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JP2019019183A - タイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

タイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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JP2019019183A
JP2019019183A JP2017137196A JP2017137196A JP2019019183A JP 2019019183 A JP2019019183 A JP 2019019183A JP 2017137196 A JP2017137196 A JP 2017137196A JP 2017137196 A JP2017137196 A JP 2017137196A JP 2019019183 A JP2019019183 A JP 2019019183A
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Abstract

【課題】ガスバリア性に優れ、かつ十分な低温耐久性を有する空気入りタイヤ用インナーライナーを製造することができる熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む分散相とからなるタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物であって、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の重量比(A/B)が2/98〜40/60であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物、その熱可塑性樹脂組成物からなるタイヤインナーライナーおよびそのタイヤインナーライナーを含む空気入りタイヤに関する。より詳しくは、本発明は、マトリックス相と分散相とからなるタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物、その熱可塑性樹脂組成物からなるタイヤインナーライナーおよびそのタイヤインナーライナーを含む空気入りタイヤに関する。
ハロゲン化イソオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体、酸無水物基を有する変性ゴム、エチレン−ビニルアルコール共重合体、高級脂肪酸アルカリ土類金属塩からなる加工助剤および架橋剤を含む熱可塑性エラストマー組成物が知られている(特許文献1)。
国際公開第2015/147148号
しかし、エチレン−ビニルアルコール共重合体をベースとするタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物において、低温耐久性を付与するために多量のゴムを充填する必要があるが、ガスバリア性の悪化を伴う。エチレン含量の低い(バリア性重視の)エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いれば、ガスバリア性の向上は図れるが、低温耐久性が悪化する。
本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体および酸変性エラストマーを含む分散相とからなる熱可塑性樹脂組成物を、タイヤインナーライナーの材料として使用したときに、ガスバリア性に優れ、かつ十分な低温耐久性をも有するタイヤインナーライナーが作製できる熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体および酸変性エラストマーを含む分散相とからなる熱可塑性樹脂組成物において、マトリックス相に、エチレン−ビニルアルコール共重合体に加え、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体を配合することにより、低温耐久性を悪化させずに、ガスバリア性を改善できることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む分散相とからなる熱可塑性樹脂組成物であって、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の重量比(A/B)が2/98〜40/60であることを特徴とする。
本発明は、次の態様を含む。
[1]エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む分散相とからなるタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物であって、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の重量比(A/B)が2/98〜40/60であることを特徴とするタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
[2]エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)が式(1)
Figure 2019019183
(式中、lは1〜99の整数であり、mは1〜99の整数であり、nは0〜90の整数である。)
で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
[3]ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)の合計量が、マトリックス相を形成する樹脂成分の合計量100重量部を基準として、30重量部以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載のタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
[4]マトリックス相がさらにポリアミド(E)を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]さらに金属石鹸(F)を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)の温度210℃および荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが1g/10min以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)の温度23℃および湿度65%における酸素透過係数が0.001mm・cc/(m・day・atm)以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなるタイヤインナーライナー。
[9][8]に記載のタイヤインナーライナーを含む空気入りタイヤ。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ガスバリア性に優れ、かつ十分な低温耐久性を有するタイヤインナーライナーを製造することができる。
本発明は、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む分散相とからなるタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物であって、ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体は(A)とエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の重量比(A/B)が2/98〜40/60であることを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はマトリックス相と分散相とからなる。言い換えれば、本発明の熱可塑性樹脂組成物はいわゆる海島構造を有する。マトリックス相はエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン含有率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を含む。分散相はハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む。マトリックス相は、好ましくは、さらにポリアミド(E)を含む。
マトリックス相を構成する樹脂として、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を併用することにより、ガスバリア性と低温耐久性を両立させることができる。
マトリックス相にエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)を配合することにより、低温耐久性をあまり悪化させずに、低湿度下におけるガスバリア性を改善することができる。ただし、マトリックス相をエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)のみで構成すると、湿度依存性が大きく、高湿度下で十分なガスバリア性を示さない。エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)とを所定の比率で併用することにより、低湿度下から高湿度下までの広い湿度範囲においても優れたガスバリア性を有し、かつ十分な低温耐久性を維持することができる。
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とは、少なくともブテンジオール単位とビニルアルコール単位を有する共重合体をいう。エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)はさらにエチレン単位を含んでいてもよい。エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)は、ブテンジオール単位、ビニルアルコール単位およびエチレン単位に加え、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の反復単位を含んでいてもよい。
ブテンジオール単位とは、次の式(2)、式(3)または式(4)で表される化学構造をいう。
Figure 2019019183
Figure 2019019183
Figure 2019019183
ビニルアルコール単位とは、次の式(5)で表される化学構造をいう。
Figure 2019019183
エチレン単位とは、次の式(6)で表される化学構造をいう。
Figure 2019019183
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)は、好ましくは、次の式(1)で表される化学構造を有する。
Figure 2019019183
式中、lは1〜99の整数であり、mは1〜99の整数であり、nは0〜90の整数である。nが0の場合はブテンジオール−ビニルアルコール共重合体であり、nが1以上の整数の場合はエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体である。lは好ましくは5〜95の整数であり、より好ましくは10〜90の整数である。mは好ましくは5〜99の整数であり、より好ましくは10〜90の整数である。nは好ましくは0〜80の整数であり、より好ましくは0〜70の整数である。
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)の温度210℃および荷重2.16kgにおけるメルトフローレートは、好ましくは1g/10min以上であり、より好ましくは2〜200g/10minであり、さらに好ましくは3〜150g/10minである。メルトフローレートが低すぎると、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体および酸変性エラストマーと溶融時の粘度が近くなることで海島構造が崩れ、機械的特性の低下を招く虞があり、逆に高すぎると、得られた熱可塑性樹脂組成物の低温耐久性が不足する虞がある。
メルトフローレート(以下「MFR」ともいう。)は、JIS K7210:1999に規定する「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)の試験方法」に従い、温度210℃および荷重2.16kgの条件で測定する。
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)の温度23℃および湿度65%における酸素透過係数は、好ましくは0.1mm・cc/(m・day・atm)以下であり、より好ましくは0.002〜0.05mm・cc/(m・day・atm)であり、さらに好ましくは0.005〜0.03mm・cc/(m・day・atm)である。酸素透過係数が低すぎると、空気保持性は良化するものの、柔軟性や低温耐久性が不足する虞があり、逆に高すぎると、タイヤのインナーライナーに供した際に十分な空気保持性を得られない虞がある。
酸素透過係数は、JIS K7126に従い、温度23℃および湿度65%の条件でのようにして測定する。ここで、湿度とは相対湿度をいう。
ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体は、たとえば、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−1−プロペンまたは1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと酢酸ビニルを共重合したものを鹸化(加水分解)することにより製造することができる。エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体は、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−1−プロペンまたは1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと酢酸ビニルとエチレンを共重合したものを鹸化することにより製造することができる。鹸化度は、好ましくは90%以上、より好ましくは98%以上である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)は、エチレン単位(−CH2CH2−)とビニルアルコール単位(−CH2−CH(OH)−)とからなる共重合体であるが、エチレン単位およびビニルアルコール単位に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の反復単位を含んでいてもよい。本発明において使用するエチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン単位比率が29モル%以上、好ましくは32〜48モル%、より好ましくは38〜48モル%のものである。エチレン単位比率とは、1分子中のエチレン単位の数とビニルアルコール単位の数の合計(エチレン−ビニルアルコール共重合体が他の反復単位を含む場合は、1分子中のエチレン単位の数とビニルアルコール単位の数と他の反復単位の数の合計)に対するエチレン単位の数を百分率で表示した値である。エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン単位比率が少なすぎるとエチレン−ビニルアルコール共重合体の柔軟性が減り、耐久性が落ちる。逆にエチレン単位比率が多すぎるとガスバリア性が低下する。エチレン−ビニルアルコール共重合体はエチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物であるが、その鹸化度は、好ましくは90%以上、より好ましくは98%以上である。エチレン−ビニルアルコール共重合体の鹸化度が小さすぎるとガスバリア性が低下し、また熱安定性も低下する。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、市販されており、たとえば、株式会社クラレから「エバール」(登録商標)の商品名で、日本合成化学工業株式会社から「ソアノール」(登録商標)の商品名で入手することができる。エチレン単位比率32〜48モル%で鹸化度90%以上であるエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、株式会社クラレ製「エバール」(登録商標)H171B(エチレン単位比率38モル%、鹸化度99%以上)、E171B(エチレン単位比率44モル%、鹸化度99%以上)、日本合成化学工業株式会社製「ソアノール」(登録商標)H4815B(エチレン単位比率48モル%、鹸化度99%以上)、A4412B(エチレン単位比率42モル%、鹸化度99%以上)、DC3212B(エチレン単位比率32モル%、鹸化度99%以上)などがある。
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の重量比(A/B)は、2/98〜40/60であり、好ましくは5/95〜35/65であり、より好ましくは10/90〜30/60である。重量比(A/B)が低すぎると、十分なガスバリア性向上効果を得ることができず、逆に高すぎると、低温耐久性が不足したり、高湿度下におけるガスバリア性が不足する虞がある。
本発明の熱可塑性組成物は、好ましくは、マトリックス相がさらにポリアミドを含む。ポリアミドを配合することにより、タイヤ加硫時における熱安定性が向上する。
ポリアミドとしては、限定するものではないが、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン6/66/12、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン9Tなどが挙げられる。なかでも、ナイロン6、ナイロン6/66およびナイロン612が耐久性とガスバリア性の両立という点で好ましい。
ポリアミドの含有量は、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の合計量100重量部を基準として、好ましくは0〜120重量部であり、より好ましくは0〜100重量部であり、さらに好ましくは0〜80重量部である。ポリアミドの含有量が多すぎると十分なガスバリア性を得られない虞がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の分散相は、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む。熱可塑性樹脂組成物に柔軟性を付与するためには、エラストマー成分からなる分散相が必須である。分散相を構成するエラストマー成分として、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)とを併用することにより、溶融成形可能な粘度を維持しながら、柔軟性および低温耐久性を得ることができる。
ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)は、イソモノオレフィンとパラアルキルスチレンの共重合体をハロゲン化することにより製造することができ、ハロゲン化イソモノオレフィンとパラアルキルスチレンの混合比、重合率、平均分子量、重合形態(ブロック共重合体、ランダム共重合体等)、粘度、ハロゲン原子等は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物に要求される物性等に応じて任意に選択することができる。ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体を構成するイソモノオレフィンとしては、イソブチレン、イソペンテン、イソヘキセン等が例示できるが、好ましくはイソブチレンである。ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体を構成するパラアルキルスチレンはパラメチルスチレン、パラエチルスチレン、パラプロピルスチレン、パラブチルスチレン等が例示できるが、好ましくはパラメチルスチレンである。ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体を構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できるが、好ましくは臭素である。特に好ましいハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体は臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体である。
臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体は、式(7)
Figure 2019019183
で表される反復単位を有するイソブチレン−パラメチルスチレン共重合体を臭素化したものであり、典型的には式(8)
Figure 2019019183
で表される反復単位を有するものである。臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体は、エクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobil Chemical Company)から、EXXPRO(登録商標)の商品名で入手することができる。
酸変性エラストマー(D)としては、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−(メタ)アクリル酸共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合エラストマーなどが挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を意味する。
無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合エラストマーとしては、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−ヘキセン共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−オクテン共重合エラストマーなどが挙げられる。
無水マレイン酸変性エチレン−(メタ)アクリル酸共重合エラストマーとしては、無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸共重合エラストマーおよび無水マレイン酸変性エチレン−メタクリル酸共重合エラストマーが挙げられる。
無水マレイン酸変性エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合エラストマーとしては、無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸メチル共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸エチル共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−メタクリル酸メチル共重合エラストマー、無水マレイン酸変性エチレン−メタクリル酸エチル共重合エラストマーなどが挙げられる。
なかでも好ましい酸変性エラストマーは、無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−オクテン共重合体などである。無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体は、市販されており、たとえば、三井化学株式会社からタフマー(登録商標)MH7010、MH7020の商品名で入手することができ、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体は、たとえば、三井化学株式会社からタフマー(登録商標)MP0610、MP0620の商品名で入手することができる。
ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)は架橋剤によって動的架橋されていることが好ましい。動的架橋することにより、熱可塑性樹脂組成物のマトリックス相と分散相を固定することができる。動的架橋は、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を架橋剤とともに溶融混練することによって行なうことができる。
動的架橋に使われる架橋剤としては、亜鉛華、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、酸化マグネシウム、m−フェニレンビスマレイミド、アルキルフェノール樹脂およびそのハロゲン化物、第二級アミンなどが挙げられる。架橋剤として使われる第二級アミンとしては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、重合した2,2,4-トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが挙げられる。なかでも亜鉛華、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンが動的架橋のための架橋剤として好ましく使用できる。
架橋剤の量は、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)の合計量100重量部を基準として、0.1〜12重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜9重量部である。架橋剤の量が少なすぎると、動的架橋が不足し、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体の微分散を維持できず、耐久性が低下する。逆に、架橋剤の量が多すぎると、混練、加工中にスコーチしたり、フィルム中に異物を生じる原因となる。
ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)の合計量は、マトリックス相を形成する樹脂成分の合計量(マトリックス相が共重合体(A)と共重合体(B)のみを含む場合は共重合体(A)と共重合体(B)の合計量、マトリックス相が共重合体(A)、共重合体(B)およびポリアミド(E)を含む場合は共重合体(A)と共重合体(B)とポリアミド(E)の合計量)100重量部を基準として、好ましくは30重量部以上であり、より好ましくは40〜210重量部であり、さらに好ましくは50〜200重量部である。ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)の合計量が少なすぎると、低温耐久性が不足する虞があり、逆に多すぎると、熱可塑性樹脂組成物の流動性が低下し、溶融成形が困難になる。
ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)の量は、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)の合計量100重量部を基準として、好ましくは10〜80重量部であり、より好ましくは15〜70重量部であり、さらに好ましくは20〜60重量部である。ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)の量が少なすぎると、溶融成形時の粘度が高くなり滞留粒やゲルが発生しやすくなる虞があり、逆に多すぎると、低温耐久性が不足する虞がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、さらに金属石鹸(F)を含む。
金属石鹸(D)としては、高級脂肪酸アルカリ土類金属塩などが挙げられる。高級脂肪酸アルカリ土類金属塩の具体例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウムなどが挙げられるが、なかでもステアリン酸マグネシウムが好ましい。金属石鹸(D)の配合量は、限定するものではないが、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)の合計量100重量部を基準として、好ましくは0〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜15重量部であり、さらに好ましくは1.0〜10重量部である。金属石鹸(F)を配合することにより、潤滑性が向上し、溶融成形時の押出負荷が低減され、滞留物の発生が抑制される。金属石鹸(F)の配合量が高すぎると低温における耐久性が悪化する虞がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)およびポリアミド(E)以外の樹脂、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)以外のエラストマー、各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。添加剤としては、架橋剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、架橋促進助剤、架橋促進剤、補強剤(フィラー)、スコーチ防止剤、素練促進剤、有機改質剤、軟化剤、粘着付与剤などを挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、限定するものではないが、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)、酸変性エラストマー(D)、必要に応じてポリアミド(E)、金属石鹸(F)、その他の成分を、溶融混練することによって製造することができる。架橋剤を添加する場合は、架橋剤は、あらかじめハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)と混合しておいてもよいし、溶融混練の前に添加してもよいし、溶融混練の途中で添加してもよい。溶融混練の温度は、好ましくは190〜280℃、より好ましくは200〜260℃である。溶融混練の時間は、好ましく1〜10分、より好ましくは1〜5分である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)、酸変性エラストマー(D)、架橋剤、必要に応じてポリアミド(E)、金属石鹸(F)を二軸混練機を使用して連続的に溶融混練し、該溶融混練によりエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)からなるマトリックス相中にハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を分散させるとともに、動的架橋することによって、製造することができる。
より具体的には、たとえば、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)と架橋剤と必要に応じてその他の添加剤とを60〜150℃で混合してゴムコンパウンドを調製し、そのゴムコンパウンドとエチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)と必要に応じてその他の樹脂または添加剤とを設定温度220〜250℃の二軸混練機に投入し、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を分散させるとともに動的架橋することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
本発明は、また、前記熱可塑性樹脂組成物からなるタイヤインナーライナーである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、Tダイ付きの押出機や、インフレーション成形機などでフィルムとすることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムは、ガスバリア性および耐久性に優れるため、タイヤインナーライナーとして好適に使用することができる。
本発明は、また、前記タイヤインナーライナーを含む空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、より具体的には、前記熱可塑性樹脂組成物のフィルムをインナーライナーとして含む空気入りタイヤである。空気入りタイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。たとえば、本発明の熱可塑性樹脂組成物を所定の幅と厚さのフィルム状に押し出し、それをインナーライナーとしてタイヤ成形用ドラム上に円筒に貼りつける。その上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常のタイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムから抜き取ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望の空気入りタイヤを製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[原材料]
以下の実施例および比較例において使用した原料は次のとおりである。
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(以下「BVOH」ともいう。)として、次のものを用いた。
OKS−8074P:日本合成化学工業株式会社製「ニチゴーGポリマー」(登録商標)OKS−8074P(MFR=3.5。酸素透過係数=0.01mm・cc/(m・day・atm))
OKS−8049P:日本合成化学工業株式会社製「ニチゴーGポリマー」(登録商標)OKS−8049P(MFR=4.0。酸素透過係数=0.02mm・cc/(m・day・atm))
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下「EVOH」ともいう。)として、次のものを用いた。
ソアノール(登録商標)V2504:日本合成化学工業式会社製(エチレン単位比率25モル%)
ソアノール(登録商標)D2908:日本合成化学工業式会社製(エチレン単位比率29モル%)
ソアノール(登録商標)E3808:日本合成化学工業式会社製(エチレン単位比率38モル%)
ソアノール(登録商標)H4815B:日本合成化学工業式会社製(エチレン単位比率48モル%)
ポリアミドとして、次のものを用いた。
ナイロン6:宇部興産株式会社製「UBEナイロン」1013B
ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体として、次のものを用いた。
臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体(以下「Br−IPMS」という。):エクソンモービル・ケミカル社製EXXPRO(登録商標)MDX89−4
酸変性エラストマーとして、次のものを用いた。
酸変性ポリオレフィンエラストマー:三井化学株式会社製無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体「タフマー」(登録商標)MH7010
金属石鹸として、次のものを用いた。
St−Mg:堺化学工業式会社製ステアリン酸マグネシウムSM−PG
架橋剤として、次のものを用いた。
酸化亜鉛:正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種
老化防止剤兼架橋剤として、次のものを用いた。
6PPD:フレキシス(Flexsys)社製サントフレックス13(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)
[熱可塑性樹脂組成物の調製]
エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(B)、ポリアミド(E)、ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)、酸変性エラストマー(D)、架橋剤(E)、金属石鹸(F)およびその他の成分を表1、表2および表3に示す配合にて、二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)のシリンダー内に導入し、温度230℃および滞留時間約3〜8分間に設定された混練ゾーンに搬送して溶融混練し、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイからストランド状に押出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物について、タイヤエア漏れ性能および低温耐久性を評価した。評価結果を表1、表2および表3に示す。
[タイヤエア漏れ性能]
調製したペレット状の熱可塑性樹脂組成物を550mm幅Tダイ付40mmφ単軸押出機(株式会社プラ技研)を用いて、押出温度C1/C2/C3/C4/ダイ=220/225/230/235/235℃、冷却ロール温度50℃、引き取り速度4m/minの押出条件で、平均厚み0.1mmのフィルムに成形した。そのフィルムをインナーライナーとして用い、常法によりラジアルタイヤ195/65R15を作製した。作製したタイヤを空気圧250kPa、温度21℃、相対湿度30%および80%雰囲気下で3か月間放置し、タイヤ空気圧変化を測定し、1か月あたりのタイヤ空気圧の減少量を%表示したものを「タイヤエア漏れ」(%/月)という。表1のタイヤエア漏れ性能の数値は比較例1のタイヤ空気圧の減少量を100とした指数で表示し、表2のタイヤエア漏れ性能の数値は比較例5のタイヤ空気圧の減少量を100とした指数で表示し、表3のタイヤエア漏れ性能の数値は比較例9のタイヤ空気圧の減少量を100とした指数で表示した。数字が大きいほど空気が漏れやすい(性能が悪い)ことを意味し、指数111以上は性能上問題あり、指数95以下はエア漏れしにくいものとして効果があると判定した。
[低温耐久性]
調製したペレット状の熱可塑性樹脂組成物を200mm幅Tダイ付40mmφ単軸押出機(株式会社プラ技研製)を用いて、押出温度C1/C2/C3/C4/ダイ=220/225/230/235/235℃、冷却ロール温度50℃、引き取り速度1.0m/minの押出条件で、平均厚み1.0mmのシートに成形し、シートからダンベル(JIS3号)を打ち抜き、定歪試験機(株式会社上島製作所製)にセットして、−40℃雰囲気下40%定歪を繰り返し与え、破断回数を測定した。表1の低温耐久性の数値は比較例1の破断回数を100とした指数で表示し、表2の低温耐久性の数値は比較例5の破断回数を100とした指数で表示し、表3の低温耐久性の数値は比較例9の破断回数を100とした指数で表示した。数字が大きいほど耐久性が高いことを意味し、指数90未満は、該熱可塑性樹脂組成物をタイヤに用いた際に耐久性が不足するため、問題ありと判定した。
Figure 2019019183
Figure 2019019183
Figure 2019019183
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、空気入りタイヤ用インナーライナーを製造するのに好適に利用することができる。

Claims (9)

  1. エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)およびエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)を含むマトリックス相とハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)および酸変性エラストマー(D)を含む分散相とからなるタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物であって、エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)とエチレン単位比率が29モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(B)の重量比(A/B)が2/98〜40/60であることを特徴とするタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
  2. エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)が式(1)
    Figure 2019019183
    (式中、lは1〜99の整数であり、mは1〜99の整数であり、nは0〜90の整数である。)
    で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
  3. ハロゲン化イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン共重合体(C)と酸変性エラストマー(D)の合計量が、マトリックス相を形成する樹脂成分の合計量100重量部を基準として、30重量部以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
  4. マトリックス相がさらにポリアミド(E)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. さらに金属石鹸(F)を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)の温度210℃および荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが1g/10min以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. エチレン−ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体またはブテンジオール−ビニルアルコール共重合体(A)の温度23℃および湿度65%における酸素透過係数が0.001mm・cc/(m・day・atm)以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤインナーライナー用熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるタイヤインナーライナー。
  9. 請求項8に記載のタイヤインナーライナーを含む空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021210555A1 (ja) * 2020-04-14 2021-10-21 株式会社クラレ 変性ビニルアルコール系重合体

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