JP2018193340A - スルホン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スルフィド化合物からスルホン化合物を効率的、かつ高い収率で製造する方法を提供する。【解決手段】一般式(1)で表されるスルフィド化合物を、2級アルコール、酸素を25体積%以上含む気体、アントラセンまたはその誘導体の存在下、40℃以上で光酸素酸化させることにより一般式(2)で表されるスルホン化合物を製造する。(式中、R1,R2は互いに独立して炭素数1〜6の有機基であり、S,R1およびR2が環を形成してもよい。)【選択図】図1
Description
本発明は、スルフィド化合物からスルホン化合物を製造する方法に関する。
ジメチルスルホンは、電解質、石油製品の抽出溶媒、高温反応溶媒、サプリメントなど幅広い用途に使用されている。ジメチルスルホンの一般的な合成方法は、ジメチルスルホキシドを過酸化水素水で酸化するものである(例えば特許文献1参照)。しかし、過酸化水素水は爆発性があり、消防法の危険物第6類(酸化性液体)に指定され、高濃度の水溶液は毒物および劇物取締法により指定された劇物であって輸送、取り扱い、貯蔵、譲渡に法規制を受けている。また、反応生成物のジメチルスルホンは水への溶解度が高いので、単離、精製するとき反応液から水を多量に留去する必要があり、多大なエネルギーコストがかかる。
また、過酸化水素水を酸化剤として、スルホキシドを原料とするのでなく、スルフィドを原料として、スルホンを合成する方法も報告されている(非特許文献1参照)。しかし、過酸化水素を4当量以上と多量に使用するという問題があった。
そこで、より安全な酸化剤として、特許文献2は、酸素含有気体をナノバブルの形で供給し、色素増感剤の存在下での光照射により一重項酸素を発生させてスルフィドを光酸素酸化する方法を提案する。この方法は、スルフィドからスルホキシドを高い収率で製造することができるが、スルホン化合物を効率的に製造することはできなかった。
Organic Letters,7巻,4号、625頁、(2005年)
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、スルフィド化合物からスルホン化合物を効率的、かつ高い収率で製造する方法を提供することにある。
本発明の製造方法は、反応系内で酸素と2級アルコールから過酸化水素を生成し、この過酸化水素がスルフィド化合物を酸化しスルホン化合物を製造するワンポット合成であり、爆発等の危険性がなく安全であり、しかも短時間に、高収率でスルホン化合物が得られる。
前記酸素を含む気体をファインバブルの形態で供給することにより、反応をより速くし、かつ高収率にすることができる。前記2級アルコールの炭素数は3〜6であるとよい。また前記一般式(2)で表されるスルホン化合物は、ジメチルスルホン、ジブチルスルホン、スルホラン、メチルフェニルスルホンまたはジフェニルスルホンであるとよい。
更に本発明の製造方法は、炭素数1〜3の有機酸を存在させることにより、より高速かつ高収率にすることができる。このとき光酸素酸化を40〜80℃で行うとよく、2級アルコールおよび有機酸の体積比(2級アルコール/有機酸)が5/95〜98/2であるとよい。また有機酸を固体酸触媒に接触させた後、光酸素酸化を行うとよい。
本発明は、スルフィド化合物からスルホン化合物を製造する方法であって、スルフィド化合物を、2級アルコール、アントラセンまたはその誘導体の存在下、40℃以上の温度で、酸素を25体積%以上含む気体を供給し光酸素酸化させることにより、スルホン化合物を製造する方法である。
一般式(1)において、R1、R2は炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の有機基であり、互いに同じでも異なってもよい。また置換基を有する有機基でもよい。有機基として脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく挙げられ、アルキル基、フェニル基がより好ましい。アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。またS,R1およびR2が環を形成しても良く、例えばテトラヒドロチオフェンのような環構造が挙げられる。
一般式(1)で表されるスルフィド化合物として、ジメチルスルフィド、ジブチルスルフィド、テトラヒドロチオフェン、チオアニソール、ジフェニルスルフィドが好ましく例示される。
一般式(2)において、S,R1およびR2は、前記一般式(1)のS,R1およびR2と同様である。
一般式(2)で表されるスルホン化合物として、ジメチルスルホン、ジブチルスルホン、スルホラン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホンが好ましく例示される。
一般式(2)で表されるスルホン化合物として、ジメチルスルホン、ジブチルスルホン、スルホラン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホンが好ましく例示される。
本発明の製造方法において、反応溶媒として2級アルコールを使用する。2級アルコールは、光酸素酸化によりケトンおよび過酸化水素を生成し、過酸化水素がスルフィド化合物を酸化しスルホン化合物を生成する。2級アルコールの炭素数は3以上、好ましくは3〜6である。また単独または2種類以上の2級アルコールを混合しても良い。2級アルコールとして例えば2−プロパノール、2−ブタノール、シクロヘキサノールが好ましく挙げられ、2−プロパノールがより好ましい。
また反応溶媒として、2級アルコールと反応を阻害しない他の溶媒を混合しても良い。反応を阻害しない他の溶媒とは、メタノール、エタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類が挙げられる。2級アルコールおよび他の溶媒との混合比率は、反応を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。
本発明の製造方法において、酸素を25体積%以上含む気体を使用する。25体積%以上の酸素を含む気体とは、酸素濃度が25体積%以上、好ましくは40〜100体積%である気体を表し、例えば酸素、酸素と空気の混合物、酸素と窒素のような不活性気体との混合物、酸素発生装置により空気から酸素濃度を高めた気体などが挙げられる。酸素濃度が25体積%未満である気体を使用すると、光酸素酸化が十分に進まずスルホン化合物の収率が低下する。
酸素を25体積%以上含む気体は、反応液中に供給するのが好ましく、より好ましくはファインバブルの形態で反応液中に供給するとよい。ファインバブルとは、直径が100μm以下の微細気泡であり、好ましくは直径が50μm以下であるとよい。一般に微細気泡は、その直径により、ミリバブル(直径1mm以上)、サブミリバブル(直径0.1mm以上1mm未満)、ファインバブル(直径0.1mm未満、すなわち100μm未満)に分類され、更にファインバブルはマイクロバブル(直径1μm以上100μm未満)、ウルトラファインバブル(直径1μm未満)に分類される。本発明では、酸素を25体積%以上含む気体をファインバブルの形態で反応液中に供給するのが好ましく、より好ましくはウルトラファインバブルの形態で供給するのがよい。ファインバブルは、通常の方法で供することができる。
酸素を25体積%以上含む気体の供給量は、特に限定されるものではなく、反応容器の大きさ、光の透過性、バブル発生装置の能力などを考慮して決めることができる。例えば、反応溶液が80mLの場合、酸素の供給量は0.1〜100mL/分が好ましく、1〜10mL/分が好ましい。酸素の供給量が0.1mL/分未満であると光酸素酸化が十分に進まず、スルホン化合物の収率が低下する虞がある。また酸素の供給量が100mL/分を超えると、反応に使用されない未反応の酸素が多量に残存し非効率になる虞がある。
本発明において、光増感剤としてアントラセンまたはその誘導体を使用する。アントラセンおよびその誘導体は、無色から薄い灰色であり着色がなく脂溶性であるため、精製工程で水溶性のスルホン化合物と分離するのが容易であるという利点がある。
アントラセンの誘導体として、1つ以上の置換基を有するアントラセン、アントラキノンまたはアントラキノンの誘導体が好ましく挙げられる。またアントラキノンまたはアントラキノンの誘導体は、更に1つ以上の置換基を有してもよい。置換基としては、炭素数が1から6のアルキル基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基が好ましい。アントラセンの誘導体としてはアントラセン−9−カルボン酸、アントラセン−1−カルボン酸、アントラセン−2−カルボン酸、9−シアノアントラセン、アントラキノン、アントラキノン−2−カルボン酸、2−アミルアントラキノンなどを好ましく挙げることができる。本発明の光増感剤として特にアントラセンが好ましい。
アントラセンまたはアントラセン誘導体の添加量は、スルフィド化合物に対するモル比で0.01〜0.5が好ましく、0.1〜0.3がより好ましい。アントラセンまたはアントラセン誘導体の添加量が少ないとスルホン化合物の収率が低くなる。また、アントラセンまたはアントラセン誘導体の添加量が多いと精製工程での除去が困難になり、コストが高くなる。
本発明の製造方法において、スルフィド化合物、2級アルコール、およびアントラセンまたはその誘導体を含む反応溶液中のスルフィド化合物の濃度は,0.01〜10mol/Lが好ましく,0.02〜1mol/Lが好ましい。
光酸素酸化の光源は、特に制限されるものではなく、例えば高圧、中圧または低圧水銀ランプ、キセノンランプのようなハロゲンランプ、LEDランプ、エキシマーランプ、蛍光灯、白熱電球等を用いることができる。
光酸素酸化の反応温度は40℃以上であり、反応溶媒の沸点以下であるとよい。反応温度は、好ましくは40〜85℃、より好ましくは50〜82℃、更に好ましくは60〜80℃であるとよい。反応温度が40℃未満であると、スルホン化合物の収率が低くなる。
反応時間は、特に制限されるものではなく、例えば好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上、更に好ましくは5時間以上であるとよい。また反応時間は、好ましくは15時間以下、より好ましくは13時間以下、更に好ましくは10時間以下であるとよい。
本発明の製造方法は常圧で行うことができるが、反応速度を速くするため加圧しても良い。加圧する場合の圧力については特に限定されない。
本発明において、光酸素酸化反応に有機酸を存在させることができる。有機酸を加えることにより反応が加速されるので、より温和な条件でスルホン化合物を得ることができ、しかも収率をより高くすることができる。有機酸としては炭素数1〜3のカルボン酸が好ましく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸が例示され、ギ酸、酢酸が好ましく、酢酸がより好ましい。カルボン酸存在下では過酸化水素により過カルボン酸が生成して酸化剤として働き、反応が加速される。
有機酸の添加量は、2級アルコールに対する有機酸の混合比率として決めることができる。2級アルコールおよび有機酸の体積比(2級アルコール/有機酸)は、好ましくは5/95〜98/2、より好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20であるとよい。2級アルコールおよび有機酸の体積比(2級アルコール/有機酸)が5/95未満、または98/2を超えると、スルホン化合物の収率が低くなる。
有機酸を添加する場合、反応速度を更に速くするため、有機酸を固体酸触媒に接触させ、光酸素酸化に供することが好ましい。固体酸触媒は、反応系に添加してもよいし、若しくはファインバブルを発生させる反応液の循環経路の途中に固体酸触媒を配置し、反応液中の有機酸と接触するようにしても良い。固体酸触媒としては、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、ヘテロポリ酸、弱酸性イオン交換樹脂、強酸性イオン交換樹脂が挙げられ、特に強酸性イオン交換樹脂が好ましい。強酸性イオン交換樹脂は、ベンゼンスルホン酸型イオン交換樹脂が例示される。このような強酸性イオン交換樹脂の具体的な例として、三菱化学社製「ダイヤイオン」SKシリーズ、同「ダイヤイオン」PKシリーズ、オルガノ社製「アンバーライト」IR−120B、同「アンバーリスト」15、ダウケミカル社製「ダウエックス」50Wシリーズ、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちより好ましいものは、オルガノ社製「アンバーリスト」15である。また、これらの強酸性イオン交換樹脂の複数を混合して使用することもできる。固体酸触媒の添加量は、有機酸の重量の0.01〜1重量倍が好ましく、0.1〜0.5重量倍がより好ましい。固体酸触媒の添加量をこのような範囲にすることにより、スルホン化合物の収率をより高くすることができる。
反応系において有機酸を固体酸触媒に接触することにより反応温度をより低くすることができる。例えば反応温度を好ましくは40〜80℃、より好ましくは55〜75℃にしても反応時間を長くすることなく、スルホン化合物の収率を高くすることができる。
本反応で得られたスルホン化合物は通常の方法で精製することができる。精製の前処理として、アントラセンまたはその誘導体を反応液から除去することが好ましい。これらを除去する方法としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの有機溶媒による抽出、イオン交換樹脂、シリカゲル、活性炭、アルミナなどの吸着剤による吸着分離などが好ましい。前処理した反応液からスルホン化合物を単離する精製方法としては蒸留、昇華、晶析、カラムクロマト精製などの方法により精製できる。分離した反応溶媒、触媒は廃棄しても良いし、回収して再利用しても良い。
以下、実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されるものではない。
スルホン化合物は、ガスクロマトグラフィーにより以下の条件で測定した。
・使用機器 島津製作所社製GC−2010(FID)
・カラム ジーエルサイエンス社製TC−17 0.25mm×30m、膜厚0.50μm
・キャリアガス N2 129.2kPa
・カラム昇温条件 80℃×5分→5℃/分→150℃→20℃/分→250℃
・注入口温度 250℃
・検出器温度 250℃
・FID Air 400ml/分、 H2 40ml/分
メークアップ 30ml/分
・スプリット比 39
・注入量 1.0μl
スルホン化合物は、ガスクロマトグラフィーにより以下の条件で測定した。
・使用機器 島津製作所社製GC−2010(FID)
・カラム ジーエルサイエンス社製TC−17 0.25mm×30m、膜厚0.50μm
・キャリアガス N2 129.2kPa
・カラム昇温条件 80℃×5分→5℃/分→150℃→20℃/分→250℃
・注入口温度 250℃
・検出器温度 250℃
・FID Air 400ml/分、 H2 40ml/分
メークアップ 30ml/分
・スプリット比 39
・注入量 1.0μl
実施例1
図1は、実施例1で使用する反応装置の概念図であり、以下の構成からなる。
ファインバブル発生装置:MA3FS(株式会社アスプ製)
気体流量制御装置:デジタルマスフローコントローラーMQV9005(アズビル社製)
内部照射型光化学反応装置(100W高圧水銀灯):UVL−100HA(理工科学産業株式会社製)
図1は、実施例1で使用する反応装置の概念図であり、以下の構成からなる。
ファインバブル発生装置:MA3FS(株式会社アスプ製)
気体流量制御装置:デジタルマスフローコントローラーMQV9005(アズビル社製)
内部照射型光化学反応装置(100W高圧水銀灯):UVL−100HA(理工科学産業株式会社製)
図1において、内部照射型光化学反応装置4は光源5および反応溶液を収容し、反応溶液はパイプを通してファインバブル発生装置3との間を循環する。酸素源1は酸素ボンベであり、気体流量制御装置2が酸素ガスの流量を制御し、所定流量でファインバブル発生装置3へ供給する。ファインバブル発生装置3は、循環する反応液中にファインバブルの形態で酸素ガスを発生させ、反応液と共に内部照射型光化学反応装置4の反応液中に送る。ファインバブル発生装置3は、5nm以上1μm未満の直径を有するバブルの数が、全バブルの数に対し、90%以上であり、ウルトラファインバブルである。内部照射型光化学反応装置4内の反応液は、スルフィド化合物、2級アルコール、アントラセンまたはその誘導体、および酸素ガスを含み、光源5から光照射を受け、スルフィド化合物をスルホン化合物へ光酸素酸化する。
実施例1の製造方法は、内部照射型光化学反応装置4内に、ジメチルスルフィド 0.30g(4.8mmol)、アントラセン 0.17g(0.96mmol、ジメチルスルフィドの20mol%)を2−プロパノール 80mLに溶解させて収容した。55℃にて、酸素をウルトラファインバブルとして5mL/分で供給しつつ,光源を反応溶液中に浸漬させて光照射を行った。ウルトラファインバブル形態の酸素を供給しながら反応液を5時間循環した。ジメチルスルホン(DMSO2)の収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のDMSO2濃度)/(収率100%の際のDMSO2濃度)]×100
なお、(反応溶液中のDMSO2濃度)は、ガスクロマトグラフィーのDMSO2の面積カウント数から絶対検量により算出した。
結果を表1に示した。
収率(%)=[(反応溶液中のDMSO2濃度)/(収率100%の際のDMSO2濃度)]×100
なお、(反応溶液中のDMSO2濃度)は、ガスクロマトグラフィーのDMSO2の面積カウント数から絶対検量により算出した。
結果を表1に示した。
実施例2
図2は、実施例2で使用する反応装置の概念図であり、ファインバブル発生装置3から内部照射型光化学反応装置4へ戻る循環経路の途中に固体酸触媒層6を配置し、反応液中の有機酸が固体酸触媒と接触するようにしたこと以外は、図1の反応装置と同様の構成からなる。
図2は、実施例2で使用する反応装置の概念図であり、ファインバブル発生装置3から内部照射型光化学反応装置4へ戻る循環経路の途中に固体酸触媒層6を配置し、反応液中の有機酸が固体酸触媒と接触するようにしたこと以外は、図1の反応装置と同様の構成からなる。
実施例2の製造方法は、内部照射型光化学反応装置4内に、ジメチルスルフィド 0.37g(6mmol)、アントラセン 0.21g(1.2mmol、ジメチルスルフィドの20mol%)を2−プロパノール 75mL、酢酸25mLに溶解させて収容した。75℃にて、酸素をウルトラファインバブルとして5mL/分で供給しつつ,光源を反応溶液中に浸漬させて光照射を行った。アンバーリスト15(オルガノ社製)を固体酸触媒層6に5g充填し、反応容器に入る前の循環経路に設置し、反応液中の有機酸が固体酸触媒と接触するようにした。ウルトラファインバブル形態の酸素を供給しながら反応液を2時間循環したところ原料であるジメチルスルフィドが消失した。ジメチルスルホン(DMSO2)の収率はガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1に示した。
実施例3
反応温度を55℃、反応時間を4時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして、ジメチルスルフィドを光酸素酸化してジメチルスルホンを製造した。結果を表1に示した。
反応温度を55℃、反応時間を4時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして、ジメチルスルフィドを光酸素酸化してジメチルスルホンを製造した。結果を表1に示した。
実施例4
スルフィド化合物をジブチルスルフィド 0.88g(6mmol)に変更したこと以外は実施例2と同様にして、ジブチルスルフィドを光酸素酸化してジブチルスルホンを製造した。ジブチルスルホンの収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のジブチルスルホン濃度)/(収率100%の際のジブチルスルホン濃度)]×100
なお、(反応溶液中のジブチルスルホン濃度)は、ガスクロマトグラフィーのジブチルスルホンの面積カウント数から絶対検量により算出した。結果を表1に示した。
スルフィド化合物をジブチルスルフィド 0.88g(6mmol)に変更したこと以外は実施例2と同様にして、ジブチルスルフィドを光酸素酸化してジブチルスルホンを製造した。ジブチルスルホンの収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のジブチルスルホン濃度)/(収率100%の際のジブチルスルホン濃度)]×100
なお、(反応溶液中のジブチルスルホン濃度)は、ガスクロマトグラフィーのジブチルスルホンの面積カウント数から絶対検量により算出した。結果を表1に示した。
実施例5
スルフィド化合物をテトラヒドロチオフェン 0.53g(6mmol)に、反応時間を3時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして、テトラヒドロチオフェンを光酸素酸化してスルホランを製造した。スルホランの収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のスルホラン濃度)/(収率100%の際のスルホラン濃度)]×100
なお、(反応溶液中のスルホラン濃度)は、ガスクロマトグラフィーのスルホランの面積カウント数から絶対検量により算出した。結果を表1に示した。
スルフィド化合物をテトラヒドロチオフェン 0.53g(6mmol)に、反応時間を3時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして、テトラヒドロチオフェンを光酸素酸化してスルホランを製造した。スルホランの収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のスルホラン濃度)/(収率100%の際のスルホラン濃度)]×100
なお、(反応溶液中のスルホラン濃度)は、ガスクロマトグラフィーのスルホランの面積カウント数から絶対検量により算出した。結果を表1に示した。
実施例6
スルフィド化合物をチオアニソール 0.75g(6mmol)に、反応時間を3時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして、チオアニソールを光酸素酸化してメチルフェニルスルホンを製造した。メチルフェニルスルホンの収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のメチルフェニルスルホン濃度)/(収率100%の際のメチルフェニルスルホン濃度)]×100
なお、(反応溶液中のメチルフェニルスルホン濃度)は、ガスクロマトグラフィーのメチルフェニルスルホンの面積カウント数から絶対検量により算出した。結果を表1に示した。
スルフィド化合物をチオアニソール 0.75g(6mmol)に、反応時間を3時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして、チオアニソールを光酸素酸化してメチルフェニルスルホンを製造した。メチルフェニルスルホンの収率はガスクロマトグラフィーで分析し、以下の式で算出した。
収率(%)=[(反応溶液中のメチルフェニルスルホン濃度)/(収率100%の際のメチルフェニルスルホン濃度)]×100
なお、(反応溶液中のメチルフェニルスルホン濃度)は、ガスクロマトグラフィーのメチルフェニルスルホンの面積カウント数から絶対検量により算出した。結果を表1に示した。
比較例1
比較例1として、2級アルコールを添加せずに過酸化水素を生成しない光酸素酸化反応の例を示す。比較例1では図1の概念図で表される反応装置を使用する。
比較例1の製造方法は、内部照射型光化学反応装置4内に、チオアニソール1.2g(10mmol)をメタノール100mLに溶解させて収容した。酸素源1は空気ボンベであり、30℃にて空気をウルトラファインバブルとして3mL/分で供給しつつ、光源を反応溶液中に浸漬させて光照射を行った。反応液を6時間循環し、ウルトラファインバブル形態の空気を継続して供給したところ原料であるチオアニソールがほぼ消失した。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、メチルフェニルスルホンは生成しておらず、メチルフェニルスルホキシドが70%の収率で生成しているのみであった。
以上のように過酸化水素を生成しない光酸素酸化反応ではスルフィドからスルホンを効率的に製造することはできない。
比較例1として、2級アルコールを添加せずに過酸化水素を生成しない光酸素酸化反応の例を示す。比較例1では図1の概念図で表される反応装置を使用する。
比較例1の製造方法は、内部照射型光化学反応装置4内に、チオアニソール1.2g(10mmol)をメタノール100mLに溶解させて収容した。酸素源1は空気ボンベであり、30℃にて空気をウルトラファインバブルとして3mL/分で供給しつつ、光源を反応溶液中に浸漬させて光照射を行った。反応液を6時間循環し、ウルトラファインバブル形態の空気を継続して供給したところ原料であるチオアニソールがほぼ消失した。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、メチルフェニルスルホンは生成しておらず、メチルフェニルスルホキシドが70%の収率で生成しているのみであった。
以上のように過酸化水素を生成しない光酸素酸化反応ではスルフィドからスルホンを効率的に製造することはできない。
本発明のスルフィド化合物の酸化によりスルホン化合物を製造する方法は、過酸化水素を原材料として使用しないので、爆発等の危険性がなく安全であり、短時間、かつ高収率でスルホン化合物が得られる。本製造方法により得られたスルホン化合物は、電解質、サプリメント、石油製品の抽出溶媒、高温反応溶媒として利用できる。
1 酸素源
2 気体流量制御装置
3 ファインバブル発生装置
4 内部照射型光化学反応装置
5 光源
6 固体酸触媒層
2 気体流量制御装置
3 ファインバブル発生装置
4 内部照射型光化学反応装置
5 光源
6 固体酸触媒層
Claims (8)
- 前記酸素を含む気体を、ファインバブルの形態で供給する請求項1に記載のスルホン化合物の製造方法。
- 更に炭素数1〜3の有機酸を存在させる請求項1または2に記載のスルホン化合物の製造方法。
- 前記光酸素酸化を40〜80℃で行う請求項3に記載のスルホン化合物の製造方法。
- 前記2級アルコールおよび有機酸の体積比(2級アルコール/有機酸)が、5/95〜98/2である請求項3または4に記載のスルホン化合物の製造方法。
- 前記有機酸を固体酸触媒に接触させた後、前記光酸素酸化を行う請求項3〜5のいずれかに記載のスルホン化合物の製造方法。
- 前記2級アルコールの炭素数が3〜6である請求項1〜6のいずれかに記載のスルホン化合物の製造方法。
- 前記一般式(2)で表されるスルホン化合物が、ジメチルスルホン、ジブチルスルホン、スルホラン、メチルフェニルスルホンまたはジフェニルスルホンである請求項1〜7のいずれかに記載のスルホン化合物の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112439440A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 中国石油化工股份有限公司 | 纳米氮碳材料及其制备方法和硫醚的催化氧化方法 |
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CN112439440A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 中国石油化工股份有限公司 | 纳米氮碳材料及其制备方法和硫醚的催化氧化方法 |
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