が大きくなり、第1密閉容器から第2密閉容器への廃液の移送量が増大する。第5の発明によれば、廃液の発生箇所に作用する吸引力を調節可能で、第1密閉容器で廃液が溢れることなく第2密閉容器へ廃液を移送することができる。
また、第6の発明では、第1密閉容器の容積が第2密閉容器の容積より小さい。ここで、第1密閉容器と第2密閉容器との容積を同じにした場合、多くの廃液を貯留できるように第1密閉容器と第2密閉容器の合計容積を大きくすると、外部の廃液を吸引する際に第1密閉容器の内圧を低下させるのに要する時間が長くなり、吸引の応答性が低下する。それに対し、第1密閉容器の容積を第2密閉容器の容積より小さくした場合、第1密閉容器と第2密閉容器との容積を同じにした場合に比べて合計容積が同じであっても、第1密閉容器の内圧を低下させるのに要する時間が短く、吸引の応答性は向上する。第6の発明によれば、吸引の応答性が良好な廃液吸引装置を提供できる。
また、第7の発明では、第1液排出ポートが第1密閉容器の底面に開口しているため、外部の廃液を第1密閉容器へ吸引する動作が終了した後に、第1密閉容器内の廃液を全て第2密閉容器に移送することができ、外部から吸引した廃液を第2密閉容器に集めることができる。
また、第8の発明では、第3の発明と同様に、圧力タンクを利用して密閉容器から液体を排出させることが可能でありながら、廃液吸引装置が大型化することを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態や変形例を詳細に説明する。なお、以下の実施形態や変形例は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
<実施形態>
図1−図11を参照しながら、実施形態について説明する。
図1−図11を参照しながら、実施形態について説明する。
[1.廃液吸引装置の構成について]
廃液吸引装置10は、医療現場で発生する廃液(手術中に出る廃液、又は、内視鏡検査の処置において発生する廃液等)の吸引に用いる装置である。図1に示すように、廃液吸引装置10は、第1密閉容器11と、第2密閉容器12と、これらの容器11,12などを収容するケーシング(図示省略)とを備えている。第1密閉容器11と第2密閉容器12の各々は、例えば、上方が開放された容器本体に蓋部材がシール部材を介して取り付けられた密閉容器である。廃液吸引装置10は、ケーシングに取り付けられた車輪によって容易に移動させることが可能である。
廃液吸引装置10は、医療現場で発生する廃液(手術中に出る廃液、又は、内視鏡検査の処置において発生する廃液等)の吸引に用いる装置である。図1に示すように、廃液吸引装置10は、第1密閉容器11と、第2密閉容器12と、これらの容器11,12などを収容するケーシング(図示省略)とを備えている。第1密閉容器11と第2密閉容器12の各々は、例えば、上方が開放された容器本体に蓋部材がシール部材を介して取り付けられた密閉容器である。廃液吸引装置10は、ケーシングに取り付けられた車輪によって容易に移動させることが可能である。
第1密閉容器11は、外部から吸引した廃液を最初に貯留する容器である。第1密閉容器11には、外部から液面高さが見える透明容器が用いられている。第1密閉容器11は、第2密閉容器12の外側面に取り付けられている。第1密閉容器11には、第1液吸引ポート15と第1液排出ポート16と第1ガス排出ポート17と第1洗浄用ポート18とが設けられている。第1液吸引ポート15には、液吸引管21の出口側が接続されている。第1液排出ポート16には、容器接続管22の入口側が接続されている。第1ガス排出ポート17には、ガス吸引管23のうち第1ガス吸引管23aの入口側が接続されている。第1洗浄用ポート18には、第1洗浄用配管24aの出口側が接続されている。また、第1密閉容器11には、液面が所定水位(満水付近の水位)を超えた場合に第1ガス排出ポート17を閉じるフロート弁31が設けられている。
第2密閉容器12は、第1密閉容器11から移送された廃液を貯留する容器であり、第1密閉容器11に比べて容積が大きい。第2密閉容器12の容積は、例えば第1密閉容器11の容積の例えば5倍以上である。第2密閉容器12には、第2液吸引ポート26と第2ガス排出ポート27と第2洗浄用ポート28とガス連通用ポート29とが設けられている。第2液吸引ポート26には、容器接続管22の出口側が接続されている。第2ガス排出ポート27には、ガス吸引管23のうち第2ガス吸引管23bの入口側が接続されている。第2洗浄用ポート28には、第2洗浄用配管24bの出口側が接続されている。ガス連通用ポート29には、連通管20が接続されている。また、第2密閉容器12には、液面が所定水位(満水付近の水位)を超えた場合に第2ガス排出ポート27を閉じるフロート弁32が設けられている。
液吸引管21は、廃液の発生箇所64(図3(a)参照)から第1密閉容器11に廃液を吸引するための管である。液吸引管21の入口には、コネクタとしてオス側カプラー41a(プラグ)が設けられている。オス側カプラー41aは、チューブ102(図3(a)参照)のメス側カプラー41b(ソケット)が接続される。液吸引管21の出口は、第1密閉容器11の上部空間(ガス空間)において側壁側を向いて開口している。また、液吸引管21には、第1開閉弁61が設けられている。
容器接続管22は、第1密閉容器11から第2密閉容器12へ廃液を移送するための管である。容器接続管22は、第1液排出ポート16と第2液吸引ポート26とを接続する容器接続通路であり、入口が第1密閉容器11の底面に開口し、出口が第2密閉容器12の底面に開口している。容器接続管22には、第1密閉容器11側から順番に、第2開閉弁62と逆止弁53が設けられている。逆止弁53は、第1密閉容器11側への逆流を阻止する。容器接続管22における逆止弁53と第2密閉容器12との間には、液排出管25の一端(入口端)が接続されている。
液排出管25は、第2密閉容器12から廃液を廃棄するための管である。第2液吸引ポート26は、容器接続管22の出口側だけでなく、液排出管25の入口側にも繋がっており吸排出ポートとして機能する。液排出管25には、第2密閉容器12側への逆流を阻止する逆止弁54が設けられている。また、液排出管25の他端(出口端)には、オス側カプラー43aが設けられている。
液排出管25は、第2密閉容器12の液面を計測する液面計としても用いられる。具体的に、液排出管25には透明な管25aが用いられている。液排出管25は、第2密閉容器12に沿って底面側から高さ方向に延びている。液排出管25のオス側カプラー43aは、廃液の吸引時に、第2密閉容器12から延びる連通管20のメス側カプラー43bに接続される。第2密閉容器12内では、連通管20が上部空間(ガス空間)に開口している。そのため、液排出管25が連通管20を通じて第2密閉容器12のガス空間に連通し、液排出管25の液面が第2密閉容器12の液面と略等しくなる。
ガス吸引管23は、第1密閉容器11と第2密閉容器12とからガスを同時に吸引するためのガス吸引通路(分岐吸引通路)を構成する。ガス吸引管23の一端(出口端)には、吸引アウトレットとしてコネクタ44が設けられている。ガス吸引管23は、コネクタ44から延びる1本の合流管が途中で、第1ガス排出ポート17に接続された第1ガス吸引管23aと、第2ガス排出ポート27に接続された第2ガス吸引管23bとに分岐している。
ガス吸引管23では、分岐箇所よりもコネクタ44側に、第3開閉弁63が設けられている。また、第1ガス吸引管23aには、第1ガス吸引管23aを流通するガスの圧力損失を調節する圧力レギュレータ30(吸引圧調整レギュレータ)が設けられている。圧力レギュレータ30には、第1ガス吸引管23aにおける第1密閉容器11側の圧力を計測する圧力計が接続されている。
第1洗浄用配管24aは、第1密閉容器11に洗浄水(水道水)を供給するための管である。第1洗浄用配管24aの一端には、給水アウトレットとしてコネクタ45が設けられている。第1洗浄用配管24aの他端は、第1密閉容器11内で第1スプリンクラー33に接続されている。一方、第2洗浄用配管24bは、第2密閉容器12に洗浄水(水道水)を供給するための管である。第2洗浄用配管24bの一端には、給水アウトレットとしてコネクタ46が設けられている。第2洗浄用配管24bの他端は、第2密閉容器12内で第2スプリンクラー34に接続されている。
なお、圧力レギュレータ30は、使用者が手動で操作可能である。また、第1〜第3開閉弁61〜63には、手動操作が可能な開閉弁として、例えばボールバルブ(開度調節が可能なボールバルブ)が用いられている。また、逆止弁53〜54には、例えばスイングチャッキ弁が用いられている。本実施形態では、廃液吸引装置10に電装品が用いられていない。また、オス側カプラー41a,43a及びメス側カプラー43bには、接続時のみ流体が流通する逆止弁付きのタイプが用いられている。なお、これらの弁やカプラーは、記載したタイプとは別のものを用いてもよい。
[2.制御ユニットの構成について]
廃液吸引装置10は、外部から廃液を吸引して貯留する吸引動作と、吸引動作によって貯留された廃液の廃棄及び各密閉容器11,12の洗浄を行う廃棄洗浄動作を行う。本実施形態では、廃棄洗浄動作を自動で行うために、廃液吸引装置10に制御ユニット40が接続される。
廃液吸引装置10は、外部から廃液を吸引して貯留する吸引動作と、吸引動作によって貯留された廃液の廃棄及び各密閉容器11,12の洗浄を行う廃棄洗浄動作を行う。本実施形態では、廃棄洗浄動作を自動で行うために、廃液吸引装置10に制御ユニット40が接続される。
制御ユニット40は、図2に示すように、廃液を無害化するための薬剤を供給する薬剤供給部71と、水道栓70a(図5参照)からの水道水を各洗浄用配管24a,24bへ供給するための洗浄用接続通路72と、各密閉容器11,12の内圧調節に用いるポンプ73と、これらの部品71〜73などを収容するケーシング(図示省略)とを備えている。なお、医療施設側で薬剤処理できる場合は、薬剤供給部71を省略してもよい。
薬剤供給部71は、第1〜第3薬剤貯留容器81〜83と、各薬剤貯留容器81〜83から薬剤を流出させる薬剤流出通路77とを備えている。第1薬剤貯留容器81には殺菌消毒剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)が貯留され、第2薬剤貯留容器82には脱塩素処理剤(例えば、チオ硫酸ナトリウム(ハイポ))が貯留され、第3薬剤貯留容器83にはpH中和剤(例えば、スルファミン酸)が貯留される。また、薬剤流出通路77は、第1〜第3薬剤貯留容器81〜83の各々の出口から延びる3本の流出管が1本の合流管に合流している。各流出管には、開閉弁84〜86が設けられている。また、合流管の出口にはコネクタ91が設けられている。
洗浄用接続通路72は、入口となるコネクタ92から延びる1本の流入管が第1分岐管72aと第2分岐管72bとに分岐している。第1分岐管72aは、途中に開閉弁87が設けられ、出口にコネクタ93が設けられている。第2分岐管72bは、途中に開閉弁88が設けられ、出口にコネクタ94が設けられている。
洗浄用接続通路72の流入管からは、薬剤洗浄通路74が分岐している。薬剤洗浄通路74は、第1薬剤貯留容器81の頂部に接続する第1洗浄分岐管74aと、第3薬剤貯留容器83の頂部に接続する第2洗浄分岐管74bとに分岐している。第1洗浄分岐管74aには開閉弁89が設けられ、第2洗浄分岐管74bには開閉弁90が設けられている。
ポンプ73は、吐出側に吐出管75が接続され、吸入側に吸入管76が接続されている。吐出管75にはコネクタ95が設けられ、吸入管76にはコネクタ96が設けられている。吐出管75には、ポンプ73の吐出口がコネクタ95側に連通する第1状態と、ポンプ73の吐出口が外部に連通する第2状態とに切り替え可能な第1三方弁65が設けられている。吸入管76には、ポンプ73の吸入口がコネクタ96側に連通する第1状態と、ポンプ73の吸入口が外部に連通する第2状態とに切り替え可能な第2三方弁66が設けられている。
なお、各開閉弁84〜90には、電磁弁が用いられている。各三方弁65,66には三方電磁弁が用いられている。制御ユニット40には、各開閉弁84〜90、各三方弁65,66及びポンプ73を制御する制御部50が設けられている。
[3.廃液吸引装置の使用方法について]
図3−図11を参照にして、廃液吸引装置10の使用方法について説明をする。なお、図3−図11では、液体が流通している配管を太線の実線で示し、ガスが流通している配管を太線の点線で示している。また、ボールバルブを用いた各開閉弁61〜63の状態はレバーの向きで表し、また開閉弁61〜63,84〜90のうち開状態の弁の符号を四角で囲っている。また、第1三方弁65及び第2三方弁66については、互いに繋がったポートが設けられた三角形を塗り潰している。これらの図面の表現方法は、後述する変形例1〜4においても同じである。
図3−図11を参照にして、廃液吸引装置10の使用方法について説明をする。なお、図3−図11では、液体が流通している配管を太線の実線で示し、ガスが流通している配管を太線の点線で示している。また、ボールバルブを用いた各開閉弁61〜63の状態はレバーの向きで表し、また開閉弁61〜63,84〜90のうち開状態の弁の符号を四角で囲っている。また、第1三方弁65及び第2三方弁66については、互いに繋がったポートが設けられた三角形を塗り潰している。これらの図面の表現方法は、後述する変形例1〜4においても同じである。
[3−1.吸引動作について]
まず、図3−図4を参照にして、手術中に患者から出る廃液を吸引して廃液吸引装置10に回収する吸引動作について説明する。なお、手術を行う医療施設にはガス吸引装置(図示省略)が設けられ、そのガス吸引装置の吸引ポート100が手術室の壁面に設けられている。作業者は、準備作業として、図3(a)に示すように、チューブ101によってガス吸引管23のコネクタ44を吸引ポート100に接続し、チューブ102のメス側カプラー41bを液吸引管21のオス側カプラー41aに接続する。
まず、図3−図4を参照にして、手術中に患者から出る廃液を吸引して廃液吸引装置10に回収する吸引動作について説明する。なお、手術を行う医療施設にはガス吸引装置(図示省略)が設けられ、そのガス吸引装置の吸引ポート100が手術室の壁面に設けられている。作業者は、準備作業として、図3(a)に示すように、チューブ101によってガス吸引管23のコネクタ44を吸引ポート100に接続し、チューブ102のメス側カプラー41bを液吸引管21のオス側カプラー41aに接続する。
そして、この状態で、作業者が第1〜第3開閉弁61〜63を全て開状態へ切り替えると、ガス吸引装置によって第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスが同時に吸引される吸引動作が開始され、各密閉容器11,12では内圧が低下して負圧が形成される。第1密閉容器11の内圧の低下に伴ってチューブ102の入口に吸引力が作用する。そして、廃液の発生箇所64にチューブ102の入口を配置すると、図3(a)に示すように、廃液がチューブ102及び液吸引管21を通って第1密閉容器11に吸引される。廃液が第1密閉容器11に吸引される際、空気が混入する。そのため、第1密閉容器11の内圧が第2密閉容器12の内圧よりも高くなり、第1密閉容器11内の廃液が容器接続管22を通って第2密閉容器12へ移送される。この状態での廃液の移送量は少ないため、第1密閉容器11には、廃液の発生箇所64から吸引した廃液が溜まっていく。
吸引動作中に、図3(b)に示すように、第1密閉容器11において液面が上昇してフロート弁31に浮力が作用すると、フロート弁31において弁座に弁体が近づき、フロート弁31の開度が小さくなる。この状態では、第1密閉容器11より第2密閉容器12の方が多くのガスが吸引されるため、第2密閉容器12と第1密閉容器11との差圧が拡大する。その結果、第1密閉容器11から第2密閉容器12への廃液の移送量が増大する。また、第1密閉容器11では、フロート弁31における弁体と弁座の隙間を通じてガスの吸引が継続されるため、廃液の発生箇所64からの廃液の吸引が継続される。
なお、吸引力によって患者の組織が損傷する虞がある場合など、廃液の発生箇所64に作用する吸引力を低下させたい場合がある。このような場合、使用者は、圧力レギュレータ30の開度を小さくする。この場合、圧力レギュレータ30によって第2密閉容器12と第1密閉容器11との差圧が拡大するため、液面が上昇してフロート弁31の開度が小さくならなくても、第1密閉容器11から第2密閉容器への廃液の移送量は増加する。
また、吸引動作中は、液排出管25が連通管20を介して第2密閉容器12のガス空間に連通しているため、液排出管25における透明な管25aが、第2密閉容器12の液面計として機能する。使用者は、透明な管25aを見て第2密閉容器12の液面高さを把握できる。吸引動作の終了時に関し、例えば医療処置が終了して廃液の吸引が必要なくなると、チューブ102の入口から第1密閉容器11にガスが導入される。そうすると、第1密閉容器11は負圧が形成された状態ではなくなる。この場合、圧力レギュレータ30が全開であっても第1密閉容器11の内圧より第2密閉容器12の内圧が低くなり、図4(a)に示すように、第1密閉容器11内の廃液が第2密閉容器12に吸引される。そして、第1密閉容器11の廃液がなくなった状態で、使用者は、図4(b)に示すように、第1〜第3開閉弁61〜63を閉状態に切り替える。これにより、吸引動作は終了する。
[3−2.廃棄洗浄動作]
続いて、図5−図11を参照にして、廃液吸引装置10から廃液を廃棄して第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各々の内部を洗浄する廃棄洗浄動作について説明する。
続いて、図5−図11を参照にして、廃液吸引装置10から廃液を廃棄して第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各々の内部を洗浄する廃棄洗浄動作について説明する。
なお、廃棄洗浄動作を行う前に、作業者は、汚物処理室へ廃液吸引装置10を移動させて準備作業を行う。準備作業としては、図5に示すように、廃液吸引装置10に制御ユニット40を接続し、液排出管25のオス側カプラー43aを汚物流し70のメス側カプラー70bに接続し、さらにチューブ103によって制御ユニット40のコネクタ92を水道栓70aに接続する。廃液吸引装置10と制御ユニット40の接続については、具体的に、コネクタ41aとコネクタ91との間にチューブ104を接続し、コネクタ45とコネクタ93との間にチューブ105を接続し、コネクタ44とコネクタ96との間にチューブ106を接続し、コネクタ46とコネクタ94との間にチューブ107を接続し、コネクタ43bとコネクタ95との間にチューブ108を接続する。
使用者は、準備作業が終わると、第1〜第3開閉弁61〜63を開状態に切り替え、制御ユニット40の開始スイッチ(図示省略)をONにする。そうすると、制御部50は廃棄洗浄動作の実行を開始する。廃棄洗浄動作は全自動で行われる。
まず、制御部50は、廃液を殺菌消毒する殺菌ステップを行う。殺菌ステップでは、制御部50が、第1三方弁65を第2状態に設定し、第2三方弁66を第1状態に設定し、ポンプ73を運転させる。ポンプ73は吸引ポンプとして機能する。また、制御部50は、開閉弁84を開状態に切り替える。
そうすると、図5に示すように、ポンプ73によって第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスが同時に吸引され、第1薬剤貯留容器81内の殺菌消毒剤が、チューブ104等を通って第1密閉容器11に吸引される。そして、第1薬剤貯留容器81から殺菌消毒剤がなくなると、第1薬剤貯留容器81内のガスが第1密閉容器11に吸引される。そうすると、第1密閉容器11は負圧が形成された状態ではなくなり、第1密閉容器11の内圧より第2密閉容器12の内圧が低くなる。その結果、図6に示すように、第1密閉容器11内の殺菌消毒剤が第2密閉容器12に吸引される。そして、第1密閉容器11から殺菌消毒剤がなくなると、図7に示すように、第1密閉容器11内のガスが第2密閉容器12に吸引される。第2密閉容器12では、底部から吹き出される気泡によって廃液と殺菌消毒剤の混合が促進される。なお、廃棄洗浄動作において圧力レギュレータ30の開度を小さくして、ポンプ73を吸引ポンプとして機能させる期間に亘って、第2密閉容器12の内圧が第1密閉容器11の内圧よりも低くなるようにしてもよい。
また、殺菌ステップの途中において、制御部50は、第1薬剤貯留容器81の殺菌消毒剤がなくなった後に、開閉弁89を一時的に開状態に切り替えて閉状態に戻す。開閉弁89が開状態の期間は、水道栓70aからの水道水が、第1薬剤貯留容器81に供給され、さらに開閉弁84を通って第1密閉容器11に吸引される(図示省略)。これにより、アルカリ性の殺菌消毒剤が開閉弁84から洗い流される。
制御部50は、ポンプ73の運転開始から所定時間(例えば1〜2分間)の経過後、ポンプ73を停止させ、開閉弁84を閉状態に切り替える。ポンプ73の運転時間は、第1密閉容器11内への殺菌消毒剤の導入、及び、第1密閉容器11から第2密閉容器12への殺菌消毒剤の移送に必要な時間に予め設定されている。殺菌ステップでは、殺菌消毒剤が通過する箇所(第1密閉容器11、液吸引管21及び容器接続管22)の殺菌消毒が行われる。そして、制御部50は、ポンプ73の停止時点から所定の待機時間(例えば1時間)に亘って待機する。廃棄洗浄動作の制御処理は一時的に中断される。この間、第2密閉容器12内で廃液の殺菌処理が進行する。
次に、待機時間の経過後、制御部50は、第2密閉容器12内の廃液を廃棄可能な状態(無害化した状態)に処理する廃液処理ステップを行う。廃液処理ステップでは、まず制御部50は、開閉弁85を開状態に切り替え、ポンプ73を運転させる。第1三方弁65は第2状態に設定され、第2三方弁66は第1状態に設定される。
廃液処理ステップでは、図8に示すように、殺菌ステップと同様に、ポンプ73によって第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスが同時に吸引され、第2薬剤貯留容器82内の脱塩素処理剤が第1密閉容器11に吸引される。そして、第2薬剤貯留容器82から脱塩素処理剤がなくなると、第2薬剤貯留容器82内のガスが第1密閉容器11に吸引され、第1密閉容器11内の脱塩素処理剤が第2密閉容器12に吸引される(図示省略)。そして、第1密閉容器11から脱塩素処理剤がなくなると、第1密閉容器11内のガスが第2密閉容器12に吸引される(図示省略)。第2密閉容器12では、底部から吹き出される気泡によって廃液と脱塩素処理剤の混合が促進される。
次に、制御部50は、開閉弁85を閉状態に切り替え、開閉弁86を開状態に切り替える。ポンプ73の運転は継続されている。これにより、図9に示すように、第3薬剤貯留容器83内のpH中和剤が第1密閉容器11に吸引される。そして、第3薬剤貯留容器83からpH中和剤がなくなると、第3薬剤貯留容器83内のガスが第1密閉容器11に吸引され、第1密閉容器11内のpH中和剤が第2密閉容器12に吸引される(図示省略)。そして、第1密閉容器11からpH中和剤がなくなると、第1密閉容器11内のガスが第2密閉容器12に吸引される(図示省略)。第2密閉容器12では、底部から吹き出される気泡によって廃液とpH中和剤の混合が促進される。制御部50は、所定時間の経過後、ポンプ73を停止させる。
なお、制御部50は、第3薬剤貯留容器83内のpH中和剤がなくなった後に、開閉弁90を一時的に開状態に切り替えて閉状態に戻す。開閉弁90が開状態の期間は、水道栓70aからの水道水が第3薬剤貯留容器83に供給され、さらに開閉弁86を通って第1密閉容器11に吸引される(図示省略)。これにより、酸性のpH中和剤が開閉弁86から洗い流される。
次に、制御部50は、第2密閉容器12内の廃液を廃棄する液廃棄ステップを行う。液廃棄ステップでは、制御部50が、第1三方弁65を第1状態に切り替え、第2三方弁66を第2状態に切り替えて、ポンプ73を運転させる。ポンプ73は加圧ポンプとして機能する。これにより、図10に示すように、ポンプ73から吐出されたガスがチューブ108及び連通管20を通って第2密閉容器12へ供給され、第2密閉容器12では液面が加圧される。その結果、第2密閉容器12内の廃液が液排出管25を通って汚物流し70へ排出される。制御部50は、第2密閉容器12内の全ての廃液が汚物流し70に排出された状態で、ポンプ73を停止させる。
次に、制御部50は、第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各タンク内を洗浄する洗浄ステップを行う。洗浄ステップでは、制御部50が、第1三方弁65を第2状態に設定し、第2三方弁66を第1状態に設定し、ポンプ73を運転させる。また、制御部50は、開閉弁87及び開閉弁88を開状態に切り替える。これにより、図11に示すように、水道栓70aから供給された水が、洗浄用接続通路72を通って第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各々でスプリンクラー33,34から散水され、各密閉容器11,12の内部が洗浄される。また、第1密閉容器11は液吸引管21などを通じて外部と連通しているため、第1密閉容器11内の汚水(洗浄後の水)は第2密閉容器12へ移送される。
洗浄ステップを終了させる際は、制御部50は、開閉弁87及び開閉弁88を閉状態に戻して散水を停止させる。そして、第1密閉容器11内の全ての汚水が第2密閉容器12に移送された状態で、ポンプ73を停止させる。
次に、制御部50は、再び液廃棄ステップを行う。この液廃棄ステップにより、図10に示すように、ポンプ73から吐出されたガスが第2密閉容器12へ供給され、第2密閉容器12内の汚水が液排出管25を通って汚物流し70へ排出される。この液廃棄ステップは、廃液を排出する時の液廃棄ステップと同じ動作であるため、詳細な説明は省略する。以上により、廃棄洗浄動作が終了する。
[4.実施形態の効果など]
本実施形態では、ガス吸引通路23を通じて、第1密閉容器11と第2密閉容器12とからガスを同時に吸引すると、外部の廃液が第1液吸引ポート15を通って吸引され、負圧調整部30,31によって第1ガス吸引管23aの流量が低下した場合、第1密閉容器11内の廃液が第2密閉容器12へ比較的速やかに移送される。本実施形態によれば、外部から廃液を吸引しながら密閉容器11,12間で廃液を容易に移送可能な廃液吸引装置10を提供できる。
本実施形態では、ガス吸引通路23を通じて、第1密閉容器11と第2密閉容器12とからガスを同時に吸引すると、外部の廃液が第1液吸引ポート15を通って吸引され、負圧調整部30,31によって第1ガス吸引管23aの流量が低下した場合、第1密閉容器11内の廃液が第2密閉容器12へ比較的速やかに移送される。本実施形態によれば、外部から廃液を吸引しながら密閉容器11,12間で廃液を容易に移送可能な廃液吸引装置10を提供できる。
また、本実施形態では、第1ガス吸引管23aを流れるガス流量を調節する負圧調整部として、圧力レギュレータ30とフロート弁31とが設けられているため、廃液の発生箇所64に作用する吸引力を調節可能で、その吸引力の調節状態に拘わらず第2密閉容器12へ廃液を移送することができる。
また、本実施形態では、第1密閉容器11の容積が第2密閉容器12の容積より小さいため、吸引の応答性が良好な廃液吸引装置10を提供できる。
また、本実施形態では、第1液排出ポート16が第1密閉容器11の底面に開口しているため、第1密閉容器11内の廃液を全て第2密閉容器12に移送することができ、外部から吸引した廃液を第2密閉容器12に集めて薬剤処理することができる。
また、本実施形態では、第2液吸引ポート26が第2密閉容器12の下部に開口しているため、第1密閉容器11から移送されたガス(気泡)によって第2密閉容器12内の廃液を攪拌することができ、薬剤と廃液との混合を促進させることができる。
また、本実施形態では、容器接続管22に第1密閉容器11側への廃液の逆流を阻止する逆止弁53が設けられ、その逆止弁53より第2密閉容器12側に液排出管25が接続されている。本実施形態では、第1密閉容器11から移送される廃液が通過する第2液吸引ポート26が、第2密閉容器12からの廃液の排出にも利用される。そのため、液排出管25を設けるにあたって、構造が複雑化することを抑制できる。
また、本実施形態では、殺菌ステップ及び廃液処理ステップで第1密閉容器11に供給された薬剤が、第2密閉容器12に移送される。そのため、容器接続管22に薬剤を供給しつつ、第2密閉容器12で廃液に薬剤を混合することができる。
<変形例1>
図12〜図17を参照して変形例1について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置110は、第2密閉容器12における配管の接続位置などが上述の実施形態とは異なる。以下では、実施形態とは異なる点を中心に説明する。また、実施形態と同じ構成要素については、同じ名称を用いて同じ符号を付している。
図12〜図17を参照して変形例1について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置110は、第2密閉容器12における配管の接続位置などが上述の実施形態とは異なる。以下では、実施形態とは異なる点を中心に説明する。また、実施形態と同じ構成要素については、同じ名称を用いて同じ符号を付している。
本変形例では、図12に示すように、容器接続管22が第2密閉容器12の上部空間に開口している。具体的に、容器接続管22は、第2密閉容器12の蓋部材の第2液吸引ポート26に挿通され、蓋部材の直下に出口が配置されている。また、液排出管25は、第2密閉容器12の底面の第2液排出ポート36に接続されている。また、連通管20の代わりに、ガス供給管60が設けられている。ガス供給管60は、第2密閉容器12のガス供給ポート37に挿通されている。ガス供給管60は、一端にコネクタ47が設けられ、他端が第2密閉容器12の底面近傍に開口している。
吸引動作では、作業者が第1〜第3開閉弁61〜63を全て開状態へ切り替えると、医療施設のガス吸引装置によって第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスが同時に吸引される。廃液の発生箇所64にチューブ102の入口を配置すると、廃液がチューブ102等を通って第1密閉容器11に吸引される。そして、圧力レギュレータ30の開度を小さくした場合、図13(a)に示すように、第1密閉容器11に吸引された廃液が、容器接続管22を通って第2密閉容器12に比較的速やかに移送される。吸引動作中に第1密閉容器11が空になるとガスが第2密閉容器12に移送される。一方、圧力レギュレータ30の開度を小さくしていない状態では、液面が上昇してフロート弁31の開度が小さくなると、第1密閉容器11に吸引された廃液が比較的速やかに第2密閉容器12に移送される。
本変形例では、第2密閉容器12において流体が液面の上側から吐出される。ここで、上述の実施形態の場合、吸引動作中に第2密閉容器12にガスが移送される状態では、ガスが液面下で吐出され、気泡の音が医療行為の従事者に伝わる虞がある。必要に応じて、遮音材や吸音材などで第2密閉容器12を被覆する必要がある。それに対し、本変形例では、気泡の音が発生しない。本変形例によれば、静音性に優れた廃液吸引装置110を提供することができる。
また、本変形例では、後述するが、廃棄洗浄動作で薬剤が第2密閉容器12に直接供給される。そのため、吸引動作の終了時に廃液の吸引が終了すると、液吸引管21内を殺菌消毒するために、図13(b)に示すように、殺菌消毒剤が入った第1薬剤貯留容器81内にチューブ102の入口を配置し、液吸引管21から第1密閉容器11に殺菌消毒剤を導入する。圧力レギュレータ30の開度を小さくした場合、第1密閉容器11に導入された殺菌消毒剤は第2密閉容器12へ移送される。吸引動作は、第1密閉容器11の殺菌消毒剤がなくなった後に、使用者が第1〜第3開閉弁61〜63を閉状態に切り替えることで終了する。なお、圧力レギュレータ30の開度を小さくしていない状態では、第1薬剤貯留容器81から殺菌消毒剤がなくなってガスが第1密閉容器11に吸引されると、第1密閉容器11に導入された殺菌消毒剤が第2密閉容器12へ移送される(図示省略)。
また、廃棄洗浄動作では、準備作業において実施形態とは異なり、図14に示すように、制御ユニット40のコネクタ91に対しコネクタ47を接続する。また、制御ユニット40にコネクタ95が設けられておらず、コネクタ96に吐出管75と吸入管76とが接続されている。
殺菌ステップでは、ポンプ73によって第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスが同時に吸引されると、第1薬剤貯留容器81内の殺菌消毒剤が、チューブ104等を通って第2密閉容器12に吸引される。そして、第1薬剤貯留容器81から殺菌消毒剤がなくなると、図15に示すように、第1薬剤貯留容器81内のガスが第2密閉容器12に吸引される。第2密閉容器12では、液面下から気泡が吹き出される。なお、第1薬剤貯留容器81内の殺菌消毒剤がなくなった後に、開閉弁89を開状態に切り替えて、水道栓70aからの水道水によって開閉弁84を洗浄する動作が行われる点は、実施形態と同じである。
また、廃液処理ステップでは、開閉弁85を開状態に設定して第2薬剤貯留容器82内の脱塩素処理剤を第2密閉容器12に導入する動作と、開閉弁86を開状態に設定して第3薬剤貯留容器83内のpH中和剤を第2密閉容器12に導入する動作とが、この順番で行われる。何れの動作において、薬剤貯留容器82,83から薬剤がなくなると、第2密閉容器12にはガスが吸引され、液面下で気泡が吹き出される。なお、第3薬剤貯留容器83内のpH中和剤がなくなった後に、開閉弁90を開状態に切り替えて、水道栓70aからの水道水によって開閉弁86を洗浄する動作が行われる点は、実施形態と同じである。
また、液廃棄ステップでは、第1三方弁65が第1状態に設定され、第2三方弁66が第2状態に設定される。ポンプ73から吐出されたガスは、図16に示すように、ガス吸引管23を通って第2密閉容器12へ供給され、第2密閉容器12では液面が加圧される。第2密閉容器12内の廃液は液排出管25を通って汚物流し70へ排出される。
また、洗浄ステップでは、第1三方弁65が第2状態に設定され、第2三方弁66が第1状態に設定され、開閉弁87及び開閉弁88が開状態に設定される。図17に示すように、水道栓70aから供給された水は、洗浄用接続通路72を通って第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各々でスプリンクラー33,34から散水される。また、ポンプ73の運転が行われており、第1密閉容器11が液吸引管21などを通じて外部と連通しているため、第1密閉容器11の内圧より第2密閉容器12の内圧が低くなり、第1密閉容器11内の汚水は第2密閉容器12へ移送される。そして、洗浄ステップ後に、再び液廃棄ステップを行う。
<変形例2>
図18〜図20を参照して変形例2について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置210は、上述の実施形態における制御ユニット40を用いることなく、単体で廃棄洗浄動作を行うことができる。なお、以下では上述の実施形態と同じ構成については、同じ名称にして同じ符号を付している。
図18〜図20を参照して変形例2について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置210は、上述の実施形態における制御ユニット40を用いることなく、単体で廃棄洗浄動作を行うことができる。なお、以下では上述の実施形態と同じ構成については、同じ名称にして同じ符号を付している。
図18に示すように、廃液吸引装置210は、ポンプ73と、第2〜第3薬剤貯留容器82〜83とを備えている。ポンプ73に接続された吐出管75と吸入管76とは、互いに接続されて1本の配管を介してガス吸引管23に接続されている。また、第2〜第3薬剤貯留容器82〜83は、第2密閉容器12に接続されている。また、第1洗浄用配管24aと第2洗浄用配管24bとは、コネクタ48から延びる1本の配管から分岐している。分岐箇所の上流側には開閉弁98が設けられている。
変形例では、吸引動作を行う時は、医療施設のガス吸引装置に繋がる吸引ポート100とコネクタ44とを接続する。図19(a)に示すように、各密閉容器11,12からガスが吸引され、廃液の発生箇所64からの廃液が第1密閉容器11に吸引される。そして、図19(b)に示すように、第1密閉容器11においてフロート弁31の開度が小さくなると、第1密閉容器11内の廃液が第2密閉容器12へ比較的速やかに移送される。なお、吸引動作において、医療施設のガス吸引装置の代わりにポンプ73を用いるように廃液吸引装置210を構成してもよい。
また、廃棄洗浄動作の殺菌ステップについては、図20(a)に示すように、殺菌消毒剤が入った第1薬剤貯留容器81にチューブ102の入口を配置した状態で、制御部50が、第1三方弁65を第2状態に設定し、第2三方弁66を第1状態に設定し、ポンプ73を運転させる。これにより、第1薬剤貯留容器81から第1密閉容器11へ殺菌消毒剤が供給され、さらに殺菌消毒剤がなくなってガスが第1密閉容器11へ導入される状態になると殺菌消毒剤が第1密閉容器11から第2密閉容器12へ移送される。また、廃液処理ステップについては、開閉弁85と開閉弁86を順次開状態に切り替え、第2薬剤貯留容器82から第2密閉容器12へ脱塩素処理剤を供給し、さらに第3薬剤貯留容器83から第2密閉容器12へpH中和剤を供給する(図示省略)。
また、液廃棄ステップについては、図20(b)に示すように、制御部50が、第1三方弁65を第1状態に切り替え、第2三方弁66を第2状態に切り替えて、ポンプ73を運転させる。これにより、ポンプ73から吐出されたガスが第2密閉容器12へ供給され、第2密閉容器12内の廃液が汚物流し70へ排出される。また、洗浄ステップについては、制御部50が、第1三方弁65を第2状態に設定し、第2三方弁66を第1状態に設定し、ポンプ73を運転させる。制御部50は、開閉弁98を開状態に切り替える。これにより、水道栓70aから供給された水が、第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各々でスプリンクラー33,34から散水される。
<変形例3>
図21〜図25を参照して変形例3について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置310は、ガス吸引管23の構成や制御ユニット140の構成、制御ユニット140から薬液が導入される位置などが、上述の実施形態とは異なる。また、吸引動作において第1密閉容器11及び第2密閉容器12のうち第2密閉容器12だけからガスを直接的に吸引できる点も、上述の実施形態とは異なる。以下では、実施形態とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態と同じ構成要素については、同じ名称を用いて同じ符号を付している。
図21〜図25を参照して変形例3について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置310は、ガス吸引管23の構成や制御ユニット140の構成、制御ユニット140から薬液が導入される位置などが、上述の実施形態とは異なる。また、吸引動作において第1密閉容器11及び第2密閉容器12のうち第2密閉容器12だけからガスを直接的に吸引できる点も、上述の実施形態とは異なる。以下では、実施形態とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態と同じ構成要素については、同じ名称を用いて同じ符号を付している。
ガス吸引管23は、医療施設のガス吸引装置と制御ユニット140のポンプ73の何れにも接続可能となっている。ガス吸引管23は、図21及び図22に示すように、コネクタ44から合流管23cが延伸し、途中で第1ガス吸引管23aと第2ガス吸引管23bとに分岐している。合流管23cには、コネクタ39から延びる第1接続管23dが接続されている。第1ガス吸引管23aには、第5開閉弁68が接続されている。第5開閉弁68は吸引切替部に相当する。また、第2ガス吸引管23bには、コネクタ38から延びる第2接続管23eが接続されている。コネクタ38には、吸引ポート100が接続されるコネクタ48に接続されている。コネクタ48は、圧力レギュレータ30を着脱可能となっている。
また、液面計25aが設けられた連通管25bが、液排出管25から分岐している。連通管25bは、液面計25a内のガス圧が第2密閉容器12のガス圧と等しくなるように、第2洗浄用配管24bに接続されている。連通管25bには、水量調節用の開閉弁35が接続されている。なお、容器接続管22及び第2洗浄用配管24bの途中には、着脱自在の一組のコネクタ111,112対が設けられている。そのため、コネクタ112対を分離して第1密閉容器11側のコネクタを吸引ポート100に接続したり、コネクタ対111を分離して第1密閉容器11側のコネクタを汚物流し70に接続したりすることで、第1密閉容器11単体で廃液の吸引及び排出を行うことができる。
また、制御ユニット140の薬剤供給部71に接続するためのコネクタ47から延びる接続管58が、容器接続管22における逆止弁53の下流に接続されている。また、薬剤供給部71は、図23に示すように、上述の実施形態とは異なり殺菌消毒剤用の第1薬剤貯留容器81を備えておらず、第2薬剤貯留容器82と第3薬剤貯留容器83との2つの薬剤貯留容器を備えている。
また、廃液吸引装置310は、圧縮ガスを蓄えることができる圧力タンク78を備えている。圧力タンク78の圧縮ガス用ポート78aは、ガス導入管51を介してコネクタ49に接続されている。また、圧力タンク78は、圧縮ガス供給管52を介して第1密閉容器11に接続されている。圧縮ガス供給管52には、圧縮ガス供給管52を開閉する第4開閉弁(開閉機構)67が接続されている。圧力タンク78は、後述する変形例4と同様にガス充填動作を行うことで、医療施設に設けられた圧縮ガス供給装置から圧縮ガスを導入することができる。なお、圧力タンク78は、密閉容器11,12の外側に配置されているが、後述する変形例4と同様に第2密閉容器12内に配置してもよい。
次に、廃液吸引装置310の動作について説明する。まず図21−図22を参照にして、吸引動作について説明する。作業者は、準備作業として、図21に示すように、チューブ102を液吸引管21に接続し、チューブ101及び圧力レギュレータ30を介してコネクタ48を吸引ポート100に接続する。そうすると、ガス吸引装置によってガス吸引管(分岐吸引通路)23からガスが吸引される吸引動作が開始される。なお、第5開閉弁68は、患者に応じて開状態又は閉状態の何れかに設定される。例えば泌尿器科の患者に対して第5開閉弁68は閉状態(吸引切替部の第1状態)に設定され、整形外科の患者に対して第5開閉弁68は開状態(吸引切替部の第2状態)に設定される。
まず第5開閉弁68を閉状態に設定した場合の第1吸引動作について説明する。この場合、ガス吸引管23の出口からガスを吸引することで、図21に示すように、第2密閉容器12からガスが吸引される。さらに、容器接続管(接続吸引通路)22を通じて第1密閉容器11から第2密閉容器12へガスが吸引される。第1密閉容器11及び第2密閉容器12の両方に負圧が形成された状態になる。そのため、第1開閉弁61を開状態にすることでチューブ102の先端に吸引力が作用し、廃液の発生箇所64から第1密閉容器11に廃液を吸引することができる。第1密閉容器11に吸引された廃液は、容器接続管22を通じて第1密閉容器11から第2密閉容器12へ移送される。また、チューブ102の先端からは廃液だけでなく空気も吸引される。第1密閉容器11内の空気は、廃液がなくなった時に第2密閉容器12へ移送される。第1密閉容器11から第2密閉容器12へは、廃液又は空気の何れかが移送され続ける。そのため、第1密閉容器11内は負圧に維持される。
続いて第5開閉弁68を開状態に設定した場合の第2吸引動作について説明する。この場合、ガス吸引管23の出口からガスを吸引することで、図22に示すように、上述の実施形態と同様に第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスが吸引され、第1密閉容器11及び第2密閉容器12の両方に負圧が形成された状態になる。そのため、第1開閉弁61を開状態にすることで、廃液の発生箇所64から第1密閉容器11へ廃液を吸引することができる。この場合、医療現場では空気が混入して、第1密閉容器11と第2密閉容器12とに差圧が生じ、第1密閉容器11から第2密閉容器12へ廃液が移送される。なお、第1密閉容器11には、開閉弁61が設けられた液吸引管21を複数本接続してもよい。この場合、各開閉弁61の開度を半開きに設定することで、1つの液吸引管21から空気が導入された時に第1密閉容器11の内圧が大きく上昇して他の液吸引管21の吸引力が大きく低下することを抑制できる。
第1吸引動作では、第1密閉容器11のガスが、第2密閉容器12を介してガス吸引管(分岐吸引通路)23に吸引される。そのため、第1密閉容器11のガスが直接的にガス吸引管23に吸引される第2吸引動作に比べ、チューブ102の先端に作用する吸引力が小さく、廃液の発生箇所64に作用する吸引力を低下させたい場合に好適である。一方、第2吸引動作は、チューブ102の先端に作用する吸引力が比較的大きくなり、発生する廃液の量が多い場合に好適である。本変形例では、それぞれに利点がある第1吸引動作と第2吸引動作とを適宜選択することができる。
また、第2吸引動作では、第1密閉容器11の廃液の吸引量が第1密閉容器11から第2密閉容器12への廃液の移送量より多くなり、第1密閉容器11の液面が徐々に上昇していく場合がある。このような場合、フロート弁31の開度が小さくなると、第1密閉容器11と第2密閉容器12との差圧が拡大し、第1密閉容器11から第2密閉容器12への廃液の移送量が増大する。また、フロート弁31まで液面が上昇していない状態でも、使用者が、第5開閉弁68を閉鎖した後に、第4開閉弁67を開状態にすることで、圧力タンク78から第1密閉容器11に圧縮ガスが供給されて、第1密閉容器11の廃液を第2密閉容器12へ速やかに移送することができる(図示省略)。
なお、第2吸引動作において廃液の吸引が終了すると、第4開閉弁67を開状態にして圧力タンク78から第1密閉容器11に圧縮ガスを供給される。これにより、第1密閉容器11の全ての廃液が第2密閉容器12へ移送される。なお、第1吸引動作では、吸引された廃液は直ちに第2密閉容器12に移送されるが、廃液の吸引後に第1密閉容器11に廃液が残る場合がある。このような場合、第2吸引動作と同様に、廃液の吸引の終了後に第1密閉容器11に圧縮ガスを供給してもよい。
第1密閉容器11から廃液がなくなると、手術室で殺菌ステップが行われる。使用者は、上述の変形例1と同様に、ガス吸引装置によるガスの吸引を行った状態で、第1薬剤貯留容器81内にチューブ102の入口を配置する。そうすると、液吸引管21から第1密閉容器11に殺菌消毒剤が導入され、第1密閉容器11から第2密閉容器12へ消毒殺菌剤が移送される。この時、液排出管25を通じて第2密閉容器12の底部から空気が吹き出され、廃液と殺菌消毒剤の混合が促進される。殺菌消毒剤の導入が終了すると、使用者は、コネクタ48と吸引ポート100との接続を解除し、第1開閉弁61を閉状態に切り替える。そして、少なくとも上述の待機時間だけ時間を空けて、廃液の殺菌処理を進行させた後に、廃棄洗浄動作が行われる。
続いて、図23−図25を参照にして、汚物処理室での廃棄洗浄動作について説明する。まず作業者は、準備作業としては、図23に示すように、廃液吸引装置310に制御ユニット140を接続し、液排出管25を汚物流し70に接続し、さらにチューブ103によって制御ユニット140のコネクタ92を水道栓70aに接続する。使用者は、準備作業が終わると、第1開閉弁61を開状態に切り替え、制御ユニット140の開始スイッチをONにする。そうすると、制御部50は廃棄洗浄動作の実行を開始する。廃棄洗浄動作は全自動で行われる。
まず、廃液処理ステップが行われる。廃液処理ステップでは、制御部50が、開閉弁85を開状態に設定する。そして、第1三方弁65を第2状態に設定し、第2三方弁66を第1状態に設定してポンプ73を運転させる。そうすると、図23に示すように、ポンプ73によって第2密閉容器12からガスが吸引され、第2薬剤貯留容器82内の脱塩素処理剤が第2密閉容器12に吸引される。この期間、液排出管25を通じて第2密閉容器12の底部から空気が吹き出される。次に、制御部50は、開閉弁85を閉状態に切り替えて、開閉弁86を開状態に切り替える。そうすると、第3薬剤貯留容器83内のpH中和剤が第2密閉容器12に吸引される。この期間も、第2密閉容器12の底部から空気が吹き出される。
次に、制御部50は、上述の実施形態と同様の液廃棄ステップを行う。液廃棄ステップでは、制御部50が、第1三方弁65を第1状態に切り替え、第2三方弁66を第2状態に切り替えて、ポンプ73を運転させる。これにより、図24に示すように、ポンプ73から吐出されたガスが第2密閉容器12へ供給され、第2密閉容器12内の廃液が液排出管25を通って汚物流し70へ排出される。
次に、制御部50は、上述の実施形態と同様の洗浄ステップを行う。洗浄ステップでは、制御部50が、第1三方弁65を第2状態に設定し、第2三方弁66を第1状態に設定して、ポンプ73を運転させる。また、制御部50は、開閉弁35、開閉弁87及び開閉弁88を開状態に切り替える。これにより、図25に示すように、水道栓70aから供給された水が、第1密閉容器11及び第2密閉容器12の各々でスプリンクラー33,34から散水され、各密閉容器11,12の内部が洗浄される。また、第2洗浄用配管24bに分岐した水の一部は、連通管25bにも供給され、液面計25a内も洗浄される。第2密閉容器12内のガスはポンプ73によって吸引され、また第1密閉容器11は液吸引管21を通じて外部と連通している。そのため、第1密閉容器11内の汚水は第2密閉容器12へ移送される。なお、開閉弁35の開度は適宜調節することができる。
洗浄ステップが終了すると、制御部50が再び液廃棄ステップを行うことで、第2密閉容器12内の汚水が汚物流し70へ排出される。
<変形例4>
図26〜図31を参照して変形例4について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置410は、第2密閉容器12内の廃液を廃棄するためにポンプ73の代わりに圧力タンク78を第2密閉容器12内に搭載している点が、上述の実施形態とは異なる。以下では、廃液吸引装置410の構成について、実施形態とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態と同じ構成要素については、同じ名称を用いて同じ符号を付している。
図26〜図31を参照して変形例4について説明する。本変形例に係る廃液吸引装置410は、第2密閉容器12内の廃液を廃棄するためにポンプ73の代わりに圧力タンク78を第2密閉容器12内に搭載している点が、上述の実施形態とは異なる。以下では、廃液吸引装置410の構成について、実施形態とは異なる点を中心に説明する。なお、実施形態と同じ構成要素については、同じ名称を用いて同じ符号を付している。
圧力タンク78は、上述の変形例3と同様に圧縮ガスを蓄える容器である。図26に示すように、圧力タンク78は、第2密閉容器12内に配置されている。圧力タンク78は、第2密閉容器12に比べて断面積が小さく高さが低い容器である。圧力タンク78は、その底面が第2密閉容器12の底面から浮いた状態で、第2密閉容器12に固定されている。
圧力タンク78の圧縮ガス用ポート78aには、圧縮ガスを導入するためにガス導入管51が接続されている。ガス導入管51からは、第1ガス吸引管23aに接続するガス供給管55が分岐している。ガス供給管55の分岐箇所には、第1切替弁56が接続されている。第1切替弁56は、ガス導入管51及びガス供給管55を閉鎖する閉状態と、圧力タンク78をコネクタ49に連通させる第1状態と、圧力タンク78をガス供給管55に連通させる第2状態とに切替可能である。また、圧縮ガス供給管52は、一部が第2密閉容器12の外側を通過し、出口端が第2密閉容器12内の底面近傍に開口している。圧縮ガス供給管52における第2密閉容器12の外側部分には、第4開閉弁67が接続されている。
ここで、廃液吸引装置410において圧力タンク78を利用するためには、作業者が圧力タンク78にガスを充填するガス充填動作を行う必要がある。病院では手術室の壁面等に、ガス吸引装置の吸引ポート100に加え、圧縮ガス供給装置の空気供給ポート115及び酸素供給ポート(図示省略)が設けられている。作業者は、図26に示すように、空気供給ポート115(又は酸素供給ポート)とコネクタ49をチューブ114で接続した状態で第1切替弁56を第1状態に切り替えることでガス充填動作を行う。ガス充填動作を終了させる際は第1切替弁56を閉状態に切り替える。
また、圧力タンク78に圧縮ガスが充填された状態で、第1切替弁56を第2状態に切り替えると、圧力タンク78内の圧縮ガスが、ガス供給管55及び第1ガス吸引管23aを介して、第1密閉容器11に供給される。また、第4開閉弁67を開状態に切り替えると、圧力タンク78内の圧縮ガスが、第2密閉容器12に供給される。
また、容器接続管(接続吸引通路)22は、上述の変形例1と同様に、第2密閉容器12の上部空間に開口している。容器接続管22には、第1密閉容器11側への逆流を阻止する逆止弁53が接続されている。また、ガス吸引管(分岐吸引通路)23は、上述の実施形態と同様に、第1ガス吸引管23aと第2ガス吸引管23bとに分岐している。第1ガス吸引管23aには、吸引切替部に相当する第5開閉弁68が接続されている。
また、第1洗浄用配管24aの途中に第2洗浄用配管24bが接続されている。この接続箇所には、第2切替弁57が接続されている。第2洗浄用配管24bは、複数の分岐管(例えば3つの分岐管)に分岐している。各分岐管の出口端には、スプリンクラー34が接続されている。第2密閉容器12内には、例えば3つのスプリンクラー34が設けられ、圧力タンク78を中心とする周方向において等角度間隔で配置されている。なお、第2密閉容器12には、変形例2と同様に、第2薬剤貯留容器82及び第3薬剤貯留容器83が接続されている(図示省略)。
また、液面計25aが接続された連通管25bが、変形例3と同様に、液排出管25の途中から分岐している。連通管25bは、第2洗浄用配管24bの分岐管に接続されている。液排出管25には、第6開閉弁69が接続されている。また、第1密閉容器11には、第7開閉弁99が設けられたガス抜き管97が接続されている。
なお、第4〜第7開閉弁67〜69,99と第1〜第2切替弁56,57には、手動操作が可能な弁として、例えばボールバルブ(開度調節が可能なバルブ)が用いられている。廃液吸引装置410に電装品は用いられていない。また、上述の実施形態と同様に、第1ガス吸引管23aに圧力レギュレータ30を設けてもよいし、コネクタ44に圧力レギュレータ30を取り付けてもよい。
次に、廃液吸引装置410の動作について説明する。まず図27−図29を参照にして、吸引動作について説明する。以下では、廃液吸引装置410の動作については、変形例3とは異なる点を中心に説明する。作業者は、準備作業として、図27に示すように、チューブ102を液吸引管21に接続する。そして、この状態で、作業者が、チューブ101によってガス吸引管23のコネクタ44を吸引ポート100に接続すると吸引動作が開始される。
本変形例では、変形例3と同様に、第5開閉弁68を閉状態に設定する第1吸引動作と、第5開閉弁68を開状態に設定する第2吸引動作とを選択できる。第1吸引動作では、図27に示すように、第2密閉容器12のガスがガス吸引管23に直接的に吸引され、第1密閉容器11のガスが第2密閉容器12を介してガス吸引管23に吸引される。第2吸引動作では、図28に示すように、第1密閉容器11及び第2密閉容器12からガスがガス吸引管23に直接的に吸引される。各吸引動作では、第1開閉弁61を開状態にすることで、廃液の発生箇所64から第1密閉容器11に廃液を吸引することができる。
なお、第2吸引動作において廃液の吸引が終了すると、第5開閉弁68を閉状態にして第1切替弁56を第2状態にする。これにより、図29に示すように、圧力タンク78から第1密閉容器11に圧縮ガスが供給され、第1密閉容器11の廃液が第2密閉容器12へ速やかに移送される。第1密閉容器11から廃液がなくなると、手術室で殺菌ステップが行われる点は変形例3と同じである。殺菌ステップでは、全ての殺菌消毒剤が第2密閉容器12へ移送された後に、第4開閉弁67を開状態に切り替える。これにより、第2密閉容器12では圧力タンク78からのガスが液面下に供給され、廃液と殺菌消毒剤の混合が促進される(図示省略)。そして、少なくとも上述の待機時間だけ時間を空けて、廃液の殺菌処理を進行させる。
続いて、図30−図31を参照にして、汚物処理室での廃棄洗浄動作について説明する。まず作業者は、準備作業としては、図30に示すように、液排出管25を汚物流し70に接続し、さらにコネクタ48を水道栓70aに接続する。
まず、廃液処理ステップが行われる。廃液処理ステップでは、使用者が、第2薬剤貯留容器82から第2密閉容器12に脱塩素処理剤を供給し、所定の時間に亘って第4開閉弁67を開状態に設定する。そうすると、第2密閉容器12では圧力タンク78からのガスが液面下に供給される。次に、使用者は、第3薬剤貯留容器83から第2密閉容器12にpH中和剤を供給し、所定の時間に亘って第4開閉弁67を開状態に設定する。第2密閉容器12では圧力タンク78からのガスが液面下に供給される。
次に、液廃棄ステップが行われる。液廃棄ステップで、使用者は、第4開閉弁67及び第6開閉弁69の各々を開状態に切り替える。そうすると、図30に示すように、圧力タンク78内の圧縮ガスが第2密閉容器12内に供給されて、第2密閉容器12では液面が加圧される。その結果、第2密閉容器12内の廃液が液排出管25を通って汚物流し70へ排出される。使用者は、液排出管25から廃液が排出されなくなると、第4開閉弁67及び第6開閉弁69の各々を閉状態に戻す。
次に、洗浄ステップが行われる。洗浄ステップにおいて、使用者は、第1密閉容器11を洗浄する際は第2切替弁57を第1状態に設定し、第2密閉容器12を洗浄する際は第2切替弁57を第2状態に設定する。第1状態では、水道栓70aから供給された水が、第1密閉容器11でスプリンクラー33から散水される(図示省略)。第2状態では、水道栓70aから供給された水が、第2密閉容器12で各スプリンクラー34から散水される(図示省略)。そして、各密閉容器11,12の洗浄が終了すると、使用者は、第2切替弁57を閉状態に戻し、第1切替弁56を第2状態に切り替える。これにより、圧力タンク78から第1密閉容器11に圧縮ガスが供給され、第1密閉容器11内の汚水が第2密閉容器12へ速やかに移送される(図示省略)。使用者は、第1密閉容器11内の全ての汚水が第2密閉容器12に移送された後に、第1切替弁56を閉状態に切り替える。そして、再び液廃棄ステップを行う。この液廃棄ステップにより、第2密閉容器12内の汚水が汚物流し70へ排出される。以上により、廃棄洗浄動作が終了する。
<その他の変形例>
上述の実施形態において、圧力レギュレータ30とフロート弁31のうち片方のみを設けてもよい。例えば、圧力レギュレータ30だけを設ける場合、液面センサーを用いた制御などによって、第1密閉容器11から廃液が溢れることを防止できる。
上述の実施形態において、圧力レギュレータ30とフロート弁31のうち片方のみを設けてもよい。例えば、圧力レギュレータ30だけを設ける場合、液面センサーを用いた制御などによって、第1密閉容器11から廃液が溢れることを防止できる。
上述の実施形態において、負圧調整部は、第1密閉容器11の内圧を増大させる部品であってもよい。例えば、第1密閉容器11に対し外部のガスを導入するガス抜き弁99を用いることができる。これにより、圧力レギュレータ30とフロート弁31とは関係なく、第1密閉容器11を負圧にしたまま、第1密閉容器11の内圧に比べて第2密閉容器12の内圧を低い値に調整できる。
上述の実施形態において、第2密閉容器12の内圧をさらに低下させる部品(例えばポンプ)を設けてもよい。この場合、廃液の発生箇所64に作用する吸引力を一定にできる。
上述の実施形態では、ガス吸引通路が、2手に分岐した配管であったが、別体の2つの配管であってもよい。この場合、一方の配管を第1ガス排出ポート17に接続し、他方の配管を第2ガス排出ポート27に接続する。そして、1つ又は複数のポンプを用いて、これらの2本の配管を通じて、第1密閉容器11と第2密閉容器12とから同時にガスを吸引する。また、第1ガス排出ポート17に接続する配管に圧力レギュレータ30を設けてもよい。
上述の変形例3と変形例4では、第1吸引動作と第2吸引動作を切り替え可能であったが、第1吸引動作のみを実行できるように廃液吸引装置(第1密閉容器11のガスが第2密閉容器12を介してガス吸引管(分岐吸引通路)23に吸引される装置)を構成してもよい。
上述の変形例3と変形例4では、容器接続管22が接続吸引通路に相当したが、容器接続管22とは別途に第1密閉容器11の上部空間と第2密閉容器12の上部空間とを接続する管路を接続吸引通路として設けてもよく、この管路に開閉弁などの圧力損失を付与する部品を設けてもよい。
本発明は、医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引装置等に適用可能である。
10 廃液吸引装置
11 第1密閉容器
12 第2密閉容器
15 第1液吸引ポート
16 第1液排出ポート
17 第1ガス排出ポート
22 容器接続管(容器接続通路、接続吸引通路)
23 ガス吸引管(ガス吸引通路、分岐吸引通路)
25 液排出管
26 第2液吸引ポート
27 第2ガス排出ポート
30 圧力レギュレータ(負圧調整部)
31 フロート弁(負圧調整部)
11 第1密閉容器
12 第2密閉容器
15 第1液吸引ポート
16 第1液排出ポート
17 第1ガス排出ポート
22 容器接続管(容器接続通路、接続吸引通路)
23 ガス吸引管(ガス吸引通路、分岐吸引通路)
25 液排出管
26 第2液吸引ポート
27 第2ガス排出ポート
30 圧力レギュレータ(負圧調整部)
31 フロート弁(負圧調整部)
Claims (10)
- 医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引装置であって、
第1液吸引ポートと第1液排出ポートとが設けられ、前記第1液吸引ポートを通って外部から吸引した廃液を貯留する第1密閉容器と、
前記第1液排出ポートに繋がる第2液吸引ポートが設けられ、前記第2液吸引ポートを通って前記第1密閉容器から移送された廃液を貯留する第2密閉容器と、
前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とからガスを吸引するためのガス吸引通路とを備え、
前記ガス吸引通路を通じて前記第1密閉容器及び前記第2密閉容器からガスを吸引して前記第1密閉容器及び前記第2密閉容器の両方に負圧が形成された状態にすることで、外部から廃液を前記第1密閉容器に吸引しながら、前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とに差圧を生じさせて、前記第1液排出ポート及び前記第2液吸引ポートを通じて前記第1密閉容器から前記第2密閉容器へ廃液が移送されるように構成されている、廃液吸引装置。 - 前記ガス吸引通路として、前記第1密閉容器に接続する第1ガス吸引管と前記第2密閉容器に接続する第2ガス吸引管とに途中で分岐する分岐吸引通路と、前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とを接続する接続吸引通路とが設けられ、
前記分岐吸引通路の出口からガスを吸引する期間に、前記第1ガス吸引管が閉状態で前記第2ガス吸引管が開状態になった第1状態と、前記第1ガス吸引管と前記第2ガス吸引管との両方が開状態になった第2状態とを切り替え可能な吸引切替部を備え、
前記吸引切替部が前記第1状態に設定される期間は、前記接続吸引通路を通じて前記第1密閉容器のガスが前記第2密閉容器に吸引される、請求項1に記載の廃液吸引装置。 - 外部から圧縮ガスを導入するための圧縮ガス用ポートが設けられ、該圧縮ガス用ポートから導入した圧縮ガスを蓄える圧力タンクと、
前記第1密閉容器と前記第2密閉容器の少なくとも一方に前記圧力タンク内の圧縮ガスを供給するための圧縮ガス供給管と、
前記圧縮ガス供給管を開閉する開閉機構とをさらに備え、
前記圧力タンクは、前記第2密閉容器内に配置されている、請求項1又は2に記載の廃液吸引装置。 - 前記ガス吸引通路は、前記第1密閉容器に接続する第1ガス吸引管と前記第2密閉容器に接続する第2ガス吸引管とに途中で分岐する分岐吸引通路を有し、
前記第1ガス吸引管を流れるガス流量を調節する負圧調整部をさらに備えている、請求項1に記載の廃液吸引装置。 - 前記負圧調整部として、前記第1ガス吸引管に設けられた圧力レギュレータと、前記第1密閉容器において液面が所定水位を超えると前記第1ガス吸引管を閉鎖するフロート弁とが設けられている、請求項4に記載の廃液吸引装置。
- 前記第1密閉容器の容積は、前記第2密閉容器の容積よりも小さい、請求項1乃至5の何れか1つに記載の廃液吸引装置。
- 前記第1液排出ポートは、前記第1密閉容器の底面に開口している、請求項1乃至6の何れか1つに記載の廃液吸引装置。
- 医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引装置であって、
外部から廃液を吸引するための液吸引ポートと、吸引した廃液を排出するための液排出ポートとが設けられた密閉容器と、
外部から圧縮ガスを導入するための圧縮ガス用ポートが設けられ、該圧縮ガス用ポートから導入した圧縮ガスを蓄える圧力タンクと、
前記密閉容器に前記圧力タンク内の圧縮ガスを供給するための圧縮ガス供給管と
前記圧縮ガス供給管を開閉する開閉機構とを備え、
前記圧力タンクは、前記密閉容器内に配置されている、廃液吸引装置。 - 医療現場で発生する廃液を吸引する廃液吸引方法であって、
第1密閉容器と第2密閉容器とからガスを吸引することで、前記第1密閉容器及び前記第2密閉容器の両方に負圧が形成された状態にして、前記第1密閉容器に設けられた第1液吸引ポートから外部の廃液を前記第1密閉容器に吸引するステップと、
前記第1液吸引ポートから外部の廃液を前記第1密閉容器に吸引しながら、前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とに差圧を生じさせて、前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とを接続する容器接続通路を通じて前記第1密閉容器から前記第2密閉容器へ廃液を移送するステップとを行う、廃液吸引方法。 - 請求項1乃至8の何れか1つに記載の廃液吸引装置を洗浄する洗浄方法であって、
前記第1密閉容器と前記第2密閉容器との各々に洗浄水を供給して、前記第1密閉容器と前記第2密閉容器との各々を洗浄するステップと、
前記ガス吸引通路を通じて前記第1密閉容器と前記第2密閉容器のうち少なくとも前記第2密閉容器からガスを吸引することで、前記第1液排出ポートと前記第2液吸引ポートとを通じて前記第1密閉容器内の汚水を前記第2密閉容器へ移送するステップを行う、廃液処理装置の洗浄方法。
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CN114306778A (zh) * | 2022-02-22 | 2022-04-12 | 四川大学华西医院 | 一种糖尿病足创口负压吸引装置 |
CN114306778B (zh) * | 2022-02-22 | 2023-06-16 | 四川大学华西医院 | 一种糖尿病足创口负压吸引装置 |
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CN117860993B (zh) * | 2024-03-11 | 2024-05-07 | 昆明市延安医院(昆明市干部疗养院) | 一种甲状腺囊肿抽吸装置 |
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