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JP2018155228A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量型斜板式圧縮機 Download PDF

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JP2018155228A
JP2018155228A JP2017054783A JP2017054783A JP2018155228A JP 2018155228 A JP2018155228 A JP 2018155228A JP 2017054783 A JP2017054783 A JP 2017054783A JP 2017054783 A JP2017054783 A JP 2017054783A JP 2018155228 A JP2018155228 A JP 2018155228A
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pressure
swash plate
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JP2017054783A
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English (en)
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裕之 仲井間
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
佑介 山▲崎▼
Yusuke Yamazaki
佑介 山▲崎▼
博道 小川
Hiromichi Ogawa
博道 小川
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

【課題】斜板の傾角の変更をスムーズに行うこと。
【解決手段】弁体56は、制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力と制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、排出通路55を開閉する。制御圧室35に液化した冷媒ガスは、制御通路29に排出されるとともに、冷媒ガスと共に排出通路55を介して背圧室50に排出される。背圧室50は絞りとして機能する隙間52を介して斜板室24に連通していることから、背圧室50の圧力が斜板室24の圧力よりも高く、背圧室50は、内部の圧力が高くなることにより斜板23の傾角を減少させるように移動体32を移動させる。よって、移動体32が、斜板23の傾角を減少させるように迅速に移動する。さらに、背圧室50に排出された液冷媒は、隙間52を介して斜板室24に排出される。
【選択図】図4

Description

本発明は、可変容量型斜板式圧縮機に関する。
一般的に、可変容量型斜板式圧縮機のハウジングは、シリンダブロックと、シリンダブロックの一端に連結されたフロントハウジングと、シリンダブロックの他端に連結されたリヤハウジングとを備えている。リヤハウジングには、吸入室及び吐出室が形成されている。ハウジング内には回転軸が回転可能に支持されている。また、ハウジング内におけるフロントハウジングとシリンダブロックとの間には斜板室が形成されている。斜板室には、回転軸から駆動力を得て回転するとともに回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板が収容されている。シリンダブロックには、シリンダブロックの軸方向に沿って貫通するとともに吸入室及び吐出室に連通するシリンダボアが回転軸の周囲に複数形成されている。各シリンダボア内にはピストンが往復動可能に収納されている。各ピストンは、一対のシューを介して斜板の外周部に係留されている。そして、回転軸の回転に伴う斜板の回転運動が、シューを介してピストンの往復直線運動に変換される。
ここで、斜板の傾角を変更するために、斜板室にアクチュエータを備えたものが、例えば特許文献1に開示されている。このようなアクチュエータは、回転軸に設けられる区画体と、斜板室内で回転軸の回転軸線方向に移動する移動体と、区画体と移動体とによって区画される制御圧室とを有する。斜板室は、外部冷媒回路から冷媒ガスが吸入される吸入圧領域となっている。シリンダブロックには、斜板室と吸入室とを連通する吸入通路が形成されている。
また、ハウジング内には圧力調整室が設けられている。圧力調整室と吐出室とは給気通路を介して連通している。給気通路上にはオリフィスが設けられている。また、圧力調整室と吸入室とは抽気通路を介して連通している。抽気通路上には、制御機構としての電磁式の制御弁が設けられている。制御弁は、吸入室の圧力に基づき抽気通路の開度を調整する。これにより、抽気通路を流れる冷媒ガスの流量が調整され、圧力調整室の圧力が制御される。回転軸には、回転軸の軸内に形成され、圧力調整室と制御圧室とを連通する制御通路が形成されている。
そして、吐出室から給気通路、圧力調整室及び制御通路を介した制御圧室への冷媒ガスの供給と、制御圧室から制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介した吸入室への排出とが行われ、制御圧室の圧力が変更される。移動体は、制御圧室と斜板室との圧力差に伴って区画体に対して回転軸の軸方向に移動する。この移動体の回転軸の軸方向への移動に伴い、斜板の傾角が変更されるようになっている。
特開昭52−131204号公報
しかしながら、上記構成のアクチュエータにおいて、制御圧室には、吐出室からの高温高圧の冷媒ガスが供給されるが、斜板室内の冷媒ガスは吐出室の冷媒ガスに比べて低温であるため、制御圧室の冷媒ガスが、斜板室内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化してしまう虞がある。このように、制御圧室の冷媒ガスは、吸入圧領域の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化することがある。制御圧室で液化した液冷媒は、冷媒ガスに比べて、制御圧室から制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介して吸入室へ排出され難いため、制御圧室の圧力の変更がスムーズに行われず、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができなくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決する可変容量型斜板式圧縮機は、吸入圧領域、吐出圧領域、及び複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有するハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸からの駆動力を得て回転して前記回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板と、前記斜板を収容するとともに前記ハウジングに形成された吸入口を介して外部から冷媒を取り込む斜板室と、前記シリンダボアに往復動可能に収納され、前記斜板に係留されるピストンと、前記斜板の傾角を変更可能なアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータは、前記回転軸に設けられる区画体と、前記回転軸線方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とによって区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、を備え、前記ハウジング内に設けられ、前記吸入圧領域と前記吐出圧領域とに連通する圧力調整室と、前記回転軸の軸内に形成され、前記制御圧室と前記圧力調整室とを連通する制御通路と、前記圧力調整室の圧力を制御する制御機構と、を備え、前記制御機構によって前記圧力調整室の圧力が制御されることにより、前記移動体の前記回転軸線方向への移動に伴い、前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、前記ハウジングと前記移動体との間に区画される背圧室と、前記背圧室と前記斜板室とを連通する絞りと、前記回転軸の軸内に形成され、前記回転軸の外周面に開口するとともに前記制御通路と前記背圧室とを連通する排出通路と、前記制御通路内に配置されるとともに前記排出通路を開閉する弁体と、前記弁体に形成されるとともに前記制御通路の一部を形成する絞り孔と、を備え、前記弁体は、前記制御通路における前記絞り孔よりも前記制御圧室側の圧力と前記制御通路における前記絞り孔よりも前記圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、前記排出通路を開閉し、前記背圧室は、内部の圧力が高くなることにより前記斜板の傾角を減少させるように前記移動体を移動させる。
例えば、制御圧室の圧力を減少させる際には、制御機構によって圧力調整室の圧力を減少させるように圧力調整室の圧力を制御し、制御圧室の冷媒ガスを制御通路、絞り孔及び圧力調整室を介して吸入圧領域へ排出させる。このとき、制御通路における絞り孔よりも制御圧室側の圧力は、制御通路における絞り孔よりも圧力調整室側の圧力よりも高くなっている。そして、制御通路における絞り孔よりも制御圧室側の圧力と制御通路における絞り孔よりも圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、弁体が排出通路を開放する方向に移動する。このとき、制御圧室に液化した液冷媒が存在していても、液冷媒が、制御通路に排出されるとともに、冷媒ガスと共に排出通路を介して背圧室に排出される。
ここで、背圧室は絞りを介して斜板室に連通していることから、背圧室の圧力が斜板室の圧力よりも高く、背圧室は、内部の圧力が高くなることにより斜板の傾角を減少させるように移動体を移動させる。これにより、移動体が、斜板の傾角を減少させるように迅速に移動する。さらに、背圧室に排出された液冷媒は、絞りを介して斜板室に排出されるため、制御圧室の圧力の変更がスムーズに行われる。その結果、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記ハウジングは、前記移動体が出没可能に内部に配置される凹部を有し、前記移動体は有底筒状であり、前記凹部の内周面と前記移動体の外周面との間には、前記移動体の外周面が摺動可能なラジアルベアリングが設けられており、前記移動体の外周面と前記ラジアルベアリングとの隙間は、前記絞りとして機能するとよい。
これによれば、移動体が移動することに伴って移動体の外周面がラジアルベアリングを摺動することで、ラジアルベアリングと移動体の外周面との間で摺動発熱が発生し、移動体が温められる。これにより、制御圧室の冷媒ガスが凝縮し難くなり、冷媒ガスが液化してしまうことを抑制することができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記ハウジングは、前記移動体が出没可能に内部に配置される凹部を有し、前記移動体は有底筒状であり、前記凹部の内周面と前記移動体の外周面との間には、前記凹部の内周面と前記移動体の外周面との間をシールするとともに合口を有するシールリングが設けられており、前記合口は、前記絞りとして機能するとよい。
これによれば、凹部の内周面と移動体の外周面との間は、合口を除く部分がシールリングによってシールされるため、背圧室の圧力が斜板室の圧力よりも効率良く上昇し、背圧室の圧力によって斜板の傾角を減少させるように移動体を移動させ易くすることができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記ハウジングは、前記移動体が出没可能に内部に配置される凹部を有し、前記移動体は有底筒状であり、前記凹部の内周面又は前記移動体の外周面の一方には、他方に摺動可能なコーティング層が形成されており、前記コーティング層と前記他方との隙間は、前記絞りとして機能するとよい。
これによれば、絞りを形成するために、凹部の内周面と移動体の外周面との間に別部材を介在させる必要が無いため、回転軸の径方向において、可変容量型斜板式圧縮機の小型化を図ることができる。また、移動体が移動することに伴って移動体の外周面が凹部の内周面を摺動することで、凹部の内周面と移動体の外周面との間で摺動発熱が発生し、移動体が温められる。これにより、制御圧室の冷媒ガスが凝縮し難くなり、冷媒ガスが液化してしまうことを抑制することができる。
この発明によれば、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
実施形態における可変容量型斜板式圧縮機を示す側断面図。 斜板の傾角が最小傾角のときの可変容量型斜板式圧縮機を示す側断面図。 可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 別の実施形態における可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 シールリングの斜視図。 別の実施形態における可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。
以下、可変容量型斜板式圧縮機を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、可変容量型斜板式圧縮機は車両空調装置に用いられる。
図1及び図2に示すように、可変容量型斜板式圧縮機10のハウジング11は、互いに連結された筒状のシリンダブロックとしての第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13と、第1シリンダブロック12に連結されたフロントハウジング14と、第2シリンダブロック13に連結されたリヤハウジング15とを備えている。
フロントハウジング14と第1シリンダブロック12との間には、第1弁・ポート形成体16が介在されている。また、リヤハウジング15と第2シリンダブロック13との間には、第2弁・ポート形成体17が介在されている。
フロントハウジング14と第1弁・ポート形成体16との間には、吸入室14a及び吐出室14bが区画されている。吐出室14bは吸入室14aの外周側に配置されている。また、リヤハウジング15と第2弁・ポート形成体17との間には、吸入室15a及び吐出室15bが区画されている。さらに、リヤハウジング15には、圧力調整室15cが形成されている。圧力調整室15cは、リヤハウジング15の中央部に位置しており、吸入室15aは、圧力調整室15cの外周側に配置されている。さらに、吐出室15bは吸入室15aの外周側に配置されている。各吐出室14b,15b同士は、図示しない吐出通路を介して接続されている。そして、吐出通路は図示しない外部冷媒回路に接続されている。各吐出室14b,15bは吐出圧領域である。
第1弁・ポート形成体16には、吸入室14aに連通する吸入ポート16a、及び吐出室14bに連通する吐出ポート16bが形成されている。第2弁・ポート形成体17には、吸入室15aに連通する吸入ポート17a、及び吐出室15bに連通する吐出ポート17bが形成されている。各吸入ポート16a,17aには、図示しない吸入弁機構が設けられるとともに、各吐出ポート16b,17bには、図示しない吐出弁機構が設けられている。
ハウジング11内には回転軸21が回転可能に支持されている。回転軸21において、回転軸線Lが延びる方向である回転軸線方向(回転軸21の軸方向)の一端側であり、ハウジング11の前方側(一方側)に位置する前端部側は、第1シリンダブロック12に貫設された軸孔12hに挿通されている。そして、回転軸21の前端は、フロントハウジング14内に位置している。また、回転軸21において、回転軸線方向の他端側であり、ハウジング11の後方側(他方側)に位置する後端部側は、第2シリンダブロック13に貫設された軸孔13hに挿通されている。そして、回転軸21の後端は、圧力調整室15c内に位置している。
回転軸21は、その前端部側が軸孔12hを介して第1シリンダブロック12に回転可能に支持されるとともに、後端部側が軸孔13hを介して第2シリンダブロック13に回転可能に支持されている。フロントハウジング14と回転軸21との間にはリップシール型の軸封装置22が介在されている。回転軸21の前端には、動力伝達機構PTを介して外部駆動源としての車両のエンジンEが作動連結されている。本実施形態では、動力伝達機構PTは、常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト及びプーリの組合せ)である。
ハウジング11内には、第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13により区画された斜板室24が形成されている。斜板室24には、回転軸21からの駆動力を得て回転して回転軸21の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板23が収容されている。斜板23には、回転軸21が挿通可能な挿通孔23aが形成されている。そして、回転軸21が挿通孔23aに挿通されることにより、斜板23が回転軸21に取り付けられている。
第1シリンダブロック12には、第1シリンダブロック12の軸方向に貫通形成されるシリンダボアとしての第1シリンダボア12aが回転軸21の周囲に複数(図1及び図2では1つの第1シリンダボア12aのみ図示)配列されている。各第1シリンダボア12aは、吸入ポート16aを介して吸入室14aに連通するとともに、吐出ポート16bを介して吐出室14bに連通している。
第2シリンダブロック13には、第2シリンダブロック13の軸方向に貫通形成されるシリンダボアとしての第2シリンダボア13aが回転軸21の周囲に複数(図1及び図2では1つの第2シリンダボア13aのみ図示)配列されている。各第2シリンダボア13aは、吸入ポート17aを介して吸入室15aに連通するとともに、吐出ポート17bを介して吐出室15bに連通している。
第1シリンダボア12a及び第2シリンダボア13aは、前後で対となるように配置されている。対となる第1シリンダボア12a及び第2シリンダボア13a内には、ピストンとしての両頭ピストン25が前後方向へ往復動可能にそれぞれ収納されている。すなわち、本実施形態の可変容量型斜板式圧縮機10は、両頭ピストン型斜板式圧縮機である。
各両頭ピストン25は、一対のシュー26を介して斜板23の外周部に係留されている。そして、回転軸21の回転に伴う斜板23の回転運動が、シュー26を介して両頭ピストン25の往復直線運動に変換される。
各第1シリンダボア12a内には、両頭ピストン25と第1弁・ポート形成体16とによって第1圧縮室20aが区画されている。各第2シリンダボア13a内には、両頭ピストン25と第2弁・ポート形成体17とによって第2圧縮室20bが区画されている。
第1シリンダブロック12には、軸孔12hに連続するとともに軸孔12hよりも大径である凹部としての第1凹部12bが形成されている。第1凹部12bは、斜板室24に開口している。
第2シリンダブロック13には、軸孔13hに連続するとともに軸孔13hよりも大径である第2凹部13bが形成されている。第2凹部13bは、斜板室24に開口している。第1凹部12b及び第2凹部13bは、それぞれの開口が回転軸21の回転軸線方向で互いに向き合っている。
斜板室24と吸入室14aとは、第1シリンダブロック12及び第1弁・ポート形成体16を貫通する吸入通路12cにより連通している。斜板室24と吸入室15aとは、第2シリンダブロック13及び第2弁・ポート形成体17を貫通する吸入通路13cにより連通している。
第2シリンダブロック13の周壁には吸入口13sが形成されている。吸入口13sは外部冷媒回路に接続されている。斜板室24は、吸入口13sを介して外部冷媒回路から冷媒ガスを取り込む。そして、外部冷媒回路から吸入口13sを介して斜板室24に吸入された冷媒ガスは、吸入通路12c,13cを介して吸入室14a,15aに吸入される。よって、吸入口13s、斜板室24、複数の吸入通路12c,13c、及び吸入室14a,15aは、吸入圧領域であり、吸入室14a,15a及び斜板室24は、圧力がほぼ等しくなっている。
回転軸21は、第1凹部12b内に配置される環状のフランジ部21fを有する。なお、フランジ部21fは、回転軸21とは別部材であり、回転軸21に圧入されることにより、回転軸21の一部を構成している。回転軸21の軸方向において、フランジ部21fと第1シリンダブロック12との間には第1スラスト軸受27aが配設されている。また、回転軸21における後端側には、第2凹部13b内に配置される環状のフランジ部21gが突設されている。回転軸21の軸方向において、フランジ部21gと第2シリンダブロック13との間には第2スラスト軸受27bが配設されている。
斜板室24内には、斜板23における回転軸21の回転軸線方向に対する斜板23の傾角を変更可能なアクチュエータ30が配置されている。アクチュエータ30は、フランジ部21fよりも後方側であって、且つ斜板23よりも前方側に配置されている。
アクチュエータ30は、回転軸21に一体回転可能に設けられる環状の区画体31を有する。区画体31には、回転軸21が挿入される挿入孔31hが形成されている。そして、回転軸21が挿入孔31h内に圧入されることにより、区画体31が回転軸21に一体化されている。
アクチュエータ30は、フランジ部21fと区画体31との間に配置されるとともに斜板室24内で回転軸21の回転軸線方向に移動可能な有底円筒状の移動体32を有する。移動体32は、第1凹部12bに対して出没可能に第1凹部12bの内部に配置されている。移動体32は、回転軸21が貫挿される貫挿孔32eを有する円環状の底部32aと、底部32aの外周縁から回転軸21の回転軸線方向に延びる円筒状の筒部32bとを有する。移動体32は、回転軸21と一体回転可能になっている。筒部32bの内周面と区画体31の外周面との間はシール部材33によりシールされるとともに、貫挿孔32eと回転軸21との間はシール部材34によりシールされている。そして、アクチュエータ30は、区画体31と移動体32とにより区画される制御圧室35を有する。
図3及び図4に示すように、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間には、ラジアルベアリング51が設けられている。ラジアルベアリング51は、第1凹部12bの開口寄りに配置されている。ラジアルベアリング51は、円筒状のプレーンベアリングである。移動体32の外周面32dはラジアルベアリング51の内周面51aに摺動可能である。
第1凹部12bにおけるラジアルベアリング51よりも斜板室24とは反対側の空間は、第1凹部12bと移動体32との間に区画される背圧室50になっている。斜板室24と背圧室50とは、移動体32の外周面32dとラジアルベアリング51の内周面51aとの隙間52を介して連通している。このラジアルベアリング51によって形成される隙間52は、背圧室50と斜板室24とを連通する絞りとして機能する。背圧室50は、内部の圧力が高くなることにより斜板23の傾角を減少させるように移動体32を移動させる。
図1及び図2に示すように、斜板室24内において、斜板23とフランジ部21gとの間にはラグアーム40が配設されている。ラグアーム40は一端から他端に向かって略L字形状に形成されている。ラグアーム40の一端にはウェイト部40aが形成されている。ウェイト部40aは、斜板23の溝部23bを通過して斜板23の前面側に位置している。
ラグアーム40の一端側は、溝部23b内を横切る第1ピン41によって斜板23の上端側(図1及び図2における上側)に連結されている。これにより、ラグアーム40の一端側は、第1ピン41の軸心を第1揺動中心M1として、斜板23に対して第1揺動中心M1周りで揺動可能に支持されている。ラグアーム40の他端側は、回転軸21に一体的に設けられる図示しない支持部材に対して第2ピン42によって連結されている。これにより、ラグアーム40の他端側は、第2ピン42の軸心を第2揺動中心M2として、支持部材に対して第2揺動中心M2周りで揺動可能に支持されている。
移動体32の筒部32bの先端には、斜板23側に向けて突出する連結部32cが設けられている。連結部32cには第3ピン43が挿通可能な移動体側挿通孔32hが形成されている。また、斜板23の下端側(図1及び図2における下側)には、第3ピン43が挿通可能な斜板側挿通孔23hが形成されている。そして、第3ピン43によって連結部32cが斜板23の下端側に連結されている。
回転軸21には、制御圧室35と圧力調整室15cとを連通する制御通路29が形成されている。制御通路29は、回転軸21の軸内に形成されている。制御通路29は、回転軸21の軸方向に延びる第1軸内通路29aと、第1軸内通路29aに連通するとともに回転軸21の径方向に延びる第2軸内通路29bとから形成されている。第2軸内通路29bの一端は第1軸内通路29aに連通するとともに、他端は制御圧室35に開口している。第1軸内通路29aの後端は、圧力調整室15cに開口している。よって、制御圧室35と圧力調整室15cとは、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介して連通している。
図3及び図4に示すように、回転軸21には、制御通路29と背圧室50とを連通する排出通路55が形成されている。排出通路55は、回転軸21の軸内に形成されている。排出通路55は、回転軸21の回転軸線方向に延びるとともに第1軸内通路29aの前端に連通する軸路55aと、回転軸21の径方向に延びるとともに軸路55aと背圧室50とを連通する径路55bとから形成されている。軸路55aは、第1軸内通路29aよりも小径である。よって、回転軸21の軸内における第1軸内通路29aと軸路55aとの間には、回転軸21の径方向に延びる環状の段差部55cが形成されている。径路55bにおける軸路55aとは反対側の端部は、回転軸21の外周面に開口して背圧室50に連通している。
第1軸内通路29a内には、排出通路55を開閉する弁体56が配置されている。弁体56はスプール弁であり、第1軸内通路29aの内部を回転軸21の回転軸線方向に移動可能になっている。
弁体56は、段差部55cに当接可能な円板状の弁部56aと、弁部56aから回転軸21の回転軸線方向に延びる柱状の連結部56bと、連結部56bにおける弁部56aとは反対側の端部に連結される有底円筒状のガイド部56cとを備えている。弁部56aの外径は、ガイド部56cの外径よりも小さい。よって、弁部56aの外周面と第1軸内通路29aの内周面との間には隙間がある。
連結部56bにおける弁部56aとは反対側の端部は、ガイド部56cの底部の中央に連結されている。ガイド部56cの外周面は、第1軸内通路29aの内周面に摺動可能である。そして、弁体56は、ガイド部56cの外周面が第1軸内通路29aの内周面に案内されながら、第1軸内通路29aの内部を回転軸21の回転軸線方向に移動することにより、弁体56が移動する際に、弁体56が回転軸21の回転軸線に対して傾くことが抑制されている。
弁体56は、弁部56aにおける連結部56bとは反対側の面が、段差部55cに当接することにより、第1軸内通路29aと軸路55aとの連通を遮断し、排出通路55を閉鎖する閉弁状態となる。よって、弁部56aにおける連結部56bとは反対側の面は、段差部55cに当接することにより、制御通路29と排出通路55との間をシールする端面シール部56sである。一方、弁体56は、端面シール部56sが、段差部55cから離間することにより、第1軸内通路29aと軸路55aとの連通を許容し、排出通路55を開放する開弁状態となる。
ガイド部56cの底部には、絞り孔56hが形成されている。絞り孔56hは、制御通路29の一部を形成している。弁体56は、制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力と制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力との差圧に基づき、排出通路55を開閉する。
図1及び図2に示すように、第1軸内通路29aの後端には、円筒状のストッパ部材57が圧入されている。ストッパ部材57の内側は、制御通路29の一部を形成している。弁体56とストッパ部材57との間には、付勢ばね58が介在されている。付勢ばね58は、排出通路55を閉鎖する方向に弁体56を付勢する。
制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重が、制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重と、付勢ばね58の付勢力に基づく弁体56に付与される荷重との合計よりも小さい場合がある。この場合、弁体56は、端面シール部56sが段差部55cに当接している状態で位置決めされており、端面シール部56sにより、制御通路29と排出通路55との間がシールされている。
一方、制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重が、制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重と、付勢ばね58の付勢力に基づく弁体56に付与される荷重との合計よりも大きくなる場合がある。この場合、弁体56は、端面シール部56sが段差部55cから離間する方向へ移動し、第1軸内通路29aと軸路55aとが連通し、制御圧室35と背圧室50とが制御通路29及び排出通路55を介して連通する。
制御圧室35と圧力調整室15cとは、弁体56が、端面シール部56sが段差部55cに当接している状態で位置決めされているとき、第2軸内通路29b、第1軸内通路29aにおける絞り孔56hよりも制御圧室35側の通路、絞り孔56h、及び第1軸内通路29aにおける絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の通路を介して連通している。また、制御圧室35と圧力調整室15cとは、弁体56が、端面シール部56sが段差部55cから離間する方向へ移動したときにも、第2軸内通路29b、第1軸内通路29aにおける絞り孔56hよりも制御圧室35側の通路、絞り孔56h、及び第1軸内通路29aにおける絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の通路を介して連通している。
圧力調整室15cと吸入室15aとは抽気通路36を介して連通している。抽気通路36には電磁式の制御弁36sが設けられている。制御弁36sは、吸入室15aの圧力に基づき抽気通路36の開度を調整することが可能になっている。そして、制御弁36sにより、抽気通路36を流れる冷媒ガスの流量が調整され、圧力調整室15cの圧力が制御される。よって、制御弁36sは、圧力調整室15cの圧力を制御する制御機構である。また、圧力調整室15cと吐出室15bとは給気通路37を介して連通している。給気通路37にはオリフィス37aが設けられており、給気通路37を流れる冷媒ガスの流量がオリフィス37aにより絞られている。
そして、吐出室15bから給気通路37、圧力調整室15c、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介した制御圧室35への冷媒ガスの供給と、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介した吸入室15aへの冷媒ガスの排出とが行われる。これにより、制御圧室35の圧力が制御される。
制御弁36sの弁開度を増大させると、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出される冷媒ガスの流量が多くなる。これにより、圧力調整室15cの圧力が吸入室15aの圧力とほぼ等しくなり、制御圧室35の圧力も吸入室15aの圧力とほぼ等しくなる。よって、制御圧室35と斜板室24との圧力差が少なくなることで、斜板23に作用する両頭ピストン25からの圧縮反力によって、斜板23が第3ピン43を介して移動体32を牽引し、移動体32の底部32aが区画体31に近づくように移動体32が移動する。
図2に示すように、移動体32の底部32aが区画体31に近づくように移動体32が移動すると、斜板23が第1揺動中心M1周りで揺動する。この斜板23における第1揺動中心M1周りの揺動に伴って、ラグアーム40が第2揺動中心M2周りで揺動し、ラグアーム40がフランジ部21gに接近する。これにより、斜板23の傾角が小さくなる。斜板23の傾角が小さくなると、両頭ピストン25のストロークが小さくなって吐出容量が減る。
制御弁36sの弁開度を減少させると、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出される冷媒ガスの流量が少なくなる。そして、吐出室15bから給気通路37、圧力調整室15c、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介した制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われることで、制御圧室35の圧力が吐出室15bの圧力とほぼ等しくなる。よって、制御圧室35と斜板室24との圧力差が大きくなることで、移動体32が第3ピン43を介して斜板23を牽引しながら、移動体32の底部32aが区画体31から離間するように移動する。
図1に示すように、移動体32の底部32aが区画体31から離間するように移動体32が移動すると、斜板23が第1揺動中心M1周りで、斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向に揺動する。この斜板23の第1揺動中心M1周りでの斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向の揺動に伴って、ラグアーム40が第2揺動中心M2周りで、斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向に揺動し、ラグアーム40がフランジ部21gから離間する。これにより、斜板23の傾角が大きくなり、両頭ピストン25のストロークが大きくなって吐出容量が増える。
このように、可変容量型斜板式圧縮機10は、制御弁36sによって圧力調整室15cに導入される吐出室15b及び圧力調整室15cから導出される吸入室15aの圧力が制御されることにより、制御圧室35の圧力が制御される。そして、制御圧室35と斜板室24との圧力差に伴って、移動体32が区画体31に対して回転軸21の回転軸線方向に移動する。よって、制御圧室35は、内部の圧力によって移動体32を移動させる。制御圧室35に供給される冷媒ガスは、移動体32の移動制御を行うために用いられる制御ガスである。そして、移動体32の回転軸21の回転軸線方向への移動に伴い、斜板23の傾角が変更されて、両頭ピストン25が斜板23の傾角に応じたストロークで往復動する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、圧力調整室15cの圧力を減少させるように圧力調整室15cの圧力を制御し、制御圧室35の冷媒ガスを制御通路29、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力は、制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力よりも高くなっている。
制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重が、制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重と、付勢ばね58の付勢力に基づく弁体56に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、図4に示すように、弁体56が排出通路55を開放する方向に移動する。すなわち、端面シール部56sが段差部55cから離間する方向へ弁体56が移動し、制御圧室35と背圧室50とが制御通路29及び排出通路55を介して連通する。
このとき、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した液冷媒が制御圧室35内に存在する場合がある。この場合、液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、冷媒ガスと共に排出通路55を介して背圧室50に排出される。
ここで、背圧室50は絞りとして機能する隙間52を介して斜板室24に連通していることから、背圧室50の圧力が斜板室24の圧力よりも高い。そして、背圧室50は、内部の圧力が高くなることにより斜板23の傾角を減少させるように移動体32を移動させる。これにより、移動体32が、斜板23の傾角を減少させるように迅速に移動する。さらに、背圧室50に排出された液冷媒は、冷媒ガスと共に隙間52を介して斜板室24に排出される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)弁体56は、制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力と制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力との差圧に基づき、排出通路55を開閉する。制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重が、制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重よりも大きい場合がある。この場合、弁体56が排出通路55を開放する方向に移動する。このとき、制御圧室35に液化した液冷媒が存在していても、液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、冷媒ガスと共に排出通路55を介して背圧室50に排出される。ここで、背圧室50は絞りとして機能する隙間52を介して斜板室24に連通していることから、背圧室50の圧力が斜板室24の圧力よりも高い。そして、背圧室50は、内部の圧力が高くなることにより斜板23の傾角を減少させるように移動体32を移動させる。これにより、移動体32が、斜板23の傾角を減少させるように迅速に移動する。さらに、背圧室50に排出された液冷媒は、隙間52を介して斜板室24に排出されるため、制御圧室35の圧力の変更がスムーズに行われる。その結果、斜板23の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
(2)第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間には、移動体32の外周面32dが摺動可能なラジアルベアリング51が設けられている。ラジアルベアリング51によって形成される隙間52は、絞りとして機能する。これによれば、移動体32が移動することに伴って移動体32の外周面32dがラジアルベアリング51を摺動することで、ラジアルベアリング51と移動体32の外周面32dとの間で摺動発熱が発生し、移動体32が温められる。これにより、制御圧室35の冷媒ガスが凝縮し難くなり、冷媒ガスが液化してしまうことを抑制することができる。
(3)排出通路55は、回転軸21の外周面に開口して背圧室50に連通している。これによれば、回転軸21の遠心力によって、排出通路55を流れる液冷媒が、排出通路55における回転軸21の径方向外側に移動するため、背圧室50に排出され易くなる。
(4)本実施形態では、可変容量型斜板式圧縮機10において吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、制御通路29における絞り孔56hよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重が、制御通路29における絞り孔56hよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体56に付与される荷重と、付勢ばね58の付勢力に基づく弁体56に付与される荷重との合計よりも大きくなると、弁体56が排出通路55を開放する。よって、制御圧室35の冷媒ガスの一部が、排出通路55を介して背圧室50にも排出されるため、排出通路55が設けられていない構成に比べて、制御弁36sを通過する冷媒ガスの流量が少なくなる。したがって、制御弁36sの弁開度が小さくても、制御圧室35の圧力を減少させることができるため、制御弁36sを小型化することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図5に示すように、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間に、ラジアルベアリング51に代えて、シールリング61を設けてもよい。シールリング61は樹脂製である。移動体32の外周面32dにおける底部32a側の部位には、シールリング61が装着される環状の装着溝32fが形成されている。
図6に示すように、シールリング61は、合口62を有している。合口62は、クランク形状である。合口62は、第1切欠62a、第2切欠62b、及び第3切欠62cにより形成されている。第1切欠62aは、シールリング61の内周面に形成されるとともにシールリング61の周方向に対して交差する方向に直線状に延びている。第1切欠62aは、シールリング61の内周面からシールリング61の厚み方向の中央まで延びている。第2切欠62bは、シールリング61の外周面に形成されるとともに第1切欠62aに対してシールリング61の周方向でずれた位置に配置され、シールリング61の周方向に対して交差する方向に直線状に延びている。第2切欠62bは、シールリング61の外周面からシールリング61の厚み方向の中央まで延びている。第3切欠62cは、シールリング61の厚み方向の中央でシールリング61の周方向に延びており、第1切欠62a及び第2切欠62bにおけるシールリング61の厚み方向の中央側の端部同士を繋いでいる。
図5に示すように、シールリング61が装着溝32fに装着された状態において、シールリング61の外周面は、移動体32の外周面32dよりも回転軸21の径方向外側に位置しており、合口62の第3切欠62cも移動体32の外周面32dよりも回転軸21の径方向外側に位置している。そして、シールリング61は、合口62を除く部分が、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間をシールする。斜板室24と背圧室50とは、合口62を介して連通している。合口62は、背圧室50と斜板室24とを連通する絞りとして機能する。
これによれば、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間は、合口62を除く部分がシールリング61によってシールされるため、背圧室50の圧力が斜板室24の圧力よりも効率良く上昇し、背圧室50の圧力によって斜板23の傾角を減少させるように移動体32を移動させ易くすることができる。
○ 図7に示すように、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間に、ラジアルベアリング51やシールリング61を設けずに、図7においてドットハッチングで示すように、移動体32の外周面32dに、コーティング層32gが形成されていてもよい。そして、移動体32の外周面32dが、第1凹部12bの内周面121bに摺動可能であってもよい。コーティング層32gは、例えばフッ素樹脂により形成されている。第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの隙間71は、絞りとして機能する。これによれば、絞りを形成するために、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間に別部材を介在させる必要が無いため、回転軸21の径方向において、可変容量型斜板式圧縮機10の小型化を図ることができる。また、移動体32が移動することに伴って移動体32の外周面32dが第1凹部12bの内周面121bを摺動することで、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間で摺動発熱が発生し、移動体32が温められる。これにより、制御圧室35の冷媒ガスが凝縮し難くなり、冷媒ガスが液化してしまうことを抑制することができる。
○ 実施形態において、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの間に、ラジアルベアリング51やシールリング61を設けずに、第1凹部12bの内周面121bに、コーティング層が形成されていてもよい。そして、移動体32の外周面32dが、第1凹部12bの内周面121bに摺動可能であってもよい。この場合、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの隙間は、絞りとして機能する。要は、第1凹部12bの内周面121b又は移動体32の外周面32dの一方には、他方に摺動可能なコーティング層が形成されており、コーティング層と他方との隙間が、絞りとして機能していればよい。
○ 実施形態において、移動体32自体が、例えばフッ素樹脂等の摺動性の良い材質から形成されていてもよい。そして、移動体32の外周面32dが、第1凹部12bの内周面121bに摺動可能であってもよい。この場合、移動体32の外周面32dと第1凹部12bの内周面121bとの隙間は絞りとして機能する。要は、移動体32は、少なくとも移動体32の外周面32dが摺動性の良い材質からなり、第1凹部12bの内周面121bと移動体32の外周面32dとの隙間71が、絞りとして機能していればよい。
○ 実施形態において、ラジアルベアリング51は、プレーンベアリングでなくてもよく、例えば、ボールベアリングであってもよい。ボールベアリングの場合、ボールベアリング自身によって形成される隙間も絞りとして機能する。
○ 実施形態において、弁体56は、スプール弁でなくてもよく、例えば、リード弁であってもよい。
○ 実施形態において、圧力調整室15cと吐出室15bとを連通する給気通路上に電磁式の制御弁が設けられており、圧力調整室15cと吸入室15aとを連通する抽気通路にオリフィスが設けられている構成であってもよい。
○ 実施形態において、可変容量型斜板式圧縮機10は、両頭ピストン25を採用した両頭ピストン型斜板式圧縮機であったが、片頭ピストンを採用した片頭ピストン型斜板式圧縮機であってもよい。
○ 実施形態において、クラッチを介して外部駆動源から駆動力を得るようにしてもよい。
10…可変容量型斜板式圧縮機、11…ハウジング、12…シリンダブロックとしての第1シリンダブロック、12a…シリンダボアとしての第1シリンダボア、12b…凹部としての第1凹部、13…シリンダブロックとしての第2シリンダブロック、13a…シリンダボアとしての第2シリンダボア、13s…吸入口、14a,15a…吸入圧領域である吸入室、14b,15b…吐出圧領域である吐出室、15c…圧力調整室、21…回転軸、23…斜板、24…吸入圧領域である斜板室、25…ピストンとしての両頭ピストン、29…制御通路、30…アクチュエータ、31…区画体、32…移動体、32d…外周面、32g…コーティング層、35…制御圧室、36s…制御機構としての制御弁、50…背圧室、51…ラジアルベアリング、52,71…絞りとして機能する隙間、55…排出通路、56…弁体、56h……絞り孔、61…シールリング、62…絞りとして機能する合口、121b…内周面。

Claims (4)

  1. 吸入圧領域、吐出圧領域、及び複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有するハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
    前記回転軸からの駆動力を得て回転して前記回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板と、
    前記斜板を収容するとともに前記ハウジングに形成された吸入口を介して外部から冷媒を取り込む斜板室と、
    前記シリンダボアに往復動可能に収納され、前記斜板に係留されるピストンと、
    前記斜板の傾角を変更可能なアクチュエータと、を備え、
    前記アクチュエータは、
    前記回転軸に設けられる区画体と、
    前記回転軸線方向に移動可能な移動体と、
    前記区画体と前記移動体とによって区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、を備え、
    前記ハウジング内に設けられ、前記吸入圧領域と前記吐出圧領域とに連通する圧力調整室と、
    前記回転軸の軸内に形成され、前記制御圧室と前記圧力調整室とを連通する制御通路と、
    前記圧力調整室の圧力を制御する制御機構と、を備え、
    前記制御機構によって前記圧力調整室の圧力が制御されることにより、前記移動体の前記回転軸線方向への移動に伴い、前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、
    前記ハウジングと前記移動体との間に区画される背圧室と、
    前記背圧室と前記斜板室とを連通する絞りと、
    前記回転軸の軸内に形成され、前記回転軸の外周面に開口するとともに前記制御通路と前記背圧室とを連通する排出通路と、
    前記制御通路内に配置されるとともに前記排出通路を開閉する弁体と、
    前記弁体に形成されるとともに前記制御通路の一部を形成する絞り孔と、を備え、
    前記弁体は、前記制御通路における前記絞り孔よりも前記制御圧室側の圧力と前記制御通路における前記絞り孔よりも前記圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、前記排出通路を開閉し、
    前記背圧室は、内部の圧力が高くなることにより前記斜板の傾角を減少させるように前記移動体を移動させることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 前記ハウジングは、前記移動体が出没可能に内部に配置される凹部を有し、
    前記移動体は有底筒状であり、
    前記凹部の内周面と前記移動体の外周面との間には、前記移動体の外周面が摺動可能なラジアルベアリングが設けられており、
    前記移動体の外周面と前記ラジアルベアリングとの隙間は、前記絞りとして機能することを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  3. 前記ハウジングは、前記移動体が出没可能に内部に配置される凹部を有し、
    前記移動体は有底筒状であり、
    前記凹部の内周面と前記移動体の外周面との間には、前記凹部の内周面と前記移動体の外周面との間をシールするとともに合口を有するシールリングが設けられており、
    前記合口は、前記絞りとして機能することを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  4. 前記ハウジングは、前記移動体が出没可能に内部に配置される凹部を有し、
    前記移動体は有底筒状であり、
    前記凹部の内周面又は前記移動体の外周面の一方には、他方に摺動可能なコーティング層が形成されており、
    前記コーティング層と前記他方との隙間は、前記絞りとして機能することを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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