一例として示すマルチコプター10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るマルチコプターおよびマルチコプターを利用した大気環境測定方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、サンプリングパイプの一例を示す図であり、図3は、サンプリングパイプの他の一例を示す図である。図4は、サンプリングパイプの他の一例を示す図であり、図5は、空気貯蔵手段(空気貯蔵工程)の一例を示す図である。
マルチコプター10A(無人飛行体)(ドローン)は、機体本体11と、機体本体11から延びる4本のローターアーム12と、それらローターアーム12に取り付けられたローター13(回転翼)とを備えている。マルチコプター10A(マルチコプター10B,10Cを含む)は、4つのローター13と4つのモーター(図示せず)とを有するクアッドコプターであるが、6つのローターと6つのモーターとを有するヘキサコプターや8つのローターと8つのモーターとを有するオクトコプターであってもよい。また、マルチコプター10A(マルチコプター10B,10Cを含む)を図示の形状に限定するものではなく、本発明のマルチコプターには他のあらゆる形状のそれが含まれる。
マルチコプター10A(マルチコプター10B,10Cを含む)には、図示はしていないが、大容量バッテリー、飛行管制装置、GPS(GPS自立安定装置を含む)、カメラ搭載用ジンバル、姿勢制御装置、IOSD(オンスクリーンリアルタイムディスプレイ)、ハイビジョン画像伝送無線装置、コントローラ(記憶デバイスを含む)、高解像度カメラ、リアルタイムモニター等が搭載されている。マルチコプター10Aは、その飛行中(ホバリングを含む)に高解像度カメラによって静止画や動画を撮影することができる。
マルチコプター10A(マルチコプター10B,10Cを含む)は、プロポ(ラジオコントロール)による遠隔操作によって飛行(マニュアル飛行)する機種、または、あらかじめ飛行ミッション(飛行プラン)がインストールされた自立して飛行(自動自立飛行)する機種のいずれも利用することができる。遠隔操作では、操作者がプロポによってマルチコプター10Aを操縦する。プロポは、コンピュータを備えたコントロールシステム(図示せず)に接続されている。プロポによるマルチコプター10Aの操縦時では、コントロールシステムのディスプレイにマルチコプター10Aの飛行速度、高度、地図情報、撮影映像表示、バッテリー残量等が表示される。飛行記録は、マルチコプター10Aのコントローラに記憶されるとともに、コントロールシステムに記憶される。
自動自立飛行では、コンピュータを備えてマルチコプター10Aの離陸、飛行(飛行経路)、着陸を自動で行う自動航行システムが利用される。自動航行システムでは、マップ上に飛行経由地点(垂直方向の各地点、三次元方向の各地点、水平方向の各地点)および目的地(着陸地点)を入力し、複数の高度、移動速度等の飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。作成された飛行ミッションが自動航行システムからマルチコプター10Aのコントローラに送信され、マルチコプター10Aが自動航行システムからの飛行指示によって自動自立飛行を開始する。自動自立飛行は、プロポによるマニュアル飛行では不可能な正確な位置と高度とを維持した飛行が可能になる。飛行記録は、マルチコプター10Aのコントローラに記憶されるとともに、自動航行システムに記憶される。
マルチコプター10Aの機体本体11の上面14には、上空の空気を採取する2本のサンプリングパイプ15a,15bが設置され、頂部16に風向風速センサー17(超音波風向風速センサー)を取り付けた支持ロッド18が設置されている。なお、サンプリングパイプの本数に特に制限はなく、1本のサンプリングパイプが機体本体11の上面14に設置されていてもよく、3本以上のサンプリングパイプが機体本体11の上面14に設置されていてもよい。
それらサンプリングパイプ15a,15bは、機体本体11の上面14に連結された下端連結部19と、下端連結部19から上方へ所定寸法離間した位置に開口し、上空の空気を取り入れる頂部採取口20と、下端連結部19と頂部採取口20との間に延びる中間筒部21とを有する。下端連結部19は、所定の連結手段(図示せず)を介して機体本体11に気密に取り付けられている。
図2〜図4のサンプリングパイプ15a,15bの下端連結部19は、機体本体11に回転可能に取り付けられている。下端連結部19は、モーター(図示せず)の駆動力によって自動で回転する場合、または、手動で回転させる場合がある。モーターは、マルチコプター10Aのコントローラに接続されている。なお、下端連結部19が機体本体11に回転不能に取り付けられていてもよい。
中間筒部21は、機体本体11の上面14から上方へ直状に延びている。図2〜図4のサンプリングパイプ15a,15bの中間筒部21は、上下方向へ伸縮する。中間筒部21は、リニアモーター(図示せず)の駆動力によって自動で伸縮する場合、または、手動で伸縮させる場合がある。リニアモーターは、マルチコプター10Aのコントローラに接続されている。サンプリングパイプ15a,15bは、中間筒部21が上下方向へ伸縮することで、その上下方向の長さ寸法を変更することができる。なお、中間部21が上下方向へ伸縮不能であってもよい。
マルチコプター10Aのホバリング中におけるローター13の回転による気流の流れを解析した結果を勘案し、ホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による気流の影響を受けることがない頂部採取口20の位置を機体本体11の上面14から上方へ80cm以上(好ましくは、80cm以上であって120cm以下)にしている。したがって、サンプリングパイプ15a,15bが収縮(縮小)したときのパイプ15a,15bの下端連結部19から頂部採取口20までの上下方向の最短の長さ寸法(中間筒部21が上下方向へ伸縮不能である場合、下端連結部19から頂部採取口20までの上下方向の最短の長さ寸法)は、80cm以上であり、好ましくは、80cm以上であって120cm以下である。
図2に示す頂部採取口20は、サンプリングパイプ15a,15bの頂部22が径方向側方へ屈曲することで、サンプリングパイプ15a,15bの径方向側方へ向かって開口している。図3に示す頂部採取口20は、サンプリングパイプ15a,15bの上下方向上方へ向かって開口している。図4に示す頂部採取口20は、サンプリングパイプ15a,15bの周り方向に並ぶ複数の円形貫通孔であり、パイプ15a,15bの径方向側方へ向かって開口している。図2〜図4のサンプリングパイプ15a,15bは、その下端連結部19が機体本体11に回転可能に取り付けられているから、図2〜図4に矢印Lで示すように、上下方向へ延びる中心軸を中心として水平方向へ回転可能である。
マルチコプター10Aは、空気貯蔵手段を有する。空気貯蔵手段の一例は、図5に示すように、機体本体11の内部に収容(内蔵)された6つの第1〜第6貯蔵袋23a〜23fと、フレキシブルな第1および第2チューブ24a,24bと、弁機構25a〜25f(バルブ)および吸気ファン26a,26bとから形成されている。第1〜第6貯蔵袋23a〜23fは、合成樹脂フィルムから作られ、その内部に所定量の空気を貯蔵する。第1および第2チューブ24a,24bは、合成樹脂から作られている。
第1チューブ24aは、一方のサンプリングパイプ15aの下端連結部19につながるメインチューブ27aと、メインチューブ27aから3つに分岐した第1〜第3サブチューブ28a〜28cとから形成されている。第1サブチューブ28aが第1貯蔵袋23aにつながり、第2サブチューブ28bが第2貯蔵袋23bにつながっているとともに、第3サブチューブ28cが第3貯蔵袋23cにつながっている。
第2チューブ24bは、他方のサンプリングパイプ15bの下端連結部19につながるメインチューブ27bと、メインチューブ27bから3つに分岐した第4〜第6サブチューブ28d〜28fとから形成されている。第4サブチューブ28dが第4貯蔵袋23dにつながり、第5サブチューブ28eが第5貯蔵袋23eにつながっているとともに、第6サブチューブ28fが第6貯蔵袋23fにつながっている。
それら弁機構25a〜25f(バルブ)は、第1〜第6サブチューブ28a〜28fに設置されている。弁機構25a〜25cの開閉(切替)によってメインチューブ27aを流動する空気がメインチューブ27aから第1〜第3サブチューブ28a〜28cのいずれかに流入する。弁機構25d〜25fの開閉(切替)によってメインチューブ27bを流動する空気がメインチューブ27bから第4〜第6サブチューブ28d〜28fのいずれかに流入する。
なお、弁機構25a〜25f(バルブ)を閉鎖することで、メインチューブ27a,27bからそれらサブチューブ28a〜28fへの空気の流入が停止する。なお、貯蔵袋の数は6つに制限されず、7つ以上の貯蔵袋が機体本体11の内部に収容(内蔵)されていてもよい。吸気ファン26aは、メインチューブ27aに設置され、メインチューブ27aからサブチューブ28a〜28cに空気を強制的に流入させる。吸気ファン26bは、メインチューブ27bに設置され、メインチューブ27bからサブチューブ28d〜28fに空気を強制的に流入させる。
弁機構25a〜25f(バルブ)や吸気ファン26a,26bは、その制御部がマルチコプター10Aのコントローラに接続されている。吸気ファン26a,26bが起動すると、マルチコプター10Aの上方に位置するサンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20から空気がパイプ15a,15bに流入し、空気がサンプリングパイプ15a,15bからメインチューブ27a,27bに流入するとともに、メインチューブ27a,27bからサブチューブ28a〜28fに流入し、サブチューブ28a〜28fからそれら貯蔵袋23a〜23fに流入する。空気は、第1貯蔵袋23a→第2貯蔵袋23b→第3貯蔵袋23c→第4貯蔵袋23d→第5貯蔵袋23e→第6貯蔵袋23fに順に貯蔵される。
風向風速センサー17は、マルチコプター10Aのコントローラに接続されている。風向風速センサー17は、ホバリング中のマルチコプター10Aの周囲の風向や風速を測定し、測定した風向や風速をマルチコプター10Aのコントローラに送信する。風向風速センサー17を取り付けた支持ロッド18は、機体本体11に回転可能に取り付けられ、機体本体11の上面14から上方へ直状に延びている。支持ロッド18は、モーター(図示せず)の駆動力によって自動で回転する場合、または、手動で回転させる場合がある。モーターは、その制御部がマルチコプター10Aのコントローラに接続されている。なお、支持ロッド18が機体本体11に回転不能に取り付けられていてもよい。
支持ロッド18は、図2〜図4に矢印Mで示すように、上下方向へ伸縮する。支持ロッド18は、リニアモーター(図示せず)の駆動力によって自動で伸縮する場合、または、手動で伸縮させる場合がある。リニアモーターは、その制御部がマルチコプター10Aのコントローラに接続されている。支持ロッド18は、上下方向へ伸縮することで、その上下方向の長さ寸法を変更することができる。なお、支持ロッド18が上下方向へ伸縮不能であってもよい。マルチコプター10Aのホバリング中におけるローター13の回転による気流の流れを解析した結果を勘案し、ホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による気流の影響を受けることがない風向風速センサー17の位置を機体本体11の上面14から上方へ80cm以上(好ましくは、80cm以上であって120cm以下)にしている。したがって、支持ロッド18が収縮(縮小)したときのロッド18の上下方向の最短の長さ寸法(支持ロッド18が上下方向へ伸縮不能である場合、ロッド18の上下方向の最短の長さ寸法)は、80cm以上であり、好ましくは、80cm以上であって120cm以下である。
図6は、マルチコプター10Aを利用した空気のサンプリングの一例を示す図である。図6では、サンプリングパイプ15a,15bおよび支持ロッド18(風向風速センサー17)の図示を省略している。なお、マルチコプター10Aは、図2のサンプリングパイプ15a,15bを備え、自動航行システムによる自動自立飛行を行う(図7〜図10、図13、図14、図17、図18、図19の説明において同じ)。サンプリングパイプ15a,15bを自動または手動で伸張(伸縮)させることで、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20がホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Aの上方空間(マルチコプター10Aの上面14から上方へ離間した位置)に位置するように、サンプリングパイプ15a,15bの長さ寸法(たとえば、80cm)が調節されている(図7〜図10、図13、図14、図17、図18、図19の説明において同じ)。
支持ロッド18を自動または手動で伸張(伸縮)させることで、ロッド18の頂部16に取り付けられた風向風速センサー17がホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Aの上方空間(マルチコプター10Aの上面14から上方へ離間した位置)に位置するように、ロッド18の長さ寸法(たとえば、80cm)が調節されている(図7〜図10、図13、図14、図17、図18、図19の説明において同じ)。なお、サンプリングパイプ15a,15bや支持ロッド18の長さ寸法を空中(飛行中)に変更し、それらの長さ寸法を調節することもできる。
マルチコプター10Aを利用した空気のサンプリング手順の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、マップ上に複数の飛行経由地点(垂直方向の各地点)および着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(上昇速度または降下速度)や空気収容量(m2/min)、空気収容順序(第1サンプリング箇所29a(第1貯蔵袋23a)→第2サンプリング箇所29b(第2貯蔵袋23b)→第3サンプリング箇所29c(第3貯蔵袋23c)→第4サンプリング箇所29d(第4貯蔵袋23d)→第5サンプリング箇所29e(第5貯蔵袋23e)→第6サンプリング箇所29f(第6貯蔵袋23f))、第1サンプリン グ箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの高度等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
図6に示すサンプリングでは、離陸地点と着陸地点とが同一であり、飛行経由地点が離陸地点から垂直方向へ上昇した第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fである。第1サンプリング箇所29aは、離陸地点から垂直方向へ25m上昇した高度25m地点(第1高度)であり、第2サンプリング箇所29bは、離陸地点から垂直方向へ50m上昇(第1サンプリング箇所29aから垂直方向へ25m上昇)した高度50m地点(第2高度)である。
第3サンプリング箇所29cは、離陸地点から垂直方向へ75m上昇(第2サンプリング箇所29bから垂直方向へ25m上昇)した高度75m地点(第3高度)であり、第4サンプリング箇所29dは、離陸地点から垂直方向へ100m上昇(第3サンプリング箇所29cから垂直方向へ25m上昇)した高度100m地点(第4高度)である。第5サンプリング箇所29eは、離陸地点から垂直方向へ125m上昇(第4サンプリング箇所29dから垂直方向へ25m上昇)した高度125m地点(第5高度)であり、第6サンプリング箇所29fは、離陸地点から垂直方向へ150m上昇(第5サンプリング箇所29eから垂直方向へ25m上昇)した高度150m地点(第n高度)である。なお、サンプリング箇所は6箇所に限定されず、6箇所未満または7箇所以上のサンプリング箇所を設定することができる。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(サンプリング開始)が自動航行システムからマルチコプター10Aのコントローラに送信されると、マルチコプター10Aは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から垂直方向へ次第に上昇し、第1サンプリング箇所29a(高度25m地点)まで上昇する。第1サンプリング箇所29aまで上昇したマルチコプター10aは、第1サンプリング箇所29aにおいてホバリングを行う。風向風速センサー17は、第1サンプリング箇所29aの風向および風速を測定し、風向および風速をマルチコプター10Aのコントローラに送信する。
マルチコプター10Aのコントローラは、風向風速センサー17から送信された風向および風速に基づいて第1サンプリング箇所29aの風向を割り出し、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、サンプリングパイプ15a,15bを回転させ、頂部採取口20を風上に向ける。なお、サンプリングパイプ15a,15bが回転不能である場合、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Aを水平方向へ旋回させ、頂部採取口20を風上に向ける。
次に、マルチコプター10Aのコントローラは、吸気ファン26aを起動させ、頂部採取口20からサンプリングパイプ15aに空気(第1サンプリング箇所29a(高度25m)の空気)を流入させるとともに(空気採取手段、空気採取工程)、弁機構25aを開放し、第1チューブ24aを通して空気を第1サブチューブ28aから第1貯蔵袋23aに流入させる(空気貯蔵手段、空気貯蔵工程)。第1貯蔵袋23aに設定量の空気が貯蔵された後、弁機構25aを閉鎖し、吸気ファン26aを停止して第1貯蔵袋23aへの空気の流入を停止させる。
第1サンプリング箇所29aにおいて空気のサンプリングが終了した後、マルチコプター10Aは、第1サンプリング箇所29aから垂直方向へ次第に上昇し、第2サンプリング箇所29b(高度50m地点)まで上昇する。第2サンプリング箇所29bまで上昇したマルチコプター10Aは、第2サンプリング箇所29bにおいてホバリングを行う。風向風速センサー17は、第2サンプリング箇所29bの風向および風速を測定し、風向および風速をマルチコプター10Aのコントローラに送信する。
マルチコプター10Aのコントローラは、風向風速センサー17から転送された風向および風速に基づいて第2サンプリング箇所29bの風向を割り出し、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、サンプリングパイプ15a,15bを回転させ、頂部採取口20を風上に向ける。または、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Aを水平方向へ旋回させ、頂部採取口20を風上に向ける。
次に、マルチコプター10Aのコントローラは、吸気ファン26aを起動させ、頂部採取口20からサンプリングパイプ15aに空気(第2サンプリング箇所29b(高度50m)の空気)を流入させるとともに(空気採取手段、空気採取工程)、弁機構25bを開放し、第1チューブ24aを通して空気を第2サブチューブ28bから第2貯蔵袋23bに流入させる(空気貯蔵手段、空気貯蔵工程)。第2貯蔵袋23bに設定量の空気が貯蔵された後、弁機構25bを閉鎖し、吸気ファン26bを停止して第1貯蔵袋23bへの空気の流入を停止させる。
同様の手順で、第3サンプリング箇所29c(高度75m)の空気を第3貯蔵袋23cに貯蔵し、第4サンプリング箇所29d(高度100m)の空気を第4貯蔵袋23dに貯蔵し、第5サンプリング箇所29e(高度125m)の空気を第5貯蔵袋23eに貯蔵するとともに、第6サンプリング箇所29f(高度150m)の空気を第6貯蔵袋23fに貯蔵する。なお、第4〜第6サンプリング箇所29d〜29fでは、サンプリングパイプ15bと第2チューブ24bと第4〜第6サブチューブ28d〜38fとを介して空気が第4〜第6貯蔵袋23d〜23fに貯蔵される。第6サンプリング箇所29fの空気のサンプリングが終了すると、マルチコプター10Aは、第6サンプリング箇所29fから垂直方向へ次第に降下し、離陸地点(目的地)に着陸する。着陸したマルチコプター10Aの機体本体11から第1〜第6貯蔵袋23a〜23fを取り出し、それら貯蔵袋23a〜23fに貯蔵された空気の成分を分析する。
なお、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Aを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、操縦者がプロポによってマルチコプター10Aを第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fに向かって垂直方向へ順に上昇(飛行)させ、コントロールシステムの指示に従って第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの空気を第1〜第6貯蔵袋23a〜23fに収容する。また、第1サンプリング箇所29aを離陸地点から150m上昇した高度150m地点に設定し、第6サンプリング箇所29fを離陸地点から25m上昇した高度25m地点に設定した場合、マルチコプター10Aが第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fに向かって垂直方向へ順に降下(飛行)し、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの空気を第1〜第6貯蔵袋23a〜23fに収容する。
マルチコプター10Aおよびマルチコプター10Aを利用した大気環境測定方法は、マルチコプター10Aの機体本体11の上面14から上方へ延びるサンプリングパイプ15a,15bを利用して上空の空気を採取するから、ホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Aの上方空間において空気を採取することができ、離陸地点から垂直方向へ段階的に上昇または降下させた第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29f(第1高度〜第n高度)においてホバリングするマルチコプター10Aを利用し、自然の気象条件による上空の空気のサンプリングを行うことができる。
大気環境測定方法は、マルチコプター10Aを第1サンプリング箇所29a(第1高度)から垂直方向へ段階的に上昇または降下させ、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29f(第1高度〜第n高度)においてホバリング状態のマルチコプター10Aを利用して空気を採取することができるから、マルチコプター10Aを利用することで、空中における垂直方向の複数個所において空気のサンプリングを短時間に行うことができる。
図7は、マルチコプター10Aを利用した空気のサンプリングの他の一例を示す図であり、図8は、図7のマルチコプター10Aを上方から見た図である。図7,8では、サンプリングパイプ15a,15bおよび支持ロッド18(風向風速センサー17)の図示を省略している。自動航行システムにおいて、マップ上に飛行経由地点(三次元方向の各地点)および着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(上昇速度または降下速度)、空気収容量(m2/min)、空気収容順序(第1サンプリング箇所29a(第1貯蔵袋23a)→第2サンプリング箇所29b(第2貯蔵袋23b)→第3サンプリング箇所29c(第3貯蔵袋23c)→第4サンプリング箇所29d(第4貯蔵袋23d)→第5サンプリング箇所29e(第5貯蔵袋23e)→第6サンプリング箇所29f(第6貯蔵袋23f))、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの高度等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
図7,8に示すサンプリングでは、飛行経由地点が離陸地点から三次元方向へ上昇した第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fである。第1サンプリング箇所29aは、離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ25m上昇した高度25m地点(第1高度)であり、第2サンプリング箇所29bは、離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ50m上昇(第1サンプリング箇所29aから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ25m上昇)した高度50m地点(第2高度)である。
第3サンプリング箇所29cは、離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ75m上昇(第2サンプリング箇所29bから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ25m上昇)した高度75m地点(第3高度)であり、第4サンプリング箇所29dは、離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ100m上昇(第3サンプリング箇所29cから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ25m上昇)した高度100m地点(第4高度)である。第5サンプリング箇所29eは、離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ125m上昇(第4サンプリング箇所29dから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ25m上昇)した高度125m地点(第5高度)であり、第6サンプリング箇所29fは、離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ150m上昇(第5サンプリング箇所29eから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ25m上昇)した高度150m地点(第n高度)である。
飛行指示(サンプリング開始)が自動航行システムからマルチコプター10Aのコントローラに送信されると、マルチコプター10Aは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から三次元方向(斜め上方)へ次第に移動しつつ上昇し、第1サンプリング箇所29a(高度25m地点)まで上昇する。第1サンプリング箇所29aまで上昇したマルチコプター10Aは、第1サンプリング箇所29aにおいてホバリングを行う。第1サンプリング箇所29aにおける第1貯蔵袋23aへの空気のサンプリング手順は、図6に示す空気のサンプリング手順と同一である。
第1サンプリング箇所29aにおいて空気のサンプリングが終了した後、マルチコプター10Aは、第1サンプリング箇所29aから三次元方向(斜め上方)へ次第に移動しつつ上昇し、第2サンプリング箇所29b(高度50m地点)まで上昇する。第2サンプリング箇所29bまで上昇したマルチコプター10Aは、第2サンプリング箇所29b
においてホバリングを行う。第2サンプリング箇所29bにおける第2貯蔵袋23bへの空気のサンプリング手順は、図6に示す空気のサンプリング手順と同一である。
第2サンプリング箇所29bから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ上昇し、第3サンプリング箇所29c(高度75m)の空気を第3貯蔵袋23cに貯蔵し、第3サンプリング箇所29cから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ上昇し、第4サンプリング箇所29d(高度100m)の空気を第4貯蔵袋23dに貯蔵する。第4サンプリング箇所29dから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ上昇し、第5サンプリング箇所29e(高度125m)の空気を第5貯蔵袋23eに貯蔵し、第5サンプリング箇所29eから三次元方向(斜め上方)へ移動しつつ上昇し、第6サンプリング箇所29f(高度150m)の空気を第6貯蔵袋23fに貯蔵する。第6サンプリング箇所29fの空気のサンプリングが終了すると、マルチコプター10Aは、第6サンプリング箇所29dから次第に降下し、着陸地点(目的地)に着陸する。着陸したマルチコプター10Aの機体本体11から第1〜第6貯蔵袋23a〜23fを取り出し、それら貯蔵袋23a〜23fに貯蔵された空気の成分を分析する。
なお、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Aを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、操縦者がプロポによってマルチコプター10Aを第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fに向かって三次元方向(斜め上方)へ順に移動させつつ上昇(飛行)させ、コントロールシステムの指示に従って第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの空気を第1〜第6貯蔵袋23a〜23fに収容する。また、第1サンプリング箇所29aを離陸地点から150m上昇した高度150m地点に設定し、第6サンプリング箇所29fを離陸地点から25m上昇した高度25m地点に設定した場合、マルチコプター10Aが第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fに向かって三次元方向(斜め上方)へ順に移動しつつ降下(飛行)し、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの空気を第1〜第6貯蔵袋23a〜23fに収容する。
マルチコプター10Aおよびマルチコプター10Aを利用した大気環境測定方法は、マルチコプター10aの機体本体11の上面14から上方へ延びるサンプリングパイプ15a,15bを利用して上空の空気を採取するから、ホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Aの上方空間において空気を採取することができ、離陸地点から三次元方向(斜め上方または斜め下方)へ段階的に上昇または降下させた第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29f(第1高度〜第n高度)においてホバリングするマルチコプター10aを利用し、自然の気象条件による上空の空気のサンプリングを行うことができる。
大気環境測定方法は、マルチコプター10Aを第1サンプリング箇所29a(第1高度)から三次元方向(斜め上方)へ段階的に移動させつつ上昇または降下させ、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29f(第1高度〜第n高度)においてホバリング状態のマルチコプター10aを利用して空気を採取することができるから、マルチコプター10aを利用することで、空中における三次元方向(斜め上方または斜め下方)の複数個所において空気のサンプリングを短時間に行うことができる。
図9は、マルチコプター10Aを利用した空気のサンプリングの他の一例を示す図であり、図10は、図9のマルチコプター10Aを上方から見た図である。図9,10では、サンプリングパイプ15a,15bおよび支持ロッド18(風向風速センサー17)の図示を省略している。自動航行システムにおいて、マップ上に飛行経由地点(水平方向の各地点)および着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(飛行速度)、空気収容量(m2/min)、空気収容順序(第1サンプリング箇所29a(第1貯蔵袋23a)→第2サンプリング箇所29b(第2貯蔵袋23b)→第3サンプリング箇所29c(第3貯蔵袋23c)→第4サンプリング箇所29d(第4貯蔵袋23d)→第5サンプリング箇所29e(第5貯蔵袋23e)→第6サンプリング箇所29f(第6貯蔵袋23f))、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの高度等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
図9,10に示すサンプリングでは、飛行経由地点が所定高度から水平方向へ移動(飛行)した第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fである。第1サンプリング箇所29aは、離陸地点から上方(垂直方向または三次元方向)へ50m上昇した高度50mの第1地点(第1上空)であり、第2サンプリング箇所29bは、第1サンプリング箇所29aから水平方向へ25m移動した高度50mの第2地点(第2高度)である。
第3サンプリング箇所29cは、第2サンプリング箇所29bから水平方向へ25m移動した高度50mの第3地点(第3高度)であり、第4サンプリング箇所29dは、第3サンプリング箇所29cから水平方向へ25m移動した高度50mの第4地点(第4高度)である。第5サンプリング箇所29eは、第4サンプリング箇所29dから水平方向へ25m移動した高度50mの第5地点(第5高度)であり、第6サンプリング箇所29fは、第5サンプリング箇所29eから水平方向へ25m移動した高度50mの第6地点(第6高度)である。
飛行指示(サンプリング開始)が自動航行システムからマルチコプター10Aのコントローラに送信されると、マルチコプター10Aは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から上方(垂直方向または三次元方向)へ次第に上昇し、第1サンプリング箇所29a(高度50mの第1地点)まで上昇する。第1サンプリング箇所29aまで上昇したマルチコプター10Aは、第1サンプリング箇所29aにおいてホバリングを行う。第1サンプリング箇所29aにおける第1貯蔵袋23aへの空気のサンプリング手順は、図6に示す空気のサンプリング手順と同一である。
第1サンプリング箇所29aにおいて空気のサンプリングが終了した後、マルチコプター10Aは、第1サンプリング箇所29aから水平方向へ次第に移動し、第2サンプリング箇所29b(高度50mの第2地点)まで移動(飛行)する。第2サンプリング箇所29bまで移動(飛行)したマルチコプター10Aは、第2サンプリング箇所29bにおいてホバリングを行う。第2サンプリング箇所29bにおける第2貯蔵袋23bへの空気のサンプリング手順は、図6に示す空気のサンプリング手順と同一である。
第2サンプリング箇所29bから水平方向へ移動(飛行)し、第3サンプリング箇所29c(高度50mの第3地点)の空気を第3貯蔵袋23cに貯蔵し、第3サンプリング箇所29cから水平方向へ移動(飛行)し、第4サンプリング箇所29d(高度50mの第4地点)の空気を第4貯蔵袋23dに貯蔵する。第4サンプリング箇所29dから水平方向へ移動(飛行)し、第5サンプリング箇所29e(高度50mの第5地点)の空気を第5貯蔵袋23eに貯蔵し、第5サンプリング箇所29eから水平方向へ移動(飛行)し、第6サンプリング箇所29f(高度50mの第6地点)の空気を第6貯蔵袋23fに貯蔵する。第6サンプリング箇所29fの空気のサンプリングが終了すると、マルチコプター10Aは、第6サンプリング箇所29fから次第に降下し、着陸地点(目的地)に着陸する。着陸したマルチコプター10Aの機体本体11から第1〜第6貯蔵袋23a〜23fを取り出し、それら貯蔵袋23a〜23fに貯蔵された空気の成分を分析する。
なお、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Aを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、操縦者がプロポによってマルチコプター10Aを第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fに向かって水平方向へ順に移動(飛行)させ、コントロールシステムの指示に従って第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29fの空気を第1〜第6貯蔵袋23a〜23fに収容する。
マルチコプター10Aおよびマルチコプター10Aを利用した大気環境測定方法は、マルチコプター10Aの機体本体11の上面14から上方へ延びるサンプリングパイプ15a,15bを利用して上空の空気を採取するから、ホバリング中のマルチコプター15Aのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Aの上方空間において空気を採取することができ、第1上空から水平方向へ移動(飛行)させた第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29f(第1上空〜第n上空)においてホバリングするマルチコプター10Aを利用し、自然の気象条件による上空の空気のサンプリングを行うことができる。
大気環境測定方法は、マルチコプターを第1サンプリング箇所29a(第1上空)から水平方向へ移動(飛行)させ、第1サンプリング箇所29a〜第6サンプリング箇所29f(第1上空〜第n上空)においてホバリング状態のマルチコプター10Aを利用して空気を採取することができるから、マルチコプター10Aを利用することで、空中における水平方向の複数個所において空気のサンプリングを短時間に行うことができる。
図11は、他の一例として示すマルチコプター10Bの正面図であり、図12は、成分測定手段(成分測定工程)の一例を示す図である。図11のマルチコプター10Bが図1のそれと異なるところは、機体本体11の内部に上空の空気に含まれる成分を測定する成分測定手段が設置されている点にあり、その他の構成は図1のマルチコプター10Aのそれらと同一であるから、図1の説明を援用するとともに図1と同一の符号を付すことで、このマルチコプター10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
マルチコプター10Bは、機体本体11と、機体本体11から延びる4本のローターアーム12と、それらローターアーム12に取り付けられたローター13(回転翼)とを備えている。マルチコプター10Bの機体本体11の上面14には、上空の空気を採取する2本のサンプリングパイプ15a,15bが設置され、頂部16に風向風速センサー17(超音波風向風速センサー)を取り付けた支持ロッド18が設置されている。サンプリングパイプ15a,15bや支持ロッド18、風向風速センサー17は、図1のマルチコプター10Aのそれらと同一である。サンプリングパイプ15a,15bや支持ロッド18は、上下方向へ延びる中心軸を中心として水平方向へ回転可能であり、上下方向へ伸縮可能である。
なお、サンプリングパイプ15a,15bや支持ロッド18が回転不能または上下方向へ伸縮不能であってもよい。マルチコプター10Bのホバリング中におけるローター13の回転による気流の流れを解析した結果を勘案し、ホバリング中のマルチコプター10Bのローター13の回転による気流の影響を受けることがない頂部採取口20および風向風速センサー17の位置を機体本体11の上面14から上方へ80cm以上(好ましくは、80cm以上であって120cm以下)にしている。したがって、サンプリングパイプ15a,15bや支持ロッド18が収縮(縮小)したときのパイプ15a,15bやロッド18の上下方向の最短の長さ寸法(サンプリングパイプ15a,15bや支持ロッド18が上下方向へ伸縮不能である場合、パイプ15a,15bやロッド18の上下方向の最短の長さ寸法)は、80cm以上であり、好ましくは、80cm以上であって120cm以下である。
マルチコプター10Bは、成分測定手段を有する。成分測定手段では、上空の空気に含まれる微少粒子状物質およびエアロゾルの測定や上空の空気に含まれる有害大気汚染物質、上空の空気に含まれる放射性物質の測定が行われる。成分測定手段は、図12に示すように、機体本体11の内部に収容(内蔵)された2つの第1および第2センサー30a,30bと、合成樹脂から作られたフレキシブルな第1および第2チューブ24a,24bと、第1および第2弁機構25a,25b(バルブ)および第1および第2吸気ファン26a,26bとから形成されている。
第1チューブ24aは、一方のサンプリングパイプ15aの下端連結部19につながり、機器本体11の下面31に接続されている。なお、サンプリングパイプ15aの頂部22には、微粒子・エアロゾル分級装置(分級ノズル)(図示せず)が設置されている。第1センサー30aは、第1チューブ24aに設置され、微少粒子状物質およびエアロゾルの測定、上空の空気に含まれる有害大気汚染物質の測定、上空の空気に含まれる放射性物質の測定のうちの1つを担当する。第1吸気ファン26aと第1弁機構25a(バルブ)とは、第1チューブ24aの下半分に設置されている。第1吸気ファン26aは、第1チューブ24aに空気を強制的に流入させる。第1弁機構25a(バルブ)の開閉(切替)によって第1チューブ24aへの空気の流入がON/OFFされる。
第2チューブ24bは、他方のサンプリングパイプ15bの下端連結部19につながり、機器本体11の下面31に接続されている。サンプリングパイプ15bの頂部22には、微粒子・エアロゾル分級装置(分級ノズル)(図示せず)が設置されている。第2センサー30bは、第2チューブ24bに連結され、微少粒子状物質およびエアロゾルの測定、上空の空気に含まれる有害大気汚染物質の測定、上空の空気に含まれる放射性物質の測定のうちの第1センサー30aとは異なる他の1つを担当する。第2吸気ファン26bと第2弁機構25b(バルブ)とは、第2チューブ24bの下半分に設置されている。第2吸気ファン26bは、第2チューブ24bに空気を強制的に流入させる。第2弁機構25b(バルブ)の開閉(切替)によって第2チューブ24bへの空気の流入がON/OFFされる。
第1および第2弁機構25a,25b(バルブ)の制御部や第1および第2吸気ファン26a,26bの制御部は、マルチコプター10Bのコントローラに接続されている。それら吸気ファン26a,26bが起動すると、マルチコプター10Aの上方に位置するサンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20から空気がパイプ15a,15bに流入し、空気がサンプリングパイプ15a,15bから第1および第2チューブ24aA,24bに流入し、第1および第2センサー30a,30bによって空気に含まれる微少粒子状物質やエアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質が測定される。第1および第2センサー30a,30bによって測定された測定結果(測定値)は、マルチコプター10Bのコントローラに送信される。
マルチコプター10Bのコントローラは、飛行記録の他、測定結果(測定値)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、測定結果(測定値)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上のコントロールシステムや自動航行システムにリアルタイムで送信する。コントロールシステムや自動航行システムは、マルチコプター10Bのコントローラから受信した測定結果(測定値)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。
なお、微少粒子状物質を測定する第1および第2センサー30a,30bには、光散乱方式によってPM2.5を測定するPM2.5環境測定器、光散乱方式によって0.001〜10.000mg/m3の粒子を測定する粉塵計、0.1μm〜10.0μmの粒径の浮遊粒子を測定する空中浮遊粒子測定器等が使用される。
エアロゾル(放射性エアロゾルを含む)を測定する第1および第2センサー30a,30bには、パーティクルカウンターや凝縮粒子カウンター等のエアロゾル測定(分析)装置が使用される。有害大気汚染物質を測定する第1および第2センサー30a,30bには、微少粒子状物質の測定に使用される機器の他に、燃焼排ガスを測定する排ガス分析計、有機化学物質を測定するVOC測定器、ホルムアルデヒドを測定するホルムアルデヒド測定器、粉塵濃度やCO濃度、CO2濃度を測定する空気質測定器等が使用される。放射性物質(放射線量)を測定する第1および第2センサー30a,30bには、各種の放射線測定器や線量計が使用される。
図13は、マルチコプターを利用した空気の成分測定の一例を示す図であり、図14は、図13のマルチコプターを上方から見た図である。図13,14では、サンプリングパイプ15a,15bおよび支持ロッド18(風向風速センサー17)の図示を省略している。なお、第1センサー30aが微少粒子状物質やエアロゾル、有害大気汚染物質の測定を行い、第2センサー30bが放射性物質の測定を行うものとする。
マルチコプター10Bを利用した空気の成分測定の手順の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、マップ上に飛行経由地点(三次元方向の各地点)および着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(上昇速度または降下速度)、空気流入量(m2/min)、成分測定順序(第1測定箇所32a→第2測定箇所32b→第3測定箇所32c→第4測定箇所32d→第5測定箇所32e→第6測定箇所32f、第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fの高度等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
図13,14に示す成分測定では、飛行経由地点が離陸地点から三次元方向へ上昇した第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fである。第1測定箇所32aは、離陸地点から三次元方向へ25m螺旋状に上昇した高度25m地点(第1高度)であり、第2測定箇所32bは、離陸地点から三次元方向へ50m螺旋状に上昇(第1測定箇所32aから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度50m地点(第2高度)である。
第3測定箇所32cは、離陸地点から三次元方向へ75m螺旋状に上昇(第2測定箇所32bから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度75m地点(第3高度)であり、第4測定箇所32dは、離陸地点から三次元方向へ100m螺旋状に上昇(第3測定箇所32cから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度100m地点(第4高度)である。第5測定箇所32eは、離陸地点から三次元方向へ125m螺旋状に上昇(第4測定箇所32dから三次元方向へ移動しつつ25m螺旋状に上昇)した高度125m地点(第5高度)であり、第6測定箇所32fは、離陸地点から三次元方向へ150m螺旋状に上昇(第5測定箇所32eから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度150m地点(第n高度)である。なお、測定箇所は6箇所に限定されず、6箇所未満または7箇所以上の測定箇所を設定することができる。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(成分測定開始)が自動航行システムからマルチコプター10Bのコントローラに送信されると、マルチコプター10Bは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から三次元方向へ螺旋状に次第に上昇し、第1測定箇所32a(高度25m地点)まで上昇する。第1測定箇所32aまで上昇したマルチコプター10Bは、第1測定箇所32aにおいてホバリングを行う。風向風速センサー17は、第1測定箇所32aの風向および風速を測定し、風向および風速をマルチコプター10Bのコントローラに送信する。
マルチコプター10Bのコントローラは、風向風速センサー17から送信された風向および風速に基づいて第1測定箇所32aの風向を割り出し、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、サンプリングパイプ15a,15bを回転させ、頂部採取口20を風上に向ける。なお、サンプリングパイプ15a,15bが回転不能である場合、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Bを水平方向へ旋回させ、頂部採取口20を風上に向ける。次に、マルチコプター10Bのコントローラは、第1および第2弁機構25a,25bを開放するとともに第1および第2吸気ファン26a,26bを起動させ、頂部採取口20からサンプリングパイプ15a,15bに空気(第1測定箇所(高度25m)の空気)を流入させる(空気採取手段、空気採取工程)。
サンプリングパイプ15a,15bに流入した第1測定箇所32aの空気は、第1および第2チューブ24a,24bに流入し、第1センサー30aによって空気に含まれる微少粒子状物質やエアロゾル、有害大気汚染物質が測定され(成分測定手段、成分測定工程)、第2センサー30bによって空気に含まれる放射性物質(線量等)が測定される(成分測定手段、成分測定工程)。第1および第2チューブ24a,24bを通った空気は、機体本体11の下面31から大気に放出される。
第1測定箇所32aにおける測定結果(測定値、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、第1および第2センサー30a,30bからマルチコプター10Bのコントローラに送信され、マルチコプター10Bのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Bのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。マルチコプター10Bのコントローラは、第1および第2センサー30a,30bによって第1測定箇所32aの成分測定が行われた後、第1および第2弁機構25a,25bを閉鎖し、第1および第2吸気ファン26a,26bを停止してサンプリングパイプ15a,15bへの空気の流入を停止させる。
第1測定箇所32aにおいて空気の成分測定が終了した後、マルチコプター10Bは、第1測定箇所32aから三次元方向へ螺旋状に次第に上昇し、第2測定箇所32b(高度50m地点)まで上昇する。第2測定箇所32bまで上昇したマルチコプター10Bは、第2測定箇所32bにおいてホバリングを行う。風向風速センサー17は、第2測定箇所32bの風向および風速を測定し、風向および風速をマルチコプター10Bのコントローラに送信する。
マルチコプター10Bのコントローラは、風向風速センサー17から送信された風向および風速に基づいて第2測定箇所32bの風向を割り出し、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、サンプリングパイプ15a,15bを回転させ、頂部採取口20を風上に向ける。または、サンプリングパイプ15a,15bの頂部採取口20が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Bを水平方向へ旋回させ、頂部採取口20を風上に向ける。次に、マルチコプター10Bのコントローラは、第1および第2弁機構25a,25bを開放するとともに第1および第2吸気ファン26a,26bを起動させ、頂部採取口20からサンプリングパイプ15a,15bに空気(第2測定箇所32b(高度50m)の空気)を流入させる(空気採取手段、空気採取工程)。
サンプリングパイプ15a,15bに流入した第2測定箇所32bの空気は、第1および第2チューブ24a,24bに流入し、第1センサー30aによって空気に含まれる微少粒子状物質やエアロゾル、有害大気汚染物質が測定され(成分測定手段、成分測定工程)、第2センサー30bによって空気に含まれる放射性物質(線量等)が測定される(成分測定手段、成分測定工程)。第1および第2チューブ24a,24bを通った空気は、機体本体11の下面31から大気に放出される。
第2測定箇所における測定結果(測定値、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、第1および第2センサー30a,30bからマルチコプター10Bのコントローラに送信され、マルチコプター10Bのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Bのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。マルチコプター10Bのコントローラは、第1および第2センサー30a,30bによって第2測定箇所32bの成分測定が行われた後、第1および第2弁機構25a,25bを閉鎖し、第1および第2吸気ファン26a,26bを停止してサンプリングパイプ15a,15bへの空気の流入を停止させる。
同様の手順で、第2測定箇所32bから三次元方向へ螺旋状に上昇して第3測定箇所32c(高度75m地点)まで移動(飛行)し、第3測定箇所32cにおける空気を採取しつつその空気の成分を測定し、第3測定箇所32cから三次元方向へ螺旋状に上昇して第4測定箇所32d(高度100m地点)まで移動(飛行)し、第4測定箇所32dにおける空気を採取しつつその空気の成分を測定する。第4測定箇所32dから三次元方向へ螺旋状に上昇して第5測定箇所32e(高度125m地点)まで移動(飛行)し、第5測定箇所32eにおける空気を採取しつつその空気の成分を測定し、第5測定箇所32eから三次元方向へ螺旋状に上昇して第6測定箇所32f(高度150m地点)まで移動(飛行)し、第6測定箇所32fにおける空気を採取しつつその空気の成分を測定する。第6測定箇所32fにおいて空気の成分を測定した後、第6測定箇所32fから降下し、離陸地点(目的地)に着陸する。
なお、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Bを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、操縦者がプロポによってマルチコプター10Bを第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fに向かって三次元方向へ螺旋状に順に上昇(飛行)させ、コントロールシステムの指示に従って第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fの空気の成分を測定する。また、第1測定箇所32aを離陸地点から150m上昇した高度150m地点に設定し、第6測定箇所32fを離陸地点から25m上昇した高度25m地点に設定した場合、マルチコプター10Bが第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fに向かって三次元方向へ螺旋状に順に降下(飛行)し、第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fの空気の成分を測定する。
マルチコプター10Bおよびマルチコプター10Bを利用した大気環境測定方法は、マルチコプター10Bの機体本体11の上面14から上方へ延びるサンプリングパイプ15a,15bを利用して上空の空気を採取するから、ホバリング中のマルチコプター10Bのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Bの上方空間において空気を採取することができ、離陸地点から三次元方向へ螺旋状に上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)においてホバリングするマルチコプター10Bを利用し、上空の空気に含まれる成分を自然の気象条件で測定(分析)することができる。
大気環境測定方法は、マルチコプター10Bを第1測定箇所32a(第1高度)から三次元方向へ螺旋状に上昇または降下させ、第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)におけるホバリング状態のマルチコプター10Bを利用して空気を採取することができるから、マルチコプター10Bを利用することで、空中における垂直方向の複数個所において上空の空気に含まれる成分の測定を短時間に効率よく行うことができる。
なお、上空の空気に含まれる成分測定(成分分析)が図6の垂直方向の第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fで行われる場合があり、この場合は、垂直方向へ上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)において上空の空気に含まれる成分を自然の気象条件で短時間に効率よく測定(分析)することができる。また、上空の空気に含まれる成分測定(成分分析)が図7,8の三次元方向(斜め上方)の第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fで行われる場合があり、この場合は、三次元方向(斜め上方)へ上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)において上空の空気に含まれる成分を自然の気象条件で短時間に効率よく測定(分析)することができる。さらに、上空の空気に含まれる成分測定(成分分析)が図9,10の所定高度の水平方向の第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fで行われる場合があり、この場合は、水平方向へ移動(飛行)させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)において上空の空気に含まれる成分を自然の気象条件で短時間に効率よく測定(分析)することができる。
図15は、他の一例として示すマルチコプター10Cの斜視図であり、図16は、図15のマルチコプター10Cの正面図である。図15,16のマルチコプター10Cが図1のそれと異なるところは、機体本体11の上面14にサンプリングパイプ15a,15bが取り付けられておらず、機体本体11の上面14に支持ロッド18が設置され、その支持ロッド18に気象センサー33が設置されている点にあり、その他の構成は図1のマルチコプター10Aのそれらと同一であるから、図1の説明を援用するとともに図1と同一の符号を付すことで、このマルチコプター10Cのその他の詳細な説明は省略する。
マルチコプター10Cは、機体本体11と、機体本体11から延びる4本のローターアーム12と、それらローターアーム12に取り付けられたローター13(回転翼)とを備えている。マルチコプター10Cの機体本体11の上面14には、気象センサー33を取り付けた支持ロッド18が設置されている。支持ロッド18は、図1のマルチコプター10Aのそれと同一であり、上下方向へ延びる中心軸を中心として水平方向へ回転可能、かつ、上下方向へ伸縮可能である。なお、支持ロッド18が回転不能または上下方向へ伸縮不能であってもよい。マルチコプター10Aのホバリング中におけるローター13の回転による気流の流れを解析した結果を勘案し、ホバリング中のマルチコプター10Aのローター13の回転による気流の影響を受けることがない気象センサー33の位置を機体本体11の上面14から上方へ80cm以上(好ましくは、80cm以上であって120cm以下)にしている。したがって、支持ロッド18が収縮(縮小)したときのロッド18の上下方向の最短の長さ寸法(支持ロッド18が上下方向へ伸縮不能である場合、ロッド18の上下方向の最短の長さ寸法)は、80cm以上であり、好ましくは、80cm以上であって120cm以下である。
マルチコプター10Cは、気象データ測定手段(気象データ測定工程)を有する。気象データ測定手段では、上空の風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量の測定が行われる。気象データ測定手段は、図16に示すように、支持ロッド18と、上空の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定する気象センサー33とから形成されている。気象センサー33は、支持ロッド18の頂部16に設置され、ホバリング中のマルチコプター10Cのローターの回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間(マルチコプター10Cの上面14から上方へ離間した位置)に位置している。
気象センサー33は、マルチコプター10Cのコントローラに接続され、測定した気象データをマルチコプター10Cのコントローラに送信する。マルチコプター10Cのコントローラは、飛行記録の他、気象データの測定結果(測定値)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、測定結果(測定値)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上のコントロールシステムや自動航行システムにリアルタイムで送信する。コントロールシステムや自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データの測定結果(測定値)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。
図17は、マルチコプターを利用した気象データ測定の一例を示す図であり、図18は、図17の気象データ測定の補足図である。図18では、支持ロッド18(気象センサー33)の図示を省略している。マルチコプター10Cを利用した気象データ測定の一例を説明すると、以下のとおりである。図17の気象データ測定は、複数台のマルチコプター10Cを利用して東京23区の各気象データの測定を行う。それらマルチコプター10Cは、東京23区の各区内の各離着陸スペースに配置されている。
自動航行システムにおいて、マップ上に東京23区における気象データの気象データ測定地点および着陸地点(目的地)を入力し、上昇速度、目標高度、測定時間、気象データ測定順序(気象データ第1測定箇所34a→気象データ第2測定箇所34b)を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。図17に示す気象データ測定では、東京23区の各離着陸スペースから垂直方向へ50m上昇した気象データ第1測定箇所34aと、気象データ第1測定箇所34aから垂直方向へ50m上昇した気象データ第2測定箇所34bとにおいて気象データの測定が行われる。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(気象データ測定開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、それらマルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離着陸スペースから一斉に離陸し、離着陸スペースから垂直方向へ次第に上昇し、図18に示すように、気象データ第1測定箇所34a(高度50m地点)まで上昇する。気象データ第1測定箇所34aまで上昇したマルチコプター10Cは、気象データ第1測定箇所34aにおいてホバリングを行う。それらマルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第1測定箇所34aの風向を測定し、風向をマルチコプター10Cのコントローラに送信する。
マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー33から送信された風向に基づいて気象データ第1測定箇所34aの風向を割り出し、支持ロッド18に設置された気象センサー33が風上に向かうように、支持ロッド18を回転させ、気象センサー33を風上に向ける。なお、支持ロッド18が回転不能である場合、気象センサー33が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Cを水平方向へ旋回させ、気象センサー33を風上に向ける。それらマルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第1測定箇所34a(高度50m)の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を同一時刻に測定する(気象データ測定手段、気象データ測定工程)。
23区の気象データ第1測定箇所34aにおける気象データの測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、気象センサー33からマルチコプター10Cのコントローラに送信され、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。
気象センサー33によって気象データ第1測定箇所34aの気象データ測定が行われた後、それらマルチコプター10Cは、気象データ第1測定箇所34aから垂直方向へ次第に上昇し、図18に示すように、気象データ第2測定箇所34b(高度100m地点)まで上昇する。気象データ第2測定箇所34bまで上昇したマルチコプター10Cは、気象データ第2測定箇所34bにおいてホバリングを行う。それらマルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第2測定箇所34bの風向を測定し、風向をマルチコプター10Cのコントローラに送信する。
マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー33から送信された風向に基づいて気象データ第2測定箇所34bの風向を割り出し、支持ロッド18に設置された気象センサー33が風上に向かうように、支持ロッド18を回転させ、気象センサー33を風上に向ける。または、気象センサー33が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Cを水平方向へ旋回させ、気象センサー33を風上に向ける。それらマルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第2測定箇所34b(高度100m)の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を同一時刻に測定する(気象データ測定手段、気象データ測定工程)。
23区の気象データ第2測定箇所34bにおける気象データの測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、気象センサー33からマルチコプター10Cのコントローラに送信され、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。それらマルチコプター10Cは、気象センサー33によって気象データ第2測定箇所34bの気象データ測定が行われた後、気象データ第2測定箇所34bから降下し、離着陸スペース(目的地)に着陸する。
なお、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Cを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、各操縦者がプロポによってそれらマルチコプター10Cを東京23区の気象データ第1測定箇所34aと気象データ第2測定箇所34bとに向かって上昇させ、コントロールシステムの指示に従って気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データを測定する。また、気象データ第1測定箇所34aを離着陸スペースから100m上昇した高度100m地点に設定し、気象データ第2測定箇所34bを離着陸スペースから50m上昇した高度50m地点に設定した場合、マルチコプター10Cが気象データ第1測定箇所34aから気象データ第2測定箇所34bに向かって垂直方向へ降下(飛行)し、気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データを測定する。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、機体本体11の上面14から上方へ延びる支持ロッド18の頂部16に気象センサー33が設置され、ホバリング中のマルチコプター10Cのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間に気象センサー33が位置し、その気象センサー33を利用して上空の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定するから、ホバリング中のマルチコプター10Cのローター13の回転による風の影響を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間において気象データを測定することができ、ホバリング状態におけるマルチコプター10Cにおいて自然の気象条件による気象データの測定を正確に行うことができる。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、東京23区(各地域)の各離着陸スペースからそれらマルチコプター10Cを一斉に上昇させ、同一時刻における各区(各地域)の所定高度の気象データを測定するから、複数のマルチコプター10Cを利用することで各地域の気象データを一度に測定することができる。
なお、気象データの測定が図7,8の三次元方向(斜め上方または斜め下方)の第1測定箇所29a〜第6測定箇所29f(第1高度〜第n高度)で行われる場合があり、この場合は、三次元方向へ上昇または降下させた第1測定箇所29a〜第6測定箇所29fにおいて気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。また、気象データの測定が図9,10の所定高度の水平方向の第1測定箇所29a〜第6測定箇所29f(第1上空〜第n上空)で行われる場合があり、この場合は、水平方向へ移動(飛行)させた第1測定箇所29a〜第6測定箇所29fにおいて気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。
さらに、気象データの測定が図13,14の離陸地点から三次元方向へ螺旋状に上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)で行われる場合があり、この場合は、三次元方向へ螺旋状に上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fにおいて気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。
図19は、マルチコプター10Cを利用した気象データ測定の他の一例を示す図である。マルチコプター10Cを利用した気象データ測定の他の一例を説明すると、以下のとおりである。図19の気象データ測定は、所定の地域における各時間毎に各気象データの測定を行う。マルチコプター10Cは、所定の地域の離着陸スペースに配置されている。
自動航行システムにおいて、マップ上に東京23区における気象データの気象データ第1測定箇所34a(離陸地点)および気象データ第2測定箇所34b、着陸地点(目的地)を入力し、上昇速度、目標高度、測定時間(AM6:00、AM9:00、PM12:00、PM3:00、PM6:00等)、気象データ測定順序(気象データ第1測定箇所34a→気象データ第2測定箇所34b)を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。図19に示す気象データ測定では、所定の地域の各離着陸スペースから垂直方向へ50m上昇した気象データ第1測定箇所34aと、気象データ第1測定箇所34aから垂直方向へ50m上昇した気象データ第2測定箇所34bとにおいて所定の時間毎に気象データの測定が行われる。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(気象データ測定開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって測定時間(AM6:00)になると離着陸スペースから離陸し、離着陸スペースから垂直方向へ次第に上昇し、図19に示すように、気象データ第1測定箇所34a(高度50m地点)まで上昇する。気象データ第1測定箇所34aまで上昇したマルチコプター10Cは、気象データ第1測定箇所34aにおいてホバリングを行う。マルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第1測定箇所34aの風向を測定し、風向をマルチコプター10Cのコントローラに送信する。
マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー33から送信された風向に基づいて気象データ第1測定箇所34aの風向を割り出し、支持ロッド18に設置された気象センサー33が風上に向かうように、支持ロッド18を回転させ、気象センサーを風上に向ける。または、気象センサー33が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Cを水平方向へ旋回させ、気象センサー33を風上に向ける。マルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第1測定箇所34a(高度50m)の測定時間(AM6:00)における気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定する(気象データ測定手段、気象データ測定工程)。
気象データ第1測定箇所34aの測定時間(AM6:00)における気象データの測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、気象センサー33からマルチコプター10Cのコントローラに送信され、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。
気象センサー33によって気象データ第1測定箇所34aの測定時間(AM6:00)における気象データ測定が行われた後、それらマルチコプター10Cは、気象データ第1測定箇所34aから垂直方向へ次第に上昇し、図19に示すように、気象データ第2測定箇所34b(高度100m地点)まで上昇する。気象データ第2測定箇所34bまで上昇したマルチコプター10Cは、気象データ第2測定箇所34bにおいてホバリングを行う。マルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第2測定箇所34bの風向を測定し、風向をマルチコプター10Cのコントローラに送信する。
マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー33から送信された風向に基づいて気象データ第2測定箇所34bの風向を割り出し、支持ロッド18に設置された気象センサーが風上33に向かうように、支持ロッド18を回転させ、気象センサー33を風上に向ける。または、気象センサー33が風上に向かうように、ホバリング中のマルチコプター10Cを水平方向へ旋回させ、気象センサー33を風上に向ける。マルチコプター10Cの気象センサー33は、気象データ第2測定箇所34b(高度100m)の測定時間(AM6:00)における気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定する(気象データ測定手段、気象データ測定工程)。
気象データ第2測定箇所34bの測定時間(AM6:00)における気象データの測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、気象センサー33からマルチコプター10Cのコントローラに送信され、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。マルチコプター10Cは、気象センサー33によって気象データ第2測定箇所34bの測定時間(AM6:00)における気象データ測定が行われた後、気象データ第2測定箇所34bから降下し、離着陸スペース(目的地)に着陸する。
マルチコプター10Cは、再び測定時間(AM9:00)になると、離着陸スペースから離陸し、気象データ第1測定箇所34a(高度50m地点)まで上昇した後、気象データ第1測定箇所34aにおいてホバリングを行い、気象データ第1測定箇所34a(高度50m)の測定時間(AM9:00)における気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定する(気象データ測定手段、気象データ測定工程)。
気象データ第1測定箇所34aの測定時間(AM9:00)における気象データの測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、気象センサー33からマルチコプター10Cのコントローラに送信され、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。
気象センサー33によって気象データ第1測定箇所34aの測定時間(AM9:00)における気象データ測定が行われた後、マルチコプター10Cは、気象データ第2測定箇所34b(高度100m地点)まで上昇した後、気象データ第2測定箇所34bにおいてホバリングを行い、気象データ第2測定箇所34b(高度100m)の測定時間(AM9:00)における気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定する(気象データ測定手段、気象データ測定工程)。
気象データ第2測定箇所34bの測定時間(AM9:00)における気象データの測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量、飛行記録、時間情報、位置情報(座標情報)等)は、気象センサー33からマルチコプター10Cのコントローラに送信され、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラから地上の自動航行システムにリアルタイムで送信され、自動航行システムに記憶される。マルチコプター10Cは、気象センサー33によって気象データ第2測定箇所34bの測定時間(AM9:00)における気象データ測定が行われた後、気象データ第2測定箇所34bから降下し、離着陸スペース(目的地)に着陸する。
同様の手順で、測定時間(PM12:00)における気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データの測定が行われ、測定時間(PM3:00)における気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データの測定が行われるとともに、測定時間(PM6:00)における気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データの測定が行われる。
なお、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Cを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、各操縦者がプロポによってマルチコプター10Cを各測定時間において気象データ第1測定箇所34aと気象データ第2測定箇所34bとに向かって上昇させ、コントロールシステムの指示に従って気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データを測定する。また、気象データ第1測定箇所34aを離着陸スペースから100m上昇した高度100m地点に設定し、気象データ第2測定箇所34bを離着陸スペースから50m上昇した高度50m地点に設定した場合、マルチコプター10Cが気象データ第1測定箇所34aから気象データ第2測定箇所34bに向かって垂直方向へ降下(飛行)し、気象データ第1測定箇所34aおよび気象データ第2測定箇所34bの気象データを測定する。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、機体本体11の上面14から上方へ延びる支持ロッド18の頂部16に気象センサー33が設置され、ホバリング中のマルチコプター10Cのローター13の回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間に気象センサー33が位置し、その気象センサー33を利用して上空の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧、雨量)を測定するから、ホバリング中のマルチコプター10Cのローター13の回転による風の影響を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間において各測定時間毎における気象データを測定することができ、ホバリング状態におけるマルチコプター10Cにおいて自然の気象条件による各測定時間毎の気象データの測定を行うことができる。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、所定の地域の離着陸スペースからマルチコプター10Cを各測定時間に上昇させ、各測定時間毎における所定の地域の所定高度の気象データを測定するから、マルチコプター10Cを利用することで所定の地域の各測定時間毎の複数の気象データを測定することができる。
なお、気象データの各測定時間毎の測定が図7,8の三次元方向(斜め上方または下方)の第1測定箇所29a〜第6測定箇所29f(第1高度〜第n高度)で行われる場合があり、この場合は、三次元方向へ上昇または降下させた第1測定箇所29a〜第6測定箇所29fにおいて各測定時間毎の気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。また、気象データの各測定時間毎の測定が図9,10の所定高度の水平方向の第1測定箇所29a〜第6測定箇所29f(第1上空〜第n上空)で行われる場合があり、この場合は、水平方向へ移動(飛行)させた第1測定箇所29a〜第6測定箇所29fにおいて各測定時間毎の気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。
さらに、気象データの各測定時間毎の測定が図13,14の離陸地点から三次元方向へ螺旋状に上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32f(第1高度〜第n高度)で行われる場合があり、この場合は、三次元方向へ螺旋状に上昇または降下させた第1測定箇所32a〜第6測定箇所32fにおいて各測定時間毎の気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。また、気象データの各測定時間毎の測定が図17,18の各地域毎に行われる場合があり、この場合は、各地域毎における各測定時間毎の気象データを自然の気象条件で正確に測定(分析)することができる。
図20は、マルチコプター10Cを利用したデータ測定の他の一例を示す図であり、図21は、図20のマルチコプター10Cを側方から見た図である。図20に示すデータ測定におけるマルチコプター10Cでは、各種のセンサー36が着脱可能に設置される。センサー36は、支持ロッド18の頂部16に設置され、マルチコプター10Cのローターの回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間(マルチコプター10Cの上面14から上方へ離間した位置)に位置している。
センサー36には、空中の風向きを測定する風向センサー36、空中の風速を測定する風速センサー36、空中の気温(温度)を測定する気温センサー36、空中の湿度を測定する湿度センサー36、空中の気圧を測定する気圧センサー36のうちの少なくとも1つの気象データを測定する気象センサー36が使用される。
さらに、センサー36には、空中の空気に含まれる微少粒子状物質(浮遊粒子)およびエアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子)を測定するエアロゾルセンサー36(浮遊粒子計測器)、空中の空気に含まれる有害大気汚染物質(煤煙、粉塵、排ガス、有害大気汚染物質、揮発性有機化合物)を測定する大気汚染センサー36、空中の空気に含まれる放射性物質を測定する放射性物質測定センサー36のうちの少なくとも1つの成分を測定する成分測定センサー36が使用される。
微少粒子状物質を測定するセンサー36には、光散乱方式によってPM2.5を測定するPM2.5環境測定器、光散乱方式によって0.001〜10.000mg/m3の粒子を測定する粉塵計、0.1μm〜10.0μmの粒径の浮遊粒子を測定する空中浮遊粒子測定器等が使用される。エアロゾル(放射性エアロゾルを含む)を測定するセンサー36には、パーティクルカウンターや凝縮粒子カウンター等のエアロゾル測定(分析)装置が使用される。有害大気汚染物質を測定するセンサー36には、微少粒子状物質の測定に使用される機器の他に、燃焼排ガスを測定する排ガス分析計、有機化学物質を測定するVOC測定器、ホルムアルデヒドを測定するホルムアルデヒド測定器、粉塵濃度やCO濃度、CO2濃度を測定する空気質測定器等が使用される。放射性物質(放射線量)を測定するセンサー36には、各種の放射線測定器や線量計が使用される。
図20,21に示すマルチコプター10Cを利用した空気のセンシング(測定)手順の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、マップ上に上昇軌道、飛行経由地点(三次元方向の各地点)、着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(上昇速度)、上空の目標到達地点(高度および位置)等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(センシング(測定)開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に上昇する。大気環境測定方法では、マルチコプター10Cを空中へ螺旋状に連続して上昇させつつ気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを連続して取得する。
マルチコプター10Cが螺旋状に上昇する過程において、気象センサー36によって空中の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)が連続して測定され、または、成分測定センサー36によって空中の空気の成分(エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が連続して測定され、気象データや成分データがマルチコプター10Cのコントローラに送信される。マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー36や成分測定センサー36から送信された気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上の自動航行システムにリアルタイムで送信する。自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。マルチコプター10Cは、目標到達地点に達した後、目標到達地点から降下し、離陸地点(目的地)に着陸する。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、マルチコプター10Cを空中へ螺旋状に連続して上昇させつつ上空の各種の気象データや各種の成分データを連続して取得することで、一度の飛行(フライト)で上空の広い範囲における空気を連続して測定することができ、空中の正確かつ信憑性が高い連続した各種の気象データや各種の成分データを取得することができる。
図20,21に示すマルチコプター10Cを利用した空気のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、マップ上に上昇軌道、飛行経由地点(三次元方向の各地点)、着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(上昇速度)、測定時間間隔(たとえば、10秒間隔や20秒間隔等)、上空の目標到達地点(高度および位置)等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(センシング(測定)開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に上昇する。大気環境測定方法では、マルチコプター10Cを空中へ螺旋状に連続して上昇させつつ気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを所定の時間間隔で取得する。
マルチコプター10Cが螺旋状に上昇する過程において、気象センサー36によって空中の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)が時間間隔で測定され、または、成分測定センサー36によって空中の空気の成分(エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が時間間隔で測定され、気象データや成分データがマルチコプター10Cのコントローラに送信される。マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー36や成分測定センサー36から送信された気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上の自動航行システムにリアルタイムで送信する。自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。マルチコプター10Cは、目標到達地点に達した後、目標到達地点から降下し、離陸地点(目的地)に着陸する。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、マルチコプターを空中へ螺旋状に連続して上昇させつつ上空の各種の気象データや各種の成分データを所定の時間間隔で取得することで、一度の飛行(フライト)で上空の広い範囲における空気を所定の時間間隔で測定することができ、空中の正確かつ信憑性が高い所定の時間間隔における各種の気象データや各種の成分データを取得することができる。
図20,21に示すマルチコプター10Cを利用した空気のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、マップ上に上昇軌道、飛行経由地点(三次元方向の各地点)、着陸地点(目的地)を入力し、移動速度(上昇速度)、センシング(測定)順序(第1測定箇所35a(第1空中)→第2測定箇所35b(第2空中)→第3測定箇所35c(第3空中)→第4測定箇所35d(第4空中)→第5測定箇所35e(第5空中)→第6測定箇所35f(第6(n)空中))、第1測定箇所35a〜第6測定箇所35fの高度および位置、上空の目標到達地点(高度および位置)等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
図20,21に示すセンシング(測定)では、各測定箇所が離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に上昇した上昇軌道のうちの第1測定箇所35a〜第6測定箇所35fである。第1測定箇所35aは、離陸地点から三次元方向へ25m螺旋状に上昇した高度25m地点(第1空中)であり、第2測定箇所35bは、離陸地点から三次元方向へ50m螺旋状に上昇(第1測定箇所35aから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度50m地点(第2空中)である。
第3測定箇所35cは、離陸地点から三次元方向へ75m螺旋状に上昇(第2測定箇所35bから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度75m地点(第3空中)であり、第4測定箇所35dは、離陸地点から三次元方向へ100m螺旋状に上昇(第3測定箇所35cから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度100m地点(第4空中)である。第5測定箇所35eは、離陸地点から三次元方向へ125m螺旋状に上昇(第4測定箇所35dから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度125m地点(第5空中)であり、第6測定箇所35fは、離陸地点から三次元方向へ150m螺旋状に上昇(第5測定箇所35eから三次元方向へ25m螺旋状に上昇)した高度150m地点(第6(n)空中)である。なお、測定箇所は6箇所に限定されず、6箇所未満または7箇所以上の測定箇所を設定することができる。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(センシング(測定)開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に上昇する。大気環境測定方法では、マルチコプター10Cを空中へ螺旋状に連続して上昇させつつ気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)において取得する。
マルチコプター10Cが螺旋状に上昇する過程において、気象センサー36によって空中の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)が第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)において測定され、または、成分測定センサー36によって空中の空気の成分(エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)において測定され、気象データや成分データがマルチコプター10Cのコントローラに送信される。マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー36や成分測定センサー36から送信された気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上の自動航行システムにリアルタイムで送信する。自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。マルチコプター10Cは、目標到達地点に達した後、目標到達地点から降下し、離陸地点(目的地)に着陸する。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、マルチコプターを空中へ螺旋状に連続して上昇させつつ上空の空気の各種データを第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)において取得することで、一度のフライトで上空の広い範囲における空気を第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)において測定することができ、空中の正確かつ信憑性が高い第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)における各種の測定データを取得することができる。
図20,21に示すセンシング(測定)において、プロポ(ラジオコントロール)よる遠隔操作によってマルチコプター10Cを飛行(マニュアル飛行)させる場合、コントロールシステムのディスプレイを確認しつつ、操縦者がプロポによってマルチコプター10Cを離陸地点から三次元方向へ同心円を画くように螺旋状に次第に上昇(飛行)させ、気象センサー36や成分測定センサー36を利用して気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を連続して測定し、または、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を所定の時間間隔で測定し、あるいは、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を第1測定箇所(第1空中)〜第6測定箇所(第6(n)空中)で測定する。気象データや成分の測定結果(風向、風速、気温、湿度、気圧、エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質、飛行記録、時間情報(測定時間情報)、位置情報(座標情報)等)は、マルチコプター10Cのコントローラに記憶されるとともに、マルチコプター10Cのコントローラからプロポのコントロールシステムにリアルタイムで送信され、コントロールシステムに記憶される。
図22は、マルチコプター10Cを利用したデータ測定の他の一例を示す図であり、図23は、図22のマルチコプター10Cを側方から見た図である。図22に示すデータ測定におけるマルチコプター10Cでは、各種のセンサー36が着脱可能に設置される。センサー36は、支持ロッド18の頂部16に設置され、マルチコプター10Cのローターの回転による風の影響(気流の乱れ)を受けることがないマルチコプター10Cの上方空間(マルチコプター10Cの上面14から上方へ離間した位置)に位置している。センサー36は、図20,21において説明したそれらと同一である。
図22,23に示すマルチコプター10Cを利用した空気のセンシング(測定)手順の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、離陸地点、上空の目標到達地点(高度および位置)、マップ上に下降軌道を入力し、飛行経由地点(三次元方向の各地点)、移動速度(下降速度)、着陸地点(目的地)等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(センシング(測定)開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から上空の目標到達地点に上昇し、目標到達地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に下降する。大気環境測定方法では、マルチコプター10Cを空中から螺旋状に連続して下降させつつ気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを連続して取得する。
マルチコプター10Cが螺旋状に下降する過程において、気象センサー36によって空中の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)が連続して測定され、または、成分測定センサー36によって空中の空気の成分(エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が連続して測定され、気象データや成分データがマルチコプター10Cのコントローラに送信される。マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー36や成分測定センサー36から送信された気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上の自動航行システムにリアルタイムで送信する。自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。マルチコプター10Cは、螺旋状に降下しつつ離陸地点(目的地)に着陸する。
なお、図20,21に示すセンシング(測定)と同様に、マルチコプター10Cが離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に上昇し、気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを連続して取得した後、マルチコプター10Cが三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に下降し、気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを連続して取得することもできる。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、マルチコプター10Cを(目標到達地点)から螺旋状に連続して下降させつつ上空の各種の気象データや各種の成分データを連続して取得することで、一度の飛行(フライト)で上空の広い範囲における空気を連続して測定することができ、空中の正確かつ信憑性が高い連続した各種の気象データや各種の成分データを取得することができる。
図22,23に示すマルチコプター10Cを利用した空気のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、離陸地点、上空の目標到達地点(高度および位置)、マップ上に下降軌道を入力し、飛行経由地点(三次元方向の各地点)、移動速度(下降速度)、測定時間間隔(たとえば、10秒間隔や20秒間隔等)、着陸地点(目的地)等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(センシング(測定)開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から上空の目標到達地点に上昇し、目標到達地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に下降する。大気環境測定方法では、マルチコプター10Cを空中へ螺旋状に連続して下降させつつ気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを所定の時間間隔で取得する。
マルチコプター10Cが螺旋状に下降する過程において、気象センサー36によって空中の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)が時間間隔で測定され、または、成分測定センサー36によって空中の空気の成分(エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が時間間隔で測定され、気象データや成分データがマルチコプター10Cのコントローラに送信される。マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー36や成分測定センサー36から送信された気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上の自動航行システムにリアルタイムで送信する。自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。マルチコプター10Cは、螺旋状に降下しつつ離陸地点(目的地)に着陸する。
なお、図20,21に示すセンシング(測定)と同様に、マルチコプター10Cが離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に上昇し、気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを所定の時間間隔で取得した後、マルチコプター10Cが三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に下降し、気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを所定の時間間隔で取得することもできる。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、マルチコプターを空中(目標到達地点)から螺旋状に連続して下降させつつ上空の各種の気象データや各種の成分データを所定の時間間隔で取得することで、一度の飛行(フライト)で上空の広い範囲における空気を所定の時間間隔で測定することができ、空中の正確かつ信憑性が高い所定の時間間隔における各種の気象データや各種の成分データを取得することができる。
図22,23に示すマルチコプター10Cを利用した空気のセンシング(測定)手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。自動航行システムにおいて、離陸地点、上空の目標到達地点(高度および位置)、マップ上に下降軌道を入力し、飛行経由地点(三次元方向の各地点)、移動速度(下降速度)、センシング(測定)順序(第6測定箇所35f(第6(n)空中)→第5測定箇所35e(第5空中)→第4測定箇所35d(第4空中)→第3測定箇所35c(第3空中)→第2測定箇所35b(第2空中)→第1測定箇所35a(第1空中))、第6測定箇所35f〜第1測定箇所35aの高度および位置、着陸地点(目的地)等を入力して飛行ミッション(飛行プラン)を作成する。
図22,23に示すセンシング(測定)では、各測定箇所が目標到達地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に下降した下降軌道のうちの第6測定箇所35f〜第1測定箇所35aである。第6測定箇所35fは、空中の高度150m地点(第6(n)空中)であり、第5測定箇所35eは、目標到達地点からから三次元方向へ25m螺旋状に下降(第6測定箇所35fから三次元方向へ25m螺旋状に下降)した高度125m地点(第5空中)である。
第4測定箇所35dは、目標到達地点から三次元方向へ50m螺旋状に下降(第5測定箇所35eから三次元方向へ25m螺旋状に下降)した高度100m地点(第4空中)であり、第3測定箇所35cは、目標到達地点から三次元方向へ75m螺旋状に下降(第4測定箇所35dから三次元方向へ25m螺旋状に下降)した高度75m地点(第3空中)である。第2測定箇所35bは、目標到達地点から三次元方向へ100m螺旋状に下降(第3測定箇所35cから三次元方向へ25m螺旋状に下降)した高度50m地点(第2空中)であり、第1測定箇所35aは、目標到達地点から三次元方向へ125m螺旋状に下降(第2測定箇所35bから三次元方向へ25m螺旋状に下降)した高度25m地点(第1空中)である。なお、測定箇所は6箇所に限定されず、6箇所未満または7箇所以上の測定箇所を設定することができる。
飛行ミッションを作成した後、飛行指示(センシング(測定)開始)が自動航行システムからマルチコプター10Cのコントローラに送信されると、マルチコプター10Cは、飛行ミッションにしたがって離陸地点から目標到達地点に上昇した後、三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に下降する。大気環境測定方法では、マルチコプター10Cを目標到達地点から螺旋状に連続して下降させつつ気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)において取得する。
マルチコプター10Cが螺旋状に下降する過程において、気象センサー36によって空中の気象データ(風向、風速、気温、湿度、気圧のうちの少なくとも1つ)が第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)において測定され、または、成分測定センサー36によって空中の空気の成分(エアロゾル、有害大気汚染物質、放射性物質のうちの少なくとも1つ)が第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)において測定され、気象データや成分データがマルチコプター10Cのコントローラに送信される。マルチコプター10Cのコントローラは、気象センサー36や成分測定センサー36から送信された気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶し、気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに地上の自動航行システムにリアルタイムで送信する。自動航行システムは、マルチコプター10Cのコントローラから受信した気象データ(測定データ)や成分データ(測定データ)を時間情報や位置情報(座標情報)等とともに記憶する。マルチコプター10Cは、螺旋状に降下しつつ離陸地点(目的地)に着陸する。
なお、図20,21に示すセンシング(測定)と同様に、マルチコプター10Cが離陸地点から三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に上昇し、気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを第1測定箇所35a(第1空中)〜第6測定箇所35f(第6(n)空中)において取得した後、マルチコプター10Cが三次元方向へ同心円を画くとともに、略同一の直径の円を画くように螺旋状に次第に下降し、気象センサー36や成分測定センサー36を用いて上空の空気の各種データを第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)において取得することもできる。
マルチコプター10Cおよびマルチコプター10Cを利用した大気環境測定方法は、マルチコプターを空中(目標到達地点)から螺旋状に連続して下降させつつ上空の空気の各種データを第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)において取得することで、一度のフライトで上空の広い範囲における空気を第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)において測定することができ、空中の正確かつ信憑性が高い第6測定箇所35f(第6(n)空中)〜第1測定箇所35a(第1空中)における各種の測定データを取得することができる。