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JP2018203917A - アクリルゴム組成物および架橋アクリルゴム部材 - Google Patents

アクリルゴム組成物および架橋アクリルゴム部材 Download PDF

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JP2018203917A JP2017112374A JP2017112374A JP2018203917A JP 2018203917 A JP2018203917 A JP 2018203917A JP 2017112374 A JP2017112374 A JP 2017112374A JP 2017112374 A JP2017112374 A JP 2017112374A JP 2018203917 A JP2018203917 A JP 2018203917A
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博光 矢本
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英治 小宮
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智規 古川
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Abstract

【課題】引張強さおよび圧縮永久歪みに優れたアクリルゴム組成物と架橋アクリルゴム部材を提供する。【解決手段】活性塩素基タイプのアクリルゴムと、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤と、DBP吸収量が150cm3/100g以上のカーボンブラックと、標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有し、前記アクリルゴム100質量部に対して、前記架橋剤を0.5〜5質量部、前記カーボンブラックを30〜100質量部、前記金属水酸化物を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とするアクリルゴム組成物と、当該組成物を架橋してなる架橋アクリルゴム部材である。【選択図】なし

Description

本発明は、アクリルゴム組成物と当該組成物を架橋してなる架橋アクリルゴム部材に関する。
自動車等車両の自動変速機(AT)内部のクラッチ締結に、ボンデッドピストンシール(以下、「BPS」と記載する。)が使用されている。BPSは、一般に、自動変速機の内部において油圧作動(往復運動)する金属環と、この金属環に架橋接着されてシール作用をなすゴム状弾性材とを備えている。
現在、BPS用のゴム状弾性材として、耐熱性および耐油性に優れたアクリルゴムが広く使用されている。アクリルゴムは、ポリマーの特性上、二次架橋を付与し、架橋密度を高くして使用するのが通例である。しかし、BPS用途では、製品の生産量が大きいことから、工程費削減のために、二次架橋をせずに製品化されている。
特許文献1には、ハロゲン含有アクリルゴム、フェニル基含有2級アミン系老化防止剤および水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを含有してなるハロゲン含有アクリルゴム組成物が開示されている。
特許第3382676号公報
特許文献1に記載のハロゲン含有アクリルゴム組成物は、耐熱性には優れているものの、引張り強さや加工性において、改善の余地を有するものであった。
昨今のアクリルゴム材料のベースポリマーには、高温短時間で架橋可能な活性塩素タイプのアクリルゴムが使用されることがある。活性塩素基タイプのアクリルゴムに適用可能な架橋系には、硫黄・金属石鹸系架橋剤とトリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤の2種類があり、それぞれの架橋物の特性は異なっている。硫黄・金属石鹸系架橋剤では、引張強さや伸びなどの常態物性に優れるのに対して、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤では、圧縮永久歪み率に優れるものの、硫黄・金属石鹸系架橋剤と比較して、引張強さが低いこと、及び温水浸漬後の金属接着性が低下することが欠点である。いずれの架橋剤系を用いても、高い引張強さおよび低い圧縮永久歪み率が必要とされる金属接着部品への適用では、ゴムの特性上、両方の性能を両立させることは困難であった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、引張強さおよび圧縮永久歪みに優れた架橋アクリルゴム部材とそれを製造するためのアクリルゴム組成物を提供することである。
本発明は、特定のアクリルゴムの架橋において、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩架橋を適用することによって、良好な圧縮永久歪み率を維持しつつ、欠点である引張強さの低下を特定のカーボンブラックを配合することによって補強・改善して、上記課題の解決を図ることに成功したものである。
すなわち、本発明のアクリルゴム組成物は、活性塩素基タイプのアクリルゴムと、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤と、DBP(Di-butyl phthalate)吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックと、標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有し、前記アクリルゴム100質量部に対して、前記架橋剤を0.5〜5質量部、前記カーボンブラックを30〜100質量部、前記金属水酸化物を0.1〜0.5質量部含有することを特徴としている。
また、本発明の架橋アクリルゴム部材は、活性塩素基タイプのアクリルゴムと、DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックと、標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有し、前記アクリルゴムは、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩で架橋され、前記アクリルゴム100質量部に対して、前記カーボンブラックを30〜100質量部、前記金属水酸化物を0.1〜0.5質量部含有することを特徴としている。
本発明の架橋アクリルゴム部材は、引張強さおよび圧縮永久歪みのいずれの性能も優れている。また、本発明のアクリルゴム組成物は、当該架橋アクリルゴム部材を製造することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下に説明する実施形態に限定されるわけではない。
本発明のアクリルゴム組成物は、活性塩素基タイプのアクリルゴムと、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤と、DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックと、標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有している。以下各成分について説明する。
アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステルまたはアクリル酸アルコキシアルキルエステルを主たるモノマー成分とし、架橋点となる官能基を有する架橋性モノマーを共重合させた重合体である。アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等があり、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルである。
また、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、アルコキシ基の炭素数が1〜4のアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。具体的には、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシエトキシエチル等があり、好ましくはアクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチルである。
また、架橋点となる官能基を有する架橋性モノマーとしては、エポキシ基、カルボキシル基、活性ハロゲン基、水酸基、アミド基等を有する架橋性モノマー、またはジエン系モノマーがある。
活性塩素基タイプのアクリルゴムとは、架橋性モノマーとして、活性塩素基を有する架橋性モノマーが共重合されたアクリルゴムである。活性塩素基を有する架橋性モノマーとしては、例えば、2−クロルエチルビニルエーテル、2−クロルエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロルアセテート、アリルクロルアセテート等が挙げられる。
活性塩素基タイプのアクリルゴムは、1種類または2種類以上を適宜混合して使用することができる。ゴム種としては、活性塩素基タイプのアクリルゴムを単独で用いることが望ましいが、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、他の種類のゴム成分や樹脂成分を添加してもよい。
活性塩素基タイプのアクリルゴムは、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤によって架橋される。トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤によって架橋された活性塩素基タイプのアクリルゴムは、一次架橋であっても、圧縮永久歪み率に優れたものとなる。しかし、通常、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤による架橋アクリルゴムは引張強さが低いものとなる。そこで、後記するように、特定のハイストラクチャータイプのカーボンブラックを使用することによって、引張強さの低下を抑制している。
アクリルゴム100質量部に対するトリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤の添加量は、圧縮永久歪みを向上させるという観点から、0.5〜5質量部である。トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤は、トリアジンチオールとジチオカルバミン酸塩から構成されている。
トリアジンチオールとしては、例えば、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジ−n−プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジ−イソプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジ−n−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−n−ヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−n−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が挙げられる。これらの中では、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンが好ましい。
ジチオカルバミン酸塩としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ‐n‐ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ‐n‐ヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ‐n‐オクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ‐n‐デシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ‐n‐ドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルシクロヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。これらの中では、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛が好ましい。
本発明では、カーボンブラックとして、アグリゲートが発達したハイストラクチャータイプのカーボンブラックを用いることが必要である。ハイストラクチャータイプのカーボンブラックを用いることによって、架橋されたアクリルゴムの引張強さの低下を抑制することが可能となる。
ハイストラクチャータイプのカーボンブラックとは、具体的には、DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックである。カーボンブラックのアグリゲート間の空隙量は、ストラクチャーと相関があり、DBP(Di-butyl phthalate)の吸収量を測定することによって、ストラクチャーの発達の程度を定量化することができる。DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックであると、アクリルゴムの引張強さを保持することが可能となる。なお、DBP吸収量は、JIS K6217−4に準拠して測定することができる。
カーボンブラックによる強度補強は、粒子径の小さいタイプを用いることでも可能ではあるが、粒子径が小さいカーボンブラックでは、圧縮永久歪み率が低下する。本発明で用いるカーボンブラックは、粒径を小さくすることなく、ストラクチャーを発達させたものであるため、圧縮永久歪み率を低下させることなく、引張強さの向上を可能としている。
カーボンブラックの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラックを挙げることができ、MAF、SRFを好適に用いることができる。また、これらのカーボンブラックは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックとDBP吸収量が150cm/100g未満のカーボンブラックとを混合して、平均のDBP吸収量を150cm/100g以上として用いてもよい。
カーボンブラックは、アクリルゴム100質量部に対して、30〜100質量部含有させる。カーボンブラックの含有量が30質量部未満であると、アクリルゴムの引張強さの維持が困難になる。またカーボンブラックの含有量が100質量部を超えると、引張強さと圧縮永久歪みの保持が困難となる。
BPSでは、通常、金属板にゴム部材が架橋接着されている。しかし、ゴム−金属接着体を温水浸漬すると、酸化腐食によって接着界面が破壊されるという問題点が存在する。このような問題点に対処するため、ゴム部材には、受酸剤として金属水酸化物が添加されて、酸化作用を緩和することが行われる。金属水酸化物としては、従来から水酸化カルシウムを配合することが一般的であった。しかし、ゴム配合剤として水酸化カルシウムを添加すると、金属のイオン化傾向が強過ぎて、ゴム生地のスコーチタイム(T5)を極端に短くしてしまうことがある。
また、アクリルゴムのトリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤による架橋では、温水浸漬後の金属との接着性が低下することがある。
そこで、本発明においては、ゴム部材にイオン化傾向の小さい金属からなる金属水酸化物を含有させる。イオン化傾向の小さい金属の水酸化物を添加すると、アクリルゴムの温水浸漬後の接着性維持とスコーチタイムの短縮抑制を両立させることが可能となる。金属のイオン化傾向は、金属の標準酸化還元電位によって表現される。イオン化傾向の小さい金属の水酸化物とは、標準酸化還元電位(E)が−2.50V以上(0Vに近い)の金属の水酸化物であり、具体的には、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムである。一方、標準酸化還元電位の上限値は、−1.5V以下であることが好ましい。
標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物は、アクリルゴム100質量部に対して、0.1〜0.5質量部含有させる。このとき、温水浸漬後の接着性維持とスコーチタイムの短縮抑制を両立させることができる。
アクリルゴム組成物は、以上の各成分以外に、必要に応じて、公知の配合剤、例えば、架橋剤、架橋促進剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤等を適宜添加してもよい。
アクリルゴム組成物は、オープンロール、密閉式混練機(ニーダ、インターミックス、バンバリーミキサ等)の適宜の混合方法によって配合することによって調製することができる。
未架橋のアクリルゴム組成物を架橋させる際の条件は、加熱温度が通常、150℃以上、好ましくは150〜200℃であり、架橋時間が通常、数分〜数時間程度である。また、架橋時の加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱等の適宜の方法を採用することができる。
架橋アクリルゴム部材の成形方法は、特に限定されない。圧縮成形法、射出成形法、押出成形法、トランスファー成形法など、いずれの方法を用いることもできる。また、架橋方法は、部材の形状などに応じて選択すればよく、成形と架橋を同時に行う方法、成形後に架橋を行う方法のいずれでもよい。
架橋アクリルゴム部材は、上記のアクリルゴム組成物を架橋させたものである。したがって、架橋アクリルゴム部材は、活性塩素基タイプのアクリルゴムと、DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックと、標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有し、アクリルゴムは、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩で架橋されている。そして、アクリルゴム100質量部に対して、カーボンブラックを30〜100質量部、金属水酸化物を0.1〜0.5質量部含有している。
本発明の架橋アクリルゴム部材は、例えば、自動車等の輸送機械、一般機器・装置、電子・電気、建築等の幅広い分野において、O−リング、オイルシール、ベアリングシール等のシール材等として有用である。特に、自動変速機のBPSとして有用である。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1〜5、比較例1〜11)
実施例、比較例に用いたアクリルゴム組成物の原料および組成は、以下のとおりである。
<共通配合>
アクリルゴム:Noxtite PA402K(ユニマテック社製、活性塩素基タイプのアクリルゴム)100質量部、
充填剤:乾式シリカ(日本アエロジル社製AEROSIL 200)5質量部、
加工助剤:パラフィンワックス(大内新興化学工業社製、サンノック)2質量部、
ステアリン酸:(花王社製、ルナックS30)1質量部、
老化防止剤:4,4‘-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業社製、Nocrac CD)2質量部
<架橋剤>
(1)架橋系1:トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤
2,4,6-トリメルカプト-S-トリアジン(大内新興化学工業社製ノクセラーTCA)0.6質量部
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業社製ノクセラーBZ)1.5質量部
テトラエチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業社製ノクセラーTET-G)0.5質量部
(2)架橋系2:硫黄・金属石鹸系架橋剤
硫黄0.3質量部
精製ソーダ石鹸(花王社製NS-Soap)3.5質量部
ステアリン酸カリウム(日本油脂社製ノンサールSK-1)1.2質量部
<カーボンブラック>
CB1:MAF−HSグレード(186)、東海カーボン社製 シーストG-116HM
CB2:SRF−HSグレード(152)、東海カーボン社製 シーストG-FY
CB3:SRF−HSグレード(140)、東海カーボン社製 シーストG-SVH
CB4:FEFグレード(DBP吸収量:115)、東海カーボン社製 シーストG-SO
( )内の数値は、DBP吸収量(cm/100g)。
<金属水酸化物>
Ca(OH):水酸化カルシウム(Ca:E=−2.84V)
Mg(OH):水酸化マグネシウム(Mg:E=−2.36V)
Al(OH):水酸化アルミニウム(Al:E=−1.68V)
( )内の数値は、金属の標準酸化還元電位E(V)である。
3lニーダーおよび10インチオープンロールを用いて、共通配合(アクリルゴムを100質量部とする)に対して、表1および表2に記載の成分を配合して、アクリルゴム組成物の生地を調製した。得られたゴム生地から、プレス加工を行って、約2mm厚さの未架橋ゴムシートを作製した。その後、架橋条件:180℃×10分で架橋させて、2mm厚の架橋ゴムシートを作製した。
<ゴム生地の特性>
(1)ムーニー粘度、スコーチタイム
JIS K6300−1:2001準拠、
試験温度:125℃、ムーニー粘度:最低ムーニー粘度、スコーチタイム:T5[min.]
<架橋ゴムシートの特性>
(2)常態値
硬さ:JIS K6253−3:2012準拠
引張強さ、破断時伸び:JIS K6251:2010準拠
(3)圧縮永久歪み率
JIS K6262:2006準拠
試験条件:150℃、70時間、試験片:φ29、厚さ:12.5mm(Plied Disk)
(4)接着試験
基材:SPCC、化成処理:リン酸亜鉛マグネシウム、
接着処理:ノボラック型フェノール樹脂を接着性成分とし、レゾール型フェノール樹脂を硬化剤として添加してなる接着剤(参考特許:特開平10-121020号公報で規定される接着剤)
接着剤の焼付条件:130℃、15分、ゴムの架橋条件:200℃、2分
評価方法:ゴム剥離試験後のゴム残存率[%]、温水浸漬条件:80℃、70時間
評価結果を表1と表2に示した。
Figure 2018203917
Figure 2018203917
表1と表2から以下のことが分かった。
実施例1〜5のゴムシートは、スコーチタイム(T5)が長く、引張強さは大きく(10.0MPa以上)、圧縮永久歪み率は小さく、温水浸漬後の接着性も良好で、必要な材料特性全てにおいて、優れた材料であった。
比較例1〜3のゴムシートは、架橋系2によって架橋したものであるが、引張り強さは高く、接着性も良好であるが、圧縮永久歪み率に劣るものであった。
比較例4のゴムシートは、架橋系1によって架橋したものであるが、金属水酸化物を添加していないため、圧縮永久歪み率は良好であるが、温水浸漬後の接着性に劣るものであった。
比較例5、6のゴムシートは、架橋系1によって架橋したものであるが、金属水酸化物として水酸化カルシウムを用いたため、温水浸漬後の接着性は改良されるが、スコーチタイム(T5)が著しく短くなってしまい、架橋成形性に影響を及ぼす可能性があった。
比較例7〜10のゴムシートは、配合されるカーボンブラックのDBP吸収量が小さいものであるか、DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックの含有量が少ないものであるため、引張強さが低いものであった。
比較例11のゴムシートは、金属水酸化物として水酸化マグネシウムを用いたものであるが、添加量が多いため、スコーチタイム(T5)が短いものであった。

Claims (2)

  1. 活性塩素基タイプのアクリルゴムと、
    トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩系架橋剤と、
    DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックと、
    標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有し、
    前記アクリルゴム100質量部に対して、前記架橋剤を0.5〜5質量部、前記カーボンブラックを30〜100質量部、前記金属水酸化物を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とするアクリルゴム組成物。
  2. 活性塩素基タイプのアクリルゴムと、
    DBP吸収量が150cm/100g以上のカーボンブラックと、
    標準酸化還元電位が−2.50V以上の金属からなる金属水酸化物とを含有し、
    前記アクリルゴムは、トリアジンチオール・ジチオカルバミン酸塩で架橋され、
    前記アクリルゴム100質量部に対して、前記カーボンブラックを30〜100質量部、前記金属水酸化物を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とする架橋アクリルゴム部材。
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JP7510823B2 (ja) 2020-09-01 2024-07-04 Nok株式会社 アクリルゴム組成物

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