図1は、キャリアアグリゲーション(CA)の説明図である。図1に示すように、LTE Rel.12までのCAでは、LTE Rel.8のシステム帯域を一単位とするコンポーネントキャリア(CC)が最大5個(CC#1〜CC#5)束ねられる。すなわち、LTE Rel.12までのキャリアアグリゲーションでは、ユーザ端末(UE:User Equipment)あたりに設定可能なCC数は、最大5個に制限される。
一方、LTE Rel.13以降のキャリアアグリゲーションでは、6個以上のCCを束ねて、更なる帯域拡張を図ることが検討されている。すなわち、LTE Rel.13のキャリアアグリゲーションでは、ユーザ端末あたりに設定可能なCC数を6個以上に拡張すること(CA enhancement)が検討されている。例えば、図1に示すように、32個のCC(CC#1〜CC#32)を束ねる場合、最大640MHzの帯域を確保可能となる。
このように、ユーザ端末あたりに設定可能なCC数を拡張することにより、より柔軟且つ高速な無線通信を実現することが期待されている。また、このようなCC数の拡張は、ライセンスバンドとアンライセンスバンドとの間のキャリアアグリゲーション(LAA:License-Assisted Access)による広帯域化に効果的である。例えば、ライセンスバンドの5個のCC(=100MHz)とアンライセンスバンドの15個のCC(=300MHz)とを束ねる場合、400MHzの帯域を確保可能となる。
LAAが運用されるアンライセンスバンドでは、他事業者のLTE、Wi−Fi又はその他のシステムとの共存のため、干渉制御機能の導入が検討されている。干渉制御機能としては、CCA(Clear Channel Assessment)に基づくLBT(Listen Before Talk)が検討されている。したがって、アンライセンスバンドを利用するセル(CC)は、リスニング(LBT等)を適用するセルとすることもできる。
一方で、ユーザ端末に設定可能なCC数が6個以上(例えば、32個)に拡張される場合、既存システム(Rel.10−12)の送信方法(例えば、PUCCHフォーマット)をそのまま適用することが困難となる。
例えば、既存システム(Rel.10−12)では、各CCで送信されるDLデータ(PDSCH)に対する送達確認信号(HARQ−ACK)等の上り制御信号を上り制御チャネル(PUCCH)で送信する。この際、ユーザ端末は、5CC以下を前提としたPUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット1/1a、1b、3又は1bに基づくチャネルセレクション)を適用して上り制御信号の送信を行う。
例えば、既存のPUCCHフォーマットの中で大容量の上り制御情報(例えば、HARQ−ACK)を送信できるPUCCHフォーマット3では、FDDにおいて10ビット、TDDにおいて21ビットまでサポートしている。図2に既存のPUCCHフォーマット3の構成を示す。PUCCHフォーマット3は、各スロットあたり2つの復調用参照信号(DMRS)と、5つのSC−FDMA(Single Carrier Frequency Divisional Multiple Access)シンボルで構成される。各スロットの各SC−FDMAシンボルには同一ビット列がマッピングされているが、複数のユーザ端末を多重するために拡散符号(直交符号、OCCとも呼ぶ)が乗算されている。
また、各スロットの各DMRSにはユーザ端末間で異なる巡回シフト(サイクリックシフト、CSとも呼ぶ)が適用されている。直交符号とサイクリックシフトを適用することにより、最大で5つのPUCCHフォーマット3を同一のリソース(PRB)に符号分割多重(CDM)することが可能となる。例えば、ユーザ端末毎に異なるOCC系列を用いてHARQビット列を直交多重し、ユーザ毎に異なるCS系列を用いてDMRSを直交多重することができる。
しかし、ユーザ端末が6CC以上(例えば、32CC)の上り制御信号を送信する場合、64〜256ビットをサポートするPUCCHフォーマットが必要となることが想定される。例えば、FDDにおいて、32CC毎に2コードワード(2トランスポートブロック)のHARQ−ACKを送信する場合には64ビットとなる。
また、TDDでは、適用するUL/DL構成に応じて、1つのULサブフレームに対応するDLサブフレーム(特別サブフレームを含む)が規定されている。つまり、TDDでは、1CCにおいて、複数のDLサブフレーム(例えば、4サブフレーム)のDL信号に対するHARQ−ACKを、1つのULサブフレームで送信する場合がある。例えば、TDDにおいて、32CC毎に2コードワード(2トランスポートブロック)のHARQ−ACKを送信し、且つ1つのULサブフレームに4DLサブフレームが対応する場合には256ビット(空間バンドリング適用時は128ビット)となる。
そのため、ユーザ端末が6CC以上(例えば、32CC)の上り制御信号を送信する場合に既存のPUCCHフォーマットをそのまま利用すると、PUCCHのペイロード(容量)が不足して通信が適切に行えなくなるおそれがある。そこで、本発明者等は、6個以上のCC(例えば、32個のCC)分の上り制御信号を送信するために、既存のPUCCHフォーマットより多くのビット(例えば、64〜256ビット)をサポート可能な新規PUCCHフォーマットを用いた上り制御送信を導入することを着想した。
6個以上のCCに対応する上り制御信号(例えば、HARQ−ACK)を送信可能な新規PUCCHフォーマットとして、既存のPUCCHフォーマットと全く異なる構成とすることが考えられる。しかし、この場合、新規PUCCHフォーマットに対して新たにリソース(PRB)を割当てる必要が生じ、システム全体のULオーバーヘッドが増加するという問題が生じる。
そこで、本発明者等は、新規PUCCHフォーマットとして、既存のPUCCHフォーマットより大容量であり、且つ既存のチャネル又は信号(例えば、PUCCHフォーマット及び/又はPUSCH)と同一リソースに多重して送信できる構成とすることを着想した。また、本発明者等は、このような新規PUCCHフォーマットを構成するために、既存のPUCCHフォーマット3及び/又はPUSCHの構成の一部を利用することを見出した。
既存のPUCCHフォーマット3の物理レイヤ構成は、スロットあたりに参照信号(参照信号用シンボル)が2つ設定される。そのため、HARQ−ACKに利用できるシンボルに対して無拡散でQPSK変調を適用する場合、最大240ビット(=2(ビット)×12(サブキャリア)×10(シンボル))のHARQ−ACK送信をサポートすることができる(図3A参照)。
また、PUSCHの物理レイヤ構成は、スロットあたりに参照信号(参照信号用シンボル)が1つ設定される。そのため、HARQ−ACKに利用できるシンボルに対して無拡散でQPSK変調を適用する場合、最大288ビット(=2(ビット)×12(サブキャリア)×12(シンボル))のHARQ−ACK送信をサポートすることができる(図3B参照)。
しかし、既存のPUCCHフォーマット3又はPUSCHを利用して新規PUCCHフォーマットを構成する場合、HARQ−ACK等のUL制御信号について、既存のPUCCHフォーマットと同等の多重能力を持たせることは困難となる。これは、通信品質の劣化を抑制するためには、PUCCHのペイロードを大きくした分だけ拡散率を低減する必要があるためである。
一方で、本発明者等は、DMRSシンボル以外のシンボルを用いて送信する上り制御情報(例えば、HARQ−ACK)に対して空間分割多重を適応することにより、無線基地局側でMIMOの信号処理技術を用いて分離することができる点に着目した。つまり、無線基地局側が空間分離能力(空間的に多重するユーザ端末数以上の受信アンテナ本数)を具備する場合、DMRSにCDMを適用して分離可能な構成とすることにより、そのDMRSを用いてユーザ端末ごとのチャネル推定を実施し、得られたチャネル推定結果を元にMIMOと同様の空間分離信号処理を行うことにより、上り制御信号についても無線基地局側で分離できる点に着目し、新規PUCCHフォーマットを見出した。
具体的に、本発明者等は、新規PUCCHフォーマットとして、DMRSについて既存のPUCCHフォーマット及び/又はPUSCHと直交分割多重(CDM)できる構成とすると共に、DMRS以外のシンボルに割当てる信号の容量を既存PUCCHフォーマットより大きくすることを着想した。例えば、新規PUCCHフォーマットとして、DMRS用の第1のシンボルに対してサイクリックシフト及び/又は直交符号を適用し、且つDMRS以外の第2のシンボル対して直交符号を非適用又は所定値未満の系列長で直交符号を適用する構成とすることができる。ここで、所定値未満の系列長とは、既存のPUCCHフォーマット3で適用する系列長(例えば、5)未満の系列長とすることができる。
以下、本実施の形態について詳細に説明する。以下の説明では、CAにおいてユーザ端末あたりに設定可能なCC数が32個である例を説明するが、これに限られない。また、新規PUCCHフォーマットとして、DMRS以外のシンボルを用いて送達確認信号(HARQ−ACK)を送信する場合を示すが、これに限られない。例えば、新規PUCCHフォーマットは、他の上り制御信号(CQI、PMI、RI等のチャネル状態情報(CSI))の送信に適用する構成としてもよい。
(第1の態様)
第1の態様では、既存のPUCCHフォーマット(例えば、PUCCHフォーマット3)のDMRSと直交多重(CDM)可能なDMRSを有する新規PUCCHフォーマットについて説明する。
第1の態様における新規PUCCHフォーマットの物理レイヤ構成の一例を図4に示す。図4に示すPUCCHフォーマットでは、各スロット(前半スロット、後半スロット)において、DMRS用の第1のシンボルがそれぞれ2つ設定され、DMRS以外の第2のシンボルがそれぞれ5つ設定される。
図4に示す新規PUCCHフォーマットでは、DMRS用の第1のシンボルに対して既存PUCCHフォーマットのDMRSと直交多重できるようにサイクリックシフトを適用する。また、第1のシンボル以外の第2のシンボル対して直交符号を適用しない、又は既存のPUCCHフォーマット3で適用する系列長(例えば、5)未満の系列長で直交符号を適用する。一例として、新規PUCCHフォーマットのDMRSに対して、UE1がCS#3、CS#9、CS#0、CS#6を乗算し、UE2がCS#0、CS#6、CS#3、CS#9を乗算することによりユーザ端末間でDMRSを直交多重することができる。
ユーザ端末は、新規PUCCHフォーマットのDMRSとして、既存のPUCCHフォーマット3と同一の数式で表現されるDMRSを適用することができる。これにより、既存のPUCCHフォーマット3又は新規PUCCHフォーマットを用いて上り制御情報を送信する複数のユーザ端末を同一の領域(PRB)に割当てる場合であっても、無線基地局は各ユーザ端末のチャネル推定結果を分離することができる。なお、必ずしもPUCCHフォーマット3と同一の数式を適用しなくてもよい。
また、第2のシンボルは、HARQ−ACKのビット列を多重することができる。ユーザ端末が、第2のシンボルで符号多重を行わずに上り制御情報を送信する場合であっても、DMRSはユーザ端末間でCDMされており、ユーザ端末ごとのチャネル推定を適切に行えることができる。これにより、無線基地局が複数の受信アンテナ(MU−MIMOメカニズム)を利用することにより、同一PRBに多重された異なるユーザ端末のHARQ−ACKを空間的に分離して受信することができる。
このように、図4に示す新規PUCCHフォーマットを用いることにより、既存PUCCHフォーマットより大容量の送信をサポートすると共に、既存のPUCCHフォーマット3の割当てリソースを適用することができる。これにより、新規PUCCHフォーマットに対して新たにリソース(PRB)を割当てない構成とすることができるため、ULオーバーヘッドの増加を抑制することができる。
<DMRSに適用するCS>
ユーザ端末は、所定条件に基づいて、新規PUCCHフォーマットのDMRSに適用するサイクリックシフトインデックス(CSインデックス)を決定することができる。例えば、ユーザ端末は、以下の式(1)を適用して、DMRSに適用するCSインデックスを決定することができる。
ARIとは、送達確認信号のための無線リソースを指定するための識別情報である。例えば、既存PUCCHフォーマット3における送達確認信号の無線リソースは、下り制御情報に設定されるARI用のフィールド(ARIフィールド)に基づいてユーザ端末が決定することができる。また、プライマリセルとセカンダリセルを用いたキャリアアグリゲーションを適用する場合、ユーザ端末は、セカンダリセルの下り制御情報(DLアサイメント)に含まれるTPCコマンド用のフィールドをARIフィールドと読み替えることができる。ユーザ端末は、あらかじめ設定される複数の候補値の中から、ARIフィールドで指定された値を用いることにより、送達確認信号に利用する無線リソースを決定することができる。
<直交符号の適用>
DMRSが配置されないシンボル(第2のシンボル)では、送達確認信号(HARQ−ACKビット列)を送信することができる。この場合、第2のシンボルに対しては、直交符号を適用せず拡散自体を行わない構成としてもよいし(図6A参照)、系列長が5未満の直交符号(OCC)を用いて拡散処理を行ってもよい(図6B参照)。
図6Aに示すように、第2のシンボルに直交符号を適用しない場合、同一PRBに直交多重(CDM)可能なPUCCH数は1となり、当該PUCCHフォーマットで送信可能なビットは240ビットとなる。図6Aに示すPUCCHフォーマット構成は、ユーザ端末が送信する上り制御情報(例えば、HARQ−ACK)のビット数が多い場合(例えば、接続するCC数が多い場合、TDDを適用する場合等)に好適に適用することができる。
図6Bでは、第2のシンボルに直交符号(拡散率が2.5)を適用する場合を示している。この場合、同一PRBに直交多重(CDM)可能なPUCCH数は2(2ユーザ端末をCDM可)となり、当該PUCCHフォーマットで送信可能なビットは96ビットとなる。図6Bに示すPUCCHフォーマットは、ユーザ端末が送信する上り制御情報(例えば、HARQ−ACK)のビット数が少ない場合(例えば、接続するCC数が所定値以下、FDDを適用する場合等)に好適に適用することができる。なお、第2のシンボルに直交符号を適用する場合の拡散率は2.5に限られない。
また、ユーザ端末は、上記図6AのPUCCHフォーマットと、図6BのPUCCHフォーマットを所定条件に基づいて切り替えて利用してもよい。所定条件としては、設定されるCC数、上り制御情報を送信するCC数、上り制御情報のビット数、空間バンドリングの適用有無、適用するコードワード数(トランスポートブロック数)、複信方式(FDD/TDD)の1つ又はいずれかの組み合わせとすることができる。
また、ユーザ端末は、上記図6AのPUCCHフォーマットと、図6BのPUCCHフォーマットの両方またはいずれか一方のみを設定可能であるという端末能力情報(UE capability)を、あらかじめ基地局に通知しているものとしてもよい。当該端末能力情報はCA可能なCC数とは独立なシグナリングであってもよいし、CA可能なCC数に応じて、一意に定まるものであってもよい。CC数に応じて一意に定める場合、独立なシグナリングを不要とすることができる。
なお、新規PUCCHフォーマットの送信に用いるリソース(PRB番号)は、あらかじめユーザ端末に上位レイヤシグナリングで設定することができる。あるいは、ユーザ端末に対して上位レイヤシグナリングで複数のPRB(候補PRB)を設定し、ユーザ端末が下り制御情報のARIに基づいて候補PRBの中から所定のPRBを選択する構成としてもよい。なお、ARIを利用する場合、当該ARIはDMRSに適用するCS番号と、PUCCHを送信するPRB番号を決定する情報を指定することとなる。
(第2の態様)
第2の態様では、既存のPUSCHのDMRSと直交多重(CDM)可能なDMRSを有する新規PUCCHフォーマットについて説明する。
第2の態様における新規PUCCHフォーマットの物理レイヤ構成の一例を図7に示す。図7に示す新規PUCCHフォーマットでは、1スロットにおいてDMRS用の第1のシンボルが1つ設定され、DMRS以外の第2のシンボルが6つ設定される。
また、図7に示す新規PUCCHフォーマットでは、DMRSの第1のシンボルに対してPUSCHのDMRSと直交多重できるようにサイクリックシフト及び/又は直交符号(OCC)を適用する。さらに、DMRS用のシンボル以外の第2のシンボル対して直交符号を適用しない、又は所定の系列長未満の系列長で直交符号を適用する。例えば、新規PUCCHフォーマットのDMRSに対して、UE1が直交符号[+1 −1]を乗算し、UE2が直交符号[+1 +1]を乗算することによりユーザ端末間でDMRSを直交多重することができる。
ユーザ端末は、新規PUCCHフォーマットのDMRSとして、PUSCHと同一の数式で表現されるDMRSを適用することができる。これにより、新規PUCCHフォーマットを用いて上り制御情報を送信するユーザ端末と、PUSCHを用いて上りデータ(PUSCH)を送信するユーザ端末と、が同一の領域(PRB)を用いる場合であっても、無線基地局は各ユーザ端末のチャネル推定結果を分離することができる。もちろん、新規PUCCHフォーマットを用いて上り制御情報を送信する複数のユーザ端末を同一の領域(PRB)に割当てる場合にも、無線基地局は各ユーザ端末のチャネル推定結果を分離することができる。なお、必ずしもPUSCHと同一の数式を適用しなくてもよい。
また、第2のシンボルは、HARQ−ACKのビット列を多重することができる。ユーザ端末が、第2のシンボルに符号多重を行わずに上り制御情報を送信する場合、無線基地局側で複数の受信アンテナを利用することにより、空間分割(MU−MIMOのメカニズム)に基づいて空間的に分離して受信することができる。
このように、図7に示す新規PUCCHフォーマットを用いることにより、既存PUCCHフォーマットより大容量の送信をサポートすると共に、PUSCHの割当てリソースを適用することができる。これにより、新規PUCCHフォーマットに対して新たにリソース(PRB)を割当てない構成とすることができるため、ULオーバーヘッドの増加を抑制することができる。
<DMRSに適用するCS/OCC>
ユーザ端末は、所定条件に基づいて、新規PUCCHフォーマットのDMRSに適用するサイクリックシフトインデックス(CSインデックス)及び/又は直交系列(OCC)を決定することができる。例えば、ユーザ端末は、以下の式(3)を適用して、DMRSに適用するCSインデックスを決定することができる。
上位レイヤシグナリングで通知される値としては、PUSCHとは別の上位レイヤシグナリングで設定される値を用いてもよいし、PUSCH用に設定される上位レイヤシグナリングの値を利用してもよい。新規PUCCHフォーマット用にPUSCH用の上位レイヤシグナリングを利用する場合、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。また、新規PUCCHフォーマット用にPUSCHとは別の上位レイヤシグナリングを利用する場合、例えば接続セルのPUSCHとは独立なCSインデックス設定とするものの、他セル(例えば、隣接セル)のPUSCHと共通のCSインデックス設定にするなどといった、柔軟な制御が可能となる。
PUSCH用に設定される上位レイヤシグナリングを適用する場合、例えば、PUSCHのDMRS系列を決定するために設定される物理セルID(VCID)、スロット間ホッピングの設定に関する情報(Group-hopping-enabled、Disable-sequence-group-hopping)、OCC適用可否の設定に関する情報(Activate-DMRS-with OCC)を新規PUCCHフォーマットのDMRSにも適用することができる。
また、ユーザ端末は、無線基地局から通知されるビット情報(インデックス)に基づいて所定のテーブルから直交符号(OCC)を決定することができる(図8参照)。例えば、ユーザ端末は、PUSCHのDMRSと同様に、下り制御情報に含まれるCS/OCC識別子(CS/OCC indicator)で指定されるビット情報により、所定の直交系列を決定することができる。なお、CS/OCC識別子で指定されるビット情報は、上記サイクリックシフトインデックスの決定にも利用することができる。
しかし、PUSCHのDMRSで利用するCS/OCC識別子は、ULグラントに含まれるため、新規PUCCHのDMRSにそのまま適用することは困難となる。したがって、本実施の形態では、新規PUCCHフォーマットのDMRS用に、既存のCS/OCC識別子と同じ、又は既存のCS/OCC識別子に対応するビットフィールド(Cyclic shift for DM RS and OCC index)をPDCCH又はEPDCCHで送信されるDLアサイメントに設定してもよい。この場合、ユーザ端末は、DLアサイメントにCS/OCC識別子が含まれると想定してビット長を求め、そのビット長を想定して受信処理(例えば、ブラインド検出)を行う。
DLアサイメントに設定する新規PUCCHフォーマットのDMRS用のCS/OCC識別子は、ULグラントに設定するPUSCHのDMRS用のCS/OCC識別子と同様に3ビットとすることができる。あるいは、新規PUCCHフォーマットのDMRS用のCS/OCC識別子を設定するビットフィールドは、3ビットより大きいビットフィールド又は3ビット未満のビットフィールドとしてもよい。3ビット未満で設定する場合、図8のテーブルの中から一部のビット情報を抜き出して構成したテーブルを利用することができる。
あるいは、3ビット未満で設定する場合、複数のCS/OCC識別子候補をあらかじめ上位レイヤシグナリングでユーザ端末に設定し、DLアサイメントのCS/OCC識別子で所定のCS/OCC識別子を選択する構成としてもよい。これにより、DLアサイメントに設定するビット数が少ない場合であっても、CS/OCC識別子を柔軟に制御することができる。
あるいは、新規PUCCHフォーマットを利用するユーザ端末は、セカンダリセルのDLアサイメントに含まれる2ビットのTPCコマンドを利用して、新規PUCCHフォーマットのDMRSに適用するCS/OCCインデックスを決定してもよい。この場合、ユーザ端末は、セカンダリセルのDLアサイメントに含まれる2ビットのTPCコマンドをARIと解釈する。ユーザ端末は、ARIで指定されたインデックスに基づいて、あらかじめ上位レイヤシグナリングで設定された複数のCS/OCC識別子候補、又は所定のテーブルから特定のCS/OCCインデックスを決定することができる。また、無線基地局は、ユーザ端末に対して新規PUCCHフォーマット送信を行うPRBについてARIを利用して指定する構成としてもよい。
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記の各実施の態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用してもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。なお、図9に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム、SUPER 3G、LTE−Aシステムなどが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域幅を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図9に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a−12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、少なくとも6個以上のCC(セル)を用いてCA又はDCを適用することができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号(HQRQ-ACK)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。
<無線基地局>
図10は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
例えば、送受信部103は、CAを行うCCに関する情報(周波数及び/又はCC数等の情報)を送信することができる。また、送受信部103は、Rel.13以降で適用するUCI送信法(例えば、新規PUCCHフォーマット)の情報、所定のPUCCHフォーマットを適用する際に用いるPUCCHリソースに関する情報等を送信することができる。なお、送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。また、送受信部103は、空間多重するユーザ端末数以上の送受信アンテナ101を利用して、新規PUCCHフォーマットを用いて同一PRBに多重される上り制御信号(HARQ−ACK等)及び/又は上りデータ(PUSCH)を空間的に分離して受信することができる。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図11は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図11では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図11に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS(Cell-specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)等のスケジューリングの制御も行う。また、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブル等のスケジューリングを制御する。
制御部301は、ユーザ端末からフィードバックされる送達確認信号(HARQ−ACK)に基づいて、下りデータの再送を制御する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成して、マッピング部303に出力する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI)等に基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
送信信号生成部302は、ユーザ端末が新規PUCCHフォーマットのDMRSに適用するCSインデックス及び/又は直行系列(OCC)に関する情報を生成することができる。例えば、送信信号生成部302は、ARIに関する情報、CS/OCC識別子(CS/OCC indicator)に関する情報を含む下り制御情報(ULグラント及び/又はDLアサイメント)を生成する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。なお、マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末から送信されるUL信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)、PUSCHで送信されたデータ信号、PRACHで送信されたランダムアクセスプリアンブル等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。
また、受信信号処理部304は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図12は、本実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
送受信部203は、DL信号(例えば、PDSCH)に対する送達確認信号を含むUL制御信号(PUCCH)を送信する。また、送受信部203は、新規PUCCHフォーマットのDMRSに適用するCSインデックス及び/又は直行符号(OCC)に関する情報を受信することができる。また、送受信部203は、新規PUCCHフォーマットを適用して送信するUL制御信号の割当てリソースに関する情報を受信することができる。なお、送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図13は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図13においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図13に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、判定部405と、を備えている。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)など)や上りデータ信号の生成を制御する。具体的には、制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。
例えば、制御部401は、UL制御信号(例えば、HARQ−ACK)の送信に適用するフォーマットを制御する。また、制御部401は、CCの設定数等に応じて、既存システムのPUCCHフォーマットと比較して容量が大きい新規フォーマットをUL制御信号に適用することができる。
例えば、制御部401は、DMRS用の第1のシンボルに対してサイクリックシフト及び/又は直交符号を適用し、且つ第2のシンボル対して直交符号を適用しない又は既存のPUCCHフォーマット3で適用する系列長未満の系列長で直交符号を適用する構成の新規PUCCHフォーマットを用いてUL制御信号の送信を行うことができる。
制御部401は、新規PUCCHフォーマットのDMRSが、既存のPUCCHフォーマット3のDMRSと直交可能となるようにサイクリックシフトを適用することができる。例えば、制御部401は、ARIで指定されたPUCCHリソース番号を利用して、新規PUCCHフォーマットのDMRSのサイクリックシフト値を決定することができる。
制御部401は、新規PUCCHフォーマットを用いてUL制御信号を送信する場合、上位レイヤシグナリングで通知されたPRB番号、又は上位レイヤシグナリングで通知された候補PRBからARIに基づいて指定されたPRB番号を適用することができる。
制御部401は、新規PUCCHフォーマットのDMRSが、既存の上り共有チャネル(PUSCH)のDMRSと直交可能となるようにサイクリックシフト及び/又は直交符号を適用することができる。制御部401は、DLアサイメントに含まれるインデックスに基づいて、新規PUCCHフォーマットのDMRSのサイクリックシフト値及び/又は直交符号を決定することができる。あるいは、制御部401は、セカンダリセルのDLアサイメントに含まれるTPCコマンドをARIと解釈して、新規PUCCHフォーマットのDMRSのサイクリックシフト値及び/又は直交符号を決定することができる。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局から送信された下り制御信号、PDSCHで送信された下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、判定部405に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
判定部405は、受信信号処理部404の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うと共に、判定結果を制御部401に出力する。複数CC(例えば、6個以上のCC)から下り信号(PDSCH)が送信される場合には、各CCについてそれぞれ再送制御判定(ACK/NACK)を行い制御部401に出力する。判定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される判定回路又は判定装置から構成することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
なお、本明細書中で説明した及び/又は本明細書の理解に必要な各用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。また、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
本明細書で示した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わないこと)によって行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で示した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で示した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で示した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で示した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で示した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。