JP2018190794A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
Description
ロッド状発光素子は、半導体ロッドの表面全体が発光面となり得るため、従来の発光素子に比べて、単位体積当たりの発光面積を広くできる利点がある。
そこで、本開示は、発光効率を高めることのできるロッド状構造を有する発光素子を提供することを目的とする。
n側半導体ロッドと、
前記n側半導体ロッドを覆う半導体から成る活性層と、
前記活性層を覆うp側半導体被覆層と、を含み、
前記n側半導体ロッドは、n型不純物を含むn型半導体ロッド本体部と該n型半導体ロッド本体部の上面に設けられたp型不純物を含む第1半導体層と該第1半導体層の上面に設けられ、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含むことを特徴とする。
以上のように構成された本開示の発光素子は、n側半導体ロッドが、n型半導体ロッド本体部側から順にp型不純物を含む第1半導体層と、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含むことにより、n型半導体ロッド本体部の上面近傍における逆リーク電流を抑えることができ、発光素子の発光効率を高めることができる。
図3Aは、図2に示すロッド状発光部5の断面図の部分拡大図である。図3Aに示すように、個々のロッド状発光部5は、n側半導体ロッド10、活性層20およびp側半導体被覆層30を含んでいる。n側半導体ロッド10は、n型半導体からなるn型半導体ロッド本体部11とn型半導体ロッド本体部11の上面に設けられたp型不純物を含む、例えば、p型の第1半導体層12と、第1半導体層12よりp型不純物濃度の低い、例えば、i型の第2半導体層13とを含む。第1半導体層12及び第2半導体層13のp型不純物の濃度は、例えば、3次元アトムプローブ(3DAP)により測定することができる。n側半導体ロッド10において、第1半導体層12の厚さtp及び第2半導体層13の厚さtiはそれぞれ0.1μm以上であることが好ましく、第1半導体層12の厚さtpと第2半導体層13の厚さtiとを合わせた厚さttotalは、0.1μm以上、2μm以下であることが好ましい。
本開示では、後述する製造方法において、n側半導体ロッド10の形成の際に絶縁膜90を利用するときには、このような形態になり得る。
また、ロッド状発光部5のすべての側面において、活性層20の厚さは実質的に同じであることが好ましい。同様に、ロッド状発光部5のすべての側面において、p側半導体被覆層30の厚さは実質的に同じであることが好ましい。これにより、ロッド状発光部5のすべての側面から同程度の発光を得ることができる。
活性層20は、n側半導体ロッド10の六角形状の外周全体を連続して囲んでいる。活性層20は、井戸層21と稜線部22とを含んでいる。井戸層21は、n側半導体ロッド10の側面10cに配置されている。隣接する2つの側面10cをそれぞれ覆う2つの井戸層21は、n側半導体ロッド10の稜線10rの位置において分離されている。つまり、井戸層21は、半導体ロッド10の外周方向において不連続である。隣接する2つの井戸層21の間、つまりn側半導体ロッド10の稜線10rの位置には稜線部22が設けられている。この稜線部22によって隣接する2つの井戸層21が接続されることにより、n側半導体ロッド10の外周方向に連続する活性層20が形成される。
上述したように、稜線10rはn側半導体ロッド10の長手方向(z方向)に伸びているので、活性層20の稜線部22も、稜線10rに沿って、n側半導体ロッド10の長手方向(z方向)に伸びている。
ロッド状発光部5を点灯する場合、発光素子1に電圧を印加する。これにより活性層20にキャリアが注入され、発光が生じる。ここで、井戸層21を、バンドギャップの大きい稜線部22で分断することにより、分断された小寸法の井戸層21内にキャリアを閉じ込めることができる。その結果、井戸層21内での発光再結合の頻度を増加させることができ、発光効率を向上させることができる。また、稜線部22間の距離が例えば数十nm程度に十分小さければ、量子効果を得ることができるため、より効率的にキャリアを井戸層21内に閉じ込めることができる。
井戸層21が、バンドギャップの広い障壁層25とバンドギャップの広い稜線部22とで囲まれているので、井戸層21内にキャリアを効率よく閉じ込めることができる。
図3Bは、ロッド状発光部の変形例である。図3Bのロッド状発光部6は、上面6aと側面6cとの間に傾斜面6d(上面6a及び側面6cとは異なるファセット)を有している。詳細には、変形例のロッド状発光部6は、傾斜面16dを有するn側半導体ロッド16と、n側半導体ロッド16の外面を覆う活性層26と、活性層26の外面を覆う半導体層36を有し、ロッド状発光部6は、傾斜面16dに実質的に平行な傾斜面6dを有している。さらに、図3Bに示すように、n側半導体ロッド16において、n型半導体ロッド本体部17は、側面17cと傾斜面17dと上面17aとを含み、第1半導体層18は、側面18cと傾斜面18dと上面18aとを含み、第2半導体層19は、側面19cと傾斜面19dと上面16aとを含む。n側半導体ロッド16の側面16cは、n型半導体ロッド本体部11の側面17cと第1半導体層18の側面18cと第2半導体層19の側面19cとを含む。変形例のロッド状発光部6は、n側半導体ロッド16が傾斜面16dを有しているので、n側半導体ロッド16の上面16a及び傾斜面16dの上に形成される活性層26の結晶性が良好になりやすく、n側半導体ロッド16の上面16a及び傾斜面16d近傍におけるリーク電流をより少なくできる。
このため、n側半導体ロッド10の上面10a側を、図3Bに示すような形状とすることが好ましい。図3Bにおいても、n側半導体ロッド16は、側面16cと傾斜面16dとが接する稜線16eと、傾斜面16dと上面16aとが接する稜線16fを有しているが、側面16cと傾斜面16dとのなす角度が90°より大きく、傾斜面16dと上面16aとのなす角度が90°より大きいので、井戸層21の結晶性を良好にできる。側面16cがGaN系結晶におけるM面である場合には、例えば、傾斜面16dと側面16cとの成す角は約152度であることが好ましく、この場合の傾斜面16dはGaN系結晶の(10−11)面である。なお、ミラー指数において負の指数は数字の上にバーを付して表されるが、本明細書では数字の前に「−」を付して負の指数を表している。なお、図3Bには、上面16aを含む例を示したが、上面16aはなくてもよい。すなわち、図3Bに示す断面視ではn側半導体ロッド10の上端部は台形状であるが、三角形状であってもよい。
また、ロッド状発光部5のp側半導体被覆層30の表面には第1透光性電極81が形成され、さらにその表面に第2透光性電極82が形成されている。下地層40と第1透光性電極81の間に、複数のロッド状発光部5は並列に接続される。第2透光性電極82は下地層40の上側まで延在しているが、第2透光性電極82と下地層40とはこれらの間に配置された絶縁膜91によって電気的に絶縁されている。
ロッド状発光部5から発光する光は、第1透光性電極81および第2透光性電極82を通って発光素子1の外部に取り出すことができる。
本開示においては、活性層20に含まれる井戸層21が、井戸層21よりバンドギャップの大きい稜線部22で繋がれた構成を有している。井戸層21と稜線部22は、雰囲気、原料ガスおよび形成温度を調節することにより、1つの積層工程内で同時に形成している。井戸層21と稜線部22とを、雰囲気、原料ガスおよび形成温度を調節することにより一工程内で同時に形成することができることは、本発明の発明者が独自に見いだした知見である。
図6Aに示すように、成長基板50の上に、バッファ層45および下地層40を順次積層する。バッファ層45および下地層40を形成するための反応装置としては、例えばMOCVD装置を用いることができる。なお、バッファ層45と下地層40の形成を省略して、成長基板50の成長面に直接n側半導体ロッド10を形成してもよい。ただし、下地層40を省略した場合には、n側半導体ロッドに通電するための電極などを別途設ける必要がある。
成長基板50としては、後述するようにサファイア基板、SiC基板、窒化物半導体基板などが利用できる。ここでは、サファイア(Al2O3)基板を用いた例を説明する。サファイアの成長基板50の場合、(0001)面を成長面とするのが好ましい。ここで「(0001)面」とは、(0001)面に対してわずかに傾斜した面を含む。具体的には、(0001)面に対し0.5°以上2.0°以下のオフ角をもつ面を成長面とすることがより好ましい。
その後、反応装置にNH3ガスを導入して、成長基板50の上面50aを窒化する。窒化処理は、例えば処理温度900〜1100℃、処理時間1〜30分で行うことができる。このような窒化処理により、その上に成長する窒化物半導体の表面を(000−1)面とすることができる。
ここではまず、図6Bに示すように、貫通孔90hから露出した下地層40の上面40aに、n型半導体ロッド本体部11を形成する。n型半導体ロッド本体部11を形成する際に、絶縁膜90がマスクとして機能して、貫通孔90hから上向き(z方向)に成長したn型半導体ロッド本体部11を形成することができる。このとき、サファイアの成長基板50の窒化された表面を成長面とした場合、成長させるGaN系結晶の成長方向は[000−1]方向となるから、n型半導体ロッド本体部11の成長方向もGaN系結晶の[000−1]方向となる。つまり、n型半導体ロッド本体部11の下地層40から上方に向う方向(z方向)が、GaN系結晶の[000−1]方向になる。
図6Eに示すように、n側半導体ロッド10の外面に活性層20を形成する。
例えば、ロッド状発光部5を青色発光させる場合、活性層20の井戸層21は、成長基板50の温度を800〜900℃程度とし、In源ガスを含む原料ガスを供給してInを含む窒化物半導体を成長させることにより形成する。Inを含む井戸層を成長させるための原料ガスは、ガリウム源としてTMGまたはTEGと、窒素源としてNH3と、インジウム源としてTMI(トリメチルインジウム)を含む混合ガスが利用できる。ここで、原料ガス中におけるガリウム元素に対する窒素元素の比を、5.5×103〜2.2×105にするのが好ましい。ガリウム元素に対する窒素元素の比がこの範囲内にあると、活性層20の井戸層21(図4および図5参照)を構成するInGaN膜を良好に形成することができる。なお、比率が前記範囲を下回ると、インジウム源から生じるInがGaやNと結合しにくくなり、In金属として析出されやすくなる。比率が前記範囲を上回ると、窒素源であるNH3から生じるHにより、インジウム源から生じるInが排除されやすくなり、InGaNが形成されにくくなる。
ガリウム元素に対する窒素元素の比は、より好ましくは2.2×104〜2.2×105であり、特に好ましくは4.4×104〜1.1×105である。
稜線部22の幅22wは、1原子以上であり、例えば2nm以下とすることができる。なお、稜線部22の幅とは、稜線部22を挟む2つの井戸層21の最短距離を指す。
図6Fに示すように、活性層20の外面にp側半導体被覆層30を形成する。n側半導体ロッド10をn型のGaN系結晶(n型窒化物半導体)から形成した場合、p側半導体被覆層30はp型のGaN系結晶(p型窒化物半導体)から形成する。例えば、p側半導体被覆層30は、p型GaN層やp型AlGaN層をp型不純物濃度を変えて複数積層させることにより形成する。
p側半導体被覆層30は、成長基板50の温度を例えば800〜900℃とし、原料ガスを供給して形成する。原料ガスは、ガリウム源としてTMGまたはTEGと、窒素源としてNH3とを含む混合ガスが利用できる。さらに、p型不純物を添加するため、これらの原料ガスに例えばCp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を追加し、Mgが添加されたGaN層をp側半導体被覆層30として形成する。原料ガスの供給時間を例えば20〜60分とすると、約40〜120nm程度の厚さのp側半導体被覆層30を形成できる。
p側半導体被覆層30の形成により、ロッド状発光部5が得られる。
図6Gに示すように、ロッド状発光部5のp側半導体被覆層30の外面と、絶縁膜90の上面90aとを連続して覆うように、第1透光性電極81を形成する。
そして、例えば、図6Gに描かれた11個のロッド状発光部5のうちの中央部の7個のロッド状発光部5を残し、その外側に位置する第1透光性電極81とロッド状発光部5を削除する。このように、第1透光性電極81の一部と複数のロッド状発光部5の一部とを除去し、下地層40の一部を絶縁膜90から露出させる。絶縁膜90から露出した部分を、第1露出部40xおよび第2露出部40yと称する。なお、第1露出部40xには、n側半導体ロッド10に通電するための電極が形成される。第2露出部40yの上側には、絶縁膜91を介して、p側半導体被覆層30に通電するための電極が形成される。各電極については後で詳述する。
このように、第1透光性電極81を形成した後で第1露出部40xおよび第2露出部40yを形成すれば、第1露出部40xおよび第2露出部40yを形成するためのエッチング用のマスクを剥離する剥離液からロッド状発光部5を保護することができる。すなわち、ロッド状発光部5が第1透光性電極81に被覆されているので、剥離液がロッド状発光部5に接触し難い。したがって、必要なロッド状発光部5が除去される可能性を低減することができる。
透光性電極81は、例えばITO膜等の透光性導電膜から形成することができる。
図6Iに示すように、第1透光性電極81の一部と、下地層40の第1露出部40xの一部(n側透光性電極71が形成されていない部分)と、下地層40の第2露出部40yの全体とを覆うように、絶縁膜91を形成する。
絶縁膜91は、SiO2、SiN等の絶縁部材から形成する。SiO2は、透光性を有するため、絶縁膜91を通してロッド状発光部5からの発光を取り出すことができる利点がある。
図6Jに示すように、n側透光性電極71と第2透光性電極82とを形成する。n側透光性電極71は、下地層40の第1露出部40x上に形成する。第2透光性電極82は、第1透光性電極81と接触し、かつ下地層40の第2露出部40yの上側まで延在している。第2透光性電極82と下地層40の第2露出部40yの間に絶縁膜91を配置することにより、それらが短絡するのを防止している。
次いで、n側透光性電極71上にn側パッド電極70を形成する。および、下地層40の第2露出部40yの直上において、第2透光性電極82上にp側パッド電極80を形成する。
p側の電流経路において、第1透光性電極81が複数のロッド状発光部5のp側半導体被覆層30と接触しており、n側の電流経路において、下地層40が複数のロッド状発光部5のn側半導体ロッド10と接触している。つまり、複数のロッド状発光部5は、並列接続されている。
ロッド状発光部5は、多角柱状の外形、もしくは多角柱状で上端にファセットを有する外形を有している。
ロッド状発光部5は、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等の半導体材料から形成することができる。具体的には、InXAlYGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物半導体(例えばInN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等)を用いることができる。
ロッド状発光部5の各構成(n側半導体ロッド10、活性層20およびp側半導体被覆層30)に適した半導体について詳述する。
また、第1半導体層12は、p型不純物を含む半導体により構成されるが、第1半導体層12に適した半導体としては、GaNおよびAlGaNが挙げられる。p型不純物としては、Mg、Zn、C、Zn、Be、Mn、Ca、Sr等を添加することができる。
また、第2半導体層13は、n型不純物及びp型不純物の添加量が少ない半導体により構成されるが、第2半導体層13に適した半導体としては、GaNおよびAlGaNが挙げられる。
上述したように、n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とは同一組成の半導体により構成してもよいし、異なる組成の半導体により構成してもよい。
例えば、
(1)n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とをGaNにより構成する、
(2)n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とをAlGaNにより構成する、
(3)n型半導体ロッド本体部11をGaNにより構成し、第1半導体層12と第2半導体層13とをAlGaNにより構成する、
(4)n型半導体ロッド本体部11をGaNにより構成し、第1半導体層12をAlGaNにより構成し、第2半導体層13をGaNにより構成する、
など、種々の組み合わせが可能である。
p側半導体被覆層30は、第2導電型半導体(例えばp型半導体)を含む。p側半導体被覆層30に適した半導体としては、Mg等のp型不純物を含むGaNが挙げられる。p側半導体被覆層30は、p型不純物を含有するp型半導体から成る層と、アンドープの層とを含む積層構造であってもよい。また、p側半導体被覆層30の上面と第1透光性電極81との間に、n型半導体ロッド本体部11及び第1半導体層12より不純物濃度の低い、例えば、i型の第3半導体層を形成してもよい。これにより、n型半導体ロッド本体部11の上面近傍における逆リーク電流をさらに抑えることができ、発光素子の発光効率を高めることができる。
n側透光性電極71、第1透光性電極81および第2透光性電極82は、透光性の導電材料から形成することができ、特に、導電性酸化物が好適である。導電性酸化物としては、例えば、ZnO、In2O3、ITO、SnO2、MgOが挙げられる。特にITOは、可視光(可視領域)において高い光透過性を有し、導電率の高い材料であることから好ましい。
なお、n側透光性電極71は省略してもよい。この場合、n側パッド電極70を下地層40に直接形成する。
窒化物半導体を成長させる場合の成長基板50としては、典型的には、サファイア(A12O3)等の絶縁性基板を用いる。また、窒化物半導体(GaN、AlN等)等を用いることもできる。
特に、C面、すなわち(0001)面を成長面とするサファイアの成長基板が好ましい。成長面は厳密に(0001)面と一致するよりは、(0001)面に対して0.5°〜2.0°のオフ角を有しているのが好ましい。このような面を窒化することにより、GaN系半導体を[000−1]方向に成長させることができる。
絶縁膜90、91は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)やSiNから形成することができる。
n側パッド電極70およびp側パッド電極80としては、電気良導体を用いることができ、例えばCu、Au、Ag、Ni、Sn等の金属が好適である。パッド電極70、80を透光性電極71、81上に形成する場合には、透光性電極とオーミックコンタクトできる導電材料から形成するのが好ましい。なお、p側パッド電極80をロッド状発光部5に直接設けてもよく、その場合は、p側の透光性電極は1層のみ(第1透光性電極81のみ)であってもよい。好ましくは、p側パッド電極80をロッド状発光部5に直接設けるのではなく、図2に示すように、ロッド状発光部5が存在しない領域を設け、その領域にp側パッド電極80を形成する。これにより、ロッド状発光部5からの光をp側パッド電極80によって遮られることなく外部に取り出すことができるため、発光素子1の光取り出し効率を向上させることができる。
本開示に係るn側半導体ロッド10及び活性層20を製造した。活性層20は、多重量子井戸構造(MQW)とし、各半導体層はMOCVD法により形成した。
次いで、絶縁膜90が形成された成長基板50に、GaNのバッファ層45(厚さ約20nm)を形成し、その後、熱処理を行った。ここでは下地層40は設けなかったため、このように絶縁膜90形成後にバッファ層45の形成を行った。
実施例のn側半導体ロッド10において、n型半導体ロッド本体部11の長さは約7μmであり、第1半導体層12の厚さと第2半導体層13の厚さとはいずれも約0.5μmであり、n側半導体ロッド10全体の長さは約8μmである。
・基板温度:1045℃
・製造時間:40分
・雰囲気ガス:水素と窒素の混合雰囲気
・キャリアガス:窒素 11slm
・NH3:50sccm(約2×10−3モル/分)
・TMG:20sccm(約65×10−6モル/分)
以上のようにして、一体化された六角柱のn側半導体ロッド10を形成した。
・基板温度:810℃
・雰囲気ガス:窒素
・キャリアガス:窒素 8slm
・NH3:4slm(約2×10−1モル/分)
・TEG:16sccm(約4×10−6モル/分)
GaNからなる障壁層25は、第1層(n側半導体ロッド10と接触している層)のみSiドープした。1層目の形成の際には、上記の原料ガスに加えて、Siドーパント源としてSiH4ガスを8×10−9モル/分で添加した。
障壁層25の形成時間は、第1層は約9分(厚さ10nm程度)、第2層〜第7層は、それぞれ4分(厚さ4〜10nm程度)とした。
・基板温度:810℃
・雰囲気ガス:窒素
・キャリアガス:窒素 8slm
・NH3:4slm(約2×10−1モル/分)
・TEG:16sccm(約4×10−6モル/分)
・TMI:142sccm(約12×10−6モル/分)
混合層の形成時間は、第1層〜第6層の全てにおいて、それぞれ4分(厚さ4〜10nm程度)とした。なお、障壁層25の第2層〜第7層と混合層との成長時間は同じであるが、n側半導体ロッド10の長さ方向において成長速度の差が生じるため、後述するTEM像に示すように、障壁層25と混合層との厚さは同じとは限らない。
[第1透光性電極81の形成条件]
・材料:ITO
・膜厚:1700Å
[絶縁膜91の形成条件]
・材料:SiO2
・膜厚:3500Å
[n側透光性電極71、第2透光性電極82の形成条件]
・材料:ITO
・膜厚:1700Å
[n側パッド電極70の形成条件]
・材料:下層側からTi/Auを積層
[p側パッド電極80の形成条件]
・材料:下層側からTi/Auを積層
実施例において、n側半導体ロッドをn型半導体ロッド本体部11と第2半導体層13に対応する半導体層とによって構成した以外は実施例と同様にして比較例の発光素子を作製した。すなわち、比較例の発光素子では、n側半導体ロッドを、第1半導体層12を形成することなく、n型半導体ロッド本体部11と第2半導体層13に対応する半導体層とによって構成した。
比較例のn側半導体ロッド10において、n型半導体ロッド本体部11の長さは約7μmであり、第2半導体層13に対応する半導体層の厚さは約1μmであり、n側半導体ロッド全体の長さは約8μmである。
また、比較例の発光素子においては逆方向リーク電流が低い電圧で立ち上がるのに対して、実施例の発光素子において逆方向リーク電流が立ち上がる電圧は比較例より格段に高いことが確認された。
5、6 ロッド状発光部
10、16 n側半導体ロッド
10c、16c 半導体ロッドの側面
11 n型半導体ロッド本体部
12 第1半導体層
13 第2半導体層
20、26 活性層
21 井戸層
22 稜線部
25 障壁層
30、36 p側半導体被覆層(半導体層)
40 下地層
45 バッファ層
50 成長基板
90、91 絶縁膜
90h 貫通孔
Claims (10)
- n側半導体ロッドと、
前記n側半導体ロッドを覆う半導体から成る活性層と、
前記活性層を覆うp側半導体被覆層と、を含み、
前記n側半導体ロッドは、n型不純物を含むn型半導体ロッド本体部と、該n型半導体ロッド本体部の上面に設けられたp型不純物を含む第1半導体層と、該第1半導体層の上面に設けられ、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含むことを特徴とする発光素子。 - 前記n側半導体ロッドにおいて、前記第1半導体層の厚さtp及び前記第2半導体層の厚さtiはそれぞれ0.1μm以上であり、前記第1半導体層の厚さtpと前記第2半導体層の厚さtiとを合わせた厚さttotalは、0.1μm以上、2μm以下である請求項1記載の発光素子。
- 前記n側半導体ロッドは、複数の側面を有する多角柱形状であり、
前記活性層は、前記複数の側面のうち少なくとも隣接する2つにそれぞれ配置された複数の井戸層を含み、
前記複数の井戸層のうち隣接する井戸層同士はそれぞれ、隣接する前記側面同士が接する稜線に沿って分離されており、
前記活性層は、半導体から成り、前記稜線上に配置されて前記隣接する井戸層同士を繋ぐ稜線部をさらに含み、
前記稜線部のバンドギャップは、前記複数の井戸層それぞれのバンドギャップよりも広い請求項1又は2に記載の発光素子。 - 前記複数の井戸層は、前記n側半導体ロッドの全ての側面にそれぞれ配置されており、
前記複数の井戸層のうち隣接する井戸層同士は全て前記稜線部により繋がれていることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。 - 前記井戸層は、前記n側半導体ロッドの側面と垂直をなす方向において、障壁層を介して複数積層されていることを特徴とする請求項3または4に記載の発光素子。
- 前記n側半導体ロッドにおいて、
前記n型半導体ロッド本体部は、ウルツ鉱型の結晶のn型窒化物半導体を含み、
前記第1半導体層は、p型窒化物半導体を含み、
前記第2半導体層は、i型窒化物半導体を含み、
前記p側半導体被覆層はp型窒化物半導体を含み、
前記n型半導体ロッド本体部の側面は、前記ウルツ鉱型の結晶のM面である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光素子。 - 前記n型半導体ロッド本体部は、GaN結晶から成ることを特徴とする請求項6に記載の発光素子。
- 前記第1半導体層はGaN結晶から成り、前記第2半導体層はGaN結晶から成る請求項7に記載の発光素子。
- 前記n型半導体ロッド本体部の軸は、前記GaN結晶の[000−1]方向に平行である請求項7又は8に記載の発光素子。
- 前記第2半導体層はアンドープ層である請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
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