JP2018164429A - 加工野菜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔らかく、かつ見た目の良い加工野菜を提供すること。
【解決手段】 以下の(1)から(4)の工程を含む加工野菜の製造方法:
(1)野菜をブランチングする工程、
(2)ブランチング後の野菜を凍結させる工程、
(3)凍結後の野菜をクエン酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程、
(4)浸漬後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する工程。
【選択図】図1
【解決手段】 以下の(1)から(4)の工程を含む加工野菜の製造方法:
(1)野菜をブランチングする工程、
(2)ブランチング後の野菜を凍結させる工程、
(3)凍結後の野菜をクエン酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程、
(4)浸漬後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する工程。
【選択図】図1
Description
本発明は加工野菜の製造方法に関する。
高齢化社会の進展に伴い、高齢者向け食品として「柔らかい」食感の商品が求められるようになっている。市場では、人手不足等の理由から生素材から調理する機会が減少しており、前処理済みで簡便に調理すると消費者に提供できる加工食品が求められている。
食材の本来の形状を保持したまま柔らかい食材とする従来の加工方法として、炭酸水素ナトリウム(重曹)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、食材に重曹を使用すると、食材に求められる本来の形状、おいしさ、色等の要素の一つである色合いが変化してしまう。食材の変色は、見た目を悪くし食欲の減退につながるおそれもある。
本発明の目的は、柔らかく、かつ見た目の良い加工野菜を安価に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、野菜をブランチング、凍結した後、クエン酸ナトリウム溶液に一定時間浸漬し、スチーム加熱又はボイル加熱すると、食材本来の色を損なうことなく、形状が保持された柔らかい加工野菜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、以下の(1)から(4)の工程を含む加工野菜の製造方法:(1)野菜をブランチングする工程、(2)ブランチング後の野菜を凍結させる工程、(3)凍結工程後の野菜をクエン酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程、(4)浸漬工程後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する工程が提供される。
本発明によれば、柔らかく、かつ見た目の良い加工野菜を安価に製造することができる。本発明の製造方法により得られた加工野菜は、変色が抑制されており、食材の発色が優れている。また、本発明の製造方法により得られた加工野菜は、形状保持性及びおいしさにも優れている。
本発明の方法の原料となる野菜としては、果菜類、葉茎類、根菜類が挙げられる。果菜類には果菜類、豆類、穀物類が含まれる。葉茎類には葉菜類、茎菜類、花菜類が含まれる。根菜類には根菜類、イモ類が挙げられる。
果菜類としては、ナス、トマト、トウガラシ、シシトウガラシ、ピーマン、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ニガウリ(ゴーヤ)、トウガン、オクラ等が挙げられる。
豆類としては、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、ササゲ、シカクマメ、ソラマメ、ダイズ、ナタマメ、ラッカセイ、レンズマメ、ゴマ等が挙げられる。
穀物類としては、トウモロコシが挙げられる。
葉菜類としては、カラシナ、キャベツ、クレソン、ケール、小松菜、セリ、セロリ、高菜、チンゲンサイ、菜の花、ニラ、野沢菜、ホウレンソウ、水菜、ミツバ、芽キャベツ等が挙げられる。
茎菜類としては、アスパラガス、ウド、ザーサイ、タケノコ、ニンニク、ネギ、タマネギ等が挙げられる。
花菜類としては、カリフラワー、食用菊、ブロッコリー、フキノトウ、ミョウガ等が挙げられる。
根菜類としては、カブ、ダイコン、ワサビ、ゴボウ、ショウガ、ニンジン、ラッキョウ、レンコン、ユリ根等が挙げられる。
イモ類としては、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマノイモ等が挙げられる。
好ましくは、野菜は根菜類、イモ類、又は豆類である。これらは組織が固いため、柔らかくするために本発明の方法を適用するのに適している。なお、本明細書において、イモ類と並列に列挙されている「根菜類」は、イモ類とは別に分類された根菜類中の根菜類を指す。
以下、本発明の加工野菜の製造方法(以下、本発明の方法とも言う)の実施の形態を図1を参照しながら説明する。なお、本明細書中の「%」は重量%を指す。
まず、工程10において、生野菜を下処理する。下処理には皮むき及び切断が含まれる。皮むきは皮むきが不要な場合には省略してもよい。切断は、通常、利用者が調理しやすいか、又は消費者が食べやすい大きさに切断される。切断には、乱切り、角切り、いちょう切り、拍子切り、細切り等が挙げられ、野菜に応じて又は調理に応じて選択することができる。切断が不要な場合には、切断を省略してもよい。野菜の種類によっては、工程10を省略してもよい。
工程11において酸化防止を目的に水または浸漬液に浸漬する。工程11で浸漬処理した野菜は、浸漬液から取り出し、水切りをするのが好ましい。
次に、工程12において、工程11で浸漬した野菜をブランチングする。ブランチングは食品加工の分野において周知の加熱処理であり、湯で加熱するか(ボイル加熱)又は蒸気で加熱する(スチーム加熱)ことにより行われる。ブランチングは生野菜をいったん冷凍野菜にする前に、野菜の栄養成分の分解の防止、変色防止、及び/又は冷凍耐性の保持のために施される。ブランチングの温度は通常40〜100℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜100℃、最も好ましくは90〜100℃である。ブランチング時間は野菜の種類に応じて変更することができ、ボイル加熱の場合は通常1〜10分間、好ましくは3〜5分間であり、スチーム加熱の場合は好ましくは1〜60分間である。
工程12でブランチングした後の野菜は、冷却水中または流水中で冷却し、水切りをするのが好ましい。
次に、工程13において、工程12でブランチングした野菜を凍結させる。この工程13は、ブランチングした野菜をいったん冷凍することで、細胞膜及び繊維を破壊することにより、食感を柔らかくするために行われる。凍結は、通常−10〜−50℃で行われる。野菜は急速凍結しても緩慢凍結してもよい。急速凍結とは、凍結させる野菜の最大氷結晶生成温度帯を通過するのにかかる時間が30分間以下である凍結を指す。緩慢凍結は、凍結させる野菜の最大氷結晶生成温度帯を通過するのにかかる時間が30分よりも長い凍結を指す。−10℃以下−30℃未満で緩慢凍結する方が、−30℃以下で急速凍結するよりも野菜を柔らかくするには効果的である。工程12のブランチングで維持又は向上された各種性質を残存させるため、30分間〜12時間かけて野菜を凍結する。工程13で凍結した野菜は、水中または流水中で解凍し、水切りするのが好ましい。
次に、工程14において、工程13で凍結し解凍後の野菜を、浸漬液に浸漬させる。浸漬液はクエン酸ナトリウムを含む溶液である。クエン酸ナトリウムを含む溶液への浸漬は、野菜の持つ色を保持しつつ、野菜を柔らかくするために行われる。同じアルカリ溶液でも、重曹は素材の表面を崩し、また変色を引き起こすため好ましくない。クエン酸ナトリウムの濃度は通常0.01〜10%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜5%の範囲である。0.01%以上の濃度が野菜を柔らかくする点で好ましく、10%以下の濃度が野菜の形状を保持する点で好ましい。浸漬時間は野菜の種類に応じて変更することができ、また、クエン酸ナトリウムの濃度が高いほど浸漬時間は短くてよい。浸漬時間は、下限値は通常10分間以上、好ましくは30分間以上、より好ましくは2時間以上とし、上限値は通常24時間以下、好ましくは18時間以下とする。浸漬時間が長い程、野菜の中に浸漬液が浸透し、野菜を柔らかくするのに有効である。浸漬は1回行っても、2回以上行ってもよく、2回以上行う場合は合計浸漬時間を上記の時間とする。浸漬温度は通常常温であるが、それより低い温度又は高い温度であってもよく、浸漬温度は通常冷蔵であるが、それより低い温度又は高い温度であってもよく、通常0〜30℃、好ましくは15〜25℃である。浸漬中は、野菜を浸漬させた浸漬液を静置してもよいし、撹拌してもよい。
浸漬液は、上記クエン酸ナトリウムの他に、クエン酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸カリウムおよびポリリン酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩である金属塩を含んでもよい。浸漬に使用される金属塩は野菜の種類に応じて適宜選択することでき、適切な濃度で使用される。金属塩は塩基性のものであることが好ましい。金属塩の濃度は通常0.001〜10%、好ましくは0.01〜5%の範囲である。浸漬時間は野菜の種類に応じて変更することができ、通常12時間以上、好ましくは12時間以上、24時間以下浸漬する。浸漬温度は通常冷蔵であるが、それより低い温度又は高い温度であってもよく、通常0〜30℃、好ましくは5℃〜15℃である。浸漬中は、野菜を浸漬させた溶液を静置してもよいし、撹拌してもよい。
次に、工程15において、工程14で浸漬した後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する。この工程15は、工程14で浸漬させた後の野菜を、さらに加熱して柔らかくするための工程である。工程14における浸漬液を野菜中に残存させつつ、野菜の形状を保持しつつ柔らかくするためには、スチーム加熱が好ましい。加熱温度は通常40〜100℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜100℃、最も好ましくは90〜100℃である。特に、スチーム加熱の場合、加熱温度は好ましくは90〜100℃、より好ましくは95〜100℃である。加熱時間は野菜の種類に応じて変更することができ、ボイル加熱の場合は通常1〜10分間、好ましくは3〜5分間であり、スチーム加熱の場合は好ましくは1〜60分間、好ましくは1〜20分間である。
次に、工程16において、工程15でスチーム加熱又はボイル加熱した野菜を凍結する。凍結時間は通常−10〜−50℃、凍結時間は通常30分間〜12時間である。−10℃以下−30℃未満で冷凍してもよいし、−30℃以下で急速凍結してもよい。工程16で凍結した冷凍野菜は、次に使用するまで冷凍庫で保管する。
本発明の加工野菜の製造方法によれば、重曹への浸漬に比べて、見た目の良い加工野菜を製造することができる。
また、本発明の加工野菜の製造方法によれば、形状保持性及びおいしさにも優れた加工野菜を製造することができるため、消費者により受け入られる製品を提供することができる。
本発明は以下の構成を採用することもできる。
項1.以下の(1)から(4)の工程を含む加工野菜の製造方法:
(1)野菜をブランチングする工程、
(2)ブランチング後の野菜を凍結させる工程、
(3)凍結工程後の野菜をクエン酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程、
(4)浸漬工程後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する工程。
(1)野菜をブランチングする工程、
(2)ブランチング後の野菜を凍結させる工程、
(3)凍結工程後の野菜をクエン酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程、
(4)浸漬工程後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する工程。
項2.工程(4)において野菜をスチーム加熱する項1に記載の方法。
項3.工程(4)において、加熱温度は40〜100℃、加熱時間は1〜60分である項2に記載の方法。
項4.工程(4)において、加熱温度は90〜100℃、加熱時間は1〜20分である項2又は3に記載の方法。
項5.工程(3)は、0.1〜10%のクエン酸ナトリウム溶液に10分以上24時間以下浸漬させることを含む項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6.工程(3)は、0.1〜10%のクエン酸ナトリウム溶液に2時間以上24時間以下浸漬させることを含む項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7.野菜は根菜類、イモ類又は豆類である項1〜6のいずれかに記載の方法。
項8.項1〜7のいずれかに記載の加工野菜の製造方法と、
工程(4)の後の野菜を凍結する工程と
含む冷凍野菜の製造方法。
工程(4)の後の野菜を凍結する工程と
含む冷凍野菜の製造方法。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例1
1.実施例の加工野菜サンプルの製造
生ゴボウの皮をむき、1個当たり5〜7gとなるよう乱切りにカットし、水に30分浸漬させてあくを抜き、水切りした。次に、水切りしたゴボウを90℃以上の熱湯で10分間ボイルし、流水で冷却、水切りし、−30℃で1時間凍結させた。
1.実施例の加工野菜サンプルの製造
生ゴボウの皮をむき、1個当たり5〜7gとなるよう乱切りにカットし、水に30分浸漬させてあくを抜き、水切りした。次に、水切りしたゴボウを90℃以上の熱湯で10分間ボイルし、流水で冷却、水切りし、−30℃で1時間凍結させた。
凍結後、流水で解凍して水切りし、クエン酸ナトリウム水溶液に18時間浸漬させた。
次に、浸漬後、浸漬液を切ったサンプルを95℃以上のスチームで加熱し、冷却し、−30℃で1時間凍結させた。
下記の官能試験1では、クエン酸ナトリウムの濃度を0.5%、2%、5%、及び10%とし、スチーム加熱を5分間、10分間、及び30分間とした。
官能試験2〜4では、クエン酸ナトリウムの濃度を2%とし、スチーム加熱の時間を10分間とした。
「やわらかさ」「形状」及び「おいしさ」の検証には、10分間スチーム加熱した後、冷却し、−30℃で1時間凍結させたサンプルを用いた(実施例1)。
「色」の検証には、10分間スチーム加熱した後、冷却し、1時間常温で放置したゴボウを用いた(実施例2)。
2.比較例の加工野菜サンプルの製造
比較例として以下の加工野菜サンプルを製造した。
比較例として以下の加工野菜サンプルを製造した。
生ゴボウを実施例と同様の大きさに乱切りにカットしたもの(比較例1)
生ゴボウを4分間ボイル加熱し、−30℃で凍結させたもの(比較例2)
実施例の製造方法において、ゴボウをクエン酸ナトリウム水溶液に浸漬させる代わりに、2%重曹に18時間浸漬し、浸漬液を切り、95℃以上で10分間スチーム加熱し、冷却し、1時間常温で放置したもの(比較例3)
下記の官能評価のサンプルとして、凍結させた上記比較例2のゴボウを10分間スチーム加熱した後のものを用いた。比較例1の生ゴボウ及び比較例3のゴボウはそのまま用いた。
生ゴボウを4分間ボイル加熱し、−30℃で凍結させたもの(比較例2)
実施例の製造方法において、ゴボウをクエン酸ナトリウム水溶液に浸漬させる代わりに、2%重曹に18時間浸漬し、浸漬液を切り、95℃以上で10分間スチーム加熱し、冷却し、1時間常温で放置したもの(比較例3)
下記の官能評価のサンプルとして、凍結させた上記比較例2のゴボウを10分間スチーム加熱した後のものを用いた。比較例1の生ゴボウ及び比較例3のゴボウはそのまま用いた。
3.官能評価
3−1.官能試験1
クエン酸ナトリウムの濃度を0.5%、2%、5%、及び10%とし、スチーム加熱を5分間、10分間、及び30分間とした場合の実施例の加工野菜サンプルについて、冷凍野菜の官能評価について十分に訓練されたパネル(専門パネル)5名により、官能評価を実施した。
3−1.官能試験1
クエン酸ナトリウムの濃度を0.5%、2%、5%、及び10%とし、スチーム加熱を5分間、10分間、及び30分間とした場合の実施例の加工野菜サンプルについて、冷凍野菜の官能評価について十分に訓練されたパネル(専門パネル)5名により、官能評価を実施した。
評価項目は「やわらかさ」、「形状」、「色」、及び「おいしさ」とし、各項目の点数付けの方法は以下の5段階とした。
「やわらかさ」は、サンプルを試食し、「固い」を「1点」、「やや固い」を「2点」、「普通にかめる」を「3点」、「歯茎でつぶせる」を「4点」、「舌でつぶせる」を「5点」とした。
「形状」は、サンプルの外観を目視観察し、「原型がある」を「1点」、「ほぼ形がある」を「2点」、「やや形がある」を「3点」、「やや崩れている」を「4点」、「崩れて形がない」を「5点」とした。
「おいしさ」は、サンプルを試食し、味が「悪い」を「1点」、「やや悪い」を「2点」、「ふつう」を「3点」、「やや良い」を「4点」、「良い」を「5点」とした。
「色」は、サンプルの色の状態を目視観察し、「悪い」を「1点」、「やや悪い」を「2点」、「ふつう」を「3点」、「やや良い」を「4点」、「良い」を「5点」とした。
3−2.官能試験2
実施例及び比較例1,2のゴボウサンプルについて、専門パネル5名により、官能試験1と同じ4つの評価項目について官能評価を実施した。
実施例及び比較例1,2のゴボウサンプルについて、専門パネル5名により、官能試験1と同じ4つの評価項目について官能評価を実施した。
なお下記の4−1.で後述するように、官能試験1で2%のクエン酸ナトリウムの濃度での浸漬、10分間のスチーム加熱で良い評価が得られたため、3−2〜3−4の官能試験2〜4には2%のクエン酸ナトリウムの濃度での浸漬、10分間のスチーム加熱したサンプルを用いた。
3−3.官能試験3
実施例のサンプル及び比較例3のサンプルについて、専門パネル5名により、官能試験1と同じ4つの評価項目について官能評価を実施した。
実施例のサンプル及び比較例3のサンプルについて、専門パネル5名により、官能試験1と同じ4つの評価項目について官能評価を実施した。
4.試験結果
4−1.官能試験1の評価結果
実施例のゴボウサンプルにおいて、浸漬工程のクエン酸ナトリウム水溶液の濃度を0.5%、2%、5%、及び10%とした場合と、浸漬後のスチーム加熱の時間を5分間、10分間、及び30分間とした場合のサンプルについて、「やわらかさ」及び「形状」を評価した。
4−1.官能試験1の評価結果
実施例のゴボウサンプルにおいて、浸漬工程のクエン酸ナトリウム水溶液の濃度を0.5%、2%、5%、及び10%とした場合と、浸漬後のスチーム加熱の時間を5分間、10分間、及び30分間とした場合のサンプルについて、「やわらかさ」及び「形状」を評価した。
結果を表1に示す。クエン酸ナトリウムが0.5%の場合は芯が残っていたが少し柔らかくなった。2%、5%、10%のサンプルはいずれも柔らかくなることが分かった。
形状保持性については、10%の場合若干サンプルの角が取れる状態が観察された。
クエン酸ナトリウム水溶液の濃度を2%、スチーム加熱時間を10分間としたサンプルは、「色」及び「おいしさ」の評価も優れていた(データ非図示)。
4−2.官能試験2の評価結果
実施例のサンプル、比較例1のサンプル及び比較例2のサンプルの評価結果を表2〜4に示す。その結果、「やわらかさ」については、実施例のサンプルは比較例1(生ゴボウ),比較例2(冷凍野菜)のサンプルよりも評価が優れていた(表2)。「形状」については、実施例のサンプルは比較例1,2のサンプルよりも高い評価であった(表3)。「おいしさ」については実施例のサンプルと比較例1,2のサンプルとで差が見られなかった(データ非図示)。「色」は実施例のサンプルは比較例2のサンプルと同様に良好であった(表4)。
実施例のサンプル、比較例1のサンプル及び比較例2のサンプルの評価結果を表2〜4に示す。その結果、「やわらかさ」については、実施例のサンプルは比較例1(生ゴボウ),比較例2(冷凍野菜)のサンプルよりも評価が優れていた(表2)。「形状」については、実施例のサンプルは比較例1,2のサンプルよりも高い評価であった(表3)。「おいしさ」については実施例のサンプルと比較例1,2のサンプルとで差が見られなかった(データ非図示)。「色」は実施例のサンプルは比較例2のサンプルと同様に良好であった(表4)。
4−3.官能試験3の評価結果
実施例のサンプルと比較例3のサンプル(重曹浸漬)の評価結果を表5〜8に示す。その結果、「やわらかさ」及び「形状」については、実施例のサンプルと比較例3のサンプルとで差が見られなかった(表5,6)。「おいしさ」については実施例と比較例3とでは同程度か、実施例の方がおいしいという評価が得られた(表7)。「色」は実施例のサンプルは比較例3のサンプルよりも評価が高かった。特に、色については、実施例のサンプルは自然色で好ましく、比較例3のサンプルは緑色に変色し食べ物として不適であるという評価が得られた(図2)。
実施例のサンプルと比較例3のサンプル(重曹浸漬)の評価結果を表5〜8に示す。その結果、「やわらかさ」及び「形状」については、実施例のサンプルと比較例3のサンプルとで差が見られなかった(表5,6)。「おいしさ」については実施例と比較例3とでは同程度か、実施例の方がおいしいという評価が得られた(表7)。「色」は実施例のサンプルは比較例3のサンプルよりも評価が高かった。特に、色については、実施例のサンプルは自然色で好ましく、比較例3のサンプルは緑色に変色し食べ物として不適であるという評価が得られた(図2)。
試験例2
レンコンを用いて、実施例1と同様に本発明の製造方法により冷凍野菜を製造し、調理した場合も、中まで柔らかく、変色がないレンコンが製造できた(データ非図示)。
レンコンを用いて、実施例1と同様に本発明の製造方法により冷凍野菜を製造し、調理した場合も、中まで柔らかく、変色がないレンコンが製造できた(データ非図示)。
11…浸漬工程、12…ブランチング工程、13…凍結工程、14…クエン酸ナトリウム溶液による浸漬工程、15…スチーム加熱又はボイル加熱工程、16…凍結工程
Claims (5)
- 以下の(1)から(4)の工程を含む加工野菜の製造方法:
(1)野菜をブランチングする工程、
(2)ブランチング後の野菜を凍結させる工程、
(3)凍結工程後の野菜をクエン酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程、
(4)浸漬工程後の野菜をスチーム加熱又はボイル加熱する工程。 - 工程(4)において野菜をスチーム加熱する請求項1に記載の方法。
- 工程(3)は、0.1〜10%のクエン酸ナトリウム溶液に10分以上24時間以下浸漬させることを含む請求項1又は2に記載の方法。
- 前記野菜は根菜類、イモ類又は豆類である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の加工野菜の製造方法と、
工程(4)の後の野菜を凍結する工程と
含む冷凍野菜の製造方法。
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KR20220093800A (ko) * | 2020-12-28 | 2022-07-05 | 주식회사 엠디에스 코리아 | 상온 유통 가능한 한입 크기의 탈피 군고구마 제조 방법 |
JP2022161775A (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-21 | 株式会社ソウハンホールディングス | 調理済み冷凍蒸野菜と調理済み冷凍蒸果物を用いた冷凍おひたし、冷凍煮物野菜、冷凍果物のコンポート並びに、それらの製造方法 |
-
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KR102527247B1 (ko) | 2020-12-28 | 2023-05-02 | 주식회사 엠디에스 코리아 | 상온 유통 가능한 한입 크기의 탈피 군고구마 제조 방법 |
JP2022161775A (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-21 | 株式会社ソウハンホールディングス | 調理済み冷凍蒸野菜と調理済み冷凍蒸果物を用いた冷凍おひたし、冷凍煮物野菜、冷凍果物のコンポート並びに、それらの製造方法 |
JP7390526B2 (ja) | 2021-04-09 | 2023-12-04 | 株式会社ソウハンホールディングス | 調理済み冷凍蒸野菜と調理済み冷凍蒸果物を用いた冷凍おひたし、冷凍煮物野菜、冷凍果物のコンポート並びに、それらの製造方法 |
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