JP2018179234A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油の供給が停止した場合であっても、内輪及び外輪と転動体との転がり接触部に潤滑油を供給してドライランを回避し、一定時間回転を持続することができる。【解決手段】転がり軸受の保持器18には、複数のポケット36のうち一部のポケット36に転動体16が組付けられているとともに、前記一部のポケット36を除くその他のポケット36に、潤滑油を吸収して蓄積することができるとともに蓄積した潤滑油を放出することができる油蓄積部材50が組付けられており、油蓄積部材50は、外側軌道面20及び内側軌道面24と径方向に離間して組み付けられている。【選択図】図3
Description
本発明は、転がり軸受の潤滑に関する。
転がり軸受では、軌道面等を潤滑するために外部に給油装置を設置して、潤滑油を強制的に供給する場合がある。このように、給油装置を用いた潤滑方法は、軌道面等を確実に潤滑することができる反面、給油装置の故障等によって潤滑油の供給が停止した場合には、軌道面等の潤滑油が急激に枯渇するので、早期に焼き付きなどの不具合を生じる恐れがある。このように、潤滑油が枯渇した状態で回転することを「ドライラン」という。
航空機などの用途では、転がり軸受の損傷は、安全性への影響が大きいため、上記のように何らかの原因で潤滑油の供給が停止した場合であっても、ドライランの状態を回避し、少なくとも数分間、回転を持続できる性能が要求される。
航空機などの用途では、転がり軸受の損傷は、安全性への影響が大きいため、上記のように何らかの原因で潤滑油の供給が停止した場合であっても、ドライランの状態を回避し、少なくとも数分間、回転を持続できる性能が要求される。
例えば、特許文献1の転がり軸受では、保持器の表面に銀などの自己潤滑性被膜が形成されている。この転がり軸受では、保持器の回転を案内するために、保持器の外周面と外輪の内周面との間ですべり接触をしている。このすべり接触をする面は、通常、潤滑油で潤滑されているが、給油装置が故障して潤滑油が枯渇した場合には、保持器を被覆する銀が、当該摺動部に介在することによって、焼き付きを防止している。
特許文献1の転がり軸受の保持器では、その全周に銀などの自己潤滑性被膜が形成されているので、ドライランが生じても、直接接触する外輪とのすべり接触部を潤滑することができる。しかし、軌道面には保持器が直接接触しないので、軌道面と転動体とが転がり接触する部分では、銀などの自己潤滑物質が介在しにくい。このため、ドライランが生じたときには、転がり接触部で焼き付き等の不具合を生じる恐れがある。
そこで、本発明は、潤滑油の供給が停止した場合であっても、内輪及び外輪と転動体との転がり接触部に潤滑油を供給してドライランを回避し、一定時間回転を持続することができる転がり軸受を提供することを目的としている。
本発明は、内周に外側軌道面が形成された外輪と、外周に内側軌道面が形成された内輪と、前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、軸方向に対向する一対の環状部と前記環状部を軸方向に連結する複数の柱部によって画定される複数のポケットを有する保持器と、を備えた転がり軸受であって、前記保持器には、複数の前記ポケットのうち一部のポケットに前記転動体が組付けられているとともに、前記一部のポケットを除くその他のポケットに、潤滑油を吸収して蓄積することができるとともに蓄積した前記潤滑油を放出することができる油蓄積部材が組付けられており、前記油蓄積部材は、前記外側軌道面及び前記内側軌道面と径方向に離間して組み付けられていることを特徴とする。
本発明により、潤滑油の供給が停止した場合であっても、内輪及び外輪と転動体との転がり接触部に潤滑油を供給してドライランを回避し、一定時間回転を持続することができる転がり軸受を提供することができる。
本発明の一の実施形態(以下、本実施形態)を図によって詳細に説明する。図1は、本実施形態である転がり軸受10の軸方向断面図である。この転がり軸受10は、円筒ころ軸受であって、例えば、航空機のジェットエンジンの主軸を支持する用途に使用される。
転がり軸受10は、外輪12と、内輪14と、転動体である複数の円筒ころ16と、保持器18とを備えている。外輪12と内輪14は、それぞれ円環状で、同軸に組み合わされており、内輪14は、外輪12の内側で回転自在である。以下の説明では、軸受中心軸Oの方向を軸方向といい、軸受中心軸Oと直交する方向を径方向、軸受中心軸Oの回りを周回する方向を周方向という。
転がり軸受10は、外輪12と、内輪14と、転動体である複数の円筒ころ16と、保持器18とを備えている。外輪12と内輪14は、それぞれ円環状で、同軸に組み合わされており、内輪14は、外輪12の内側で回転自在である。以下の説明では、軸受中心軸Oの方向を軸方向といい、軸受中心軸Oと直交する方向を径方向、軸受中心軸Oの回りを周回する方向を周方向という。
外輪12は、M50等の耐熱用合金鋼で製造されている。内周側には外側軌道面20が形成されている。外側軌道面20は円筒形状で、その軸方向両外側に、径方向内方に突出する鍔22が設けられている。各鍔22の軸方向内側の側面22aは、円筒ころ16が周方向に転動するときの案内面となっている。また、鍔22の内周面22cは、外側軌道面20と同軸の円筒面であり、保持器18が回転するときの案内面となっている。
内輪14は、M50等の耐熱用合金鋼で製造されている。外周側には円筒形状の内側軌道面24が形成されている。
円筒ころ16は、M50等の耐熱用合金鋼で製造されている。外周面26は円筒形状であり、軸線方向の両端には、それぞれ円筒ころ16の中心軸と直交し、互いに平行である一対の端面27,27が形成されている。円筒ころ16は、外側軌道面20と内側軌道面24との間で周方向に転動自在に配置されており、外輪12に対して内輪14を回転自在に支持している。
図2は、保持器18の構成を説明するための説明図である。
保持器18は、円環状で、ニッケルクロムモリブデン鋼で製造されている。外周面30(図1参照)は円筒形状であって、その外径寸法は、鍔22の内径寸法よりわずかに小径である。図2に示すように、保持器18は、軸方向に離間して同軸に形成された一対の環状部32,32と、この環状部32を軸方向に連結する複数の柱部34とを備えている。こうして、一対の環状部32と、周方向に隣り合う一組の柱部34とで画定されることによって、径方向に貫通した複数のポケット36が、周方向に並んで形成されている。
保持器18は、円環状で、ニッケルクロムモリブデン鋼で製造されている。外周面30(図1参照)は円筒形状であって、その外径寸法は、鍔22の内径寸法よりわずかに小径である。図2に示すように、保持器18は、軸方向に離間して同軸に形成された一対の環状部32,32と、この環状部32を軸方向に連結する複数の柱部34とを備えている。こうして、一対の環状部32と、周方向に隣り合う一組の柱部34とで画定されることによって、径方向に貫通した複数のポケット36が、周方向に並んで形成されている。
本実施形態では、軸受中心軸Oを挟んで径方向に対向する一組のポケット36,36に、油蓄積部材38が一体に組み込まれている。以下の説明では、当該一組のポケット36,36を、それぞれポケットA,ポケットBとする。
油蓄積部材38は、その外周面50が円筒形状であって、支持部材としてのピン42によって、保持器18と一体に組付けられている。ポケットAでは、油蓄積部材38を組み付ける前の状態を示しており、ポケットBでは、油蓄積部材38が組み付けられた後の状態を示している。油蓄積部材38の詳細については後述する。
油蓄積部材38は、その外周面50が円筒形状であって、支持部材としてのピン42によって、保持器18と一体に組付けられている。ポケットAでは、油蓄積部材38を組み付ける前の状態を示しており、ポケットBでは、油蓄積部材38が組み付けられた後の状態を示している。油蓄積部材38の詳細については後述する。
油蓄積部材38が組み込まれたポケットA,Bを除くその他のポケット36には、それぞれ円筒ころ16(図2では図示を省略)がひとつずつ挿入されている。ポケット36の軸方向の寸法は、円筒ころ16の軸方向の寸法よりわずかに大きい。また、ポケット36に円筒ころ16を挿入して、円筒ころ16を一方の柱部34に接触させた際、円筒ころ16は他方の柱部に接触しないようになっている。こうして、円筒ころ16は、各ポケット36内で回転自在である。
こうして、円筒ころ16は、保持器18によって、外側軌道面20と内側軌道面24との間に所定の間隔で配置されている。
こうして、円筒ころ16は、保持器18によって、外側軌道面20と内側軌道面24との間に所定の間隔で配置されている。
図3は、図1のX−Xの位置において、軸受中心軸Oと直交する向きの断面を軸方向に見た要部拡大図である。各柱部34の内周側には、二枚の羽44,44が形成されている。各羽44,44は、ポケット36に挿入された円筒ころ16の外周面26に沿って、ポケット36の内側に向けて延在している。各ポケット36の周方向両側に形成された一対の羽44の間隔hは、円筒ころ16の外径寸法d0より小さい。このため、転がり軸受10の組立時に、円筒ころ16がポケット36から脱落することを防止できる。
図4によって、油蓄積部材38について詳細に説明する。図4は、図3のY−Yの位置における軸方向断面図であり、油蓄積部材38の断面を表している。
油蓄積部材38は、金属又は樹脂で形成された円筒形状の芯材46と、その外周に張り付けられて芯材46を被覆する油保持部48とで形成されている。芯材46には、芯材46の軸方向に貫通する支持孔40が形成されている。
本実施形態の油保持部48は、海綿状のスポンジであって、ポリウレタンなどの合成樹脂材料を発泡成形することによって製造されている。こうして製造されたスポンジは、多孔質で、内部に細かな孔が無数に形成されている。このため、潤滑油などの液体に浸すと、毛細管現象によって、液体がスポンジの内部に吸収される。また、スポンジに外部から力をかけることによって、その吸収した液体を容易に外部に放出することができる。
本実施形態の油保持部48は、海綿状のスポンジであって、ポリウレタンなどの合成樹脂材料を発泡成形することによって製造されている。こうして製造されたスポンジは、多孔質で、内部に細かな孔が無数に形成されている。このため、潤滑油などの液体に浸すと、毛細管現象によって、液体がスポンジの内部に吸収される。また、スポンジに外部から力をかけることによって、その吸収した液体を容易に外部に放出することができる。
油保持部48の材料としては、樹脂材料のほかに、主基材としての布と結合剤としてのフェノール樹脂とを円管状に形成した布基材フェノール樹脂積層管(JIS K 6914 PTR−FCM)や、フエルト、焼結金属などを使用することができる。これらの材料は、内部に微細な孔が無数に形成されており、潤滑油を吸収したり放出したりすることができる。なお、油保持部48の材料は例示であって、これらに限定されるものではない。また、油蓄積部材38は、油保持部48と芯材46とを含む全体がスポンジなどの多孔質の材料で形成されていてもよい。
図3に示すように、油蓄積部材38の外径寸法d1は、円筒ころ16の外径寸法d0より小径である(d1<d0)。これにより、その外周面50は、外側軌道面20及び内側軌道面24と径方向にすきまs1,s2をもって保持されており、外側軌道面20及び内側軌道面24と接触していない。
先に述べたように、油蓄積部材38は、ピン42で支持されている。
油蓄積部材38が組付けられるポケットA,Bでは、ポケット36を画定する一対の環状部32に、それぞれ軸方向に貫通するピン孔41が形成されている。一対の環状部32にそれぞれ設けられたピン孔41,41は、保持器18の中心軸に平行な一つの直線上に形成されている。
油蓄積部材38がポケットA,Bに挿入された後、ピン孔41,41及び支持孔40を貫通してピン42が挿入されている。ピン42は、ピン孔41に締りばめの状態で嵌め合わされている。ピン42の全長は、保持器18の軸方向の全幅よりわずかに短く、ピン孔41に嵌め合わされた後、ピン孔41の開口部がかしめられることによって、ピン42の脱落が防止されている。
また、支持孔40の内径寸法は、ピン42の外径寸法よりわずかに大きく設定されており、油蓄積部材38は、ピン42の回りで回転自在である。
油蓄積部材38が組付けられるポケットA,Bでは、ポケット36を画定する一対の環状部32に、それぞれ軸方向に貫通するピン孔41が形成されている。一対の環状部32にそれぞれ設けられたピン孔41,41は、保持器18の中心軸に平行な一つの直線上に形成されている。
油蓄積部材38がポケットA,Bに挿入された後、ピン孔41,41及び支持孔40を貫通してピン42が挿入されている。ピン42は、ピン孔41に締りばめの状態で嵌め合わされている。ピン42の全長は、保持器18の軸方向の全幅よりわずかに短く、ピン孔41に嵌め合わされた後、ピン孔41の開口部がかしめられることによって、ピン42の脱落が防止されている。
また、支持孔40の内径寸法は、ピン42の外径寸法よりわずかに大きく設定されており、油蓄積部材38は、ピン42の回りで回転自在である。
こうして、油蓄積部材38は、ピン42によって保持器18と一体に保持されている。仮に、ピン42を設けず、円筒ころ16と同様に、油蓄積部材38をポケット36に挿入したと仮定すると、転がり軸受10を組立てるときに、周方向に向き合った羽44と羽44との間のすきまから脱落する恐れがある。本実施形態の転がり軸受10では、油蓄積部材38がピン42によって保持器18と一体に組付けられているので、脱落する恐れがなく、転がり軸受10の組立て性が向上する。
油蓄積部材38を保持する保持部材は、ボルトであってもよい。この場合には、図示を省略するが、ポケットA,Bを軸方向で画定する環状部32には、図4のピン孔41と同一の向きで、ボルト孔とねじ孔が形成される。ボルト孔は、軸方向の一方の側の環状部32に形成され、内径寸法はボルトの外径寸法より大きい。ねじ孔は、軸方向の他方の側の環状部32に形成される。ボルト孔及び支持孔40を貫通して、ボルトを締め込むことによって、油蓄積部材38が保持器18と一体に保持される。
こうして、転がり軸受10では、外輪12及び内輪14が、円筒ころ16によって互いに回転自在に支持されるとともに、潤滑油を保持する油蓄積部材38が、保持器18と一体に組付けられている。
内輪14が外輪12に対して相対的に回転するときには、円筒ころ16が、外側軌道面20及び内側軌道面24を周方向に転動し、軸受中心軸Oの周りを公転する。各円筒ころは、保持器18のポケット36に組み込まれているので、この円筒ころ16の動きにともなって、保持器18が、軸受中心軸Oの周りで回転する。保持器18の外周面30は、外輪12の鍔22の内周面22cで案内されており、外輪12と同軸に回転することができる。このとき、油蓄積部材38は、保持器18とともに軸受中心軸Oの回りを公転している。
内輪14が外輪12に対して相対的に回転するときには、円筒ころ16が、外側軌道面20及び内側軌道面24を周方向に転動し、軸受中心軸Oの周りを公転する。各円筒ころは、保持器18のポケット36に組み込まれているので、この円筒ころ16の動きにともなって、保持器18が、軸受中心軸Oの周りで回転する。保持器18の外周面30は、外輪12の鍔22の内周面22cで案内されており、外輪12と同軸に回転することができる。このとき、油蓄積部材38は、保持器18とともに軸受中心軸Oの回りを公転している。
次に、図4を参照しつつ、本実施形態の作用について説明する。
転がり軸受10には、図示しないポンプによって潤滑油が供給されている。潤滑油は、外輪12の内周と内輪14の外周とで径方向に挟まれた環状空間Kに向けて流入している。これによって、外側軌道面20及び内側軌道面24と円筒ころ16との転がり接触部が潤滑されるとともに、保持器18に一体に組付けられた油蓄積部材38に対しても、常に多量の潤滑油が供給されている。先に述べたように、油蓄積部材38は、多孔質で、内部に細かな孔が無数に形成された油保持部48を備えている。このため、油蓄積部材38に対して供給された潤滑油は、毛細管現象によって当該細かな孔に吸収される。こうして、転がり軸受10は、油蓄積部材38に多量の潤滑油を保持した状態で回転している。
転がり軸受10には、図示しないポンプによって潤滑油が供給されている。潤滑油は、外輪12の内周と内輪14の外周とで径方向に挟まれた環状空間Kに向けて流入している。これによって、外側軌道面20及び内側軌道面24と円筒ころ16との転がり接触部が潤滑されるとともに、保持器18に一体に組付けられた油蓄積部材38に対しても、常に多量の潤滑油が供給されている。先に述べたように、油蓄積部材38は、多孔質で、内部に細かな孔が無数に形成された油保持部48を備えている。このため、油蓄積部材38に対して供給された潤滑油は、毛細管現象によって当該細かな孔に吸収される。こうして、転がり軸受10は、油蓄積部材38に多量の潤滑油を保持した状態で回転している。
次に、供給ポンプからの潤滑油の供給が何らかの原因で停止した場合について説明する。
潤滑油の供給が停止した場合には、外側軌道面20及び内側軌道面24と円筒ころ16との転がり接触部の潤滑状態が急激に悪化する。何らの対策もしない場合には、潤滑油が枯渇するので、転がり軸受10の転がり接触部がドライランの状態になる。
潤滑油の供給が停止した場合には、外側軌道面20及び内側軌道面24と円筒ころ16との転がり接触部の潤滑状態が急激に悪化する。何らの対策もしない場合には、潤滑油が枯渇するので、転がり軸受10の転がり接触部がドライランの状態になる。
本実施形態の転がり軸受10では、内輪14が回転を継続しているので、保持器18とともに、保持器18と一体に組付けられた油蓄積部材38が、軸受中心軸Oの周りを回転している。
油蓄積部材38には、多量の潤滑油が保持されているので、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止して、油蓄積部材38の回りに潤滑油が存在しない状態となった場合には、油蓄積部材38に保持されている潤滑油が、遠心力によって放出されて、径方向外方に飛散し、径方向外方の外側軌道面20に付着する。
油蓄積部材38が、円筒ころ16と同一の軸方向の位置に設けられているので、円筒ころ16は、潤滑油が付着した外側軌道面20上を確実に転動する。このため、外側軌道面20と円筒ころ16との転がり接触部に効果的に潤滑油を供給することができる。更に、円筒ころ16の外周面26に付着した潤滑油が、円筒ころ16の回転にともなって内側軌道面24に移動するので、内側軌道面24と円筒ころ16との接触部を潤滑することができる。
こうして、本実施形態の転がり軸受10は、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止した場合であっても、外側軌道面20及び内側軌道面24と円筒ころ16との転がり接触部に、一定時間、潤滑油を供給することができる。
油蓄積部材38には、多量の潤滑油が保持されているので、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止して、油蓄積部材38の回りに潤滑油が存在しない状態となった場合には、油蓄積部材38に保持されている潤滑油が、遠心力によって放出されて、径方向外方に飛散し、径方向外方の外側軌道面20に付着する。
油蓄積部材38が、円筒ころ16と同一の軸方向の位置に設けられているので、円筒ころ16は、潤滑油が付着した外側軌道面20上を確実に転動する。このため、外側軌道面20と円筒ころ16との転がり接触部に効果的に潤滑油を供給することができる。更に、円筒ころ16の外周面26に付着した潤滑油が、円筒ころ16の回転にともなって内側軌道面24に移動するので、内側軌道面24と円筒ころ16との接触部を潤滑することができる。
こうして、本実施形態の転がり軸受10は、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止した場合であっても、外側軌道面20及び内側軌道面24と円筒ころ16との転がり接触部に、一定時間、潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態では、油蓄積部材38と外側軌道面20及び内側軌道面24とが接触しない。このため、油蓄積部材38が、転がり軸受10の回転抵抗を増大させることがない。
内輪14が回転するときには、保持器18が、内輪14と同一方向に回転しており、保持器18の回転速度は内輪14の回転速度の概ね1/2である。このため、仮に、油蓄積部材38が外側軌道面20及び内側軌道面24のいずれかと接触したと仮定した場合には、その接触部におけるすべり摩擦によって、回転速度が大きい方の部材の回転抵抗が増大し、機器を回転させるためのエネルギーが増大するという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態の転がり軸受10では、油蓄積部材38と外側軌道面20及び内側軌道面24とが接触しないので、転がり軸受10の回転抵抗を増大させることがなく、機器を回転させるためのエネルギーの増大を防止することができる。
内輪14が回転するときには、保持器18が、内輪14と同一方向に回転しており、保持器18の回転速度は内輪14の回転速度の概ね1/2である。このため、仮に、油蓄積部材38が外側軌道面20及び内側軌道面24のいずれかと接触したと仮定した場合には、その接触部におけるすべり摩擦によって、回転速度が大きい方の部材の回転抵抗が増大し、機器を回転させるためのエネルギーが増大するという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態の転がり軸受10では、油蓄積部材38と外側軌道面20及び内側軌道面24とが接触しないので、転がり軸受10の回転抵抗を増大させることがなく、機器を回転させるためのエネルギーの増大を防止することができる。
なお、本実施形態では、油蓄積部材38が、ピン42の回りで回転自在である。このため、油蓄積部材38が外側軌道面20及び内側軌道面24と接触した場合であっても、内輪14または外輪12の回転によって油蓄積部材38がピン42の回りで回転するので、外輪12または内輪14と保持器18との間ですべり接触をすることがない。特に、本実施形態では、油蓄積部材38の外周面50が円筒形状であるので、各軌道面20,24と接触したときには滑らかに転がり接触をする。したがって、内輪14または外輪12の回転抵抗が増大することがなく、機器を回転させるためのエネルギーが増大するという不都合も生じない。
また、本実施形態の転がり軸受10では、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止した場合には、油蓄積部材38にあらかじめ吸収された潤滑油が放出されて、転がり接触部に供給されている。
一般的に、転がり軸受10の潤滑に使用される潤滑油は、その油種や添加剤等によって、特性が大きく変化する。このため、航空機等に使用される転がり軸受10では、その使用条件、例えば、雰囲気温度や、回転速度、負荷荷重の大きさなどに応じて、適正な潤滑油が選定されている。
一般的に、転がり軸受10の潤滑に使用される潤滑油は、その油種や添加剤等によって、特性が大きく変化する。このため、航空機等に使用される転がり軸受10では、その使用条件、例えば、雰囲気温度や、回転速度、負荷荷重の大きさなどに応じて、適正な潤滑油が選定されている。
仮に、油蓄積部材38として、あらかじめ他の潤滑油を含浸させた含油樹脂などを使用したと仮定した場合には、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止した後に転がり接触面に供給される潤滑油が、それまで供給されていた潤滑油と異なったものとなる。このため、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止したときには、当該使用条件に応じて適正に選定されていた潤滑油とは異なった種類の潤滑油が供給されるので、潤滑性能を十分に発揮できず、依然として転がり接触部に焼き付き等の不具合を生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止した場合においても、転がり接触部には、供給が停止する以前に供給されていた潤滑油と同一の潤滑油を供給することができる。このため、転がり接触部における焼き付きなどの不具合の発生を確実に防止することができる。
これに対して、本実施形態では、供給ポンプからの潤滑油の供給が停止した場合においても、転がり接触部には、供給が停止する以前に供給されていた潤滑油と同一の潤滑油を供給することができる。このため、転がり接触部における焼き付きなどの不具合の発生を確実に防止することができる。
なお、多量の潤滑油を保持することによって、油蓄積部材38の質量が増大する。本実施形態では、油蓄積部材38は、保持器18の径方向で向き合う位置に形成されたポケット36に組み込まれている。このため、保持器18の質量は周方向で均等であって、アンバランスによる振動などの発生を抑制することができる。本実施形態では、径方向に対向する2カ所のポケットA,Bに油蓄積部材38を設けたが、周方向に3等配、あるいはそれ以上の数に等配して組み付けられてもよい。なお、円筒ころ16の数が少なくなることによって、転がり軸受10の耐荷重性能が低下するので、油蓄積部材38の数は、全ポケット数の3分の1以下に設定するのが望ましい。
以上説明したように、本実施形態の転がり軸受10は、潤滑油の供給が停止した場合であっても、内輪14及び外輪12と円筒ころ16との転がり接触部に潤滑油を供給してドライランを回避し、一定時間回転を持続することができる。
本実施形態では、転がり軸受10が、転動体が円筒ころである円筒ころ軸受について説明したが、これに限定されない。例えば、深溝玉軸受や、円すいころ軸受、球面ころ軸受など各種転がり軸受に適用することができる。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。
10:転がり軸受、12:外輪、14:内輪、16:円筒ころ、18:保持器、20:外側軌道面、22:鍔、24:内側軌道面、32:環状部、34:柱部、36:ポケット、38:油蓄積部材、40:支持孔、42:ピン、46:芯材、48:油保持部
Claims (3)
- 内周に外側軌道面が形成された外輪と、
外周に内側軌道面が形成された内輪と、
前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
軸方向に対向する一対の環状部と前記環状部を軸方向に連結する複数の柱部によって画定される複数のポケットを有する保持器と、を備えた転がり軸受であって、
前記保持器には、複数の前記ポケットのうち一部のポケットに前記転動体が組付けられているとともに、前記一部のポケットを除くその他のポケットに、潤滑油を吸収して蓄積することができるとともに蓄積した前記潤滑油を放出することができる油蓄積部材が組付けられており、
前記油蓄積部材は、前記外側軌道面及び前記内側軌道面と径方向に離間して組み付けられていることを特徴とする転がり軸受。 - 前記油蓄積部材は、一対の前記環状部に前記保持器の軸方向に架け渡された支持部材によって前記保持器と一体に支持されており、前記支持部材の周りで回転自在であることを特徴とする請求項1の転がり軸受。
- 前記油蓄積部材は、海綿状のスポンジからなる油保持部を備えたことを特徴とする請求項1または2の転がり軸受。
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2017
- 2017-04-19 JP JP2017082799A patent/JP2018179234A/ja active Pending
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