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JP2018159442A - 電動補助車両用動力ユニット - Google Patents

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JP2018159442A
JP2018159442A JP2017057512A JP2017057512A JP2018159442A JP 2018159442 A JP2018159442 A JP 2018159442A JP 2017057512 A JP2017057512 A JP 2017057512A JP 2017057512 A JP2017057512 A JP 2017057512A JP 2018159442 A JP2018159442 A JP 2018159442A
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利記 小久保
Toshiki Kokubo
利記 小久保
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Musashi Seimitsu Industry Co Ltd
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Musashi Seimitsu Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】電動補助車両用動力ユニットにおいて、ハブケース及び変速リングギヤ間の第1ワンウェイクラッチと、変速リングギヤ及び変速キャリア間の第2ワンウェイクラッチとが、互いに軸方向にずれた位置で変速リングギヤ上に直列配置される新規構造に関連して動力ユニットの小型化を図る。【解決手段】変速機構部Tは、ハブ軸11に対し固定状態と相対回転可能状態とに切換え可能な変速サンギヤ23と、踏力が入力される変速キャリア22と、変速リングギヤ25からハブケースH側へのみ動力伝達する第1ワンウェイクラッチC1と、キャリア延出部22Baと変速リングギヤ25間に介装されてキャリア延出部から変速リングギヤ側へのみ動力伝達する第2ワンウェイクラッチC2と、キャリア延出部とハブケースH間のハブ支持用軸受B2とを備え、軸受B2の少なくとも一部が第2ワンウェイクラッチC2の少なくとも一部と軸方向で同一位置にある。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両、特にハブ軸に回転可能に支持される車輪のハブケースに、ペダルから入力された踏力を変速可能にハブケースに伝達する変速機構部と、モータの駆動力をハブケースに出力するモータ駆動系とが軸方向に並んで収容される電動補助車両用動力ユニットに関する。
尚、本発明及び本明細書において、「軸方向」及び「径方向」は、それぞれハブ軸を基準にした軸方向及び径方向をいう。
上記電動補助車両用動力ユニットとして、例えば変速機構部が、ハブ軸に支持されて切換手段によりハブ軸に対し固定状態と回転可能状態とに切換え可能な変速サンギヤと、ペダル踏力が入力される変速キャリアと、変速キャリアに回転可能に支持されて変速サンギヤに噛合する変速遊星ギヤと、変速遊星ギヤに噛合する変速リングギヤと、変速リングギヤ及びハブケース間に介装されて、変速リングギヤからハブケース側へのみ動力伝達を可能とする第1ワンウェイクラッチと、第1ワンウェイクラッチとは軸方向にずれた位置で変速キャリア及びハブケース間に介装されて、変速キャリアからハブケース側へのみ動力伝達を可能とする第2ワンウェイクラッチと、変速キャリア及びハブケース間に介装されるハブ支持用軸受とを備えるものが知られている(例えば下記特許文献1を参照)。
特許第4437623号公報
ところで上記従来構造では、第1,第2ワンウェイクラッチ及びハブ支持用軸受の三者が軸方向で並んで配置されるため、それだけ変速機構部が軸方向に嵩張ってしまい、従って、動力ユニットの小型化を図る上で不利である。
また上記従来構造では、ハブケースの、変速機構部側の一端壁部に、モータ駆動系からの動力を受ける被動部に加えて、第1,第2ワンウェイクラッチからの被動部も各々設ける必要がある。従って、荷重負担の大きい都合3系統の被動部を一端壁部に別々に、しかも一端壁部の剛性強度を確保しつつ設ける必要が有ることから、一端壁部の大型化や構造複雑化を招く要因となり、これまた動力ユニットの小型化を図る上で不利である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、変速リングギヤ上に第1,第2ワンウェイクラッチを配置した新規構造に基づいて小型化を達成可能とした電動補助車両用動力ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ハブ軸に回転可能に支持される車輪のハブケースに、ペダルから入力された踏力を変速可能に該ハブケースに伝達する変速機構部と、モータの駆動力を該ハブケースに出力するモータ駆動系とが軸方向に並んで収容される電動補助車両用動力ユニットであって、前記変速機構部は、前記ハブ軸に支持されて、切換手段により該ハブ軸に対し固定状態と回転可能状態とに切換え可能な変速サンギヤと、前記踏力が入力される変速キャリアと、前記変速キャリアに回転可能に支持されて前記変速サンギヤに噛合する変速遊星ギヤと、前記変速遊星ギヤに噛合する変速リングギヤと、前記変速リングギヤ及び前記ハブケース間に介装されて、該変速リングギヤから該ハブケース側へのみ動力伝達を可能とする第1ワンウェイクラッチと、前記変速リングギヤよりも大径に形成されて前記変速キャリアより延出するキャリア延出部と、前記第1ワンウェイクラッチとは軸方向にずれた位置で前記キャリア延出部の内周と前記変速リングギヤの外周との間に介装されて、該キャリア延出部から該変速リングギヤ側へのみ動力伝達を可能とする第2ワンウェイクラッチと、前記キャリア延出部の外周と前記ハブケースとの間に介装されるハブ支持用軸受とを備え、前記ハブ支持用軸受の少なくとも一部が前記第2ワンウェイクラッチの少なくとも一部と軸方向で同一位置にあることを第1の特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明は、ハブ軸に回転可能に支持される車輪のハブケースに、ペダルから入力された踏力を変速可能に該ハブケースの一端壁部に伝達する変速機構部と、モータの駆動力を前記一端壁部に出力するモータ駆動系とが軸方向に並んで収容される電動補助車両用動力ユニットであって、前記変速機構部は、前記ハブ軸に支持されて切換手段により該ハブ軸に対し固定状態と相対回転可能な状態とに切換え可能な変速サンギヤと、前記踏力が入力される変速キャリアと、前記変速キャリアに回転可能に支持されて前記変速サンギヤに噛合する変速遊星ギヤと、前記変速遊星ギヤに噛合する変速リングギヤと、前記変速リングギヤと前記一端壁部との間に介装されて、該変速リングギヤから該一端壁部側へのみ動力伝達を可能とする第1ワンウェイクラッチと、前記変速リングギヤよりも大径に形成されて前記変速キャリアより一体に延出するキャリア延出部と、前記第1ワンウェイクラッチとは軸方向にずれた位置で前記キャリア延出部と前記変速リングギヤとの対向周面間に介装されて、該キャリア延出部から該変速リングギヤ側へのみ動力伝達を可能とする第2ワンウェイクラッチとを備え、前記ハブケースの前記一端壁部には、前記モータ駆動系からの動力が入力される被動部が設けられることを第2の特徴とする。
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記変速リングギヤは、前記変速遊星ギヤと噛合する内歯を有するリングギヤ本体部と、前記リングギヤ本体部から軸方向で前記モータ駆動系とは反対側に延びるリングギヤ延出部とを有しており、前記第2ワンウェイクラッチは、前記リングギヤ延出部の外周と前記キャリア延出部の内周との間に介装されることを第3の特徴とする。
また本発明は、第3の特徴に加えて、前記リングギヤ延出部の内周と前記変速キャリアとの対向周面間に介装される変速リングギヤ支持用軸受を備え、前記変速リングギヤ支持用軸受の少なくとも一部は、前記第2ワンウェイクラッチの少なくとも一部と軸方向で同一位置にあることを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、ハブケース及び変速リングギヤ間に介装した第1ワンウェイクラッチと、変速リングギヤ及び変速キャリア間に介装した第2ワンウェイクラッチとが、互いに軸方向にずれた位置で変速リングギヤ上に配置され、更に変速キャリアとハブケース間に介装されるハブ支持用軸受が、第2ワンウェイクラッチの少なくとも一部と軸方向で同一位置となるようにして第2ワンウェイクラッチの周囲を取り囲むので、第1及び第2ワンウェイクラッチ、並びにハブ支持用軸受の三者が軸方向に並ぶ従来構造に比べて変速機構部が軸方向に小型化され、これにより、動力ユニットの小型化に寄与することができる。
また第2の特徴によれば、ハブケースの一端壁部及び変速リングギヤ間に介装した第1ワンウェイクラッチと、変速リングギヤ及び変速キャリア間に介装した第2ワンウェイクラッチとが、互いに軸方向にずれた位置で変速リングギヤ上に配置され、ハブケースの一端壁部には、モータ駆動系からの動力が入力される被動部が設けられるので、ハブケースの一端壁部において動力を受ける被動部としては、モータ駆動系からの被動部と第1ワンウェイクラッチからの被動部とを設けるだけで済み、それだけ一端壁部の小型化や構造簡素化が図られ、動力ユニットの小型化に寄与することができる。
また特に第3の特徴によれば、変速リングギヤは、変速遊星ギヤと噛合する内歯を有するリングギヤ本体部と、リングギヤ本体部から軸方向でモータ駆動系とは反対側に延びるリングギヤ延出部とを有し、第2ワンウェイクラッチは、リングギヤ延出部の外周とキャリア延出部の内周との間に介装されるので、第1,第2ワンウェイクラッチの軸方向合計幅が変速遊星ギヤの歯幅より長くなっても、両クラッチを、互いに軸方向に隣接させた状態で変速リングギヤ上に無理なく直列配置することができる。
また特に第4の特徴によれば、リングギヤ延出部の内周と変速キャリアとの対向周面間に介装される変速リングギヤ支持用軸受を備え、変速リングギヤ支持用軸受の少なくとも一部は、第2ワンウェイクラッチの少なくとも一部と軸方向で同一位置にあるので、変速リングギヤは、これが第1,第2ワンウェイクラッチの直列配置に伴い軸方向に長くなっても、変速リングギヤ支持用軸受を介して変速キャリアに安定よく支持され、従って、変速リングギヤと噛合する変速遊星ギヤがスムーズに回転可能となる。しかも変速リングギヤ支持用軸受は、これがリングギヤ延出部と径方向に一部オーバラップすることで、該軸受の軸方向張出しが抑えられるため、動力ユニットの軸方向小型化に寄与することができる。
本発明の第1実施形態における電動補助自転車用動力ユニットの全体縦断面図 図1の2矢視部拡大図 図1の3矢視部拡大図(図4の3−3線断面図) ハブ軸に対する変速サンギヤのロック状態を示すものであって、(A)は、図3の4A−4A線断面図、(B)は図3の4B−4B線断面図である ハブ軸に対する変速サンギヤのアンロック状態を示すものであって、(A)は、図4の(A)対応図、(B)は、図4の(B)対応図である 本発明の第2実施形態を示す図2対応図 本発明の第3実施形態を示す図2・図6対応図
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず、図1〜図5に基づいて、本発明の電動補助車両用動力ユニットの第1実施形態を説明する。
電動補助車両用動力ユニットの一例である電動補助自転車用動力ユニットUは、電動自転車の車輪、例えば後輪を支持する車軸として機能する単一のハブ軸11と、後輪のハブ部として機能すべくハブ軸11に回転可能に支持されるハブケースHと、ハブケースHに収容されて、ペダルから入力された踏力を変速可能にハブケースHに伝達する変速機構部Tと、ハブケースH内で変速機構部Tに対し軸方向に隣接配置されてハブケースHを電動で駆動し得るモータ駆動系MDとを備える。
ハブ軸11は、本実施形態では鍛造又は機械加工により一体物の軸として形成される。ハブ軸11の両端部は、図示はしないが、従来周知の電動自転車と同様に、左右のリヤフォークに嵌挿、支持され、且つナット等の締結手段で結合、固定される。
ハブケースHは、一端が開放され且つ他端に端壁部Hmbを一体に有する有底円筒状のハブケース本体Hmと、ハブケース本体Hmの開放された一端部Hmeに着脱可能に結合される環状の端壁部材Heとを備える。
端壁部材Heは、本実施形態では製作加工を容易化するために、例えば円環状の第1端壁部材半体He1と、第1端壁部材半体He1を囲繞するようにして第1端壁部材半体He1の外周部に嵌合、固定される第2端壁部材半体He2とより分割構成される。第2端壁部材半体He2の外周部はハブケース本体Hmの一端部Hmeにインロー嵌合される。第1,第2端壁部材半体He1,He2の相互間は、適当な結合手段、例えば圧入、溶接、螺合等により結合してもよく、或いは一体に形成してもよい。
端壁部材Heのハブケース本体Hmへの結合手段は、本実施形態では端壁部材He(より具体的には第2端壁部材半体He2)を貫通してハブケース本体Hmの一端部Hmeの外周ボス部に螺挿される複数のボルト14で構成されるが、その他の適当な結合手段、例えば圧入も採用可能である。ハブケース本体Hmの外周部には、後輪のスポーク(図示せず)が固定される。
ハブケースHは、これの端壁部Hmbがハブ支持用第1軸受B1を介して、また端壁部材Heがハブ支持用第2軸受B2を介してそれぞれハブ軸11に回転自在に支持される。
その支持構造をより具体的に説明すると、ハブ軸11には、ハブ支持用第1軸受B1を端壁部Hmb内周との間で保持するハブ支持リング15rが、支持ナット15nを介して支持される。支持ナット15nは、ハブ支持リング15rの内周部を嵌合、支持するものであって、ハブ軸11に螺合され、その螺合位置はロックナット16で固定される。而して、端壁部Hmbをハブ支持用第1軸受B1及びハブ支持リング15rを介してハブ軸11に支持させる組立工程では、支持ナット15nによりハブ支持用第1軸受B1に対する予圧を調整可能である。
またハブ軸11には、ハブ支持用第2軸受B2を端壁部材He(より具体的には第1端壁部材半体He1)内周との間で保持する、変速機構部Tの変速キャリア22が、後述するようにキャリア支持用軸受B3を介して回転可能に支持される。
尚、ハブ支持用第1,第2軸受B1,B2は、ハブ軸11と直交する投影面で見て、モータ駆動系MD(従ってモータM)の外径よりも径方向内方側に配置される。
次に変速機構部Tの一例を説明する。変速機構部Tは、ペダルからの踏力が入力される入力部材としての被動スプロケット21と、被動スプロケット21に一体に回転するよう結合されてハブ軸11上を回転可能な変速キャリア22と、ハブ軸11の外周に回転自在に嵌合、支持された変速サンギヤ23と、変速サンギヤ23及びハブ軸11間に介装されて変速サンギヤ23をハブ軸11に固定状態と回転可能状態とに切換え可能な切換手段としてのシフト機構Sと、変速キャリア22に回転可能に支持されて変速サンギヤ23に噛合する複数の変速遊星ギヤ24と、変速遊星ギヤ24に噛合する変速リングギヤ25と、変速サンギヤ23のハブ軸11に対する前記固定状態では変速キャリア22に入力された踏力を変速遊星ギヤ24及び変速リングギヤ25を介してハブケースHの端壁部材Heに伝達させ、また前記回転可能状態では上記踏力を変速遊星ギヤ24を介さずに端壁部材Heに伝達させる一方向伝動機構OTとを備える。
被動スプロケット21には、被動スプロケット21を含むチェーン伝動機構を介してペダルの踏力が回転力として伝達され、その回転力が変速キャリア22に伝わり、更に変速機構部Tを介してハブケースHに伝達されて後輪を駆動する。
変速キャリア22は、本実施形態では製作加工を容易化するために、例えば円筒状の第1キャリア半体22Aと、円板状の第2キャリア半体22Bとより分割構成される。第1キャリア半体22Aの一端部22Aaは、キャリア軸27の両端部を支持するキャリア軸支持壁部を一体に有しており、これにより、一端部22Aaは、キャリア軸27、変速遊星ギヤ24及び変速サンギヤ23を介してハブ軸11に支持される。一方、第1キャリア半体22Aの他端部22Abの内周と、ハブ軸11外周に相対回転不能に嵌着(例えば圧入)されるストッパリング17の外周との間にはキャリア支持用軸受B3が介装されており、これより、他端部22Abは、キャリア支持用軸受B3を介してハブ軸11に回転自在に支持される。
また第1キャリア半体22Aの軸方向中間部の外周には、第2キャリア半体22Bの内周部が圧入により嵌合、固定される。更に第1キャリア半体22Aの外周には、第2キャリア半体22Bに隣接する被動スプロケット21の各内周部がスプライン嵌合され、且つワッシャ28及び止め輪29により固定される。
尚、被動スプロケット21の固定手段として、止め輪29に代えて、他の適当な固定手段、例えばナットを使用してもよい。尚また、第1,第2キャリア半体22A,22Bの相互は、他の適当な結合手段、例えば溶接、螺合、接着等により結合してもよく、或いは一体に形成してもよい。
また第2キャリア半体22Bの外周部の軸方向内側面には、モータM側に延びる円筒状のキャリア延出部22Baが一体に突設され、キャリア延出部22Baは、変速リングギヤ25よりも大径の円筒状に形成される。そして、キャリア延出部22Baの外周と、端壁部材He(より具体的には第2端壁部材半体He2)の内周との対向周面間には、前述のハブ支持用第2軸受B2が介装される。
変速リングギヤ25は、変速遊星ギヤ24と噛合する内歯25mgを有するリングギヤ本体部25mと、リングギヤ本体部25mから軸方向でモータ駆動系MDとは反対側に延びるリングギヤ延出部25aとを一体に有しており、リングギヤ延出部25aは、キャリア延出部22Baにより同心状に囲繞される。リングギヤ延出部25aの内周と変速キャリア22(より具体的には第1キャリア半体22Aの一端部22Aa)外周との対向周面間には、変速リングギヤ支持用軸受B4が介装される。
次に一方向伝動機構OTの一例を説明する。一方向伝動機構OTは、変速リングギヤ25及び端壁部材He間に設けられて、変速リングギヤ25から端壁部材He側へのみ動力伝達を可能とする第1ワンウェイクラッチC1と、第1ワンウェイクラッチC1とは軸方向にずれた位置で変速キャリア22及び変速リングギヤ25間に設けられて、変速キャリア22から変速リングギヤ25側へのみ動力伝達を可能とする第2ワンウェイクラッチC2とを備える。
特に本実施形態において、第1ワンウェイクラッチC1は、リングギヤ本体部25mの外周と第1端壁部材半体He1の内周ボス部63との対向周面間に介装され、また第2ワンウェイクラッチC2は、キャリア延出部22Baの内周とリングギヤ延出部25aの外周との対向周面間に介装される。
而して、第2ワンウェイクラッチC2の少なくとも一部(本実施形態では大部分)と、変速リングギヤ支持用軸受B4の少なくとも一部(本実施形態では全部)とは軸方向で同一位置にあり、即ち径方向にオーバラップした配置である。また第2ワンウェイクラッチC2の少なくとも一部(本実施形態では全部)と、ハブ支持用第2軸受B2の少なくとも一部(本実施形態では大部分)とは軸方向で同一位置にあり、即ち径方向にオーバラップした配置である。
第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2は、従来周知のワンウェイクラッチ構造と同様の構造を有するものであって、図示はしないが、例えば、インナレース及びアウタレース相互の対向周面のうちの何れか一方の周面に間隔をおいて設けられる複数の係合溝と、その何れか他方の周面に揺動可能に軸支されて係合溝に係脱可能な係合子(例えばラチェット爪)と、各係合子を係合溝との係止方向に弾発するばねとを備える。尚、インナレース及びアウタレースは、第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2が設けられる部材と別体、後付けでもよいし、或いは一体に形成してもよい。
また、本実施形態では、変速リングギヤ25における第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2の取付面となるリングギヤ本体部25m及びリングギヤ延出部25aの各外周面が同一径である。また端壁部材Heにおける第1ワンウェイクラッチC1の取付面となる第1端壁部材半体He1の内周ボス部63の内周面と、変速キャリア22における第2ワンウェイクラッチC2の取付面となるキャリア延出部22Baの内周面も同一径である。従って、第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2は、同一仕様の部品を使用可能となり、部品共通化によるコスト節減が図られる。但し、第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2は、動力伝達方向が互いに逆向きであるため、第1ワンウェイクラッチC1における係合子及び係合溝の周方向の向きは、第2ワンウェイクラッチC2のそれとは互いに逆向きに設定される。
次にシフト機構Sの一例を、主として図3〜図5を参照して説明する。
シフト機構Sは、変速サンギヤ23の内周面に周方向に間隔をおいて凹設された複数のラチェット溝23aと、ハブ軸11の外周面に周方向に間隔をおいて凹設された複数の爪収納孔11aと、爪収納孔11aに起伏揺動可能に嵌合、支持され且つその起伏揺動により爪本体部41aの爪先部分41asがラチェット溝23aに係脱し得るラチェット爪41と、ラチェット爪41をラチェット溝23aへの係合方向(即ちラチェット爪41の起立方向)に常時付勢すべくハブ軸11外周に弾性収縮状態で嵌装され且つラチェット爪41の中間部41m外周に圧接するリングばね42と、ラチェット爪41の基端部41bの爪先部分41bsが出没可能な凹部431iを内周面に有すると共に所定のロック位置・アンロック位置間を回動可能としてハブ軸11外周に嵌合支持される操作ドラム43と、操作ドラム43をアンロック位置(即ち図5(B)の位置)側に回動付勢すべく操作ドラム43に可動端44aを係止させる捩じりばねよりなる戻しばね44と、ハブ軸11外周に相対回転不能に嵌着(例えば圧入)されて戻しばね44の固定端44bを係止させるばね受けリング45と、操作ドラム43の外端に隣接配置されてハブ軸11外周に相対回転不能に嵌着(例えば圧入)される操作ドラム抜止め用の固定リング46とを備えている。
操作ドラム43は、相対回転不能に相互が連結(例えば噛み合い結合)される第1,第2ドラム半体431,432より分割構成される。第2ドラム半体432の外端からは、操作ドラム43の周方向に間隔をおいて並ぶ複数の操作杆部432tが軸方向外方側に一体に延出している。そして、各操作杆部432tは、固定リング46及びストッパリング17の各内周面にそれぞれ凹設した挿通溝を緩く貫通して変速キャリア22の外方に突出する。操作杆部432tは、後述する操作ユニットCUにより操作ドラム43をロック位置・アンロック位置間で回動操作できるようになっている。
而して、操作ドラム43が、図5(B)に示すアンロック位置に保持されるときは、操作ドラム43に連動するラチェット爪41の爪本体部41aがリングばね42の付勢力に抗してラチェット溝23aから離脱した状態(即ち爪収納孔11aへの収納状態)におかれる。これにより、変速サンギヤ23がハブ軸11に対し回転可能状態となり、変速遊星ギヤ24も変速サンギヤ23と同様、フリー回転可能である。そのため、踏力に応動した変速キャリア22の回転は、第2ワンウェイクラッチC2、変速リングギヤ25、第1ワンウェイクラッチC1を経て端壁部材He従ってハブケースHに直接(即ち変速遊星ギヤ24を介さずに)伝達される。かくして、変速機構部Tにおいて第1速が確立する。
それに対し、操作ドラム43が戻しばね44に抗して図4(B)に示すロック位置に保持されるときは、操作ドラム43より解放されたラチェット爪41が、リングばね42の付勢力に基づきラチェット溝23aへの係止状態に切換わるため、変速サンギヤ23がハブ軸11に対し接続即ち固定状態となって回転不能となる。これにより、変速サンギヤ23と噛合する変速遊星ギヤ24が、変速キャリア22の回転に伴いハブ軸11回りを公転しつつ変速キャリア軸27回りを自転するため、変速キャリア22の回転は、変速遊星ギヤ24で増速されて変速リングギヤ25に伝達され、その増速された変速リングギヤ25の回転が第2ワンウェイクラッチC2を経て端壁部材He従ってハブケースHに伝達される。かくして、変速機構部Tにおいて第1速よりも増速された第2速が確立する。
ところでハブ軸11の外周には、シフト機構Sを切換操作するための操作ユニットCUのユニットケースCUcが、変速キャリア22の軸方向外方側に隣接した位置でナット18により固定される。ユニットケースCUc内には、シフト機構Sの操作杆部432tに係合して操作ドラム43を回動操作し得る作動板71が回動可能に収容、支持される。
作動板71には、ユニットケースCUc外に張り出して作動板71を回動操作可能な操作レバー72が連結され、操作レバー72は、外部から遠隔操作可能である。従って、乗員は、手元操作で操作ユニットCUを操作でき、その操作入力に基づいてシフト機構Sの操作ドラム43をロック位置・アンロック位置の何れかに選択的に切換えることにより、前述の第1速と第2速の変速切換操作を任意に行うことができる。
次にモータ駆動系MDの一例を説明する。モータ駆動系MDは、電動式のモータMと、モータMの駆動力を減速してハブケースHの端壁部材Heに伝達する減速機構部Rとを備える。
モータMは、例えば、一端部31aが開放され且つ端壁部材Heに対向する有底円筒状のモータケース31と、モータケース31の胴部内周面に固着したステータ32と、ステータ32の径方向内方側に配置される永久磁石付きロータ33と、ロータ33を外周部に固定する円筒状のモータ軸34とを備える。モータ軸34は、ハブ軸11外周に一対のモータ軸支持用第1,第2軸受B5,B5′を介して回転自在に嵌合、支持される。
モータケース31の底壁となる端壁部31bの、ボス状をなす内周部は、例えばハブ軸11の外周に嵌合固定(本実施形態では圧入)したボス部材35の外周に嵌合固定(本実施形態ではスプライン圧入)される。尚、本実施形態とは異なる固定手段(例えば、スプラインと止め輪の併用、螺合等)により、端壁部31bの内周部をハブ軸11外周に固定してもよい。
またモータケース31の端壁部31b外面には、モータM(より具体的にはステータ32のコイル部)への通電制御を行う電子制御装置ECUが付設される。電子制御装置ECUから延びる配線は、ハブ支持リング15rの貫通孔を通して外部に引き出される。尚、その配線は、図示しない踏力検出手段や車載バッテリ等に接続される。
次に減速機構部Rの一例を説明する。減速機構部Rは、モータMにより回転駆動される減速サンギヤ51と、減速サンギヤ51に噛合する第1ギヤ52a、及び第1ギヤ52aに対し小径且つ同軸に並ぶ第2ギヤ52bを一体的に結合してなる複数の減速遊星ギヤ52と、減速遊星ギヤ52を回転自在に支持する減速キャリア53と、モータケース31の一端部31aに嵌着されて第1ギヤ52aに噛合する第1減速リングギヤ54と、第2ギヤ52bに噛合する第2減速リングギヤ55とを備える。
減速サンギヤ51は、後述する減速キャリア支持用第1軸受B6に隣接してハブ軸11外周に圧入、固定される。尚、減速サンギヤ51の固定手段としては、本実施形態とは異なる固定手段、例えば溶接、カシメ、接着、スプライン嵌合及び止め輪の併用等を採用してもよい。
減速キャリア53は、各々の減速遊星ギヤ52を回転自在に貫通、支持する減速キャリア軸56と、減速キャリア軸56の一端部を固定する第1側壁部s1を有する第1キャリア半体53aと、第1側壁部s1との間に減速遊星ギヤ52を挟み且つ減速キャリア軸56の他端部を固定する第2側壁部s2を有する第2キャリア半体53bとを備える。第1キャリア半体53aは、複数の連結腕部53auを一体に有しており、連結腕部53auの先部が、第2キャリア半体53bに固定される。
第1側壁部s1は、第1キャリア半体53aの内周及びモータ軸34の対向周面間に介装した減速キャリア支持用第1軸受B6を介してモータ軸34(従ってモータ軸34を介してハブ軸11)に回転自在に支持される。一方、第2側壁部s2は、第2キャリア半体53bの内周及びハブ軸11の対向周面間に介装した減速キャリア支持用第2軸受B6′を介してハブ軸11に回転自在に支持される。尚、ハブ軸11外周には、減速キャリア支持用第2軸受B6′のインナレースに係合して第2軸受B6′(従って減速キャリア53)をハブ軸11上に保持するための固定リング57が嵌着(例えば圧入)される。
第1減速リングギヤ54は、第1ギヤ52aと噛合する内歯54mgを有するリングギヤ本体部54mと、リングギヤ本体部54mから軸方向でモータケース31外に延出するリングギヤ延出部54aとを一体に有する。
ところで端壁部材He、特に第2端壁部材半体He2の軸方向内側面には、軸方向内方側に延出してハブケース本体Hm内周に嵌合する円筒状の外側延出部61が一体に突設され、また第2端壁部材半体He2の軸方向内側面の内周部には、軸方向内方側に延出し且つ外側延出部61により同心状に囲繞される円筒状の内側延出部62が一体に突設される。そして、第1減速リングギヤ54のリングギヤ延出部54aが、外側延出部61及び内側延出部62の相互間に画成される環状空隙に突入している。
またリングギヤ延出部54aの内周と内側延出部62の外周との間には、第1減速リングギヤ54をハブケースH(より具体的には第2端壁部材半体He2)を介して回転自在に支持させる第1減速リングギヤ支持用軸受B7が介装される。従って、リングギヤ延出部54aの内周面が上記軸受B7の第1減速リングギヤ54側の取付面となる。
而して、モータMに駆動される減速サンギヤ51の回転が減速遊星ギヤ52の第1ギヤ52aに伝えられると、第1減速リングギヤ54がモータケース31に固定されていることから、減速キャリア53に回転可能に支持された減速遊星ギヤ52がハブ軸11回りを公転しながら減速キャリア軸56回りに自転する。そして、この減速遊星ギヤ52の公転及び自転が第2ギヤ52bから第2減速リングギヤ55に伝達されることで、後述するように、駆動用電動モータ4の回転をハブケースHに高い減速比で伝達可能となる。
次に、第1実施形態の作用を説明する。電動補助自転車の走行中、搭乗者によるペダルの踏力は、変速機構部Tを介して二段階(第1速又は第2速)に変速されて端壁部材He、従ってハブケースHに伝達される。
例えば、シフト機構Sの操作ドラム43がアンロック位置に在って、変速サンギヤ23とハブ軸11間の接続が解除されているときは、変速キャリア22の回転が第2ワンウェイクラッチC2、変速リングギヤ25、第1ワンウェイクラッチC1を経て直接、端壁部材Heに伝達される。これにより、後輪の一部であるハブケースHが変速キャリア22と同じ回転数で回転する。
一方、シフト機構Sの操作ドラム43がロック位置に在って、変速サンギヤ23がハブ軸11に固定されているときは、変速キャリア22の回転が変速遊星ギヤ24及び変速リングギヤ25を経て増速されて端壁部材Heに伝達される。これにより、ハブケースHが、変速キャリア22の回転に対し増速されて回転する。
尚、変速キャリア22及び変速リングギヤ25間には第2ワンウェイクラッチC2が、また変速リングギヤ25及び端壁部材He間には第1ワンウェイクラッチC1がそれぞれ介装されるため、例えば、下り坂において、ペダルの回転が遅くハブケースHの回転が速い場合でも、ハブケースHの回転がペダル側に伝達されることはない。
また、電動補助自転車の走行中、図示しない負荷検出手段により後輪の走行負荷増大が検出されると、電子制御装置ECUからモータMに通電がなされ、モータ軸34の回転が減速機構部Rを経て十分に減速されて端壁部材He従ってハブケースHに伝達される。これにより、踏力不足がモータMの駆動力で補助されるため、例えば、登り坂でも無理なく走行可能となる。
また本実施形態の変速機構部Tにおいては、端壁部材He及び変速リングギヤ25間に介装した第1ワンウェイクラッチC1と、変速リングギヤ25及び変速キャリア22間に介装した第2ワンウェイクラッチC2とが、互いに軸方向にずれた位置で変速リングギヤ25上(より具体的には変速リングギヤ本体25m及びリングギヤ延出部25aの各外周面)に直列配置され、更に変速キャリア22と端壁部材He間に介装されるハブ支持用第2軸受B2が、第2ワンウェイクラッチC2の大部分と軸方向で同一位置となる(即ち径方向にオーバラップする)ようにして第2ワンウェイクラッチC2の周囲を取り囲む配置となっている。これにより、第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2、並びにハブ支持用第2軸受B2の三者が軸方向に並ぶ従来構造に比べて変速機構部Tが軸方向に小型化されるため、それだけ動力ユニットUの小型化が達成される。
また第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2が、上記のように変速リングギヤ25上に直列配置される一方で、ハブケースHの一端壁部、即ち端壁部材Heには、モータ駆動系MDからの動力が入力される被動部(より具体的には第2端壁部材半体He2の内側延出部62)が設けられる。これにより、端壁部材Heが動力を受ける被動部としては、モータ駆動系MDからの被動部(第2端壁部材半体He2の内側延出部62)と第1ワンウェイクラッチC1からの被動部(第1端壁部材半体He1の内周ボス部63)しかなく、それだけ端壁部材Heの小型化や構造簡素化が図られ、延いては動力ユニットUの小型化が図られる。
また変速リングギヤ25は、変速遊星ギヤ24と噛合する内歯25mgを有するリングギヤ本体部25mと、リングギヤ本体部25mから軸方向外方に延びるリングギヤ延出部25aとを有しており、第2ワンウェイクラッチC2がリングギヤ延出部25aの外周とキャリア延出部22Baの内周との間に介装される。これにより、第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2の軸方向合計幅が変速遊星ギヤ24の歯幅より長くても、両クラッチC1,C2を、互いに軸方向に隣接させた状態で変速リングギヤ25上に無理なく直列配置可能となる。
更にリングギヤ延出部25aの内周と変速キャリア22との対向周面間には変速リングギヤ支持用軸受B4が介装されており、この変速リングギヤ支持用軸受B4は、第2ワンウェイクラッチC2の大部分と軸方向で同一位置に配置される。これにより、変速リングギヤ25は、これが第1,第2ワンウェイクラッチC1,C2の前記した直列配置に伴い軸方向に長くなっても、変速リングギヤ支持用軸受B4を介して変速キャリア22に安定よく支持されるから、変速遊星ギヤ24との歯当たりも良好であり、変速遊星ギヤ24がスムーズ且つ静粛に回転可能となる。しかも変速リングギヤ支持用軸受B4は、これがリングギヤ延出部25aと径方向に一部オーバラップすることで、該軸受B4の軸方向張出しが抑えられることから、動力ユニットUの軸方向小型化が図られる。
また、本実施形態の減速機構部Rにおいては、減速遊星ギヤ52が同軸に並ぶ第1,第2ギヤ52a,52bを有し、第1ギヤ52aに噛合する第1減速リングギヤ54が有底筒状のモータケース31の一端部31aに嵌着され、第2ギヤ52bに噛合する第2減速リングギヤ55が端壁部材He(より具体的には第2端壁部材半体He2の内側延出部62の内周)に設けられ、第1減速リングギヤ54と、端壁部材He(より具体的には上記内側延出部62の外周)との間には、第1減速リングギヤ支持用軸受B7が介装される。これにより、減速機構部Rは、高い減速比を確保しながらも、その減速比確保のための第1,第2減速リングギヤ54,55の支持剛性が、端壁部材Heを活用して十分に確保可能である。
特に第1減速リングギヤ54は、これがモータケース31の一端部31a、即ち自由端部(開放端部)に固定されていて、ハブ軸11に対しては片持ち支持形態であるが、この第1減速リングギヤ54のリングギヤ延出部54aを、第1減速リングギヤ支持用軸受B7を介して端壁部材Heに支持させたことで、第1減速リングギヤ54が実質的に両持ち支持形態となって支持が安定し、軸ずれ防止に有効である。従って、第1減速リングギヤ54にモータMの回転振動が直接伝達されても、第1減速リングギヤ54の振動を極力抑制できるため、第1減速リングギヤ54と減速遊星ギヤ52(より具体的には第1ギヤ52a)との噛合部の歯当たりを良好にして耐久性を高めることができ、また噛合部からの騒音の発生を低減可能となる。
また上記のようにモータケース31の一端部31aを第1減速リングギヤ54及び第1減速リングギヤ支持用軸受B7を介してハブケースH側に支持させたことで、ハブ軸11にモータケース31の一端部31a側を支持させる必要はなくなり、それに伴い、ハブ軸11周囲にスペースの余裕が生じる。そして、本実施形態では、このスペースを利用して、減速キャリア53の両側壁部s1,s2(第1,第2キャリア半体53a,53b)を減速キャリア支持用第1,第2軸受B6,B6′を介してハブ軸11上に支持するため、軸方向に幅広の減速キャリア53を、軸方向に長い支持スパンを以て両持ち支持可能となる。これにより、動力ユニットUの小型化を図りながら減速キャリア53の安定支持が図られる。
さらに本実施形態の第1減速リングギヤ54は、モータケース31の一端部31aよりモータケース31外に軸方向に延出するリングギヤ延出部54aを一体に有していて、このリングギヤ延出部54aの周面が、第1減速リングギヤ支持用軸受B7の取付面とされているため、モータケース31自体を特別に大径化しなくても十分な軸受径を確保可能となる。
次に、図6に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1減速リングギヤ支持用軸受B7が、第1減速リングギヤ54のリングギヤ延出部54a′の外周と第2端壁部材半体He2の外側延出部61′の内周との間に介装されていて、リングギヤ延出部54a′の外周面及び外側延出部61′の内周面が第1減速リングギヤ支持用軸受B7の取付面となる点だけが、第1実施形態と相違する。
第2実施形態の電動補助自転車用動力ユニットUのその他の構成は、第1実施形態の動力ユニットUと同じであるので、図6において各構成要素には、第1実施形態の対応する構成要素と同じ参照符号を付すにとどめ、これ以上の構造説明は省略する。而して、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が期待できる。
次に、図7に基づいて、本発明の第3実施形態を説明する。第1,第2実施形態では、端壁部材Heの軸方向内側面に各々突設した外側延出部61,61′及び内側延出部62,62′の対向周面間に環状空隙を画成し、その環状空隙に第1減速リングギヤ54のリングギヤ延出部54a,54a′を突入させ、その環状空隙に臨むリングギヤ延出部54a,54a′の周面を第1減速リングギヤ支持用軸受B7の取付面としている。
これに対し第3実施形態では、端壁部材Heの軸方向内側面に突設した外側延出部61″の内周側に内側延出部62″を一体に連設して、内側延出部62″(従って第2減速リングギヤ55)の剛性強度を高めており、また第1減速リングギヤ54のリングギヤ延出部54a″の延出端が内側延出部62″の延出端と対向近接している。
第3実施形態の電動補助自転車用動力ユニットUのその他の構成は、第2実施形態の動力ユニットUと同じであるので、図7において各構成要素には、第2実施形態の対応する構成要素と同じ参照符号を付すにとどめ、これ以上の構造説明は省略する。而して、第3実施形態においても、第1,第2実施形態と同様の作用効果が期待できる。
以上、本発明の第1〜第3実施形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、前記実施形態では、動力ユニットUを後輪に配置しているが、これを前輪に配置することもできる。
また前記実施形態では、動力ユニットUを搭載した車両が電動補助自転車であるものについて説明したが、本発明の動力ユニットは、足踏み式の電動補助三,四輪車にも適用可能である。
また前記実施形態には示されていないが、モータMの引きずりを防止するためにハブケースH(端壁部材He)と第2減速リングギヤ55との間に、第2減速リングギヤ55からハブケースH側へのみ動力を伝達するワンウェイクラッチを配置してもよい。
B2・・・・ハブ支持用軸受
B4・・・・変速リングギヤ支持用軸受
C1,C2・・第1,第2ワンウェイクラッチ
H・・・・・ハブケース
He・・・・端壁部材(一端壁部)
MD・・・・モータ駆動系
M・・・・・モータ
S・・・・・シフト機構(切換手段)
T・・・・・変速機構部
U・・・・・電動補助自転車用動力ユニット(電動補助車両用動力ユニット)
11・・・・ハブ軸
22・・・・変速キャリア
22Ba・・キャリア延出部
23・・・・変速サンギヤ
24・・・・変速遊星ギヤ
25・・・・変速リングギヤ
25a・・・リングギヤ延出部
25m・・・リングギヤ本体部
25mg・・内歯
62・・・・第2端壁部材半体の内側延出部(被動部)

Claims (4)

  1. ハブ軸(11)に回転可能に支持される車輪のハブケース(H)に、ペダルから入力された踏力を変速可能に該ハブケース(H)に伝達する変速機構部(T)と、モータ(M)の駆動力を該ハブケース(H)に出力するモータ駆動系(MD)とが軸方向に並んで収容される電動補助車両用動力ユニットであって、
    前記変速機構部(T)は、
    前記ハブ軸(11)に支持されて切換手段(S)により該ハブ軸(11)に対し固定状態と回転可能状態とに切換え可能な変速サンギヤ(23)と、
    前記踏力が入力される変速キャリア(22)と、
    前記変速キャリア(22)に回転可能に支持されて前記変速サンギヤ(23)に噛合する変速遊星ギヤ(24)と、
    前記変速遊星ギヤ(24)に噛合する変速リングギヤ(25)と、
    前記変速リングギヤ(25)及び前記ハブケース(H)間に介装されて、該変速リングギヤ(25)から該ハブケース(H)側へのみ動力伝達を可能とする第1ワンウェイクラッチ(C1)と、
    前記変速リングギヤ(25)よりも大径に形成されて前記変速キャリア(22)より延出するキャリア延出部(22Ba)と、
    前記第1ワンウェイクラッチ(C1)とは軸方向にずれた位置で前記キャリア延出部(22Ba)の内周と前記変速リングギヤ(25)の外周との間に介装されて、該キャリア延出部(22Ba)から該変速リングギヤ(25)側へのみ動力伝達を可能とする第2ワンウェイクラッチ(C2)と、
    前記キャリア延出部(22Ba)の外周と前記ハブケース(H)との間に介装されるハブ支持用軸受(B2)とを備え、
    前記ハブ支持用軸受(B2)の少なくとも一部が前記第2ワンウェイクラッチ(C2)の少なくとも一部と軸方向で同一位置にあることを特徴とする、電動補助車両用動力ユニット。
  2. ハブ軸(11)に回転可能に支持される車輪のハブケース(H)に、ペダルから入力された踏力を変速可能に該ハブケース(H)の一端壁部(He)に伝達する変速機構部(T)と、モータ(M)の駆動力を前記一端壁部(He)に出力するモータ駆動系(MD)とが軸方向に並んで収容される電動補助車両用動力ユニットであって、
    前記変速機構部(T)は、
    前記ハブ軸(11)に支持されて切換手段により該ハブ軸(11)に対し固定状態と相対回転可能な状態とに切換え可能な変速サンギヤ(23)と、
    前記踏力が入力される変速キャリア(22)と、
    前記変速キャリア(22)に回転可能に支持されて前記変速サンギヤ(23)に噛合する変速遊星ギヤ(24)と、
    前記変速遊星ギヤ(24)に噛合する変速リングギヤ(25)と、
    前記変速リングギヤ(25)と前記一端壁部(He)との間に介装されて、該変速リングギヤ(25)から該一端壁部(He)側へのみ動力伝達を可能とする第1ワンウェイクラッチ(C1)と、
    前記変速リングギヤ(25)よりも大径に形成されて前記変速キャリア(22)より一体に延出するキャリア延出部(22Ba)と、
    前記第1ワンウェイクラッチ(C1)とは軸方向にずれた位置で前記キャリア延出部(22Ba)と前記変速リングギヤ(25)との対向周面間に介装されて、該キャリア延出部(22Ba)から該変速リングギヤ(25)側へのみ動力伝達を可能とする第2ワンウェイクラッチ(C2)とを備え、
    前記ハブケース(H)の前記一端壁部(He)には、前記モータ駆動系(MD)からの動力が入力される被動部(62)が設けられることを特徴とする、電動補助車両用動力ユニット。
  3. 前記変速リングギヤ(25)は、前記変速遊星ギヤ(24)と噛合する内歯(25mg)を有するリングギヤ本体部(25m)と、前記リングギヤ本体部(25m)から軸方向で前記モータ駆動系(MD)とは反対側に延びるリングギヤ延出部(25a)とを有しており、
    前記第2ワンウェイクラッチ(C2)は、前記リングギヤ延出部(25a)の外周と前記キャリア延出部(22Ba)の内周との間に介装されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電動補助車両用動力ユニット。
  4. 前記リングギヤ延出部(25a)の内周と前記変速キャリア(22)との対向周面間に介装される変速リングギヤ支持用軸受(B4)を備え、
    前記変速リングギヤ支持用軸受(B4)の少なくとも一部は、前記第2ワンウェイクラッチ(C2)の少なくとも一部と軸方向で同一位置にあることを特徴とする、請求項3に記載の電動補助車両用動力ユニット。
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