JP2018171752A - 発泡容器 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]多層発泡シートが熱成形されてなる発泡容器において、
該発泡容器が、ポリスチレン系樹脂発泡層と、該発泡層の少なくとも容器内面側に接着層を介して積層されたポリエチレン系樹脂層とを有し、
該ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂Xの結晶化度が30%以上であり、
該ポリエチレン系樹脂層の平均厚みが5〜60μmであり、
該接着層が、スチレン二量体及びスチレン三量体の合計含有量が1500ppm以下のポリスチレン系樹脂Aと、結晶化度30%以上のポリエチレン系樹脂Yとの混合樹脂から
構成されており、
該混合樹脂の混合状態を表す相構造指数の値PIが0.7〜6.0であることを特徴とする発泡容器。
但し、相構造指数の値PIは次式で定められる。
PI=(ηY×φA)/(ηA×φY)
ηA:190℃、剪断速度100sec−1でのポリスチレン系樹脂Aの溶融粘度
φA:該混合樹脂中のポリスチレン系樹脂Aの体積分率
ηY:190℃、剪断速度100sec−1でのポリエチレン系樹脂Yの溶融粘度
φY:該混合樹脂中のポリエチレン系樹脂Yの体積分率
[2] 前記ポリスチレン樹脂Aと前記ポリエチレン系樹脂Yとの重量比(WA:WY)が95:5〜30:70であることを特徴とする前記1に記載の発泡容器。
[3] 前記ポリエチレン系樹脂Xの結晶化度が55%以上であることを特徴とする前記1又は2に記載の発泡容器。
[4] 前記発泡容器の展開倍率が1.5〜3.5倍であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の発泡容器。
[5] 前記発泡容器から前記ポリエチレン系樹脂層を剥離させた際の剥離強度が200cN/25mm以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の発泡容器。
[6] 前記発泡容器の透湿度が20g/m2/day未満であることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の発泡容器。
[7] 前記発泡容器のノルマルヘプタンによるスチレン二量体及びスチレン三量体の合計抽出量が900ppb未満であることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の発泡容器。
本発明の発泡容器は、ポリスチレン系樹脂発泡層(以下、単に発泡層ともいう。)と、該発泡層の少なくとも容器内面側に接着層を介して積層されたポリエチレン系樹脂層(以下、単に樹脂層ともいう。)とを有するものである。該発泡容器は、ポリスチレン系樹脂多層発泡シート(以下、単に多層発泡シートともいう。)を熱成形することにより得ることができ、該多層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡層の片面または両面に接着層を介して特定厚みのポリエチレン系樹脂層(以下、単に樹脂層ともいう。)が積層されたものである。本発明の発泡容器は、該樹脂層が特定のポリエチレン系樹脂から構成され、該接着層が特定のポリスチレン系樹脂と特定のポリエチレン系樹脂とが特定の条件を満たすように混合された混合樹脂で構成されていることにより、防湿性に優れ、熱成形を行う際のデラミネーションの発生がなく、発泡容器に油性の食品を入れて電子レンジで加熱する際のデラミネーションが防止されると共に、ヘプタン抽出試験におけるスチレンオリゴマーの抽出量が低く抑えられており、美麗な外観を有するものである。
なお、本発明の発泡容器は、該樹脂層が容器内面側に接着層を介して積層されていることを必須とするが、該樹脂層を容器外面側に接着層を介して積層し、両面に該樹脂層が接着された発泡容器とすることもできる。
発泡ポリスチレンシート単体が熱成形された発泡容器に対してヘプタン抽出を行なう場合、ヘプタンはポリスチレンには浸透しにくいので、発泡容器の極表面付近のみからスチレンオリゴマーが抽出される。従って、ポリスチレンが多量のスチレンオリゴマーを含む場合であっても、スチレンオリゴマー抽出量は、それほど多くはならない。それに対して、ヘプタンはポリオレフィン系樹脂に浸透しやすいため、ポリオレフィン系樹脂層が接着層を介して積層された発泡容器に対してヘプタン抽出を行なう場合、ヘプタンは樹脂層中に容易に浸透し、拡散し、接着層に達する。そして、接着層がポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合樹脂から形成されていると、ヘプタンは、混合樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂中にも浸透し、拡散する。ここで、混合樹脂中では、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とが微細に混合しており、両者の界面の面積が大きくなっている。さらに、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とが共連続構造を形成しているので、ポリオレフィン系樹脂中に浸透したヘプタンは、極めて広い面積でポリスチレン系樹脂と接触し、ポリスチレン系樹脂中のスチレンオリゴマーを抽出する。その結果、ポリオレフィン系樹脂層が接着層を介して積層された従来の発泡容器においては、スチレンオリゴマーを同量含むポリスチレン発泡シート単体を熱成形した成形体よりも多くのスチレンオリゴマーが抽出されると考えられる。
本発明の発泡容器は、少なくともその内側表面にポリエチレン系樹脂層を有しており、容器内面側に積層されたポリエチレン系樹脂層の平均厚みが5〜60μmである。この範囲の厚みのポリエチレン樹脂層が積層されていることにより、該発泡容器は、防湿性に優れ、乾燥食品を収容した場合、乾燥食品の湿気の吸収を防止することができ、食品が傷むことを防止することができる。また、該発泡容器は、耐油性、耐溶剤性に優れるので、油性の食材を包装した状態で電子レンジにより加熱しても食用油等による侵食を防止することができる。樹脂層の平均厚みが薄すぎると、水蒸気が発泡容器を透過しやすくなるため、容器の防湿性が低下し、例えばカップ入り即席麺用容器として使用された場合、乾麺や具材が湿気を吸うことにより、その品質が低下するおそれがある。また、樹脂層の平均厚みが薄すぎると、抽出溶媒であるヘプタンが樹脂層を通って接着層中へ浸透、拡散しやすくなるので、接着層中のスチレンオリゴマーが抽出されやすくなるおそれがある。
一方、樹脂層の平均厚みが厚すぎると、容器の軽量性が低下するおそれや、熱成形性が低下し、良好な発泡容器が得られないおそれがある。
上記観点から、樹脂層の平均厚みは7μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。また、樹脂層の厚みは50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。
まず、発泡容器を高さ方向における1/4、1/2及び3/4の高さで、高さ方向に対して垂直に切断する。次に、切断した容器の1/4、1/2及び3/4の高さにおける一方の切断面の拡大写真を、容器の周方向に対して等間隔に各10箇所以上撮影する。上記のようにして撮影した拡大写真から計30箇所以上の樹脂層の厚みを測定し、これらの算術平均値を発泡容器の樹脂層の平均厚みとする。なお、上記測定は、発泡容器のなるべく平坦な部分に対して行うものとする。
結晶化度の高いポリエチレン系樹脂により樹脂層が形成されていることにより、ヘプタンによるスチレンオリゴマーの抽出量が低下する理由としては、ポリエチレン系樹脂へのヘプタンの浸透、拡散が密な結晶構造により妨げられ、ヘプタンが樹脂層中に浸透、拡散し難くなり、接着層まで到達しにくくなることが考えられる。かかる観点から、ポリエチレン系樹脂Xの結晶化度は40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、55%以上であることが特に好ましい。なお、該結晶化度の上限は、概ね90%である。
発泡層と容器内面側に積層された樹脂層とを接着する接着層は、ポリスチレン系樹脂Aと、ポリエチレン系樹脂Yとの混合樹脂から構成されている。後述するように、混合樹脂の混合状態を表す相構造指数の値PI(以下、単にPIともいう)を調節することにより、発泡層と樹脂層との剥離強度と、ヘプタンによるスチレンオリゴマー抽出量とのバランスをとることができる。
すなわち、発泡層と樹脂層とを適度に接着させて、電子レンジ加熱時や熱成形時における樹脂層の一部剥離(デラミネーション)が起き難くすると同時に、スチレンオリゴマー抽出量を低く抑えることができる。
上記ポリスチレン系樹脂におけるスチレン成分の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。また、ポリスチレン系樹脂は、その構造単位として、ジビニルベンゼンや多官能性マクロモノマーなどの分岐化成分を含んでもよい。
スチレン系樹脂又は接着層0.1gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ、23℃のヘプタン約250ml中に滴下して樹脂を析出させる。樹脂を濾別した濾液に内部標準としてトリフェニルメタンを加えた後、約20mlまで濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析計で測定する。なおガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は次の通りである。
使用機器:島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析計 GC/MS QP5050A、カラム:J&W Scientific性DB−5MS 0.25mm×30m(固定相…5%ジフェニル−95%ジメチル−ポリシロキサン)、キャリアガス:ヘリウム カラム流量1.6ml/min、試料注入量:1μL。
該混合樹脂のPIは0.7〜6.0であることを要する。PIがこの範囲内であれば、スチレンオリゴマー抽出量を低く抑えることができると同時に、樹脂層と発泡層との接着強度が高められ、電子レンジによる加熱時、また熱成形により発泡容器とされた際における樹脂層の発泡層からのデラミネーションを十分に防止することができる。
ηA:190℃、剪断速度100sec−1でのポリスチレン系樹脂Aの溶融粘度
φA:該混合樹脂中のポリスチレン系樹脂Aの体積分率
ηY:190℃、剪断速度100sec−1でのポリエチレン系樹脂Yの溶融粘度
φY:該混合樹脂中のポリエチレン系樹脂Yの体積分率
なお、PIが小さすぎると、ポリエチレン系樹脂Yによりポリスチレン系樹脂Aが覆われやすくなり(海−島構造)、樹脂層と接着層とは強固に接着するものの、接着層と発泡層との間の接着強度が不十分となる。
発泡容器の接着層と樹脂層との界面付近の断面写真(TEM写真)を透過型電子顕微鏡で撮影する(例えば、倍率10,000倍)。
得られたTEM写真において、無作為に6箇所を選定し、それぞれの箇所について、樹脂層側に最も近いポリスチレン系樹脂相を起点として、該起点から容器の樹脂層積層方向(発泡容器の厚み方向)に向かって5μmまでの範囲に存在するポリエチレン系樹脂相の相数を測定する。この操作を異なる観察用サンプル5点に対して行い、得られた値の算術平均値をポリエチレン系樹脂相の相数とする。
本発明においては、発泡層を構成するポリスチレン系樹脂Bとして、前記接着層を構成するポリスチレン系樹脂Aと同様なものが挙げられ、その中でもポリスチレンを好ましく用いることができる。さらに、ポリスチレン系樹脂Bとして、ビカット軟化温度が110℃以上のポリスチレン系樹脂を用いることができる。ビカット軟化温度が110℃以上のポリスチレン系樹脂を使用することにより、発泡容器の耐熱性を向上させることができる。この観点から、ビカット軟化温度は112℃以上が好ましく、115℃以上がより好ましい。なお、該軟化温度の上限値は特に限定されないが160℃程度である。ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−αメチルスチレンなどの耐熱ポリスチレンと称されるものが例示される。また、ポリスチレンとこれらの耐熱ポリスチレンとの混合物や、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物、耐熱ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物、ポリスチレンと耐熱ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物も例示される。
該発泡容器の展開倍率は特に限定されるものではないが、良好な発泡容器を得やすい観点から、概ね1.5〜3.5倍であることが好ましい。展開倍率を上記範囲とすることで、熱成形時の破損がなく、外観が美麗で、防湿性に優れ、オリゴマー抽出量が低く、電子レンジによる加熱時のデラミネーションの発生が抑制された本発明の発泡容器を安定して得ることができる。かかる観点から、該展開倍率は1.6以上3.3未満であることが好ましく、より好ましくは1.8以上3.2以下であり、さらに好ましくは2.0以上3.0以下である。
発泡容器の高さ方向中央部付近のなるべく平坦な部分から、幅(容器高さ方向の長さ)25mm、長さ(容器周方向の長さ)50mm、容器厚みの試験片を切り出し、JIS Z0237:2009に準拠し、剥離速度条件300mm/minの90°剥離試験にて発泡層から樹脂層を剥離させ、その際の剥離強度を測定する。この測定を一つの容器から切り出した5つの試験片に対して行い、その算術平均値を発泡容器から樹脂層を剥離させた際の剥離強度とする。
なお、剥離試験を行なった際に剥離が生じる界面としては、発泡層と接着層との間、接着層と樹脂層との間の2つの界面が想定され、層間の接着力によっては、発泡層の材料破壊や、接着層の凝集破壊が生じることがある。本発明における剥離強度は、それらのうちの最も弱い強度を意味する。例えば、剥離試験において、一方の治具で発泡層を掴み、他方の治具で接着層及び樹脂層を掴んで剥離試験を行うと、接着力が弱い方の界面で剥離が起きるので、一の試験で求めた剥離強度が、発泡層と接着層間、接着層と樹脂層間のどちらか弱い方の接着強度となる。樹脂層が薄すぎて治具で掴めない場合または樹脂層が試験中に破断してしまう場合には、補強フィルムで樹脂層を裏打ちすることにより測定することができる。
発泡層の厚みは、発泡容器としての機械的強度と軽量性とのバランスに優れているという観点から、1〜4mmであることが好ましく、より好ましくは1.2〜3.5mmである。
同様に、発泡容器の厚みは、1〜4mmであることが好ましく、より好ましくは1.2〜3.5mmである。
まず、発泡容器に塩化カルシウム50gを入れる。次に、容器の開口部の全面を厚み0.02mmのアルミホイルで覆い、ロウによりアルミホイルと容器周縁部とを隙間なく接着して、塩化カルシウムが直接外気に晒されないようにする。このようにして封止された容器の質量を測定した後、直ちに温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内に封止された容器を入れる。次に、恒温恒湿槽内に入れてから48時間後と72時間後における封止された容器の質量をそれぞれ測定し、恒温恒湿槽内に入れる前の質量からの質量増加分を算出する。算出した各経過時間における質量増加分の関係から、恒温恒湿槽内に入れた時から24時間経過後の封止された容器の質量増加分を外挿により求め、その値を容器の透湿量g/24hとする。
前記のようにして求めた容器の透湿量g/24hを容器内面積m2で除して、発泡容器の透湿度g/m2/24hを求める。
本発明の発泡容器は、ポリスチレン系樹脂発泡層と、該発泡層の少なくとも片面に接着層を介して積層されたポリエチレン系樹脂層とを有する多層発泡シートを熱成形することにより得ることができる。
同様に、多層発泡シートの見掛け密度は、0.05〜0.7g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.06〜0.5g/cm3であ、さらに好ましくは0.07〜0.3g/cm3である。
これらの中では、得られた容器の積高さを均一にすることができ、内嵌合容器等の複雑な形状の容器を熱成形可能なマッチド・モールド成形が好適に採用される
(1)PSジャパン(株)製ポリスチレン「G0002」(略称:G0002、密度1.05g/cm3、スチレンオリゴマー含有量1056重量ppm、溶融粘度1580Pa・s)
(2)PSジャパン(株)製ポリスチレン「HH102」(略称:HH102、密度1.05g/cm3、スチレンオリゴマー含有量4555重量ppm、溶融粘度1999Pa・s)
(1)PSジャパン(株)製ポリスチレン「G0002」(略称:G0002、スチレンオリゴマー含有量1056重量ppm、溶融粘度1580Pa・s)
(2)PSジャパン(株)製スチレン−メタクリル酸共重合体「G9001」(略称:G9001、スチレンオリゴマー含有量3338重量ppm、溶融粘度2646Pa・s、MFR1.6g/10min、ビカット軟化温度118℃)
(1)日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン「HY540」(略称:HY540、密度0.958g/cm3、結晶化度67.0%、溶融粘度1390Pa・s)
(2)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「NH6300」(略称:NH6300、
密度0.962g/cm3、結晶化度70.4%、溶融粘度2090Pa・s)
(3)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「NH2500」(略称:NH2500、密度0.958g/cm3、結晶化度73.4%、溶融粘度720Pa・s)
(4)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「NH4000」(略称:NH4000、密度0.964g/cm3、結晶化度77.2%、溶融粘度868Pa・s)
(5)日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン「HJ490」(略称:HJ490、密度0.958g/cm3、結晶化度71.9%、溶融粘度355Pa・s)
(6)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「NH8D01A」(略称:NH8D01A、密度0.958g/cm3、結晶化度66.6%、溶融粘度3015Pa・s)
(7)日本ポリエチレン(株)製直鎖状低密度ポリエチレン「UF240」(略称:UF240」、密度0.920g/cm3、結晶化度27.1%、溶融粘度1487Pa・s)
(1)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「NH4000」(略称:NH4000、密度0.964g/cm3、結晶化度77.2%、溶融粘度868Pa・s)
(2)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「TZ260」(略称:TZ260、密度0.935g/cm3、結晶化度48.4%、溶融粘度1521Pa・s)
(3)日本ポリエチレン(株)製直鎖状低密度ポリエチレン「UJ460」(略称:UJ460、密度0.924g/cm3、結晶化度29.3%、溶融粘度710Pa・s)
発泡層形成用の押出機として、バレル内径90mmの第一押出機とバレル内径120mmの第二押出機からなるタンデム押出機を用い、接着層形成用の押出機としてバレル内径65mm第三押出機を用い、樹脂層形成用の押出機としてバレル内径40mm第四押出機を用いた。更に、共押出用環状ダイに、第二押出機と第三押出機と第四押出機の夫々の出口を連結し、夫々の溶融樹脂を共押出用環状ダイ内で積層可能にした。
(多層発泡シートの製造)
表2に示すポリスチレン系樹脂B100重量部に対して、タルク1.9重量部を配合した原料を、第一押出機に供給し、加熱混練し、これに表1に示す割合で混合ブタンを圧入して発泡層形成用樹脂溶融物とし、次いで、第二押出機に供給して表1に示す樹脂温度に調整し、表1に示す吐出量で共押出用環状ダイに導入した。なお、実施例3については、ポリスチレン系樹脂B100重量部に対して、HIPS(PSジャパン(株)製「H8117」)15重量部をさらに配合した原料を用いた。
実施例、比較例で得られた多層発泡シートを25℃の温度で21日間養生した。その後、熱成形機(浅野研究所製 品番 FKS-0631-10)を用いて、多層発泡シートをヒータ温度300℃で所定秒数加熱した後、樹脂層が積層された面が容器内面側となるようにマッチモールド真空成形することで、下記形状の発泡容器を得た。
発泡容器A(略称「A」):口径142mm、深さ86mm、展開倍率2.6倍
発泡容器B(略称「B」):口径145mm、深さ75mm、展開倍率2.3倍
ポリスチレン系樹脂の原料ペレットを測定試料として用い、前記の方法で行った(n=3)。
測定装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用い、前記の方法で各原料樹脂の溶融粘度を測定した(n=3)。
接着層を構成する各樹脂原料の配合比(重量比)を各樹脂原料の樹脂密度で割算することで、ポリスチレン系樹脂Aの体積分率φAとポリエチレン系樹脂Yの体積分率φYを求めた。
前記式(1)を用いて、接着層の相構造指数PIを求めた。
多層発泡シートから全幅(押出方向に対して直交する方向)に亘って幅100mmの試験片(試験片サイズ:100mm×850mm)を切り出し、試験片の重量をその面積(85000mm2)で割算し、g/m2に単位換算することにより、多層発泡シート全体の坪量を求めた(n=3)。
坪量構成は、多層発泡シートの総坪量をもとに各層の吐出量比から求めた。
多層シートの幅方向(押出方向に対して直交する方向)に亘って10mm間隔で厚みを測定し、算術平均することにより平均厚みを求めた。
多層発泡シートの坪量をその平均厚みで割算し、g/cm3に単位換算することにより、多層発泡シートの見掛け密度を求めた。
ASTM D2856−70に記載されている手順Cに基づき多層発泡シートの独立気泡率を求めた。多層発泡シートから無作為に25mm×25mm×多層発泡シートの厚みの試験片を複数枚切り出し、厚みの合計が20mmに近づくように(ただし、20mmを超えない。)試験片を重ね合わせて測定に用いた。測定装置として株式会社島津製作所製の乾式自動密度計アキュピックII1340型を使用した。
前記の方法で樹脂層の平均厚みを求めた。
前記樹脂層の厚みの測定と同様な方法で、接着層の平均厚みを求めた。
まず、発泡容器を高さ方向における1/4、1/2及び3/4の高さで、高さ方向に対して垂直に切断した。次に、3つに切り分けた各容器の切断面に沿って、容器の周方向に対して等間隔に10箇所ずつ、計30箇所の容器の厚みを測定した。上記のようにして測定した厚みの算術平均値を求め、この値から、上記の方法により求めた樹脂層の平均厚みと接着層の平均厚みを減ずることで、発泡容器の発泡層の平均厚みを求めた。なお、上記測定は、発泡容器のなるべく平坦な部分に対して行った。
前記の方法で発泡容器の見掛け密度を求めた。
前記方法で、発泡容器の透湿度を測定し、次の基準で評価を行った。
A:20g/m2/24h未満
B:20g/m2/24h以上
なお、防湿性の評価結果が「A」のときを合格、「B」のときを不合格とした。
前記方法で、発泡層から前記ポリエチレン系樹脂層を剥離させた際の剥離強度を測定した(n=5)。なお、剥離試験時、実施例7、比較例4及び6では、発泡層と接着層との間で剥離し、それ以外の実施例、比較例では、樹脂層と接着層との間で剥離した。
A:200cN/25mm以上
B:60cN/25mm以上200cN/25mm未満
X:60cN/25mm未満
なお、剥離強度の評価結果がAであると、電子レンジで加熱した際のデラミネーションの発生をより確実に抑制することができる。
得られた発泡容器を用いて、以下の方法によりノルマルヘプタンによるスチレンオリゴマーの抽出量を測定した。
容器にヘプタンを500ml入れ、25℃の水浴中で60分放置し、容器に含まれるスチレンダイマー及びスチレントリマーをヘプタン中に溶出させた。ヘプタン中のスチレンダイマー及びスチレントリマー量をガスクロマトグラフ質量分析計で測定した。なおガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は次のとおりである。
A:オリゴマー抽出量900ppb未満
B:オリゴマー抽出量900ppb以上
なお、発泡容器のスチレンオリゴマー抽出量の評価結果が「A」のときを合格、「B」のときを不合格とした。
Claims (7)
- 多層発泡シートが熱成形されてなる発泡容器において、
該発泡容器が、ポリスチレン系樹脂発泡層と、該発泡層の少なくとも容器内面側に接着層を介して積層されたポリエチレン系樹脂層とを有し、
該ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂Xの結晶化度が30%以上であり、
該ポリエチレン系樹脂層の平均厚みが5〜60μmであり、
該接着層が、スチレン二量体及びスチレン三量体の合計含有量が1500ppm以下のポリスチレン系樹脂Aと、結晶化度30%以上のポリエチレン系樹脂Yとの混合樹脂から構成されており、
該混合樹脂の混合状態を表す相構造指数の値PIが0.7〜6.0であることを特徴とする発泡容器。
但し、相構造指数の値PIは次式で定められる。
PI=(ηY×φA)/(ηA×φY)
ηA:190℃、剪断速度100sec−1でのポリスチレン系樹脂Aの溶融粘度
φA:該混合樹脂中のポリスチレン系樹脂Aの体積分率
ηY:190℃、剪断速度100sec−1でのポリエチレン系樹脂Yの溶融粘度
φY:該混合樹脂中のポリエチレン系樹脂Yの体積分率
- 前記ポリスチレン樹脂Aと前記ポリエチレン系樹脂Yとの重量比(WA:WY)が95:5〜30:70であることを特徴とする請求項1に記載の発泡容器。
- 前記ポリエチレン系樹脂Xの結晶化度が55%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡容器。
- 前記発泡容器の展開倍率が1.5〜3.5倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡容器。
- 前記発泡容器から前記ポリエチレン系樹脂層を剥離させた際の剥離強度が200cN/25mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡容器。
- 前記発泡容器の透湿度が20g/m2/day未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡容器。
- 前記発泡容器のノルマルヘプタンによるスチレン二量体及びスチレン三量体の合計抽出量が900ppb未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡容器。
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