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JP2018526377A - がんを治療するための、任意にpi3k阻害剤のbyl719を更に含む、cdk4/6阻害剤のlee011とmek1/2阻害剤トラメチニブの組み合わせ物 - Google Patents

がんを治療するための、任意にpi3k阻害剤のbyl719を更に含む、cdk4/6阻害剤のlee011とmek1/2阻害剤トラメチニブの組み合わせ物 Download PDF

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Abstract

本開示は、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害剤化合物、(b)マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤化合物、および任意に(c)アルファ−アイソフォーム特異的ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物を含む、がんの治療または予防のための医薬組み合わせ物、ならびにがんの治療または予防のための関連医薬組成物、使用および方法に関する。

Description

技術分野
本開示は、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害剤化合物、(b)マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤化合物、および任意に(c)アルファ−アイソフォーム特異的ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物を含む、癌の治療または予防のための医薬組み合わせ物に関する。本開示は、がんの治療または予防に関連する医薬組成物、使用および方法も提供する。
背景
腫瘍発生は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)およびこれらの調節剤の遺伝子改変および調節解除に密接に関連しており、CDKの阻害剤が抗がん療法に有用でありうることを示唆している。事実、初期の結果は、転換細胞および正常細胞が、例えばサイクリンD/CDK4/6に対する要件が異なっていること、ならびに従来の細胞障害性および細胞増殖抑制性薬物により観察された一般的な宿主毒性を回避する新規抗新生物剤を開発することが、可能でありうることを示唆している。
CDKの機能はリン酸化することであり、したがって、例えば、網膜芽細胞腫タンパク質、ラミン、ヒストンH1、および有糸分裂紡錘体の構成成分を含む特定のタンパク質を活性化または不活性化することである。CDKにより媒介される触媒ステップは、ATPから巨大分子酵素基質へのリン酸基転移反応を伴う。いくつかの化合物群(例えば、Fischer, P. M. Curr. Opin. Drug Discovery Dev. 2001, 4, 623-634において総説されている)が、CDK特異的ATP拮抗作用によって抗増殖特性を持つことが見出されている。
分子レベルにおいて、CDK/サイクリン複合体活性の媒介は、一連の刺激性および阻害性のリン酸化または脱リン酸化事象を必要とする。CDKリン酸化は、一群のCDK活性化キナーゼ(CAK)、ならびに/またはwee1、Myt1、およびMik1などのキナーゼによって実施される。脱リン酸化は、Cdc25(a&c)、PP2A、またはKAPなどのホスファターゼにより実施される。
CDK/サイクリン複合体活性は、内在性細胞タンパク質様阻害剤の2つのファミリーである、Kip/CipファミリーまたはINKファミリーによって更に調節されうる。INKタンパク質は、CDK4およびCDK6に特異的に結合する。p16ink4(MTS1としても公知である)は、多数の原発性がんにおいて突然変異または欠失している、潜在的な腫瘍抑制遺伝子である。Kip/Cipファミリーには、p21Cip1,Waf1、p27Kip1、およびp57kip2などのタンパク質が含まれ、p21は、p53により誘発され、CDK2/サイクリン(E/A)複合体を不活性化することができる。異常に低レベルのp27発現が、乳がん、結腸直腸がん、および前立腺がんにおいて観察されている。逆に、固形腫瘍におけるサイクリンEの過剰発現は、不十分な患者予後に相関していることが示されている。サイクリンD1の過剰発現は、食道癌、乳癌、扁平上皮癌、および非小細胞肺癌に関連している。
増殖細胞における細胞周期の協調および駆動におけるCDKおよびそれらの関連タンパク質の中心的役割が、上記に概説されている。CDKが主要な役割を果たすいくつかの生化学的経路も記載されている。したがって、CDKを一般的に、またはCDKを特異的に標的にする治療薬を使用してがんなどの増殖性障害を治療するために、単剤療法を開発することは潜在的に極めて望ましい。したがって、ヒトの疾患を治療する新たな治療剤を見出す必要性が、引き続き存在している。
成長因子受容体およびプロテインキナーゼを介した細胞シグナル伝達は、細胞成長、増殖、および分化の重要な調節因子である。正常な細胞成長では、成長因子(例えば、PDGFまたはEGF他)は、受容体活性化を介してMAPキナーゼ経路を活性化する。正常および無秩序な細胞成長に関与する最も重要で最も良く理解されているMAPキナーゼ経路の1つは、Ras/Rafキナーゼ経路である。活性GTP結合Rasは、Rafキナーゼの活性化および間接的リン酸化をもたらす。次にRafは、2個のセリン残基においてMEK1および2をリン酸化する(S218およびS222においてMEK1、S222およびS226においてMEK2)(Ahn et al., Methods in Enzymology 2001, 332, 417-431)。次に、活性化されたMEKは、唯一知られている基質であるMAPキナーゼのERK1およびERK2をリン酸化する。MEKによるERKのリン酸化は、ERK1ではY204およびT202において、ERK2ではY185およびT183において生じる(Ahn et al., Methods in Enzymology 2001, 332, 417-431)。リン酸化されたERKは二量体化して核に転位置し、そこに蓄積する(Khokhlatchev et al., Cell 1998, 93, 605-615)。核において、ERKは、核内輸送、シグナル伝達、DNA修復、ヌクレオソーム集合および転位置、ならびにmRNAプロセッシングおよび翻訳が含まれるが、これらに限定されないいくつかの重要な細胞機能に関与する(Ahn et al., Molecular Cell 2000, 6, 1343-1354)。全般に、成長因子による細胞の処理は、ERK1および2の活性化をもたらし、このことは増殖をもたらし、いくつかの場合では分化をもたらす(Lewis et al., Adv. Cancer Res. 1998, 74, 49-139)。
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、自身のものを含む特定のチロシンアミノ酸残基のリン酸化を様々なタンパク質において触媒し、このことは細胞成長、増殖、および分化を決定している。
いくつかのRTKの下流には、いくつかのシグナル伝達経路があり、それらのうちの1つが、上記に考察されたRas−Raf−MEK−ERKキナーゼ経路である。成長因子、ホルモン、サイトカインなどに応答するRas GTPアーゼタンパク質の活性化は、Rafキナーゼのリン酸化および活性化を刺激することが、現在理解されている。このシグナル伝達経路は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路または細胞質カスケードとしても公知であり、成長シグナルへの細胞応答を媒介する。このシグナル伝達経路の最終的な機能は、細胞膜における受容体活性を、細胞の増殖、分化、または生存を決定する細胞質標的または核標的の修飾と関連付けることである。
この経路の構成的活性化は、細胞形質転換を誘発するのに十分である。異常な受容体チロシンキナーゼ活性化、Ras突然変異、またはRaf突然変異に起因するMAPキナーゼ経路の調節不全活性化が、ヒトがんにおいて頻繁に見出されており、異常な成長制御に影響を及ぼす主要因子を表している。ヒト悪性腫瘍では、Ras突然変異は一般的であり、がんの約30%において特定されている。GTPアーゼタンパク質(グアノシン三リン酸をグアノシン二リン酸に変換するタンパク質)のRasファミリーは、活性化された成長因子受容体から下流の細胞内相手にシグナルを中継する。活性膜結合Rasにより動員された標的のうち顕著なものは、セリン/トレオニンタンパク質キナーゼのRafファミリーである。Rafファミリーは、3つの関連するキナーゼ(A−、B−、およびC−Raf)から構成され、Rasの下流エフェクターとして作用する。上記に考察されたRas媒介Raf活性化は、次にMEK1およびMEK2(MAP/ERKキナーゼ1および2)の活性化を誘発し、次にERK1およびERK2(細胞外シグナル調節キナーゼ1および2)をチロシン−185およびトレオニン−183においてリン酸化する。活性化されたERK1およびERK2は、核に転位置および蓄積し、そこで、細胞成長および生存を制御する転写因子を含む様々な基質をリン酸化することができる。ヒトがんの発生におけるRas/Raf/MEK/ERK経路の重要性を考慮すると、シグナル伝達カスケードのキナーゼ構成成分は、がん、および他の増殖性疾患における疾患進行のモジュレーションのための潜在的に重要な標的として浮上しつつある。
様々なRas GTPアーゼおよびB−Rafキナーゼにおける突然変異は、MAPK経路の持続的および構成的活性化をもたらし、最終的に細胞分裂および生存の増加をもたらしうることが確認されている。この結果、これらの突然変異は、広範囲のヒトがんの確立、発生、および進行と強く関連している。
MEK1およびMEK2は、様々なMAPキナーゼのトレオニンおよびチロシン残基をリン酸化する二重特異性キナーゼ(MEK1〜7)の大きなファミリーのメンバーである。MEK1およびMEK2は、別個の遺伝子によりコード化されるが、C末端触媒キナーゼドメインおよび大部分のN末端調節領域の両方において高い相同性(80%)を共有する。MEK1およびMEK2の発がん性形態は、ヒトがんにおいて見出されていないが、MEKの構成的活性化は、細胞形質転換をもたらすことが示されている。Rafに加えて、MEKは、他のがん遺伝子によっても同様に活性化することができる。今までMEK1およびMEK2の唯一知られている基質は、ERK1およびERK2である。チロシンおよびトレオニン残基の両方をリン酸化する特有の能力に加えて、この異常な基質特異性は、MEK1およびMEK2をシグナル伝達カスケードの決定的な場所に置き、このことは多くの細胞外シグナルをMAPK経路に組み込むことを可能にする。
したがって、MAPKキナーゼ経路(例えば、MEK)のタンパク質の阻害剤は、増殖性または浸潤性疾患の封じ込め、および/または治療における使用のための抗増殖剤、アポトーシス促進剤、および抗浸潤剤として両方に価値があるはずであると認識されている。更に、MEK阻害活性を有する化合物は、ERK1/2活性の阻害および細胞増殖の抑制を有効に誘発すること(The Journal of Biological Chemistry, vol. 276, No. 4 pp. 2686-2692, 2001)、ならびに化合物は、腫瘍起源および/またはがんなどの望ましくない細胞増殖により引き起こされる疾患に対して効果を示すことが予測されることも公知である。
ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)は、リン酸塩がイノシトール脂質のD−3’位に移動してホスホイノシトール−3−リン酸(PIP)、ホスホイノシトール−3,4−二リン酸(PIP)、およびホスホイノシトール−3,4,5−三リン酸(PIP)を産生させ、次にプレクストリン相同性、FYVE、Phox、および他のリン脂質結合ドメインを含有するタンパク質を、多くの場合に細胞膜にある様々なシグナル伝達複合体にドッキングさせることにより、シグナル伝達カスケードにおける第2のメッセンジャーとして作用するように触媒する、脂質キナーゼのファミリーを含む(Vanhaesebroeck et al., Annu. Rev. Biochem 70:535 (2001); Katso et al., Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 17:615 (2001))。2つのクラス1 PI3Kのうち、クラス1A PI3Kは、p85α、p55α、p50α、p85β、またはp55γでありうる調節サブユニットと構成的に会合する触媒性p110サブユニット(α、β、δアイソフォーム)から構成されるヘテロ二量体である。クラス1Bサブクラスは、2つの調節サブユニットのp101またはp84のうちの1つと会合する触媒性p110γサブユニットから構成されるヘテロ二量体である、1つのファミリーメンバーを有する(Fruman et al., Annu Rev. Biochem. 67:481 (1998); Suire et al., Curr. Biol. 15:566 (2005))。p85/55/50サブユニットのモジュラードメインは、特定の配列の文脈において、活性化された受容体チロシンキナーゼおよび細胞質チロシンキナーゼ上のホスホチロシン残基に結合し、クラス1A PI3Kの活性化および局在化をもたらす、Src相同性(SH2)ドメインを含む。クラス1B PI3Kは、多様なレパートリーのペプチドおよび非ペプチドリガンドに結合するGタンパク質共役受容体によって、直接活性化される(Stephens et al., Cell 89:105 (1997)); Katso et al., Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 17:615-675 (2001))。 したがって、もたらされたクラスI PI3Kのリン脂質産物は、上流の受容体を、増殖、生存、走化性、細胞輸送、運動性、代謝、炎症およびアレルギー応答、転写、ならびに翻訳を含む下流の細胞活性と関連付ける(Cantley et al., Cell 64:281 (1991); Escobedo and Williams, Nature 335: 85 (1988); Fantl et al., Cell., 69: 413 (1992))。
多くの場合において、PIPおよびPIPは、ウイルスがん遺伝子v−Aktのヒト相同体の産物であるAktを、細胞膜へと動員し、そこで成長および生存にとって重要な多くの細胞内シグナル伝達経路の節点として作用する(Fantl et al., Cell 69:413-423(1992); Bader et al., Nature Rev. Cancer 5:921 (2005); Vivanco and Sawyer, Nature Rev. Cancer 2:489 (2002))。多くの場合にAkt活性化を介して生存を増加させるPI3Kの異常な調節は、ヒトがんにおいて最も一般的な事象の1つであり、複数のレベルにおいて生じることが示されている。イノシトール環の3’位でホスホイノシチドを脱リン酸化し、そうすることによってPI3K活性を拮抗する腫瘍抑制遺伝子のPTENは、様々な腫瘍において機能的に欠失している。他の腫瘍では、p110αアイソフォームであるPIK3CAの遺伝子、およびAktの遺伝子が増幅され、遺伝子産物のタンパク質発現が増加されることが、いくつかのヒトがんにおいて実証されている。
更に、p85−p110複合体を上方調節するように機能するp85αの突然変異および転位が、ヒトがんにおいて記載されている。最後に、下流シグナル伝達経路を活性化するPIK3CAにおける体細胞ミスセンス突然変異が、多種多様なヒトがんにおいて著しく頻繁に記載されている(Kang at el., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102:802 (2005); Samuels et al., Science 304:554 (2004); Samuels et al., Cancer Cell 7:561-573 (2005))。これらの観察は、ホスホイノシトール−3キナーゼ、ならびにこのシグナル伝達経路の上流および下流構成成分の調節解除が、ヒトのがんおよび増殖性疾患に関連する最も一般的な調節解除の1つであることを示している(Parsons et al., Nature 436:792 (2005); Hennessey at el., Nature Rev. Drug Disc. 4:988-1004 (2005))。
下記に提示されている式(III)の2−カルボキサミドシクロアミノ尿素誘導体は、有益な薬理学的特性を有すること、および例えばPI3K(ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ)を阻害することが見出された。特に、これらの化合物は、好ましくは、ベータ、および/またはデルタ、および/またはガンマサブタイプよりもPI3Kアルファに対して改善された選択性を示す。したがって式(III)の化合物は、例えば、PI3キナーゼに依存する疾患(特に、PI3Kアルファに依存する、例えば、PI3Kアルファの過剰発現もしくは増幅を示すもの、またはPIK3CAの体細胞突然変異を示すもの)、とりわけ腫瘍疾患および白血病などの増殖性疾患の治療における使用に適している。
更に、これらの組成物は、好ましくは改善された代謝安定性を示し、したがって低減されたクリアランスを示し、改善された薬物動態プロファイルをもたらす。
がん患者には多数の治療選択肢があるにもかかわらず、有効で安全な治療剤の必要性、および組み合わせ療法におけるそれらの優先的な使用の必要性が、依然として存在する。特に、がん、とりわけ現行の療法に対して抵抗性がある、および/または難治性であるがんを治療する有効な方法の必要性が存在する。
概要
第1の態様では、
(a)式(I)の構造を有する第1の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、
(b)式(II)の構造を有する第2の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と
を含む医薬組み合わせ物が、本明細書において提供される。
1つの実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(II)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、同じ製剤の中にある。
1つの実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(II)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、別々の製剤の中にある。
1つの実施形態において、第1の態様の組み合わせ物は、同時または順次投与のためのものである。
第1の態様の1つの実施形態において、医薬組み合わせ物は、式(III)の構造を有する第3の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を更に含む。
1つの実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、式(II)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(III)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、同じ製剤の中にある。
1つの実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、式(II)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(III)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、2つ以上の別々の製剤の中にある。
1つの実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、式(II)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(III)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、2または3つの別々の製剤の中にある。
1つの実施形態において、式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、式(II)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(III)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組み合わせ物は、同時または順次投与のためのものである。
上記に記載された医薬組み合わせ物の特定の実施形態において、第1の化合物は、式(I)の構造を有する化合物のコハク酸塩である。
第2の態様では、それを必要とする対象においてがんを治療または予防する方法であって、治療有効量の上記に記載された実施形態のいずれか1つに従って医薬組み合わせ物を対象に投与することを含む方法が、本明細書において提供される。
1つの実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、胃がん、腎細胞癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される。
特定の実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、マントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、ラブドイド腫瘍である。
特定の実施形態において、がんは、結腸直腸がんである。
第2の態様のある特定の実施形態において、がんは、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる。
第3の態様では、がんの治療または予防における使用のための上記に記載された医薬組み合わせ物が、本明細書において提供される。
第4の態様では、がんの治療または予防のための医薬の製造における使用のための上記に記載された医薬組み合わせ物が、本明細書において提供される。
第3および第4の態様のある実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される。
特定の実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、マントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、ラブドイド腫瘍である。
特定の実施形態において、がんは、結腸直腸がんである。
第3および第4の態様のある特定の実施形態において、がんは、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる。
第5の態様では、がんの治療または予防のための医薬の製造のための上記に記載された医薬組み合わせ物の使用が、本明細書において提供される。
第6の態様では、がんの治療または予防のための上記に記載された医薬組み合わせ物の使用が、本明細書において提供される。
第5および第6の態様の特定の実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される。
特定の実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、マントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、ラブドイド腫瘍である。
特定の実施形態において、がんは、結腸直腸がんである。
第5および第6の態様のある特定の実施形態において、がんは、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる。
第7の態様では、
(a)式(I)の構造を有する第1の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、
(b)式(II)の構造を有する第2の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と
を含む医薬組成物が、本明細書において提供される。
第7の態様の実施形態において、医薬組成物は、式(III)の構造を有する第3の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を更に含む。
1つの実施態様において、医薬組成物は1つまたは複数の添加剤を含む。
図1は、15個の結腸直腸がん細胞系における、LEE011、トラメチニブ、BYL719、およびこれらの組み合わせ物の用量応答曲線を示す。x軸は、log10の処理希釈を示し、y軸は、DMSOと比べた、処理後の細胞計数を示す。濃い破線(strong dashed line)は、処理開始前(「ベースライン」)の細胞数を示す。 図2は、15個の結腸直腸がん細胞系の24時間、48時間、および72時間後(異なるモノクロ階調)における、LEE011、トラメチニブ、BYL719、およびこれらの組み合わせ物の最大カスパーゼ3/7誘発を示す。x軸は、処理を示し、y軸は、各処理において見られた最大カスパーゼ3/7誘発(細胞の%)を示す。 図3は、15個の結腸直腸がん細胞系におけるLEE011、トラメチニブ、およびLEE011とトラメチニブの組み合わせ物の用量応答曲線を示す。x軸は、log10の処理希釈を示し、y軸は、DMSOと比べた、処理後の細胞計数を示す。濃い破線は、処理開始前(「ベースライン」)の細胞数を示す。 図4は、15個の結腸直腸がん細胞系の24時間、48時間、および72時間後(異なるモノクロ階調)における、LEE011、トラメチニブ、およびLEE011とトラメチニブの組み合わせ物の最大カスパーゼ3/7誘発を示す。x軸は、処理を示し、y軸は、各処理において見られた最大カスパーゼ3/7誘発(細胞の%)を示す。 図5aは、LEE011とトラメチニブの単剤および組み合わせ物による長期コロニー形成アッセイの後にクリスタルバイオレット染色した後の細胞の代表的な画像を示す。全ての系に、LEE011を3μMの用量で使用し、DLD−1およびSW−480には、トラメチニブを33nMの用量で使用し、HT−29には1.2nNの用量で使用した。 図5bは、条件毎に3回測定した図5aのクリスタルバイオレットシグナルの定量化(RFU=相対蛍光単位)を示し、全ての細胞系において、組み合わせ処理が、それぞれの単剤処理よりも有意に少ないシグナルを有することを示している(**p<0.01、***p<0.001、片側t検定)。
詳細な記載
阻害剤化合物
CDK4/6阻害剤の7−シクロペンチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸ジメチルアミド(「LEE011」または「リボシクリブ」としても公知である)は、本明細書において式(I)の構造を有する化合物、または化合物(I)と呼ばれる。
化合物(I)、およびその薬学的に許容される塩または溶媒和物は、国際公開第2010/020675号パンフレット(例えば、実施例74)に記載されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
MEK阻害剤のN−{3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)6,8−ジメチル−2,4,7−トリオキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−2H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル}アセトアミド(「トラメチニブ」としても公知である)は、本明細書において式(II)の構造を有する化合物または化合物(II)と呼ばれる。
化合物(II)、およびその薬学的に許容される塩または溶媒和物は、国際公開第2005/121142号パンフレット(例えば、実施例4−1)に記載されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
アルファ−アイソフォーム特異的PI3K阻害剤化合物の(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(「BYL719」または「アルペリシブ」としても公知である)は、本明細書において式(III)の構造を有する化合物、または化合物(III)と呼ばれる。
化合物(III)、およびその薬学的に許容される塩または溶媒和物は、国際出願第2010/029082号パンフレット(例えば、実施例15)に記載されている。この公報は、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。
塩および溶媒和物
本明細書に記載されている阻害剤化合物の塩は、単独で、または遊離塩基形態との混合物で存在することができ、好ましくは薬学的に許容される塩である。「薬学的に許容される塩」は、本明細書において使用されるとき、特に指示のない限り、本発明の化合物に存在しうる酸性および塩基性基の塩を含む。そのような塩は、例えば、塩基性窒素原子との反応によって、好ましくは有機または無機酸との酸付加塩として形成されうる。適切な無機酸は、例えば、塩酸、硫酸、またはリン酸などのハロゲン酸である。適切な有機酸は、例えば、フマル酸またはメタンスルホン酸などのカルボン酸またはスルホン酸である。単離または精製の目的には、薬学的に許容されない塩、例えば、ピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。
本明細書に記載されている医薬組み合わせ物の好ましい実施形態において、式(I)の構造を有する化合物は、コハク酸塩の形態である。
本明細書に記載されている医薬組み合わせ物の好ましい実施形態において、式(II)の構造を有する化合物は、ジメチルスルホキシド溶媒和物の形態である。ある実施形態において、式(II)の構造を有する化合物は、水和物、酢酸、エタノール、ニトロメタン、クロロベンゼン、1−ペンタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、および3−メチル−1−ブタノールから選択される溶媒和物の形態である。これらの溶媒和物は、国際公開第2005/121142号パンフレットまたは米国特許公開第2006/0014768号明細書の記載から当業者によって調製することができる。
本明細書に記載されている医薬組み合わせ物の好ましい実施形態において、式(III)の構造を有する化合物は、遊離塩基の形態である。
治療用途では、薬学的に許容される塩、溶媒和物、または遊離化合物(適用可能な場合では、医薬調製物の形態)のみが用いられており、したがって、これらが好ましい。遊離形態の化合物と、例えば新規化合物の精製または特定において中間体として使用することができる塩を含む、塩形態の化合物との密接な関係を考慮すると、本明細書以上および本明細書以下の遊離化合物への参照は、対応する塩も参照することが適切および適当であることが理解されるべきである。本明細書において考慮される塩は、好ましくは薬学的に許容される塩であり、適切な対イオン形成性の薬学的に許容される塩は、当該分野において公知である。
医薬組み合わせ物および組成物
組み合わせ物および組成物を、細胞または組織を含む系、ならびにヒト対象(例えば、患者)または動物対象に投与することができる。
本発明の組み合わせ物および組成物を、様々な剤形および強度により、薬学的に有効な量または臨床的に有効な量で投与することができる。
組み合わせ物の両方の構成成分を別々に投与する、または固定された組み合わせ物、例えば組み合わせ物を含む単一のガレノス組成物を投与する医薬組成物は、当該技術において公知の任意の方法で調製することができ、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経口または直腸内などの経腸および非経口投与に適したものである。
本明細書に記載されている医薬組成物は、約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%の治療剤を含有することができる。経腸または非経口投与のための組み合わせ療法に適した医薬組成物は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤もしくは坐剤、またはアンプル剤などの単位剤形のものである。別段に指示のない限り、これらはそれ自体公知の方法により、例えば、様々な従来の混合、微粉砕、直接圧縮、造粒、糖衣、溶解、凍結乾燥法、または当業者に容易に理解される製作技術によって調製される。それぞれの剤形の個別の用量に含有される組み合わせ相手の単位含有量は、必要な有効量が複数の投与単位の投与により達成されうるので、それ自体有効量を構成する必要がないことが理解される。
薬剤の組み合わせ物を含有する単位剤形、または薬剤の組み合わせ物における個別の薬剤は、カプセル、例えばゼラチンカプセル内に封入されたマイクロ錠剤の形態でありうる。これには、Pfizerから入手可能なCAPSUGELとして公知である硬質ゼラチンカプセルなどの、医薬製剤に用いられるゼラチンカプセルを使用することができる。
本発明の単位剤形は、医薬品に使用される追加の従来の担体または添加剤を任意に更に含むことができる。そのような担体の例には、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、安定剤、および充填剤、希釈剤、着色剤、香料、ならびに防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、日常的な実験により、過剰な負担を負うことなく、剤形の特定の望ましい特性に関して1つまたは複数の上述の担体を選択することができる。使用される各担体の量は、当該技術において慣用の範囲内で変わりうる。参照として全て本明細書に組み込まれる以下の参考文献は、経口剤形の製剤化に使用される技術および添加剤を開示している。The Handbook of Pharmaceutical Excipients, 4th edition, Rowe et al., Eds., American Pharmaceuticals Association (2003)、およびRemington: the Science and Practice of Pharmacy, 20thedition, Gennaro, Ed., Lippincott Williams & Wilkins (2003)を参照されたい。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される添加剤」または「薬学的に許容される担体」は、任意および全ての溶媒、分散媒体、被覆、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素など、ならびにこれらの組み合わせ物を含み、当業者には公知である(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329を参照されたい)。任意の従来の担体が活性成分と適合性がない場合を除いて、治療用または医薬組成物におけるその使用が考慮される。
これらの任意の追加の従来の担体は、1つまたは複数の従来の担体を、造粒の前もしくは間に最初の混合物に組み込むことによって、または1つまたは複数の従来の担体を、薬剤の組み合わせ物もしくは薬剤の組み合わせ物の個別の薬剤を含む顆粒と組み合わせることにより経口剤形にすることによって、経口剤形に組み込むことができる。後者の実施態様では、組み合わせた混合物を、例えばVブレンダーにより更にブレンドし、続いて錠剤、例えばモノリシック錠剤に圧縮もしくは成形する、カプセルによりカプセル化する、またはサッシュに充填することができる。
薬学的に許容される崩壊剤の例には、デンプン;粘土;セルロース;アルギン酸塩;ゴム;架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドンまたはクロスポビドン、例えばInternational Specialty Products(Wayne,NJ)からのPOLYPLASDONE XL;架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウム、例えばFMCからのAC−DI−SOL;架橋カルボキシメチルセルロースカルシウム;ダイズ多糖;およびグアーゴムが含まれるが、これらに限定されない。崩壊剤は、組成物の約0重量%〜約10重量%の量で存在することができる。1つの実施態様において、崩壊剤は、組成物の約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
薬学的に許容される結合剤の例には、デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば微晶質セルロース、例えばFMC(Philadelphia,PA)からのAVICEL PH、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびDow Chemical Corp.(Midland,MI)からのヒドロキシプロプルメチルセルロースのMETHOCEL;スクロース;デキストロース;トウモロコシシロップ;多糖;ならびにゼラチンが含まれるが、これらに限定されない。結合剤は、組成物の約0重量%〜約50重量%、例えば2〜20重量%の量で存在することができる。
薬学的に許容される滑沢剤および薬学的に許容される滑流動促進剤の例には、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、粉末セルロース、および微晶質セルロースが含まれるが、これらに限定されない。滑沢剤は、組成物の約0重量%〜約10重量%の量で存在することができる。1つの実施態様において、滑沢剤は、組成物の約0.1重量%〜約1.5重量%の量で存在することができる。滑流動促進剤は、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在することができる。
薬学的に許容される充填剤および薬学的に許容される希釈剤の例には、粉砂糖、圧縮糖、デキストラン、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微晶質セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロース、およびタルクが含まれるが、これらに限定されない。充填剤および/または希釈剤は、例えば、組成物の約0重量%〜約80重量%の量で存在することができる。
がんを治療するためのそれぞれの組み合わせ相手の最適投与量は、公知の方法を使用してそれぞれの個体のために経験的に決定することができ、疾患の進展の程度、個体の年齢、体重、身体全体の健康、性別および食事、投与の時間および経路、ならびに個体が服用している他の薬剤を含むが、これらに限定されない様々な要因によって左右される。最適投与量は、当該技術において周知である日常的な試験および手順を使用して確立することができる。
担体材料と組み合わせて単一剤形を生成することができるそれぞれの組み合わせ相手の量は、治療される個体および特定の投与様式に応じて変わる。一部の実施形態において、本明細書に記載されている薬剤の組み合わせ物を含有する単位剤形は、薬剤が単独で投与される場合に典型的に投与される量の、組み合わせ物におけるそれぞれの薬剤を含有する。
本発明の組み合わせ物に用いられるそれぞれの組み合わせ相手の有効投与量は、用いられる特定の化合物または医薬組成物、投与様式、治療される状態、および治療される状態の重篤度に応じて変わりうる。したがって、本明細書に記載されている組み合わせ物の投与量レジメンは、投与経路、ならびに患者の腎臓および肝臓機能を含む様々な要因によって選択される。
それぞれの組み合わせ相手の有効投与量は、組み合わせ物における他の化合物と比較して、1つの化合物のより頻繁な投与を必要とする場合がある。したがって、適切な投与を可能にするため、包装された医薬品は、化合物の組み合わせ物を含有する1つまたは複数の剤形と、化合物の組み合わせ物のうちの1つを含有するが、組み合わせの他の化合物を含有しない1つまたは複数の剤形とを含有することができる。
化合物(I)(「LEE011」または「リボシクリブ」)(非塩/非溶媒和化合物の重量に基づく)は、一般に、1日あたり10mg〜2000mgの範囲の用量でヒトに投与される。1つの実施形態において、LEE011は、600mgが1日に1回投与される。別の実施形態において、LEE011は、300mgが1日に1回投与される。別の実施形態において、LEE011は、900mgが1日に1回投与される。
本発明の組み合わせ物の一部としてヒトに投与される化合物(II)(「トラメチニブ」)(非塩/非溶媒和量の重量に基づく)は、1日あたり約0.125mg〜約10mgから選択される量であり、適切には、量は1日あたり約0.25mg〜約9mgから選択され、適切には、量は約0.25mg〜約8mgから選択され、適切には、量は1日あたり約0.5mg〜約8mgから選択され、適切には、量は1日あたり約0.5mg〜約7mgから選択され、適切には、量は1日あたり約1mg〜約5mgから選択され、適切には、量は1日あたり約2mgである。
化合物(III)(「BYL719」または「アルペリシブ」)は、約1〜6.5mg/kgの有効1日用量で成人または小児に経口投与されうる。化合物(III)は、単回用量により、または1日あたり4回までの分割用量により、約70mg〜455mg、例えば、約200〜400mg、または約240mg〜400mg、または約300mg〜400mg、または約350mg〜400mgの1日投与量で70kgの体重の成人に経口投与されうる。好ましくは、化合物(III)は、約350mg〜約400mgの1日投与量で70kgの体重の成人に投与される。
毒性を有することなく有効性を生じる本発明の組み合わせ物における組み合わせ相手(すなわち、化合物(I)、化合物(II)、および任意の化合物(III))の最適比、個別のおよび組み合わせた投与量、ならびに濃度は、標的部位へ治療剤利用能の動態学に基づいており、当業者に公知の方法を使用して決定される。
投与の頻度は、使用される化合物、および治療または予防される特定の状態に応じて変わりうる。一般に、有効な療法を提供するのに十分な最小投与量の使用が好ましい。治療または予防される状態に適したアッセイを使用して、治療有効性について患者を一般にモニターすることができ、このことは当業者に熟知されている。
ある態様において、本明細書に記載されている医薬組み合わせ物は、がんの治療もしくは予防、またはがんの治療もしくは予防のための医薬の調製に有用である。特定の実施形態において、本明細書に記載されている医薬組み合わせ物は、がんの治療、またはがんの治療のための医薬の調製に有用である。
ある態様では、がんを治療または予防する(例えば、がんの治療のため)方法であって、薬学的有効量の本明細書に記載されている医薬組み合わせ物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。がんの性質は多因子性である。特定の状況下では、異なる作用機構を有する薬物を組み合わせることができる。しかし、異なる作用様式を有する治療剤の任意の組み合わせを考慮するだけでは、有利な効果を有する組み合わせ物をもたらすとは限らない。
1つの実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、胃がん、腎細胞癌、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される。
特定の実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、マントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、ラブドイド腫瘍である。
特定の実施形態において、がんは、結腸直腸がんである。
第2の態様のある特定の実施形態において、がんは、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる。
第3の態様では、がんの治療または予防における使用のための上記に記載された医薬組み合わせ物が、本明細書において提供される。
第4の態様では、がんの治療または予防のための医薬の製造における使用のための上記に記載された医薬組み合わせ物が、本明細書において提供される。
第3および第4の態様のある実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される。
特定の実施形態において、がんは、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、マントル細胞リンパ腫である。
特定の実施形態において、がんは、ラブドイド腫瘍である。
特定の実施形態において、がんは、結腸直腸がんである。
本明細書に記載の医薬組み合わせ物の投与は、有益な効果、例えば、症状の緩和、症状の進行の遅延、または症状の抑制に関する、例えば相乗的な治療効果のみならず、本発明の組み合わせ物に使用される薬学的治療剤の1つのみを適用する単剤療法と比較して、更に驚くべき有益な効果、例えば、少ない副作用、より長続きする応答、改善された生活の質、または罹患率の減少をもたらすこともできる。
更なる利益は、例えば、多くの場合に投与量が少量でありうるのはもちろん、少ない頻度でも適用されうるように、低い用量の治療剤の本明細書に記載の医薬組み合わせ物を使用できること、または組み合わせ相手の1つの単独により観察される副作用の発生を減らすために使用できることである。このことは、治療される患者の希望および要求に合致している。
本明細書に記載の医薬組み合わせ物が本明細書に記載された有益な効果をもたらすことは、確立された試験モデルによって示すことができる。当業者は、そのような有益な効果を実証するために、関連した試験モデルを選択することが十分に可能である。本発明の組み合わせ物の薬理学的活性は、例えば、臨床研究または動物モデルによって実証することができる。
1つまたは複数の成分の相乗的相互作用を決定するためには、効果におけるそれぞれの構成成分の最適な効果範囲および絶対用量範囲を、治療を必要とする患者への異なるw/w比範囲および用量にわたる構成成分の投与により明確に測定することができる。ヒトでは、患者において臨床研究を実施する複雑さ、および費用が、相乗作用の一次モデルとしてのこの試験形態の使用を実用的でなくすることがある。しかし、特定の実験(例えば、実施例1および2を参照されたい)において相乗作用を観察することによって、他の種および存在する動物モデルにおける効果を予測することができ、相乗効果を更に測定することができる。そのような研究の結果を使用して、有効用量比の範囲、ならびに絶対用量および血漿濃度を予測することもできる。
1つの実施形態では、本明細書において提供される組み合わせ物、および/または組成物は、相乗効果を示す。
1つの実施形態では、ヒトへの投与のための相乗作用組み合わせ物が本明細書において提供され、この組み合わせ物は、本発明に記載されている阻害剤を含み、各阻害剤の用量範囲は、適切な腫瘍モデルまたは臨床研究において示唆された相乗作用範囲に相当する。
本発明の組み合わせ物に用いられる組み合わせ相手が、単剤として市販されている形態に適用されるとき、これらの投与量および投与様式は、本明細書に別段の記載がない場合は、それぞれの市販薬の添付文書に提供されている情報に従うことができる。
定義
本明細書において使用される特定の用語が、下記に記載される。化合物は、標準的な命名法の使用により記載される。別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本開示が属する当業者により一般的に理解される意味を有する。
用語「医薬組成物」は、哺乳動物またはヒトが冒されている特定の疾患または状態を予防または治療するため、対象に、例えば哺乳動物またはヒトに投与される、少なくとも1つの治療剤を含有する混合物または溶液を指すことが本明細書において定義される。
用語「薬学的に許容される」は、本明細書において定義され、健全な医療判断の範囲内において、妥当な利益/危険比に見合うように、過剰な毒性、刺激アレルギー応答、および他の問題のある合併症を有することなく、対象、例えば哺乳動物またはヒトの組織との接触に適している化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
用語「治療する」または「治療」は、本明細書において使用されるとき、対象の少なくとも1つの症状を軽減、低減、もしくは緩和する、または疾患の進行を遅延させる治療を含む。例えば、治療は、障害の1つ、もしくはいつかの症状の減少、またはがんなどの障害の完全な消滅でありうる。本開示の意味の範囲内において、用語「治療する」は、発症を阻止すること、遅延すること(すなわち、疾患の臨床症状前の期間)、および/または疾患が発生もしくは悪化する危険性を低減することも意味する。用語「予防する」、「予防すること」、または「予防」は、本明細書において使用されるとき、予防される状態、疾患、または障害に関連する、または起因する少なくとも1つの症状を予防することを含む。
用語、治療剤の組み合わせ物の「薬学的有効量」または「臨床有効量」は、組み合わせ物により治療される障害のベースラインの臨床的に観察可能な兆候および症状に対して、観察可能な改善をもたらすのに十分な量である。
用語「組み合わせ物」、「治療的組み合わせ物」、または「医薬組み合わせ物」は、本明細書において使用されるとき、1つの単位剤形の固定された組み合わせ物、もしくは固定されていない組み合わせ物、または2つ以上の治療剤が、同時に、もしくはある時間間隔の範囲内で、とりわけこの時間間隔が、組み合わせ相手が協調的な、例えば相乗的な効果を示すことを可能にする範囲内で別々に、独立して投与されうる組み合わせ投与のためのキットの一部を指す。
用語「組み合わせ療法」は、本開示に記載されている治療状態または障害を治療する、2つ以上の治療剤の投与を指す。そのような投与は、活性成分の固定比を有する単一製剤、または各活性成分が別々の製剤(例えば、カプセル剤、および/もしくは静注製剤)などの、実質的に同時の方法によるこれらの治療剤の共投与を包含する。加えて、そのような投与は、ほぼ同時または異なる時点での、順次的な、または別々の方法による、それぞれの種類の治療剤の使用も包含する。活性成分が単一製剤または別々の製剤で投与されるかにかかわらず、治療剤は、同じ治療過程の一部として同じ患者に投与される。いずれの場合においても、治療レジメンは、本明細書に記載されている状態または障害の治療に有益な効果を提供する。
用語「相乗効果」は、本明細書において使用されるとき、例えば、CDK阻害剤の化合物(I)、およびMEK阻害剤の化合物(II)、ならびに任意のPI3K阻害剤の化合物(III)などの2つの治療剤の効果を生じる作用、例えば、増殖性疾患、特にがん、またはその症状の症候性進行を緩徐する作用を指し、これは、治療剤単独をそれぞれ投与した効果を単に加算したものより大きい。相乗効果は、例えば、Sigmoid−Emax方程式(Holford, N. H. G. and Scheiner, L. B., Clin. Pharmacokinet. 6: 429-453 (1981))、Loewe加算方程式(Loewe, S. and Muischnek, H., Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114: 313-326 (1926))、および半有効方程式(Chou, T. C. and Talalay, P., Adv. Enzyme Regul. 22: 27-55 (1984))などの適切な方法を使用して計算することができる。上記に参照されたそれぞれの方程式を実験データに適用して、薬物組み合わせ物の効果を評価するのに役立つ対応するグラフを生成することができる。上記に参照された方程式に関連した対応するグラフは、それぞれ、濃度効果曲線、アイソボログラム曲線、および組み合わせ指数曲線(combination index curve)である。
用語「対象」または「患者」は、本明細書において使用されるとき、がん、またはがんに直接的もしくは間接的に関与する任意の障害を患う、または罹患する可能性がある動物を含む。対象の例としては、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、および遺伝子導入非ヒト動物が挙げられる。好ましい実施形態において、対象は、ヒト、例えば、がんを患っている、患う危険性のある、または患う潜在的な可能性があるヒトである。
用語「固定された組み合わせ物」および「固定用量」、および「単一製剤」は、本明細書において使用されるとき、2つ以上の治療剤の、がんの治療に共同で治療的に有効な量を患者に送達するように製剤化された単一の担体もしくはビヒクル、または剤形を指す。単一ビヒクルは、それぞれの薬剤の量を、任意の薬学的に許容される担体または添加剤と共に送達するように設計される。一部の実施形態において、ビヒクルは、錠剤、カプセル剤、丸剤、またはパッチ剤である。他の実施形態において、ビヒクルは、溶液剤または懸濁剤である。
用語「固定化されていない組み合わせ物」、「キットの一部」、および「別々の製剤」は、活性成分、例えばLEE011およびトラメチニブが、両方とも別々の実体として、特定の時間制限なしで同時に、同時発生的に、または順次に患者に投与されることを意味し、そのような投与は、2つの化合物の治療効果レベルを、それを必要とする温血動物の身体にもたらす。後者は、カクテル療法、例えば3つ以上の活性成分の投与にも当てはまる。
用語「単位用量」は、治療される患者に、1つの剤形により2つまたは3つの薬剤を一緒に同時投与することを意味するために、本明細書において使用される。一部の実施形態において、単位用量は単一製剤である。ある特定の実施形態において、単位用量は、各ビヒクルが有効量の少なくとも1つの薬剤を薬学的に許容される担体および添加剤と共に含むように、1つまたは複数のビヒクルを含む。一部の実施形態において、単位用量は、患者に同時に投与される、1つまたは複数の錠剤、カプセル剤、丸剤、注射剤、注入剤、パッチ剤などである。
「経口剤形」は、経口投与用に処方または意図された単位投与量形態を含む。
用語「含む(comprising)」および「含む(including)」は、特に示されない限り、開放型の非限定的な意味において本明細書に使用される。
本発明を記載する文脈における(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」および「an」および「the」、ならびに同様の参照は、本明細書において特に指示のない限り、または文脈により明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。複数形態が化合物、塩などに使用される場合、これは、単一の化合物、塩なども意味すると解釈される。
用語「約」または「およそ」は、所定の値または範囲の10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。
材料および方法
化合物を100%DMSO(Sigma、カタログ番号D2650)に20mMの濃度で溶解し、使用するまで−20℃で保存した。化合物を薬物マスタープレート(drug master plate)(Greiner、カタログ番号788876)に配列し、2000×濃度で3倍に連続希釈(7ステップ)した。
この研究に使用される結腸直腸がん細胞系を、商業的供給者のATCC、CellBank Australia、DMSZ、ECACCおよびHSRRB(表1)から得て、培養し、処理した。全ての細胞系の培地には、10%FBS(HyClone、カタログ番号SH30071.03)を補充した。LIM2551の培地には、0.6μg/mLのインスリン(SIGMA、カタログ番号I9278)、1μg/mLのヒドロコルチゾン(SIGMA、カタログ番号H0135)、および10μMの1−チオグリセロール(SIGMA、カタログ番号M6145)を追加的に補充した。
細胞系を、37℃および5%COのインキュベーターで培養し、T−75フラスコで拡大させた。全ての場合において、細胞は、凍結貯蔵物から解凍し、1:3希釈を使用して≧1継代で拡大させ、平板培養する前に、ViCell計数器(Beckman−Coulter)を使用して計数し、生存度について評価した。細胞系を分裂および拡大させるため、細胞を、0.25%トリプシン−EDTA(GIBCO、カタログ番号25200)を使用してフラスコから取り出した。Idexx Radil(Columbia,MO,USA)により実施されたPCR検出方法により決定され、SNPパネルの検出によって正確に確認されたように、全ての細胞系には、マイコプラズマ汚染がないことが決定された。
以前に記載された方法(Horn, Sandmann et al. 2011)を適用し、RのBioconductorパッケージEBImage(Pau, Fuchs et al. 2010)を使用した後、画像を分析した。両方のチャンネルにおける対象物、DAPI(Hoechst/DNAの)およびFITC(カスパーゼ3/7の)を適応閾値化により別々にセグメント化し、計数した。カスパーゼ3/7陽性対象物の閾値は、陰性対照(DMSO)と陽性対照(スタウロスポリン)とを比較した後、細胞系1つ毎に手作業により確定した。DNAチャンネルにおいて対象物/核の17の追加的特徴(形状および強度特徴)を分析することによって、細片/断片化核を確認した。このため、細胞系1つ毎に、陽性対照(スタウロスポリン)および陰性対照(DMSO)の追加的な特徴の分布を、手作業により比較した。条件によって差が生じうる特徴(例えば、DMSOとスタウロスポリンとを比較した特徴測定分布におけるシフト)を、「生存」核の集団に対して「細片」集団を確定するために使用した。細片計数を、生の核計数から差し引いた。得られた核の数を細胞増殖の測度(「細胞計数」)として使用した。
細胞増殖に対する化合物の効果を、陰性対照(DMSO)の細胞計数に対する処理細胞計数から計算し、図1および図3では、y軸に「正規化細胞計数」(=「xnorm」)と示されている。相乗的組み合わせ物は、帰無仮説の最高単剤モデル(HSA)(Berenbaum 1989)を使用して確認した。HSAモデルにおける超過は、阻害標的間の機能的な繋がりを予測する(Lehar, Zimmermann et al. 2007, Lehar, Krueger et al. 2009)。モデルの入力は、薬物用量毎の阻害値である。
I=1−xnorm
I:阻害
xnorm:正規化細胞計数(3回の複製の中央値)
組み合わせ処理の全ての用量点において、組み合わせ物の阻害と、2つの単剤のより強力な方の阻害との差を計算した(=残差モデル)。高い阻害での組み合わせ効果が好ましいので、残差には、同じ用量点で観察された阻害を加重した。薬物組み合わせ物の全体的な組み合わせスコアCは、全ての濃度の加重残差の合計である。
C=Σ濃度(Iデータ (Iデータ−Iモデル))
データ:測定阻害値
モデル:HSA帰無仮説による阻害値
堅牢な組み合わせzスコア(z)を、処理の組み合わせスコアCと、非相互作用組み合わせ物の絶対偏差の中央値(mad)との比として計算した。
=C/mad(Cゼロ
ゼロ:非相互作用組み合わせ物の組み合わせスコア
は、組み合わせ物の強さの指標である。
≧3:相乗作用
3>z≧2:弱い相乗作用
<2:相乗作用なし
IC50は、DMSOに対して50%の細胞計数をもたらす化合物濃度である。IC50の計算(表2および表3を参照されたい)は、RのDRCパッケージ(Ritz and Streibig 2005)を使用し、データに4パラメーター対数ロジスティック関数を当てはめて行った。
アポトーシスに対する化合物の効果は、生の細胞計数(細片を差し引く前)と比べた、処理および時点毎の活性化カスパーゼ3/7を有する細胞のパーセンテージを計算することによって決定した(図2および図4のy軸)。実験的に測定しなかった時点の細胞計数は、0日目および処理の最終日に対数変換細胞計数を線形モデルに当てはめる(指数細胞成長を推定する)回帰分析によって得た。
コロニー形成アッセイ(図5a)では、細胞を12ウェル組織培養処理プレート(Costar、カタログ番号3513)において1mLの培地で平板培養し、DLD−1では1000細胞/ウェルであり、SW−480では1500細胞/ウェルであり、HT−29では2,500細胞/ウェルであった。化合物を添加する前に、細胞を24時間成長させ、処理は、HP D300 Digital Dispenser(Tecan)を使用して、最大14日間まで、72時間毎に新しく(新たな培地に)した。処理の終了時に、細胞をPBSで1回洗浄し、固定し、4%PFA(Electron Microscopy Sciences、カタログ番号15714)および2mg/mLのCrystal Violet(EMD、カタログ番号192−12)を含有する溶液を使用して室温で30分間染色し、水で3回洗浄した。プレートを一晩乾燥させ、Odyssee画像装置(Licor)を使用して走査した。ImageStudioソフトウエア(Licor)を使用して、図5aにおいてクリスタルバイオレットシグナルを定量化した。
実施例1:結腸直腸がん細胞(CRC)系におけるCDK4/6阻害剤のLEE011(「リボシクリブ」としても公知である)を、MEK阻害剤のトラメチニブおよびPIK3CA阻害剤のBYL719(「アルペリシブ」としても公知である)と組み合わせることの増殖に対するインビトロ効果
細胞増殖に対するLEE011、トラメチニブ、およびBYL719の組み合わせ物の効果を試験するため、細胞を、透明底を有する黒色384ウェルマイクロプレート(Matrix/Thermo Scientific、カタログ番号4332)において、ウェル1つあたり50μLの培地に500〜1250細胞/ウェルの細胞密度(表1)で平板培養し、37度、5%COで24時間インキュベートした。24時間後、細胞系1つあたり1つの384ウェルプレートを、処理を受けることなく(=「ベースライン」)、顕微鏡検査法による細胞計数のために調製した(下記を参照されたい)。他の細胞プレートは、ATS音響液体分配器(acoustic liquid dispenser)(ECD Biosystems)の使用により薬物マスタープレートから25nLの2000×化合物を移し、最終1×濃度をもたらすことによって処理した。BYL719を13nM〜10μMの最終濃度範囲で使用し、LEE011を13nM〜10μMの最終濃度範囲で使用し、トラメチニブを0.4nM〜0.3μMの最終濃度で使用した(1:3希釈の7段階)。三種組み合わせ物の効果を評価するため、個別の化合物の全て、3つの対組み合わせ物の全て、および三種組み合わせ物を、同じ実験で試験した。対組み合わせ物および三種組み合わせ物を、それぞれの希釈において1:1(薬物対の)および1:1:1(三種薬物の)の固定比で試験し、処理毎に7つの組み合わせ条件をもたらした。加えて、陰性対照(DMSO=「ビヒクル」)および陽性対照(スタウロスポリン=細胞死滅、16nM〜1μMの用量範囲の7ポイント1:2希釈系列)を、処理対照として移し、試験細胞系に有効性のない化合物をBYL719およびLEE011と組み合わせて、組み合わせ対照(より有効な単剤の有効性を超えない組み合わせ物=「非相互作用」組み合わせ物)として使用した。化合物を添加した後、50nLの2mM CellEvent カスパーゼ3/7緑色検出試薬(ThermoFisher、カタログ番号C10423)を、HP D300 Digital Dispenser(Tecan)の使用により3回の複製のうちの1回に加えた。カスパーゼ3/7誘発を、処理により誘発されるアポトーシスの代理として測定した。細胞を倍加時間に応じて72時間から96時間処理し(表1)、カスパーゼ3/7活性化を、4×対物レンズおよびFITC励起/発光フィルターを備えたInCell Analyzer 2000(GE Healthcare)を使用して、顕微鏡検査法により24時間毎に測定した。処理の最後に、細胞を顕微鏡検査法による細胞計数のために調製した。細胞を、PBS(Boston Bioproducts、カタログ番号BM−220)中の4%PFA(Electron Microscopy Sciences、カタログ番号15714)、0.12%TX−100(Electron Microscopy Sciences、カタログ番号22140)において、45分間にわたって固定および透過処理した。細胞をPBSで3回洗浄した後、それらのDNAをHoechst 33342(ThermoFisher、カタログ番号H3570)により最終濃度4μg/mLで30分間染色した。細胞をPBSで3回洗浄し、次にプレートをPlateLoc(Agilent Technologies)の使用によりアルミニウムシール(Agilent Technologies、カタログ番号 06644−001)でヒートシールし、画像化するまで4℃で保存した。全ての細胞では、ウェル/処理毎に4×対物レンズおよびDAPI励起/発光フィルターを備えたInCell Analyzer 2000(GE Healthcare)を使用する蛍光顕微鏡検査法により単一画像を撮った。
PIK3CA阻害剤のBYL719、CDK4/6阻害剤のLEE011、およびMEK阻害剤のトラメチニブの有効性を、合計で15個の結腸直腸がん細胞系において、個別および組み合わせにより評価した。細胞系は、KRAS、BRAF、および/もしくはPIK3CAの突然変異株、または3つの遺伝子全ての野生型であった(表1)。BYL719およびLEE011は、大部分がマイクロモルIC50値を示し、試験した細胞系においてはLEE011の方が効力があった。BYL719は15個の細胞系のうちわずか7個においてIC50に達し、一方、LEE011は、15個の細胞系のうち13個においてIC50に達した。トラメチニブは、3個の細胞系(GP2d、COLO−320、およびOUMS−23)を除いて全ての細胞系において、ナノモルからマイクロモル未満のIC50を示した(図1および表2)。三種組み合わせ物(LEE011+トラメチニブ+BYL719)は、15個の細胞系のうち10個において、異なる強度で薬物対よりも相乗的阻害(HSAモデルに従って)を引き起こし、15個の細胞系のうち3個において弱い相乗的阻害も引き起こした(表2)。三種組み合わせ物は、対組み合わせ物と比較してより強くアポトーシスを誘発していない(カスパーゼ3/7誘発の測定により評価した)(図2)。まとめると、CRCにおけるPIK3CA、CDK4/6、およびMEKを組み合わせた阻害は、それぞれの単剤と比較して改善された応答が可能である有効な治療様式を提供し、臨床においてより長続きする応答をもたらすことができる。
実施例2:結腸直腸がん細胞(CRC)系におけるCDK4/6阻害剤のLEE011を、MEK阻害剤のトラメチニブと組み合わせることの増殖に対するインビトロ効果
細胞増殖に対するLEE011およびトラメチニブの組み合わせ物の効果を試験するため、細胞を、透明底を有する黒色384ウェルマイクロプレート(Matrix/Thermo Scientific、カタログ番号4332)において、ウェル1つあたり50μLの培地に500〜1250細胞/ウェルの細胞密度(表1)で平板培養し、37度、5%COで24時間インキュベートした。24時間後、細胞系1つあたり1つの384ウェルプレートを、処理を受けることなく(=「ベースライン」)、顕微鏡検査法による細胞計数のために調製した(下記を参照されたい)。他の細胞プレートは、ATS音響液体分配器(acoustic liquid dispenser)(ECD Biosystems)の使用により薬物マスタープレート(drug master plate)から25nLの2000×化合物を移し、最終1×濃度をもたらすことによって処理した。LEE011を13nM〜10μMの最終濃度範囲で使用し、トラメチニブを0.4nM〜0.3μMの最終濃度範囲で使用した(1:3希釈の7段階)。LEE011とトラメチニブの組み合わせ物では、単剤をそれぞれの希釈において1:1の固定比で組み合わせて、7つの組み合わせ処理をもたらした。加えて、陰性対照(DMSO=「ビヒクル」)および陽性対照(スタウロスポリン=細胞死滅、16nM〜1μMの用量範囲の7ポイント1:2希釈系列)を、処理対照として移し、試験細胞系に有効性のない化合物をLEE011およびトラメチニブと組み合わせて、組み合わせ対照(より有効な単剤の有効性を超えない組み合わせ物=「非相互作用」組み合わせ物)として使用した。化合物を添加した後、50nlの2mM CellEventカスパーゼ3/7緑色検出試薬(ThermoFisher、カタログ番号C10423)を、HP D300 Digital Dispenser(Tecan)の使用により3回の複製のうちの1回に加えた。カスパーゼ3/7誘発を、処理により誘発されるアポトーシスの代理として測定した。細胞を倍加時間に応じて72時間から96時間処理し(表1)、カスパーゼ3/7活性化を、4×対物レンズおよびFITC励起/発光フィルターを備えたInCell Analyzer 2000(GE Healthcare)を使用して、顕微鏡検査法により24時間毎に測定した。処理の最後に、細胞を顕微鏡検査法による細胞計数のために調製した。細胞を、PBS(Boston Bioproducts、カタログ番号BM−220)中の4%PFA(Electron Microscopy Sciences、カタログ番号15714)、0.12%TX−100(Electron Microscopy Sciences、カタログ番号22140)において、45分間にわたって固定および透過処理した。細胞をPBSで3回洗浄した後、それらのDNAをHoechst 33342(ThermoFisher、カタログ番号H3570)により最終濃度4μg/mLで30分間染色した。細胞をPBSで3回洗浄し、次にプレートをPlateLoc(Agilent Technologies)の使用によりアルミニウムシール(Agilent Technologies、カタログ番号 06644−001)でヒートシールし、画像化するまで4℃で保存した。全ての細胞では、ウェル/処理毎に4×対物レンズおよびDAPI励起/発光フィルターを備えたInCell Analyzer 2000(GE Healthcare)を使用する蛍光顕微鏡検査法により単一画像を撮った。
CDK4/6阻害剤のLEE011、およびMEK阻害剤のトラメチニブの有効性を、合計で15個の結腸直腸がん細胞系において、個別および組み合わせにより評価した。細胞系は、KRAS、BRAF、および/もしくはPIK3CAの突然変異株、または3個の遺伝子全ての野生型であった(表1)。LEE011は、単剤として、マイクロモル未満からマイクロモルのIC50値により、2個の細胞系(SW837およびOUMS−23)を除いて全ての細胞系の成長を阻害した(図3および表3)。トラメチニブは、単剤として、ナノモルからマイクロモル未満のIC50値により、3個の細胞系(GP2d、COLO−320、およびOUMS−23)を除いて全ての細胞系の成長を強力に阻害した(図3および表3)。組み合わせ処理は、試験した15個の細胞系のうち13個の系において、異なる強度で相乗的阻害を(HSAモデルに従って)引き起こした(表3)。KRASおよびPIK3CAの突然変異株、またはKRASの突然変異株の細胞系が、組み合わせ物によって最大の利益を受けた(表3)。組み合わせ物は、単剤と比較してより強くアポトーシスを誘発せず(カスパーゼ3/7誘発の測定により評価した)、これは、CDK4/6の阻害後に誘発された細胞周期停止の結果でありうる(図4)。2個のKRAS突然変異系(DLD−1およびSW480)、ならびに1個のBRAF突然変異系(HT−29)の長期コロニー形成アッセイは、組み合わせ物が、それぞれの単剤と比較して有意に良好な有効性を提供することを示した(図5aおよび図5b)。まとめると、CRCにおけるCDK4/6およびMEKを組み合わせた阻害は、それぞれの単剤と比較して改善された応答が可能である有効な治療様式を提供し、臨床においてより長続きする応答をもたらすことができる。

Claims (35)

  1. (a)式(I)の構造を有する第1の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、
    (b)式(II)の構造を有する第2の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と
    を含む、医薬組み合わせ物。
  2. 式(I)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(II)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、同じ製剤の中にある、請求項1に記載の医薬組み合わせ物。
  3. 式(I)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(II)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、別々の製剤の中にある、請求項1に記載の医薬組み合わせ物。
  4. 同時または順次投与のためのものである、請求項1に記載の医薬組み合わせ物。
  5. 式(III)の構造を有する第3の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物
    を更に含む、請求項1に記載の医薬組み合わせ物。
  6. 式(I)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、式(II)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(III)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和が、同じ製剤の中にある、請求項5に記載の医薬組み合わせ物。
  7. 式(I)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、式(II)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、および式(III)の構造を有する前記化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和が、2または3つの別々の製剤の中にある、請求項5に記載の医薬組み合わせ物。
  8. 同時または順次投与のためのものである、請求項5に記載の医薬組み合わせ物。
  9. 前記第1の化合物が、式(I)の構造を有する前記化合物のコハク酸塩である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物。
  10. それを必要とする対象においてがんを治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物を前記対象に投与することを含む、方法。
  11. 前記がんが、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記がんが、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記がんがマントル細胞リンパ腫である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記がんがラブドイド腫瘍である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記がんが結腸直腸がんである、請求項11に記載の方法。
  16. 前記がんが、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. がんの治療または予防における使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物。
  18. がんの治療または予防のための医薬の製造における使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物。
  19. 前記がんが、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される、請求項17または18に記載の医薬組み合わせ物。
  20. 前記がんが、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項19に記載の医薬組み合わせ物。
  21. 前記がんがマントル細胞リンパ腫である、請求項19に記載の医薬組み合わせ物。
  22. 前記がんがラブドイド腫瘍である、請求項19に記載の医薬組み合わせ物。
  23. 前記がんが結腸直腸がんである、請求項19に記載の医薬組み合わせ物。
  24. 前記がんが、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる、請求項17から23のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物。
  25. がんの治療または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物の使用。
  26. がんの治療または予防のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組み合わせ物の使用。
  27. 前記がんが、膵がん、乳がん、マントル細胞リンパ腫、非小細胞肺がん、黒色腫、結腸直腸がん、食道がん、脂肪肉腫、多発性骨髄腫、T細胞白血病、腎細胞癌、胃がん、神経膠芽腫、肝細胞癌、肺がん、およびラブドイド腫瘍からなる群から選択される、請求項25または26に記載の使用。
  28. 前記がんが、膵がん、乳がん、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項27に記載の使用。
  29. 前記がんがマントル細胞リンパ腫である、請求項27に記載の使用。
  30. 前記がんがラブドイド腫瘍である、請求項27に記載の使用
  31. 前記がんが結腸直腸がんである、請求項27に記載の使用。
  32. 前記がんが、PIK3CA突然変異、および/またはPIK3CA過剰発現により特徴付けられる、請求項27から32のいずれか一項に記載の使用。
  33. (a)式(I)の構造を有する第1の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、
    (b)式(II)の構造を有する第2の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と
    を含む、医薬組成物。
  34. 式(III)の構造を有する第3の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物
    を更に含む、請求項33に記載の医薬組成物。
  35. 1つまたは複数の添加剤を更に含む、請求項33または34に記載の医薬組成物。
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