JP2018531811A - 幅の広い印刷ゾーンを有するプリンタ用のシートフィード機構 - Google Patents

Abstract

プリンタは、個別の第１の印刷ゾーンを有する第１の固定プリントヘッド（３）と、第１の印刷ゾーンに配置された第１のプラテン（７）と、第１のプリントヘッドの下流に配置された第２の固定プリントヘッドであって、個別の第２の印刷ゾーンを有する第２の固定プリントヘッド（５）と、第２の印刷ゾーンに配置された第２のプラテン（１１）と、下り軌道に沿って第１のプラテンに向けて媒体シートを送るように構成された入力ローラアセンブリ（１５）と、第１のプラテンと第２のプラテンとの間に配置された中間ローラアセンブリであって、第１のプラテンから媒体シートを受け取り、第２のプラテンに向けて下り軌道に沿って媒体シートを送るように構成された中間ローラアセンブリ（１９）と、第２のプラテンから媒体シートを受け取る出口ローラアセンブリ（２１）とを備える。第２のプラテンは、第１のプラテンよりも相対的に低い位置に配置されており、それにより、第１および第２のプリントヘッド間の距離が最小のステップ状の媒体送り経路を提供する。【選択図】図１

Description

本発明は、プリンタ用のフィード機構に関する。これは、主に、複数の固定プリントヘッドを通過する印刷媒体のシートを高速で送るために開発されたものである。

本出願人は、例えば、国際公開第２０１１／１４３７００号、国際公開第２０１１／１４３６９９号および国際公開第２００９／０８９５６７号に記載されているような一連のＭｅｍｊｅｔ（登録商標）インクジェットプリンタを開発しており、それらの内容は引用により本明細書に援用される。Ｍｅｍｊｅｔ（登録商標）プリンタは、プリントヘッドをシングルパスで通過させて印刷媒体を送るフィード機構と組み合わせて、固定プリントヘッドを使用している。このため、Ｍｅｍｊｅｔ（登録商標）プリンタは、従来の走査型インクジェットプリンタよりも遥かに速い印刷速度を提供することができる。

高速シングルパスインクジェット印刷では、許容できる印刷品質を提供するために、特にプリントヘッドの印刷ゾーンにおいて、媒体の正確な取り扱いが必要である。所与の長さの固定プリントヘッドでは、印刷ゾーンを横切って互い違いに重なり合う配列にプリントヘッドを配置することによって、比較的幅の広い印刷ゾーンを構成することができる。例えば、Ａ３の印刷ゾーンは、一対のＡ４プリントヘッドを互い違いに重なり合うように配置することによって構成することができる。

比較的狭い印刷ゾーン（例えば、Ａ４サイズ以下）では、固定媒体プラテンと組み合わせた入口ローラおよび出口ローラのシステムが、一般に、許容可能な印刷品質のために印刷ゾーンに十分な安定性を提供する（例えば、米国特許第８，５２３，３１６号を参照されたい。その内容は引用により本明細書に援用される）。

しかしながら、より広い媒体の幅および／またはより速い印刷速度のためには、通常、より複雑な媒体フィード機構が必要とされる。例えば、米国特許第８，５４０，３６１号には、固定真空プラテン、上流側駆動ローラおよび下流側真空ベルト機構の組合せを有する大判印刷に適したフィード機構が記載されている。米国特許第８，５４０，３６１号に記載されたプリンタは、印刷ゾーンを横切って互い違いに重なり合う配列に配置された５つのプリントヘッドモジュールを使用している。

その他の高速プリンタでは、真空ベルト機構を用いる場合もある。しかしながら、印刷ゾーンを通って媒体を搬送する真空ベルト機構は、ベルトが印刷中にインクで汚れる可能性があるため、インクジェット印刷には問題がある。さらに、インクジェットプリントヘッドは、一般に、メンテナンス介入の頻度を減らすために、多数のページ間吐出を実行するが、無端ベルトは、インク汚れのため、ページ間吐出には適していない。

オーバーラップする複数のプリントヘッドによって規定される印刷ゾーンを通して印刷媒体のシートを送るのに適したフィード機構を有するプリンタを提供することが望ましいと考えられる。

第１の態様では、プリンタであって、
個別の第１の印刷ゾーンを有する第１の固定プリントヘッドと、
前記第１の印刷ゾーンに配置された第１のプラテンと、
媒体送り方向に対して前記第１のプリントヘッドの下流に配置された第２の固定プリントヘッドであって、個別の第２の印刷ゾーンを有する第２の固定プリントヘッドと、
前記第２の印刷ゾーンに配置された第２のプラテンと、
前記第１のプラテンの上流に配置された入力ローラアセンブリであって、前記第１の固定プリントヘッドに対する下り軌道に沿って媒体シートを前記第１のプラテンに向けて送るように構成された入力ローラアセンブリと、
前記第１のプラテンと前記第２のプラテンとの間に配置された中間ローラアセンブリであって、前記第１のプラテンから媒体シートを受け取り、前記第２の固定プリントヘッドに対する下り軌道に沿って媒体シートを前記第２のプラテンに向けて送るように構成された中間ローラアセンブリと、
前記第２のプラテンの下流に配置されて、前記第２のプラテンから媒体シートを受け取る出口ローラアセンブリとを備え、
前記第２のプラテンが、前記第１のプラテンよりも相対的に低い位置に配置されることを特徴とするプリンタが提供される。

本発明のプリンタは、有利なことに、印刷ゾーン間の距離を最小限に抑えながら、第１および第２の印刷ゾーンを通じて安定した媒体の取り扱いを可能にする。米国特許第８，５２３，３１６号に記載されているように、印刷媒体のシートは、プリントヘッドの下方に配置されたプラテンへと下向きに運ばれるときに、印刷ゾーンを通って安定的に送られるものとなる。第１のプリントヘッドを第２のプリントヘッドの上流に配置する場合、第１のプラテンから媒体シートを受け取って、シートを第２のプラテンの適切な入力位置に持ち上げた後に、シートを第２のプラテンに向けて下方に移動させるためには、個々の第１および第２のプラテン間にローラアセンブリの相対的に複雑な配列が必要となる。第１および第２のプラテン間の複雑なローラ配列は、必然的に第１および第２のプリントヘッド間の間隔を増加させ、この間隔の増加が、特に高速で印刷する際に、アライメントの問題を引き起こす可能性がある。

しかしながら、本発明では、第２のプラテンが第１のプラテンよりも相対的に低い位置に配置されていることにより、「ステップ状」の媒体経路が、２つのプラテン間の複雑なローラシステムの必要性を排除する。典型的には、関連する一対の中間ローラを含む単一の中間ローラアセンブリは、第１のプラテンから媒体シートを受け取って、シートを第２のプラテンへと下方に導くのに十分である。この中間ローラアセンブリを、典型的には、関連する一組の中間ローラに単純化することによって、媒体送り方向における第１および第２のプリントヘッド間の距離が最小化される。これにより、印刷中のアライメントの問題が最小限に抑えられる。

好ましくは、第２のプリントヘッドのノズルプレートが、第１のプリントヘッドのノズルプレートよりも相対的に低い位置に配置される。

好ましくは、第１および第２のプリントヘッドが、媒体送り方向において互いに重なり合うように配置される。互いに重なり合うプリントヘッドは、媒体送り方向に整列したプリントヘッドよりも相対的に広い印刷ゾーンに印刷することを可能にする。しかしながら、整列したプリントヘッドも、当然のことながら、本発明の範囲内に含まれる。

好ましくは、第１および第２のプラテンの各々が、それぞれの第１および第２のプリントヘッドに近接および離間する方向に独立して移動可能である。例えば、プラテンは、引用により本明細書に援用される米国特許第８，５２３，３１６号に記載されているように、それぞれのスレッドに昇降可能に取り付けられたプラテンモジュールであってもよい。各メンテナンススレッドは、その他のモジュール、例えば、それぞれのプリントヘッドをワイピングするためのワイパーモジュールと、不使用時にそれぞれのプリントヘッドをキャッピングするためのキャッパーモジュールなどを含むことができる。

好ましくは、入力ローラアセンブリが、一対の入力ローラを備えて、それらの間に第１のニップを規定し、第１のニップが、第１のプラテンよりも相対的に高い位置に配置される。第１のニップを第１のプラテンよりも相対的に高い位置に配置することにより、入力ローラアセンブリが媒体シートを第１のプラテン上に向けて下方に移動させることが可能になる。

好ましくは、中間ローラアセンブリが、一対の中間ローラ（好ましくは一組の中間ローラ）を備えて、それらの間に中間ニップを規定する。

好ましくは、中間ニップが、第２のプラテンよりも相対的に高い位置に配置される。中間ニップを第２のプラテンよりも相対的に高い位置に配置することにより、中間ローラアセンブリが媒体シートを第２のプラテン上に向けて下方に移動させることが可能になる。

以下、一例として、次の添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明することとする。
図１は、本発明に係るプリントヘッドおよびフィード機構を有するプリンタの概略側面図である。 図２は、図１に示すプリンタの概略平面図である。

図１を参照すると、第１の固定プリントヘッド３と、媒体送り方向Ｄに対して第１のプリントヘッドの下流に配置された第２の固定プリントヘッド５とを含むプリンタ１が示されている。第１のプラテン７は、第１のプリントヘッド５の個別の第１の印刷ゾーン９に配置されている。同様に、第２のプラテン１１は、第２のプリントヘッド７の第２の印刷ゾーン１３に配置される。

入力ローラアセンブリ１５は、第１のプラテン７の上流に配置された一対の入力ローラ１６Ａ，１６Ｂにより構成されている。入力ローラアセンブリ１５は、媒体シート１７を受け取り、（矢印Ｄで示す）媒体送り方向に沿ってほぼ下りの軌道で第１のプラテン７の上面に向けてシートを送るように構成されている。このため、入力ローラ１６Ａ，１６Ｂの間に規定されるニップは、第１プラテン７の上面よりも相対的に高い位置に配置される。媒体シート１７は、第１の印刷ゾーン９を通って搬送されて、第１のプリントヘッド３から液滴を受け取り、画像の第１の部分を形成する。

中間ローラアセンブリ１９は、媒体送り方向Ｄに対して第１のプラテン７の下流に配置された一対の中間ローラ２０Ａ，２０Ｂにより構成されている。中間ローラアセンブリ１９は、第１のプラテン７から媒体シート１７を受け取り、ほぼ下りの軌道で第２のプラテン１１に向けて媒体シートを送るように構成されている。このため、中間ローラ２０Ａ，２０Ｂの間に規定されるニップは、第２プラテン１１の上面よりも相対的に高い位置に配置される。媒体シート１７は、第２の印刷ゾーン１３を通って搬送されるとともに、第２のプリントヘッド５から液滴を受け取って画像の第２の部分を形成する。

図２に示すように、第１のプリントヘッド３および第２のプリントヘッド５は、媒体送り方向Ｄにおいて部分的に重なり合い、各プリントヘッドは画像の約半分（図示省略）を印刷する。当該技術分野で知られている技術を使用して２つのプリントヘッド間のスティッチングアーチファクト（stitching artifacts）をマスクするために、適切なアルゴリズムを用いることができる（例えば、米国特許第６，３９４，５７３号を参照されたい。その内容は引用により本明細書中に援用されるものである）。代替的には、画像の２つの部分は、２つのプリントヘッドの適切なスティッチングポイントを選択し、単純な突合せ結合により画像の２つの部分を結合することにより、スティッチされるものであってもよい。複数の固定プリントヘッドにより印刷された画像をスティッチするためのこれらの方法およびその他の方法は、当業者が見て直ぐに分かるであろう。

再び図１を参照すると、出口ローラアセンブリ２１が、媒体送り方向Ｄに対して第１のプラテン１１の下流に配置された一対の出口ローラ２２Ａ，２２Ｂにより構成されている。出口ローラアセンブリ２１は、第２のプラテン１１から媒体シート１７を受け取って、プリンタ１の出口トレイ（図示省略）に搬送するように構成されている。

入力ローラアセンブリ１５、中間ローラアセンブリ１９および出口ローラアセンブリ２１は、プリンタ１の媒体フィード機構の一部を形成する。媒体フィード機構は、周知のように、媒体ピッカ（図示省略）などのその他の構成要素を含むことができる。

ローラアセンブリ１５，１９，２１の各々は、駆動機構（図示省略）に動作可能に連結された駆動ローラ（例えば、ローラ１６Ｂ，２０Ｂ，２２Ｂ）を備えることができる。一実施形態では、すべての駆動ローラを駆動して、一定のローラ速度を維持し、それにより第１のプリントヘッド３および第２のプリントヘッド５を通過する一定の媒体送り速度を維持するために、無端ベルト（図示省略）を用いるようにしてもよい。このような構成は、媒体フィード機構の各駆動ローラに個々のエンコーダを設ける必要性を取り除く。

図１から分かるように、第２のプラテン１１が第１のプラテン７よりも相対的に低い位置に配置されている。上述したように、この構成によって、媒体シート１７をプラテン７，１１の各々へと下方に送り込むことが可能となり、それにより、第１の印刷ゾーン９および第２の印刷ゾーン１３における安定性を維持することができる。さらに、このようにステップ状の媒体送り経路を使用して、より複雑な中間ローラ構成を取り除くことにより、第１のプリントヘッド３と第２のプリントヘッド５との間の距離が最小限に抑えられる。その結果として、印刷された画像の第１の部分と第２の部分との間のアライメントが、有利なことに最大限に高められる。

双方向矢印２３により示すように、第１のプラテン７は、必要に応じてキャッピングおよび／またはメンテナンス介入が可能になるように、第１のプリントヘッド３の方に持ち上げ、あるいは第１のプリントヘッドから引き離すことができる。同様に、第２のプラテン１１は、双方向矢印２５により示すように、第２のプリントヘッド５の方に持ち上げ、あるいは第２のプリントヘッドから引き離すことができる。メンテナンスおよび／またはキャッピング介入を可能にするためにプラテンを持ち上げて移動させるための適切な配置構成は、米国特許第８，５２３，３１６号に開示されており、その内容は引用により本明細書に援用される。

以上、２つの互いに重なり合う固定プリントヘッドを参照して本発明を説明してきたが、当然のことながら、本発明は、プリントヘッドが重なり合っているか否か、または整列されているかどうかに関わらず、媒体送り経路に沿って配置された任意の数（例えば、３またはそれ以上）のプリントヘッドに適用可能であることを理解されたい。より多くのプリントヘッドの場合には、媒体送り方向において、隣接するプリントヘッドの間のステップ状の媒体経路を可能にするために、各下流プラテンは、直ぐ上流のプラテンよりも相対的に低い位置に配置される。例えば、追加の第３および第４のプリントヘッドを第１および第２のプリントヘッドの間に配置し、その配列の各プリントヘッド間に中間ローラを配置することができる。３またはそれ以上のプリントヘッドを有するそれら構成およびその他の構成は、本発明の範囲内に含まれる。

当然のことながら、本発明は単なる例示として説明しており、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲内で細部の変更が可能であることを理解されたい。

Claims (7)

1. プリンタであって、
   個別の第１の印刷ゾーンを有する第１の固定プリントヘッドと、
   前記第１の印刷ゾーンに配置された第１のプラテンと、
   媒体送り方向に対して前記第１のプリントヘッドの下流に配置された第２の固定プリントヘッドであって、個別の第２の印刷ゾーンを有する第２の固定プリントヘッドと、
   前記第２の印刷ゾーンに配置された第２のプラテンと、
   前記第１のプラテンの上流に配置された入力ローラアセンブリであって、前記第１の固定プリントヘッドに対する下り軌道に沿って媒体シートを前記第１のプラテンに向けて送るように構成された入力ローラアセンブリと、
   前記第１のプラテンと前記第２のプラテンとの間に配置された中間ローラアセンブリであって、前記第１のプラテンから媒体シートを受け取り、前記第２の固定プリントヘッドに対する下り軌道に沿って媒体シートを前記第２のプラテンに向けて送るように構成された中間ローラアセンブリと、
   前記第２のプラテンの下流に配置されて、前記第２のプラテンから媒体シートを受け取る出口ローラアセンブリとを備え、
   前記第２のプラテンが、前記第１のプラテンよりも相対的に低い位置に配置されていることを特徴とするプリンタ。
2. 請求項１に記載のプリンタにおいて、
   前記第２のプリントヘッドのノズルプレートが、前記第１のプリントヘッドのノズルプレートよりも相対的に低い位置に配置されていることを特徴とするプリンタ。
3. 請求項１に記載のプリンタにおいて、
   前記第１および第２のプリントヘッドが、媒体送り方向において互いに重なり合うように配置されていることを特徴とするプリンタ。
4. 請求項１に記載のプリンタにおいて、
   前記第１および第２のプラテンの各々が、それぞれの第１および第２のプリントヘッドに近接および離間する方向に独立して移動可能であることを特徴とするプリンタ。
5. 請求項１に記載のプリンタにおいて、
   前記入力ローラアセンブリが、一対の入力ローラを備えて、それらの間に第１のニップを規定し、前記第１のニップが、前記第１のプラテンよりも相対的に高い位置に配置されていることを特徴とするプリンタ。
6. 請求項１に記載のプリンタにおいて、
   前記中間ローラアセンブリが、一対の中間ローラを備えて、それらの間に中間ニップを規定し、前記中間ニップが、前記第２のプラテンよりも相対的に高い位置に配置されていることを特徴とするプリンタ。
7. 請求項１に記載のプリンタにおいて、
   一組の中間ローラを備えることを特徴とするプリンタ。

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