荷箱を接地状態にする際に、荷箱の後部は地面に接触し、地面上で荷箱を支持する。荷箱を安定して支持するために、例えば図10に示すように、荷箱100の後部に下方に延びるテールパネル101を設け、その下端部に折り曲げ部102を設けることがある。これにより、折り曲げ部102がない場合に比べて、テールパネル101の接地面積を大きくすることができると共に、テールパネル101の剛性を高めることができる。よって、荷箱100を安定して支持することができる。
しかし、荷箱100を接地状態から水平な状態に戻す際に、接地しているテールパネル101が地面を擦り、土砂をすくい上げることがある。特に、剛性を高めるために折り曲げ部102を設けた形状だと、折り曲げ部102のない形状と比較して、土砂をすくい上げる量が多くなりやすい。そのため、テールパネル101の折り曲げ部102の内側に溜まった土砂が、貨物自動車の走行中に折り曲げ部102からこぼれてしまい、道路を汚してしまうおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、荷箱を傾斜させるダンプ動作と荷箱を接地させるスライド動作とが可能な貨物自動車であって、スライド動作時に荷箱を地面上に安定して支持できると共に、走行中にテールパネルから土砂がこぼれて道路を汚してしまうことが生じにくい貨物自動車を提供することである。
本発明に係る貨物自動車は、シャシフレームに対して回動可能なスライドフレームと、前記スライドフレームにスライド可能に支持された荷箱と、前記荷箱の後端部から下方に延びるテールパネルと、を備える。前記テールパネルは、下方に延びる第1プレート部と前記第1プレート部から前方または後方に延びる第2プレート部とを有する折り曲げ部と、少なくとも前記第1プレート部に接続され、前記第2プレート部の上方を覆う閉塞部材と、を有している。
上記貨物自動車によれば、荷箱を接地させるスライド動作の際に、テールパネルの折り曲げ部が地面に接触し、荷箱を支持する。折り曲げ部は第1プレート部から前方または後方に延びる第2プレート部を有しているので、地面との接触面積を大きく確保することができる。また、折り曲げ部は剛性が比較的高い。よって、スライド動作時に、折り曲げ部によって荷箱を安定して支持することができる。また、上記貨物自動車によれば、折り曲げ部の第2プレート部の上方は閉塞部材によって覆われている。そのため、荷箱を接地状態から水平な状態に戻す際に、折り曲げ部の内側(第2プレート部の上側)に土砂が溜まることがない。したがって、走行中にテールパネルから土砂がこぼれて道路を汚してしまうことを抑制することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記閉塞部材は、少なくとも一部が前記第2プレート部から上方に離間したプレート部材からなっている。
上記態様によれば、閉塞部材はプレート部材からなっているので、第2プレート部の上方の空間を閉塞部材により充填する場合に比べ、閉塞部材を軽量化することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記テールパネルの前記折り曲げ部は、前記第2プレート部から上方に延びる第3プレート部を有している。前記閉塞部材は、前記折り曲げ部の前記第1プレート部と前記第3プレート部とに架け渡されている。
上記態様によれば、折り曲げ部の剛性を更に高めることができ、スライド動作時に荷箱をより安定して支持することができる。閉塞部材は第1プレート部と第3プレート部とに架け渡されているので、折り曲げ部の内側に土砂が溜まることを防止することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記第2プレート部は前記第1プレート部の下端から前方に延びており、前記第3プレート部は前記第2プレート部の前端から上方に延びている。
上記態様により、好適な折り曲げ部を得ることができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記閉塞部材は、前記第1プレート部に溶接された溶接部と前記第3プレート部に溶接された溶接部とを有している。
上記態様によれば、閉塞部材は第1プレート部および第3プレート部に溶接されている。閉塞部材と第1プレート部との隙間および閉塞部材と第3プレート部との隙間から、土砂が折り曲げ部の内側に入り込むことを防止することができる。よって、折り曲げ部の内側に土砂が溜まってしまうことを防止することができる。また、閉塞部材と折り曲げ部との取付強度を高めることができる。よって、スライド動作時に荷箱をより安定して支持することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記閉塞部材の上面は、前記スライドフレームが水平位置にあるときに、車両前後方向に関して前記第1プレート部から離れる方に行くほど下方に向かうように水平線から傾斜している。
上記態様によれば、閉塞部材の上に一時的に土砂が載ってしまったとしても、荷箱が水平位置に戻ると、その土砂は閉塞部材の上面に沿って斜め下向きに落下する。土砂は走行前に落下するので、走行中に土砂が道路上にこぼれることを防止することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記折り曲げ部および前記閉塞部材は、車両の車幅方向の中心よりも左側の部分から右側の部分に亘って車幅方向に延びている。
折り曲げ部は車幅方向に延びており、スライド動作時に車幅方向の広い範囲に亘って荷箱を安定して支持することができる。また、折り曲げ部は車幅方向に延びているが、閉塞部材も車幅方向に延びているので、折り曲げ部の内側に土砂が溜まることを防止することができ、ひいては走行中に土砂が道路上にこぼれることを防止することができる。
本発明によれば、荷箱を傾斜させるダンプ動作と荷箱を接地させるスライド動作とが可能な貨物自動車であって、スライド動作時に荷箱を地面上に安定して支持できると共に、走行中にテールパネルから土砂がこぼれて道路を汚してしまうことが生じにくい貨物自動車を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。図1は、本実施形態に係る貨物自動車1の側面図である。図2は貨物自動車1のダンプ動作時の側面図、図3は貨物自動車1のスライド動作時の側面図である。貨物自動車1は、シャシフレーム10と、シャシフレーム10に支持されたキャブ2と、キャブ2の後方かつシャシフレーム10の上に配置されたサブフレーム20と、車幅方向に延びるヒンジ軸5によりサブフレーム20の後端部に回動可能に支持されたスライドフレーム30と、スライドフレーム30にスライド可能に支持された荷箱40とを備えている。シャシフレーム10には、前輪3および後輪4が支持されている。キャブ2の内部には、図示しない運転席が設けられている。以下の説明では特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、上記運転席に座った運転手から見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。
なお、本実施形態の貨物自動車1は、シャシフレーム10の上にサブフレーム20を備え、そのサブフレーム20に、荷箱40をスライド可能に支持するスライドフレーム30を連結している。しかし、貨物自動車1は、サブフレーム20を備えていなくてもよい。図6および図7に示すように、スライドフレーム30はシャシフレーム10にダンプヒンジ5を介して回動可能に連結されていてもよい。貨物自動車1は、例えば、特開2011−230653号公報に開示された構成を備えていてもよい。
図2に示すように、貨物自動車1は、荷箱40を傾斜させるダンプ動作が可能である。サブフレーム20とスライドフレーム30とは、ホイスト機構50によって連結されている。ホイスト機構50は、リフトアーム52と、テンションリンク53と、油圧シリンダ51とを有している。油圧シリンダ51が収縮した状態では、図1に示すようにスライドフレーム30は水平な状態となり、荷箱40は水平な姿勢を保つ。一方、図2に示すように、油圧シリンダ51が伸張するとスライドフレーム30の前部が持ち上げられ、スライドフレーム30がヒンジ軸5周りに回動することにより、傾斜する。その結果、荷箱40は後ろ下がりに傾斜する。本実施形態では、油圧シリンダ51は、スライドフレーム30および荷箱40を傾斜させるダンプアクチュエータを構成している。なお、図示は省略するが、貨物自動車1は、荷箱40がスライドフレーム30に対してスライドしないようにロックするロック機構を備えている。ダンプ動作時には、当該ロック機構がONされ、荷箱40のスライドは防止される。
図3に示すように、貨物自動車1は、荷箱40を傾斜させた状態で後方にスライドさせるスライド動作が可能である。なお、図3では、ホイスト機構50(図2参照)の図示は省略している。図示は省略するが、貨物自動車1は、荷箱40を前後にスライドさせるスライドアクチュエータとして、他の油圧シリンダを備えている。この油圧シリンダの一端はスライドフレーム30に連結され、他端は荷箱40に連結されている。荷箱40を後方にスライドさせる際には、ホイスト機構50によってスライドフレーム30を傾斜させる。スライド動作時には、前記ロック機構をOFFし、荷箱40をスライドフレーム30に対してスライド可能とする。そして、上記油圧シリンダを伸張させることにより、荷箱40をスライドフレーム30に沿って後方にスライドさせる。
スライドフレーム30の後端部には、ジャッキ15が設けられている。ジャッキ15はスライドフレーム30の後端部から下方に延びている。図3に示すように、スライド動作時に、ジャッキ15は地面に接触し、貨物自動車1を支持する役割を果たす。ジャッキ15にはバンパ25が取り付けられている。
荷箱40の後端部にはテールパネル41が設けられている。テールパネル41は、荷箱40の後端部から下方に延びている。図3に示すように、テールパネル41は、スライド動作時に地面と接触し、荷箱40を地面上で支持する役割を果たす。次に、テールパネル41の構成について説明する。
図4は、テールパネル41を車両前後方向の前方から見た図である。図5は図4のV−V線断面図であり、スライドフレーム30が回動していないときのテールパネル41の断面図である。なお、車両走行時にはスライドフレーム30は回動しておらず、スライドフレーム30および荷箱40は水平な状態に保たれる。以下では、スライドフレーム30が回動していないときの位置を水平位置と呼ぶこととする。なお、水平位置は、必ずしもスライドフレーム30が水平線と平行に延びている位置に限らず、当該位置から若干傾いた位置であってもよい。
図5に示すように、テールパネル41は折り曲げ部42を備えている。折り曲げ部42は、下方に延びる第1プレート部31と、第1プレート部31の下端から前方に延びる第2プレート部32と、第2プレート部32の前端から上方に延びる第3プレート部33とを有している。なお、ここで言う「前方」には、水平前向きの方向だけでなく、水平前向きの方向から±45°以内の角度で傾いた方向も含まれる。「後方」には、水平後向きの方向だけでなく、水平後向きの方向から±45°以内の角度で傾いた方向も含まれる。同様に、「上方」、「下方」には、それぞれ鉛直上向き、鉛直下向きの方向だけでなく、鉛直上向き、鉛直下向きの方向から±45°以内の角度で傾いた方向も含まれる。本実施形態では、荷箱40が水平な状態のときに、第2プレート部32は前斜め下向きに傾斜している。これにより、スライド動作時に第2プレート部32と地面との接触面積をより大きく確保することができる(図3参照)。
テールパネル41は、更に、折り曲げ部42の第1プレート部31と第3プレート部33とに架け渡された閉塞プレート部43を備えている。閉塞プレート部43は、第2プレート部32の上方を覆っている。言い換えると、閉塞プレート部43は、折り曲げ部42の内側の部分を覆っている。閉塞プレート部43の少なくとも一部は第2プレート部32から上方に離間しており、閉塞プレート部43と第2プレート部32との間には空間が形成されている。ここでは、第1プレート部31、第2プレート部32、第3プレート部33、および閉塞プレート部43により、空間が仕切られている。閉塞プレート部43は、第1プレート部31および第3プレート部33に溶接されている。閉塞プレート部43は、第1プレート部31に溶接された溶接部43aと、第3プレート部33に溶接された溶接部43bとを有している。ただし、閉塞プレート部43は第1プレート部31および第3プレート部33に対して、必ずしも溶接されている必要はない。閉塞プレート部43を第1プレート部31および第3プレート部33に対してボルト等により接続することも可能である。閉塞プレート部43は、第1プレート部31および第3プレート部33に隙間無く接続されている。
荷箱40が水平な状態のとき(言い換えると、スライドフレーム30が水平位置にあるとき)に、閉塞プレート部43は前斜め下向きに延びている。閉塞プレート部43は、水平線に対して斜め前下がりに傾斜している。スライドフレーム30が水平位置にあるときに、閉塞プレート部43と水平線とのなす角をθとすると、例えばθ=30°〜60°である。しかし、θの値は特に限定される訳ではなく、θ=45°〜60°であってもよい。また、θは60°よりも大きくてもよい。θ=60°〜75°であってもよい。逆に、θは30°よりも小さくてもよい。
閉塞プレート部43は、折り曲げ部42の内側に土砂が溜まらないように、折り曲げ部42の内側を閉塞する役割を果たす。この役割を果たす上で、閉塞プレート部43は必ずしも前下がりに傾斜している必要はない。閉塞プレート部43は、スライドフレーム30が水平位置にあるときに、水平であってもよく、水平線から斜め前上がりに傾斜していてもよい。ただし、閉塞プレート部43が水平線から斜め前下がりに傾斜していると、閉塞プレート部43上の土砂は閉塞プレート部43の上面に沿って落下しやすい。そのため、閉塞プレート部43の上に土砂が溜まりにくい。
図4に示すように、折り曲げ部42および閉塞プレート部43は、車両の車幅方向の中心CLよりも左側の部分から右側の部分に亘って車幅方向に延びている。テールパネル41の左端および右端には、サイドパネル44が設けられている。サイドパネル44は、折り曲げ部42および閉塞プレート部43の左端および右端を塞いでいる(図1参照)。
本実施形態では、折り曲げ部42を含むテールパネル41は、鉄などの金属によって形成されている。閉塞プレート部43も鉄などの金属によって形成されている。折り曲げ部42には、樹脂製パッドなどの緩衝材が取り付けられるように構成されていてもよい。例えば、図5に示すように、第2プレート部32にナット35が溶着されていてもよい。これにより、緩衝材をボルトにより第2プレート部32に容易に取り付けることができる。このような緩衝材により、スライド動作時に、テールパネル41が地面に接触するときの衝撃を和らげることができ、また、テールパネル41を地面に対して円滑に滑らせることができる。なお、緩衝材は第2プレート部32に着脱自在に装着されるので、容易に交換することができる。また、第2プレート部32にローラを取り付けることも可能である。
前述の通り、貨物自動車1は、荷箱40を傾斜させるダンプ動作(図2参照)と、荷箱40を傾斜させた状態で後方にスライドさせるスライド動作(図3参照)とが可能である。貨物自動車1によれば、例えば、建設車両の運搬と土砂の運搬との双方を好適に行うことができる。
例えば、建設車両を運搬する際には、スライド動作を行う。詳しくは、スライドフレーム30を回動させ、荷箱40を傾斜させると共にテールパネル41を接地させる。そして、建設車両を自走させることにより、傾斜した荷箱40に積み込む。次に、スライドフレーム30を水平位置に戻すことにより、荷箱40を水平な状態に戻す。そして、建設車両を積載したまま、貨物自動車1を目的地まで走行させる。目的地に到着すると、再びスライド動作を行う。すなわち、スライドフレーム30を回動させ、荷箱40を傾斜させると共にテールパネル41を接地させる。そして、建設車両を自走させることにより、傾斜した荷箱40から降ろす。その後は、スライドフレーム30を水平位置に戻し、荷箱40を水平な状態に戻す。貨物自動車1によれば、例えば上記のようにして建設車両を運搬することができる。
本実施形態に係る貨物自動車1によれば、テールパネル41は、第1〜第3プレート部31〜33を有する折り曲げ部42を有している。スライド動作時に、テールパネル41の折り曲げ部42が地面に接触する。折り曲げ部42は第1プレート部31の下端から前方に延びる第2プレート部32を有しているので、地面との接触面積を大きく確保することができる。また、折り曲げ部42は単一の板状部材と異なり、剛性が比較的高い。よって、貨物自動車1によれば、スライド動作時に、折り曲げ部42により荷箱40を安定して支持することができる。
土砂の運搬の際には、荷箱40に土砂を積載したまま、貨物自動車1を目的地まで走行させる。目的地に到着すると、ダンプ動作を行い、荷箱40から地面に土砂を排出する。詳しくは、荷箱40をスライドフレーム30に固定したまま、スライドフレーム30を回動させる。これにより、荷箱40は傾斜し、荷箱40から地面に土砂が排出される。貨物自動車1によれば、このようにして土砂を運搬することができる。
本実施形態に係る貨物自動車1によれば、上記の通り、荷箱40を接地状態に姿勢変更することができる。その際にテールパネル41は直接接地するため、その直接接地する部位が地面を擦って土や砂利等をすくい上げることがある。
しかし、本実施形態に係る貨物自動車1によれば、折り曲げ部42の第1プレート部31と第3プレート部33とに閉塞プレート部43が架け渡され、第2プレート部32の上方は閉塞プレート部43によって覆われている。そのため、折り曲げ部42の内側(第2プレート部32の上側)に土砂が溜まることがなく、走行中にテールパネル41の折り曲げ部42から土砂がこぼれにくい。したがって、本実施形態に係る貨物自動車1によれば、スライド動作時に荷箱40を地面上に安定して支持できると共に、走行中にテールパネル41から土砂がこぼれて道路を汚してしまうことを抑制することができる。
閉塞プレート部43は、折り曲げ部42の第2プレート部32の上方を覆う閉塞部材の一例に過ぎず、その形状は特に限定されないが、本実施形態では図5に示すように、スライドフレーム30が水平位置にあるときに前斜め下向きに延びている。そのため、ダンプ動作時に閉塞プレート部43の上に一時的に土砂が載ってしまったとしても、スライドフレーム30が水平位置に戻ると、その土砂は閉塞プレート部43の上面に沿って前斜め下向きに落下する。本実施形態によれば、土砂は走行前に落下するので、走行中に土砂が道路上にこぼれることを防止することができる。
本実施形態では、閉塞プレート部43は第1プレート部31および第3プレート部33に溶接されている。閉塞プレート部43と第1プレート部31との隙間および閉塞プレート部43と第3プレート部33との隙間から、土砂が折り曲げ部42の内側に入り込むことを防止することができる。よって、折り曲げ部42の内側に土砂が溜まってしまうことをより確実に防止することができる。また、閉塞プレート部43と折り曲げ部42との取付強度を高めることができる。よって、スライド動作時に荷箱40をより安定して支持することができる。
図4に示すように、折り曲げ部42は車幅方向に延びているので、スライド動作時に車幅方向の広い範囲に亘って荷箱40を安定して支持することができる。また、折り曲げ部42は車幅方向に延びているが、閉塞プレート部43も車幅方向に延びているので、車幅方向の広い範囲に亘って折り曲げ部42の内側に土砂が溜まることを防止することができ、ひいては走行中に土砂が道路上にこぼれることを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明が前記実施形態に限定されないことは勿論である。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。例えば、図6に示すホイスト機構50でダンプ動作を行う貨物自動車1であってもよい。また、図7に示すように、スライドシリンダにより荷箱40を後方に移動させると、後方への重心移動に伴って自重により傾斜し、荷箱40がスライドして接地する構成の貨物自動車1であってもよい。
前記実施形態では、折り曲げ部42の第2プレート部32の上方を覆う閉塞部材は、プレート部材からなる閉塞プレート部43である。なお、プレート部材は、全体が真っ直ぐな平板であってもよく、湾曲板であってもよく、前記実施形態のように一部が屈曲した板であってもよい。また、閉塞部材はプレート部材に限定されない。閉塞部材は、第1プレート部31と第2プレート部32と第3プレート部とにより仕切られる空間に充填される充填部材であってもよい。ただし、前記実施形態のように閉塞部材として、少なくとも一部が第2プレート部32から上方に離間したプレート部材(閉塞プレート部43)を用いることとすれば、閉塞部材の体積を小さくすることができるので、閉塞部材を軽量化することができる。
前述したように、閉塞プレート部43の水平線からの傾斜角度は何ら限定されない。閉塞プレート部43は、スライドフレーム30が回動しているときにも前斜め下向きに延びるように構成されていてもよい。例えば、閉塞プレート部43は、スライド動作時にも前斜め下向きに延びるように構成されていてもよい。また、閉塞プレート部43は、ダンプ動作時にも前斜め下向きに延びるように構成されていてもよい。スライドフレーム30は水平位置と所定の最大回動位置との間で回動可能に構成され、閉塞プレート部43はスライドフレーム30が最大回動位置にあるときに、前斜め下向きに延びるように構成されていてもよい。
前記実施形態では、折り曲げ部42は、下方に延びる第1プレート部31と、第1プレート部31の下端から前方に延びる第2プレート部32と、第2プレート部32の前端から上方に延びる第3プレート部33とを有している。しかし、折り曲げ部42は、例えば前記実施形態の構成と前後対称の構成を有していてもよい。すなわち、折り曲げ部42は、下方に延びる第1プレート部31と、第1プレート部31の下端から後方に延びる第2プレート部32と、第2プレート部32の後端から上方に延びる第3プレート部33とを有していてもよい。この場合、閉塞プレート部43は、スライドフレーム30が水平位置にあるときに、後斜め下向きに延びるように構成されていてもよい。また、閉塞プレート部43は、スライド動作時またはダンプ動作時に後斜め下向きに延びるように構成されていてもよく、スライドフレーム30が最大回動位置にあるときに後斜め下向きに延びるように構成されていてもよい。
前記実施形態では図5に示すように、閉塞プレート部43は、第3プレート部33の後側の面に溶接されている。しかし、図8に示すように、閉塞プレート部43は第3プレート部33の前側の面に溶接されていてもよい。また、閉塞プレート部43は第2プレート部33の上端面に溶接されていてもよい。
前記実施形態では、折り曲げ部42は、第1プレート部31と第2プレート部32と第3プレート部33とを有している。しかし、図9に示すように、第3プレート部33はなくてもよい。閉塞プレート部43は、例えば第1プレート部31と第2プレート部32とに溶接されることにより、第2プレート部32の上方を覆っていてもよい。この場合も、閉塞プレート部43の上面は、車両前後方向に関して第1プレート部31から離れる方(図9では前方)に行くほど下方に向かうように水平線から傾斜していてもよい。
前記実施形態では、閉塞プレート部43の材料は鉄などの金属である。しかし、閉塞プレート部43の材料は金属に限定されない。閉塞プレート部43の材料は、例えば樹脂であってもよい。
前記実施形態では、折り曲げ部42および閉塞プレート部43は、車両の車幅方向の中心CLよりも左側の部分から右側の部分に亘って車幅方向に延びているが、それに限定されない。折り曲げ部42および閉塞プレート部43は、例えば、車幅方向の中心CLよりも左側の部分および右側の部分のそれぞれに、互いに離間して設けられていてもよい。
閉塞プレート部43は、折り曲げ部42の全体に対して設けられていることが好ましいが、必ずしも限定されない。閉塞プレート部43を折り曲げ部42の一部のみに設けることも可能である。