JP2018523068A - リングシール - Google Patents

Abstract

Ｏリングシールは、エラストマー-のコア（１）と、コアを包囲する被覆とからなり、その被覆は好ましくは２つのシェル形状のサーモプラスティックコーティングされたＰＴＦＥ箔（３、４）からなる。箔の重なり領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）内で、これらの箔は、その熱可塑性のコーティングがレーザー透過溶接方法で互いに溶接されることによって、互いに密閉するように結合されている。被覆は、エラストマーのコア（２）とは結合されていない。
【選択図】図２

Description

本発明は、リング形状のエラストマーのコアを有するリングシール、特にＯリングシールに関する。

従来のエラストマーの使用ができない、Ｏリングの無数の適用が存在する。腐食性の化学薬品又は極端な温度は、従来のＯリングを破壊してしまうことがあり、故障又は漏れをもたらすことがあり得る。この種の負荷の場合において、Ｏリングは、化学薬品と熱に耐える、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）で被覆され、あるいは完全にＰＴＦＥから形成されている。しかし、ＰＴＦＥ−Ｏリングは、エラストマーＯリングよりも硬く、かつ弾性的ではない。したがってそれは弾性的に戻ることはなく、それによってより高い圧接圧を必要とし、その圧接圧には、リングにスリットを設けることによってある程度対処することができる。代替的に過フルオロエラストマー（ＦＦＫＭ）も使用することができ、それは、ＰＴＦＥのポジティブな特性をフッ化ゴム（ＦＫＭ）の弾性的な挙動と組み合わせている。しかし、過フルオロエラストマーの値段は比較的高いので、完全に過フルオロエラストマーから形成されたＯリングは、他の材料がもはや要請を満たすことができず、安全技術の視点がより高いコストを正当化する場合にのみ、使用される。過フルオロエラストマーの典型的な使用分野は、たとえば化学工業、石油及び半導体工業、高真空技術並びに航空及び宇宙飛行である（カタログ”O-Ringe” von Dichtomatik,３．６．３版）。

比較的弾性的でないＰＴＦＥシールリングのための他の代替案は、弾性的なコアをＦＥＰ又はＰＦＡで被覆したＯリングである。ＦＥＰは、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンの略称であって、ＰＴＦＥと似た特性、特に高い化学的耐性と良好な摩擦挙動を有している。ＰＴＦＥとは異なり、ＦＥＰは熱可塑的に変形可能である。ＰＦＡは、過フルオロアルコキシアルカンの略であって、同様にＰＴＦＥに極めて類似した特性を有している。これも同様に熱可塑的に加工される。リング状のコアのための材料として、ここでは規則的にフッ化ゴム（ＦＫＭ）、シリコンゴム（ＶＭＱ）、エチレンプロピレンジエンゴム又は他の従来のエラストマーが考えられる。コアのＦＥＰ又はＰＦＡ被覆は、射出成形プロセスにおいて継目なしで形成され、すなわちエラストマーインナーリングは挿入部品として射出工具内へ挿入されて、その後ＦＥＰ又はＰＦＡで射出被覆される。ＦＥＰ又はＰＦＡ被覆されたＯリングの典型的な使用分野は、化学工業、石油化学、医療技術、食品産業、水及び排水技術並びに、たとえばアーマチュアスピンドルをカバーするため、あるは滑りリングシール用の二次シール部材としての、類似の工業領域である。それらは圧倒的に静的なシールとして、あるいは低速の切り替え及び回転運動用のシール部材として使用される（Trelleborg Sealing Solutions社のカタログ”O-Ringe und Stuetzringe”、２０１２年４月号）。

それに対する代替案として、ＰＴＦＥ被覆されたＯリングが存在し、それは、溶融されたＰＴＦＥコンパウンドから形成されたＰＴＦＥコーティングを有し、あるいは大体において薄皮箔から形成される、ＰＴＦＥ被覆をもって、提供可能である。ＰＴＦＥコーティングされたＯリングは、外皮が急速にすり切れてしまい、したがって被覆は腐食性の化学薬品に対する充分な保護を提供しない、という欠点を有している。それに対してＰＴＦＥで包装されたＯリングは、包装の構造が化学薬品の侵入を許す、という欠点がある。というのは、ＰＴＦＥ包装は、突き合わせ継目を有する、あるいは互いに重ね合わせた端縁領域を有する、開放した被覆として形成されているからである。したがって使用中に、突き合わせ継目又は重なり合った端部が、分離すべき媒体の対向する側に配置されるか、あるいは少なくとも媒体の作用方向とは逆に向けられる。ＦＥＰ及びＰＦＡとは異なり、ＰＴＦＥは熱可塑性材料ではなく、焼結された粉末であり、その粉末からチューブ材料は形成することはできない。というのは製造プロセスのおける温度が高くなりすぎて、Ｏリングコアのエラストマー材料を破壊してしまうので、ＦＥＰ及びＰＦＡとは異なり、ＰＴＦＥによっては継目なしの被覆は不可能である（Freudenberg Process Sealsのカタログ”FEP/PFA-ummantelte O-Ringe/Technologie. Anwendung, Produkte” www.freudenberg-process-seals.comで呼び出し可能）。

カタログ"O-Ringe" von Dichtomatik,３．６．３版 Trelleborg Sealing Solutions社のカタログ"O-Ringe und Stuetzringe"、２０１２年４月号 Freudenberg Process Sealsのカタログ"FEP/PFA-ummantelte O-Ringe/Technologie. Anwendung, Produkte" www.freudenberg-process-seals.comで呼び出し可能。

本発明の課題は、上述した適用領域内で使用することができる、上述の被覆されたリングシールに対する代替的なリングシールを提案することである。

この課題は、請求項１の特徴を有するリングシールによって解決される。それに従属する請求項において、本発明の好ましい展開と形態が記載されている。

それによれば、リングシールはリング形状のエラストマーのコアと、コアを包囲する被覆とを有し、その被覆はフルオロポリマーから、好ましくはポリテトラフルオロエチレンからなる、少なくとも１つの箔を有している。箔の端縁領域は、コアが周囲に対して密閉されるように、すなわち被覆がエラストマーのコアを密閉すべき媒体の侵入に対して保護するように、互いに結合されている。もっとも簡単な場合においては、端縁領域は互いに接着されているが、好ましくは溶接されている。したがってＦＥＰ又はＰＦＡによって継目なしに被覆されたＯリングにおけるのとは異なり、１つ又は複数の継目ラインが生じる。好ましくは被覆は、コアとは結合されていない。

その限りにおいて明らかに、エラストマーのコアをＰＴＦＥからなる箔によって密閉するように被覆するための、従来の試みは、ＰＴＦＥ箔を何らかのやり方でエラストマーのコアと結合することを意図している。コアを包囲する箔の端縁領域のみが互いに結合されている、リングシールは、周囲に対するエラストマーのコアの確実な絶縁及び同時に優れた特性を有するリングシールをもたらすことが、明らかにされている。被覆がコアと結合されていない場合には、温度が変化する場合にリングシールの内部の応力上昇を最小限に抑えることができ、そうでない場合にその応力上昇はエラストマーのコアと被覆する箔の熱膨張係数が異なることに基づいて発生してしまう。

好ましくは被覆は、２つの箔から形成され、かつ、一方の箔の端縁領域が他方の箔の端縁領域と密閉するように結合されるので、結果において、２つのリング形状の継目ラインが生じる。これは、製造技術的な視点から、１つの箔のみの使用に対して、特に折り目形成の回避に関して、好ましいことが明らかにされている。

折り目形成を回避するために、箔が前もって成形された、リング形状のシェルとして、したがって好ましい実施形態においては２つのハーフシェルの形式で、提供されると、特に効果的である。前もって成形されていることに基づいて、シェルは形状が安定しており、リング形状のエラストマーのコアは、１つのシェル（又は複数のシェル）の端縁領域が互いに結合される前に、比較的簡単なやり方でシェル内へ挿入することができる。

被覆が２つの箔又はシェルから形成される限りにおいて、これらは好ましくは、端縁領域を結合する場合に生じる継目ラインがリングシールの互いに直径方向に対向する側に延びるように、寸法設計されている。この対称性に基づいて、被覆を形成する場合にリングシール内に誘導される応力は大部分が補償される。２つの継目ラインは、それぞれ適用場合に応じて、リングシールの中央の軸線に対して、好ましくはたとえば同じ間隔で（１２時と６時）、４５°の角度で（４：３０時と１０：３０時もしくは７：３０時と１：３０時）１つの平面内に同心に（３時と９時）配置することができる。しかし継目ラインは、必要な場合には、変位して配置することもできる。ＰＴＦＥ被覆されたリング知るは、好ましくは静的なシールのため、特にアキシャルシールのために使用することができる。この場合においては、通常、継目ラインを同心に、すなわちエラストマーのコアの径方向内側と径方向外側に、設けることができる。

原理的には、箔の端縁領域を突き合わせて接合し、突き合わせ継目の領域内で、たとえば突き合わせ溶接によって互いに密閉するように結合することが、可能であるが、本発明の好ましい形態においては、端縁領域が互いに重なり合い、かつ重畳領域内で結合が行われる。被覆が２つの前もって成形されたシェルから形成される限りにおいて、２つのシェルの各々はコア横断面の半分より少し多くを包囲するので、２つのシェルの端縁領域はそれなりに重なる。

エラストマーのコア用の材料として、限定は存在せず、当業者に知られたすべての材料、形状、横断面幾何学配置及び大きさを使用することができる。

包囲する箔を形成する、フルオロポリマーは、上述したように、好ましくはポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）からなる。ＰＴＦＥは、良好な化学薬品耐性とほぼ−２７３℃から２６０℃までの広い温度使用領域を特徴としている。好ましくは延伸されたポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）、特にバイアキシャルに延伸されたｅＰＴＦＥが使用され、それは付加的に圧縮もされている。延伸されたＰＴＦＥは多孔性であるので、箔材料としては圧縮されたｅＰＴＦＥが使用され、それは、極めて密であり、かつ非常に薄い層厚で形成することができる。ＰＴＦＥの代わりに、フルオロポリマー箔は、熱可塑性のフルオロポリマーから、特にＦＥＰ又はＰＦＡからなることができる。

好ましくは、箔の端縁領域は、別の接着剤を使用せずに、互いに結合される。これは、熱可塑性のフルオロポリマー箔の場合には、ローカルな溶融によって容易に可能である。ＰＴＦＥの場合には、好ましくは前もって熱可塑性の材料によってコーティングされる。その場合にコーティングされた箔は、好ましくは１５μｍから１００μｍの領域内の全体厚しか有していない。その場合に箔とコーティングは、好ましくはほぼ等しい厚みを有している。リングコアの厚みが増すにつれて、より厚い箔を選択すると、好ましい場合がある。しかし、箔は、できるだけ薄く選択すべきである。というのは、シールのショア硬度は、箔厚が上昇するにつれて、それに応じて高くなるからである。互いに結合すべき端縁領域内でコーティングが溶融されることによって、端縁領域、すなわち端縁領域の熱可塑性のコーティングが、互いに材料結合され、その結合は、熱可塑性の材料が冷却され、かつそれに応じて固体相へ移行した後に安定し、かつ密になる。熱可塑性のコーティング用の材料として、好ましくはフルオロサーモプラスティック、特にテトラフルオロエチレン−ヘクサフルオロプロピレン（ＦＥＰ）、過フルオロアルコキシアルカン（ＰＦＡ）あるいはテトラフルオロエチレン−ヘクサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン（ＴＦＰ；Ｄｙｎｅｏｎの登録商標ＴＨＶとしても知られている）が、考えられる。好ましくは箔は、この熱可塑性のコーティング材料によってラミネートされる。この種の熱可塑性材料によるＰＴＦＥの特に好ましい接着剤なしのラミネートが、国際公開第２００５／１０５４３４（Ａ２）号パンフレットに記述されている。そのためにＰＴＦＥ箔が、ＰＴＦＥの結晶溶融温度の上の温度に、たとえば３７０℃を超えて加熱され、この温度において熱可塑性のコーティング材料からなる箔がＰＴＦＥ箔上にラミネートされる。それぞれ適用場合に応じて、
ＰＴＦＥ箔の両側をフルオロサーモプラスティックによってコーティングすると、好ましい場合がある。

箔が片側だけを熱可塑性コーティングされると、多くの場合に充分であり、かつコストの理由から優先される。被覆が２つの箔あるいは前もって成形されたシェルから形成される場合については、コーティング材料は、一方の箔又はシェルにおいては内側に、他方の箔又はシェルにおいては外側に位置するので、それぞれコーティング材料を有する箔又はシェルの端縁領域が重なり合い、端縁領域を折り返したり、あるいは他の措置をとる必要はない。

したがって端縁領域の結合は、熱的なやり方で、継目領域内で熱可塑性コーティングをローカルに溶融することによって行われる。該当する加熱プロセスにおいて必要なエネルギ投入を熱可塑性のコーティングへ集中させるために、本発明の好ましい展開においては、少なくとも１つの箔の熱可塑性のコーティング材料に、適切な添加剤が設けられる。たとえば誘導的に、したがって非接触で、加熱することができる添加剤を選択することができる。この場合において、２つ又はそれより多い箔又はシェルを使用する場合に、すべての箔又はシェルのコーティング材料が適切な添加剤を有することができる。それぞれ適切な添加剤を有するか、あるいはそれなしかに応じて、他の溶接方法は、抵抗溶接、熱風による溶接、レーザービーム溶接及び同種のものである。

したがって、いわゆるレーザー添加剤の使用が特に効果的である。それは、１つ又は複数の波長又は波長領域の放射を吸収する、添加剤である。添加剤は、被覆、したがって特にＰＴＦＥ箔が透過する放射を吸収するように、選択される。その場合に、箔を通過する適切な波長のレーザー放射による、いわゆるレーザー透過溶接において、その後方に位置する熱可塑性材料、したがって特に熱可塑性のコーティングのみを所望に溶融することが、可能である。添加剤として、たとえば色素、特に煤粒子が考えられる。様々なサーモプラスティックが様々な吸収特性を有しているので、かつさらに様々なレーザー（ダイオードレーザー、ＣＯ₂レーザーなど）が様々な波長を有するレーザー放射を送出するので、レーザーと被覆の材料とを適切に組み合わせることにより、場合によっては特殊なレーザー添加物の添加を省くこともできる。レーザー透過溶接方法のためには、たとえば２つの箔を使用する場合に、一方の箔のコーティング材料のみがレーザー添加物を有していれば、充分である。というのは、一方の箔の端縁領域の溶融されたコーティング材料からの溶融熱が、他方の箔の対向する端縁領域のコーティング材料を一緒に溶融するからである。もちろん、たとえば被覆の端縁領域が突き合わされて、レーザーにより突き合わせ溶接継目が形成される場合の、レーザー突き合わせ溶接のように、端縁領域を結合するために他のレーザー溶接方法も使用することができる。

箔が前もって成形されたシェルとして形成されており、そのシェルが横断面において多角形状であり、かつ、エラストマーリングの外側輪郭に面一で従うと、特に効果的である。エラストマーのコア材料は、通常、温度が上昇する場合に、フルオロポリマー被覆よりも強く延伸するので、それは多角形状のシェルの内部で伸張することができる。その場合にシェルとコアは、だんだんと円形の横断面を占める。これに関連して、被覆がエラストマーのコアと結合されていない場合も、効果的である。多角形の側面の移行部が、少なくともエラストマーのコアへ向いた内側において面取りされており、特にエッジが立っていないと、特に効果的である。したがってエラストマーのコアは、その角部領域において同様な形状を有している。コアは、好ましくは被覆にすれすれに添接する。それによって、温度が上昇する場合に延伸するコアが被覆に及ぼす応力は、特にシェルの多角面の間の移行領域内で小さく抑えられる。

本発明は、さらに、上述したシールリングを形成する方法に関する。

以下、添付の図面を用いて本発明を例で説明する。

第１の実施例に基づくＯリングを示す上面図である。 図１のＯリングを拡大して示す軸方向の横断面図である。 第２の実施例に基づくＯリングを示す横断面図である。 図３の横断面の角部領域を拡大して示している。 図５Ａと５Ｂは、Ｏリング横断面の種々の変形例を示している。 図６Ａから６Ｃは、図１と２のＯリングを形成する場合に互いに連続するステップを示している。

図１は、第１の実施例に基づくＯリング１を上面で示している。図２は、図１のＯリング１を切断ラインＩＩ−ＩＩにしたがって拡大して示す横断面図である。Ｏリング１は、実質的にリング形状のエラストマーのコア２からなり、そのコアは第１の箔３と第２の箔４によって包まれており、それらが一緒になってコア２の被覆を形成している。エラストマーのコアは、横断面において円形であることができ、あるいは様々な他の横断面幾何学配置を有することができる。その場合に外側の箔４は、その端縁領域４ａと４ｂによって内側の箔３の対応する端縁領域と重なり合う。２つの箔３、４は、重なり領域内で２つの継目ライン５ａと５ｂに沿って密閉するように互いに結合され、たとえば接着され、あるいは好ましくは溶接されている。したがって継目ライン５ａと５ｂは、Ｏリングの全周に沿ってぐるっと延びている。リングは、好ましくは軸方向の静的なシールリングとして挿入され、したがってそのシールリングは矢印方向ｐに上と下から圧縮力を供給される。この適用は、挿入場合において箔４に折り目が形成される場合にあまり敏感ではない。しかし、ここで記述されるシールは、原理的には、たとえばピストンシール又はロッドシールとは異なる継目位置を有する、動的なシールとしても使用することができる。

コア２のための材料として、各適切なエラストマー材料が考えられる。コア２の被覆用の箔３と４の材料においては、好ましくはフルオロポリマー、たとえば熱可塑性のフルオロポリマー、又は好ましくは、ある配列又は他の配列におけるポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）が選択される。特に好ましいのは、延伸され、特にバイアキシャルに延伸され、かつ圧縮されたＰＴＦＥである。圧縮されたｅＰＴＦＥの形成は、たとえば米国特許公報第５３７４４７３号明細書（Knocks et al.）に記載されている。国際公開第２００５／１０５４３４（Ａ１）号パンフレットに記載され、特にそこに記載されている製造例に基づくような、圧縮され、バイアキシャルに延伸されたＰＴＦＥ箔が、特に適していることが明らかにされている。その限りにおいて、国際公開第２００５／１０５４３４（Ａ１）号パンフレットの内容が明確に参照される。この箔を重畳領域内で継目ライン５ａと５ｂに沿って熱作用により互いに溶接することができるようにするために、その箔に熱可塑性のコーティングを設けることができ、特に、たとえば同様に国際公開第２００５／１０５４３４（Ａ１）号パンフレットにおいてＰＦＡコーティング箔を用いて記述されるように（”example 2”）、ラミネートすることができる。その限りにおいてそこにおける開示も、明確に参照される。

図３は、第２の実施例に基づくＯリングに関するものであって、この実施例は第１の実施例から、特にその横断面形状が異なることによって区別され、その横断面形状は矩形であり、特に方形である。したがって図３には、Ｏリング横断面が単に図式的に示されている。ここでもリング１は、エラストマーのコア２と、コア２を包囲する箔３と４を示しており、それらの箔はコア２の回りに密な被覆を形成している。図式的な表示とは異なり、実際には、被覆がコアに密着していると、効果的である。箔４の端縁領域４ａと４ｂが箔３の対応する端縁領域と重なる、重畳領域内で、箔は継目ライン５ａ、５ｂに沿って密閉し、かつ一周するように、互いに結合されている。参照符号３０と４０によって、箔３と４の互いに向き合う面上に熱可塑性コーティング３０もしくは４０が設けられていることが、示唆されている。箔３においてはコーティング３０が外側に、箔４においてはコーティング４０が内側に位置しているので、コーティング３０と４０は重畳領域内で互いに重なり合う。箔は、好ましくはＰＴＦＥであり、熱可塑性コーティングは、好ましくはＦＥＰ、ＰＦＡ又はＴＥＰである。コーティング３０と４０は、継目ライン５ａ、５ｂに沿って互いに溶接されている。

図２と３に示す実施例における箔３と４は、あらかじめ成形された、したがって比較的形状の安定したシェルとして提供され、そのシェル自体はしかるべき箔を熱作用の元で深絞りして次に裁断することにより形成可能である。エラストマーコア２とシェル形状の箔は、同一の横断面形状を有している。他の多角形状の横断面、たとえば三角形状あるいはまた長円形状の横断面も、可能である。多角形又は長円形の横断面を有するシェルは、円形の横断面を有するシェルに対して、コアが超比例的に延伸された場合に、円形の横断面に変形し、それによってコアの拡大した体積にスペースを提供することができる、という利点を有している。それによって被覆内の応力が、小さく抑えられる。被覆を形成するシェルの横断面が多角形状である場合には、多角形面間の移行部が、少なくともシェルもしくは箔３のエラストマーコア２へ向いた側において、そしてコア２自体も、面取りされていると、効果的である。これが、図４に少し拡大した寸法で示されている。コア２は、同様に面取りされている。このようにして、温度が上昇した場合に余り延伸しない被覆材料３、３０に比べて強く延伸するエラストマーコア２に基づく応力を低く抑えることができる。コア２が被覆と結合されていない場合には、互いに隣接する表面は、熱的な延伸プロセスの間に互いに接して滑り移動することができる。選択された幾何学配置による応力補償は、特に、使用温度が高い場合、たとえば２００℃を超える場合に、考慮される。このように高い温度のための適切な材料組み合わせとして、たとえばＰＦＡコーティングによるＰＴＦＥ被覆を有する高温耐性を備えたシリコンからなるコアが考えられる。

しかし、エラストマーコアの輪郭は、図５Ａに示すように、必ずしもシェルの輪郭に適合させる必要はない。図５Ｂは、複数の変形例を示しており、それらにおいてエラストマーコア２は、多角形状の被覆とは異なる横断面形状を有している。たとえば、コアは、従来のように円形の横断面を有することができ、被覆は、三角形状、方形、六角形状あるいは他のような多角形状である。代替的に、シェルは折り目を有することができる。コア２が熱的に延伸する場合に、コは被覆の中で拡幅して、隙間を埋めることができ、それによっても、この被覆内の応力が小さく抑えられる。その場合にコア２の延伸が増すにつれて、被覆はだんだんと円形に近づく横断面を占める。

図６は、リングシール１を形成する場合の３つの重要な段階を示している。まず、エラストマーのコア２と２つのあらかじめ成形されている、リング形状のシェルが提供される。第１のステップＡにおいて、コア２が下方のシェル３内へ挿入されて、第２のステップＢにおいて上方のシェル４がコア２上へかぶせられるので、シェル３と４がコア２を包み込む。その場合に図６Ｂに示すように、下方のシェル３の端縁領域３ａ、３ｂが、コア２の経線の高さにおいて上方のシェル４の端縁領域４ａ、４ｂと重なり合う。次のステップＣにおいて、シェル３と４がその重なり領域に沿ってレーザー透過溶接方法において互いに溶接される。その場合に２つの継目ライン５ａと５ｂが生じ、それらは最終的に完全に閉鎖された、密な円形の継目を形成する。箔４の材料は、選択されたレーザービーム５０ａと５０ｂを透過し、かつ箔３と４の熱可塑性のコーティングは自然に、あるいはこれらのビームのための添加剤の適切なドーピングによって、吸収する。箔３のコーティングがこのビームを吸収すれば、充分である。というのは、熱導入によって熱エネルギが他の箔のしかるべく隣接する熱可塑性のコーティングへ伝達されるからである。

Claims (20)

1. リング形状のコア（２）と、コアを包囲する被覆とを有し、前記被覆が、フルオロポリマーからなる少なくとも１つの箔（３、４）を有し、前記箔の端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）が互いに結合されている、リングシール（１）。
2. 被覆が、コア（２）とは結合されていない、請求項１に記載のリングシール。
3. 被覆が、２つの箔（３、４）を有し、かつ一方の箔（３）の端縁領域（３ａ、３ｂ）が他方の箔（４）の端縁領域（４ａ、４ｂ）と結合されている、請求項１又は２に記載のリングシール。
4. ２つの継目ライン（５ａ、５ｂ）に沿った端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）の結合が、リングシール（１）の互いに直径方向に対向する側に延びている、請求項３に記載のリングシール。
5. ２つの継目ラインの一方（５ａ）が径方向内側に、２つの継目ラインの他方（５ｂ）が径方向外側に延びている、請求項４に記載のリングシール。
6. 端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）が互いに重なり合う、請求項１から５のいずれか１項に記載のリングシール。
7. 箔（３、４）がポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）から、好ましくは圧縮され、延伸されたポリテトラフルオロエチレンからなる、請求項１から６のいずれか１項に記載のリングシール。
8. 箔（３、４）が熱可塑性の材料（３０、４０）によってコーティングされ、好ましくはラミネートされ、特に好ましくは接着剤なしでラミネートされている、請求項１から７のいずれか１項に記載のリングシール。
9. コーティング材料（３０、４０）が、サーモプラスティックである、請求項８に記載のリングシール。
10. コーティング材料（３０、４０）が、サーモプラスティックフルオロポリマー、ＦＥＰ、ＰＦＡ又はＴＦＰである、請求項８又は９に記載のリングシール。
11. コーティング材料（３０、４０）が、箔（３、４）の片側のみに設けられている、請求項８から１０のいずれか１項に記載のリングシール。
12. 端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）は、重畳領域内でコーティング材料（３０、４０）が互いに重なり合うように、互いに重畳している、請求項８から１１のいずれか１項に記載のリングシール。
13. 少なくとも１つの箔（３、４）の少なくとも１つのもののコーティング材料（３０、４０）が添加剤を有し、前記添加剤が熱可塑性コーティングの非接触の溶融を促進する、請求項８から１２のいずれか１項に記載のリングシール。
14. そのほか、被覆が透過するビームを、添加剤が吸収する、請求項１３に記載のリングシール。
15. 端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）の密閉する結合が、溶接結合、好ましくはレーザー溶接結合、特に好ましくはレーザー透過溶接結合である、請求項１から１４のいずれか１項に記載のリングシール。
16. 少なくとも１つの箔（３、４）が、形状の安定したリング形状のシェルとして形成されている、請求項１から１５のいずれか１項に記載のリングシール。
17. シェルの横断面が多角形状である、請求項１６に記載のリングシール。
18. シェルの多角面の間の移行部が、少なくとも、シェルのエラストマーコア（２）を向いた側において面取りされている、請求項１７に記載のリングシール。
19. リングシール（１）を形成する方法であって、以下のステップを有する：
    −エラストマーリング（２）を提供し；
    −少なくとも１つのフルオロポリマー箔（３、４）を提供し；
    −エラストマーリング（１）を箔（３、４）で被覆し；かつ
    −被覆をエラストマーリング（２）と結合することなしに、少なくとも１つの箔（３、４）の端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）を互いに結合する、
    リングシールを形成する方法。
20. 少なくとも１つの箔（３、４）が、圧縮され、延伸されたＰＴＦＥからなる２つの前もって成形されたリング形状のシェルの形式で提供され、一方のシェルが少なくともその内側を、そして他方のシェルが少なくともその外側を熱可塑性の材料（３０、４０）によってコーティングされており、かつ、２つのシェルの端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）は、その熱可塑性のコーティング（３０、４０）が互いに接触するように、互いに重なり、端縁領域（３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ）の結合が、レーザー透過溶接方法で行われる、請求項１９に記載の方法。

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