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JP2018203366A - ブリスターパック用蓋材 - Google Patents

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JP2018203366A
JP2018203366A JP2017113633A JP2017113633A JP2018203366A JP 2018203366 A JP2018203366 A JP 2018203366A JP 2017113633 A JP2017113633 A JP 2017113633A JP 2017113633 A JP2017113633 A JP 2017113633A JP 2018203366 A JP2018203366 A JP 2018203366A
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JP2017113633A
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English (en)
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謙太 鈴木
Kenta Suzuki
謙太 鈴木
篤史 安田
Atsushi Yasuda
篤史 安田
昌 井上
Akira Inoue
昌 井上
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Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】所望の吸収性能を有し、吸収層を破断させることなく容易に開封でき、かつ静置時にカールを生じない、ブリスターパック用蓋材を提供する。【解決手段】本発明のブリスターパック用蓋材10は、基材層18、カール防止層16、吸収層12、及び易剥離性層14をこの順で具備しており、吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、かつカール防止層が、易剥離性樹脂組成物を、カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上の含有率で含有している、ブリスターパック用蓋材である。【選択図】図1

Description

本発明は、ブリスターパック用蓋材に関する。
従来、例えば錠剤等の固形製剤や薬剤の入ったカプセルのための包装容器として、ブリスターパックが用いられている。このブリスターパックは、樹脂シート等で構成されているブリスター容器用シートに、ポケットとよばれる凹部を形成してブリスター容器を形成し、ポケット内に内容物を入れ、そして蓋材をヒートシール等によって接合させることにより形成することができる。
ブリスター容器は、ポケットの内側に製剤等を収容した状態で、その周囲に拡がった裾の部分に蓋材をヒートシールすることにより、製剤等が封入された内容物入りブリスターパックとなる。包装に用いるブリスター容器及び/又は蓋材が透明であれば、その内部に封入された製剤を容易に視認することができる。ブリスターパックから内容物を取り出す手段としては、主にブリスター容器のポケットを外側から蓋材側へ押圧変形させて、内容物で蓋材を破り、そして内容物を取り出すこと(プッシュスルー)が行われている。
ブリスターパックに封入される製剤の有効成分には様々なものがあり、その中には耐湿性の弱い有効成分や、においの強い有効成分もある。そこで、ブリスター容器用シート又は蓋材に予め水分やにおい等を吸収する吸収層を形成しておくことにより、成形後のブリスターパックに吸収機能を持たせる手段が提案されている。
特許文献1では、ブリスターパック用蓋材に水分を吸収する乾燥剤を含有するプラスチック材料層を積層して、感湿性の製品を水分から保護する技術を開示している。
特表2012−520802号公報
特許文献1のブリスターパック用蓋材を用いたブリスターパックから、蓋材を破るプッシュスルーにより内容物を取り出すことができるようにするためには、乾燥剤を含有するプラスチック材料層の厚さを薄く制御する必要があるため、蓋材の易開封性と所望の吸収性能とが両立できないことがある。
また、特許文献1のブリスターパック用蓋材を、従来と同様にプッシュスルーしようとした場合、プラスチック材料層を破断させることとなり、その結果、プラスチック材料層に含有される乾燥剤が内容物に接触することがあった。
更に、ブリスターパック用蓋材をブリスター容器に接合ずれ等の不具合を生じさせることなく接合させるためには、ブリスターパック用蓋材の静置時にカールを生じさせないことも考慮する必要がある。
したがって、所望の吸収性能を有し、吸収層を破断させることなく容易に開封でき、かつ静置時にカールを生じない、ブリスターパック用蓋材を提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 基材層、カール防止層、吸収層、及び易剥離性層をこの順で具備しており、
上記吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、
上記易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、かつ
上記カール防止層が、上記易剥離性樹脂組成物を、上記カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上の含有率で含有している、
ブリスターパック用蓋材。
〈2〉 上記易剥離性層を、ポケットを有するブリスター容器に融着させ、それによって
上記ブリスター容器と上記易剥離性層とが接合している接合部、及び
上記ブリスター容器の上記ポケットに対応し、かつ上記ブリスター容器と上記易剥離性層とが接合していない非接合部
を形成し、そして上記蓋材を剥離させたときに、
(i)上記易剥離性層から上記ブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
(ii)上記接合部においては、上記易剥離性層が、上記ブリスター容器に追従し、かつ上記非接合部において、上記易剥離性層が上記吸収層に追従することができる、
上記〈1〉項に記載の蓋材。
〈3〉 上記吸収層と上記易剥離性層とが、互いに融着されている、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の蓋材。
〈4〉 上記吸収層用樹脂組成物が、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有しており、かつ
上記易剥離性樹脂組成物が、ポリプロピレン系樹脂を含有している、
上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の蓋材。
〈5〉 上記カール防止層が、酸変性ポリオレフィンを更に含有している、上記〈4〉項に記載の蓋材。
〈6〉 内容物、ブリスター容器、及び蓋材を有する、ブリスターパックであって、
上記ブリスター容器が、ポケットを有しており、
上記蓋材が、基材層、カール防止層、吸収層、及び易剥離性層を具備しており、
上記吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、
上記易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、
上記カール防止層が、上記易剥離性樹脂組成物を、上記カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上で含有しており、かつ
上記易剥離性層が、上記ブリスター容器に融着され、それによって、上記ポケット内に内容物が収容されており、かつ
上記ブリスター容器と上記易剥離性層とが接合している接合部、及び
上記ブリスター容器の上記ポケットに対応し、かつ上記ブリスター容器と上記易剥離性層とが接合していない非接合部
が形成されており、そして上記蓋材を剥離させたときに、
(i)上記易剥離性層から上記ブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
(ii)上記接合部においては、上記易剥離性層が、上記ブリスター容器に追従し、かつ上記非接合部において、上記易剥離性層が上記吸収層に追従することができる、
内容物入りブリスターパック。
〈7〉 上記ブリスター容器の上記易剥離性層と接合されている面を構成する樹脂組成物及び上記易剥離性樹脂組成物が、いずれもポリプロピレン系樹脂を含有しており、かつ
上記吸収層用樹脂組成物が、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有している、
上記〈6〉項に記載の内容物入りブリスターパック。
〈8〉 ブリスターパック用蓋材と、
ポケットを有するブリスター容器と
の組合せであって、
上記蓋材が、基材層、カール防止層、吸収層、及び易剥離性層を具備しており、
上記吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、
上記易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、かつ
上記カール防止層が、上記易剥離性樹脂組成物を、上記カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上で含有しており、
上記易剥離性層を、上記ブリスター容器に融着し、それによって
上記ブリスター容器と上記易剥離性層とが接合している接合部、及び
上記ブリスター容器の上記ポケットに対応し、かつ上記ブリスター容器と上記易剥離性層とが接合していない非接合部
を形成し、そして上記蓋材を剥離させたときに、
(i)上記易剥離性層から前記ブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
(ii)上記接合部においては、上記易剥離性層が、上記ブリスター容器に追従し、かつ上記非接合部において、上記易剥離性層が前記吸収層に追従することができる、
組合せ。
本発明によれば、所望の吸収性能を有し、吸収層を破断させることなく容易に開封でき、かつ静置時にカールを生じない、ブリスターパック用蓋材を提供することができる。
図1は、本発明のブリスターパックの一実施態様の層構成を示す図である。 図2は、本発明のブリスターパックの一実施態様の剥離機構を示す図である。 図3は、本発明のブリスターパックの下記の(ii)の実施態様の剥離機構を示す図である。 図4は、剥離試験の説明図である。 図5は、剥離試験の説明図である。
《ブリスターパック用蓋材》
図1に示すように、本発明のブリスターパック用蓋材(10)は、基材層(18)、カール防止層(16)、吸収層(12)、及び易剥離性層(14)を具備している、ブリスターパック用蓋材(10)である。吸収層(12)は、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有している。易剥離性層(14)は、易剥離性樹脂組成物を含有している。また、カール防止層(16)は、易剥離性樹脂組成物を、カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上の含有率で含有している。
ここで、本発明の脈絡の範囲内において、「易剥離性層」とは、ポケットを有するブリスター容器を蓋材の易剥離性層側に接合させた後に、易剥離性層を凝集破壊させること、及び/又は易剥離性層からブリスター容器を界面剥離させること、及び/又は吸収層を層間剥離させることによって、基材層及び吸収層を分離させて開封することができる層を意味するものである。
より具体的には、易剥離性層は、図2(a)に示すように、易剥離性層(14)からブリスター容器(20)を界面剥離させること、図2(b)に示すように、易剥離性層(14)から吸収層(12)を層間剥離させること、及び/又は、図2(c)に示すように、易剥離性層(14)を凝集破壊させることができる層である。図2(b)及び(c)に示す態様においては、例えばその後にポケット(22)を蓋材(10)側へ押圧変形させて内容物(30)を押し出すことにより、吸収層(12)の成分を内容物(30)に付着させることなく内容物(30)を取り出すことができる。
本発明のブリスターパック用蓋材は、所望の吸収性能を確保すべく吸収層の厚さを厚く設計した場合でも、この易剥離性層の存在により、吸収層を破断させることなく容易に開封することができる。
更に、カール防止層が、易剥離性樹脂組成物を、カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上で含有していることにより、ブリスターパック用蓋材の静置時のカールが防止できる。理論に拘束されないが、これは、上記の構成により、易剥離性層の収縮とカール防止層の収縮とが互いに打ち消しあうことに起因すると考えられる。
本発明の好ましい実施態様においては、易剥離性層を、ポケットを有するブリスター容器に融着させ、それによってブリスター容器と易剥離性層とが接合している接合部、及びブリスター容器のポケットに対応し、かつブリスター容器と易剥離性層とが接合していない非接合部を形成し、そして蓋材を剥離させたときに、
(i)図2(a)に関して言及したように、易剥離性層からブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
(ii)接合部においては、易剥離性層が、ブリスター容器に追従し、かつ非接合部において、易剥離性層が吸収層に追従することができる。
上記(ii)の実施態様に関し、図3を参照して説明する。
図3(a)に示すように、ポケット(22)を有するブリスター容器(20)を、蓋材(10)に接合させ、それによってブリスター容器(20)と易剥離性層(14)とが接合している接合部(14a)、及びブリスター容器(20)のポケット(22)に対応し、かつブリスター容器(20)と易剥離性層(14)とが接合していない非接合部(14b)を形成し、そして蓋材(10)を剥離させると、接合部(14a)に対応する領域において、易剥離性層(14)から吸収層(12)が層間剥離する。
この層間剥離を実現するために、ブリスター容器と易剥離性層との間に更に非接合部(14b’)を設け、これを剥離きっかけとして用いてもよい。この態様の場合には、剥離面が非接合部(14b’)と接合部(14a)との間の境界に達すると、図3(b)に示すように、易剥離性層(14)に破断部(142’)が形成され、そして接合部(14a)に対応する領域において、易剥離性層(14)から吸収層(12)が、層間剥離する。
吸収層(12)を更に層間剥離させると、やがて図3(b)に示すように、剥離面が接合部(14a)と非接合部(14b)との間の境界に達し、そして図3(c)に示すように、易剥離性層(14)に破断部(142)が形成され、そして非接合部(14b)において、易剥離性層(14)が吸収層(12)に追従する。
更に剥離を進めると、図3(d)に示すように、破断部(142)がポケット(22)の反対側の縁に達し、そして図3(e)に示すように、易剥離性層(14)がポケット(22)に対応して分断される。
このような剥離挙動は、ブリスター容器と易剥離性層との間の接着強度Aと、吸収層と易剥離性層との間の接着強度Bと、易剥離性層の破断強度Cとの間の関係が、以下の条件を満たす場合に生じる:
A>B>C。
上記の関係を満足するためには、ブリスター容器の易剥離性層と接合する面を構成する樹脂組成物及び易剥離性樹脂組成物が、いずれもポリプロピレン系樹脂を含有しており、かつ吸収層用樹脂組成物が、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有していることが好ましい。
上記(ii)の実施態様によれば、特に融着によりブリスター容器と易剥離性層とを接合させた場合でも、熱融着の温度、圧力、時間などの条件にほとんど依存することなく、安定した強度でブリスターパック用蓋材を剥離させることができる。
吸収層と易剥離性層とは、互いに融着されていることが、吸収層の吸収性能を確保する観点から好ましい。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈基材層〉
基材層は、バリア層のみ又は樹脂層のみで構成されていてもよいし、バリア層及び樹脂層で構成されていてよい。
{バリア層}
バリア層としては、外部からの水分や有機ガス及び無機ガスが吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。バリア層としては、例えば、これに限られないが、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム合金等の金属箔、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。特に、バリア性及び蓋材としての取り扱い性を両立させやすくする観点から、バリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、蓋材としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
{樹脂層}
樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。この樹脂層により、バリア層を保護することができる。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、PAN(ポリアクリロニトリル)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
樹脂層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、バリア層を良好に保護する観点から好ましく、また55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であることが、蓋材としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
〈吸収層〉
吸収層は、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有している層である。吸収剤は、吸収層用樹脂に分散されていてよい。
吸収層中の吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、吸収層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、又は50質量%以下であることが好ましい。
また、特に、上記(ii)の実施態様の場合、吸収層は、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有していることが、破断部を生じさせる程度に吸収層と易剥離性層とを接着させる観点から好ましい。この場合、酸変性ポリオレフィンの含有率は、吸収層と易剥離性層とを強く接着させる観点から、吸収層全体の質量を基準として、10質量%以上、12質量%以上、又は15質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であることが好ましい。
また、吸収層により吸収すべき物質の透過性及び成形性をより良好にする観点から、上記のポリエチレン系樹脂としては、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPEを用いることが好ましい。また、吸収層と易剥離性層とを接着性をより良好にする観点から、上記の酸変性ポリオレフィンは、例えば無水マレイン酸変性ポリオレフィン等を用いることが好ましい。
吸収層の厚さは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることが、良好な吸収能力を確保する観点から好ましく、また100μm以下、90μm以下、又は80μm以下であることが、蓋材のしなやかさを確保する観点から好ましい。
{吸収層用樹脂組成物}
吸収層用樹脂組成物としては、例えば熱可塑性樹脂を単独で又は混合させて用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル、アイオノマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
吸収層が水蒸気を吸収対象とする場合には、樹脂のJIS K 7129に準拠する水蒸気透過度は、40℃相対湿度90%で、25μmの厚さのフィルムについて測定したときに、5g/(m・day)以上、10g/(m・day)以上、又は15g/(m・day)以上であることが、良好な吸収速度を確保する観点から好ましく、また100g/(m・day)以下、90g/(m・day)以下、又は80g/(m・day)以下であることが、製造工程における失活を防止する観点から好ましい。
吸収層が酸素を吸収対象とする場合には、樹脂のJIS K7126−1に準拠する酸素透過度は、25℃相対湿度0%で、25μmの厚さのフィルムについて測定したときに、5000cc/(m・day・MPa)以上、10000cc/(m・day・MPa)以上、又は30000cc/(m・day・MPa)以上であることが、良好な吸収速度を確保する観点から好ましく、また230000cc/(m・day・MPa)以下、200000cc/(m・day・MPa)以下、又は150000cc/(m・day・MPa)以下であることが、製造工程における失活を防止する観点から好ましい。
{吸収剤}
吸収剤としては、吸湿剤、及び吸ガス剤を用いることができる。
吸湿剤としては、親水性ゼオライト、シリカゲル等の物理吸湿剤、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等の化学吸湿剤等を用いることができる。
親水性ゼオライトとしては、例えばA型、X型、又はLSX型のゼオライトを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
吸ガス剤としては、活性炭、疎水性ゼオライト等の物理吸ガス剤、鉄系酸素吸収剤、ハロゲン化金属、酸化金属、硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩等の化学吸ガス剤を用いることができる。
疎水性ゼオライトとしては、例えばベータ型、ZSM−5型、フェリエナイト型、モルデナイト型、L型、又はY型のゼオライトを使用することができる。また、ZSM−5型ゼオライトの類縁体であるZSM−11、シリカライト、シリカライト−2、ペンタシル型メタロケイ酸塩を使用することもできる。これらは単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
鉄系酸素吸収剤としては、鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等を用いることができる。
ハロゲン化金属としては、例えば、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等を用いることができる。
酸化金属としては、例えば酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸素欠陥を有する酸化チタン等を用いることができる。
{酸変性ポリオレフィン}
酸変性ポリオレフィンは、酸を、ポリオレフィンにグラフト重合したものである。酸変性ポリオレフィンとしては、例えば無水マレイン酸変性ポリオレフィン等が用いられる。ポリオレフィンとしては、上記のポリオレフィンが好適に用いられる。酸変性ポリオレフィンは複数種組み合わせて用いてもよい。
例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィン100質量部に対して、無水マレイン酸を0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.3質量部以上、0.5質量部以上、又は1.0質量部以上で、50質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、又は5.0質量部以下でグラフト重合したものを用いることができる。このような無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、例えば特開平9−278956号公報に記載のものを挙げることができる。
〈易剥離性層〉
易剥離性層は、易剥離性樹脂を含有している層である。
易剥離性層の厚さは、良好な接着性を確保する観点から、5μm以上、7μm以上、又は10μm以上であり、かつ30μm以下、25μm以下、又は20μm以下であることが好ましい。
{易剥離性樹脂組成物}
易剥離性樹脂組成物としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂等を単独で又は混合させて用いることができる。
易剥離性樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂であることが、易剥離性を実現する観点から好ましい。
特に、上記(ii)の実施態様の場合には、易剥離性樹脂組成物は、図3(c)に関して言及した破断部を良好に生じさせる観点から、JIS K 7161に準拠する引張破壊呼び歪みが150%以下である熱可塑性樹脂であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えばホモポリプロピレンが挙げられる。
〈カール防止層〉
カール防止層は、ブリスターパック用蓋材の静置時のカールを防止するため、基材層と吸収層との間で吸収層に積層されている層である。カール防止層によれば、吸収層に含有される吸収剤の脱落及び吸収剤の内容物への直接接触を防止し、吸収層の製膜安定性を向上させ、かつ基材層と積層させるための表面平滑性を付与することもできる。
カール防止層は、上記の易剥離性樹脂組成物を、カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上の含有率で含有している。この含有率は、65質量%以上、70質量%以上、又は70質量%以上であることができ、また100質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、又は85質量%以下であることができる。
また、カール防止層は、酸変性ポリオレフィンを含有していることが、吸収層との接着性を向上させ、それによって、カール防止層と吸収層との層間剥離を防止する観点から好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、吸収層に関して挙げた酸変性ポリオレフィンを用いることができる。この場合、酸変性ポリオレフィンの含有率は、吸収層とカール防止層とを強く接着させる観点から、カール防止層全体の質量を基準として、15質量%以上、17質量%以上、又は20質量%以上であることが好ましく、またカールを良好に防止する観点から、35質量%以下、30質量%以下、又は25質量%以下であることが好ましい。
《ブリスターパック用蓋材の製造方法》
本発明のブリスターパック用蓋材は、易剥離性層、吸収層、及びカール防止層を製膜する製膜工程、易剥離性層、吸収層、及びカール防止層を積層させる第一の積層工程、カール防止層に基材層を積層させる第二の積層工程を含む方法により製造することができる。
〈製膜工程及び第一の積層工程〉
製膜工程は、各層を構成する樹脂組成物を、例えばニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用い、次いで混練した樹脂組成物を、インフレーション法、Tダイ法、キャスト法等の押出成形又は射出成形等することによりフィルム状に成形することにより行うことができる。
第一の積層工程は、ドライラミネート法、サンドラミネート法等により、接着層を介して行ってもよいが、製造の容易さ及び吸収性能を確保する観点から、多層インフレーション法、又は多層Tダイ法等の共押出法により、製膜工程とともに行うことが好ましい。
〈第二の積層工程〉
第二の積層工程は、例えば基材層とカール防止層とを、ドライラミネート法、サンドラミネート法等により、接着層を介して行うことができる。
《内容物入りブリスターパック》
内容物入りブリスターパックは、内容物、ブリスター容器、及び蓋材を有する。このブリスター容器は、ポケットを有している。この蓋材としては、上記のブリスターパック用蓋材を用いることができる。
蓋材の易剥離性層は、ブリスター容器に融着されており、それによって、ポケット内に内容物が収容されており、かつ
ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合している接合部、及び
ブリスター容器の前記ポケットに対応し、かつ前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合していない非接合部
が形成されており、そして蓋材を剥離させたときに、
(i)易剥離性層からブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
(ii)接合部においては、易剥離性層が、ブリスター容器に追従し、かつ非接合部において、易剥離性層が前記吸収層に追従することができる。
特に、上記(ii)の実施態様の場合には、ブリスター容器の易剥離性層と接合されている面を構成する樹脂組成物及び易剥離性樹脂組成物が、いずれもポリプロピレン系樹脂を含有しており、かつ吸収層用樹脂組成物がポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有していることが、図3に関して言及した剥離機構を実現する観点から好ましい。
〈内容物〉
内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、衛生用品、医療機器、医療器具、電子部品等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬、試薬等を含む。
〈ブリスター容器〉
ブリスター容器としては、ポケットを有するブリスター容器を用いることができる。
ブリスター容器は、例えばブリスター容器用シートに、内容物を入れるためのポケットを形成することにより製造することができる。ポケットを成形する際の成形方法としては、平板式空圧成形法、プラグアシスト圧空成形法、ドラム式真空成型法、プラグ成形法等が挙げられる。この中でも、粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂製の先端部が丸い円柱状の棒(プラグ材)を用いたプラグ成形法が、ポケットを形成するためには好ましい。
ブリスター容器としては、単層のブリスター容器用シート、又は複数の層を積層させた複層のブリスター容器用シートを用いることができる。ブリスター容器用シートの厚さは、ブリスター容器としての適切な強度、コシ、バリア性等の観点から、例えば500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下とすることができ、また50μm以上、60μm、又は70μm以上とすることができる。
単層のブリスター容器用シートの材質としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)、環状ポリオレフィン(環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC))、及びフッ素系樹脂(例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))などが挙げられる。
複層のブリスター容器用シートは、基材層とシール樹脂層を有していてもよい。また、基材層とシール樹脂層の間には、任意にバリア層、補強層等を設けてもよく、例えば基材層、バリア層、補強層、及びシール樹脂層をこの順に有する。隣り合う各層を貼り合わせる方法としては、ドライラミネート法、サンドラミネート法等が挙げられる。
(ブリスター容器用基材層)
ブリスター容器用基材層に用いられる樹脂としては、ブリスター容器用シートに適度なバリア性及び成形性を与える樹脂であれば特に制限されない。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン系樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)、環状ポリオレフィン(COP、COC)、及びフッ素系樹脂(例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン)等、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらは単層で用いても良いし、2層以上を積層して用いても良い。好ましくは、外部からの水分の浸入を防ぎ、防湿性に優れているものがよく、特にポリプロピレン系樹脂、ポリアミド及び飽和ポリエステルが挙げられる。
基材層の厚みは、バリア性を維持し、かつブリスターパック全体に強度等を与える観点から、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってよく、また300μm以下、200μm以下、又は100μm以下であってよい。
(ブリスター容器用バリア層)
ブリスター容器用バリア層に用いられる材料としては、アルミニウム箔等の金属箔、シリカ蒸着フィルム、アルミニウム蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、シリカ・アルミナ蒸着フィルム、塩化ビニリデンコートフィルム、ポリフッ化ビニリデンコートフィルム等、及びこれらの組合せを挙げることができる。バリア層の厚みは、ブリスター容器用シートに適切な成形性とバリア性を与えるために、7μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってよく、また60μm以下、50μm以下、又は40μm以下であってよい。
(ブリスター容器用補強層)
ブリスター容器用補強層は、ブリスター容器用シートの成形性を向上させるために用いられる。補強層に用いられる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)等、並びにこれらの混合物が挙げられる。補強層の厚みは、例えば10μm以上、15μm以上、又は25μm以上であってよく、また60μm以下、又は50μm以下であってよい。
(ブリスター容器用シール樹脂層)
ブリスター容器用シール樹脂層は、本発明のブリスターパック用蓋材と接合するための層であり、これに用いられる樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、及びアイオノマー樹脂等、並びにこれらの混合物が挙げられる。シール樹脂層の厚みは、ブリスター容器用シートに適度な成形性を与える観点から、300μm以下、200μm以下、150μm以下、130μm以下、又は100μm以下であってよく、また10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm、又は50μm以上であってよい。
シール樹脂層は、熱可塑性樹脂中に吸収剤を含有する吸収剤含有樹脂層、又はその少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層させた積層体とすることができる。なお、蓋材の吸収層と、ブリスター容器用シートの吸収剤含有樹脂層とは、同じものを用いても良いし、蓋材とブリスター容器とが接着可能な範囲で、層の厚さや、吸収剤又は樹脂の種類又は含有量等が異なるものを用いてもよい。
〈蓋材〉
蓋材は、上記のブリスターパック用蓋材であってよい。
《組合せ》
本発明の組合せは、ブリスターパック用蓋材と、ポケットを有するブリスター容器との組合せである。
ブリスターパック用蓋材及びブリスター容器としては、それぞれ上記のブリスターパック用蓋材及びブリスター容器を用いることができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《ブリスターパック用蓋材の作製》
《実施例1》
Tダイでの多層押出成形にて、易剥離性層、吸収層、及びカール防止層がこの順で配置されるようにして、2種3層の吸収フィルムを作製した。易剥離性層としては、直鎖状低密度ポリエチレン(エボリューSP2520、プライムポリマー社)を用い、吸収層としては、親水性ゼオライト(モレキュラーシーブ4A、ユニオン昭和社)及び低密度ポリエチレン(ペトロセン(登録商標)202、東ソー社)を質量比50:50で混練して作製した樹脂組成物を用い、カール防止層としては、易剥離性層と同じ直鎖状低密度ポリエチレンを用いた。各層の厚さは、易剥離性層10μm、吸収層60μm、カール防止層10μmとした。
次いで、作製した吸収フィルムのカール防止層側に、基材層としてのPET(12μm)//アルミニウム箔(9μm)の積層体のアルミニウム箔側を、ドライラミネート接着剤(タケラックA−525S/タケネートA−50、三井化学社)を用いて積層させて、実施例1のプリスターパック用蓋材を作製した。
〈実施例2〜9及び参考例1〜4〉
易剥離性層を構成する樹脂の種類及び含有率、吸収層を構成する親水性ゼオライト、低密度ポリエチレン及び酸変性ポリオレフィンの含有率、並びにカール防止層を構成する樹脂の種類及び含有率を、表1に示すように変更し、2種3層又は3種3層の吸収フィルムを作製したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2〜9及び参考例1〜4のブリスターパック用蓋材を作製した。
表1で言及している他の樹脂としては、以下の樹脂を用いた:
ホモポリプロピレン(PP):ノバテック(登録商標)PP MA3H、日本ポリプロ社
ランダムPP:ノバテック(登録商標)PP FX4G、日本ポリプロ社
酸変性ポリオレフィン:アドマーPF508、三井化学社
《評価》
〈剥離試験〉
ブリスター容器用シート(10)としての無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(トレファンZK−100、東レ社)及び作製したブリスターパック用蓋材(10)をそれぞれ10cm角に切り出し、図4に示すように、CPPフィルムを下、ブリスターパック用蓋材を上にして、上型温度190℃、下型温度130℃、シール時間3秒、シール圧0.2MPaの条件で、10mm幅でヒートシールして、図4の接合部(14a)を形成した。
次いで、図4の接合部(14a)及び非接合部(14b)以外の領域を切り離し、矢印の方向にCPPフィルムを剥離させた。
{易開封性}
剥離の際に、吸収層が破断することなくCPPフィルムから分離したか否かを評価した。表1では、吸収層が破断することなくCPPフィルムから分離した場合を○としており、それ以外の場合を×としている。
{第一及び第二破断部}
図5の第一破断部(142)及び第二破断部(144)で易剥離性層が破断したか否かを観察した。表1では、易剥離性層が破断した場合を「○」とし、破断しなかった場合を「×」としている。
{層間剥離箇所}
剥離の際に、吸湿層と易剥離性層との間、及び吸湿層とカール防止層との間でそれぞれ剥離が生じたか否かを観察した。表1では、吸湿層と易剥離性層との間で剥離したものを「1」とし、吸湿層とカール防止層との間で剥離したものを「2」としている。
〈カール防止性の評価〉
作製したブリスターパック用蓋材を5cm角に切り出し、水平面上に静置して、このときのブリスターパック用蓋材の水平面から浮き上がっている辺の水平面上からの高さを測定した。表1では、高さが5mm未満であったものを「○」とし、5mm以上であったものを×としている。
結果を表1に示す。
Figure 2018203366
表1から、カール防止層が、易剥離性樹脂をカール防止層の質量全体を基準として65質量%以上で含有している実施例1〜9のブリスターパック用蓋材は、いずれも易開封性を有し、かつカールを生じなかったものであることから、吸収層を破断させることなく容易に開封でき、かつ静置時にカールを生じないものであることが確認できよう。
また、中でも、易剥離性樹脂が、ブリスター容器用シートを構成する樹脂と同種であるポリプロピレン系樹脂であり、かつ吸収層が、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有している、実施例3〜9のブリスターパック用蓋材は、第一及び第二破断部の両方で破断しており、上記(ii)の剥離機構を実現できる構成となっているものであった。
10 ブリスターパック用蓋材
12 吸収層
14 易剥離性層
14a 接合部
14b、14b’ 非接合部
142、142’ (第一)破断部
144 第二破断部
16 カール防止層
18 基材層
20 ブリスター容器
22 ポケット
30 内容物

Claims (8)

  1. 基材層、カール防止層、吸収層、及び易剥離性層をこの順で具備しており、
    前記吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、
    前記易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、かつ
    前記カール防止層が、前記易剥離性樹脂組成物を、前記カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上の含有率で含有している、
    ブリスターパック用蓋材。
  2. 前記易剥離性層を、ポケットを有するブリスター容器に融着させ、それによって
    前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合している接合部、及び
    前記ブリスター容器の前記ポケットに対応し、かつ前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合していない非接合部
    を形成し、そして前記蓋材を剥離させたときに、
    (i)前記易剥離性層から前記ブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
    (ii)前記接合部においては、前記易剥離性層が、前記ブリスター容器に追従し、かつ前記非接合部において、前記易剥離性層が前記吸収層に追従することができる、
    請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記吸収層と前記易剥離性層とが、互いに融着されている、請求項1又は2に記載の蓋材。
  4. 前記吸収層用樹脂組成物が、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有しており、かつ
    前記易剥離性樹脂組成物が、ポリプロピレン系樹脂を含有している、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓋材。
  5. 前記カール防止層が、酸変性ポリオレフィンを更に含有している、請求項4に記載の蓋材。
  6. 内容物、ブリスター容器、及び蓋材を有する、ブリスターパックであって、
    前記ブリスター容器が、ポケットを有しており、
    前記蓋材が、基材層、カール防止層、吸収層、及び易剥離性層を具備しており、
    前記吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、
    前記易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、
    前記カール防止層が、前記易剥離性樹脂組成物を、前記カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上で含有しており、かつ
    前記易剥離性層が、前記ブリスター容器に融着され、それによって、前記ポケット内に内容物が収容されており、かつ
    前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合している接合部、及び
    前記ブリスター容器の前記ポケットに対応し、かつ前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合していない非接合部
    が形成されており、そして前記蓋材を剥離させたときに、
    (i)前記易剥離性層から前記ブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
    (ii)前記接合部においては、前記易剥離性層が、前記ブリスター容器に追従し、かつ前記非接合部において、前記易剥離性層が前記吸収層に追従することができる、
    内容物入りブリスターパック。
  7. 前記ブリスター容器の前記易剥離性層と接合されている面を構成する樹脂組成物及び前記易剥離性樹脂組成物が、いずれもポリプロピレン系樹脂を含有しており、かつ
    前記吸収層用樹脂組成物が、ポリエチレン系樹脂及び酸変性ポリオレフィンを含有している、
    請求項6に記載の内容物入りブリスターパック。
  8. ブリスターパック用蓋材と、
    ポケットを有するブリスター容器と
    の組合せであって、
    前記蓋材が、基材層、カール防止層、吸収層、及び易剥離性層を具備しており、
    前記吸収層が、吸収層用樹脂組成物、及び吸収剤を含有しており、
    前記易剥離性層が、易剥離性樹脂組成物を含有しており、かつ
    前記カール防止層が、前記易剥離性樹脂組成物を、前記カール防止層の質量全体を基準として65質量%以上で含有しており、
    前記易剥離性層を、前記ブリスター容器に融着し、それによって
    前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合している接合部、及び
    前記ブリスター容器の前記ポケットに対応し、かつ前記ブリスター容器と前記易剥離性層とが接合していない非接合部
    を形成し、そして前記蓋材を剥離させたときに、
    (i)前記易剥離性層から前記ブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
    (ii)前記接合部においては、前記易剥離性層が、前記ブリスター容器に追従し、かつ前記非接合部において、前記易剥離性層が前記吸収層に追従することができる、
    組合せ。
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