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JP2018518438A - 有機修飾エアロゲルの製造方法 - Google Patents

有機修飾エアロゲルの製造方法 Download PDF

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JP2018518438A JP2017556811A JP2017556811A JP2018518438A JP 2018518438 A JP2018518438 A JP 2018518438A JP 2017556811 A JP2017556811 A JP 2017556811A JP 2017556811 A JP2017556811 A JP 2017556811A JP 2018518438 A JP2018518438 A JP 2018518438A
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Abstract

本発明は、有機修飾エアロゲルの製造方法に関する。本発明で取り組む問題は、安価で、単純で、かつ安全で、さらに資源を浪費しない疎水化エアロゲルの経済的な製造方法を提供することである。この問題は、有機修飾エアロゲルの製造方法であって、[SiO4/2]単位を含有するゾルを製造し、得られたゾルを連続相中に分散する、製造方法の提供によって解決する。ゾルは分離相を形成し、かつ連続相は少なくとも20重量%のオルガノシロキサンを含有し、ゲルを連続相中でゾルから形成し、相伝達剤の存在下で、酸もしくはクロロシラン、またはそれらの混合物を、開始剤として添加する連続相中で得られたゲルを表面修飾し、および得られたゲルを乾燥する。提供されたエアロゲルは、絶縁材料、特に断熱材として使用することができる。

Description

本発明は、[SiO4/2]単位を含んでなるゾルを調製することと、生じたゾルを連続相中に分散することであって、ゾルが分離相を形成し、かつ連続相が20重量%以上のオルガノシロキサンを含んでなることと、連続相中でゾルからゲルを形成することと、相溶化剤の存在下、酸もしくはクロロシラン、またはそれらの混合物が開始剤として混ぜられている連続相中で生じたゲルを表面修飾することと、得られたゲルを乾燥することと、による有機修飾エアロゲルの製造方法に関する。
エアロゲルは、高い多孔質性の固い固体であり、それらの体積は、最大95%が細孔である。リオゲルが、液体で満たされた構造を表すのに対して、エアロゲルの細孔は、空気で満たされる。ヒドロゲルは、リオゲルの特殊な実例を表し、細孔液が50%以上水である。それらの多孔質構造に起因して、エアロゲルは、高比表面積、小さい孔径および特に低密度を有する。これらの性質により、エアロゲルは断熱用途に対して、理想的な材料になる。
様々な種類のエアロゲルがあるが、ケイ酸塩を基礎にしたものが最も広く使用され、その低い可燃性のために特定の技術的関連性がある。
エアロゲルは、オープンセルの形態中において、非常に多くの隙間を有する粒子鎖の樹枝状分岐を含んでなる。これらの鎖は、接触点を有し、最終的に安定したスポンジ状のネットワークの状態をもたらす。
原則として、エアロゲルの調製プロセスは、非常に単純である。第1の工程は、相当するリオゲルを調製することを含んでなり、そして第2の工程は、乾燥すること、すなわち、溶媒を空気に交換することを含んでなる。
乾燥工程、すなわち、細孔液を除去する工程は、エアロゲルの質の決定要因であるプロセス工程である。この工程の過程でゲル構造の破壊を避けなければならない。本質的には以下の方式がある:
1)「超臨界乾燥」、すなわち、臨界点よりも上の圧力および温度の状態は、ゲルがその構造を保ち、かつ収縮または崩壊しないということを確実にするために使用することができる。超臨界領域内において、毛細管力、結果として実質的にネットワークの破壊を避ける。この方法の不利益は、いくらか技術的に手間がかかり、高価な高圧技術がこのプロセスには必要であり、従って、このプロセスは、大きな工業スケール、特に連続プロセスが現実的に困難である。
2)細孔表面が修飾(シリル化)によって予め不能動化されていれば、大気圧で乾燥することによって同一の結果が得られる。それ故に、ゲル内のフリーシラノール基のシリル化は、ゲル構造が乾燥中に不可逆的に収縮することを実質的に避ける手段である。大抵は、前記修飾は、トリメチルクロロシランおよびヘキサメチルジシラザンなどの加水分解に敏感な化学物質を利用するので、溶媒交換は、一般的に素早く実施される。溶媒交換は、疎水化剤(例えば、テトラメチルクロロシラン)が、細孔液の水と反応することを避けるために、水含有細孔液をヘキサンなどの不活性有機溶媒に置き換える2以上の工程を含む。
乾燥工程における構造の安定化に加えて、表面の修飾は、エアロゲルの外側および内側表面の疎水化をもたらす。適正な疎水性は、確実に必須となる多くの用途がある。特に、建物用断熱材の分野では、恒久的に撥水加工した絶縁材が必要であり、そのため、疎水性材料が、そのような用途に好ましい。
エアロゲルの高比表面積は、触媒化学または医薬における担持材および移動剤としての使用を予想する。エアロゲルは、それらの比表面積により、さらに吸収剤または充填材としても有用である。
エアロゲルの最も顕著な特性は、異常に低い熱伝導性を含むことである。この高い断熱効果は、エアロゲルの特殊な構成、特にそれらの異常な多孔質構造(密度0.2g/cm未満、メソ細孔容量3cm/g超および孔径25nm未満)によって可能となる。
エネルギー消費量を減少させる場合に、断熱は大切な特徴である。特に、建物用断熱材の分野では、ポリスチレン、ポリウレタンおよびガラスウールなどの従来の安価な断熱材料は、それらが可燃性が高くおよび/または限定された断熱効果によって決まる限界に徐々に直面している。
エアロゲルの使用を優位性のあるものにするために、安価な製造方法が不可欠である。従って、実施すべきプロセス工程の数を最小限にすること、特に、多工程の溶媒交換などの時間のかかる操作を優先的に避けることが好ましい。
従って、欧州特許登録公報第0948395B1号は、ヒドロゲルが、第1に有機溶媒の水性細孔液を交換することなく直接表面修飾される有機修飾エアロゲルの製造方法の開発を公開した。例としては、SiO源としてナトリウム水ガラス溶液、または四塩化ケイ素、および、修飾のためのヘキサメチルジシロキサン(HMDSO、(CHSi−O−Si(CH)、トリメチルクロロシラン(TMCS、(CHSiCl)もしくはトリメチルシラノール((CHSiOH)を利用する。その中で、ヒドロゲルのフリーOH基は、酸素結合トリメチルシリル基(TMS、(CHSiO1/2))を形成するためにシリル化剤と反応する。不水溶性のヘキサメチルジシロキサンを形成するために、ヒドロゲルの細孔の一部の水と、使用されるシリル化媒体(例えば、TMCS)との反応よってシリル化を実施する際には、形成される化合物の体積は、必然的に、細孔の少なくとも一部の水分を移動させる。ネットワークの内側表面のシリル化の間に、これは、不水溶性媒体のためのヒドロゲルの細孔中における液体の同時に起こる完全なまたは部分的な交換を引き起こす。
公開された方法は、表面修飾(シリル化)が、80〜100℃の高温において起こるか、または数日間の長い反応を必要とするという不利益を有する。唯一、多量のHClおよび/またはトリメチルクロロシラン使用が、迅速かつ完全な表面修飾の形成を確実にするだろう。疎水化工程の間に、細孔液はゲルから排除され、かつHMDSOによって置換され、これに関連して、この特許の著者、F.SchwertfegerおよびD.Frankは、Journal of non−Crystalline Solids (vol.225,pp.24−29,1998)でのM.Schmidtによる続報において、細孔液の完全な交換、および結果として低密度(140kg/m未満)のエアロゲルを得るために、ヒドロゲル100g当たり81.5gのTMCSに相当(表1中の試料2参照)する細孔水に基づいて15mol%以上のTMCSを細孔液の完全な交換が必要とすることを特定している。そして、ヒドロゲル100g当たり80mlのHMDSOが副生する。そのため、原材料にかかる費用に加えて、廃棄の問題を引き起こす。塩によって部分的に汚染されたHCl水溶液は、一般的に再利用不可能であるが、廃水によって廃棄しなければならない。非常に過剰なトリメチルクロロシランは、大量のヘキサメチルジシロキサンを発生し、これはトリメチルクロロシランに戻すために、追加のプロセス工程を必要とする。同様に、大量のTMCSの使用によって発生した反応熱は、プロセス設計の面で増加した工学的な試みを必要とする。そのため、有害物質の量を最小限に抑え、それによりプロセスの安全性を高めるために、塩酸およびトリメチルクロロシランの量を最小限に抑える必要がある。
例えば、欧州特許登録公報第0948395B1号が含む記載された多くの方法で、ゲルは、初めには、公知の方法によって製造し、続いてゲル片の外側表面積を増加して、それによって物質移動プロセスを促進するために溶媒交換工程および/またはシリル化の前に粉末状にする。シリカを基礎にしたゲルは、有機ポリマーを基礎にしたゲルの例のような軟質または弾力性のあるものではない。従って、シリカゲルは、制御された手段で粒径を達成することが困難となるので、相対的に制御されていない手段の粉砕で様々なサイズの破片にばらばらにする。プロセスの本質上、そのような破片は、エアロゲルの更なるプロセス中において、潜在的に増加した摩耗を引き起こすエッジおよびコーナーを有する。また、そのようなプロセス手順は、いかなる粉砕でも、追加のプロセス工程を必要とするので、技術的に不利益である。
これらの技術的な不利益を解消するための努力で、エマルジョン中のゲル生成を達成するための新しい方法が既に開発されている。米国特許公開公報第20130189521A1号において、例えば、水ガラスを基礎にしたゾルは、ヘキサンなどの有機溶媒に乳化して、ゾルを前記有機溶媒中でゲルに変換する。ゲル粒子を非臨界的な条件下で乾燥するために、細孔液を、初めにエタノール、そして最終的にヘキサンに交換し、表面修飾がシリル化媒体によってもたらされる。この方法は任意の粉砕工程を必要としないが、複数の溶媒交換工程は、技術的に手間がかかり、かつ多量の溶媒を必要とする。
また、ゲル形成をシリル化媒体中で直接実施することができる例として、いわゆる、液滴カラムを使用することが、欧州特許登録公報第1047633B1号に示される。前記特許の焦点は、ゲルの球状粒子の製造である。表面修飾は、前記発明の例に公開されていなかった。欧州特許登録公報第1047633B1号において、ゲルの組成物およびシリル化媒体の組成物の例は、欧州特許登録公報第0948395B1号の特許の例に相当するので、シリル化の反応を開始するための高反応温度、ならびにトリメチルクロロシランおよび/または塩酸の高い必要量も、この場合で前提としなければならない(欧州特許登録公報第0948395B1号に関する検討を参照)。
従って、本発明で取り組む問題は、安価で、単純で、かつ取扱いにおいて安全で/一貫性があり、さらに資源を浪費しない疎水化エアロゲルの経済的な製造方法を提供することである。
場合により、本問題は、[SiO4/2]単位を含んでなるゾルを調製することと、生じたゾルを連続相中に分散することであって、ゾルが分離相を形成し、かつ連続相が20重量%以上のオルガノシロキサンを含んでなることと、連続相中でゾルからゲルを形成することと、相溶化剤の存在下で、酸もしくはクロロシラン、またはそれらの混合物が開始剤として混ぜられている連続相中で生じたゲルの表面を修飾することと、得られたゲルを乾燥することと、による有機修飾エアロゲルの製造方法を提供することによって解決される。
冒頭で既に述べたように、エアロゲルは、細孔が空気で満たされた高い多孔質性の固い固体である。それに反して、リオゲルは、細孔が溶媒で満たされたゲルである。ヒドロゲルは、リオゲルの特殊な実例を表し、細孔は、主に溶媒として水が充填される。
第1の工程は、[SiO4/2]単位を含んでなるゾルを調製することを含んでなる。本発明において、ゾルは、溶液および/または分子のコロイド分散物および/または少なくとも1つの溶媒中の粒子および/または分散媒体である。
溶媒は、気体、液体または固体を希釈または溶解することが可能で、プロセスにおいて溶質と溶媒との間で化学反応を起こさない物質である。
仮にそうであるとしても、分散物は、ほとんど溶解せず、またはそれぞれもしくはお互いに化学的にほとんど結合しない2以上の物質の不均一な混合物である。1以上のこれらの物質(分散相)は、一部の他の連続した物質(分散媒体、交換可能=連続相)中で細分の細かい状態にある。典型的に約1nm〜1μmの粒径を有する分散相は、コロイド状に分散する状態で溶解された時に、それらの粒径により分類される。
[SiO4/2]単位は、ケイ素原子が、それぞれが更なる結合ための自由電子を有する4つの酸素原子と結合する化合物を意味する。酸素原子を介して結合し、かつSi−O−Si結合を有する単位が存在してもよい。フリー酸素原子は、最も単純な場合、水素または炭素と結合するか、または化合物は、塩の形態、好ましくはアルカリ金属塩の形態である。
[SiO4/2]単位を形成するために使用される出発材料(前駆体)([SiO4/2]出発材料)は、当業者に公知の、縮合可能な4官能性もしくはより高い官能性シラン、アルコキシシラン、アルキルシリケート、アルカリメチルシリケート、またはコロイドシリカ粒子/溶液であってもよい。[SiO4/2]単位に使用される出発材料は、Si(OR)、[SiO4/2[SiO3/2(OR)][SiO2/2(OR)[SiO1/2(OR)(式中、w、x、y、zは自然数である)、SiCl、水ガラスまたはコロイドシリカ溶液のタイプの化合物を含んでなることが好ましい。Rは上記で定義された通りである。テトラエチルオルトシロキサン(TEOS)またはナトリウム水ガラスを使用することが特に好ましい。また、列挙された出発材料の混合物または加水分解生成物、特に水および/またはアルコールによるそれらの加水分解生成物を使用することも可能である。
水ガラスは、ガラス状、すなわち、アモルファス、溶解物から固化された水溶性ナトリウム、カリウムおよびリチウム、またはそれらの水溶液を指す。塩の中和および加水分解は、[SiO4/2]単位をカテナリー状のSi−O−Si化合物に変換する。
テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を使用することが特に好ましい。水中でのTEOSの加水分解は、酸または塩基によって触媒してもよく:
20Si + 4 HO → HSiO + 4 COH
さらに、生じたオルトシリケート(HSiO)は、化学量論的に二酸化ケイ素を形成するまでSi−O−Si結合の形成、かつ水の喪失によって架橋結合する:
SiO→ HSiO + H
SiO → SiO + H
テトラアルコキシシランの加水分解は、好ましくは鉱酸または有機酸の水溶液、より好ましくは塩酸水溶液中で実施する。
[SiO4/2]単位は、酸化物単位として数える。酸化物単位は、この発明の文脈において、それぞれが更なる結合ための自由電子を有する酸素原子と金属元素とが単独で結合する化合物を意味すると理解されるべきである。酸化物単位である[SiO4/2]単位は、当業者に公知の加水分解に安定な全ての金属酸化物、またはそれらの混合物中に存在してもよいが、[SiO4/2]単位に加えて、好ましくは三価または四価の単位、より好ましくは実際に[SiO4/2]単位が酸化物単位として存在する。本発明によれば、ゾルは[SiO4/2]単位を含んでなる。ゾルの固体断片は、更なる酸化物単位を、好ましくは50重量%以下含んでなり、より好ましくは20重量%以下含んでなり、さらにより好ましくは5重量%以下含んでなり、そして最も好ましくは含まない。
酸化物単位を形成するために使用される出発材料(前駆体)は、例えば、当業者に公知の縮合可能ないかなる金属アルコキシド、アルカリ金属塩、ハロゲン化物塩、または更なる有機もしくは無機前駆体であってもよい。
また、[SiO4/2]単位とは別にして、場合により、[RSiO(4−x)/2]単位(式中、x=1、2もしくは3、またはそれらの入り交じりであり、Rはそれぞれの場合で同一または異なり、かつRは、水素原子、または置換されたもしくは非置換の有機部分である)として存在することも可能である。
[RSiO(4−x)/2]単位(x=1、2もしくは3、またはそれらの入り交じり)において、1個、2個または3個の酸素原子だけでなく、1個、2個または3個の部分Rも、ケイ素原子に直接結合する。そのため、[RSiO(4−x)/2]単位は、1個の部分Rおよび3個の酸素原子、すなわちx=1、または2個の部分Rおよび2個の酸素原子、すなわちx=2、または3個の部分Rおよび1個の酸素原子、すなわちx=3が、ケイ素原子の全てに結合していてもよい。また、[RSiO3/2]単位および/または[RSiO2/2]単位および/または[RSiO1/2]単位を含んでなる混合物であってもよい。先と同様に、O(4−x)/2(例えば、O3/2、O2/2またはO1/2)は、それぞれ更なる結合のための自由電子を有する4−x(=3、2または1)個の酸素原子を表す。
[RSiO(4−x)/2]単位を形成するために使用される出発材料(前駆体)([RSiO(4−x)/2]出発材料)は、当業者に公知である縮合可能な2官能性、3官能性またはより高い官能性のシラン、アルコキシシランまたはシリコネートであってもよい。また、場合により、単官能性のシラン、アルコキシシランまたはシリコネートを使用することも可能である。Rは、以下に定義する通りである。
ゾルの固体断片は、[RSiO(4−x)/2]単位を、好ましくは50重量%以下含んでなり、より好ましくは20重量%以下含んでなり、さらにより好ましくは5重量%以下含んでなり、そして一層好ましくは0.1重量%以下含んでなる。さらに、なお一層好ましい実施形態において、ゾルは、[RSiO(4−x)/2]単位を含まない。
加えて、熱伝導性を減少するために、ゾルは、当業者に公知のIR乳白剤などの添加物質を添加してもよい。同様に、機械的安定性を増加するために、被膜されたおよび/または非被膜のファイバーを添加してもよい。有用なファイバー材料は、無機ファイバー、例えばガラスファイバーもしくは鉱物ファイバー、有機ファイバー、例えばポリエステルファイバー、アラミドファイバー、ナイロンファイバーもしくは植物由来のファイバー、ならびにそれらの混合物を含む。
[SiO4/2]単位を形成するため、ならびに、場合により酸化物単位および/または[RSiO(4−x)/2]単位をさらに形成するための出発材料、およびまた、場合により添加物質および補助物質を、ゾルを調製するために当業者に公知の方法により使用する。ゾル調製は、少なくとも1つの出発材料と少なくとも1つの溶媒/分散剤とを混合する工程を意味すると理解されるべきである。また、この混合工程は、出発化合物の反応と同時および/またはその後であってもよい。
アルコキシシランを基礎にしたプロセスは、例えば、相当するアルコールの放出を伴う加水分解によって、アルコキシシランからゾルの調製を意味すると理解されるべきである。加水分解は、酸の混和および/または温度上昇によって促進可能である。
水ガラスおよび/またはシリコネート由来のゾルは、例えば、強塩基アルカリ金属シリコネートを中和することによって調整する。これは、欧州特許登録公報第0948395B号に記載されたような、例えば、鉱酸および使用する酸性のイオン交換樹脂による中和による、当業者に公知の方法によって達成してもよい。
ゾルの固体含有量、すなわち酸化物単位のその濃度、すなわち[SiO4/2]単位、および場合により更なる酸化物単位のその濃度は、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%、さらにより好ましくは8〜15重量%である。
好ましい実施形態において、テトラエトキシシラン(TEOS)もしくは水ガラス、またはそれらの加水分解生成物は、[SiO4/2]出発材料として使用する。[SiO4/2]出発材料としてはTEOSを使用することがより好ましい。撹拌することによって、ゾル調製のためにTEOSを、触媒としての塩酸を含む水に移動することが特に好ましい(実施例1および3)。一般に、ゾル調製のために使用される溶媒および溶媒混合物は、水、または水と極性有機溶媒、好ましくはアルコールとの均質混合物を含んでなる。本明細書で水の含有量は、シリル化媒体中に分離液体相を形成するために、水含有混合物にとって十分に高いことが好ましい。ゾル形成は、触媒、好ましくは酸の混和によって促進可能である。鉱酸または有機酸が使用可能である。塩酸の使用が特に好ましい。本明細書で塩酸は、アルコキシ基の加水分解のための触媒として役立つ。本明細書でHClの濃度は、10〜1000ppm、好ましくは30〜300ppm、より好ましくは100〜200ppmであることが好ましい。反応混合物は、加水分解を促進するために加熱してもよい。この工程は、好ましくは0.1〜3時間、より好ましくは0.5〜1時間の間に、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは55〜65℃で進める。その結果、場合により数時間から数日間保管できる透明なゾルが形成される。しかし、好ましくは、ゾルはそのままさらに反応させる。また、場合により、カリウムメチルシリコネートまたはナトリウムメチルシリコネートなどのアルカリ金属メチル−シリコネートを混和することが可能である場合にも、同等なゾルは、当業者に公知の方法(例えば、欧州特許登録公報第0948395B号または例2)によって、[SiO4/2]単位を形成するために材料を撹拌することで、水ガラス、特にナトリウム水ガラスに基づいて得ることもできる。
本方法の第2の工程(ii)は、生じたゾルを連続相中に分散することを含んでなり、ゾルが分離相を形成し、かつ連続相が20重量%以上のオルガノシロキサンを含んでなる。本発明で連続相は、20重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらにより好ましくは95重量%以上、そして最も好ましくは98%以上のオルガノシロキサンを含んでなる。
特に好ましい実施形態において、液体ゾルをシリル化媒体に移動する。また、この場合において、連続相はシリル化媒体である。これは、この好ましい実施形態において、連続相が20重量%以上のオルガノシロキサンを含んでなるが、成形は連続相中にゾルを分散することによりもたらされることを意味する。すなわち、連続相は、表面修飾のための試薬としても役立つ。
シリル化媒体は、場合によりクロロシラン、特にテトラメチルクロロシラン、酸、特に塩酸(HCl)、およびまた、オルガノシロキサン、特にジシロキサンから形成される開裂生成物を含み得るが、シリル化媒体は、反応しない極性溶媒中のオルガノシロキサン、特にジシロキサン、およびまた、それらの溶液を意味すると本出願において理解されるべきである。溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびトルエンなどの炭化水素であることが好ましい。
オルガノシロキサンとは、本出願において、[RSiO1/2[RSiO][RSiO3/2[SiO(式中、m、n、o、pは、それぞれ≧0の整数であり、Rは、以下に定義された通りである)のタイプの直鎖状、環状または分岐状の化合物を意味する。直鎖状オルガノシロキサンは、例えば、一般式:RSi−[O−SiR−O−SiRを有する。オルガノシロキサンは少なくとも1つのSi−C結合を有し、すなわち、少なくとも1つの部分が性質上有機でなければならないという決まりがある。
また、様々なオルガノシロキサン、好ましくは液体オルガノシロキサンの混合物は、本発明において使用可能である。使用されるオルガノシロキサンは、好ましくは式:RSi−O−SiR(式中、それぞれのRは、同一または異なってもよく、かつ水素原子、または置換されたもしくは非置換の有機部分である)のジシロキサンである。ジシロキサンは、式:RSi−O−SiRまたは[RSiO1/2(式中、先と同様にR,R、RおよびRは、上記に定義された通りである)を有する化学的な化合物であり、ジシロキサンは少なくとも1つのSi−C結合を有する。対称性のジシロキサンを使用することが好ましく、ヘキサメチルジシロキサンであることが特に好ましい。様々なジシロキサンの混合物、特にヘキサメチルジシロキサンとジビニルテトラメチルジシロキサンとの混合物を使用することも可能である。表面修飾工程において、シリケートのリオゲルのフリーかつ接近可能なシラノール基は、シリル化媒体と反応する。好ましい実施形態として、Si−O−SiR基は、この反応の過程でSi−OHから形成される。
部分Rは、同一または異なってもよく、かつそれぞれ独立して、水素、置換基を有するか、または有さない有機の、直鎖状、分岐状、環状、飽和もしくは不飽和、芳香族または複素環式部分を表す。これは、部分Rが置換されたまたは非置換であってもよいことを意味する。好ましい置換基は、−CN、−NCO、−NR、−COOH、−COOR、−ハロゲン、−(メタ)アクリロイル、−エポキシ、−SH、−OH、−CONR、−O−R、−CO−R、−COO−R、−OCO−R、もしくはOCOO−R、−S−R、−NR−、−N=R、−N=N−R、または−P=Rである。C〜C−を含んでなる飽和または不飽和部分、より好ましくはC〜C−のアルキル、ビニル、特にはメチルまたはエチル、特別にはメチルであることが好ましい。
また、実際のシリル化反応のために必要なシリル化媒体は、例えば、当業者に公知の反応および機構の手段(Journal of non−Crystalline Solids(vol.225,pp.24-29,1998)、欧州特許登録公報第0948395B号)において、例えば、酸性媒体中でオルガノシロキサンを開裂すること、特に塩酸中でHMDSOを開裂することによって、他の物質、好ましくは他のシリル化媒体から発生させてもよい。本発明の目的のためのシリル化媒体中におけるオルガノシロキサン、好ましくはジシロキサンの比率は、20重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは90重量%以上、そしてさらにより好ましくは95重量%以上である。さらに、なお一層好ましい実施形態において、混合物中のオルガノシロキサンの比率は、98重量%以上であり、すなわち、市販の濃縮されたオルガノシロキサン、好ましくはジシロキサン、より好ましくはヘキサメチルジシロキサンを使用する。
ゾルの混和は、当業者に公知の方法(例えば、乳化、分散、噴霧)、好ましくは分散、より好ましくは乳化によって、ゾルの液滴および/または生じたゲルの粒子を成形する工程と同時および/またはその後であってもよい。分散は、液体ゾルが撹拌によって連続相(分散媒体)中に分配することを意味すると理解されるべきであり、その時に、ゾルの液滴がゲルの液滴に変換される。
工程ii(分散工程)は、場合により、例えば、ゾルの液滴を安定し得るか、または他に液滴サイズに影響を与え得る補助物質の存在下で実施する。使用される補助物質は、好ましくは、例えば、乳化剤または消泡剤として作用し得る表面活性物質である。表面活性は、有機化合物に適用され、それらの構造により界面の張力(=表面張力)を低下させ、例えば、それらによって湿潤が可能になるように、2つの相の間の界面に位置する。表面張力を低下することによって、それらは、エマルジョンの形成まで、できる限り2つの相の混合を促進する。それらの化学組成物および使用に依存して、表面活性物質は、湿潤剤、洗浄剤(界面活性剤、せっけん)または乳化剤に指定される。
当該物質は、一般に強く水を引き付ける親水性(「水に親和的」)基と、水分子を引き付けるが、それが弱い(それなので実際には疎水性である)親油性(「脂肪に親和的」)の炭化水素基とを有する。当業者に公知のいかなる界面活性剤が、典型的に使用可能である。非イオン性、カチオン性もしくはアニオン性の界面活性剤、またはそれらの混合物を使用することが好ましい。これらの補助物質は、ゾルおよび/または連続相に添加してもよい。
プロセス中において方法の方法の第3の工程(iii)は、連続相中のゾルからゲルを形成することを含んでなる。ゲル形成は、pHの上昇および/または温度の上昇などの当業者に公知の方法によってもたらされる。本明細書でゲル形成は、連続相へのゲルの混和前、混和中または混和後に起こる。塩基がゲル形成を開始するために使用される際に、この塩基は、ゾルおよび/または連続相に導入されてもよい。
好ましい実施形態において、ゾルは、撹拌することによって、塩基、好ましくはアンモニアと混ぜ、かつ、先と同様に撹拌することによって、短時間、好ましくは10分以内、より好ましくは1分以内にオルガノシロキサン中に移動する。(発明の実施例1および3を参照)。ゲルの形成期間は、pHおよび温度に依存して、数秒から数時間まで延長してもよい。ゾルがシリル化媒体との混和時に依然として液体であるように、ゲルの形成期間の長さを調整することが有利であるので、ゾルは依然として単純な手段で運搬可能であり、成形は制御された手段で可能である。有利には、当業者に公知の適切な混合装置、特に静的ミキサーなどの短い滞留時間有する混合装置によって、塩基は、ゾルを分散する工程の直前にのみ混ぜられる。また、塩基は既に連続相中に含まれていてもよい(実施例2)。また、塩基を混和する工程は、基材を混合するステップは、温度誘導型のゲル形成の場合には省略してもよい。連続相を加熱することがこの場合において有利である。ゾルを分散する工程は、当業者に公知の装置(例は、撹拌槽および管型反応装置である)で実施してもよい。本プロセスにおいて形成するゲル粒子の形状およびサイズは、撹拌速度、スターラーおよび/または反応装置の形状、ならびにゾルとシリル化媒体との間の割合などのパラメーターによって制御可能である。連続相/ゾル(連続相の体積/ゾルの体積)の割合は、一般的には1超、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4、さらにより好ましくは1〜2である。
アルコキシシランを基礎としたプロセスにおいてゲル形成工程のために規定されるゲルの形成のpHは、好ましくは7〜10、より好ましくは8.5〜9.5の範囲である。NHOH、NaOH、KOH、Al(OH)、シリケートまたはシリコネートなどの当業者に公知のいかなる塩基が、この目的のために一般的に使用可能であり、NHOH(アンモニア)、水ガラスまたはアルカリ金属メチルシリコネートを使用することが好ましい。ゲルの形成時間の促進は、温度上昇によって達成可能である。ゲル形成工程を実施する温度は、一般的には0℃〜存在する溶媒の沸点、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃である。
[SiO4/2]出発材料として水ガラスを基礎としたゾルは、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜7のpH、さらに、存在する溶媒の凝固点〜沸点、好ましくは0〜60℃、特に0〜30℃、特別には5〜20℃の温度において、ゲルに変換されることが好ましい。
ゲル形成工程の後には、pH制御および加熱などの公知の方法によって同様に促進可能な熟成工程を続けてもよい。本発明の目的のための熟成工程は、1秒間〜48時間、好ましくは30分間〜24時間、より好ましくは30分間〜3時間、および、4〜11、好ましくは7〜10、より好ましくは8〜9のpHで、20〜100℃、好ましくは50〜70℃の範囲、より好ましくは60℃の温度において、ゲルをインキュベートすることを含んでなる。形成された(リオ)ゲルは、分散物中のゲル粒子の濃度を上昇するために、実施される熟成工程前、熟成工程中または熟成工程後のいずれかに連続相の一部から(例えば、濾過、デカンテーション、遠心分離、蒸発によって)分離してもよく、この結果として、例えば、次の工程において空時収量が増加する。
熟成工程前、熟成工程中または熟成工程後のいずれかで形成された(リオ)ゲルは、例えば、電解質を除去するために、水、極性有機溶媒またはそれらの混合物を用いて洗浄してもよい。シリル化媒体中、すなわち、連続相中に分離相を形成することを可能にするために十分な水を含有することは、細孔液のその後のプロセスにとって有利である。例えば、プロセスコストおよびプロセス時間を最小限にするために、溶媒交換および/または洗浄工程を完全に省くことが特に有利である。従って、工程ivの前に溶媒交換を行わないようにすることが好ましい。
本方法の第4の工程(iv)は、相溶化剤の存在下で、酸もしくはクロロシラン、またはそれらの混合物が開始剤として混ぜられている連続相中で生じたゲルの表面を修飾することを含んでなる。
本出願において理解される用語として相溶化剤は、水に富んだ相だけでなく、有機相においても顕著な溶解性を有し、この結果として、2つの本質的に非混和性の相の間の物質移動を促進する極性化合物またはそのような種々の化合物の混合物と理解する。
表面修飾工程が相溶化剤の存在下で行われることは、本発明の一部である。適切な相溶化剤は、
−特に、化学式:R−OH(式中、Rは、上記で定義された通りの部分Rである)のアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、
−特に、化学式:RC=O(式中、RおよびRは、同一または異なり、かつ上記で定義された通りの部分Rである)のケトン(例えば、アセトン(CHC=O)、
−特に、化学式:ROR(式中、RおよびRは、同一または異なり、かつ上記で定義された通りの部分Rである)のエーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン)、
−特に、化学式:RCOOR(式中、RおよびRは、同一または異なり、かつ上記で定義された通りの部分Rである)のエステル(例えば、エチルアセテート)、および
−界面活性剤などの界面活性物質、
などの極性有機化合物またはそれらの混合物を含んでなる。界面活性物質は、与えられた定義(工程ii参照)に依存する。
使用される相溶化剤は、例えば、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコールを含んでなることがより好ましく、さらに相溶化剤としてエタノールを使用することが特に好ましい。
相溶化剤は、ゾル中、ゲル中または連続相中に存在してもよい。また、組み合せも可能である。好ましくは、相溶化剤を、表面修飾工程の前にシリル化媒体、および/またはゲル、および/またはゾルに混ぜる。より好ましくは、相溶化剤を、ゾルを調製する工程中に混ぜるか、またはそこから形成する。これは、ゾルが形成(工程i)された直後に相溶加材がゾル中に存在することを意味する。実際には、相溶化剤をそれらの調製前、調製中または調製後にゾルに混ぜてもよい。相溶化剤は、ゾル調製工程の間に[SiO4/2]単位を形成するための出発材料、および/または、場合により更なる酸化物単位および/または[RSiO(4−x)/2]単位を形成するために混ぜられる出発材料から形成されることが特に好ましい。使用される相溶化剤は、より好ましくは、出発材料の加水分解から形成されたエタノールおよび/またはメタノールを含んでなる。細孔液の相溶化剤の含有量は、好ましくは90重量%未満、より好ましくは50重量%未満、さらにより好ましくは5〜30重量%である。
また、連続相がシリル化媒体として機能することも本発明の一部である。場合により、シリル化媒体中のゲル粒子の濃度を増加させるために、表面修飾工程の前に連続相の一部を除去してもよい。ゲル粒子の濃度を低下させるため、例えば、混合物をよりよく混合または運搬するために、シリル化媒体をさらに混ぜることも可能である。リオゲルのml当たり使用されるシリル化媒体の量は、好ましくは1ml以上、より好ましくは1〜4ml、さらにより好ましくは1〜2mlのシリル化媒体である。
好ましい実施形態は、反応プロセス、特に表面修飾のプロセスが、ゲル粒子のより小さいサイズおよび良好な混合により促進されるので、従来技術に対する全体的なプロセスの明確な改善を提供する。エマルジョン/分散物は、さらに運搬するのが非常に単純であり、粒径は制御が単純であり、およびゲルのための追加の粉砕工程は必要ない。結果として、連続的または半連続的なプロセスが可能となるため、大規模な工業的製造が簡素化される。特に好ましい実施形態において、使用される連続相は、技術的に純粋なオルガノシロキサン、好ましくはジシロキサン、より好ましくはヘキサメチルジシロキサンである。これは、結果として、混合物の煩わしい分離および後処理を必要とせず、オルガノシロキサンが反応後に直接再使用可能であるため、特に有利である。
表面修飾工程(工程iv)中の温度は、室温〜混合物の沸点、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃、さらにより好ましくは55〜65℃であることが好ましい。
表面修飾工程(工程iv)の継続時間は、好ましくは5時間未満、より好ましくは2時間未満、さらにより好ましくは30分未満である。
ゲル形成工程(工程iii)およびその後に行われるあらゆる任意の熟成工程で有用である反応条件は、一般的に、シリル化媒体中で表面修飾が起こらないか、または非常に遅いことを意味するものであり、もしそうであれば、それは、オルガノシロキサン、特にジシロキサンが、これらの反応条件下でシリル化するのが非常に遅いためである。オルガノシロキサン、好ましくはジシロキサンは、酸またはクロロシロキサンなどの酸供与体の混和によって明確に開始することができる。この結果として、この発明において、「開始剤」という用語は、酸もしくはクロロシラン、またはそれらの混合物であり、かつ表面修飾の速度を促進する。これは、プロセス制御のよりよい形態を可能にする。これは、本発明の方法にとって、炭化水素とトリメチルシランとの通常使用される先行技術の混合物と比較して重要な利点である。当業者に公知の既述の反応およびメカニズムによって、酸および/またはクロロシランの混和により開始されることは、本発明の一部である。開始剤は、塩酸もしくはテトラメチルクロロシラン(TMSC)、またはそれらの混合物からなることが特に好ましい。濃塩酸を使用することが特別に好ましい。
実際にTMCSは、シリル化媒体として作用し、ゲル表面上のシラノール基と反応し、それにより構造の実質的な疎水化をもたらす。物質移動、ひいては表面修飾を促進するために、表面修飾工程中の良好な混合が有利に保証される。この結果として、分散物中において表面修飾工程を実施することが特に有利である。
比較例4は、その後の粉砕されたゲル片の表面修飾、すなわち、分散しない表面修飾が、本発明において、低温および低開始剤量を使用することによって実施した際に、発明の実施例1よりも2倍以上長いシリル化時間を必要とすることを示す。ゾルの固体含有量が低いことは、一般に、非常に大量の物質をエアロゲルの製造に運用しなければならないことを意味する。従って、空時収量の最小化は、経済的なプロセスの開発、ならびに開始剤の量の最小化のために重要である。すなわち、表面修飾を2倍に促進することは、処理量を100パーセント向上することができ、処理コストも大幅に削減することができる。
また、活性シリル化媒体は、細孔液の水と二次反応して、対応するオルガノシロキサン、好ましくはジシロキサンを形成し得る。それに基づいて、上記の酸を用いた逆反応により十分に高い濃度の活性シリル化媒体を維持することに役立つので、オルガノシロキサン、好ましくはジシロキサンおよび/または非常に濃縮されたオルガノシロキサン溶液中で、表面修飾工程を行うことが有利である。さらに、水相およびオルガノシロキサン、好ましくはジシロキサンの相を単に分離する必要があるので、ヘキサンなどの更なる溶媒を回避することは、単純であり、従って物質回収の経済的な形態を可能にする。これは、当業者に公知である有機相および水相を分離するための方法(例えば、沈殿池、遠心分離機、デカンター、蒸留、...)によって行うことができる。従って、特に好ましい実施形態は、オルガノシロキサン、好ましくはジシロキサンと開始剤との混合物をシリル化媒体として使用し、更なる溶媒を混ぜることを避ける。
疎水化中に、水を含有する極性の細孔液は、ゲルから排除され、オルガノシロキサンおよび/またはオルガノシロキサンを富んだ有機相、好ましくはジシロキサン、より好ましくはHMDSOによって置換される。水性細孔液は、オルガノシロキサンを富んだ相と実質的に混ざらないので、第2の水性の液相が表面修飾工程中に形成する。水相は、好ましくはオルガノシロキサンを富んだ相より高い密度を有し、ゲル粒子は、好ましくは有機相中に存在するので、本発明の方法は、単純でかつ資源を節約する形態の分離プロセスを提供することである。これは、具体的には大規模な工業的操作に特に重要である。さらに、反応の進行は、移動した細孔液の量によって追跡することができる。
極性液体、特に水は、ネットワークの高い親水性、および小さい細孔径に起因して、非常に強い結合によって[SiO4/2]ゲル中に保持され、かつ、水とHMDSOとの間の相溶性/混和性が非常に低いので、Schwertfeger(欧州特許登録公報第0948395B1号)に起因して上述の方法は、高いプロセス温度、および/または大量のHClおよび/またはTMCSに依存する。プロセスコストを最小にするために、酸および/またはクロロシランの使用を最小にすることが有利である。驚くべきことに、オルガノシロキサンを富んだ連続相中のゲル粒子の分散物の形態において、強力な混合により組み合わせる相溶化剤の使用は、より低い温度、および技術的にかなりの数時間の時間内に、HClおよびTMCSなどの開始剤を確実に使用することでさえもリオゲルの表面修飾を可能にする。
ゲル100g当たり使用される開始剤の量は、好ましくは20g以下、より好ましくは10g以下、さらにより好ましくは5g以下の開始剤である。
実施例では、表面修飾がTMCS(実施例2)のみならずHCl(実施例1および3)を用いても開始することができることを示す。
実施例1と実施例2と比較例3との比較では、本発明に従っていない連続相、すなわち、20重量%未満のオルガノシロキサンを含む連続相の適用は、水性細孔液が排除されず、従って分離した水層が形成されていないことから明らかであるように、シリル化反応に対して本発明の低温および低開始剤量を使用し、19時間後でもシリル化反応にはまだ不十分であることを示す。
表面修飾および溶媒移動のプロセスの時間は、好ましくは12時間未満、より好ましくは15分〜3時間、さらにより好ましくは15分〜2時間であることが本発明の一部である。表面修飾工程は、一般的に室温とシリル化媒体および/または細孔液の沸点との間で実施する。反応を実施する温度は、好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜80℃、さらにより好ましくは50〜70℃である。
比較例1および2と実施例1および3との比較では、本発明の手段で相溶化剤を使用せずに、本発明の低反応温度および低開始剤量を用いた際には、19および/または24時間後であっても水の移動はなく、従って表面修飾は起こらないことを示す。
ゲル粒子を水相および表面修飾工程後のシリル化媒体から分離することが有利である。これは、本発明の実施例の場合、濾過によって行われる。分離プロセスは、当業者に公知の固体−液体および/または液体−液体分離方法(例えば、デカンター、沈殿池、遠心分離機、排水器、蒸留...)のいずれかによって実施することができる。ゲルまたは反応混合物は、分離工程前、分離工程中または分離工程後に、溶媒を用いて洗浄および/または抽出してもよい。電解質を除去するために、水を用いて反応混合物を洗浄することが特に有利である。
本発明による方法の次の工程である工程(V)は、表面修飾された、場合により洗浄されたゲルを乾燥することを含んでなる。本発明の実施例において、ゲルは、0.01berおよび80℃において真空乾燥キャビネット中で一定重量まで乾燥する。一般的に、乾燥工程は、超臨界領域だけでなく、亜臨界領域において行うことができる。乾燥は、臨界点未満、好ましくは−30℃〜200℃、より好ましくは0〜150℃の温度、およびまた、好ましくは0.001〜20ber、より好ましくは0.01〜5ber、特に0.01〜2berの圧力において行うことが好ましい。この乾燥工程は、放射、対流および/または接触乾燥によって行ってもよい。乾燥は、ゲルが0.1重量%未満の残留溶媒含有量を有するまで行うことが好ましい。
乾燥工程は、必要に応じて、ゲルをより大きな粒子に凝集する工程によって、先行して、付随してまたは追随して、好ましくは付随してまたは追随してもよい。これは、例えば、公知の方法(例として、米国特許登録公報第6,481,649B1号および米国特許登録公報第6,620,355B1参照)によって行ってもよい。
本発明は、安価で、単純で、かつ取扱において安全で/一貫して、さらに資源の節約であり、この結果として経済的である有機修飾エアロゲルを製造する方法を利用可能にする。本発明の方法は、迅速な反応過程と温和な温度条件下で少量の開始剤の使用との利点を組み合わせることに特に注目すべきである。分散物中におけるゲル調製および表面修飾は、特に効率的な形態の材料回収を理由に、迅速な形態の物質移動、および迅速な反応工程により、連続的な大規模の工業プロセスの実現を可能にする方法を提供する。個々の利点は既に上記で詳述した。
本発明の方法によって得られるエアロゲルは疎水性である。前記エアロゲルの密度は、好ましくは0.05〜0.3g/cmの範囲、より好ましくは0.08〜0.2g/cmの範囲、さらにより好ましくは0.09と0.15g/cmとの範囲である。BET法によって測定された際の前記エアロゲル表面積は、好ましくは300〜1000m/g、より好ましくは500〜900m/g、特に好ましくは600〜800m/gの範囲である。本発明により得られるエアロゲルは、好ましくは2.0cm/g以上、より好ましくは3.0cm/g以上、さらにより好ましくは4.0cm/g以上のBJH細孔容積であることに注目すべきである。本発明により得られるエアロゲルは、低レベルの熱伝導率を有する。20℃において測定された後者は、好ましくは0.02W/mK未満、より好ましくは0.015W/mK未満、特に好ましくは0.01W/mK未満である。
本発明により得られたエアロゲルは、好ましくは絶縁用途、より好ましくは断熱、さらにより好ましくは断熱材に使用される。
本発明の手段によるエアロゲルの製造方法は、これにより限定されない例示的な実施形態を参照してより詳細に記載され得る。
[分析方法]
かさ密度の測定
かさ密度は、DIN53468に従って、既知の体積(50cm)の円筒状容器に更なる圧縮なくエアロゲル粉末を注ぎ、その後、秤量することによってエアロゲル粉末の重量を測定することによって測定した。
BTE表面積の測定
比表面積は、エアロゲルについて、DIN9277/66131および9277/66132のBET法により測定した。
BJH細孔容積および細孔径の測定
細孔分析は、DIN66134に従って、Barett joyner and Halenda法(BJH、1951)に基づいて実施した。脱着等温線データを評価した。
収量の測定
収量を測定するために、ゲル粒子を一定重量まで乾燥して、その後室温において秤量した。
pHの測定
pHは、Mettler Toledo Seven MultiのpHメーター;電極:In Lab Science を使用して測定した。
全ての例に適用:
テトラエチルオルトシリケート(Wacker Chemie AGのWACKER(商標登録)TES28)、水ガラス(Sigma−Aldrich: SiO含有量:26.5重量%、NaO含有量:10.6重量%)、ヘキサメチルジシロキサン(Wacker Chemie AGのWACKER(商標登録)AK 0.65 SILICONOEL)、トリメチルクロロシラン(Wacker Chemie AGのSILAN M3)。
他の全ての実験科学薬品は、Sigma−Aldrichから入手した。
実施例1:
初めに丸底フラスコを210mlの水と1.0mlの1M塩酸とで満たし、次に50℃に加熱した。激しい撹拌によってかき混ぜながら、50℃で1時間撹拌することによって、104gのTEOSを混ぜた。
第2のフラスコ中において、700mlのヘキサメチルジシロキサンを60℃に加熱して、激しく撹拌した。
ゾルを、12.5mlの0.25Mアンモニア溶液と混ぜ、HMDSOを備える第2の丸底フラスコに1分以内に移すのと同時に激しく撹拌した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。その後、30gの濃塩酸(ゲル100g当たり9.1gの塩酸に相当)を、撹拌しながら混ぜ、反応混合物を60℃で撹拌した。15分ごとに、スターラーを停止し、相分離を待って(1分)、移動した水層(底相)の容量を記録した。90分後、水性細孔液の移動は完了した。すなわち、水相の容量が最大となり、さらにいかなる変化もしなくなった。続いて、ブフナー漏斗(Whatman(商標登録)Filter、125mm、Grade 40)を使用して濾過によりゲル粒子を分離した。最後に、ゲル粒子を吸引乾燥キャビネット(10mber、120℃)中で乾燥した。以下の値は、上記の分析方法によって測定した。
かさ密度:0.07g/cm
BET:748m/g
BJH細孔容量:4.3cm/g
平均細孔径:17nm
実施例2:
ガラスビーカー中において、150gの水と150gの水ガラス(Aldrich: SiO含有量:26.5重量%、NaO含有量:10.6重量%)とを混合し、氷浴中で10℃に冷却した。
第2のガラスビーカー中において、100gの塩酸(7.5重量%)を初めに満たし、氷浴中で10℃に冷却して、マグネチックスターラーを用いて500rpmで撹拌した。
冷却した水ガラス溶液を、撹拌しながら滴下漏斗を介して、塩酸溶液に徐々に添加した。温度が10℃を超えないように添加速度に注意をした。混和物がpH3.2のときに停止させ、22gのエタノールを相溶化剤として混ぜた。続いて、液体ゾルを、塩基として1.0gの水ガラス溶液を含有するヘキサメチルジシロキサンの550mlの混合物に移しながら、激しい撹拌(KPGスターラー、700rpm)を行い、60℃で3時間撹拌した。その後、分散物を80℃に加熱し、撹拌によるかき混ぜ下で23gのトリメチルクロロシラン(ゲル100g当たり10のTMCSに相当)を混ぜ、さらに70℃で撹拌した。15分ごとに、スターラーを停止し、相分離を待って(1分)、移動した水層の容量を記録した。120分後、水性細孔液の移動は完了した。続いて、ブフナー漏斗(Whatman(商標登録)Filter、125mm、Grade 40)を使用して濾過によりゲル粒子を分離し、吸引乾燥キャビネット(10mber、120℃)中の減圧下で一定重量まで乾燥した。
かさ密度:0.10g/cm
BET:500m/g
BJH細孔容量:3.2cm/g
平均細孔径:22nm
実施例3:
初めに丸底フラスコを210mlの水と1.0mlの1M塩酸とで満たし、次に50℃に加熱した。激しい撹拌によってかき混ぜながら、50℃で1時間撹拌することによって、104gのTEOSを混ぜた。
第2のフラスコ中において、n−ヘキサン中の700mlのHMDSO溶液(50重量%を60℃に加熱して、激しく撹拌した。
ゾルを、12.5mlの0.25Mアンモニア溶液と混ぜ、HMDSO溶液を備える第2の丸底フラスコに1分以内に移すのと同時に激しく撹拌した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。その後、30gの濃塩酸(ゲル100g当たり9.1gの塩酸に相当)を、撹拌しながら混ぜ、反応混合物を60℃で撹拌した。15分ごとに、スターラーを停止し、相分離を待って(1分)、移動した水層の容量を記録した。3時間後、水性細孔液の移動は完了した。続いて、ブフナー漏斗(Whatman(商標登録)Filter、125mm、Grade 40)を使用して濾過によりゲル粒子を分離した。最後に、ゲル粒子を吸引乾燥キャビネット(10mber、120℃)中で乾燥した。以下の値は、上記の分析方法によって測定した。
かさ密度:0.08g/cm
BET:760m/g
BJH細孔容量:4.0cm/g
平均細孔径:17nm
比較例1:
初めに丸底フラスコを210mlの水と1.0mlの1M塩酸とで満たし、次に50℃に加熱した。激しい撹拌によってかき混ぜながら、50℃で1時間撹拌することによって、104gのTEOSを混ぜた。
第2のフラスコ中において、700mlのヘキサメチルジシロキサンを60℃に加熱して、激しく撹拌した。
ゾルを、12.5mlの0.25Mアンモニア溶液と混ぜ、HMDSOを備える第2の丸底フラスコに1分以内に移すのと同時に激しく撹拌した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。続いて、ブフナー漏斗(Whatman(商標登録)Filter、125mm、Grade 40)を使用して濾過によりゲル粒子を分離した。エタノールを除去するために、ゲル片を1度に60℃の熱い蒸留水(ゲル100g当たり300mlの水)中において、24時間で5回インキュベートした。インキュベートする水は、各期間において12時間後にデカントしてから、その後、新鮮な水で置き換えた。続いて、ゲル粒子を700mlのヘキサメチルジシロキサン中に分散させ、60℃に加熱し、30gの濃塩酸(ゲル100g当たり9.1gの塩酸に相当)を撹拌しながら混ぜた。15分ごとに、スターラーを停止し、相分離を待って(1分)、移動した水層の容量を記録した。3時間後、分離した水相を作ることはできなかった。反応混合物を、60℃でさらに16時間撹拌した後、依然として分離した水相を作ることはできなかった。すなわち、シリル化は起こらなかった。
比較例2:
ゾルへの相溶化剤(エタノール)の混和を省いたこと以外は、実施例2を繰り返した。24時間後でも分離した水相を作ることはできなかった。
比較例3:
初めに丸底フラスコを210mlの水と1.0mlの1M塩酸とで満たし、次に50℃に加熱した。激しい撹拌によってかき混ぜながら、50℃で1時間撹拌することによって、104gのTEOSを混ぜた。
第2のフラスコ中において、700mlのn−ヘキサンを60℃に加熱して、激しく撹拌した。
ゾルを、12.5mlの0.25Mアンモニア溶液と混ぜ、n−ヘキサンを備える第2の丸底フラスコに1分以内に移すのと同時に激しく撹拌した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。その後、30gの濃塩酸(ゲル100g当たり9.1gの塩酸に相当)を撹拌しながら混ぜ、反応混合物を60℃において撹拌した。15分ごとに、スターラーを停止し、相分離を待って(1分)、移動した水層の容量を記録した。3時間後、分離した水相を作ることはできなかった。反応混合物を、60℃でさらに16時間撹拌した後、依然として分離した水相を作ることはできなかった。
比較例4:
スクリュー蓋付きジャー中において、210mlの水と1.0mlの1M塩酸との初期充填物を50℃に加熱した。激しい撹拌によるかき混ぜ下(マグネチックスターラー500rpm)で、104gのTEOSを混ぜ、50℃で1時間撹拌した。次に、これに12.5mlの0.25Mアンモニア溶液を混和し、続いて1分間撹拌し、最後にスターラーを除去した。得られたゲルを、乾燥キャビネット中の密閉容器に60℃で3時間保管した。続いて、5mm未満の片を得るために、5mmのメッシュサイズを有するふるいを通してゲルを押し付けた。ゲル片を、700mlのヘキサメチルジシロキサンと共にスクリューフラスコに導入し、60℃に加熱した。その後、30gの濃塩酸(ゲル100g当たり約9.1gの塩酸に相当)を混ぜ、フラスコを振り、移動した水相の容量を15分ごとに確認した。分離した水相を確認することができるまでに1.5時間かかった。細孔液の移動は完了するまでに4時間かかった。
プロセス中において方法の第3の工程(iii)は、連続相中のゾルからゲルを形成することを含んでなる。ゲル形成は、pHの上昇および/または温度の上昇などの当業者に公知の方法によってもたらされる。本明細書でゲル形成は、連続相へのゲルの混和前、混和中または混和後に起こる。塩基がゲル形成を開始するために使用される際に、この塩基は、ゾルおよび/または連続相に導入されてもよい。
疎水化中に、水を含有する極性の細孔液は、ゲルから排除され、オルガノシロキサンおよび/またはオルガノシロキサンを富んだ有機相、好ましくはジシロキサン、より好ましくはHMDSOによって置換される。水性細孔液は、オルガノシロキサンを富んだ相と実質的に混ざらないので、第2の水性の液相が表面修飾工程中に形成する。水相は、好ましくはオルガノシロキサンを富んだ相より高い密度を有し、ゲル粒子は、好ましくは有機相中に存在するので、本発明の方法は、単純でかつ資源を節約する形態の分離プロセスを提供する。これは、具体的には大規模な工業的操作に特に重要である。さらに、反応の進行は、移動した細孔液の量によって追跡することができる。
極性液体、特に水は、ネットワークの高い親水性、および小さい細孔径に起因して、非常に強い結合によって[SiO4/2]ゲル中に保持され、かつ、水とHMDSOとの間の相溶性/混和性が非常に低いので、Schwertfeger(欧州特許登録公報第0948395B1号)に起因して上述の方法は、高いプロセス温度、および/または大量のHClおよび/またはTMCSに依存する。プロセスコストを最小にするために、酸および/またはクロロシランの使用を最小にすることが有利である。驚くべきことに、オルガノシロキサンを富んだ連続相中のゲル粒子の分散物の形態において、強力な混合により組み合わせる相溶化剤の使用は、より低い温度、および技術的にかなりの数時間の時間内に、HClおよびTMCSなどの開始剤を確実に使用することでさえもリオゲルの表面修飾を可能にする。
ゲル100g当たり使用される開始剤の量は、好ましくは20g以下、より好ましくは10g以下、さらにより好ましくは5g以下の開始剤である。
実施例3:
初めに丸底フラスコを210mlの水と1.0mlの1M塩酸とで満たし、次に50℃に加熱した。激しい撹拌によってかき混ぜながら、50℃で1時間撹拌することによって、104gのTEOSを混ぜた。
第2のフラスコ中において、n−ヘキサン中の700mlのHMDSO溶液(50重量%を60℃に加熱して、激しく撹拌した。
ゾルを、12.5mlの0.25Mアンモニア溶液と混ぜ、HMDSO溶液を備える第2の丸底フラスコに1分以内に移すのと同時に激しく撹拌した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。その後、30gの濃塩酸(ゲル100g当たり9.1gの塩酸に相当)を、撹拌しながら混ぜ、反応混合物を60℃で撹拌した。15分ごとに、スターラーを停止し、相分離を待って(1分)、移動した水層の容量を記録した。3時間後、水性細孔液の移動は完了した。続いて、ブフナー漏斗(Whatman(商標登録)Filter、125mm、Grade 40)を使用して濾過によりゲル粒子を分離した。最後に、ゲル粒子を吸引乾燥キャビネット(10mber、120℃)中で乾燥した。以下の値は、上記の分析方法によって測定した。
かさ密度:0.08g/cm
BET:760m/g
BJH細孔容量:4.0cm/g
平均細孔径:17nm

Claims (12)

  1. i.[SiO4/2]単位を含んでなるゾルを調製することと、
    ii.生じたゾルを連続相中に分散することであって、前記ゾルが分離相を形成し、かつ、前記連続相が20重量%以上のオルガノシロキサンを含んでなることと、
    iii.前記連続相中で前記ゾルからゲルを形成することと、
    iv.相溶解剤の存在下、酸もしくはクロロシラン、またはそれらの混合物が開始剤として混ぜられている前記連続相中で生じたゲルを表面修飾することと、
    v.得られたゲルを乾燥することと、
    による有機修飾エアロゲルの製造方法。
  2. 使用される前記オルガノシロキサンが、式:RSi−O−SiR(式中、それぞれのRは、同一または異なってもよく、かつ水素原子、または置換されたもしくは非置換の有機部分である)のジシロキサンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記相溶化剤を、前記ゾルを調製する前記工程中に混ぜるか、またはそこから形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. アルコールを相溶化剤として使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程ivが、予め溶媒交換を行わないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記開始剤が、トリメチルクロロシランもしくは塩酸、またはそれらの混合物からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 使用される前記ジシロキサンが、ヘキサメチルジシロキサンであることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. エタノールを相溶化剤として使用することを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ゲル100g当たり、20g以下の開始剤を使用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 表面修飾工程(工程iv)の温度が、40〜80℃であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 表面修飾工程(工程iv)の継続時間が、5時間未満であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. テトラエトキシシラン(TEOS)もしくは水ガラス、またはそれらの加水分解生成物を、[SiO4/2]出発材料として使用することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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