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JP2018126078A - Rnaの分析方法 - Google Patents

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JP2018126078A JP2017020279A JP2017020279A JP2018126078A JP 2018126078 A JP2018126078 A JP 2018126078A JP 2017020279 A JP2017020279 A JP 2017020279A JP 2017020279 A JP2017020279 A JP 2017020279A JP 2018126078 A JP2018126078 A JP 2018126078A
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Masayoshi Ito
昌可 伊藤
広美 末木
Hiromi Sueki
広美 末木
将平 野間
Shohei Noma
将平 野間
道平 田上
Michihira Tagami
道平 田上
長谷川 哲
Satoru Hasegawa
哲 長谷川
野口 修平
Shuhei Noguchi
修平 野口
雄也 粕川
Yuya Kasukawa
雄也 粕川
アリスター フォレスト
Forrest Alistair
アリスター フォレスト
ピエロ カルニンチ
Carninci Piero
ピエロ カルニンチ
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Abstract

【課題】完全長のRNAについて3’末端及び5’末端並びにそれらの中間領域を含めた全体の配列の解析を同一の工程で実施することが可能であるようなRNAの分析方法を提供すること。【解決手段】CAP構造を5’末端に有する全長RNAから全長cDNA第一鎖を合成する工程、全長cDNA第一鎖とそれに相補的な第二鎖とから構成されるハイブリッド、その一方の末端に付加された第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー及び第一のリード配列、並びにその他方の末端に付加された第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー及び第二のリード配列を含む二本鎖DNAを取得する工程、前記二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う工程、二本鎖DNAの増幅及び配列決定を行う工程を含む、RNAの分析方法。【選択図】なし

Description

本発明は、CAP構造を5’末端に有する全長RNAから、両末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー及びリード配列をそれぞれ有する二本鎖DNAを作製することを含む、RNAの分析方法に関する。
転写物の解析方法として、CAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法が知られている(非特許文献1)。CAGE法では、真核生物のmRNAの5’末端に存在するCAP構造を補足してcDNAを調製し、その配列を決定する。CAGE法は、転写開始点を検出でき、そして転写物の発現レベルを転写開始点ごとに定量的に解析できる方法として有用である。
しかし、転写物をより詳細に解析するためには、転写物の5’末端に加えて、下流に存在するコード領域などの中間領域や3’末端(転写終止点)を含む転写物全体を解析することが望ましい。
RNA配列の分析方法としては、イルミナ社のNextera キットによる解析手法が知られているが、この方法では5’末端又は3’末端のcDNAは回収できないため、5’末端及び3’末端の情報が欠落する。RNA配列の3’末端の解析方法としてはSAGE(Serial Analysis of Gene Expression)法が知られている(非特許文献2)。
さらに、全長RNAの解析手法としては、Smart Seq.法(非特許文献3)が知られている。
Shiraki, T. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 100, No. 26, Pages 15776-15781 (2003) Velculescu, V.E., et al., Science, Volume 270, Pages 484-487 (1995) Simone, P. et al., Nature Protocols, 9, 171-181 (2014)
非特許文献3に記載されている方法においては、5’末端側はTemplate switch法を用いており、完全な末端情報を必ずしも取得できるわけではない。すなわち、この方法では完全長cDNAを作成するにあたり、5’末端側が完全ではないことが問題点としてある。さらに、PCR工程の際に生じる増幅バイアスについても考慮していないため、発現量について正確な定量的情報を得ることは困難である。
本発明は、完全長のRNAについて5’末端及び3’末端の解析並びにそれらの中間領域を含めた全体の配列の解析を同一の工程で実施することが可能であるようなRNAの分析方法を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、全長RNAから調製したcDNA配列の両末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー及びリード配列をそれぞれ導入しておくことにより、cDNAの両端が識別可能な状態で回収され、5’末端及び3’末端並びにそれらの中間領域を含めた全体の配列の解析を同一の工程で解析できることを見出した。また、PCR工程の際に生じる増幅バイアスの問題をユニークモレキュラーアイデンティファイアーの利用により解消して定量的な解析ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> (工程1)CAP構造を5’末端に有する全長RNAと、前記全長RNAの3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマーと、DNA合成酵素とを用いて全長cDNA第一鎖を合成する工程;
(工程2)得られた全長cDNA第一鎖とそれに相補的な第二鎖とから構成されるハイブリッド、その一方の末端に付加された第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列、並びにその他方の末端に付加された第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含む二本鎖DNAを取得する工程;
(工程3)前記二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う工程、
(工程4)前記工程3で取得した二本鎖DNAを増幅する工程、及び
(工程5)前記工程4で増幅した二本鎖DNAの配列決定を行う工程、
を含む、RNAの分析方法。
<2> 工程1で使用するプライマーが、(T)x(U)y(T)zVNで示される塩基配列からなるプライマーである(式中、NはG又はA又はT又はCを示し、VはG又はC又はAを示し、xは2以上の整数を示し、yは2〜5の整数を示し、zは2〜10の整数を示す)、<1>に記載のRNAの分析方法。
<3> 工程1で得た全長cDNA第一鎖をウラシルを除去するエンドヌクレアーゼで処理して、プライマーに由来する配列を短くする工程をさらに含む、<2>に記載のRNAの分析方法。
<4> 工程2において、工程1で得た全長cDNA第一鎖の3’末端にリンカーを付加し、全長cDNA第一鎖の5’末端に、第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含むリンカーを付加し、第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列を含むプライマーを用いて第二鎖を合成することにより、二本鎖DNAを取得する、<1>から<3>の何れか一に記載のRNAの合成方法。
<5> 工程3において、トランスポゼースを用いて二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う、<1>から<4>の何れか一に記載のRNAの合成方法。
<6> 工程4において、二本鎖DNAをPCRによる増幅する、<1>から<5>の何れか一に記載のRNAの合成方法。
<7> 工程5において、決定された配列を以下のように分類することを含む、<1>から<6>の何れか一に記載のRNAの合成方法:
(a)一方の末端に第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)と第一のリード配列とを有し、他方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第二のリード配列を有する配列は転写開始点を含む配列である;、
(b)一方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第一のリード配列を有し、他方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第二のリード配列を有する配列は中間部分の配列である;及び
(c)一方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第一のリード配列を有し、他方の末端に第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)と第二のリード配列とを有する配列は転写終始点を含む配列である。
本発明のRNAの分析方法によれば、完全長のRNAについて5’末端及び3’末端の解析を同一の工程で実施することができる。
図1は、本発明の方法における工程1及び工程2の一例を示す図である。 図2は、本発明の方法における工程3〜工程5の一例を示す図である。 図3は、作製した二本鎖完全長cDNAの長さ分布を測定した結果を示す。
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明の後記する実施例においては、先ず、オリゴdT逆転写プライマーによるキャップトラッパーを用いて全長一本鎖cDNAを調製した。全長cDNAライブラリーを調製する際、両末端にオリゴヌクレオチド(リンカー又はアダプター)を連結する。cDNAの5’末端(RNAの3’末端)のアダプターに、ユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifier:UMI)及びリード配列を導入した。cDNAの3’末端(RNAの5’末端)については、プライマーを使用してUMI及びリード配列を導入した。得られた全長cDNAライブラリーを、タグメンテーション(Tagmentation、即ち、切断及び切断点へのリード配列の連結)に供して、RNA-seqライブラリーを調製した。得られたライブラリーをシークエンスすることにより、UMI及びリード配列に基づいてTSS(転写開始点)/TTS(転写終始点)タグを抽出し、参照ゲノム上にマッピングした。TSS/TTSタグのカウントは、cDNAの両末端に存在するUMIを用いて修正することによりPCRのバイアスを除外した。残りのタグを、RNA−seqとしてマッピングした。この手法により、転写領域とともに定量的なTSS/TTSの情報を得ることができる。本発明によれば、RNA全長を定量性及び方向性をもって解析することができる。
ここで、ユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifier:UMI)とは、一定の長さのランダムなヌクレオチド配列を指す。1つの核酸分子の1つの末端に1つのUMIが連結される。UMIは、連結された核酸分子が増幅された後に、同じ出発核酸分子に由来することが同定されるために十分に多様なヌクレオチド配列を有する。これにより増幅の際のバイアスを較正することができる。例えば、第一のUMIをNn(G又はA又はT又はCを示し、nは任意の整数を示す)で表すことができ、nは例えば6、7、8、9又は10である。nが8の場合(すなわち、NNNNNNNN)、第一のUMIの配列は48(65536)通りの多様性を有する。例えば、第二のUMIをVn(VはG又はC又はAを示し、nは任意の整数を示す)で表すことができ、nは例えば、7、8、9、10又は11である。nが8の場合(すなわち、VVVVVVVV)、第二のUMIの配列は38(6561)通りの多様性を有する。
また、リード配列は、二本鎖DNAの増幅及び配列決定の際に利用される特定の配列である。第一のリード配列と第二のリード配列は互いに異なる。
また本発明の方法によれば、完全長のRNA解析を同一の反応工程で行うことができる。逆転写プライマーであるオリゴdTプライマーおよび、第2鎖合成プライマーにUMI(Unique Molecular Identifier)およびNextera kitのプライマー配列を加えることにより、同一工程において5’末端及び3’末端の配列を同定して解析を行うことが可能である。
本発明によるRNA分析方法は、下記の工程1〜工程5を含む方法である。
(工程1)CAP構造を5’末端に有する全長RNAと、前記全長RNAの3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマーと、DNA合成酵素とを用いて全長cDNA第一鎖を合成する工程;
(工程2)得られた全長cDNA第一鎖とそれに相補的な第二鎖とから構成されるハイブリッド、その一方の末端に付加された第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列、並びにその他方の末端に付加された第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含む二本鎖DNAを取得する工程;
(工程3)前記二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う工程、
(工程4)前記工程3で取得した二本鎖DNAを増幅する工程、及び
(工程5)前記工程4で増幅した二本鎖DNAの配列決定を行う工程。
工程1及び工程2の一例を図1に示し、工程3〜工程5の一例を図2に示す。
工程1においては、CAP構造を5’末端に有する全長RNA(図1においてはtotalRNA/polyA tailed RNAと表示)と、前記全長RNAの3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマー(図1においてはRTプライマーと表示)と、DNA合成酵素とを用いて全長cDNA第一鎖を合成する(図1の一番上の図)。
RNAとしては、生体サンプル由来のRNAを使用することができる。
生体サンプルとは、微生物、動物および植物を含む生物;細胞;ウイルス及びプリオン等の感染粒子から得られる任意の材料である。
RNAは、リボヌクレオチドから構成される任意の形態の核酸分子である。RNAは、スプライシングされていてもスプライシングされていなくてもよく、不完全にスプライシングされていてもプロセッシングされていてもよく、その天然起源から独立していても、合成により得られても、人工的にデザインされた鋳型、mRNA、tRNA、rRNAから誘導されてもよく、またはそれらの任意の混合物であってもよい。
RNAとしては、CAP構造(キャップ構造又はキャッピング構造とも言う)を有するRNAとCAP構造を有さないRNAがある。本発明においては、CAP構造を5’末端に有する全長RNAを使用する。このようなRNAとしては真核生物のmRNAが挙げられる。真核生物のmRNAは通常、5’末端にCAP構造を、そして3’末端側にポリAテールを有する。
工程1で使用する、全長RNAの3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマーとしては、3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列を有する限り任意のものを使用することができるが、例えば、オリゴdT配列を含むプライマーを使用することができる。オリゴdT配列を含むプライマーを使用することにより、当該プライマーは、全長RNAの3’末端側にポリA配列が存在すれば、それにアニーリングすることができ、これによりRNAの3’末端側の配列の相補鎖を含む一本鎖cDNAが合成されるようになる。
工程1で使用するプライマーはより好ましくは、(T)x(U)y(T)zVNで示される塩基配列からなるプライマーである。式中、NはG又はA又はT又はCを示し、VはG又はC又はAを示し、xは2以上の整数を示し、yは2〜5の整数を示し、zは2〜10の整数を示す。上記の通り、(T)zの下流にT以外のヌクレオチド(V)を配置することによってプライマーのポリT配列をRNAのポリA配列の5’末端部分にアニーリングさせることができ、さらに、(U)yを含むプライマーを使用することにより、後の工程において、(U)yの領域を切断分解することにより、オリゴdTの長さを短くすることができる。即ち、本発明においては、工程1で得た全長cDNA第一鎖を、ウラシルを除去するエンドヌクレアーゼで処理して、プライマーに由来する配列を短くする工程をさらに含めることができる(図1においてUSERとして表示される工程)。これにより配列決定の際のTストレッチに起因する問題を解消することができる。
DNA合成酵素としては、RNAからDNAを合成する逆転写酵素を使用することができる。逆転写酵素としては、公知のものを使用でき、各種市販品を使用することができる。逆転写酵素の一例としては、SuperScriptTM III RT (サーモフィッシャー)を使用することができる。
工程2においては、工程1において得られた全長cDNA第一鎖とそれに相補的な第二鎖とから構成されるハイブリッド、その一方の末端に付加された第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列、並びにその他方の末端に付加された第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含む二本鎖DNAを取得する。
工程2の一例においては、工程1で得た全長cDNA第一鎖の3’末端にリンカー(図1において5'linkerと表示)を付加し(図1において、RT/Oxi/Bio/CapTrap/5’SSLLとして示す工程)、全長cDNA第一鎖の5’末端に、第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含むリンカー(図1において3'linkerと表示)を付加し(図1において、3’SSLLとして示す工程)、第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列を含むプライマー(図1においては2nd primerと表示)を用いて第二鎖を合成する(図1において、2ndstrand synthesisとして示す工程)ことにより、二本鎖DNAを取得することができる。
工程3においては、工程2で得られた二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う(図1及び図2において、Tagmentationとして示す工程)。
工程3においては、二本鎖DNAの切断及びリード配列の連結に利用可能な任意の手段を用いることができるが、トランスポゼースを用いて二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行うことが好ましい。この切断とリード配列(アダプター配列とも言う)の連結は、市販のキットであるNextera XT DNA Library Preparation Kit (Illumina) を用いて行うことができる。
上記した工程3により、下記の(a)〜(c)に記載した3種類の二本鎖DNAが作製されることになる。
(a)第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を含む第一のリード配列を一方の末端に有し、ユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を含まない第二のリード配列を他方の末端に有する二本鎖DNA、
(b)ユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を含まない第一のリード配列を一方の末端に有し、ユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を含まない第二のリード配列を他方の末端に有する二本鎖DNA、及び
(c)ユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を含まない第一のリード配列を一方の末端に有し、第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を含む第二のリード配列を他方の末端に有する二本鎖DNA。
工程4においては工程3で取得した二本鎖DNAを増幅する(図2において、amplificationとして示す工程)。二本鎖DNAの増幅は好ましくは、PCRにより行うことができる。PCRによる増幅のために任意のDNAポリメラーゼを使用することができる。例えば、Deep Vent、Phusion、KAPA HiFi、KOD Plusなどの商品名で市販されている酵素を用いることができる。
工程5においては、工程4で増幅した二本鎖DNAの配列決定を行う。
工程5において、決定された配列を以下のように分類することにより、転写開始点の配列と、中間部分(コード領域)の配列と、転写終始点の配列とを区別して同時に解析することが可能である。
(a)一方の末端に第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)と第一のリード配列とを有し、他方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第二のリード配列を有する配列は転写開始点を含む配列である;、
(b)一方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第一のリード配列を有し、他方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第二のリード配列を有する配列は中間部分の配列である;及び
(c)一方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第一のリード配列を有し、他方の末端に第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)と第二のリード配列とを有する配列は転写終始点を含む配列である。
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:リンカー調製
(1)リンカーオリゴ配列
以下のオリゴヌクレオチドを合成した。
5'linker N6 up: 5'- GTGGTAUCAACGCAGAGUACNNNNNN - P - 3'(配列番号1)
5'linker GN5 up: 5'- GTGGTAUCAACGCAGAGUACGNNNNN - P - 3' (配列番号2)
5'linker down: 5'- P - GTACTCTGCGTTGATACCAC - P - 3' (配列番号3)
3'linker up: 5'- AAAAABBBBBBBBGCAUCGCUGTCTCUTAUACACAUCUCCGAGCCCACGAGAC - P -3' (配列番号4)
3'linker down: 5'- GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGAGACAGCGATGC -3' (配列番号5)
P: リン酸基修飾
(2)5'linkerの調製
up鎖とdown鎖のオリゴヌクレオチドをアニーリングさせ、N6/GN5突出の二本鎖linkerを調製した。
データシートを参照し、オリゴヌクレオチドを1xTEで1.5 mMとなるように溶解し、濃度を測定した。測定した濃度をもとに、1mMになるように1xTEで調整した。以下のように試薬を混合し、軽く遠心した。
[5' N6 linker]
5' linker N6 up (1 mM) 1 μl
5' linker down (1 mM) 1 μl
1 M NaCl 1 μl
1x TE 7 μl
トータル 10 μl
[5' GN5 linker]
5' linker GN5 up (1 mM) 1 μl
5' linker down (1 mM) 1 μl
1 M NaCl 1 μl
1x TE 7 μl
トータル 10 μl
次のプログラムを実行してオリゴのup鎖とdown鎖をアニーリングさせた。
95℃ 5分 → -0.1℃ /秒で83℃まで下げる → 83℃ 5分 → -0.1℃ /秒で71℃まで → 71℃ 5分 → -0.1℃ /秒で59℃まで → 59℃ 5分 → -0.1℃ /秒で47℃まで → 47℃ 5分→ -0.1℃ /秒で35℃まで → 35℃ 5分 → -0.1℃ /秒で23℃まで → 23℃ 5分 → -0.1℃ /秒で11℃まで
アニーリングさせたlinkerを下記の通り混合し、5' linker (100μM)を調製した。
5' N6 linker 2.5 μl
5' GN5 linker 10.0 μl
一部を使用する濃度に希釈し、5' linker (10 μM)を調製した。
5' linker (100 μM) 1 μl
0.1 M NaCl 9 μl
(3)3'linkerの調製
Up鎖とdown鎖のオリゴをアニーリングさせた後、ポリメラーゼ反応により、UMI部分の相補鎖を伸長させる。
上記の(2)と同様にオリゴを溶解、濃度測定後、1mMに調整した。
以下のように試薬を混合し、軽く遠心した。
3' linker up (1 mM) 1 μl
3' linker down (1 mM) 1 μl
1M NaCl 1 μl
1x TE 7 μl
トータル 10 μl
上記(2) と同様にオリゴをアニーリングさせ、pre- 3' linker (100 μM)を調製した。
以下の試薬を混合し、10mM dVTPsを調製した。
100mM dATP/dGTP/dCTP 3 μl ずつ
水 21 μl
トータル 30 μl
以下の反応液をpre- 3'linker (100 μM) 10 μlに混合し、68℃で10分 加温し、UMI部分の相補鎖合成を行った。
水 23.2 μl
ExTaq Buffer(10×) 4 μl
10 mM dVTPs 0.8 μl
ExTaq(5U/μl) (TaKaRa) 2 μl
トータル 30 μl
AMPure XP(Agencourt AMPure XP Kit (BECKMAN COULTER))は室温で30分以上放置し、使用前に転倒混和、タッピング、ボルテックス等でよく混合した。
合成反応後のサンプル40 μlにAMPure XP を72 μl添加し、ピペッティングで十分に混合した。さらにイソプロパノールを88 μl添加し、ピペッティングで十分に混合した後、室温で5分間静置した。プレートをマグネチックバー(DynaMagTM-96 Side Skirted (サーモフィッシャー))にセットし、5分間静置した後、上清を除いた。プレートをマグネチックバーにセットした状態のまま、200 μlの70% エタノールを添加し、上清を静かに除いた。エタノールによる洗浄を2回繰り返した。37℃で加温した42 μlの水を添加し、凝集したビーズを60回ほどピペッティングして十分に懸濁した後、37℃で5分間加温した。プレートをマグネチックバーにセットし、5分間静置した後、上清40 μlを静かに回収し、新しい16ウェルプレートに移した。回収した上清40 μlに、以下の試薬を混合し、3'linker (10 μM)を調製した。
1 M NaCl 10 μl
水 50 μl
実施例2:library作成
(1)逆転写反応
16ウェルプレート(16 well micro PCR plate, clear (AXYGEN社))に、1ウェルあたり7.5 μgのTHP-1 total RNA、1 μlの100 μM RT primer(5'- TTTTTTTTUUUTTTTTVN -3') (配列番号6)を加え、水で全量を10 μlにした。このRNA/primer mixを4ウェル分作成した。[(13)SAP/USER処理]までは、4ウェルに分けたまま進めた。プレートをサーマルサイクラーにセットし、65℃ 5分間加温して熱変性させた後、氷上に2分間置いた。反応液を下記の通り調製した。下記は1サンプル分。4.4サンプル分まとめて調整した。
水 6.1 μl
5× First-Strand Buffer 7.6 μl
0.1 M DTT 1.9 μl
10 mM dNTPs 1.0 μl
4.9M Trehalose/2.12M Sorbitol mix 7.6 μl
SuperScript TM III RT (200 U/μl) (サーモフィッシャー)3.8 μl
トータル 28 μl
28 μlの反応液を氷上のRNA/primer mix それぞれに添加し、混合した。50℃60分、55℃10分 加温して、逆転写反応を行い、cDNA/RNA hybridを作製した。
(2)精製
RNAClean XP(Agencourt RNAClean XP Kit (BECKMAN COULTER))は室温で30分以上放置し、使用前に転倒混和、タッピング、ボルテックス等でよく混合した。逆転写反応後のサンプル38 μlにRNAClean XP を68.4 μl ずつ添加し、ピペッティングで十分に混合した後、室温で5分間静置した。プレートをマグネチックバーにセットし、5分間静置した後、上清を除いた。プレートをマグネチックバーにセットした状態のまま、200 μlの70% エタノールを添加し、上清を静かに除いた。エタノールによる洗浄を2回繰り返した。37℃で加温した42 μlの水を添加し、凝集したビーズを60回ほどピペッティングして十分に懸濁した後、37℃で5分間加温した。プレートをマグネチックバーにセットし、5分間静置した後、上清を静かに回収し、新しい16ウェルプレートに移した。
(3)酸化反応
精製した逆転写反応後のサンプル40 μlを氷上に置いたまま、それぞれ以下の試薬を混合し、遮光した状態で30分間静置した。
1 M NaOAc (pH4.5) 2 μl
250 mM NaIO4 2 μl
16 μlの1 M Tris-HCl (pH8.5)を添加し、混合した。「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、酸化反応後のサンプル60 μlに添加するRNAClean XPの量は108 μlとした。
(4)ビオチン化反応
精製した酸化反応後のサンプル40 μlに以下の試薬を混合し、65℃で30分 加温した。
1 M NaOAc (pH6.0) 4 μl
10mM Biotin Hydrazide 4 μl
「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、ビオチン化反応後のサンプル48 μlに添加するRNAClean XPの量は108 μlとし、さらにイソプロパノールも12 μl加えた。
(5)キャップトラップの準備
4.4サンプル分のビーズを1本のチューブで準備した。1サンプル当たり30μlのDynabeads(登録商標) M-270 Streptavidin(サーモフィッシャー)を1.5 ml チューブに入れ、マグネチックスタンド(Dynal MPC-S (サーモフィッシャー))上に静置し、ビーズを分離させて上清を除いた。マグネチックスタンドからチューブを外し、1サンプル当たり30 μlのWash buffer A(4.5 M NaCl, 50 mM EDTA (pH8.0), 0.1% Tween20)で懸濁し、マグネチックスタンドで分離させてから上清を除いた。これを2回繰り返した。1サンプル当たり105 μlのWash buffer Aでビーズを再懸濁し、使用するまで氷上に置いておいた。
(6)RNaseONE処理
精製したビオチン化反応後のサンプル40μlに以下の試薬を混合し、37 ℃で30分 加温した。
RNaseONE buffer, 10× 4.5 μl
RNase ONE TM Ribonuclease (10 U/μl) (Promega) 0.5 μl
トータル 5 μl
(7)キャップトラップ
RNaseONE処理後のサンプル45μlに、「(5)キャップトラップの準備」で調製したStreptavidin ビーズ 105 μlを混合し、10分毎にピペッティングで懸濁させながら、37 ℃で30分間加温した。加温後のプレートをマグネチックバーに2分間静置し、上清を除いた。プレートをマグネチックバーからはずし、150 μlのWash buffer Aでビーズを完全に懸濁した。 プレートをマグネチックバーに2分間静置し、上清を除いた。プレートをマグネチックバーからはずし、37 ℃ で加温しておいた、150 μlのWash buffer B(10 mM Tris-HCl (pH8.5), 1 mM EDTA (pH8.0), 0.5 M NaOAc (pH6.1), 0.1% Tween20)でビーズを完全に懸濁した。プレートをマグネチックバーに2分間静置し、上清を除いた。同様に、37 ℃ で加温しておいた、150 μlのWash buffer C(0.3 M NaCl, 1 mM EDTA (pH8.0), 0.1% Tween20)でビーズを洗浄し、上清を除いた。35 μlの溶出緩衝液(1× RNaseONE buffer, 0.01% Tween20)でビーズをよく懸濁し、95℃で5分間加熱したのち、氷上にて2分間急冷した。プレートをマグネチックバーに2分間静置し、上清を新しい16ウェルプレートに回収した。30 μlの溶出緩衝液で再びビーズをよく懸濁し、同様にして上清を回収した。回収した上清は合わせて 65 μlとなった。
(8)RNase H/I処理
キャップトラップ処理後のサンプル65μlに以下の試薬を混合し、37℃で30分間加温した。
RNaseH (60 U/μl) (TaKaRa) 0.1 μl
RNase ONETM Ribonuclease (10 U/μl) 2 μl
1x RNase ONE buffer 2.9 μl
トータル 5 μl
「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、RNase H/I処理後のサンプル70 μlに添加するAMPure XPの量は126 μlとした。溶出したcDNAサンプルの一部(4μl)を、cDNA QC用にとりわけ、残りのサンプルを遠心濃縮(37℃で75分間)して乾燥させた。ペレットを3 μlの水にてよく溶解させた。
(9)cDNA QC
Quant-iTTM OliGreen(登録商標) ssDNA reagent(Component A)(サーモフィッシャー)、20× TE (Component B)の希釈液を準備した。希釈方法は製品マニュアルに従った。検量線作成のために100merのoligoを終濃度0、10、20、40、60、80、100、200 ng/mlになるように調製した。
(100mer oligo: GCATTAATGAATCGGCCAACGCGCGGGGAGAGGCGGTTTGCGTAT
TGGGCGCTCTTCCGCTTCCTCGCTCACTGACTCGCTGCGCTCGGTCGTTCGGCTG) (配列番号7)
各濃度に調製したoligo希釈溶液に等量の希釈したComponent Aを混合した(検量線溶液)。
QC用に取り分けたサンプル 4 μlに希釈したComponent A、Bを下記の通り混合した(サンプル溶液)。
1×Component B 6 μl
1×Component A 10 μl
上記の溶液(検量線溶液、サンプル溶液)を384プレートに9 μlずつ分注する。検量線溶液は各濃度3ウェルずつ、サンプル溶液は2ウェルに分注した。ARVO SX 1420 Multilabel counter (Wallac)を使用して、測定した。測定結果から検量線を引き、得られた式からサンプルの濃度を求めたところ、totalRNA 7.5 μgから9.33 ng のcDNAが得られた。
(10)5'末端リンカー連結反応
濃縮したcDNAサンプル3 μlを、95℃で5分加温して熱変性させた後、氷上に置いて急冷した。cDNAサンプルに以下の試薬をlinker、酵素の順で混合し、30℃で4時間反応させた。
10 μM 5' linker 2 μl
DNA ligation kit < Mighty mix > (TaKaRa) 10 μl
「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、連結反応後のサンプル15 μlに添加するAMPure XPの量は27μlとした。
(11)USER処理
5'末端リンカー連結反応後、精製したサンプル40 μlに、以下の試薬を混合し、37℃で30分、95℃で5分加温した後、氷上に置いて急冷した。
水 2 μl
CutSmart buffer (10×) 5 μl
USER (NEB) 3 μl
トータル 10 μl
「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、USER処理後のサンプル50 μlに添加するAMPure XPの量は90μlとした。溶出したcDNAサンプル 40μlを遠心濃縮(37℃で75分間)して乾燥させた。ペレットを4 μlの水にてよく溶解させた。
(12)3'末端リンカー連結反応
濃縮したcDNAサンプル4 μlを、95℃で5分加温して熱変性させた後、氷上に置いて急冷した。cDNAサンプルに以下の試薬をlinker、酵素の順で混合し、16℃で16時間反応させた。
10 μM 3'linker 1 μl
DNA ligation kit < Mighty mix > (TaKaRa) 10 μl
「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、連結反応後のサンプル15 μlに添加するAMPure XPの量は27μlとした。
(13)SAP/USER処理
3'末端リンカー連結反応後、精製したサンプル40 μlに、以下の試薬を混合し、37℃で30分、65℃で15分加温した後、氷上に置いた。
水 4 μl
SAP buffer (10×) 5 μl
SAP (Affymetrix) 1 μl
トータル 10 μl
SAP処理後のサンプル 50 μl に、USER 2 μlを混合し、37℃で30分、95℃で5分加温した後、氷上に置いて急冷した。「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、SAP/USER処理後のサンプル52 μlに添加するAMPure XPの量は93.6 μlとした。溶出したcDNAサンプル 40μl、4ウェル分を1本の1.5mlにまとめて、遠心濃縮(37℃で75分間)して乾燥させた。ペレットを10 μlの水にてよく溶解させて、16ウェルプレートに移した。
(14)第二鎖合成反応
濃縮したサンプル10 μlに以下の反応液を混合し、95℃ 5分、 55℃ 5分、72℃ 30分 加温して第二鎖を合成した。
(2nd strand synthesis primer:
5'- TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGNNNNNNNNGTGGTATCAACGCAGAGTAC -3') (配列番号8)
水 27 μl
Reaction Buffer(5×) 10 μl
10 mM dNTP 1 μl
100 μM 2nd strand synthesis primer 1 μl
Phusion 1 μl
トータル 40 μl
合成反応後のサンプル50 μlに、Exonuclease I (E. coli)(NEB) 1 μlを混合し、37℃ 30分加温した。「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、Exonuclease I処理後のサンプル51 μlに添加するAMPure XPの量は91.8 μlとした。再度、「(2)精製」と同様の操作を行った。但し、サンプルに添加するAMPure XPの量は56 μlとした。溶出したサンプル 40μlを遠心濃縮(37℃で75分間)して乾燥させた。ペレットを7 μlの水にてよく溶解させた。ライブラリQCの濃度測定用に1 μl、Bioanalyzer用に1 μlを取り分けた。
(15)ライブラリ QC
Quant-iTTM PicoGreen(登録商標)dsDNA reagent(Component A)(サーモフィッシャー)、20× TE (Component B)、Lambda DNA standard(Component C)の希釈液を準備した。希釈方法は製品マニュアルに従った。
検量線作成のためにComponent Cを終濃度0、10、20、40、60、80、100、200 ng/mlに調製した。各濃度に調製したComponent C溶液に等量の希釈したComponent Aを混合した(検量線溶液)。
QC用に取り分けたサンプル 1μlに希釈したComponent A、Bを下記の通り混合した(サンプル溶液)。
1×Component B 9 μl
1×Component A 10 μl
上記の溶液(検量線溶液、サンプル溶液)を384プレートに9 μlずつ分注する。検量線溶液は各濃度3ウェルずつ、サンプル溶液は2ウェルに分注した。ARVO SX 1420 Mμltilabel counter (Wallac)を使用して、測定した。測定結果から検量線を引き、得られた式からサンプルの濃度を求めたところ、0.91ngの二本鎖完全長cDNAが得られた。
取り分けておいたサンプル1μl を用いて、Agilent Bioanalyzer High Sensitivity DNA kitにて、長さ分布を測定した。Linker dimerなどの夾雑物は観察されなかった(図3)。
実施例3:Cap Trap RNA-seq (CTRS)
(1)シーケンスライブラリーの調製
完全長cDNA 100pg を分取しNextera XT DNA Library Preparation Kit (Illumina) によりトランスポゼースにより断片化とアダプター配列の付加(タグメンテーション)を行った。その後、同キット梱包のプライマーとPCR酵素を使用してPCRを行いAgencourt AMPure XP (BECKMAN COULTER) により精製しバッファー置換および反応副産物の除去を行った。手順の詳細は以下の通りである。「*」のある試薬はNextera XT DNA Library Preparation Kit (Illumina) およびNextera Index Kit(Illumina)の梱包物であることを示す
得られた完全長cDNA(0.13ng/μl) から100pg相当量を分取しヌクレアーゼフリーの純水で5μlにメスアップした。そこにTagment DNA Buffer* を10μl とAmplicon Tagment Mix* を5μl を加えて55℃で10分間インキュベートした。インキュベート後、Neutralized Buffer* を5μl 加え、5min 室温で静置した。静置後の溶液にIndex primer S507* 5μl とN702* 5μl およびNextera PCR Master Mix* 15μl を加えた。サーマルサイクラーにセットし以下の条件でPCR反応をかけた。
72℃ 3min - 95℃ 30sec -11cycle [95℃ 10sec - 55℃ 30sec - 72℃ 30sec ] - 72℃ 1min - 10℃ hold
液量(50μl) に対して1.2倍量(60μl)のAgencourt AMPure XP (BECKMAN COULTER)を使用してバッファー置換および反応副産物の除去を行った。反応生成物を可能な限り除去するため同様の精製操作をあと2回繰り返した(合計3回)。精製後のサンプル(シーケンスライブラリー)はResuspension Buffer* 20μlに溶出した。
実施例で使用したPrimer 配列
Nextera Index Kit - PCR primers 梱包品
S505
AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACAAGGAGTATCGTC(配列番号9)
N702
CAAGCAGAAGACGGCATACGAGATCTAGTACGGTCTCGTGGGCTCGG(配列番号10)
(2)シークエンスおよびデータ解析
得られたシークエンスライブラリーをHiSeq 2500(Illumina)により配列決定(シーケンス)を行った。シーケンス条件は以下の通りである。
High output mode, 100 paired-end, 1/4 lane 相当量
投入シーケンスライブラリー濃度 10pM
シーケンスにより約4400万リードを得た。
得られたリードを5' 端認識配列をもつもの、 3' 端認識配列をもつもの、いずれの認識配列も持たないもので区分したところそれぞれ18.1%, 10.6%, 64.3% であった(表1)。
得られた各区分をhuman genome参照配列にmapping したところmap率は5'端、3'端、その他のそれぞれで83.1%, 80.5%, 72.6% であった(表2)。
さらに各区分においてmapされた領域を調べたところ、各区分の大部分が期待されるトランスクリプトの領域にmapされていることが確認された(表3)。
70〜80% が解析可能なリードであり、歩留まりは良好といえる。
Upstream100, 5UTR_exon: 既知のトランスクリプトームの5'側の領域
3UTR_exon, Downstream 100:既知のトランスクリプトームの3'側の領域
Coding_exon:既知のトランスクリプトーム中に位置する領域

Claims (7)

  1. (工程1)CAP構造を5’末端に有する全長RNAと、前記全長RNAの3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマーと、DNA合成酵素とを用いて全長cDNA第一鎖を合成する工程;
    (工程2)得られた全長cDNA第一鎖とそれに相補的な第二鎖とから構成されるハイブリッド、その一方の末端に付加された第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列、並びにその他方の末端に付加された第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含む二本鎖DNAを取得する工程;
    (工程3)前記二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う工程、
    (工程4)前記工程3で取得した二本鎖DNAを増幅する工程、及び
    (工程5)前記工程4で増幅した二本鎖DNAの配列決定を行う工程、
    を含む、RNAの分析方法。
  2. 工程1で使用するプライマーが、(T)x(U)y(T)zVNで示される塩基配列からなるプライマーである(式中、NはG又はA又はT又はCを示し、VはG又はC又はAを示し、xは2以上の整数を示し、yは2〜5の整数を示し、zは2〜10の整数を示す)、請求項1に記載のRNAの分析方法。
  3. 工程1で得た全長cDNA第一鎖をウラシルを除去するエンドヌクレアーゼで処理して、プライマーに由来する配列を短くする工程をさらに含む、請求項2に記載のRNAの分析方法。
  4. 工程2において、工程1で得た全長cDNA第一鎖の3’末端にリンカーを付加し、全長cDNA第一鎖の5’末端に、第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第二のリード配列を含むリンカーを付加し、第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)及び第一のリード配列を含むプライマーを用いて第二鎖を合成することにより、二本鎖DNAを取得する、請求項1から3の何れか一項に記載のRNAの合成方法。
  5. 工程3において、トランスポゼースを用いて二本鎖DNAを切断し、かつ第一のリード配列及び第二のリード配列を連結する反応を行う、請求項1から4の何れか一項に記載のRNAの合成方法。
  6. 工程4において、二本鎖DNAをPCRによる増幅する、請求項1から5の何れか一項に記載のRNAの合成方法。
  7. 工程5において、決定された配列を以下のように分類することを含む、請求項1から6の何れか一項に記載のRNAの合成方法:
    (a)一方の末端に第一のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)と第一のリード配列とを有し、他方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第二のリード配列を有する配列は転写開始点を含む配列である;、
    (b)一方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第一のリード配列を有し、他方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第二のリード配列を有する配列は中間部分の配列である;及び
    (c)一方の末端にユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)を有さず第一のリード配列を有し、他方の末端に第二のユニークモレキュラーアイデンテフィアー(Unique molecular identifiers)と第二のリード配列とを有する配列は転写終始点を含む配列である。
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